説明

7−アルキニル−1,8−ナフチリドンの誘導体、これらの調製方法および治療におけるこれらの使用

本発明は、式(I)を有する化合物に関し、式中のRおよびRは、互いに独立に、水素原子、1つ以上のアルコキシ基により置換されていてもよいC1−C7アルキル基を表し、Rは、C1−C7アルキル基を表し、Rは、水素原子、C1−C4アルキル基を表し、Yは、C1−C4アルコキシ基、−NRR’、−O(CH−C(O)−NRR’基(ここで、RおよびR’は下記で定義された通りである。)を表し、nは1または2に等しい整数であり、R”は、C1−C4アルキル基を表し、RおよびR’は、互いに独立に、水素原子、−CO−(C1−C4アルキル)基または−COO”基を表し、R”は上記で定義された通りである。本発明は、これらの調製方法およびこれらの治療における使用にも関する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、7−アルキニル−1,8−ナフチリドン誘導体、これらの調製およびこれらの治療上の適用に関する。
【発明の概要】
【0002】
本発明の1つの主題は、式(I)に相当する化合物であり、
【0003】
【化1】

式中、
およびRは、互いに独立に、
・水素原子、
・1つ以上のアルコキシ基により置換されていてもよいC−Cアルキル基、
を表し、
は、C−Cアルキル基を表し、
は、水素原子またはC−Cアルキル基を表し、
Yは、C−Cアルコキシ基または−NRR’もしくは−O(CH−C(O)−NRR’基を表し、RおよびR’は下記で定義された通りであり、nは1または2に等しい整数であり、
R”は、C−Cアルキル基を表し、
RおよびR’は、互いに独立に、水素原子、−CO−(C−Cアルキル)基または−COOR”基を表し、R”は上記で定義された通りである。
【0004】
式(I)の化合物は、1つ以上の非対称炭素原子を含み得る。したがってこれらは、エナンチオマーまたはジアステレオ異性体の形態で存在し得る。これらのエナンチオマー、ジアステレオ異性体およびこれらの混合物は、これらのラセミ混合物を含めて本発明の範囲内に入る。
【0005】
式(I)の化合物は、塩基の形態または酸もしくは塩基によって塩化された、特に薬剤として許容される酸または塩基の形態で存在し得る。かかる付加塩は本発明の範囲内に入る。これらの塩は、有利には薬剤として許容される酸または塩基を用いて調製されるが、例えば式(I)の化合物の精製または単離において有用な他の酸または塩基の塩も本発明の範囲内に入る。
【0006】
本発明による化合物は、水和物または溶媒和物の形態、すなわち水の1つ以上の分子とのまたは溶媒との組合せもしくは会合の形態でも存在し得る。このような水和物および溶媒和物も本発明の範囲内に入る。
【0007】
本発明の状況においておよび文中で別途に言及しない限りは、
−アルキル基は、1から7個の炭素原子(有利には1から4個の炭素原子)を含む飽和の線状または分岐した脂肪族基を意味するものと理解される。例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシルまたはヘプチル基などを挙げることができる。
【0008】
−アルコキシ基は、−O−アルキル基を意味するものと理解され、アルキル基は上記で定義された通りである。
【0009】
−ハロゲン原子は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を意味するものと理解される。
【0010】
本発明の主題である化合物のうちでは、YがC−Cアルコキシ基を表す化合物の部分群を挙げることができる。
【0011】
本発明の主題である化合物のうちでは、それに対するYが−NRR’基を表し、RおよびR’は上記で定義された通りである化合物の第2の部分群を挙げることができる。
【0012】
本発明の主題である化合物のうちでは、それに対するYが−O(CH−C(O)−NRR’基を表し、RおよびR’は上記で定義された通りであり、nは1または2に等しい整数である化合物の第3の部分群を挙げることができる。
【0013】
本発明の主題である化合物のうちでは、特に以下の化合物を挙げることができる。
【0014】
・メチル{3−[7−アミノ−8−エチル−6−(メチルカルバモイル)−5−オキソ−5,8−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−2−イル]プロパ−2−イン−1−イル}カルバメート
・2−アミノ−7−(3−アミノ−3−メチルブタ−1−イン−1−イル)−1−エチル−N−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキサミド塩酸塩
・(±)−2−アミノ−7−(3,4−ジメトキシ−3−メチルブタ−1−イン−1−イル)−1−エチル−N−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキサミド
・2−アミノ−7−[3−(2−アミノ−2−オキソエトキシ)−3−メチルブタ−1−イン−1−イル]−1−エチル−N−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキサミド
・2−アミノ−1−エチル−7−(3−メトキシプロパ−1−イン−1−イル)−N−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキサミド。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明によれば、式(I)の化合物はスキーム(1)に提示されている方法によって調製され得る。
【0016】
【化2】

【0017】
