説明

B型肝炎ウイルス検出用オリゴヌクレオチド

【課題】2つの試験を組み合わせる必要がなく、非常に低い濃度から非常に高い濃度までのHBVの明確かつ簡便な定量を可能にする診断キットを提供する。
【解決手段】HBV核酸の増幅によるB型肝炎ウイルスの迅速かつ高感度な検出のための特異的オリゴヌクレオチドプライマーおよびプローブ、ならびにそれらを使用する方法。これらの検出試験を実施するために有用なキット。非常に広い定量範囲で、遺伝子型A〜G由来のHBV核酸を、特に迅速かつ高感度に検出する手段、プライマーおよびプローブ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、増幅によるB型肝炎ウイルスの迅速かつ高感度な検出のためのオリゴヌクレオチドプライマーおよびプローブ、ならびにそれらを使用する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
B型肝炎ウイルス(HBV)はヘパドナウイルスファミリーのメンバーである。これらは、通常とは異なり、逆転写によって複製する二本鎖DNAウイルスである。このウイルスのいくつかのバリアントが記載されている。HBVは慢性肝炎の主要な原因因子であり、肝硬変および肝細胞ガンに関連付けられている。B型肝炎ウイルスはヒト集団における風土病であり、世界の多くの部分における過度の風土病(hyperendemic)である。世界人口の3分の1より多くがB型肝炎ウイルスに感染していると推定されている。人口の約5%はHBVの慢性キャリアであり、全てのキャリアのほぼ25%が、慢性肝炎、硬変および原発性肝細胞ガンのような重篤な肝臓疾患を発達させる。HBV感染は毎年百万より多くの死を引き起こす。
【0003】
種々の型の抗原に対する抗体および細胞媒介免疫応答が感染の間に誘発される。B型肝炎ウイルスでの感染に対する免疫応答は少なくとも以下の3つの抗原に対するものである:B型肝炎表面抗原、コア抗原(HBcAg)およびe抗原(HBeAg)。表面抗原は、大部分の患者の血清中に、潜伏期の後期の間、すなわち感染後2〜8週で出現し、急性疾病の間に持続し、表面抗原に対する抗体が検出可能になると急激に減少する。コア抗原に対するIgMは、表面抗原の出現後2〜10週で血清中に見出される。これはウイルス複製の量および持続期間と相関する。B型肝炎e抗原については、これは感染肝細胞によって分泌されるが、結局、大部分の個体において、HBeAgから抗HBeへのセロコンバージョンが観察され、これは感染肝細胞の免疫クリアランスに関連する。
【0004】
HBV抗原および抗体を検出および測定するためにイムノアッセイが開発されている。
【0005】
しかし、そのようなイムノアッセイは偽陰性結果を生じ得る。実際、免疫学的方法が対象のセロコンバージョン期内に実施される場合、循環している抗原または抗体が見出されないことから、HBV感染は検出されないままであり得る。従って、HBV核酸の検出に依存する診断方法は、ウイルスのより初期の検出を可能にするより正確な方法を提供する。
【0006】
いくつかの診断キットがこの分野において市販されている。例えば、Amplicor HBV MonitorおよびCobas Amplicor HBV Monitor(Roche Molecular Systems)、Versant HBV DNA(bDNA、Bayer Diagnostics)ならびにDigene Hybrid−Capture 2 HBV DNA test(Digene Corporation)。しかし、これらの試験は一般に4log以下の制限された定量範囲を有している:Amplicor HBV Rocheについては10〜4 10コピー/ml(Cobas HBV Rocheについては2 10〜2 10コピー/ml)、Versant HBV Bayerについては7 10〜5 10コピー/ml、そしてDigene HBV DNAについては7 10〜5.6 10コピー/ml(Ultrasensitive Digene HBV DNAについては4.7 10〜5.7 10コピー/ml)。従って、これら全ての試験の主な不利益は、これらのいずれもが非常に低い濃度から非常に高い濃度までのHBVの明確かつ簡便な定量を可能にしないという事実にある。それゆえ、実際、正確な結果を得るために、特に低および高ウイルス濃度レベルの場合に、少なくとも2つの試験を組み合わせることがしばしば必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このように、いずれの試料中ウイルス濃度でも、さらなる試験の実施の必要性なしに、広範囲のHBVを正確に定量することの必要性が存在する。
【0008】
さらに、当該分野において公知の全てのHBV遺伝子型を特異的に検出する非常に高感度な定量試験の必要性もなお存在する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この関連で、本発明者らは、非常に広い定量範囲で、遺伝子型A〜G由来のHBV核酸を、特に迅速かつ高感度に検出する手段を提供する、プライマーおよびプローブを設計した。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、本発明による試験(配列番号2および配列番号3をプライマーとして、そして配列番号12をプローブとして用いる)、HBV PCR kit Roche、およびHBV NGI SuperQuantTM LabCorpによって提供される定量結果の対比較の模式図である。A:本発明対HBV PCR kit Roche;B:本発明対HBV NGI SuperQuant LabCorp;C:HBV NGI SuperQuant LabCorp対HBV PCR kit Roche。
【図2】図2は、本発明による試験(配列番号2および配列番号3をプライマーとして、そして配列番号12をプローブとして用いる)による、抽出・希釈AccurunTM HBV 325 DNA陽性コントロールのコピー数/mlに対する検出シグナルの直線性の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
