AV装置
【課題】装置に詳しくない人でも、装置を購入してすぐに簡単な操作で目的の動作をさせることができるようにする。
【解決手段】AVレシーバ1のアクセス性の良い場所に4個のシーンボタン63が設けられている。AVレシーバ1には、あらかじめ、ユーザーがこのAVレシーバを使用して実行させたい動作(シーン)を実現するために必要な各種設定の情報がパッケージ化された複数のシーンテンプレートが格納されており、各シーンボタンには、使用頻度の高いシーンのシーンテンプレートが割り付けられている。ユーザーが実行させたい動作に対応するシーンボタンを押すだけで、対応するシーンテンプレートが呼び出され、それに基づいて、AVレシーバ1内の各部の設定が行われる。シーンボタンに割り付けられているシーンテンプレートを変更することや、シーンテンプレートをカスタマイズすることもできる。
【解決手段】AVレシーバ1のアクセス性の良い場所に4個のシーンボタン63が設けられている。AVレシーバ1には、あらかじめ、ユーザーがこのAVレシーバを使用して実行させたい動作(シーン)を実現するために必要な各種設定の情報がパッケージ化された複数のシーンテンプレートが格納されており、各シーンボタンには、使用頻度の高いシーンのシーンテンプレートが割り付けられている。ユーザーが実行させたい動作に対応するシーンボタンを押すだけで、対応するシーンテンプレートが呼び出され、それに基づいて、AVレシーバ1内の各部の設定が行われる。シーンボタンに割り付けられているシーンテンプレートを変更することや、シーンテンプレートをカスタマイズすることもできる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、AVアンプやAVレシーバ、ホームシアター向け商品などのAV装置に関する。
【背景技術】
【0002】
AVアンプやAVレシーバなどのホームシアター向けAV装置は、DVDプレーヤ、ディジタルTVチューナ、ケーブルTVチューナ、衛星放送チューナ、CDプレーヤ、レコードプレーヤ、DVDレコーダなどの各種再生機器や録音再生機器を接続して、1台で、DVD−Video、CD、DVD−Audio、SACD、Video−CDなど多数のメディアを再生することができるものであり、非常に多くの機能を有している。
従来、このような装置においては、入力端子(接続機器)を選択することをベースとする操作体系が用いられていた。すなわち、ユーザーは、AV装置を使用するときに、どの機械からの音(映像)を出すかを選択する操作(入力切替)を行い、選択した入力に見合う好みの音場効果を選択して使うという操作体系であった。
【0003】
また、使用頻度の高い設定値などを記憶しておき、瞬時に呼び出して設定するフェイバリット機能や、AV装置の各種設定や音場プログラムなどを保存し、あとで簡単に呼び出して使うシステムメモリー機能なども知られている。
特許文献1には、ユーザーがあらかじめ設定した機能やパラメータを1回のキー操作で呼び出すようにした機器制御方法が提案されている。
この提案されている機器制御方法によれば、リモコン送信機で操作した入力切換、サラウンドモード切換、グラフィックイコライザの周波数特性の調整、電子ボリウムの音量調整などの各設定内容を記憶し、所定のキー操作により該記憶内容を読み出して各パラメータを読み出された内容に設定することができる。
【特許文献1】特開2002−142278号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
AV装置には、分厚い取扱説明書が付属しているが、これは接続機器別に接続の説明が記載されているものであり、ユーザーの目的とする動作(例えば、DVDで映画を観る)のために必要な設定や操作に関する説明は、別々な場所に断片的に記載されているものであった。
したがって、ユーザーがAV装置を購入してからAV装置に目的の動作をさせるところに行き着くまでには、取扱い説明書での断片的な説明と、AV機器が有する機能の多さで、頭を抱えてしまい、やりたいことの実現に時間がかかったりしていた。また、元に戻すのが大変なため容易く触れることができず、家族のだれでもが使うことができるというものではなかった。
【0005】
また、上述したフェイバリット機能は、ある特定の機能や設定値、チャンネル、局などの断片的な記憶であり、全体のシステムで考えるとやりたいことの実現目的達成に直結するものではなかった。
一方、システムメモリー機能は、逆に、全システム設定状態を記憶するので、必要とする記憶容量が大きいものであった。また、ユーザーごとに希望するメモリー内容が異なり、余計な(替えてほしくない)部分までメモリーし、リコールしてしまうこととなる。メモリーしてほしい内容、してほしくない内容がユーザーごとに異なり、それをくみ取ることができないという問題があった。別途、編集メニューを用意して編集させるものも、内容、全項目のなかから必要なものを選択して編集せざるを得ず、知識のある人のみが設定できる内容で、知識の乏しい人にはしきいが高いものであった。
上記提案されている方法によれば、簡単なキー操作で、複数の選択項目やパラメータを一度に設定することができるが、上述したフェイバリット機能やシステムメモリー機能と同様に、最初に何らかの好みによる設定及び機能選択を行ってから、それらを記憶する必要があり、それらを設定、選択する知識が必要とされた。
【0006】
そこで本発明は、詳しい人が全てを設定してからその設定を記憶し、それを呼び出すというものでなく、装置に詳しくない人でも、装置を購入してすぐに簡単な操作で目的の動作をさせることができるAV装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明のAV装置は、複数の入力機器を接続することができ、該複数の入力機器から入力される複数種類の入力信号に対して所定の信号処理を実行して複数の出力機器に出力することができるAV装置であって、該AV装置を使用して実行させる動作ごとに、該動作を実現するために必要とされる該AV装置における各種設定及び操作に関する情報がパッケージ化された組合せ情報が複数記憶されている組合せ情報記憶部と、前記組合せ情報記憶部に記憶されている組合せ情報が呼び出されるように割り付けられた操作子と、前記操作子を押下することにより、該操作子に割り付けられた組合せ情報に基づいて、対応する制御情報を、入力選択部、信号処理部、出力切替部などに供給する制御部と、前記操作子を所定時間より長く押下することにより、該操作子に割り付けられている前記組合せ情報を変更する手段とを有するものである。
また、前記組合せ情報は、前記AV装置の内部機能の制御情報と、前記AV装置に接続された入力機器を制御する制御情報とを含むものである。
【発明の効果】
【0008】
このような本発明のAV装置によれば、良く使われるシーン(ユーザーからみた使い方)に必要な各種設定及び操作に関する情報がパッケージ化されて提供されており、これを選択するのみで実現目的(シーン)を直観的に実現することができる。
シーンにて必要な設定内容はあらかじめ吟味されているため、最適な条件でシーンを実現することができるので、ユーザーが使用する前に、取り扱い説明書を見ながら難しい設定や操作を覚えたりする必要がない。
また、アクセス性の良いボタンなどの操作子に、一般的に使用頻度の高いシーンの組合せ情報をあらかじめ割り当てておくことにより、購入後すぐに代表的シーンが簡単に実現できる。
例えば、「DVDで映画を見たい」といった場合、1つのボタンを押すだけで、ゾーンの設定、電源投入、入力選択、音場設定、ナイトリスニングモードの設定、DVD再生といった必要な一連の操作や設定が、呼び出された組合せ情報に基づいて実行される。
さらに、操作子に割り付けられている組合せ情報を容易に変更することができるため、日常のシーンに対応する組合せ情報をアクセス性の高い操作子に割り当てておくことにより、日常の操作シーンを確実に、かつ、簡単に再現することができる。
さらにまた、操作子に自分の好みの設定をカスタマイズして登録しておけば、ワンボタンで、前回自分が気に入って使っている設定を呼び出して使うことができる。このとき、元となる組合せ情報(シーンテンプレート)を基にカスタマイズすることにより、ユーザーの希望を事前に汲み取ることとなり、設定パラメータを減らし、必要最低限に絞られた形でカスタマイズが可能で、知識のない人でも違和感なくカスタマイズすることができる。
さらに、シーンテンプレートに基づいて作成したユーザー独自の組合せ情報(シーンデータ)を記憶部に記憶するようにしているので、必要とされるRAM容量が少なくて済むので、安価なマイクロコンピュータを使用することができ、コストダウンを図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
まず、本発明における用語について説明する。
本発明において、「シーン」とは、ユーザーから見たAV装置の使い方、すなわち、AV装置を使用してユーザーが実現したいこと(CDを聴く、DVDで映画を見るなど)をいう。
また、「シーンデータ」とは、シーンを実現するための各種設定(必要な設定、必要な操作、必要な外部機器との連携)をまとめてパッケージ化した情報(組合せ情報)をいう。ここで、必要な設定とは、例えば、音場設定、ナイトリスニングモード(時間帯によって、大きな音をださないようにするための機能)の設定、サラウンドモードの設定などであり、必要な操作とは、電源投入、ゾーンの切替、ボリュームの調整、入力ソースの選択、オーディオセレクト(入力モード)の切替、ミュートの解除などであり、必要な外部機器との連携とは、連携操作対応DVDプレーヤーなどの電源制御、DVDの再生などである。
さらに、「シーンテンプレート」は、あらかじめシステムに準備されている「シーンデータ」である。ユーザーは、このシーンテンプレートを元にカスタマイズすることにより独自のシーンデータを作成することができる。
【0010】
本発明は、AVアンプやホームシアター向け商品などの各種AV装置に適用することができるが、ここでは、AVレシーバに適用した実施の形態について説明する。
図1は、本発明の一実施の形態であるAVレシーバ1の全体構成を示すブロック図である。
この図において、11はこのAVレシーバ全体の制御を行う制御部、12は表示部、操作部及びリモコン受光部などからなるユーザーインターフェース部、13は電源部、14はAM放送やFM放送を受信するチューナである。前記制御部11には、CPU、制御プログラムや複数のシーンテンプレートなどのデータが格納されたROM、及び、ユーザーによりカスタマイズされたシーンデータや各種データが記憶されるRAMが含まれている。
15は、アナログ音声入力端子21、入力切替部22、ボリューム調整及び経路切替部23を備え、ディジタル音声信号処理部17との間にA/D変換器(ADC)24及びD/A変換器(DAC)25が設けられたアナログ音声信号処理部である。前記入力切替部22は、前記アナログ音声入力端子21及び前記チューナ14からの入力信号を前記ボリューム調整及び経路切替部23又はADC24に出力する。
16は、前記ボリューム調整及び経路切替部23からの出力を増幅するパワーアンプ26、前記パワーアンプ26の出力が入力されるリレーA27及びリレーB28を有するパワーアンプ部である。リレーA27及びリレーB28にはスピーカが接続される。
【0011】
17は、ディジタル音声入力端子29、該ディジタル音声入力端子29からの信号が入力されるディジタル・オーディオ・インターフェース・レシーバ(DIR)30、デコーダ31、音場付加、スピーカ調整及び環境補正などの処理を行うDSP部32を有するディジタル音声信号処理部である。前記デコーダ31は、前記ADC24、前記DIR30又は後述するHDMIリピータ35から入力されるマルチチャンネル信号をデコードして前記DSP部32に出力し、該DSP部32の出力は前記DAC25でアナログ信号に変換され、前記ボリューム調整及び経路切替部23に出力される。
18は、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)端子33、入力選択部34、HDMIリピーター35及びトランスミッター36を含むディジタルインターフェース部である。前記HDMI端子33から入力された信号は入力選択部34を介してHDMIリピータ35に入力され、ディジタルオーディオ信号は前記デコーダ31に出力され、ビデオ信号はトランスミッタ36を介してHDMI端子33からモニター装置などの外部機器に出力される。
【0012】
19は、ディジタルビデオ処理及びGUI処理部37、ビデオエンコーダ38及びビデオデコーダ39を含むディジタルビデオ信号処理部である。前記ディジタルビデオ処理及びGUI処理部37は前記HDMIリピータ35、前記トランスミッタ36、ビデオエンコーダ38及びビデオデコーダ39に接続されており、前記HDMIリピータ35又は前記ビデオデコーダ39からの入力信号に対して所定の処理を行い、前記HDMIリピータ35、トランスミッタ36又はビデオエンコーダ38に出力する。
20は、アナログビデオ入出力端子40、入力切替部41、バッファアンプ42及び43を有するアナログビデオ信号処理部である。前記アナログビデオ入力端子端子40の入力端子から入力されたビデオ信号は入力切替部41及びバッファアンプ42を介して前記ビデオデコーダ38に入力され、前記ビデオエンコーダ39の出力はバッファアンプ43を介してアナログビデオ入出力端子40の出力端子から外部機器に出力される。
