説明

2ステージ電圧コンバータのための制御回路

【課題】効率がより高く、出費が少なく、1つのICだけでマルチステージ電圧コンバータを構成する。
【解決手段】本発明の一実施例に係わるマルチステージ電圧コンバータは、入力電圧を第1出力電圧に変換するようになっている第1ステージのコンバータと、前記第1ステージのコンバータからの前記第1出力電圧を受け、第2出力電圧を発生するようになっている少なくとも1つの第2ステージのコンバータと、
前記第1ステージのコンバータと前記第2ステージのコンバータの双方を制御するようになっている、単一パッケージ内に設けられた制御回路とを備えている。
制御回路は、閉ループフィードバックを使って、第1ステージのコンバータと第2ステージのコンバータとを別々に制御できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2ステージ(2段)電圧コンバータのための制御回路に関する。
【背景技術】
【0002】
マルチフェー(多相)インターリーブバックコンバータは、コンピュータのマザーボードにおける電圧レギュレータとして、一般に使用されている。このマルチフェーズコンバータは、一般に、並列に接続され、位相シフトされた数個の同期バックコンバータを備えている。このコンバータは、一般に、12Vの入力を変換し、約1.3Vの電圧、および少なくとも100Aの電流を、CPUソケットに供給する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
最近、CPUクロック速度が次第に速くなるという傾向が進んだ結果、CPUが必要とする電流が増加し、CPUソケットのスルーレートの条件も増加している。
【0004】
ちなみに、一般にCPUの電圧条件は低下したが、電圧入力は、上記のように過去の約5Vから、一般的な12Vの入力に変化した。当然ながら、時間が経過するにつれ、これらニーズの変化に合うような電圧レギュレータが出現した。
【0005】
すなわち、電流を追加できるように、別の位相が追加され、必要なスルーレートを提供できるように、別の出力コンデンサが追加された。更に、コンバータのデューティサイクルは低下した。その結果、コンバータは、上記のように、追加位相およびコンデンサを収容するための、より広いボードスペースが必要となった。
【0006】
これらの問題に対する1つの解決案は、2ステージ電圧コンバータ、または他のマルチステージ電圧コンバータを使用することである。このマルチステージ電圧コンバータでは、第1ステージに、単一フェーズ(単相)またはマルチフェーズ(多相)の同期バックコンバータが設けられ、このコンバータは、第2ステージ内のマルチフェーズ同期バックコンバータと直列に接続される。
【0007】
この第1ステージは、一般に入力電圧をステップダウンし、比較的低いスイッチング周波数を有するので、比較的効率がよい。第2ステージは、このより低い電圧を入力として取り込み、その出力は、CPUソケットに供給される。
【0008】
第2ステージは、一般に高い周波数でスイッチングされ、第1ステージから第2ステージに供給される比較的低い入力バス電圧に鑑み、周波数がより高いことは、問題を生じさせていない。このより低い電圧を使用することにより、第2ステージのより高い周波数でのスイッチング損失が低下している。
【0009】
第2ステージにおけるスイッチング周波数がより高いことにより、出力における必要なフィルタの数を少なくすることも可能となっている。したがって、インダクタが小さくなったこと、および出力コンデンサの数が少なくなった結果、部品数、ボードスペース、およびポストを節約できる。更に、高周波にすることにより、広いバンド幅を使用することが可能となっている。
【0010】
従来、第2ステージが別の独立した閉ループコントローラを使用し、かつマルチステージ電圧コントローラは、閉ループ内の第1ステージで作動させられていた。このような解決案は、良好な結果を提供できるが、2つの別個の制御ICを使用しなければならない。
【0011】
従って、コンバータの第1ステージと第2ステージの双方を制御するために、単一の制御回路、好ましくは、1つのICを利用するマルチステージ電圧コンバータを提供することが有利である。
【0012】
