説明

CAD(コンピュータ援用決定)プロセスを日常的なCADシステム利用から得られた知識に適合させるために機械学習を利用する医用画像診断用のCAD支援

医用画像中の問題部位を自動的に検出し、マークするために機械学習分類を利用するCAD(コンピュータ援用決定)支援システム、方法及びツールを提供する。機械学習方法は日常のCADシステム利用の過程において得られるトレイニング・データを利用して絶えずCADプロセスに医師としての知識を組み込むことによってCADプロセスを適合させ/最適化するのに利用される。

【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本願は2003年6月27日付米国仮出願第60/483,559号に基づく優先権を主張するものであり、上記仮出願の内容全体を本願の一部として引用する。
【技術分野】
【0002】
本発明は、広義では、医用画像中の問題の部位を検出、診断及びマーキングすることによって決定の支援を自動化するために機械学習分類を用いる、CAD(コンピュータ援用決定)支援システム、方法及びツールに係わる。より具体的には、本発明は日常的なCAD支援システムの利用から得られるトレイニング・データを利用して、医師としての知識を絶えずCADプロセスに組み込むことによりCADプロセスを適応/最適化することができる機械学習方法を用いるCAD支援システム、方法及びツールに係わる。
【背景技術】
【0003】
画像診断の分野では、病状を分類及び評価するため、個々の患者の種々の解剖学的構造の医用画像を撮影する種々のシステムが開発されている。これらの撮影システムとして、例えば、CT(コンピュータ断層撮影)システム、MRI(磁気共鳴撮影)システム、X線システム、超音波システム、PET(陽電子放出断層撮影)システムなどがある。それぞれの撮影手段は特定の疾病タイプ、病状または解剖学的異常、例えば、結腸ポリープ、動脈瘤、肺結節、心臓または動脈石灰変性、胸部組織中の癌、微小な石灰変性または塊、その他種々の病巣または異常を分類及び評価する際に他の手段と比較してそれぞれ利点を有する。
【0004】
例えば、公知のように、CT(コンピュータ断層撮影)システムを利用することによって、器官及びその他の生体構造を撮影する目的で、患者のROI(問題部位)の一連の断層画像または二次元“スライス”を得ることができる。CT撮影法は疾病の診断目的にも広く利用されている。即ち、この撮影手段は器官、軟組織、骨のような種々の解剖学的構造のサイズ、形状及び位置を示す比較的正確な画像を提供し、損傷及び癌やポリープのような異常な解剖学的構造の比較的正確な評価を可能にするからである。
【0005】
病状を検出、診断または評価する目的で医師、臨床医、放射線技師などが通常利用する方法の1つは、取得した画像から再構成された医用画像のハード・コピー(X-線フィルム、プリント、写真、など)を手に取ってチェックすることにより、問題の特性を識別することである。例えば、CT試験において得られるCT画像データを利用することにより、一連の2D-医用画像(X-線フィルム)を作成することができ、これを観察することによって、例えば、観察する医師、臨床医、放射線技師、などの技量と知識に基づいて、異常な解剖学的構造または損傷があれば、これらを識別することができる。例えば、乳房撮影から胸部組織に相当する正常な解剖学的構造を含む医用画像が作成され、熟練した放射線技師がこれらの構造から癌性である可能性のある小さい損傷を識別できるかもしれない。しかし、熟練した放射線技師、医師または臨床医であっても人的ミスから乳癌のような病状を誤診する可能性がある。
【0006】
そこで、病状診断のための医用画像評価に際して医師、臨床医、放射線技師、などを補助するための種々の画像データ処理システムやツールが開発されている。例えば、医用画像から病状をコンピュータ援用検出/診断するコンピュータ援用検出/診断ツールが種々の臨床目的に開発されている。一般に、これらのCADシステムは画像データ処理方法によって、損傷や異常な解剖学的異常、例えば、結腸ポリープ、動脈瘤、肺結節、心臓または動脈石灰変性、胸部組織中の癌、微小な石灰変性または塊、などを自動的に検出/診断する。具体的には、従来のCADツールは画像データ分析することによって画像データ中の問題部位を自動的に検出し、これらの部位を損傷、異常、病状、などとして識別する方法を含む。処理された画像データが提供され、ディスプレーされると、ディスプレーされている画像中から検出された部位または問題点が“マーク”または強調されて、放射線技師の注意を、疑わしいとされる病状に向けさせる。
【0007】
CADシステムは診断/決定を支援する手段として極めて有用ではあるが、CADの精度はCADプロセスがどのようにプログラムされているかに応じて異なる。一般に、CADシステムは専門家によって設定され、コード形式に翻訳された一連の2値論理分類法則からCADプロセスを開発し、導出する“専門家システム”を使用して構成するか、または発見的に得られた知識を使用して訓練することができる。しかし、残念ながら、CADプロセスを開発するのに2値論理分類法則または発見的学習法を利用する専門家システムは本質的に開発者である専門家個人のものであり、デザインが主観的な性質のものであるため、このようなシステムはしばしばエラーを伴う。
【0008】
また、この種の公知システムでは、専門家は分類エラーの原因を追究し、その都度分類法則を更新することによって適正な精度レベルを求めねばならない。従って、このような公知方法は、専門家がエラーを理解/学習し、適正な法則を確立/修正することによってより正確な検出結果を得るには多大な時間と経費を必要とするから、実施と維持に多大のコストを要する。
【0009】
また、CADシステムは原理(機械)学習分類法を使用して実施することもでき、その場合、既に診断/記録済みのケースの膨大なデータベースから得られるトレイニング・データを使用するCADプロセスのため、“オフ-ライン”学習処理を利用することによって1つまたは2つ以上の分類システムを訓練/形成することができる。分類システムを形成するのに使用されたトレイニング・データで試験する場合にはこれらの分類システムで充分かもしれないが、オリジナルな学習データベースに含まれていなかった情報を分析する場合、このような分類システムはCADに組み込むには実行時間性能が不充分である。
