AISGデバイス用インターフェイス回路及びAISGデバイス
【課題】制御ケーブルでの電圧降下によりDCリターン電圧が上昇しても、正常に通信を行うことを可能とするAISGデバイス用インターフェイス回路及びAISGデバイスを提供する。
【解決手段】AISG規格に準拠した入力コネクタ2および出力コネクタ3と、入力コネクタ2から入力された制御信号を一定電圧昇圧して出力する電圧シフト回路8と、を備えたものである。
【解決手段】AISG規格に準拠した入力コネクタ2および出力コネクタ3と、入力コネクタ2から入力された制御信号を一定電圧昇圧して出力する電圧シフト回路8と、を備えたものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、AISG(Antenna Interface Standards Group)規格に準拠したAISGデバイスに搭載されるAISGデバイス用インターフェイス回路及びAISGデバイスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
移動通信用の無線基地局では、一般に、アンテナのチルト制御を遠隔制御により行えるようになっている。当初は、アンテナの制御方式としてメーカーごとに独自の方式を用いていたが、近年のLTE(Long Term Evolution)無線基地局などでは、アンテナの制御をAISG規格で行うことが多くなっている。AISG規格は、アンテナの基本的な相互運用を確実にすべく標準化された規格である(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図20(a)に示すように、AISG規格に準拠してアンテナの制御を行うアンテナ制御システム201は、無線基地局のアンテナ(図示せず)の制御を行うRET(Remote Electrical Tilt)ユニットなどのAISGデバイス(AISG端末機器)202と、AISGデバイス202に制御信号(RS485規格信号)を送信し、AISGデバイス202を制御してアンテナの制御を行うと共に、AISGデバイス202に電源を供給する制御装置(AISG制御装置)203と、制御装置203とAISGデバイス202とを接続する制御ケーブル(AISG制御ケーブル)204と、を備えている。制御ケーブル204は、図示していないが、制御信号を伝送するための制御信号線と、電源を供給するための電源線とを備えている。
【0004】
図20(b)に示すように、AISGデバイス202は、AISG規格に準拠した入力コネクタ(オスコネクタ)2および出力コネクタ(メスコネクタ)3を備えている。両コネクタ2,3の対応するピン端子同士は、入出力コネクタ間接続線(電源ライン4および制御信号伝送ライン5)により電気的に接続されている。これにより、図21に示すように、両端部にAISG規格に準拠したオスコネクタ204a,メスコネクタ204bをそれぞれ設けた制御ケーブル204を用いて、デイジーチェーン接続により複数のAISGデバイス202を縦続接続できるようになっている。
【0005】
AISG規格に準拠したコネクタ2,3のピン端子の番号(Pin Number)、各ピン端子で伝搬する信号(Signal)、必須接続(Mandatory)であるか任意接続(Optional)であるかという要求(Requirement)を表1に示す。
【0006】
【表1】
【0007】
表1に示すように、AISG規格では、1番の+12V、2番の−48V、6番の10〜30Vの3種類の電源ラインが用意されており、+12Vと−48Vの電源ラインは任意接続、10〜30Vの電源ラインは必須接続とされている。なお、表1における8番のNCは無接続(No Connection)を意味している。
【0008】
図20(b)では、一例として、AISGデバイス202が必須接続の10〜30V電源を使用する場合を示している。この場合、両コネクタ2,3間で6番のピン端子同士を接続する10〜30V電源ライン4aと、7番のピン端子同士を接続するDCリターンライン4bとが、電源ライン4として、AISGデバイス202の内部回路6の電源回路(図示せず)に電気的に接続される。
【0009】
両コネクタ2,3間で3,5番のピン端子同士を接続するライン(RS485AのラインとRS485Bのライン)は、制御信号伝送ライン5として、AISGデバイス202の内部回路6の制御信号用トランシーバ(RS485トランシーバ)7に電気的に接続される。これにより、制御装置203から入力コネクタ2を介して入力された制御信号は、制御信号伝送ライン5を通って制御信号用トランシーバ7に入力されるようになっている。
【0010】
図22に示すように、制御信号用トランシーバ7は、非反転入出力端子A、反転入出力端子B、レシーバ出力端子RO、レシーバ出力イネーブル端子RE、ドライバ入力端子DI、ドライバ出力イネーブル端子DE、正電源入力端子Vcc、基準電源入力端子GNDの各端子を備えた一般的な差動信号用トランシーバである。非反転入出力端子A、反転入出力端子Bは、制御信号伝送ライン5に電気的に接続され、正電源入力端子Vccは正電源に、基準電源入力端子GNDはDCリターンに電気的に接続され、その他の端子RO,RE,DI,DEは、内部回路6の適宜な制御回路等に電気的に接続される。
【0011】
レシーバ出力端子ROからは、非反転入出力端子Aから入力された信号(RS485A)と、反転入出力端子Bから入力された信号(RS485B)の差分が出力される。また、ドライバ入力端子DIから入力された信号は、両入出力端子A,Bから出力されるが、非反転入出力端子Aからは反転されない信号が、反転入出力端子Bからは反転された信号が出力されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特表2010−519804号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
ところで、制御ケーブル204の電源線(ここでは10〜30V電源線とDCリターン用電源線)には、電源電流が流れるため、制御ケーブル204の導体抵抗成分により電圧降下が発生してしまう。
【0014】
制御ケーブル204の電源線の単位長さあたりの導体抵抗をR0、ケーブル伝送距離(制御ケーブル204のケーブル長)をLとすると、電源線の導体抵抗成分はR0・Lとなるので、アンテナ制御システム201は、図23に示すような等価回路で表すことができる。電源電流をI0とすると、制御ケーブル204にてI0・R0・Lの電圧降下が発生することになる。
【0015】
制御装置203にてV0の電圧を出力する場合、DCリターン出力端子203bの電圧を基準(0V)として電源出力端子203aからV0の電圧を出力することになるが、AISGデバイス202の電源入力端子(ここでは、入力コネクタ2の6番のピン端子)202aに入力される電圧V1は、制御ケーブル204での電圧降下により、下式(1)
V1=V0−I0・R0・L ・・・(1)
となる。同様に、AISGデバイス202のDCリターン入力端子(入力コネクタ2の7番のピン端子)202bの電圧(DCリターン電圧という)V2は、0Vよりも上昇し、下式(2)
V2=I0・R0・L ・・・(2)
となる。
【0016】
式(2)より、制御ケーブル204のケーブル伝送距離Lが長くなったり、正電源系のAISGデバイス202を多段接続するなどして消費電力が大きく(電源電流I0が大きく)なると、AISGデバイス202におけるDCリターン電圧V2が上昇してしまうことがわかる。
【0017】
これに対して、制御信号を伝送する制御信号線に流れる電流は非常に小さいため、制御信号は、制御装置203から出力された電圧と略同じ電圧でAISGデバイス202に到達する。その結果、DCリターン電圧V2を基準にすると、制御信号の電圧は、相対的に低くなってしまう。
【0018】
制御信号用トランシーバ7は、AISGデバイス202の他の内部回路6と同様に、制御装置203から供給された電源により駆動される。つまり、制御信号用トランシーバ7は、DCリターン電圧V2を基準電圧として使用している。また、通常の制御信号用トランシーバ7で受信可能な電圧範囲は、基準電圧に対して−7V〜+12V程度と有限である。
【0019】
よって、図24に示すように、ケーブル伝送距離Lが長くなり、DCリターン電圧V2が上昇し、それに伴って制御信号用トランシーバ7で受信される制御信号の電圧が相対的に低くなると、制御信号が制御信号用トランシーバ7で受信可能な電圧範囲(図24にハッチングで示す範囲)を外れて制御信号の識別が困難となり、正常な通信ができなくなるおそれがある。図24では、制御信号のハイレベル信号電圧をVH、ローレベル信号電圧をVLとして示しているが、この例では、ケーブル伝送距離LがL0より大きくなると、ローレベル信号電圧VLが制御信号用トランシーバ7で受信可能な下限電圧を下回り、正常な通信ができなくなる。
【0020】
本発明は上記事情に鑑み為されたものであり、制御ケーブルでの電圧降下によりDCリターン電圧が上昇しても、正常に通信を行うことを可能とするAISGデバイス用インターフェイス回路及びAISGデバイスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明は上記目的を達成するために創案されたものであり、AISG規格に準拠した入力コネクタおよび出力コネクタと、前記入力コネクタから入力された制御信号を一定電圧昇圧して出力する電圧シフト回路と、を備えたAISGデバイス用インターフェイス回路である。
【0022】
制御信号の送受信を行う制御信号用トランシーバを備え、AISG規格に準拠してアンテナの制御を行うAISGデバイスに搭載され、前記電圧シフト回路を、前記制御信号用トランシーバと前記入力コネクタ間の制御信号伝送ラインに設け、前記入力コネクタから入力された制御信号を一定電圧昇圧して前記制御信号用トランシーバに出力すると共に、前記制御信号用トランシーバから入力された制御信号を一定電圧降圧して前記入力コネクタに出力するように構成してもよい。
【0023】
前記電圧シフト回路が昇圧するシフト電圧は、前記入力コネクタから入力された制御信号を昇圧した際の、昇圧後の制御信号の電圧が、前記制御信号用トランシーバが受信可能な電圧範囲内となるように設定されてもよい。
【0024】
前記入力コネクタには、前記AISGデバイスに制御信号を送信し、前記AISGデバイスを制御して前記アンテナの制御を行うと共に、前記AISGデバイスに電源信号を送信する制御装置が接続されており、前記電圧シフト回路が降圧するシフト電圧は、前記制御信号用トランシーバから入力された制御信号を降圧した際の、降圧後の制御信号の電圧が、前記制御装置で受信可能となるように設定されてもよい。
【0025】
前記入力コネクタから入力された制御信号の最低電圧を検出し、その検出した最低電圧が、前記制御信号用トランシーバが受信可能な電圧範囲内にあるか判断する最低電圧検出回路と、該最低電圧検出回路が、制御信号の最低電圧が前記制御信号用トランシーバが受信可能な電圧範囲内にないと判断したとき、前記制御信号用トランシーバと前記入力コネクタ間の制御信号伝送ラインに前記電圧シフト回路を挿入し、制御信号の最低電圧が前記制御信号用トランシーバが受信可能な電圧範囲内にあると判断したとき、前記制御信号用トランシーバと前記入力コネクタ間の制御信号伝送ラインに前記電圧シフト回路を挿入しないように切り替える切替回路と、をさらに備えてもよい。
【0026】
前記電圧シフト回路は、ツェナーダイオードまたは直列接続した複数個のダイオードを備え、前記ツェナーダイオードによるツェナー電圧または前記複数個のダイオードによる順方向電圧降下により、前記入力コネクタから入力された制御信号を一定電圧昇圧して出力するように構成されてもよい。
【0027】
前記電圧シフト回路を、前記入力コネクタと前記出力コネクタ間の制御信号伝送ラインに設け、前記入力コネクタから入力された制御信号を一定電圧昇圧して前記出力コネクタに出力すると共に、前記出力コネクタから入力された制御信号を一定電圧降圧して前記入力コネクタに出力するように構成してもよい。
【0028】
外部で発生したサージ電圧から内部回路を保護するためのサージ保護回路をさらに備えてもよい。
【0029】
制御信号の同相雑音を除去する同相雑音除去フィルタをさらに備えてもよい。
【0030】
