説明

AV装置

【課題】無操作状態における所定時間以上の動作継続の制限を回避することのできる「AV装置」を提供する。
【解決手段】AV装置1のインターネットラジオエージェントは、携帯装置2のインターネットラジオクライアントを介して、インターネットラジオサーバ4のAVコンテンツ配信サービスを利用する。インターネットラジオエージェントは、タイマで計測しているインターネットラジオサーバ4の無操作継続利用時間の計測値が、インターネットラジオサーバ4の無操作継続利用制限時間に接近したならば、配信AVコンテンツをスキップさせるダミーのユーザ操作の受付を強制的に発生させ、インターネットラジオサーバ4にスキップ要求を発行する。そして、時間制限を回避するために強制的に操作を行ったことを表すメッセージ250を表示装置107に表示し、タイマを再スタートする(b1)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、AV装置において、無操作状態における所定時間以上の動作継続の制限する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
AV装置において、無操作状態における所定時間以上の動作継続の制限する技術としては、ボイスレコーダとしての機能も備えたデジタルカメラにおいて、デジタルカメラとして機能している場合に無操作状態が所定時間以上継続した場合には自動的に電源をオフし、ボイスレコーダとして機能している場合に当該自動的な電源オフを行わない技術(たとえば、特許文献1)や、無操作状態が所定時間以上継続した場合に自動的に電源をオフする記録再生装置において、当該所定時間をユーザが任意に設定できるようにした技術(たとえば、特許文献2)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-223403号公報
【特許文献2】特開平05-183856号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
車載のAV装置においては、運転者であるユーザの操作の必要性を排除することが好ましいため、無操作状態における所定時間以上の動作継続の制限は、これを回避できるようにすることが望ましい。
また、AV装置がシステムの一部を構成する場合、AV装置において、ユーザのシステムに対する操作を検出できない場合があり、このような場合には、AV装置において無操作状態が所定時間以上継続した場合に自動的に電源をオフすると支障が生じる場合がある。
【0005】
たとえば、テレビ装置と、当該テレビ装置を映像音声の出力に用いるゲーム装置によってシステムを構成する場合に、テレビ装置において、テレビ装置に対する無操作状態が所定時間以上継続した場合に自動的に電源をオフすると、ユーザがゲーム装置を操作してゲームを行っている最中にテレビ装置の電源がオフしてしまうことになる。
【0006】
したがって、このような場合にも、無操作状態における所定時間以上の動作継続の制限を回避できるようにすることが望ましい。
そこで、本発明は、無操作状態における所定時間以上の動作継続の制限を回避することのできるAV装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題達成のために、本発明は、所定の機能を提供する機能部であって、当該機能部に対する所定の操作が行われない状態で、当該機能部の利用を継続することができる時間を所定の制限時間内に制限している前記機能部を利用して、AVコンテンツを出力するAV装置に、ユーザ操作に応じて、前記機能部に対する前記所定の操作を実行する操作手段と、前記機能部に対する前記所定の操作が発生しない状態における、前記機能部の利用継続時間が、前記制限時間に接近したことを検出する検出手段と、前記検出手段が、前記接近を検出したときに、自動的に、前記機能部に対する前記所定の操作を実行する自動操作実行手段とを備えたものである。
【0008】
このようなAV装置によれば、前記機能部に対する前記所定の操作が発生しない状態における、前記機能部の利用継続時間が、前記制限時間に接近したときに、自動的に、前記機能部に対する前記所定の操作を実行するので、前記機能部の無操作状態での利用継続時間の制限を回避することができるようになる。
【0009】
