説明

B群連鎖球菌を検出するためのプライマーセット及びその利用

【課題】従前の方法と比べて、迅速、簡便かつ高感度で、被験試料におけるB群連鎖球菌の存在の有無を確認することができる方法及び該方法を実施するための材料の提供。
【解決手段】B群連鎖球菌に特有のCAMPファクター遺伝子の特定領域を増幅することができるLAMP用プライマーのセットを作製することに成功。また、このプライマーセットを用いることによって、LAMP法により上記特定領域を高感度で特異的に増幅することができ、結果として従前の方法と比べて迅速、簡便かつ高感度でB群連鎖球菌を検出した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、B群連鎖球菌を検出するためのプライマーセットに関する。さらに本発明は、該プライマーセットを用いたB群連鎖球菌の検出方法及び該検出方法を実施するためのキットに関する。
【背景技術】
【0002】
B群連鎖球菌(Streptococcus agalactiae)は、新生児の敗血症や髄膜炎の筆頭起因菌種である。出産時の母子間の垂直感染を防止するために、B群連鎖球菌を保菌する妊婦に対して分娩時にペニシリンを予防的に投与することが、米国CDCや欧州で推奨されている。日本でも、最近、このような予防投薬処置が広く行なわれはじめた。B群連鎖球菌は、新生児の敗血症や髄膜炎の起因菌としてのみならず、成人においても肺炎などの起因菌として問題となることも知られている。
【0003】
B群連鎖球菌には、これまでペニシリン等のβ−ラクタム薬が奏効し、第一選択薬はペニシリン系やセファロスポリン系の抗菌薬であった。しかし、近年、B群連鎖球菌の中には、ペニシリン結合蛋白に変異を獲得し、β−ラクタム薬に抵抗性を示す株が散見されている。例えば、本発明者らは、ペニシリンの抵抗性を獲得したB群連鎖球菌について報告している(非特許文献1)。
【0004】
そこで、新生児や成人における上記疾患の治療に際しては、臨床検体中でのB群連鎖球菌の存在の有無を確認した上で、該B群連鎖球菌がβ−ラクタム薬に対して耐性があるか否かを検査することが求められている。これまでのB群連鎖球菌の存在の確認は、膣スワブなどの生体由来の被験試料からB群連鎖球菌の同定キット(例えば、三菱化学メディエンス、Streptococcus agalactiae用同定キット「ストレプテクス」)を用いるなどによって実施されていた。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】木村幸司ら、Antimocrobial Agents and Chemothery、(2008), 第52号(8), pp.2890-2897.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記したB群連鎖球菌の同定キットを用いたB群連鎖球菌の検出方法は、培養と同定という二段階の操作が必要であることから、少なくとも2日の期間を要し、さらに培養及び同定について異なる2種の手技を要する。さらに上記方法は、一定数の増殖活性のあるB群連鎖球菌を必要とする方法である。このような方法は緊急分娩時の検査などに対応することが困難であることから、臨床的な応用性を考えれば、迅速、簡便かつ高感度のB群連鎖球菌の検出方法の開発が望まれる。
【0007】
そこで、本発明の目的は、従前の方法と比べて、迅速、簡便かつ高感度で、被験試料におけるB群連鎖球菌の存在の有無を確認することができる方法及び該方法を実施するための材料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、B群連鎖球菌に特有のCAMPファクター遺伝子の特定領域を増幅することができるLAMP用プライマーのセットを作製することに成功した。また、このプライマーセットを用いることによって、LAMP法により上記特定領域を高感度で特異的に増幅することができ、結果として従前の方法と比べて迅速、簡便かつ高感度でB群連鎖球菌を検出できた。本発明は、これらの知見に基づいて完成された発明である。
【0009】
したがって、本発明は以下の構成からなる。
[1]
CAMPファクター遺伝子における標的領域をLAMP法により増幅し得る、B群連鎖球菌(Streptococcus agalactiae)を検出するためのプライマーセット。
[2]
CAMPファクター遺伝子における標的領域内の3’末端から5’末端方向に配置する任意配列F3c、F2c、F1c、R1、R2及びR3について、
F2cに対して相補的な配列F2及びF2の5’側にF1cと同一の配列を含むインナープライマーフォワード(IPF)、
F3cに対して相補的な配列F3を含むアウタープライマーフォワード(OPF)、
R2と同一の配列及び該配列の5’側にR1に対して相補的な配列R1cを含むインナープライマーリバース(IPR)、並びに
R3と同一の配列を含むアウタープライマーリバース(OPR)
を含む、[1]に記載のプライマーセット。
[3]
IPF及びIPRの少なくとも1種は、3’末端及び5’末端のそれぞれの6塩基の自由エネルギーの合計が−4 kcal/mol以下である、[1]又は[2]に記載のプライマーセット。