【0010】
上記のような従来型のプログラム方式では、CADプロセスは最適とまではいえない不正確な結果を生む恐れがある。例えば、CAD分析の結果に、正常な部位を誤ってマークすることによる“擬陽性”が含まれるか、逆に、CAD分析が異常な部位を正常と判断して“マークしない”場合もあり得る。このような場合、医師が誤ったCADマークを信頼する結果として、余計な試験または生体組織検査を行うため、患者への対応プロセスが大幅に且つ実質的に変更されることになり、放射線技師の手間が増え、ヘルスケア・コストが増大し、患者の不安を増大させ、ひいてはコンピュータ援用診断システムに対する信頼が失う恐れがある。
【発明の概要】
【0011】
一般に、本発明の実施態様は医用画像中の問題部位を検出、診断及びマーキングすることによって自動決定の支援を可能にする機械学習を利用する、CAD(コンピュータ援用決定)を支援するシステム、方法及びツールを含む。より具体的には、本発明の実施態様は日常のCAD支援システム利用の過程において得られるトレイニング・データを利用してCADプロセスに絶えず医師としての知識を組み込むことによってCADプロセスを適合させ/最適化することができる機械学習方法を利用するCADを支援するシステム、方法及びツールを含む。
【0012】
本発明の1つの実施態様として、医用画像を対象とするコンピュータ援用決定(CAD)支援方法は患者の画像データ中の疑わしい問題部位を検出するためCADプロセスを利用して患者の画像データを処理し、ユーザーが再検査できるようにCADプロセスから得たCAD結果を提示し、ユーザーによるCAD結果の検査に基づくトレイニング・データを取得し、トレイニング・データを利用してCADプロセスを適合させるステップから成る。
【0013】
本発明の1つの実施態様として、CAD結果を、画像データの少なくとも一部を、もし存在するなら、検出された問題部位を指摘するCADマークと共に表示することによってユーザーに提示することができる。この場合、CADによっては検出もマーキングもされなかった問題部位を指摘するユーザーによるマークを確認し、ユーザー・マークと連携する問題部位に関する画像情報を収集することによって、またはユーザーによる検査の過程においてユーザーが容認したCADマークを確認し、容認されたCADマークと連携する問題部位に関する画像情報を収集することによって、またはユーザーによる検査の過程においてユーザーが拒絶したCADマークを確認し、拒絶されたCADマークと連携する問題部位に関する画像情報を収集することによって、またはCADマークもユーザー・マークもない問題部位に関する画像情報を収集することによって、またはこれらの組み合わせによってトレイニング・データを得ることができる。
【0014】
本発明のこれらの、及びその他の実施態様、特徴及び利点を添付図面を参照しながら以下に詳細に説明する。
【実施例】
【0015】
ここに述べる本発明の実施例は、一般的には、機械学習分類法を利用して医用画像中の問題部位を自動的に検出/診断し、マーキングするコンピュータ援用検出/診断システム及びツール(ここではCADシステムと総称)を含む。また、本発明の実施例としてのCADシステム及びツールは日常的なCADシステム利用の過程で得られるトレイニング・データを医師の知識として絶えずCADプロセスに組み込むことによってCADプロセスの適合/最適化を目指す機械学習法を採用する。本発明の実施例を図1、2、3及び4を参照して以下に説明する。
【0016】
本発明のシステム及び方法はハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、特殊目的のプロセス、またはこれらの組み合わせなど、多様な形態に実施することができる。実施態様の1つとして、本発明のシステム及び方法を、(例えば、磁気フロッピー・ディスク、RAM、CD ROM、DVD、ROM及びフラッシュメモリーのような)1つまたは2つ以上のプログラム記憶デバイスに収録され、適当なアーキテクチュアを有するデバイスまたはマシーンによって実行できるプログラム命令を含むソフトウェア・アプリケーションとして実施することができる。
【0017】
また、添付図面に示すシステムの個々の構成モジュール及び方法の個々のステップはソフトウェアの形で実施できるから、アプリケーションをどのようにプログラムするかに応じてシステム構成部分間の接続(または処理ステップのフロー)は多様である。当業者ならば、本明細書の教示内容に基づいて多様な実行または構成を試みることができるであろう。
【0018】
図1は本発明の実施例として、患者データ記録及びファイル分析システム(10)を示すブロックダイヤグラムである。システム(10)は患者データ記録及びファイル収納容器(11)、スクリーン表示/観察システム(12)、2D/3D-画像レンダリング/可視化システム(13)、及びデータ処理システム(14)(またはCADシステム)から成る。詳しくは後述するように、CADシステム(14)はユーザーとCADシステム(14)との相互作用を介して取得される診断知識(例えば、検出結果を再検査する過程でCADによるマーキングに対するユーザー自身の容認及び拒絶に基づいて得られる知識)を利用して、被験者画像データセット中の異常と思われる解剖学的構造を検出/診断し、CADプロセスの適合/最適化を達成するためのコンピュータ援用決定を支援する種々の方法を実施する。
【0019】
