説明

3−カルボニルアミノチオフェン及び殺真菌剤としてのそれらの使用

本発明は、式(1)(式中、Hetは、酸素、窒素及びイオウから各々独立して選択された1〜3個のヘテロ原子を含む5又は6員の複素環であり、当該環は1〜3個の基R4で置換されており;R1は水素、任意に置換された(C1〜4)アルキル、ホルミル、任意に置換された(C1〜4)アルキルC(=0)、任意に置換された(C1〜4)アルキルC(=0)0、任意に置換された(C1〜4)アルコキシ(C1〜4)アルキル、任意に関されたアリル、任意に置換されたプロパルギル又は任意に置換されたアレニルであり;各R2は独立してハロゲン、任意に置換された(C1〜4)アルキル、任意に置換された(C1〜4)アルコキシ又は任意に置換された(C1〜4)アルコキシ(C1〜4)アルキルであり;R3は、チオフェン環の2位にあるかあるいは4位のいずれかでありそして3〜13個の炭素原子及び1個以上のケイ素原子を、そして任意に酸素、窒素及びイオウから独立して選択された任意に1〜13個のヘテロ原子を含む有機基でありそして1〜4個の独立して選択されたハロゲン原子により任意に置換されており;各R4は、独立してハロゲン、C1〜3アルキル、C1〜3ハロアルキル、C1〜3アルコキシ(C1〜3)アルキル又はシアノであり;rは0、1又は2であり;そしてXはO又はSである)の化合物又はそのN酸化物、これらの化合物の調製において使用する新規中間体、活性成分としての新規化合物を1種類以上含んで成る農芸化学組成物に、そして病原性微生物、好適には真菌による植物の感染症をコントロール又は予防するための、農業又は園芸学における当該活性成分の使用に関連する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケイ素含有置換基によりチオフェン環の2位又は4位において置換されている、新規チオフェン−3−アミドに関連し、それは殺微生物活性、詳細には殺真菌活性を有する。本発明はまたこれらの化合物の調製、これらの化合物の調製において使用される新規中間体、活性成分として当該新規化合物を少なくとも1種類含んで成る農芸化学組成物、当該組成物の調製並びに当該活性成分又は組成物の、植物病原性微生物、好適には真菌による植物の感染症をコントロール又は感染を予防するための農芸化学又は園芸学における使用に関連する。
【0002】
ケイ素含有置換基によって置換された、所定のチオフェンアミドはUS5739338及びWO 97/19062に開示されている。
【0003】
本発明は、式:
【化1】

(式中、Hetは、酸素、窒素及びイオウから各々独立して選択された1〜3個のヘテロ原子を含む5又は6員の複素環であり、当該環は1〜3個の基R4で置換され;R1は水素、任意に置換された(C1〜4)アルキル、ホルミル、任意に置換された(C1〜4)アルキルC(=0)、任意に置換された(C1〜4)アルキルC(=0)0、任意に置換された(C1〜4)アルコキシ(C1〜4)アルキル、任意に関されたアリル、任意に置換されたプロパルギル又は任意に置換されたアレニルであり;各R2は独立してハロゲン、任意に置換された(C1〜4)アルキル、任意に置換された(C1〜4)アルコキシ又は任意に置換された(C1〜4)アルコキシ(C1〜4)アルキルであり;
R3は、チオフェン環の2位にあるかあるいは4位のいずれかであり、そして3〜13個の炭素原子及び1個以上のケイ素原子を、そして任意に酸素、窒素及びイオウから独立して選択された1〜3個のヘテロ原子を含む有機基であり、そして独立して選択された1〜4個のハロゲン原子によって任意に置換されており;
各R4は、独立してハロゲン、C1〜3アルキル、C1〜3ハロアルキル、C1〜3アルコキシ(C1〜3)アルキル又はシアノであり;
rは0、1又は2であり;そして
XはO又はSである)
の化合物又はそのN-酸化物を提供する。
【0004】
本発明の他の観点は、上に規定された式(I)の化合物を提供するが、但し、Het環はXがOである場合には1,2,3-トリアゾールではない。
【0005】
ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素であり、好適にはフッ素、塩素又は臭素である。
【0006】
各アルキル成分は、直鎖状又は枝分かれした鎖であり、そして例えば、メチル、エチル、n-プロピル、n-ブチル、イソ-プロピル、n-ブチル、sec-ブチル、イソ-ブチル又はtert-ブチルである。
【0007】
アルキルケニル成分は、適切な場合、(E)構造又は(Z)-構造のいずれかであって良い。
【0008】
アルキル成分上に任意の置換基が各々存在する場合、アリル、プロパルギル、プロパルギル及びアレニルは、独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、カルボキシ、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、メトキシ、エトキシ、メチルスルホニル、エチルスルホニル、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、及びトリフルオロチオメトキシから選択されている。
【0009】
好適に、R1は水素、プロパルギル、アレニル、ホルミル、CH3C(=0)、C2H5C(=O)又はCH30CH2C(=0)である。
【0010】
一層好適に、R1は水素、プロパルギル、アレニル、CH3C(=0)、C2H5C(=0)又はCH30CH2C(=0)である。
【0011】
一層好適に、R1は水素である。
【0012】
好適に、各R2は独立してハロゲン、メチル、トリフルオロメチル及びトリフルオロメトキシである。
【0013】
Hetがピラゾリル、ピロリル、チオフェニル、フリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、トリアゾリル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、5.6-ジヒドロピラニル又は5.6-ジヒドロ-1.4-オキサチイニル(一層好適には、ピラゾリル、ピロリル、チオフェニル、フリル、チアゾリル、オキサゾリル、1,2,3-トリアゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、5.6-ジヒドロピラニル又は5.6-ジヒドロ-1.4-オキサチイニルである)であり、各々は1〜3個の基R4によって置換されている。
【0014】
好適に、R3は、3〜13個の炭素原子及びケイ素原子を1個以上、そして任意に各々は独立して、酸素、窒素及びイオウから選択された1〜3個のヘテロ原子を含む脂肪族の、飽和又は不飽和基であり、そしてR3は独立して選択された1〜4個のハロゲン原子により置換されている。
【0015】
一層好適に、R3はY1-Si (OmMe)(OnMe) (OpY2)(式中、m、n及びpは互いに独立して、0又は1であり;Y1は結合であるかあるいはアルカンジイル(アルキレン)、アルケニジル(アルケニレン)又はアルキンジイル(アルキニレン)であり、その各々は、枝分かれしているかあるいは枝分かれしておらず且つ1又は2個の酸素原子によって任意に中断されておりそして独立して選択された1〜3個のハロゲン原子によって任意に置換されている1〜6個の炭素原子を含み;そしてY2はアルキル又はアルケニルであり、その各々は枝分かれしているかあるいは枝分かれしておらず且つO、S及びNから選択された1個のヘテロ原子により任意に中断されており、そして独立して選択された1〜3個のハロゲン原子によって任意に置換されている1〜5個の炭素原子を含む。
【0016】
更に一層好適に、R3はSiMe3、SiMe2Et、SiMe2CHMe2、SiMe2CH2CHMe2、SiMe2CH2CMe3、SiMe20CHMe2、SiMe20CH2CHMe2、CH2SiMe3、CH2SiMe2Et、CH2SiMe2CHMe2、CH2SiMe2CH2CHMe2、CH2SiMe20Me、CH2SiMe20CHMe2、CH2SiMe20CH2CHMe2、CHMeSiMe3、CHMeSiMe20Me、(CH2)2SiMe3、(CH2)2SiMe2Et、(CH2)2SiMe2CHMe2、(CH2)2SiMe2CMe3、(CH2)2SiMe2CH2CHMe2、(CH2)2SiMe2CH2CH2Me、(CH2)2SiMe2CH2CMe3、(CH2)2SiMe20CHMe2、(CH2)2SiMe20CH2CHMe2、CHMeCH2SiMe3、CHMeCH2SiMe2Et、CHMeCH2SiMe2CH2CH2Me、CHMeCH2SiMe2CHMe2、CHMeCH2SiMe2CMe3、CHMeCH2SiMe2CH2CHMe2、CFMeCH2SiMe3、CHMeCH2CH2SiMe2OMe、CHMeCH2SiMe2OCHMe2、CHMeCH2SiMe2OCH2CHMe2、CH2CHMeSiMe3、CH2CHMeSiMe2Et、CH2CHMeSiMe2CHMe2、CHMeCHMeSiMe3、CMe2CH2SiMe3、(CH2)3SiMe3、(CH2)3SiMe2Et、(CH2)3SiMe2CHMe2、(CH2)3SiMe2CH2CHMe2、(CH2)3SiMe2OMe、(CH2)3SiMe2OCHMe2、(CH2)3SiMe2OCH2CHMe2、CHMeCH2CH2SiMe3、CHMeCH2CH2SiMe2Et、CHMeCH2CH2SiMe2CHMe2、CHMeCH2CH2CH2SiMe2OMe、CHMeCH2CH2SiMe2OCHMe2、CMe=CHSiMe3又はCH2CH2SiMe2OMeである。
【0017】
一層好適に、R3はSiMe3、SiMe2Et、SiMe2CHMe2、SiMe2CH2CHMe2、SiMe2CH2CMe3、(CH2)2SiMe3、(CH2)2SiMe2Et、(CH2)2SiMe2CHMe2、(CH2)2SiMe2CMe3、(CH2)2SiMe2CH2CHMe2、CHMeCH2SiMe3、CHMeCH2SiMe2Et、CH2CHMeSiMe3、CMe2CH2SiMe3又は(CH2)3SiMe3である。
【0018】
Het環中の窒素原子は、独立して、置換されていないかあるいはR4によって置換されている。R4が窒素原子上での置換基である場合、それは好適にC1〜3アルキル、C1〜3ハロアルキル又はメトキシメチレンであり;一層好適にC1〜2アルキル、CF3、CF2Cl、CHF2、CH2F又はメトキシメチレンであり;更に一層好適にメチル、CHF2 又はメトキシメチレンであり;一層好適にメチル又はメトキシメチレンであり;そして最も好適にメチルである。
【0019】
CXNR1によって置換された原子に対して結合していないHet環中の炭素原子は、独立してR4によって置換されているかあるいは置換されていない。R4が、CXNR1によって置換された原子に対して結合していない炭素原子上の置換基である場合、それは好適にハロゲン、C1〜3アルキル、C1〜3ハロアルキル又はメトキシメチレンであり;一層好適にクロロ、メトキシメチレン、CH3、CHF2又はCF3であり;一層更に好適にクロロ、CH3、CHF2又はCF3であり;そして更に一層好適にCH3又はCF3である。
【0020】
CXNR1によって置換された原子に対して結合したHet環中の1又は2個の炭素原子があって良く;かかる炭素原子は独立して、置換されていないかあるいはR4によって置換されている。R4が、CXNR1によって置換された原子に対して結合した炭素原子上の置換基である場合、それは好適にハロゲン、C1〜3アルキル又はC1〜3ハロアルキルであり;一層好適にクロロ、フルオロ、ブロモ、C1〜2アルキル、CF3、CF2Cl、CHF2又はCH2Fであり;そして更に好適にクロロ、フルオロ、ブロモ、メチル、CF3、CHF2又はCH2Fである。
【0021】
一層好適に、CXNR1によって置換された原子に対して結合したHet環中の炭素原子が1個のみある場合、その炭素原子はR4によって置換されている。
【0022】
一層好適に、CXNR1によって置換された原子に対して結合したHet環中の炭素原子が2個ある場合、かかる炭素原子の1個はR4によって置換されておりそして他の原子は置換されていないかあるいはフルオロ、クロロ又はメチルによって置換されている。
【0023】
一層好適に、Het、R4及びCXNR1の組み合わせは、1-Me-3-R4-4-CXNR ピラゾリル、1-Me-3-R4-4-CXNR1ピロリル、2-Me-3-R4-4-CXNR1チアゾリル又は2-R4-3-CXNR1ピリジニルである。
【0024】
好適にXは酸素である。
【0025】
好適に、rは0である。
【0026】
式(I)の化合物がN-酸化物である場合、Hetは1〜3個の基R4によって置換されているピリジニルであることが好適である。
【0027】
本説明の全体に渡り、Meはメチル基を示すために使用されている。同様に、Etはエチル基を示す。
【0028】
式(IIa)及び(IIb)
【化2】

