説明

ACアダプタ

【課題】筐体に設けられた第1通電部および第2通電部のうちの一方を使用中、他方は外部から接触不可能となるACアダプタを提供する。
【解決手段】ACアダプタ10は、第1通電部13および第2通電部15の配列方向に沿って移動可能な蓋部材17とを備えている。第2通電部は、支持部材28が回動することにより、第2通電端子31が収容される第1の状態と、第2通電端子が突出する第2の状態とを選択可能である。また、蓋部材は、第1通電部を開放するとともに支持部材の回動を規制する第1の位置と、第1通電部を覆うとともに支持部材が回動可能となる第2の位置とを選択可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1通電部および第2通電部を備え、第1通電部および第2通電部のいずれか一方を用途に応じて使用可能なACアダプタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ACアダプタのなかには、筐体に支持部材が回動自在に支持され、支持部材に第1通電部および第2通電部が設けられたものが知られている。
このACアダプタは、支持部材を回動することで、第1通電部を使用可能な状態と、第2通電部を使用可能な状態とに選択可能に構成されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−165094号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前述した特許文献1は、第1通電部および第2通電部のうちの一方を使用中、第1通電部および第2通電部のうちの他方にも通電し、第1通電部および第2通電部のうちの他方が外部から接触できるという問題がある。
【0005】
本発明は、前述した課題を解決するためになされたものであり、その目的は、筐体に設けられた第1通電部および第2通電部のうちの一方を使用中、第1通電部および第2通電部のうちの他方に対して外部から接触不可能となるACアダプタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、筐体と、前記筐体の表面に設けられた凹部の底部に立設された第1通電端子を有する第1通電部と、前記第1通電部に隣り合う位置に設けられ、第2通電端子を有する第2通電部と、前記第1通電部および前記第2通電部の配列方向に沿って移動可能な蓋部材とを備え、前記第2通電部は、前記第2通電端子を支持する支持部材が前記筐体に対して回動することにより、前記筐体から前記第2通電端子が前記筐体に収容される第1の状態と、前記筐体から前記第2通電端子が突出する第2の状態とを選択可能であり、前記蓋部材が、前記第1通電部を開放するとともに前記支持部材の回動を規制する第1の位置と、前記凹部の少なくとも一部を覆うとともに前記支持部材が回動可能となる第2の位置とを選択できる。
【0007】
このような本発明においては、蓋部材が第1の位置あるいは第2の位置を選択できる。
蓋部材を第1の位置に選択することで、第1通電部を開放するとともに支持部材の回動を規制できる。支持部材の回動を規制することで、第2通電部を第2通電端子が筐体に収容される第1の状態に保持できる。
よって、第1通電部の使用中に第2通電部を外部から接触不可能とできる。
【0008】
一方、蓋部材を第2の位置に選択することで、凹部の少なくとも一部を覆うとともに支持部材が回動可能とできる。支持部材を回動することで、第2通電部を筐体から第2通電端子が突出する第2の状態(すなわち、使用状態)に保持できる。
よって、第2通電部の使用中に第1通電部を外部から接触不可能とできる。
このように、蓋部材を第1の位置あるいは第2の位置に選択することで、第1通電部および第2通電部のうちの一方を使用中、第1通電部および第2通電部のうちの他方に対して外部から接触不可能とできる。
【0009】
なお、蓋部材は、第1の位置において、第1の状態から第2の状態に移行できないように支持部材の回転を規制できればよい。また、蓋部材は、支持部材の回転を阻止する位置にあってもよく、第2通電端子を覆ってもよい。
さらに、蓋部材は、第2の位置において、第1通電部(インレット)を完全に覆う必要はない。第1通電部(インレット)に対してコードやアダプタが差し込めない状態となればよい。
【0010】
