説明

3−[5’−(3,4−ビス(ヒドロキシメチル)ベンジルオキシ)−2’−エチル−2−プロピルビフェニル−4−イル]ペンタン−3−オールの新規な製造方法

本発明は、3-[5’-(3,4-ビス(ヒドロキシメチル)ベンジルオキシ)-2’-エチル-2-プロピルビフェニル-4-イル]ペンタン-3-オール、および前記方法における合成中間体とし有用な新規化合物6-エチル-4’-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-2’-プロピルビフェニル-3-オールの新規な製造方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、以下の式:
【化1】

の3-[5’-(3,4-ビス(ヒドロキシメチル)ベンジルオキシ)-2’-エチル-2-プロピルビフェニル-4-イル]ペンタン-3-オールの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
上記3-[5’-(3,4-ビス(ヒドロキシメチル)ベンジルオキシ)-2’-エチル-2-プロピルビフェニル-4-イル]ペンタン-3-オールのファミリーの化合物、およびこれらのヒトの医薬における使用については、本出願人会社による特許出願WO030/050067号に記載されている。
【特許文献1】国際公開第03/050067号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記特許出願において、3-[5’-(3,4-ビス(ヒドロキシメチル)ベンジルオキシ)-2’-エチル-2-プロピルビフェニル-4-イル]ペンタン-3-オールの合成は、17工程で行われている。この合成において生じた中間体の大多数は、シリカカラムでのクロマトグラフィーによって精製されていて、その結果、この生成物を大規模に製造することは困難である。さらに、工程数が多いことに起因して、この合成の全収率は非常に低く0.5%未満であり、製造時間が非常に長い。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明において、出願人会社は、3-[5’-(3,4-ビス(ヒドロキシメチル)ベンジルオキシ)-2’-エチル-2-プロピルビフェニル-4-イル]ペンタン-3-オールを4工程で製造する新規な方法を開発し、図1のスキームに従って、上述した問題を克服することを可能にした。
【0005】
したがって、本発明は、以下の工程:
a)1-(4-ヒドロキシ-3-プロピルフェニル)プロパン-1-オンを変換してトリフルオロメタンスルホン酸4-プロピオニル-2-(n-プロピル)フェニルエステルを得た後、そのまま続けて(followed in situ)2-エチル-5-メトキシフェニルボロン酸との鈴木タイプの反応をさせる工程;
b)過剰のピリジン塩と共に加熱することにより、1-(2’-エチル-5’-メトキシ-2-プロピルビフェニル-4-イル)プロパン-1-オンを脱メチル化する工程;
c)エチルマグネシウムブロミドまたはエチルリチウムを用いた反応によって、1-(2’-エチル-5’-ヒドロキシ-2-プロピルビフェニル-4-イル)プロパン-1-オンを変換して6-エチル-4’-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-2’-プロピルビフェニル-3-オールを得る工程;
d)6-エチル-4’-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-2’-プロピルビフェニル-3-オールをジメチル4-(ブロモメチル)フタレートと縮合させた後、そのまま続けて水素化ホウ素リチウムを用いた還元反応をさせる工程
を含むことを特徴とする、3-[5’-(3,4-ビス(ヒドロキシメチル)ベンジルオキシ)-2’-エチル-2-プロピルビフェニル-4-イル]ペンタン-3-オールの製造方法に関する。
【0006】
より具体的には、本発明の方法は、以下の詳細な工程を含む:
【0007】
