説明

3−ケトアルカン酸エステルから2−(アルコキシアルキリデン)−3−ケトアルカン酸エステルを調製および精製するためのプロセス

本発明は、そのいくつかの実施形態において、式3の化合物を調製するための新規プロセスを開示し、ここで、Rは低級アルキルであり、そしてRおよびRは、同じであっても異なっていてもよく、各々独立して、アルキル、アリールおよびアラルキルからなる群より選択され;該プロセスは、少なくとも1つのtert−アミンカルボン酸塩触媒を含む適切な溶媒中で行われる。式3の化合物は、種々の複素環式化合物の合成に有用な化学的中間体である。これらの複素環式化合物は、同様に、多様な製剤、除草剤および殺虫剤に有用な前駆体である。特に、これらの中間体は、種々のCCR5インヒビターに有用な前駆体である。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権主張)
本特許出願は、2003年7月10日に出願された米国仮特許出願番号60/486227号からの優先権の利益を主張する。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、3−ケトアルカン酸エステルから2−(アルコキシアルキリデン)−3−ケトアルカン酸エステルを合成および精製するための新規プロセスを開示する。これらの生成物は、種々の置換複素環式化合物の合成に有用な化学中間体である。これらの複素環式化合物は、同様に、多様な製剤、除草剤および殺虫剤に有用な前駆体である。特に、これらの中間体は、種々のCCR5レセプターアンタゴニストに対する有用な前駆体である。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
本発明は、3−ケトアルカン酸エステルから2−(アルコキシアルキリデン)−3−ケトアルカン酸エステルを調製するための新規プロセスに関する。このプロセスは、第三級アミンカルボン酸塩により触媒される、3−ケトアルカン酸エステルと、トリアルキルオルトエステルとの縮合により特徴付けられる。
【0004】
オルトエステルと、活性メチレン化合物(例えば、触媒の存在下における1,3−ジケトン、アシル酢酸エステル、マロン酸エステル、マロノニトリル(malononitrile)およびニトロ酢酸エステル)との反応は、2−(アルコキシアルキリデン)化合物を調製するための当該分野で周知の一般的な反応である。Robert H. DeWolfe,Carboxylic Ortho Acid Derivatives,pp231−235,Academic Press,New York,1970を参照のこと。酢酸無水物の存在下におけるトリエチルオルトギ酸エステルと種々の活性メチレン化合物との反応が、記載されている。Claisen,Ber.26,2729,(1893),Ann279,16,(1897)を参照のこと。ジエチルマロン酸塩の場合において、塩化亜鉛がまた、その反応を触媒するために必要であることが見出された。Claisenはまた、酢酸の酢酸無水物への置き換えは、十分でなかったことを見出した。他の研究者らは、酢酸無水物が、まずオルトエステルと反応して、ジアセトキシアルコキシ化合物を形成し、それが次に、活性メチレン化合物と反応して、アルコキシアルキリデン生成物を得ることを示している。Postら,J.Org.Chem.2,260(1937)を参照のこと。さらに、オルトエステルと活性メチレン化合物との間の反応は、酢酸無水物なしに進行する。Jones,J.Am.Chem.Soc.,74,4889−4891(1952)を参照のこと。US 2,824,121は、酢酸単独で触媒される、オルトエステルと、種々の活性メチレン化合物との反応のためのプロセスを開示し、権利主張している。また、三フッ化ホウ素エーテル化合物により触媒される、メチルアセト酢酸塩とトリメチルオルト酢酸塩との反応、およびエチルアセト酢酸塩とトリエチルオルト酢酸塩との反応が、開示されている。Emelineら,Zh.Obshsch.Khim.,133−134,64(1994)を参照のこと。そして、米国特許第4,808,747号は、種々の金属カルボン酸塩により触媒される、特定の活性メチレン化合物の、アルデヒドおよびケトンとの反応を開示する。
【0005】
当該分野で公知のプロセスと比較して、本発明のプロセスは、より高い収率で単離された生成物および精製の優れた方法を実現する。
【0006】
本発明の生成物(例えば、構造式3により表されるような、2−(アルコキシアルキリデン)−3−ケトアルカン酸エステル)は、種々の置換複素環式化合物の合成に有用な化学中間体である。
【0007】
【化7】

このような複素環式化合物としては、置換ピリミジン5−カルボン酸エステル、置換ピリミジン(pyrimidone)カルボン酸エステル、置換ピラゾールカルボン酸エステル、置換オキサゾールカルボン酸エステルおよび置換1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリド−5−オンが挙げられるが、これらに限定されない。これらの置換複素環式化合物は、同様に、多様な製剤、除草剤および殺虫剤に有用な前駆体である。特に、置換ピリミジン5−カルボン酸エステル中間体は、種々のCCR5インヒビター(例えば、以後議論される化合物)の有用な前駆体である。
【0008】
CCR5レセプターのアンタゴニストは、AIDSおよび関連するHIV感染症の処置に有用である。CCR5レセプターはまた、炎症性疾患(例えば、関節炎、リウマチ関節炎、アトピー性皮膚炎、乾癬、喘息およびアレルギー)における細胞輸送を媒介することが報告されており、そしてこのようなレセプターのインヒビターは、上記疾患の処置、ならびに他の炎症性疾患または状態(例えば、炎症性腸疾患、多発性硬化症、固形臓器移植拒絶、および移植片対宿主病)の処置において有用であると期待されている。
【0009】
2000年11月9日に公開されたWO 00/66559、およびU.S.6,387,930(本明細書中で参考として援用される)は、式Aのピペリジン化合物(4−[(Z)−(4−ブロモフェニル)(エトキシイミノ)メチル]−1’−[(2,4−ジメチル−1−オキシド−3−ピリジニル)カルボニル]−4’−メチル−1,4’−ビピペリジン)、その酸性塩(式Bの化合物)および式Aと式Bとを含む薬学的組成物を開示する:
【0010】
【化8】

【0011】
【化9】

式Aおよび式Bの化合物は、CCR5レセプターのアンタゴニストであり、そしてAIDSおよび関連するHIV感染症の処置に有用である。
【0012】
式Cのピペラジン化合物(ピペリジン,4[4−[(1R)−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−メトキシエチル]−(3S)−メチル−1−ピペラジニル]−4−メチル−1−[(4,6−ジメチル−5−ピリミジニル)カルボニル])、その酸性塩(式D)、および式Cと式Dの化合物を含む薬学的組成物が、米国特許第6,391,865号に開示される。式Cのピペラジン化合物(遊離塩基)および式Dに示されるその酸性塩が、CCR5レセプターのアンタゴニストとして有用であると、その特許明細書中に開示されている。
【0013】
【化10】

本明細書中に記載される本発明のプロセスは、2−(アルコキシアルキリデン)−3−ケトアルカン酸エステル(式3の化合物)を作製するのに使用され得、これは、一般に、置換ピリミジン5−カルボン酸エステル中間体を作製するために使用され得る。次いで、この置換ピリミジン5−カルボン酸エステルは、式A、式B、式Cおよび式Dの化合物に変換され得る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
CCR5レセプターのアンタゴニストの重要性の観点から、そのようなアンタゴニストを生成する新規の方法(同じものについて前駆体および中間体を作製する新規でより効率的かつより安価な手段を含む)は、常に興味深い。
【課題を解決するための手段】
【0015】
(発明の要旨)
本発明は、式3の2−(アルコキシアルキリデン)−3−ケトアルカン酸エステル化合物:
【0016】
【化11】