また、本発明は、前記蓋部材が、前記第1の位置に向けて付勢されており、前記蓋部材は、前記第1の状態において、前記付勢によって前記第1の位置へ配置され、前記第2の状態において、前記第2通電部に当接することにより前記第2の位置へ配置される。
本発明においては、蓋部材を第1の位置に向けて付勢することで、第2通電部の収納状態において、蓋部材が誤って移動してしまい第2通電端子が突出してしまうことを防止できる。すなわち、第2通電部の収納状態を維持できるため、筐体を最も小さい状態、すなわち良好な携帯性を維持できる。
【0011】
また、本発明は、前記蓋部材が、前記第2の位置に向けて付勢されており、前記蓋部材は、前記第1の状態において、前記第2通電部に接続される接続体に当接することにより前記第1の位置へ配置され、前記第2の状態において、前記付勢によって前記第2の位置へ配置されてもよい。
本発明においては、蓋部材を第2の位置に向けて付勢することで、第2通電端子を突出させた状態において第1通電部と第2通電部との間に空間が空いている場合であっても、より確実に、第1通電部を覆うことができる。
【0012】
さらに、本発明は、前記筐体と、前記第1の状態における前記第2通電部の前記第2通電端子との導通が遮断される。
本発明においては、第1の状態のとき第2通電端子が筐体に導通することを遮断可能とすることで、第1通電部の使用中に第2通電部から漏電することを防止できる。
【0013】
また、本発明は、前記蓋部が、前記第1の状態における前記第2通電端子に対して外部から接触できないように前記第2通電部を覆う。
【0014】
本発明においては、第1の状態のとき第2通電部を蓋部で覆うことで、第2通電端子に対して外部から接触できないようにして漏電を確実に防止できる。
【発明の効果】
【0015】
本発明のACアダプタによれば、蓋部材を第1の位置あるいは第2の位置に選択することで、第1通電部および第2通電部のうちの一方を使用中、第1通電部および第2通電部のうちの他方に対して外部から接触不可能とできるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係る第1実施形態のACアダプタを示す斜視図
【図2】図1のACアダプタを示す断面図
【図3】は図2のA−A線断面図
【図4】第1実施形態のACアダプタを示す分解斜視図
【図5】第1実施形態の蓋部材を第1の位置から第2の位置に向けて移動する例を示す断面図
【図6】第1実施形態の蓋部材を第2の位置に配置した状態を示す断面図
【図7】第1実施形態の第2通電部を第1の状態から第2の状態に回動する例を示す断面図
【図8】第1実施形態の第2通電部を第2の状態に配置した状態を示す断面図
【図9】第1実施形態の蓋部材を第3の位置に配置した状態を示す断面図
【図10】第1実施形態の変形例を示す斜視図
【図11】本発明に係る第2実施形態のACアダプタを示す図
【図12】本発明に係る第3実施形態のACアダプタを示す図
【図13】本発明に係る第4実施形態のACアダプタを示す図
【図14】本発明に係る第5実施形態のACアダプタを示す図
【図15】本発明の変形例を示す要部断面図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の複数の実施の形態に係るACアダプタ10,60,70,80,90について図面を参照して説明する。
【0018】
(第1実施形態)
図1〜図4に示すように、本発明の第1実施形態であるACアダプタ10は、筐体11と、筐体11の表面11Aに設けられた第1通電部13と、第1通電部13に隣り合う位置に設けられた第2通電部15と、第1通電部13および第2通電部15の配列方向に沿って移動可能な蓋部材17と、蓋部材17を第2通電部15側に付勢する付勢手段19とを備えている。
【0019】
筐体11は、外形が略矩形体に形成され、表面11Aに第1通電部13が設けられ、第1通電部13に隣り合う位置11Bに収納溝21が設けられ、収納溝21に第2通電部15が回動自在に設けられている。
収納溝21は、表面11Aに開口するとともに、端面11Cに開口する溝である。
【0020】
第1通電部13は、筐体11の表面11Aに開口する凹部22が設けられ、凹部22の底部22Aに立設された一対の第1通電端子23を有するインレット部である。
第1通電部13にコード26やアダプタ27(図4参照、以下「接続部材」と呼ぶ)を差し込むことで、第1通電部13をインレット部として使用することができる。
【0021】