定義
本発明によれば、当該分野の技術範囲内のいずれかの従来の分子生物学、微生物学および組換えDNA技術を用いてもよい。そのような技術は文献に十分に説明されている。例えば以下を参照のこと:Sambrook et al., 1989 ; DNA Cloning: A Practical Approach, Volumes I and II (D.N. Glover ed. 1985) ; Oligonucleotide Synthesis (M.J. Gait ed. 1984) ; Nucleic Acid Hybridization [B.D. Hames & S.J. Higgins eds. (1985)] ; Transcription and Translation [B.D. Hames & S.J. Higgins, eds. (1984)] ; Animal Cell Culture [R.I. Freshney, ed. (1986)] ; Immobilized Cells and Enzymes [IRL Press, (1986)] ; B. Perbal, 1984 ; F.M. Ausubel et al. (eds.), 1994。
【0012】
「核酸分子」は任意の核酸をいう:核酸分子は、合成または非合成、組換えまたは天然、直鎖状または環状であってもよい。核酸分子は、一本鎖形態または二本鎖形態のいずれであってもよい。これらの核酸分子は、ゲノムDNA、cDNAまたはRNAを含む。明示しない限り、配列は、DNAの非転写鎖(すなわち、mRNAに相同な配列を有する鎖)に沿った5’から3’の方向の配列のみを与える通常の慣習に従って記載される。
【0013】
本明細書において使用する用語「オリゴヌクレオチド」は、増幅手順においてプライマーとして、または検出方法においてプローブとして使用できる核酸配列をいう。本発明に関して、これらのオリゴヌクレオチドは、目的の遺伝子、mRNA、cDNAまたはその他の核酸をコードするゲノムDNA分子、cDNA分子またはmRNA分子にハイブリダイズ可能な、少なくとも10、好ましくは少なくとも15、より好ましくは少なくとも20ヌクレオチド、好ましくは100ヌクレオチド以下、より好ましくは40ヌクレオチド以下からなる。
【0014】
一本鎖形態の核酸分子が他の核酸分子に温度および溶液イオン強度の適切な条件下でアニールできる場合に、核酸分子は、cDNA、ゲノムDNAまたはRNAのような別の核酸分子に「ハイブリダイズ可能」である(Sambrook et al., 1989参照)。温度およびイオン強度の条件は、ハイブリダイゼーションの「ストリンジェンシー」を決定する。核酸をハイブリダイズするために適切なストリンジェンシーは、当該分野において周知の変数である、核酸の長さおよび相補性の程度に依存する。2つのヌクレオチド配列間の類似性または相同性の程度が高ければ高いほど、それらの配列を有する核酸のハイブリッドについてのTmの値は高くなる。核酸ハイブリダイゼーションの相対的安定性(より高いTmに対応する)は、以下の順に低下する:RNA:RNA、DNA:RNA、DNA:DNA。長さが100ヌクレオチドより長いハイブリッドについて、Tmを算出するための式が導かれている(Sambrook et al., 1989, 9.50-9.51参照)。より短い核酸、すなわち、オリゴヌクレオチドとのハイブリダイゼーションについては、ミスマッチの位置がより重要となり、オリゴヌクレオチドの長さがその特異性を決定する(Sambrook et al., 1989, 11.7-11.8参照)。ハイブリダイズ可能な核酸の最小の長さは、少なくとも約10ヌクレオチド、好ましくは少なくとも約15ヌクレオチドであり、より好ましくは長さは少なくとも約20ヌクレオチドである。
【0015】
PCRは高ストリンジェンシー条件下で、少なくとも50℃のアニーリング温度を使用することによって、高イオン強度緩衝液中で実施される。本発明の好ましい実施態様によれば、アニーリング工程のために選択される温度は55℃〜60℃の範囲であり、イオン強度はKClおよびMgClの組み合わせを使用することによって得られる。これは、各PCRサイクルのアニーリング工程の間の非特異的オリゴヌクレオチド結合に対する特異的オリゴヌクレオチド結合の高い比率を促進する。これはストリンジェントなプライマーアニーリング条件を可能にし、PCR特異性の増加を導く。例えば、KCl 50mMとMgCl 6mMとの組み合わせが高い特異性を与えるために適切であり得る。しかし、他のイオン強度条件を使用してもよく、それは当業者によって容易に決定され得る。
【0016】
本明細書において使用するDNAの「増幅」は、DNA配列の混合物内の特定のDNA配列の濃度の増加を示す。増幅工程を、従来のDNAまたはRNAの酵素的増幅方法(例えば、特に、Kwoh et al. (1989)によって提唱されるTAS(Transcription-based Amplification System)技術、Fahy et al. (1991)によって記載される3SR(Self-Sustained Sequence Replication)技術、特許EP 329 822に記載されるNASBA(Nucleic Acid Sequence-Based Amplification)技術、あるいはWalker et al. (1992)によって記載されるSDA(Strand Displacement Amplification)技術、または欧州特許EP 0 320 308に記載されるLigase Chaine Reaction(LCR)技術、またはUS 5,399,491に記載されるTranscription Mediated Amplification(TMA)、または有利にはSaiki et al. (1988)および欧州特許EP 0 200 362およびEP 0 201 184に記載されるPCR技術、あるいは後者から誘導される技術およびその他のいずれかのインビトロにおける核酸の増幅に所望される方法)を使用するいずれかの方法によって実施し得る。