また、本発明は、前記AISGデバイス用インターフェイス回路を搭載したAISGデバイスである。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、制御ケーブルでの電圧降下によりDCリターン入力端子電圧が上昇しても、正常に通信を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】(a)は、本発明の一実施の形態に係るAISGデバイス用インターフェイス回路を搭載したAISGデバイスの概略構成図であり、(b)は、その電圧シフト回路と制御信号用トランシーバの回路構成図である。
【図2】本発明において、電圧シフト回路のシフト電圧Esをどのように設定するかを説明するための図である。
【図3】本発明において、電圧シフト回路のシフト電圧Esをどのように設定するかを説明するための図である。
【図4】本発明において、DCリターン電圧の上昇電圧Euの最大値(最大Eu)に対するシフト電圧Esの許容範囲の関係を示す図である。
【図5】(a)は、図1のAISGデバイス用インターフェイス回路に用いる電圧シフト回路の一例を示す回路構成図であり、(b)は定電流源に抵抗を用いた場合,(c)は定電流源にカレントミラー回路を用いた場合の回路構成図である。
【図6】(a)は、図5(b)の電圧シフト回路を模したシミュレーション回路を示す図であり、(b)は、そのシミュレーション回路を用いて求めた入力電圧Vinに対する出力電圧Voutのシミュレーション結果、(c)は入力電圧Vinに対する電流I0のシミュレーション結果を示す図である。
【図7】(a)は、図5(c)の電圧シフト回路を模したシミュレーション回路を用いて求めた入力電圧Vinに対する出力電圧Voutのシミュレーション結果、(b)は入力電圧Vinに対する電流I0のシミュレーション結果を示す図である。
【図8】(a)は、図1のAISGデバイス用インターフェイス回路に用いる電圧シフト回路の一例を示す回路構成図であり、(b)は定電流源に抵抗を用いた場合,(c)は定電流源にカレントミラー回路を用いた場合の回路構成図である。
【図9】(a)は、図1のAISGデバイス用インターフェイス回路に用いる電圧シフト回路の一例を示す回路構成図であり、(b)は定電流源に抵抗を用いた場合,(c)は定電流源にカレントミラー回路を用いた場合の回路構成図である。
【図10】(a)は、図1のAISGデバイス用インターフェイス回路に用いる電圧シフト回路の一例を示す回路構成図であり、(b)は定電流源に抵抗を用いた場合の回路構成図である。
【図11】本発明の他の実施の形態に係るAISGデバイス用インターフェイス回路を搭載したAISGデバイスの概略構成図である。
【図12】本発明の他の実施の形態に係るAISGデバイスの概略構成図である。
【図13】(a),(b)は、本発明の他の実施の形態に係るAISGデバイスの概略構成図である。
【図14】(a),(b)は、図13(b)のAISGデバイスに好適な電圧シフト回路の一例を示す回路構成図である。
【図15】図13(b)のAISGデバイスに好適な電圧シフト回路の一例を示す回路構成図である。
【図16】(a),(b)は、本発明の他の実施の形態に係るAISGデバイス用インターフェイス回路の概略構成図である。
【図17】図16のAISGデバイス用インターフェイス回路に用いる最低電圧検出回路の一例を示す回路構成図である。
【図18】本発明において、切替装置を組み込んだ電圧シフト回路の一例を示す回路構成図である。
【図19】(a)〜(c)は、本発明の他の実施の形態に係るAISGデバイス用インターフェイス回路の概略構成図である。
【図20】(a)は一般的なアンテナ制御システムの概略構成図、(b)は従来のAISGデバイスの概略構成図である。
【図21】AISGデバイスがデイジーチェーン接続可能であることを説明する図である。
【図22】一般的な制御信号用トランシーバの回路構成図である。
【図23】図20(a)のアンテナ制御システムの等価回路を示す図である。
【図24】図20(a)のアンテナ制御システムにおいて、ケーブル伝送距離が長くなると、DCリターン電圧が上昇して正常な通信ができなくなることを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明の実施の形態を添付図面にしたがって説明する。
【0034】
図1は、本実施の形態に係るAISGデバイス用インターフェイス回路を搭載したAISGデバイスの概略構成図であり、(b)は、その電圧シフト回路と制御信号用トランシーバの回路構成図である。
【0035】
図1(a)に示すように、AISGデバイス10には、本発明のAISGデバイス用インターフェイス回路(以下、単にインターフェイス回路という)1が搭載されている。AISGデバイス10は、例えばRETユニットであり、制御信号の送受信を行う制御信号用トランシーバ(RS485トランシーバ)7を内部回路6に備え、AISG規格に準拠してアンテナの制御を行うものである。
【0036】
本実施の形態に係るインターフェイス回路1は、AISG規格に準拠した入力コネクタ2および出力コネクタ3と、電圧シフト回路(RS485信号電圧シフト回路)8と、を備えている。入力コネクタ2には、図示しない制御ケーブルを介して、AISGデバイス10に制御信号を送信し、AISGデバイス10を制御してアンテナの制御を行うと共に、AISGデバイス10に電源信号を送信する制御装置(図示せず)が接続される。
【0037】
両コネクタ2,3の対応するピン端子同士は、入出力コネクタ間接続線(電源ライン4および制御信号伝送ライン5)により電気的に接続されている。
【0038】
図1(a)では、一例として、AISGデバイス10が必須接続の10〜30V電源を使用する場合を示している。この場合、両コネクタ2,3間で6番のピン端子同士を接続する10〜30V電源ライン4aと、7番のピン端子同士を接続するDCリターンライン4bとが、電源ライン4として、AISGデバイス10の内部回路6の電源回路(図示せず)に電気的に接続される。
【0039】
両コネクタ2,3間で3,5番のピン端子同士を接続するライン(RS485AのラインとRS485Bのライン)は、制御信号伝送ライン5として、AISGデバイス10の内部回路6の制御信号用トランシーバ7に電気的に接続される。
【0040】
電圧シフト回路8は、入力コネクタ2から入力された制御信号を一定電圧昇圧して出力するものであり、制御信号用トランシーバ7と入力コネクタ2間の制御信号伝送ライン5に設けられる。ここでは、入力コネクタ2と出力コネクタ3の3,5番のピン端子同士を接続するラインから分岐して制御信号用トランシーバ7に延びる制御信号伝送ライン5に、電圧シフト回路8を設けている。
【0041】
図1(b)に示すように、電圧シフト回路8は、制御信号伝送ライン5のRS485AのラインとRS485Bのラインのそれぞれに設けられた2個の直流定電圧源B1,B2より構成される。両直流定電圧源B1,B2の電源電圧EB1,EB2は、所望のシフト電圧Esと等しくなるように設定される。
【0042】
より具体的には、電圧シフト回路8は、低圧側入出力端子11a,11bと、高圧側入出力端子12a,12bとを備えており、低圧側入出力端子11aと高圧側入出力端子12aとが直流定電圧源B1を介して電気的に接続され、低圧側入出力端子11bと高圧側入出力端子12bとが直流定電圧源B2を介して電気的に接続されている。入力コネクタ2側の制御信号伝送ライン5のRS485Aのラインは低圧側入出力端子11aに、RS485Bのラインは低圧側入出力端子11bにそれぞれ電気的に接続されている。また、高圧側入出力端子12a,12bは、制御信号伝送ライン5のRS485A,RS485Bのラインを介して、制御信号用トランシーバ7の入出力端子A,Bとそれぞれ電気的に接続されている。
【0043】
これにより、入力コネクタ2から入力された制御信号(RS485A,RS485B)は、電圧シフト回路8で一定電圧(所望のシフト電圧Es)昇圧され、その昇圧後の制御信号(電圧シフト後RS485A,電圧シフト後RS485B)が制御信号用トランシーバ7の入出力端子A,Bへ入力されることになる。また、制御信号用トランシーバ7の入出力端子A,Bから出力された信号は、電圧シフト回路8で一定電圧(所望のシフト電圧Es)降圧され、その降圧後の制御信号が入力コネクタ2および出力コネクタ3に出力されることになる。
【0044】
電圧シフト回路8が昇圧または降圧するシフト電圧Esは、入力コネクタ2から入力された制御信号を昇圧した際の、昇圧後の制御信号の電圧が、制御信号用トランシーバ7が受信可能な電圧範囲内となるように設定される。
【0045】
また、電圧シフト回路8が昇圧または降圧するシフト電圧Esは、制御信号用トランシーバ7から入力された制御信号を降圧した際の、降圧後の制御信号の電圧が、制御装置で受信可能となるように(つまり制御装置に搭載された制御信号用トランシーバが受信可能な電圧範囲内となるように)設定される。
【0046】
ここで、シフト電圧Esの具体的な設定例について説明しておく。
【0047】
制御装置の出力部分からAISGデバイス10までのDCリターン電圧V2の上昇電圧Eu(制御装置の出力部分でのDCリターン電圧は0Vであるため、DCリターン電圧V2と等しい)は、制御装置とAISGデバイス10間を接続する制御ケーブルの導体抵抗成分による電圧降下分に等しいので、図2に示すように、ケーブル伝送距離Lが長くなるほど上昇する。
【0048】
制御信号用トランシーバ7として、基準電圧に対して−7V〜+12Vの範囲で受信可能な一般的な制御信号用トランシーバを用いるとすると、制御信号用トランシーバ7で受信可能な電圧範囲は、図2にハッチングで示す範囲となる。
【0049】
制御信号のハイレベル信号電圧VH、ローレベル信号電圧VLは、制御ケーブルでの電圧降下が殆どないので、図2に破線で示すように、ケーブル伝送距離Lにかかわらず略一定の値になる。
【0050】
10〜30V電源を使用する場合、最大30Vの電源電圧が供給されるので、最大電力供給の原理より、供給される電圧が電源電圧の1/2の15Vとなるケーブル伝送距離Lが最大伝送距離となる。このときのDCリターン電圧V2の上昇電圧Euは、15Vの1/2の7.5Vとなる。つまり、DCリターン電圧V2は7.5V程度上昇する可能性がある。なお、小電力のAISGデバイスであればこれ以上のDCリターン電圧V2であっても接続される可能性がある。
【0051】
これに対して、制御信号のローレベル信号電圧VLは0〜0.2V程度であるから、Eu>7Vとなれば、DCリターン電圧V2を基準としたローレベル信号電圧VL(つまりVL−Eu)は−7Vより小さくなり、制御信号用トランシーバ7で受信可能な電圧範囲から外れてしまうので、正常な通信ができなくなる。
【0052】
よって、DCリターン電圧V2を基準としたローレベル信号電圧VLを制御信号用トランシーバ7で受信可能な電圧範囲とするためには、VL−Eu+Es≧−7Vとなるようにシフト電圧Esを設定する必要がある。例えば、Eu≦7.5VとするとEs≧0.5V、Eu≦10VとするとEs≧3Vとなる。
【0053】
他方、DCリターン電圧V2を基準としたハイレベル信号電圧VHを制御信号用トランシーバ7で受信可能な電圧範囲とするためには、VH−Eu+Es≦12となるようにシフト電圧Esを設定する必要がある。ハイレベル信号電圧VHは2〜5V程度であるから、Eu=0V(ケーブル伝送距離Lが0)の場合にも受信可能とするためには、Es≦7Vとする必要がある。
【0054】
さらに、制御信号用トランシーバ7から出力された制御信号は、シフト電圧Es降圧されてAISGデバイス10から出力されるので、降圧後の制御信号が制御装置で受信可能となるように、シフト電圧Esを設定する必要がある。
【0055】
図3に示すように、AISGデバイス10の制御信号用トランシーバ7からは、DCリターン電圧V2を基準としてハイレベル信号電圧VH、ローレベル信号電圧VLが出力されるので、電圧シフト回路8で電圧シフトした後の電圧、すなわちAISGデバイス10から出力される際の電圧は、Eu+VH−Es、Eu+VL−Esとなる。よって、例えば、基準電圧に対して−7V〜+12Vの範囲で受信可能な一般的な制御信号用トランシーバが制御装置に搭載されているとすると、Eu+VL−Es≧−7V、Eu+VH−Es≦12Vとする必要がある。