第2通電部15は、収納溝21に一対の支軸29を介して支持部材28が回動自在に収納され、支持部材28に支持された一対の第2通電端子31を有する日本用プラグ(ACプラグ)である。
支持部材28の角部に突部28Aが形成され、支持部材28の両端部から一対の支軸29が同軸上に突出されている。一対の支軸29は、支持部材28を筐体11に対して回動可能に支持する軸部である。
具体的には、一対の支軸29は、筐体11の表面11Aに対して平行、かつ、第1通電部13および第2通電部15の配列方向に対して直交するように設けられている。
【0022】
支持部材28に支持端子33が設けられ、支持端子33が第2通電端子31に連通(接続)されている。
支持端子33は、支持部材28(第2通電部15)が第2の状態(図9に示す状態)に配置されたとき筐体11側の端子34に接触し、支持部材28(第2通電部15)が第1の状態(図1〜図3に示す状態)に配置されたとき筐体11側の端子34に対して非接触状態に保たれる。
すなわち、第1の状態において、筐体11と第2通電端子31との導通が遮断される。
一対の第2通電端子31は、各々の厚み方向が支軸29の軸線29A(図5も参照)に対して平行な方向に沿うように、各々が互いに平行に配列されている。
【0023】
蓋部材17は、筐体11に摺動自在に支持され、第1の位置P1(図1〜図3に示す状態)と第2の位置P2(図6、図7に示す状態)とに選択可能な部材である。
この蓋部材17は、外形が略矩形状に形成され、第1通電部13寄りの部位に開口部36が形成されている。
【0024】
蓋部材17を第1の位置P1に選択(配置)することで、開口部36を第1通電部13の上方に配置するとともに、蓋部材17の一端部17Aを支持部材28の突部28Aに当接させることができる。
開口部36を第1通電部13の上方に配置することで、第1通電部13を開口部36を介して開放(外部に露出)できる。
これにより、第1通電部13にコード26やアダプタ27などの接続部材(図4参照)を差し込むことで、第1通電部13をインレット部として使用できる。
【0025】
また、蓋部材17の一端部17Aを支持部材28の突部28Aに当接させることで、支持部材28(第2通電部15)が第1の状態から第2の状態に向けて回動することを規制できる。
よって、第2通電部15の第2通電端子31を筐体11の収納溝21に収容状態に保持するとともに、第2通電端子31を蓋部材17で覆うことができる。
これにより、第1通電部13の使用中に第2通電端子31を外部から接触不可能とできる。
【0026】
一方、蓋部材17を第2の位置P2に選択することで、開口部36を第1通電部13からずらすとともに蓋部材17の一端部17Aを支持部材28の突部28Aから離すことができる。
開口部36を第1通電部13からずらすことで、蓋部材17で凹部22の少なくとも一部(第1実施形態では凹部22の全体を覆う状態を例示する)を覆うことができる。
【0027】
すなわち、第1の状態において、第2通電端子31に外部から接触できないように第2通電部15を蓋部材17で覆うことができる。
また、蓋部材17の一端部17Aを支持部材28の突部28Aから離すことで、支持部材28を第1の状態から第2の状態(使用状態)に向けて回動可能とできる。
【0028】
付勢手段19は、蓋部材17を第1の位置P1に向けて付勢する手段である。
この付勢手段19は、蓋部材17の他端部17Bに下向きに設けられた蓋ピン38と、筐体11に上向きに設けられた筐体ピン39と、筐体ピン39および蓋ピン38に係止されたコイルばね41とを有している。
【0029】
コイルばね41は、中央部がコイル状に巻かれ、一端部41Aが蓋ピン38に係止されるとともに、他端部41Bが筐体ピン39に係止されている。
コイルばね41の付勢力で蓋部材17が第1の位置P1に向けて付勢され、蓋部材17の一端部17Aが支持部材28の突部28Aに当接されている。
これにより、蓋部材17が第1の位置P1に配置され、第1通電部13が開口部36を介して開放(外部に露出)されるとともに、支持部材28(第2通電部15)を第1の状態から第2の状態に向けて回動することが規制されている。
【0030】
すなわち、図1〜図3に示すように、コイルばね41の付勢力で蓋部材17が第1の位置(すなわち、蓋部材17の一端部17Aが支持部材28の突部28Aに当接した位置)P1に保たれている。
この状態で、第1通電部13が開口部36を介して開放される。よって、第1通電部13にコード26やアダプタ27を差し込むことができる。第1通電部13の第1通電端子23がコード26やアダプタ27に接続される。
