説明

A型β溶血性連鎖球菌に対するワクチン及びその取得方法

A型β溶血性連鎖球菌に対するワクチンとその取得方法は、emm5遺伝子からクローニングされた組換えタンパク質を予測する。それは、emm5遺伝子は防御能のある52及び87アミノ酸残基に対応するオリゴヌクレオチドの配列を含んでおり、健常人とリウマチ熱患者からの抗体とTリンパ球により同定される1つだけアミノ酸が異なるMタンパク質C末端のエピトープを同定するシークエンス分子同定の後に単離され、Tリンパ球に依存した抗体による防御反応を発生させることができる。選択されたエピトープによる自己免疫疾患の発症の予防は、リウマチ熱で傷害された心組織のTリンパ球を用いてインビトロで評価した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願人は、2005年3月24日に出願された「A型β溶血性連鎖球菌に対するワクチン及びその取得方法」に係る特許出願PI0501290−2を持っている。この特許は、その目的が同じ新規なワクチン及び該新規なワクチンを得る新規な方法に係る。
【背景技術】
【0002】
前特許出願PI0501290−2において、A型β溶血性連鎖球菌のワクチンの技術水準について十分に記述した。本発明の主題は同じであるため、この技術水準を再度記述することにする。
【0003】
この分野において知られているように、リウマチ熱(RF)はA型β溶血性連鎖球菌や化膿連鎖球菌に感染することで引き起こされる。この病気は、遺伝的に感受性が高く、適切な治療を施されなかった3歳から18歳の子供に現れる。この病気の初期の臨床的所見は多発性関節炎(大きな関節の痛み)、次の段階ではシドナム舞踏病とリウマチ性心炎の2つの主な所見が現れる。
【0004】
舞踏病は、リウマチ熱(RF)を持つ患者の20から30%に発症する。影響を受ける器官は中枢神経系(CNS)であり、不随意運動と精神障害が認められる。これらの症状は適切な処置により消失する。
【0005】
リウマチ性心炎は、リウマチ熱(RF)を持つ患者の約30から45%に発症する。初期症状は心筋の急性心炎を特徴とし、重大影響を及ぼすような、進行性の永久的な弁組織の損傷を引き起こす。主に影響を受ける弁は僧帽弁、大動脈弁であり、慢性リウマチ性心疾患(RHD)を引き起こす。進行したRHDの治療は、外科的なものになる。7歳から12歳というこの病気の発症年齢を考慮すると、弁組織の矯正手術は頻繁に行わなければならず、さもなければ人工弁に置き換えなければならない(Snitcowski,1996)。
【0006】
ブラジルでは、子供の心臓手術の90%はリウマチ性弁損傷に起因する。また、大人では心臓手術の30%に相当する(保健省データ,DATA−SUS)。
【0007】
疫学的特徴
【0008】
発展途上国及び低開発国では未だに、リウマチ熱(RF)と慢性リウマチ性心疾患(RHD)は公衆衛生問題として考えられている。WHOの最近の報告によると、世界ではリウマチ熱(RF)の患者は5000万人以上いると推測され、慢性リウマチ性心疾患(RHD)患者は1400万人いるとの記録がある。イラン、タイ、中国、ボリビア、パキスタン、インド、オーストラリア、アルジェリア、エジプト、モロッコでは、慢性リウマチ性心疾患(RHD)の罹患率は、リウマチ熱(RF)をもつ子供1000人に対し10人以上である。ブラジルでは、1000人のリウマチ熱(RF)患者のうち、慢性リウマチ性心疾患(RHD)患者の小児は平均6.5人である。WHOが2004年に発表したところによると、年間の連鎖球菌類への感染は1800万件以上であり、そのうち50万件以上は死亡が確認されている。
【0009】
発症原因
【0010】
リウマチ熱(RF)は、A型β溶血性連鎖球菌や化膿連鎖球菌への免疫的防御反応によって引き起こされる自己免疫疾患と考えられている。そして、それは、生物学的模倣メカニズムを介して、個体(この病気に対する感受性を有する)内において、その生物の自己タンパク質に対する攻撃反応を引き起こす。
【0011】
現在では、抗体とTリンパ球に媒介される免疫は、ヒト組織(心臓、関節、腎臓、脳)のタンパク質との交差反応に関与しているということが知られている(Cunninghamにより改訂、2000年;Guilhermeら,1995年)。これらの交差反応は特に連鎖球菌のMタンパク質に、構造的又はアミノ酸残基的に類似していることに起因している。