患者データ記録及びファイル(11)は単数または複数の被検患者に関する画像データ及び/または医用画像を含む。具体的には、患者データ記録及びファイル(11)はCTスキャンの過程で得られた未加工CTデータ(ラドン・データ)またはCTスキャン以外の撮影方法を利用して得られた未加工データのような未加工画像データの形態を取るディジタル画像データ(11−1)を含むことがある。また、ディジタル画像データ(11−1)は未加工画像データから再構成され、永続的に記憶される単数または複数の2D-スライスまたは3D-画像を含むことがある。さらにまた、患者データ記録及びファイル(11)は取得された画像データから再構成された画像のX-線フィルム、プリント、写真などのようなハード-コピー2D-及び/または3D-医用画像(11−2)を含むこともある。医用画像(11−2)は、例えば、患者の問題部位のCTスキャンの過程で得られた画像データセットから複写された患者の2D-スライスのような1組のX-線フィルムを含むこともある。尚、ここではコンピュータ断層撮影(CT)システムを利用して得られるCT画像データを例に取って本発明を説明するが、本発明はMRI、PETなどのような他の撮影方法にも適用できる。画像データは2D(例えば、X線乳房撮影画像)、3D(例えば、CT、MRI、PET)、4D(動的3D−MRI、3D−超音波プローブによって得られる鼓動している心臓の多重画像)などである。
【0020】
スクリーン表示/観察システム(12)は、複写された医用画像の観察に適したシステムを利用して実施することができる。例えば、複数のCTスライス(11−2)から成る画像データセットから作成された複数のX-線フィルムを医師、臨床医、放射線技師などが観察するのに利用できる透光スクリーン装置をスクリーン表示/観察システムとして使用することができる。例えば、複数の再構成された二次元スライスをスクロールするのに適したシステムをスクリーン表示/観察システム(12)として使用することも可能である。観察システムはハードコピー、例えば、ライトボックスで観察できるフィルム・シート、またはペーパープリントなど、当業者に公知の手段であってもよい。
【0021】
画像レンダリング/可視化システム(13)として、得られた画像データセット(またはその一部)のディジタル画像データ(11−1)を処理することによってコンピュータ・モニター上に2D-及び/または3D画像を発生させ、表示することができる適当なシステム/ツール/アプリケーションを使用することができる。具体的には、画像レンダリングシステム(13)画像データ(11−1)の3D/2Dレンダリング及び可視化を可能にし、モニターを有する汎用または特殊コンピュータ・ワークステーションにおいて実施する如何なるアプリケーションでもよい。画像レンダリングシステム(13)はまた、例えば、ユーザーが3D-画像または複数の2D-スライスを検索することを可能にするGUI(グファフィカル・ユーザー・インターフェース)をも含む。
【0022】
CADシステム(14)はディジタル画像データ(11−1)(及び場合によってはその他の非画像患者データ)を処理することによって上記コンピュータ援用検出及び診断及びその他の機能を可能にする方法、機能及びモジュールを含む。CADシステム(14)は汎用コンピュータまたは特殊ハードウェアを有するコンピュータで実行できるCADアプリケーションまたはツールを含むことがある。CADシステム(14)は、上述したように、未加工画像データ、2D-再構成データ(例えば、軸方向スライス)、または3D-再構成データ(立体画像データ、または多層リフォーマット)、4D-再構成データ、その他のフォーマットの形態を取るディジタル画像データ(11−1)を受信し、処理する。CADシステム(14)は入力された画像データセット中の、例えば、解剖学的異常などのような問題部位を識別し、画像データにマーカー(CADマーク)を加えることによって問題部位を支持する方法を実行する。CADマークは疑わしい異常構造を有する問題部位を指すか、または疑わしい損傷または異常部位の中心部を指す指針(矢印、十字線など)としてレンダーすることができる。CADマークは疑わしい損傷部位の周縁を囲むか、または疑わしい異常構造を有するとして検出/診断される問題部位を囲む点線であってもよい。
【0023】
CADシステム(14)によるデータ処理の結果(CAD結果)を画像レンダリング/可視化システム(13)に出力することにより、システム(14)の処理結果に従って画像の2D及び/または3Dレンダリングを発生させることができる。例えば、重なり合ったマーカー、区分、色や明るさの変化などがレンダー済み画像データ上にオーバレイとして現れる。CADシステム(14)と画像レンダリング/可視化システム(13)はコンピュータシステム(例えば、ワークステーション)において実行する単一のアプリケーションとして実施することができる。あるいは、システム(13)、(14)をコンピュータネットワーク上に独立に分散させることも可能であり、その場合には、DICOM、PACS等のような公知の通信プロトコルをシステム(13)、(14)間の通信に利用し、ネットワークを介して画像データ(11−1)を伝送する。
【0024】
図1に示す本発明の実施例では、CADシステム(14)が特徴抽出モジュール(15)、CADモジュール(16)及びマーク・トラッキング・モジュール(17)を含む。概説すると、特徴抽出モジュール(15)はCADシステム(14)に入力される画像データ(11−1)から関連の特徴または画像パラメーターを抽出する方法を実行する。CADモジュール(16)は抽出された特徴を分析し、画像データを分類することにより、被検者の画像データセット中の疑わしい問題部位(例えば、異常な解剖学的構造)を検出し、マーキングを施し、ユーザーに提示するためCAD結果を出力する(例えば、診断の確率等と共に、もし存在するなら、マーキングされた部位を示すオーバレイを重ねた画像データを表示する)。マーク・トラッキング・モジュール(17)はCADマークとユーザー・マークをトラックする方法を実行する。ユーザー・マークとは、CADモジュール(16)によって実行されるCADプロセスの適合/最適化のために利用できる専門家知識またはトレイニング・データを得る目的でCADシステム(14)から出力される検出結果を再検査する過程でユーザーが施すマークである。
【0025】
