説明

4−ヒドロキシイソロイシン又は2−アミノ−3−メチル−4−ケトペンタン酸の製造法

【課題】ヒドロキシイソロイシン又は2-アミノ-3-メチル-4-ケトペンタン酸の製造方法を提供する。
【解決手段】2-アミノ-3-メチル-4-ケトペンタン酸から4-ヒドロキシイソロイシンを生成する、微生物由来の酵素の存在下で2-アミノ-3-メチル-4-ケトペンタン酸またはその塩を還元反応に供し4-ヒドロキシイソロイシンを生成させる工程を含むことを特徴とする、4-ヒドロキシイソロイシン又はその塩の製造方法。L−イソロイシンジオキシゲナーゼ及び4−ヒドロキシ−L−イソロイシンデヒドロゲナーゼの存在下で、L−イソロイシンを反応させる工程を含む、2−アミノ−3−メチル−4−ケトペンタン酸又はその塩を製造する方法。4−ヒドロキシ−L−イソロイシンデヒドロゲナーゼの活性が低減又は欠失するように改変されている、L−イソロイシンジオキシゲナーゼ活性を有する細菌の存在下で、L−イソロイシンから(2S,3R,4S)−4−ヒドロキシ−L−イソロイシン又はその塩を製造する方法。


Notice: Undefined index: DEJ in /mnt/www/gzt_disp.php on line 298

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スポロボロミセス・グラシリス(Sporobolomyces gracilis)、クリプトコッカス・アルビダス(Cryptococcus albidus)、ロドトゥルラ・マリナ(Rhodotorula marina)、ロドトゥルラ・パリダ(Rhodotorula pallida)、フラボバクテリウム・エステロアロマティクム(Flavobacterium esteroaromaticum)、バシラス・チュリンジエンシス(Bacillus thuringiensis)、アグロバクテリウム・ラディオバクター(Agrobacterium radiobacter)、プルラリア・プルランス(Pullularia pullulans)、フサリウム・ソラニ(Fusarium solani)、ジベレラ・フジクロイ(Gibberella fujikuroi)、モルティエレラ・イザベリナ(Mortierella isabellina)、モルティエレラ・フミコーラ(Mortierella humicola)、トリコデルマ・レーゼイ(Trichoderma reesei)、オーレオバシディウム・プルランス(Aureobasidium pullulans)、セファロスポリウム・コレミオイデス(Cephalosporium coremioides)、バーティシリウム・アルボ-アトラム(Verticillium albo-atrum)、ピトミセス・メイディカム(Pitomyces maydicum)、ロドコッカス・ルバー(Rhodococcus ruber)、ノカルディア・エスピー(Nocardia sp.)、ストレプトミセス・オリボクロモゲネス(Streptomyces olivochromogenes)、クリニペリス・スティピタリア(Crinipellis stipitaria)、フラムリナ・ベルティペス(Flammulina velutipes)、トリコロマ・マツタケ(Tricholoma matsutake)およびフォミトプシス・プベルタティス(Fomitopsis pubertatis) から選ばれる1種類または2種類以上の微生物に由来する2-アミノ−3−メチル−4−ケトペンタン酸還元酵素を2-アミノ−3−メチル−4−ケトペンタン酸又はその塩と接触させ、4-ヒドロキシイソロイシンを生成させる工程を含むことを特徴とする、4-ヒドロキシイソロイシン又はその塩の製造方法。
【請求項2】
微生物が、Sporobolomyces gracilis AKU 4438、Cryptococcus albidus AKU 4507、Rhodotorula marina AKU 4806、Rhodotorula pallida AKU 4810、Flavobacterium esteroaromaticum AKU 146、Bacillus thuringiensis AKU 238、Bacillus thuringiensis ATCC 35646、Agrobacterium radiobacter AKU 301、Pullularia pullulans AKU 3651、Fusarium solani TG-2 AKU 3710、Gibberella fujikuroi AKU 3804、Gibberella fujikuroi AKU 3805、Mortierella isabellina AKU 3999-2、Mortierella humicola AKU 3999-5、Trichoderma reesei AKU 3999-15、Aureobasidium pullulans IFO 4466、Cephalosporium coremioides IG 212、Verticillium albo-atrum IG 504、Pitomyces maydicum IG 611、Rhodococcus ruber NOC 081、Nocardia sp. AKU 2130、Streptomyces olivochromogenes AKU 2301、Crinipellis stipitaria AKU 5507、Flammulina velutipes AKU 5518、AKU 5519、Flammulina velutipes AKU 5520、Flammulina velutipes HATSUYUKI AKU 5608、Tricholoma matsutake IFO 30604およびFomitopsis pubertatis (Lioyd) Imaz. AKU 5709、から選択される微生物である、請求項1記載の製造方法。