【0012】
Mタンパク質の配列は、1980年代に解析され公表されている(ManjilaとPhilipis,1984,及び Millerら,1998)。いくつかのグループによって発表された多くの科学的業績により、病気を引き起こす領域の知見が大いに進歩した。
【0013】
Mタンパク質は、アミノ酸残基の反復配列を含んでおり、アミノ末端部分とカルボキシ末端部分に細分化される。アミノ末端部分には連鎖球菌のセロタイプを決めているアミノ酸残基がある。カルボキシ末端部分は異なるセロタイプ間によく保存されており、2回以上の繰り返しを持つアミノ酸グループがある(Fischetti,1991)。
【0014】
アミノ末端領域のいくつかのセグメントは記載されている。なぜなら、それらは、特に、心臓組織タンパク質との交差反応(Cunninghamにより改訂、2000年;Guilhermeら,2005年)を介して、該疾病(リウマチ熱及び/又は慢性リウマチ性心疾患)の発症に関与しているからである。
【0015】
80年代までは、連鎖球菌とヒト組織のタンパク質の交差反応は、抗体媒介性の免疫反応のみに起因すると考えられてきたことは興味深い。CD4陽性T細胞優勢の心組織中では炎症性浸潤を呈するという記述 (Raizadaら,1983,Kemenyら,1989) から、本出願人は、心臓の傷害はこれらの細胞(CD4陽性T細胞)に媒介されるということを証明した。その証拠は、傷害を受けた弁を外科的に形成する際に得られたRHD患者の、傷害を受けた心組織(心筋と弁)の断片に浸潤しているT細胞から単離したタンパク質間の交差反応の免疫応答を検出した(Guilhermeら,1995)ことである。次に、本出願人は、特にリウマチ性心疾患患者の心組織(心筋、僧帽弁及び/又は大動脈弁)中に、炎症性サイトカイン(インターフェロンγ,IFNg、及び腫瘍壊死因子α,TNFa)を生産する多くの単核球が存在することを記載した。この研究に関連のある発見は、心筋中に、炎症を調節するサイトカイン(インターロイキン10及び4、IL−10、IL−4)を産生する多数の細胞が存在し、弁組織中に、IL−4調節サイトカインを産生する珍しい細胞が存在するという観察である。この発見は、なぜ連鎖球菌感染による心筋炎がおおよそ4週間で治癒し、僧帽弁及び/又は大動脈弁の損傷が緩やかに、進行的、永続的に続くかを示している(Guilhermeら,2004)。
【0016】
リウマチ熱が自己免疫疾患であることを考慮すれば、その病因を理解することは、予防の基本である。なぜなら、それは自己免疫疾患を発症させないという意味で、その病原、すなわち、A型β溶血性連鎖球菌や化膿連鎖球菌、に対するワクチンを製造することに注力することにつながるからである。
【0017】
A型β溶血性連鎖球菌に対しては、すでに様々なワクチンがある。
【0018】
James B.Dale博士(テネシー大学研究財団)は連鎖球菌の特異性を与える、Mタンパク質のアミノ末端の配列に基づいてワクチンを製造する研究を行っている。彼はいくつかの研究成果を発表している(Beacheyら,1987;Daleら,1993;DaleとChang,1995;Daleら,1999,a,b,c)。そして、彼はすでに26種類の異なるセロタイプのモデル動物における応答能の分析をしている。彼のために出願されたいくつかの特許があり、その中に1998年9月10日に出願され、2004年4月6日に特許になった米国特許第6,716,433号(「A型連鎖球菌ワクチン」)というものがある。
【0019】
最近では、博士のグループは6つのセロタイプのN末端セグメントを含んだ組換えタンパク質の形態にある、6つの異なるセロタイプを含むワクチン製剤を利用した「第1相試験」の研究成果を発表している。交差反応の対照はヒト組織切片で行われ、体液性応答(抗体により媒介)だけを評価した(Kotloff,2004)。化膿連鎖球菌の26種類のセロタイプに対する連鎖球菌の感染を予防するために製造された多価ワクチンは、第II相の臨床試験が進んでいる。
【0020】