を調製するための新規かつ簡便なプロセスを開示し、
ここで、Rは低級アルキルであり;そしてRおよびRは同じであっても異なっていてもよく、各々独立して、アルキル、アリールおよびアラルキルからなる群より選択され;このプロセスは、以下の工程を包含する:
少なくとも1つの触媒および少なくとも1つの溶媒の存在下で、式1:
【0017】
【化12】

の3−ケトエステル化合物を、式2:
【0018】
【化13】

のオルトエステル化合物と反応させ、式3の化合物を得る工程。本発明者らは、少なくとも1つの第三級アミン(「tert−アミン」)カルボン酸塩の触媒としての使用が、このプロセスを、式3の化合物を調製するためのより効率が高く経済的な方法にすることを見出した。
【0019】
当該分野で公知のプロセスと比較して、本発明の新規触媒を使用する本プロセスは、式3の化合物の単離および精製のための効率的で優れた方法を提供する。
【0020】
(発明の詳細な説明)
本明細書中で使用される場合、以下の用語は、他に定義されない限り以下の意味を有する。
【0021】
アルキル−は、直線状または分枝状の炭素鎖を表し、そして1〜12個の炭素原子、好ましくは1〜6個の炭素原子を含む。「低級アルキル」は、直線状でも分枝状でもよい鎖において約1〜約4個の炭素原子を有する基を意味する。アルキル基は、同じかまたは異なり得る1つ以上の置換基により置換され得、各置換基は、独立して、ハロ、アルキル、アリール、−シクロアルキル、アルコキシおよびアルキルチオからなる群より選択される。適切なアルキル基の非限定的な例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、およびt−ブチルが挙げられる。
【0022】
アリール−(アラルキルのアリール部分を含む)は、6〜15個の炭素原子を含み、少なくとも1つの芳香環(例えば、アリールは、フェニル環である)を有するカルボキシル基を表し、カルボキシル基の利用可能で置換可能な全ての炭素原子は、結合の可能な点として意図され、そして上記カルボキシル基は、必要に応じて、1以上のハロ、アルキル、アルコキシ、フェノキシおよびCFで置換される(代表的には1〜3個)。
【0023】
アラルキル−は、アリール基(上で定義されるとおり)で置換されたアルキル基(上で定義されるとおり)を表し、ここで、その置換基(アリール基)は、アルキル部分を介して親分子に結合される。
【0024】
他で記述されない限り、アルキル基、アリール基およびアラルキル基は、置換されていないか、または本明細書中に記載されるような1以上の置換基で置換され得る。
【0025】
結合としての波線:
【0026】
【化13A】

は、一般にEおよびZの幾何異性体を示す。
【0027】
1つの実施形態において、本発明は、式3の2−(アルコキシアルキリデン)−3−ケトアルカン酸エステル化合物を調製するための新規で簡便なプロセスを開示し、このプロセスは、種々のピリミジンカルボン酸を調製するのに使用され得る。本発明のプロセスは、スキーム1:
【0028】
【化14】