すなわち、第1通電部13にコード26やアダプタ27を差し込むことで、第1通電部13をインレット部として使用することができる。
【0031】
また、蓋部材17の一端部17Aを支持部材28の突部28Aに当接させることで、支持部材28(第2通電部15)が第1の状態から第2の状態に向けて回動することを規制できる。
よって、第2通電部15の第2通電端子31を筐体11の収納溝21に収容状態に保持でき、第1通電部13の使用中に第2通電端子31を外部から接触不可能とできる。
【0032】
ここで、支持端子33は、支持部材28(第2通電部15)が第2の状態に配置されたとき筐体11側の端子34に接触し、支持部材28(第2通電部15)が第1の状態に配置されたとき筐体11側の端子34に対して非接触状態に保たれる。
すなわち、第1の状態において、筐体11と第2通電端子31との導通が遮断される。
【0033】
次に、ACアダプタ10の第1通電部(インレット部)13や第2通電部(日本用プラグ)15を使用する例を図5〜図9に基づいて説明する。
図5(A),(B)に示すように、蓋部材17に指43を当て蓋部材17を第1の位置P1からコイルばね41の付勢力に抗して第1通電部13(収納溝21の底部21)に向けて矢印A方向にスライド移動させる。
第2通電部15は第1の状態に配置されて筐体11側の端子34に対して支持端子33が非接触状態に保たれる。
なお、図5では指43を蓋部材17に当ててスライド移動させているが、収納溝21が露出している場合などには、開口部36に指43を引っ掛けて移動させることで、スライド移動を容易にすることもできる。
【0034】
図6(A),(B)に示すように、蓋部材17の他端部17Bが収納溝21の底部21Aに当接して蓋部材17が第2の位置P2に位置する。
蓋部材17が第2の位置P2に位置することで、開口部36を第1通電部13からずらすとともに蓋部材17の一端部17Aを支持部材28の突部28Aから離すことができる。
【0035】
図7(A),(B)に示すように、蓋部材17の一端部17Aを支持部材28の突部28Aから離すことで、支持部材28を一対の支軸29を軸にして第2の状態に向けて矢印Bの如く回動する。
【0036】
図8(A),(B)に示すように、支持部材28を第2の状態まで回動することで、第2通電端子31が筐体11から突出するとともに、支持端子33が筐体11側の端子34に接触する。
この状態で、蓋部材17から指43を離して蓋部材17をコイルばね41の付勢力で第2通電部15に向けて矢印C方向にスライド移動させる。
【0037】
図9(A),(B)に示すように、蓋部材17の一端部17Aが第2通電部15の支持部材28に当接して蓋部材17が第3の位置P3に位置する。
蓋部材17の一端部17Aが支持部材28に当接することで、支持部材28の回動を阻止して第2通電端子31を突出させた使用状態(第2の状態)に保持できる。
また、蓋部材17の開口部36を第1通電部13からずらすことで、蓋部材17で第1通電部13を覆うことができる。
よって、第1通電部13の第1通電端子23を外部から接触不可能とできる。
【0038】
ここで、第1実施形態の変形例を図10に基づいて説明する。
図10に示すように、第1実施形態の変形例は、付勢手段19のコイルばね41を一対のコイルばね47に代えたものである。
一対のコイルばね47は蓋部材17(他端部17B)の両側部に設けられている。一対のコイルばね47は第1実施形態のコイルばね41と同様に形成されている。
一対のコイルばね47を設けた変形例の場合でも第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0039】
次に、第2実施形態〜第5実施形態のACアダプタを図11〜図14に基づいて説明する。なお、第2実施形態〜第5実施形態において第1実施形態のACアダプタ10と同一・類似部材については同じ符号を付して説明を省略する。
【0040】
(第2実施形態)
図11(A)〜(D)に示すように、本発明の第2実施形態であるACアダプタ60は、第1実施形態の第2通電部15の支持部材28を第1通電部13側に寄せて配置し、蓋部材62を第1通電部13および第2通電部15の配列方向に沿って矢印方向に移動可能に構成したものである。
第2通電部15は、第1の状態(図11(A)、(B)の状態)において一対の第2通電端子31が第1通電部13から離れて配置されている。
