説明

BOG多段容積型圧縮機の運転制御方法

【課題】低圧段側吸込ガスが定常運転時よりも高温であっても、高圧段側の吸込ガスと吐出ガスの差圧による荷重(ガス荷重)が、許容ガス荷重を超えることを防止可能なBOG多段容積型圧縮機の運転制御方法を提供する。
【解決手段】液化天然ガス1から発生するBOGを圧縮するため、複数の容積型圧縮部9,10を接続して構成されてなるBOG多段容積型圧縮機8の運転制御方法において、所定状態に合致する場合の、このBOG多段容積型圧縮機8の高圧段圧縮部10のロードに対する低圧段圧縮部9のロードの比率(ロード比)を、所定状態以外の場合のロード比より大きくなるよう運転制御する。即ち、前記BOG多段容積型圧縮機8の低圧段圧縮部9の吸込温度を検出可能に構成し、前記所定状態を、前記吸込温度の検出温度が予め定められた設定温度以上の状態とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液化天然ガス(LNG)を貯蔵するタンク内で自然気化して発生したボイルオフガス(Boil off Gas、以下、BOGと称する。)を圧縮して、プラントに供給するBOG容積型圧縮機の運転制御方法に係り、更に詳しくは、多段容量型圧縮機において、その高圧段側圧縮部における吸込ガスと吐出ガスの差圧による荷重(ガス荷重)の増大を抑制し得るBOG多段容積型圧縮機の運転制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
LNG基地では、LNG貯蔵タンク内で自然気化して発生したBOGを、BOG圧縮機によって発電プラントや都市ガス設備等への天然ガスの送出圧力まで昇圧し、蒸発器から出される主たる天然ガスに合流させて前記各設備に送出している。
【0003】
前記BOG圧縮機では、BOGを断熱圧縮するので圧縮率が高くなるとBOGの温度が上昇する。特に、BOG圧縮機の起動時には、LNG貯蔵タンクより導出されたBOGの温度が常温近くまで上昇し、BOG圧縮機の吸込ガス温度が常温近くの高い温度(例えば30℃)に昇温しており、これをそのまま圧縮する状態が続くと、例えば吐出圧力が0.4MPaの場合、BOG圧縮機の吐出ガス温度が155℃程度まで上昇し、圧縮機許容運転温度、例えば150℃を越えてしまい運転できなくなる。
【0004】
この様なBOG圧縮機の問題点を解決する従来技術について、以下図6を参照しながら説明する。図6は、従来技術に係る運転制御方法が適用されたLNG及びBOGの処理設備の構成を示す図である。
【0005】
この従来技術に係るBOG多段圧縮機38には、三方弁43、冷却器45、温度検出器41,42、及び前記三方弁43の切り替えを司る制御装置46が備えられている。そして、このBOG多段圧縮機38では、三方弁43を切り替えることにより低圧段側圧縮部39の吐出ガスを冷却器45で冷却し、温度を落としてから高圧段側圧縮部40に供給する運転形態(運転形態1)と、低圧段側圧縮部39の吐出ガスを冷却器45に通さずに高圧段側圧縮部40に供給する運転形態(運転形態2)を切り替えることができる。
【0006】
前記運転形態1では、前記運転形態2よりも高圧段側圧縮部40の吐出ガス温度を低くできる。運転形態1は、BOG多段圧縮機38の起動時に、低圧段側圧縮部39の吸込ガスの温度が定常運転時(例えばマイナス130℃)よりも高く(例えば30℃)、高圧段側圧縮部40の吐出ガス温度が、運転許容温度を超える恐れがある場合に実施される。それに対して、運転形態2は、BOG多段圧縮機38の定常運転時に実施される。
【0007】
両運転形態の切り替えは、以下のように行われる。即ち、高圧段側吐出ガスの温度が温度検出器41によって設定温度よりも高いと検出される場合に、制御装置46は三方弁43を切り替えて、運転形態2による運転を中止して運転形態1による運転を開始する。一方、高圧段側吐出ガスの温度が、運転許容温度を超える恐れがないことを示す条件が満たされる場合には、運転形態1による運転を中止して運転形態2による運転を開始する。以上の運転制御方法により、高圧段側圧縮機40の吐出ガス温度が、運転許容温度を超えることを防止できる(特許文献1参照)。
【0008】
即ち、上記従来技術によれば、高圧段側吐出ガスの温度が運転許容温度を超える恐れがある場合には、低圧段側吐出ガスを冷却器45で冷却し、温度を落としてから高圧段側圧縮部40に供給する運転(運転形態1)を行なうことによって、高圧段側吐出ガスの温度が運転許容温度を超えることを防止するものである。
【0009】