に図示的に記載され、ここで、R、RおよびRは、アルキル(上で定義されるとおり)であり;好ましくは、RはCHであり、そしてより好ましくは、R、R、およびRは、全てCHである。
【0029】
本出願の本プロセスにおいて概説される種々の反応工程は、その反応を容易にするために以下に記載されるような1つ以上の適切な溶媒および少なくとも1つの触媒を含む。反応の完了の際に、その反応は、当業者に公知のプロセスによりワークアップされ得る。tert−アミンカルボン酸塩触媒は、その反応において使用した後に取り除く必要がなく、このことは、さらなる利点である。
【0030】
スキーム1におけるプロセスは、好ましくは、有機溶媒中で還流下にて、その溶媒を連続して(例えば、分留管を介して)蒸留しながら実施される。その反応のアルコール副生成物は、その溶媒と共沸する。そのプロセスは、平衡反応であり、この反応は、アルコールの除去により、進行される。その後者はまた、モレキュラーシーブの吸収により取り除かれ得る。その溶媒は、アルコールとその溶媒との間で形成される適切な共沸混合物であるだけでなく、出発物質の大部分が共沸しないような適切な沸点を有するように選択される。好ましい溶媒は、炭化水素である。非限定的な例としては、トルエン、ベンゼン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなど、またはそれらの混合物が挙げられる。特にRがメチルである場合、トルエンは、64℃で蒸留し、約69重量%のメタノールを含有することから、好ましい溶媒は、トルエン(沸点約111℃)である。n−ヘプタン(沸点約98℃)−メタノール共沸混合物の溶媒は、51重量%のメタノールを含有して約59℃で蒸留する;メチルシクロヘキサン(沸点約101℃)−メタノール共沸混合物は、45容量%のメタノールを含有して57℃で蒸留する;そして、シクロヘキサン(沸点約80℃)−メタノール共沸混合物は、約38容量%のメタノールを含有して約54℃で蒸留する。さらに、高すぎる沸点を有する溶媒(例えば、m−キシレン(沸点約139℃))の使用は、多くの生成物の分解、および低収率の原因となり得る。ある程度まで、溶媒の選択は、出発物質により導かれる。例えば、トリエチルオルトアセテート(沸点約142℃)が、トリメチルオルトアセテートの代わりに出発物質として使用される場合、エタノールの共沸混合物は留去する。トルエンを含むエタノール共沸混合物は、約68重量%のエタノールを含んで約77℃にて沸騰する。
【0031】
反応は、好ましくは、被覆されたVigreuxカラムに適合する容器において、アルコール/溶媒共沸混合物が、適切な温度で蒸留するような温度(例えば、メタノール/トルエン共沸混合物について、64℃)で、実施される。加熱の速度が大きすぎる場合、その溶媒は、アルコール形成の速度と比較して過度に早く留去し、さらに上部において、その温度は、実際の共沸蒸留温度を超えて上昇する。生成物の形成がそれ以上増加しなくなるまで(一般的に、約12〜48時間)まで加熱が継続され、その反応の進行は、適切プロセス(例えば、HPLC(以下の条件を参照のこと))によりモニタリングされ得る。
【0032】
反応の進行をモニタリングするための例示的なHPLC条件:
サンプル調製:3mlのアセトニトリル中に2滴の十分に撹拌する反応混合物、濾過
カラム:YMC Pack Pro C18(250mm×4.6mm)
カラム温度:22℃
溶出液:アセトニトリル/水1:1、0.01%TFAを伴う(1000ml移動相当たり0.1ml TFA)
勾配:無勾配
検出波長:215nm
注入:10μl
流速:1.2ml/分
保持時間の例:
メチルアセトアセテート 3.2〜3.3分
トリメチルオルトアセテート 3.4〜3.5分
メチル2−アセチル−3−メトキシ−2−ブテノエート 3.6〜3.7分。
【0033】
トリアルキルオルトエステル 対 3−ケト−アルカン酸エステルのモル比は、1:1〜10:1、好ましくは、1:1〜2:1、最も好ましくは、1.2:1〜1.5:1であり得る。溶媒 対 3−ケトアルカン酸エステルの容量比は、10:1〜1:1、より好ましくは、5:1〜1:1、最も好ましくは、1.5:1〜3.5:1であり得る。
【0034】
反応は、好ましくは、同じエステル基を有する出発物質を使用して実行される。なぜなら、反応の間、エステル交換反応が生じ得、生成物の混合物を与えるからである。例えば、メチルアセトアセテートは、トリメチルオルトアセテートまたはトリメチルオルトプロピオネートなどと反応し、エチルアセトアセテートは、トリエチルオルトアセテートまたはトリエチルオルトプロピオネートなどと反応する。好ましいエステル基は、低級アルカノール、特にメチルエステルおよびエチルエステルから誘導される。なぜなら、これらは、反応の間、低級アルコール(それぞれ、メタノールまたはエタノール)を生じ、これらは、生成物および出発物質の沸点と比較してより低い沸点を有し、生成物および出発物質を蒸留することなく、より容易に共沸蒸留されるからである。
【0035】
反応の生成物は、例えば、溶媒および任意の未反応出発物質を蒸留することによって、簡便に単離される。次いで、残留粗生成物は、例えば、結晶化、真空蒸留、クロマトグラフィーなどのような当業者に周知の方法によって精製され得る。例えば、例示的な反応において、式6によって表される化合物の精製結晶形態(融点53〜54℃)は、メチルt−ブチルエーテルまたは非極性抗溶媒(例えば、ヘキサン、ヘプタンなど)と組み合わせたメチルt−ブチルエーテルからの結晶化によって良好な回収率で単離された。結晶形態の式6によって表される化合物は、2つの幾何学的異性体(NMR分光学によって示されるE形態およびZ形態)の混合物として存在する。
【0036】
本プロセスの好ましい触媒は、第三級アミン塩基のカルボン酸塩である。適切な第三級アミンカルボン酸塩としては、芳香族アミン(例えば、ピリジン、ルチジン、キノリン、)、トリアルキルアミン(例えば、トリエチルアミン、ジエチルイソプロピルアミンおよびトリブチルアミン)、環式アミン(例えば、N−メチルモルホリンおよびN−メチルピペリジンなど)の酢酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩および安息香酸塩が挙げられるが、これらに限定されない。より好ましくは、触媒としては、酢酸ピリジニウム、酢酸トリエチルアミン、酢酸ルチジン、プロピオン酸ピリジニウム、プロピオン酸トリエチルアミン、プロピオン酸ルチジンなどが挙げられる。触媒は、好ましくは、3−ケトアルカン酸エステルに対して、1〜100モル%の比で使用される。より好ましい比は、5〜50モル%であり、最も好ましくは、5〜10モル%である。
【0037】
第三級アミン塩基のカルボン酸塩は、等モル量の有機酸および有機第三級アミン塩基を反応混合物に添加することによってインサイチュで、または予め形成された塩を添加することによって、生成され得る。一般的に、これらのカルボン酸塩は、トリアルキルアミン、トリアリール−アルキルアミン、トリアリールアミン、第三級複素環式芳香族アミン(例えば、ピリジン、ルチジン、キノリンなど)のような有機塩基、ならびにアルキルカルボン酸(例えば、酢酸、プロピオン酸および酪酸)、アリールカルボン酸(例えば、安息香酸およびトルイル酸)またはアラルキルカルボン酸(例えば、フェニル酢酸など)のようなカルボン酸から調製され得る。好ましい触媒は、酢酸ピリジニウムまたはプロピオン酸ピリジニウムである。
【0038】
第三級アミン塩基のカルボン酸塩を使用することの主要な利点は、それらを反応混合物から除去するために、別の工程が必要でないことである。なぜなら、触媒は、溶媒系に可溶性であり、この溶媒系から生成物(例えば、式6の化合物)が結晶化されるからである。あるいは、第三級アミンカルボン酸塩は、その生成物が蒸留によって単離および生成される場合、残留物に残る。
【0039】
当該分野で公知の伝統的な反応において金属アセテート塩を使用する1つの不利な点は、例えば、式3の化合物を含む反応混合物をクエン酸ナトリウム水溶液で洗浄するか、またはエチレンジアミン四酢酸での錯体化によって、反応混合物からそれらの金属アセテート塩を除去するために、さらなる工程が必要とされることである。金属塩は、濾過によって完全に除去されない。なぜなら、これらは、反応溶媒においていくらかの溶解度を有しており、結果として、濃縮の間結晶化され得るからである。
【0040】
オルトエステルとアセト酢酸エステルとの縮合のための5〜10モル%の触媒としての酢酸およびプロピオン酸のような当該分野と同様のカルボン酸のみの使用を、比較の目的で調べた。一般的に、反応は、数時間後に停止し、プロセスを再開するために、さらなるカルボン酸を必要とした。カルボン酸がオルトエステル単独を含む溶媒中で還流したさらなる研究は、前者が後者と反応してカルボン酸のエステルを生成したことを明らかにした。従って、この競合的反応は、出発物質を消費し、無駄である。これは、カルボン酸触媒単独が特に有用であるわけではないことを示した。
【0041】
種々の工程についての好ましい試薬および反応条件が実施例の節でより詳細に記載されるものの、以下に詳細を要約する。
【0042】
なお別の実施形態において、1つ以上の溶媒を利用し、このような溶媒は、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素、エーテル、塩素化炭化水素およびこれらの混合物からなる群より独立して選択される。脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素および芳香族炭化水素が好ましい。最も好ましくは、溶媒は、トルエンまたはヘプタンである。
【0043】
なおさらに別の実施形態において、反応は、上記溶媒のおよそ還流温度で実行される。
【0044】
好ましくは、このプロセスは、触媒酢酸ピリジニウムを、好ましくは、約1モル%〜約100モル%、より好ましくは、約5モル%〜約50モル%、または最も好ましくは、約5モル%〜約10モル%の量で利用し、反応は、先に記載したように、アルコール共沸混合物のゆっくりとした蒸留を伴って、例えば、ヘプタンまたはトルエンのような炭化水素溶媒中での還流下で行われる。
【0045】
好ましい実施形態において、触媒は、溶媒系に可溶性である。
【0046】
別の好ましい実施形態において、反応の生成物は、例えば、結晶化または減圧蒸留のような技術によって実質的に純粋に単離される。より好ましくは、結晶化は、メチルt−ブチルエーテルまたは非極性抗溶媒(例えば、ヘプタンなど)とともにメチルt−ブチルエーテルからである。
【0047】
別の局面において、本発明は、式4:
【0048】
【化15】