[4]
OPF及びOPRの少なくとも1種は、Tm値が59〜61℃である、[1]〜[3]のいずれか1項に記載のプライマーセット。
[5]
CAMPファクター遺伝子における標的領域におけるダンベル構造の一本鎖ループ部の配列及び/又は該一本鎖ループ部の配列に対して相補的な配列を含むループプライマーをさらに含む、[1]〜[4]のいずれか1項に記載のプライマーセット。
[6]
ループプライマーの少なくとも1種は、Tm値が64〜66℃である、[1]〜[5]のいずれか1項に記載のプライマーセット。
[7]
CAMPファクター遺伝子における標的領域が、配列表の配列番号1に記載の塩基配列の第130位〜第540位の間にある、[1]〜[6]のいずれか1項に記載のプライマーセット。
[8]
IPFが以下の(a)又は(a’)の配列を含み;OPFが以下の(b)又は(b’)の配列を含み;IPRが以下の(c)又は(c’)の配列を含み;及び、OPRが以下の(d)又は(d’)の配列を含む、[1]〜[7]のいずれか1項に記載のプライマーセット。
(a)配列表の配列番号2に記載の配列
(b)配列表の配列番号3に記載の配列
(c)配列表の配列番号4に記載の配列
(d)配列表の配列番号5に記載の配列
(a’)配列表の配列番号2に記載の配列において1から複数個の塩基の欠失、置換、逆位、付加及び挿入からなる群から選ばれる少なくとも1種の変異を有し、かつ
3’末端及び5’末端のそれぞれの6塩基の自由エネルギーの合計が−4 kcal/mol以下である配列
(b’)配列表の配列番号3に記載の配列において、1から複数個の塩基の欠失、置換、逆位、付加及び挿入からなる群から選ばれる少なくとも1種の変異を有し、かつ
Tm値が59〜61℃である配列
(c’)配列表の配列番号4に記載の配列において、1から複数個の塩基の欠失、置換、逆位、付加及び挿入からなる群から選ばれる少なくとも1種の変異を有し、かつ
3’末端及び5’末端のそれぞれの6塩基の自由エネルギーの合計が−4 kcal/mol以下である配列
(d’)配列表の配列番号5に記載の配列において、1から複数個の塩基の欠失、置換、逆位、付加及び挿入からなる群から選ばれる少なくとも1種の変異を有し、かつ
Tm値が59〜61℃である配列
[9]
ループプライマーがフォワードとリバースからなり、ループプライマーのフォワードが以下の(e)又は(e’)の配列を含み、及びループプライマーのリバースが以下の(f)又は(f’)の配列を含む、[5]〜[8]のいずれか1項に記載のプライマーセット。
(e)配列表の配列番号6に記載の配列
(e’)配列表の配列番号6に記載の配列において1から複数個の塩基の欠失、置換、逆位、付加及び挿入からなる群から選ばれる少なくとも1種の変異を有し、かつ
Tm値が64〜66℃である配列
(f)配列表の配列番号7に記載の配列
(f’)配列表の配列番号7に記載の配列において1から複数個の塩基の欠失、置換、逆位、付加及び挿入からなる群から選ばれる少なくとも1種の変異を有し、かつ
Tm値が64〜66℃である配列
[10]
IPF、OPF、IPR、OPR及びループプライマーの少なくとも1種は、GC含量が40〜65%である、[1]〜[9]のいずれか1項に記載のプライマーセット。
[11]
[1]〜[10]のいずれか1項に記載のプライマーセットを用いてLAMP法を行うことにより被験試料中のCAMPファクター遺伝子の有無を検出することを含む、B群連鎖球菌の検出方法。
[12]
増幅操作後の溶液の濁度により増幅されたDNAの存在を確認する、[11]に記載の検出方法。
[13]
被験試料が、ヒト由来の試料である、[11]又は[12]に記載の検出方法。
[14]
ヒト由来の試料が、膣スワブ、喀痰、膿又は滲出液である、[13]に記載の検出方法。
[15]
[1]〜[10]のいずれか1項に記載のプライマーセットを含む、[11]〜[14]のいずれか1項に記載に検出方法を実施するためのキット。
【発明の効果】
【0010】
本発明のプライマーセットを用いたB群連鎖球菌の検出方法によれば、従前の同定キットを用いたB群連鎖球菌の検出方法と比べて迅速、簡便かつ高感度でB群連鎖球菌を検出することができる。本発明のプライマーセットはLAMP法に用いられるものである。LAMP法はPCRで必要とされるような特殊な装置を要しないことから、本発明のプライマーセットは、通常の施設、例えば、病院などの臨床施設において汎用的にB群連鎖球菌を検出するために使用することができる。
【0011】
本発明のプライマーセットは、B群連鎖球菌のみを検出し、同じグラム陽性球菌属であるA群連鎖球菌、肺炎球菌、腸球菌などを検出せず、B群連鎖球菌に対して高い特異性を示す。さらに、本発明のプライマーセットを用いた検出方法は、理論上は1μlあたり4個程度のB群連鎖球菌を検出することができることから、高感度の検査として期待できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明のプライマーセットの一態様を用いたLAMP法の検出感度を調べた結果をグラフ化したものである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明について詳細に説明する。