しかしながら、前記従来技術に係るBOG多段圧縮機38では、低圧段側圧縮部39の吸込ガスの温度が定常運転時よりも高い場合に、低圧段側圧縮部39の吐出ガスの圧力及び高圧段側圧縮部40の吸込ガスの圧力が、定常運転時のそれらの圧力より低くなる。このため、高圧段側圧縮部40における吸込ガスの圧力と吐出ガスの圧力の差(差圧)が大きくなり、高圧段側圧縮部40におけるガス荷重が大きくなる。
【0010】
尚、ガス荷重とは、ガスの圧力によって生じる力の量を意味する。ガス荷重は圧縮機の筐体に負荷される。高圧段圧縮部40におけるガス荷重が大きくなれば、その大きくなったガス荷重を許容し得る設備が必要となり、通常では、やはり圧縮機の大型化に繋がる。このようなガス荷重の増大に対する対応策については、前記従来技術では言及されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2002−213366号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
従って、本発明の目的は、BOG多段容量型圧縮機において、低圧段側吸込ガスが定常運転時よりも高温であっても、高圧段側圧縮部における吸込ガスと吐出ガスの差圧による荷重(ガス荷重)の増大を抑制し得るBOG多段容積型圧縮機の運転制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記目的を達成するために、本発明の請求項1に係るBOG多段容積型圧縮機の運転制御方法が採用した手段は、液化天然ガスから発生するBOGを圧縮するため、容積型圧縮部を複数段接続して構成されてなるBOG多段容積型圧縮機の運転制御方法において、所定状態に合致する場合の、このBOG多段容積型圧縮機の高圧段圧縮部のロードに対する低圧段圧縮部のロードの比率(ロード比)を、所定状態以外の場合のロード比より大きくなるよう運転制御することを特徴とするものである。尚、本願における「ロード比」とは、「容量調整装置により達せられるガス処理量」と「容量調整装置を作動させない場合のガス処理量」の比の公称値である(「容量調整装置を作動させない場合のガス処理量」は100%ロードの処理量に相当する)。
【0014】
本発明の請求項2に係るBOG多段容積型圧縮機の運転制御方法が採用した手段は、請求項1に記載されたBOG多段容積型圧縮機の運転制御方法において、前記BOG多段容積型圧縮機の低圧段圧縮部の吸込温度を検出可能に構成し、前記所定状態を、前記吸込温度の検出温度が予め定められた設定温度以上の状態とすることを特徴とするものである。
【0015】
本発明の請求項3に係るBOG多段容積型圧縮機の運転制御方法が採用した手段は、請求項1に記載のBOG多段容積型圧縮機の運転制御方法において、前記BOG多段容積型圧縮機の高圧段圧縮部の吸込圧力と吐出圧力との差圧を検出可能に構成し、前記所定状態を、前記差圧が、予め定められた第1の設定差圧以上と判断されてから、当該差圧が、第1の設定温度よりも小さく、予め定められた第2の設定差圧に達したと判断されるまでの状態とすることを特徴とするものである。
【0016】
本発明の請求項4に係るBOG多段容積型圧縮機の運転制御方法が採用した手段は、請求項1に記載のBOG多段容積型圧縮機の運転制御方法において、前記所定状態に合致する場合のロード比を、所定状態以外の場合のロード比より大きくなるよう運転制御する際に、低圧段圧縮部の吐出ガスを冷却器を通して高圧段圧縮部に供給することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明の請求項1に係るBOG多段容積型圧縮機の運転制御方法によれば、BOGを圧縮するため、容積型圧縮機を複数段接続して構成されてなるBOG多段容積型圧縮機の運転制御方法において、所定状態に合致する場合の、このBOG多段容積型圧縮機の高圧段圧縮部のロードに対する低圧段圧縮部のロードの比率(ロード比)を、所定状態以外の場合のロード比より大きくなるよう運転制御するので、ロード比Rが大きい運転を行うことは即ち、低圧段圧縮機の圧縮比が大きくなり、高圧段圧縮機の圧縮比が小さくなるため、その分、高圧段側のガス荷重も低下することになる。これにより、低圧段側吸込ガスが定常運転時よりも高温であっても、高圧段圧縮部における吸込ガスと吐出ガスの差圧による荷重(ガス荷重)の増大を抑制し、高圧段側のガス荷重が許容ガス荷重を超えることを防止することができる。
【0018】
また、本発明の請求項2に係るBOG多段容積型圧縮機の運転制御方法によれば、前記BOG多段容積型圧縮機の低圧段圧縮部の吸込温度を検出可能に構成し、前記所定状態を、前記吸込温度の検出温度が予め定められた設定温度以上の状態とするので、上記同様、低圧段側吸込ガスが定常運転時よりも高温であっても、高圧段圧縮部における吸込ガスと吐出ガスの差圧による荷重(ガス荷重)の増大を抑制し、高圧段側のガス荷重が許容ガス荷重を超えることを防止できる。