の化合物と、式5:
【0049】
【化16】

の化合物とを、少なくとも1種の触媒および少なくとも1種の溶媒の存在下で反応させて、式6:
【0050】
【化17】

の化合物を形成する工程を包含するプロセスに関する。
【0051】
本出願の発明性のプロセスのこの局面において概略が述べられる種々の反応工程はまた、反応を促進するために、1種以上の適切な溶媒および少なくとも1種の触媒を含む。
【0052】
以下の実施形態は、式6によって表される化合物の作製に関連し、本発明の詳細を要約する。
【0053】
式6によって表される化合物の作製に関する本発明の1つの局面において、触媒は、tert−アミンのカルボン酸塩から選択される。本発明のなおさらに別の好ましい実施形態において、触媒は、酢酸ピリジニウムであり;溶媒は、ヘプタンまたはトルエンであり;反応は、溶媒系のおよそ還流温度で実行され;そして式6の化合物は、実質的に純粋な結晶物質として単離される。
【0054】
なお別の好ましい実施形態において、反応の生成物、式6の化合物は、結晶化によって実質的に純粋に単離される。さらに好ましくは、結晶化は、メチルt−ブチルエーテル、またはメチルt−ブチルエーテル単独またはヘプタンなどの非極性抗溶媒との組み合わせからである。
【0055】
式3の2−(アルコキシアルキリデン)−3−ケトアルカン酸エステルは、種々の複素環式化合物の調製に有用な中間体である。特に、2−(アルコキシアルキリデン)−3−ケトアルカン酸エステルは、アミジンまたはアミジン塩と反応し、高い収率で対応する4,6−二置換ピリミジン5−カルボン酸エステルに変換され得、これは、単離無しで、対応する4,6−二置換ピリミジン5−カルボン酸に直接加水分解され得る。代表的な例は、酢酸ピリジニウムによって触媒される、トルエン中でのメチルアセトアセテート(式4)とトリメチルオルトアセテート(式5)との縮合である。生成物、メチル2−アセチル−3−メトキクロトネート(式6)は、アミジンとの反応において、メチル4,6−ジメチルピリミジン−5−カルボキシレートを与え、次いでこれは、容易に対応する酸(式7)に変換され得、最終的に、種々のCCR5インヒビターに対する前駆体として使用され得る。一般的なスキームは、スキーム3として以下に提示され、ここで、Rは、H、アリールまたはアルキルである:
【0056】
【化18】

さらに別の特に好ましい実施形態では、本発明は、2−(アルコキシアルキリデン)−3−ケトアルカノン酸エステルの調製のための改良されたプロセスを開示し、このプロセスは、上記触媒を上記反応媒体から除去する分離工程を必要としない。
【0057】
さらになお別の特に好ましい実施形態では、本発明は、純度の改善した生成物をもたらすプロセスを開示する。
【0058】
以下の非制限の実施例は、本発明をより詳細に例示し、そしてこれらの目的は、例示のみである。当業者には、本開示に対する多くの改変、バリエーション、および変更(材料、方法および反応条件の両方)が、実行され得ることが明らかである。このような改変、バリエーション、および変更のすべては、本発明の精神内および範囲内であることが意図される。
【0059】
他に述べられなければ、以下の略語は、以下に述べられる意味を有する:
b.pt.=沸点
CDCl=重クロロホルム
Cu(OAc)=酢酸銅
O=重水
EtOAc=酢酸エチル
HCl=塩酸
HOAc=酢酸
HPLC=高速液体クロマトグラフィー
KOt−Bu=カリウムt−ブトキシド
m.p=融点
NaOH=水酸化ナトリウム
THF=テトラヒドロフラン
Zn(OAc)=酢酸亜鉛
HR−MS=高分解能質量分析
NMR=核磁気共鳴分光法
【実施例】
【0060】
(実施例1 ピリジン触媒および酢酸触媒を用いた、E−2−アセチル−3−メトキシ−2−ブテン酸メチルとZ−2−アセチル−3−メトキシ−2−ブテン酸メチルとの混合物の調製)
【0061】
【化19】

メチルアセトアセテート(108ml、1モル)、トリメチルオルトアセテート(152ml、1.2モル)、トルエン(270ml)、ピリジン(4.04ml、5モル%)および酢酸(2.86ml、5モル%)を、1Lの3つ口フラスコ(スチルヘッドを備える30cmの真空ジャケット付きVigreux分留管(30cm vacuum jacketed Vigreux fractionating column)ならびに冷却器、攪拌器、熱電対、および窒素注入口が取り付けられている)に入れた。この反応を、窒素でブランケットした。攪拌を開始し、そしてフラスコを加熱して、非常にゆっくりと溶媒を蒸留した。メタノール/トルエン共沸混合物の沸点(62℃)周辺にてこの溶媒が蒸留するように、この加熱を調節した。この蒸留プロセスは、約12時間続いた。このバッチに、さらなるピリジン(4.04ml)および酢酸(2.86ml)を入れ、そしてゆっくりとした蒸留を、さらに12時間続けた。このバッチを、90℃にて揮発性物質がもう収集されなくなるまで、減圧下で濃縮した。このバッチを、25℃〜30℃に冷却し、次いで、メチルt−ブチルエーテル(324mL)、Supercel(5.0g)およびDarco(5g)をこの残渣に入れた。このバッチを15分間、加熱還流した。このバッチを濾過し、そしてDarco/Supercelケークを、メチルt−ブチルエーテル(108ml)で洗浄した。この濾液および洗浄液を合わせて、次いで、大気圧下で、約300mlに濃縮した。このバッチを、約25℃〜約30℃に冷却し、そしてメチル2−アセチル−3−メトキシ−2−ブテン酸の結晶を入れた。このバッチの冷却を続け、そして結晶化の開始後、ヘプタン(216ml)の充填(charging)が開始した(これは、40分かけてゆっくりと行われた)一方で、このバッチを−5℃に冷却し続けた。それを、この温度で2時間攪拌した。このバッチを濾過し、そして冷1:1ヘプタン/メチルt−ブチルエーテル(216ml)で洗浄し、この洗浄液を無色にした。このバッチを、30℃で減圧下で約6時間乾燥させた。2−アセチル−3−メトキシ−2−ブテン酸メチルの収量は、約103gで、融点は53〜54℃である。
【0062】
【化20】


【0063】
(実施例2 酢酸亜鉛触媒を用いたメチル2−アセチル−3−メトキシ−2−ブテン酸の調製(比較))
【0064】
【化21】

メチルアセトアセテート(108ml、1モル)、オルト酢酸トリメチル(152ml、1.2モル)、酢酸亜鉛(4.6gm、5モル%)およびヘプタン(500ml)を、1Lの3つ口フラスコ(スチルヘッドを備える30cmジャケット付きVigreux分留管ならびに冷却器、攪拌器、および窒素注入口が取り付けられている)に入れた。この反応を、窒素でブランケットした。この攪拌を開始し、そしてこのフラスコを加熱して、非常にゆっくりと溶媒を蒸留した。この蒸留プロセスを、16時間続けた。この反応物を、20℃〜25℃に冷却し、そして350mlのメチルt−ブチルエーテルを入れた。この懸濁物を100mlのクエン酸ナトリウム溶液で洗浄した。この層を分離し、そして下層の水層を再度108mlのメチルt−ブチルエーテルで抽出した。この有機層を、50mlのブラインと合わせ、そしてこれで洗浄した。この層を分離し、そして揮発性物質を90℃にてもう収集できなくなるまで、上層の有機層を減圧下で濃縮した。このバッチを25℃〜30℃にまで冷却し、そして次いで、メチルt−ブチルエーテル(324ml)、Supercel(5.0g)、およびDarco(5g)を、この残渣に入れた。このバッチを、15分間加熱還流した。上記バッチを濾過し、そして上記Darco/Supercelケークを、t−ブチルエーテルメチル(108ml)で洗浄した。この濾液および洗浄液を合わせ、次いで、大気圧下で約300mlに濃縮した。このバッチを、約25℃〜30℃にまで冷却し、そして、メチル2−アセチル−3−メトキシ−2−ブテン酸の結晶を入れた。このバッチを冷却し続け、そして結晶化の開始後、ヘプタン(216ml)をゆっくりと40分かけて入れ、その一方で、このバッチを、−5℃にまで冷却し続けた。それを、この温度で2時間攪拌した。このバッチを濾過し、そして冷1:1ヘプタン/メチルt−ブチルエーテル(216ml)で洗浄し、この洗浄液を無色にした。このバッチを、6時間、減圧下で30℃にて乾燥した。2−アセチル−3−メトキシ−2−ブテン酸メチルの収率は、約86gで、融点は53℃〜54℃。物理的データは、実施例1のもと報告されている。
【0065】
(実施例3 酢酸銅触媒を用いた2−アセチル−3−メトキシ−2−ブテン酸メチルの調製(比較))
【0066】
【化22】