なお、この図には記載していないが、キッチンなど別の部屋に設置されたスピーカから再生するための、別ゾーン用入力切替部、別ゾーン用ボリューム調整及び経路切り替え部、別ゾーン用パワーアンプ、別ゾーン用リレーも設けられており、別の部屋などにおいても再生を行うことができるようになされている。
【0013】
前記制御部11は、装置本体に設けられた操作部やリモコンなどの外部操作機器からの操作信号及び後述のように呼び出された組合せ情報(シーンテンプレートやシーンデータ)に含まれている設定情報に基づいて、前記各構成要素の制御を行う。
すなわち、制御部11は、前記ユーザーインターフェース部12に対して、操作制御、リモコン信号の受信及び表示制御を行い、電源部13に対しては、プロテクション制御、電源オン・オフ制御及びモード制御などを行う。
また、前記チューナ14の制御を行い、前記アナログ音声信号処理部15に対しては、前記入力切替部22の入力選択、前記ボリューム調整及び経路切替部の経路制御とボリューム制御を行う。
さらに、前記パワーアンプ部16に対しては、前記リレー27及び28のオン・オフ制御及びパワーアンプ26の出力制御の制御信号を供給する。
さらにまた、前記ディジタル音声信号処理部17に対しては、入力選択、経路制御、音声デコード制御、音場及び環境補正制御の各制御信号を供給し、前記ディジタルインターフェース部18と前記ディジタルビデオ信号処理部19に対しては、映像信号処理制御、入力切替、経路制御、GUIメニュー制御及びHDMI制御のための各制御信号を出力する。
さらにまた、前記アナログビデオ信号処理部20に対しては、入力選択と経路制御を行う制御信号を供給する。
【0014】
また、このような構成を有するAVレシーバ1には、スピーカ、DVDプレーヤー、CDプレーヤー、DVDレコーダー、ディジタルTVチューナ、ケーブルTVチューナ、ゲーム機などの各種外部機器が接続される。
この図に示した例では、前記アナログ音声入力端子21及びHDMI端子33にはCDやDVDなどの記録メディア54を再生するDVDプレーヤ53の出力が接続されている。
また、前記HDMI端子33にはテレビモニター55がされており、前記前記ディジタル音声入力端子29及びアナログビデオ入力端子40にはゲーム機56の出力が接続されている。
そして、前記パワーアンプ部16の第1のリレーA27に例えば音楽観賞用の第1のスピーカ出力A51が接続されており、前記第2のリレーB28には映画観賞用の第2のスピーカ出力B52が接続されている。
【0015】
図2は、前記AVレシーバ1の外観の一例を示す正面図である。
この図において、61は電源のオン(入)/スタンバイ(待機)を切り換えるためのスタンバイ/オンスイッチ、62は音場プログラムを選択するためのプログラム選択スイッチ、63はシーンデータが割り付けられているシーンボタン、64は再生する入力ソースを選択するための入力選択スイッチ、65はボリュームつまみ、66は本体表示部である。なお、スタンバイ状態のときには、前記CPUとリモコン受光部には電源が供給されるようになされている。
この図に示すように、この例では、4個のシーンボタン63がAVレシーバ1の正面のアクセス性の良い場所に設けられている。各シーンボタンには、それぞれに対応する番号1〜4が付されているとともにLEDが内蔵されており、そのシーンボタンが操作されたときなどに内蔵されているLEDを点灯させることにより、そのシーンボタンの番号(1〜4)が光って見えるように構成されている。
これらの各種ボタンは、図1におけるユーザーインターフェース部12に属するものであり、各ボタンからの信号は、前記制御部11に入力され、ユーザー操作に対応する制御を行うための制御信号が制御部11からそれぞれ対応する構成要素に出力されることとなる。
【0016】
図3は、リモコン71のキー配置の一例を示す図である。
この図において、72は入力選択を行うための入力選択ボタン(DVD、CDなどと記入されている)、73は前記シーンボタン63と同様のシーンボタン、74は入力機器を操作するための操作ボタン(矢印キー、PLAY、SKIPなど)である。なお、操作ボタン74の機能は、選択されたシーンデータに応じて設定される。
この図に示すように、リモコン71の中央部の操作しやすい場所に前記シーンボタン73が4個設けられている。このシーンボタン73にも、本体1に設けられたシーンボタン63と同様に、番号1〜4が付されている。
なお、前記シーンボタン63及びシーンボタン73の個数は4個に限られることはなく、任意の個数とすることができる。
【0017】
装置本体に設けられたシーンボタン63とリモコン71に設けられたシーンボタン73の対応する番号のシーンボタンには、同一のシーンデータが割り付けられており、シーンボタン63と73は同一の機能を実行するようにされている。
本発明のAV装置においては、あらかじめ複数のシーンテンプレートが前記ROM中に記憶されており、その中の最も使用頻度の高い4個のシーンテンプレートを前記4個のシーンボタンに割り付けて出荷されている。ユーザーは、前記4個のシーンボタンの中から自分の実現したい使用形態を選択する(シーン呼び出し)。
例えば、「DVDで映画を見たい」といった場合、そのシーンのシーンテンプレートが割り付けられている1つのシーンボタンを押すだけで、ゾーン設定、電源制御、入力選択、音場設定、ナイトリスニングモード設定、DVD再生といった、必要とされる一連の操作や設定の情報がそのシーンテンプレートから呼び出され、対応する操作や設定が実行される。
これにより、ユーザーは、装置を購入後すぐに代表的シーンを簡単に実現でき、購入後すぐに装置を使用することができる。
また、ユーザーが操作に慣れてきたり、時間が経つと、ユーザーはシーンボタンに割り付けられているシーンテンプレートを変更したいと思うようになる場合がある。このような場合に、ユーザーは前記シーンボタンに割り付けられているシーンテンプレートを変更することができる(簡単シーン割付)。
さらにユーザーが操作に慣れてくると、あらかじめ準備されているシーンテンプレートでは飽き足らず、自分好みのシーンデータを作成したいという要求がでてくる。このような場合、ユーザーはシーンテンプレートを元にカスタマイズして新たなシーンデータを作成し、シーンボタンに割り付けることができる(シーンカスタマイズ)。
【0018】
図4は、シーン呼び出し、簡単シーン割付及びシーンカスタマイズの各状態の遷移を示す図である。
前記シーンボタンが操作されないときは、シーン非呼び出し状態81にある。このとき、シーンボタンのLEDは消灯状態となっている。このシーン非呼び出し状態81においてシーンボタン63又は73のうちの目的のシーンのボタンが押されると、シーン呼び出し状態82に移行し、そのシーンのシーンデータが呼び出される。すなわち、前記制御部11はメモリからそのシーンデータの各種設定データや操作データを読み出し、対応する処理部に制御信号を供給する。
【0019】
図5は、前記シーンボタン63又は73が押されてシーン呼び出し状態82となった場合の表示部における表示の一例を示す図であり、(a)及び(c)は、テレビモニターが接続されており、操作時に該テレビモニターに表示されるオンスクリーン表示(OSD:on-screen display)又はGUIによる操作を行うときの該テレビモニターにおける(OSD/GUIでの)表示例、(b)及び(d)は本体表示部66における表示例を示す図である。
図5に示す例は、番号1が付されたシーンボタン63又は73が押されたときの表示例を示すもので、この例では、シーンボタン1には「Watch DVD Movie」という名前のシーンテンプレートが割り当てられている場合を示している。図示するようにシーンボタン1を操作すると、(a)で示すモニターの画面及び(b)で示す本体表示部66の画面に、シーンボタン1に割り当てられているシーンの名称「Watch DVD Movie」が表示される。なお、別の部屋に配置されたスピーカからも再生を行うマルチゾーンの設定がされているときには、(c)及び(d)に示すように、該シーンボタン1に割り付けられているゾーン2に対して割り当てられているシーンの名称(この例では、「Listen XM Music」)も、前記メインゾーンに対して割り当てられているシーンの名称と切り替えて表示される。
このように、この実施の形態のAV装置はマルチゾーン機能を有しており、各シーンボタンに異なるゾーンに対するシーンデータを割り付けることができるように構成されている。
なお、シーン呼び出し状態となってから所定時間経過した後には、前記OSD/GUIでの表示はされなくなるが、本体表示部66では前記(b)又は(d)のシーン名称は継続して表示されている。
【0020】
このように、本発明においては、シーンデータの名称が、「DVD入力」などといった呼び方でなく、「DVDで映画を見る」、「ハイファイディスクを聴く」、「ハイファイのCDを聴く」、「ラジオを聴く」など、実際のユーザーのユースケース、すなわち、ユーザーが実際に行いたいことを表す言葉(メディアとそれによって再生するコンテンツの内容に基づいた名前)とされている。したがって、シーンテンプレートを選択する場合にも、容易に選択することができる。
【0021】
このシーン呼び出し状態82において、呼び出されているシーンデータに関連する設定を変更する操作が行われたときには、前記シーン非呼び出し状態81に移行する。例えば、ユーザーにより入力切替スイッチが操作されて、呼び出されていたシーンデータとは異なる入力が選択されたときなどのように、シーンに関連する設定が変更されシーンからはずれた状態となったときには、シーン非呼び出し状態81となる。
【0022】
また、シーン呼び出し状態82となってからもシーンボタンが連続して押されており所定時間(例えば、10秒)経過すると、シーン変更状態83に移行する。すなわち、ユーザーが割り付けられているシーンを変更したいシーンボタンを長押しすると、シーン変更状態83に移行する。このとき、そのシーンボタンのLEDは点滅状態となる。この状態で、ユーザーは、本体表示部66、OSDあるいはGUIの表示とリモコンの右方向キー、左方向キーなどを使用して、そのシーンボタンに割り付けたいシーンテンプレートを選択する。なお、シーン変更の詳細については後述する。
そして、選択が終了したら、再度そのシーンボタンを押すことによってその変更を確定させ、シーン呼び出し状態82に戻る。また、所定時間(例えば、30秒)以上無操作の状態が続いたときには、前記シーン非呼び出し状態81に戻る。
【0023】
前記シーン変更状態83になった後、所定時間(例えば、10秒)以内に、リモコン71の特定のキー(例えば、DISPLAYキー)が押されたときには、シーン詳細カスタマイズモード84に移行する。このシーン詳細カスタマイズモード84において、元となるシーンテンプレートをカスタマイズして新たなシーンデータを作成してシーンボタンに割り付けることができる。なお、その詳細については後述する。
そして、詳細設定が終了した後、そのシーンボタンを再度押すか、メニューにて確定を選択することにより、前記シーン変更状態83に戻る。シーン変更状態83からシーン非呼び出し状態81及びシーン呼び出し状態82への移行については前述の通りである。
【0024】
以下、上述の各状態について詳細に説明する。
(シーン呼び出し)
図6は、本発明のAVレシーバ1を購入したときからセットアップを行い、ユーザーが所望の動作をさせるまで(簡単なセットアップ及び簡単操作)の流れを示すフローチャートである。
ユーザーは、本発明の製品を購入後、製品に付属している目的別簡易設定ガイドの中から最初にやりたいことに対応するものを見る(S1)。前記目的別簡易設定ガイドは、従来の厚い取り扱い説明書とは異なり、使用の態様別の1枚の説明書に、外部機器との接続や結線の方法と目的に対応したシーンボタンを押すことについての説明が記載されており、最後に前記シーンボタンを押した時点で目的を達成することができるようになっている。ここでは、DVDプレーヤーで映画を観賞することがユーザーのやりたいことであるとする。ユーザーは、ステップS1で、「DVDで映画を見る」と記載された簡易設定ガイドを選択する。他に、「CDを聴く」、「FMを聴く」、「TVを見る」などの頻度の高いユースケースについての簡易設定ガイドが準備されている。そして、これらに対応するシーンテンプレートがシーンボタン63及び73の各番号にあらかじめデフォルトで割り付けられている。
ユーザーは、該選択した簡易設定ガイドに従って、AVレシーバにスピーカを結線し(S2)、DVDプレーヤーの接続を行い(S3)、AVレシーバ及びDVDプレーヤーの電源プラグをコンセントに挿す(S4)。前記簡易設定ガイドには、DVDで映画をみるために必要な最低限の接続が記載されており、これにより、DVDコンテンツを再生するために必要な接続を行うことができる。
【0025】
次に、ユーザーは、DVDプレーヤーに観賞したいDVDディスクを入れ(S5)、前記簡易設定ガイドに従って、「DVDで映画を見る」というシーンテンプレートが割り付けられているシーンボタン63又は73(例えば、番号1が付されているシーンボタン)を押す(S6)。これにより、前記制御部11の制御により、「DVDで映画を見る」というシーンが実現される(S10)。