【0056】
以上より、AISGデバイス10と制御装置の両者に、基準電圧に対して−7V〜+12Vの範囲で受信可能な一般的な制御信号用トランシーバを用いる場合については、Eu≦10Vであれば3V≦Es≦7V、Eu≦7.5Vであれば0.5V≦Es≦7Vとなるようにシフト電圧Esを設定すれば、正常な通信が可能となる。
【0057】
換言すれば、DCリターン電圧V2の上昇電圧Euが0〜10Vの範囲のときは3V≦Es≦7V、DCリターン電圧V2の上昇電圧Euが0〜7.5Vの範囲のときは0.5V≦Es≦7Vとすれば、AISGデバイス10と制御装置のいずれにおいても制御信号用トランシーバへの入力信号電圧が受信可能な電圧範囲内となり、正常な通信が可能となる。なお、DCリターン電圧V2の上昇電圧Euの最大値(最大Eu)に対するシフト電圧Esの許容範囲の関係は図4のようになる。
【0058】
次に、電圧シフト回路8の回路構成について具体的に説明する。
【0059】
図5(a)に示す電圧シフト回路8aは、ツェナーダイオードZD1,ZD2を備え、ツェナーダイオードZD1,ZD2によるツェナー電圧により電圧シフトを行うように構成したものである。
【0060】
ツェナーダイオードZD1は、低圧側入出力端子11aと高圧側入出力端子12a間に設けられ、アノードが低圧側入出力端子11a側、カソードが高圧側入出力端子12a側となるように設けられる。また、ツェナーダイオードZD1のカソードは、定電流源CS1を介して正電源端子13に電気的に接続される。
【0061】
同様に、ツェナーダイオードZD2は、低圧側入出力端子11bと高圧側入出力端子12b間に設けられ、アノードが低圧側入出力端子11b側、カソードが高圧側入出力端子12b側となるように設けられる。また、ツェナーダイオードZD2のカソードは、定電流源CS2を介して正電源端子13に電気的に接続される。
【0062】
ツェナーダイオードZD1,ZD2としては、そのツェナー電圧VZD1、VZD2が等しいものを用いる。また、定電流源CS1,CS2としては、その電流値ICS1,ICS2が互いに等しいものを用いる。
【0063】
この電圧シフト回路8aでは、低圧側入出力端子11a,11bから入力された制御信号は、ツェナーダイオードZD1、ZD2のツェナー電圧VZD1、VZD2と等しい電圧昇圧され、高圧側入出力端子12a,12bから出力される。また、高圧側入出力端子12a,12bから入力された制御信号は、ツェナーダイオードZD1、ZD2のツェナー電圧VZD1、VZD2と等しい電圧降圧され、低圧側入出力端子11a,11bから出力される。ツェナーダイオードZD1、ZD2のツェナー電圧VZD1、VZD2は、所望のシフト電圧Esと等しく設定される。
【0064】
定電流源CS1,CS2の具体的な回路構成は、特に限定するものではないが、例えば、図5(b)に示すように、抵抗R1,R2(R1=R2)により定電流源CS1,CS2を構成してもよい。
【0065】
また、図5(c)に示すように、抵抗R1〜R4とトランジスタQ1〜Q3を組み合わせたカレントミラー回路により、定電流源CS1,CS2を構成してもよい。各トランジスタQ1〜Q3のコレクタ端子は、それぞれ抵抗R1〜R3を介して正電源端子13に電気的に接続され、各トランジスタQ1〜Q3のベース端子は、互いに電気的に接続され、トランジスタQ1のエミッタ端子に電気的に接続される。また、トランジスタQ2,Q3のエミッタ端子は、ツェナーダイオードZD1、ZD2のカソードに電気的に接続され、トランジスタQ1のエミッタ端子は、抵抗R4を介して負電源端子14に電気的に接続される。負電源端子14は、DCリターンまたは負電源に電気的に接続される。図5(c)の電圧シフト回路8aでは、R1=R2=R3とし、トランジスタQ1〜Q3として同じ型式のPNPトランジスタを用いる。
【0066】
図5(b)の電圧シフト回路8aを模した図6(a)に示すようなシミュレーション回路を作成し、抵抗R1を100kΩ、ツェナーダイオードZD1のツェナー電圧VZD1を4.7V、正電源V0を5V,10V,15V,20Vとし、低圧側入出力端子11aからの入力電圧Vinを−10V〜10Vの範囲で変化させたときの、高圧側入出力端子12aからの出力電圧Voutをシミュレーションにより求めた。結果を図6(b)に示す。また、このときツェナーダイオードZD1を流れる電流I0を図6(c)に示す。
【0067】
図6(b)に示すように、入力電圧Vinに対する出力電圧Voutのシフト電圧Esは約4V程度となっており、ツェナーダイオードZD1のツェナー電圧VZD1と略等しいシフト電圧Esとなっていることが分かる。また、正電源V0を5V、10Vとした場合においては、入力電圧Vinが高くなると、正常な動作が得られていないことが分かる。これは、入力電圧Vinが高くなり、Vin≧V0−VZD1となると、ツェナーダイオードZD1に印加される電圧がツェナー電圧VZD1以下となり、ツェナーダイオードZD1が正常に動作しなくなるためである。つまり、電圧シフト回路8aで正常な動作を得るためには、Vin<V0−VZD1とする必要がある。
【0068】
図6(c)に示すように、電流I0は、入力電圧Vinが高くなるにしたがい小さくなっており、Vin>V0の領域(V0=5Vの場合におけるVin>5Vの領域)では、符号が反転して電流が逆流してしまっていることが分かる。
【0069】
同様に、図5(c)の電圧シフト回路8aを模したシミュレーション回路を作成し、R1=R2=R3=20kΩ、R4=200kΩ、VZD1=VZD2=4.7V、基準電位を0Vとしてシミュレーションを行った。結果を図7(a),(b)に示す。
【0070】
図7(a),(b)に示すように、図5(c)の電圧シフト回路8aでは、Vin<V0−VZD1の領域において電流I0がほぼ一定となる点が図5(b)の電圧シフト回路8aと異なるものの、Vin<V0−VZD1の領域においては、入力電圧Vinに対する出力電圧Voutのシフト電圧Esが約4V程度となっており、ツェナーダイオードZD1のツェナー電圧VZD1(=VZD2)と略等しいシフト電圧Esとなっていることが分かる。
【0071】
次に、電圧シフト回路8の他の例を説明する。
【0072】
図8(a)に示す電圧シフト回路8bは、図5(a)の電圧シフト回路8aにおいて、低圧側入出力端子11a,11bとツェナーダイオードZD1,ZD2との間に、逆流防止用ダイオードD1,D2を設けたものである。図8(b)の電圧シフト回路8bは、図8(a)の電圧シフト回路8bにおいて、抵抗R1,R2により定電流源CS1,CS2を構成したものであり、図8(c)に示す電圧シフト回路8bは、カレントミラー回路により定電流源CS1,CS2を構成したものである。逆流防止用ダイオードD1,D2を設けることで、入力電圧が正電源よりも高くなってしまった場合であっても、電流の逆流を防止することが可能になる。
【0073】
図9(a)に示す電圧シフト回路8cは、図5(a)の電圧シフト回路8aにおいて、ツェナーダイオードZD1,ZD2のアノードを、定電流源CS3,CS4を介してそれぞれ負電源端子14に接続するように構成したものである。各定電流源CS1〜CS4の電流値ICS1〜ICS4は、互いに等しくされる。
【0074】
図9(b)の電圧シフト回路8cは、抵抗値の等しい抵抗R1〜R4により定電流源CS1〜CS4を構成したものであり、図9(c)の電圧シフト回路8cは、カレントミラー回路により定電流源CS1〜CS4を構成したものである。図9(c)の電圧シフト回路8cでは、R1=R2=R3、R5=R6=R7とし、トランジスタQ1〜Q3として同じ型式のPNPトランジスタ、トランジスタQ4〜Q6として同じ型式のNPNトランジスタを用いる。なお、例えば、定電流源CS1,CS2をカレントミラー回路で構成すると共に、定電流源CS3,CS4を抵抗で構成するなど、抵抗とカレントミラー回路を併用した回路構成も可能である。
【0075】
図5の電圧シフト回路8aでは、制御信号が入力されないときに高圧側入出力端子12a,12bが開放された状態となってしまうが、図9の電圧シフト回路8cでは、ツェナーダイオードZD1,ZD2のアノードが接地(あるいは負電源に接続)されているため、高圧側入出力端子12a,12bが開放された状態にならない。
【0076】
図10(a)に示す電圧シフト回路8dは、図9(a)の電圧シフト回路8cにおいて、ツェナーダイオードZD1,ZD2の代わりに、直列接続した複数個のダイオードD11〜D1n、D21〜D2nを設け、複数個のダイオードD11〜D1n、D21〜D2nによる順方向電圧降下により、電圧シフトを行うように構成したものである。図10(b)は、抵抗値の等しい抵抗R1〜R4により定電流源CS1〜CS4を構成したものである。なお、図示していないが、定電流源CS1〜CS4をカレントミラー回路で構成することも勿論可能である。
【0077】
本実施の形態の作用を説明する。
【0078】
本実施の形態に係るインターフェイス回路1では、入力コネクタ2から入力された制御信号を一定電圧昇圧して出力する電圧シフト回路8を備えている。
【0079】
電圧シフト回路8を備えることにより、制御ケーブルでの電圧降下によりDCリターン電圧V2が上昇し、AISGデバイス10へ入力された制御信号の電圧が、制御信号用トランシーバ7が受信可能な電圧範囲を下回る場合であっても、制御信号を制御信号用トランシーバ7が受信可能な電圧範囲内まで昇圧させて、正常に通信を行うことが可能になる。
【0080】
例えば、制御信号用トランシーバ7の受信可能な電圧範囲が−7V〜+12Vであり、10〜30V電源を使用する場合には、DCリターン電圧V2の上昇電圧Euが10V以下であれば、シフト電圧Esを3V〜7Vに設定することにより、制御信号の正常な送受信が可能になる。
【0081】
次に、本発明の他の実施の形態を説明する。
【0082】
図11に示すAISGデバイス110は、インターフェイス回路111を搭載したものである。
【0083】
インターフェイス回路111は、図1のインターフェイス回路1において、 電圧シフト回路8を、入力コネクタ2と出力コネクタ3間の制御信号伝送ライン5に設け、入力コネクタ2から入力された制御信号を一定電圧昇圧して出力コネクタ3に出力すると共に、出力コネクタ3から入力された制御信号を一定電圧降圧して入力コネクタ2に出力するように構成したものである。インターフェイス回路111においては、コネクタ2,3の3,5番のピン端子同士は、電気的に接続されない。
【0084】
インターフェイス回路111によれば、出力コネクタ3にデイジーチェーン接続されるAISGデバイスに、電圧シフト回路8で昇圧した制御信号を出力することができるので、後段に接続されるAISGデバイスが、本発明のインターフェイス回路1,111を備えない一般のAISGデバイスであっても、当該AISGデバイスで正常な通信を行うことが可能となる。
【0085】
図12に示すAISGデバイス120は、図1のAISGデバイス10において、内部回路6を省略したものである。つまり、AISGデバイス120は、インターフェイス回路1を単独でデバイス化したものである。このAISGデバイス120を一般のAISGデバイスの前段に設けることにより、後段の一般のAISGデバイスで正常な通信を行うことが可能となる。
【0086】
図13に示すAISGデバイス130は、図12のAISGデバイス120において、同一筐体内に、3つの出力コネクタ131を備えた分配器(AISG信号分配器)132を内蔵したものである。なお、ここでは分配器132を内蔵した場合を示しているが、これに限らず、同一筐体内にアレスタ等を設けることも可能である。
【0087】
図13(a)は、入力コネクタ2から入力された電源を電源回路(DC/DCコンバータ)133で変換してから電圧シフト回路8に入力し、電圧シフト回路8の正電源として使用する場合を示しており、図13(b)は、入力コネクタ2から入力された電源をそのまま電圧シフト回路8に入力して、電圧シフト回路8の正電源として使用する場合を示している。
【0088】