従って、本発明の目的は、効率がより高く、経費が少なく、上記問題を解消できるマルチステージ電圧コンバータを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一実施例に係わるマルチステージ電圧コンバータは、入力電圧を第1出力電圧に変換するようになっている第1ステージのコンバータと、前記第1ステージのコンバータからの前記第1出力電圧を受け、第2出力電圧を発生するようになっている少なくとも1つの第2ステージのコンバータと、前記第1ステージのコンバータと前記第2ステージのコンバータの双方を制御するようになっている、単一パッケージ内に設けられた制御回路とを備えている。
【0014】
本発明の別の実施例に係わるマルチステージ電圧コンバータは、入力電圧を第1出力電圧に変換するようになっている第1ステージのコンバータと、前記第1ステージのコンバータからの前記第1出力電圧を受け、第2出力電圧を発生するようになっている少なくとも1つの第2ステージのコンバータと、前記第1ステージのコンバータと前記第2ステージのコンバータの双方を制御するようになっている制御回路とを備え、前記制御回路は、前記第1ステージのコンバータのデューティサイクルが一定のままとなるように、前記第1ステージのコンバータを制御するようになっている。
【0015】
本発明の別の実施例に係わるマルチステージ電圧コンバータは、入力電圧を第1出力電圧に変換するようになっている第1ステージのコンバータと、前記第1ステージのコンバータからの前記第1出力電圧を受け、第2出力電圧を発生するようになっている少なくとも1つの第2ステージのコンバータと、前記第1ステージのコンバータと第2ステージのコンバータの双方を制御するようになっている制御回路とを備え、前記制御回路は、前記第1ステージのコンバータのデューティサイクルが、前記第2ステージのコンバータのデューティサイクルに従うように、前記第1ステージのコンバータを制御するようになっている。
【0016】
添付図面を参照して行う本発明の次の詳細な説明から、本発明の上記以外の特徴および利点が明らかとなると思う。
【0017】
本願の一実施例にかかわるマルチステージ電圧コンバータは、1つの集積回路内に設けられたマルチステージ電圧コンバータの第1ステージおよび第2ステージ(並びに、設けられている場合には、別のステージ)の各々を制御するための制御回路を備えている。
【0018】
上記のように、第1ステージのための閉ループコントローラおよび第2ステージのための別個の閉ループコントローラを設けることにより、マルチステージ電圧コンバータを閉ループ状態で制御することが一般的である。しかし、そのために、通常、2つのコントローラICを使用しなければならないので、非効率的である。
【0019】
図1〜図3は、単一集積回路内に設けられたマルチステージ電圧コンバータの第1ステージと第2ステージの双方を制御するようになっている、本発明にかかわる1つの制御用ICの3つの例を示す。図1〜図3には、一般にICと組み合わせて使用される関連するPWM、およびドライバー回路を用いないICが示されている。
【0020】
図1は、いわゆる独立/独立回路トポロジーを利用する制御用IC10を示す。図1から分かるように、IC10は、2ステージ電圧コントローラの各ステージのためのエラー増幅器EA出力12、14を備え、更にこれら各ステージからのフィードバック(FB)入力16、18も含んでいる。これら2つのステージのためのクロック周波数出力19、20も設けられている。
【0021】
更に、バイアスおよび基準出力22を介して、第1ステージおよび第2ステージをドライブするのに使用されるドライバー回路へ、バイアスおよび基準情報を提供できる。
【0022】
更に、第1ステージのための補償ネットワーク200および第2ステージのための補償ネットワーク300も示されている。このステージの補償ネットワーク200は、第1ステージの第1出力電圧VO1を受信し、フィードバック入力16へフィードバック情報を提供する。この情報は、第1エラー増幅器の出力12において、第1エラー増幅器の出力信号を発生するのにも使用される。
【0023】
同様に、第2ステージのための補償ネットワーク300は、コンバータの第2ステージからの第2出力電圧VO2を受信し、第2フィードバック入力18へフィードバック情報を提供する。この情報は、第2エラー増幅器の出力14から、第2エラー増幅器の出力信号を発生するのにも使用される。