(式中、R3は上に規定した通りでありそしてAはNH2、NHCH(O)、任意に置換された(C1〜4)アルキルC(=O)NH、任意に置換された(C1〜4)アルキルOC(=O)NH、ハロゲン又はN=C (C6H5)2である)
のチオフェンは、式(I)の化合物の調製における中間体であるとして有用である。
【0029】
式(IIa)及び(IIb)
(式中、R3はSiMe2Et、SiMe2CHMe2、SiMe2CH2CHMe2、SiMe2CH2CMe3、CH=CHSiMe3、(CH2)2SiMe3、(CH2)2SiMe2Et、(CH2)2SiMe2CHMe2、(CH2)2SiMe2CMe3、(CH2)2SiMe2CH2CHMe2、CHMeCH2SiMe3、CHMeCH2SiMe2Et、CH2CHMeSiMe3、CMe2CH2SiMe3又は(CH2)3SiMe3であり;そしてAは上に定義した通りである[但し、R3がSiMe3である場合、Aはハロゲンではない])の化合物は、新規であり且つ式(I)の化合物の調製のための中間体として好適である。式(IIa)及び(IIb)(式中、R3はSiMe3であり且つAがハロゲンである)
の化合物は既に知られている。
【0030】
従って、本発明の他の観点は、式(IIa)又は(IIb)(式中、R3はSiMe3、SiMe2Et、SiMe2CHMe2、SiMe2CH2CHMe2、SiMe2CH2CMe3、CH=CHSiMe3、(CH2)2SiMe3、(CH2)2SiMe2Et、(CH2)2SiMe2CHMe2、(CH2)2SiMe2CMe3、(CH2)2SiMe2CH2CHMe2、CHMeCH2SiMe3、CHMeCH2SiMe2Et、CH2CHMeSiMe3、CMe2CH2SiMe3、(CH2)3SiMe3であり;そしてAはNH2、NHCH(O)、任意に置換された(C1〜4)アルキルC(=O)NH、任意に置換された(C1〜4)アルキルOC(=O)NH、ハロゲン又はN=C(C6H5)2であり;但しAはR3がSiMe3である場合、ハロゲンではない)を提供する。
【0031】
式(I)、(IIa)及び(IIb)の化合物は、様々な幾何異性体もしくは光学異性体においてもしくは様々な互変形態において存在しうる。本発明は、かかる異性体及び互変異性体及びそれらの全ての割合における混合物並びにジューテロ化化合物などの同位体形態を網羅する。
【0032】
下の表1〜28の化合物は本発明の特に好適な化合物であり、ここでR5、R6及びR7は互いに、独立して、上に規定したR4の例である。
【0033】
表Aは表1(Aが1である場合)を示し、表2(Aが2である場合)を示し、表3 (Aが3である場合)を示しそして表4(Aが4である場合)を示す。
【0034】
【表1】