【0017】
本発明に関して、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)の使用が特に意図される。
【0018】
本明細書において使用する用語「プライマー」および「プローブ」は、オリゴヌクレオチドの機能をいう。プライマーは、代表的には標的配列へのハイブリダイゼーション後のオリゴヌクレオチドの伸長によるか、または標的配列にハイブリダイズした場合に隣接する複数のオリゴヌクレオチドのライゲーションによる、標的配列を増幅するために使用されるオリゴヌクレオチドである。プローブオリゴヌクレオチドは、それがハイブリダイズする標的配列を捕獲または検出するために使用される。しかし、同じオリゴヌクレオチドプローブがプライマーとしても機能し得る。それゆえ、HBVの増幅、検出または定量のために本明細書中に開示される配列のいずれもがハイブリダイゼーションプローブとしてかまたは検出もしくは増幅のための増幅プライマーとしてのいずれかで使用され得ることが理解される。
【0019】
用語「B型肝炎ウイルス」または「HBV」は、ヘパドナウイルス科、オルトヘパドナウイルス属の基準種を示す。HBV核酸は部分的に二本鎖の一本鎖環状DNAである。ゲノムの全長は約3020〜3320ヌクレオチド(nt)(完全長鎖について)または1700〜2800nt(短長鎖について)である。本明細書において使用するHBVは、いずれかのサブタイプ、株、またはバリアントを意味する(例えば、サブタイプad、adr、adw、adyw、ar、ayw)。本発明に関して、ヌクレオチド位置は、GenBankにアクセッション番号X98077の下に寄託されているHBVゲノム配列、サブタイプadwを参照して示される(配列番号1)。
【0020】
用語「生物学的試料」は以下をいう:いずれかの体液、例えば、尿、血液、血清、血漿、LCRまたは肝臓バイオプシーのような組織...。
【0021】
本発明のプローブおよびプライマー
本発明者らは、以下に規定するような特異的プライマーおよびプローブを使用してHBV核酸を増幅することによって、特に迅速かつ高感度なHBV感染の検出を達成することができることを実証した。
【0022】
これらのプライマーおよびプローブを、HBVゲノムの重複領域、すなわちHBV DNAポリメラーゼコード領域の終わり(HBV環状化ゲノムのヌクレオチド(nt)2307〜3215/1〜1623)およびHBV Xタンパク質をコードする配列の始まり(nt1374〜1838)を含む領域にハイブリダイズするように設計した。これらのプライマーおよびプローブは、HBVゲノムの162ヌクレオチドのフラグメント(配列番号1のnt1440〜1602にわたる領域)の増幅および検出を可能にする。
【0023】
本明細書において開発された検出試験は、HBV患者のウイルス負荷試験または血液産物の安全性スクリーニングのために高度に重要であることが判明した。
【0024】
従って本発明は、配列5' GCTGAATCCCGCGGACGA 3'(配列番号2)またはその相補配列を含むオリゴヌクレオチドを提供する。このオリゴヌクレオチドは、HBV核酸を増幅するためのセンスプライマーとして特に有用である。
【0025】
本発明はまた、配列5' GTGCAGAGGTGAAGCGAAGTG 3'(配列番号3)、配列5' GTTCACGGTGGTCGCCATG 3'(配列番号4)、配列5' GTTCACGGTGGTCTCCATG 3'(配列番号5)、配列5' CGTTCACGGTGGTCGCCATGC 3'(配列番号6)および配列5' CGTTCACGGTGGTCTCCATGC 3'(配列番号7)ならびにそれらの相補配列からなる群より選択される配列を含むオリゴヌクレオチドを提供する。これらのオリゴヌクレオチドは、HBV核酸を増幅するためのアンチセンスプライマーとして特に有用である。
【0026】
さらに、本発明はまた、配列5' GGAGTCCGCGTAAAGAGAGGTG 3'(配列番号8)、配列5' GGAGACCGCGTAAAGAGAGGTG 3'(配列番号9)、配列5' GGAGTCTGCGTAAAGAGAGGTG 3'(配列番号10)および配列5' GGAGACTGCGTAAAGAGAGGTG 3'(配列番号11)ならびにそれらの相補配列からなる群より選択されるアンチセンス配列からなるHBV結合配列を含む、プローブとして有用な、オリゴヌクレオチドを提供する。
【0027】
本発明のオリゴヌクレオチドは、上記で設計した配列の5’および/または3’末端に連結した、所望の配列に対して外来の、さらなる配列、例えば標識分子を含んでもよい。オリゴヌクレオチドはそれでもなお高ストリンジェンシー条件下でHBV中に存在する相補的核酸配列とハイブリダイズ可能であり、さらなる配列は標準的ハイブリダイゼーション条件下ではHBV核酸とハイブリダイズし得ない。
【0028】
これらのさらなる配列は、スペーサー、リンカーまたは標識もしくは酵素結合のための配列などとして作用し得る。
【0029】
本発明のオリゴヌクレオチド、特に配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11およびそれらの相補配列からなる群より選択される配列を含むプローブは、検出可能に標識されていてもよい。
【0030】
標準的な標識物質(例えば、酵素、放射性または蛍光性部分)をこの目的のために使用してもよい。
【0031】
プローブの標識は、「リアルタイム」増幅/検出反応の間に、すなわち増幅反応が生じている間に標的配列が検出および/または定量されるPCRプロセスの間に、増幅核酸の検出を容易にするために特に有利である。
【0032】