図13(b)のように入力コネクタ2から入力された電源をそのまま電圧シフト回路8に入力する場合は、図14に示す電圧シフト回路8eのように、正電源として入力された電圧を一定電圧降下させる電圧降下手段141を備えたものを、電圧シフト回路8として用いるようにしてもよい。図14(a)は、抵抗R1,R2と正電源端子13間に、電圧降下手段141としての共通のツェナーダイオードZD3を設けた場合を示しており、図14(b)は、抵抗R1,R2とツェナーダイオードZD1,ZD2間に、電圧降下手段141としてのツェナーダイオードZD3,ZD4を個別に設けた場合を示している。なお、電圧降下手段141は、ツェナーダイオードに限定されない。なお、図14では、一例として、図5(b)の電圧シフト回路8aに電圧降下手段141を設けた場合を示しているが、これに限定されるものではない。
【0089】
また、図15に示す電圧シフト回路8fのように、正電源端子13と負電源端子14間に電圧制限素子としてのツェナーダイオードZD3を設け、正電源端子13と負電源端子14間が一定の電圧となるように構成してもよい。抵抗R5は、ツェナーダイオードZD3に流れる電流を抑制するためのものである。なお、図15では、一例として、図8(c)の電圧シフト回路8bにツェナーダイオードZD3を設けた場合を示しているが、これに限定されるものではない。電圧シフト回路8fでは、ツェナーダイオードZD3により正電源の電圧の変化に伴う定電流源の電流値の変化を少なくすることも可能であるため、正電源の電圧が安定しない場合にも好適に用いることができる。
【0090】
図16に示すインターフェイス回路161は、図1のインターフェイス回路1において、最低電圧検出回路(RS485信号最低電圧検出回路)162と、切替回路163と、をさらに備えたものである。なお、図16では、図の簡略化のため、出力コネクタ3と、電源ライン4と、両コネクタ2,3間を接続する入出力コネクタ間接続線を省略している。
【0091】
最低電圧検出回路162は、入力コネクタ2から入力された制御信号の最低電圧(つまりローレベル信号電圧VL)を検出し、その検出した最低電圧が、制御信号用トランシーバ7が受信可能な電圧範囲内にあるか判断する回路である。本実施の形態では、最低電圧検出回路162は、検出した最低電圧が、制御信号用トランシーバ7が受信可能な電圧範囲内にないと判断したとき、切替回路163に切替制御信号を出力するように構成される。
【0092】
最低電圧検出回路162の具体的な回路構成の一例を図17に示す。図17の最低電圧検出回路162では、制御信号であるRS485AとRS485Bを入力する入力端子171,172に反転増幅回路173,174を接続して、制御信号を反転させ、その反転増幅回路173,174の出力を、ピークホールド回路175に入力して最大電圧を検出し、検出した最大電圧をコンパレータ176で基準電圧と比較して、基準電圧より大きい場合(つまり制御信号の最低電圧が所定値より小さい場合)に、切替制御信号としてハイレベル信号を出力端子177から出力するように構成されている。
【0093】
反転増幅回路173は、入力端子171とオペアンプOP1の反転入力端子とを抵抗R21を介して電気的に接続すると共に、オペアンプOP1の非反転入力端子を接地(DCリターンに接続)し、かつ、オペアンプOP1の反転入力端子と出力端子とを抵抗R22を介して電気的に接続して構成される。反転増幅回路174も同様である。なお、反転増幅回路173,174の構成はこれに限定されるものではない。
【0094】
ピークホールド回路175は、反転増幅回路173,174の出力(オペアンプOP1,OP2の出力端子)にアノードがそれぞれ電気的に接続されたダイオードD1,D2と、一端がダイオードD1,D2のカソードに電気的に接続され、他端が接地(DCリターンに接続)されたコンデンサC1と、一端がダイオードD1,D2のカソード(コンデンサC1の一端)に電気的に接続され、他端が接地(DCリターンに接続)された抵抗R25と、からなる。
【0095】
このピークホールド回路175では、反転増幅回路173,174から出力される電圧がコンデンサC1に充電された電圧より高いときは、ダイオードD1,D2に電流が流れてコンデンサ177に充電がなされ、コンデンサC1の一端から常に最大電圧を出力できるようになっている。ピークホールド回路175の出力は、抵抗R25を介して接地されており、コンデンサC1が自然に放電されるようになっている。
【0096】
図16に戻り、切替回路163は、最低電圧検出回路162が、制御信号の最低電圧が制御信号用トランシーバ7が受信可能な電圧範囲内にないと判断したとき(最低電圧検出回路162から切替制御信号が入力されたとき)、制御信号用トランシーバ7と入力コネクタ2間の制御信号伝送ライン5に電圧シフト回路8を挿入し、制御信号の最低電圧が制御信号用トランシーバ7が受信可能な電圧範囲内にあると判断したとき(最低電圧検出回路162から切替制御信号が入力されないとき)、制御信号用トランシーバ7と入力コネクタ2間の制御信号伝送ライン5に電圧シフト回路8を挿入しないように切り替えるものである。
【0097】
本実施の形態では、電圧シフト回路8を設けた制御信号伝送ライン5とは別に電圧シフト回路8をバイパスするバイパス伝送ライン164を設け、制御信号伝送ライン5を電圧シフト回路8側に切り替えるか、あるいはバイパス伝送ライン164側に切り替えるかを、切替回路163で切替制御するように構成した。
【0098】
なお、インターフェイス回路161では、制御信号の最低電圧が制御信号用トランシーバ7が受信可能な電圧範囲内にあるときには、電圧シフト回路8を使用しなくなる。よって、制御信号の最低電圧が制御信号用トランシーバ7が受信可能な電圧範囲内にあるときには、電圧シフト回路8の電源を遮断するように切替回路163を構成することが望ましい。
【0099】
切替回路163は、図16(a)に示すように、電圧シフト回路8の入力コネクタ2側、制御信号用トランシーバ7側の両方に設けてもよいし、図16(b)に示すように、制御信号用トランシーバ7側のみに設けてもよい。切替回路163を制御信号用トランシーバ7側のみに設ける場合、バイパス伝送ライン164の入力コネクタ2側の端部は、入力コネクタ2と電圧シフト回路8間の制御信号伝送ライン5に直接電気的に接続するとよい。
【0100】
また、切替回路163を電圧シフト回路8内に組み込むことも可能である。図18に示す電圧シフト回路8gは、図5(b)の電圧シフト回路8aにおいて、ツェナーダイオードZD1,ZD2をバイパスするか否かを切り替える短絡スイッチSW1,SW2を切替回路163として設けたものである。短絡スイッチSW1,SW2は、最低電圧検出回路162により制御される。
【0101】
インターフェイス回路161によれば、制御信号の電圧が制御信号用トランシーバ7が受信可能な電圧範囲にあるときは、電圧シフト回路8を経由せずに、制御信号を直接制御信号用トランシーバ7に入力することが可能になる。このとき、使用しない電圧シフト回路8の電源を遮断するように切替回路163を構成すれば、省電力化が可能である。
【0102】
図19(a)に示すインターフェイス回路191は、入力コネクタ2と電圧シフト回路8間に、外部で発生したサージ電圧から内部回路を保護するためのサージ保護回路192をさらに備えたものである。
【0103】
図19(b)に示すインターフェイス回路193は、図19(a)のインターフェイス回路191において、サージ保護回路192と電圧シフト回路8間に、制御信号の同相雑音を除去する同相雑音除去フィルタ194をさらに備えたものである。
【0104】
なお、入力コネクタ2から入力された制御信号を電圧シフト回路8で昇圧して出力コネクタ3に出力するように構成する場合(図11参照)には、図19(c)に示すインターフェイス回路195のように、同相雑音除去フィルタ194を、電圧シフト回路8と制御信号用トランシーバ7間に備えるようにしてもよい。また、出力コネクタ3側にもサージ保護回路196を備えるようにしてもよい。
【0105】
本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加え得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0106】
1 AISGデバイス用インターフェイス回路(インターフェイス回路)
2 入力コネクタ
3 出力コネクタ
4 電源ライン
5 制御信号伝送ライン
6 内部回路
7 制御信号用トランシーバ
8 電圧シフト回路
【技術分野】
【0001】
本発明は、AISG(Antenna Interface Standards Group)規格に準拠したAISGデバイスに搭載されるAISGデバイス用インターフェイス回路及びAISGデバイスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
移動通信用の無線基地局では、一般に、アンテナのチルト制御を遠隔制御により行えるようになっている。当初は、アンテナの制御方式としてメーカーごとに独自の方式を用いていたが、近年のLTE(Long Term Evolution)無線基地局などでは、アンテナの制御をAISG規格で行うことが多くなっている。AISG規格は、アンテナの基本的な相互運用を確実にすべく標準化された規格である(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図20(a)に示すように、AISG規格に準拠してアンテナの制御を行うアンテナ制御システム201は、無線基地局のアンテナ(図示せず)の制御を行うRET(Remote Electrical Tilt)ユニットなどのAISGデバイス(AISG端末機器)202と、AISGデバイス202に制御信号(RS485規格信号)を送信し、AISGデバイス202を制御してアンテナの制御を行うと共に、AISGデバイス202に電源を供給する制御装置(AISG制御装置)203と、制御装置203とAISGデバイス202とを接続する制御ケーブル(AISG制御ケーブル)204と、を備えている。制御ケーブル204は、図示していないが、制御信号を伝送するための制御信号線と、電源を供給するための電源線とを備えている。
【0004】
図20(b)に示すように、AISGデバイス202は、AISG規格に準拠した入力コネクタ(オスコネクタ)2および出力コネクタ(メスコネクタ)3を備えている。両コネクタ2,3の対応するピン端子同士は、入出力コネクタ間接続線(電源ライン4および制御信号伝送ライン5)により電気的に接続されている。これにより、図21に示すように、両端部にAISG規格に準拠したオスコネクタ204a,メスコネクタ204bをそれぞれ設けた制御ケーブル204を用いて、デイジーチェーン接続により複数のAISGデバイス202を縦続接続できるようになっている。
【0005】
AISG規格に準拠したコネクタ2,3のピン端子の番号(Pin Number)、各ピン端子で伝搬する信号(Signal)、必須接続(Mandatory)であるか任意接続(Optional)であるかという要求(Requirement)を表1に示す。
【0006】
【表1】
【0007】
表1に示すように、AISG規格では、1番の+12V、2番の−48V、6番の10〜30Vの3種類の電源ラインが用意されており、+12Vと−48Vの電源ラインは任意接続、10〜30Vの電源ラインは必須接続とされている。なお、表1における8番のNCは無接続(No Connection)を意味している。
【0008】
図20(b)では、一例として、AISGデバイス202が必須接続の10〜30V電源を使用する場合を示している。この場合、両コネクタ2,3間で6番のピン端子同士を接続する10〜30V電源ライン4aと、7番のピン端子同士を接続するDCリターンライン4bとが、電源ライン4として、AISGデバイス202の内部回路6の電源回路(図示せず)に電気的に接続される。
【0009】
両コネクタ2,3間で3,5番のピン端子同士を接続するライン(RS485AのラインとRS485Bのライン)は、制御信号伝送ライン5として、AISGデバイス202の内部回路6の制御信号用トランシーバ(RS485トランシーバ)7に電気的に接続される。これにより、制御装置203から入力コネクタ2を介して入力された制御信号は、制御信号伝送ライン5を通って制御信号用トランシーバ7に入力されるようになっている。
【0010】