また、本発明は、所定の機能を提供する機能部であって、当該機能部に対する所定の操作が行われない状態で、当該機能部の利用を継続することができる時間を所定の制限時間内に制限している前記機能部を利用して、AVコンテンツを出力するAV装置に、ユーザ操作に応じて、前記機能部に対する前記所定の操作を実行する操作手段と、前記機能部に対する前記所定の操作が発生しない状態における、前記機能部の利用継続時間が、前記制限時間に接近したことを検出する検出手段と、前記検出手段が、前記接近を検出したときに、ユーザに対して前記ユーザ操作の実行を促すユーザ操作勧奨手段とを備えたものである。ここで、前記ユーザ操作勧奨手段は、前記接近を検出したときに、前記ユーザ操作の受け付け用の画面を表示するように構成してもよい。
【0010】
ここで、以上の各AV装置において、前記機能部は、インターネット上に配置されたインターネットラジオサーバであり、前記所定の機能は、前記インターネットラジオサーバの、前記インターネットを介して楽曲を逐次配信する楽曲配信機能とすることができる。また、この場合には、AV装置は、当該AV装置に接続された携帯装置が備える、前記インターネットラジオサーバのクライアント機能を利用して、前記インターネットラジオサーバの楽曲配信機能を利用するものとすることもできる。
このようなAV装置によれば、前記機能部に対する前記所定の操作が発生しない状態における、前記機能部の利用継続時間が、前記制限時間に接近したときに、前記所定の操作を実行させるためのユーザ操作の実行をユーザに対して勧奨することにより、前記機能部の無操作状態での利用継続時間の制限の発動前に、ユーザに当該操作を発生させて、当該制限の発動を抑制することができるようになる。
【0011】
また、前記課題達成のために、本発明は、1以上の外部入力と内部チューナとを備えたテレビ装置に、ユーザの選択に応じて、前記内部チューナからの入力と、前記各外部入力からの入力とのうちの一つの入力を、現用入力として設定し、当該現用入力から入力する映像信号を、当該テレビ装置において表示出力する映像信号として選択する選択手段と、当該テレビ装置に対する操作が所定時間以上発生しなかった場合に、当該テレビ装置の電源をオフする自動パワーオフ処理を実行する自動パワーオフ制御手段とを備え、前記自動パワーオフ制御手段において、前記外部入力が前記現用入力として設定されている場合には、前記自動パワーオフ処理の実行を抑止するようにしたものである。
【0012】
ここで、このようなテレビ装置は、さらに、前記各外部入力に対して、ユーザの設定操作に応じて選択的に無自動パワーオフモードを設定する設定手段を設け、前記自動パワーオフ制御手段において、当該現用入力として設定されている前記外部入力に対して無自動パワーオフモードが設定されていない場合には、前記自動パワーオフ処理の実行を抑止しないようにしてもよい。
【0013】
または、このようなテレビ装置は、前記自動パワーオフ制御手段において、当該現用入力として設定されている前記外部入力から有効な映像信号が入力していない場合には、前記自動パワーオフ処理の実行を抑止しないように構成してもよい。
また、前記課題達成のために、1以上の外部入力と内部チューナとを備えたテレビ装置に、ユーザの選択に応じて、前記内部チューナからの入力と、前記各外部入力からの入力とのうちの一つの入力を、現用入力として設定し、当該現用入力から入力する映像信号を、当該テレビ装置において表示出力する映像信号として選択する選択手段と、前記外部入力に接続された外部機器からの当該外部機器に対する操作の発生の通知を受信する通知受信手段と、当該テレビ装置に対する操作も、前記現用入力として設定されている外部入力に接続された外部機器からの当該外部機器に対する操作の発生の通知も、所定時間以上発生しなかった場合に、当該テレビ装置の電源をオフする自動パワーオフ処理を実行する自動パワーオフ制御手段とを備えたものである。
【0014】
これらのようなテレビ装置によれば、ユーザが、外部入力に接続した外部機器を、当該外部機器の映像出力にテレビ装置を用いる形態で利用しているときに、テレビ装置において、当該テレビ装置に対するユーザの無操作の継続による自動パワーオフが行われないようにすることができる。
【発明の効果】
【0015】
以上のように、本発明によれば、テレビ装置やその他のAV装置において、無操作状態における所定時間以上の動作継続の制限を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1実施形態に係るAV装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係るAV装置の表示画面を示す図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る時間制限回避処理を示すフローチャートである。