そのような検出は、例えば、核酸分子ビーコン技術を使用して達成され得る(Tyagi and Kramer, 1996; Cayouette et al., 1999)。分子ビーコン技術によれば、フルオロフォアまたはクエンチャー部分のいずれか一方がプローブ配列の各末端に結合される。標的核酸の非存在下において、アーム配列は互いにアニールし、それによりループおよびヘアピンステム構造を形成し、これがフルオロフォアとクエンチャーとを一緒にする。標的核酸と接触させられると、相補的プローブ配列および標的配列がハイブリダイズする。ヘアピンステムはハイブリダイゼーションに際して形成される強固な二重らせんと共存できないので、生じるコンホメーション変化はアーム配列を引き離し、フルオロフォアおよびクエンチャーの分離を引き起こす。フルオロフォアおよびクエンチャーが分離すると、蛍光シグナルが検出可能となる。
【0033】
当該分野において公知の全ての色素およびクエンチャーを使用することができる。本発明によれば、色素は好ましくはFam、Tet、Hex、Tamra、Texas RedおよびCy5からなる群より選択され得、クエンチャーは好ましくはDabcyl、Eclipse Dark QuencherおよびBlack Hole Quencherからなる群より選択され得る。そのような分子は以下から容易に入手可能である:Eurogentec、Biosearch Technology、Proligo...。
【0034】
従って、本発明はまた、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11およびそれらの相補配列からなる群より選択される配列を含み、一方の末端にフルオロフォア部分を、そして他方の末端にクエンチャー部分を有するオリゴヌクレオチドを提供する。好ましくはスペーサー配列が、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11またはそれらの相補配列の配列の1つに上記部分を連結するように導入され、伸長プローブを提供する。
【0035】
配列5' CGGCAGGAGTCCGCGTAAAGAGAGGTGTGCCG 3'(配列番号12)、5' CGGCAGGAGACCGCGTAAAGAGAGGTGTGCCG 3'(配列番号13)、5' CGGCAGGAGTCTGCGTAAAGAGAGGTGTGCCG 3'(配列番号14)および5' CGGCAGGAGACTGCGTAAAGAGAGGTGTGCCG 3'(配列番号15)からなるオリゴヌクレオチドはそのような伸長プローブの例であり、これもまた本発明の一部である。スペーサー配列の特定の対が、スペーサーが結合される特定のオリゴヌクレオチド配列を考慮して、ヘアピンループを形成し得るプローブを提供するために、設計された。一方の末端にフルオロフォア部分を、そして他方の末端にクエンチャー部分をさらに有するそのような伸長プローブは、分子ビーコンプローブとして有用である。
【0036】
B型肝炎ウイルス(HBV)由来の核酸とハイブリダイズさせ、そして所望により該核酸を増幅するためのプローブまたはプライマーとしての上記で規定したオリゴヌクレオチドの使用もまた本発明の範囲内である。
【0037】
これに関して、本発明は、配列番号2を含むオリゴヌクレオチドならびに、少なくとも、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6および配列番号7を含むオリゴヌクレオチドからなる群より選択されるオリゴヌクレオチドからなる、プライマーとして使用される第1のオリゴヌクレオチドのセットをさらに提供する。特に、第1のオリゴヌクレオチドのセットは、配列番号2を含むオリゴヌクレオチド、配列番号3を含むオリゴヌクレオチド、配列番号4を含むオリゴヌクレオチド、配列番号5を含むオリゴヌクレオチド、配列番号6を含むオリゴヌクレオチドおよび配列番号7を含むオリゴヌクレオチドからなり得る。好ましくは、第1のオリゴヌクレオチドのセットは以下からなる:(i)配列番号2を含むオリゴヌクレオチドおよび配列番号3を含むオリゴヌクレオチド;または(ii)配列番号2を含むオリゴヌクレオチドおよび配列番号4を含むオリゴヌクレオチド;または(iii)配列番号2を含むオリゴヌクレオチドおよび配列番号5を含むオリゴヌクレオチド;または(iv)配列番号2を含むオリゴヌクレオチドおよび配列番号6を含むオリゴヌクレオチド;または(v)配列番号2を含むオリゴヌクレオチドおよび配列番号7を含むオリゴヌクレオチド;または(vi)配列番号2を含むオリゴヌクレオチド、配列番号4を含むオリゴヌクレオチドおよび配列番号5を含むオリゴヌクレオチド;または(vii)配列番号2を含むオリゴヌクレオチド、配列番号6を含むオリゴヌクレオチドおよび配列番号7を含むオリゴヌクレオチド。
【0038】
さらに好ましくは、プライマーとして使用される第1のオリゴヌクレオチドのセットは以下からなる:配列番号2および配列番号3;配列番号2および配列番号4;配列番号2および配列番号5;配列番号2、配列番号4および配列番号5;配列番号2および配列番号6;配列番号2および配列番号7;または配列番号2、配列番号6および配列番号7。
【0039】
本発明のさらなる課題は、以下を含む、HBV核酸の増幅および検出に有用な第2のオリゴヌクレオチドのセットである:
a)以下からなるオリゴヌクレオチドのセット:(i)配列番号2を含むオリゴヌクレオチドおよび配列番号3を含むオリゴヌクレオチド;または(ii)配列番号2を含むオリゴヌクレオチドおよび配列番号4を含むオリゴヌクレオチド;または(iii)配列番号2を含むオリゴヌクレオチドおよび配列番号5を含むオリゴヌクレオチド;または(iv)配列番号2を含むオリゴヌクレオチドおよび配列番号6を含むオリゴヌクレオチド;(v)配列番号2を含むオリゴヌクレオチドおよび配列番号7を含むオリゴヌクレオチド;(vi)配列番号2を含むオリゴヌクレオチド、配列番号4を含むオリゴヌクレオチドおよび配列番号5を含むオリゴヌクレオチド;または(vii)配列番号2を含むオリゴヌクレオチド、配列番号6を含むオリゴヌクレオチドおよび配列番号7を含むオリゴヌクレオチド;