[プライマーセット]
本発明のプライマーセットは、CAMPファクター遺伝子における標的領域をLAMP法により増幅し得る、B群連鎖球菌(Streptococcus agalactiae)を検出するために用いられる。本発明のプライマーセットは、例えば、LAMP法プライマー設計支援ソフト(PrimerExplorer Ver.4、栄研化学)を使用して設計し、設計されたプライマーセットの中から候補となり得るプライマーセットを合成して、各プライマーセットについて、B群連鎖球菌から精製したDNAを鋳型としてLAMP法を試行することにより、検出感度と特異性を基準として、本発明のプライマーセットを用意することができる。
【0014】
CAMPファクター遺伝子(Christie-Atkins-Munch-Peterson factor gene)は、ほとんどのB群連鎖球菌が保有し、かつB群連鎖球菌に特異的である。これは、メナードらの文献(Ke D, Menard C, Picard FJ, Boissinot M, Ouellette M, Roy PH, Bergeron MG., Clin Chem. 2000 Mar;46(3):324-31)によって報告されている。本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、このCAMPファクター遺伝子を検出対象遺伝子とし、さらにLAMP法を利用することにより、PCR装置などの特殊な装置を用いることなしに、例えば、病院の細菌検査室等でB群連鎖球菌を簡便かつ迅速に検出することに成功した。CAMPファクター遺伝子の具体例は、配列表の配列番号1に記載の塩基配列である。CAMPファクター遺伝子としては、配列表の配列番号1に記載の塩基配列において、1から複数個の塩基の欠失、置換、付加及び/又は挿入を有する塩基配列からなり、配列番号1に記載の塩基配列からなるCAMPファクターと同等の機能を有するタンパク質をコードする遺伝子でもよい。
【0015】
LAMPとは、Loop−mediated Isothermal Amplificationの略であり、環状型等温増幅反応又はループ媒介等温増幅法ともいい、詳細は国際公開第00/28082号公報を参照することができる。
【0016】
LAMP法は、鋳型となるヌクレオチド(例えば、配列表の配列番号1に記載の塩基配列を含むCAMPファクター遺伝子における標的領域)に自身の3’末端をアニールさせて相補鎖合成の起点とするとともに、このとき形成されるループにアニールするプライマーを組み合わせることにより、等温での相補鎖合成反応を可能とした核酸増幅法である。
【0017】
LAMP法では、プライマーの3’末端が常に試料に由来する領域に対してアニールするために、塩基配列の相補的結合によるチェック機構が繰り返し機能するため、その結果として、高感度にかつ特異性の高い核酸増幅反応を可能にしている。
【0018】
本発明のプライマーセットの具体的態様の一つは、CAMPファクター遺伝子における標的領域内の3’末端から5’末端方向に配置する任意配列F3c、F2c、F1c、R1、R2及びR3について、
F2cに対して相補的な配列F2及びF2の5’側にF1cと同一の配列を含むインナープライマーフォワード(IPF)、
F3cに対して相補的な配列F3を含むアウタープライマーフォワード(OPF)、
R2と同一の配列及び該配列の5’側にR1に対して相補的な配列R1cを含むインナープライマーリバース(IPR)、並びに
R3と同一の配列を含むアウタープライマーリバース(OPR)
を含む。
【0019】
CAMPファクター遺伝子における標的領域に含まれる任意の計6領域、すなわち3’末端側からF3c、F2c、F1cという領域と、5’末端側からR3、R2、R1という領域の塩基配列を認識する少なくとも4種類のプライマーであって、各々インナープライマーフォワード(IPF)及びインナープライマーリバース(IPR)、並びにアウタープライマーフォワード(OPF)及びアウタープライマーリバース(OPR)と呼ぶ。また、F1c、F2c、F3cの相補的な塩基配列をF1、F2、F3、またR1、R2、R3の相補的な塩基配列をR1c、R2c、R3cとそれぞれ呼ぶ。
【0020】
インナープライマーとは、標的領域上の「ある特定のヌクレオチド配列領域」を認識し、かつ合成起点を与える塩基配列を3’末端に有し、同時にこのプライマーを起点とする核酸合成反応生成物の任意の領域に対して相補的な塩基配列を5’末端に有するオリゴヌクレオチドである。ここで、「F2より選ばれた塩基配列」及び「F1cより選ばれた塩基配列」を含むプライマーをインナープライマーフォワード(以下IPF)、そして「R2より選ばれた塩基配列」と「R1cより選ばれた塩基配列」を含むプライマーをインナープライマーリバース(以下IPR)と呼ぶ。インナープライマーは、「F2より選ばれた塩基配列」と「F1cより選ばれた塩基配列」の間、あるいは「R2より選ばれた塩基配列」と「R1cより選ばれた塩基配列」の間に、塩基数0〜50の任意の塩基配列を持っても良い。