すなわち、前記制御部11は、AVレシーバの電源をオンとし(S11)、入力をDVDプレーヤーに切り替え(S12)、音場をMovie Theaterに切り替え(S13)、ナイトリスニングモードをCinemaに切り替える(S14)。そして、接続されているDVDプレーヤーが連携操作対応のプレーヤーであるときには、DVDプレーヤーの電源をオンとし(S15)、入力ソースの再生を開始させる(S16)。
このように、対応する1つのシーンボタンを押すのみで、DVDを視聴することができる状態になる。
【0026】
図7は、前記「DVDで映画を見る。」というシーンが実現されたときのAVレシーバ1の状態を示す図である。
この図及び以下の図において、ハッチングされている部分は、その機能が動作しない部分であり、信号は、太線のように流れる。また、楕円で囲まれたコメント部分の処理が、前記シーンボタンに対する1回の操作により、自動的に実現される部分である。すなわち、AVレシーバの電源を投入し、HDMI端子を使用して、DVD入力を選択し、再生モードをMovie Theater音場で、ナイトリスニングモードをオンとし、ビデオをHDMIでTVモニターに出力し、ボリュームを使いたい値に合わせ、映画用のスピーカから再生する。また、前記操作ボタン74は、DVDプレーヤーの操作を行う機能に設定される。
【0027】
このように、本発明によれば、シーンの実現に必要な選択及び設定がシーンボタンを選択するという1つの動作に応じて実行されるため、ユーザーが実現したい状態を実現するために、機能設定と記憶、操作など煩わしい設定や操作を全く行わなくても良い。
また、装置の機能を覚えなくても、シーンの条件に合致したメーカー推奨の最適設定で映画を視聴することが可能となる。
さらに、接続からシーン実現までの一連の流れを記載した簡易設定ガイドとすることで、簡単なセットアップから使える状態まで、最速で提供できる。オーソドックスな使い方をする場合には、分厚い取り扱い説明書を読む必要がなく、買ってきてから数分で映画を見ることができる。
【0028】
図8は、音楽CDを聴くという日常操作をシーンボタンを使用して行うときの流れを示すフローチャートである。なお、DVDプレーヤーにCDがセットされているものとする。
ユーザーが「CDを聴く(DVDプレーヤーを使ってCDを聴く)」というシーンのシーンテンプレートが割り付けられているシーンボタンを操作すると(S41)、「DVDプレーヤーを使ってCDを聴く」というシーンが実現される(S50)。すなわち、レシーバの電源をオンし(S51)、インプットをDVD(アナログ入力のDVD入力)に切り替え(S52)、映像回路の電源をオフとし(S53)、音場を2チャンネルステレオに設定し(S54)、ナイトリスニングモードをオフに設定し(S55)、音楽専用のスピーカ出力に切り替え(S56)、その他このシーンに適した内容に設定し(S57)、DVDプレーヤーが連携操作対応プレーヤーであるときには、DVDプレーヤーの電源をオンとし(S58)、ソースの再生操作を行う(S59)。
【0029】
図9は、「DVDプレーヤーでCDを聴く」というシーンが実現されたときのAVレシーバ1の内部接続状態を示す図である。なお、この図において、濃い色とされている機能部(チューナ14、ディジタルインターフェース部18及びディジタルビデオ信号処理部19)は、電源がオフとされる。このシーンのシーンボタンが操作されたときには、電源を入れ、DVDプレーヤーを使用し、アナログ入力を使用してDVD入力を選択し、再生モードをピュアダイレクトモードとし、ナイトリスニングモードをオフし、ビデオ部電源をオフし、アナログの最短経路でボリュームを使いたい値に合わせ、音楽用のスピーカから出力する。なお、ピュアダイレクトモードは、不必要な回路の電源をオフとし、極力何も処理を掛けない状態で素性のよい音楽を楽しむモードである。また、操作ボタン74の機能をDVDプレーヤーを操作する機能に設定される。
これにより、対応するシーンボタンを押すという簡単な操作で、高品質の音楽を楽しむことができる。
【0030】
図10は、「ゲームをする」というシーンのシーンテンプレートが割り付けられたシーンボタンが押されて、「ゲームをする」というシーンが実現されたときのAVレシーバ1の内部接続を示す図である。
この場合には、AVレシーバの電源を入れ、ゲーム機を使用し、ゲームメディアを入れ、ディジタル音声入力端子を使用してゲーム入力を選択し、再生モードをアクションゲーム音場とし、ビデオ信号をHDMIでTVモニターに出力し、ナイトリスニングモードをオフとし、ボリュームを使いたい値に合わせ、映画用のスピーカから再生する。
このように、ゲーム機を接続し、対応するシーンテンプレートが割り付けられているシーンボタンを押すだけで、ゲームをするときに最適な設定とすることができる。
【0031】
図11は、「別の部屋で、FMでいつもの番組を聴く」というシーンのシーンテンプレートが割り付けられたシーンボタンが押されて、そのシーンが実現されたときのAVレシーバ1の内部接続を示す図である。この図においては、前記図1において記載が省略されていた、別ゾーン用入力切替部44、別ゾーン用ボリューム調整及び経路切替部45、別ゾーン用パワーアンプ46、別ゾーン用リレー47及びキッチンなどの別の部屋に設置された別ゾーン用スピーカ57が記載されている。
この場合には、AVレシーバと内蔵チューナの電源を入れ、再生したいゾーンを選択し、チューナ入力を選択し、AM/FMを切り替え、放送局を選択し、別ゾーン用入力切替部でチューナ入力を選択し、別ゾーン用のボリュームを使いたい値に合わせ、別ゾーン用のスピーカから再生する。また、前記操作ボタン74中の上下方向の矢印キーの機能が選局を行うことができる機能に切り換えられる。
これにより、シーンボタンを押すだけで、別ゾーン用のスピーカからFM放送番組を再生させることができる。
なお、1つのシーンボタンに異なるゾーンに対応する複数のシーンデータを割り当てておき、該シーンボタンを選択することで該複数のシーンデータを呼び出すようにすることもできる。
【0032】
(簡単シーン割付)
次に、前記シーン変更状態83(図4)においてシーンボタン63及び73に対するシーンテンプレートの割付を変更する処理について説明する。前述のように、前記4個のシーンボタンにはあらかじめ最も使用頻度の高いシーンテンプレートが割り付けられているが、その中に希望のシーンのシーンテンプレートが含まれていないとき、装置中に用意されている豊富なシーンテンプレートの中から選択して、シーンボタンに割り付けるシーンテンプレートを変更することができる。
図12は、簡単シーン割付処理の流れを示すフローチャートである。
前述のように、割付を変更したいシーンボタンを長押しすることで、シーン変更状態83となる(S71)。
このとき、ユーザーは本体の入力選択スイッチ64、リモコンの操作ボタン74中の左右キーなどを操作することにより、AVレシーバ1内のROMに記憶されている数多くのシーンテンプレートの中から、そのシーンボタンに割り付けたいシーンテンプレートを選択することができる(S72)。
【0033】
図12中には、AV装置内に用意されているシーンテンプレートの一例が示されているが、これ以外にも数多くのシーンテンプレートが前記制御部11内のROM中に記憶されている。なお、ここで、「LAST STATION」は前回の値を使用することを示し、「SYSTEM」は現在の設定に従うことを示している。
このように、ユーザーのやりたいことに対応する数多くのシーンテンプレートが準備されているため、ユーザーは実現したいシーンを選択するだけで、シーンボタンへのシーンテンプレートの割り付けを行うことができる。また、大部分のユーザーは各種機能設定のカスタマイズを行う必要がなく、詳細設定や操作内容を知る必要がない。
最近では、DVDAudio、SACD、CD、DVDなどは一つのDVDプレーヤーで再生することができることが多く、このようにDVDの入力で4つのメディアを再生することができ、さらに、コンテンツも映画と音楽というように多種多様なコンテンツが或る中で、それぞれの場合にどのような音場再生状態を選択するかという問題があったが、本発明のように、種々の場合に応じた多くのシーンテンプレートを準備することにより、このような問題にも対応することができる。
そして、このように多くのシーンテンプレートの中から、所望のシーンテンプレートを選択したら、割付したいシーンボタンを再度押すことによりそのシーンボタンに希望のシーンテンプレートが割り付けられる(S73)。
【0034】
図13は、シーン変更状態におけるモニター画面のOSD又はGUIによる表示及び本体表示部66の表示の一例を示す図である。
シーンボタン(ここでは、シーン1のボタン)を長押ししてシーン変更状態83になると、TVモニターには、図13の(a)に示すように、シーンボタン1に割り付けられているシーンテンプレートの変更待ちであることを示す表示(「SCENE 1 renewal?」)と現在割り付けられているシーンテンプレートの名称(「Watch DVD Movie」)が表示される。また、図13の(b)に示すように、本体表示部66にも同様の表示が行われる。
この状態において、ユーザーがリモコン71の入力選択ボタン72(若しくは矢印キー)又は装置本体の入力選択スイッチ64を操作すると、あらかじめシステムに用意されているシーンテンプレートが順次呼び出されて、図13の(c)及び(d)に示すように、その名称が表示される。
このようにして選択されたシーンテンプレートが所望のシーンテンプレート(この例では、「Listen HiFi CD」であるとする。)であるときに、ユーザーが該当のシーンボタン(シーン1)を所定時間(例えば、5秒間)押すと、そのシーンボタンに選択されたシーンテンプレートを割り付ける情報を記憶部に記憶して変更を確定し、図13の(e)及び(f)に示すように、その旨を表示して、前記シーン呼び出し状態82に戻る。
【0035】
このように、多くのシーンテンプレートが記憶されているため、大部分のユーザーは、具体的なシーンテンプレートを選ぶだけで各種機能設定のカスタマイズを行う必要がない。すなわち、不必要な機能を知ることなく装置を使用目的に最適な設定で使用することができる。
また、シーンテンプレートは、やりたいことの実現目的(ユースケース)で構成されており、映像、音声再生入力の各入力ソースごとの多数のライブラリがある。実現目的でのシーン選択であるため、直感的に選択することができる。
また、各シーンテンプレートには、シーンごとに必要なパラメータをメーカーが適宜選定し、それらを設定し反映するようになされており、必要としない設定の変更や操作は行われないようになっている。
【0036】
(詳細なシーンカスタマイズ)
次に、前記シーンカスタマイズ状態84(図4)における詳細なシーンカスタマイズについて説明する。AV装置内に用意されているシーンテンプレートの中に好みのシーンのシーンテンプレートがなかったり、あるシーンテンプレート内の一部の設定を変更したい場合には、前記豊富に用意されているシーンテンプレートを元に編集することにより、ユーザー独自のシーンデータを作成し、シーンボタンに登録することができる。
図14は、詳細なシーンカスタマイズ処理の流れを示すフローチャートである。
前述のようにシーンボタンを長押ししてシーン変更状態83に移行し(S81)、リモコンの所定のキー(例えば、DISPLAYキー)を押すことでシーンカスタマイズ状態84となる(S82)。
このシーンカスタマイズ状態で、ユーザーは、前記リモコン71のキー等を使用して、カスタマイズの元となるシーンテンプレートを選択し、そのシーンに関連した詳細設定を行う(S83)。
具体的には、前記簡単シーン割付の場合と同様に、カスタマイズの元となるシーンテンプレートを選択し、各項目の設定内容を画面上に一覧表示する(S84)。このとき、カスタマイズする機能の大枠で、設定項目の有効、無効を選択する(S85)。すなわち、そのシーンに応じて、カスタマイズの対象となる項目とそうでない項目を決定し、カスタマイズの対象となる項目のみを一覧表示する。次に、ユーザーは、一覧表示された項目の中から、必要なもののみをカスタマイズし(S86)、必要のないパラメータは、マスキング(システム設定のまま維持、前値保持)する(S87)。このようにして、シーンの詳細設定を行った後、割り付けしたいシーンボタンを再度押すか、メニューにて確定を選択することにより、その内容を登録する(S88)。なお、登録については後述する。
【0037】
図15はシーンカスタマイズ状態におけるOSD又はGUIによるTVモニターの表示及び本体表示部66の表示の一例を示す図である。
前述のように、リモコンの所定のキー(この例では、DISPLAYキー)が押され、シーンカスタマイズ状態となったとき(S83)、前記モニター及び本体表示部66には、選択されているシーンテンプレートのデータが表示される。OSD又はGUIによるモニター画面には、図15の(a)及び(c)に示すように、そのシーンテンプレート(この例では、「Watch DVD Movie」)の設定項目が一覧表示される。この例では、2画面を使用して設定項目を表示している。また、本体表示部66には、図15の(b)及び(d)に示すように、そのシーンの設定項目が1項目ずつ表示され、リモコン71のキー操作により表示項目が切り替えられるようになっている。
【0038】
ユーザーは、該表示されている項目のうち変更したい項目を選択して、その内容を変更する。