【0041】
第2実施形態のACアダプタ60によれば、第1の状態(図11(A)、(B)の状態)において蓋部材62が支持部材28の上方に位置することで、支持部材28(第2通電部15)が第1の状態から第2の状態(図11(C)、(D)の状態)に向けて回動することを規制できる。
よって、第2通電部15の第2通電端子31を筐体11の収納溝21に収容状態に保持できる。
【0042】
ここで、図11(B)に示すように、支持端子33は、支持部材28(第2通電部15)が第1の状態に配置されたとき筐体11側の端子34に対して非接触状態に保たれる。
すなわち、第1の状態において、筐体11と第2通電端子31との導通が遮断される。
【0043】
一方、支持部材28(第2通電部15)が第2の状態(図11(C)、(D)の状態)に配置されたとき、第2通電端子31が筐体11から突出される。
この状態で、図11(D)に示すように、支持端子33が筐体11側の端子34に接触して、筐体11と第2通電端子31とが導通する。
また、蓋部材62の移動により、第1通電部13と第2通電端子31とのうち、一方のみを露出させ、他方を露出させないようにすることができる。
【0044】
すなわち、第2実施形態のACアダプタ60によれば、第1実施形態のACアダプタ10と同様の効果を得ることができる。
【0045】
(第3実施形態)
図12(A)〜(D)に示すように、本発明の第3実施形態であるACアダプタ70は、第1実施形態の第2通電端子31の厚み方向を支軸29の軸線29Aの接線に対して平行な方向に沿うように各第2通電端子31が互いに平行に配列され、蓋部材62を第1通電部13および第2通電部15の配列方向に沿って矢印方向に移動可能に構成したものである。
第2通電部15は、第1の状態(図12(A)、(B)の状態)において一対の第2通電端子31が第1通電部13から離れて配置されている。
【0046】
第3実施形態のACアダプタ70によれば、第1の状態(図12(A)、(B)の状態)において蓋部材62が支持部材28の上方に位置することで、支持部材28(第2通電部15)が第1の状態から第2の状態(図12(C)、(D)の状態)に向けて回動することを規制できる。
よって、第2通電部15の第2通電端子31を筐体11の収納溝21に収容状態に保持できる。
【0047】
ここで、図12(B)に示すように、支持端子33は、支持部材28(第2通電部15)が第1の状態に配置されたとき筐体11側の端子34に対して非接触状態に保たれる。
すなわち、第1の状態において、筐体11と第2通電端子31との導通が遮断される。
【0048】
一方、支持部材28(第2通電部15)が第2の状態(図12(C)、(D)の状態)に配置されたとき、第2通電端子31が筐体11から突出される。
この状態で、図12(D)に示すように、支持端子33が筐体11側の端子34に接触して、筐体11と第2通電端子31とが導通する。
また、蓋部材62の移動により、第1通電部13と第2通電端子31とのうち、一方のみを露出させ、他方を露出させないようにすることができる。
【0049】
すなわち、第3実施形態のACアダプタ70によれば、第1実施形態のACアダプタ10と同様の効果を得ることができる。
【0050】
(第4実施形態)
図13(A)〜(E)に示すように、本発明の第4実施形態であるACアダプタ80は、第1実施形態と同様に第2通電部15の第2通電端子31を第1通電部13側に寄せて配置し、蓋部材62を第1通電部13および第2通電部15の配列方向に沿って矢印方向に移動可能に構成したものである。
第2通電部15は、第1の状態(図13(A)〜(C)の状態)において支持部材28が回動自在に第1通電部13から離れて配置されている。
【0051】
第4実施形態のACアダプタ80によれば、第1の状態(図13(A)、(B)の状態)において蓋部材62が第2通電端子31の上方に位置するとともに支持部材28に当接する。
蓋部材62が第2通電端子31の上方に位置することで、第2通電端子31に外部から接触不可能とできる。
また、蓋部材62が支持部材28に当接することで、支持部材28(第2通電部15)が第1の状態から第2の状態(図13(D)、(E)の状態)に向けて回動することを規制できる。
よって、第2通電部15の第2通電端子31を筐体11の収納溝21に収容状態に保持できる。
【0052】
ここで、図13(B)に示すように、支持端子33は、支持部材28(第2通電部15)が第1の状態に配置されたとき筐体11側の端子34に対して非接触状態に保たれる。