【0024】
図2は、制御集積回路10aの別の実施例も示している。この集積回路は、マルチステージ電圧コントローラの第1ステージ、および第2ステージの双方を制御するために、固定デューティサイクル/独立回路トポロジーを使用している。
【0025】
図2に示すように、このIC10aは、第1ステージのための単一エラー増幅器の出力14aと、第2ステージからの単一フィードバック入力18aとを有する。第1ステージのデューティサイクルは一定であるので、第1ステージのためのエラー増幅器出力、またはフィードバックはない。
【0026】
しかし、この制御用IC10aは、第1ステージおよび第2ステージのためのそれぞれの2つの周波数出力19a、20aも含んでいる。バイアスおよび基準出力22aを介して、第1ステージおよび第2ステージをドライブするのに使用されるドライバー回路へ、バイアスおよび基準情報を提供できる。第2ステージのための補償回路300aは、上記補償回路300と実質的に同じように作動する。この実施例では、第1ステージのための補償回路は不要であることに留意されたい。
【0027】
図3は、マルチステージ電圧コンバータの2つのステージを制御するために、スレーブ/従属回路トポロジーを使用する制御IC10bの別の例を示す。この制御用IC10bは、単一のエラー増幅器の出力12bを発生し、この出力は、第1ステージおよび第2ステージの双方に提供される。この制御用IC10bは、第2ステージからのフィードバック入力18b、および第1ステージおよび第2ステージのためのそれぞれの2つの周波数出力19b、20bも含んでいる。
【0028】
バイアスおよび基準出力22bを介して、第1ステージおよび第2ステージをドライブするのに使用されるドライバー回路へ、バイアスおよび基準情報を提供できる。補償回路300bは、上記補償回路300と同じように作動する。この実施例においても、第1ステージのための補償回路は使用されていない。
【0029】
これら制御用IC10、10aおよび10bは、適当な制御信号を発生するよう、第1ステージおよび第2ステージに接続されている。これら制御用ICは、第1ステージおよび第2ステージへ周波数出力を提供するようになっていることが好ましい。
【0030】
これら2つの周波数信号は、異なる方法で得ることができる。その1つの方法は、2つの発振器を設け、2つの周波数信号が互いに独立することを保証する方法である。別の方法は、第1ステージまたは第2ステージの一方のスイッチング周波数を、他方のステージのスイッチング周波数の倍数に設定し、1つの発振器だけでよいようにする方法である。
【0031】
図4〜図6は、3つの制御用IC10、10aおよび10bを使用するマルチステージ電圧コンバータの実施例を示す。
【0032】
図4は、制御用IC10が、第1ステージドライバー30および複数の第2ステージドライバー40a、40b、40nに接続された制御用IC10を有するマルチステージ電圧コンバータ100を示す。このドライバー30は、第1ステージの変換デバイス35、すなわち、スイッチQ1、Q2をドライブし、出力電圧VO1を発生する。
【0033】
このドライバー40a、40b、40nは、第2ステージの変換デバイス45a、45b、45nをドライブするのに同じように使用される。図示するように、抵抗器R1、R2によって形成された抵抗分圧器を介し、制御用IC10へ出力電圧VO1がフィードバック信号として提供される。しかし、第1出力電圧VO1を、このように与えなくてもよいことは理解できると思う。
【0034】
出力電圧VO1は、第1ステージの補償ネットワーク200へ与えられ、この電圧は、次に、IC10のフィードバック入力16およびエラー増幅器の出力12、並びに第1ステージのドライバーIC30のエラー増幅器の入力32へ与えられる。従って、第1ステージのドライバー30は、ドライバー30へ提供される周波数、およびエラー信号を調節するために、出力電圧VO1を利用する閉ループアーキテクチャに基づき、制御される。
【0035】
かかる閉ループシステムは、当技術分野で公知であるので、更に詳細に説明しなくてもよいと思う。
【0036】
第2ステージの出力電圧VO2は、同様に、第2ステージのための補償ネットワーク300に加えられ、次に、この電圧は、フィードバック入力18に送られる。