【0019】
更に、本発明の請求項3に係るBOG多段容積型圧縮機の運転制御方法によれば、前記BOG多段容積型圧縮機の高圧段圧縮部の吸込圧力と吐出圧力との差圧を検出可能に構成し、前記所定状態を、前記差圧が、予め定められた第1の設定差圧以上と判断されてから、当該差圧が、第1の設定差圧よりも小さく、予め定められた第2の設定差圧に達したと判断されるまでの状態とするので、上記同様、低圧段側吸込ガスが定常運転時よりも高温であっても、高圧段圧縮部における吸込ガスと吐出ガスの差圧による荷重(ガス荷重)の増大を抑制し、高圧段側のガス荷重が許容ガス荷重を超えることを防止できる。
【0020】
尚、高圧段側のガス荷重に直接関わる高圧段側の差圧を元に、運転形態を決定するため、供給先のガス需要量の変動などに起因して、高圧段側の吐出ガスの圧力が変動する場合においても、確実に高圧段圧縮部における吸込ガスと吐出ガスの差圧による荷重(ガス荷重)の増大を抑制し、そのガス荷重が許容ガス荷重を超えることを防止することができる。
【0021】
また更に、本発明の請求項4に係るBOG多段容積型圧縮機の運転制御方法によれば、前記所定状態に合致する場合のロード比を、所定状態以外の場合のロード比より大きくなるよう運転制御する際に、低圧段圧縮部の吐出ガスを冷却器を通して高圧段圧縮部に供給するので、上記同様、低圧段側吸込ガスが定常運転時よりも高温であっても、高圧段圧縮部における吸込ガスと吐出ガスの差圧による荷重(ガス荷重)の増大を抑制し、高圧段側のガス荷重が許容ガス荷重を超えることを防止できるとともに、低圧段側の吐出ガスの温度の上昇も抑制し、高圧段側の吐出ガスの温度が許容される上限温度を超えることも防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施の形態1に係るBOG多段容積型圧縮機の運転制御方法が適用されるLNG及びBOG処理設備の系統図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係るBOG多段容積型圧縮機の運転制御方法における起動直後のBOG温度の経時変化を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態2に係るBOG多段容積型圧縮機の運転制御方法が適用されるLNG及びBOG処理設備の系統図である。
【図4】本発明の実施の形態3に係るBOG多段容積型圧縮機の運転制御方法が適用されるLNG及びBOG処理設備の系統図である。
【図5】本発明の実施の形態4に係るBOG多段容積型圧縮機の運転制御方法が適用されるLNG及びBOG処理設備の系統図である。
【図6】従来技術に係る運転制御方法が適用されたLNG及びBOGの処理設備の構成を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
先ず、本発明の実施の形態1に係るBOG多段容積型圧縮機の運転制御方法について、往復動式圧縮機をBOG多段圧縮機に適用した場合を例として、以下図1,2を参照しながら説明する。図1は本発明の実施の形態1に係るBOG多段容積型圧縮機の運転制御方法が適用されるLNG及びBOG処理設備の系統図、図2は本発明の実施の形態1に係るBOG多段容積型圧縮機の運転制御方法における起動直後のBOG温度の経時変化を示す図である。
【0024】
本発明の実施の形態1に係るBOG多段容積型圧縮機は、液化天然ガス(LNG)1を貯蔵するLNG貯蔵タンク2内で自然気化して発生したBOGを圧縮して、図示しないプラントに供給するためのものであって、低圧段圧縮部9と高圧段圧縮部10とを備えた往復動式圧縮機からなるBOG多段圧縮機8である。そして、前記低圧段圧縮部9は、吸込弁アンローダ9aとヘッドエンドアンローダ9bからなる低圧段容量調整装置21によって、前記高圧段圧縮部10は、吸込弁アンローダ10aとヘッドエンドアンローダ10bからなる高圧段容量調整装置22によって、夫々容量調整可能なように構成されている。
【0025】
一方、液化天然ガス(LNG)1のLNG貯蔵タンク2にはLNG取出ライン3が接続され、そのライン3にLNGポンプ4が接続されると共に、海水等でLNGを蒸発させる蒸発器5が接続され、気化されたガスのガス移送ライン6が、図示しない例えば発電プラントのガスタービン等に接続される。LNG貯蔵タンク2の頂部には、BOG払出ライン7が接続され、そのBOG払出ライン7にBOG多段圧縮機8が接続されている。