【表2】

【表3】

【0035】
表1は式(Ia)(式中、R1、R3、R5、R6、R7及びXは表1で規定したとおりである)の86化合物を提供する。
【0036】
【化3】

【0037】
表2は式(Ib)(式中、R1、R3、R5、R6、R7及びXは表2で規定したとおりである)の86化合物を提供する。
【0038】
【化4】

【0039】
表3は式(Ic)(式中、R1、R3、R5、R6、R7及びXは表3で規定したとおりである)の86化合物を提供する。
【0040】
【化5】

【0041】
表4は式(Id)(式中、R1、R3、R5、R6、R7及びXは表4で規定したとおりである)の86化合物を提供する。
【0042】
【化6】

【0043】
表Bは表5(Bが5である場合)を示し、表6(Bが6である場合)を示し、表7(Bが7である場合)を示しそして表8(Bが8である場合)を示す。
【0044】
【表4】

【表5】

【0045】
表5は式(Ie)(式中、R1、R3、R5、R6、R7及びXは表5で規定したとおりである)の47化合物を提供する。
【0046】
【化7】

【0047】
表6は式(If)(式中、R1、R3、R5、R6、R7及びXは表6で規定したとおりである)の47化合物を提供する。
【0048】
【化8】

【0049】
表7は式(Ig)(式中、R1、R3、R5、R6、R7及びXは表7で規定したとおりである)の47化合物を提供する。
【0050】
【化9】

【0051】
表8は式(Ih)(式中、R1、R3、R5、R6、R7及びXは表8で規定したとおりである)の47化合物を提供する。
【0052】
【化10】

【0053】
表BBは表9(BBが9である場合)を示し、そして表10(BBが10である場合)を示す。
【0054】
【表6】

【0055】
表9は式(Ii)(式中、R1、R3、R5、R6、R7及びXは表9で規定したとおりである)の5化合物を提供する。
【0056】
【化11】

【0057】
表10は式(Ij)(式中、R1、R3、R5、R6、R7及びXは表10で規定したとおりである)の5化合物を提供する。
【0058】
【化12】

【0059】
表Cは表11(Cが11である場合)を示し、表12(Cが12である場合)を示し、表13(Cが13である場合)を示しそして表14(Cが14である場合)を示す。
【0060】
【表7】

【表8】

【0061】
表11は式(Ik)(式中、R1、R3、R5、R6、R7及びXは表11で規定したとおりである)の11化合物を提供する。
【0062】
【化13】

【0063】
表12は式(Il)(式中、R1、R3、R5、R6、R7及びXは表12で規定したとおりである)の35化合物を提供する。
【0064】
【化14】

【0065】
表13は式(Im)(式中、R1、R3、R5、R6、R7及びXは表13で規定したとおりである)の35化合物を提供する。
【0066】
【化15】

【0067】
表14は式(In)(式中、R1、R3、R5、R6、R7及びXは表14で規定したとおりである)の35化合物を提供する。
【0068】
【化16】

【0069】
表Dは表15(Dが15である場合)を示し、そして表16(Dが16である場合)を示し、表17(Dが17である場合)及び表18(Dが18である場合)を示す。
【0070】
【表9】

【表10】

【0071】
表15は式(Io)(式中、R1、R3、R5及びXは表15で規定したとおりである)の32化合物を提供する。
【0072】
【化17】

【0073】
表16は式(Ip)(式中、R1、R3、R5及びXは表16で規定したとおりである)の32化合物を提供する。
【0074】
【化18】

【0075】
表17は式(Iq)(式中、R1、R3、R5及びXは表17で規定したとおりである)の32化合物を提供する。
【0076】
【化19】

【0077】
表18は式(Iq)(式中、R1、R3、R5及びXは表18で規定したとおりである)の32化合物を提供する。
【0078】
【化20】

【0079】
表Eは表19(Eが19である場合)を示し、表20(Eが20である場合)を示し、表21(Eが21である場合)を示し、表22(Eが22である場合)を示し、表23(Eが23である場合)を示し、表24(Eが24である場合)を示す。
【0080】
【表11】

【表12】

【表13】

【0081】
表19は式(Is)(式中、R1、R3、R5及びXは表19で規定したとおりである)の45化合物を提供する。
【0082】
【化21】

【0083】
表20は式(It)(式中、R1、R3、R5及びXは表20で規定したとおりである)の45化合物を提供する。
【0084】
【化22】

【0085】
表21は式(Iu)(式中、R1、R3、R5及びXは表21で規定したとおりである)の45化合物を提供する。
【0086】
【化23】

【0087】
表22は式(Iv)(式中、R1、R3、R5及びXは表22で規定したとおりである)の45化合物を提供する。
【0088】
【化24】

【0089】
表23は式(Iw)(式中、R1、R3、R5及びXは表23で規定したとおりである)の45化合物を提供する。
【0090】
【化25】

【0091】
表24は式(Ix)(式中、R1、R3、R5及びXは表24で規定したとおりである)の45化合物を提供する。
【0092】
【化26】

【0093】
表25は式(Iy)(式中、R7及び(R2)rは表25で規定したとおりである)の10化合物を提供する。
【0094】
【化27】

【0095】
【表14】

【0096】
表26は式(Iz)(式中、R7及び(R2)rは表26で規定したとおりである)の10化合物を提供する。
【0097】
【化28】

【0098】
【表15】

【0099】
表Gは表27(Gが27である場合)を示し、そして表28(Gが28である場合)を示す。
【0100】
【表16】

【0101】
表27は式(IIa)(式中、R3及びAは表27に規定したとおりである)の14化合物を提供する。
【0102】
【化29】

【0103】
表28は式(IIa)(式中、R3及びAは表28に規定したとおりである)の14化合物を提供する。
【0104】
【化30】

【0105】
本説明の全体に渡り、温度は℃で表されており、「NMR」は核磁気共鳴スペクトルを意味し;MSはマススペクトルを意味し;そして「%」は、対応する濃度が他の単位で示されていない限り重量%である。以下の省略形が本明細書全体に渡り使用されている:
m.p.=融点 b.p.=沸点
s=シングレット br=ブロード
d=ダブレット dd=2組のダブレット
t=トリプレット q=クオタレット
m=マルチプレット ppm=百万分率
qd=4組のダブレット sext=セクステット
【0106】
表29は、表1〜28の化合物に関する、全てCDCl3を溶媒として(断りが無ければ;溶媒の混合物が存在すれば、これは例えば、(CDCl3/d6-DMSO)として示されている)伴う選定の融点、選定のNMRデータ及び特徴的なマススペクトルシグナル(全ての場合において全ての特徴的なデータを列挙する試みはなされていない)を示す。
【0107】
【表17】