【0037】
IC10のエラー増幅器の出力14は、第2ステージのためのドライバー40a、40b、40nのエラー増幅器の入力42a、42b、42nに接続されている。これらのドライバーは、第2出力電圧VO2を発生する変換デバイス45a、45b、45nをドライブするのに使用される。第1ステージの出力電圧VO1は、第2ステージの変換デバイス45a、45b、45nへの入力として使用される。
【0038】
バイアスおよび基準出力22を介して、ドライバー30およびドライバー40a〜40nにも、適当なバイアスおよび基準情報が提供される。このように、出力電圧VO2がドライバー40a〜40nへ提供されるエラー信号を制御するためのフィードバックを行い、もって第2ステージのコンバータを制御するよう、閉ループアーキテクチャを使用して、第2ステージのドライバー40a、40b、40nが同様に制御される。
【0039】
従って、図4では、電圧コンバータ100の第1ステージおよび第2ステージの双方に対して閉ループ制御を行うのに、単一IC制御回路10が使用される。第1ステージに対して行われる閉ループ制御は、第2ステージに対して行われる閉ループ制御から独立しているので、このようなアプローチを、独立/独立回路トポロジーと呼ぶことは理解できると思う。
【0040】
図5は、制御用IC10aを使用するマルチステージ電圧コンバータ100’の別の例を示す。
【0041】
制御用IC10aは、第1ステージのドライバー30’および第2ステージの変換デバイス45a’、45b’、45n’をドライブする複数の第2ステージのドライバー40a’、40b’、40n’に接続されている。
【0042】
この例の回路では、ドライバー30’は、一定のデューティサイクルで作動する。エラー増幅器の入力32’は、IC10aのバイアスおよび基準出力22’に与えられており、制御用IC10aから、ドライバー30’へ一定のクロック周波数の出力が提供される。しかし、第2ステージVO2’の出力電圧は、第2ステージのための補償ネットワーク300’に与えられており、次に、この電圧は、フィードバック入力18aに与えられる。
【0043】
IC10aのエラー増幅器の出力14aは、第2ステージのためのドライバー40a’、40b’、40n’のエラー増幅器の入力42a’、42b’、42n’に与えられる。バイアスおよび基準出力22’を介し、ドライバー30’およびドライバー40a’〜40n’には、バイアスおよび基準情報も提供される。従って、図5の回路は、一定の周波数およびデューティサイクルで第1ステージを制御し、閉ループ状態で第2ステージを制御する単一集積回路のコントローラ10aを構成している。
【0044】
第1ステージの変換デバイス35’は、入力電圧を電圧VO1にステップダウンするのに使用されているが、この電圧VO1は、厳密に制御する必要はない。
【0045】
図6は、第1ステージのドライバー30”、および複数の第2ステージのドライバー40a”、40b”、40n”に接続された図3の制御用IC10bを使用するマルチステージ電圧コンバータ100”を示す。
【0046】
この例の回路では、第1ステージのドライバー30”は、第2ステージのドライバー40a”〜40n”と同じデューティサイクルで作動する。第2ステージの出力電圧VO2”は、第2ステージのための補償ネットワーク300”へフィードバックとして提供され、次にこの電圧は、フィードバック入力18aに与えられる。
【0047】
IC10bのエラー増幅器の出力14bは、第2ステージのためのドライバー40a”、40b”、40n”のエラー増幅器の入力42a”、42b”、42n”、並びにドライバー30”のエラー増幅器の入力へ提供される。バイアスおよび基準出力22”を介し、ドライバー30”およびドライバー40a”〜40n”へは、適当なバイアスおよび基準情報も提供される。
【0048】
従って、図6の回路では、第2ステージの閉ループ情報によって提供される情報に基づき、第1ステージのコンバータが制御される。すなわち、第2ステージの出力電圧VO2からのフィードバックに基づき、第2ステージのドライバーのエラー入力42a”、42b”、42n”へ提供されるのと同じエラー増幅器の出力信号が、ドライバー30”のエラー入力32”へ提供される。
【0049】