b)配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11およびそれらの相補配列を含むオリゴヌクレオチド。
【0040】
本発明は、以下からなる工程を包含する、生物学的試料において増幅によりHBVを特異的に検出する方法をさらに提供する:
a)上記で規定したプライマーとして使用される第1のオリゴヌクレオチドのセットを、生物学的試料または生物学的試料から得られた核酸調製物と、オリゴヌクレオチドが試料中に存在するHBV核酸にハイブリダイズするために適切な条件下で接触させる工程;
b)オリゴヌクレオチドをプライマーとして使用するポリメラーゼ連鎖反応によってHBV核酸を増幅する工程;
c)生物学的試料中のHBVの存在を示す増幅産物を検出する工程。
【0041】
好ましくは、増幅産物の検出は、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11またはそれらの相補配列を含み、検出可能に標識されているオリゴヌクレオチドをプローブとして使用することによって実施される。そのようなプローブはいずれの工程で導入してもよい。好適には、プローブはプライマー混合物に存在するかそれに添加される。
【0042】
増幅方法は一般に以下からなる工程を包含する:
a)上記で規定した少なくとも1つのオリゴヌクレオチドプライマーを、生物学的試料中に存在しそうなHBV DNAからなる鋳型DNAにハイブリダイズさせる工程;
b)プライマー伸長反応を実施して、プライマー伸長産物を得る工程;
c)生じたDNA二重鎖を変性させて、プライマー伸長産物を鋳型HBV DNAから分離する工程;プライマー伸長産物は他のプライマーのための他の鋳型DNAとして機能する;および
d)同時の、2つのオリゴヌクレオチドプライマーを用いたプライマー伸長反応、プライマー伸長産物のDNA鋳型からの分離、および標的DNAの領域の増幅のためのプライマーのハイブリダイゼーションのサイクルを繰り返す工程。
【0043】
生物学的試料はいずれの型のものでもよい(例えば、生物学的流体、例えば、血液、血清、血漿、または肝臓バイオプシーによって得られるような組織試料)。より好ましくは、生物学的試料は血清または血漿である。
【0044】
本発明の診断方法を、そのような生物学的試料から、例えば、標準的な抽出手順によって得られる核酸(例えば、DNA)調製物に対して実施してもよい。
【0045】
本発明はさらに、以下を含む、生物学的試料中のHBVを増幅するためのキットを提供する:
− 少なくとも、プライマーとして有用な、本発明の第1のオリゴヌクレオチドのセット;および
−HBV核酸を増幅するための手段。
【0046】
増幅のための手段は、例えば、耐熱性DNAポリメラーゼ、dNTP溶液、MgClを含んでもよい。PCRコンタミネーションを防止するためにウラシルDNAグリコシラーゼをさらに使用してもよい。
【0047】
さらに、キットは、陰性コントロール(すなわち、HBV核酸を含まない試料)、陽性コントロール(すなわち、増幅しようとするHBV領域の二本鎖核酸配列、クローン化または非クローン化)、および内部コントロール(すなわち、試料に添加された、増幅後のその検出を標的から区別できる二本鎖核酸配列)をさらに含んでもよい。
【0048】
有利には、キットは上記で規定したプローブをさらに含んでもよい。例えば、キットは、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11またはそれらの相補配列を含み、検出可能に標識されており、そしてプローブとして有用な合成オリゴヌクレオチドを含んでもよい。
【0049】
本発明を以下の図面および実施例によりさらに説明する。
【0050】
本発明が、上記オリゴヌクレオチドと比較しての配列改変(すなわち、限定された数のヌクレオチドの欠失、付加および/または置換)を有するオリゴヌクレオチドを、そのような改変がオリゴヌクレオチドを使用して達成されるHBV検出の感度および/または特異性にとって有害ではないという条件で、包含することを当業者は容易に理解する。
【実施例】
【0051】
実施例:「リアルタイム」PCRによるHBVの特異的検出
材料および方法:
1)試料:
TeraProTM Hepatitis B genotype Panel(Teragenix、カタログHBVGTP):種々の遺伝子型(3A、1B、5C、1D、3E、2F)の15人の異なる患者由来の15個の陽性HBV血漿試料(1〜15番)。
【0052】
TeraProTM Hepatitis B Worldwide Genotype Panel(Teragenix、カタログHBVGTP−002a):遺伝子型Gの1個の陽性HBV血漿試料(50番)。
【0053】
これらの試料全てをVisible Genetics kit(Trugene)を用いて遺伝子型決定し、HBV DNA kit RocheおよびHBV DNA kit NGI(National Genetics Institute)SuperQuantによって定量した。
【0054】
定量標準曲線:パネルAccurun 325 HBV DNA陽性コントロール(BBI)またはTeraProTM Hepatitis B Genotype Panel(Teragenix)由来の試料15番の抽出希釈物の使用。
【0055】
2)抽出:
QiaAmp DNA Blood mini kit(ref Qiagen 51104)(200μlの試料を使用)またはQIAamp MinElute virus vacuum kit(ref Qiagen 57714)(500μlの試料を使用)を製造業者の推奨に従って使用して、DNAを血漿試料から抽出した。
【0056】
3)増幅:
Platinum quantitative PCR SuperMix UDG(Invitrogen 11730−017)を使用してリアルタイムPCRを実施した:60U/ml Platinum Taq DNA Pol、40mM tris−HCl pH8.4、100mM KCl、6mM MgClおよび400μM dGTPを含むmix2×。mix1×に、1.5μMの配列番号2のプライマー、0.3μMの配列番号3のプライマー(または0.3μMの配列番号4のプライマー)、0.2μMの配列番号12の分子ビーコンFam−DarkQuencherプローブ(Eurogentec)および3mM MgCl(6mM MgClを達成する)を添加した。次いで、抽出DNA試料をプライマー、プローブおよびさらなるMgClを含む混合物に添加する。
【0057】
増幅工程は以下のとおりであった:
− 1×2分、50℃(UDGが作用する)
− 1×2分、95℃(UDGが不活化される;Platinum Taq DNA Polが活性化される)
− 50×(15秒、94℃ − 30秒、55℃ − 30秒、72℃)
− 4℃
【0058】
4)結果の解釈
各アッセイについて閾値サイクル(Ct)を決定する。これは、増幅の初期サイクルにおいて測定される蛍光のバックグラウンドレベルより有意に高いと考えられる蛍光のレベルである。既知の標的濃度のlogを、対応するCtに対してプロットすることによって、参照標準曲線を構築する。次いで、未知試料の濃度を、対応するCtを標準曲線に対してマッピングすることによって規定する。
【0059】
結果
1)既存のPCRベースの検出方法との比較
血漿中で希釈し、QiaAmp DNA Blood kitを用いて抽出したTeraProTM Hepatitis B genotype panel(Teragenix)由来の14個の試料(1〜14番)を、本発明の試験(配列番号2および配列番号3をプライマーとして、そして配列番号12を分子ビーコンプローブとして用いる)または以下の2つの既存の市販されているPCRベースの検出試験のいずれかを用いて定量した:RocheからのHBV PCR kit(2 10コピー/mlまでを定量するように開発されたアッセイ)およびLabCorpからのHBV NGI SuperQuant kit(Teragenixによって伝えられた結果)。
【0060】
RocheからのHBV PCR kitのプライマーおよびプローブはプレコア−コア領域の保存セグメントにおいて選択されており、LabCorpからのHBV NGI SuperQuant kitのプライマーおよびプローブはポリメラーゼ遺伝子の保存セグメントにおいて選択されている。
【0061】
【表1】

【0062】
本発明による試験は、HBV遺伝子型A〜Gを特異的に検出および定量できる。
【0063】
3つの試験を用いて得られた結果の全体の対比較は、本発明による試験によって提供される結果が、RocheからのHBV PCR kitまたはLabCorpからのHBV NGI SuperQuantTMの各々を用いて提供された結果と良好な相関を示すことを示す(図1)。
【0064】
2)検出感度
a)定量範囲の直線性
本発明の試験(配列番号2および配列番号3をプライマーとして、そして配列番号12を分子ビーコンプローブとして用いる)を用いて得られた検出シグナル(サイクル閾値)が、1ml当たりのHBV DNAコピー数と相関することを実証するために、TeraProTM HBV genotype panel(Teragenix)由来の試料15番を血漿中で希釈し、QiaAmp DNA Blood kitを用いて抽出した。検出限界(100コピー/ml)までの試料の漸増希釈物を用いて測定したサイクル閾値を、以下の表2に示す。コピー数とサイクル閾値との間の直線関係を図2に示す。
【0065】
【表2】

【0066】
QiagenからのQiaAmp DNA Blood kitを用いて抽出したHBV陽性試料について、コピー数のlogを閾値サイクル(Ct)に対してプロットした場合、本発明による試験は、100〜10コピー/mlのHBVを良好な相関係数(0.998)で定量することができる。
【0067】
b)検出感度
AccurunTM HBV 325 DNA陽性コントロール(Boston Biomedica)を参照試料として使用して、本発明の試験(配列番号2および配列番号3をプライマーとして、そして配列番号12を分子ビーコンプローブとして用いる)の感度限界を決定した。この目的で、上記で説明したように、試料を血漿中に希釈し、DNAをQIAamp MinElute抽出キットを用いて抽出した。以下の表3に示すこの分析の結果は、本発明による試験が、QiagenからのQIAamp MinElute抽出キットを用いて抽出したHBV陽性試料のAccurunTM HBV参照を25コピー/mlほど低くまで検出可能にしたことを示す。
【0068】
【表3】

【0069】
平均感度限界を、同じ条件下で、TeraProTM HBV genotype panel由来の15個の試料の各々およびTeraProTM Hepatitis B Worldwide Genotype Panel由来の試料50番についてさらにアッセイし、表4にまとめる。
【0070】
【表4】

【0071】
それゆえ、血漿中で希釈し、QiaAmp Min Elute virus vacuum kitを用いて抽出したTeraProTM HBV genotype panelを用いて得られた本発明の試験の平均感度限界は、AccurunTM HBV 325 DNA陽性コントロールを用いて得られた平均感度限界に非常に近いことが見出された(検出限界25コピー/mlと比較して<32コピー/ml)。
【0072】
本発明による試験の感度限界は、Roche DiagnosticsからのCobas Amplicor HBV Monitor kit(感度限界200コピー/ml)またはLabCorpからのHepatitis B virus NGI SuperQuant kit(感度限界100コピー/ml)のような市販のPCRベースの検出試験と比較して改善されている。
