説明

3−ラインアフェレーシスシステム及び方法

血液成分を集収し交換するための血液処理システム(100)が、血液を引き出し、血液成分を対象へ戻すための静脈アクセス装置(110)を備えている。血液ドローライン(120)が、静脈アクセス装置(110)を血液成分分離装置(150)に流体接続している。抗凝血剤源(134)に接続された抗凝血剤ライン(130)が、抗凝血剤を前記引き出された全血へ導入する。リターンライン(140)は、静脈アクセス装置(110)及び血液成分分離装置(150)に流体接続されており、集収されなかった血液成分を対象へ戻す。ドローポンプ(122)、抗凝血剤ポンプ(132)及びリターンポンプ(142)はそれぞれ、ドローライン(120)、抗凝血剤ライン(130)及びリターンライン(140)を通る流れを制御する。血液成分分離装置(150)は、引き出された血液を第1の血液成分及び第2の血液成分へ分離する。分離装置(150)は、前記第1の血液成分をバッグへ送ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権
本特許出願は、「Three-Line Apheresis System and Method」と題され、代理人書類番号1611/A51で譲渡され、Etienne Pages及びMichael Ragusaを発明者とする2008年4月14日付け出願の米国特許出願第12/102,407号の優先権を主張するものであり、当該米国出願の内容全体は参照によりここに援用される。
【0002】
技術分野
本発明は、血液処理のためのシステム及び方法、詳細には、3−ラインアフェレーシスシステム及びそれを用いる方法に関する。
【背景技術】
【0003】
アフェレーシスは、個々の血液成分を、対象(対象者)から一時的に引き出された全血から分離し収集することができる処置である。典型的には、全血は、対象者の腕に挿入された針を介して、遠心分離ボウルのような細胞分離器へと引き出される。全血をその様々な成分(例えば、血漿、赤血球、白血球及び血小板)に分離した後、1つ以上の成分を遠心分離ボウルから除くことができる。残りの成分は、除かれた成分の体積を補償するための任意の流体補償と共に対象へ戻す。
【0004】
アフェレーシスシステムにおいて考慮すべきことの1つは、体外体積(extra corporeal volume、ECV)の量、つまり、処置中、体の外部にある全血量である。供血者対象の安全性のために、また供血者対象の処置に対する許容度を改善するために、この体外体積は最小限に抑えるべきである。ECVの限界があることにより、様々なアフェレーシスシステム及び分離装置の設計が製作されている。例えば、現状のアフェレーシスシステムは、典型的には、連続流分離装置又は非連続流分離装置を採用する。連続流分離装置は、典型的には、分離プロセス中、分離された成分を装置内で蓄積しない(しかし、分離装置の外部に容器を追加することはできる)。これに対して、非連続式分離装置内には、典型的には、血液成分が蓄積され、その後、分離装置から除かれ抽出される。
【0005】
連続式分離装置と非連続式分離装置との他の重要な違いは、それぞれが有するアクセスポートの数である。特に、連続流分離装置は典型的には、少なくとも3つのアクセスポート(抗凝血処理された全血のための1つの入口ポート及び2つの成分用出口ポート)を有しており、その一方、非連続式分離装置は、2つのポートしか有していない(流入口及び流出口)。
【0006】
非連続式分離装置(例えば、2−ポート遠心分離ボウル)を利用するアフェレーシスシステムは、全血を、供血者又は患者から導管を通して、成分分離が行われる遠心分離ボウル内へ引き出す。十分な体積がボウル内に存在するようになったら、新しい血液の引き出しを停止し、所望しない成分を供血者又は患者に同じ導管を通して間欠的に戻すが、これは、遅延時間を生じさせ、全体の処置時間を増大させるものである。戻しが完了したら、全血を再び供血者又は患者から引き出し、第2のサイクルを開始する。このバッチプロセスを、成分の所望の量が集収されるまで続ける。
【発明の概要】
【0007】
本発明の態様によれば、血液処理システムは、血液成分を集収し、除き(取り出し)、交換することができる。この血液処理システムは、非連続式システムであってよく、全血を対象から引き出し、血液成分を対象へ戻すための静脈アクセス装置と、血液成分分離装置とを備えていてよい。血液成分分離装置は、引き出された血液を少なくとも第1の血液成分及び第2の血液成分に分離するものであり、第1の血液成分を第1の血液成分バッグに送るように構成されていてよい。血液成分分離装置は、流出口を備えていてもよく、流出口を通して第1の血液成分を送り出すか第2の血液成分を送り出すかの切り換えを行うことができる。血液処理システムは複数のラインを有していてもよく、それには、非限定的に、血液ドロー(引出し)ライン、抗凝血剤ライン及びリターン(戻し)ラインが含まれる。上記ラインのそれぞれを通る流れを、ライン固有のポンプが制御する。
【0008】
血液ドローラインは、静脈アクセス装置に流体接続されており、引き出された全血を血液成分分離装置へ輸送するように構成されていてよい。血液ドローポンプは、血液ドローラインを通る流れを制御することができる。抗凝血剤ラインは、抗凝血剤源に接続されていてよく、抗凝血剤を引き出された全血内に、例えば静脈アクセス装置の近くで導入することができる。抗凝血剤ポンプは、抗凝血剤ラインを通る流れを制御することができる。リターンラインは、静脈アクセス装置と血液成分分離装置とを流体接続し、第2の血液成分又は補償流体を対象へ戻すために使用することができる。リターンポンプは、リターンラインを通る流れを制御することができる。いくつかの態様では、リターンラインは、静脈アクセス装置に、血液ドローポンプと静脈アクセス装置との間の地点で流体接続している。