【0108】
本発明の化合物は、以下の反応スキームに従って調製されて良く、ここで、特に断りが無い限り、各変数の定義は式(I)の化合物について上で規定したとおりである。
【0109】
式(I)の化合物を調製するための代替の方法が多くある。
【0110】
方法A
式(I)の化合物は、式(IIa)又は(IIb)[式中、AはNH2、NHCH(O)、任意に置換された(C1〜4)アルキルC(=O)NH又は任意に置換された(C1〜4)アルキルOC(=O)NHである]の化合物と式Het-C(=O)OR'[式中、R’はC1〜5アルキルである]の化合物を強塩基[例えば、NaH又はナトリウムヘキサメチルジシルアザン]を極性溶媒[好適にはTHF]の存在下で温度-10℃且つ当該溶媒の沸点[好適には周囲温度]で反応させることによって調製されて良い。J. Wangらによる記事[Synlett 2001,1485]は類似物調製の詳細を供する。AがNHCH(O)である場合、任意に置換された(C1〜4)アルキルC(=O)NH又は任意に置換された(C1〜4)アルキルOC(=O)NH;及び式(I)(式中、R1はHであるのが望ましい)の化合物は次いで、下の方法Eに従い加水分解されなければならない。
【0111】
方法B
式(I)の化合物は、式(IIa)又は(IIb)[式中、Aは上記方法Aにおいて定義したとおりである]の化合物と式Het-C(=O)R''[式中、R"はOH であるかあるいは脱離基の例えば、Cl、Br、F又はOC(=O) C1〜4アルキルである)を不活性有機溶媒[例えば、酢酸エチル、ジクロロメタン、ジオキサン、THF又はDMF]の存在下で温度-10℃且つ溶媒の沸点[好適には、周囲温度]で反応させることによって調製されて良い。もし、R"がOHであれば、反応は活性剤[例えばBOP-Cl]及び2当量の塩基[例えば、第三アミン、無機炭酸塩又は炭酸水素]の存在下で行われる。代わりに、もしR"が脱離基であれば、反応は1当量以上の塩基[例えば、ピリジン、第三アミン、有機炭酸塩又は炭酸水素;AがNHCH(O)、任意に置換された(C1〜4)アルキルC(=O)NH又は任意に置換された(C1〜4)アルキルOC(=O)NHである場合、より強力な塩基の例えば、NaH又はナトリウムヘキサメチルジシラザンが使用されている]の存在下で行われている。もし、式(I)(式中、R'がHである)の化合物が所望されている場合、方法Eに従う加水分解が続かなければならない。
【0112】
方法C
式(I)[式中、R1は上に規定された通りであるが、水素ではない]は、式(I)[式中、R1は水素である]の化合物と式R1-L1[式中、R1は上に規定した通りであるが水素ではなく;そしてL1は脱離基であり、例えばCl、Br、I、スルホネート(例えば、メシレート又はトシレート)又はOC(O)C1〜4アルキルである]の化合物を溶媒[例えば、ハロゲン化溶媒(例えば、ジクロロメタン)、エーテル、酢酸エチル、DMF又は水(二層混合物として、任意に相転移触媒の例えば、硫酸水素テトラブチルアンモニウムの存在下)]中且つ塩基[例えば、第三アミン、アルカリ炭酸塩、アルカリ重炭酸塩、アルカリ水酸化物又はNaH; L1がO(CO)C1〜4アルキルである場合は、塩基を伴わずに単に加熱することで可能である]の存在下で反応させることによって調製されて良い。
【0113】
方法D
式(I)の化合物は式(IIa)又は(IIb)[式中、Aはハロゲン、好適にブロモ又はヨードである]の化合物と式Het-C(=O)NH2の化合物をCu(I)化合物及び極性溶媒[例えば、環状エーテルの例えば、ジオキサン]の存在下で高温で、そして好適には還流温度で反応させることによって調製されて良い。CuIが、リガンド形成物質として1,2-ジアミン(例えば、1,2-ジアミノシクロヘキサン又はエチレンジアミン)及び1当量以上の塩基(例えば、アルカリ炭酸塩又はアルカリリン酸塩)の存在下、式(IIb)の化合物に対して2%〜100%(mol/mol)で使用されることが好適である。A. Klaparsら. J. Am. Chem. Soc. 123,7727 (2001)による記事は、類似調製物の詳細を提供する。
【0114】
方法E
式(I)[式中、R'はHである]の化合物は、上に規定するように、式(I)[式中、R1は上に規定したとおりであるが、Hではない]の化合物から、酸性加水分解又はアルカリ加水分解によって調製されて良い。この目的のために、化合物は水性酸又は塩基の例えば、HCl、HBr又は有機水酸化物[例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム又は水酸化バリウム]と、周囲温度又は高温において、水と混合可能である適切な溶媒[例えば、THF、ジオキサン、低級アルコール又は水自身]で処理されることによって調製されて良い。
【0115】
方法F
式(I)[R1はHである]の化合物は、式(IIa)又は(IIb)[式中、AはN=C(C6H5)2である]から、例えば、J. Ahmanら. Tetrahedron Letters 38,6363 (1997)による記事及び先に記載の方法A又はBに従い、好適には中間体の単離又は精製を伴わずに、AをNH2に転換することによって調製されて良い。
【0116】
式(IIa)及び(IIb)のいくつかの化合物は公知であり;式(IIa)又は(Ilb)の新規化合物は、下のスキームに記載されており且つ下に記載の以下の合成戦略に従って調製されて良い。
【0117】
【化31】