図4〜図6では、第1ステージは、単一のマルチステージ出力へ給電するように示されている。しかし、マルチ出力を有する2ステージ電圧コンバータ(またはマルチ出力を有する単一ステージのコンバータ)を設けてもよい。この場合、第1ステージは、第2ステージ電圧コンバータの入力へ、バス電圧または入力電圧を供給する。次に、第2ステージの各出力は、特定のシステムの条件を満たすように働く。
【0050】
図7は、マルチ出力制御用IC70の原理を示す。図7では、ICのピンおよびそれらの機能は、一般化されている。図7は、入力/出力ペア(入力1/出力1、入力2/出力2、...入力N/出力N)のN個のセットを示す。このような一般化された表示では、各入力/出力ペアは、1つのステージのコンバータの条件を満たすように働く。
【0051】
このステージのコンバータは、単一フェーズ(単相)のコンバータでもよいし、またはマルチフェーズ(多相)のコンバータでもよい。このステージの入力および出力は、(図8に示されるような)単一ステージのコンバータまたは(図9に示すような)マルチステージのコンバータに対しても使用できるという点で、極めて汎用性がある。
【0052】
マルチ出力制御用ICのための制御方式は、多数の可能性を有する。入力/出力ペアのすべてまたは一部は、各ステージのコンバータが、上記のように固定デューティサイクル、またはスレーブ構造で作動するステージ電圧コンバータの他の部分と共に閉ループを作動させるように構成してもよい。
【0053】
図7〜図9では、ICの制御の能力、および各ステージのコンバータのコンフィギュレーションは一般化されている。
【0054】
更に図7〜図9では、制御用ICとドライバーは、図4〜図6のように別個に示されてはいない。設計の細部が必要性を示唆している場合、本明細書に説明した制御用ICのいずれかのための制御機能とドライバーとを統合することが可能である。
【0055】
2006年10月19日に出願された「マルチ出力コンバータおよび制御用IC」を発明の名称とする米国特許出願第11/551,054号には、マルチ出力電圧を電圧コンバータに提供するための原理が詳細に記載されている。このシステムによれば、第2ステージの各変換デバイスの出力は、異なる負荷、またはサブシステムに給電するのに使用できる。
【0056】
本願は、2ステージ電圧コンバータの第1ステージの作動を制御するための、更に別の方法を識別するものである。前に説明した方法は、閉ループフィードバックを使って双方のステージを制御することを開示するものである。
【0057】
しかし、本発明によれば、上記のような固定されたデューティサイクルおよびスレーブ構造を実現するために、制御用ICが必要とするコストおよびダイのサイズは、閉ループコントローラの場合よりも減少している。固定デューティサイクルおよびスレーブ構造の双方によって、制御用ICのまわりで必要な受動的部品の数を少なくし、しかも、第1ステージを制御することが可能となっている。
【0058】
更に、本発明の制御回路は、必要な制御用ICの数を少なくし、従って構造を簡略化できる。
【0059】
本発明によれば、従来の2つのコントローラダイよりも面積が小さく、より安価な2ステージ電圧コントローラを使用できるので、ダイ全体のコストを低減できる。
【0060】
更に本発明によれば、本発明を用いない場合、2つのICにより二重となっていた所定の共通するICの特徴/機能を組み合わせることが可能である。
【0061】
更に上記のように、本発明では、制御用ICの数を低減し、共通するICの特徴部品、および機能をまとめることができるので、制御用ICの周辺のパッシブ部品の数を低減できる。
【0062】
更に本発明によれば、より少数のICおよび受動的部品でよいので、ボード面積を小さくすることができる。
【0063】
更に、固定デューティサイクル/独立回路トポロジーと比較したときに、バス容量が少ないスレーブ/独立回路トポロジーを使用できることが理解できると思う。
【0064】
更に、上記のように、本発明は、マルチ出力制御用ICにも適用できる。このICは、回路設計者が単一またはマルチステージ電圧コンバータ構造、マルチフェーズ、および従来の単一フェーズの作動、並びにシステムのために種々の制御回路トポロジーを選択できるようにするという点で、極めて汎用性がある。
【0065】