尚、特徴抽出モジュール(15)によって実行される方法はCADシステム(14)によって支援される画像データ(11−1)の撮影方法(画像データのタイプ)、採用される分類方法のタイプ及び検査対象となる解剖学的構造のタイプに応じて異なる。例えば、乳癌の検出に際しては、光学的濃淡に関する種々のパラメーターを抽出することによって胸部組織中の疑わしい損傷を識別することができる。実行可能な特徴抽出方法のタイプは当業者に公知である。尚、特徴抽出モジュール(15)は既知の、または予想される画像特性、例えば、エッジ、識別可能な構造、境界、色または濃淡の変化または移行、スペクトル情報の変化または移行を参考に、公知の方法を利用して問題の特徴または解剖学的部位を区分する区分方法を実行することができる。
【0026】
一般に、CADモジュール(16)は被験者の画像データセット(11−1)の特徴/パラメーターを分析し、分類することによって、被験者の画像データセット(11−1)中の異常を疑われる解剖学的構造を自動的に検出し、マークする機械学習分類方法を実行する。具体的には、図1の実施例において、CADモジュール(16)は画像データ中の問題部位の自動的な検出(及び場合によっては診断)を可能にする知識ベース専門家システムとして実施されている。CADモジュール(16)はCADプロセス(16−1)(またはCADエンジン)、知識ベース(16−2)、学習プロセス(16−3)及び後述するような種々のタイプのトレイニング・データを記憶するメモリー(16−4)を含む。
【0027】
CADプロセス(16−1)は、抽出された特徴/パラメーターを分析及び分類して疑わしい問題部位(例えば、異常な解剖学的構造)を検出するため、知識ベース(16−2)を利用して1つまたは2つ以上の分類方法を実行する。知識ベース(16−2)はCADプロセス(16−1)によって利用される1つまたは2つ以上の訓練済み分類モデル、パラメーター、及び/またはその他の学習された知識のデータ構造等を含む。また、学習エンジン(16−3)は、日常的にCADシステム(14)を利用する過程で収集され、メモリー(16−4)に永続的に記憶されるトレイニング・データを利用して知識ベース(16−2)の最適化を可能にする1つまたは2つ以上の機械学習方法を実行する。
【0028】
尚、トレイニング・データはCADシステム(14)を使用する過程で得られる医師の診断知識である。具体的には、本発明の1実施例として、マーク・トラッキング・モジュール(17)はCADマークとCADシステム(14)から出力される検出結果をユーザーが再検査する過程で現れるユーザー・マークをトラックする1つまたは2つ以上の方法を実行し、ユーザーによって容認及び/または拒絶されたCADマークまたはユーザーによるユーザー・マークに関連する情報に基づいてトレイニング・データが得られる。このデータは医師の診断知識の大部分であり、CADプロセスに組み込むことができる。例えば、システムの性能は従来の分類システムの“過誤”に基づいて経時的に改善することができる(例えば、分類システムが犯したエラーまたは誤った予測に基づいて連続学習成分を訓練することができる)。CADプロセスを最適化するためにトレイニング・データを収集する種々の方法例を、例えば、図4を参照して以下に説明する。
【0029】
CADシステム(14)は、検出プロセス(16−1)のため、例えば、ニューラル・ネットワーク、判断木、支援ベクトル・マシーン、ベイズ・ネットワーク、確率論的推論等のほか、当業者に公知のその他の分類方法の1つまたは2つ以上を実行することができる。検出プロセス(16−1)によって実行される分類方法は(例えば、分類システムがニューラル・ネットワークを利用して構成されている場合がそうであるように)ユーザーに対して予測を説明できない“ブラックボックス”であるか、(例えば、分類システムが判断木を利用して構成されている場合がそうであるように)人間が読むことのできる“ホワイトボックス”であるか、さらに他の実施態様として、分類方法が結論に至る経緯を部分的に説明できる“グレーボックス”である場合もある(例えば、“ホワイトボックス”と“ブラックボックス”の複合タイプの分類システム)。
【0030】
知識ベース(16−2)は(例えば、心臓画像、胸部画像などのような)1つまたは2つ以上の臨床分野を支援するため種々の情報源から得られた情報から成る臨床分野知識ベースを含むことができる。例えば、臨床分野知識として、CADシステム(14)による支援対象である臨床分野に関連する分析/診断済みケースの膨大なデータベースから“オフ-ライン”で学習される知識を含むことが考えられる。臨床分野知識(16−2)は、専門家によって直接入力されるいわゆる専門家臨床知識のほか、支援される臨床分野について医療団体または保険会社と関連する規則、規制及び/またはガイドラインに関する情報をも含むことがある。
【0031】
学習エンジン(16−3)は知識ベース(16−2)へ追加の知識を組み込むか、またはCADシステム(14)を使用する過程で得られるトレイニング・データを利用して知識ベース(16−2)に情報を適合させることができる1つまたは2つ以上の公知機械学習方法を実行することができる。例えば、補強学習技術を利用することができる。有益な効果として、機械学習は分類プロセス(16−1)がコストを伴う人的介入無しに経時的に絶えず改善されることを可能にすることでCADシステム(14)の機能を堅牢化する。
【0032】
本発明のCADシステム及び方法は画像データ処理のための従来タイプのCAD方法またはその他の自動診断方法の延長として実施することができる。また、実施例としてここに述べるシステム及び方法は3D-医用画像及びCADシステムまたは広範囲の撮影方法(CT、MRI等)、種々の異常な解剖学的構造または損傷、例えば、結腸ポリープ、動脈瘤、肺結節等の診断及び評価に適用されるアプリケーションとの関連で容易に実施することができる。なお、本明細書では特定の撮影方法または特定の解剖学的構造との関連において実施例を説明しているが、これらの実施例は本発明の範囲を制限するものではない。
【0033】