すなわち、第1の状態において、筐体11と第2通電端子31との導通が遮断される。
【0053】
図13(C)に示すように、蓋部材62を第1通電部13の上方に移動して第2通電端子31を露出させることで、支持部材28(第2通電部15)が第1の状態から第2の状態(図13(D)、(E)の状態)に向けて回動可能とできる。
【0054】
支持部材28(第2通電部15)が第2の状態(図13(D)、(E)の状態)に配置されたとき、第2通電端子31が筐体11から上方に向けて突出される。
この状態で、図13(E)に示すように、支持端子33が筐体11側の端子34に接触して、筐体11と第2通電端子31とが導通する。
【0055】
すなわち、第4実施形態のACアダプタ80によれば、第1実施形態のACアダプタ10と同様の効果を得ることができる。
また、蓋部材62の移動により、第1通電部13と第2通電端子31とのうち、一方のみを露出させ、他方を露出させないようにすることができる。
【0056】
なお、第4実施形態のACアダプタ80では、蓋部材62を第2通電端子31の上方に位置することで第2通電端子31に外部から接触不可能とできるので、第1の状態および第2の状態の両方の状態で筐体11と第2通電端子31とを導通させた状態に保つことも可能である。
【0057】
また、第4実施形態のACアダプタ80は、第2の状態として、図13(D)、(E)に示すように、第2通電部15の第2通電端子31を筐体11から上方に突出する例について説明したが、これに限らないで、第2通電端子31を、図13(D)の想像線で示すように、筐体11から前方に向けて突出させた状態を第2の状態とすることも可能である。
【0058】
(第5実施形態)
図14(A)〜(C)に示すように、本発明の第5実施形態であるACアダプタ90は、第1実施形態の第2通電部15を筐体11に対して横方向に回動可能とし、蓋部材62を第1通電部13および第2通電部15の配列方向に沿って矢印方向に移動可能に構成したものである。
すなわち、ACアダプタ90は、第2通電部15の支軸が第1通電部13(第1通電端子23)の立設方向に対して平行に設けられている。
【0059】
第5実施形態のACアダプタ90によれば、第1の状態(図14(A)の状態)において蓋部材62が支持部材28の上方に位置するとともに蓋部材62のリブ62Aが支持部材28の溝28Bに係合することで、支持部材28(第2通電部15)が第1の状態から第2の状態(図14(C)の状態)に向けて回動することを規制できる。
よって、第2通電部15の第2通電端子31を筐体11の収納溝21に収容状態に保持できる。
【0060】
図14(B)に示すように、蓋部材62を第1通電部13の上方に移動して蓋部材62のリブ62Aおよび支持部材28の溝28Bの係合を解除する。
これにより、支持部材28(第2通電部15)が第1の状態から第2の状態(図14(C)の状態)に向けて回動可能とできる。
また、蓋部材62の移動により、第1通電部13と第2通電端子31とのうち、一方のみを露出させ、他方を露出させないようにすることができる。
【0061】
支持部材28(第2通電部15)が第2の状態(図14(C)の状態)に配置されたとき、第2通電端子31が筐体11から突出される。
【0062】
すなわち、第5実施形態のACアダプタ90によれば、第1実施形態のACアダプタ10と同様の効果を得ることができる。
【0063】
なお、本発明に係るACアダプタ10,60,70,80,90は、前述した第1実施形態〜第5実施形態に限定されるものではなく適宜変更、改良などが可能である。
例えば、第1実施形態〜第5実施形態で使用した筐体11、第1通電部13、第2通電部15、蓋部材17,62、凹部22、第1通電端子23、支持部材28および第2通電端子31などの形状や構成は例示したものに限定するものではなく適宜変更が可能である。
【0064】
また、前述した第1実施形態〜第5実施形態では、第2通電部15は、収納状態において通電を遮断される構造としたが、これに限られるものではない。
図15に示すように、第2通電部の第2通電端子の構造は、支軸29を通電端子として端子34と常時接触し、通電を維持する構造でもよい。この場合でも蓋部材17、蓋部材62等が、収納状態において第2通電部15を覆うため、第1通電部13が露出している状態で第2通電部15を誤って触れてしまうことなどを避けることが出来る。