【0021】
アウタープライマーとは、標的領域上の『「ある特定のヌクレオチド配列領域」の3'末端側に存在するある特定のヌクレオチド配列領域』を認識かつ合成起点を与える塩基配列を有するオリゴヌクレオチドである。ここで、「F3より選ばれた塩基配列」を含むプライマーをアウタープライマーフォワード(以下OPF)、「R3より選ばれた塩基配列」を含むプライマーをアウタープライマーリバース(以下OPR)と呼ぶ。
【0022】
ここで、各プライマーにおけるフォワードとは、標的領域のセンス鎖と相補的に結合し、合成起点を提供するプライマー表示であり、一方リバースとは、標的領域のアンチセンス鎖と相補的に結合し、合成起点を提供するプライマー表示である。ここで、プライマーとして用いられるオリゴヌクレオチドの長さは、10塩基以上、好ましくは15塩基以上で、化学合成あるいは天然のどちらでも良く、各プライマーは単一のオリゴヌクレオチドであってもよく、複数のオリゴヌクレオチドの混合物であってもよい。
【0023】
本発明のプライマーセットを用いたLAMP法によって、CAMPファクター遺伝子における標的領域及び該標的領域と相補的な領域を増幅することができる。
【0024】
本発明のプライマーセットにおいて、IPF、OPF、IPR及びOPRは、上記配列を含むプライマーであれば特に制限されない。これらのうちIPF及びIPRの好ましい具体例は、3’末端及び5’末端のそれぞれの6塩基の自由エネルギーの合計が−4 kcal/mol以下である。
【0025】
各プライマーの3’末端及び5’末端のそれぞれの6塩基の自由エネルギーの計算は、Nearest-Neigbor法を用いて計算することができる。例えば、IPF及びIPRの3’末端及び5’末端のそれぞれの6塩基の自由エネルギーは、栄研化学HP(URL:
https://primerexplorer.jp/lamp4.0.0/index.html)を参照し、上記HP上で提供されているPrimerExplorer、具体的にはPrimerExplorer V4を利用することにより、F1c及びR1cの5’末端とF2及びR2の3’末端のそれぞれの6塩基の自由エネルギーとして計算することができる。また、PrimerExplorer V4を利用すれば、配列表の配列番号1に記載の塩基配列等の情報を記入し操作することにより、3’末端及び5’末端のそれぞれの6塩基の自由エネルギーの合計が−4 kcal/mol以下である一連のプライマーを得ることができる。この中から好ましいIPF及びIPRを選ぶことができる。
【0026】
OPF及びOPRの好ましい具体例は、融解温度の値、すなわちTm値が59〜61℃である。Tm値は、例えば、Nearest-Neigbor法を用い、オリゴ濃度0.1μM、ナトリウムイオン濃度50mM、マグネシウムイオン濃度4mMで算出することができ、上記のPrimerExplorer V4を利用することもできる。Tm値は、F1c及びR1cでは64〜66℃、F2、R2、F3及びR3では59〜61℃であることが好ましい。さらに、IPF、OPF、IPR及びOPRの各プライマーのGC含量は、40〜65%程度であることがより好ましい。
【0027】
LAMPの核酸増幅においては、インナープライマーとアウタープライマーに加え、さらにこれとは別のプライマー、すなわちループプライマーを用いることができる。ループプライマー(Loop Primer)は、ダンベル構造のループ構造の一本鎖部分の塩基配列に相補的な塩基配列を持つプライマーである。このプライマーを用いると、核酸合成の起点が増加し、反応時間の短縮と検出感度の上昇が可能となる(詳しくは、国際公開第02/24902号公報を参照)。
【0028】
ループプライマーの塩基配列は、上記のループ構造の一本鎖部分の塩基配列に相補的であれば特に制限はなく、標的領域の塩基配列あるいはその相補鎖から選ばれることが好ましいが、ループ構造はダンベル構造の5’末端側にあることがより好ましい。また、ループプライマーは上記のループ構造の一本鎖部分の塩基配列に相補的な配列を有するフォワードと、上記のループ構造の一本鎖部分の塩基配列を有するリバースとからなることがさらに好ましい。
【0029】
ループプライマーは、Tmが64〜66℃であることが好ましい。ループプライマーの3’末端の6塩基の自由エネルギーの合計は−4 kcal/mol以下であることがより好ましいが、必ずしもこの条件を満たさなくともよい。ループプライマーのGC含量は、40〜65%程度であることがさらに好ましい。
【0030】
CAMPファクター遺伝子における標的領域は、上記のIPF、IPR、OPF及びOPR、並びにループプライマーを設計できる領域であれば特に制限されないが、例えば、配列表の配列番号1に記載の塩基配列の第130位〜第540位が好ましく、200位〜540位がより好ましく、250位〜540位がさらに好ましく、300位〜540位がなおさらに好ましく、320位〜530位が特に好ましい。
【0031】