【0009】
他の態様によれば、血液成分分離装置は遠心分離ボウルであり、引き出された血液を、第1の血液成分及び第2の血液成分に加えて、第3の血液成分に分離することができる。第2の血液成分に加えて、第3の血液成分を、対象へリターンラインを介して戻すことができる。第1の血液成分は血漿であってよく、第2の血液成分は赤血球であってよく、第3の血液成分は血小板又は他の血球であってよい。別態様では、第1の血液成分は血小板であってよく、第3の血液成分は血漿であってよい。
【0010】
さらなる態様によれば、サージ・エルトリエーション(surge elutriation)ステップを、生理食塩水又は他の補償流体を利用して、血漿をボウルから抽出するために使用することができる。加えて、システムは、リターンライン上に、血液成分分離装置と静脈アクセス装置との間に配置されているバルブを備えていてよい。バルブは、リターンライン内の流れを停止させる。サージ・エルトリエーションの際、血液成分分離装置は、第1の血液成分を第1の血液成分バッグに送ることができる。システムは、リターンラインに配置されている、血漿を保持する血漿リザーバを有してよい。
【0011】
本発明のさらに別の態様によれば、血液成分を集収し交換する方法が用いられる。上記方法は、静脈アクセス装置を対象に挿入すること、及び血液を対象から引き出すことを含む。静脈アクセス装置は、ドローライン、抗凝血処理ライン及びリターンラインに接続されていてよい。上記方法は、血液を対象から、血液成分分離装置に接続されているドローラインを通して引き出す。ドローラインポンプは、ドローラインを通る流れを制御する。上記方法は、引き出された血液中に抗凝血剤を、抗凝血剤ラインを通して導入することもできる。抗凝血剤ラインポンプは、抗凝血剤ラインを通る流れを制御する。対象から引き出された血液の量が、必ずしも血液成分分離装置を満たす必要はない。
【0012】
引き出された血液が血液成分分離装置内に入ったら、上記方法は、引き出された血液を第1の血液成分及び第2の血液成分へ分離し、第1の血液成分を血液成分分離装置から抽出する。次いで、上記方法は、第2の血液成分を対象へリターンラインを通して戻すことができ、このリターンラインは、静脈アクセス装置に、ドローラインポンプと静脈アクセス装置との間の地点で流体接続している。リターンラインポンプは、リターンラインを通る流れを制御する。血液成分分離装置は遠心分離ボウルであってよい。
【0013】
他の態様によれば、上記方法は、第2の成分を患者に戻す間、血液の引き出しを中断し、目標の血漿体積が抽出されるまでいくつかの又は全てのステップを繰り返すこともできる。加えて、上記方法は、リターンライン内の圧力も監視し、その監視された圧力に基づいてリターンライン内の流体の流れを調節し、それにより、所望の圧力範囲内に圧力を維持する。上記方法は、血液が対象から引き出された後、補償流体の体積も対象へ戻すことができ、それにより、引き出された血液の体積が埋め合わせられる。
【0014】
さらに別の態様によれば、血液成分を集収し交換するための血液処理システムは、全血を対象から引き出し、血液成分を対象へ戻すための静脈アクセス装置を備えていてよい。上記システムは、引き出された血液を第1の血液成分及び第2の血液成分へ分離し、第1の血液成分を第1の血液成分バッグへ送る2−ポート血液成分分離装置を有していてもよい。血液処理システムは、複数のラインを有していてもよく、それには、非限定的に、血液ドローライン、抗凝血剤ライン及びリターンラインが含まれる。ラインに固有のポンプは、前記ラインのそれぞれを通る流れを制御することができる。
【0015】
血液ドローラインは、静脈アクセス装置に流体接続され、引き出された全血を血液成分分離装置へ輸送するように構成されていてよい。血液ドローポンプは、血液ドローラインを通る流れを制御することができる。抗凝血剤ラインは、抗凝血剤源に接続されていてよく、抗凝血剤を引き出された全血へ、例えば静脈アクセス装置の近くで導入することができる。抗凝血剤ポンプは、抗凝血剤ラインを通る流れを制御することができる。リターンラインは、静脈アクセス装置と血液成分分離装置とを流体接続していてよく、第2の血液成分又は補償流体を対象へ戻すために使用することができる。リターンポンプは、リターンラインを通る流れを制御することができる。いくつかの態様では、リターンラインは、静脈アクセス装置に、血液ドローポンプと静脈アクセス装置との間の地点で流体接続している。2−ポート血液成分分離装置は遠心分離ボウルであってよい。第1の血液成分は血漿であってよく、第2の血液成分は赤血球であってよい。別態様では、第1の血液成分は血小板であってよく、第2の血液成分は血漿であってよい。
【0016】
以上の本発明の特徴は、添付の図面を参照しながら以下の詳細な説明を読むことによってより容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】従来の2−ポートの単一アクセス式(single access)血液処理システムの概括的な構造を概略的に示す。
【図2】本発明の態様による3−ラインの単一アクセス式システムの概括的な構造を概略的に示す。
【図3】本発明の態様による3−ラインの単一アクセス式システムのより詳しい構造を概略的に示す。
