説明

C型肝炎(HCV)処置のためのシクロスポリンとペグ化インターフェロンの組合せ剤の使用

HCV感染を有する患者の処置法であって、該患者に、シクロスポリンAまたはシクロスポリンA誘導体を、インターフェロンの水溶性ポリマーへのコンジュゲート共同した、HCVの1種以上の徴候または症状を軽減または解消するのに十分な量で投与することを含む、方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、C型肝炎(HCV)の処置のための、シクロスポリンAまたはシクロスポリンA誘導体と共同した、インターフェロンの水溶性ポリマーへのコンジュゲート、特に、ペグ化アルファ−インターフェロンの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
いくつかのタイプのインターフェロン、特に、アルファ−インターフェロン、例えば、インターフェロン−アルファ−2b(INTRON(登録商標))、コンセンサスインターフェロン(INFERGEN(登録商標))ならびにペグ化インターフェロンアルファ−2a(PEGASYS(登録商標))またはペグ化インターフェロンアルファ−2b(PEG-INTRON(登録商標))のようなこれらのおよび他のインターフェロンのペグ化形態は、慢性HCVの処置に認可されている。該インターフェロンはまた、しばしばHCV感染の処置のためにリバビリンと組み合わせて使用される。
【0003】
非ペグ化アルファ−インターフェロンは相対的に短い半減期を示し、従って、HCV患者は通常1週間に3回処置を受けなければならない。この投与レジメンにもかかわらず、ウイルス負荷の間欠的増加が、薬剤投与を行わない日に観察される。ペグ化インターフェロン、すなわち、共有結合により結合したポリエチレングリコール(PEG)部分を含むインターフェロン誘導体は、対応する非ペグ化インターフェロンと比較してより遅いクリアランス速度およびより長い反撃を示す。ペグ化インターフェロンの持続する高濃度は、HCVに対してほとんど一定の抗ウイルス作用を持続でき、1週間に1回または2回投与を可能にする。慢性HCVの患者において、ペグ化インターフェロンアルファ−2aの1週間に1回投与のレジメンは、1週間に3回投与の非ペグ化インターフェロンアルファ−2aのレジメンよりも有効な処置であることが示されている。N Engl J Med, Vol. 343, pp. 1666-1672(2000)参照。
【0004】
シクロスポリンA(SANDIMUN(登録商標)、NEORAL(登録商標))は、既知の免疫抑制剤であり、肝臓移植拒絶反応を含む移植拒絶反応の予防のために特に使用されている。シクロスポリンAは、HCVで感染させた培養ヒト肝細胞におけるHCVゲノムの複製を抑制することがさらに判明している。Hepatology, Vol. 38, pp. 1282-1288(2003)。
【0005】
さらに、120名の患者による治験において、シクロスポリンAとインターフェロンアルファ−2bの組合せが、インターフェロンアルファ−2b単独での処置よりも慢性HCVの処置において有意に有効であることが示されている。J Gastroenterol, Vol. 38, pp. 567-572(2003)。この利益は、高ウイルス負荷およびHCV遺伝子型1の患者でほとんど達成された。
【0006】
以前はノンレスポンダーであった患者の、HCV遺伝子型1感染の処置におけるシクロスポリンAとインターフェロンアルファコン−1(Interferon alfacon-1)の組合せ剤のパイロット試験も報告されている。以前のノンレスポンダーが治療に対する持続した応答を達成できなかった点で、望む効果は示されなかったが、シクロスポリンAがHCVに対するインターフェロンの効果を増強し得るとの間接的証拠を提供した。J Clin Gastroenterol, Vol. 36, No. 4, pp. 352-355(2003)。
【発明の開示】
【0007】
本発明は、HCV感染、特に、その慢性型を有する患者の処置法であって、該患者に、シクロスポリンAまたはシクロスポリンA誘導体を、インターフェロンの水溶性ポリマーへのコンジュゲートと共同して、HCVの1種以上の徴候または症状を軽減または解消するのに有効な、例えば、該方法により処置されている対象、特に、ヒトの血清サンプルにおいて測定したHCV−RNAが検出可能限界まで低下させるのに有効な量で投与することを含む。本発明の方法は、HCVの処置をまだ何も受けていない、または他の処置、例えば、インターフェロン単独でのまたはインターフェロンとリバビリンの組合せでの処置に応答しなかった対象の処置に特に有利であり得る。
【0008】