【0026】
そして、BOG多段圧縮機8は、低圧段圧縮部9と高圧段圧縮部10とを、1台の駆動モータ11で同時に駆動されるようになっている。BOG払出ライン7は低圧段圧縮部9の吸込側に接続され、低圧段圧縮部9の吐出側と高圧段圧縮部10の吸込側とが中間ライン12で接続されている。また、BOG多段圧縮機8の高圧段圧縮部10の吐出側の吐出ライン17は、合流部23を介してガス移送ライン6に接続される。
【0027】
LNG貯蔵タンク2には、そのタンク2内BOGのガス圧を検出する圧力検出器24が設けられ、その検出値が制御装置25に入力される。制御装置25は、圧力検出器24で検出されるタンク2内BOGのガス圧が設定圧を超えたならBOG多段圧縮機8を起動運転する一方、前記タンク2内BOGのガス圧が所定値まで下がったなら圧縮機8を停止するよう運転制御する。
【0028】
次に、この設備において実施される本発明の実施の形態1に係る運転制御方法について、図2も参照しながら説明する。図2において、温度曲線Aは低圧段側吸入ガス温度、圧力曲線Bは図1の吐出ライン17上の位置P2における高圧段側の吐出ガスの圧力、圧力曲線Cは図1の中間ライン12上の位置P1における低圧段側の吐出ガスの圧力(高圧段側の吸込ガスの圧力)、ガス荷重曲線Dは高圧段側のガス荷重(押し荷重)を示す。
【0029】
<運転制御方法(その1)>
BOG多段圧縮機8が起動されると、低圧段圧縮部9の吸込ガス温度(LNG貯蔵タンク2から導出されたBOG温度)は、図2の温度曲線Aに示すように、極短時間ほぼ起動時の値を保った後に徐々に低下する。
【0030】
そして、ロード比が定常運転と同じ場合、高圧段側の吸込ガスの圧力は図の圧力曲線 C における一点鎖線で示すように、起動時の値から出発して、ごく短時間(時間s1)で定常運転における吸込ガスの圧力P_l3よりも低い値P_l1に達する。その後、高圧段側の吸込ガスの圧カは前記圧力曲線Cの変化に従って徐々に上昇し、圧力P_l3で安定する。
【0031】
一方、高圧段側の吐出ガスの圧カは図の圧力曲線 B で示すように、起動時の値から出発して、ごく短時問(時間s1)で定常運転における圧力P_h1に達し、安定状態になる。これに伴い、ロード比が定常運転と同じ場合の高圧段側のガス荷重は、図2のガス荷重曲線 D における一点鎖線で示すように、ゼロから始まり、ごく短時間の間に高圧段側の許容ガス荷重GL_hを超え、高い値GL_4に達する。その後、徐々に低下し、ガス荷重GL_2よりで安定する。
【0032】
さて、本発明の実施の形態1に係る運転制御方法においては、BOG多段圧縮機8が起動されると、制御装置25は、起動から後述の時間s2までの間、低圧段容量調整装置21と高圧段容量調整装置22を、ロード比Rが定常運転時よりも大きくなるように運転制御する。例えば、低圧段側ロードを100%、高圧段側ロードを75%になるように制御する。
【0033】
このような運転制御方法によって、低圧段側の吐出ガスの圧力(高圧段側の吸込ガスの圧力)は、図2の圧力曲線Cの実線に示すように上昇し、時間s2の際には圧力P_l4に達する。一方、高圧段側の吐出ガスの圧カは、ロード比が定常運転と同じ場合と同様に、起動時の値から出発して、ごく短時問(時間s1)の後に定常運転における圧力P_h1に達し、安定状態になる。そして、ガス荷重は、図2の圧力曲線Dの実線に示すように、起動から時間s1までの間に上昇して、時間s1の際にはGL_3に達する。但し、このGL_3は、許容ガス荷重GL_hより低い値に抑制されている。また、時間s1の後には、ガス荷重は下降し、時間s2の際にはGL_1に至る。
【0034】
制御装置25は、温度検出器26で検出された低圧段側吸入ガスの検出温度と、予め設定された設定温度T1(例えばマイナス45℃)とを比較し、比較の結果、低圧段側吸入ガスの検出温度が設定温度T1に達する(あるいは、低圧段側吸入ガスの検出温度が設定温度T1より低くなる)と、即ち図2における時間s2になると、低圧段容量調整装置21と高圧段容量調整装置22を、ロード比Rが定常運転時と同一になるように運転制御する。例えば、低圧段側ロードを100%、高圧段側ロードを100%になるように制御する。
【0035】
これにより、時間s2以降、一時的に、低圧段側の吐出ガスの圧力(高圧段側の吸込ガスの圧力)は下降し、それに伴って、吐出段側のガス荷重は逆に上昇する。しかしながら、下降していた低圧段側の吐出ガスの圧力(高圧段側の吸込ガスの圧力)は、時間s3の際にP_l3に達すると再び上昇に転じる。それに伴って、上昇していた吐出段側のガス荷重は、時間s3に達してから、下降に転じる。以後(時間s3以降)は、低圧段側吐出ガスの圧力(高圧段側の吸込ガスの圧力)は、更に徐々に上昇して、圧力P_l3で安定状態に至り、また、吐出段側のガス荷重は徐々に下降して、ガス荷重GL_2で安定状態に至る。