【図4】本発明の一態様による、図1の機械と共に使用するための2−ポートの遠心分離ボウルの側面図を概略的に示す。
【図5】本発明の態様による、図2、3及び4に示すアフェレーシスシステムの構成要素を含むディスポーザブルセットの一態様を示す。
【図6】1つの本発明の一態様による3−ラインの単一アクセス式システムを使用する一方法のステップを示すフローチャートを示す。
【図7】本発明のさらなる態様による3−ラインの単一アクセス式システムを使用する第2の方法のステップを示すフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の態様は、血液アフェレーシス処置を行うためのシステム及び方法を提供する。特定の態様は、より短い全処置時間で、ほんの限られた「むだ時間」で、小さな体外体積、全ての引き出された血液の処理及び引き出された血液の、処理され戻される血液への最小限の曝露を提供する3−ラインの単一アクセス式の血液アフェレーシスシステムを提供する。上記方法及びシステムは、血液を対象から引き出し、抗凝血剤を引き出された血液中へ導入し、使用されない又は処理後の血液成分を対象へ戻すための専用のラインを利用することができる。例示的な態様の詳細を以下に説明する。
【0019】
図1に示すように、また上述したように、2−ポート分離装置(例えば遠心分離ボウル12)を利用する従来のシステム10は、全血を供血者又は患者から導管14を通して遠心分離ボウル12内へ引き出し、この遠心分離ボウル12内で成分分離が行われる。ボウル12内に十分な体積が入れば、システム10は全血の引き出しを停止し、所望の成分を集収し(例えば、血漿をライン19及びバッグ18を介して且つ/又は血小板をライン20及びバッグ22を介して)、所望しない成分を供血者又は患者へ同じ導管14を通して間欠的に戻すが、これは、遅延時間を生じさせ、全処理時間を増大させるものである。リターンステップが完了した時、全血を再び供血者又は患者から引き出し、第2のサイクルを開始する。このバッチプロセスは、成分の所望の量が集収されるまで続けられる。遠心分離ボウル12には2つのポートしかないために、抽出された成分は、その各導管(例えば、血漿バッグライン19及び血小板バッグライン20)内へと分かれる前に、所定の長さの導管17を共有することに留意することは重要である。
【0020】
これに対して、図2に示すように、本発明の態様は、全血を対象から引き出し、抽出されていない且つ/又は所望でない成分を対象へ、専用のラインを介して戻す。特に、血液処理システム100は、全血を対象から、対象の腕に挿入されていてよい静脈アクセス装置110を通して引き出す。静脈アクセス装置110は、そこから延びる3つのラインを有していてよい。第1のライン、つまり血液ドローライン120は、静脈アクセス装置110を血液成分分離装置150へ流体接続する。よって、全血を対象から引き出す時には、血液は、静脈アクセス装置110を通して、ドローライン120を介し、血液成分分離装置へと通過していく。ドローラインに配置されたドローポンプ122は、ドローライン120を通るドロー流れの方向、流量及び期間を制御する。
【0021】
全血を対象から引き出している時、抗凝血剤を全血に添加することができ、それにより、血液がライン内又は血液成分分離装置150内で凝血するのを防止する。そのために、システムは、一方の端部で抗凝血剤源134(例えば、抗凝血剤のバッグ)に、もう一方の端部で静脈アクセス装置110(又はドローライン120)に流体接続されている抗凝血剤ライン130を備えていてよい。抗凝血剤ライン130は抗凝血剤ポンプ132を通って延びており、抗凝血剤ポンプ132は、抗凝血剤ライン130を通る流れ及び全血内に導入されたの抗凝血剤量を制御することができる。いくつかの態様では、抗凝血剤ポンプ132は、ドローポンプ122に対して比例的に作動し、それにより、抗凝血剤の適正な量が全血に添加されることを保証する。抗凝血剤は任意の地点で全血に添加することができるが、抗凝血剤は全血に、静脈アクセス装置110のできるだけ近くで導入することが好ましい。任意のライン/導管が、ライン内の流れを停止させるためのクランプバルブ(clamp valve)164を備えていてよいことに留意することは重要である。
【0022】
抗凝血処理された全血の所望の量を対象から引き出し、血液成分分離装置150内に収容したら、血液成分分離装置は、全血をいくつかの血液成分に分離する。例えば、血液成分分離装置は、全血を、第1の、第2の、第3の血液成分、及びできれば第4の血液成分に分離することができる。より具体的には、血液成分分離装置150は、全血を、血漿、血小板、赤血球及びできれば白血球に分離することができる。以下により詳細に説明するように、血液処理システム100のいくつかの態様は、輸送ポンプ210及び血漿バッグ158に接続された希釈/抽出ライン160を備えていてよい。輸送ポンプ210及び希釈/抽出ライン160は、血液成分分離装置に導入される抗凝血処理された引き出された血液の希釈を含む様々な目的に使用することができる。例えば、ユーザが、引き出された血液がより高い血漿含有量を有するものであるよう望む場合には、システムは、前記輸送ポンプを作動させ、血漿バッグ158からの血漿を、引き出された血液にドローライン120内で導入することによって引き出された血液を希釈することができる。追加的に又は別態様で、輸送ポンプをサージ・エルトリエーション(以下に詳細に説明する)の際に、使用することができ、それにより、血漿を血漿バッグ158から血液成分分離装置150へ導入し、血小板(又は他の血液成分)を抽出する。
【0023】