本発明の他の実施例では、図1に示すように、CADシステム(14)は1つまたは2つ以上の撮影方法によるデータ(11−1)(例えば、超音波画像データ、MRIデータ、NMRデータ、PETデータ、CTデータ等)及び(場合によっては)CADプロセスによる分析のための非画像データから、情報(画像パラメーター/特徴)を抽出及び分析することができる。換言すると、特徴抽出モジュール(15)は考察下にある臨床/画像分野と関連する可能性がある構造化及び/非構造化患者データ記録(11)から“非画像”患者データを抽出し、画像特徴/パラメーターと非画像特徴/パラメーターをCADプロセスによる分析に適応するように組み合わせるための1つまたは2つ以上の患者データ抽出方法を含むことがある。臨床用非画像データは特定の異常部位を指摘できないかもしれないが、このような非画像臨床データはCAD評価プロセス全般において有用である。即ち、抽出モジュール(15)はデータ分析/データ・マイニング方法を実行することによって、すべてのタイプのデータ記録(11)から関連パラメーターを抽出し、患者記録中のエラー/矛盾点/欠落部分に対応することができる。このため、本発明の1つの実施態様として、CADシステム(14)は2001年11月2日付米国仮出願第60/35,542号に基づく優先権を主張する2002年11月4日付本願の同時係属米国特許出願第10/287,055号“Patient Data Mining”に記載のデータ・マイニング方法及び特徴組み合わせ方法を利用することができ、両関連出願の内容は参考のため本願明細書中に引用している。
【0034】
図2のフローチャートは医師が本発明の実施態様に従って患者の画像データを検査分析するためのワークフローを示す。便宜上、図2の方法を図1のシステムと関連させて説明する。先ず、医師、臨床医、放射線技師等は被検患者の画像データを予備的に(CADを援用せずに)検査分析する(ステップ20)ことによって異常と疑われる解剖学的構造または病状を識別する。例えば、本発明の1つの実施態様として、医師はスクリーン表示/観察システム(12)を使用することによって、例えば、CTスキャンを介して得られた画像データセットから作成された2D-画像スライスの1枚または2枚以上のX-線フィルムを検査する。
【0035】
他の実施態様として、医師はコンピュータ・モニター上に表示される画像データセットの2D-及び/または3D-レンダリングを検査する。例えば、医師は入力された画像データセットのすべてまたは一部を2D-及び/または3D-画像にレンダーして表示し、表示された画像を、適当なGUIを利用することによって検索し、異常を疑われる部位を識別することができる。この場合、可視化システム(13)は医師が検査するための2D-及び/または3D-画像を簡単に作成し、表示することができるが、分析を助けるCAD関連の機能を果すことも、CAD結果に基づいてレンダーされ、表示されるような画像を表示することもない。
【0036】
最初の検査に基づいて、医師は疑わしい損傷または解剖学的異常を含む(または損傷または異常そのものである)と信じられる画像データ中の問題部位を自身に手でマークまたはその他の方法で同定する。また、可視化システム(13)との関連でGUI機能を活用することによって、医師は、表示される2D-及び/または3D-画像の特定部位をマーク等で強調することができる。恐らく、医師は患者の画像データをCADの非援用で検査した結果に基づく最初の所見を仮報告書として作成するであろう。この報告書は画像データ中の問題部位(または特徴)を指摘すると共に、医師の予備的診断及び所見を含むことになる。
【0037】
次いで、医師は患者データのCAD-援用検査を実施して予備的な所見を立証または調整する。具体的には、本発明の1つの実施態様として、(最初に検査した)画像データセットを、CADシステムを使用し再検査し、結果として“マーク”された画像データを得ることによってCAD-援用検査を開始し、画像データ中の疑わしい損傷またはその他の異常な解剖学的構造を検出する(ステップ22)。処理を最初の読取りの前に“オフライン”で、または最初の読取りの過程において非監視下に実行するか、またはユーザーが最初の読取りの後、CADシステム(14)の実行によって実行することによって、CAD非援用検査のため(例えば、システム13を介して)表示されている画像データを処理する。
【0038】
次いで、医師は表示装置上に表示されている“マークされた”画像データの2D-及び/または3D-レンダリングに基づいて、患者の画像データをCAD-援用による再検査を行う。例えば、CADシステム(14)の出力(例えば、“マークされた”画像データ)を画像レンダリング/可視化システム(13)に入力すると、システム(13)は、もし存在するなら、CADプロセスの結果に基づくコンピュータ-形成マーク(CADマーク)を示す1つまたは2つ以上の2D-及び/または3D-医用画像を発生・表示する。換言すると、表示される画像はマークされるか、またはCADモジュール(16)によって検出される疑わしい異常を局所的に同定する注記が付される。CAD-援用検査の過程において、画像データ中の、CADプロセスによって発見されなかった異常を含むと医師が信ずる問題部位に新しいユーザー・マークを加えることによって、医師はGUIを介してシステムと相互作用することができる。また、医師はCADプロセスによって発見されたが、医師がエラーであると信ずるCADマークを拒絶または取消し、正確であると医師が信ずるCADマークは容認することができる。検出結果をユーザーが検査する過程におけるユーザーの相互作用(例えば、ユーザー・マークを付加及びCADマークの容認/拒絶をトラックすることによって、後述するように、CADプロセスの最適化/適合に利用される1つまたは2つ以上の異なるタイプのトレイニング・データを得る。
【0039】
CAD-援用検査後、医師は最終診断に基づいて仮報告書を補足することができる(ステップ24)。医師がCADツールによって提供された補足診断情報が有意義であると判断するかどうかに応じて仮報告書と同じ場合と、同じでない場合とがある。最終診断報告書の後、医師は今後の行動方針を勧めることができ、この行動方針は特に新しい行動を含まない場合もあれば、追跡検査などを含む場合もある。