さらなる局面において、本発明は、インターフェロンの水溶性ポリマーへのコンジュゲートと共同した、HCVの処置用医薬の製造におけるシクロスポリンAまたはシクロスポリンA誘導体の使用、およびさらに別の局面において、シクロスポリンAまたはシクロスポリンA誘導体と共同した、HCVの処置用医薬の製造におけるインターフェロンの水溶性ポリマーへのコンジュゲートの使用に関する。
【0009】
シクロスポリンAおよびシクロスポリンA誘導体は既知であり、例えば、米国特許4,117,118または欧州特許EP0539319に記載されている。シクロスポリンA誘導体は、例えば、J Peptide Res, Vol. 63, pp. 147-154(2004)に記載のような、シクロスポリンAプロドラッグを含む。例えば、EP0539319または米国特許5,234,625に記載のシクロスポリンA製剤は、水性環境においてマイクロエマルジョンを形成し、特に商品名NEORAL(登録商標)の下に商業的に入手可能な通りである。
【0010】
シクロスポリンAまたはその誘導体の医薬製剤は、好ましくは上記の通り“マイクロエマルジョン前濃縮物”であり、その個々の要素または成分は、薬学的に許容され、例えば、経口投与が予測されるならば、経口使用用である。
【0011】
シクロスポリン活性成分に加え、このような“マイクロエマルジョン前濃縮物”は一般に:
1)親水相;
2)親油相;および
3)界面活性剤
を含む。
【0012】
シクロスポリンは、親油相内に担持され得る。適当には、親水および親油相両方が担体媒体として働き得る。
【0013】
本発明の“マイクロエマルジョン前濃縮物”は、水中油型(o/w)マイクロエマルジョンを提供するタイプのものである。認識される通り、しかしながら、マイクロエマルジョン前濃縮物組成物は少量の水を含み得るか、または、例えば、o/wまたは油中水(w/o)型の、マイクロエマルジョンの微細構造特性を他の方法で示す。本明細書で使用する用語“マイクロエマルジョン前濃縮物”は、従って、このような可能性を含むと理解すべきである。
【0014】
本発明の“マイクロエマルジョン前濃縮物”組成物と、水または他の水性媒体との接触により得られるマイクロエマルジョンは、熱力学的安定性を示し、すなわち、それは環境温度で、例えば、濁ることなくまたは標準のエマルジョンサイズの滴形成もしくは沈殿なく、長期間安定なままである。水での希釈の上限は重要ではないが、重量で1:1、好ましくは1:5部(“マイクロエマルジョン前濃縮物”:HO)またはそれ以上の希釈が適する。好ましくは、水との接触により、本“マイクロエマルジョン前濃縮物”組成物は、約1,500オングストローム(Å)未満、より好ましくは約1,000Åまたは1,100Å未満、例えば、約150Åまたは200Åまで小さい平均粒子サイズを有するマイクロエマルジョンを形成する。
【0015】
インターフェロンの水溶性ポリマーへのコンジュゲートは、とりわけPEGまたはポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレン化ポリオールのようなポリアルキレンオキシドホモポリマー、それらのコポリマーおよびそれらのブロックコポリマーへのコンジュゲートを含むことを意味する。ポリアルキレンオキシド−ベースのポリマーに変えて、デキストラン、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、炭水化物−ベースのポリマーなどのような有効に非抗原性の物質を使用できる。このようなインターフェロンポリマーコンジュゲートは、米国特許4,766,106および4,917,888、欧州特許EP0236987およびEP0510356ならびに国際出願公報WO95/13090に記載されている。重合による修飾が抗原性応答を十分に低下させるため、外来インターフェロンは完全に自己である必要はない。ポリマーコンジュゲートの製造に使用するインターフェロンは、ヒト、反芻動物またはウシインターフェロンのような哺乳動物抽出物から製造でき、または組み換えにより製造する。好ましいのは、ペグ化インターフェロンとしても既知の、インターフェロンのPEGへのコンジュゲートである。
【0016】
とりわけ好ましいインターフェロンのコンジュゲートは、ペグ化アルファ−インターフェロン、例えば、ペグ化インターフェロンアルファ−2a、ペグ化インターフェロンアルファ−2b、ペグ化コンセンサスインターフェロンまたはペグ化精製インターフェロンアルファ産物である。ペグ化インターフェロンアルファ−2aは、例えば、欧州特許EP0593868に記載され、例えば、商品名PEGASYS(登録商標)(Hoffmann-La Roche)の下に商業的に入手可能である。ペグ化インターフェロンアルファ−2bは、例えば、欧州特許EP0975369に記載され、例えば、商品名PEG-INTRON A(登録商標)(Schering Plough)の下に商業的に入手可能である。ペグ化コンセンサスインターフェロンはWO96/11953に記載されている。好ましいペグ化アルファインターフェロンは、ペグ化インターフェロンアルファ−2aおよびペグ化インターフェロンアルファ−2bである。また好ましいのは、ペグ化コンセンサスインターフェロンである。