【図4】本発明の第2実施形態に係るAVシステムの構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係る自動パワーオフ処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について説明する。
まず、第1の実施形態について説明する。
図1に、本実施形態に係るAV装置の構成を示す。
AV装置は自動車に搭載される車載のAV装置であり、図示するように、AV装置1は、ラジオ放送を受信するチューナ101、記憶装置102、外部装置インタフェース103、AVデコーダ104、制御部105、出力制御部106、表示装置107、スピーカ108、入力装置109とを備えている。
【0018】
但し、以上のAV装置1は、ハードウエア的には、CPUや、メモリや、その他の周辺デバイスを有する一般的な構成を備えたコンピュータを利用して構成されるものであって良く、この場合、以上のAV装置1のAVデコーダ104や制御部105など、CPUが予め用意されたプログラムを実行することにより具現化するプロセスとして実現されるものであって良い。
【0019】
さて、ここで、外部インタフェースには、携帯装置2を接続することができる。ここで、携帯装置2は、移動電話網やインターネットなどのWAN3を介してAVコンテンツのストリーミング配信を行うインターネットラジオサーバ4にアクセス可能な、移動電話機やスマートフォンなどである。
【0020】
さて、このようなAV装置1の構成において、制御部105は、様々なアプリケーションを実行する。この制御部105のアプリケーションの実行は、たとえば、記憶装置102に記憶されているアプリケーションプログラムを、制御部105において実行することにより実現される。
【0021】
ここで、制御部105が実行するアプリケーションとしては、チューナ101を入力装置109の操作に応じて制御しつつ、チューナ101で受信したAVコンテンツをAVデコーダ104でデコードして出力制御部106を介して表示装置107やスピーカ108に出力するラジオアプリケーションや、記憶装置102に記憶されているAVコンテンツをAVデコーダ104でデコードして出力制御部106を介して表示装置107やスピーカ108に出力するメディアプレイヤアプリケーションや、インターネットラジオエージェントなどがある。
【0022】
ここで、インターネットラジオエージェントは、携帯装置2で実行されるアプリケーションであるインターネットラジオクライアントのUIを、AV装置1の表示装置107やスピーカ108や入力装置109を用いて代行するためのアプリケーションである。
また、携帯装置2で実行されるインターネットラジオクライアントは、インターネットラジオサーバ4にアクセスしてインターネットラジオサーバ4からストリーミング配信されるAVコンテンツを出力するアプリケーションである。
そして、この携帯装置2で実行されるインターネットラジオクライアントは、携帯装置2がAV装置1に接続されていないときには、携帯装置2自身が備える表示部や内部スピーカを用いて、ストリーミング配信されたAVコンテンツの出力を行うと共に、携帯装置2自身が備える表示部や操作部を用いたGUIをユーザに提供し、当該GUIで受け付けたユーザ操作に応じて、その動作を行う。
【0023】
一方、携帯装置2で実行されるインターネットラジオクライアントは、携帯装置2がAV装置1に接続されているときには、ストリーミング配信されたAVコンテンツを、AV装置1のインターネットラジオエージェントに送り、AV装置1のインターネットラジオエージェントは、受け取ったAVコンテンツをAVデコーダ104でデコードして出力制御部106を介して表示装置107やスピーカ108に出力する。また、AV装置1のインターネットラジオエージェントは、携帯装置2で実行されるインターネットラジオクライアントから必要な情報を取得しつつ、AV装置1の表示装置107や入力装置109を用いたインターネットラジオクライアント用のGUIをユーザに提供し、当該GUIで受け付けたユーザ操作を、携帯装置2のインターネットラジオクライアントに通知する。そして、携帯装置2のインターネットラジオクライアントは、通知されたユーザ操作に応じて、その動作を行う。
【0024】
ここで、図2a1、a2に、インターネットラジオクライアント用のGUIとして、AV装置1のインターネットラジオエージェントが表示装置107に表示する表示画面を示す。