Vincent Fischetti教授(ロックフェラー大学)は、連鎖球菌特異性を付与する、Mタンパク質のカルボキシ末端残基の配列を基にワクチンを製造する研究を行っている。M6タンパク質(N末端及びC末端部分)をコードしている遺伝子をクローニングすることにより、このグループは、56種類の異なる連鎖球菌のセロタイプが、カルボキシ末端領域のアミノ酸配列において相同性を有することを見出した(Scottら,1985と1986)。Fischetti教授のグループは、ウサギにM6タンパク質のカルボキシ末端領域のペプチドを鼻腔内接種することにより、A型連鎖球菌のコロニーが変化する可能性を示した(BessenとFischetti,1988,a and b)。CTBコレラ毒素のサブユニットに共有結合で結合された、共通配列を有する合成ペプチドを有するワクチンを用いることで、彼らは、マウスの血清及び唾液中に、防御活性を有する、Mタンパク質に特異的なIgA抗体の形成を誘導した(BessenとFischetti,1990; Fluckigerら,1998)。
【0021】
その後の研究で、これらの著者らは、M6タンパク質のC末端部分の全配列を含んだワクシニアウイルスをベクターに使用することで、組換えワクチン−VV:M6、を製造し、1回の鼻腔内投与で、異種の連鎖球菌のコロニーが形成されないことを示した。皮内免疫は無効であった(Fischettiら,1985)。結合のコストが高く、ワクシニアウイルスを鼻腔内接種に利用するので、前記モデルでは、これらの抗体を、安全に効果的にそして経済的にも利用しやすいワクチンとして使用することは制限されている。共生細菌をベクターとして用いた実験も行われた(Fischettiら,1993;Medagliniら,1995)。この共生細菌をワクチンのベクターに用いることは、現在分析中である。予備的結果は、150人の健康なボランティアに経口投与又は鼻腔内投与でワクチンを投与した場合、そのベクターは安全で十分許容性があるということが示唆されている(Kotloffら,2005)。
【0022】
彼の名で出願された特許の中で、1995年1月6日に出願され、2003年8月5日に特許された米国特許第6,602,507号(「連鎖球菌Mタンパク質からの合成ペプチド及びそれから調製されたワクチン」)というものがある。ストレプトコッカス・ゴードニ(Streptococcus gordonii)の表面上の融合タンパク質と同様に発現するC末端部分のワクチン製剤は、現在第I相臨床試験が行われている(WHO,2006)。
【0023】
M.Good教授は、オーストラリアにおいて、ワクチンへ利用できそうなものとして、C末端部分のペプチドを利用するアプローチをしている。オーストラリアは、原住民であるアボリジニへの連鎖球菌の感染率が高く、そのことによりリウマチ熱の発症率が高い地域である。オーストラリアの研究者たちは、免疫されたマウス中において、オプソニン化した抗体を産生することができる、C末端の9個のアミノ酸からなるペプチドを同定した。この抗体はまた、健常人やリウマチ性疾患の患者の血清中にも存在する(Pruksakornら,1994、Brandtら,1997)。最近では、そのグループは、オーストラリアでは一般的なセロタイプのアミノ末端部分のセグメントとカルボキシ末端のセグメントの組合せに関して研究している。これは、J14とよばれている(Dunnら,2002、Oliveら,2002)。そのグループの最新の研究成果では、J14セグメント(29のアミノ酸からなる)は、マウスを用いた実験モデル中での食作用を誘発することのできる防御抗体の発現に有利に働くことが示された。この防御抗体は、オーストラリアで流行していた土地から分離した様々な化膿連鎖球菌の株に対するものである。マウスを用いたin vivoでのこれらの実験では、いくつかの製剤において、J14ペプチドの防御能力が確認された(Vohraら,2005、Batzloffら,2005、Oliveら,2005)。
【発明の概要】
【0024】
本発明の目的は、A型β溶血性連鎖球菌に対する新規なワクチン及びその新規な製造方法を提供することである。後者は2つの製剤を提供し、前記方法は、先の特許出願PI0501290−2において出願人により考えられていた取得方法を修飾したものである。
【図面の簡単な説明】
【0025】
本発明の、より正しい認識と多くの利点は、以下の詳細な説明と添付の図を組み合わせることで容易に理解できるであろう。