【0118】
段階1:前駆体置換基PS[保護されているかあるいは遊離のアミノ官能基であり、合成の後の段階でNH2に転換されて良い置換基であって良いかあるいは上に規定したAの前駆体基でありうる]、及び任意に置換基T[「Si」へと転換可能であり、上記R3かあるいはかかるR3の前駆体のいずれかである置換基を含むケイ素]を担持する式(III)の適切な前駆体から出発して、適切なSi-含有官能基(「Si」)が、オルト位に導入されて式(IV)の化合物が提供される。
【0119】
段階2:
もし必要であれば、導入された「Si」基は更に操作されて式(V)の化合物における所望置換基R3が形成される。
【0120】
段階3:
置換基Aを生じさせるためにもし前駆体置換基のもし必要であれば脱保護又は転換により、式(IIa)又は(IIb)の化合物が生じる。
【0121】
段階2及び3は逆の順番において行われて良い。
【0122】
NH2官能性に対する保護基の例は、ホルミル、アシル、ハロアシル、トリアルキルシリル、(置換された)ベンジル及びアルコキシカルボニルである。本発明の背景において有用である芳香族及び複素環式芳香族アミンを保護及び脱保護するための方法の一層包括的なリストはT. W. Green及びP. G. M. Wuts, Protective Groups in Organic Synthesis 第3版pp. 503〜614 (Wiley 1999)において発見される。
【0123】
前駆体置換基PSの例は、ニトロ及びアジド[その両方は、還元又は水素化によってNH2へと転換されて良い]、カルボキシル及びカルボキシ誘導体[それらは、イソシアネートを形成するために、例えばCurtius分解、Schmidt分解又はHofmann分解によって再配置されて良い]及びハロゲン化物及びトリフレート[それは現在「Buchwald Hartwig」反応との名前の下で現在公知のパラジウム触媒アミノ化反応(例えばJ. Ahmanら Tetrahedron Letters 38,6363 (1997)及びX. Huangら, Org. Lett. 3,3417 (2001)及び底に引用された文献を参照のこと)を介して保護又は未保護形態においてNH2に転換されて良い]である。
【0124】
NH2に対して有用な前駆体置換基の包括的な例はRodd's Chemistry of Carbon Compounds III B及びその補遺(Elsevier 1974,1981 and 1995)並びにCompendium of Organic Synthetic Methods Vols.1〜9、第7章 (Wiley 1971-2000)において発見されて良い。
【0125】
Si-含有官能基をチエニル誘導体中へと導入する(段階1)ために、様々な合成方法がアクセス可能である。化学者は、段階1のために選択した方法に従い、様々な基Tが使用されて良いことを理解するだろう。有用なT置換基の例は、ハロゲン(例えば、Cl、Br及びI)、スルホネート(例えば、トリフレート、トシレート及びメシレート)、リン酸塩、C1〜4アルキル、C2〜4アルケニル及びC2〜4アルキニルである。
【0126】
Si含有官能基の操(段階2)は刊行物中で広く知られている。最近の概観は、The Chemistry of Organosilicon Compounds, Vols. 1〜3, S. Patay, Z. Rappaport and Y. Apeloig著. Wiley, 1989,1998, 2001及びHouben- Weyl Science of Synthesis, Organometallics Vol. 4, I. Fleming著. , G. Thieme 2002に発見される。本発明と特に関連する操作の例は、Si含有基における二重又は三重結合(又はその両方)の水素化又は還元(例えば、下の実施例3、段階Bを参照のこと)、及びケイ素原子上での官能基操作(例えば、ハロゲンのアルキル又はアルコキシ基への転換)である。
【0127】
上記反応スキームの段階1の適切な修飾とともに使用されて良く且つそれ故に式(IIa)及び(IIb)の化合物の調製に特に関連する方法をいくつか示す刊行物の例にはTetrahedron 57,5339 (2001); Tetrahedron 56,2985 (2000); Tetrahedron 46,2632及び2632 (1990); W094/12505 ; J. Org. Chem. 64,2471 (1999); J. Org. Chem. 55,2993 (1990); J. Org. Chem. 51,5286 (1986); US 4777262; Zh. Obschei Khimi, 52,2767 (1982); Chemica Scripta 18,192 (1981) ; J. Med. Chem. 45,3022 (2002); A. R. M. Allison ら, Tetrahedron Letters 35,4425 (1994); Tetrahedron Letters 25,81 and 83 (1984); Tetrahedron Letters 30, 3735 (1989); Chemistry Letters 2001,386 ; Chemistry Letters 1990,2175並びにそれらに引用された参考文献が挙げられる。
【0128】
意外にも、式(I)の新規化合物は、実際の目的に関して、真菌によって並びに細菌及びウィルスによって生じる疾患に対して保護するための非常に有利な活性範囲を有する。
【0129】
式(I)の化合物は、農業分野及び関連する分野において植物病原体をコントロールするために活性成分として使用されて良い。新規化合物は、低い適用割合における優れた活性によって、植物によって十分に寛容されることによってそして環境上安全であることによって差別化されて良い。それらは非常に有用な治癒、予防及び全身特性を有し、そして多くの栽培植物を保護するために使用されている。式(I)の化合物は、有用植物の植物又は様々な穀物の植物の部分(果実、花、葉、茎、塊茎、根)において生じる有害生物を阻害又は破壊し、しかも同時に後に成長する当該植物の部分を例えば、病原性微生物から保護もする。
【0130】
式(I)の化合物を、特定の種子(果実、塊茎、穀粒)及び植物切花(plant cuttings)(例えばライス)における植物繁殖物質の処理のため、細菌感染症に対する保護のため並びに土壌における植物病原性真菌発生に対する保護のためにドレッシング剤として使用することも可能である。
【0131】
更に、本発明の化合物は関連領域における真菌をコントロールするために、食品保存、衛生管理などにおいて、例えば技術的材料の例えば、木及び木に関連した技術的産物の保護のために使用されて良い。
【0132】
式(I)の化合物は、例えば、以下の種類の植物病原性細菌に対して有効である: 不完全真菌(例えば、ボトリチス(Botrytis)、ピリクラリア(Pyricularia)、ヘルミントスポリウム(Helminthosporium)、フザリウム(Fusarium)、セプトリア(Septoria)、セルコスポーラ(Cercospora)及びアルテルナリア(Alternaria))及び担子菌類(例えば、リヒゾクトニア(Rhizoctonia)、ヘミレイア(Hemileia)、プッシニア(Puccinia))である。更に、それらは子のう菌類(例えば、ベンツリア(Venturia)及びエリシフェ(Erysiphe)、ポドスファエラ(Podosphaera)、モリニリア(Monilinia)、ウンシニューラ(Uncinula))及び卵菌鋼(例えば、フィトフトニラ(Phytophthora)、フィチウム(Pythium)、プラスモパーラ(Plasmopara))に対しても有効である。際立った活性がウドンコ病(Erysiphe spp.)に対して確認されている。更に、式Iの新規化合物は、色部病原性細菌の及びウィルス(例えば、キサントモナスspp.(Xanthomonas spp)、シュードモナス(Pseudomonas spp)、エリウィナ・アミノボーラ(Erwinia amylovora)に対して並びにタバコモザイクウィルスに対して)に対して有効である。
【0133】
発明の範囲内において、保護される標的となる植物は典型的に以下の植物の種を含んで成る: 穀類(コムギ、オオムギ、ライムギ、オートムギ、ライス、トウモロコシ、モロコシ及び類縁種);ビート(シュガービート及び飼料用ビート);ナシ状果、石果及び軟植物(リンゴ、西洋ナシ、プラム、モモ、アーモンド、サクランボ、イチゴ、ラズベリー及びブラックベリー);マメ科植物(マメ、レンティルマメ、エンドウ、ダイズ);油植物(ナタネ、マスタード、ポピー、オリーブ、ヒマワリ、ココナッツ、カスター油植物、ココア豆、ラッカセイ);キュウリ植物(カボチャ、キュウリ、メロン);繊維植物(コットン、亜麻、麻、ジュート);かんきつ果物(オレンジ、レモン、グレープフルーツ、マンダリン);野菜(ホウレンソウ、レタス、アスパラガス、キャベツ、ニンジン、タマネギ、トマト、ジャガイモ、パプリカ);レタス(アボガド、クスノキ(cinnamonum, camphor))又は植物の例えば、タバコ、ナッツ、コーヒー、ナス、サトウキビ、茶、コショウ、ワイン、ホップ、バナナ及び天然ゴム植物並びに観葉植物。
【0134】
式(I)の化合物は、非修飾形態において、又は好適に、当業界で常用に使用されているアジュバントと一緒に使用されて良い。この目的を達成するために、それらは公知の方法において都合良く、エマルション化可能濃縮物、コーティング可能ペースト、直接スプレー可能又は希釈可能溶液、希釈エマルション、可湿粉末、可溶性粉末、ダスト、顆粒、及び例えばポリマー物質における封入体においても処方されている。組成物の種類に関して、適用の方法の例えば、スプレー、噴霧、ダスト化、散布、コーティング又は分注が意図された目的及び有力な環境に従い選択されている。組成物は、更なるアジュバントの例えば、安定化剤、消泡剤、粘度調節剤、結合剤又はタッキファイヤー並びに肥料、微量栄養供与物質又は特別な効果を獲得するための他の製剤をも含む。
【0135】
適切な担体及びアジュバントは、固体又は液体であって良く、そして製剤技術において有用である物質の例えば、天然又は再生鉱物物質、溶媒、分散剤、加湿剤、タッキファイヤー、増粘剤、結合物質又は安定化剤である。かかる担体は、例えば、WO 97/33890に記載されている。
【0136】
式(I)の化合物は、組成物の形態において通常使用されており且つ処理される穀物領域又は植物に対して、更なる化合物と同時に又は順次使用されて良い。これら更なる化合物は、例えば、肥料もしくは微量栄養素供与物質もしくは植物の成長に影響を与える他の調製物である。それらは、選定の除草剤並びに殺昆虫剤、殺真菌剤、殺細菌剤、殺線虫駆除剤、軟体動物駆除剤又はそれらの調製物のいくつかの混合物であって良く、もし所望されれば、当業界で通常に使用される更なる担体、界面活性剤又は適用促進アジュバントであって良い。
【0137】
式(I)の化合物は、他の殺真菌剤との混合において使用されて良く、いくつかの場合には予想外の相乗効果がもたらされる。特に好適である混合成分はエアロゾールの例えば、アナコナゾール、BAY 14120、ビテルタノール、ブロムコナゾール、シプロコナゾール、ジフェンコナゾール、ジニコナゾール、エポキシコナゾール、フェンブコナゾール、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フルトリアホル、ヘキサコナゾール、イマザリル、イミベンコナゾール、イプコナゾール、メトコナゾール、ミクロブタニル、ペフラゾエート、ペンコナゾール、ピリフェノクス、プロシロラズ、プロピコナゾール、シメコナゾール、テブコナゾール、テトラコナゾール、トリアジメフォン、トリアジメノール、トリフルミゾール、トリチコナゾール; ピリミジニルカルビノールの例えば、アンシミドール、フェナリモル、ヌアリモル; 2-アミノピリミジンの例えば、ブピリメート、ジメチリモル、エチリモール; モルホリンの例えば、ドデモルフ、フェンプロピジン、フェンプロピモルフ、スピロキサミン、トリデモルフ: アニリノピリミジンの例えば、シプロジニル、メパニピリム、ピリメタニル: ピロールの例えば、フェンピクロニル、フルジオキソニル;フェニルアミドの例えば、ベナラキシル、フララキシル、メタラキシル、R-メタラキシル、オフレース、オキサジキシル; ベンゾイミダゾールの例えば、ベノミル、カルベンダジム、デバカルブ、フルベリダゾール、チアベンダゾール; ジカルボキシイミドの例えば、クロゾリネート、ジクロゾリン、イプロジオン、ミクロゾリン、プロシミドン、ビンクロゾリン; カルボキサミドの例えば、カルボキシン、フェンフラム、フルトラニル、メプロニル、オキシカルボキシン、チフルザミド;グアニジンの例えばグアザチン、ドジン、イミノクタジン; ストロビルウリンの例えば、アゾキシストロビン、クレソキシム-メチル、メトミノストロビン、SSF-129、トリフロキシストロビン、ピコキシストロビン、BAS 500F (提案名:ピラクロストロビン)、BAS 520; ジチオカルバメートの例えばフェルバム、マンコゼブ、メナブ、メチラム、プロピネブ、チラム、ジネブ、ジラム; N-ハロメチルチオテトラヒドロフタルイミドの例えば、カプタホル、カプタン、ジクロフルアニド、フルオロミド、ホルペット、トリフルアニド;Cu-化合物の例えば、ボルドー混合物、水酸化銅、オキシ塩化銅、硫酸銅、亜酸化銅、マンコッパー、オキシン-コッパーニトロフェノール誘導体の例えば、ジノキャップ、ニトロタール-イソプロピル;有機-p-誘導体の例えば、エジフェンフォス、イプロベンフォス、イソプロチオラン、フォスジフェン、ピラゾフォス、トルクロフォス-メチル ;他に様々な例えば、アシベンゾラル-S-メチル、アニラジン、ベンチアバリカルブ、プラスチシジン-S、シノメチオネート、クロロネブ、クロロタロニル、シフルフェナミド、シモキサニル、ジクロン、ジクロメジン、ジクロラン、ジエトフェンカルブ、ジメトモルフ、SYP-LI90 (提案名: フルモルフ)、ジチアノン、エタボキサム、エトリジアゾール、ファモキサドン、フェナミドン、フェノキサニル、フェンチン、フェリムゾン、フルアジナル、フルスルファミド、フェンヘキサミド、フォセチン-アルミニウム、ヒメキサゾール、イプベリカルブ、IKF-916 (シアゾファミド)、カスガマイシン、メタスルフォカルブ、メトラフェノン、ニコビフェン、ペンシクロン、フタリド、ポリオキシン、プロベナゾール、プロパモカルブ、ピロキロン、キノキシフェン、キントゼン、サルファ、トリアゾキシド、トリシクラゾール、トリフォリン、バリダマイシン、ゾキサミド(RH7281)が挙げられる。
【0138】