図22に示すように、制御信号用トランシーバ7は、非反転入出力端子A、反転入出力端子B、レシーバ出力端子RO、レシーバ出力イネーブル端子RE、ドライバ入力端子DI、ドライバ出力イネーブル端子DE、正電源入力端子Vcc、基準電源入力端子GNDの各端子を備えた一般的な差動信号用トランシーバである。非反転入出力端子A、反転入出力端子Bは、制御信号伝送ライン5に電気的に接続され、正電源入力端子Vccは正電源に、基準電源入力端子GNDはDCリターンに電気的に接続され、その他の端子RO,RE,DI,DEは、内部回路6の適宜な制御回路等に電気的に接続される。
【0011】
レシーバ出力端子ROからは、非反転入出力端子Aから入力された信号(RS485A)と、反転入出力端子Bから入力された信号(RS485B)の差分が出力される。また、ドライバ入力端子DIから入力された信号は、両入出力端子A,Bから出力されるが、非反転入出力端子Aからは反転されない信号が、反転入出力端子Bからは反転された信号が出力されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特表2010−519804号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
ところで、制御ケーブル204の電源線(ここでは10〜30V電源線とDCリターン用電源線)には、電源電流が流れるため、制御ケーブル204の導体抵抗成分により電圧降下が発生してしまう。
【0014】
制御ケーブル204の電源線の単位長さあたりの導体抵抗をR0、ケーブル伝送距離(制御ケーブル204のケーブル長)をLとすると、電源線の導体抵抗成分はR0・Lとなるので、アンテナ制御システム201は、図23に示すような等価回路で表すことができる。電源電流をI0とすると、制御ケーブル204にてI0・R0・Lの電圧降下が発生することになる。
【0015】
制御装置203にてV0の電圧を出力する場合、DCリターン出力端子203bの電圧を基準(0V)として電源出力端子203aからV0の電圧を出力することになるが、AISGデバイス202の電源入力端子(ここでは、入力コネクタ2の6番のピン端子)202aに入力される電圧V1は、制御ケーブル204での電圧降下により、下式(1)
V1=V0−I0・R0・L ・・・(1)
となる。同様に、AISGデバイス202のDCリターン入力端子(入力コネクタ2の7番のピン端子)202bの電圧(DCリターン電圧という)V2は、0Vよりも上昇し、下式(2)
V2=I0・R0・L ・・・(2)
となる。
【0016】
式(2)より、制御ケーブル204のケーブル伝送距離Lが長くなったり、正電源系のAISGデバイス202を多段接続するなどして消費電力が大きく(電源電流I0が大きく)なると、AISGデバイス202におけるDCリターン電圧V2が上昇してしまうことがわかる。
【0017】
これに対して、制御信号を伝送する制御信号線に流れる電流は非常に小さいため、制御信号は、制御装置203から出力された電圧と略同じ電圧でAISGデバイス202に到達する。その結果、DCリターン電圧V2を基準にすると、制御信号の電圧は、相対的に低くなってしまう。
【0018】
制御信号用トランシーバ7は、AISGデバイス202の他の内部回路6と同様に、制御装置203から供給された電源により駆動される。つまり、制御信号用トランシーバ7は、DCリターン電圧V2を基準電圧として使用している。また、通常の制御信号用トランシーバ7で受信可能な電圧範囲は、基準電圧に対して−7V〜+12V程度と有限である。
【0019】
よって、図24に示すように、ケーブル伝送距離Lが長くなり、DCリターン電圧V2が上昇し、それに伴って制御信号用トランシーバ7で受信される制御信号の電圧が相対的に低くなると、制御信号が制御信号用トランシーバ7で受信可能な電圧範囲(図24にハッチングで示す範囲)を外れて制御信号の識別が困難となり、正常な通信ができなくなるおそれがある。図24では、制御信号のハイレベル信号電圧をVH、ローレベル信号電圧をVLとして示しているが、この例では、ケーブル伝送距離LがL0より大きくなると、ローレベル信号電圧VLが制御信号用トランシーバ7で受信可能な下限電圧を下回り、正常な通信ができなくなる。
【0020】
本発明は上記事情に鑑み為されたものであり、制御ケーブルでの電圧降下によりDCリターン電圧が上昇しても、正常に通信を行うことを可能とするAISGデバイス用インターフェイス回路及びAISGデバイスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明は上記目的を達成するために創案されたものであり、AISG規格に準拠した入力コネクタおよび出力コネクタと、前記入力コネクタから入力された制御信号を一定電圧昇圧して出力する電圧シフト回路と、を備えたAISGデバイス用インターフェイス回路である。
【0022】
制御信号の送受信を行う制御信号用トランシーバを備え、AISG規格に準拠してアンテナの制御を行うAISGデバイスに搭載され、前記電圧シフト回路を、前記制御信号用トランシーバと前記入力コネクタ間の制御信号伝送ラインに設け、前記入力コネクタから入力された制御信号を一定電圧昇圧して前記制御信号用トランシーバに出力すると共に、前記制御信号用トランシーバから入力された制御信号を一定電圧降圧して前記入力コネクタに出力するように構成してもよい。
【0023】
前記電圧シフト回路が昇圧するシフト電圧は、前記入力コネクタから入力された制御信号を昇圧した際の、昇圧後の制御信号の電圧が、前記制御信号用トランシーバが受信可能な電圧範囲内となるように設定されてもよい。
【0024】
前記入力コネクタには、前記AISGデバイスに制御信号を送信し、前記AISGデバイスを制御して前記アンテナの制御を行うと共に、前記AISGデバイスに電源信号を送信する制御装置が接続されており、前記電圧シフト回路が降圧するシフト電圧は、前記制御信号用トランシーバから入力された制御信号を降圧した際の、降圧後の制御信号の電圧が、前記制御装置で受信可能となるように設定されてもよい。
【0025】
前記入力コネクタから入力された制御信号の最低電圧を検出し、その検出した最低電圧が、前記制御信号用トランシーバが受信可能な電圧範囲内にあるか判断する最低電圧検出回路と、該最低電圧検出回路が、制御信号の最低電圧が前記制御信号用トランシーバが受信可能な電圧範囲内にないと判断したとき、前記制御信号用トランシーバと前記入力コネクタ間の制御信号伝送ラインに前記電圧シフト回路を挿入し、制御信号の最低電圧が前記制御信号用トランシーバが受信可能な電圧範囲内にあると判断したとき、前記制御信号用トランシーバと前記入力コネクタ間の制御信号伝送ラインに前記電圧シフト回路を挿入しないように切り替える切替回路と、をさらに備えてもよい。
【0026】
前記電圧シフト回路は、ツェナーダイオードまたは直列接続した複数個のダイオードを備え、前記ツェナーダイオードによるツェナー電圧または前記複数個のダイオードによる順方向電圧降下により、前記入力コネクタから入力された制御信号を一定電圧昇圧して出力するように構成されてもよい。
【0027】
前記電圧シフト回路を、前記入力コネクタと前記出力コネクタ間の制御信号伝送ラインに設け、前記入力コネクタから入力された制御信号を一定電圧昇圧して前記出力コネクタに出力すると共に、前記出力コネクタから入力された制御信号を一定電圧降圧して前記入力コネクタに出力するように構成してもよい。
【0028】
外部で発生したサージ電圧から内部回路を保護するためのサージ保護回路をさらに備えてもよい。
【0029】
制御信号の同相雑音を除去する同相雑音除去フィルタをさらに備えてもよい。
【0030】
また、本発明は、前記AISGデバイス用インターフェイス回路を搭載したAISGデバイスである。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、制御ケーブルでの電圧降下によりDCリターン入力端子電圧が上昇しても、正常に通信を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】(a)は、本発明の一実施の形態に係るAISGデバイス用インターフェイス回路を搭載したAISGデバイスの概略構成図であり、(b)は、その電圧シフト回路と制御信号用トランシーバの回路構成図である。
【図2】本発明において、電圧シフト回路のシフト電圧Esをどのように設定するかを説明するための図である。
【図3】本発明において、電圧シフト回路のシフト電圧Esをどのように設定するかを説明するための図である。
【図4】本発明において、DCリターン電圧の上昇電圧Euの最大値(最大Eu)に対するシフト電圧Esの許容範囲の関係を示す図である。
【図5】(a)は、図1のAISGデバイス用インターフェイス回路に用いる電圧シフト回路の一例を示す回路構成図であり、(b)は定電流源に抵抗を用いた場合,(c)は定電流源にカレントミラー回路を用いた場合の回路構成図である。
【図6】(a)は、図5(b)の電圧シフト回路を模したシミュレーション回路を示す図であり、(b)は、そのシミュレーション回路を用いて求めた入力電圧Vinに対する出力電圧Voutのシミュレーション結果、(c)は入力電圧Vinに対する電流I0のシミュレーション結果を示す図である。
【図7】(a)は、図5(c)の電圧シフト回路を模したシミュレーション回路を用いて求めた入力電圧Vinに対する出力電圧Voutのシミュレーション結果、(b)は入力電圧Vinに対する電流I0のシミュレーション結果を示す図である。
【図8】(a)は、図1のAISGデバイス用インターフェイス回路に用いる電圧シフト回路の一例を示す回路構成図であり、(b)は定電流源に抵抗を用いた場合,(c)は定電流源にカレントミラー回路を用いた場合の回路構成図である。
【図9】(a)は、図1のAISGデバイス用インターフェイス回路に用いる電圧シフト回路の一例を示す回路構成図であり、(b)は定電流源に抵抗を用いた場合,(c)は定電流源にカレントミラー回路を用いた場合の回路構成図である。
【図10】(a)は、図1のAISGデバイス用インターフェイス回路に用いる電圧シフト回路の一例を示す回路構成図であり、(b)は定電流源に抵抗を用いた場合の回路構成図である。
【図11】本発明の他の実施の形態に係るAISGデバイス用インターフェイス回路を搭載したAISGデバイスの概略構成図である。
【図12】本発明の他の実施の形態に係るAISGデバイスの概略構成図である。
【図13】(a),(b)は、本発明の他の実施の形態に係るAISGデバイスの概略構成図である。
【図14】(a),(b)は、図13(b)のAISGデバイスに好適な電圧シフト回路の一例を示す回路構成図である。
【図15】図13(b)のAISGデバイスに好適な電圧シフト回路の一例を示す回路構成図である。
【図16】(a),(b)は、本発明の他の実施の形態に係るAISGデバイス用インターフェイス回路の概略構成図である。
【図17】図16のAISGデバイス用インターフェイス回路に用いる最低電圧検出回路の一例を示す回路構成図である。
【図18】本発明において、切替装置を組み込んだ電圧シフト回路の一例を示す回路構成図である。
【図19】(a)〜(c)は、本発明の他の実施の形態に係るAISGデバイス用インターフェイス回路の概略構成図である。
【図20】(a)は一般的なアンテナ制御システムの概略構成図、(b)は従来のAISGデバイスの概略構成図である。
【図21】AISGデバイスがデイジーチェーン接続可能であることを説明する図である。
【図22】一般的な制御信号用トランシーバの回路構成図である。
【図23】図20(a)のアンテナ制御システムの等価回路を示す図である。
【図24】図20(a)のアンテナ制御システムにおいて、ケーブル伝送距離が長くなると、DCリターン電圧が上昇して正常な通信ができなくなることを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明の実施の形態を添付図面にしたがって説明する。
【0034】
図1は、本実施の形態に係るAISGデバイス用インターフェイス回路を搭載したAISGデバイスの概略構成図であり、(b)は、その電圧シフト回路と制御信号用トランシーバの回路構成図である。
【0035】
図1(a)に示すように、AISGデバイス10には、本発明のAISGデバイス用インターフェイス回路(以下、単にインターフェイス回路という)1が搭載されている。AISGデバイス10は、例えばRETユニットであり、制御信号の送受信を行う制御信号用トランシーバ(RS485トランシーバ)7を内部回路6に備え、AISG規格に準拠してアンテナの制御を行うものである。
