説明

CASB7439構築物

本開示は、CASB7439ポリペプチドの組換え生成を増加させる化合物およびその方法、ならびに該組換え化合物を利用する方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はCASB7439構築物に関する。
【背景技術】
【0002】
哺乳類のAchaete−Scute相同遺伝子は、ショウジョウバエAchaete−Scute複合体の保存された哺乳類同族である。該Achaete−Scute相同遺伝子は、発達に不可欠な系列特異的転写因子として機能する基本的なヘリックス・ループ・ヘリックス(bHLHまたはHLH)遺伝子ファミリーのメンバーである。この遺伝子ファミリーの一マウスメンバーであるMASH2は、胎盤の発達に不可欠であるが、胚本体の発達にとっては重要でない。MASH2遺伝子のヒト相同分子種であるHASH2は、Aldersらによって1997年に(著者らによって「ASC12」と命名された)クローン化された。Aldersら(1997) Hum. Molec. Genet. 6:859−867。
【0003】
国際公開第WO01/62778号に記述されるように、HASH2転写物(該国際公開でCASB7439と名付けられた)は、隣接する正常な結腸および試験された他の正常組織と比較すると、結腸直腸腫瘍において過剰発現することを複数の発現研究が明らかにした。この遺伝子は、I〜IV期の腺癌の患者において過剰発現する。したがって、たとえば抗原特異的癌免疫療法(ASCI)として組換えCASB7439を用いることによって、患者の癌を寛解させるための免疫療法アプローチにおいて有用な癌抗原として、このタンパク質を考慮することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第WO01/62778号
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Aldersら(1997) Hum. Molec. Genet. 6:859−867。
【発明の概要】
【0006】
CASB7439ポリペプチドの組換え生成を増加させる化合物および方法が、本明細書で提供される。一部の実施形態では、改変型CASB7439ポリペプチド、ならびにかかる改変型CASB7439ポリペプチドを含むタンパク質構築物が提供される。前述の改変型CASB7439ポリペプチドは、CASB7439の生成の増強のための少なくとも1つの改変を含む。出願人らは、改変型CASB7439ポリペプチドと、本明細書に記述する改変型CASB7439ポリペプチドなどを含むタンパク質構築物とをコードするポリヌクレオチド配列を含む核酸分子類も開示する。特定の態様では、出願人らは、それらをコードするアミノ酸(aa)配列およびヌクレオチド配列(DNA)を有するタンパク質構築物を以下の通り開示する:
・LVL055[配列番号:1(aa):配列番号:2(DNA)];
・LVL111[配列番号:3(aa):配列番号:4(DNA)};
・LVL137[配列番号:5(aa):配列番号:6(DNA)];
・LVL141[配列番号:7(aa):配列番号:8(DNA)];
・LVL144[配列番号:9(aa):配列番号:10(DNA)];および
・LVL168[配列番号:11(aa):配列番号:12(DNA)}。
【0007】
本明細書に記述するタンパク質構築物の生成のための核酸分子類を活用する方法およびプロセスも開示される。
【0008】
出願人らは、免疫原性組成物も開示する。これらの組成物は、本明細書に記述する改変型CASB7439ポリペプチドまたは構築物のうちの1つまたは複数と、医薬的に許容される担体または賦形剤とを含み、該担体または賦形剤は、任意に緩衝剤を含み得る。
【0009】
一部の実施形態では、結腸直腸癌を治療するための薬物の調製において、改変型CASB7439ポリペプチドまたは本明細書に記述するタンパク質構築物(またはそれらをコードする核酸分子)の使用が開示される。一部の実施形態では、治療、特に結腸直腸癌治療において使用するための本明細書に開示するタンパク質構築物が開示される。一部の実施形態では、結腸直腸癌の患者においてCASB7439に対する免疫応答を誘発する方法が開示され、該方法は以下を含む:(a)結腸直腸癌の患者を選択すること、および(b)本明細書に記述する改変型CASB7439ポリペプチドまたは構築物と、医薬的に許容される担体または賦形剤とを含み、該担体または賦形剤が任意に緩衝剤を含み得る、有効量の免疫原性組成物を該患者に投与すること。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明のCASB7439ポリペプチドの種々の領域、具体的にはDNA特異的(DNA結合)ドメイン、bHLHドメイン、およびプロリンリッチ領域を表す概略図を示す。詳細は実施例2を参照されたい。模式図は、以下の領域についても示している:核標的領域(灰色の矢印);αヘリックス領域(灰色の円柱);コイルドコイル領域(黒の円柱);天然変性領域(黒の矢印);および低複雑性領域(灰色のボックス)。
【図2】本発明の、完全CASB7439ポリペプチドと並んだCASB7439ポリペプチドの種々のトランケート(黒の矢印)を表す概略図を示す。詳細は実施例4を参照されたい。
【図3】本発明の、プロリンリッチ領域と、特定されかつ予測されるエピトープの近似の位置を示しているCASB7439の概略図を示す。種々の実施形態は、プロリンリッチ領域内のアミノ酸を一部または全部を除去することによる改変型CASB7439ポリペプチドを含む。かかる改変型CASB7439は、CASB7439ポリペプチド内にエピトープの大部分を保持している。
【図4】非改変型CASB7439ポリペプチド(配列番号13)と、CASB7439ポリペプチドへの2つの可能な改変によって生ずるポリペプチド配列との間の配列を示す。すなわち、第1の改変では21の連続するアミノ酸残基(133〜153をすべて含んだ)を除去し、第2の改変では21の連続するアミノ酸残基(131〜151をすべて含んだ)を除去する。さらに、21の連続するアミノ酸残基(132〜152をすべて含んだ)を除去する、CASB7439ポリペプチドへの第3の改変が予測される。本図で示すように、除去された領域内で、もたらされた改変型CASB7439ポリペプチド配列(丸で囲んだ挿入図)は、3通りの改変すべてに対して同じである。これは、配列番号13の131〜132および152〜153の位置でRGアミノ酸残基が繰り返されているからである。
【図5】本発明の実施例6のタンパク質構築物間のアミノ酸配列の配列比較を示す。CASB3749=HASH2アミノ酸配列(配列番号13);LVL088(配列番号27);LVL111(配列番号3);LVL137(配列番号5);LVL138(配列番号33);LVL168(配列番号11)。
【図6】本発明の、HASH2(CASB7439)アミノ酸配列(配列番号13)と、以下のタンパク質構築物との間の配列比較を示す:LVL168(配列番号11);pD1/3(配列番号39);およびLVL144(配列番号9)。
【図7】正常(12)組織および結腸直腸癌(83)組織におけるCASB7439のmRNA発現のリアルタイムqPCR解析を示す。実施例9を参照されたい。
【図8】種々のヒト結腸直腸癌(CRC)試料におけるCASB7439のmRNAと、タンパク質との発現の対応を示す。黒丸は、結腸癌試料におけるCASB7439のmRNA発現を表すが、○(白丸)は、正常な隣接組織におけるCASB7439のmRNA発現を表す。免疫蛍光法によって検出されたCASB7439タンパク質の対応するレベルを、上記各試料(−発現せず、+/−非常に低い発現、+低い発現、++強い発現および+++非常に強い発現)で示す。CRC:原発腫瘍、METS:転移、NAT:正常な隣接組織。粘液性癌である試料22440および24762を除き、すべての試料は結腸腺癌である。実施例9を参照されたい。
【図9】種々のCASB7439構築物による免疫化の後に、脾細胞の再刺激のために用いたCASB7439タンパク質配列全体を覆うペプチドのバンクをこの表に記載する。実施例10を参照されたい。
【図10】T細胞免疫原性の検討のために用いたCASB7439ペプチドマトリックスを示す。実施例10を参照されたい。
【図11A】CASB7439重複ペプチド(プール、マトリックスアプローチ)による再刺激に続いて、LVL111+AS01Bによって免疫された近交系マウスの4系統(C57BL6、BALBC、CB6F1、およびC3H)におけるパーセントダブルポジティブ(IFNγ/TNFα)CD4T細胞として表したCD4応答を示す。実施例10、近交系マウス多系統の比較実験を参照されたい。
【図11B】CASB7439重複ペプチド(プール、マトリックスアプローチ)による再刺激に続いて、LVL111+AS01Bによって免疫された近交系マウスの4系統(C57BL6、BALBC、CB6F1、およびC3H)におけるパーセントダブルポジティブ(IFNγ/TNFα)CD4T細胞として表したCD4応答を示す。実施例10、近交系マウス多系統の比較実験を参照されたい。
【図11C】CASB7439重複ペプチド(プール、マトリックスアプローチ)による再刺激に続いて、LVL111+AS01Bによって免疫された近交系マウスの4系統(C57BL6、BALBC、CB6F1、およびC3H)におけるパーセントダブルポジティブ(IFNγ/TNFα)CD4T細胞として表したCD4応答を示す。実施例10、近交系マウス多系統の比較実験を参照されたい。
【図11D】CASB7439重複ペプチド(プール、マトリックスアプローチ)による再刺激に続いて、LVL111+AS01Bによって免疫された近交系マウスの4系統(C57BL6、BALBC、CB6F1、およびC3H)におけるパーセントダブルポジティブ(IFNγ/TNFα)CD4T細胞として表したCD4応答を示す。実施例10、近交系マウス多系統の比較実験を参照されたい。
【図12A】CASB7439重複ペプチド(プール、マトリックスアプローチ)による再刺激に続いて、LVL111+AS15によって免疫された近交系マウスの4系統におけるパーセントダブルポジティブ(IFNγ/TNFα)CD4T細胞として表したCD4応答を示す。実施例10、近交系マウス多系統の比較実験を参照されたい。
【図12B】CASB7439重複ペプチド(プール、マトリックスアプローチ)による再刺激に続いて、LVL111+AS15によって免疫された近交系マウスの4系統におけるパーセントダブルポジティブ(IFNγ/TNFα)CD4T細胞として表したCD4応答を示す。実施例10、近交系マウス多系統の比較実験を参照されたい。
【図12C】CASB7439重複ペプチド(プール、マトリックスアプローチ)による再刺激に続いて、LVL111+AS15によって免疫された近交系マウスの4系統におけるパーセントダブルポジティブ(IFNγ/TNFα)CD4T細胞として表したCD4応答を示す。実施例10、近交系マウス多系統の比較実験を参照されたい。
【図12D】CASB7439重複ペプチド(プール、マトリックスアプローチ)による再刺激に続いて、LVL111+AS15によって免疫された近交系マウスの4系統におけるパーセントダブルポジティブ(IFNγ/TNFα)CD4T細胞として表したCD4応答を示す。実施例10、近交系マウス多系統の比較実験を参照されたい。
【図13】前節に記述した近交系マウス4系統におけるCD4免疫原性CASB7439ペプチドの同定を示す。薄い灰色=0.2〜0.4%ダブルポジティブ(IFNγ/TNFα)CD4T細胞;濃い灰色≧0.5%ダブルポジティブ(IFNγ/TNFα)CD4T細胞。実施例10、近交系マウス多系統の比較実験を参照されたい。
【図14】非近交系CD1マウスにおけるCD4免疫原性CASB7439ペプチドの同定(AS01B、上段パネル;AS15、下段パネル)を示す。薄い灰色=0.2〜0.4%ダブルポジティブ(IFNγ/TNFα)CD4T細胞;濃い灰色≧0.5%ダブルポジティブ(IFNγ/TNFα)CD4T細胞。実施例10、マウスにおけるCASB7439免疫原性:非近交系マウスにおけるCASB7439T細胞免疫原性を参照されたい。
【図15A】CASB7439重複ペプチド(免疫優性ペプチドのプール)による再刺激に続いて、AS15とともに製剤化されたLVL111、LVL168、またはLVL144によって免疫されたCD1非近交系マウスそれぞれにおいてパーセントダブルポジティブ(IFNγ/TNFα)として表したCD4およびCD8のT細胞応答を示す。実施例10、非近交系マウスにおけるLVL111、LVL168、およびLVL144の研究を参照されたい。
【図15B】CASB7439重複ペプチド(免疫優性ペプチドのプール)による再刺激に続いて、AS15とともに製剤化されたLVL111、LVL168、またはLVL144によって免疫されたCD1非近交系マウスそれぞれにおいてパーセントダブルポジティブ(IFNγ/TNFα)として表したCD4およびCD8のT細胞応答を示す。実施例10、非近交系マウスにおけるLVL111、LVL168、およびLVL144の研究を参照されたい。
【図16】CD4−T細胞応答(CASB7439重複ペプチド(7ペプチド/プール+ペプチド24(配列番号76)からなる7プール)による再刺激に続いて、AS15とともに製剤化されたLVL168(配列番号11)またはLVL144(配列番号9)のいずれかによって免疫されたHLA A2.1/DR−1トランスジェニックマウスから単離し、プールした末梢血白血球(PBL)におけるパーセントダブルポジティブ(IFNγ/TNFα)として表した)。
【図17】CD8−T細胞応答(CASB7439重複ペプチド(7ペプチド+ペプチド24(配列番号76)からなる7プール)による再刺激に続いて、AS15とともに製剤化されたLVL168(配列番号11)またはLVL144(配列番号9)のいずれかによって免疫されたHLA A2.1/DR−1トランスジェニックマウスから単離し、プールしたPBLにおけるパーセントダブルポジティブ(TFN/TNF)として表した)。
【図18】CD4−T細胞応答(CASB7439重複ペプチド(7ペプチド+ペプチド24(配列番号76)からなる7プール)による再刺激に続いて、AS15とともに製剤化されたLVL168(配列番号11)またはLVL144(配列番号9)のいずれかによって免疫されたHLA A2.1/DR−1トランスジェニックマウスから単離した脾細胞におけるパーセントダブルポジティブ(IFNγ/TNFα)として表した)。
【図19】CD8−T細胞応答(CASB7439重複ペプチド(7ペプチド+ペプチド24(配列番号76)からなる7プール)による再刺激に続いて、AS15とともに製剤化されたLVL168(配列番号11)またはLVL144(配列番号9)のいずれかによって免疫されたHLA A2.1/DR−1トランスジェニックマウスから単離した脾細胞におけるパーセントダブルポジティブ(TFN/TNF)として表した)。
【図20A】CB6F1近交系マウスにおいてLVL111+AS01BまたはLVL111+AS15による免疫化後に誘発されたCASB7439特異的抗体応答(IgG1およびIgG2a)についての経時的解析を示す。実施例10、マウスにおけるCASB7439の免疫原性:CASB7439媒介体液性応答を参照されたい。
【図20B】CB6F1近交系マウスにおいてLVL111+AS01BまたはLVL111+AS15による免疫化後に誘発されたCASB7439特異的抗体応答(IgG1およびIgG2a)についての経時的解析を示す。実施例10、マウスにおけるCASB7439の免疫原性:CASB7439媒介体液性応答を参照されたい。
【図20C】CB6F1近交系マウスにおいてLVL111+AS01BまたはLVL111+AS15による免疫化後に誘発されたCASB7439特異的抗体応答(IgG1およびIgG2a)についての経時的解析を示す。実施例10、マウスにおけるCASB7439の免疫原性:CASB7439媒介体液性応答を参照されたい。
【図20D】CB6F1近交系マウスにおいてLVL111+AS01BまたはLVL111+AS15による免疫化後に誘発されたCASB7439特異的抗体応答(IgG1およびIgG2a)についての経時的解析を示す。実施例10、マウスにおけるCASB7439の免疫原性:CASB7439媒介体液性応答を参照されたい。
【図21A】AS15アジュバントとともに製剤化されたLVL111、LVL168、もしくはLVL144による、またはAS15アジュバント単独による免疫化後の、近交系CB6F1マウスにおけるCASB7439特異的体液性応答(IgG1およびIgG2a)を示す。実施例10、マウスにおけるCASB7439の免疫原性:CASB7439媒介体液性応答を参照されたい。
【図21B】AS15アジュバントとともに製剤化されたLVL111、LVL168、もしくはLVL144による、またはAS15アジュバント単独による免疫化後の、近交系CB6F1マウスにおけるCASB7439特異的体液性応答(IgG1およびIgG2a)を示す。実施例10、マウスにおけるCASB7439の免疫原性:CASB7439媒介体液性応答を参照されたい。
【図22】AS15アジュバントとともに製剤化されたLVL111、LVL168、もしくはLVL144で、またはAS15アジュバント単独によって免疫されたCD1非近交系マウスにおけるCASB7439特異的体液性応答(IgG力価)を示す。実施例10、CD1マウスの研究を参照されたい。
【図23】AS01B(上段)またはAS15(下段)とともに製剤化されたLVL111によって免疫されたCB6F1マウスにおけるTC1/CASB7439#14腫瘍移植片を示す。実施例11、研究#1.1を参照されたい。上段のパネルでは、グラフ上の曲線の上から下への順に、「緩衝液」、LVL111(10μg)、LVL111(10μg)+AS01B、およびLVL111(1μg)+AS01Bを示す。下段パネルでは、一番下の曲線は、LVL111(10μg)+AS15を示す。