全血を血液成分に分離するために、様々な血液成分分離装置150を使用することができるが、本発明のいくつかの態様は、参照によりここに援用される米国特許第3,145,713号に記載されているような標準的なレーサム型の遠心分離器を使用する。しかし、本発明の他の態様は、他の血液成分分離装置150、例えば、非限定的に、参照によりここに援用される米国特許第4,983,156及び4,943,273号に記載の一体のブロー成形された遠心分離ボウルを使用することもできる。
【0024】
図4に示すように、レーサム型遠心分離器11を使用する場合、血液成分分離装置150は、回転可能なボウル12、並びに回転式シール74によってボウル内部に流体連結されている不動の入口及び出口ポートPT1及びPT2を備えている。ドローライン120は、静脈アクセス装置110(例えば、瀉血針)及び入口ポートPT1を流体接続する。いくつかの態様では、全血をまずプールし、その後供給したい場合には、静脈アクセス装置110は、全血バッグ(図示せず)で置き換えられていてよい。そのような態様では、ドローライン120は、全血バッグ及び入口ポートPT1を流体接続する。
【0025】
上述のように、血液成分分離装置150は、全血をその構成成分へと分離する。より詳細には、ボウル12が回転する際に、遠心力が、ボウルの底部へ入った抗凝血処理された全血を、赤血球(RBC)、白血球(WBC)、血小板及び血漿に分離する。ボウル12の回転数は、例えば4,000〜6,000rpmの範囲で選択することができ、典型的には4,800rpmである。血液は、成分密度に応じて異なる画分に分離される。より高い密度の成分、つまりRBC60は、ボウル12の外壁70に押しやられ、その一方、より低い密度の血漿66はコア72のより近くに留まる。バフィーコート61は、血漿66とRBC60との間に形成される。バフィーコート61は、血小板64の内層、血小板及びWBCの移行層68、並びにWBC62の外層からなっている。血漿66は、分離領域から流出口ポートに最も近い成分であって、追加の抗凝血処理された全血が流出ポートPT1を通してボウル12に入る時に、ボウル12から流出口ポートPT2を介して排出される最初の流体成分である。
【0026】
血液成分分離装置150が血液を様々な成分に分離した後、1つ以上の成分を血液成分分離装置150から除くことができる。例えば、血漿は、ライン152を通して血漿バッグ158へ(図3)、ライン222を通して廃棄バッグ220(図3)へ除くことができる。別態様では、血漿は、リターンライン140上に配置された血漿リザーバ(図示せず)へと除くことができる。除かれた血漿(又は補償流体)は、後に、血液成分分離装置150内へ流量を増大させながら導入し、それにより、血小板を血小板バッグ156へライン154を介して抽出し、送ることができる。このプロセスは、サージ・エルトリエーションとして知られる。所望の成分を血液成分分離装置から除いた後、システムは、残りの成分対象へ戻すことができる。システムは、成分を対象へ、専用のリターンライン140を介して戻すことができる。リターンライン140は、血液成分分離装置150と静脈アクセス装置110とを流体接続する。好ましい態様では、リターンライン140は、静脈アクセス装置110に、血液ドローポンプ122と静脈アクセス装置110との間の地点で流体接続する。抗凝血剤ライン130及びドローライン120と同様、リターンライン140も専用のポンプ142を有する。リターンポンプ142は、リターンライン142内の流体の流れの方向、流量及び期間を制御する。いくつかの態様では、システムは、リターンポンプ142の上流で、リターンライン140に流体接続する血漿リターンライン162有していてもよい。血漿リターンライン162によって、システム100が、血漿バッグ158内に収容されている血漿を対象へ戻すことができる。血漿リターンライン162は、血漿を対象へ戻すために、リターンポンプ142を利用することができる。
【0027】
いくつかの態様によれば、システム100は、非連続的なバッチ様プロセスで、全血を引き出し、成分に分離し、血液成分を血液成分分離装置から抽出することができる。例えば、システム100は、特定の体積が血液成分分離装置150内に存在するようになるまで、全血を対象から引き出すことができる。次いで、システム100は、血液成分分離装置150内に収容されている血液を分離し、所望の血液成分を集収し、残りの血液成分を対象へ戻す。次いで、システム100は、さらに全血を対象から引き出し、例えば血液成分の規定量が集収されるまで上記プロセスを繰り返す。いくつかの態様、特に血液成分分離装置150において単一の流出口のみが設けられている態様では、血液成分分離装置150は、同じ流出口を通して、第1の血液成分及び第2の血液成分の流出を切り換えて行うことができる。例えば、血液成分分離装置150は、まず血漿を血漿バッグ158へ流出させ、その後、残りの血液成分を対象へ同じ流出口を通して戻すことができる。
【0028】