メチルアセトアセテート(108ml、1モル)、オルト酢酸トリメチル(152ml、1.2モル)、二酢酸銅(9gm、5モル%)およびトルエン(540ml)を、1Lの3つ口フラスコ(スチルヘッドを備える30cmジャケット付きVigreux分留管、ならびに冷却器、攪拌器、および窒素注入口が取り付けられている)に入れた。この反応を、窒素でブランケットした。この攪拌を開始し、そしてこのフラスコを加熱して、非常にゆっくりと溶媒を蒸留した。この蒸留プロセスを、15時間続けた。この反応混合物を、95℃にて低減圧下で全ての揮発物質を蒸留することにより、濃縮した。この残渣を、20℃〜25℃にまで冷却し、そして324mlのメチルt−ブチルエーテルを入れた。この溶液を、216mlのクエン酸ナトリウム溶液で抽出した。この層を分離し、そして低い水層を、再度108mlのメチルt−ブチルエーテルで抽出した。この有機相を108mlのブラインと合わせて、これで洗浄した。この層を分離し、次いで、5gの脱色炭を、上層の有機層に入れた。この懸濁液を、15分間還流し、次いで、この脱色炭を、濾別した。この脱色炭ケークを、216mlのメチルt−ブチルエーテルで洗浄した。この濾液および洗浄液を合わせ、この生成物の溶液を大気圧で300mlにまで濃縮し、次いで、この溶液を20℃にまで冷却し、そしてこの溶液にこの生成物の結晶を入れた。このバッチの冷却を続け、そして結晶化の開始後、ヘプタン(216ml)の充填をゆっくりと始めながら、40分間0℃にまで冷却した。このバッチを濾過し、冷1:1ヘプタン/メチルt−ブチルエーテル(216ml)で洗浄し、この洗浄液を無色にした。このバッチを、6時間、減圧下で25℃で乾燥させた。2−アセチル−3−メトキシ−2−ブタン酸メチルの収量は、約101g。物理的データは、実施例1のもと報告されている。
【0067】
以下の実施例は、式6の化合物からのいくつかのピリミジン−5−カルボン酸化合物の調製を例示する。
【0068】
(実施例4 4,6−ジメチルピリミジン−5−カルボン酸の調製)
(A.4,6−ジメチルピリミジン−5−カルボン酸メチルの調製)
【0069】
【化23】

2−アセチル−3−メトキシ−2−ブテン酸メチル(86g)、ホルムアミジン酢酸(62.5g)、アセトン(344ml)およびメチルアルコール(258ml)を、2Lの3つ口フラスコ(さらなる漏斗、冷却器、攪拌器および窒素注入口が取り付けられている)に入れた。この反応を窒素でブランケットし、攪拌を開始し、上記バッチを、−5℃〜0℃の間にまで冷却した。このバッチを冷却中に、窒素下でカリウムt−ブトキシド溶液(THF258ml中に67.4g)を調製する。このバッチが正確な温度に達した時、上記カリウムt−ブトキシド溶液を、温度を5℃未満に保ちながらゆっくりと入れた。このバッチを、約25℃にまで温めた。この反応は、約1.5時間後に完了した。濃塩酸を、滴下し、pHを7にした。揮発性物質がもはや収集されなくなるまで、このバッチを減圧下で濃縮した。メチルt−ブチルエーテル(170ml)および水(90ml)を、この反応物中に入れた。このバッチを、約10分間攪拌し、次いで、この層を分離した。下層の水層を、再度2回抽出し、各回170mlのメチルt−ブチルエーテルを用いた。上層の有機層をすべて合わせ、そして減圧下で濃縮し、粗製4,6−ジメチルピリミジン−5−カルボン酸メチル103gmを油状物として得た。この生成物を、ヘプタン/酢酸エチル(7:3)で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、続いて、ヘプタンから結晶化させた。融点は、43℃〜45℃であった。
【0070】
【化24】


【0071】
(B.4,6−ジメチルピリミジン−5−カルボン酸の調製)
【0072】
【化25】

前述の実施例からの粗製4,6−ジメチルピリミジン−5−カルボン酸メチルを、20℃にまで冷却し、そして水(86ml)を入れた。25%の水酸化ナトリウム溶液(75.5ml)を入れ、そしてこのバッチを約90分間、50℃に温めた。このバッチを、−5℃〜0℃の間に冷却し、そして濃塩酸を、−5℃〜+5℃の範囲内の温度に保ちながら、pHが1.5に達するまで、ゆっくりと入れた。このバッチを少なくとも1時間、0℃にて攪拌した。このバッチを濾過し、そしてこの生成物を、氷冷水(2×43ml)で洗浄した。このバッチを、減圧下で、40℃〜45℃で乾燥させた。4,6−ジメチルピリミジン−5−カルボン酸の収量は、59gであり、融点は、203℃〜204℃であった。
【0073】
【化26】


【0074】
(実施例5 2,4,6−トリメチルピリミジン−5−カルボン酸の調製)
(A.2,4,6−トリメチルピリミジン−5−カルボン酸メチルの調製)
【0075】
【化27】

2−アセチル−3−メトキシ−2−ブテン酸メチル(34.4g、0.2モル)、塩酸アセトアミジン(22.7g)、アセトン(136ml)、およびメチルアルコール(100ml)を、1Lの3つ口フラスコ(漏斗、冷却器、攪拌器および窒素注入口がさらにはめ込まれている)に入れた。この反応を、窒素でブランケットし、攪拌を開始し、そしてバッチを、−5℃〜0℃の間に冷却した。このバッチの冷却中に、カリウムt−ブトキシド(THF100ml中に27g)の溶液を、窒素下で調製した。このバッチが正確な温度に達したとき、上記カリウムt−ブトキシド溶液を、温度を5℃未満に保ちながら、ゆっくりと入れた。このバッチを、約25℃に温めた。この反応は、約1.5時間後に完了した。濃塩酸を、滴下し、pHを7にした。揮発性物質がもはや収集されなくなるまで、このバッチを、減圧下で濃縮した。メチルt−ブチルエーテル(140ml)および水(85ml)を入れた。このバッチを10分間攪拌し、そして次いで、この層を分離した。この有機層を減圧下で濃縮し、2,4,6−トリメチルピリミジン−5−カルボン酸メチルの固体残渣35.8gを得た。この生成物を、メタノールからの結晶化により精製した。融点61〜62℃、
【0076】
【化28】