例えば、図15の(a)又は(b)が表示されている状態で、リモコン17の所定のキー(例えば、Enterキー)が操作されると、変更対象項目が順次切り替えられる。
Enterキーの1回の操作でRENAME(名称変更)状態となり、元となるシーンテンプレートの名称「Watch DVD Movie」の先頭の文字「W」が点滅状態となる。そこで、左右キーで編集対象の文字位置を移動し、上下キーで文字を切り替えるなどして、所望のシーン名に変更することができる。
次のEnterキーの操作により、入力ソースが変更の対象となる。この状態で、左右キーを押すことにより、入力ソースをDVD/CD/DTV/FM/AM/DAB/XM/MULTI CHを選択することができる。
また、「AUDIO SELECT」(入力モードの切替)を変更するときには、左右キーの操作により、[SYSTEM]/AUTO/HDMI /ANALOG/DIGITALを選択することができる。なお、[]はデフォルト位置を示す。
【0039】
図15の(c)又は(d)に移り、「MODE」を変更するときは、左右キーの操作により、SYSTEM/[各音場]/STRAIGHT/PureDirect(DirectStereo)/Music Enhancerを選択することができる。
さらにまた、「SUR DECODE」を変更するときは、左右キーの操作により、[SYSTEM]/PL/PLIIMovie/PLIIMusic/Neo:6Cinema/Neo:6Music/Neural/(CSII)を選択することができる。
さらにまた、「EXTD SUR」を変更するときは、左右キーの操作により、[SYSTEM]/AUTO/ON/OFFを選択することができる。
さらにまた、「NIGHT」(ナイトリスニングモード)を変更するときは、左右キーの操作により、[SYSTEM]/OFF/LOW/MID/HIGHを選択することができる。
【0040】
そして、左右キーの操作により、SET又はCANCELを選択することができる。SETが選択されたときは、ユーザーにより変更された設定データが保存され、前記図13の(e)又は(f)と同様に、変更が完了した旨の表示がなされた後、前記シーン変更状態83に移行する。また、CANCELが選択されたときは、変更された設定データを保存することなく前記シーン変更状態83に戻る。なお、SETを選択する代わりに、該当するシーンボタンを所定時間(例えば、5秒間)以上押しても、SETを選択したときと同じ動作が行われる。
押されたシーンボタンが該当するシーンボタンでなかったときは、図15の(e)又は(f)に示すように、正しいシーンボタンを指示する警告表示が行われる。
【0041】
このように、元となるシーンテンプレートが呼び出された状態で可視化されている有効な項目から選択するようになされているため、修正必要項目が絞られており、分かりやすい。必要最低限の選択項目であるので、直感的に作業をすることができる。例えば、ラジオを聴きたいときに有効な機能と、DVDで映画を見たいときに有効な機能は同じではない。本発明のように、シーン別に切り分けることによって、その項目を可視化するか否かを選択することができ、不必要な項目をマスキングすることができる。
また、必要な項目が画面で一覧で表示されるので、設定全体の把握がしやすい。
さらに、設定項目は、現状の設定に従うという選択が可能で、不必要な項目の設定及び呼び出しをしなくても良い。
さらにまた、カスタマイズしたシーン名称を変更することができ、より分かりやすいシーン名を設定することができる。
なお、上記においては、シーンテンプレートを元にしてカスタマイズする場合について説明したが、シーンボタンに割り付けられているシーンデータがカスタマイズされたシーンデータである場合には、該シーンデータを元にさらにカスタマイズしたシーンデータを作成することととなる。
【0042】
図16は、システムで準備されているシーンテンプレートと、ユーザーによりカスタマイズされたシーンデータについて説明するための図である。
この図において、91は前記ROM中に設けられたシーンプリセットメモリ群であり、この中に、前述したように多数のシーンテンプレートが記憶されている。また、92は前記RAM中に設けられたシーンプリセットユーザーメモリであり、前記シーンカスタマイズによりカスタマイズされたシーンデータが記憶される。このシーンプリセットユーザーメモリ92には、シーン1〜シーン4の4個のユーザーによりカスタマイズされたシーンデータを格納する領域が設けられている。なお、シーンプリセットユーザーメモリ92に格納されるカスタマイズされたシーンデータの数は4個に限られることはなく、1以上の任意の個数とすることができる。
【0043】
前述のように、カスタマイズの元となるシーンテンプレートが選択されたとき、該シーンテンプレートは対応するシーンボタンに対応するユーザーメモリに読み出され、このデータが前述のように一覧表示されてカスタマイズが行われる。そして、カスタマイズされたシーンデータは、シーンプリセットユーザーメモリ92の対応するメモリに記憶される。
そして、前記4個のシーンボタンそれぞれに対して、前記シーンプリセットメモリ91に記憶されているシーンテンプレート又は前記シーンプリセットユーザーメモリ92のいずれかを対応付けるデータが、前記RAM中に格納される。ユーザーによりシーンボタンが押されたときにそのシーンボタンに紐付けられているシーンデータが前記シーンプリセットメモリ91又は前記シーンプリセットユーザーメモリ92から呼び出され、そのシーンデータに含まれている各設定情報や操作情報に基づいて前記制御部11が対応する設定や操作を行うこととなる。
なお、上記においては、前記シーンプリセットユーザーメモリ92はRAMであるとして説明したが、RAMに限らず、フラッシュメモリなど書き換え可能なメモリであればよい。
【0044】
上記においては、図4に示したように、シーン変更状態83とシーンカスタマイズ状態84を別の状態としていたが、シーン変更状態とシーンカスタマイズ状態を一緒にして、シーン変更及びカスタマイズ状態としてもよい。
すなわち、この実施の形態では、前記シーン呼出状態82から対象シーンボタンを所定時間以上押すことにより、シーン変更及びカスタマイズ状態に移行する。
図17は、シーン変更及びカスタマイズ状態となったときに表示されるOSD/GUI画面の一例を示す図である。
この図に示すように、シーン変更及びカスタマイズ状態におけるOSD/GUI画面は、そのシーンボタンに割り付けられているシーンデータの名称を表示する領域101と、そのシーンデータの各設定項目の内容を表示する領域102とからなっており、シーン変更及びカスタマイズ状態となったときに、そのシーンボタンに割り付けられているシーンデータの各設定項目の設定内容が一覧表示される。
【0045】
図示する状態では、シーン名称が変更対象となっており、ユーザーが前記リモコンの左右矢印キーを操作することにより、そのシーンボタンに割り付けるシーンデータを変更することができる。そして、所望のシーンデータを選択したときに、そのシーンボタンを押すことにより、シーンボタンに割り付けるシーンデータの変更を確定して、前記シーン呼出状態に移行することができる。
また、シーンデータをカスタマイズするときには、図17のようにシーン名称が変更対象となっている状態から、下向き矢印キーを操作することにより、領域102の設定項目が編集対象となる。そして、上下矢印キーにより編集したい設定項目を決定し、左右矢印キーを操作することにより、その設定内容を所望の内容に変更する。変更が終了したときに、そのシーンボタンを押すことにより、設定内容を確定し、該カスタマイズされたシーンデータをそのシーンボタンに割り付けて、前記シーン呼び出し状態に移行する。
このように、この実施の形態では、シーン呼出状態からシーン変更及びカスタマイズ状態に移行したときに、そのシーンボタンに割り付けられているシーンデータの各設定項目の内容が一覧表示される。また、シーンの変更及びカスタマイズもより簡単に行うことができる。
【0046】
なお、上述の説明においては、AVレシーバ1に設けられたシーンボタン63及びリモコン71に設けられたシーンボタン73を用いてシーンを選択するようにしていたが、操作ボタンや操作キーに限られることはなく、タッチパネルなどであってもよい。
また、リモコン71以外の外部操作機器からシーンを選択するようにしてもよい。例えば、前記AVレシーバ1がネットワークに接続する機能を有するものであるときには、該ネットワークに接続されたパソコンなどからウェブブラウザプログラムを用いてAVレシーバ1にアクセスし、ウェブブラウザの画面上でシーンを選択したり、その内容を編集したりすることもできる。
さらに、上述の実施の形態においては、AVレシーバであったが、本発明はAVアンプなど、複数の入力ソースが接続され、それぞれの入力信号に対して、複数種類の信号処理を施して出力する装置に同様に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明のAV装置の一実施の形態であるAVレシーバの全体構成を示すブロック図である。
【図2】AVレシーバの外観の一例を示す正面図である。
【図3】リモコンのキー配置の一例を示す図である。
【図4】シーン呼び出し、簡単シーン割付及びシーンカスタマイズの各状態の遷移を示す図である。
【図5】シーン呼び出し状態における表示の一例を示す図である。
【図6】本発明のAV装置を購入したときから、所望の動作をさせるまでの流れを示すフローチャートである。
【図7】「DVDで映画を見る。」というシーンが実現されたときのAVレシーバの状態を示す図である。
【図8】音楽CDを聴くという日常操作をシーンボタンを使用して行うときの流れを示すフローチャートである。
【図9】「DVDプレーヤーでCDを聴く」というシーンが実現されたときのAVレシーバの状態を示す図である。
【図10】「ゲームをする」というシーンが実現されたときのAVレシーバの状態を示す図である。
【図11】「別の部屋で、FMでいつもの番組を聴く」というシーンが実現されたときのAVレシーバの状態を示す図である。
【図12】簡単シーン割付処理の流れを示すフローチャートである。
【図13】シーン変更状態における表示の一例を示す図である。
【図14】シーンカスタマイズ処理の流れを示すフローチャートである。
【図15】シーンカスタマイズ状態における表示の一例を示す図である。
【図16】システムで準備されているシーンテンプレートとユーザーによりカスタマイズされたシーンテンプレートについて説明するための図である。
【図17】シーン変更及びカスタマイズ状態におけるOSD/GUI画面の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0048】
1:AVレシーバ、11:制御部、12:ユーザーインターフェース部、13:電源部、14:チューナ、15:アナログ音声信号処理部、16:パワーアンプ部、17:ディジタル音声信号処理部、18:ディジタルインターフェース部、19:ディジタルビデオ信号処理部、20:アナログビデオ信号処理部、21:アナログ音声入力端子、22:入力切替部、23:ボリューム調整及び経路切替部、24:A/D変換器(ADC)、25:D/A変換器(DAC)、26:パワーアンプ、27,28:リレー、29:ディジタル音声入力端子、30:ディジタル・オーディオ・インターフェース・レシーバ(DIR)、31:デコーダ、32:DSP部、33:HDMI端子、34:入力選択部、35:HDMIリピーター、36:トランスミッター、37:ディジタルビデオ処理及びGUI処理部、38:ビデオエンコーダ、39:ビデオデコーダ、40:アナログビデオ入出力端子、41:入力切替部、42,43:バッファアンプ、44:別ゾーン用入力切替部、45:別ゾーン用ボリューム調整及び経路切替部、46:別ゾーン用パワーアンプ、47:別ゾーン用リレー、51,52:スピーカ、53:DVDプレーヤ、54:記録メディア、55:テレビモニター、56:ゲーム機、61:スタンバイ/オンスイッチ、62:プログラム選択スイッチ、63:シーンボタン、64:入力選択スイッチ、65:ボリュームつまみ、66:本体表示部、71:リモコン、72:入力選択ボタン、73:シーンボタン、74:操作ボタン、91:シーンプリセットメモリー群、92:シーンプリセットユーザーメモリー、101:シーンデータの名称を表示する領域、102:シーンデータの各設定項目の内容を表示する領域
【技術分野】
【0001】
本発明は、AVアンプやAVレシーバ、ホームシアター向け商品などのAV装置に関する。
【背景技術】
【0002】
AVアンプやAVレシーバなどのホームシアター向けAV装置は、DVDプレーヤ、ディジタルTVチューナ、ケーブルTVチューナ、衛星放送チューナ、CDプレーヤ、レコードプレーヤ、DVDレコーダなどの各種再生機器や録音再生機器を接続して、1台で、DVD−Video、CD、DVD−Audio、SACD、Video−CDなど多数のメディアを再生することができるものであり、非常に多くの機能を有している。
従来、このような装置においては、入力端子(接続機器)を選択することをベースとする操作体系が用いられていた。すなわち、ユーザーは、AV装置を使用するときに、どの機械からの音(映像)を出すかを選択する操作(入力切替)を行い、選択した入力に見合う好みの音場効果を選択して使うという操作体系であった。
【0003】