図2a1は、ラジオ局の選択画面を表しており、この選択画面には、インターネットラジオサーバ4がAVコンテンツの配信を行っているラジオ局のリスト201が表示されている。ユーザは、このラジオ局のリスト201から、所望のラジオ局を選択して、当該ラジオ局でインターネットラジオサーバ4が配信するAVコンテンツを受信することができる。すなわち、インターネットラジオエージェントは、選択画面でユーザによって選択されたラジオ局をインターネットラジオクライアントに通知し、インターネットラジオクライアントは、通知されたラジオ局の視聴をインターネットラジオサーバ4に要求し、インターネットラジオサーバ4は要求されたラジオ局の配信AVコンテンツとして予め定めておいた各AVコンテンツを順次、要求元のインターネットラジオクライアントに配信する。なお、インターネットラジオサーバ4はラジオ局の視聴を要求されたときに、既に、要求元のインターネットラジオクライアントに、他のラジオ局のAVコンテンツの配信を行っているときには、当該他のラジオ局のAVコンテンツの配信を停止した上で、視聴を要求されたラジオ局のAVコンテンツの配信を開始する。
【0025】
次に、図2a2は、現在、出力中のAVコンテンツの情報を表す情報画面である。この情報画面は、図2a1の選択画面の矢印アイコン202から呼び出すことができる他、ラジオ局の選択画面で選択したラジオ局のAVコンテンツの受信が開始されると自動的に呼び出される。
【0026】
さて、図2a2の情報画面には、図2a1の選択画面を呼び出すための矢印アイコン211、出力中のAVコンテンツの情報212が表示される。ここで、AVコンテンツの情報212としては、出力中のAVコンテンツが楽曲である場合には、当該楽曲に関連づけられたアートワーク(通常は、当該楽曲のジャケット写真)や、当該楽曲のタイトル名や、当該楽曲のアルバム名を表示する。
【0027】
また、情報画面には、出力中のAVコンテンツの評価受付用のボタン213、AVコンテンツの再生/一時停止を切り替えるためのボタン214、インターネットラジオサーバ4から配信を受けるAVコンテンツを一つ次のAVコンテンツに切り替える(スキップする)ためのスキップボタン215などが設けられている。
【0028】
ここで、インターネットラジオエージェントは、情報画面でユーザによってスキップボタン215が操作されると、その旨をインターネットラジオクライアントに通知し、通知を受けたインターネットラジオクライアントは、スキップをインターネットラジオサーバ4に要求し、要求を受けたインターネットラジオサーバ4は配信中のAVコンテンツの配信を停止し、当該AVコンテンツの次に順番づけているAVコンテンツからの各AVコンテンツの配信を開始する。
【0029】
さて、このような構成において、インターネットラジオサーバ4は、ユーザの無操作状態が所定の制限時間(たとえば1時間)継続したインターネットラジオクライアントに対するAVコンテンツの配信を停止する時間制限を課している。すなわち、インターネットラジオサーバ4は、制限時間以上、ラジオ局の視聴やスキップ等の要求をインターネットラジオサーバ4に発行しなかったインターネットラジオクライアントが発生した場合、そのインターネットラジオクライアントに対するAVコンテンツの配信を自動的に停止する。
【0030】
以下、このような時間制限を回避するために、AV装置1のインターネットラジオエージェントが行う時間制限回避処理について説明する。
図3aに、この時間制限回避処理の手順を示す。
ここで、この時間制限回避処理は、インターネットラジオエージェントが起動され、インターネットラジオサーバ4から配信されたAVコンテンツの受信が始まると、その実行が開始される。
図示するように、この処理では、タイマをスタートし(ステップ302)、インターネットラジオサーバ4に対してラジオ局の視聴やスキップ等の要求を発行させるユーザ操作の発生と(ステップ304)、タイマの計測時間の、前記制限時間への接近の発生と(ステップ306)とを監視する。
【0031】
ここで、タイマの計測時間の前記制限時間への接近の判定は、タイマの計測時間が、制限時間からマージンとして設定した所定の時間(たとえば、3分)を減じた時間に達したときに、タイマの計測時間が前記制限時間に接近したと判定することによって行うようにしてもよい、インターネットラジオサーバ4より取得したAVコンテンツの再生時間と、タイマの計測時間とより、現在出力中のAVコンテンツの再生終了時のタイマの計測時間が制限時間を超えることが予測される場合に、タイマの計測時間が前記制限時間に接近したと判定することによって行うようにしてもよい。
【0032】
そして、インターネットラジオサーバ4に対して要求を発行させるユーザ操作が発生した場合には(ステップ304)、ステップ302に戻ってタイマを0から再スタートする。