【0073】
3)配列番号2および配列番号3のプライマーセットと配列番号2および配列番号4のプライマーセットとの比較
この比較のために、QiaAmp DNA blood mini kitを用いて抽出した血漿中のAccurun 325 HBV DNA陽性コントロールの希釈物を使用した。閾値サイクル(Ct)の結果を表5に示す。
【0074】
【表5】

【0075】
両方のプライマーセットは、Accurun HBVの抽出希釈物を同じ感度限界で増幅したが(10コピー/ml)、閾値サイクルのより良好な再現性およびより良好な相関が、配列番号2および配列番号4のプライマーセット(相関係数0.970)よりも配列番号2および配列番号3のプライマーセット(相関係数0.999)を用いて得られた。
【0076】
参考文献
- Ausubel et al. (eds.), Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons, Inc. (1994)
- Cayouette M, Sucharzuk A, Moores J, Tyagi S, and Kramer FR (1999) Using molecular beacons to monitor PCR product formation. Strategies Newsl. 12:85-88.
- Fahy et al. (1991) PCR Meth. Appl., 1, 25-33
- Kwoh et al. (1989) PNAS, 86, 1173-1177
- Perbal, A Practical Guide To Molecular Cloning (1984)
- Saiki et al., (1988), Science, 239:487
- Sambrook, Fritsch & Maniatis, Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Second Edition (1989) Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, New York
- Tyagi S and Kramer FR (1996) Nature Biotechnol., 16, 303-308
- Walker et al. (1992) P.N.A.S, 89, 392-396
- Yaron et al., (1979) Analytical Biochemistry 95: 228-235

【特許請求の範囲】
【請求項1】
配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号6、配列番号7およびそれらの相補配列からなる群より選択される配列からなるオリゴヌクレオチド。
【請求項2】
配列番号2またはその相補配列からなる、請求項1記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項3】
配列番号2からなる、請求項2記載のオリゴヌクレオド。
【請求項4】
配列番号3またはその相補配列からなる、請求項1記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項5】
配列番号4またはその相補配列からなる、請求項1記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項6】
配列番号6またはその相補配列からなる、請求項1記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項7】
配列番号7またはその相補配列からなる、請求項1記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項8】
B型肝炎ウイルス(HBV)由来の核酸とハイブリダイズさせ、そして所望により該核酸を増幅するためのプローブまたはプライマーとしての、請求項1〜7のいずれか1項記載のオリゴヌクレオチドの使用。
【請求項9】
HBV由来の核酸とハイブリダイズさせるためのプローブとしての、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11およびそれらの相補配列からなる群より選択される配列を含むオリゴヌクレオチドの使用。
【請求項10】
オリゴヌクレオチドが配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11およびそれらの相補配列からなる群より選択される配列からなる、請求項9記載の使用。
【請求項11】
オリゴヌクレオチドが配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11およびそれらの相補配列からなる群より選択される配列を含み、一方の末端にフルオロフォア部分を、そして他方の末端にクエンチャー部分を有する、請求項9記載の使用。
【請求項12】
オリゴヌクレオチドが配列番号12、配列番号13、配列番号14および配列番号15からなる群より選択される配列からなり、一方の末端にフルオロフォア部分を、そして他方の末端にクエンチャー部分を有する、請求項11記載の使用。
【請求項13】
オリゴヌクレオチドが配列番号12またはその相補配列からなり、一方の末端にフルオロフォア部分を、そして他方の末端にクエンチャー部分を有する、請求項12記載の使用。
【請求項14】
オリゴヌクレオチドが配列番号12からなり、一方の末端にフルオロフォア部分を、そして他方の末端にクエンチャー部分を有する、請求項13記載の使用。
【請求項15】
配列番号2からなるオリゴヌクレオチドならびに、少なくとも、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6および配列番号7からなるオリゴヌクレオチドからなる群より選択されるオリゴヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドのセット。