図3に示すように、上記システム構成要素に加えて、システムは、多数のバルブ、フィルタ、圧力モニタ及びセンサを備えていてよく、これらは、システム全体の操作を簡単にするものである。特に、上述の各ラインは、ライン内にフィルタを収容していてよい。例えば、リターンライン140は血液フィルタ240を備えていてよく、戻される血液成分はこの血液フィルタ240を通らなければならない。加えて、抗凝血剤ライン130は、細菌フィルタ265を含んでいてよく、この細菌フィルタ265は、抗凝血剤源134中の何らかの細菌がシステムに入ることを防止する。ドローライン120は血液フィルタ(図示せず)を有していてよいが、血液を対象から引き出すこと及び使用されない成分を戻すことの両方のために同じラインを使用する慣例のシステムとは異なり、本発明の態様は、ドローライン120上のフィルタを必要としないことに留意されたい。特に、これは、リターンラインが、体内へ戻される流体中に存在し得るあらゆる汚染を取り除くフィルタを含むからである。ドローライン上のフィルタを外すことにより、ドローステップはより迅速に、より効率的になり、ドローポンプには、それほど作動の負担をかけずに済む。別態様では、システムは、より低容量のポンプを使用することができる。加えて、ドローライン120上での濾過を回避し、またドロー全血を引き出すため及び血液成分を戻すために同じラインをしないので、これにより、潜在的な微細凝集体が、フィルタから分離装置150へ前後に移動することも防止される。
【0029】
以下にさらに詳細に説明するが、システムは、システム全体にわたり配置されている、システム内の流体の流れを制御するための複数のバルブを有していてよい。例えば、リターンライン及びドローラインは、開放された時にラインを通して流体を流し、閉鎖された時に流れを阻止するバルブ(例えば、それぞれバルブ281及び280)を含んでいてよい。加えて、保存バッグ156、158及び廃棄バッグ220並びに補償流体源230に繋がる各ライン152、154、222、232は、同様のバルブ(例えば、それぞれバルブ285、284、286及び287)を有していてよい。加えて、血液成分分離装置150への流入口は、血液成分分離装置150への又はそこからの流れを許容又は阻止するバルブ282及び283を有していてよい。バルブは、手動式又は自動式であってよい。言い換えれば、バルブは、ユーザ/技術者により手動で操作されてもよいし、例えば制御装置によって、特定の条件を満たした場合に自動式に操作されるようになっていてもよい(例えば、以下に説明する、ライン140内で空気を検出すると閉鎖するリターンラインバルブ281)。
【0030】
任意の又は全ての上述のラインが、ライン内の空気の存在を検出するための空気検出器を備えていてよいことに留意されたい。例えば、リターンライン140は空気検出器250を備えていてよい。ライン内の空気泡の存在は、システムの操作において問題となり得るし、空気泡が血液流に入った場合、対象にとって有害ともなり得る。したがって、空気検出器250は、空気泡が検出された場合に、(例えば、リターンポンプ142を停止するか又はリターンライン140上のバルブ281を閉鎖することによって)リターンライン内の140流れを停止する連動装置に接続されていてよく、それにより、空気泡が対象へ入ることが防止される。加えて、いくつかの態様では、リターンライン140は、空気トラップ270を備えていてもよい。空気トラップ270は、対象へ戻される流体(例えば、血液成分又は補償流体)からあらゆる空気を除去するために使用することができる。
【0031】
加えて、図3及び4に示すように、血液成分分離装置150は、流出口ポートPT2の近くに配置されたラインセンサ260を備えていてよい。ラインセンサ260は、流出口ポートPT2及びセンサ260を通過する流体を通る光を発するLEDを備えている光学センサであってよい。LED光の反対側に(例えば、流体の反対側の面に)配置されている光検出器は、流体を通過する光を受容し、この受容された光の量に基づいて、通過する流体の密度を決定することができる。この計算された密度に基づき、ラインセンサ260は、センサを通過する成分の種類(例えば、血小板又は血漿)を決定することができる。いくつかの態様では、ラインセンサ260は、1つ以上の上述のバルブに接続されていてよく、(例えば、直接的に又は制御装置を介して)バルブの操作を制御することができる。例えば、ラインセンサ260が、センサを通る流れが血漿から血小板に変化していることを指示する密度の変化を検出した場合には、ラインセンサ260は、血漿バッグ158へ繋がるバルブを閉鎖し、血小板バッグ156に繋がるバルブを開放することができる。
【0032】
システムは、システム内で流体を再循環させ且つ血液成分を血液成分分離装置150から引き出す再循環ポンプ210を備えていてもよい。例えば、再循環ポンプ210は、サージ・エルトリエーションの際、血漿を血液成分分離装置150から除くか又は補償流体を補償流体源230から血液成分分離装置150へ送るために使用することができ、これについては、以下により詳細に説明する。
【0033】
図5に示すように、上述のシステム及びそれに対応する構成要素は、共に、ディスポーザブルセット500としてパッケージングされていてよい。ディスポーザブルセット500は、血液処理のために必要とされるディスポーザブル(使い捨ての)構成要素のいくつか又は全てを備えていてよい。例えば、ディスポーザブルセットは、とりわけ、ドローライン120、リターンライン140、抗凝血剤ライン130、他の全てのシステムチューブ系、所与のライン内の流れを停止するための多数のバルブ164、血小板バッグ156、血漿バッグ158、抗凝血剤フィルタ265及び静脈アクセス装置110を備えていてよい。よって、ユーザ/技術者が、血液アフェレーシスプロセスを行おうとする時、予めパッケージングされているディスポーザブルセットを開封して、適切なアフェレーシス機械にその構成要素を組み込むだけでよい。加えて、アフェレーシスプロセスが完了した時には、ユーザ/技術者は、そのディスポーザブル構成要素を取り外し、適切に処分するだけでよい。
【0034】