CAMPファクター遺伝子における標的領域が、配列表の配列番号1に記載の塩基配列の320位〜530位である場合のIPF、IPR、OPF及びOPRの具体例は、それぞれ配列表の配列番号2、3、4及び5に記載の配列を挙げることができるが、本発明のプライマーセットに含まれるIPF、IPR、OPF及びOPRはこれらに限定されるものではない。また、IPF及びIPRの具体例として、配列表の配列番号2及び4の配列において1から複数個の塩基の欠失、置換、逆位、付加及び挿入からなる群から選ばれる少なくとも1種の変異を有し、かつ3’末端及び5’末端のそれぞれの6塩基の自由エネルギーの合計が−4 kcal/mol以下である配列を挙げることができる。さらに、OPF及びOPRの具体例として、配列表の配列番号3及び5の配列において1から複数個の塩基の欠失、置換、逆位、付加及び挿入からなる群から選ばれる少なくとも1種の変異を有し、かつTm値が59〜61℃である配列を挙げることができる。
【0032】
CAMPファクター遺伝子における標的領域が、配列表の配列番号1に記載の塩基配列の320位〜530位である場合のループプライマーの具体例は、配列表の配列番号6及び7に記載の配列、並びにこれらの配列において1から複数個の塩基の欠失、置換、逆位、付加及び挿入からなる群から選ばれる少なくとも1種の変異を有し、かつTm値が64〜66℃である配列を挙げることができるが、本発明のプライマーセットに含まれるプライマーセットはこれらに限定されるものではない。
【0033】
本明細書において、「1から複数個の塩基の欠失、置換、逆位、付加及び挿入からなる群から選ばれる少なくとも1種の変異」における「1から複数個」の範囲は、プライマーの種類に応じて、3’末端及び5’末端のそれぞれの6塩基の自由エネルギーの合計が−4 kcal/mol以下になる配列やTm値が59〜61℃又は64〜66℃になる配列である限りにおいて限定されるものではなく、例えば、1から10個、好ましくは1から8個、より好ましくは1から6個、より好ましくは1から5個、さらに好ましくは1から4個、特に好ましくは1から3個程度を意味する。また、「塩基の欠失」とは配列中の塩基の欠落もしくは消失を意味し、「塩基の置換」は配列中の塩基が別の塩基に置き換えられていること、「塩基の逆位」とは隣り合う2以上の塩基の位置が逆になっていること、「塩基の付加」とは塩基が付け加えられていること、「塩基の挿入」とは配列中の塩基の間に別の塩基が挿し入れられていることをそれぞれ意味する。
【0034】
本発明のプライマーセットに含まれる各プライマーは、上記した配列を含めば、CAMPファクター遺伝子、特に配列表の配列番号1に記載の塩基配列からなるCAMPファクター遺伝子の情報に基づいて、化学合成、遺伝子工学的手法又は突然変異誘発などの当業者に通常知られる任意の方法で作製することができる。例えば、市販のDNA合成装置によって合成することができる。
【0035】
[検出方法]
本発明の別の側面によれば、本発明のプライマーセットを用いてLAMP法を行うことにより被験試料中のCAMPファクター遺伝子の有無を検出することを含む、B群連鎖球菌の検出方法が提供される。本発明の検出方法の一態様は、例えば、本発明のプライマーセット及び被験試料又は被験試料から得たDNAを含む溶液をLAMP法による核酸増幅操作に供すること、及び核酸増幅操作後の溶液において増幅されたDNAの存在を確認することを含む。さらに、本発明の検出方法の別の一態様は、例えば、本発明のプライマーセットを用意すること、前記プライマーセット及び被験試料又は被験試料から得たDNAを含む溶液をLAMP法による核酸増幅操作に供すること、及び核酸増幅操作後の溶液において増幅されたDNAの存在を確認することを含む。
【0036】
本発明のプライマーセットについては、上記[プライマーセット]の記載を参照できる。
【0037】
本発明の方法では、本発明のプライマーセットを用いてLAMP法を行うことにより被験試料中のCAMPファクター遺伝子の有無を検出する。具体的には、まず、本発明のプライマーセット及び被験試料又は被験試料から得たDNAを含む溶液をLAMP法による核酸増幅操作に供する。
【0038】
被験試料は、例えば、分離培養した発育コロニー、培養液あるいは患者カテーテル拭き取り検体、膣スワブ、喀痰、膿汁、滲出液などが挙げられるが、これらはヒト由来であることが好ましく、ヒト由来の膣スワブ、喀痰、膿又は滲出液がより好ましい。被験試料は、例えば、被験試料そのものでもよく、被験試料を適当な緩衝液、生理食塩水、水などで希釈したものであってもよい。
【0039】
被験試料からDNAを得る方法としては、被験試料を分離培養した発育コロニー、培養液あるいは患者カテーテル拭き取り検体、膣スワブ、喀痰、膿汁、滲出液などとする場合には、タンパク質分解酵素等による組織細胞由来タンパク質を分解後、フェノール及びクロロホルムを用いた方法などの公知のDNA抽出・精製法の他、市販抽出キットを用いる方法などを利用することができる。また、迅速な検出のため、未精製の状態のままの試料処理液も利用できる。
【0040】