【0036】
以上、本発明の実施の形態1に係るBOG多段容積型圧縮機の運転制御方法によれば、高圧段圧縮部における吸込ガスと吐出ガスの差圧による荷重(ガス荷重)の増大を抑制し、そのガス荷重が許容ガス荷重GL_hを超えることを防止することができる。
【0037】
<実施例>
ここで、本発明の実施の形態1に係るBOG多段容積型圧縮機の運転制御方法の実施例につき、図1も参照しながら以下説明する。多段容積型圧縮機の定常運転では、1段側圧縮部9と2段側圧縮部10が共に100%ロードで運転される(表1の比較例−1)。本発明の実施の形態1に係るBOG多段容積型圧縮機では、例えば起動時において、前記所定状態に合致する場合には、1段側圧縮部9及び2段側圧縮部10の容量調整装置21(吸込弁アンローダ9aやヘッドエンドアンローダ9b等),22(吸込弁アンローダ10aやヘッドエンドアンローダ10b等)によって、1段側圧縮部9が100%のロードで運転され、2段側圧縮部10が75%のロードで運転される。即ち、起動時のロード比は、定常運転時のロード比よりも大きくなっている(表1の実施例参照)。
【0038】
尚、表1には、本発明の効果を示すために、従来技術に係るBOG多段容積型圧縮機の起動運転状態を挙げている。一つは、1段側圧縮部9、2段側圧縮部10ともに、100%のロードでの運転を運転形態(表1の比較例−2)である。もう一つは、1段側圧縮部9、2段側圧縮部10ともに、75%のロードでの運転を運転形態(表1の比較例−3)である。比較例−2と比較例−3の両者とも、ロード比は定常運転時のロード比と同一である。
【0039】
【表1】

【0040】
表2は、表1の各運転形態例における1段側圧縮部9及び2段側圧縮部10の夫々の吸込・吐出ガス圧力と、1段側圧縮部9、2段側圧縮部10の夫々の押し荷重、引き荷重を示している。表2の比較例−1に示されている様に、BOG多段容積型圧縮機の定常運転状態では、2段側の押し荷重は8990kgf程度である。しかし、従来技術に係るBOG多段容積型圧縮機の起動運転状態では、表2の比較例−2,3で示されている様に、2段側の押し荷重は許容ガス荷重の9000kgfを超える値、具体的には、比較例−2では9040kgf,比較例−3では9020kgfにも達する。
【0041】
一方、本発明の実施の形態1に係るBOG多段容積型圧縮機の起動運転状態では、表2の実施例に示されている様に、2段側の押し荷重が許容ガス荷重の9000kgfを超えない値、具体的には、8400kgfに抑えられている。これは、実施例では、ロード比を定常運転時よりも大きくすることによって、得られた効果である。
【0042】
【表2】

【0043】
次に、本発明の実施の形態2に係るBOG多段容積型圧縮機の運転制御方法について、スクリュ式圧縮機をBOG多段圧縮機に適用した場合を例として、以下図3を参照しながら説明する。図3は、本発明の実施の形態2に係るBOG多段容積型圧縮機の運転制御方法が適用されるLNG及びBOG処理設備の系統図である。
【0044】
但し、本発明の実施の形態2が上記実施の形態1と相違するところは、BOG多段容積型圧縮機の種類と低圧段容量調整装置及び高圧段容量調整装置の構成に相違があり、これ以外は上記実施の形態1と全く同構成であるから、上記実施の形態1と同一のものに同一符号を付して、以下その相違する点について説明する。
【0045】
即ち、上記実施の形態1に係るBOG多段容積型圧縮機の運転制御方法が、往復動式圧縮機からなるBOG多段圧縮機8において、低圧段圧縮部9が吸込弁アンローダ9aとヘッドエンドアンローダ9bからなる低圧段容量調整装置21により、高圧段圧縮部10が吸込弁アンローダ10aとヘッドエンドアンローダ10bからなる高圧段容量調整装置22により容量調整されていた。
【0046】
それに対し、図3に示す本実施の形態2に係るBOG多段容積型圧縮機の運転制御方法は、スクリュ式圧縮機からなるBOG多段圧縮機18において、低圧段圧縮部19はスライド弁19aからなる低圧段容量調整装置により、高圧段圧縮部20はスライド弁20aからなる高圧段容量調整装置により容量調整されるよう構成されている。
【0047】
このような本発明の実施の形態2に係るBOG多段容積型圧縮機の運転制御方法によっても、前記実施の形態1と同様、高圧段圧縮部20における吸込ガスと吐出ガスの差圧による荷重(ガス荷重)の増大を抑制し、そのガス荷重が許容ガス荷重GL_hを超えることを防止することができる。