【0036】
本実施の形態に係るインターフェイス回路1は、AISG規格に準拠した入力コネクタ2および出力コネクタ3と、電圧シフト回路(RS485信号電圧シフト回路)8と、を備えている。入力コネクタ2には、図示しない制御ケーブルを介して、AISGデバイス10に制御信号を送信し、AISGデバイス10を制御してアンテナの制御を行うと共に、AISGデバイス10に電源信号を送信する制御装置(図示せず)が接続される。
【0037】
両コネクタ2,3の対応するピン端子同士は、入出力コネクタ間接続線(電源ライン4および制御信号伝送ライン5)により電気的に接続されている。
【0038】
図1(a)では、一例として、AISGデバイス10が必須接続の10〜30V電源を使用する場合を示している。この場合、両コネクタ2,3間で6番のピン端子同士を接続する10〜30V電源ライン4aと、7番のピン端子同士を接続するDCリターンライン4bとが、電源ライン4として、AISGデバイス10の内部回路6の電源回路(図示せず)に電気的に接続される。
【0039】
両コネクタ2,3間で3,5番のピン端子同士を接続するライン(RS485AのラインとRS485Bのライン)は、制御信号伝送ライン5として、AISGデバイス10の内部回路6の制御信号用トランシーバ7に電気的に接続される。
【0040】
電圧シフト回路8は、入力コネクタ2から入力された制御信号を一定電圧昇圧して出力するものであり、制御信号用トランシーバ7と入力コネクタ2間の制御信号伝送ライン5に設けられる。ここでは、入力コネクタ2と出力コネクタ3の3,5番のピン端子同士を接続するラインから分岐して制御信号用トランシーバ7に延びる制御信号伝送ライン5に、電圧シフト回路8を設けている。
【0041】
図1(b)に示すように、電圧シフト回路8は、制御信号伝送ライン5のRS485AのラインとRS485Bのラインのそれぞれに設けられた2個の直流定電圧源B1,B2より構成される。両直流定電圧源B1,B2の電源電圧EB1,EB2は、所望のシフト電圧Esと等しくなるように設定される。
【0042】
より具体的には、電圧シフト回路8は、低圧側入出力端子11a,11bと、高圧側入出力端子12a,12bとを備えており、低圧側入出力端子11aと高圧側入出力端子12aとが直流定電圧源B1を介して電気的に接続され、低圧側入出力端子11bと高圧側入出力端子12bとが直流定電圧源B2を介して電気的に接続されている。入力コネクタ2側の制御信号伝送ライン5のRS485Aのラインは低圧側入出力端子11aに、RS485Bのラインは低圧側入出力端子11bにそれぞれ電気的に接続されている。また、高圧側入出力端子12a,12bは、制御信号伝送ライン5のRS485A,RS485Bのラインを介して、制御信号用トランシーバ7の入出力端子A,Bとそれぞれ電気的に接続されている。
【0043】
これにより、入力コネクタ2から入力された制御信号(RS485A,RS485B)は、電圧シフト回路8で一定電圧(所望のシフト電圧Es)昇圧され、その昇圧後の制御信号(電圧シフト後RS485A,電圧シフト後RS485B)が制御信号用トランシーバ7の入出力端子A,Bへ入力されることになる。また、制御信号用トランシーバ7の入出力端子A,Bから出力された信号は、電圧シフト回路8で一定電圧(所望のシフト電圧Es)降圧され、その降圧後の制御信号が入力コネクタ2および出力コネクタ3に出力されることになる。
【0044】
電圧シフト回路8が昇圧または降圧するシフト電圧Esは、入力コネクタ2から入力された制御信号を昇圧した際の、昇圧後の制御信号の電圧が、制御信号用トランシーバ7が受信可能な電圧範囲内となるように設定される。
【0045】
また、電圧シフト回路8が昇圧または降圧するシフト電圧Esは、制御信号用トランシーバ7から入力された制御信号を降圧した際の、降圧後の制御信号の電圧が、制御装置で受信可能となるように(つまり制御装置に搭載された制御信号用トランシーバが受信可能な電圧範囲内となるように)設定される。
【0046】
ここで、シフト電圧Esの具体的な設定例について説明しておく。
【0047】
制御装置の出力部分からAISGデバイス10までのDCリターン電圧V2の上昇電圧Eu(制御装置の出力部分でのDCリターン電圧は0Vであるため、DCリターン電圧V2と等しい)は、制御装置とAISGデバイス10間を接続する制御ケーブルの導体抵抗成分による電圧降下分に等しいので、図2に示すように、ケーブル伝送距離Lが長くなるほど上昇する。
【0048】
制御信号用トランシーバ7として、基準電圧に対して−7V〜+12Vの範囲で受信可能な一般的な制御信号用トランシーバを用いるとすると、制御信号用トランシーバ7で受信可能な電圧範囲は、図2にハッチングで示す範囲となる。
【0049】
制御信号のハイレベル信号電圧VH、ローレベル信号電圧VLは、制御ケーブルでの電圧降下が殆どないので、図2に破線で示すように、ケーブル伝送距離Lにかかわらず略一定の値になる。
【0050】
10〜30V電源を使用する場合、最大30Vの電源電圧が供給されるので、最大電力供給の原理より、供給される電圧が電源電圧の1/2の15Vとなるケーブル伝送距離Lが最大伝送距離となる。このときのDCリターン電圧V2の上昇電圧Euは、15Vの1/2の7.5Vとなる。つまり、DCリターン電圧V2は7.5V程度上昇する可能性がある。なお、小電力のAISGデバイスであればこれ以上のDCリターン電圧V2であっても接続される可能性がある。
【0051】
これに対して、制御信号のローレベル信号電圧VLは0〜0.2V程度であるから、Eu>7Vとなれば、DCリターン電圧V2を基準としたローレベル信号電圧VL(つまりVL−Eu)は−7Vより小さくなり、制御信号用トランシーバ7で受信可能な電圧範囲から外れてしまうので、正常な通信ができなくなる。
【0052】
よって、DCリターン電圧V2を基準としたローレベル信号電圧VLを制御信号用トランシーバ7で受信可能な電圧範囲とするためには、VL−Eu+Es≧−7Vとなるようにシフト電圧Esを設定する必要がある。例えば、Eu≦7.5VとするとEs≧0.5V、Eu≦10VとするとEs≧3Vとなる。
【0053】
他方、DCリターン電圧V2を基準としたハイレベル信号電圧VHを制御信号用トランシーバ7で受信可能な電圧範囲とするためには、VH−Eu+Es≦12となるようにシフト電圧Esを設定する必要がある。ハイレベル信号電圧VHは2〜5V程度であるから、Eu=0V(ケーブル伝送距離Lが0)の場合にも受信可能とするためには、Es≦7Vとする必要がある。
【0054】
さらに、制御信号用トランシーバ7から出力された制御信号は、シフト電圧Es降圧されてAISGデバイス10から出力されるので、降圧後の制御信号が制御装置で受信可能となるように、シフト電圧Esを設定する必要がある。
【0055】
図3に示すように、AISGデバイス10の制御信号用トランシーバ7からは、DCリターン電圧V2を基準としてハイレベル信号電圧VH、ローレベル信号電圧VLが出力されるので、電圧シフト回路8で電圧シフトした後の電圧、すなわちAISGデバイス10から出力される際の電圧は、Eu+VH−Es、Eu+VL−Esとなる。よって、例えば、基準電圧に対して−7V〜+12Vの範囲で受信可能な一般的な制御信号用トランシーバが制御装置に搭載されているとすると、Eu+VL−Es≧−7V、Eu+VH−Es≦12Vとする必要がある。
【0056】
以上より、AISGデバイス10と制御装置の両者に、基準電圧に対して−7V〜+12Vの範囲で受信可能な一般的な制御信号用トランシーバを用いる場合については、Eu≦10Vであれば3V≦Es≦7V、Eu≦7.5Vであれば0.5V≦Es≦7Vとなるようにシフト電圧Esを設定すれば、正常な通信が可能となる。
【0057】
換言すれば、DCリターン電圧V2の上昇電圧Euが0〜10Vの範囲のときは3V≦Es≦7V、DCリターン電圧V2の上昇電圧Euが0〜7.5Vの範囲のときは0.5V≦Es≦7Vとすれば、AISGデバイス10と制御装置のいずれにおいても制御信号用トランシーバへの入力信号電圧が受信可能な電圧範囲内となり、正常な通信が可能となる。なお、DCリターン電圧V2の上昇電圧Euの最大値(最大Eu)に対するシフト電圧Esの許容範囲の関係は図4のようになる。
【0058】
次に、電圧シフト回路8の回路構成について具体的に説明する。
【0059】
図5(a)に示す電圧シフト回路8aは、ツェナーダイオードZD1,ZD2を備え、ツェナーダイオードZD1,ZD2によるツェナー電圧により電圧シフトを行うように構成したものである。
【0060】
ツェナーダイオードZD1は、低圧側入出力端子11aと高圧側入出力端子12a間に設けられ、アノードが低圧側入出力端子11a側、カソードが高圧側入出力端子12a側となるように設けられる。また、ツェナーダイオードZD1のカソードは、定電流源CS1を介して正電源端子13に電気的に接続される。
【0061】
同様に、ツェナーダイオードZD2は、低圧側入出力端子11bと高圧側入出力端子12b間に設けられ、アノードが低圧側入出力端子11b側、カソードが高圧側入出力端子12b側となるように設けられる。また、ツェナーダイオードZD2のカソードは、定電流源CS2を介して正電源端子13に電気的に接続される。
【0062】
ツェナーダイオードZD1,ZD2としては、そのツェナー電圧VZD1、VZD2が等しいものを用いる。また、定電流源CS1,CS2としては、その電流値ICS1,ICS2が互いに等しいものを用いる。
【0063】
この電圧シフト回路8aでは、低圧側入出力端子11a,11bから入力された制御信号は、ツェナーダイオードZD1、ZD2のツェナー電圧VZD1、VZD2と等しい電圧昇圧され、高圧側入出力端子12a,12bから出力される。また、高圧側入出力端子12a,12bから入力された制御信号は、ツェナーダイオードZD1、ZD2のツェナー電圧VZD1、VZD2と等しい電圧降圧され、低圧側入出力端子11a,11bから出力される。ツェナーダイオードZD1、ZD2のツェナー電圧VZD1、VZD2は、所望のシフト電圧Esと等しく設定される。
【0064】
定電流源CS1,CS2の具体的な回路構成は、特に限定するものではないが、例えば、図5(b)に示すように、抵抗R1,R2(R1=R2)により定電流源CS1,CS2を構成してもよい。
【0065】
また、図5(c)に示すように、抵抗R1〜R4とトランジスタQ1〜Q3を組み合わせたカレントミラー回路により、定電流源CS1,CS2を構成してもよい。各トランジスタQ1〜Q3のコレクタ端子は、それぞれ抵抗R1〜R3を介して正電源端子13に電気的に接続され、各トランジスタQ1〜Q3のベース端子は、互いに電気的に接続され、トランジスタQ1のエミッタ端子に電気的に接続される。また、トランジスタQ2,Q3のエミッタ端子は、ツェナーダイオードZD1、ZD2のカソードに電気的に接続され、トランジスタQ1のエミッタ端子は、抵抗R4を介して負電源端子14に電気的に接続される。負電源端子14は、DCリターンまたは負電源に電気的に接続される。図5(c)の電圧シフト回路8aでは、R1=R2=R3とし、トランジスタQ1〜Q3として同じ型式のPNPトランジスタを用いる。
【0066】
図5(b)の電圧シフト回路8aを模した図6(a)に示すようなシミュレーション回路を作成し、抵抗R1を100kΩ、ツェナーダイオードZD1のツェナー電圧VZD1を4.7V、正電源V0を5V,10V,15V,20Vとし、低圧側入出力端子11aからの入力電圧Vinを−10V〜10Vの範囲で変化させたときの、高圧側入出力端子12aからの出力電圧Voutをシミュレーションにより求めた。結果を図6(b)に示す。また、このときツェナーダイオードZD1を流れる電流I0を図6(c)に示す。
【0067】
図6(b)に示すように、入力電圧Vinに対する出力電圧Voutのシフト電圧Esは約4V程度となっており、ツェナーダイオードZD1のツェナー電圧VZD1と略等しいシフト電圧Esとなっていることが分かる。また、正電源V0を5V、10Vとした場合においては、入力電圧Vinが高くなると、正常な動作が得られていないことが分かる。これは、入力電圧Vinが高くなり、Vin≧V0−VZD1となると、ツェナーダイオードZD1に印加される電圧がツェナー電圧VZD1以下となり、ツェナーダイオードZD1が正常に動作しなくなるためである。つまり、電圧シフト回路8aで正常な動作を得るためには、Vin<V0−VZD1とする必要がある。