図1によれば、X基がハロゲン原子(好ましくは塩素または臭素)を表し、市販されているかまたは当業者に知られている方法によって調製された式(II)の2,6−ジハロニコチン酸が、式R−NH(ここでRは上記で本発明の主題である式(I)の化合物に関連して定義された通りである。)のアミンによって、20℃と150℃との間の温度においてアルコールまたは水などのプロトン性溶媒中で、場合によって密封管中において、2位置においてモノ置換される。式(III)の2−アミノニコチン酸誘導体が得られ、この誘導体はG.OlahらによってSynthesis(1973)、487頁に記載されているジクロロメタンなどの不活性溶媒中におけるトリエチルアミンまたはピリジンなどの塩基の存在下での周囲温度におけるフッ化シアヌルの作用によってまたはMukaiyamaおよびTanakaによってChem.Lett.(1976年)、303頁に、またはIshikawaおよびSasakiによってChem.Lett.(1976年)、1407頁に記載されているものなどの当業者に知られている他の方法によって式(IV)の酸フッ化物に転化される。高度に反応性でしかも安定な式(IV)のアシルフルオライドは、続いてジメチルホルムアミドなどの極性非プロトン性溶媒中における水素化ナトリウムなどの強塩基の存在下で式(V)のN−置換シアノアセトアミドと反応させる。
【0018】
誘導体(IV)の誘導体(V)との縮合の段階において2当量の水素化ナトリウムが使用され、次いで周囲温度において10と16時間との間攪拌した後に3当量目のNaHが導入されると、形成された脱プロトンされた化合物(VI)はその場で同じ温度において良好な収率で環化して直接式(VII)のアミノピリジノ[2,3−b]ピリドンをもたらす(方法B)。
【0019】
式(V)のN−アルキルシアノアセトアミドは、シアノ酢酸をアルキルクロロホルメート(エチルまたはイソブチルクロロホルメートなど)と、トリエチルアミンなどの塩基の存在下で0℃以下の温度において反応させることによって調製し、次いで形成された混合無水物中間体を過剰の式R−NH(Rは本発明の主題である式(I)の化合物に関連して上記で定義された通りである。)のアミンと反応させる。
【0020】
本発明の主題である式(I)のピリジノ[2,3−b]ピリジノンを得るために、式(VII)のハロゲン化された中間体は、当業者に知られている方法によって、式(VIII)のプロパルギルアルコールRCH(Y)CCHの適切な誘導体とカップリングされる(ここでR、RおよびYは式(I)の化合物に関して定義された通りである)。例えば、中間体(VII)は、PdCl(PPh、ヨウ化銅、トリエチルアミンおよびジメチルホルムアミドの存在下の80℃と120℃との間の温度において、適切な式(VIII)のアルキンとのSonogashiraカップリング反応に関与する。この反応は密封された管中およびマイクロウェーブ照射下で行われ得る。
【0021】
必要であれば、スキーム1に示されている反応段階の間は、Y、R、RおよびR基上に置かれているある種の反応性官能基は、「Protective Groups in Organic Synthesis」、Greenら、2版(John Wiley & Sons Inc.、New York)に記載されているものなどの、当業者に知られている保護基によって一時的に保護されることができる。
【0022】
図1において、出発化合物およびこれらの反応物質は、これらの調製の方法が記載されていない場合は市販されているまたは文献に記載されているが、そうでなければその中に記載されているまたは当業者に知られている方法によって調製され得る。
【0023】
本発明の別の態様による本発明の別の主題は、図1中に明示されている式(VII)の化合物である。これらの化合物は式(I)の化合物の合成における中間体として有用である。
【0024】
以下の実施例は、本発明によるいくつかの化合物の調製を例示している。これらの実施例は限定的ではなく、本発明を例示するためだけに役立つ。実施例中に記載されている化合物の番号は、下記の表中に記載されている化合物を指すものであり、この表中には本発明によるいくつかの化合物の化学構造および物理的特性が例示されている。
【実施例1】
【0025】
(±)−2−アミノ−7−(3,4−ジメトキシ−3−メチルブタ−1−イン−1−イル)−1−エチル−N−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキサミド(化合物番号1)
1.1:2−(エチルアミノ)−6−クロロニコチン酸
エチルアミン70%水溶液180ml中の2,6−ジクロロニコチン酸18.0g(84.4mmol)溶液を周囲温度において72時間攪拌する。次いで過剰のアミンを減圧下で蒸発させ、次いで10%酢酸水溶液を、生成物が沈殿するまで加える。ベージュ色の固体をろ別し、冷水ですすいでオーブン中で乾燥する。予想される生成物10.5gが得られる。融点:158−160℃。収率=62%。
【0026】
1.2:2−(エチルアミノ)−6−クロロニコチン酸フルオライド
ピリジン2ml(24.8mmol)および2,4,6−トリフルオロトリアジン4.2ml(49.8mmol)を、ジクロロメタン125ml中の2−(エチルアミノ)−6−クロロニコチン酸5.0g(24.8mmol)懸濁液に加える。混合物を周囲温度において3時間攪拌し、次いでろ過する。固体をジクロロメタン50mlですすぎ、ろ液を氷冷水60mlで2回洗浄する。有機相をNaSOで乾燥し、溶媒を減圧下で蒸発させる。生成物5.01gがオレンジ色オイルの形態で得られる。収率=99%。
【0027】
1.3:N−メチルシアノアセトアミド