具体的には、分離培養した発育コロニーからDNAを得る方法としては、発育コロニーをGeneReleaser(フナコシ)などのDNA抽出試薬を用いて説明書に従って処理する方法を挙げることができる。発育コロニーを接種して培養した液体培地からDNAを得る方法としては、例えば、後述する実施例に示す方法を用いることができる。
【0041】
LAMP法による核酸増幅操作は、例えば、以下のように行うことができる。試薬(例えば、Bst DNAポリメラーゼ、反応バッファー、dNTPs、プライマーセット、蒸留水)を混合し、反応チューブに分注した後に被験試料、被験試料から得たDNA又は被験試料から得たDNAを含む溶液を加える。上記試薬としては、例えば、栄研化学のloopamp DNA増幅試薬キットを利用することが好ましい。次いで、酵素活性に適した温度、例えば、60〜70℃、好ましくは65℃にてインキュベートする。インキュベート時間は、LAMP法によるDNA増幅が完了するのに十分な時間、例えば、30分〜120分、好ましくは60〜90分の範囲に設定できる。
【0042】
核酸増幅操作後の溶液において増幅されたDNAの存在を確認する。被験試料中にB群連鎖球菌が含まれている場合、核酸増幅操作によりCAMPファクター遺伝子に相当するDNAが増幅される。逆に、被験試料中にB群連鎖球菌が含まれていなければ、核酸増幅操作によっても増幅されるDNAはない。
【0043】
核酸増幅操作後の溶液において増幅されたDNA、すなわちCAMPファクター遺伝子の有無は、これまでに知られている技術によって制限なく確認することができ、例えば、該溶液の濁度を測定することや蛍光目視検出などで確認することの他に、増幅された塩基配列を特異的に認識する標識オリゴヌクレオチドや蛍光性インターカレーター(特許文献特開2001−242169号公報)を用いる方法、反応終了後の反応液をそのままアガロースゲル電気泳動にかける方法などによって確認することができる。アガロースゲル電気泳動では、増幅されたDNAは、塩基長の異なる多数のバンドがラダー(はしご)状に検出される。
【0044】
LAMP法ではDNAの合成により基質が大量に消費され、副産物であるピロリン酸が、共存するマグネシウムと反応してピロリン酸マグネシウムとなり、反応液が肉眼で確認できる程度に白濁する。したがって、この白濁を、反応終了後あるいは反応中の濁度上昇を経時的に光学的に観察できる測定機器、例えば650nmの吸光度変化を通常の分光光度計を用いて確認することも可能である(特許文献国際公開第01/83817号パンフレット)。蛍光目視検出は、蛍光目視試薬を添加して反応させ、UVランプを当てることにより目視で反応液の蛍光発色を観察することで行うことができる。
【0045】
簡便性及び汎用性の観点から、核酸増幅操作後の溶液において増幅されたDNAの存在は、濁度測定により確認することが好ましい。増幅DNAの濁度の測定は、例えば、以下のように行うことができる。リアルタイム濁度測定装置により経時的に、あるいは濁度測定装置により最終増幅産物の濁度を測定する。濁度を検出する際の波長は、650nmであることが好ましい。
【0046】
具体的には、栄研化学のリアルタイム濁度測定装置LA-320Cを用いて、濁度が0.1以上になったものを増幅されたDNAが存在する、と判定することができる。
【0047】
本発明の別の側面によれば、本発明のプライマーセットを含む、本発明の検出方法を実施するためのキットも包含する。本発明のキットは、本発明のプライマーセットを含めば特に制限されないが、例えば、以下の物を含めることができる。
1. 鎖置換活性を有する鋳型依存性核酸合成酵素
2.反応バッファー
3.dNTPs
4.プライマーセット(本発明のプライマー)
5.コントロールDNA(陽性コントロール)
6.反応チューブ
7.説明書
【0048】
前述のように、本発明の方法では、DNAの増副産物の有無を濁度測定又は蛍光目視検出により行うことができる。蛍光目視で検出する場合は、上記キットに蛍光目視試薬を含めることができる。濁度測定装置を使用する場合には、キットには蛍光目視検出試薬は含めない。
【0049】
本発明のキットに含める酵素は、鎖置換活性を有する鋳型依存性核酸合成酵素であれば特に限定されない。このような酵素としては、Bst DNAポリメラーゼ(ラージフラグメント)、Bca(exo−)DNAポリメラーゼ、大腸菌DNAポリメラーゼIのクレノウフラグメント等が挙げられ、好ましくはBst DNAポリメラーゼ(ラージフラグメント)が挙げられる。
【0050】
反応バッファーとしては、LAMP法の反応に適した試薬を混合したものであれば特に制限されないが、例えば、酵素反応に好適な条件を与える緩衝液や塩類、酵素や鋳型を安定化する保護剤を混合したものを利用できる。本発明のキットは、必要に応じて増幅DNAの確認に必要な試薬類を含めることができる。
【0051】
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。
【実施例】
【0052】
1 B群連鎖球菌を検出するための、LAMP用プライマーセットの設計