また、使用頻度の高い設定値などを記憶しておき、瞬時に呼び出して設定するフェイバリット機能や、AV装置の各種設定や音場プログラムなどを保存し、あとで簡単に呼び出して使うシステムメモリー機能なども知られている。
特許文献1には、ユーザーがあらかじめ設定した機能やパラメータを1回のキー操作で呼び出すようにした機器制御方法が提案されている。
この提案されている機器制御方法によれば、リモコン送信機で操作した入力切換、サラウンドモード切換、グラフィックイコライザの周波数特性の調整、電子ボリウムの音量調整などの各設定内容を記憶し、所定のキー操作により該記憶内容を読み出して各パラメータを読み出された内容に設定することができる。
【特許文献1】特開2002−142278号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
AV装置には、分厚い取扱説明書が付属しているが、これは接続機器別に接続の説明が記載されているものであり、ユーザーの目的とする動作(例えば、DVDで映画を観る)のために必要な設定や操作に関する説明は、別々な場所に断片的に記載されているものであった。
したがって、ユーザーがAV装置を購入してからAV装置に目的の動作をさせるところに行き着くまでには、取扱い説明書での断片的な説明と、AV機器が有する機能の多さで、頭を抱えてしまい、やりたいことの実現に時間がかかったりしていた。また、元に戻すのが大変なため容易く触れることができず、家族のだれでもが使うことができるというものではなかった。
【0005】
また、上述したフェイバリット機能は、ある特定の機能や設定値、チャンネル、局などの断片的な記憶であり、全体のシステムで考えるとやりたいことの実現目的達成に直結するものではなかった。
一方、システムメモリー機能は、逆に、全システム設定状態を記憶するので、必要とする記憶容量が大きいものであった。また、ユーザーごとに希望するメモリー内容が異なり、余計な(替えてほしくない)部分までメモリーし、リコールしてしまうこととなる。メモリーしてほしい内容、してほしくない内容がユーザーごとに異なり、それをくみ取ることができないという問題があった。別途、編集メニューを用意して編集させるものも、内容、全項目のなかから必要なものを選択して編集せざるを得ず、知識のある人のみが設定できる内容で、知識の乏しい人にはしきいが高いものであった。
上記提案されている方法によれば、簡単なキー操作で、複数の選択項目やパラメータを一度に設定することができるが、上述したフェイバリット機能やシステムメモリー機能と同様に、最初に何らかの好みによる設定及び機能選択を行ってから、それらを記憶する必要があり、それらを設定、選択する知識が必要とされた。
【0006】
そこで本発明は、詳しい人が全てを設定してからその設定を記憶し、それを呼び出すというものでなく、装置に詳しくない人でも、装置を購入してすぐに簡単な操作で目的の動作をさせることができるAV装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明のAV装置は、複数の入力機器を接続することができ、該複数の入力機器から入力される複数種類の入力信号に対して所定の信号処理を実行して複数の出力機器に出力することができるAV装置であって、該AV装置を使用して実行させる動作ごとに、該動作を実現するために必要とされる該AV装置における各種設定及び操作に関する情報がパッケージ化された組合せ情報が複数記憶されている組合せ情報記憶部と、前記組合せ情報記憶部に記憶されている組合せ情報が呼び出されるように割り付けられた操作子と、前記操作子を押下することにより、該操作子に割り付けられた組合せ情報に基づいて、対応する制御情報を、入力選択部、信号処理部、出力切替部などに供給する制御部と、前記操作子を所定時間より長く押下することにより、該操作子に割り付けられている前記組合せ情報を変更する手段とを有するものである。
また、前記組合せ情報は、前記AV装置の内部機能の制御情報と、前記AV装置に接続された入力機器を制御する制御情報とを含むものである。
【発明の効果】
【0008】
このような本発明のAV装置によれば、良く使われるシーン(ユーザーからみた使い方)に必要な各種設定及び操作に関する情報がパッケージ化されて提供されており、これを選択するのみで実現目的(シーン)を直観的に実現することができる。
シーンにて必要な設定内容はあらかじめ吟味されているため、最適な条件でシーンを実現することができるので、ユーザーが使用する前に、取り扱い説明書を見ながら難しい設定や操作を覚えたりする必要がない。
また、アクセス性の良いボタンなどの操作子に、一般的に使用頻度の高いシーンの組合せ情報をあらかじめ割り当てておくことにより、購入後すぐに代表的シーンが簡単に実現できる。
例えば、「DVDで映画を見たい」といった場合、1つのボタンを押すだけで、ゾーンの設定、電源投入、入力選択、音場設定、ナイトリスニングモードの設定、DVD再生といった必要な一連の操作や設定が、呼び出された組合せ情報に基づいて実行される。
さらに、操作子に割り付けられている組合せ情報を容易に変更することができるため、日常のシーンに対応する組合せ情報をアクセス性の高い操作子に割り当てておくことにより、日常の操作シーンを確実に、かつ、簡単に再現することができる。
さらにまた、操作子に自分の好みの設定をカスタマイズして登録しておけば、ワンボタンで、前回自分が気に入って使っている設定を呼び出して使うことができる。このとき、元となる組合せ情報(シーンテンプレート)を基にカスタマイズすることにより、ユーザーの希望を事前に汲み取ることとなり、設定パラメータを減らし、必要最低限に絞られた形でカスタマイズが可能で、知識のない人でも違和感なくカスタマイズすることができる。
さらに、シーンテンプレートに基づいて作成したユーザー独自の組合せ情報(シーンデータ)を記憶部に記憶するようにしているので、必要とされるRAM容量が少なくて済むので、安価なマイクロコンピュータを使用することができ、コストダウンを図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
まず、本発明における用語について説明する。
本発明において、「シーン」とは、ユーザーから見たAV装置の使い方、すなわち、AV装置を使用してユーザーが実現したいこと(CDを聴く、DVDで映画を見るなど)をいう。
また、「シーンデータ」とは、シーンを実現するための各種設定(必要な設定、必要な操作、必要な外部機器との連携)をまとめてパッケージ化した情報(組合せ情報)をいう。ここで、必要な設定とは、例えば、音場設定、ナイトリスニングモード(時間帯によって、大きな音をださないようにするための機能)の設定、サラウンドモードの設定などであり、必要な操作とは、電源投入、ゾーンの切替、ボリュームの調整、入力ソースの選択、オーディオセレクト(入力モード)の切替、ミュートの解除などであり、必要な外部機器との連携とは、連携操作対応DVDプレーヤーなどの電源制御、DVDの再生などである。
さらに、「シーンテンプレート」は、あらかじめシステムに準備されている「シーンデータ」である。ユーザーは、このシーンテンプレートを元にカスタマイズすることにより独自のシーンデータを作成することができる。
【0010】
本発明は、AVアンプやホームシアター向け商品などの各種AV装置に適用することができるが、ここでは、AVレシーバに適用した実施の形態について説明する。
図1は、本発明の一実施の形態であるAVレシーバ1の全体構成を示すブロック図である。
この図において、11はこのAVレシーバ全体の制御を行う制御部、12は表示部、操作部及びリモコン受光部などからなるユーザーインターフェース部、13は電源部、14はAM放送やFM放送を受信するチューナである。前記制御部11には、CPU、制御プログラムや複数のシーンテンプレートなどのデータが格納されたROM、及び、ユーザーによりカスタマイズされたシーンデータや各種データが記憶されるRAMが含まれている。
15は、アナログ音声入力端子21、入力切替部22、ボリューム調整及び経路切替部23を備え、ディジタル音声信号処理部17との間にA/D変換器(ADC)24及びD/A変換器(DAC)25が設けられたアナログ音声信号処理部である。前記入力切替部22は、前記アナログ音声入力端子21及び前記チューナ14からの入力信号を前記ボリューム調整及び経路切替部23又はADC24に出力する。
16は、前記ボリューム調整及び経路切替部23からの出力を増幅するパワーアンプ26、前記パワーアンプ26の出力が入力されるリレーA27及びリレーB28を有するパワーアンプ部である。リレーA27及びリレーB28にはスピーカが接続される。
【0011】
17は、ディジタル音声入力端子29、該ディジタル音声入力端子29からの信号が入力されるディジタル・オーディオ・インターフェース・レシーバ(DIR)30、デコーダ31、音場付加、スピーカ調整及び環境補正などの処理を行うDSP部32を有するディジタル音声信号処理部である。前記デコーダ31は、前記ADC24、前記DIR30又は後述するHDMIリピータ35から入力されるマルチチャンネル信号をデコードして前記DSP部32に出力し、該DSP部32の出力は前記DAC25でアナログ信号に変換され、前記ボリューム調整及び経路切替部23に出力される。
18は、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)端子33、入力選択部34、HDMIリピーター35及びトランスミッター36を含むディジタルインターフェース部である。前記HDMI端子33から入力された信号は入力選択部34を介してHDMIリピータ35に入力され、ディジタルオーディオ信号は前記デコーダ31に出力され、ビデオ信号はトランスミッタ36を介してHDMI端子33からモニター装置などの外部機器に出力される。
【0012】
19は、ディジタルビデオ処理及びGUI処理部37、ビデオエンコーダ38及びビデオデコーダ39を含むディジタルビデオ信号処理部である。前記ディジタルビデオ処理及びGUI処理部37は前記HDMIリピータ35、前記トランスミッタ36、ビデオエンコーダ38及びビデオデコーダ39に接続されており、前記HDMIリピータ35又は前記ビデオデコーダ39からの入力信号に対して所定の処理を行い、前記HDMIリピータ35、トランスミッタ36又はビデオエンコーダ38に出力する。
20は、アナログビデオ入出力端子40、入力切替部41、バッファアンプ42及び43を有するアナログビデオ信号処理部である。前記アナログビデオ入力端子端子40の入力端子から入力されたビデオ信号は入力切替部41及びバッファアンプ42を介して前記ビデオデコーダ38に入力され、前記ビデオエンコーダ39の出力はバッファアンプ43を介してアナログビデオ入出力端子40の出力端子から外部機器に出力される。
なお、この図には記載していないが、キッチンなど別の部屋に設置されたスピーカから再生するための、別ゾーン用入力切替部、別ゾーン用ボリューム調整及び経路切り替え部、別ゾーン用パワーアンプ、別ゾーン用リレーも設けられており、別の部屋などにおいても再生を行うことができるようになされている。
【0013】
前記制御部11は、装置本体に設けられた操作部やリモコンなどの外部操作機器からの操作信号及び後述のように呼び出された組合せ情報(シーンテンプレートやシーンデータ)に含まれている設定情報に基づいて、前記各構成要素の制御を行う。
すなわち、制御部11は、前記ユーザーインターフェース部12に対して、操作制御、リモコン信号の受信及び表示制御を行い、電源部13に対しては、プロテクション制御、電源オン・オフ制御及びモード制御などを行う。
また、前記チューナ14の制御を行い、前記アナログ音声信号処理部15に対しては、前記入力切替部22の入力選択、前記ボリューム調整及び経路切替部の経路制御とボリューム制御を行う。
さらに、前記パワーアンプ部16に対しては、前記リレー27及び28のオン・オフ制御及びパワーアンプ26の出力制御の制御信号を供給する。
さらにまた、前記ディジタル音声信号処理部17に対しては、入力選択、経路制御、音声デコード制御、音場及び環境補正制御の各制御信号を供給し、前記ディジタルインターフェース部18と前記ディジタルビデオ信号処理部19に対しては、映像信号処理制御、入力切替、経路制御、GUIメニュー制御及びHDMI制御のための各制御信号を出力する。
さらにまた、前記アナログビデオ信号処理部20に対しては、入力選択と経路制御を行う制御信号を供給する。
【0014】
また、このような構成を有するAVレシーバ1には、スピーカ、DVDプレーヤー、CDプレーヤー、DVDレコーダー、ディジタルTVチューナ、ケーブルTVチューナ、ゲーム機などの各種外部機器が接続される。
この図に示した例では、前記アナログ音声入力端子21及びHDMI端子33にはCDやDVDなどの記録メディア54を再生するDVDプレーヤ53の出力が接続されている。
また、前記HDMI端子33にはテレビモニター55がされており、前記前記ディジタル音声入力端子29及びアナログビデオ入力端子40にはゲーム機56の出力が接続されている。
そして、前記パワーアンプ部16の第1のリレーA27に例えば音楽観賞用の第1のスピーカ出力A51が接続されており、前記第2のリレーB28には映画観賞用の第2のスピーカ出力B52が接続されている。
【0015】
図2は、前記AVレシーバ1の外観の一例を示す正面図である。