【請求項3】
酵素が、
(a)配列番号13記載のアミノ酸配列を有するタンパク質をコードするDNA、および、
(b)配列番号13記載のアミノ酸配列を有するタンパク質において1から30個のアミノ酸残基が付加、欠失、置換または挿入され、かつ、2-アミノ−3−メチル−4−ケトペンタン酸還元酵素活性を有するものをコードするDNA、
から選ばれる一つで形質転換されたエシェリヒア属細菌を培養して得られるものである、請求項1記載の製造方法
【請求項4】
(a)配列番号5の塩基配列を含むDNAと、
(b)配列番号5の塩基配列と相補的な塩基配列を有するDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、且つ4−ヒドロキシ−L−イソロイシンデヒドロゲナーゼ活性を有するタンパク質をコードするDNAと、
(c)配列番号6のアミノ酸配列を含むタンパク質をコードするDNAと、
(d)配列番号6のアミノ酸配列において、1つ又は幾つかのアミノ酸残基の置換、欠失、挿入、付加又は逆位を包含するアミノ酸配列を有し、且つ4−ヒドロキシ−L−イソロイシンデヒドロゲナーゼ活性を有するタンパク質をコードするDNAと、
(e)配列番号6のアミノ酸配列と少なくとも98%の相同性があるアミノ酸配列を有し、且つ4−ヒドロキシ−L−イソロイシンデヒドロゲナーゼ活性を有するタンパク質をコードするDNAと、
から成る群から選択されるDNA。
【請求項5】
請求項4に記載のDNAをベクターDNAと連結させることによって得られる組み換えDNA。
【請求項6】
請求項3に記載の組み換えDNAで形質転換された細胞。
【請求項7】
培地中で請求項6に記載の細胞を培養し、培地もしくは細胞またはその両方に4−ヒドロキシ−L−イソロイシンデヒドロゲナーゼ活性を有するタンパク質を蓄積させることを含む、4−ヒドロキシ−L−イソロイシンデヒドロゲナーゼ活性を有するタンパク質を製造する方法。
【請求項8】
(f)配列番号6のアミノ酸配列を含むタンパク質と、
(g)配列番号6のアミノ酸配列において、1つ又は幾つかのアミノ酸残基の置換、欠失、挿入、付加又は逆位を包含するアミノ酸配列を有し、且つ4−ヒドロキシ−L−イソロイシンデヒドロゲナーゼ活性を有するタンパク質と、
(h)配列番号6のアミノ酸配列と少なくとも98%の相同性があるアミノ酸配列を有し、且つ4−ヒドロキシ−L−イソロイシンデヒドロゲナーゼ活性を有するタンパク質と、
から成る群から選択されるタンパク質。
【請求項9】
2−アミノ−3−メチル−4−ケトペンタン酸又はその塩を製造する方法であって、
水性溶媒中で、L−イソロイシンジオキシゲナーゼ、及び
(f)配列番号6のアミノ酸配列を含むタンパク質と、
(g)配列番号6のアミノ酸配列において、1つ又は幾つかのアミノ酸残基の置換、欠失、挿入、付加又は逆位を包含するアミノ酸配列を有し、且つ4−ヒドロキシ−L−イソロイシンデヒドロゲナーゼ活性を有するタンパク質と、
(h)配列番号6のアミノ酸配列と少なくとも70%の相同性があるアミノ酸配列を有し、且つ4−ヒドロキシ−L−イソロイシンデヒドロゲナーゼ活性を有するタンパク質と、
から成る群から選択される少なくとも1つの4−ヒドロキシ−L−イソロイシンデヒドロゲナーゼの存在下で、L−イソロイシンを反応させ、
生成する2−アミノ−3−メチル−4−ケトペンタン酸を単離することを含む、2−アミノ−3−メチル−4−ケトペンタン酸又はその塩を製造する方法。
【請求項10】
2−アミノ−3−メチル−4−ケトペンタン酸又はその塩を製造する方法であって、
水性溶媒中で、L−イソロイシンジオキシゲナーゼ、及び
(f)配列番号6のアミノ酸配列を含むタンパク質と、
(g)配列番号6のアミノ酸配列において、1つ又は幾つかのアミノ酸残基の置換、欠失、挿入、付加又は逆位を包含するアミノ酸配列を有し、且つ4−ヒドロキシ−L−イソロイシンデヒドロゲナーゼ活性を有するタンパク質と、
(h)配列番号6のアミノ酸配列と少なくとも70%の相同性があるアミノ酸配列を有し、且つ4−ヒドロキシ−L−イソロイシンデヒドロゲナーゼ活性を有するタンパク質
と、
から成る群から選択される少なくとも1つの4−ヒドロキシ−L−イソロイシンデヒドロゲナーゼを含有する細菌の存在下で、L−イソロイシンを反応させ、
生成する2−アミノ−3−メチル−4−ケトペンタン酸を単離することを含む、2−アミノ−3−メチル−4−ケトペンタン酸又はその塩を製造する方法。
【請求項11】
前記細菌が前記4−ヒドロキシ−L−イソロイシンデヒドロゲナーゼの活性を高めるように改変されている、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記細菌が、前記L−イソロイシンジオキシゲナーゼ及び前記4−ヒドロキシ−L−イソロイシンデヒドロゲナーゼの活性を高めるように改変されている、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記タンパク質の活性が、該タンパク質をコードする遺伝子の発現を増大させることによって高められる、請求項11又は12に記載の方法。