式(I)の化合物、又は当該化合物を少なくとも1種類含む農芸化学組成物を適用するための好適な方法は、葉適用である。適用の頻度と適用の割合は病原体による対応する感染症の危険性に依存するだろう。しかし、式Iの化合物は、液体製剤により植物の位置をぬらすことによって(全身作用)、又は例えば、顆粒形態において、固体形態における化合物を土壌に適用することによって(土壌適用)土壌を介し根より植物に浸透させることもできる。水稲の穀物において、顆粒は洪水にあった水田に対して適用されて良い。式Iの化合物は、種子に対して、種子又は茎を殺真菌剤の液体製剤で浸漬することによって又はそれらを固体製剤でコーティングすることによって(コーティング)適用されても良い。
【0139】
製剤[即ち、式(I)の化合物を含む組成物]及び、もし所望されれば、固体又は液体アジュバントは、公知の方法において、典型的には化合物と増量剤の例えば、溶媒、固体状担体、及び任意に界面活性化合物(界面活性剤)を密に混合すること及び/又は粉砕することによって調製されている。
【0140】
当該農芸化学製剤は、通常0.1〜99重量%、好適には0.1〜95重量%の式Iの化合物を、99.9〜1重量%、好適には99.8〜5重量%の固体又は液体アジュバント、及び0〜25重量%、好適には0.1〜25重量%の界面活性剤を含むだろう。
【0141】
適用の有利な割合は、通常5g〜2kgの活性成分(a.i.)/ヘクタール(ha)、好適には10g〜1kgのa.i./ha、最も好適には20g〜600gのa.i./haである。種子浸漬剤として使用される場合、都合良い投与量は10mg〜1gの活性物質/kg種子である。
【0142】
濃縮物として市販の製品を処方することが好適であるが、エンドユーザーは通常、希釈製剤を使用するだろう。
【0143】
以下の限定的ではない例は、上記発明を詳細に説明するだろう。
【実施例1】
【0144】
実施例1
この例は、化合物No.27.2及び1.14の調製を説明する。
段階A
4-ブロモ-3-チオフェンカルボン酸(J. Heterocyclic Chem.1999,36,761に従って調製した)(2g)、トリエチルアミン(1.5g)及びアセトン(15ml)を−10℃に冷却してギ酸クロロエチレン(ethylchloroformiate)(1.15g)をこの温度で加えた。反応混合物を室温で2時間に渡り撹拌し、0℃に冷却して水(5ml)に溶かしたアジ化ナトリウム(0.97g)を序々に加えた。2時間に渡り室温で撹拌した後、この混合物をろ過し、アセトンを蒸発させて残留物をジクロロメタンで希釈し、水で洗浄し硫酸ナトリウム上で乾燥させた。溶媒の蒸発により、1.7gのオフホワイトの粉末を獲得し、その粉末を次の段階で直接使用した。
【0145】
段階B:4-ブロモ-3-チオフェン-ホルムアミド
ギ酸(30ml)を還流まで加熱し、そしてギ酸(10ml)に溶かした段階Aの産物を滴下して加えた。この混合物を、ガスの発生が止まるまで30分に渡り加熱した。ギ酸を真空下で除去して残留物を酢酸エチルで洗浄し、そして飽和重炭酸ナトリウム溶液で洗浄した。乾燥して溶媒を除去した後、産物をシリカゲル上でクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル2:1)に掛けて1.1gの産物(m.p.108〜110℃)を獲得した。
【0146】
段階C:4-(トリメチルシリル)エチニル-3-チオフェンホルムアミド
段階Bに由来する産物(1g)、トリブチルスタニル(トリメチルシリル)アセチレン(2.16g)及びパラジウム(テトラキス)トリフェニルフォスフィン(0.28g)を脱気したトルエン(20ml)中に配置し、そしてこの混合物を窒素の雰囲気下で窒素雰囲気下16時間に渡り、還流下で加熱した。冷却後、溶媒を除去して残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル3:1)に掛けた。ヘキサンから3つの連続する結晶化後、0.3gの4-(トリメチルシリル)エチニル-3-チオフェンホルムアミドを獲得した(m.p. 90〜94℃)。
【0147】
段階D:化合物No.27.2
段階Cから獲得した産物をTHF中で、水素吸収が止まるまでチャーコール上Pd(0.3g)(10%)により水素化した。溶媒の蒸留により化合物No.27.2(0.28g)を獲得した。
【0148】
段階E:化合物No.1.14
水素化ナトリウム(0.06g)をTHF(10ml)中に分散させて混合物を氷浴により冷却した。THF(5ml)中に溶かした化合物No.27.2(0.14g)を加えて懸濁を0〜5℃で30分に渡り撹拌した。N-メチル-3-トリフルオロメチル-4-クロロカルボニルピラゾール(0.2g)をこの温度で加え、そして反応混合物を室温で一晩撹拌した。この反応混合物を水に注ぎそして酢酸エチルで抽出した。有機層を水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させて溶媒を蒸発させた。残留物をメタノール中過剰のメチラートナトリウムで処理し、次いで室温で15分後、この混合物をHClで酸性化し、そして酢酸エチルで抽出した。飽和重炭酸ナトリウムで洗浄後、硫酸ナトリウム上で乾燥させて溶媒を除去した後、残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル1:1)で洗浄し、そしてヘキサンから再結晶化し、化合物No.1.14(0.072g)を獲得した。
【0149】
実施例2
この例は、化合物No.28.2、2.85及び2.16の調製を説明する。
段階A:2-ヨード-3-ホルミルアミノチオフェン
3-ホルミルアミノ-チオフェン(21g)、N-ヨードスクシンイミド(37.2g)及びテトラクロロメタン(200ml)を一緒に3時間に渡り還流した。この反応混合物を0〜5℃に冷却してろ過した。この固体を酢酸エチルに溶かし、水酸化ナトリウム(10%溶液)で洗浄し、塩水で洗浄して硫酸ナトリウム上で乾燥させた。溶媒の蒸発及び残留物のシリカゲル上でのクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル2:1)により37.8gの産物(m.p.100〜107℃)を獲得し、それを段階Bにおいて直接使用した。
【0150】
段階B:2-(トリメチルシリルエチニル)-3-ホルムアミド-チオフェン
段階Aに由来する産物(37.8g)をDMF(500ml)とトリエチルアミン(150ml)の混合物中に溶かした。CuI(1.4g)及びビス(トリフェニルフォスフィノ)パラジウムクロリド(5.2g)を窒素の下で加えて15分後、エチニルトリメチルシラン(22g)を滴下して加えた。6時間後、溶媒を真空下で除去して残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル2:1)に掛け、2-(トリメチルシリルエチニル)-3-ホルムアミド-チオフェン(31.78g)(m.p.87〜93℃)を獲得した。
【0151】
段階C:化合物No.28.2
例1の段階Dにおける化合物No.27.2に記載したとおり、チャコール上Pd(30g)上のTHF中で段階Bに由来する産物(31.78g)の水素化により、化合物No.28.2 (26.3g)を獲得した。
【0152】
段階D:化合物No.2.85及び2.16
例1の段階Eに記載のように、化合物28.2(23.4g)を水素化ナトリウム(7.4g)及びN-メチル-3-ジフルオロメチル-4-クロロカルボニルピラゾール(30g)で処理して反応混合物を形成させた。
【0153】
化合物No.2.85を調製するために、反応混合物の1/10を水に対して注ぎ、そして酢酸エチルで抽出した。有機層を水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、そして溶媒お蒸発させた。残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル1:1)に掛け、そして化合物No.2.85を、溶媒を除去することによって単離した;収量: 0.6g。
【0154】
化合物No.2.16を調製するために、反応混合物を水酸化ナトリウム(水中100mlの10%(w/w)溶液)で処理して一晩撹拌した。この反応混合物を飽和塩化アンモニウム溶液で希釈し、酢酸エチルで抽出し、硫酸ナトリウム上で乾燥させて溶媒を減圧下で除去した。残留物をヘキサン:トルエン(3:1)により再結晶化し、化合物No.2.16(27.7g)を獲得した。
【0155】
実施例3
この例は、化合物No.6.1の調製を説明する。
段階A
無水THF(20ml)中に溶かした3-ホルミルアミノチオフェン(Bull. Soc. Chim. Fr. 1976,151)(2g)を、THF(35ml)中リチウムジイソプロピルアミン(0.035mol)の新に調製した溶液に−70℃で溶かした。この溶液を−20℃へと加熱して30分に渡り撹拌し、次いで−70℃に再度冷却し、そしてすぐにトリメチルシリルクロリド(5ml)を加えた。この温度で更なる1時間に渡り撹拌した後、混合物を序々に加熱し、そして4時間に渡り撹拌した。塩化アンモニウム飽和溶液による冷却、酢酸エチルでの抽出、硫酸ナトリウム上での乾燥、溶媒の除去及びシリカゲル上でのクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル2:1)により、2-トリメチルシリル-3-ホルミルアミノチオフェン(1.2g)(m.p.74〜76℃)を獲得した。
【0156】
段階B:化合物No.6.1
化合物No.6.1の調製を、例2の段階Dに従って、段階Aに由来する上記中間体(0.4g)、水素化ナトリウム(0.13g)、2-メチル-4-トリフルオロメチル-5-クロロカルボニルチアゾール(0.69g)及び水酸化ナトリウム(2Mの溶液1.5ml)を使用して行った。シリカゲル上でのクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル4:1)により化合物No.6.1(0.29g)を獲得した。
【0157】
式(I)の化合物に関する処方例
式Iの化合物の例えば、エマルション化可能濃縮物、溶液、顆粒、ダスト及び可湿粉末を調製するための作業手順はWO97/33890に記載されている。
【0158】
生物学的な例:殺真菌作用
実施例B-1:プッシニア・レコンジタ(Puccinia recondita)/コムギ(コムギ上での茶色化(Brownnist))に対する作用
1週齢コムギ植物cv.アリーナ(Arina)をスプレーチャンバー中、処方した試験化合物(0.02%活性成分)で処理した。適用の1日後、コムギ植物に、試験植物上へ胞子懸濁(1×105夏胞子/ml)をスプレーすることによって接種した。20℃且つ95%r.h.で2日のインキュベーション期間後、植物を温室において8日に渡り20℃且つ60%r.hで維持した。疾患の発生を接種の10日後に評価した。
【0159】
各化合物1.14、1.16、2.1、2.2、2.14、2.16、2.75、2.76、2.84、2.85及び6.01により感染は事実上完全に予防された(感染0〜5%)。
【0160】
実施例B-2:ポドスファエラ・ルーコトリカ(Podosphaera leucotricha)/リンゴ(リンゴ上でのウドンコ病)に対する作用
5週例リンゴ苗cv.マッキントッシュを、スプレーチャンバー中、処方した試験化合物(0.002%活性成分)で処理した。適用の1日後、リンゴ植物を、上記試験植物とリンゴウドンコ病を感染させた植物を振とうすることによって接種させた。22℃且つ60%のr.h.、14/10時間(明期/暗期)の光計画の下、適用の12日後、疾患の発生率を評価した。
【0161】
化合物2.14及び2.16の各々が強力な効果(感染<20%)を示した。
【0162】
実施例B-3:ベンチュリラ・イナエクアリス(Venturia inaequalis)/リンゴ(リンゴ上のコブ)
4週齢リンゴ苗cv.マッキントッシュを、スプレーチャンバー中、処方した試験化合物(0.02%活性成分)で処理した。適用の1日後、リンゴ植物を、試験植物上に胞子懸濁(4×105分生子/ml)をスプレーすることによって処理した。21℃且つ95%r.h.で4日のインキュベーション期間の後、植物を温室中21℃且つ60%r.h.で4日に渡り置いた。21℃且つ95%r.h.での更に4日のインキュベーション後、疾患の発生率を評価した。
【0163】
化合物2.14及び2.16は各々強力な効果(感染<20%)を示した。
【0164】
実施例B-4:エリシフェ・グラミニス(Erysiphe graminis)/オオムギ(オオムギ上でのウドンコ病)に対する作用
1週齢植物cv.エクスプレスをスプレーチャンバー中、処方した試験化合物(0.02%活性成分)で処理した。適用の1日後、オオムギ植物を、ウドンコ病に感染した植物と上記試験植物を振とうすることによって接種させた。温室中、20℃/18℃(昼/夜)且つ60%r.h.で6日に渡るインキュベーション期間後、疾患発生率を評価した。
【0165】
化合物1.14、1.16、2.14、2.16、2.75、2.76及び2.85は各々強力な効果(感染<20%)を示した。
【0166】
実施例B-5:ボトリチス・シネレア(Bothytis cinerea)/トマト(トマト上でのボトリチス)に対する作用
4週齢トマト植物cv.ローター・グノムをスプレーチャンバー中、処方した試験化合物(0.02%活性成分)で処理した。適用の2日後、トマト植物を、胞子懸濁(1×105分生子/ml)を試験植物上にスプレーすることによって接種させた。成長チャンバー中、20℃且つ95%r.h.で4日のインキュベーション期間後、疾患の発生率を評価した。
【0167】
化合物1.14、1.16、2.14、2.16、2.75、2.76及び2.85の各々が強力な効果(疾患活性<20%)を示した。
【0168】
実施例B-6スポドプテラ・ノドラム/コムギ(コムギ上のセプトリア葉斑点(Septoria leaf spot))に対する作用
1週齢コムギ植物cv.アリーナをスプレーチャンバー中、処方した試験化合物(0.02%活性成分)で処理した。適用の1日後、コムギ植物を、試験植物上に胞子懸濁(5×105分生子/ml)をスプレーすることによって接種させた。20℃且つ95%r.h.で1日のインキュベーション期間後、植物を温室中20℃且つ60%r.h.において10日に渡り維持した。疾患の発生を接種の11日後に評価した。
【0169】
化合物1.14、1.16、2.14、2.16、2.75、2.76及び2.85の各々が試験において良好な作用(疾患発生<60%)を示した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