【図24】実施例11、研究#1.2からの生存曲線を、上段、中央、および下段のパネルに示す。TF:無腫瘍。(上段)緩衝生理食塩水、アジュバントを含まないLVL111、またはアジュバント単独(AS01もしくはAS15)によって免疫され、次いでTC1/CASB7439 #14細胞を接種されたCB6F1マウスの生存曲線を示す。LVL111によって免疫された群の最後の生存マウスが最初に死亡し、続いてAS01B群の最後の生存マウス、AS15群の最後の生存マウス、および緩衝液群の最後の生存マウスが死亡した。(中央)AS15単独で、またはAS15とともに製剤化されたLVL111の表示した用量によって免疫され、次いでTC1/CASB7439 #14細胞を接種されたCB6F1マウスの生存曲線を示す。AS15群の最後の生存マウスが最初に死亡した。他の群のうち、30μg群の生存マウスが最も少なく、1μg群がそれに続き、次いで最も生存マウスが多かった10μg群が続いた。(下段)AS01B単独で、またはAS01Bとともに製剤化されたLVL111の表示した用量によって免疫され、次いでTC1/CASB7439 #14細胞を接種されたCB6F1マウスの生存曲線を示す。このパネルでは、10μg群とAS01B群の最後の生存マウスが同じ日に死亡したことを示す。1μg群と30μg群は、最終日において、生存率が同じであった。
【図25】実施例11、研究#1.3の生存曲線を示す。TF:無腫瘍。(上段)AS15とともに製剤化されたLVL111、LVL144、もしくはLVL168で、またはAS15単独によって免疫され、次いでTC1/CABS7439#14細胞を接種されたCB6F1マウスの生存曲線を示す。(下段)AS15とともに製剤化されたLVL111、LVL144、もしくはLVL168で、またはAS15単独によって免疫され、次いでMC38/CABS7439#35細胞を接種されたCB6F1マウスの生存曲線を示す。
【図26】実施例11、研究#1.4の生存曲線を示す。TF:無腫瘍。(上段)AS15とともに製剤化されたLVL144もしくはLVL168で、またはAS15単独によって免疫され、次いでTC1/CABS7439#14細胞を接種されたCB6F1マウスの生存曲線を示す。LVL144によって免疫された群は、生存率がわずかに大きかった。(中央)AS15とともに製剤化されたLVL144もしくはLVL168で、またはAS15単独によって免疫され、次いでTC1/CABS7439#14−2細胞を接種されたCB6F1マウスの生存曲線を示す。LVL144を接種されたマウスは、生存率がわずかに高かった。(下段)AS15とともに製剤化されたLVL144もしくはLVL168で、またはAS15単独によって免疫され、次いでMC38/CABS7439#35細胞を接種されたCB6F1マウスの生存曲線を示す。LVL144を接種されたマウスで、生存したマウスはいなかった。
【図27】実施例11、研究#2.1の生存曲線を示す。TF:無腫瘍。(上段)AS15とともに製剤化された、6.25μgのLVL168、もしくは10μgのLVL144で、またはAS15単独によって免疫され、次いでTC1/CABS7439#14−2細胞を接種されたCB6F1マウスの生存曲線を示す。LVL168を接種されたマウス群は、生存率がわずかに高かった。(上段中央)AS15とともに製剤化された、3.1μgのLVL168、もしくは5μgのLVL144で、またはAS15単独によって免疫され、次いでTC1/CABS7439#14−2細胞を接種されたCB6F1マウスの生存曲線を示す。LVL144を接種されたマウス群は、生存率がわずかに高かった。(下段中央)AS15とともに製剤化された、1.55μgのLVL168、もしくは2.5μgのLVL144で、またはAS15単独によって免疫され、次いでTC1/CABS7439#14−2細胞を接種されたCB6F1マウスの生存曲線を示す。LVL144を接種されたマウス群は、最も高い生存率であった。(下段)AS15とともに製剤化された、0.77μgのLVL168、もしくは1.25μgのLVL144で、またはAS15単独によって免疫され、次いでTC1/CABS7439#14−2細胞を接種されたCB6F1マウスの生存曲線を示す。LVL168を接種されたマウス群は、生存率がわずかに高かった。
【図28】実施例11、研究#2.2の生存曲線を示す。TF:無腫瘍。(上段)AS15とともに製剤化された、6.25μgのLVL168、もしくは10μgのLVL144で、またはAS15単独によって免疫され、次いでTC1/CABS7439#14−2細胞を接種されたCB6F1マウスの生存曲線を示す。(上段中央)AS15とともに製剤化された、3.1μgのLVL168、もしくは5μgのLVL144で、またはAS15単独によって免疫され、次いでTC1/CABS7439#14−2細胞を接種されたCB6F1マウスの生存曲線を示す。(下段中央)AS15とともに製剤化された、1.55μgのLVL168、もしくは2.5μgのLVL144で、またはAS15単独によって免疫され、次いでTC1/CABS7439#14−2細胞を接種されたCB6F1マウスの生存曲線を示す。(下段)AS15とともに製剤化された、0.77μgのLVL168、もしくは1.25μgのLVL144で、またはAS15単独によって免疫され、次いでTC1/CABS7439#14−2細胞を接種されたCB6F1マウスの生存曲線を示す。
【図29】実施例11、研究#2.3の生存曲線を示す。TF:無腫瘍。(上段)AS15とともに製剤化された、6.25μgのLVL168、もしくは10μgのLVL144で、またはAS15単独によって免疫され、次いでTC1/CABS7439#14−2細胞を接種されたCB6F1マウスの生存曲線を示す。LVL168を投与されたマウス群は、生存率が最も高く、LVL144を投与された群がそれに続いた。AS15だけを投与された群には、生存したマウスがいなかった。(中央)AS15とともに製剤化された、3.1μgのLVL168、もしくは5μgのLVL144で、またはAS15単独によって免疫され、次いでTC1/CABS7439#14−2細胞を接種されたCB6F1マウスの生存曲線を示す。LVL168を投与されたマウス群は、生存率が最も高く、LVL144を投与された群がそれに続いた。AS15だけを投与された群には、生存したマウスがいなかった。(下段)AS15とともに製剤化された、1.55μgのLVL168、もしくは2.5μgのLVL144で、またはAS15単独によって免疫され、次いでTC1/CABS7439#14−2細胞を接種されたCB6F1マウスの生存曲線を示す。LVL168を投与されたマウス群は、生存率が最も高く、LVL144を投与された群がそれに続いた。AS15だけを投与された群には、生存したマウスがいなかった。対照群として、緩衝生理食塩水またはAS15単独を用いた。
【図30】実施例11、研究#2.3の生存曲線を示す。TF:無腫瘍。(上段)AS15とともに製剤化された、0.77μgのLVL168、もしくは1.25μgのLVL144で、またはAS15単独によって免疫され、次いでTC1/CABS7439#14−2細胞を接種されたCB6F1マウスの生存曲線を示す。LVL168を投与されたマウス群は、生存率が最も高く、LVL144を投与された群がそれに続いた。AS15だけを投与された群には、生存したマウスがいなかった。(中央)AS15とともに製剤化された、0.19μgのLVL168、もしくは0.31μgのLVL144で、またはAS15単独によって免疫され、次いでTC1/CABS7439#14−2細胞を接種されたCB6F1マウスの生存曲線を示す。LVL168を投与されたマウス群は、生存率が最も高かった。LVL144を投与された群の最後の生存マウスは、AS15群および緩衝液群の最後の生存マウスよりも長生きした。(下段)AS15とともに製剤化された、0.048μgのLVL168、もしくは0.078μgのLVL144で、またはAS15単独によって免疫され、次いでTC1/CABS7439#14−2細胞を接種されたCB6F1マウスの生存曲線を示す。LVL168を投与されたマウス群は、生存率が最も高かった。LVL144を投与された群の最後の生存マウスは、AS15群および緩衝液群の最後の生存マウスよりも長生きした。対照群として、緩衝生理食塩水またはAS15単独を用いた。
【図31】AS15とともに製剤化された、1μgのLVL168によって免疫された雄と雌のCB6F1マウスにおけるTC1/CASB7439#14−2の腫瘍移植片;AS15単独を対照(上段)として用いた。AS15とともに製剤化された、1μgのLVL168で免疫されたC57BL/6マウスにおけるTC1/CASB7439#14−2の腫瘍移植片;AS15単独を対照(下段)として用いた。
【図32】上段パネル:AS15とともに製剤化された、1μgのLVL168によって免疫され、次いでTC1/CASB7439#14−2細胞を接種された雄または雌のCB6F1マウスの生存曲線を示す。雄および雌のCB6F1マウスにおいて対照としてAS15単独を用いた。LVL168+AS15によって免疫されたCB6F1マウスのなかで、無腫瘍(TF)の雄マウスが7匹および雌マウスが3匹いた。AS15単独を投与されたマウスにはTFがなかった。下段パネル:AS15とともに製剤化された、1μgのLVL168によって免疫され、次いでTC1/CASB7439#14−2細胞を接種されたCB6F1マウスの生存曲線を示す。雄および雌のC57BL/6マウスにおいて対照としてAS15単独を用いた。LVL168+AS15によって免疫されたC57BL/6マウスのなかで、TF雄マウスが2匹およびTF雌マウスが1匹いた。AS15を投与されたマウスのなかで、TF雄マウスが5匹およびTF雌マウスが1匹いた。
【図33】AS15とともに製剤化された、1μgのLVL168で、またはAS15単独によって免疫された雄(黒丸)および雌(灰色の丸)のCB6F1マウスにおけるCASB7439特異的体系性免疫応答(IgG力価)を示す(左側)。AS15とともに製剤化された、1μgのLVL168で、またはAS15単独によって免疫された雄(黒丸)および雌(灰色の丸)のC57/BL6マウスにおけるCASB7439特異的体系性免疫応答(IgG力価)を示す(右側)。
【図34】CASB7439タンパク質配列全体を覆う46ペプチドのバンク(図9を参照されたい)を用いる再刺激に続いて、AS15とともに製剤化された1μgのLVL168(配列番号11)で、またはAS15単独のいずれかによって免疫されたCB6F1マウスから単離され、プールされたPBLにおけるCD4T細胞の応答(パーセントダブルポジティブ(IFNγ/TNFα)として表した)(上段)。CASB7439タンパク質配列全体を網羅する、CASB7349プールされたペプチド、46ペプチドのバンク(図9を参照されたい)(下段左側);CASB7439ペプチド39(配列番号91)(下段中央);またはRPMI(下段右側)を用いる再刺激に続いて、AS15とともに製剤化された1μgのLVL168(配列番号11)で、またはAS15単独のいずれかによって免疫されたC57/BL6マウスから単離され、プールされたPBLにおけるCD4−T細胞の応答(パーセントダブルポジティブ(IFNγ/TNFα)として表した)。
【図35】CASB7439タンパク質配列全体を覆う46ペプチドのバンク(図9を参照されたい)を用いる再刺激に続いて、AS15とともに製剤化された1μgのLVL168(配列番号11)で、またはAS15単独のいずれかによって免疫されたCB6F1マウスから単離され、プールされたPBLにおけるCD8T細胞の応答(パーセントダブルポジティブ(IFNγ/TNFα)として表した)(上段)。CASB7439タンパク質配列全体を覆う46ペプチドのバンク(図9を参照されたい)(下段左側);CASB7439ペプチド39(配列番号91)(下段中央);またはRPMI(下段右側)を用いる再刺激に続いて、AS15とともに製剤化された1μgのLVL168(配列番号11)で、またはAS15単独のいずれかによって免疫されたC57/BL6マウスから単離され、プールされたPBLにおけるCD8−T細胞の応答(パーセントダブルポジティブ(IFNγ/TNFα)として表した)。
【発明を実施するための形態】
【0011】
商業的に許容される免疫療法への1つのハードルは、商業的に許容される量の組換え癌抗原を生成することである。一般に、およびこれに限定されることなく、組換えポリペプチドの商業的に許容される生成レベルは、Coomasieブルーで染色されたSDS−PAGEゲル上で推定されるように、宿主細胞によって産生される全タンパク質のおよそ5%である。
【0012】
組換え方法によって生成される場合、ナイーブポリペプチド配列がわずかに少量を産生し得る理由は多数ある。ポリペプチド生成の増加へのアプローチは、宿主発現系またはコドン最適化を変えることを含む。しかしながら、これらの標準的アプローチは、許容されるポリペプチド生成を必ずしももたらさず、かつ一部のポリペプチドの生成は、依然として商業的に禁止されたままである。以下にさらに詳細に記述するように、改変型CASB7439ポリペプチドが組換え方法によって許容されるタンパク質レベルを生成するかどうかを出願人らは検討した。
【0013】
一部の実施形態では、改変型CASB7439ポリペプチドが提供され、ここで該改変は、プロリンリッチ領域全部または一部を除去するように、CASB7439ポリペプチドのC末端トランケーションからなる、または該トランケーションを含む。一部の実施形態では、CASB7439ポリペプチド改変は、プロリンリッチ領域全部もしくは一部の除去からなる、または該除去を含む。一部の実施形態では、配列番号13の少なくともアミノ酸残基193を保持するが、プロリンリッチ領域全部または一部が除去される改変型CASB7439ポリペプチドが提供される。
【0014】
別の実施形態では、本明細書に記述する改変型CASB7439ポリペプチドを含むタンパク質構築物が提供される。一部の実施形態では、かかるタンパク質構築物は、1つまたは複数の異種ポリペプチドをさらに含む。一部の実施形態では、この異種ポリペプチドは、他の箇所でさらに詳細に記述されているように、融合パートナーである。特に適切な実施形態では、かかるタンパク質構築物は、改変型CASB7439ポリペプチドのN末端に位置する異種ポリペプチドを含む。さらに特に適切な実施形態では、この異種ポリヘプチドが、改変型CASB7439ポリペプチドのN末端に位置するインフルエンザ菌(H.influenzae)タンパク質D(以下にさらに詳細に記述されている)の断片である、タンパク質構築物が提供される。
【0015】
一部の実施形態では、異種ポリペプチドがポリヒスチジン領域を含むタンパク質構築物が提供される。さらなる実施形態では、ポリヒスチジン配列は、タンパク質構築物のC末端部分に位置する。別の実施形態では、ポリヒスチジン配列は、タンパク質構築物のC末端に位置する。さらなる実施形態では、ポリヒスチジン配列は、タンパク質構築物のN末端部分に位置する。別の実施形態では、ポリヒスチジン配列は、タンパク質構築物のN末端に位置する。適切な実施形態では、ポリヒスチジン領域は、10個以上の連続するヒスチジン残基を含む。特に適切な実施形態では、ポリヒスチジン領域は、改変型CASB7439ポリペプチドのN末端に位置する10個以上の連続するヒスチジン残基を含む。一部の実施形態では、複数のポリヒスチジン領域は、本明細書に記述する1つまたは複数の部位に含まれることもある。
【0016】
一部の実施形態では、異種ポリペプチドが、改変型CASB7439ポリペプチドに化学的に結合した担体タンパク質であるタンパク質構築物が提供される。
【0017】
一部の実施形態では、ポリヒスチジン領域である異種ポリペプチドと、担体タンパク質である異種ポリペプチドとを含むタンパク質構築物が提供される。一部の実施形態では、ポリヒスチジン領域である異種ポリペプチドと、融合パートナーである異種ポリペプチドとを含むタンパク質構築物が提供される。一部の実施形態では、ポリヒスチジン領域である異種ポリペプチドと、融合パートナーである異種ポリペプチドと、担体タンパク質である異種ポリペプチドとを含むタンパク質構築物が提供される。
【0018】
出願人らは、本明細書の節に記述されているそれぞれの構築物の実施形態も開示し、該構築物ではポリヒスチジン領域などのいずれかの異種ポリペプチドの一部または全部が除去されている。異種ポリペプチドの除去のための組成物および方法は、当技術分野で知られており、エンドペプチダーゼまたはエキソペプチダーゼによる消化、化学的改変または異種ポリペプチドと分子の残りの部分との間の結合の切断などを含むがこれらに限定されない。
【0019】
出願人らは、本明細書で免疫原性組成物も開示する。これらの組成物は、いずれかの改変型CASB7439ポリペプチドまたは本明細書に記述する改変型CASB7439ポリペプチドを含むタンパク質構築物と、医薬的に許容される担体または賦形剤とを含み、該担体または賦形剤は任意に緩衝剤を含むこともある。特定の態様では、これらの組成物は、アジュバントをさらに含む。特定の態様では、これらの組成物は、少なくともTh1免疫応答を誘発するアジュバントを含む。特定の態様では、本明細書に記述するアジュバントは、3D−MPL、QS21、およびCpGのうちの少なくとも1つを含む。一部の実施形態では、該組成物は3D−MPLを含む。別の実施形態では、該組成物はCpGを含む。一部の実施形態では、該組成物はQS21を含む。一部の実施形態では、組成物はQS21およびコレステロールを含む。一部の実施形態では、該組成物はリポソーム製剤中にコレステロール、3D−MPL、およびQS21を含む。
【0020】