【図1】添付の図1は、第1のモデル(第1の製剤)において選択された残基の配列を示す。
【図2】添付の図2は、第1のモデル(第1の製剤)において選択された残基の配列を示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の目的は、A型β溶血性連鎖球菌に対する新規なワクチン及びその新規な製造方法を提供することである。後者は2つの製剤を提供し、前記方法は、先の特許出願PI0501290−2において出願人により考えられていた取得方法を修飾したものである。
【0027】
短く言うと、エピトープBの配列は、620人(健常人とリウマチ熱保有者)の血清中にある1つのアミノ酸残基が異なる79の合成ペプチドを分析することで同定された。エピトープTは、次いで、258人(健常人とリウマチ熱保有者)の末梢血の単核細胞を用いることで同定された。そして、エピトープBを同定するために試験された79のペプチドから選択された、Mタンパク質のカルボキシ末端部分の38の合成されたペプチドに対する試験がされた(Guilhermeら,2006、特許出願PI0501290−2)。
【0028】
この特許では、以下のものを含む、合成ペプチド及び/又は組換えタンパク質の形態にある2つのワクチンモデルの構築が意図される。
【0029】
1.156bp(52のアミノ酸に対応)から成り、エピトープTに対応する22残基、並びにそれに続く8個の中間残基及びエピトープBの22残基のアミノ酸配列を意図する、Mタンパク質のカルボキシ末端領域にあるエピトープTおよびエピトープB、並びに、
【0030】
2.261bp(87のアミノ酸に対応)から成り、エピトープTに対応する22残基、並びにそれに続く8個の中間残基、ハイブリッドT−Bエピトープの27残基及びエピトープBの22残基のアミノ酸配列を意図する、Mタンパク質のカルボキシ末端領域にあるエピトープTおよびエピトープB。
【0031】
第1のモデルでは、合成ペプチド及び/又は組換えタンパク質としてのワクチンは、Mタンパク質のカルボキシ末端領域(エピトープT、8個の中間残基及びエピトープB)からの52のアミノ酸残基のセグメントを含む。
【0032】
添付の図1は、このモデルで選択された残基の配列を示す。
【0033】
第2のモデルでは、合成ペプチド及び組換えタンパク質としてのワクチンはMタンパク質のカルボキシ末端領域(エピトープT、8個の中間残基、ハイブリッドT−B、8個の中間残基及びエピトープB)の87個のアミノ酸残基のセグメントを含む。
【0034】
添付の図2はこのモデルで選択された残基の配列を示す。
【0035】
これらのMタンパク質のカルボキシ末端領域からのアミノ酸残基は、抗体及びCD4陽性T細胞に媒介される応答を誘発させることができ、防御的に働いて自己免疫疾患を引き起こさない。
【0036】
これらの配列は以前に用いられていたワクチンの調製用のものとは異なる。そのことについては、下に示す。
【0037】
James B.Daleは様々なセロタイプのアミノ末端領域を使用した(米国特許第6,716,433号)。
【0038】
Vincent A.FischettiはM6タンパク質のカルボキシ末端領域を使用した(米国特許第6,602,507号)。それは、6つのグループのポリペプチドからなる。グループ4は、本出願人により選択されたエピトープTとエピトープBが含まれたセグメント(Guilhermeら,2006)の19アミノ酸残基の成分と同一性を有する。
【0039】
M.Goodは、オーストラリアのアボリジニに流行した連鎖球菌株のアミノ末端に結合されたカルボキシ末端領域を使用した。彼は、本出願人により選択されたエピトープTとエピトープB(Guilhermeら,2006)を含むセグメントの18アミノ酸残基成分との同一性を示した。その中の14のアミノ酸残基は、V.A.Fischettiにより同定された、M6タンパク質のグループ4と共通のものであった。
【0040】
第1段階:組換えタンパク質の生産のために、52アミノ酸残基87アミノ酸残基の領域をクローニングする;
第2段階:実験動物、好ましくはマウスでの試験;
第3段階:安全性試験: 動物試験及びそれに続くインビトロ試験であって、心臓にリウマチ性疾患のある患者の心組織から外科的に摘出した組織片の病巣内Tリンパ球の系列を用いた、ワクチンエピトープによる自己抗原性の防止についての試験(細胞増殖試験及びサイトカインの測定)、