図6に、上述の3−ラインの単一アクセス式アフェレーシスシステムを使用する方法を描いたフローチャートを概略的に示す。詳細には、上記方法は、まず静脈アクセス装置110を対象へ挿入し(ステップ610)、次いで、全血をドローライン120を通して引き出すことを開始する(ステップ620)。上述のように、ドロー(引出し)ライン120内の流れの方向、流量及び期間は、ドローポンプ122によって制御される。全血が対象から引き出される時、抗凝血剤ポンプ132は、抗凝血剤を、抗凝血剤源134から全血へ抗凝血剤ライン130を介して導入する(ステップ630)。上述のように、抗凝血剤は、システム内での全血の凝血を防止する。
【0035】
抗凝血処理された全血が血液成分分離装置150に達すると、血液成分分離装置は、上述の層状に配置された血液を構成成分(例えば、赤血球、血漿、血小板及び白血球)に分離する(ステップ640)。次いで、システムを操作する技術者は、1つ以上の成分を抽出し(抽出される成分は、処置の目的によって決められる)(ステップ650)、残りの血液成分を対象へ戻すことができる(ステップ660)。上述のように、戻される成分は、対象へリターンライン140及びリターンポンプ142を介して戻される。リターンプロセス中、ドローライン120及びドローポンプ122は、ドローライン120上に配置されたバルブ280を閉鎖することによって、供血者(及びリターンライン140)から隔離することができる。加えて、リターンプロセス中、抗凝血剤の流れを阻止するために抗凝血剤ポンプ132を停止させることができる。成分の目標の体積が採取/集収されたら(ステップ670)、処置は完了する。そうでなければ、システムは、ステップ620〜660を繰り返すことによって、成分の第2のバッチを採取/集収するために使用することができる。
【0036】
他の態様によれば、図7に示すように、3−ラインの単一アクセス式アフェレーシスを使用する方法が、いくつかの追加的な任意のステップを含んでいてよい。特に、全血の所定の体積をドローラインを通して引き出し(ステップ620)、抗凝血剤を導入した(ステップ630)後、上記方法は、引出しを中断し(ステップ710)、補償流体を対象へ戻す(ステップ712)。補償流体を対象へリターンライン140及びリターンポンプ142を介して戻すことができ、それにより、引出しステップとリターンステップとの間での切り換えに必要な休止時間を著しく減少する。対象へ戻される補償流体の量は、患者から引き出された全血の体積と実質的に同様であってよいか、或いは、計算された除くべき血液成分の体積(例えば、除くべき血漿の量)に基づくものであってよい。補償流体の適切な量を対象へ戻した後、続いて、上記方法は、例えば、赤血球の予め規定された体積が血液成分分離装置内で分離されるまで、リターンを停止し、全血の引出しを再開する(ステップ715)。この(例えば、補償流体を戻すためにドローステップを中断させる)方式で、補償流体を対象へ戻すことによって、任意の時点での体外体積を減少させることができ、対象の処置への許容度を増大させる。
【0037】
対象から引き出される全血の体積が、血液成分分離装置150の体積と等しくある必要はないことに留意されたい。いくつかの態様では、引き出された血液の体積は、血液成分分離装置150の体積より小さく、その場合、空気が分離装置150内にまだ存在していてよい。そのような態様では、体外体積がより小さくなるので、対象は、処置に対ししてより大きな許容度を有することができる。加えて、上述のように、本発明の態様は、血液成分分離装置がまだ空気を収容している時(例えば、血液成分分離装置150が満たされていない時)に、ドローステップを中断させ、補償流体を対象へ戻し、次いで、ドローを再開して血液成分分離装置の体積内で残りの体積を満たす。これによっても、体外体積の量が低減し、対象の処置に対する許容度が向上する。
【0038】
次いで、血液成分分離装置は、上述のように、抗凝血処理された全血を構成成分に分離し(ステップ640)、1つ以上の成分を抽出することができる(ステップ650)。この時間で、上記方法は、再度、補償流体を患者へ戻すことができる(ステップ717)。追加的に又は別態様で、成分はサージ・エルトリエーションにより抽出する場合には、技術者は、補償流体を血液成分分離装置150へ送ることを開始することができる。補償流体により、分離装置内の血漿が、血漿バッグ158又は廃棄バッグ220(図3)へ移される。上記方法は、血漿の既知の割合が分離装置150から移されるまで(例えば85%)、このサージステップを続けることができる。次いで、上記方法は、血液成分分離装置150を停止し、分離装置の内容物(例えば、残りの血液成分及び補償流体)を対象へリターンライン140を介して戻す(ステップ660)。図6に関連して説明するように、成分(例えば血漿)の目標の体積が採取/集収されたならば(ステップ670)、処置は完了する。場合によっては、システムを、ステップ620〜660を繰り返すことによって、成分の第2のバッチを採取/集収するために使用することができる。
【0039】
本発明のいくつかの態様は、リターンライン140上の1つ以上の圧力センサを備えていてもよい。圧力センサ(図示せず)は、リターンライン140内の圧力を測定する。次いで、測定された圧力は、対象にアクセスする地点での圧力に対応する対象アクセス圧力を決定するために使用することができる。本発明の態様は、対象アクセス圧力に基づいてリターンライン140内の流れを制御することができる。例えば、対象アクセス圧力が過度に高い場合には、リターンポンプ142は、リターンライン140内の流れを減少させることができ、それにより、対象アクセス圧力を低下させ、対象への悪影響は回避される。