【0017】
インターフェロンの水溶性ポリマーへの本コンジュゲートは、とりわけ一般にインターフェロンと併用されるものおよび他の抗増殖剤または抗ウイルス剤から選択される付加的成分を含む組成物の形で使用でき、これらは当業者に既知である。治療的有効量のインターフェロンを薬学的に許容される担体、アジュバント、希釈剤、防腐剤および/または可溶化剤と共に含む慣用の医薬組成物は、本発明の実施に際して使用できる。インターフェロンの医薬組成物は、広範囲のpHおよびイオン強度を有する種々の緩衝剤、例えば、Tris−HCl、アセテートおよびホスフェートの希釈剤;担体、例えば、ヒト血清アルブミン;可溶化剤、例えば、トゥイーンおよびポリソルベート;および防腐剤、例えば、チメロソール(thimerosol)およびベンジルアルコールを含む。インターフェロンの医薬組成物は、注射可能溶液として、および注射前に適当な希釈剤で再構成する凍結乾燥粉末として商業的に入手可能である。
【0018】
上記の組合せに記載した通りのインターフェロンのコンジュゲートの代わりに、コンジュゲートとリバビリン、特に、ペグ化インターフェロンアルファとリバビリンの組合せのような組合せを使用することも本発明の範囲内である。
【0019】
シクロスポリンAまたはシクロスポリンA誘導体とペグ化インターフェロンに関連して本明細書で使用する用語“と共同し”は、ペグ化インターフェロンを、シクロスポリンAまたはシクロスポリンA誘導体の投与の前に、同時に、後に投与することを意味する。両方の薬学的活性剤を任意の適当な方法で、例えば、経口でまたは非経腸的に、例えば、筋肉内、腹腔内、皮下または静脈内で投与できる。シクロスポリンA輸液濃縮製剤が、例えば、Res Disclosure, Vol. 211, p. 420(1981)に記載されている。シクロスポリンAまたはシクロスポリンA誘導体は、好ましくは経口で、例えば、カプセルまたは経口溶液の形で投与し、一方ペグ化インターフェロンは好ましくは非経腸的に、特に、静脈内(i.v.)、筋肉内(i.m.)または皮下(s.c.)投与する。
【0020】
本発明を実施するのに適当な投与量は、用いるシクロスポリン誘導体またはペグ化インターフェロンおよびインターフェロンをリバビリンと組み合わせて使用するか否かに依存する。さらに投与量は、例えば、宿主、投与形態または処置する状態の重症度および当業者に既知の他の状態に依存し得る。典型的に、シクロスポリンAまたはその誘導体を、1回、好ましくは、分割用量で、特に、1日あたり2〜4投与量で投与し、例えば、2−15mg/kg/日または1日あたり約50−1,000mg、好ましくは50−200mgの総投与量とする。ペグ化インターフェロンは、典型的に非経腸的に1週間に1〜3回、好ましくは1週間に1回または2回投与する。総1週用量は、例えば、ペグ化インターフェロンアルファ−2bの場合、約0.5mcg/kg/週〜約1mcg/kg/週の範囲であり、インターフェロンアルファ−2aの場合、宿主の体重に無関係に典型的に約180mcg/週である。リバビリンとの組合せにおいて、各々インターフェロンアルファ−2bの標準投与量は約1.5mcg/kg/週またはインターフェロンアルファ−2a約180mcg/週であり、そして経口リバビリン、約600−1200mg/日、特に、800−1,200mg/日である。
【0021】
好ましくは、シクロスポリンAまたはシクロスポリンA誘導体およびペグ化インターフェロンを、このような処置を必要とする対象の血清中のHVC−RNAが検出可能に低下するのに十分な期間投与し得る。通常の処置期間は少なくとも4週、好ましくは12週またはそれ以上、例えば、約20週〜約100週、好ましくは約24週〜約72週、さらにより好ましくは約24週〜約48週の範囲の期間である。この期間は、HCV遺伝子型毎に異なる可能性があり、例えば、HCV遺伝子型2または3に感染した患者では約24週、またはHCV遺伝子型1に感染した患者では約48週である。
【0022】
HCV感染、特に、慢性HCV感染に罹患しているヒトは、下記徴候または症状の1種以上を示し得る:
(a)上昇したALT;
(b)抗−HCV抗体試験で陽性;
(c)HCV−RNA試験で陽性であることにより証明されるHCVの存在;
(d)慢性肝臓疾患の臨床的痕跡(clinical stigmata);または
(e)肝細胞損傷。
【0023】
このような基準はHCVの診断に使用できるだけでなく、薬剤処置に対する患者の応答の評価に使用できる。
【0024】