− 本方法の上記第一の工程(工程a)すなわち図1のI01は、1-(4-ヒドロキシ-3-プロピルフェニル)プロパン-1-オン(Demersemanら、Bull. Soc. Chim. Fr., 1963, 2559-2562、またはStoughton, BaltzlyおよびBass、J. Am. Chem. Soc., 56, 1934, 2007に従って製造されたもの)を、トリエチルアミン(NEt3)の存在下、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(Tf2O)との反応によって変換してその誘導体であるトリフルオロメタンスルホン酸4-プロピオニル-2-(n-プロピル)フェニルエステルを得た後、そのままで、K2CO3および触媒量のPdCl2(PPh3)2またはPd(PPh3)4の存在下、2-エチル-5-メトキシフェニルボロン酸(特許出願FR 2 863 613号に記載された方法に従って製造されたもの)との鈴木タイプの縮合反応をさせる、ワンポットの反応である。
【0008】
このワンポットの反応は、溶媒(例えば、テトラヒドロフラン(THF)、ジメチルホルムアミド(DMF))、芳香族溶媒(例えば、トルエン)、エーテル溶媒(例えば、ジイソプロピルエーテル)、ハロゲン化溶媒(例えば、クロロホルム)、またはアルカン類(例えば、ペンタン、ヘキサン、またはヘプタン)中で行われる。この反応で好適に用いられる溶媒は、DMFおよび/またはトルエンである。
この反応は、5〜140℃の温度、好ましくは120℃の温度で行われる。
この反応で使用する触媒PdCl2(PPh3)2またはPd(PPh3)4の量は、1-(4-ヒドロキシ-3-プロピルフェニル)プロパン-1-オンの量に対して0.001〜0.05モル当量の間で変化してよい。好ましくは、0.01〜0.05モル当量のPdCl2(PPh3)2またはPd(PPh3)4を使用する。
【0009】
− 上記第二の工程(工程b)すなわち図1のI02では、1-(2’-エチル-5’-メトキシ-2-プロピルビフェニル-4-イル)プロパン-1-オンを、ピリジン塩を用いて脱メチル化反応させる。この反応は、溶媒なしで、80〜200℃の温度、好ましくは170℃の温度で行う。
この反応で用いるピリジン塩は、ピリジン塩酸塩、ピリジン臭化水素酸塩、またはピリジンヨウ化水素酸塩であってよく、1〜10モル当量の間で変化してよい。好ましくは、5モル当量使用する。
【0010】
− 上記第三の工程(工程c)すなわち図1のI03は、エチルマグネシウムブロミドまたはエチルリチウムを用いた反応によって、1-(2’-エチル-5’-ヒドロキシ-2-プロピルビフェニル-4-イル)プロパン-1-オンを変換して、新規な化合物6-エチル-4’-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-2’-プロピルビフェニル-3-オールを得る工程である。
この反応で用いる好適な溶媒は、エーテル類、例えば、エチルエーテル、tert-ブチルジメチルエーテル、またはテトラヒドロフランである。
この反応は、-20℃〜20℃の温度、好ましくは0℃で行われる。
この反応で用いるエチルマグネシウムブロミドまたはエチルリチウムの量は、2〜5モル当量の間で変化してよい。好ましくは、2.2モル当量用いる。
【0011】
− これに続く上記の工程(工程d)すなわち図1のI04では、6-エチル-4’-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-2’-プロピルビフェニル-3-オールを、ジメチル4-(ブロモメチル)フタレート(E.H.White、D.F.Roswell、およびO.C.ZafiriouによるJ. Org. Chem., 34 (8), 2462-2468, 1969、ならびに、J.W.Leon、M.Kawa、およびJ.M.J.FrechetによるJ. Amer. Chem. Soc., 118, 8847-8859, 1996に記載された方法に類似した方法に従って製造されたもの)と、炭酸カリウム(K2CO3)の存在下、テトラヒドロフラン中で還流させながら縮合させる。そのまま続けて、水素化ホウ素リチウム(LiBH4)を添加した後、テトラヒドロフランを還流させながら加熱することによって、2つのカルボキシル官能基を還元する。この最初の反応は、ヨウ化カリウムの存在下、相間移動剤、例えばアリコート336(Aliquat 336)またはテトラヒドロブチルアンモニウムブロミドによって触媒され得る。
【0012】
本発明は、以下の構造:
【化2】