エチルクロロホルメート12.28ml(128.44mmol)を、−30℃に冷却した無水THF100ml中の99%シアノ酢酸10.0g(116.38mmol)およびトリエチルアミン16.3ml(116.9mmol)溶液に滴加し、次いで混合物を−30℃において1時間半攪拌する。続いて気体のメチルアミンで飽和させたメタノール300mlを滴加し、次いで混合物を周囲温度において一晩攪拌する。溶媒を減圧下で蒸発させ、生成物をシリカゲルを通じるろ過によって精製し、ジクロロメタン:メタノール(95:5)混合物で溶出を行う。生成物10.0gがベージュ色固体の形態で得られる。融点=99℃。収率=87%。
【0028】
方法A(下記1.4部および1.5部)
1.4:3−[6−クロロ−2−(エチルアミノ)−3−ピリジニル]−2−シアノ−3−ヒドロキシ−N−メチル−2−プロペンアミド
鉱油中の60%水素化ナトリウム3.98g(100mmol)を少量ずつ、0−5℃に冷却した無水ジメチルホルムアミド100ml中のN−メチルシアノアセトアミド9.80g(100mmol)溶液に加える。水素が発生し終わった後で、混合物を周囲温度において10分間攪拌し、次いで再度0−5℃に冷却する。次いでジメチルホルムアミド60ml中の2−(アミノエチル)−6−クロロニコチン酸フルオライド10.09g(49.8mmol)溶液を加え、媒体を周囲温度において一晩攪拌する。酢酸2.85ml(49.8mmol)を加え、揮発性物質を減圧下で蒸発させる。残留物を水中に溶解させて、生成物をジクロロメタン:メタノール(95:5)混合物で2回および次いで酢酸エチル:THF(2:1)混合物で1回抽出する。合わせた有機相をMgSOで乾燥し、次いで溶媒を減圧下で蒸発させる。生成物19.0gが得られ、この生成物はあるがままで次の段階において使用する。
【0029】
1.5:2−アミノ−7−クロロ−1−エチル−N−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキサミド
n−ブタノール600ml中の段階7.4の最後に得られた粗生成物19.0g(49.8mmol)溶液を110℃において48時間加熱する。溶媒を減圧下で蒸発させ、得られた固体をメタノールから粉末化する。続いて固体をろ別してオーブン中で乾燥する。予想される生成物7.9gが薄い黄色固体の形態で得られる。融点:283−286℃。収率=57%。
【0030】
方法B(1.4および1.5の代わりに下記の1.6部)
1.6:2−アミノ−7−クロロ−1−エチル−N−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキサミド
鉱油中の60%水素化ナトリウム0.394g(9.95mmol)を少量ずつ、0−5℃に冷却された無水ジメチルホルムアミド7ml中のN−メチルシアノアセトアミド0.483g(4.93mmol)溶液に加えた。この温度において攪拌を10分間続け、次いでジメチルホルムアミド5ml中の2−(アミノエチル)−6−クロロニコチン酸フルオライド1.0g(4.93mmol)溶液を加える。媒体を周囲温度において一晩攪拌し、次いでさらに60%水素化ナトリウム0.197g(4.93mmol)を少量ずつ加える。この温度において10分間攪拌を続け、次いで酢酸0.56ml(9.78mmol)を加える。その後、水60mlを加え、固体をろ別し、水ですすぎ、次いでオーブン中で乾燥する。予想される生成物1.30gが得られる。融点:283−284℃。MH=281。収率=94%。
【0031】
H NMR(d−DMSO,400MHz,δ:ppm):δ11.75(s,<1H,大広幅);11.00(q,1H,広幅);8.45(d,1H);8.10(s,1H,広幅);7.40(d,1H);4.40(q,2H);2.80(d,3H);1.25(t,3H)。
【0032】
1.7:(±)−3,4−ジメトキシ−3−メチルブタ−1−インの調製
0.5Mテトラヒドロフラン中のエチニルマグネシウムクロライド(またはブロマイド)の市販溶液1400ml(0.7mol)を、アルゴン下において三つ首フラスコ中に流し込む。アイスバスを用いて2℃まで冷却を行い、テトラヒドロフラン600ml中のメトキシアセトン30g(0.327mol)溶液をゆっくり加える(発熱性)。2℃において1時間攪拌を行い、次いで反応混合物を氷/飽和NHCl水溶液混合物上に注ぐ。エーテルを用いて抽出を行い、次いで有機相を合わせ、硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、ろ過して限定された真空下で濃縮する。最後に、(±)−1−メトキシ−2−メチル−3−ブチン−2−オールが重量38gの茶色オイルの形態で得られ(定量的粗製収率)これは続く精製を行わずに次の段階で使用する。
【0033】
テトラヒドロフラン中のカリウムtert−ブトキシドの1.0M溶液17.5ml(Aldrich、17.52mmol)を、アイスバスを用いて冷却されたテトラヒドロフラン6ml中の(±)−1−メトキシ−2−メチル−3−ブチン−2−オール2g(17.52mmol)の溶液に加えた。周囲温度において30分間攪拌を行い、次いでヨウ化メチル0.55ml(35.04mmol)を加える。反応混合物を周囲温度において3時間攪拌し、次いでエーテルおよび水を用いて希釈する。沈降によって分離後、有機相を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過して限定された真空下において濃縮する。予想される生成物2.4gが残留エーテルおよび残留テトラヒドロフランを含む黄色オイルの形態で得られる。得られた(±)−3,4−ジメトキシ−3−メチルブタ−1−インは続く精製を行わずに次の段階において使用する。
【0034】