【0068】
図6(c)に示すように、電流I0は、入力電圧Vinが高くなるにしたがい小さくなっており、Vin>V0の領域(V0=5Vの場合におけるVin>5Vの領域)では、符号が反転して電流が逆流してしまっていることが分かる。
【0069】
同様に、図5(c)の電圧シフト回路8aを模したシミュレーション回路を作成し、R1=R2=R3=20kΩ、R4=200kΩ、VZD1=VZD2=4.7V、基準電位を0Vとしてシミュレーションを行った。結果を図7(a),(b)に示す。
【0070】
図7(a),(b)に示すように、図5(c)の電圧シフト回路8aでは、Vin<V0−VZD1の領域において電流I0がほぼ一定となる点が図5(b)の電圧シフト回路8aと異なるものの、Vin<V0−VZD1の領域においては、入力電圧Vinに対する出力電圧Voutのシフト電圧Esが約4V程度となっており、ツェナーダイオードZD1のツェナー電圧VZD1(=VZD2)と略等しいシフト電圧Esとなっていることが分かる。
【0071】
次に、電圧シフト回路8の他の例を説明する。
【0072】
図8(a)に示す電圧シフト回路8bは、図5(a)の電圧シフト回路8aにおいて、低圧側入出力端子11a,11bとツェナーダイオードZD1,ZD2との間に、逆流防止用ダイオードD1,D2を設けたものである。図8(b)の電圧シフト回路8bは、図8(a)の電圧シフト回路8bにおいて、抵抗R1,R2により定電流源CS1,CS2を構成したものであり、図8(c)に示す電圧シフト回路8bは、カレントミラー回路により定電流源CS1,CS2を構成したものである。逆流防止用ダイオードD1,D2を設けることで、入力電圧が正電源よりも高くなってしまった場合であっても、電流の逆流を防止することが可能になる。
【0073】
図9(a)に示す電圧シフト回路8cは、図5(a)の電圧シフト回路8aにおいて、ツェナーダイオードZD1,ZD2のアノードを、定電流源CS3,CS4を介してそれぞれ負電源端子14に接続するように構成したものである。各定電流源CS1〜CS4の電流値ICS1〜ICS4は、互いに等しくされる。
【0074】
図9(b)の電圧シフト回路8cは、抵抗値の等しい抵抗R1〜R4により定電流源CS1〜CS4を構成したものであり、図9(c)の電圧シフト回路8cは、カレントミラー回路により定電流源CS1〜CS4を構成したものである。図9(c)の電圧シフト回路8cでは、R1=R2=R3、R5=R6=R7とし、トランジスタQ1〜Q3として同じ型式のPNPトランジスタ、トランジスタQ4〜Q6として同じ型式のNPNトランジスタを用いる。なお、例えば、定電流源CS1,CS2をカレントミラー回路で構成すると共に、定電流源CS3,CS4を抵抗で構成するなど、抵抗とカレントミラー回路を併用した回路構成も可能である。
【0075】
図5の電圧シフト回路8aでは、制御信号が入力されないときに高圧側入出力端子12a,12bが開放された状態となってしまうが、図9の電圧シフト回路8cでは、ツェナーダイオードZD1,ZD2のアノードが接地(あるいは負電源に接続)されているため、高圧側入出力端子12a,12bが開放された状態にならない。
【0076】
図10(a)に示す電圧シフト回路8dは、図9(a)の電圧シフト回路8cにおいて、ツェナーダイオードZD1,ZD2の代わりに、直列接続した複数個のダイオードD11〜D1n、D21〜D2nを設け、複数個のダイオードD11〜D1n、D21〜D2nによる順方向電圧降下により、電圧シフトを行うように構成したものである。図10(b)は、抵抗値の等しい抵抗R1〜R4により定電流源CS1〜CS4を構成したものである。なお、図示していないが、定電流源CS1〜CS4をカレントミラー回路で構成することも勿論可能である。
【0077】
本実施の形態の作用を説明する。
【0078】
本実施の形態に係るインターフェイス回路1では、入力コネクタ2から入力された制御信号を一定電圧昇圧して出力する電圧シフト回路8を備えている。
【0079】
電圧シフト回路8を備えることにより、制御ケーブルでの電圧降下によりDCリターン電圧V2が上昇し、AISGデバイス10へ入力された制御信号の電圧が、制御信号用トランシーバ7が受信可能な電圧範囲を下回る場合であっても、制御信号を制御信号用トランシーバ7が受信可能な電圧範囲内まで昇圧させて、正常に通信を行うことが可能になる。
【0080】
例えば、制御信号用トランシーバ7の受信可能な電圧範囲が−7V〜+12Vであり、10〜30V電源を使用する場合には、DCリターン電圧V2の上昇電圧Euが10V以下であれば、シフト電圧Esを3V〜7Vに設定することにより、制御信号の正常な送受信が可能になる。
【0081】
次に、本発明の他の実施の形態を説明する。
【0082】
図11に示すAISGデバイス110は、インターフェイス回路111を搭載したものである。
【0083】
インターフェイス回路111は、図1のインターフェイス回路1において、 電圧シフト回路8を、入力コネクタ2と出力コネクタ3間の制御信号伝送ライン5に設け、入力コネクタ2から入力された制御信号を一定電圧昇圧して出力コネクタ3に出力すると共に、出力コネクタ3から入力された制御信号を一定電圧降圧して入力コネクタ2に出力するように構成したものである。インターフェイス回路111においては、コネクタ2,3の3,5番のピン端子同士は、電気的に接続されない。
【0084】
インターフェイス回路111によれば、出力コネクタ3にデイジーチェーン接続されるAISGデバイスに、電圧シフト回路8で昇圧した制御信号を出力することができるので、後段に接続されるAISGデバイスが、本発明のインターフェイス回路1,111を備えない一般のAISGデバイスであっても、当該AISGデバイスで正常な通信を行うことが可能となる。
【0085】
図12に示すAISGデバイス120は、図1のAISGデバイス10において、内部回路6を省略したものである。つまり、AISGデバイス120は、インターフェイス回路1を単独でデバイス化したものである。このAISGデバイス120を一般のAISGデバイスの前段に設けることにより、後段の一般のAISGデバイスで正常な通信を行うことが可能となる。
【0086】
図13に示すAISGデバイス130は、図12のAISGデバイス120において、同一筐体内に、3つの出力コネクタ131を備えた分配器(AISG信号分配器)132を内蔵したものである。なお、ここでは分配器132を内蔵した場合を示しているが、これに限らず、同一筐体内にアレスタ等を設けることも可能である。
【0087】
図13(a)は、入力コネクタ2から入力された電源を電源回路(DC/DCコンバータ)133で変換してから電圧シフト回路8に入力し、電圧シフト回路8の正電源として使用する場合を示しており、図13(b)は、入力コネクタ2から入力された電源をそのまま電圧シフト回路8に入力して、電圧シフト回路8の正電源として使用する場合を示している。
【0088】
図13(b)のように入力コネクタ2から入力された電源をそのまま電圧シフト回路8に入力する場合は、図14に示す電圧シフト回路8eのように、正電源として入力された電圧を一定電圧降下させる電圧降下手段141を備えたものを、電圧シフト回路8として用いるようにしてもよい。図14(a)は、抵抗R1,R2と正電源端子13間に、電圧降下手段141としての共通のツェナーダイオードZD3を設けた場合を示しており、図14(b)は、抵抗R1,R2とツェナーダイオードZD1,ZD2間に、電圧降下手段141としてのツェナーダイオードZD3,ZD4を個別に設けた場合を示している。なお、電圧降下手段141は、ツェナーダイオードに限定されない。なお、図14では、一例として、図5(b)の電圧シフト回路8aに電圧降下手段141を設けた場合を示しているが、これに限定されるものではない。
【0089】
また、図15に示す電圧シフト回路8fのように、正電源端子13と負電源端子14間に電圧制限素子としてのツェナーダイオードZD3を設け、正電源端子13と負電源端子14間が一定の電圧となるように構成してもよい。抵抗R5は、ツェナーダイオードZD3に流れる電流を抑制するためのものである。なお、図15では、一例として、図8(c)の電圧シフト回路8bにツェナーダイオードZD3を設けた場合を示しているが、これに限定されるものではない。電圧シフト回路8fでは、ツェナーダイオードZD3により正電源の電圧の変化に伴う定電流源の電流値の変化を少なくすることも可能であるため、正電源の電圧が安定しない場合にも好適に用いることができる。
【0090】
図16に示すインターフェイス回路161は、図1のインターフェイス回路1において、最低電圧検出回路(RS485信号最低電圧検出回路)162と、切替回路163と、をさらに備えたものである。なお、図16では、図の簡略化のため、出力コネクタ3と、電源ライン4と、両コネクタ2,3間を接続する入出力コネクタ間接続線を省略している。
【0091】
最低電圧検出回路162は、入力コネクタ2から入力された制御信号の最低電圧(つまりローレベル信号電圧VL)を検出し、その検出した最低電圧が、制御信号用トランシーバ7が受信可能な電圧範囲内にあるか判断する回路である。本実施の形態では、最低電圧検出回路162は、検出した最低電圧が、制御信号用トランシーバ7が受信可能な電圧範囲内にないと判断したとき、切替回路163に切替制御信号を出力するように構成される。
【0092】
最低電圧検出回路162の具体的な回路構成の一例を図17に示す。図17の最低電圧検出回路162では、制御信号であるRS485AとRS485Bを入力する入力端子171,172に反転増幅回路173,174を接続して、制御信号を反転させ、その反転増幅回路173,174の出力を、ピークホールド回路175に入力して最大電圧を検出し、検出した最大電圧をコンパレータ176で基準電圧と比較して、基準電圧より大きい場合(つまり制御信号の最低電圧が所定値より小さい場合)に、切替制御信号としてハイレベル信号を出力端子177から出力するように構成されている。
【0093】
反転増幅回路173は、入力端子171とオペアンプOP1の反転入力端子とを抵抗R21を介して電気的に接続すると共に、オペアンプOP1の非反転入力端子を接地(DCリターンに接続)し、かつ、オペアンプOP1の反転入力端子と出力端子とを抵抗R22を介して電気的に接続して構成される。反転増幅回路174も同様である。なお、反転増幅回路173,174の構成はこれに限定されるものではない。
【0094】
ピークホールド回路175は、反転増幅回路173,174の出力(オペアンプOP1,OP2の出力端子)にアノードがそれぞれ電気的に接続されたダイオードD1,D2と、一端がダイオードD1,D2のカソードに電気的に接続され、他端が接地(DCリターンに接続)されたコンデンサC1と、一端がダイオードD1,D2のカソード(コンデンサC1の一端)に電気的に接続され、他端が接地(DCリターンに接続)された抵抗R25と、からなる。
【0095】
このピークホールド回路175では、反転増幅回路173,174から出力される電圧がコンデンサC1に充電された電圧より高いときは、ダイオードD1,D2に電流が流れてコンデンサ177に充電がなされ、コンデンサC1の一端から常に最大電圧を出力できるようになっている。ピークホールド回路175の出力は、抵抗R25を介して接地されており、コンデンサC1が自然に放電されるようになっている。
【0096】
図16に戻り、切替回路163は、最低電圧検出回路162が、制御信号の最低電圧が制御信号用トランシーバ7が受信可能な電圧範囲内にないと判断したとき(最低電圧検出回路162から切替制御信号が入力されたとき)、制御信号用トランシーバ7と入力コネクタ2間の制御信号伝送ライン5に電圧シフト回路8を挿入し、制御信号の最低電圧が制御信号用トランシーバ7が受信可能な電圧範囲内にあると判断したとき(最低電圧検出回路162から切替制御信号が入力されないとき)、制御信号用トランシーバ7と入力コネクタ2間の制御信号伝送ライン5に電圧シフト回路8を挿入しないように切り替えるものである。
【0097】