一方、タイマの計測時間の、前記制限時間への接近が発生した場合には(ステップ306)、インターネットラジオサーバ4に対して要求を発行させるダミーのユーザ操作の受付を強制的に発生させ、当該ユーザ操作の発生をインターネットラジオクライアントに通知する(ステップ308)。そして、時間制限を回避するために強制的に操作を行ったことを表すメッセージを表示装置107に表示し(ステップ310)、ステップ302に戻ってタイマを0から再スタートする。
【0033】
ここで、ステップ308で行うダミーのユーザ操作の強制的な受付としては、たとえば、図2b1に示すように、図2a2の情報画面における、スキップボタン215の操作や、図2b2に示すような、図2a1の選択画面における、ラジオ局の切り替えの操作を、ダミーで発生させて、当該操作を受付ることにより行うことができる。また、図2b1、b2に示すように、ステップ310で表示するメッセージ250は、連続無操作再生時間が制限時間を越えるために、強制操作を行ったことを通知するものとする。
【0034】
以上、インターネットラジオエージェントが行う時間制限回避処理について説明した。
なお、以上の時間制限回避処理は、図3bに示すように、ステップ308のダミーのユーザ操作の強制的な受付の処理とステップ310のメッセージの表示の処理に代えて、ユーザにインターネットラジオサーバ4に対して要求を発行させるユーザ操作の実行を促し(ステップ312)、ユーザ操作の発生を待って(ステップ314)、ステップ302に戻る処理を行うものとしてもよい。
【0035】
ここで、このステップ312のユーザにインターネットラジオサーバ4に対して要求を発行させるユーザ操作の実行を促す処理としては、たとえば、図2b3に示すように、図2aの選択画面を強制的に表示し、ラジオ局の切り替えを促すメッセージ260を表示するものなどとすることができる。
【0036】
以上、本発明の第1の実施形態について説明した。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
図4に、本第2実施形態に係るAVシステムの構成を示す。
図示するように、AVシステムは、複数の外部入力を備えたTV装置40と、TV装置40の外部入力に各々接続された外部チューナ41や記録再生装置42やゲームプレイヤ43などの外部AVソース機器とより構成される。
また、TV装置40は、スピーカ404、表示装置405、内部チューナ401、内部チューナ401からの入力、各外部入力とのうちの、いずれか一つの入力を現用入力として、現用入力から入力するAVデータを選択出力するAVセレクタ402、AVセレクタ402が出力するAVデータを処理し、AVデータが表す音声をスピーカ404に、AVデータが表す映像を表示装置405に出力するAV処理部403、ユーザ操作を受け付ける操作部408、ユーザ操作に応じて以上各部の動作を制御する制御部407、AVセレクタ402の出力に有効なAVデータが含まれているかどうか、すなわち、現用入力となっている外部入力に接続されている外部AVソース機器がAVデータを出力しているかどうかを検出する信号検出部406とを備えている。
【0037】
ここで、制御部407が操作部408で受け付けたユーザ操作に応じて行う制御としては、内部チューナ401で受信する放送チャネルの設定、内部チューナ401からの入力と各外部入力とのうちのいずれを現用入力とするかのAVセレクタ402への設定、AV処理部403において行う音声の音響特性の調整や映像の画質調整の調整値の設定などがある。
【0038】
さて、このような構成において、制御部407は、外部入力の各々の無自動パワーオフモードの設定の有無を記憶している。また、制御部407は、操作部408の所定のユーザ操作に応じて、当該外部入力の各々の無自動パワーオフモードの設定の有無を切り替える。
また、制御部407は、図5aに示す自動パワーオフ処理を行う。
図示するように、この処理において、制御部407は、TV装置40の電源オンが発生すると(ステップ502)、TV装置40の状態が、無自動パワーオフモードが設定されている外部入力からのAVデータをAVセレクタ402が選択出力しており、かつ、AVセレクタ402の出力に有効なAVデータが含まれている状態でなくなるのを待つ(ステップ504)。
【0039】
そして、無自動パワーオフモードが設定されている外部入力以外からのAVデータをAVセレクタ402が選択出力している状態か、AVセレクタ402の出力に有効なAVデータが含まれていない状態が発生したならば(ステップ504)。所定のタイムアウト時間(たとえば、1時間)を持つタイマをスタートし(ステップ506)、ユーザのTV装置40の操作部408の操作の発生と(ステップ508)、無自動パワーオフモードが設定されている外部入力からのAVデータをAVセレクタ402が選択出力しており、かつ、AVセレクタ402の出力に有効なAVデータが含まれている状態の発生と(ステップ510)、タイマのタイムアウトの発生と(ステップ512)とを監視する。