【請求項16】
以下からなる、請求項15記載のオリゴヌクレオチドのセット:
(i)配列番号2からなるオリゴヌクレオチドおよび配列番号3からなるオリゴヌクレオチド;
(ii)配列番号2からなるオリゴヌクレオチドおよび配列番号4からなるオリゴヌクレオチド;
(iii)配列番号2からなるオリゴヌクレオチドおよび配列番号5からなるオリゴヌクレオチド;
(iv)配列番号2からなるオリゴヌクレオチドおよび配列番号6からなるオリゴヌクレオチド;
(v)配列番号2からなるオリゴヌクレオチドおよび配列番号7からなるオリゴヌクレオチド;
(vi)配列番号2からなるオリゴヌクレオチド、配列番号4からなるオリゴヌクレオチドおよび配列番号5からなるオリゴヌクレオチド;ならびに
(vii)配列番号2からなるオリゴヌクレオチド、配列番号6からなるオリゴヌクレオチドおよび配列番号7からなるオリゴヌクレオチド。
【請求項17】
配列番号2からなるオリゴヌクレオチドおよび配列番号3からなるオリゴヌクレオチドからなる、請求項16記載のオリゴヌクレオチドのセット。
【請求項18】
配列番号2からなるオリゴヌクレオチドおよび配列番号4からなるオリゴヌクレオチドからなる、請求項16記載のオリゴヌクレオチドのセット。
【請求項19】
以下を含むオリゴヌクレオチドのセット:
a)請求項15、16、17または18記載のオリゴヌクレオチドのセット;および
b)配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11およびそれらの相補配列からなる群より選択される配列を含むオリゴヌクレオチド。
【請求項20】
以下を含む、請求項19記載のオリゴヌクレオチドのセット:
a)請求項15〜18のいずれか1項記載のオリゴヌクレオチドのセット;および
b)配列番号12、配列番号13、配列番号14および配列番号15からなる群より選択される配列からなり、一方の末端にフルオロフォア部分を、そして他方の末端にクエンチャー部分を有するオリゴヌクレオチド。
【請求項21】
以下を含む、請求項20記載のオリゴヌクレオチドのセット:
a)請求項17または18記載のオリゴヌクレオチドのセット;および
b)配列番号12からなり、一方の末端にフルオロフォア部分を、そして他方の末端にクエンチャー部分を有するオリゴヌクレオチド。
【請求項22】
以下からなる工程を包含する、生物学的試料において増幅によりHBVを特異的に検出する方法:
a)請求項15〜18のいずれか1項記載のオリゴヌクレオチドのセットを、生物学的試料または生物学的試料から得られた核酸調製物と、オリゴヌクレオチドが試料中に存在するHBV核酸にハイブリダイズするために適切な条件下で接触させる工程;
b)オリゴヌクレオチドをプライマーとして使用してHBV核酸を増幅する工程;
c)生物学的試料中のHBVの存在を示す増幅産物を検出する工程。
【請求項23】
HBV核酸がポリメラーゼ連鎖反応によって増幅される、請求項22記載の方法。
【請求項24】
増幅産物の検出が、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11およびそれらの相補配列からなる群より選択される配列を含み、検出可能に標識されているオリゴヌクレオチドをプローブとして使用することによって実施される、請求項22または23記載の方法。
【請求項25】
オリゴヌクレオチドが配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11およびそれらの相補配列からなる群より選択される配列を含み、一方の末端にフルオロフォア部分を、そして他方の末端にクエンチャー部分を有する、請求項24記載の方法。
【請求項26】
配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11およびそれらの相補配列からなる群より選択される配列を含むオリゴヌクレオチドが、配列番号12、配列番号13、配列番号14または配列番号15である、請求項24または25記載の方法。
【請求項27】
以下を含む、生物学的試料中のHBVを増幅するためのキット:
− 少なくとも、プライマーとして有用な、請求項15〜18のいずれか1項記載のオリゴヌクレオチドのセット;
−HBV核酸を増幅するための手段。
【請求項28】
増幅産物の検出のための手段をさらに含む、請求項27記載のキット。
【請求項29】
HBV核酸を増幅するための手段がポリメラーゼ連鎖反応による増幅のための手段である、請求項27または28記載のキット。
【請求項30】
配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11およびそれらの相補配列からなる群より選択される配列を含み、検出可能に標識されており、そしてプローブとして有用なオリゴヌクレオチドを含む、請求項27〜29のいずれか1項記載のキット。
【請求項31】
配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11およびそれらの相補配列からなる群より選択される配列を含むオリゴヌクレオチドが、配列番号12、配列番号13、配列番号14または配列番号15である、請求項30記載のキット。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−42001(P2010−42001A)
【公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−192306(P2009−192306)
【出願日】平成21年8月21日(2009.8.21)
【分割の表示】特願2006−544575(P2006−544575)の分割
【原出願日】平成16年12月7日(2004.12.7)
【出願人】(592096719)
【氏名又は名称原語表記】Bio−Rad Pasteur 
【Fターム(参考)】