この図において、61は電源のオン(入)/スタンバイ(待機)を切り換えるためのスタンバイ/オンスイッチ、62は音場プログラムを選択するためのプログラム選択スイッチ、63はシーンデータが割り付けられているシーンボタン、64は再生する入力ソースを選択するための入力選択スイッチ、65はボリュームつまみ、66は本体表示部である。なお、スタンバイ状態のときには、前記CPUとリモコン受光部には電源が供給されるようになされている。
この図に示すように、この例では、4個のシーンボタン63がAVレシーバ1の正面のアクセス性の良い場所に設けられている。各シーンボタンには、それぞれに対応する番号1〜4が付されているとともにLEDが内蔵されており、そのシーンボタンが操作されたときなどに内蔵されているLEDを点灯させることにより、そのシーンボタンの番号(1〜4)が光って見えるように構成されている。
これらの各種ボタンは、図1におけるユーザーインターフェース部12に属するものであり、各ボタンからの信号は、前記制御部11に入力され、ユーザー操作に対応する制御を行うための制御信号が制御部11からそれぞれ対応する構成要素に出力されることとなる。
【0016】
図3は、リモコン71のキー配置の一例を示す図である。
この図において、72は入力選択を行うための入力選択ボタン(DVD、CDなどと記入されている)、73は前記シーンボタン63と同様のシーンボタン、74は入力機器を操作するための操作ボタン(矢印キー、PLAY、SKIPなど)である。なお、操作ボタン74の機能は、選択されたシーンデータに応じて設定される。
この図に示すように、リモコン71の中央部の操作しやすい場所に前記シーンボタン73が4個設けられている。このシーンボタン73にも、本体1に設けられたシーンボタン63と同様に、番号1〜4が付されている。
なお、前記シーンボタン63及びシーンボタン73の個数は4個に限られることはなく、任意の個数とすることができる。
【0017】
装置本体に設けられたシーンボタン63とリモコン71に設けられたシーンボタン73の対応する番号のシーンボタンには、同一のシーンデータが割り付けられており、シーンボタン63と73は同一の機能を実行するようにされている。
本発明のAV装置においては、あらかじめ複数のシーンテンプレートが前記ROM中に記憶されており、その中の最も使用頻度の高い4個のシーンテンプレートを前記4個のシーンボタンに割り付けて出荷されている。ユーザーは、前記4個のシーンボタンの中から自分の実現したい使用形態を選択する(シーン呼び出し)。
例えば、「DVDで映画を見たい」といった場合、そのシーンのシーンテンプレートが割り付けられている1つのシーンボタンを押すだけで、ゾーン設定、電源制御、入力選択、音場設定、ナイトリスニングモード設定、DVD再生といった、必要とされる一連の操作や設定の情報がそのシーンテンプレートから呼び出され、対応する操作や設定が実行される。
これにより、ユーザーは、装置を購入後すぐに代表的シーンを簡単に実現でき、購入後すぐに装置を使用することができる。
また、ユーザーが操作に慣れてきたり、時間が経つと、ユーザーはシーンボタンに割り付けられているシーンテンプレートを変更したいと思うようになる場合がある。このような場合に、ユーザーは前記シーンボタンに割り付けられているシーンテンプレートを変更することができる(簡単シーン割付)。
さらにユーザーが操作に慣れてくると、あらかじめ準備されているシーンテンプレートでは飽き足らず、自分好みのシーンデータを作成したいという要求がでてくる。このような場合、ユーザーはシーンテンプレートを元にカスタマイズして新たなシーンデータを作成し、シーンボタンに割り付けることができる(シーンカスタマイズ)。
【0018】
図4は、シーン呼び出し、簡単シーン割付及びシーンカスタマイズの各状態の遷移を示す図である。
前記シーンボタンが操作されないときは、シーン非呼び出し状態81にある。このとき、シーンボタンのLEDは消灯状態となっている。このシーン非呼び出し状態81においてシーンボタン63又は73のうちの目的のシーンのボタンが押されると、シーン呼び出し状態82に移行し、そのシーンのシーンデータが呼び出される。すなわち、前記制御部11はメモリからそのシーンデータの各種設定データや操作データを読み出し、対応する処理部に制御信号を供給する。
【0019】
図5は、前記シーンボタン63又は73が押されてシーン呼び出し状態82となった場合の表示部における表示の一例を示す図であり、(a)及び(c)は、テレビモニターが接続されており、操作時に該テレビモニターに表示されるオンスクリーン表示(OSD:on-screen display)又はGUIによる操作を行うときの該テレビモニターにおける(OSD/GUIでの)表示例、(b)及び(d)は本体表示部66における表示例を示す図である。
図5に示す例は、番号1が付されたシーンボタン63又は73が押されたときの表示例を示すもので、この例では、シーンボタン1には「Watch DVD Movie」という名前のシーンテンプレートが割り当てられている場合を示している。図示するようにシーンボタン1を操作すると、(a)で示すモニターの画面及び(b)で示す本体表示部66の画面に、シーンボタン1に割り当てられているシーンの名称「Watch DVD Movie」が表示される。なお、別の部屋に配置されたスピーカからも再生を行うマルチゾーンの設定がされているときには、(c)及び(d)に示すように、該シーンボタン1に割り付けられているゾーン2に対して割り当てられているシーンの名称(この例では、「Listen XM Music」)も、前記メインゾーンに対して割り当てられているシーンの名称と切り替えて表示される。
このように、この実施の形態のAV装置はマルチゾーン機能を有しており、各シーンボタンに異なるゾーンに対するシーンデータを割り付けることができるように構成されている。
なお、シーン呼び出し状態となってから所定時間経過した後には、前記OSD/GUIでの表示はされなくなるが、本体表示部66では前記(b)又は(d)のシーン名称は継続して表示されている。
【0020】
このように、本発明においては、シーンデータの名称が、「DVD入力」などといった呼び方でなく、「DVDで映画を見る」、「ハイファイディスクを聴く」、「ハイファイのCDを聴く」、「ラジオを聴く」など、実際のユーザーのユースケース、すなわち、ユーザーが実際に行いたいことを表す言葉(メディアとそれによって再生するコンテンツの内容に基づいた名前)とされている。したがって、シーンテンプレートを選択する場合にも、容易に選択することができる。
【0021】
このシーン呼び出し状態82において、呼び出されているシーンデータに関連する設定を変更する操作が行われたときには、前記シーン非呼び出し状態81に移行する。例えば、ユーザーにより入力切替スイッチが操作されて、呼び出されていたシーンデータとは異なる入力が選択されたときなどのように、シーンに関連する設定が変更されシーンからはずれた状態となったときには、シーン非呼び出し状態81となる。
【0022】
また、シーン呼び出し状態82となってからもシーンボタンが連続して押されており所定時間(例えば、10秒)経過すると、シーン変更状態83に移行する。すなわち、ユーザーが割り付けられているシーンを変更したいシーンボタンを長押しすると、シーン変更状態83に移行する。このとき、そのシーンボタンのLEDは点滅状態となる。この状態で、ユーザーは、本体表示部66、OSDあるいはGUIの表示とリモコンの右方向キー、左方向キーなどを使用して、そのシーンボタンに割り付けたいシーンテンプレートを選択する。なお、シーン変更の詳細については後述する。
そして、選択が終了したら、再度そのシーンボタンを押すことによってその変更を確定させ、シーン呼び出し状態82に戻る。また、所定時間(例えば、30秒)以上無操作の状態が続いたときには、前記シーン非呼び出し状態81に戻る。
【0023】
前記シーン変更状態83になった後、所定時間(例えば、10秒)以内に、リモコン71の特定のキー(例えば、DISPLAYキー)が押されたときには、シーン詳細カスタマイズモード84に移行する。このシーン詳細カスタマイズモード84において、元となるシーンテンプレートをカスタマイズして新たなシーンデータを作成してシーンボタンに割り付けることができる。なお、その詳細については後述する。
そして、詳細設定が終了した後、そのシーンボタンを再度押すか、メニューにて確定を選択することにより、前記シーン変更状態83に戻る。シーン変更状態83からシーン非呼び出し状態81及びシーン呼び出し状態82への移行については前述の通りである。
【0024】
以下、上述の各状態について詳細に説明する。
(シーン呼び出し)
図6は、本発明のAVレシーバ1を購入したときからセットアップを行い、ユーザーが所望の動作をさせるまで(簡単なセットアップ及び簡単操作)の流れを示すフローチャートである。
ユーザーは、本発明の製品を購入後、製品に付属している目的別簡易設定ガイドの中から最初にやりたいことに対応するものを見る(S1)。前記目的別簡易設定ガイドは、従来の厚い取り扱い説明書とは異なり、使用の態様別の1枚の説明書に、外部機器との接続や結線の方法と目的に対応したシーンボタンを押すことについての説明が記載されており、最後に前記シーンボタンを押した時点で目的を達成することができるようになっている。ここでは、DVDプレーヤーで映画を観賞することがユーザーのやりたいことであるとする。ユーザーは、ステップS1で、「DVDで映画を見る」と記載された簡易設定ガイドを選択する。他に、「CDを聴く」、「FMを聴く」、「TVを見る」などの頻度の高いユースケースについての簡易設定ガイドが準備されている。そして、これらに対応するシーンテンプレートがシーンボタン63及び73の各番号にあらかじめデフォルトで割り付けられている。
ユーザーは、該選択した簡易設定ガイドに従って、AVレシーバにスピーカを結線し(S2)、DVDプレーヤーの接続を行い(S3)、AVレシーバ及びDVDプレーヤーの電源プラグをコンセントに挿す(S4)。前記簡易設定ガイドには、DVDで映画をみるために必要な最低限の接続が記載されており、これにより、DVDコンテンツを再生するために必要な接続を行うことができる。
【0025】
次に、ユーザーは、DVDプレーヤーに観賞したいDVDディスクを入れ(S5)、前記簡易設定ガイドに従って、「DVDで映画を見る」というシーンテンプレートが割り付けられているシーンボタン63又は73(例えば、番号1が付されているシーンボタン)を押す(S6)。これにより、前記制御部11の制御により、「DVDで映画を見る」というシーンが実現される(S10)。
すなわち、前記制御部11は、AVレシーバの電源をオンとし(S11)、入力をDVDプレーヤーに切り替え(S12)、音場をMovie Theaterに切り替え(S13)、ナイトリスニングモードをCinemaに切り替える(S14)。そして、接続されているDVDプレーヤーが連携操作対応のプレーヤーであるときには、DVDプレーヤーの電源をオンとし(S15)、入力ソースの再生を開始させる(S16)。
このように、対応する1つのシーンボタンを押すのみで、DVDを視聴することができる状態になる。
【0026】
図7は、前記「DVDで映画を見る。」というシーンが実現されたときのAVレシーバ1の状態を示す図である。
この図及び以下の図において、ハッチングされている部分は、その機能が動作しない部分であり、信号は、太線のように流れる。また、楕円で囲まれたコメント部分の処理が、前記シーンボタンに対する1回の操作により、自動的に実現される部分である。すなわち、AVレシーバの電源を投入し、HDMI端子を使用して、DVD入力を選択し、再生モードをMovie Theater音場で、ナイトリスニングモードをオンとし、ビデオをHDMIでTVモニターに出力し、ボリュームを使いたい値に合わせ、映画用のスピーカから再生する。また、前記操作ボタン74は、DVDプレーヤーの操作を行う機能に設定される。
【0027】
このように、本発明によれば、シーンの実現に必要な選択及び設定がシーンボタンを選択するという1つの動作に応じて実行されるため、ユーザーが実現したい状態を実現するために、機能設定と記憶、操作など煩わしい設定や操作を全く行わなくても良い。
また、装置の機能を覚えなくても、シーンの条件に合致したメーカー推奨の最適設定で映画を視聴することが可能となる。
さらに、接続からシーン実現までの一連の流れを記載した簡易設定ガイドとすることで、簡単なセットアップから使える状態まで、最速で提供できる。オーソドックスな使い方をする場合には、分厚い取り扱い説明書を読む必要がなく、買ってきてから数分で映画を見ることができる。
【0028】
図8は、音楽CDを聴くという日常操作をシーンボタンを使用して行うときの流れを示すフローチャートである。なお、DVDプレーヤーにCDがセットされているものとする。
ユーザーが「CDを聴く(DVDプレーヤーを使ってCDを聴く)」というシーンのシーンテンプレートが割り付けられているシーンボタンを操作すると(S41)、「DVDプレーヤーを使ってCDを聴く」というシーンが実現される(S50)。すなわち、レシーバの電源をオンし(S51)、インプットをDVD(アナログ入力のDVD入力)に切り替え(S52)、映像回路の電源をオフとし(S53)、音場を2チャンネルステレオに設定し(S54)、ナイトリスニングモードをオフに設定し(S55)、音楽専用のスピーカ出力に切り替え(S56)、その他このシーンに適した内容に設定し(S57)、DVDプレーヤーが連携操作対応プレーヤーであるときには、DVDプレーヤーの電源をオンとし(S58)、ソースの再生操作を行う(S59)。