1.8:(±)−2−アミノ−7−(3,4−ジメトキシ−3−メチルブタ−1−イン−1−イル)−1−エチル−N−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキサミド
DMF/EtN(容積/容積、2/1)混合物30ml中の2−アミノ−7−クロロ−1−エチル−N−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキサミド1.5g(5.34mmol)懸濁液を80mlのマイクロウェーブ管に入れる。この懸濁液中にアルゴンを10分間吹き込み、次いで(±)−3,4−ジメトキシ−3−メチルブタ−1−イン1.37g(10.69mmol)、CuI 0.101g(0.53mmol)およびビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロライド0.187g(0.27mmol)を続けて加える。
【0035】
密封された管をマイクロウェーブオーブン(CEM device、Discover model)に入れ、混合物を加圧下の80℃において45分間加熱し(出力=100W)、次いで冷却し、乾燥するまで蒸発させる。残留物を酢酸エチルおよび水に溶解させる。水相を酢酸エチルを用いて抽出し(3回)、次いで有機相を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過して真空下で濃縮する。
【0036】
得られた残留物をシリカカラム上のクロマトグラフィーによって精製する(固体の堆積、ジクロロメタン:メタノール 100:0から98:2のグラジエントを用いる溶離)。予想される生成物1.37gが薄いグレーの粉末の形態で得られる。
【0037】
融点=185−187℃。MH=373。収率=69%。
【0038】
H NMR(d−DMSO,400MHz,δ:ppm):δ11.75(s,<1H,大広幅);11.00(q,1H,広幅);8.45(d,1H);8.00(s,1H,広幅);7.4(d,1H);5.8(s,1H);4.4(q,2H);3.5−3.3(m+s,5H);2.8(d,3H);1.45(s,3H);1.2(t,3H)。
【実施例2】
【0039】
メチル{3−[7−アミノ−8−エチル−6−(メチルカルバモイル)−5−オキソ−5,8−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−2−イル]プロパ−2−イン−1−イル}カルバメート(化合物番号2)
2.1:メチル(プロパ−2−イン−1−イル)カルバメート
ジオキサン19ml中のプロパギルアミン1.3ml溶液(18.95mmol、Aldrich)を0℃まで冷却し、次いで飽和NaHCO水溶液19mlを加える。0℃において30分間攪拌を行い、次いでメチルクロロホルメート1.83ml(23.68mmol)を加える。温度を徐々に周囲温度まで戻らせながら反応混合物を一晩攪拌する。混合物をエーテルを用いて4回抽出し、次いで有機相を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、真空下において濃縮する。予想される生成物1.93gが黄色オイルの形態で得られ(収率=90%)、これは続く精製を行わずに使用する。
【0040】
2.2:メチル{3−[7−アミノ−8−エチル−6−(メチルカルバモイル)−5−オキソ−5,8−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−2−イル]プロパ−2−イン−1−イル}カルバメート
DMF/EtN(容積/容積、2.2/1)混合物22ml中の2−アミノ−7−クロロ−1−エチル−N−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキサミド0.8g(2.85mmol)懸濁液を10mlのマイクロウェーブ管中に入れる。この懸濁液中にアルゴンを10分間吹き込み、次いでメチル(プロパ−2−イン−1−イル)カルバメート0.98g(8.66mmol)、CuI 0.076g(0.40mmol)およびビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロライド0.139g(0.20mmol)を続けて加える。
【0041】
密封された管をマイクロウェーブオーブン(CEM device、Discover model)に入れ、混合物を加圧下の90℃において15分間加熱する(出力=50W)。周囲温度に戻った後、混合物を乾燥するまで蒸発させ、次いで残留物を酢酸エチルに溶解させる。有機相を飽和NaHCO水溶液、次いで飽和NaCl水溶液を用いて続けて洗浄する。不溶性物質を分離し、続いてメタノール、テトラヒドロフランおよびエーテルから粉末化する。固体0.284gが得られ、シリカカラム上のクロマトグラフィーによって精製する(テトラヒドロフラン/メタノール混合物に溶解させた後の固体の堆積、次いでジクロロメタン:メタノール100:0から98:2のグラジエントを用いる溶離)。予想される生成物0.095gが白色固体の形態で得られる。
【0042】
融点=255℃。MH=357。収率=9.3%。
【0043】
H NMR(d−DMSO,400MHz,δ:ppm):δ11.70(s,<1H,大広幅);11.00(q,1H,広幅);8.40(d,1H);8.00(s,1H,広幅);7.75(t,1H,広幅);7.40(d,1H);4.40(q,2H);4.10(d,2H);3.55(s,3H);2.80(d,3H);1.20(t,3H)。
【実施例3】
【0044】
2−アミノ−7−(3−アミノ−3−メチルブタ−1−イン−1−イル)−1−エチル−N−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキサミドハイドロクロライド(化合物番号4)