からなる革新的なワクチンの新規な製造方法を開示する。
【0041】
今回革新されたワクチンは、下に示すようなモデル系に対して有利な点をもたらすということで、既存のワクチンとは異なっている。
【0042】
防御性エピトープの選択は、M5タンパク質(Robinsonら,1991)を変化させた、公表された配列をもとに行われた。M5タンパク質は、病原性のあるエピトープ(N末端領域)とC末端領域からのエピトープを評価するための合成ペプチドの調製に使用した(Guilhermeら 1995と2001)ものであって、該疾病に対して防御することができるものであり、多くのサンプルを用いたin vitroの試験で評価された(620人の血清と258人のTリンパ球を使用)(Guilhermeら,2006)。
【0043】
カルボキシ末端領域(240から350の残基)を調べることは、わずか1個のアミノ酸残基が異なる20アミノ酸からなる79の合成ペプチドを用いることで行われた。この方法は独特であり防御性をもつタンパク質領域を見つけるために用いられる(Guilhermeら,2006;特許出願PI0501290−2)。
【0044】
交差反応試験は、先に記載したように(Guilhermeら,1995)、20人のRHD患者から弁形成術の手術を行う際に得られた心組織中の浸潤性リンパ球の系列をインビトロで増殖させたものを分析することにより行われた。
【0045】
合成ペプチドを用いて行った研究は、M5株のタンパク質の公表された配列に基づいて行ったので、組換えタンパク質は、M5株で生産した(Robinsonら,1991)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0046】
【特許文献1】1995年1月6日に出願され、2003年8月5日に特許された米国特許第6,602,507号
【特許文献2】1998年9月10日に出願され、2004年4月6日に特許された米国特許第6,716,433号
【特許文献3】1999年1月28日に出願され、2002年3月19日に特許された米国特許第6,358,704号
【非特許文献】
【0047】
【非特許文献1】Beachey EH, Seyer JM, Dale JB: "Protective immunogenecity and T lymphocyte specificity of a trivalent hybrid peptide containing NH2- terminal sequences of types 5, 6 and 24 M proteins synthesized in tandem". J. Exp. Med. 1987; 166:647-656.
【非特許文献2】Bessen D, Fischetti VA: "Influence of intranasal immunization with synthetic peptides corresponding to conserved epitopes of M protein on mucosal colonization by group A streptococci". Infect. Immun. 1988; 565: 2666-2672.
【非特許文献3】Bessen D, Fischetti VA: "Passive acquired mucosal immunity to group A streptococci by secretory immunoglobulin". A. J. Exp. Med. 1988; 167: 1945-1949.
【非特許文献4】Bessen D, Fischetti VA: "Synthetic peptide vaccine against mucosal colonization by group A streptococci. I. protection against a heterologous M serotype with shared C repeated region epitopes". J. Immunol. 1990; 145 (4): 1251-12.