以上、本発明の特定の実施例を参照し、本発明について説明したが、当業者には、その他の多くの変形例および変更例、並びにその他の用途が明らかであると思う。従って、本発明は、本明細書に示した特定の開示によって限定されるものでなく、特許請求の範囲のみによって定められるものである。
【0066】
関連出願とのクロスレファレンス
本願は、2005年11月28日に出願された「2ステージ電圧コンバータのための制御技術」を発明の名称とする米国仮特許出願第60/740,008号の権利を主張するものであり、この出願の内容を、本明細書で参考例として援用する。
【0067】
本願は、2005年10月28日に出願された「マルチ出力コンバータ制御用IC」を発明の名称とする米国仮特許出願第60/731,206号の権利に基づく権利を主張して2006年10月19日に出願された「マルチ出力コンバータおよび制御用IC」を発明の名称とする米国特許出願第11/551,054号にも関連し、これら双方の出願の全内容を、本明細書で参考例として援用する。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本願の一実施例に係わるマルチステージ電圧コントローラのための制御用集積回路の図である。
【図2】本願の別の実施例に係わるマルチステージ電圧コントローラのための制御用集積回路の図である。
【図3】本願の別の実施例に係わるマルチステージ電圧コントローラのための制御用集積回路の図である。
【図4】本発明の一実施例に係わる図1の制御用集積回路を使用するマルチステージ電圧コンバータの図である。
【図5】本発明の一実施例に係わる図2の制御用集積回路を使用するマルチステージ電圧コンバータの図である。
【図6】本発明の一実施例に係わる図3の制御用集積回路を使用するマルチステージ電圧コンバータの図である。
【図7】本発明の一実施例に係わるマルチ出力制御回路を示す。
【図8】本発明の一実施例に係わる図7の制御回路を使用する、単一ステージの電圧コンバータを示す。
【図9】本発明の一実施例に係わる図7の制御回路を使用する、マルチステージの電圧コンバータを示す。
【符号の説明】
【0069】
10、10a、10b 制御用IC
12、14 エラー増幅器の出力
16、18 フィードバックの入力
19、20 クロック周波数の出力
22 バイアスおよび基準出力
30 第1ステージのドライバー
35 第1ステージのコンバータデバイス
40、40a、40b、40n 第2ステージのドライバー
45a、45b、45n 第2ステージの変換デバイス
200、300 補償ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力電圧を第1出力電圧に変換するようになっている第1ステージのコンバータと、
前記第1ステージのコンバータからの前記第1出力電圧を受け、第2出力電圧を発生するようになっている少なくとも1つの第2ステージのコンバータと、
単一パッケージ内に設けられ、前記第1ステージのコンバータと前記第2ステージのコンバータの双方を制御するようになっている制御回路とを備えるマルチステージ電圧コンバータ。
【請求項2】
前記制御回路は、第1クロック周波数の信号を、前記第1ステージのコンバータに提供し、前記第1ステージのコンバータのスイッチング周波数をセットすると共に、第2クロック周波数の信号を、前記少なくとも1つの第2ステージのコンバータに提供し、前記少なくとも第2ステージのコンバータのスイッチング周波数をセットするようになっている、請求項1記載のマルチステージ電圧コンバータ。
【請求項3】
前記制御回路は、前記第1ステージのコンバータに第1のエラー増幅器の出力信号を提供し、前記第1ステージのコンバータのデューティサイクルをセットすると共に、前記少なくとも1つの第2ステージのコンバータに第2エラー増幅器の出力信号を提供し、少なくとも第2ステージのコンバータのデューティサイクルをセットするようになっている、請求項2記載のマルチステージ電圧コンバータ。
【請求項4】
前記制御回路は、前記第1ステージのコンバータ、および前記第2ステージのコンバータの双方にバイアスおよび基準信号を提供し、前記第1ステージのコンバータ、および前記第2ステージのコンバータのためのバイアス、および基準値情報をセットするようになっている、請求項3記載のマルチステージ電圧コンバータ。
【請求項5】