DMF/EtN(容積/容積、7/3)混合物20ml中の2−アミノ−7−クロロ−1−エチル−N−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキサミド0.84g(3.0mmol)懸濁液を10mlのマイクロウェーブ管中に入れる。この懸濁液に窒素を10分間吹き込み、次いで2−メチルブタ−3−イン−2−アミン0.50g(6.0mmol)、CuI 0.089g(0.47mmol)およびビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロライド0.149g(0.21mmol)を続けて加える。
【0045】
密封された管をマイクロウェーブオーブン(CEM device、Discover model)に入れ、混合物を加圧下の90℃において15分間(出力=50W)加熱し、次いで100℃において25分間加熱する。周囲温度に戻った後、混合物を乾燥するまで蒸発させ、次いで残留物を酢酸エチルに溶解させる。有機相を飽和NaHCO水溶液、次いで飽和NaCl水溶液を用いて続けて洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過して真空下で濃縮する。得られた油性の残留物をシリカカラム上のクロマトグラフィーによって精製する(ジクロロメタン:メタノール100:0から97:3のグラジエントを用いる溶離)。予想される生成物0.151g(0.46mmol)が得られる。この生成物を酢酸エチル3mlに溶解させ、次いでジオキサン中の4N塩酸溶液0.13ml(0.52mmol)を加える。ろ過およびオーブン中真空下での乾燥後、予想される生成物0.134mgが黄色固体の形態で得られる。
【0046】
融点=293℃。MH=310。収率=12%。
【0047】
H NMR(d−DMSO,400MHz,δ:ppm):δ11.75(s,<1H,大広幅);11.00(q,1H,広幅);8.40(d,1H);8.10(s,<1H,広幅);7.45(d,1H);4.40(q,2H);3.50(dd,2H);3.35(s,6H);2.85(d,3H);1.45(s,3H);1.20(t,3H)。
【実施例4】
【0048】
2−アミノ−7−[3−(2−アミノ−2−オキソエトキシ)−3−メチルブタ−1−イン−1−イル]−1−エチル−N−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキサミド(化合物番号6)
4.1:エチル[(1,1−ジメチルプロパ−2−イン−1−イル)オキシ]アセテート
無水THF20ml中の2−メチルブタ−3−イン−2−オール0.87g(10.32mmol)溶液をアイスバスを用いて0−5℃まで冷却し、次いでTHF(Aldrich)中のカリウム1.0Mカリウムt−ブトキシド10.32ml(10.32mmol)を加える。冷間条件下において10分間攪拌を行い、次いでブロモ酢酸エチル1.89g(11.35mmol)を加える。反応混合物を周囲温度において45分間攪拌し、次いで0.1N HCl水溶液およびエーテルを加える。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、真空下において濃縮する。予想される生成物1.45gが黄色オイルの形態で得られ、これは続く精製を行わずに使用する。
【0049】
収率=83%。
【0050】
4.2:エチル({3−[7−アミノ−8−エチル−6−(メチルカルバモイル)−5−オキソ−5,8−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−2−イル]−1,1−ジメチルプロパ−2−イン−1−イル}オキシ)アセテート
2−アミノ−7−クロロ−1−エチル−N−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキサミド1.15g(4.10mmol)およびエチル[(1,1−ジメチルプロパ−2−イン−1−イル)オキシ]アセテート1.39g(8.19mmol)をジメチルホルムアミド10mlおよびトリエチルアミン10mlの混合物中に入れる。反応混合物にアルゴンを15分間吹き込み、次いでCuI 0.031g(0.16mmol)およびビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロライド0.144g(0.20mmol)を続けて加える。反応混合物を90℃において15時間加熱する。周囲温度まで戻った後、反応混合物を水/氷混合物の上に注ぐ。これらを沈降によって分離した後、得られた黒色のガムを酢酸エチルに溶解させ、次いで水で洗浄する。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過して真空下において濃縮する。茶色オイル1.4gが得られ、このオイルをシリカ上のクロマトグラフィー(シクロヘキサン/酢酸エチル30:70から20:80のグラジエントを用いる溶離)によって精製して予想される生成物0.72gを黄色固体の形態で得る。
【0051】
収率=41%。
【0052】
4.3:2−アミノ−7−[3−(2−アミノ−2−オキソエトキシ)−3−メチルブタ−1−イン−1−イル]−1−エチル−N−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキサミド
エチル({3−[7−アミノ−8−エチル−6−(メチルカルバモイル)−5−オキソ−5,8−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−2−イル]−1,1−ジメチルプロパ−2−イン−1−イル}オキシ)アセテート0.30g(0.72mmol)を50mlの密封された管中のメタノール30ml中に入れる。溶液をアイスバスを用いて冷却し、気体アンモニアを飽和まで吹き込む。80℃において8時間加熱を行い、次いで混合物を乾燥するまで蒸発させる。得られた残留物をシリカカラム上のクロマトグラフィー(テトラヒドロフラン/メタノール混合物中に溶解させた後の固体の堆積、次いでジクロロメタン:メタノール100:0から95:5のグラジエントを用いる溶離)によって精製して予想される生成物0.18gを白色固体の形態で得る。
【0053】
融点=204℃。MH=386。収率=64%。
【0054】
H NMR(d−DMSO,400MHz,δ:ppm):δ11.85(s,<1H,大広幅);11.00(q,1H,広幅);8.45(d,1H);7.45(d,1H);7.20(d,<2H,広幅);4.40(q,2H);3.95(s,2H);2.80(d,3H);1.60(s,6H);1.20(t,3H)。
【0055】
本発明による式(I)のいくつかの化合物の化学構造および物理的特性が以下の表に例示されている。この表において:
−MeおよびEtは、それぞれメチル基およびエチル基を表し、
−「塩」の欄中の「−」は、遊離塩基の形態の化合物を表し、「HCl」は塩酸塩の形態の化合物を表し、
−M.p.欄は、化合物の℃で表した融点を示し、
−LC/MS欄においては、下記に詳細に記載される使用された高性能液体クロマトグラフィー分析法(AまたはB)、分で表した化合物の保持時間、質量分析法によって確認されたMHピークが続けて示されている。
【0056】
・方法A:
カラム:Gemini、50×3mm、3μm
溶媒A:HO+0.1%HCOH、溶媒B:ACN+0.1%HCOH、流量=1ml/分
グラジエント:95/5(0分)から0/100(5.5分)から0/100(7.5分)
検出:220nM
イオン化:ESI+
・方法B
カラム:Kromasil、50×2.1mm、3.5μm
溶媒A:CHCONH5mM、溶媒B:ACN、流量=0.5ml/分
グラジエント:100/0(0分)から0/100(13分)から0/100(16分)
検出:220nM
イオン化:ESI+
−キラリティー欄において「/」はアキラル化合物を表し、(±)はラセミ混合物の形態の化合物を表す。
【0057】
【表1】

【0058】
本発明による化合物は、これらのVEGFR−3酵素に対する阻害効果を判定することを可能にする薬理学的アッセイの主題を形成した。
【0059】
ELISAによるVEGFR−3のチロシンキナーゼ活性の測定
VEGFR−3の酵素活性は、基質ポリGlu−Tryのリン酸化の強さを測定することによってELISAアッセイに基づいて評価される。生成物の効果は、酵素の全活性を50%低減させる濃度(IC50)によって定量化される。IC50値の決定のためには、生成物は3から1000nMにおよぶ濃度範囲でDMSO中に希釈される。操作の前の日に、ポリGlu−Tyr基質125μl(Ca2+またはMg2+または重炭酸ナトリウムを含まない1×PBS中に250μg/ml)がELISAプレート(例えば、SIGMA Protein Tyrosine Kinase Assay kit、参照名PTK−101のELISAプレート)のそれぞれのウェルに投入される。プレートは続いて接着性のフィルムで覆われて37℃において一晩インキュベートされる。次の日に、ウェルはプレートを裏返すことによって空にされ、緩衝溶液(PBS+0.05%Tween 20)300μlを加えることによって洗浄され、37℃において2時間プレートのさらなるインキュベーションによって乾燥される。反応混合物90μlがそれぞれのウェル上に投入される。この混合物は30μMのATPおよび所望の濃度の阻害剤が加えられている1×キナーゼ緩衝溶液を含む。続いて、前もってATPを含まないキナーゼ緩衝溶液中に希釈されたVEGFR−3−TK(Cell Signaling、参照番号7790)20μlが加えられる(酵素を含まない緩衝溶液20μlを加えられた負の対照ウェルを除外して)。プレートは続いて周囲温度において穏やかな攪拌で30分間インキュベートされる。緩衝溶液(洗浄1回当り300μl/ウェル)を用いて3回すすいだ後、抗ホスホチロシンHRP抗体(1/30000)100μlをそれぞれのウェルに加え、プレートを周囲温度において30分間穏やかに攪拌しながら再度インキュベートする。緩衝溶液(洗浄1回当り300μl/ウェル)を用いて3回洗浄後、1ウェル当りに100μlのOPD基質、OPD錠剤1錠および水20ml中の尿素錠剤1錠(即座に暗闇での調製)を加えることによって基質のリン酸化が明らかにされる。周囲温度および暗闇における7分間のインキュベーション後、1.25M(2.5N)HSO100μl/ウェルを加えることによって反応は停止され、492nmにおいて吸光度が読み取られる。全活性はVEGFR−3の存在下でインキュベートされた(刺激を受けた)サンプルおよびこの不在下でインキュベートされた(刺激されていない)サンプルについて得られた光学濃度の差によって評価される。
【0060】
本発明による化合物は、10μM未満、大部分は1μM未満のIC50値を示す。例として、表の化合物番号4および5は、それぞれ451nMおよび343nMのIC50値を示す。
【0061】
したがって、本発明による化合物は、VEGFR−3酵素に対する阻害活性を有し、したがってこれらは薬剤、特にVEGFR−3阻害剤である薬剤の調製において使用され得ることが明らかである。
【0062】
したがって、態様のもう1つによれば、本発明の1つの主題は式(I)の化合物または後者の薬剤として許容される酸または塩基との付加塩、または式(I)の化合物の水和物もしくは溶媒和物さえ、およびエナンチオマーもしくはジアステレオ異性体もこれらの混合物を含めて共に含む薬剤である。