を有する新規な化合物6-エチル-4’-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-2’-プロピルビフェニル-3-オール、およびその製造方法にも関する。
【0013】
したがって、本発明は、エチルマグネシウムブロミドまたはエチルリチウムを用いた反応によって、1-(2’-エチル-5’-ヒドロキシ-2-プロピルビフェニル-4-イル)プロパン-1-オンを変換して、6-エチル-4’-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-2’-プロピルビフェニル-3-オールを得る方法にも関する。
この反応に用いる好適な溶媒は、エーテル類、例えば、エチルエーテル、tert-ブチルジメチルエーテル、またはテトラヒドロフランである。
この反応は、-20℃〜20℃の温度、好ましくは0℃で行われる。この反応に用いるエチルマグネシウムブロミドまたはエチルリチウムの量は、2〜5モル当量の間で変化してよい。好ましくは、2.2モル当量用いる。
処理の後、6-エチル-4’-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-2’-プロピルビフェニル-3-オールをジイソプロピルエーテルまたはジクロロメタンから結晶化することにより、この生成物を99%より高い純度で得ることができる。
【0014】
本発明は、3-[5’-(3,4-ビス(ヒドロキシメチル)ベンジルオキシ)-2’-エチル-2-プロピルビフェニル-4-イル]ペンタン-3-オールの製造における6-エチル-4’-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-2’-プロピルビフェニル-3-オールの使用にも関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
例示のため、いかなる限定的な性質も有することなく、3-[5’-(3,4-ビス(ヒドロキシメチル)ベンジルオキシ)-2’-エチル-2-プロピルビフェニル-4-イル]ペンタン-3-オールの製造を可能にする方法について以下に記載する。
【実施例】
【0016】
[実施例1]:3-[5’-(3,4-ビス(ヒドロキシメチル)ベンジルオキシ)-2’-エチル-2-プロピルビフェニル-4-イル]ペンタン-3-オールの合成
【0017】
1)1-(2’-エチル-5’-メトキシ-2-プロピルビフェニル-4-イル)プロパン-1-オン
203 gの1-(4-ヒドロキシ-3-プロピルフェニル)プロパン-1-オンおよび1リットルのトルエンを、窒素下で4リットルの反応容器に入れた。この媒質を約-5℃まで冷却した後、176 mlのトリエチルアミンを迅速に添加し、次いで、196 mlのトリフルオロメタンスルホン酸無水物を、-5℃〜+1℃の間で1時間に亘って添加した。30分撹拌した後、1リットルの2M K2CO3溶液を添加し、次いで、190 gの2-エチル-5-メトキシフェニルボロン酸のジメチルホルムアミド(610 ml)溶液を添加した。12 gのテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)を添加し、この反応媒質を還流させながら2時間加熱した。周囲温度に戻した後、この反応媒質を610 mlの飽和NH4Cl溶液で3回洗浄し、その後610 mlの水で洗浄した。溶媒を、真空下で有機相から蒸発させた。得られた粗生成物を、1倍量のジクロロメタンに溶解し、その重量の3倍量のシリカゲルに吸着させた。16倍量のジクロロメタンで溶出を行った。溶媒を蒸発させた後、335 gの1-(2’-エチル-5’-ヒドロキシ-2-プロピルビフェニル-4-イル)プロパン-1-オンが得られた(ベージュ色のオイル:収率100%)。
【0018】
2)1-(2’-エチル-5’-ヒドロキシ-2-プロピルビフェニル-4-イル)プロパン-1-オン
413 g(1.33モル)の1-(2’-エチル-5’-メトキシ-2-プロピルビフェニル-4-イル)プロパン-1-オンおよび768 g(6.64モル)のピリジン塩酸塩を丸底フラスコに入れた。この混合物を、撹拌しながら160℃〜170℃で4時間加熱した。この反応媒質を、100℃〜110℃にまで戻し、800 mlの水を添加した。この混合物を、30℃に冷却し、1.6リットルの酢酸エチルで抽出した。静置により分離した後、水相を600 mlの酢酸エチルで抽出した。これらの有機相を合わせて、800 mlの水で2回洗浄した。真空下で蒸発させた後、410 gの1-(2’-エチル-5’-ヒドロキシ-2-プロピルビフェニル-4-イル)プロパン-1-オンがオイルの形態で得られた。
【0019】
3)6-エチル-4’-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-2’-プロピルビフェニル-3-オール
370 g(1.248モル)の1-(2’-エチル-5’-ヒドロキシ-2-プロピルビフェニル-4-イル)プロパン-1-オンのテトラヒドロフラン(3.7リットル)溶液を、反応容器に入れた。-10℃に冷却したこの溶液中に、エチルエーテル中のエチルマグネシウムブロミドの3M溶液 915 mlを、ゆっくりと流し込んだ。この添加が終わった後、この反応混合物を1時間撹拌し、次いで、塩化アンモニウムの2.5モル水溶液 5リットル中に注ぎ入れた。有機相を静置により分離し、800 mlの水で2回洗浄した。真空下で蒸発させた後、残渣を、2.75リットルのジクロロメタンを用いて還流させながら溶解させた。この媒質を撹拌しながら周囲温度に戻した後、5℃に冷却した。結晶を濾過し、真空下で乾燥した。260 g(64%)の6-エチル-4’-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-2’-プロピルビフェニル-3-オールが得られた。
融点:130℃
1H NMR (d6-DMSO) (ppm): 0.67-0.74, m, 9H; 0.9, t, 3H; 1.38, m, 2H; 1.71-1.77, m, 4H; 2.13-2.35, m, 4H; 4.48, s, 1H; 6.45, d, 1H; 6.70, dd, 1H; 6.94, d, 1H; 7.07, d, 1H; 7.18, dd, 1H; 7.26, s, 1H; 9.16, s, 1H
【0020】
4)3-[5’-(3,4-ビス(ヒドロキシメチル)ベンジルオキシ)-2’-エチル-2-プロピルビフェニル-4-イル]ペンタン-3-オール
40 g(0.123モル)の6-エチル-4’-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-2’-プロピルビフェニル-3-オール、37 g(0.129モル)のジメチル4-(ブロモメチル)フタレート、17.8 g(0.129モル)の炭酸カリウム、500 mgのアリコート336、および100 mgのヨウ化カリウムを、機械的攪拌機を備えた丸底フラスコ中の400 mlのテトラヒドロフランに導入した。この反応混合物を、還流させながら6時間加熱した。周囲温度に戻した後、4 g(0.184モル)の水素化ホウ素リチウムを少しずつに分けて添加した。加熱を、再び4時間行った。この媒質を周囲温度に戻した後、ゆっくりと600 mlの氷冷水に注ぎ入れた。2時間撹拌した後、有機相を100 mlの酢酸エチルで抽出し、200 mlの水で2回洗浄した。この有機相を真空下で蒸発させ、残渣を、ジイソプロピルエーテル/エタノール混合液中に50℃で溶解させた。
一晩撹拌した後、結晶を濾過し、真空下で乾燥させた。41.6 g(71%)の3-[5’-(3,4-ビス(ヒドロキシメチル)ベンジルオキシ)-2’-エチル-2-プロピルビフェニル-4-イル]ペンタン-3-オールが得られた。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1は、3-[5’-(3,4-ビス(ヒドロキシメチル)ベンジルオキシ)-2’-エチル-2-プロピルビフェニル-4-イル]ペンタン-3-オールの新規な合成法を示すスキームである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の構造:
【化1】