出願人らは、本明細書に記述する改変型CASB7439ポリペプチドおよび構築物をコードするポリヌクレオチド配列を含む核酸分子も本明細書で開示する。一部の実施形態では、本明細書に記述する、かかる核酸分子を含むベクターが開示される。一部の実施形態では、該ベクターは原核細胞発現ベクターを含む。一部の実施形態では、該ベクターは真核細胞発現ベクターを含む。一部の実施形態では、タンパク質構築物をコードするポリヌクレオチド配列は、宿主細胞での発現に最適化されたコドンであった。
【0021】
出願人らは、(i)本明細書に記述する核酸分子または(ii)本明細書に記述する核酸分子を有するベクターを含む宿主細胞も開示する。一部の実施形態では、該宿主細胞は、細菌細胞、昆虫細胞および哺乳類細胞からなる群から選択される。
【0022】
一部の実施形態は、(i)本明細書に記述する核酸分子または(ii)本明細書に記述する核酸分子を有するベクター、および医薬的に許容される担体または賦形剤を含む免疫原性組成物を提供する。
【0023】
一部の実施形態では、結腸直腸癌を治療するための薬物の調製において、改変型CASB7439ポリペプチドまたは本明細書に記述するタンパク質構築物(またはそれらをコードする核酸分子)の使用が提供される。一部の実施例では、改変型CASB7439ポリペプチドまたは本明細書に記述するタンパク質構築物(またはそれらをコードする核酸分子)を治療、特に結腸直腸癌治療での使用が開示される。一部の実施例では、結腸直腸癌の患者においてCASB7439に対する免疫応答を誘発する方法が提供され、該方法は以下を含む:(i)結腸直腸癌の患者を選択すること;および(ii)改変型CASB7439ポリペプチドまたは本明細書に記述するタンパク質構築物と、医薬的に許容される担体または賦形剤とを含み、該担体または賦形剤が任意に緩衝剤を含むこともある、有効量の免疫原性組成物をかかる患者に投与すること。本明細書で開示される方法に関する一部の実施形態では、免疫原性組成物はアジュバントをさらに含む。本明細書で開示される方法に関する一部の実施形態では、該アジュバントは少なくともTH1免疫応答を誘発する。本明細書で開示される方法に関する一部の実施形態では、該アジュバントは、3D−MPL、QS21、およびCpGのうちの少なくとも1つを含む。本明細書で開示される方法に関する一部の実施形態では、該患者はヒト患者である。
【0024】
タンパク質構築物
CASB7439ポリペプチド
本明細書で名付けられたように、CASB7439は、HASH2またはASCL2としても知られている。HASH2は、ヒト由来の193アミノ酸残基ポリペプチドである(配列番号13)。たとえば受入番号AAB86993を参照されたい。本明細書では、CASB7439の特徴への言及は、配列番号13に規定されたポリペプチド配列に関してなされるとする。
【0025】
プロリンリッチ領域
高プロリン周期性の領域は、127〜158アミノ酸の領域での配列番号13に見出される。出願人らは、アミノ酸133〜アミノ酸153の配列番号13の領域を「プロリンリッチ」、「ポリプロリン」、「ポリプロリン様」、または「ポリプロ」の領域もしくはドメインを含み、名付けた。したがって、本明細書で用いる場合、「プロリンリッチ」、「ポリプロリン」、「ポリプロリン様」、および「ポリプロ」は、CASB7439のこの領域(またはドメイン)をいう。
【0026】
改変
本開示は、少なくとも1つの発現増強の改変を含むCASB7439ポリペプチドを含むタンパク質構築物を提供する。一部の実施形態では、CASB7439ポリペプチドの一部が除去される。前述の部分はプロリンリッチ領域の全部または一部を含む。一部の実施形態では、CASB7439ポリペプチドのC末端部全体が除去され、配列番号13のアミノ酸残基1〜117を含むトランケート型CASB7439ポリペプチドをもたらす。一部の実施形態では、異種ポリペプチドはCASB7439ポリペプチドのN末端に位置する。
【0027】
本明細書で用いる場合、改変型ポリペプチドと関連して「発現増強」または「増強された発現」とは、配列番号13の非改変型CASB7439ポリペプチ含む以外は同等(すなわち同じベクター、宿主細胞など)のタンパク質構築物の発現と比べると、前述の改変型CASB7439ポリペプチドを含むタンパク質構築物の発現レベルが上昇するように意図される改変をいう。改変型CASB7439ポリペプチドを含む所定の構築物が、非改変型CASB7439ポリペプチドを含む以外は同等のタンパク質構築物と比べて、発現レベルが上昇したかどうかを測定するために、タンパク質の量を測定するための当技術分野で既知の方法のいずれも容認される。一部の実施形態では、生成はSDS−PAGEおよびCoomasieブルー染色法を用いて評価され得る。
【0028】
プロリンリッチ領域の除去
一部の実施形態では、CASB7439ポリペプチドの改変は、プロリンリッチ領域の一部の除去を含む。一部の実施形態では、CASB7439ポリペプチドの改変は、プロリンリッチ領域全部の除去を含む。一部の実施形態では、CASB7439ポリペプチドの改変は、プロリンリッチ領域の除去に加えて、プロリンリッチ領域の外側のアミノ酸の除去を含む。
【0029】
一部の実施形態では、改変は配列番号13のC末端部分のトランケーションによって達成される。このように、一部の実施形態では、改変型CASB7439ポリペプチドのC末端アミノ酸残基が、配列番号13のプロリンリッチ領域のN末端に位置する残基に対応するタンパク質構築物が生成される。一部の実施形態では、改変型CASB7439ポリペプチドのC末端アミノ酸残基が、配列番号13のプロリンリッチ領域内に位置する残基に対応するタンパク質構築物が生成される。一部の実施形態では、改変型CASB7439ポリペプチドのC末端アミノ酸残基は、配列番号13のアミノ酸残基117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、151、または152に相当する。
【0030】
一部の実施形態では、改変はプロリンリッチ領域の一部または全部の除去を含む。一部の実施形態では、改変型CASB7439ポリペプチド配列は、21以上の連続するアミノ酸残基が除去されている配列番号13に相当する。これらの21以上の連続する残基は、残基117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、151、または152を含めて、いずれか1つから始まる配列番号13の連続するアミノ酸配列に相当する。さらなる実施形態では、改変型CASB7439ポリペプチド配列は、21の連続するアミノ酸残基が除去されており、前述の21の連続する残基が残基131、132、および133のいずれか1つから始まる、配列番号13に相当する。
【0031】
一部の実施形態では、改変型CASB7439ポリペプチド配列は、1つまたは複数の残基133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、151、152、153が除去されている配列番号13に相当する。一部の実施形態では、改変型CASB7439ポリペプチド配列は、2つ以上の連続するアミノ酸残基がアミノ酸残基133〜153を含む領域で除去されている配列番号13に相当する。
【0032】
一部の実施形態では、改変型CASB7439ポリペプチド配列は、配列番号13の133〜153を含む残基が除去されている配列番号13に相当する。代表的な非限定的な実施形態は、以下を含む:
・LVL055、配列番号1(aa);
・LVL111、配列番号3(aa);
・LVL137、配列番号5(aa);
・LVL141、配列番号7(aa);
・LVL144、配列番号9(aa);および
・LVL168、配列番号11(aa)。
【0033】
異種配列
一部の実施形態では、改変型CASB7439ポリペプチドは、異種ポリペプチドと組み合わされる。核酸分子、ポリペプチドまたは別の細胞成分に関して、用語「異種の」とは、本来は通常見出されない所で、細胞成分が生じおよび/または参照分子と異なるソースまたは種から生ずることを示す。本明細書で用いる場合、「異種」分子としては、融合タンパク質、担体タンパク質、および精製タグを含むがこれらに限定されない。
【0034】
一部の実施形態では、異種ポリペプチドは、改変型CASB7439ポリペプチド、すなわち担体タンパク質に化学的に結合されることもある。別の実施形態では、異種ポリペプチドおよび改変型CASB7439ポリペプチドは、単一の組換え融合タンパク質として発現されることもある。別の実施形態では、改変型CASB7439ポリペプチドおよび異種ポリペプチドは、単一の組換え融合タンパク質として発現され、かつもう一つの異種ポリペプチドに化学的に結合される。
【0035】
異種ポリペプチドは、ヒトによって認識されるTヘルパーエピトープを含むTヘルパーエピトープを提供することに関与することもある。CASB7439ポリペプチドと、融合タンパク質である異種ポリペプチドとを含むタンパク質構築物の場合、該異種ポリペプチド(融合パートナー)は、かかるエピトープを提供することに関与することもあり、またはナイーブ組換えタンパク質よりも高い収率でタンパク質構築物(発現エンハンサー)を発現することに関与する。融合パートナーは、免疫学的融合パートナーおよび発現増強パートナーの両方であり得る。
【0036】
担体タンパク質
担体タンパク質は、目的のもう一つのポリペプチドに化学的に結合される。担体タンパク質とのポリペプチドの化学的結合は、当技術分野で知られている任意の方法で実行されることができる。このように、直接共有結合の場合、カルボジイミド、グルタルアルデヒドまたはN−[γ−マレイミドブチリルオキシ]スクシンイミドエステルを利用することは可能であり、たとえばCDAPおよびSPDPの一般的な市販のヘテロ二機能リンカーを利用する(製造業者の説明書を用いて)。結合反応の後、ポリペプチド−担体タンパク質の抱合体は、透析法、ゲル濾過法、分画方法などよって簡単に単離され、精製されることができる。
【0037】
一部の実施形態で用いられる担体タンパク質の種類は、当業者にとって容易に分かることであろう。一部の担体タンパク質の機能は、結合したポリペプチドに対する免疫応答を誘発するのを助けるために、サイトカインの助けを提供することである。たとえば、本発明で用いてもよい担体タンパク質の非網羅的リストには、以下が含まれる:キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)、ウシ血清アルブミン(BSA)などの血清アルブミン、破傷風毒素もしくはジフテリア毒素(TTおよびDT)などの不活化細菌毒素、もしくはそれらの組換え断片(たとえば、TTの断片Cのドメイン1、またはDTの転移ドメイン)、またはツベルクリンの精製タンパク質誘導体(PPD)。
【0038】
融合パートナー
多数の遺伝子融合系が入手可能であるにもかかわらず、大腸菌(Escherichia coli)での組換えタンパク質の発現は、依然として困難なままである。発現させるのが難しいタンパク質の発現を最良に増強する融合パートナーを確立することは、依然として経験に依存する。通常の融合パートナーとしては、マルトース結合タンパク質(MBP)、グルタチオンS−転移酵素(GST)、チオレドキシン(TRX)、NUS A、ユビキチン(Ub)、および低分子ユビキチン様修飾因子(SUMO)タグの各終端が挙げられ、それぞれは文献に記述されている。たとえば、Marblestone(2006) Prot. Sci. 15:182−7;Hunt(2005) Protein Exp.& Purif 40:1−22;Hammarstomら(2002) Protein Sci. 11:313−321を参照されたい。
【0039】
免疫原性の融合パートナーとしては、B型インフルエンザ菌に由来するタンパク質Dおよびインフルエンザウイルスに由来する非構造タンパク質であるNS1(赤血球凝集素)が挙げられる。別の免疫学的融合パートナーは、LYTAとして知られているタンパク質である。この分子のC末端部を用いることもある。LYTAは、N−アセチル−L−アラニンアミダーゼ(アミダーゼLYTA)(lytA遺伝子によってコードされる。Garciaら(1986) Gene 43:265−272)を合成する肺炎連鎖球菌に由来する。残基178(たとえば残基188〜305)から始まるC末端側終端で見出されるLytaの繰返し部分を用いることも可能である。別の適切な融合パートナーは、アデニル酸シクラーゼ(CyaA)タンパク質またはその断片である。前述のCyaA断片は、抗原提示細胞を標的とする前述のアデニル酸シクラーゼの特性を保持している。国際公開第WO2005/089792号を参照されたい。
【0040】
本発明の一実施例では、異種ポリペプチドはインフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)(欧州特許第0594610B1号)、またはその断片に由来するタンパク質Dである。タンパク質Dは、インフルエンザ菌由来のIgD−結合タンパク質である(国際公開第WO91/18926号、取得欧州特許第0594610B1号)。状況によって、たとえば組換え免疫原発現系では、たとえば、タンパク質Dの約100〜約110のN末端アミノ酸を含むタンパク質DのN末端断片を用いることが望ましいこともある(英国特許第9717953.5号)(pD1/3、配列番号39)。
【0041】
インフルエンザ菌タンパク質Dは、18アミノ酸シグナル配列によって前駆体として合成される(配列番号41、受入番号AAA24998も参照されたい)。アミノ酸シグナル配列が分泌の間にプロセシングされると、前駆体分子内の19位でシステイン残基がアミノ末端残基になる。
【0042】
一実施形態では、異種ポリペプチド配列は、プロセシングされたインフルエンザ菌タンパク質D分子の最初の約3分の1、またはプロセシングされたタンパク質DのN末端の100〜110アミノ酸を含む。一実施形態では、異種タンパク質は、プロセシングされたタンパク質DのN末端の109アミノ酸に連結したアミノ酸残基Met−Asp−Proを含む。別の実施形態では、異種タンパク質は、プロセシングされたタンパク質Dのアミノ酸残基2〜109に連結したアミノ酸残基Met−Asp−Proを含む(配列番号39)。
【0043】
一実施形態では、改変型CASB7439ポリペプチドまたはタンパク質構築物は、CyaAタンパク質またはその断片と化学的に結合している。国際公開第WO2005/054851号を参照されたい。別の実施形態では、改変型CASB7439ポリペプチドまたはタンパク質構築物は、志賀毒素のBサブユニットまたはその免疫学的機能的同等物に化学的に連結する。米国特許第6,613,882号;国際公開第WO02/060937号;国際公開第WO2005/112991号を参照されたい。
【0044】
ポリヒスチジンタグ、非関連アミノ酸
分泌配列もしくはリーダー配列、プロ配列、ヒスチジンタグなどの精製に役立つ配列、たとえばポリヒスチジン配列(複数のヒスチジン残基で構成される)、または組換え生成の間の安定性のための付加的な配列を含む異種ポリペプチドを含むことは、有利であることが多い。
【0045】
ヒスチジンタグベクターおよびキット類は、市販されている。たとえば、6個のヒスチジンタグをポリペプチドに加えるためのベクターは、Rocheから入手可能である。ヒスチジンタグを付けたポリペプチドを作製して使用するためのキット類は、Qiagen、Sigma、Thermo Scientific、GE Healthcare他から入手可能である。また、ヒスチジンタグの後に、エンドペプチダーゼを用いてポリヒスチジン配列の除去を容易にする適切なアミノ酸配列が続くこともあり得る。エキソペプチダーゼ、たとえばQiagen TAGZymeを用いて、付加的な配列なしで、末端のポリヒスチジン配列を除去することができる。
【0046】
一部の実施形態では、該ポリヒスチジン配列は、タンパク質構築物のN末端領域に位置する。さらなる実施形態では、該ポリヒスチジン配列は、タンパク質構築物のN終端に位置する。一部の実施形態では、該ポリヒスチジン配列は、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、またそれ以上の連続したヒスチジンを含む。さらなる実施形態では、該ポリヒスチジン配列は、10の連続したヒスチジンを含む。
【0047】
一部の実施形態では、異種ポリペプチドは、ポリヒスチジン配列と、1つまたは複数の非関連アミノ酸とを含む。「非関連アミノ酸」とは、ポリヒスチジン配列、または融合タンパク質の一部ではなく、かつ当然ながらCASB7439ポリペプチド配列の一部ではない、1つまたは複数のアミノ酸を意味する。たとえば、非関連アミノ酸は、ペプチダーゼ部位を提供するために含まれるものであり、単にクローン化人工産物などの外来性配列であり得る。
【0048】
CASB7439構築物をコードする核酸分子
この開示の別の実施形態は、本明細書に記述する改変型CASB7439ポリペプチドおよびタンパク質構築物をコードする組換え核酸に関する。特定の実施形態では、組換え核酸は、選択された原核宿主細胞または真核宿主細胞での発現に最適化されたコドンである。複製および発現を促進するために、核酸が原核発現ベクターまたは真核発現ベクターなどのベクターに組み込まれることができる。核酸をコードする組換え改変型CASB7439ポリペプチドまたはタンパク質構築物を含む宿主細胞も、本開示の特徴である。好ましい宿主細胞としては、大腸菌(E.coli)などの原核(すなわち細菌の)宿主細胞、ならびに真菌(たとえば酵母菌)細胞を含む多数の真核宿主細胞、昆虫細胞、および哺乳類細胞(たとえばHEK293細胞、CHO細胞およびVERO細胞)が挙げられる。
【0049】
発現ベクター