【0063】
本発明の別の態様は、本発明による少なくとも1つの化合物および少なくとも1つの化学療法剤の組合せを含む。
【0064】
具体的には、本発明の化合物は、単独でまたは以下のものから選択され得る少なくとも1つの化学療法剤との混合物として使用され得る。
【0065】
・アルキル化剤
・挿入剤
・抗微小管作用剤
・抗有糸分裂剤
・代謝拮抗剤
・抗増殖剤
・抗生物質
・免疫調節剤
・抗炎症剤
・キナーゼ阻害剤
・血管新生阻害剤
・抗血管剤
・エストロゲンホルモンおよびアンドロゲンホルモン
および上述の剤または誘導体のプロドラッグ。
【0066】
本発明による化合物を放射線治療と組み合わせることも可能である。
【0067】
本発明の化合物の上述の化学療法剤および/または放射線との組合せは、本発明の別の主題である。
【0068】
上述の化学療法剤および/または放射線は、同時に、別々にまたは順次に投与され得る。治療は治療される患者に照らして医師によって調節される。
【0069】
これらの薬剤は治療上、特に以下のものの治療および予防において使用される。
【0070】
−癌およびこれらの転移、例えば、グリア芽腫、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群、カポジ肉腫、固形腫瘍、リンパ腫、メラノーマ、乳癌、結腸直腸癌、非小細胞癌を含む肺癌、膵臓癌、前立腺癌、腎臓癌、頭頸部癌、肝臓癌、卵巣癌、呼吸器および胸部の癌、腫瘍の血管新生またはVEGFR−3を発現しているまたは血管新生もしくはリンパ管形成の過程を伴う他の腫瘍、
−非腫瘍性増殖性疾患およびVEGFR−3に関連する病的血管新生、例えば、関節症、再狭窄、乾癬、血管腫、緑内障、糸球体腎炎、糖尿病性腎症、腎硬化、血栓性微小血管症候群、肝硬変、アテローム硬化症、器官移植拒絶反応、または血管新生もしくはリンパ管形成の過程を伴う眼病、例えば糖尿病性網膜症または黄斑変性症、
−またはさらに炎症(慢性または非慢性)、微生物による感染、およびリウマチ性関節炎などの自己免疫疾患の治療および予防において、
−またはさらにリンパ管平滑筋腫症などの奇病の治療において。
【0071】
その態様のもう1つによれば、本発明は、有効主剤として、本発明による化合物を含む薬剤組成物に関する。これらの薬剤組成物は、本発明による少なくとも1つの化合物または前記化合物の薬剤として許容される塩、水和物または溶媒和物の有効投与量および少なくとも1つの薬剤として許容される賦形剤を含む。
【0072】
前記賦形剤は、薬剤の形態および所望の投与の方法によって、当業者に知られている通常の賦形剤から選択される。
【0073】
経口、舌下、皮下、筋肉内、静脈内、局所的、局部的、気管内、鼻腔内、経皮または直腸内投与のための本発明の薬剤組成物中において、上記式(I)の有効主剤またはこの場合による塩、溶媒和物または水和物は、単位投与形態において、従来の薬剤用賦形剤との混合物として、動物およびヒトに対して上記の障害または疾患の治療または予防のために投与され得る。
【0074】
適切な単位投与形態は、錠剤、ソフトまたはハードのゼラチンカプセル、粉末、顆粒および経口の溶液または懸濁液などの経口形態、舌下、口腔、気管内、眼内および鼻腔内投与形態、吸入による投与形態、局所、経皮、皮下、筋肉内または静脈内投与形態、直腸投与形態およびインプラントを含む。本発明による化合物は、局所途布のために、クリーム、ゲル、軟膏またはローション中で使用され得る。
【0075】
例として、錠剤形態の本発明による化合物の単位投与形態は、以下の成分を含み得る。
本発明による化合物 50.0mg
マンニトール 223.75mg
クロスカルメロースナトリウム 6.0mg
コーンスターチ 15.0mg
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 2.25mg
ステアリン酸マグネシウム 3.0mg
【0076】
本発明は、この態様のもう1つによれば、本発明による化合物またはこの薬剤として許容される塩またはこの水和物またはこの溶媒和物のうちの1つの有効投与量の患者への投与を含む、上記で示した病変の治療のための方法にも関する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】

[式中、
およびRは、互いに独立に、
水素原子、
1つ以上のアルコキシ基により置換されていてもよいC−Cアルキル基、
を表し、
は、C−Cアルキル基を表し、
は、水素原子またはC−Cアルキル基を表し、
Yは、C−Cアルコキシ基または−NRR’もしくは−O(CH−C(O)−NRR’基を表し、RおよびR’は下記で定義される通りであり、ならびにnは1または2に等しい整数であり、
R”は、C−Cアルキル基を表し、
RおよびR’は、互いに独立に、水素原子、−CO−(C−Cアルキル)基または−COOR”基を表し、R”は上記で定義された通りである。]
に相当し、塩基または酸との付加塩の形態をとる化合物、およびエナンチオマーまたはジアステレオ異性体、ならびにこれらの混合物。
【請求項2】
Yが、C−C−アルコキシ基を表す、塩基または酸との付加塩の形態をとる、請求項1に記載の化合物、およびエナンチオマーまたはジアステレオ異性体、ならびにこれらの混合物。
【請求項3】
Yが、−NRR’基を表し、RおよびR’は請求項1における通りである、塩基または酸との付加塩の形態をとる、請求項1に記載の化合物、およびエナンチオマーまたはジアステレオ異性体、ならびにこれらの混合物。
【請求項4】