B群連鎖球菌ATCC12403(NEM316)株のCAMP factor gene (cfb)の全長配列(配列表の配列番号1)をもとに、Primer Explorer V4を用いて表1の通りに設計した。表1に記載のプライマーは、シグマアルドリッチジャパン社に合成及び精製を委託した。
【表1】

【0053】
2 LAMP法の感度
B群連鎖球菌ATCC BAA-611(2603V/R)から精製したchromosomal DNA(Promega Wizard genomic DNA purification kitで精製、加熱処理なし)を鋳型とし、栄研化学のloopamp DNA増幅試薬キットを用いて、テンプレートの量を表2に示す通りに変えて、表3の反応ミックスにより、65 ℃、 90分間のLAMP法を実施した。増幅は、濁度を測定して確認した。結果を図1に示す。図1が示す通り、10fgまで濁度の上昇が認められ、検出が可能であった。
【表2】

【表3】

【0054】
3 LAMP法の特異度
以下の種々の細菌からchromosomal DNAを精製(Promega Wizard genomic DNA purification kitで精製、加熱処理なし)し、1ngを鋳型として、上記2と同じ条件でLAMP法を行い、増幅の有無を濁度測定で判定した。結果を、表4にて、「+」を増幅ありとし、「-」を増幅なしとして示した。表4に示す通り、Streptococcus agalactiae においてのみ増幅を認め、他菌種では増幅を認めなかった。
【表4】

【0055】
配列表は以下の記載に基づく。
配列番号1 CAMP factor gene:
atgaacgttaaacatatgatgtatctatctggaactctagtggctggtgcattgttattttcaccagctgtattagaagtacatgctgatcaagtgacaactccacaagtggtaaatcatgtaaacagtaataatcaagcccagcaaatggctcaaaagcttgatcaagatagcattcagttgagaaatatcaaagataatgttcagggaacagattatgaaaaaacggttaatgaggctattactagtgttgaaaaattaaagacttcattgcgtgccaaccctgagacagtttatgatttgaattctattggtagtcgtgtagaagccttaacagatgtgattgaagcaatcactttttcaactcaacatttagcaaataaggttagtcaagcaaatattgatatgggatttgggataactaagctggttattcgcattttagatccatttgcttcagttgattcaattaaagctcaagttaacgatgtaaaggcattagaacaaaaggttttaacttatcctgatttaaaaccaactgatagagctaccatctatacaaaatcaaaacttgataaggaaatctggaatacacgctttactagagataaaaaagtacttaacgtcaaagaatttaaagtttacaatactttaaataaagcaatcacacatgctgttggagttcagttgaatccaaatgttacggtacaacaagttgatcaagagattgtaacattacaagcagcacttcaaacagcattaaaataa
配列番号2 IPF(NEM316FIP): CAG CTT AGT TAT CCC AAA TCC CAT A GAA GCA ATC ACT TTT TCA ACT CA
配列番号3 OPF(NEM316F3):AGA AGC CTT AAC AGA TGT GA
配列番号4 IPR(NEM316BIP): ATT CGC ATT TTA GAT CCA TTT GCT T GCC TTT ACA TCG TTA ACT TGA G
配列番号5 OPR(NEM316B3): CAG GAT AAG TTA AAA CCT TTT GTT C
配列番号6 LPF(LF2): TGC TTG ACT AAC CTT ATT TGC
配列番号7 LPR(LB): CAG TTG ATT CAA TTA AAG

【特許請求の範囲】
【請求項1】
CAMPファクター遺伝子における標的領域をLAMP法により増幅し得る、B群連鎖球菌(Streptococcus agalactiae)を検出するためのプライマーセット。
【請求項2】
CAMPファクター遺伝子における標的領域内の3’末端から5’末端方向に配置する任意配列F3c、F2c、F1c、R1、R2及びR3について、
F2cに対して相補的な配列F2及びF2の5’側にF1cと同一の配列を含むインナープライマーフォワード(IPF)、
F3cに対して相補的な配列F3を含むアウタープライマーフォワード(OPF)、
R2と同一の配列及び該配列の5’側にR1に対して相補的な配列R1cを含むインナープライマーリバース(IPR)、並びに
R3と同一の配列を含むアウタープライマーリバース(OPR)
を含む、請求項1に記載のプライマーセット。
【請求項3】