を有する3-[5’-(3,4-ビス(ヒドロキシメチル)ベンジルオキシ)-2’-エチル-2-プロピルビフェニル-4-イル]ペンタン-3-オールの製造方法であって、以下の4工程:
a)1-(4-ヒドロキシ-3-プロピルフェニル)プロパン-1-オンを変換してトリフルオロメタンスルホン酸4-プロピオニル-2-(n-プロピル)フェニルエステルを得た後、2-エチル-5-メトキシフェニルボロン酸と反応させる工程;
b)過剰のピリジン塩と共に加熱することにより、1-(2’-エチル-5’-メトキシ-2-プロピルビフェニル-4-イル)プロパン-1-オンを脱メチル化する工程;
c)エチルマグネシウムブロミドまたはエチルリチウムを用いた反応によって、1-(2’-エチル-5’-ヒドロキシ-2-プロピルビフェニル-4-イル)プロパン-1-オンを変換して6-エチル-4’-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-2’-プロピルビフェニル-3-オールを得る工程;
d)6-エチル-4’-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-2’-プロピルビフェニル-3-オールをジメチル4-(ブロモメチル)フタレートと縮合させた後、そのまま続けて水素化ホウ素リチウムを用いた還元反応をさせる工程
を含むことを特徴とする、方法。
【請求項2】
工程a)の前記反応が、1-(4-ヒドロキシ-3-プロピルフェニル)プロパン-1-オンを、トリエチルアミン(NEt3)の存在下、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(Tf2O)との反応によって変換してその誘導体であるトリフルオロメタンスルホン酸4-プロピオニル-2-(n-プロピル)フェニルエステルを得た後、2-エチル-5-メトキシフェニルボロン酸との鈴木タイプの縮合反応をさせる反応であることを特徴とし、かつ、工程a)の前記反応が、そのままで、K2CO3および触媒量のPdCl2(PPh3)2またはPd(PPh3)4の存在下、溶媒(例えば、テトラヒドロフラン(THF)、ジメチルホルムアミド(DMF))、芳香族溶媒(例えば、トルエン)、エーテル溶媒(例えば、ジイソプロピルエーテル)、ハロゲン化溶媒(例えば、クロロホルム)、またはアルカン類(例えば、ペンタン、ヘキサン、またはヘプタン)中で行われることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
工程a)の前記反応が、5〜140℃の温度で行われ、かつ、前記触媒量のPdCl2(PPh3)2またはPd(PPh3)4が0.01〜0.05モル当量であることを特徴とする、請求項1または2に記載の製造方法。
【請求項4】
工程b)の前記ピリジン塩が、1〜10モル当量の間で変化してよい濃度のピリジン塩酸塩、ピリジン臭化水素酸塩、またはピリジンヨウ化水素酸塩から選択されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項5】
工程b)の前記ピリジン塩が、5モル当量の濃度で用いられることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項6】
工程b)が溶媒なしで行われることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項7】
工程b)が、80〜200℃の温度で行われることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項8】
工程b)が、170℃の温度で行われることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項9】
工程c)が、溶媒、例えばエチルエーテル、tert-ブチルジメチルエーテル、またはテトラヒドロフランの存在下、エチルマグネシウムブロミドまたはエチルリチウムを用いた反応によって、1-(2’-エチル-5’-ヒドロキシ-2-プロピルビフェニル-4-イル)プロパン-1-オンを変換して6-エチル-4’-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-2’-プロピルビフェニル-3-オールを得る工程であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項10】
工程d)が、6-エチル-4’-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-2’-プロピルビフェニル-3-オールをジメチル4-(ブロモメチル)フタレートと、炭酸カリウム(K2CO3)の存在下、テトラヒドロフラン中、還流させながら縮合させた後、そのまま続けて、水素化ホウ素リチウム(LiBH4)を添加した後テトラヒドロフランを還流させながら加熱することにより2つのカルボキシル官能基を還元する工程であることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項11】
以下の構造:
【化2】