Yが、−O(CH−C(O)−NRR’基を表し、RおよびR’は請求項1における通りであり、ならびにnは1または2に等しい整数である、塩基または酸との付加塩の形態をとる、請求項1に記載の化合物、およびエナンチオマーまたはジアステレオ異性体、ならびにこれらの混合物。
【請求項5】
メチル{3−[7−アミノ−8−エチル−6−(メチルカルバモイル)−5−オキソ−5,8−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−2−イル]プロパ−2−イン−1−イル}カルバメート
2−アミノ−7−(3−アミノ−3−メチルブタ−1−イン−1−イル)−1−エチル−N−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキサミド塩酸塩
(±)−2−アミノ−7−(3,4−ジメトキシ−3−メチルブタ−1−イン−1−イル)−1−エチル−N−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキサミド
2−アミノ−7−[3−(2−アミノ−2−オキソエトキシ)−3−メチルブタ−1−イン−1−イル]−1−エチル−N−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキサミド
2−アミノ−1−エチル−7−(3−メトキシプロパ−1−イン−1−イル)−N−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキサミド
から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
式(VII)
【化2】

[式中、Xはハロゲン原子であり、ならびにRおよびRは請求項1から5の一項に定義された通りである。]
の化合物を式(VIII)
【化3】

[式中、Y、R、およびRは、請求項1から5の一項に定義された通りである。]
の化合物と反応させることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の式(I)の化合物を調製する方法。
【請求項7】
請求項1から5のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはこの化合物の薬剤として許容される酸との付加塩、または式(I)の化合物のエナンチオマー、ジアステレオ異性体もまたはこれらの混合物を含むことを特徴とする、薬剤。
【請求項8】
請求項1から5のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはこの化合物の薬剤として許容される塩、またはエナンチオマー、ジアステレオ異性体もしくはこれらの混合物、および少なくとも1つの薬剤として許容される賦形剤も含むことを特徴とする薬剤組成物。
【請求項9】
請求項1から5のいずれか一項に記載の式(I)の少なくとも1つの化合物の
アルキル化剤
挿入剤
抗微小管作用剤
抗有糸分裂剤
代謝拮抗剤
抗増殖剤
抗生物質
免疫調節剤
抗炎症剤
キナーゼ阻害剤
血管新生阻害剤
抗血管剤
エストロゲンホルモンおよびアンドロゲンホルモン
から選択される少なくとも1つの化学療法剤との組合せ。
【請求項10】
VEGFR−3が関与するいずれかの疾患の治療を目的とする薬剤の調製における、請求項1から5のいずれか一項に記載の式(I)の化合物の使用。
【請求項11】
癌およびこの転移の治療および/または予防を目的とする薬剤の調製における、請求項1から5のいずれか一項に記載の式(I)の化合物の使用。
【請求項12】
グリア芽腫、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群、カポジ肉腫、皮膚血管肉腫、固形腫瘍、リンパ腫、メラノーマ、乳癌、結腸直腸癌、非小細胞癌を含む肺癌、膵臓癌、前立腺癌、腎臓癌、頭頸部癌、肝臓癌、卵巣癌、呼吸器および胸部の癌、VEGFR−3を発現しているまたは血管新生もしくはリンパ管形成の過程を伴う他の腫瘍の治療および/または予防を目的とする薬剤の調製における、請求項11に記載の式(I)の化合物の使用。
【請求項13】
VEGFR−3に関連する非腫瘍性増殖性疾患および病的血管新生の治療および/または予防を目的とする薬剤の調製における、請求項1から5のいずれか一項に記載の式(I)の化合物の使用。
【請求項14】
関節症、再狭窄、乾癬、血管腫、リンパ管腫、緑内障、糸球体腎炎、糖尿病性腎症、腎硬化、血栓性微小血管症候群、肝硬変、アテローム硬化症、器官移植拒絶反応、または血管新生もしくはリンパ管形成の過程を伴う眼病などの疾患の治療および/または予防を目的とする薬剤の調製における、請求項13に記載の式(I)の化合物の使用。
【請求項15】
慢性または非慢性の炎症、微生物による感染、およびリウマチ性関節炎などの自己免疫疾患の治療および予防を目的とする薬剤の調製における、請求項1から5のいずれか一項に記載の式(I)の化合物の使用。
【請求項16】
リンパ管平滑筋腫症などの奇病の治療および/または予防を目的とする薬剤の調製における、請求項1から5のいずれか一項に記載の式(I)の化合物の使用。

【公表番号】特表2010−529179(P2010−529179A)
【公表日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−511681(P2010−511681)
【出願日】平成20年6月11日(2008.6.11)
【国際出願番号】PCT/FR2008/000794
【国際公開番号】WO2009/007536
【国際公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【出願人】(504456798)サノフイ−アベンテイス (433)
【Fターム(参考)】