【非特許文献5】Brandt ER, Hayman WA, Currie B, Pruksakorn S, Good MF: "Human antibodies to the conserved region of the M protein: opsonization of heterologous strains of group A streptococci". Vaccine 1997; 15: 1805-1812.
【非特許文献6】Cunningham, M.W. (2000): "Pathogenesis of group A streptococcal infections". Clin. Microbiol. Rev. 470-511.
【非特許文献7】DaIe JB, Chang EC: "Intranasal immunization with recombinant group A streptococcal M fragment fused to the B subunit of Eschirichia coli labile toxin protects mice against systemic challenge infections". J. Infect. Dis. 1995; 171 : 1038-1041.
【非特許文献8】DaIe JB, Chang EY, Lederer JW. "Recombinant tetravalent group A streptococcal M protein vaccine". J. Immunol. 1993, 151 (4): 2188-2194.
【非特許文献9】DaIe JB, Simmons M, Chiang EC, Chiang EY: "Recombinant, octavalent group A streptococcal M protein vaccine". Vaccine. 1999, 14 (10): 944-948.
【非特許文献10】Dale, JB: "Multivalent group A streptococcal vaccine designed to optimize the immunogenecity of six tandem M protein fragments". Vaccine, 1999. 17:193-200.
【非特許文献11】Dale, JB, Chiang EY., Liu S., Courtney HS., Hasty, DL. "New protective antigen of group A streptococci". J. Clin. Invest. 1999. 103:1261- 1268.
【非特許文献12】Dunn, LA, McMillan DJ, Batzloff M, Zeng W, Jackson DCJ, Upcroft JA, Upcroft P, Olive C: "Parenteral and mucosal delivery of a novel multi-epitope M protein-based group A streptococcal vaccine construct: investigation of immunogenecity in mice". Vaccine, 2002, 20: 2635-2640.
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【非特許文献30】Olive C, Hsien K, Horvath A, Clair T, Yarwood P, Toth I1 Good MF. Protection against group A streptococcal infection by vaccination with self- adjuvanting lipid core M protein peptides. Vaccine, 2005 23(17-18):2298-303.
【非特許文献31】Pruksakorn S, Currie B, Brandt ER, Martin D1 Galbraith A, Phornphutkul CH, Hunsakunachai S, Manmontri A, Good MF: "Towards a vaccine for rheumatic fever: Identification of a conserved target epitope on M protein of group A streptococci". The Lancet, 1994; 344:639-642.
【非特許文献32】Raizada, V., Williams, R.C. Jr., Chopra, P., Gopinath, N.,Prakash, K. et al: "Tissue distribution of lymphocytes in rheumatic heart valves as defined by monoclonal anti-T cells antibodies". Am. J. Med., 1983, 74, 90- 96.
【非特許文献33】Robinson, J. H., Atherton, M. C, Goodacre, J.A., Pinkney, M., Weightman, H. and Kehoe, M.A. (1991): "Mapping T-cell epitopes in group A streptococcal type 5 M protein". Infect. Immun. 59, 4324-4.
【非特許文献34】Scott, JR.; Hollingshead SK.; Fischetti VA: "Homologous regions within M protein genes in group A streptococci of differents serotypes". Infect. Immun. 1986, 52: 609-613.
【非特許文献35】Scott, JR.; Pulliam, WN.; Hollingshead SK.: "Fischetti VA.Relationship of M protein genes in group A streptococci". Proc. Natl. Acad. Sci.USA. 1985, 82: 1822- 1827.
【非特許文献36】Snitcowsky, R.: "Rheumatic fever prevention in industrializing countries: problems and approaches". Pediatrics. 1996, 97(6): 996-998.
【非特許文献37】Vohra H, Dey N, Gupta S, Sharma AK, Kumar R, McMillan D,Good MF.: M protein conserved region antibodies opsonise multiple strains of Streptococcus pyogenes with sequence variations in C-repeats. Res Microbiol.,2005, 156(4):575-82.
【非特許文献38】WHO, IVR: New vaccines against infectious diseases: research and development status, April, 2005, updated February 2006.