を有する化合物6-エチル-4’-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-2’-プロピルビフェニル-3-オール。
【請求項12】
以下の構造:
【化3】

を有する6-エチル-4’-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-2’-プロピルビフェニル-3-オールの製造方法であって、前記化合物が、1-(2’-エチル-5’-ヒドロキシ-2-プロピルビフェニル-4-イル)プロパン-1-オンから、溶媒の存在下、エチルマグネシウムブロミドまたはエチルリチウムを添加することによって得られることを特徴とする、方法。
【請求項13】
使用する前記溶媒が、エーテル類、例えばエチルエーテル、tert-ブチルジメチルエーテル、またはテトラヒドロフランであることを特徴とする、請求項12に記載の製造方法。
【請求項14】
前記反応が-20℃〜20℃の温度で行われることを特徴とする、請求項12または13に記載の製造方法。
【請求項15】
前記反応が0℃の温度で行われることを特徴とする、請求項12〜14のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項16】
前記エチルマグネシウムブロミドまたはエチルリチウムの量が、2〜5モル当量の間で変化してよいことを特徴とする、請求項12〜15のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項17】
前記エチルマグネシウムブロミドの量が、2.2モル当量であることを特徴とする、請求項12〜16のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項18】
以下の構造:
【化4】

を有する6-エチル-4’-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-2’-プロピルビフェニル-3-オールの、3-[5’-(3,4-ビス(ヒドロキシメチル)ベンジルオキシ)-2’-エチル-2-プロピルビフェニル-4-イル]ペンタン-3-オールの製造における使用。

【図1】
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【公表番号】特表2008−520632(P2008−520632A)
【公表日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−542039(P2007−542039)
【出願日】平成17年11月17日(2005.11.17)
【国際出願番号】PCT/FR2005/002856
【国際公開番号】WO2006/053985
【国際公開日】平成18年5月26日(2006.5.26)
【出願人】(599045604)ガルデルマ・リサーチ・アンド・デヴェロップメント (117)
【Fターム(参考)】