上昇した血清アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)およびアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)は、コントロールされていないHCVで起こることが知られており、処置に対する完全な応答は、これらの血清酵素、特にALTの正常化として定義される。Davis et al., New Eng J Med, Vol. 321, pp. 1501-1506(1989)。ALTは、肝臓細胞機能が、例えば、HCV感染のために障害されたときに、その血中濃度が上昇する酵素である。インターフェロンは酵素2',5'−オリゴアデニレートシンテターゼ(2'5'OAS)の合成をもたらし、それは次にウイルスmRNAの分解をもたらす。Houglum, Clin Pharmacol, Vol. 2, pp. 20-28(1983)。2'5'OASの血清濃度の増加は、ALT濃度の低下と同時に起こる。
【0025】
薬剤処置に応答した対象におけるHCV複製の経時変化を追跡するために、HCV RNAを血清サンプル中、例えば、HCVゲノムのN53およびN54非構造遺伝子領域由来の2セットのプライマーを使用するnestedポリメラーゼ連鎖反応アッセイにより測定し得る。Farci et al., New Eng J Med, Vol. 325, pp. 98-104(1991);およびUlrich et al., J Clin Invest, Vol. 86, pp. 1609-1614(1990)参照。
【0026】
肝臓生検サンプルの組織学的試験を、評価の第二の基準として使用できる。例えば、Knodell et al., Hepatology, Vol. 1, pp. 431-435(1981)を参照のこと。その組織学的活動性指数(門脈炎症、断片的なまたは架橋された壊死、小葉傷害および線維症)は、疾患活動性の得点化を提供する。
【0027】
本発明の実施に際して、上記徴候または症状の1種以上を示す哺乳動物に、シクロスポリンAまたはシクロスポリンA誘導体を、インターフェロンの水溶性ポリマーへのコンジュゲートと共同して、上記の徴候または症状の1種以上を解消または少なくとも軽減するのに十分な量および期間で投与する。疾患およびその薬剤処置に対する応答の経過を、臨床検査および検査値所見により追跡し得る。本発明の治療の有効性は、(慢性)HCVの先に記載の徴候および症状が軽減した程度およびインターフェロンの通常の副作用、すなわち、発熱、頭痛、悪寒、筋肉痛、疲労などのようなインフルエンザ様症状;および鬱病、異常感覚、集中力低下などのような中枢神経系関連症状が解消したまたは実質的に減少した程度により決定できる。
【0028】
ペグ化インターフェロンと組み合わせて投与するシクロスポリンAの効果および安全性は、例えば、連続コホート、複数上行用量設計で、H0、H8、H12、H24、D2、D5、D7、D14、D21、D28(ここで、Hは時間、Dは日、0は最初の処置剤投与時である)のウイルス負荷(HCV−RNA)、血清ALTおよびASTおよび標準安全性パラメーター、例えば、他の肝機能検査、血液細胞計測および生化学値の測定により証明できる。
【0029】
例えば、NEORALは単独でまたは/およびペグ化インターフェロンと同時に3−5mg/kg/日の投与量で投与でき、2回から4回までの投与量で投与する。
【0030】
適当な患者は、HCVに感染し、現在、肝機能検査異常、とりわけALT異常の患者である。好ましくは、患者は“未処置”患者であり、すなわち、誰もまだHCVに対する何らかの抗ウイルス処置剤(インターフェロンおよびまたはリバビリン)を投与されていない。
【0031】
他の局面において、NEORALは、リバビリンと組み合わせたまたは組み合わせていないインターフェロンまたはペグ化インターフェロンでの処置に応答しなかった患者に投与できる。
【0032】
さらに別の局面において、ペグ化インターフェロンとNEORALの組合せ剤を、ペグ化インターフェロンとリバビリンの標準組合せ剤と比較する。評価基準は、24週(HCV遺伝子型2−3)または48週(HCV遺伝子型1)処置終了後48週の持続するウイルス学的応答である。処置は未処置または難治性患者に行う。
【0033】
他の局面において、処置を、ペグ化インターフェロン(またはインターフェロン)とリバビリンの組合せ剤での処置に応答しなかった患者に行う。本処置レジメンは、ペグ化インターフェロンとリバビリンの組合せ剤へのNEORALの添加により得られたウイルス学的応答の割合に匹敵する。
【0034】
このような処置は、また移植後に実行できる(移植におけるNEORAL投与量は、15mg/kg/日まで増加できる)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