(式中、Hetは、酸素、窒素及びイオウから各々独立して選択された1〜3個のヘテロ原子を含む5-又は6-員複素環であり、当該環は、1〜3個の基R4により置換されており;R1は水素、任意に置換された(C1〜4)アルキル、ホルミル、任意に置換された(C1〜4)アルキルC(=O)、任意に置換された(C1〜4)アルキルC(=O)O、任意に置換された(C1〜4)アルコキシ(C1〜4)アルキル、任意に置換されたアリル、任意に置換されたプロパルギル又は任意に置換されたアレニルであり;各R2は独立してハロゲン、任意に置換された(C1〜4)アルキル、任意に置換された(C1〜4)アルコキシ又は任意に置換された(C1〜4)アルコキシ(C1〜4)アルキルであり;R3は、チオフェン環の2位又は3位のいずれかにありそして3〜13個の炭素原子及び1個以上のケイ素原子を、そして任意に酸素、窒素及びイオウから各々独立して選択された1〜3個のヘテロ原子を含む有機基であり、そして独立して選択された1〜4個のハロゲン原子により任意に置換されており;各R4は、独立して、ハロゲン、C1〜3アルキル、C1〜3ハロアルキル、C1〜3アルコキシ(C1〜3)アルキル又はシアノであり;rは0、1又は2であり;そしてXはO又はSである)
の化合物;又はそのN-酸化物。
【請求項2】
XがOである場合に前記Het環が1,2,3-トリアゾールではない、請求項1に記載の式(I)の化合物。
【請求項3】
R1が水素、プロパルギル、アレニル、ホルミル、CH3C(=O)、C2H5C(=O)又はCH3OCH2C(=O)である請求項1又は2に記載の式(I)の化合物。
【請求項4】
各R2が独立してハロゲン、メチル、トリフルオロメチル及びトリフルオロメトキシから選択されている、請求項1、2又は3のいずれか1項に記載の式(I)の化合物。
【請求項5】
Hetが、各々1〜3個の基R4によって置換されている、ピラゾリル、ピロリル、チオフェニル、フリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、トリアゾリル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、5.6-ジヒドロピラニル又は5.6-ジヒドロ-1.4-オキサチイニルである、請求項1、2、3又は4のいずれか1項に記載の式(I)の化合物。
【請求項6】
R3が、3〜13個の炭素原子及び1個以上のケイ素原子を、そして任意に、酸素、窒素及びイオウから各々独立して選択されたヘテロ原子を1〜3個含む脂肪族の、飽和又は不飽和基であり、そして独立して選択された1〜4個のハロゲン原子により任意に置換されている、請求項1、2、3、4又は5のいずれか1項に記載の式(I)の化合物。
【請求項7】
Xが酸素である請求項1、2、3、4、5又は6のいずれか1項に記載の式(I)の化合物。
【請求項8】
式(IIa)又は(IIb):
【化2】