【0040】
そして、ユーザのTV装置40の操作部408の操作が発生するか(ステップ508)、無自動パワーオフモードが設定されている外部入力からのAVデータをAVセレクタ402が選択出力しており、かつ、AVセレクタ402の出力に有効なAVデータが含まれている状態が発生したならば(ステップ510)、ステップ502からの処理に戻る。
【0041】
一方、タイマのタイムアウトが発生した場合には(ステップ512)、TV装置40の電源をオフし(ステップ514)、ステップ502に戻ってTV装置40の電源オンの発生を待つ。
以上、TV装置40の制御部407が行う自動パワーオフ処理について説明した。
このような自動パワーオフ処理によれば、TV装置40の状態が、ユーザが無自動パワーオフモードを設定した外部入力からの入力が現用入力として設定されており、かつ、現用入力となっている外部入力に接続されている外部AVソース機器がAVデータを出力している状態である期間中は、無操作の継続によるTV装置40の電源オフは実行されない。したがって、ユーザが、無自動パワーオフモードを設定した外部入力を設定した外部AVソース機器の出力をTV装置40を用いて視聴している期間中は、TV装置40の自動パワーオフ機能は停止されることとなる。一方、ユーザが無自動パワーオフモードを設定した外部入力からの入力が現用入力として設定されている場合でも、現用入力となっている外部入力に接続されている外部AVソース機器がAVデータを出力していない場合、すなわち、ユーザが当該外部AVソース機器の出力をTV装置40を用いて視聴していない場合には、TV装置40の自動パワーオフ機能は停止されない。
【0042】
ところで、以上の自動パワーオフ処理は、以下のように行うようにしてもよい。
すなわち、図4に点線で示すように、TV装置40の各外部入力に接続した外部AVソース機器からTV装置40の制御部407に、外部AVソース機器に対するユーザ操作の発生を通知するようにする。
そして、自動パワーオフ処理は、図5bに示すように行う。
すなわち、自動パワーオフ処理では、制御部407は、TV装置40の電源オンが発生すると(ステップ552)、所定のタイムアウト時間(たとえば、1時間)を持つタイマをスタートする(ステップ554)。
そして、ユーザのTV装置40の操作部408の操作の発生と(ステップ556)、現用入力として選択中の外部入力に接続されている外部AVソース機器からのユーザ操作の発生の通知の発生と(ステップ558)、タイマのタイムアウトの発生と(ステップ560)とを監視する。
そして、ユーザのTV装置40の操作部408の操作(ステップ556)、もしくは、現用入力として選択中の外部入力に接続されている外部AVソース機器からのユーザ操作の発生の通知(ステップ558)が発生したならば、ステップ554に戻ってタイマを0から再スタートする。
一方、タイマのタイムアウトが発生した場合には(ステップ560)、TV装置40の電源をオフし(ステップ562)、ステップ552に戻ってTV装置40の電源オンの発生を待つ。
このような自動パワーオフ処理によれば、タイムアウト時間内に、TV装置40で映像を出力中の外部AVソース機器への操作が発生した場合には、TV装置40の自動パワーオフを行わないので、外部AVソース機器を操作しながら当該外部AVソース機器の出力をTV装置40を用いて視聴している期間中、TV装置40の自動パワーオフ機能を停止することができる。
以上、本発明の第2の実施形態について説明した。
【符号の説明】
【0043】
1…AV装置、2…携帯装置、3…WAN、4…インターネットラジオサーバ、40…TV装置、41…外部チューナ、42…記録再生装置、43…ゲームプレイヤ、10…チューナ、102…記憶装置、103…外部装置インタフェース、104…AVデコーダ、105…制御部、106…出力制御部、107…表示装置、108…スピーカ、109…入力装置、401…内部チューナ、402…AVセレクタ、403…AV処理部、404…スピーカ、405…表示装置、406…信号検出部、407…制御部、408…操作部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の機能を提供する機能部であって、当該機能部に対する所定の操作が行われない状態で、当該機能部の利用を継続することができる時間を所定の制限時間内に制限している前記機能部を利用して、AVコンテンツを出力するAV装置であって、