複製および発現を促進するために、核酸が原核発現ベクターまたは真核発現ベクターなどのベクターに組み込まれることができる。本明細書に開示する核酸は、種々のベクター(たとえば、細菌プラスミド;ファージDNA;バキュロウイルス;酵母プラスミド;プラスミドと、ファージDNAとの組み合わせに由来するベクター、ワクシニア、アデノウイルス、鶏痘ウイルス、仮性狂犬病、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、レトロウイルスおよびその他多くのウイルスDNAを含む)のいずれか一つに含まれ得るが、通常、ベクターは、ポリペプチド発現産物を産生することに適している発現ベクターである。発現ベクターにおいて、タンパク質構築物をコードする核酸は、通常は、mRNA合成を指示する適切な転写調節配列(プロモーター、および任意に1つまたは複数のエンハンサー)に近接し配向して配置される。すなわち、目的のポリヌクレオチド配列は、適切な転写調節配置に作用可能に連結される。かかるプロモーターの例としては、以下が挙げられる:CMVの前初期プロモーター、LTRもしくはSV40プロモーター、バキュロウイルスの多面体のプロモーター、大腸菌lacもしくはtrpプロモーター、ファージT7およびλPLプロモーター、ならびに原核細胞もしくは真核細胞またはそれらのウイルスにおいて遺伝子の発現を調節することが知られている他のプロモーター。発現ベクターは、通常は、翻訳開始および転写ターミネーターのリボソーム結合部位も含む。発現ベクターは、発現を増幅するための適切な配列を任意に含む。加えて、形質転換された宿主細胞の選択のための表現型形質を提供するために、発現ベクターは、1つまたは複数の選択可能なマーカー遺伝子、たとえば真核細胞培養のためのジヒドロ葉酸還元酵素耐性もしくはネオマイシン耐性、またはたとえば大腸菌におけるテトラサイクリン耐性もしくはアンピシリン耐性を任意に含む。
【0050】
組換えCASB7439核酸の生成を通して当業者を導くのに十分な代表的な方法は、Sambrookら,Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 2d ed., Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1989;Sambrookら,Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 3d ed., Cold Spring Harbor Press, 2001;Ausubelら,Current Protocols in Molecular Biology, Greene Publishing Associates, 1992(およびSupplements to 2003);およびAusubelら,Short Protocols in Molecular Biology: A Compendium of Methods from Current Protocols in Molecular Biology, 4th ed., Wiley & Sons, 1999に見出すことができる。
【0051】
タンパク質構築物をコードする代表的な核酸分子は、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、および配列番号12によって表される。代表的な核酸分子と配列相同性を共有する付加的な配列変異体は、当業者によって生成されることができる。一般的に、核酸変異体は、アミノ酸残基のわずか1%、または2%、または5%、または10%、または15%、または20%だけ異なるポリペプチドをコードする。すなわち、コードされたポリペプチドは、少なくとも80%、または85%、より一般的には少なくとも約90%あるいはそれ以上、たとえば95%、98%、99%、もしくは99.5%の配列相同性を共有する。遺伝暗号の重複性のために、タンパク質構築物をコードするポリヌクレオチド配列は、それ自体より少ない配列相同性を共有することができることを、当業者は直ちに理解するであろう。ある場合には、改変型CASB7439ポリペプチドまたはタンパク質構築物は、本明細書に記載された代表的な構築物のアミノ酸配列と比較して、1つまたは複数のアミノ酸改変を有する(たとえば、前述の改変に加えて)。かかる違いは、それぞれ、1つまたは複数のヌクレオチドまたはアミノ酸の追加、除去または置換であり得る。変異体は、通常は、ヌクレオチド残基のわずかに約1%、または2%、または5%、または10%、または15%、または20%、または25%、または30%だけ異なる。たとえば、核酸をコードする変異体CASB7439ポリペプチドまたはタンパク質構築物は、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、および配列番号12の核酸をコードする代表的なCASB7439ポリペプチドまたはタンパク質構築物と比較すると、1、または2、または5まで、または約10まで、または約15まで、または約50まで、または約100までのヌクレオチド差異を含み得る。このように、核酸をコードするCASB7439ポリペプチドまたはタンパク質構築物と関連してある変異体は、通常は、少なくとも70%、または75%、または80%、または85%、または90%、または95%、または98%、または99%、または99.5%の配列相同性を、ある参照配列、たとえば配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、および配列番号12によって示される参照配列と、または本明細書に開示される核酸をコードする他の代表的なCASB7439ポリペプチド、タンパク質構築物のいずれかと共有する。付加的な変異体は、遺伝的浮動を通して起こり得る、または部位特異的変異誘発もしくはランダム変異誘発を用いて、または2つ以上の既存の変異体の組換えによって人工的に生成され得る。また、かかる付加的な変異体は、本明細書に開示されるCASB7439ポリペプチドまたはタンパク質構築物と関連して適している。
【0052】
前述した変異体核酸に加えて、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、および配列番号12によって表される代表的な核酸のうちの1つまたは複数とハイブリッド形成する核酸を用いて、本明細書に開示されるCASB7439ポリペプチドまたはタンパク質構築物をコードすることもできる。本明細書に記述されるパーセント(%)配列相同性の尺度に加えて、2つの核酸間の配列類似性の別の指標は、ハイブリッド形成する能力であることを当業者は認識するであろう。2つの核酸の配列が類似すればするほど、これらの核酸がハイブリッド形成する条件はますますストリンジェントになる。ハイブリダイゼーション条件のストリンジェンシーは、配列に依存し、かつ種々の環境パラメータの下で異なる。このように、ストリンジェンシーの特定の程度をもたらすハイブリダイゼーション条件は、選択したハイブリダイゼーション方法および組成物の性質と、ハイブリッド形成する核酸配列の長さとに応じて変わる。通常、ハイブリダイゼーションの温度およびハイブリダイゼーション緩衝液のイオン強度(特に、Naおよび/またはMg++の濃度)は、ハイブリダイゼーションのストリンジェンシーを決定するが、洗浄回数もストリンジェンシーに影響する。通常、ストリンジェントな条件は、規定のイオン強度およびpHでの特定の配列の熱融点(Tm)より約5℃〜20℃低く選択される。Tは、標的配列の50%が完全に一致するプローブにハイブリット形成する温度(規定のイオン強度およびpHの下で)である。核酸ハイブリダイゼーションの条件およびストリンジェンシーの計算については、たとえばSambrookら,Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY, 2001;Tijssen, Hybridization With Nucleic Acid Probes, Part I: Theory and Nucleic Acid Preparation, Laboratory Techniques in Biochemistry and Molecular Biology, Elsevier Science Ltd., NY, NY, 1993;およびAusubelら,Short Protocols in Molecular Biology, 4th ed., John Wiley & Sons, Inc., 1999に見出すことができる。
【0053】
本開示の目的で、「ストリンジェントな条件」は、ハイブリダイゼーション分子と標的配列との間のミスマッチが25%未満の場合、ハイブリダイゼーションが起こるだけの条件を包含する。「ストリンジェントな条件」は、より正確な定義のためにストリンジェンシーの特定のレベルに分類されることができる。したがって、本明細書で用いる場合、「中程度のストリンジェンシー」の条件は、その条件下で25%以上の配列ミスマッチを有する分子がハイブリッド形成しない条件であり;「中間のストリンジェンシー」の条件は、その条件下で15%を超えるミスマッチを有する分子がハイブリッド形成をしない条件であり;および「高いストリンジェンシー」の条件は、その条件下で10%を超えるミスマッチを有する配列がハイブリッド形成しない条件である。「非常に高いストリンジェンシー」の条件は、その条件下で6%を超えるミスマッチを有する配列がハイブリッド形成しない条件である。対照的に、「低いストリンジェンシーの条件」下でハイブリッド形成する核酸には、非常に少ない配列相同性を有するもの、または核酸のわずかに短い下位配列上で配列相同性を有するものを含む。したがって、本開示によって包含される核酸の種々の変異体は、ストリンジェントな条件下で、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、および配列番号12のうちの少なくとも1つと、実質的にその全長にわたりハイブリッド形成することができると理解される。
【0054】
タンパク質構築物の生成
本明細書に開示されるタンパク質構築物は、組換えタンパク質の発現および精製のために確立した方法を用いて生成され得る。当業者を導くのに十分な方法は、以下の参考文献に見出すことができる:Sambrookら,Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY, 200;およびAusubelら,Short Protocols in Molecular Biology, 4th ed., John Wiley & Sons, Inc., 999。付加的かつ特定の詳細を以下に示す。
【0055】
選択するベクターおよび宿主細胞に応じて、タンパク質構築物をコードする組換え核酸は、種々の周知の方法、たとえば電気穿孔法、リポソームによるトランスフェクション(たとえば、LIPOFECTAMINE(商標)2000またはTRANSFECTIN(商標)などの市販のリポソーム型トランスフェクション試薬を用いて)、リン酸カルシウム沈殿法、感染法、トランスフェクションなどのいずれかで、宿主細胞に導入され得る。
【0056】
宿主細胞は、プロモーターを活性化する、形質転換体を選択する、または挿入されたポリヌクレオチド配列を増幅するために必要に応じて改変された従来の栄養を含む培地で培養されることができる。温度、pHなどの培養条件は、通常は、発現のために選択した宿主細胞とともに以前に用いられた条件であり、当業者にとって、およびたとえばFreshney (1994) Culture of Animal Cells, a Manual of Basic Technique, third edition, Wiley− Liss, New Yorkならびにそれに引用された参照文献を含み、本明細書に引用された参照文献で明白であろう。一部の実施形態では、適切な培養温度は、16℃であり、別の実施形態では37℃である。本発明の核酸に相当する発現産物は、たとえば植物、酵母菌、真菌、細菌などの非動物細胞でも生成されることができる。Sambrook,BergerおよびAusubeに加えて、細胞培養に関する詳細は、Payneら(1992) Plant Cell and Tissue Culture in Liquid Systems John Wiley & Sons, Inc. New York, NY;GamborgおよびPhillips(eds)(1995) Plant Cell, Tissue and Organ Culture;Fundamental Methods Springer Lab Manual, Springer−Verlag (Berlin Heidelberg New York);ならびにAtlasおよびParks(eds) The Handbook of Microbiological Media (1993) CRC Press, Boca Raton, FLに見出すことができる。
【0057】
宿主細胞
このように、核酸をコードする組換えタンパク質構築物を含む宿主細胞は、本開示の特徴でもある。好ましい宿主細胞としては、大腸菌などの原核(すなわち細菌)宿主細胞、ならびにたとえばサッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)およびピキア・パストリス(Picchia pastoris)などの酵母、昆虫細胞、植物細胞、および哺乳類細胞(たとえばCHO細胞)を含む多数の真核宿主細胞が挙げられる。組換えタンパク質構築物核酸は、たとえば、発現ベクターなどのベクターを介して、宿主細胞に導入される(たとえば、形質導入される、形質転換される、またはトランスフェクトされる)。本明細書に記述するベクターは、最も一般的にはプラスミドであるが、かかるベクターは、たとえばウイルス粒子、ファージなどでもあり得る。適切な発現宿主の例としては、以下が挙げられる:細菌細胞、たとえば大腸菌、ストレプトマイセス(Streptomyce)およびサルモネラ・チフィリウム(Salmonella typhimurium);真菌細胞、たとえばサッカロマイセス・セレビシエ、ピキア・パストリス、およびアカパンカビ(Neurospora crassa);昆虫細胞、たとえばショウジョウバエおよびヨウトウガ;哺乳類細胞、たとえば3T3、COS、CHO、BHK、HEK293またはBowesメラノーマ;藻類細胞を含む植物細胞など。
【0058】
宿主細胞は、挿入された配列の発現を調節する、または発現したタンパク質を所望の様式でプロセシングするその能力のために、任意に選択される。タンパク質のかかる改変は、グリコシル化(ならびに、たとえばアセチル化、カルボキシル化、リン酸化、脂質化およびアシル化)が含まれるがこれらに限定されない。たとえば、タンパク質の前躯体型を成熟型に切断する(たとえばフューリンプロテアーゼによって)翻訳後プロセシングは、宿主細胞と関連して任意に行われる。3T3、COS、CHO、HeLa、BHK、MDCK、HEK293、WI38などの異なる宿主細胞は、かかる翻訳後活性のための特定の細胞機構と特性機序があり、かつ導入された異種タンパク質の正確な改変およびプロセシングを確実にするために選択され得る。
【0059】
本明細書に開示する組換えタンパク質構築物の長期の高収率生成のために、安定な発現系が一般的に用いられる。たとえば、タンパク質構築物を安定して発現する核酸分子は、ウイルス由来の複製エレメントまたは内在性発現エレメントおよび選択可能なマーカー遺伝子を含む発現ベクターを用いることによって宿主細胞に導入される。発現ベクターの導入に続いて、細胞は強化培地で1〜2日の間増殖させてから、選択培地に切り替えて培養される。選択可能なマーカーの目的は、選択に対する耐性を与えることであり、かつマーカーの存在により、導入した配列をうまく発現する細胞の増殖および回収が可能になる。たとえば、安定して形質転換した細胞の耐性群またはコロニーは、細胞型に適した組織培養技法を用いて増殖され得る。タンパク質構築物をコードする核酸で形質転換した宿主細胞は、細胞培養由来のコード化タンパク質の発現および回収に適した条件下で、任意に培養される。
【0060】
硫酸アンモニウム沈殿法もしくはエタノール沈殿法、酸抽出法、濾過法、限外濾過法、遠心分離法、陰イオンもしくは陽イオン交換クロマトグラフィー、リン酸セルロースクロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー(たとえば、本明細書に記述するタギング系のいずれかを用いる)、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィー、およびとレクチンクロマトグラフィーを含む当技術分野で周知の多数の方法のうちのいずれかによって、発現したタンパク質構築物は、組換え細胞培養物から回収されて、精製されることができる。タンパク質再折り畳みのステップは、所望通り、成熟タンパク質の立体配置を完了する際に用いられることができる。最終的に、高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)は最終精製ステップで使用されることができる。本明細書に記述する参考文献に加えて、種々の精製方法が、たとえば、以下に記載されているものを含めて当技術分野で周知である:Sandana(1997) Bioseparation of Proteins, Academic Press, Inc.;およびBollagら(1996) Protein Methods, 2nd Edition Wiley−Liss, NY;Walker(1996) The Protein Protocols Handbook Humana Press, NJ, Harris and Angal(1990) Protein Purification Applications: A Practical Approach IRL Press at Oxford, Oxford, U.K.;Scopes(1993) Protein Purification: Principles and Practice 3rd Edition Springer Verlag, NY;JansonおよびRyden(1998) Protein Purification: Principles, High Resolution Methods and Applications, Second Edition Wiley−VCH, NY;ならびにWalker(1998) Protein Protocols on CD−ROM Humana Press, NJ。