【0040】
図3は本発明の実施態様としてのCAD方法を示すフローチャートである。1つの実施態様として、図3は図2のステップ22及び23に関する実行方法を示す。本発明の他の実施態様として、図3は図1のCADシステム(14)の動作モードを示す。図3において、被検患者の画像データ(及び場合によっては、上述のように患者記録から採取された非画像データ)がCADシステムに入力される(ステップ30)。入力された画像データセットを処理することによって、もし存在すれば、異常と疑われる解剖学的構造を有する画像データセット中から問題ありと疑われる部位(または特徴)を検出し、同定する(ステップ31)。尚、CADプロセス(ステップ31)は、入力された画像データの撮影方法(例えば、CT)に好適な、且つ考察対象である解剖学的異常(例えば、癌、ポリープ、結節等)を検出/診断できる特殊な、または一般的な方法を利用して実行することができる。CADプロセスは入力された画像データセット中の、損傷またはその他の異常構造である疑いありと判断される部位をマークする。
【0041】
次いで、CAD結果がユーザーに提示される。例えば、CADモジュールから“マークされた”画像データセットが出力され(ステップ33)、さらに処理されて、CADマーク(及び場合によってはユーザーによる最初のCAD-非援用検査過程でユーザーによって挿入されたマーク)を示す2D−及び/または3D−画像をレンダーし、表示する。CAD援用検査の過程において、CADシステムはCAD-援用検査からのトレイニング・データを得るバックグラウンド方法を実行し(ステップ34)、このトレイニング・データはCADプロセス用の知識ベースを更新するための学習プロセスに使用される。収集可能な種々のタイプのトレイニング・データを、図4を参照してさらに詳しく後述する。
【0042】
図4は本発明の実施態様として、CADプロセスの最適化に利用できるトレイニング・データの収集方法を示すフローチャートである。特に、図4は図3における実行ステップの種々の動作モードを示す。より具体的には、ユーザーによるCAD-援用検査の過程において、CADシステム(14)はCADマークの状態(例えば、マークに対するユーザーの容認または拒絶)及びユーザーによるマーク(例えば、ユーザーによって加えられたが、CADプロセスによって発見されないマーク)をトラックし(ステップ40)1つまたは2つ以上のタイプのトレイニング・データを収集する(ステップ41、42、43、及び/または44)。これらのタイプのトレイニング・データは単独で、または組み合わせた形で、CADプロセスの適合/最適化に利用される。
【0043】
例えば、本発明の1つの実施態様として、CADシステム(14)は絶えずCADマークとユーザー・マークをトラックし、もしマークが存在すれば、ユーザー自身の読取り過程で発見されたがCADプロセスでは発見されなかったのはどのマーク(いわゆる“擬陰性”マーク)かを判定する。CADシステムはこのような擬陰性マークと関連するデータをトレイニング・データとして記憶する(ステップ41)。トレイニング・データは、例えば、画像サブ-ボリューム・データ、抽出された特徴等を含む。このようなタイプのトレイニング・データを利用することによってCADプロセスはその過誤から学習することができる。
【0044】
本発明の他の実施態様として、CADシステムは絶えずCADマーク及びユーザー・マークをトラックし、もし存在すれば、ユーザー自身の読取り過程で発見され、CADプロセスによっても発見されたのはどのマーク(いわゆる“真陽性”マーク)か(ステップ42)を、上記“擬陰性”マーク(ステップ41)と共に判定する。CADシステムはこのような“真陽性”及び“擬陰性”マークと関連するデータをトレイニング・データとして記憶する。ここでも、トレイニング・データは、例えば、擬陰性及び真陽性マークの位置のほか、画像サブ-ボリューム・データや抽出された特徴等のような支援データも含む。
【0045】
本発明の他の実施態様として、CADシステムは絶えずCADマーク及びユーザー・マークをトラックし、もし存在すれば、CADプロセスによって発見されたがユーザーによって拒絶されたマーク(“擬陽性”マーク)及び上記“擬陰性”マークを判定する。擬陽性マークは問題の損傷または異常を疑わせる解剖学的構造に対して付されたCADマークである場合がある。例えば、癌の診断に際して、癌に似た特徴を有する瘢痕組織を含む部位に擬陽性マークを付加することがある。CADシステムはこのような“擬陽性”マーク(ステップ43)及び“擬陰性”マーク(ステップ41)と関連するデータをトレイニング・データとして記憶する。ここでも、トレイニング・データは、例えば、擬陰性及び擬陰性マークの位置のほか、画像サブ-ボリューム・データや抽出された特徴等のような支援データも含む。
【0046】
本発明の他の実施態様として、CADシステムは絶えずCADマーク及びユーザー・マークをトラックし、CADプロセスまたはユーザーによって“マークされなかった”部位のほか、もし存在すれば、擬陽性及び擬陰性マークをも判定する。CADシステムは“マークされなかった”部位(ステップ44)、“擬陽性”マーク(ステップ43)及び“擬陰性”マーク(ステップ41)をトレイニング・データとして記憶する。ここでも、トレイニング・データは、例えば、マークされなかった部位、擬陰性及び擬陰性マークの位置のほか、画像サブ-ボリューム・データや抽出された特徴等のような支援データも含む。このようなトレイニング・データはCADシステムがエラーを犯す方向に作用するのを防止し、ユーザー及びCADプロセスが異常を含まないと見做す画像データと関連するトレイニング・データを使用して知識ベースを充実させるのに利用することができる。
【0047】