【0077】
(B.2,4,6−トリメチルピリミジン−5−カルボン酸の調製)
【0078】
【化29】

2,4,6−トリメチルピリミジン−5−カルボン酸メチル(27g)、メタノール(27ml)および水(27ml)を入れた。25%水酸化ナトリウム溶液(25ml)を入れ、そしてこのバッチを90分間50℃に温めた。このバッチを、−5℃〜0℃の間にまで冷却し、そして濃塩酸を、温度を−5℃〜+5℃の範囲内に保ちながら、pHが1.5に達するまで、ゆっくりと入れた(22.5mlの濃HClを用いた)。このバッチを約1.5時間、2.7℃で攪拌した。この固体生成物を、濾過により回収した。このバッチを、減圧下で、40℃〜45℃にて、乾燥させた。この2,4,6−トリメチルピリミジン−5−カルボン酸を、酢酸エチルから再結晶した。融点は163℃〜164℃、
【0079】
【化30】


【0080】
(実施例6.4,6−ジメチル−2−フェニルピリミジン−5−カルボン酸の調製)
(A.4,6−ジメチル−2−フェニルピリミジン−5−カルボン酸メチルの調製)
【0081】
【化31】

2−アセチル−3−メトキシ−2−ブテン酸メチル(34.4g、0.2モル)、塩酸ベンズアミジン(37.4g)、アセトン(136ml)およびメチルアルコール(100ml)を、(添加漏斗、冷却器、撹拌器および窒素注入口を備え付けた)1Lの三つ頚フラスコ中に入れた。反応を、窒素でブランケットし、撹拌を開始し、そしてバッチを−5℃〜0℃の間に冷却した。上記バッチを冷却しながら、カリウムt−ブトキシドの溶液を、窒素下で調製した(THF中27g、100ml)。上記バッチが正確な温度に到達してから、温度を5℃未満に維持して上記カリウムt−ブトキシドの溶液をゆっくりと入れた。上記バッチを、約25℃に温めた。反応は、約1.5時間後に完了した。濃塩酸を滴下して、pHを7にした。上記バッチを、揮発性物質が収集されなくなるまで減圧下で濃縮した。メチルt−ブチルエーテル(300ml)、150mlの酢酸エチルおよび水(200ml)を入れた。上記バッチを、10分間撹拌し、少量の固形物を濾過して取り除き、次いで、層を分離した。有機層を減圧下で濃縮して、4,6−ジメチル−2−フェニルピリミジン−5−カルボン酸メチルの固体残渣を48.7g得た。融点54〜55℃、
【0082】
【化32】


【0083】
(B.4,6−ジメチル−2−フェニルピリミジン−5−カルボン酸の調製)
【0084】
【化33】

4,6−ジメチルピリミジン−5−カルボン酸メチル(24.2g、0.1モル)、メタノール(40ml)および水(24ml)を入れた。25%の水酸化ナトリウム溶液(16.6ml)を入れ、そしてバッチを50℃に90分間温めた。上記バッチを−5℃〜0℃の間に冷却し、温度を−5℃〜+5℃の範囲内に維持しながら1.7のpHが達成されるまで、濃塩酸をゆっくりと添加した(15mlの濃HClを使用した)。上記バッチを1.5時間0〜5℃で撹拌した。固体生成物を濾過によって回収し、そして冷水で洗浄した。上記バッチを減圧下で31℃にて乾燥した。4,6−ジメチル−2−フェニルピリミジン−5−カルボン酸の収量は、18.3gであった。融点171〜172℃、
【0085】
【化34】


【0086】
(実施例7.メタノールを取り除くためにモレキュラーシーブを使用する、酢酸ピリジニウム触媒を用いてのE−2−アセチル−3−メトキシ−2−ブテン酸メチルとZ−2−アセチル−3−メトキシ−2−ブテン酸メチルとの混合物の調製)
【0087】
【化35】

アセト酢酸メチル(108ml、1モル)、オルト酢酸トリメチル(152ml、1.2モル)、トルエン(270ml)、ピリジン(4.1ml、5モル%)および酢酸(2.9ml、5モル%)を、((150gの4Aモレキュラーシーブを含む)ソックスレー抽出器、ならびに還流冷却器、撹拌器、熱電対および窒素注入口を備え付けた)1Lの三つ頚フラスコ中に入れた。反応を、窒素でブランケットした。撹拌を開始し、そしてフラスコを加熱して溶媒のゆっくりの還流を生じた。上記冷却器からの濃縮物を、上記抽出器中のモレキュラーシーブを通して反応フラスコに戻した。この反応を、約12時間続けた。バッチに、ピリジン(4.04ml)および酢酸(2.86ml)をさらに入れた。ゆっくりの還流を、さらに12時間続けた。上記バッチを、減圧下で、揮発性物質が収集されなくなるまで、90℃にて濃縮した。上記バッチを25〜30℃に冷却し、次いで、メチルt−ブチルエーテル(324ml)、Supercel(5.0g)およびDarco(5g)を残渣に入れた。上記バッチを加熱して、15分間還流した。上記バッチを濾過し、そしてDarco/Supercelケークをメチルt−ブチルエーテル(108ml)で洗浄した。上記濾液および洗浄液を合わせて、次いで大気圧において濃縮して約300mlにした。上記バッチを約25〜30℃に冷却し、そして2−アセチル−3−メトキシ−2−ブテン酸メチルの結晶のもとができた。バッチの冷却を続け、結晶化が始まった後、ヘプタン(216ml)を、バッチを−5℃に冷却し続けながら、40分かけてゆっくりと入れた。それを、この温度にて2時間撹拌した。上記バッチを濾過して、洗浄液が無色になるまで、冷却1:1ヘプタン/メチルt−ブチルエーテル(216ml)で洗浄した。上記バッチを、6時間、減圧下で30℃にて乾燥させた。2−アセチル−3−メトキシ−2−ブテン酸メチルの収量:約100g。物理的データは、実施例1のもと報告される。
【0088】
(実施例8.プロピオン酸ピリジニウム触媒を用いてのE−2−アセチル−3−メトキシ−2−ブテン酸メチルとZ−2−アセチル−3−メトキシ−2−ブテン酸メチルとの混合物の調製)
【0089】
【化36】