【0061】
特定の例では、核酸は、原核細胞、たとえば大腸菌細胞での導入および発現に適したベクターを介して細胞に導入される。たとえば、タンパク質構築物をコードするポリヌクレオチド配列を含む核酸は、発現ベクターpETシリーズ(たとえばpET9bおよびpET2d)などの種々の市販されているまたは専売品ベクターのいずれかに導入されることができる。コード配列の発現は、イソプロピルβ−D−1−チオガラクトピラノシド(IPTG)によって誘導可能であり、高レベルのタンパク質発現をもたらす。CASB7439タンパク質構築物をコードするポリヌクレオチド配列は、ファージT7プロモーターの下で転写される。熱誘導性λpLプロモーターを含むpURV22などの代替ベクターも適している。
【0062】
発現ベクターは、適切な細菌宿主に(たとえば電気穿孔法によって)導入される。大腸菌の多数の適切な菌株が入手可能であり、当業者は選択することができる(たとえば、BLR DE3、BL21 DE3およびRosetta DE3株は、タンパク質構築物をコードするポリヌクレオチド配列を含んでいる組換えベクターの発現に適していることが判明している)。
【0063】
任意に、タンパク質構築物をコードするポリヌクレオチドは、真核細胞(たとえば昆虫細胞または哺乳類細胞)での導入および発現に適している発現ベクーに組み込まれる。かかる核酸は、選択されたベクター/宿主細胞での発現に最適化されたコドンであることが有利である。選択された細胞は、所望のタンパク質構築物の発現のために、クローン伸長され、かつ特徴づけられることができる。コドン最適化のための技法は、当技術分野で知られている。加えて、他の通常の技術サービスでは、商業分子生物サービスプロバイダーが、コドン最適化を提供する。
【0064】
原核細胞
細菌系では、多くの発現ベクターが、発現産物を対象とする用途によって選択されることができる。たとえば、大量のポリペプチドまたはその断片が抗体の生成で必要とされるとき、容易に精製される高レベル発現の融合タンパク質を誘導するベクターが有利に使用される。かかるベクターとしては、以下のような多機能大腸菌クローニングベクターおよび発現ベクターが挙げられるがこれらに限定されない。たとえば、BLUESCRIPT(Stratagene)、目的のコード配列、たとえば、本明細書に記述する本発明のポリヌクレオチドが、メチオニンおよびそれに続く7個のβ−ガラクトシダーゼ残基から開始するアミノ末端翻訳のための配列を用いて、インフレームのベクターにライゲートされることができ、触媒的に活性なβ−ガラクトシダーゼ融合タンパク質を産生する;pINベクター(Van Heeke & Schuster (1989)J Biol Chem 264:5503−550);pETベクター(Novagen, Madison WI)、アミノ末端メチオニンがヒスチジンタグによってインフレームにライゲートされる;その他。一部の実施形態では、適切なベクターはpET19であり、別の実施形態ではpET24であり;別の実施形態ではpET26である。
【0065】
真核細胞
同様に、サッカロマイセス・セレビシエなどの酵母菌では、アルファ因子、アルコール酸化酵素およびPGHなどの構成的プロモーターまたは誘導性プロモーターを含んでいる多くのベクターが、所望の発現産物の生成のために用いられ得る。概説に関しては、Berger, Ausubel,およびたとえばGrantら(1987; Methods in Enzymology 153:516−544)を参照されたい。哺乳類の宿主細胞では、プラスミド系およびウイルスベース系の両方を含む多くの発現系が、利用されることができる。
【0066】
免疫原性組成物
医薬的に許容される担体または賦形剤
医薬的に許容される担体および賦形剤は、周知であり、当業者が選択することができる。たとえば、担体または賦形剤は、緩衝剤を有利に含むことができる。任意に、担体または賦形剤は、溶解性および/または安定性を安定させる少なくとも1つの成分も含む。可溶化/安定化剤の例としては、界面活性剤、たとえばラウリルサルコシンおよび/またはTweenが挙げられる。別の可溶化/安定化剤としては、アルギニン、およびガラス形成ポリオール(たとえばショ糖、トレハロースなど)を含む。多数の医薬的に許容される担体および/または医薬的に許容される賦形剤は、当技術分野で知られており、たとえば、Remington's Pharmaceutical Sciences, by E. W. Martin, Mack Publishing Co., Easton, PA, 5th Edition (975)に記載されている。
【0067】
したがって、選択された投与経路で患者に送達する適切な製剤を生成するために、当業者は適切な賦形剤および担体を選択することができる。
【0068】
適切な賦形剤としては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:グリセロール、ポリエチレングリコール(PEG)、ソルビトール、トレハロース、N−ラウロイリルサルコシンナトリウム塩、L−プロリン、非界面活性剤スルホベタイン、塩酸グアニジン、尿素、トリメチルアミンオキシド、KCl、Ca2+、Mg2+、Mn2+、Zn2+および他の二価陽イオン関連塩、ジチオスレイトール、ジチオエリトロール、およびβ−メルカプトエタノール。他の賦形剤は界面活性剤であり得る(Tween80、Tween20、Triton X−00、NP−40、Empigen BB、オクチルグルコシド、ラウリルマルトシド、Zwittergent3−08、Zwittergent3−0、Zwittergent3−2、Zwittergent3−4、Zwittergent3−6、CHAPS、デオキシコール酸ナトリウム、ドデジル硫酸ナトリウム、臭化セチルトリメチルアンモニウムを含む)。
【0069】
アジュバント
任意に、免疫原性組成物は、アジュバントも含む。CASB7439に対する免疫応答を誘発する目的で、ヒト患者などの患者への投与に適した免疫原性組成物と関連して、アジュバントを選択して、Th1偏向免疫応答を誘発する。アジュバントは通常、免疫原性組成物が投与される患者、または患者の集団におけるTh1偏向免疫応答を増強するように選択される。
【0070】
Th1免疫応答
「Th1」型免疫応答は、IL−2およびIFN−γを産生するCD4+Tヘルパー細胞の誘導によって特徴づけられる。対照的に、「Th2」型免疫応答は、IL−4、IL−5、およびIL−13を産生するCD4+Tヘルパー細胞の誘導によって特徴づけられる。
【0071】
3D−MPLを含むがこれに限定されることのないTLR作用因子
改変型CASB7439ポリペプチドと組み合わせの使用に適したアジュバントは、TLR−4−モジュレーターである。一例は、モノホスホリルリピドA、またはより詳細には3−脱アシル化モノホスホリルリピドA(3D−MPL)などリピドAの非毒性誘導体である。3D−MPLは、MPLという名称でGlaxoSmithKline Biologicals S.A.によって販売されており、文献ではMPLまたは3D−MPLと呼ばれる。たとえば、米国特許第4,436,727号;第4,877,611号;第4,866,034号および第4,912,094号を参照されたい。3D−MPLは主に、IFN−γ(Th1)表現型によってCD4+T細胞応答を促進する。3D−MPLは、英国特許出願公開第2220211A号に開示される方法によって生成されることができる。化学的には、3D−MPLは、3−脱アシル化モノホスホリルと、3、4、5または6のアシル化鎖との混合物である。本発明の組成物では、小粒子3D−MPLを用いることができる。小粒子3D−MPLは、0.22μmフィルターを通して無菌濾過され得るような粒径である。かかる調製は、国際公開第WO94/21292号に記述されている。
【0072】
別の実施形態では、米国特許第6,005,099号および欧州特許第0729473B1号に記述されているように、リポ多糖は、β(1−6)グルコサミン二糖であり得る。当業者は、これらの参照文献の教示に基づいて3D−MPLなどの種々のリポ多糖体を容易に生成することができるであろう。上述した免疫賦活薬類(LPSまたはMPLまたは3D−MPLの構造と類似した構造を有する)に加えて、本明細書のMPL構造の下位部分であるアシル化単糖およびアシル化二糖の誘導体も、適切なアジュバントである。別の実施形態では、アジュバントはリピドAの合成誘導体であり、その一部は、TLR−4アゴニストと記述され、かつ以下を含むがこれらに限定されない:OM174(2−デオキシ−6−o−[2−デオキシ−2−[(R)−3−ドデカノイルテトラ−デカノイルアミノ]−4−o−ホスホノ−β−D−グルコピラノシル]−2−[(R)−3−ヒドロキシテトラデカノイルアミノ]−α−D−グルコピラノシルリン酸二水素、(国際公開第WO95/14036号);OM294 DP(3S、9R)−3−[(R)ドデカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]−4−オキソ−5−アザ−9(R)−[(R)−3−ヒドロキシテトラデカノイルアミノ]デカン−1,10−ジオール,1,10−ビス(ジヒドロゲノホスフェート)(国際公開第WO99/64301号および第WO00/0462号);およびOM197 MP−Ac DP(3S−,9R)−3−[(R)−ドデカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]−4−オキソ−5−アザ−9−[(R)−3−ヒドロキシテトラデカノイルアミノ]デカン−1,10−ジオール,1−ジヒドロゲノホスフェート10−(6−アミノヘキサン酸)(国際公開第WO01/46127号)。
【0073】
用いることができる別のTLR−4リガンドは、たとえば国際公開第98/50399号または米国特許第6,303,347号に開示されているアルキルグルコサミニドホスフェート(AGP)(AGPのプロセスおよび調製も開示されている)、適切にはRC527もしくはRC529、または米国特許第6,764,840号に開示されているAGPの医薬的に許容される塩である。一部のAGPはTLR−4アゴニストであり、一部のAGPはTLR−4アンタゴニストである。両方とも、アジュバントとして有用であると思われる。
【0074】
TLR−4を介してシグナリング応答を引き起こすことができる(Sabroeら, JI 2003 p1630−5)他の適切なTLR−4リガンドは、たとえばグラム陰性細菌由来のリポ多糖およびその誘導体、またはその断片、特にLPSの非毒性誘導体(3D−MPLなど)である。他の適切なTLRアゴニストは以下の通りである:熱ショックタンパク質(HSP)10、60、65、70、75または90;サーファクタントタンパク質A、ヒアルロン酸オリゴ糖、ヘパラン硫酸断片、フィブロネクチン断片、フィブリノゲンペプチド、b−デフェンシン−2およびムラミールジペプチド(MDP)。一実施形態では、TLRアゴニストは、HSP60、70または90である。他の適切なTLR−4リガンドは、国際公開第WO2003/011223号および第WO2003/099195号に開示されており、たとえば、国際公開第WO2003/011223号の4〜5ページ、または国際公開第WO2003/099195号の3〜4ページに開示されている化合物I、化合物II、および化合物III、ならびに特に、ER803022、ER803058、ER803732、ER804053、ER804057、ER804058、ER804059、ER804442、ER804680およびER804764として国際公開第WO2003/011223号に開示されている化合物類である。たとえば、1つの適切なTLR−4リガンドは、ER804057である。
【0075】
サポニンアジュバント
CASB7439とともに免疫原性組成物で用いられる、たとえば、そのままでまたは3D−MPLもしくは本明細書に記述する別のアジュバントとの組み合わせでの他のアジュバントは、QS21などのサポニンである。
【0076】
サポニンは、Lacaille−Dubois, MおよびWagner H.(1996. A review of the biological and pharmacological activities of saponins. Phytomedicine vol 2 pp 363−386)に教示されている。サポニンは、植物界および海洋動物界に広く分布されているステロイドまたはトリテルペングリコシドである。サポニンは、振盪によって泡立つコロイド溶液を水中で形成すること、およびコレステロールを沈殿させることが知られている。サポニンが細胞膜付近にあると、細胞膜が破裂する原因になるに細孔様構造を細胞膜に形成する。赤血球の溶血は、この現象の一例である。これはすべてのサポニンではないが、特定のサポニンの特性である。
【0077】
サポニン、特に免疫学的活性のサポニン画分は、全身投与用ワクチンのアジュバントとして知られている。個々のサポニン類のアジュバントおよび溶血作用は、当技術分野で広範に研究されている(Lacaille−DuboisおよびWagner(上記を参照))。たとえば、Quil A(南米の樹木Quillaja Saponaria Molinaの樹皮に由来する)、およびその画分は、米国特許第5,057,540号および「ワクチンのアジュバントとしてのサポニン」('Saponins as vaccine adjuvants'), Kensil, C. R., Crit Rev Ther Drug Carrier Syst, 1996, 12(1−2):1−55;および欧州特許第0362279B1号に記述されている。Quil Aの画分を含む、免疫刺激複合体(Immune Stimulating Complexes(ISCOMS))と名付けられた微粒子構造は、溶血性であり、かつワクチンの製造で用いられている(Morein, B.,欧州特許第0109942B1号;国際公開第WO96/11711号;第WO96/33739号)。溶血性サポニンであるQS21およびQS17(QuilAのHPLC精製画分)は、強力な全身性アジュバントとして記載されており、それの製造方法は米国特許第5,057,540号および欧州特許第0362279B1号に開示されている。全身用ワクチン接種の研究で用いられてきた他のサポニンには、他の植物種、たとえばカスミソウ(Gypsophila)およびサポナリア(Saponaria)に由来するものを含む(Bomfordら, Vaccine, 10(9):572−577, 1992)。
【0078】
QS21およびコレステロールを含むこの製剤は、抗原とともに製剤化されると、Th1刺激アジュバントとして良好であることが示されている。したがって、たとえば、CASB7439は、QS21とコレステロールとの組み合わせを含むアジュバントとともに免疫原性組成物で有利に使用されることができる。
【0079】
免疫賦活性オリゴ核酸
CASB7439との組み合わせで用いる1つの適切なアジュバントは、TLR−9を介してシグナリング応答を起こすことができるバクテリアDNAのTLRアゴニスト、すなわちTLR−9アゴニストであり、より具体的には、CpGモチーフとして知られている特定の配列構成において、非メチル化CpGヌクレオチドを含むDNAである。CpGを含むオリゴヌクレオチドは、主にTh1応答を誘導する。かかるオリゴヌクレオチドは周知であり、かつたとえば、国際公開第WO96/02555号、国際公開第WO99/33488号、ならびに米国特許第6,008,200号および第5,856,462号に記述されている。適切には、CpGヌクレオチドは、CpGオリゴヌクレオチドである。本発明の免疫原性組成物で用いる適切なオリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドを含むCpG、少なくとも3個、適切には少なくとも6個以上のヌクレオチドによって分離された2つ以上のジヌクレオチドCpGモチーフを任意に含むCpGである。CpGモチーフは、その後にグアニンヌクレオチドが続くシトシンヌクレオチドである。本発明のCpGオリゴヌクレオチドは、通常はデオキシヌクレオチドである。特定の実施形態では、オリゴヌクレオチド中のヌクレオチド間は、ホスホロジチオアート結合、または適切にはホスホロチオアート結合ではあるが、ホスホロジエステル結合および他のヌクレオチド間結合も本発明の範囲内である。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、ヌクレオチド間結合と混合される。ホスホロチオアートオリゴヌクレオチドまたはホスホロジチオアートを生成する方法は、米国特許第5,666,153号、第5,278,302号および国際公開第WO95/26204号に記述されている。
【0080】
代替実施形態では、TLR−9を介してシグナリング応答を引き起こすことができるTLRアゴニストが用いられる。一実施形態では、TLR−9を介してシグナリング応答を引き起こすことができるTLRアゴニストは、HSP90である。たとえば本明細書に述べたような異なるアジュバントの組み合わせを、CASB7439を含む組成物で用いることもできる。たとえば、すでに記述したようにQS21は3D−MPLとともに製剤化されることができる。QS21:3D−MPLの割合は、通常、ほぼ1:10から10:1の程度、たとえば1:5から5:1であり、実質的に1:1が多い。通常、この割合は、3D−MPL:QS21が2.5:1から1:1の範囲である。別のアジュバントの組み合わせは、リポソーム製剤で、またCpGとの組み合わせにおける3D−MPL+QS21である。
【0081】
結腸直腸癌の患者