【0040】
システムが、残りの血液成分及び補償流体を対象へ戻したら、本発明のいくつかの態様は、抽出された血液成分(例えば血漿)の量及び補償流体で置き換えられた量を決定することができる。そのような態様では、システムは、まずボウル平均ヘマトクリット(bowl mean hematocrit)及び血漿交換比率を計算することができる。次いで、システムは、その情報を利用して、抽出される血漿の量及び補償流体で置き換えられる血漿の量を決定することができる。
【0041】
システムの全ての成分が、接触する物質に対して適合性を有する適切な材料からなっているべきであることに留意されたい。例えば、ドローライン120、リターンライン140並びにライン152及び154は、血液及び血液成分に対して適合性がなくてはならない。加えて、血小板バッグ156及び血漿バッグ158は、それぞれ、血小板及び血漿に対して適合性がなくてはならない。同様に、抗凝血剤ライン130は、抗凝血剤に対して適合性がなくてはならない。
【0042】
上述の態様の範囲内の全てのポンプのサイズ及び容量は、同一である必要はないことにも留意されたい。例えば、ドローポンプ122は、リターンポンプ142及び抗凝血剤ポンプ132に比して大きく、またより大きな容量を有していてよい。加えて、各ラインを通る流量が等しくある必要もない。例えば、いくつかの態様では、ドローライン120及びドローポンプ122を通る流量は、リターンポンプ142及び抗凝血剤ポンプ132を通る流量の合計よりも大きくてよい。
【0043】
上述の態様の任意のものを、様々なアフェレーシス及び血液処理の処置のために使用することができることに留意することは重要である。例えば、態様は、赤血球アフェレーシス、血漿アフェレーシス、血小板アフェレーシス、又は様々な治療の用途のために使用することができる。
【0044】
以上の説明により、本発明の様々な例示的な態様を開示したが、本発明の真の範囲から逸脱することがなければ、本発明のいくつかの利点を達成する様々な変更が当業者により行われ得ることに留意されたい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
血液成分を集収し交換するための非連続式血液処理システムであって、
対象から全血を引き出し、血液成分を対象へ戻すための静脈アクセス装置、
前記引き出された血液を第1の血液成分及び第2の血液成分へ分離するための血液成分分離装置であって、流出口を有し、前記第1の血液成分を第1の血液成分バッグへ送るように構成されており、当該血液成分分離装置の同じ流出口を通して、前記第1の血液成分及び前記第2の血液成分の吐出を切り換えるようになっている、血液成分分離装置、
前記静脈アクセス装置に流体接続され、引き出された全血を前記血液成分分離装置に輸送するように構成されている血液ドローラインであって、当該血液ドローラインを通る流れが血液ドローポンプによって制御されている、血液ドローライン、
抗凝血剤源に接続され、抗凝血剤を引き出された全血内に導入する抗凝血剤ラインであって、当該抗凝血剤ラインを通る流れが抗凝血剤ポンプによって制御されている、並びに
前記静脈アクセス装置及び前記血液成分分離装置に流体接続された、前記第2の血液成分を患者に戻すためのリターンラインであって、当該リターンラインを通る流れがリターンポンプによって制御され、当該リターンラインが、前記静脈アクセス装置に、前記血液ドローポンプと前記静脈アクセス装置との間の地点で流体接続する、リターンライン
を備えている、非連続式血液処理システム。
【請求項2】
前記血液成分分離装置が、前記流出口とは異なる流入口を有する2−ポート遠心分離ボウルを含む、請求項1に記載の血液処理システム。
【請求項3】
前記第1の血液成分が血漿であり、前記第2の血液成分が赤血球である、請求項1に記載の血液処理システム。
【請求項4】
前記第1の血液成分が血小板であり、前記第2の血液成分が血漿である、請求項1に記載の血液処理システム。
【請求項5】
前記抗凝血処理ラインが、前記抗凝血剤を引き出された血液に、前記静脈アクセス装置の近くで導入する、請求項1に記載の血液処理システム。
【請求項6】
前記第1の血液成分が赤血球である、請求項1に記載の血液処理システム。
【請求項7】
前記リターンライン上に、前記血液成分分離装置と前記静脈アクセス装置との間に配置されたバルブをさらに備えており、当該バルブが、前記リターンライン内の流れを停止する、請求項1に記載の血液処理システム。
【請求項8】
前記リターンラインに配置された血漿リザーバをさらに備えており、該血漿リザーバが、血漿を保持するためのものである、請求項1に記載の血液処理システム。
【請求項9】
前記第1の血液成分が血小板である、請求項1に記載の血液処理装置。
【請求項10】
前記血液成分分離装置が、引き出された血液を、前記第1の血液成分及び前記第2の血液成分に加えて、第3の血液成分にさらに分離する、請求項9に記載の血液処理システム。
【請求項11】
前記第2の血液成分に加えて、前記第3の血液成分が対象へ前記リターンラインを介して戻される、請求項10に記載の血液処理装置。
【請求項12】
血液成分を集収し交換する方法であって、
(a)静脈アクセス装置を対象へ挿入し、当該静脈アクセス装置が、ドローライン、抗凝血処理ライン及びリターンラインに接続されており、
(b)血液を対象から前記ドローラインを通して引き出し、当該ドローラインが、血液成分分離装置に接続されており、前記ドローラインを通る流れをドローラインポンプによって制御され、