【0048】
次に、本発明の実施の形態3に係るBOG多段容積型圧縮機の運転制御方法について、往復動式圧縮機をBOG多段圧縮機に適用した場合を例として、以下図4を参照しながら説明する。図4は本発明の実施の形態3に係るBOG多段容積型圧縮機の運転制御方法が適用されるLNG及びBOG処理設備の系統図である。
【0049】
本発明の実施の形態3と上記実施の形態1とは多くの構成を共通している。従って、図4では、上記実施の形態1(図1)と同一のものに同一符号を付して、その説明を省略する。尚、本発明の実施の形態3が上記実施の形態1と相違するところは、後者が低圧段側の吸入ガスの温度を検出可能なようにBOG払出ライン7に温度検出器26を備えていたのに対し、前者が、中間ライン12上の位置P1における低圧段側の吐出ガスの圧力(高圧段側の吸込ガスの圧力)と吐出ライン17上の位置P2における高圧段側の吐出ガスの圧力との差圧ΔPを検出可能なように、差圧計27を備えている点である。以下、その相違する点を中心に説明する。
【0050】
即ち、上記実施の形態1に係るBOG多段容積型圧縮機8の運転制御方法が、BOG払出ライン7に介装された温度検出器26によって低圧段側吸込ガスの温度を検出すると共に、運転制御方法(その1)によって運転制御されていたのに対し、図4に示す本実施の形態3に係るBOG多段容積型圧縮機8の運転制御方法は、低圧段側吐出ガスの圧力(高圧段側の吸込ガスの圧力)と高圧段側の吐出ガスの圧力との差圧ΔPを差圧計27にて検出すると共に、次に述べる運転制御方法(その2)によって運転制御するよう構成されている。
【0051】
<運転制御方法(その2)>
この運転制御方法(その2)において、BOG多段圧縮機8が起動されると、制御装置25は、差圧計27で検出された差圧ΔPと、この制御装置25内に予め設定された第1の設定差圧ΔP1とを比較する。そして、制御装置25は、差圧計27で検出された差圧ΔPが第1の差圧ΔP1より大であると、低圧段容量調整装置21と高圧段容量調整装置22を、ロード比Rが定常運転時より大きくなるように運転制御する。
【0052】
例えば、低圧段側ロードを100%、高圧段側ロードを75%になるように制御する。これにより、高圧段側のガス荷重は、許容ガス荷重GL_hより低い値に抑制される。
【0053】
更に、制御装置25は、差圧計27で検出された差圧ΔPと第2の設定差圧ΔP2とを比較し、比較の結果、差圧計27で検出された差圧ΔPが第2の差圧ΔP2より小であると、低圧段容量調整装置21と高圧段容量調整装置22を、ロード比Rが定常運転時と同一になるよう運転制御する。例えば、低圧段側ロードを100%、高圧段側ロードを100%に設定する。尚、第2の設定差圧ΔP2は、第1の設定差圧ΔP1よりも小さい値に予め設定されている。
【0054】
このように、本発明の実施の形態3に係るBOG多段容積型圧縮機の運転制御方法によれば、高圧段側のガス荷重に直接関わる高圧段側の差圧ΔPを元に、運転形態を決定するため、供給先のガス需要量の変動などに起因して、高圧段側の吐出ガスの圧力が変動する場合においても、確実に高圧段圧縮部10における吸込ガスと吐出ガスの差圧による荷重(ガス荷重)の増大を抑制し、そのガス荷重が許容ガス荷重GL_hを超えることを防止することができる。
【0055】
次に、本発明の実施の形態4に係るBOG多段容積型圧縮機の運転制御方法について、往復動式圧縮機をBOG多段圧縮機に適用した場合を例として、以下図5を参照しながら説明する。図5は本発明の実施の形態4に係るBOG多段容積型圧縮機の運転制御方法が適用されるLNG及びBOG処理設備の系統図である。
【0056】
本発明の実施の形態4と上記実施の形態1とは多くの構成を共通している。従って、図4では、上記実施の形態1(図1)と同一のものに同一符号を付して、その説明を省略する。以下、本発明の実施の形態4を、上記実施の形態1と相違する点を中心に説明する。
【0057】
本発明の実施の形態4に係るBOG多段容積型圧縮機では、その中間ライン12の途中に三方弁13が接続されている。この三方弁13は、その出口側が中間ライン12と接続する切換ポート13aと、バイパスライン14と接続する切換ポート13bを有する。バイパスライン14には冷却器15が接続され、その下流側が中間ライン12に接続される。冷却器15は、海水等の冷却水が通る冷却管16を有する。また三方弁13の切換ポート13a,13bは制御弁28で切り換えられ、その制御弁28が制御装置25で開閉制御される。
【0058】
<運転制御方法(その3)>