前記第2出力電圧を受けると共に、前記第2エラー増幅器の出力信号を発生するのに使用するための制御回路に、第2フィードバック入力を提供するようになっている第2ステージのフィードバック回路を更に含む、請求項4記載のマルチステージ電圧コンバータ。
【請求項6】
前記第1出力電圧を受けると共に、前記第1エラー増幅器の出力信号を発生するのに使用するための制御回路に、第1フィードバック入力を提供するようになっている第1ステージのフィードバック回路を更に含む、請求項5記載のマルチステージ電圧コンバータ。
【請求項7】
前記第1ステージのコンバータのデューティサイクルは、前記制御回路の第1エラー増幅器の出力信号によってセットされ、前記第2ステージのコンバータのデューティサイクルは、前記第2エラー増幅器の出力信号に基づきセットされ、前記第1エラー増幅器の出力信号と前記第2エラー増幅器の出力信号とは、互いに独立している、請求項6記載のマルチステージ電圧コンバータ。
【請求項8】
前記第1ステージのコンバータのデューティサイクルは、おおむね固定されており、前記第2ステージのコンバータのデューティサイクルを、前記第2エラー増幅器の出力信号に基づきセットするようになっている、請求項5記載のマルチステージ電圧コンバータ。
【請求項9】
前記第1ステージのコンバータのデューティサイクルは、前記第2ステージのコンバータのデューティサイクルとおおむね同一となるように、前記第1ステージのコンバータのデューティサイクルと、前記第2ステージのコンバータのデューティサイクルの双方を、前記第2エラー増幅器の出力信号に基づきセットするようになっている、請求項5記載のマルチステージ電圧コンバータ。
【請求項10】
前記制御回路は、単一の集積回路である、請求項9記載のマルチステージ電圧コンバータ。
【請求項11】
前記制御回路は、単一の集積回路である、請求項7記載のマルチステージ電圧コンバータ。
【請求項12】
前記第2ステージのコンバータは、マルチフェーズコンバータである、請求項7記載のマルチステージ電圧コンバータ。
【請求項13】
前記第1ステージのコンバータは、単一またはマルチフェーズのコンバータである、請求項1記載のマルチステージ電圧コンバータ。
【請求項14】
前記第2ステージのコンバータは、単一またはマルチフェーズのコンバータである、請求項13記載のマルチステージ電圧コンバータ。
【請求項15】
前記第2ステージのコンバータは、マルチフェーズのコンバータである、請求項8記載のマルチステージ電圧コンバータ。
【請求項16】
前記第2ステージのコンバータは、マルチフェーズのコンバータである、請求項9記載のマルチステージ電圧コンバータ。
【請求項17】
入力電圧を第1出力電圧に変換するようになっている第1ステージのコンバータと、
前記第1ステージのコンバータからの前記第1出力電圧を受け、第2出力電圧を発生するようになっている少なくとも1つの第2ステージのコンバータと、
前記第1ステージのコンバータと、前記第2ステージのコンバータの双方を制御するようになっている制御回路とを備え、この制御回路は、前記第1ステージのコンバータのデューティサイクルが一定のままとなるように、前記第1ステージのコンバータを制御するようになっているマルチステージ電圧コンバータ。
【請求項18】
入力電圧を第1出力電圧に変換するようになっている第1ステージのコンバータと、
前記第1ステージのコンバータからの第1出力電圧を受けて、第2出力電圧を発生するようになっている少なくとも1つの第2ステージのコンバータと、
前記第1ステージのコンバータと前記第2ステージのコンバータの双方を制御し、前記第1ステージのコンバータのデューティサイクルが、前記第2ステージのコンバータのデューティサイクルに従うように、前記第1ステージのコンバータを制御するようになっている制御回路とを備えるマルチステージ電圧コンバータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−151390(P2007−151390A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−319971(P2006−319971)
【出願日】平成18年11月28日(2006.11.28)
【出願人】(504392083)インターナショナル レクティファイアー コーポレイション (107)
【Fターム(参考)】