C型肝炎(HCV)感染を有する患者の処置法であって、該患者にシクロスポリンAまたはシクロスポリンA誘導体を、インターフェロンの水溶性ポリマーへのコンジュゲートと共同して、HCVの1種以上の徴候または症状を軽減または解消するのに十分な量で投与することを含む、方法。
【請求項2】
処置している患者の血清サンプルで測定したHCV−RNAを、検出可能限界まで低下させる、請求項1記載の方法。
【請求項3】
慢性HCVの処置のための、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
患者がインターフェロンもしくはペグ化インターフェロン単独またはリバビリンとの組合せでのHCV感染の処置に応答しない、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
インターフェロンの水溶性ポリマーへのコンジュゲートが、ペグ化インターフェロン、例えば、ペグ化アルファ−インターフェロンである、請求項1から4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
ペグ化インターフェロンが、ペグ化コンセンサスインターフェロン、ペグ化インターフェロンアルファ−2aまたはペグ化インターフェロンアルファ−2bから選択される、請求項5記載の方法。
【請求項7】
ペグ化インターフェロンがペグ化インターフェロンアルファ−2aまたはペグ化インターフェロンアルファ−2bである、請求項5記載の方法。
【請求項8】
シクロスポリンAまたはシクロスポリンA誘導体が、マイクロエマルジョン前濃縮物である、請求項7記載の方法。
【請求項9】
シクロスポリンAまたはシクロスポリンA誘導体を、約2〜15mg/kg/日の総投与量となる分割投与量で、特に、1日2〜4投与量で投与する、請求項1から8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
ペグ化インターフェロンを非経腸的に1週間に1〜3回、好ましくは1週間に1〜2回投与する、請求項1から9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
処置期間が、例えば、約20週〜約100週の範囲である、請求項1から10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
患者が、HCV遺伝子型1、2および3から選択されるHCVに感染している、請求項1から10のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
HCVが遺伝子型1のものである、請求項12記載の方法。
【請求項14】
HCVが遺伝子型2または3のものである、請求項12記載の方法。
【請求項15】
患者が、HCV処置前に肝臓移植を受けている、請求項1から14のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
所望によりリバビリンと組み合わせた、インターフェロンの水溶性ポリマーへのコンジュゲートと共同した、HCVの処置用薬剤の製造における、シクロスポリンAまたはシクロスポリンA誘導体の使用。
【請求項17】
シクロスポリンAまたはシクロスポリンA誘導体と共同した、HCVの処置用薬剤の製造における、所望によりリバビリンと組み合わせた、インターフェロンの水溶性ポリマーへのコンジュゲートの使用。
【請求項18】
HCV処置用医薬の製造における、所望によりリバビリンと組み合わせた、インターフェロンの水溶性ポリマーへのコンジュゲート、およびシクロスポリンAまたはシクロスポリンA誘導体の使用。
【請求項19】
該医薬が、インターフェロンの水溶性ポリマーへのコンジュゲートを含む第一成分およびシクロスポリンAまたはシクロスポリンA誘導体を含む第二成分、および所望によりリバビリンを含む第三成分を含むキットの形である、請求項17記載の方法。
【請求項20】
請求項19に記載の通りの医薬。
【請求項21】
処置期間が約24〜約72週である、請求項1から10のいずれかに記載の方法。
【請求項22】
処置期間が約24〜48週である、請求項1から10のいずれかに記載の方法。

【公表番号】特表2008−506648(P2008−506648A)
【公表日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−520752(P2007−520752)
【出願日】平成17年7月13日(2005.7.13)
【国際出願番号】PCT/EP2005/007633
【国際公開番号】WO2006/005610
【国際公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【出願人】(597011463)ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト (942)
【Fターム(参考)】