(式中、R3はSiMe2Et、SiMe2CHMe2、SiMe2CH2CHMe2、SiMe2CH2CMe3、CH=CHSiMe3、(CH2)2SiMe3、(CH2)2SiMe2Et、(CH2)2SiMe2CHMe2、(CH2)2SiMe2CMe3、(CH2)2SiMe2CH2CHMe2、CHMeCH2SiMe3、CHMeCH2SiMe2Et、CH2CHMeSiMe3、CMe2CH2SiMe3、(CH2)3SiMe3であり;そしてAがNH2、NHCH(O)、任意に置換された(C1〜4)アルキルC(=O)NH、任意に置換された(C1〜4)アルキルOC(=O)NH、ハロゲン又はN=C(C6H5)2であり;但し、Aは、R3がSiMe3である場合にハロゲンではない)
の化合物。
【請求項9】
微生物をコントロールし且つそれらによる植物への攻撃及び感染を予防するための組成物であって、当該活性成分が、適切な担体と一緒の請求項1に記載の式(I)の化合物である組成物。
【請求項10】
請求項1に記載の式(I)の化合物又は請求項9に記載の組成物を植物、それらの部分又はそれらがある場所に対して適用することにより植物病原性微生物による栽培植物の感染症をコントロール又は予防する方法。

【公表番号】特表2006−525252(P2006−525252A)
【公表日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−505204(P2006−505204)
【出願日】平成16年4月21日(2004.4.21)
【国際出願番号】PCT/EP2004/004194
【国際公開番号】WO2004/099195
【国際公開日】平成16年11月18日(2004.11.18)
【出願人】(500584309)シンジェンタ パーティシペーションズ アクチェンゲゼルシャフト (352)
【Fターム(参考)】