アセト酢酸メチル(108ml、1モル)、オルト酢酸トリメチル(152ml、1.2モル)、トルエン(270ml)、ピリジン(4.1ml、5モル%)およびプロピオン酸(3.7ml、5モル%)を、スチルヘッドを有する30cmの真空ジャケット付きVigreux分留カラム、ならびに冷却器、撹拌器、熱電対および窒素注入口を備え付けた)1Lの三つ頚フラスコ中に入れた。反応を、窒素でブランケットした。撹拌を開始し、そしてフラスコを加熱して溶媒のゆっくりの還流を生じた。溶媒がメタノール/トルエン共沸混合物の沸点あたり(64℃)にて蒸留されるように、加熱を調整した。蒸留プロセスを約12時間続けた。さらなるピリジン(4.1ml)およびプロピオン酸(3.7ml)をフラスコに入れた。ゆっくりの還流を、さらに12時間続けた。上記バッチを、減圧下で、揮発性物質が収集されなくなるまで、90℃にて濃縮した。上記バッチを25〜30℃に冷却し、次いで、メチルt−ブチルエーテル(324ml)、Supercel(5.0g)およびDarco(5g)を、残渣に入れた。上記バッチを加熱して、15分間還流した。上記バッチを濾過し、そしてDarco/Supercelケークをメチルt−ブチルエーテル(108ml)で洗浄した。上記濾液および洗浄液を合わせて、次いで大気圧において濃縮して約300mlにした。上記バッチを約25〜30℃に冷却し、そして2−アセチル−3−メトキシ−2−ブテン酸メチルの結晶のもとができた。バッチの冷却を続け、結晶化が始まった後、ヘプタン(216ml)を、バッチを−5℃に冷却し続けながら、40分かけてゆっくりと入れた。それを、この温度にて2時間撹拌した。上記バッチを濾過して、洗浄液が無色になるまで、冷却1:1ヘプタン/メチルt−ブチルエーテル(216ml)で洗浄した。上記バッチを、6時間、減圧下で30℃にて乾燥させた。2−アセチル−3−メトキシ−2−ブテン酸メチルの収量:約100g。物理的データは、実施例1のもと報告される。
【0090】
(実施例9.酢酸ピリジニウム触媒を用いてのE−2−アセチル−3−エトキシ−2−ブテン酸エチルとZ−2−アセチル−3−エトキシ−2−ブテン酸エチルとの混合物の調製)
【0091】
【化37】

アセト酢酸エチル(127ml、1.0モル)、オルト酢酸トリエチル(216ml、1.4モル)、トルエン(400ml)、ピリジン(8.2ml、10モル%)および酢酸(5.8ml、10モル%)を、スチルヘッドを有する30cmの真空ジャケット付きVigreux分留カラム、ならびに冷却器、撹拌器、熱電対および窒素注入口を備え付けた)1Lの三つ頚フラスコ中に入れた。反応を、窒素でブランケットした。撹拌を開始し、そしてフラスコを加熱して溶媒の非常にゆっくりの蒸留を生じた。溶媒がエタノール/トルエン共沸混合物の沸点あたり(77℃)にて蒸留されるように、加熱を調整した。蒸留を約17時間続けた。上記バッチを、低減圧下で、揮発性物質が収集されなくなるまで、90℃にて濃縮した。残留油を0.5mmHgで蒸留し、画分bを収集した。沸点85〜86℃。2−アセチル−3−エトキシ−2−ブテン酸エチルの収量は、約117g。
【0092】
【化38】


【0093】
(実施例10.酢酸ピリジニウム触媒を用いてのE−2−プロピオニル−3−メトキシ−2−ブテン酸メチルとZ−2−プロピオニル−3−メトキシ−2−ブテン酸メチルとの混合物の調製)
【0094】
【化39】

3−オキソペンタン酸メチル(126ml、1.0モル)、オルト酢酸トリメチル(178ml、1.4モル)、トルエン(400ml)、ピリジン(4.1ml、5モル%)および酢酸(2.9ml、5モル%)を、スチルヘッドを有する30cmの真空ジャケット付きVigreux分留カラム、ならびに冷却器、撹拌器、熱電対および窒素注入口を備え付けた)1Lの三つ頚フラスコ中に入れた。反応を、窒素でブランケットした。撹拌を開始し、そしてフラスコを加熱して溶媒の非常にゆっくりの蒸留を生じた。溶媒がメタノール/トルエン共沸混合物の沸点あたり(64℃)にて蒸留されるように、加熱を調整した。蒸留プロセスを約8時間続けた。さらなるトルエン(150ml)、ピリジン(4.1ml、5モル%)および酢酸(2.9ml、5モル%)を、反応に入れ、そしてメタノール/トルエン共沸混合物のゆっくりの蒸留を、さらに8時間続けた。上記バッチを、低減圧下で、揮発性物質が収集されなくなるまで、90℃にて濃縮した。上記バッチを約25〜30℃に冷却した。残留油を0.5mmHgで蒸留し、画分bを収集した。沸点72〜73℃。E−2−プロピオニル−3−メトキシ−2−ブテン酸メチルおよびZ−2−プロピオニル−3−メトキシ−2−ブテン酸メチルの収量:78g。
【0095】
【化40】


【0096】
(実施例11.4−エチル−6−メチルピリミジン−5−カルボン酸の調製)
【0097】
【化41】

(A.4−エチル−6−メチルピリミジン−5−カルボン酸メチルの調製)
(実施例10で調製したような)E−2−プロピオニル−3−メトキシ−2−ブテン酸メチルとZ−2−プロピオニル−3−メトキシ−2−ブテン酸メチルとの混合物を、実施例4Aの様式と類似の様式で、酢酸ホルムアミジンおよびカリウムブトキシドと反応させて、油状物として粗製4−エチル−6−メチルピリミジン−5−カルボン酸メチルを得た。
【0098】
【化42】


【0099】
(B.4−エチル−6−メチルピリミジン−5−カルボン酸の調製)
実施例11Aからの粗製4−エチル−6−メチルピリミジン−5−カルボン酸メチルを、実施例4Bと類似の様式で、25%水酸化ナトリウム溶液と反応させ、次いで、濃塩酸と反応させて、4−エチル−6−メチルピリミジン−5−カルボン酸を得た。融点133〜134℃、
【0100】
【化43】


【0101】
(実施例12.2,4−ジメチル−6−エチルピリミジン−5−カルボン酸の調製)
【0102】
【化44】

(A.2,4−ジメチル−6−エチルピリミジン−5−カルボン酸メチルの調製)
(実施例10で調製したような)E−2−プロピオニル−3−メトキシ−2−ブテン酸メチルとZ−2−プロピオニル−3−メトキシ−2−ブテン酸メチルとの混合物を、実施例5Aの様式と類似の様式で、塩酸アセトアミジンおよびカリウムブトキシドと反応させて、油状物として粗製2,4−ジメチル−6−エチルピリミジン−5−カルボン酸メチルを得た。
【0103】
【化45】


【0104】
(B.2,4−ジメチル−6−エチルピリミジン−5−カルボン酸の調製)
実施例12Aからの粗製2,4−ジメチル−6−エチルピリミジン−5−カルボン酸メチルを、実施例5Bと類似の様式で、25%水酸化ナトリウム溶液と反応させ、次いで、濃塩酸と反応させて、4,6−ジメチル−6−エチルピリミジン−5−カルボン酸を得た。融点167〜168℃、
【0105】
【化46】


【0106】
(実施例13.4−エチル−6−メチル−2−フェニルピリミジン−5−カルボン酸の調製)
【0107】
【化47】

(A.4−エチル−6−メチル−2−フェニルピリミジン−5−カルボン酸メチルの調製)
(実施例10で調製したような)E−2−プロピオニル−3−メトキシ−2−ブテン酸メチルとZ−2−プロピオニル−3−メトキシ−2−ブテン酸メチルとの混合物を、実施例6Aの様式と類似の様式で、塩酸ベンズアミジンおよびカリウムブトキシドと反応させて、油状物として粗製4−エチル−6−メチル−2−フェニルピリミジン−5−カルボン酸メチルを得た。
【0108】
【化48】