当該AV装置は、
ユーザ操作に応じて、前記機能部に対する前記所定の操作を実行する操作手段と、
前記機能部に対する前記所定の操作が発生しない状態における、前記機能部の利用継続時間が、前記制限時間に接近したことを検出する検出手段と、
前記検出手段が、前記接近を検出したときに、自動的に、前記機能部に対する前記所定の操作を実行する自動操作実行手段とを有することを特徴とするAV装置。
【請求項2】
所定の機能を提供する機能部であって、当該機能部に対する所定の操作が行われない状態で、当該機能部の利用を継続することができる時間を所定の制限時間内に制限している前記機能部を利用して、AVコンテンツを出力するAV装置であって、
ユーザ操作に応じて、前記機能部に対する前記所定の操作を実行する操作手段と、
前記機能部に対する前記所定の操作が発生しない状態における、前記機能部の利用継続時間が、前記制限時間に接近したことを検出する検出手段と、
前記検出手段が、前記接近を検出したときに、ユーザに対して前記ユーザ操作の実行を促すユーザ操作勧奨手段とを有することを特徴とするAV装置。
【請求項3】
請求項2記載のAV装置であって、
前記ユーザ操作勧奨手段は、前記接近を検出したときに、前記ユーザ操作の受け付け用の画面を表示することを特徴とするAV装置。
【請求項4】
請求項1、2または3記載のAV装置であって、
前記機能部は、インターネット上に配置されたインターネットラジオサーバであり、前記所定の機能は、前記インターネットラジオサーバの、前記インターネットを介して楽曲を逐次配信する楽曲配信機能であることを特徴とするAV装置。
【請求項5】
請求項4記載のAV装置であって、
当該AV装置に接続された携帯装置が備える、前記インターネットラジオサーバのクライアント機能を利用して、前記インターネットラジオサーバの楽曲配信機能を利用することを特徴とするAV装置。
【請求項6】
1以上の外部入力と内部チューナとを備えたテレビ装置であって、
ユーザの選択に応じて、前記内部チューナからの入力と、前記各外部入力からの入力とのうちの一つの入力を、現用入力として設定し、当該現用入力から入力する映像信号を、当該テレビ装置において表示出力する映像信号として選択する選択手段と、
当該テレビ装置に対する操作が所定時間以上発生しなかった場合に、当該テレビ装置の電源をオフする自動パワーオフ処理を実行する自動パワーオフ制御手段とを備え、
前記自動パワーオフ制御手段は、前記外部入力が前記現用入力として設定されている場合には、前記自動パワーオフ処理の実行を抑止することを特徴とするテレビ装置。
【請求項7】
請求項6記載のテレビ装置であって、
前記各外部入力に対して、ユーザの設定操作に応じて選択的に無自動パワーオフモードを設定する設定手段と、
前記自動パワーオフ制御手段は、当該現用入力として設定されている前記外部入力に対して無自動パワーオフモードが設定されていない場合には、前記自動パワーオフ処理の実行を抑止しないことを特徴とするテレビ装置。
【請求項8】
請求項6または7記載のテレビ装置であって、
前記自動パワーオフ制御手段は、当該現用入力として設定されている前記外部入力から有効な映像信号が入力していない場合には、前記自動パワーオフ処理の実行を抑止しないことを特徴とするテレビ装置。
【請求項9】
1以上の外部入力と内部チューナとを備えたテレビ装置であって、
ユーザの選択に応じて、前記内部チューナからの入力と、前記各外部入力からの入力とのうちの一つの入力を、現用入力として設定し、当該現用入力から入力する映像信号を、当該テレビ装置において表示出力する映像信号として選択する選択手段と、
前記外部入力に接続された外部機器からの当該外部機器に対する操作の発生の通知を受信する通知受信手段と、
当該テレビ装置に対する操作も、前記現用入力として設定されている外部入力に接続された外部機器からの当該外部機器に対する操作の発生の通知も、所定時間以上発生しなかった場合に、当該テレビ装置の電源をオフする自動パワーオフ処理を実行する自動パワーオフ制御手段とを有することを特徴とするテレビ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−23653(P2012−23653A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−161341(P2010−161341)
【出願日】平成22年7月16日(2010.7.16)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】