尚、トレイニング・データを利用して知識ベースを改訂し、専門家ユーザーとシステムとの相互作用から学習されるより多くの知識を組み込むことができる。換言すれば、トレイニング・データは非監視下に収集され、専門家ユーザーはトレイニング・データセットを充実することによって知らず知らずのうちにシステムを訓練していることになる。つまり、専門家ユーザーは意識的にシステムを訓練するのではない。学習プロセスは連続的に実行され、収集されるそれぞれのトレイニング・データセット毎に知識ベースが更新されるから、CADが使用される毎に、モデル/パラメーターが更新される。本発明の他の実施態様として、所定の患者数からトレイニング・データが収集されるまで、学習プロセスは実行されない。学習を実行できる頻度はCADシステムのユーザーの経験に応じて異なる。例えば、CADシステムが医用画像の検査に不慣れな、経験の浅いユーザーによって使用されている場合、連続的な学習を実行することは望ましくない。このような場合には、学習データセット中から捕捉される追加の知識が誤っていたり、不正確であったりする恐れがある。
【0048】
本発明の他の実施態様として、実証プロセスを実行することによって、更新/訓練された分類システムの精度を評価し、CADプロセスのための分類システムの有効性と精度を判断することができる。例えば、既に結果が判明している患者からの実際のトレイニング・データを処理し、分類結果を予期の、または既知の結果と比較することによって精度点数を求めることができる。この場合、もし精度点数が所要の閾値以下なら、分類システムは不合格とし、そのまま訓練プロセスを続行すればよい。分類システムが評価に合格すれば、更新/訓練されたこの分類システムを使用することができる。
【0049】
尚、日常のCADシステム利用からデータを得る上記の方法は飽くまでも例であり、当業者ならば、日常のCADシステム利用に基づくトレイニング・データ、即ち、ユーザーの専門家知識を入手または抽出する他の方法を容易に見出すことができるであろう。例えば、“マークされた”画像を表示し、GUI相互作用を介してCADマークの容認または拒絶をトラックするのではなく、CAD援用検査を別の方法で行うことができる。即ち、プリント画像を介してCAD結果がユーザーに提示され、この場合、ユーザーはこのプリント・コピーを再検討し、CAD結果を容認するか、または拒絶するかを最終報告書に記入することになる。この場合、CADシステムは仮及び最終報告書中の情報を分析し、これらの報告書とCAD結果との間の差異及び/または類似性を調整することによって、CAD結果のユーザーによる容認または拒絶を判断するか、または推論することができる。
【0050】
添付の図面を参照して本発明の実施例を以上に説明したが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではなく、当業者ならば、本発明の範囲または思想を逸脱することなく実施態様に種々の変更、改良を加えることができるであろう。これらの変更、改良はすべて添付する特許請求の範囲において画定する本発明の範囲に包含されるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】CADツールを使用する過程で得られた知識からCADプロセスの最適化/適合を目指す機械学習分類法を実行する、CADツールを含む患者データ記録分析システムのブロックダイヤグラムである。
【図2】本発明の実施例としての図1に示すシステムを使用して医師が患者データ記録を検査するための作業フロー・プロセスを示すフローチャーとである。
【図3】本発明の実施例としてのCAD法のフローチャートである。
【図4】はCADプロセスの最適化に利用できる本発明の実施例としてのトレイニング・データ収集方法を示すフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医用画像作成に際してコンピュータ援用決定(CAD)を支援する方法において、
患者の画像データ中の疑わしい問題部位を検出するためCADプロセスを利用して患者の画像データを処理し;
ユーザーが検査できるようにCADプロセスから得たCAD結果を提示し;
ユーザーによるCAD結果の検査に基づくトレイニング・データを取得し;
トレイニング・データを利用してCADプロセスを適合させるステップから成ることを特徴とする前記方法。
【請求項2】
CADプロセスを利用して患者の画像データを処理するステップが患者の画像データから自動的に画像パラメーターを抽出するステップと、分類方法を利用してパラメーターを分類するステップを含み、機械学習プロセスを利用してCADプロセスを適合させることにより、トレイニング・データを利用して分類システムを再訓練することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
CAD結果を提示するステップが画像データの少なくとも一部を、もし存在するなら、検出された問題部位を指摘するCADマークと共に表示するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
トレイニング・データを得るステップが
CADによって検出されず、従ってCADマークを付されることがなかった、問題部位を指摘するユーザー・マークを確認し;
ユーザー・マークと連携する問題部位に関する画像情報を収集するステップを含むことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
トレイニング・データを得るステップが
ユーザーによる検査の過程においてユーザーが容認したCADマークを確認し;
容認されたCADマークと連携する問題部位に関する画像情報を収集するステップを含むことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項6】
トレイニング・データを得るステップが
ユーザーによる検査の過程においてユーザーが拒絶したCADマークを確認し;
拒絶されたCADマークと連携する問題部位に関する画像情報を収集するステップを含むことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項7】