この運転制御方法(その3)において、BOG多段圧縮機8が起動されると、制御装置25は、温度検出器26で検出された低圧段側吸入ガスの検出温度と予め設定された設定温度T1(例えばマイナス45℃)とを比較し、比較の結果、その温度が設定温度T1より高い時、制御弁28を開閉制御して三方弁13の出口ポートを切換ポート13bにする。それと同時に、低圧段容量調整装置21と高圧段容量調整装置22を、ロード比Rが定常運転時よりも大きくなるように運転制御する。例えば、低圧段側ロードを100%、高圧段側ロードを75%になるように制御する。
【0059】
BOG払出ライン7からのBOGは、低圧段圧縮部9で圧縮され、三方弁13の切換ポート13bにて中間ライン12より分岐してバイパスライン14に流れ、冷却器15で冷却された後、中間ライン12に合流して高圧段圧縮部10に入り、そこで圧縮された後、吐出ライン17から合流部23を経てガス移送ライン6の天然ガスと共にプラントに供給される。
【0060】
そして、その後、制御装置25は、低圧段圧縮部9からの吐出ガスの温度が設定温度T1以下に低下した時に、制御弁22を開閉制御して三方弁13の出口ポートを切換ポート13aに切り換え、これにより低圧段圧縮部9からの吐出ガスを中間ライン12より直接、高圧段圧縮部10へ供給するようにする。それと同時に、低圧段容量調整装置21と高圧段容量調整装置22を、ロード比Rが定常運転時と同一になるように運転制御する。例えば、低圧段側ロードを100%、高圧段側ロードを100%になるように制御する。
【0061】
この、本発明の実施の形態4に係るBOG多段容積型圧縮機の運転制御方法によれば、やはり、高圧段圧縮部10における吸込ガスと吐出ガスの差圧による荷重(ガス荷重)の増大を抑制し、そのガス荷重が許容ガス荷重GL_hを超えることを防止することができる。尚、低圧段容量調整装置21と高圧段容量調整装置22を、ロード比Rが定常運転時よりも大きくなるように運転制御すると、高圧段側のガス荷重が軽減されるかわりに、低圧段側のガス荷重は増加し、低圧段側の吐出ガスの温度は上昇する。
【0062】
しかしながら、低圧段容量調整装置21と高圧段容量調整装置22を、ロード比Rが定常運転時よりも大きくなるように運転制御すると同時に、低圧段圧縮部9で圧縮されたBOGを、バイパスライン14に流し、冷却器15で冷却した後、中間ライン12に合流して高圧段圧縮部10に入れるように運転制御しているので、低圧段側の吐出ガスの温度の上昇は抑制される。従って、高圧段側の吐出ガスの温度が許容される上限温度を超えるようなことがない。
【0063】
<実施例>
ここで、本発明の実施の形態4に係るBOG多段容積型圧縮機の運転制御方法の実施例につき、以下図5も参照しながら説明する。多段容積型圧縮機の定常運転では、1段側圧縮部9と2段側圧縮部10が共に100%ロードで運転される(表3の比較例−4)。本発明の実施の形態4に係るBOG多段容積型圧縮機では、例えば起動時において、前記所定状態に合致する場合には、1段側圧縮部9及び2段側圧縮部10の容量調整装置21(吸込弁アンローダ9aやヘッドエンドアンローダ9b等),22(吸込弁アンローダ10aやヘッドエンドアンローダ10b等)によって、1段側圧縮部9が100%のロードで運転され、2段側圧縮部10が75%のロードで運転される。即ち、起動時のロード比は、定常運転時のロード比よりも大きくなっている(表3の実施例参照)。
【0064】
尚、表3には、本発明の効果を示すために、従来技術に係るBOG多段容積型圧縮機の起動運転状態を挙げている。一つは、1段側圧縮部9、2段側圧縮部10ともに、100%のロードでの運転を運転形態(表1の比較例−5)である。もう一つは、1段側圧縮部9、2段側圧縮部10ともに、75%のロードでの運転を運転形態(表1の比較例−6)である。比較例−5と比較例−6の両者とも、ロード比は定常運転時のロード比と同一である。
【0065】
【表3】

【0066】
表4は、表1の各運転形態例における1段側圧縮部9、2段側圧縮部10の夫々の吸込・吐出ガス圧力と、1段側圧縮部9、2段側圧縮部10の夫々の押し荷重、引き荷重を示している。表3の比較例−4に示されている様に、BOG多段容積型圧縮機の定常運転状態では、2段側の押し荷重は8490kgf程度である。しかし、起動時のロード比を定常運転時のロード比と同一とした場合では、表4の比較例−5,6で示されている様に、2段側の押し荷重は9230kgf(比較例−4の1.09倍),8970kgf(比較例−4の1.06倍)に達する。
【0067】