【0029】
図9は、「DVDプレーヤーでCDを聴く」というシーンが実現されたときのAVレシーバ1の内部接続状態を示す図である。なお、この図において、濃い色とされている機能部(チューナ14、ディジタルインターフェース部18及びディジタルビデオ信号処理部19)は、電源がオフとされる。このシーンのシーンボタンが操作されたときには、電源を入れ、DVDプレーヤーを使用し、アナログ入力を使用してDVD入力を選択し、再生モードをピュアダイレクトモードとし、ナイトリスニングモードをオフし、ビデオ部電源をオフし、アナログの最短経路でボリュームを使いたい値に合わせ、音楽用のスピーカから出力する。なお、ピュアダイレクトモードは、不必要な回路の電源をオフとし、極力何も処理を掛けない状態で素性のよい音楽を楽しむモードである。また、操作ボタン74の機能をDVDプレーヤーを操作する機能に設定される。
これにより、対応するシーンボタンを押すという簡単な操作で、高品質の音楽を楽しむことができる。
【0030】
図10は、「ゲームをする」というシーンのシーンテンプレートが割り付けられたシーンボタンが押されて、「ゲームをする」というシーンが実現されたときのAVレシーバ1の内部接続を示す図である。
この場合には、AVレシーバの電源を入れ、ゲーム機を使用し、ゲームメディアを入れ、ディジタル音声入力端子を使用してゲーム入力を選択し、再生モードをアクションゲーム音場とし、ビデオ信号をHDMIでTVモニターに出力し、ナイトリスニングモードをオフとし、ボリュームを使いたい値に合わせ、映画用のスピーカから再生する。
このように、ゲーム機を接続し、対応するシーンテンプレートが割り付けられているシーンボタンを押すだけで、ゲームをするときに最適な設定とすることができる。
【0031】
図11は、「別の部屋で、FMでいつもの番組を聴く」というシーンのシーンテンプレートが割り付けられたシーンボタンが押されて、そのシーンが実現されたときのAVレシーバ1の内部接続を示す図である。この図においては、前記図1において記載が省略されていた、別ゾーン用入力切替部44、別ゾーン用ボリューム調整及び経路切替部45、別ゾーン用パワーアンプ46、別ゾーン用リレー47及びキッチンなどの別の部屋に設置された別ゾーン用スピーカ57が記載されている。
この場合には、AVレシーバと内蔵チューナの電源を入れ、再生したいゾーンを選択し、チューナ入力を選択し、AM/FMを切り替え、放送局を選択し、別ゾーン用入力切替部でチューナ入力を選択し、別ゾーン用のボリュームを使いたい値に合わせ、別ゾーン用のスピーカから再生する。また、前記操作ボタン74中の上下方向の矢印キーの機能が選局を行うことができる機能に切り換えられる。
これにより、シーンボタンを押すだけで、別ゾーン用のスピーカからFM放送番組を再生させることができる。
なお、1つのシーンボタンに異なるゾーンに対応する複数のシーンデータを割り当てておき、該シーンボタンを選択することで該複数のシーンデータを呼び出すようにすることもできる。
【0032】
(簡単シーン割付)
次に、前記シーン変更状態83(図4)においてシーンボタン63及び73に対するシーンテンプレートの割付を変更する処理について説明する。前述のように、前記4個のシーンボタンにはあらかじめ最も使用頻度の高いシーンテンプレートが割り付けられているが、その中に希望のシーンのシーンテンプレートが含まれていないとき、装置中に用意されている豊富なシーンテンプレートの中から選択して、シーンボタンに割り付けるシーンテンプレートを変更することができる。
図12は、簡単シーン割付処理の流れを示すフローチャートである。
前述のように、割付を変更したいシーンボタンを長押しすることで、シーン変更状態83となる(S71)。
このとき、ユーザーは本体の入力選択スイッチ64、リモコンの操作ボタン74中の左右キーなどを操作することにより、AVレシーバ1内のROMに記憶されている数多くのシーンテンプレートの中から、そのシーンボタンに割り付けたいシーンテンプレートを選択することができる(S72)。
【0033】
図12中には、AV装置内に用意されているシーンテンプレートの一例が示されているが、これ以外にも数多くのシーンテンプレートが前記制御部11内のROM中に記憶されている。なお、ここで、「LAST STATION」は前回の値を使用することを示し、「SYSTEM」は現在の設定に従うことを示している。
このように、ユーザーのやりたいことに対応する数多くのシーンテンプレートが準備されているため、ユーザーは実現したいシーンを選択するだけで、シーンボタンへのシーンテンプレートの割り付けを行うことができる。また、大部分のユーザーは各種機能設定のカスタマイズを行う必要がなく、詳細設定や操作内容を知る必要がない。
最近では、DVDAudio、SACD、CD、DVDなどは一つのDVDプレーヤーで再生することができることが多く、このようにDVDの入力で4つのメディアを再生することができ、さらに、コンテンツも映画と音楽というように多種多様なコンテンツが或る中で、それぞれの場合にどのような音場再生状態を選択するかという問題があったが、本発明のように、種々の場合に応じた多くのシーンテンプレートを準備することにより、このような問題にも対応することができる。
そして、このように多くのシーンテンプレートの中から、所望のシーンテンプレートを選択したら、割付したいシーンボタンを再度押すことによりそのシーンボタンに希望のシーンテンプレートが割り付けられる(S73)。
【0034】
図13は、シーン変更状態におけるモニター画面のOSD又はGUIによる表示及び本体表示部66の表示の一例を示す図である。
シーンボタン(ここでは、シーン1のボタン)を長押ししてシーン変更状態83になると、TVモニターには、図13の(a)に示すように、シーンボタン1に割り付けられているシーンテンプレートの変更待ちであることを示す表示(「SCENE 1 renewal?」)と現在割り付けられているシーンテンプレートの名称(「Watch DVD Movie」)が表示される。また、図13の(b)に示すように、本体表示部66にも同様の表示が行われる。
この状態において、ユーザーがリモコン71の入力選択ボタン72(若しくは矢印キー)又は装置本体の入力選択スイッチ64を操作すると、あらかじめシステムに用意されているシーンテンプレートが順次呼び出されて、図13の(c)及び(d)に示すように、その名称が表示される。
このようにして選択されたシーンテンプレートが所望のシーンテンプレート(この例では、「Listen HiFi CD」であるとする。)であるときに、ユーザーが該当のシーンボタン(シーン1)を所定時間(例えば、5秒間)押すと、そのシーンボタンに選択されたシーンテンプレートを割り付ける情報を記憶部に記憶して変更を確定し、図13の(e)及び(f)に示すように、その旨を表示して、前記シーン呼び出し状態82に戻る。
【0035】
このように、多くのシーンテンプレートが記憶されているため、大部分のユーザーは、具体的なシーンテンプレートを選ぶだけで各種機能設定のカスタマイズを行う必要がない。すなわち、不必要な機能を知ることなく装置を使用目的に最適な設定で使用することができる。
また、シーンテンプレートは、やりたいことの実現目的(ユースケース)で構成されており、映像、音声再生入力の各入力ソースごとの多数のライブラリがある。実現目的でのシーン選択であるため、直感的に選択することができる。
また、各シーンテンプレートには、シーンごとに必要なパラメータをメーカーが適宜選定し、それらを設定し反映するようになされており、必要としない設定の変更や操作は行われないようになっている。
【0036】
(詳細なシーンカスタマイズ)
次に、前記シーンカスタマイズ状態84(図4)における詳細なシーンカスタマイズについて説明する。AV装置内に用意されているシーンテンプレートの中に好みのシーンのシーンテンプレートがなかったり、あるシーンテンプレート内の一部の設定を変更したい場合には、前記豊富に用意されているシーンテンプレートを元に編集することにより、ユーザー独自のシーンデータを作成し、シーンボタンに登録することができる。
図14は、詳細なシーンカスタマイズ処理の流れを示すフローチャートである。
前述のようにシーンボタンを長押ししてシーン変更状態83に移行し(S81)、リモコンの所定のキー(例えば、DISPLAYキー)を押すことでシーンカスタマイズ状態84となる(S82)。
このシーンカスタマイズ状態で、ユーザーは、前記リモコン71のキー等を使用して、カスタマイズの元となるシーンテンプレートを選択し、そのシーンに関連した詳細設定を行う(S83)。
具体的には、前記簡単シーン割付の場合と同様に、カスタマイズの元となるシーンテンプレートを選択し、各項目の設定内容を画面上に一覧表示する(S84)。このとき、カスタマイズする機能の大枠で、設定項目の有効、無効を選択する(S85)。すなわち、そのシーンに応じて、カスタマイズの対象となる項目とそうでない項目を決定し、カスタマイズの対象となる項目のみを一覧表示する。次に、ユーザーは、一覧表示された項目の中から、必要なもののみをカスタマイズし(S86)、必要のないパラメータは、マスキング(システム設定のまま維持、前値保持)する(S87)。このようにして、シーンの詳細設定を行った後、割り付けしたいシーンボタンを再度押すか、メニューにて確定を選択することにより、その内容を登録する(S88)。なお、登録については後述する。
【0037】
図15はシーンカスタマイズ状態におけるOSD又はGUIによるTVモニターの表示及び本体表示部66の表示の一例を示す図である。
前述のように、リモコンの所定のキー(この例では、DISPLAYキー)が押され、シーンカスタマイズ状態となったとき(S83)、前記モニター及び本体表示部66には、選択されているシーンテンプレートのデータが表示される。OSD又はGUIによるモニター画面には、図15の(a)及び(c)に示すように、そのシーンテンプレート(この例では、「Watch DVD Movie」)の設定項目が一覧表示される。この例では、2画面を使用して設定項目を表示している。また、本体表示部66には、図15の(b)及び(d)に示すように、そのシーンの設定項目が1項目ずつ表示され、リモコン71のキー操作により表示項目が切り替えられるようになっている。
【0038】
ユーザーは、該表示されている項目のうち変更したい項目を選択して、その内容を変更する。
例えば、図15の(a)又は(b)が表示されている状態で、リモコン17の所定のキー(例えば、Enterキー)が操作されると、変更対象項目が順次切り替えられる。
Enterキーの1回の操作でRENAME(名称変更)状態となり、元となるシーンテンプレートの名称「Watch DVD Movie」の先頭の文字「W」が点滅状態となる。そこで、左右キーで編集対象の文字位置を移動し、上下キーで文字を切り替えるなどして、所望のシーン名に変更することができる。
次のEnterキーの操作により、入力ソースが変更の対象となる。この状態で、左右キーを押すことにより、入力ソースをDVD/CD/DTV/FM/AM/DAB/XM/MULTI CHを選択することができる。
また、「AUDIO SELECT」(入力モードの切替)を変更するときには、左右キーの操作により、[SYSTEM]/AUTO/HDMI /ANALOG/DIGITALを選択することができる。なお、[]はデフォルト位置を示す。
【0039】
図15の(c)又は(d)に移り、「MODE」を変更するときは、左右キーの操作により、SYSTEM/[各音場]/STRAIGHT/PureDirect(DirectStereo)/Music Enhancerを選択することができる。
さらにまた、「SUR DECODE」を変更するときは、左右キーの操作により、[SYSTEM]/PL/PLIIMovie/PLIIMusic/Neo:6Cinema/Neo:6Music/Neural/(CSII)を選択することができる。
さらにまた、「EXTD SUR」を変更するときは、左右キーの操作により、[SYSTEM]/AUTO/ON/OFFを選択することができる。
さらにまた、「NIGHT」(ナイトリスニングモード)を変更するときは、左右キーの操作により、[SYSTEM]/OFF/LOW/MID/HIGHを選択することができる。
【0040】
そして、左右キーの操作により、SET又はCANCELを選択することができる。SETが選択されたときは、ユーザーにより変更された設定データが保存され、前記図13の(e)又は(f)と同様に、変更が完了した旨の表示がなされた後、前記シーン変更状態83に移行する。また、CANCELが選択されたときは、変更された設定データを保存することなく前記シーン変更状態83に戻る。なお、SETを選択する代わりに、該当するシーンボタンを所定時間(例えば、5秒間)以上押しても、SETを選択したときと同じ動作が行われる。
押されたシーンボタンが該当するシーンボタンでなかったときは、図15の(e)又は(f)に示すように、正しいシーンボタンを指示する警告表示が行われる。
【0041】