本実施の形態では、電圧シフト回路8を設けた制御信号伝送ライン5とは別に電圧シフト回路8をバイパスするバイパス伝送ライン164を設け、制御信号伝送ライン5を電圧シフト回路8側に切り替えるか、あるいはバイパス伝送ライン164側に切り替えるかを、切替回路163で切替制御するように構成した。
【0098】
なお、インターフェイス回路161では、制御信号の最低電圧が制御信号用トランシーバ7が受信可能な電圧範囲内にあるときには、電圧シフト回路8を使用しなくなる。よって、制御信号の最低電圧が制御信号用トランシーバ7が受信可能な電圧範囲内にあるときには、電圧シフト回路8の電源を遮断するように切替回路163を構成することが望ましい。
【0099】
切替回路163は、図16(a)に示すように、電圧シフト回路8の入力コネクタ2側、制御信号用トランシーバ7側の両方に設けてもよいし、図16(b)に示すように、制御信号用トランシーバ7側のみに設けてもよい。切替回路163を制御信号用トランシーバ7側のみに設ける場合、バイパス伝送ライン164の入力コネクタ2側の端部は、入力コネクタ2と電圧シフト回路8間の制御信号伝送ライン5に直接電気的に接続するとよい。
【0100】
また、切替回路163を電圧シフト回路8内に組み込むことも可能である。図18に示す電圧シフト回路8gは、図5(b)の電圧シフト回路8aにおいて、ツェナーダイオードZD1,ZD2をバイパスするか否かを切り替える短絡スイッチSW1,SW2を切替回路163として設けたものである。短絡スイッチSW1,SW2は、最低電圧検出回路162により制御される。
【0101】
インターフェイス回路161によれば、制御信号の電圧が制御信号用トランシーバ7が受信可能な電圧範囲にあるときは、電圧シフト回路8を経由せずに、制御信号を直接制御信号用トランシーバ7に入力することが可能になる。このとき、使用しない電圧シフト回路8の電源を遮断するように切替回路163を構成すれば、省電力化が可能である。
【0102】
図19(a)に示すインターフェイス回路191は、入力コネクタ2と電圧シフト回路8間に、外部で発生したサージ電圧から内部回路を保護するためのサージ保護回路192をさらに備えたものである。
【0103】
図19(b)に示すインターフェイス回路193は、図19(a)のインターフェイス回路191において、サージ保護回路192と電圧シフト回路8間に、制御信号の同相雑音を除去する同相雑音除去フィルタ194をさらに備えたものである。
【0104】
なお、入力コネクタ2から入力された制御信号を電圧シフト回路8で昇圧して出力コネクタ3に出力するように構成する場合(図11参照)には、図19(c)に示すインターフェイス回路195のように、同相雑音除去フィルタ194を、電圧シフト回路8と制御信号用トランシーバ7間に備えるようにしてもよい。また、出力コネクタ3側にもサージ保護回路196を備えるようにしてもよい。
【0105】
本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加え得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0106】
1 AISGデバイス用インターフェイス回路(インターフェイス回路)
2 入力コネクタ
3 出力コネクタ
4 電源ライン
5 制御信号伝送ライン
6 内部回路
7 制御信号用トランシーバ
8 電圧シフト回路
【特許請求の範囲】
【請求項1】
AISG規格に準拠した入力コネクタおよび出力コネクタと、
前記入力コネクタから入力された制御信号を一定電圧昇圧して出力する電圧シフト回路と、
を備えたことを特徴とするAISGデバイス用インターフェイス回路。
【請求項2】
制御信号の送受信を行う制御信号用トランシーバを備え、AISG規格に準拠してアンテナの制御を行うAISGデバイスに搭載され、
前記電圧シフト回路を、前記制御信号用トランシーバと前記入力コネクタ間の制御信号伝送ラインに設け、
前記入力コネクタから入力された制御信号を一定電圧昇圧して前記制御信号用トランシーバに出力すると共に、
前記制御信号用トランシーバから入力された制御信号を一定電圧降圧して前記入力コネクタに出力するように構成した
請求項1記載のAISGデバイス用インターフェイス回路。
【請求項3】
前記電圧シフト回路が昇圧するシフト電圧は、
前記入力コネクタから入力された制御信号を昇圧した際の、昇圧後の制御信号の電圧が、前記制御信号用トランシーバが受信可能な電圧範囲内となるように設定される
請求項2記載のAISGデバイス用インターフェイス回路。
【請求項4】
前記入力コネクタには、前記AISGデバイスに制御信号を送信し、前記AISGデバイスを制御して前記アンテナの制御を行うと共に、前記AISGデバイスに電源信号を送信する制御装置が接続されており、
前記電圧シフト回路が降圧するシフト電圧は、
前記制御信号用トランシーバから入力された制御信号を降圧した際の、降圧後の制御信号の電圧が、前記制御装置で受信可能となるように設定される
請求項2または3記載のAISGデバイス用インターフェイス回路。
【請求項5】
前記入力コネクタから入力された制御信号の最低電圧を検出し、その検出した最低電圧が、前記制御信号用トランシーバが受信可能な電圧範囲内にあるか判断する最低電圧検出回路と、
該最低電圧検出回路が、制御信号の最低電圧が前記制御信号用トランシーバが受信可能な電圧範囲内にないと判断したとき、前記制御信号用トランシーバと前記入力コネクタ間の制御信号伝送ラインに前記電圧シフト回路を挿入し、制御信号の最低電圧が前記制御信号用トランシーバが受信可能な電圧範囲内にあると判断したとき、前記制御信号用トランシーバと前記入力コネクタ間の制御信号伝送ラインに前記電圧シフト回路を挿入しないように切り替える切替回路と、をさらに備えた
請求項2〜4いずれかに記載のAISGデバイス用インターフェイス回路。
【請求項6】
前記電圧シフト回路は、ツェナーダイオードまたは直列接続した複数個のダイオードを備え、前記ツェナーダイオードによるツェナー電圧または前記複数個のダイオードによる順方向電圧降下により、前記入力コネクタから入力された制御信号を一定電圧昇圧して出力するように構成される
請求項1〜5いずれかに記載のAISGデバイス用インターフェイス回路。
【請求項7】
前記電圧シフト回路を、前記入力コネクタと前記出力コネクタ間の制御信号伝送ラインに設け、
前記入力コネクタから入力された制御信号を一定電圧昇圧して前記出力コネクタに出力すると共に、
前記出力コネクタから入力された制御信号を一定電圧降圧して前記入力コネクタに出力するように構成した
請求項1〜6いずれかに記載のAISGデバイス用インターフェイス回路。
【請求項8】
外部で発生したサージ電圧から内部回路を保護するためのサージ保護回路をさらに備えた
請求項1〜7いずれかに記載のAISGデバイス用インターフェイス回路。
【請求項9】
制御信号の同相雑音を除去する同相雑音除去フィルタをさらに備えた
請求項1〜8いずれかに記載のAISGデバイス用インターフェイス回路。
【請求項10】
請求項1〜9いずれかに記載のAISGデバイス用インターフェイス回路を搭載したことを特徴とするAISGデバイス。
【請求項1】
AISG規格に準拠した入力コネクタおよび出力コネクタと、
前記入力コネクタから入力された制御信号を一定電圧昇圧して出力する電圧シフト回路と、
を備えたことを特徴とするAISGデバイス用インターフェイス回路。
【請求項2】
制御信号の送受信を行う制御信号用トランシーバを備え、AISG規格に準拠してアンテナの制御を行うAISGデバイスに搭載され、
前記電圧シフト回路を、前記制御信号用トランシーバと前記入力コネクタ間の制御信号伝送ラインに設け、
前記入力コネクタから入力された制御信号を一定電圧昇圧して前記制御信号用トランシーバに出力すると共に、
前記制御信号用トランシーバから入力された制御信号を一定電圧降圧して前記入力コネクタに出力するように構成した
請求項1記載のAISGデバイス用インターフェイス回路。
【請求項3】
前記電圧シフト回路が昇圧するシフト電圧は、
前記入力コネクタから入力された制御信号を昇圧した際の、昇圧後の制御信号の電圧が、前記制御信号用トランシーバが受信可能な電圧範囲内となるように設定される
請求項2記載のAISGデバイス用インターフェイス回路。
【請求項4】
前記入力コネクタには、前記AISGデバイスに制御信号を送信し、前記AISGデバイスを制御して前記アンテナの制御を行うと共に、前記AISGデバイスに電源信号を送信する制御装置が接続されており、
前記電圧シフト回路が降圧するシフト電圧は、
前記制御信号用トランシーバから入力された制御信号を降圧した際の、降圧後の制御信号の電圧が、前記制御装置で受信可能となるように設定される
請求項2または3記載のAISGデバイス用インターフェイス回路。
【請求項5】
前記入力コネクタから入力された制御信号の最低電圧を検出し、その検出した最低電圧が、前記制御信号用トランシーバが受信可能な電圧範囲内にあるか判断する最低電圧検出回路と、
該最低電圧検出回路が、制御信号の最低電圧が前記制御信号用トランシーバが受信可能な電圧範囲内にないと判断したとき、前記制御信号用トランシーバと前記入力コネクタ間の制御信号伝送ラインに前記電圧シフト回路を挿入し、制御信号の最低電圧が前記制御信号用トランシーバが受信可能な電圧範囲内にあると判断したとき、前記制御信号用トランシーバと前記入力コネクタ間の制御信号伝送ラインに前記電圧シフト回路を挿入しないように切り替える切替回路と、をさらに備えた
請求項2〜4いずれかに記載のAISGデバイス用インターフェイス回路。
【請求項6】
前記電圧シフト回路は、ツェナーダイオードまたは直列接続した複数個のダイオードを備え、前記ツェナーダイオードによるツェナー電圧または前記複数個のダイオードによる順方向電圧降下により、前記入力コネクタから入力された制御信号を一定電圧昇圧して出力するように構成される
請求項1〜5いずれかに記載のAISGデバイス用インターフェイス回路。
【請求項7】
前記電圧シフト回路を、前記入力コネクタと前記出力コネクタ間の制御信号伝送ラインに設け、
前記入力コネクタから入力された制御信号を一定電圧昇圧して前記出力コネクタに出力すると共に、
前記出力コネクタから入力された制御信号を一定電圧降圧して前記入力コネクタに出力するように構成した
請求項1〜6いずれかに記載のAISGデバイス用インターフェイス回路。
【請求項8】
外部で発生したサージ電圧から内部回路を保護するためのサージ保護回路をさらに備えた
請求項1〜7いずれかに記載のAISGデバイス用インターフェイス回路。
【請求項9】
制御信号の同相雑音を除去する同相雑音除去フィルタをさらに備えた
請求項1〜8いずれかに記載のAISGデバイス用インターフェイス回路。
【請求項10】
請求項1〜9いずれかに記載のAISGデバイス用インターフェイス回路を搭載したことを特徴とするAISGデバイス。
【図5】
【図8】
【図9】
【図10】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図22】
【図23】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図6】
【図7】
【図11】
【図12】
【図20】
【図21】
【図24】
【図8】
【図9】
【図10】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図22】
【図23】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図6】
【図7】
【図11】
【図12】
【図20】
【図21】
【図24】
【公開番号】特開2013−55586(P2013−55586A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−193804(P2011−193804)
【出願日】平成23年9月6日(2011.9.6)
【出願人】(000005120)日立電線株式会社 (3,358)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月6日(2011.9.6)
【出願人】(000005120)日立電線株式会社 (3,358)
【Fターム(参考)】
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