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のモデルでは、Mタンパク質のカルボキシ末端領域からの52個のアミノ酸残基(エピトープT、8個の中間残基及びエピトープB)から成るセグメント、第2のモデルでは、Mタンパク質のカルボキシ末端領域からの87個のアミノ酸残基(エピトープT、8個の中間残基、ハイブリッドT−B、8個の中間残基及びエピトープB)から成るセグメント、すなわち、いわゆるMタンパク質カルボキシ領域からのアミノ酸残基を含み、抗体及びCD4陽性Tリンパ球により媒介される免疫応答を誘発することができ、防御的であり、自己免疫疾患を発症させないことを特徴とする、A型β溶血性連鎖球菌に対するワクチン。
【請求項2】
健常人及びリウマチ熱保有者の、抗体及びTリンパ球により同定され、1アミノ酸残基が異なる、Mタンパク質カルボキシ末端領域(52及び87残基)のシークエンスに関する分子同定を行い、リンパ球に依存する抗体による防御的応答を誘発することができることを特徴とする、請求項1に記載のA型β溶血性連鎖球菌に対するワクチン。
【請求項3】
前記第1モデルにおける、Mタンパク質カルボキシ末端領域中の選択された残基(エピトープT及びB)の配列が:
Lys-Gly-Leu-Arg-Arg-Asp-Leu-Asp-Ala-Ser-Glu-Arg-Ala-Lys-Lys-Gln-Leu-Glu-Ala-Glu-Gln-Gln-Lys-Leu-Glu-Glu-Gln-Asn-Lys-Ile-Ser-Glu-Ala-Ser-Arg-Lys-Gly-Leu-Arg-Arg-Asp-Leu-Asp-Ala-Ser-Arg-Glu-Ala-Lys-Lys-Gln-Val
であることを特徴とする、請求項1に記載のA型β溶血性連鎖球菌に対するワクチン。
【請求項4】
前記第2モデルにおける、Mタンパク質カルボキシ末端領域中の選択された残基(エピトープT及びB)の配列が:
Lys-Gly-Leu-Arg-Arg-Asp-Leu-Asp-Ala-Ser-Glu-Arg-Ala-Lys-Lys-Gln-Leu-Glu-Ala-Glu-His-Gln-Lys-Leu-Glu-Glu-Gln-Asn-Lys-Ile-Ser-Glu-Ala-Ser-Arg-Lys-Gly-Leu-Arg-Arg-Asp-Leu-Asp-Ala-Ser-Glu-Arg-Ala-Lys-Lys-Gln-Leu-Glu-Ala-Glu-Gln-Gln-Lys-Leu-Glu-Glu-Gln-Asn-Lys-Ile-Ser-Glu-Ala-Ser-Arg-Lys-Gly-Leu-Arg-Arg-Asp-Leu-Asp-Ala-Ser-Arg-Glu-Ala-Lys-Lys-Gln-Val
であることを特徴とする、請求項1に記載のA型β溶血性連鎖球菌に対するワクチン。
【請求項5】
第1段階:組換えタンパク質の生産のために、エピトープT及びBを含む156bp(52アミノ酸残基)と261bp(87アミノ酸残基)の領域(両製剤とも、請求項3及び4により保護)をクローニングする、
第2段階:実験動物、好ましくはマウスでの試験、
第3段階:安全性試験:動物試験及びそれに続くインビトロ試験であって、心臓にリウマチ性疾患のある患者の心組織から外科的に摘出した組織片の病巣内Tリンパ球の系列を用いた、ワクチンエピトープによる自己抗原性の防止についての試験(細胞増殖試験及びサイトカインの測定)、
を行うことを特徴とする、A型β溶血性連鎖球菌に対するワクチンの取得方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2010−510991(P2010−510991A)
【公表日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−538555(P2009−538555)
【出願日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【国際出願番号】PCT/BR2007/000184
【国際公開番号】WO2008/064440
【国際公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【出願人】(509257695)
【出願人】(509257709)
【Fターム(参考)】