トレイニング・データを得るステップがCADマークもユーザー・マークも付されなかった問題部位に関する画像情報を収集するステップを含むことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項8】
トレイニング・データを利用してCADを適合させるステップがCADプロセスを連続的または周期的に再訓練するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
ユーザーが患者の画像データをCAD-非援用検査した結果に基づいてトレイニング・データを得るステップをも含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
医学画像におけるコンピュータ援用決定(CAD)支援を可能にするための方法ステップを実行するための、マシーンによって実行可能なプログラムを具体化した、マシーンによって読取り可能なプログラム記憶装置において、前記方法ステップが
CADプロセスを利用して患者の画像データを処理することにより、患者の画像データ中の疑わしい問題部位を検出し;
ユーザーが検査できるようにCADプロセスから得られるCAD結果を提示し;
ユーザーによるCAD結果の検査に基づいてトレイニング・データを取得し、
トレイニング・データを利用してCADプロセスを適合させるステップを含むことを特徴とする前記プログラム記憶装置。
【請求項11】
CADプロセスを利用して患者の画像データを処理する命令が、患者の画像データから自動的に画像特徴を抽出する命令と、分類方法を利用して特徴を分類する命令を含み、CADプロセスを適合させる命令がトレイニング・データを利用して分類システムを再構成するため機械学習プロセスを利用する命令を含むことを特徴とする請求項10に記載のプログラム記憶装置。
【請求項12】
CAD結果を提示する命令が画像データの少なくとも一部をもし存在するなら、検出された問題部位を指摘するCADマークと共に表示する命令を含むことを特徴とする請求項10に記載のプログラム記憶装置。
【請求項13】
トレイニング・データを得る命令が
CADでは検出もマーキングもされなかった問題部位を指摘するユーザー・マークを確認し;
ユーザー・マークと連携する問題部位に関する画像情報を収集する命令を含むことを特徴とする請求項12に記載のプログラム記憶装置。
【請求項14】
トレイニング・データを得る命令が
ユーザーによる検査の過程においてユーザーによって容認されたCADマークを確認し;
容認されたCADマークと連携する問題部位に関する画像情報を収集する命令をも含むことを特徴とする請求項12に記載のプログラム記憶装置。
【請求項15】
トレイニング・データを得る命令が
ユーザーによる検査の過程においてユーザーが拒絶したCADを確認し;
拒絶されたCADマークと連携する問題部位に関する画像情報を収集する
命令をもふくむことを特徴とする請求項12に記載のプログラム記憶装置。
【請求項16】
トレイニング・データを得る命令がCADマークもユーザー・マークも付されなかった問題部位に関する画像情報を収集する命令をふくむことを特徴とする請求項12に記載のプログラム記憶装置。
【請求項17】
トレイニング・データを利用してCADプロセスを適合させる命令がCADプロセスを連続的または周期的に再訓練する命令を含むことを特徴とする請求項10に記載のプログラム記憶装置。
【請求項18】
ユーザーによる患者の画像データのCAD-非援用検査の結果に基づいてトレイニング・データを得る命令をも含むことを特徴とする請求項10に記載のプログラム記憶装置。
【請求項19】
コンピュータ援用決定(CAD)支援方法において、
CADプロセスを利用した患者データの処理からCAD結果を取得し;
(i)ユーザーによる患者データの検査、または(ii)ユーザーによるCAD結果の検査、または(iii)ユーザーによる患者データ及びCAD結果の検査から成る検査結果を取得し;
CAD結果とユーザーの検査結果を比較し;
比較結果に基づいてトレイニング・データを得るステップを含むことを特徴とする前記方法。
【請求項20】
CAD結果とユーザーによる検査結果とを比較するステップが擬陽性CAD結果、または擬陰性CAD結果、または真陽性CAD結果、またはこれらの組み合わせを確認するステップを含むことを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項21】
CAD結果がCADプロセスによって、もし存在するなら、患者の画像中から検出される疑わしい問題部位を指摘するCADマークであることを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項22】
ユーザーによるCAD結果の検査結果がCADマークに対するユーザーの容認または拒絶に関する指摘であることを特徴とする請求項21に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2007−528746(P2007−528746A)
【公表日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−517745(P2006−517745)
【出願日】平成16年6月28日(2004.6.28)
【国際出願番号】PCT/US2004/020760
【国際公開番号】WO2005/001742
【国際公開日】平成17年1月6日(2005.1.6)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.フロッピー
【出願人】(593063105)シーメンス メディカル ソリューションズ ユーエスエー インコーポレイテッド (156)
【氏名又は名称原語表記】Siemens Medical Solutions USA,Inc.
【住所又は居所原語表記】51 Valley Stream Parkway,Malvern,PA 19355−1406,U.S.A.
【Fターム(参考)】