【請求項14】
前記遺伝子の発現が、前記タンパク質をコードする該遺伝子の発現制御配列を改変すること、又は該タンパク質をコードする該遺伝子のコピー数を増加させることによって増大される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記細菌がエシェリキア属、シュードモナス属、コリネバクテリウム属、アルトロバクター属、アスペルギルス属又はバチルス属に属する、請求項10〜14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記細菌が大腸菌(Escherichia coli)、アルトロバクター・シンプレックス(Arthrobacter simplex)、コリネバクテリウム・グルタミカム(Corynebacterium glutamicum)、アルトロバクター・グロビフォルミス(Arthrobactor globiformis)、アルトロバクター・スルフレウス(Arthrobactor sulfureus)、アルトロバクター・ビスコーサス(Arthrobactor viscosus)、又は枯草菌(Bacillus subtilis)に属する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記細菌が細菌培養物、細胞、処理細胞、又は細胞溶解物である、請求項10〜16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
(2S,3R,4S)−4−ヒドロキシ−L−イソロイシン又はその塩を製造する方法であって、
水性溶媒中で、L−イソロイシンジオキシゲナーゼ活性及び4−ヒドロキシ−L−イソロイシンデヒドロゲナーゼ活性の両方を元来有する細菌の存在下で、L−イソロイシンを反応させ、
生成する(2S,3R,4S)−4−ヒドロキシ−L−イソロイシンを単離することを含み、前記細菌が4−ヒドロキシ−L−イソロイシンデヒドロゲナーゼの活性が低減又は欠失するように改変されている、(2S,3R,4S)−4−ヒドロキシ−L−イソロイシン又はその塩を製造する方法。
【請求項19】
前記細菌においてL−イソロイシンジオキシゲナーゼ及び4−ヒドロキシ−L−イソロイシンデヒドロゲナーゼをコードする遺伝子がオペロンを構成する、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記細菌が、前記L−イソロイシンジオキシゲナーゼの活性を高めるように改変される、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記細菌における4−ヒドロキシ−L−イソロイシンデヒドロゲナーゼの活性が、4−ヒドロキシ−L−イソロイシンデヒドロゲナーゼをコードする遺伝子の発現の減衰又は抑制によって低減又は欠失する、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
前記細菌がバチルス属、エンテロバクター属、又はシュードモナス属に属する、請求項18〜21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記細菌がバチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)、バチルス・ワイヘンステファンエンシス(Bacillus weihenstephanensis)、バチルス・セレウス(Bacillus cereus)、エンテロバクター・アグロメランス(Enterobacter agglomerance)、又はシュードモナス・シリンゲ(Pseudomonas syringae)に属する、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記細菌が細菌培養物、細胞、処理細胞、又は細胞溶解物である、請求項18〜23のいずれか一項に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate

【図30】
image rotate

【図31】
image rotate

【図32】
image rotate

【図33】
image rotate

【図34】
image rotate

【図35】
image rotate

【図36】
image rotate

【図37】
image rotate

【図38】
image rotate

【図39】
image rotate

【図40】
image rotate

【図41】
image rotate


【公開番号】特開2009−131254(P2009−131254A)
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−287218(P2008−287218)
【出願日】平成20年11月7日(2008.11.7)
【出願人】(000000066)味の素株式会社 (887)
【出願人】(504132272)国立大学法人京都大学 (1,269)
【Fターム(参考)】