本明細書に記述する方法への関与のための結腸直腸癌の患者の選択は、臨床診断、分子診断、またはその組み合わせによって行うことができる。一部の実施形態では、患者はそれらの癌細胞がCASB7439(HASH2)を発現するかどうかを決定するために試験される。結腸直腸癌を診断する臨床方法は、当技術分野で知られている。癌細胞または癌組織がCASB7439(HASH2)を発現するかどうかを決定するための分子技術および分子法は、国際公開第WO01/62778号に開示されている。
【実施例】
【0082】
実験的な実施例
実施例1
CASB7439ポリペプチドを含むタンパク質構築物をコードする2種類の核酸分子をpET19bベクターで作製した。His−タグをCASB7439配列のN末端側終端に並置した。これらのクローンをそれぞれ、LVL007[配列番号15(aa);配列番号16(DNA)]およびLVL010[配列番号17(aa);配列番号18(DNA)]と名付けた。予想外の変異がLVL007クローンに起こり、プロリンのロイシンへのアミノ置換が1つ生じた(配列番号13に関してアミノ酸残基17で)ことが観察された。核酸分子は、3種類の異なる宿主細胞型、すなわち、大腸菌株BLR DE3、BL21 DE3、およびRosetta DE3を用いて利用された。誘導は、誘導ごとに2段階の温度(16℃または37℃)で、かつ1mMのIPTGを用いて実行した。プロトコールの詳細については、後述の材料および方法の節を参照されたい。
【0083】
誘導ごとにタンパク質を収集して、Coomassieブルー染色法を用いてWesternブロットおよびSDS−PAGEで解析した。これらの実験では、タンパク質の検出は、Westerブロットにおいてのみ明らかであった。
【0084】
実施例2
CASB7439遺伝子のバイオインフォマティック解析を実行し、以下の構造的特徴を明らかにした:
・配列番号14のヌクレオチド2と27との間に位置するヘアピンRNA構造要素
・該ヌクレオチド配列の62%GC含有率
・アルギニンコドン(26/193アミノ酸がコードされた)における豊富なヌクレオチド配列
・高レベルの塩基性アミノ酸残基を有するアミノ酸配列
・高い等電点(11.18)を有するアミノ酸配列
・アミノ酸配列(配列番号13の残基7〜27)内の低複雑性領域
・アミノ酸配列(配列番号13の残基56〜108)内のヘリックス・ループ・ヘリックスドメイン(HLH)(IPR000014)
・アミノ酸配列(配列番号13の残基118〜164)内の天然変性の第1の領域
・アミノ酸配列(配列番号13の残基118〜164)内の天然変性の第2の領域。
【0085】
出願人らは、アミノ酸127〜158の高プロリン周期性を有する領域も同定した。出願人らは、配列番号13(aa)のアミノ酸133〜153を含むアミノ酸からの領域をプロリンリッチ領域と名付けた。本実施例で記述した一部の他の特徴とともに、プロリンリッチ領域を、本明細書の他の箇所で記述した領域とともに、図1に模式的方法で表す。
【0086】
実施例3
非改変型CASB7439DNAヌクレオチド配列(配列番号14)を、商用DNA合成サービスプロバイダーであるGeneart によって最適化し(固有識別番号0606597)、クローン化した。Geneart AG, BioPark, Josef−Engert−Str. 11D−93053 Regensburg, Germany。CASB7439ヌクレオチド配列は、PCR増幅法によってクローンから得て、それを用いて2つの構築物を作製した。第1の構築物において、LVL016[配列番号29(aa)、配列番号30(DNA)]であるCASB7439の配列を、CASB7439配列のN末端側終端でpD1/3タンパク質(インフルエンザ菌由来)との融合でpET21b(+)ベクターに挿入した。第2の構築物において、LVL18[配列番号31(aa);配列番号32(DNA)]を、pET21b(+)ベクター(いかなるタンパク質D成分も含まない)に挿入した。これらの構築物を、16℃および37℃で、1mMのIPTGを用いてBLR DE3大腸菌での生成について評価した。生成は、主に16℃で生成された非可溶性タンパク質としてWesternブロットによって検出可能であった。
【0087】
以下の4つのCASB7489ドメインを選択して、タンパク質の生成を改善するために、さらなる検討を行った:核標的ドメイン、プロリンリッチ領域、DNA結合ドメイン、およびHLHドメイン。
【0088】
実施例4
CASB7439の核標的ドメイン、DNA結合ドメイン、bHLHドメイン、およびプロリンリッチ領域を選択して、CASB7439ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む構築物からのタンパク質の生成を検討した。CASB7439ヌクレオチド配列の異なるセクションを、本明細書に記述するコドン最適化GeneartクローンからPCR増殖し、次いでpET19b(+)ベクターに挿入し、異なるCASB7439配列(何らかの方法でトランケートした配列、または完全な配列)を有する5つの構築物;CASB7439配列のN末端にポリヒスチジン尾部を有する各構築物をもたらした。図2を参照されたい。
【0089】
図2に示したそれらの構築物は、37℃および16℃で、1mMのIPTGを用いてBLR DE3大腸菌におけるタンパク質の発現を評価した。図2に表したように、これらの構築物は、完全長のCASB7439[LVL060、配列番号19(aa)、配列番号20(DNA)];核標的ドメインを除去するためにトランケートしたCASB7439[Const−1、配列番号21(aa)、配列番号22(DNA)];プロリンリッチ領域を除去するためにトランケートしたCASB7439[LVL055、配列番号1(aa)、配列番号2(DNA)];DNA結合ドメインを除去するためにトランケートしたCASB7439[LVL056、配列番号23(aa)、配列番号24(DNA)];基本的なヘリックス・ループ・ヘリックス(bHLH)ドメインを除去するためにトランケートしたCASB7439[LVL057、配列番号25(aa)、配列番号26(DNA)]を含んだ。実験誤差のため、Const−1は終止コドンが欠けており、結果として一部のベクターヌクレオチド配列の翻訳がもたらされた(LED...から始まる、C末端領域でさらに21アミノ酸が生じた)。16℃でのインキュベーションに続いてLVL055の生成(トランケートしたC末端)がCoomassie−ブルーで染色したSDS−PAGEゲル上で、はっきりと検出できた。
【0090】
実施例5
実施例4に記述した結果に基づいて、(i)プロリンリッチ領域を除去し、一方(ii)該ポリペプチドのC末端部分の他の領域を保持するよう、新規構築物をデザインした。図3および4の説明を参照されたい。これらの図では、(i)該ポリペプチド内で同定されたまたは予測される種々のエピトープと、(ii)プロリンリッチ領域の除去のための代替アプローチとを説明している。
【0091】
次いで、改変型CASB7439ポリペプチドをコードするコドンを最適化した合成核酸遺伝子配列を、Geneartから注文し(固有認識番号0706840)、2つの異なるベクター内で消化させて、同時に挿入して、以下の構築物を作製した:
(i)プロリンリッチ領域を除去し、pET26b(+)ベクター内のC末端でポリヒスチジン尾部と融合させた、21アミノ酸を有するCASB7439遺伝子を含むLVL088(配列番号27(aa)、配列番頭28(DNA))および
(ii)21アミノ酸プロリンリッチ領域を除去し、かつpET19b(+)ベクター内にN末端およびC末端の両方にポリヒスチジン尾部を有するCASB7439遺伝子を含むLVL111(配列番号3(aa)、配列番号4(DNA))。
【0092】
LVL111構築物(配列番号3を参照されたい)を、LVL055で用いたのと同じ戦略に従って、すなわち、10個のヒスチジンとそれに続くエンテロキナーゼ部位とで構成されるポリヒスチジン尾部を含むpET19(+)ベクターを用いてクローン化した。
【0093】
これにより、N末端に23アミノ酸融合パートナー(配列番号42)を得た。
【0094】
他の構築物は、実施例3に記述したコドンを最適化した合成遺伝子(固有識別番号0606597)を用いて作製し、以下を含む:
・LVL090((N末端から)pET21ベクター中にタンパク質D、完全長の最適化CASB7439、および6−Hisを含むタンパク質構築物)(配列番号43(aa);配列番号44(DNA))
・LVL112((N末端から)pSUMOベクター中にSUMOタンパク質、完全長の最適化CASB7439を含むタンパク質構築物)(配列番号45(aa);配列番号46(DNA))
・LVL113((N末端から)pSUMOベクター中にSUMOタンパク質、pD1/3タンパク質、完全長の最適化CASB7439を含むタンパク質構築物)(配列番号47(aa);配列番号48(DNA))
・LVL114((N末端から)pSUMOベクター中にSUMOタンパク質、アミノ酸117でトランケートしたCASB7439を含むタンパク質構築物)(配列番号49(aa);配列番号50(DNA))
・LVL115((N末端から)pSUMOベクター中にSUMOタンパク質、プロリンリッチ領域を除去した改変型CASB7439を含むタンパク質構築物)(配列番号51(aa);配列番号52(DNA))。
【0095】
生成において何ら改善は観察されなかったが、繰返しを1回のみ行った(データ図示せず)。
【0096】
LVL088の生成は、1mMのIPTGを用いて37℃および16℃で一晩誘発させた後に解析した。電気泳動で解析した際に、LVL088生成は、Westernブロットでのみ可視化できた。800mL培養フラスコ4本からの1精製ロットで、0.4mgのタンパク質を得た。他方、LVL111は、Coomassie−ブルー染色法に従って容易に検出可能であった。組換えタンパク質LVL111を8ロット以上生成して精製した。LVL111のいくつかのロット(各ロットは、800mL培養フラスコ4本から)は、3.3mg/ロット〜10mg/ロットの範囲で精製タンパク質を生成すると推定された。したがって、LVL088の生成は、LVL111で見られた生成よりも下回った。精製タンパク質は、いくつかの抗CASB7439モノクローナル抗体を用いてその反応性も試験し、すべてのケースにおいて陽性反応性が得られた。
【0097】
実施例6
LVL111構築物からのC末端ポリヒスチジン尾部の除去を検討した。C末端ポリヒスチジンをコードする部分を含まないポリプロ(−)CASB7439ポリペプチドをコードする核酸分子を、LVL111構築物からPCRで増幅し、次いでpET19bベクターにクローン化した。この構築物をLVL137と名付けた。LVL137構築物は本質的に、C末端ポリヒスチジン尾部をコードするヌクレオチド配列を含まないLVL111であった。配列番号5(aa);配列番号5(DNA)。C末端ポリヒスチジン尾部の除去は、生成レベルへの影響を明らかに及ぼさなかった。Coomasieで染色したSDS−PAGEゲルで解析すると、LVL137はLVL111と同じレベルのタンパク質を生成した。
【0098】
次いで、ポリプロ(−)CASB7439ポリペプチドをコードする核酸分子を、Geneart(0706840)合成CASB7439配列からPCRで増幅して、N末端で6ポリヒスチジンタグを有するpET26ベクターにクローン化した。配列番号33(aa);配列番号34(DNA)。この構築物は、タンパク質生成レベルで著しい減少を示し、Westernブロットによる検出が困難であった。
【0099】
ポリプロ(−)CASB7439ポリペプチドのN末端で6ポリヒスチジンタグをコードする核酸分子を、pET24カナマイシン耐性ベクター中で作製した。新規リンカーのデザインを使用して、CASB7439遺伝子のポリヒスチジンタグ配列と5’末端との間に生成されたヘアピン構造を除去した。具体的には、該タンパク質構築物の最初の8個のアミノ酸残基のためのコドンを、以下のヌクレオチド配列に変えた:5'ATG CAT CAT CAT CAT CAT CAT GAC 3'(配列番号35)。(最初のコドンは、5'ATG CAC CAT CAC CAT CAC CAT GAT 3'(配列番号36)であった。)この構築物をLVL160と名付けた。配列番号37(aa):配列番号38(DNA)。ゲルおよびWesternブロット解析では、タンパク質生成は、LVL138で得たのと同じ程度弱く現れた。
【0100】
ポリプロ(−)CASB7439ポリペプチドのN末端で10ポリヒスチジンタグを有するタンパク質構築物をコードする核酸分子を、pET24カナマイシン耐性ベクター中で作製した。この構築物をLVL168と特定した。配列番号11(aa);配列番号12(DNA)。この生成レベルは、LVL111で観察されたレベルに匹敵した。本実施例で述べた構築物のいくつかの配列比較を図5に示す。
【0101】
本実施例および実施例1に述べた構築物の結果を以下の表1に要約する。
【表1】

【0102】
表1.実施例1、3、および6に記述した構築物の発現レベル。
【0103】
全細胞溶解液をSDS−PAGEに掛けると、「ゲル−/ブロット+」生成をもたらす構築物は通常、Westernブロットによってのみ見える。全細胞溶解液をSDS−PAGEに掛けると、「ゲル+++/ブロット+++」生成をもたらす構築物は、Coomassieブルー染色によって明瞭に見える。
【0104】
6His:ヒスチジンタグ=6ヒスチジン残基
長いHis=23aa(MGHHHHHHHHHHSSGHIDDDDKH)(配列番号42)
Del−ポリ−プロ−ドメイン:プロリンリッチ領域の除去による改変型CASB7439
OPT:最適化コドン
Hismodif:コドン選択のために改変されたヒスチジンタグ(本明細書の実施例6を参照されたい)
1/3pD:本明細書に記述するタンパク質D構築物
10His:10個のヒスチジン残基をもつヒスチジンタグ。
【0105】
実施例7
別のCASB7439構築物を、インフルエンザ菌に由来するタンパク質Dの断片との融合で作製した。配列番号39(aa)((配列番号40(DNA))に示すように、アミノ酸Met−Asp−Proを、プロセシングしたタンパク質Dの108N末端アミノ酸(プロセシングしたタンパク質Dのアミノ酸残基1〜109)に融合した。配列番号39を本明細書では1/3pDまたは1/3タンパク質Dと呼ぶ。LVL141を得るために、Geneartから入手した合成CASB7439ヌクレオチド配列(0706840)(プロリンリッチ領域除去型)を、1/33pDを含むカナマイシン耐性プラスミドであるpET26−1/3pD中でサブクローン化した。LVL141の配列を、配列番号7(aa)および配列番号8(DNA)に記載する。生成は、LVL111に匹敵した。
【0106】
次いで、このクローンをPCRによって変異させて、1/3pDと、CASB7439成分との間の4アミノ酸リンカー(Ala−Ala−Ala−His)を除去した。結果として得た構築物の配列をLVL144と名付け、配列番号9(aa)および配列番号10(DNA)に記載する。生成はLVL111に匹敵した。図6は、CASB7439(配列番号13);LVL168(配列番号12);pD1/3(配列番号39);およびLVL144(配列番号)の配列比較を示す。
【0107】
実施例8
LVL168の可溶化試験
概して、CASB7439を含む精製タンパク質構築物を6Mグアニジン緩衝液に可溶化して、8M尿素緩衝液に移し、次いで4M尿素、20mMのHEPES、1mMのTCEP、150mMのNaCl、pH7.0中で保存する。少容量で行った予備段階の結果は、LVL168も、尿素、またはEDTAもしくはTCEPなどのいかなる還元剤も含まないリン酸緩衝液中で、かつNaClの有無に係らず、可溶化され得ることを示唆した。これらの緩衝液での透析の後、沈殿物は、何ら観察されなかった。可溶化アッセイを行い、表2に記載した16の緩衝液中のLVL168タンパク質を特徴づけた。8M尿素緩衝液、20mMのHEPES、150mMのNaCl、1mMのTCEP、pH7.0中の100μリットルの精製LVL168タンパク質試料を、該緩衝液で2回すすいで事前に調整し、ミニ透析ユニット、10000MWCO(Biolynx)に入れた。表2に記載した16種の緩衝液、それぞれ100mL中、4℃で攪拌した状態で、一晩透析を行った。次いで、ユニットから試料を収集して、三角フラスコにいれて、20,000gで5分間遠心させた。遠心後、可溶性タンパク質は懸濁液中に残ったが、非可溶性タンパク質は沈殿して、ペレット状になった。LVL168タンパク質が溶解した緩衝液を表2に記載する。
【0108】
ゲルSDS−PAGEで上清を試験し、次いで残っている可溶性タンパク質の濃度を製造業者の説明書を用いて、RC DC法で測定した。Lowry変法のRC DC法を実行するキットは、BioRad Laboratories(1000 Alfred Nobel Drive, Hercules, CA 94547)から入手可能である。試料は、安定性試験のために4℃で保持した。
【0109】
LVL168の安定性試験
可溶化アッセイに由来するLVL168タンパク質を4℃で7日間保持した。2、3、5、6、9〜16の試料をそれぞれ20μリットル、別のチューブに移し、4℃、37℃または室温でさらに2日間、それらの安定性に対する試験を行った。試料を20,000gで5分間遠心させた。上清をSDS−PAGEで分離して、最初の精製タンパク質と比較することによって、タンパク質の分解、凝集または損失についてプロファイルを解析した。該タンパク質は、試験した大部分の緩衝液中で安定だった。
【表2】

【0110】
表2.LVL168に関する溶解性および安定性の試験
便宜上、本明細書に記述する構築物およびそれらの関連生成の概要を表3に示す。
【表3】

【0111】
表3. 表1.の省略形を参照されたい。以下のさらなる省略形を表3.で使用する:
trunc:トランケート型
const:構築物