【0065】
また、前述した第1実施形態〜第5実施形態では、蓋部材10もしくは蓋部材62は第2通電部15側に付勢されていた。これは、第2通電端子31を突出させた状態において、蓋部材10もしくは蓋部材62が第2通電部15と当接することで、第1通電部13が蓋部材10もしくは蓋部材62によって覆われる状態となるからである。
また、第2通電端子31を収納した状態において、付勢によって第2通電端子31が蓋部材10もしくは蓋部材62によって確実に覆われ、その状態を維持できるからである。
【0066】
しかし、蓋部材10もしくは蓋部材62に対する付勢の方向は第1通電部13側であってもよい。この場合、第1通電部13を使用する際には、蓋部材10もしくは蓋部材62を第2通電部15側にスライド移動させた状態で、コード26やアダプタ27等の接続部材(図4参照)を差し込むこととなる。その際、蓋部材62は、挿し込まれているコード26やアダプタ27に当接する形で静止し、第2通電端子31を覆う。
なお、付勢の方向を第1通電部13側とすることは、特に第4実施形態のような、第2通電端子31を突出させた状態において第1通電部13と第2通電部15との間に空間が空いている場合に望ましい。これは、図13(D)および(E)に示されるとおり、第4実施形態では、第2通電端子31を突出させた状態で蓋部材62を第2通電部15に当接させると、第1通電部13が蓋部材62に覆われず、露出してしまうからである。
【符号の説明】
【0067】
10,60,70,80,90 ACアダプタ
11 筐体
11A 筐体の表面
13 第1通電部
15 第2通電部
17,62 蓋部材
22 凹部
22A 凹部の底部
23 第1通電端子
28 支持部材
31 第2通電端子
P1 第1の位置
P2 第2の位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体の表面に設けられた凹部の底部に立設された第1通電端子を有する第1通電部と、
前記第1通電部に隣り合う位置に設けられ、第2通電端子を有する第2通電部と、
前記第1通電部および前記第2通電部の配列方向に沿って移動可能な蓋部材とを備え、
前記第2通電部は、前記第2通電端子を支持する支持部材が前記筐体に対して回動することにより、前記筐体から前記第2通電端子が前記筐体に収容される第1の状態と、前記筐体から前記第2通電端子が突出する第2の状態とを選択可能であり、
前記蓋部材が、前記第1通電部を開放するとともに前記支持部材の回動を規制する第1の位置と、前記凹部の少なくとも一部を覆うとともに前記支持部材が回動可能となる第2の位置とを選択できるACアダプタ。
【請求項2】
請求項1に記載のACアダプタにおいて、
前記蓋部材が、前記第1の位置に向けて付勢されており、
前記蓋部材は、
前記第1の状態において、前記付勢によって前記第1の位置へ配置され、
前記第2の状態において、前記第2通電部に当接することにより前記第2の位置へ配置されるACアダプタ。
【請求項3】
請求項1に記載のACアダプタにおいて、
前記蓋部材が、前記第2の位置に向けて付勢されており、
前記蓋部材は、前記第1の状態において、前記第2通電部に接続される接続部材に当接することにより前記第1の位置へ配置され、
前記第2の状態において、前記付勢によって前記第2の位置へ配置されるACアダプタ。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のうちのいずれかに記載のACアダプタにおいて、
前記筐体と、前記第1の状態における前記第2通電部の前記第2通電端子との導通が遮断されるACアダプタ。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のうちのいずれかに記載のACアダプタにおいて、
前記蓋部材が、前記第1の状態における前記第2通電端子に対して外部から接触できないように前記第2通電部を覆うACアダプタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−210434(P2011−210434A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−75085(P2010−75085)
【出願日】平成22年3月29日(2010.3.29)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】