IPF及びIPRの少なくとも1種は、3’末端及び5’末端のそれぞれの6塩基の自由エネルギーの合計が−4 kcal/mol以下である、請求項1又は2に記載のプライマーセット。
【請求項4】
OPF及びOPRの少なくとも1種は、Tm値が59〜61℃である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のプライマーセット。
【請求項5】
CAMPファクター遺伝子における標的領域におけるダンベル構造の一本鎖ループ部の配列及び/又は該一本鎖ループ部の配列に対して相補的な配列を含むループプライマーをさらに含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載のプライマーセット。
【請求項6】
ループプライマーの少なくとも1種は、Tm値が64〜66℃である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のプライマーセット。
【請求項7】
CAMPファクター遺伝子における標的領域が、配列表の配列番号1に記載の塩基配列の第130位〜第540位の間にある、請求項1〜6のいずれか1項に記載のプライマーセット。
【請求項8】
IPFが以下の(a)又は(a’)の配列を含み;OPFが以下の(b)又は(b’)の配列を含み;IPRが以下の(c)又は(c’)の配列を含み;及び、OPRが以下の(d)又は(d’)の配列を含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載のプライマーセット。
(a)配列表の配列番号2に記載の配列
(b)配列表の配列番号3に記載の配列
(c)配列表の配列番号4に記載の配列
(d)配列表の配列番号5に記載の配列
(a’)配列表の配列番号2に記載の配列において1から複数個の塩基の欠失、置換、逆位、付加及び挿入からなる群から選ばれる少なくとも1種の変異を有し、かつ
3’末端及び5’末端のそれぞれの6塩基の自由エネルギーの合計が−4 kcal/mol以下である配列
(b’)配列表の配列番号3に記載の配列において、1から複数個の塩基の欠失、置換、逆位、付加及び挿入からなる群から選ばれる少なくとも1種の変異を有し、かつ
Tm値が59〜61℃である配列
(c’)配列表の配列番号4に記載の配列において、1から複数個の塩基の欠失、置換、逆位、付加及び挿入からなる群から選ばれる少なくとも1種の変異を有し、かつ
3’末端及び5’末端のそれぞれの6塩基の自由エネルギーの合計が−4 kcal/mol以下である配列
(d’)配列表の配列番号5に記載の配列において、1から複数個の塩基の欠失、置換、逆位、付加及び挿入からなる群から選ばれる少なくとも1種の変異を有し、かつ
Tm値が59〜61℃である配列
【請求項9】
ループプライマーがフォワードとリバースからなり、ループプライマーのフォワードが以下の(e)又は(e’)の配列を含み、及びループプライマーのリバースが以下の(f)又は(f’)の配列を含む、請求項5〜8のいずれか1項に記載のプライマーセット。
(e)配列表の配列番号6に記載の配列
(e’)配列表の配列番号6に記載の配列において1から複数個の塩基の欠失、置換、逆位、付加及び挿入からなる群から選ばれる少なくとも1種の変異を有し、かつ
Tm値が64〜66℃である配列
(f)配列表の配列番号7に記載の配列
(f’)配列表の配列番号7に記載の配列において1から複数個の塩基の欠失、置換、逆位、付加及び挿入からなる群から選ばれる少なくとも1種の変異を有し、かつ
Tm値が64〜66℃である配列
【請求項10】
IPF、OPF、IPR、OPR及びループプライマーの少なくとも1種は、GC含量が40〜65%である、請求項1〜9のいずれか1項に記載のプライマーセット。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか1項に記載のプライマーセットを用いてLAMP法を行うことにより被験試料中のCAMPファクター遺伝子の有無を検出することを含む、B群連鎖球菌の検出方法。
【請求項12】
増幅操作後の溶液の濁度により増幅されたDNAの存在を確認する、請求項11に記載の検出方法。
【請求項13】
被験試料が、ヒト由来の試料である、請求項11又は12に記載の検出方法。
【請求項14】
ヒト由来の試料が、膣スワブ、喀痰、膿又は滲出液である、請求項13に記載の検出方法。
【請求項15】
請求項1〜10のいずれか1項に記載のプライマーセットを含む、請求項11〜14のいずれか1項に記載に検出方法を実施するためのキット。

【図1】
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【公開番号】特開2010−284090(P2010−284090A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−138977(P2009−138977)
【出願日】平成21年6月10日(2009.6.10)
【出願人】(591222245)国立感染症研究所長 (48)
【出願人】(503044064)株式会社ミロクメディカルラボラトリー (1)
【Fターム(参考)】