mut:pD1/3と改変型CASB7439ポリペプチドとの間の非関連アミノ酸を除去するために変異させた配列
リンカー:分子の2つの部分の間の非関連アミノ酸
DNA結合:DNA結合ドメイン
bHLH単独:基本的なヘリックス・ループ・ヘリックスドメイン。
【0112】
材料および方法
発現−小規模誘導
大腸菌BLR(DE3)株を、本明細書に記述する構築物で形質転換し、適切な抗生物質(40μg/mLのカナマイシンまたは100μg/mLのカルベニシリン)を含むLuria Broth(LB)寒天プレート上に播いて、37℃で一晩インキュベートした。結果として得た菌叢を用いて、適切な抗生物質(40μg/mLのカナマイシンまたは100μg/mLのカルベニシリン)を含む20mLのLB代替タンパク質源(APS)培地に播種して、0.5〜1.0のOD600に達するまで37℃でインキュベートした。
【0113】
16℃または37℃のいずれかで、1mMのIPTGを加えることによって誘発させた。16℃で誘発するために、増殖培養物を氷上で1時間冷却させてから、組換えタンパク質の発現を誘発した。次いで該培養物を16℃での増殖に戻し、これらの条件下で16時間維持した。37℃で誘導するために、増殖培養物にIPTGを加えることによって組換えタンパク質の発現を直ちに誘導させた。37℃で3時間、誘導を維持した。誘導の前後に、1mLの小アリコートを採取した。
【0114】
次いで、アリコートを遠心し(4℃、2000×gで10分間)、細菌ペレットを解析まで−20℃で保持した。製造業者の提案に従ってBugBusterタンパク質の抽出の後に、解析を行った。Novagenが製造したBugBusterは、VWRから市販されている。発現レベルをSDS−PAGEゲルのCoomassieブルー染色法およびWesternブロットによって測定した。BugBuster抽出に由来するペレット中のタンパク質または上清中のタンパク質の検出後に、溶解性を評価した。
【0115】
発現−大規模誘導
大腸菌BLR(DE3)株を、本明細書に記述する構築物で形質転換し、適切な抗生物質を含むLB寒天プレート上に播種して、37℃で一晩インキュベートした。結果として得た菌叢を用いて、適切な抗生物質(40μg/mLのカナマイシンまたは100μg/mLのカルベニシリン)を含む所望数の800mLフラスコのLB APS培地に播種して、0.5〜1.0のOD600に達するまで37℃でインキュベートした。次いで、800mLの増殖培養物を含有する2.5Lフラスコを、氷上で1時間冷却させてから、1mMのIPTGを加えて組換えタンパク質の発現を誘導した。16℃で誘導するために、増殖培養物を氷上で1時間冷却させてから、誘導した。次いで該培養物を16℃での増殖に戻し、これらの条件下で16時間維持した。
【0116】
培養物を遠心し(4℃、6000×gで15分間)、細菌ペレットを精製プロセスまで−80℃で保持した。BugBuster誘導の前後に1mLの小アリコートを採取して、SDS−PAGEおよびWesternブロットによって解析してから、精製した。
【0117】
精製
細菌ペレットを、溶解緩衝液(500mM NaCl、10mM TCEPを含有する20mM Tris緩衝液(pH8.0))およびプロテアーゼ阻害剤の混合物(コンプリートEDTAフリー)中で再懸濁させた。Vibra cell超音波プロセッサ上で13mmプローブを用いる超音波処理によって、Emulsiflex C3(Avestin)またはConstant Cell破壊装置(Constant System)によってのいずれかで、細菌を溶解させた。可溶性(上清)および不溶性(ペレット)の成分を、4℃で、20000gで20分間遠心させて分離した。CASB7439組換えタンパク質は、ペレット中にあることが予想されるので、上清は処分した。
【0118】
通常、不溶性成分(ペレット)は、6MグアニジンHCl、500mM NaCl、10mM TCEPを含有する50mMビシン緩衝液、pH8.0中で再可溶化させ、次いで(20000×gで20分間)遠心させた。以前の緩衝液中ですでに前平衡させたが、TCEP濃度を1mMまで下げて、5mL His Trapカラム(GE Healthcare)に上清を充填した。充填した後、該カラムを同じ緩衝液で1回洗浄した。6M GnHClカオトロープ剤を8M尿素(8M尿素、20mM HEPES、500mM NaCl、1mM TCEP、pH8.0)と置換した。8M尿素、500mM NaCl、1mM TCEPおよび250mMイミダゾールを含有する20mM HEPES緩衝液(pH8.0)を用いて溶出を行った。溶出画分からの試料を、SDS−PAGEで解析し、次いで目的のタンパク質を含有する画分をプールした。必要に応じて遠心分離機上で濃縮して、精製の第2の段階で用いた。
【0119】
純度の必要に応じて、8M 尿素、20mM HEPES、500mM NaCl、1mMTCEPでSEC(分子ふるいクロマトグラフィー)(Superdex 200、GEHealthcare)の1または2段階を行ってから、脱塩の最後の段階を行った。脱塩は、4M尿素、150mM NaClおよび1mM TCEPを含有する最終20mM HEPES緩衝液(pH7.0)で前平衡させたG25脱塩カラム上で行った。
【0120】
タンパク質試料を、チューブに1mLに等分して、−80℃で保管した。
【0121】
タンパク質分析−濃度決定
タンパク質濃度は、RC DCタンパク質アッセイ(BioRadによるLowry変法)を用いて決定した。古典的なLowryまたはBCAアッセイで用いる最終緩衝液の一部の成分が不適合(高含量の尿酸および還元剤)であるために、このアッセイを用いた。既知量の最終タンパク質調製も、SDS−PAGE、Westernブロットによって解析し、および凝集または分解、大腸菌タンパク質およびLPS混入レベルを評価するために、LAL含有を解析した。
【0122】
実施例9
正常組織および結腸直腸癌(CRC)組織におけるCASB7439発現の検証
出願人らは、Corixa Corporationから入手した83のCRC試料および12の正常な結腸試料でCASB7439 mRNA発現のリアルタイムqPCR解析を行った。CASB7439 mRNAは、正常組織と比較して試験したCRC試料の63%で、正常結腸と比較するとCRCにおいて少なくとも10倍過剰に発現した(平均CASB7439/β−アクチン発現比として報告されたデータ)(図7)。加えて、出願人らは、ウサギ抗CASB7439モノクローナル抗体(40−12)(本明細書の他の箇所で記述した抗体)を用いて、ヒトCRC組織で免疫蛍光法(IF)によってCASB7439タンパク質を検出したが、CASB7439タンパク質は、正常な隣接組織切片では検出されなかった。
【0123】
CASB7439に関するさらなる発現データを、標準技法を用いるGeneLogic(Gene Microarray)解析によって作製した。CASB7439 mRNAは、該疾患のすべてのステージからのCRC試料において高度に発現することがわかった(データ図示せず)。出願人らは、Corixa Corporationから入手した83のCRC試料および12の正常な結腸試料でCASB7439 mRNA発現のリアルタイムqPCR解析を行った。CASB7439 mRNAは、正常組織と比較して試験したCRC試料の63%で、正常な結腸と比較するとCRCにおいて少なくとも10倍過剰に発現した(平均CASB7439/β−アクチン発現比として報告されたデータ)(図7)。
【0124】
独立した文献では、結腸陰窩の底で非常に低いレベルでのin situハイブリッド形成(ISH)によるCASB7439、すなわちHASH−2、mRNAの検出が報告されているが、胎盤以外の他の正常組織での検出は報告されていない。Jubbら(2006) Oncogene 25:3445−3457。結腸直腸癌(CRC)組織では、CASB7439 mRNAは、試験したヒト組織の70%で15倍過剰発現することを示している。
【0125】
CRC組織および隣接の正常結腸組織におけるCASB7439タンパク質発現
正常組織およびCRC組織でのCASB7439タンパク質発現を免疫蛍光法によって解析するために、特異的ウサギ抗CASB7439モノクローナル抗体(40−12)を開発した。出願人らは、CASB7439に対して産生されたウサギハイブリドーマを商用プロバイダーのEpitomics Inc.から入手して、スクリーニングを行った。該ハイブリドーマによって産生されたモノクローナル抗体をまず、組換えタンパク質LVL111(配列番号3)を用いてELISAによってスクリーニングした。該モノクローナル抗体の特異性は、LVL111と、CASB7439を発現するよう操作された組換え細胞系から得た細胞可溶化物とを用いてWesternブロットによって検証した(以下のTC1/CASB7439を参照されたい)。TC1/CASB7439腫瘍(マウス内で増殖)、SW−620細胞とSW−480細胞(CASB7439陽性ヒト結腸直腸癌細胞系)、およびHCT−116細胞(CASB7439陰性ヒト結腸直腸癌細胞系)でのCASB7439タンパク質発現を、モノクローナル抗体を用いる免疫蛍光法によって評価した。該モノクローナル抗体40−12を、CASB7439タンパク質発現検証のために選択した。
【0126】
出願人らは、NDRI(National Disease Research Interchange, 8 Penn Center, 8th Floor, 1628 JFK Boulevard, Philadelphia, PA 19103)から、17名の種々の個人に由来するCRC組織および正常な隣接組織の両方のOCT包埋凍結組織試料を入手した。これらの個人のうちの5名については、転移性組織も入手した。出願人らは、17の原発腫瘍、17の正常な隣接組織、および5の転移性組織をスクリーニングした。分析した17の原発性CRC腫瘍のうちの13は、CASB7439タンパク質発現が陽性であった(76.5%)。これらのCASB7439陽性試料のすべては、腺癌であった。正常な隣接組織のいずれも、検出可能な濃度のCASB7439タンパク質を発現しなかった。5の転移性組織のうちの3は、CASB7439タンパク質発現が陽性だった(60%)。
【0127】
通常の手法を用いて癌組織および正常な隣接結腸組織の両方で行ったリアルタイムqPCR解析によって16のCRC組織で、CASB7439タンパク質とmRNA発現との相関を研究した。Ki67染色を増殖マーカーとして使用した。CASB7439タンパク質とmRNA発現との相関を図8に示す。免疫蛍光法によってCASB7439タンパク質を示した組織試料も、最高のCASB7439 mRNAレベルを示した。
【0128】
実施例10
マウスにおけるCASB7439の免疫原性:近交系マウスにおけるCASB7439T細胞の免疫原性
マウスにおけるCASB7439のT細胞免疫原性を調べるために、通常の合成方法によってペプチドのバンクを作製し、CASB7439タンパク質の全配列を網羅した(図9)。各ペプチドは15長であり、11のアミノ酸が次のペプチドと重複した。免疫優性領域を検討するために、いずれの2つのプールのペプチドも共通ペプチドが1つだけになるように、14プールのペプチドをマトリックスによって配置した(図10)。
【0129】
マウスにおけるT細胞免疫原性の研究のために、1群あたり15匹までの近交系マウスおよび10匹までの非近交系マウスに、GSK専売品のアジュバントであるAS01BまたはAS15とともに製剤化された種々の組換えCASB7439タンパク質を種々の用量(0〜30μg)で、2週間ごとに筋肉内免疫を4回投与した。一旦抗原とともに製剤化されると、AS01Bは、リポソーム中MPL(100μg/mL)およびQS21(100μg/mL)で構成される。一旦抗原とともに製剤化されると、AS15は、リポソーム中MPL(100μg/mL)、QS21(100μg/mL)およびCpG7909(840μg/mL)で構成される。各免疫化は、25μLの2×濃縮アジュバントと混合した25μLの組換えCASB7439タンパク質を含有した。したがって、AS01B群の各マウスには、5μgのMPLおよび5μgのQS21を投与した。AS15群の各マウスには、5μgのMPL、5μgのQS21、および5μgのCpG7909を投与した。最後の免疫化の後、脾臓またはPBLをマウスから採取した。近交系マウスにおけるCASB7439免疫原性分析の場合、脾臓またはPBLを個々に分析するか、またはプールした。CD1非近交系マウスにおけるCASB7439免疫原性分析の場合、各脾臓を個々に処理した。
【0130】
PBLまたは単離した脾細胞を1mLあたり10×10細胞の最終濃度で、以下の添加剤を含んだRPMI1640培地中で再懸濁させた:ペニシリン−ストレプトマイシン(1×)、非必須アミノ酸(1×)、2−メルカプトエタノール(55mM)、ピルビン酸ナトリウム(100mM)、L−グルタミン(200mM)。CASB7439配列からのペプチド(RPMI1640+添加剤+5%熱失活FBS中1μg/mL/ペプチドの最終濃度で用いた)で細胞を刺激した。CD4、CD8、IL−2、IL−5、IFNγおよびTNFαに対する細胞内染色(ICS)を、従来からの方法で行った。刺激の後、細胞をブレフェルジンAで処理し、次いで固定した。CD4およびCD8の表面染色は、CD4およびCD8に特異的なモノクローナル抗体を用いて行った。次いで、細胞を透過処置して、IL−2、IL−5、IFNγおよびTNFαのタンパク質に対して産生された特異的モノクローナル抗体を用いて染色した。細胞は、BD FACSCanto IIを用いるフローサイトメトリーによって分析した。データは、IFNγ+およびTNFα+CD4−T細胞またはCD8−T細胞のダブルポジティブパーセンテージで表す。
【0131】
近交系マウス多系統のT細胞免疫原性の比較実験
出願人らは、AS01BまたはAS15のいずれかと製剤化したCASB7439タンパク質の免疫原性を、Charles River, Senneville, QC, Canadaから購入したC57Bl/6、Balb/C、CB6F1(C57Bl/6をBalb/Cマウスと交雑させた第一世代の子孫)およびC3H近交系マウスで比較した。1群あたり5匹のマウスに、AS01BまたはAS15のいずれかと製剤化した組換えCASB7439タンパク質(LVL111)10μgによって免疫した。脾臓を採取してプールした(1プールは1群あたり5脾臓からなる)。各系統のLVL111へのCD4−T細胞応答(ダブルポジティブIFNγ+およびTNFα+)を、AS01B製剤に関しては図11に、AS15製剤に関しては図12に示す。4系統の近交系マウスのいずれにおいても、CD8−T細胞(ダブルポジティブIFNγ+およびTNFα+)応答は観察されなかった。
【0132】
CASB7439+AS15によって免疫された近交系マウスで特定されたCASB7439免疫優位性ペプチドを、図13に示す。免疫優性ペプチドおよび配列番号13のそれに相当する領域を有する系統は、以下のとおりである。
【0133】
・C57Bl/6:ペプチド39(配列番号91)(配列番号13のaa153〜167)
・Balb/c:ペプチド24(配列番号13のaa93〜107)
・CB6F1:ペプチド7〜8(配列番号13のaa25〜43)および23〜24(配列番号13のaa89〜107)
・C3H:ペプチド9〜11(配列番号13のaa33〜56)、16〜19(配列番号13のaa61〜87)および41〜43(配列番号13のaa161〜183)。
【0134】
LVL111、LVL168およびLVL144についての近交系マウスT細胞免疫原性研究
LVL111、LVL168、およびLVL144の免疫原性を近交系マウスCB6F1マウスで研究した。本実験では、1群あたり5匹のマウス(Charles River, Senneville, QC, Canada)に、AS15とともに製剤化された組換えCASB7439タンパク質(LVL111、LVL168およびLVL144)を2週間ごとに4回免疫した。各免疫化は、本明細書の他の箇所で記述したように25μLの2×濃縮アジュバントと混合した25μLの組換えCASB7439タンパク質を含有した。CD4およびCD8のT細胞応答(ダブルポジティブIFNγおよびTNFα)を、個々の近交系CB6F1マウスにおいて、CASB7439ペプチドマトリックスで脾細胞を再刺激してから、細胞内染色およびフローサイトメトリー分析で測定した。(データ図示せず)3つの構築物すべてによる免疫化は、CD6F1近交系マウスにおいて同じ免疫原性領域(配列番号13のaa25〜43および配列番号13のaa89〜107)に対してCD4T細胞免疫応答を誘発した。
【0135】
マウスにおけるCASB7439の免疫原性:非近交系マウスにおけるCASB7439T細胞免疫原性
CD1非近交系マウス(Charles River, Senneville, QC, Canada)に、AS01BまたはAS15のいずれかと製剤化した組換えCASB7439タンパク質(LVL111)を2週間ごとに4回免疫した。各免疫化は、本明細書の他の箇所で記述したように25μLの2×濃縮アジュバントと混合した25μLの組換えCASB7439タンパク質を含有した。CD4およびCD8のT細胞応答(ダブルポジティブIFNγおよびTNFα)を、個々のCD1マウスにおいて、CASB7439ペプチドマトリックスで脾細胞を再刺激してから、細胞内染色およびフローサイトメトリー分析で測定した。
【0136】
CASB7439+AS01BまたはCASB7439+AS15のいずれかによって免疫された非近交系マウスにおいて特定したCASB7439CD4免疫原性ペプチドの表を、図14の上段および下段のそれぞれに示す。CD1非近交系マウスにおいて特定したCD4T細胞の免疫原性領域は、以下のCASB7439の領域を網羅する(配列番号13のアミノ酸位置に関して表した):ペプチド8〜10(配列番号13のaa29〜51)、ペプチド16〜18(配列番号13のaa61〜83)およびペプチド24〜26(配列番号13のaa93〜115)。CD1非近交系マウスにおいて特定したCD8T細胞の免疫原性領域は、以下のCASB7439の領域を網羅する:ペプチド16〜18(配列番号13のaa61〜83)、ペプチド24〜26(配列番号13のaa93〜115)およびペプチド32(配列番号13のaa125〜139)。(データ図示せず。)。