一方、本発明の実施の形態4に係るBOG多段容積型圧縮機の起動運転状態では、表4の実施例に示されている様に、2段側の押し荷重が8540kgf(比較例−4の1.01倍)に抑えられている。また、実施例では、ロード比を定常運転時よりも大きくすること、並びに、低圧段圧縮部9で圧縮されたBOGを、バイパスライン14に流し、冷却器15で冷却した後、中間ライン12に合流して高圧段圧縮部10に入れるように運転制御したことによって、得られた効果である。
【0068】
【表4】

【0069】
以上説明した通り、本発明に係るBOG多段容積型圧縮機の運転制御方法によれば、所定状態に合致する場合の、このBOG多段容積型圧縮機の高圧段圧縮部のロードに対する低圧段圧縮部のロードの比率(ロード比)Rを、所定状態以外の場合より大きくなるよう運転制御するので、ロード比Rが大きい運転を行うことは即ち、低圧段圧縮部の圧縮比が大きくなり、高圧段圧縮部の圧縮比が小さくなるため、その分、高圧段側のガス荷重も低下することになる。これにより、低圧段側吸込ガスが定常運転時よりも高温であっても、高圧段側のガス荷重が許容ガス荷重を超えることを防止することができる。
【0070】
尚、上記実施の形態では、本発明に係るBOG多段容積型圧縮機の運転制御方法は、往復動式圧縮機及びスクリュ式圧縮機を例として、また容量調整装置は、吸込弁アンローダ、ヘッドエンドアンローダ及びスライド弁を例として説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明に係るBOG多段容積型圧縮機の運転制御方法は様々な種類の容積型圧縮機、及び様々な構成からなる容量調整装置を有するBOG容積型圧縮機に適用できる。
【符号の説明】
【0071】
ΔP:差圧,
1:液化天然ガス(LNG),2:LNG貯蔵タンク,
3:LNG取出ライン, 4:LNGポンプ,
5:蒸発器, 6:ガス移送ライン,
7:BOG払出ライン,
8:BOG多段(容積型)圧縮機(往復動式圧縮機),
9:低圧段圧縮部(1段側圧縮部),
9a:吸込弁アンローダ, 9b:ヘッドエンドアンローダ,
10:高圧段圧縮部(2段側圧縮部),
10a:吸込弁アンローダ, 10b:ヘッドエンドアンローダ,
11:駆動モータ, 12:中間ライン,
13:三方弁, 13a,13b:切換ポート,
14:バイパスライン,
15:冷却器, 16:冷却管,
17:吐出ライン,
18:BOG多段(容積型)圧縮機(スクリュ式圧縮機),
19:低圧段圧縮部, 19a:スライド弁,
20:高圧段圧縮部, 20a:スライド弁,
21:低圧段容量調整装置, 22:高圧段容量調整装置,
23:合流部, 24:圧力検出器,
25:制御装置, 26:温度検出器,
27:差圧計, 28:制御弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液化天然ガスから発生するBOGを圧縮するため、容積型圧縮部を複数段接続して構成されてなるBOG多段容積型圧縮機の運転制御方法において、所定状態に合致する場合の、このBOG多段容積型圧縮機の高圧段圧縮部のロードに対する低圧段圧縮部のロードの比率(ロード比)を、所定状態以外の場合のロード比より大きくなるよう運転制御することを特徴とするBOG多段容積型圧縮機の運転制御方法。
【請求項2】
前記BOG多段容積型圧縮機の低圧段圧縮部の吸込温度を検出可能に構成し、前記所定状態を、前記吸込温度の検出温度が予め定められた設定温度以上の状態とすることを特徴とする請求項1に記載されたBOG多段容積型圧縮機の運転制御方法。
【請求項3】
前記BOG多段容積型圧縮機の高圧段圧縮部の吸込圧力と吐出圧力との差圧を検出可能に構成し、前記所定状態を、前記差圧が予め定められた第1の設定差圧以上と判断されてから、前記差圧が、第1の設定差圧よりも小さく、予め定められた第2の設定差圧に達したと判断されるまでの状態とすることを特徴とする請求項1に記載されたBOG多段容積型圧縮機の運転制御方法。
【請求項4】
前記所定状態に合致する場合のロード比を、所定状態以外の場合のロード比より大きくなるよう運転制御する際に、低圧段圧縮部の吐出ガスを、冷却器を通して高圧段圧縮部に供給することを特徴とする請求項1に記載されたBOG多段容積型圧縮機の運転制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−122352(P2012−122352A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−271577(P2010−271577)
【出願日】平成22年12月6日(2010.12.6)
【出願人】(000001199)株式会社神戸製鋼所 (5,860)
【Fターム(参考)】