(c)抗凝血剤を、前記引き出された血液へ前記抗凝血剤ラインを通して導入し、前記抗凝血剤ラインを通る流れを抗凝血剤ラインポンプによって制御し、
(d)前記血液成分分離装置を使用して、前記引き出された血液を第1の血液成分及び第2の血液成分へ分離し、
(e)前記第1の血液成分を前記血液成分分離装置から抽出し、
(f)前記第2の血液成分を患者へ前記リターンラインを通して戻し、当該リターンラインを通る流れをリターンラインポンプによって制御し、前記リターンラインが、前記静脈アクセス装置に、前記ドローラインポンプと前記静脈アクセス装置との間の地点で流体接続している、
ことを含む、方法。
【請求項13】
前記血液成分分離装置が遠心分離ボウルである、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の血液成分を前記血液成分分離装置から抽出することが、補償流体を前記血液成分分離装置へ導入すること、並びに前記第1の血液成分をサージ・エルトリエーションによって抽出することを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記対象から引き出された血液の量が、前記血液成分分離装置を満たさない、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
(g)前記第2の成分を対象へ戻している間、前記血液の引出しを中断することをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記第1の血液成分の目標の体積が抽出されるまで、前記ステップ(a)〜(g)を繰り返すことをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記リターンライン内の圧力を監視し、
前記リターンライン内の流体の流れを、前記監視された圧力に基づいて調節して、当該圧力を所望の圧力範囲で維持することをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項19】
血液の所定の体積が対象から引き出された後に、補償流体の体積を対象へ戻すことをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項20】
(g)前記血液成分分離装置を満たす前に、前記血液の引出しを中断し、
(h)前記補償流体の所定の体積を対象へ戻し、
(i)前記血液の対象からの引出しを再開することを、さらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項21】
前記補償流体の体積が、前記血液成分分離装置から抽出された第1の血液成分の体積の関数である、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
血液成分を集収し交換する血液処理システムであって、
全血を対象から引き出し、血液成分を対象へ戻すための静脈アクセス装置、
前記引き出された血液を第1の血液成分及び第2の血液成分へ分離するための2−ポート血液成分分離装置であって、当該血液成分分離装置が、前記第1の血液成分を第1の血液成分バッグへ送るように構成されている、2−ポート血液成分分離装置、
前記静脈アクセス装置に流体接続され、前記引き出された全血を前記血液成分分離装置へ輸送するように構成されている血液ドローラインであって、当該記血液ドローラインを通る流れが血液ドローポンプによって制御され、
抗凝血剤源に接続された、抗凝血剤を前記引き出された全血へ導入する抗凝血剤ラインであって、当該抗凝血剤ラインを通る流れが抗凝血剤ポンプによって制御されている、抗凝血剤ライン、並びに
前記静脈アクセス装置及び前記血液成分分離装置に流体接続され、前記第2の血液成分を前記患者へ戻すためのリターンラインであって、当該リターンラインを通る流れがリターンポンプによって制御され、当該リターンラインが、前記静脈アクセス装置に、前記血液ドローポンプと前記静脈アクセス装置との間の地点で流体接続している、リターンライン
を備えている、血液処理システム。
【請求項23】
前記2−ポート血液成分分離装置が遠心分離ボウルである、請求項22に記載の血液処理システム。
【請求項24】
前記第1の血液成分が血漿であり、前記第2の血液成分が赤血球である、請求項22に記載の血液処理システム。
【請求項25】
前記第1の血液成分が血小板であり、前記第2の血液成分が血漿である、請求項22に記載の血液処理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2011−516212(P2011−516212A)
【公表日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−504195(P2011−504195)
【出願日】平成21年4月10日(2009.4.10)
【国際出願番号】PCT/US2009/040166
【国際公開番号】WO2009/129132
【国際公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【出願人】(594202615)ヘモネティクス・コーポレーション (22)
【氏名又は名称原語表記】Haemonetics Corporation
【住所又は居所原語表記】400 Wood Road,Braintree,Massachusetts 02184,United Statesof America
【Fターム(参考)】