【0109】
(B.4−エチル−6−メチル−2−フェニルピリミジン−5−カルボン酸の調製)
実施例13Aからの粗製4−エチル−6−メチル−2−フェニルピリミジン−5−カルボン酸メチルを、実施例6Bと類似の様式で、25%水酸化ナトリウム溶液と反応させ、次いで、濃塩酸と反応させて、4−エチル−6−メチル−2−フェニルピリミジン−5−カルボン酸を得た。融点136〜137℃、
【0110】
【化49】


【0111】
上述のように、上記に示したピリミジンカルボン酸は、種々の製剤、除草剤および殺虫剤の合成のための中間体として利用され得る。特に、これらの中間体は、種々のCCR5インヒビターの有用な前駆体である。これらは特に、例えば、式Cの化合物の調製に有用である。
【0112】
本発明は、上で示した特定の実施形態と組み合わせて記載されているが、その多くの代替、改変および他の変更は、当業者に明らかである。そのような代替、改変および変更はすべて、本発明の精神および範囲内であることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造式3:
【化1】

によって表される化合物を調製するためのプロセスであって、
ここで、Rは低級アルキルであり;そしてRおよびRは同じであっても異なっていてもよく、各々独立して、アルキル、アリール、およびアラルキルからなる群より選択され;該プロセスは、
少なくとも1種の溶媒、および触媒として少なくとも1つのtert−アミンカルボン酸塩の存在下で、式1:
【化2】

の3−ケトエステル化合物を、式2:
【化3】

のオルトエステル化合物と反応させて、該式3の化合物を得る工程
を包含する、プロセス。
【請求項2】
およびRが、同じであるかまたは異なり、各々アルキルである、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
前記アルキルが、低級アルキルである、請求項2に記載のプロセス。
【請求項4】
=R=R=メチルである、請求項3に記載のプロセス。
【請求項5】
前記tert−アミンカルボン酸塩が、ピリジン、ルチジン、キノリン、トリエチルアミン、ジエチルイソプロピルアミン、トリブチルアミン、N−メチルモルホリンまたはN−メチルピペリジンの酢酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩または安息香酸塩である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項6】
前記tert−アミン触媒が、酢酸ピリジニウム、酢酸トリエチルアミン、酢酸ルチジン、プロピオン酸ピリジニウム、プロピオン酸トリエチルアミンまたはプロピオン酸ルチジンである、請求項5に記載のプロセス。
【請求項7】
前記触媒が、酢酸ピリジニウムまたはプロピオン酸ピリジニウムである、請求項6に記載のプロセス。
【請求項8】
前記酢酸ピリジニウムまたはプロピオン酸ピリジニウムが、インサイチュで形成される、請求項7に記載のプロセス。
【請求項9】
前記触媒が、酢酸ピリジニウムである、請求項7に記載のプロセス。
【請求項10】
前記触媒が、前記溶媒系に可溶性である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項11】
前記反応が、前記溶媒のおよそ還流温度で行われる、請求項1に記載のプロセス。
【請求項12】
前記触媒が、前記3−ケトエステルに対して約1モル%〜約50モル%の量で使用される、請求項1に記載のプロセス。
【請求項13】
前記触媒が、前記3−ケトエステルに対して約5モル%〜約10モル%の量で使用される、請求項12に記載のプロセス。
【請求項14】
前記溶媒が、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素、エステル、エーテル、塩素化炭化水素およびそれらの混合物からなる群より選択される、請求項1に記載のプロセス。
【請求項15】
前記溶媒が、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素および芳香族炭化水素からなる群より選択される、請求項14に記載のプロセス。
【請求項16】
前記溶媒が、トルエン、ベンゼン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンおよびそれらの混合物から選択される、請求項15に記載のプロセス。
【請求項17】
前記溶媒が、トルエンである、請求項16に記載のプロセス。
【請求項18】
前記溶媒が、ヘプタンである、請求項16に記載のプロセス。
【請求項19】
前記tert−アミンカルボン酸塩触媒が、前記3−ケトエステルに対して約1モル%〜約50モル%で存在し;前記溶媒はトルエンであり;そして前記反応が、該溶媒のおよそ還流温度で行われる、請求項1に記載のプロセス。
【請求項20】
構造式6の化合物を調製するためのプロセスであって、該プロセスは、
少なくとも1種の溶媒、および触媒として少なくとも1つのtert−アミンカルボン酸塩の存在下で、式4:
【化4】

の化合物を、式5:
【化5】

の化合物と反応させて、式6:
【化6】

の化合物を得る工程
を包含する、プロセス。
【請求項21】
前記tert−アミンカルボン酸塩が、ピリジン、ルチジン、キノリン、トリエチルアミン、ジエチルイソプロピルアミン、トリブチルアミン、N−メチルモルホリンまたはN−メチルピペリジンの酢酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩または安息香酸塩である、請求項20に記載のプロセス。
【請求項22】
前記tert−アミン触媒が、酢酸ピリジニウム、酢酸トリエチルアミン、酢酸ルチジン、プロピオン酸ピリジニウム、プロピオン酸トリエチルアミンまたはプロピオン酸ルチジンである、請求項21に記載のプロセス。
【請求項23】
前記触媒が、酢酸ピリジニウムまたはプロピオン酸ピリジニウムである、請求項22に記載のプロセス。
【請求項24】
前記反応が、前記溶媒のおよそ還流温度で行われる、請求項20に記載のプロセス。
【請求項25】
前記触媒が、前記式4の化合物に対して約1モル%〜約50モル%の量で使用される、請求項20に記載のプロセス。
【請求項26】
前記触媒が、前記式4の化合物に対して約5モル%〜約10モル%の量で使用される、請求項25に記載のプロセス。
【請求項27】
前記溶媒が、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素、エーテル、塩素化炭化水素およびそれらの混合物からなる群より選択される、請求項20に記載のプロセス。
【請求項28】
前記溶媒が、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素および芳香族炭化水素からなる群より選択される、請求項27に記載のプロセス。
【請求項29】
前記溶媒が、トルエン、ベンゼン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンおよびそれらの混合物から選択される、請求項28に記載のプロセス。
【請求項30】
前記溶媒が、トルエンである、請求項29に記載のプロセス。
【請求項31】
前記溶媒が、ヘプタンである、請求項29に記載のプロセス。
【請求項32】
前記反応が、前記溶媒のおよそ還流温度で行われる、請求項20に記載のプロセス。
【請求項33】
前記式6の化合物が、結晶化によって単離される、請求項20に記載のプロセス。
【請求項34】
前記結晶化が、メチルt−ブチルエーテル単独かまたは非極性の貧溶媒(anti−solvent)と組み合わせたメチルt−ブチルエーテルからである、請求項33に記載のプロセス。
【請求項35】
前記貧溶媒が、ヘプタンである、請求項34に記載のプロセス。

【公表番号】特表2007−523864(P2007−523864A)
【公表日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−518874(P2006−518874)
【出願日】平成16年7月8日(2004.7.8)
【国際出願番号】PCT/US2004/021747
【国際公開番号】WO2005/007608
【国際公開日】平成17年1月27日(2005.1.27)
【出願人】(596129215)シェーリング コーポレイション (785)
【氏名又は名称原語表記】Schering Corporation
【Fターム(参考)】