このように、元となるシーンテンプレートが呼び出された状態で可視化されている有効な項目から選択するようになされているため、修正必要項目が絞られており、分かりやすい。必要最低限の選択項目であるので、直感的に作業をすることができる。例えば、ラジオを聴きたいときに有効な機能と、DVDで映画を見たいときに有効な機能は同じではない。本発明のように、シーン別に切り分けることによって、その項目を可視化するか否かを選択することができ、不必要な項目をマスキングすることができる。
また、必要な項目が画面で一覧で表示されるので、設定全体の把握がしやすい。
さらに、設定項目は、現状の設定に従うという選択が可能で、不必要な項目の設定及び呼び出しをしなくても良い。
さらにまた、カスタマイズしたシーン名称を変更することができ、より分かりやすいシーン名を設定することができる。
なお、上記においては、シーンテンプレートを元にしてカスタマイズする場合について説明したが、シーンボタンに割り付けられているシーンデータがカスタマイズされたシーンデータである場合には、該シーンデータを元にさらにカスタマイズしたシーンデータを作成することととなる。
【0042】
図16は、システムで準備されているシーンテンプレートと、ユーザーによりカスタマイズされたシーンデータについて説明するための図である。
この図において、91は前記ROM中に設けられたシーンプリセットメモリ群であり、この中に、前述したように多数のシーンテンプレートが記憶されている。また、92は前記RAM中に設けられたシーンプリセットユーザーメモリであり、前記シーンカスタマイズによりカスタマイズされたシーンデータが記憶される。このシーンプリセットユーザーメモリ92には、シーン1〜シーン4の4個のユーザーによりカスタマイズされたシーンデータを格納する領域が設けられている。なお、シーンプリセットユーザーメモリ92に格納されるカスタマイズされたシーンデータの数は4個に限られることはなく、1以上の任意の個数とすることができる。
【0043】
前述のように、カスタマイズの元となるシーンテンプレートが選択されたとき、該シーンテンプレートは対応するシーンボタンに対応するユーザーメモリに読み出され、このデータが前述のように一覧表示されてカスタマイズが行われる。そして、カスタマイズされたシーンデータは、シーンプリセットユーザーメモリ92の対応するメモリに記憶される。
そして、前記4個のシーンボタンそれぞれに対して、前記シーンプリセットメモリ91に記憶されているシーンテンプレート又は前記シーンプリセットユーザーメモリ92のいずれかを対応付けるデータが、前記RAM中に格納される。ユーザーによりシーンボタンが押されたときにそのシーンボタンに紐付けられているシーンデータが前記シーンプリセットメモリ91又は前記シーンプリセットユーザーメモリ92から呼び出され、そのシーンデータに含まれている各設定情報や操作情報に基づいて前記制御部11が対応する設定や操作を行うこととなる。
なお、上記においては、前記シーンプリセットユーザーメモリ92はRAMであるとして説明したが、RAMに限らず、フラッシュメモリなど書き換え可能なメモリであればよい。
【0044】
上記においては、図4に示したように、シーン変更状態83とシーンカスタマイズ状態84を別の状態としていたが、シーン変更状態とシーンカスタマイズ状態を一緒にして、シーン変更及びカスタマイズ状態としてもよい。
すなわち、この実施の形態では、前記シーン呼出状態82から対象シーンボタンを所定時間以上押すことにより、シーン変更及びカスタマイズ状態に移行する。
図17は、シーン変更及びカスタマイズ状態となったときに表示されるOSD/GUI画面の一例を示す図である。
この図に示すように、シーン変更及びカスタマイズ状態におけるOSD/GUI画面は、そのシーンボタンに割り付けられているシーンデータの名称を表示する領域101と、そのシーンデータの各設定項目の内容を表示する領域102とからなっており、シーン変更及びカスタマイズ状態となったときに、そのシーンボタンに割り付けられているシーンデータの各設定項目の設定内容が一覧表示される。
【0045】
図示する状態では、シーン名称が変更対象となっており、ユーザーが前記リモコンの左右矢印キーを操作することにより、そのシーンボタンに割り付けるシーンデータを変更することができる。そして、所望のシーンデータを選択したときに、そのシーンボタンを押すことにより、シーンボタンに割り付けるシーンデータの変更を確定して、前記シーン呼出状態に移行することができる。
また、シーンデータをカスタマイズするときには、図17のようにシーン名称が変更対象となっている状態から、下向き矢印キーを操作することにより、領域102の設定項目が編集対象となる。そして、上下矢印キーにより編集したい設定項目を決定し、左右矢印キーを操作することにより、その設定内容を所望の内容に変更する。変更が終了したときに、そのシーンボタンを押すことにより、設定内容を確定し、該カスタマイズされたシーンデータをそのシーンボタンに割り付けて、前記シーン呼び出し状態に移行する。
このように、この実施の形態では、シーン呼出状態からシーン変更及びカスタマイズ状態に移行したときに、そのシーンボタンに割り付けられているシーンデータの各設定項目の内容が一覧表示される。また、シーンの変更及びカスタマイズもより簡単に行うことができる。
【0046】
なお、上述の説明においては、AVレシーバ1に設けられたシーンボタン63及びリモコン71に設けられたシーンボタン73を用いてシーンを選択するようにしていたが、操作ボタンや操作キーに限られることはなく、タッチパネルなどであってもよい。
また、リモコン71以外の外部操作機器からシーンを選択するようにしてもよい。例えば、前記AVレシーバ1がネットワークに接続する機能を有するものであるときには、該ネットワークに接続されたパソコンなどからウェブブラウザプログラムを用いてAVレシーバ1にアクセスし、ウェブブラウザの画面上でシーンを選択したり、その内容を編集したりすることもできる。
さらに、上述の実施の形態においては、AVレシーバであったが、本発明はAVアンプなど、複数の入力ソースが接続され、それぞれの入力信号に対して、複数種類の信号処理を施して出力する装置に同様に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明のAV装置の一実施の形態であるAVレシーバの全体構成を示すブロック図である。
【図2】AVレシーバの外観の一例を示す正面図である。
【図3】リモコンのキー配置の一例を示す図である。
【図4】シーン呼び出し、簡単シーン割付及びシーンカスタマイズの各状態の遷移を示す図である。
【図5】シーン呼び出し状態における表示の一例を示す図である。
【図6】本発明のAV装置を購入したときから、所望の動作をさせるまでの流れを示すフローチャートである。
【図7】「DVDで映画を見る。」というシーンが実現されたときのAVレシーバの状態を示す図である。
【図8】音楽CDを聴くという日常操作をシーンボタンを使用して行うときの流れを示すフローチャートである。
【図9】「DVDプレーヤーでCDを聴く」というシーンが実現されたときのAVレシーバの状態を示す図である。
【図10】「ゲームをする」というシーンが実現されたときのAVレシーバの状態を示す図である。
【図11】「別の部屋で、FMでいつもの番組を聴く」というシーンが実現されたときのAVレシーバの状態を示す図である。
【図12】簡単シーン割付処理の流れを示すフローチャートである。
【図13】シーン変更状態における表示の一例を示す図である。
【図14】シーンカスタマイズ処理の流れを示すフローチャートである。
【図15】シーンカスタマイズ状態における表示の一例を示す図である。
【図16】システムで準備されているシーンテンプレートとユーザーによりカスタマイズされたシーンテンプレートについて説明するための図である。
【図17】シーン変更及びカスタマイズ状態におけるOSD/GUI画面の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0048】
1:AVレシーバ、11:制御部、12:ユーザーインターフェース部、13:電源部、14:チューナ、15:アナログ音声信号処理部、16:パワーアンプ部、17:ディジタル音声信号処理部、18:ディジタルインターフェース部、19:ディジタルビデオ信号処理部、20:アナログビデオ信号処理部、21:アナログ音声入力端子、22:入力切替部、23:ボリューム調整及び経路切替部、24:A/D変換器(ADC)、25:D/A変換器(DAC)、26:パワーアンプ、27,28:リレー、29:ディジタル音声入力端子、30:ディジタル・オーディオ・インターフェース・レシーバ(DIR)、31:デコーダ、32:DSP部、33:HDMI端子、34:入力選択部、35:HDMIリピーター、36:トランスミッター、37:ディジタルビデオ処理及びGUI処理部、38:ビデオエンコーダ、39:ビデオデコーダ、40:アナログビデオ入出力端子、41:入力切替部、42,43:バッファアンプ、44:別ゾーン用入力切替部、45:別ゾーン用ボリューム調整及び経路切替部、46:別ゾーン用パワーアンプ、47:別ゾーン用リレー、51,52:スピーカ、53:DVDプレーヤ、54:記録メディア、55:テレビモニター、56:ゲーム機、61:スタンバイ/オンスイッチ、62:プログラム選択スイッチ、63:シーンボタン、64:入力選択スイッチ、65:ボリュームつまみ、66:本体表示部、71:リモコン、72:入力選択ボタン、73:シーンボタン、74:操作ボタン、91:シーンプリセットメモリー群、92:シーンプリセットユーザーメモリー、101:シーンデータの名称を表示する領域、102:シーンデータの各設定項目の内容を表示する領域
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の入力機器を接続することができ、該複数の入力機器から入力される複数種類の入力信号に対して所定の信号処理を実行して複数の出力機器に出力することができるAV装置であって、
該AV装置を使用して実行させる動作ごとに、該動作を実現するために必要とされる該AV装置における各種設定及び操作に関する情報がパッケージ化された組合せ情報が複数記憶されている組合せ情報記憶部と、
前記組合せ情報記憶部に記憶されている組合せ情報が呼び出されるように割り付けられた操作子と、
前記操作子を押下することにより、該操作子に割り付けられた組合せ情報に基づいて、対応する制御情報を、入力選択部、信号処理部、出力切替部などに供給する制御部と、
前記操作子を所定時間より長く押下することにより、該操作子に割り付けられている前記組合せ情報を変更する手段とを有することを特徴とするAV装置。
【請求項2】
前記組合せ情報は、前記AV装置の内部機能の制御情報と、前記AV装置に接続された入力機器を制御する制御情報とを含むことを特徴とする請求項1記載のAV装置。
【請求項1】
複数の入力機器を接続することができ、該複数の入力機器から入力される複数種類の入力信号に対して所定の信号処理を実行して複数の出力機器に出力することができるAV装置であって、
該AV装置を使用して実行させる動作ごとに、該動作を実現するために必要とされる該AV装置における各種設定及び操作に関する情報がパッケージ化された組合せ情報が複数記憶されている組合せ情報記憶部と、
前記組合せ情報記憶部に記憶されている組合せ情報が呼び出されるように割り付けられた操作子と、
前記操作子を押下することにより、該操作子に割り付けられた組合せ情報に基づいて、対応する制御情報を、入力選択部、信号処理部、出力切替部などに供給する制御部と、
前記操作子を所定時間より長く押下することにより、該操作子に割り付けられている前記組合せ情報を変更する手段とを有することを特徴とするAV装置。
【請求項2】
前記組合せ情報は、前記AV装置の内部機能の制御情報と、前記AV装置に接続された入力機器を制御する制御情報とを含むことを特徴とする請求項1記載のAV装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2013−31202(P2013−31202A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−198078(P2012−198078)
【出願日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【分割の表示】特願2007−27867(P2007−27867)の分割
【原出願日】平成19年2月7日(2007.2.7)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.HDMI
【出願人】(000004075)ヤマハ株式会社 (5,930)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【分割の表示】特願2007−27867(P2007−27867)の分割
【原出願日】平成19年2月7日(2007.2.7)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.HDMI
【出願人】(000004075)ヤマハ株式会社 (5,930)
【Fターム(参考)】
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