【0137】
LVL111、LVL168およびLVL144についての非近交系マウスT細胞免疫原性研究
LVL111、LVL168およびLVL144によって誘発されたCASB7439+AS15媒介によるCD4およびCD8のT細胞応答を、Charles River, Senneville, QC, Canadaから購入した非近交系CD1マウスそれぞれで試験した。1群あたり5匹のマウスに、AS15とともに製剤化された、10μgのCASB7439組換えタンパク質(LVL111、LVL168およびLVL144)から構成される筋肉内免疫を2週間ごとに4回投与した。各免疫化は、本明細書の他の箇所で記述したように25μLの2×濃縮アジュバントと混合した25μLの組換えCASB7439タンパク質を含有した。対照群の5匹のマウスに緩衝生理食塩水によって免疫した。
【0138】
4回目の免疫化から2週間後、マウスを安楽死させた。CD4およびCD8のT細胞応答(ダブルポジティブIFNγおよびTNFα)を、4プールのペプチド(プール1:ペプチド8−9−10、プール2:ペプチド16−17−18、プール3:ペプチド24−25−26およびプール4:ペプチド30−32−32)で脾細胞を再刺激してから、細胞内染色およびフローサイトメトリー分析で測定した。データを図15に示す。配列番号13の同じCD4T細胞免疫原性領域、特に、ペプチド16〜18(配列番号13のaa61〜83)およびペプチド24〜26(配列番号13のaa93〜115)は、AS15とともに製剤化された3つのCASB7439構築物のそれぞれでの免疫化後に活性化された。
【0139】
LVL144およびLVL168についてのHLA A2.1/DR1−トランスジェニックマウスのT細胞免疫原性研究
2つの構築物(LVL168またはLVL144)によって誘発されたCASB7439+AS15媒介によるCD4およびCD8のT細胞応答を、Pasteur Institute, Paris, Franceから購入したHLA A2.1/DR1−トランスジェニックマウスをプール(3匹のマウスからなる3フール)して試験した。1群あたり9匹のマウスに、AS15とともに製剤化された6.25μgのLVL168または10μgのLVL144から構成される筋肉免疫を2週間ごとに4回投与した。各免疫化は、本明細書の他の箇所で記述したように25μLの2×濃縮アジュバントと混合した25μLの組換えCASB7439タンパク質を含有した。対照群の2匹のマウスに、アジュバント単独によって免疫した。
【0140】
4回目の免疫化から2週間後、マウスを安楽死させた。CASB7439全配列を網羅する7プールのペプチドでPBLおよび脾細胞を再刺激した後、CD4およびCD8のT細胞応答(IFNγおよびTNFαのダブルポジティブ)を細胞内染色およびフローサイトメトリー分析によって測定した[プール1:ペプチド1〜7(配列番号53〜59)、プール2:ペプチド8〜14(配列番号60〜66)、プール3:ペプチド15〜21(配列番号67〜73)、プール4:ペプチド22〜28(配列番号74〜80)、プール5:ペプチド29〜35(配列番号81〜87)、プール6:ペプチド36〜42(配列番号88〜94)、およびプール7:ペプチド43〜46(配列番号95〜98)]。さらに、ヒトHLA DR免疫優性ペプチド24(配列番号76)を個々に試験した。図16〜19に示した結果は、CD4およびCD8のT細胞免疫優性領域(ペプチド22〜28+ペプチド24)が、AS15ともに製剤化した2つのCASB7439構築物のそれぞれによって免疫した後に活性化されることを示している。したがって、ペプチド24もヒトHLA A2.1免疫優性ペプチドである。これらの結果は、同じCASB7439ペプチドを用いて、AS15とともに製剤化したLVL168またはLVL144のいずれかによって免疫した1群あたり5匹のそれぞれから採取した脾細胞を再刺激した第2の実験でも確認された。(データ図示せず。)。
【0141】
マウスにおけるCASB7439の免疫原性:CB6F1マウスのCASB7439媒介体液性応答の研究
AS01BまたはAS15のいずれかと製剤化して、ヒト用量の1/10で用いた10μgのCASB7439(LVL111)に対するCASB7439媒介体液性応答を、近交系CB6F1マウス(Charles River, Senneville, QC, Canada)で評価した。1群あたり19匹のマウスに2週間ごとに筋肉内免疫を4回投与した。各免疫化は、25μLのアジュバント(2×濃縮)と混合した25μLの組換えCASB7439タンパク質を含有した。各免疫化の直前および4回目の免疫化から2週間後にマウスから採血した。別の実験では、LVL111,LVL168またはLVL144に対するCASB7439媒介体液性応答を、近交系CB6F1マウス(Charles River, Senneville, QC, Canada)で評価した。1群あたり50匹のマウスに、AS15とともに製剤化したCASB7439組換えタンパク質(LVL111、LVL168またはLVL144)を10μg、または対照群としてAS15単独を2週間ごとに4回筋肉内免疫を投与した。各免疫化は、本明細書の他の箇所で記述したように25μLの2×濃縮アジュバントと混合した25μLの組換えCASB7439タンパク質を含有した。4回目の免疫化から2週間後、マウスから採血した。
【0142】
標準方法に従って、抗CASB7439 IgG1およびIgG2aの血清抗体価をELISAによって測定した。簡単に言うと、CASB7439組換えタンパク質を96ウェルプレート中でリン酸緩衝液生理食塩水(PBS)でコートした。PBS−Tween(0.1%)中1%ウシ血清アルブミンを用いてブロックした後、免疫されたマウスからの血清を該プレート中で、37℃で1時間インキュベートした。プレートを洗浄した後、特異的ヤギ抗IgG1またはIgG2a−HRP標識マウス抗体(Southern Biotech Associates, Birmingham, AL, USA)を、37℃で1時間付加した。プレートを洗浄した後、TMB基質試薬(BD Pharmingen, Mississauga, ON, Canada)を15分間付加した。1M硫酸を加えることによって比色反応を停止させた。Spectramax分光光度計(Molecular Device, Sunnyvale, CA, USA)用いて450nmでODを測定した。特異的総IgG、IgG1またはIgG2aの捕捉抗体および内部CASB7439陽性マウス血清を用いて、抗体価を標準曲線で決定した。
【0143】
図20は、AS01BまたはAS15のいずれかと製剤化されたCASB7439(LVL111)によって免疫されたマウスの血清中のIgG1およびIgG2aの抗体価の経時的解析を表す。該データは、AS15がより高いTh1を誘発することを示す(AS01Bと比較すると、4回目の免疫化の後、1gG2a/IgG1の割合がおよそ10倍高い(IgG2aは1型免疫応答の代替マーカーである))。図21に示すように、AS15とともに製剤化されたCASB7439タンパク質は、どの構築物(LVL111、LVL168またはLVL144)を用いても、近交系CB6F1マウスにおいて極めて強いIgG1およびIgG2a抗体応答を誘発する。
【0144】
マウスにおけるCASB7439の免疫原性:CD1マウスのCASB7439媒介体液性応答の研究
CASB7439免疫化(LVL111、LVL169またはLVL144)後のCASB8439媒介体液性応答を非近交系CD1マウス(Charles River, Senneville, QC, Canada)で評価した。1群あたり10匹のマウスに、AS15とともに製剤化されたCASB7439組換えタンパク質(LVL111、LVL168またはLVL144)を10μg(または対照群としてAS15単独で)2週間ごとに4回筋肉内免疫を投与した。各免疫化は、本明細書の他の箇所で記述したように25μLの2×濃縮アジュバントと混合した25μLの組換えCASB7439タンパク質を含有した。
【0145】
4回目の免疫化から2週間後、マウスから採血して、抗CASB7439総IgG血清抗体価をすでに記述したようにELISAによって測定した。種々のCASB7439構築物(LVL111、LVL168またはLVL144)によって免疫されたCD1マウスは、極めて強いCASB7439特異的体液性免疫応答を発現する(図22)。CD非近交系マウスにおいてそれぞれLVL168およびLVL111と比較すると、LVL144が8〜10倍高い抗CASB7439総IgG力価を誘発したことをデータは示している。
【0146】
実施例11
マウスにおけるCASB7439 ASCIの抗腫瘍効力:マウス腫瘍モデルの開発
TC−1マウス腫瘍細胞またはMC38マウス結腸直腸癌細胞を用いてCASB7439タンパク質を発現するマウス腫瘍モデルを開発して、マウスにおけるCASB7439媒介in vivo腫瘍予防を研究した。TC−1腫瘍細胞は、T.C. Wu(Johns Hopkins University, Baltimore, MD)によって、快く提供されたものであった。該腫瘍細胞は、C57BL/6マウスの初代肺細胞から、HPV16 E6およびE7の遺伝子の連続的トランスファー、ならびに以前に記述されたように(Linら(1996) Cancer Res. Jan 1;56(1):21−6)ras癌遺伝子の活性化によって作製した。マウス結腸直腸腺癌細胞系であるMC38細胞は、ATCC(Manassas, VA)から購入した。
【0147】
製造業者の提案に従って、非リポソーム型トランスフェクタント試薬Fugene−6(Roche, Mississauga, ON, Canada)を用いて、これらの細胞にCASB7439をコードする構築物を安定的にトランスフェクトした。簡単に言うと、CASB7439タンパク質の全配列をコードし、かつゼオシン耐性遺伝子を含んでいるプラスミド(pcDNA3.1/Zeocine)をFugene−6と混合して、無血清培地中で一晩、TC−1またはMC38の腫瘍細胞の上に付加した。トランスフェクションの後、培地+10%熱失活FBS中で24時間、細胞を回復させた。次いで、細胞を収集して、限界希釈法のために、96ウェルプレート(1ウェルあたり50μLの細胞懸濁液)に分配した。細胞播種の後、該培地を、100μg/mLのゼオシン(Invitrogen, Burlington, ON, Canada)を含有する培地+10%熱不活性FBSと取り替えた。選択の後、各クローンを収集して、24ウェルプレート中で増殖させて凍結させた。TC1/CASB7439細胞およびMC38/CASB7439細胞におけるCASB7439 mRNAの発現を、CASB7439−特異的TaqManプライマーおよびプローブを用いて、リアルタイムqPCRで検証した。リアルタイムqPCR反応は、TaqMan7900装置(Applied Biosystem, Foster City, CA, USA)を用いてTaqMan反応キットで行った。CASB7439タンパク質発現を、特異的抗CASB7439モノクローナル抗体(40−12)を用いて、Westernブロットおよび免疫蛍光法によって評価した。
【0148】
TC−1/CASB7439#14細胞集団は、完全なクローンではなく、むしろ少なくとも2つのサブクローンから構成される。したがって、完全なクローンTC−1/CASB7439細胞集団、すなわちTC−1/CASB7439#14−2細胞を作製するために、別の限界希釈ステップを行った。
【0149】
マウスにおける腫瘍投与のためのTC−1またはMC38の最適用量を決定するために、細胞(1マウスあたり1×10〜2×10細胞)の種々の用量をCB6F1近交系マウスに注射した。最適用量は、TC−1/CASB7439#14およびTC−1/CASB7439#14−2投与に対しては1マウスあたり2.5×10細胞であると決定し、1マウスあたり1×10細胞はMC38/CASB7439#35による誘発に最適であることが分かった。
【0150】
マウスにおける抗腫瘍有効性:免疫および投与実験
一連の4つの研究(1.1〜1.4)をデザインし、CASB7439媒介in vivo腫瘍予防を評価した。概して、これらの4つの研究のそれぞれにおいて、本研究のために選択し、本明細書の他の箇所で記述したように、最終濃度のAS01BまたはAS15のいずれかと製剤化された特異的組換えCASB7439タンパク質の種々の用量(0、1,10または30μg)で、緩衝生理食塩水とともに、単独のCASB7439タンパク質とともに、または単独のアジュバントとともに、CB6F1マウス群に2週間ごとに筋肉内免疫を4回投与した。4回目の免疫化から2週間後、CB6F1マウスに、250,000のTC−1/CASB7439#14細胞、100,000のMC38/CASB7439#35細胞または250,000のTC−1/CASB7439#14−2腫瘍細胞を皮下注射で投与した。投与後、マウスごとに腫瘍の大きさを週に3回測定した。プロトコールに従って、200mmを超える大きさの腫瘍を有するマウスを安楽死させた。次いで生存曲線をプロットした。
【0151】
さらに4つの研究(2.1〜2.4)を行って、組換えCASB7439タンパク質の0、1、10または30μg以外の用量を検討した。研究2.4では、雄および雌のC57BL/6マウスにおけるCASB7439の免疫原性と腫瘍予防の相互関係を評価し、並行してCB6F1マウスも評価した。
【0152】
研究1.1〜2.4について、以下にさらに詳細に説明する。
【0153】
研究#1.1
出願人らは、CB6F1マウスにおいてTC−1/CASB7439#14投与に対して、AS01BまたはAS15のいずれかと製剤化されたLVL111(1または10μg)による免疫化によって与えられる腫瘍予防を検討した。本明細書の他の箇所で記述したように、最終濃度のAS01BまたはAS15のいずれかと製剤化された組換えCASB7439タンパク質(LVL111)によって、1群あたり10匹のマウスに2週間ごとに4回筋肉内免疫した。緩衝生理食塩水またはCASB7439タンパク質単独のいずれかによって免疫された2つの対照群も、試験した。4回目の免疫化から2週間後、各マウスに、250,000のTC−1/CASB7439#14細胞を皮下に投与した。
【0154】
42日間、腫瘍増殖をフォローしたが、42日目に安楽死させたマウスがあまりにも少なかったので、生存曲線をプロットしなかった。しかしながら、腫瘍増殖曲線は群ごとにプロットした。図23の上段および下段のパネルは、それぞれAS01BおよびAS15の製剤で得られた腫瘍増殖曲線を示す。(注:AS15は、この図では「AS015」として誤認されている。)AS01BまたはAS15のいずれかと製剤化されたCASB7439タンパク質を投与されたCB6F1マウスにおいて、TC−1/CASB7439#14腫瘍増殖が遅くなることを腫瘍増殖曲線は示している。
【0155】
研究#1.2
LVL111の異なる投与量(1、10および30μg)または対照を投与された14匹のマウスからなる群本明細書の他の箇所で記述したように、最終濃度のAS01BまたはAS15のいずれかと製剤化されたLVL111の異なる用量で、2週間ごとに4回、マウスに筋肉内免疫した。4つの対照群も、AS01Bのみ、AS15のみ、緩衝生理食塩水のみ、または30μgのLVL111のみによって免疫した。4回目の免疫化から2週間後、各マウスに、250,000のTC−1/CASB7439#14細胞を皮下に投与した。投与後、マウスごとに腫瘍の大きさを週に3回測定した。プロトコールに従って、200mmを超える大きさの腫瘍を有するマウスを安楽死させた。生存曲線を作成した。
【0156】
AS01Bとともに製剤化されたLVL111で免疫化されたマウスよりも、AS15とともに製剤化されたLVL111で免疫化されマウスは、TC−1/CASB7439#14腫瘍投与から良好に保護されたことを結果は示している。CB6F1マウスでの最良の結果は、AS15とともに製剤化された10μgのLVL111で得られた。図24を参照されたい。
【0157】
研究#1.3
1群あたり38匹のCB6F1マウスに、本明細書の他の箇所で記述したように、最終濃度のAS15とともに製剤化されたLVL111、LVL168またはLVL144を10μg用量で、2週間ごとに4回、筋肉内免疫した。AS15単独で免疫された対照群も、試験した。
【0158】
4回目の免疫化から2週間後、28匹のマウスに、250,000のTC−1/CASB7439#14細胞を皮下に投与し、および残り10匹のマウスに、100,000のMC38/CASB7439#35細胞を皮下に投与した。投与後、マウスごとに腫瘍の大きさを週に3回測定した。プロトコールに従って、200mmを超える大きさの腫瘍を有するマウスを安楽死させた。AS15とともに製剤化されたLVL111、LVL168およびLVL144はすべて、TC−1/CASB7439#14またはMC38/CASB7439#35の投与に対して保護的であることを結果は示している。図25を参照されたい。
【0159】
研究#1.4
1群あたり66匹のCB6F1マウスに、本明細書の他の箇所で記述したように、最終濃度のAS15とともに製剤化されたLVL168またはLVL144を10μg用量で、2週間ごとに4回、筋肉内免疫した。AS15単独によって免疫された対照群も、試験した。
【0160】
4回目の免疫化から2週間後、1群あたり22匹のマウスに、250,000のTC−1/CASB7439#14細胞(非クローン集団)、250,000のTC−1/CASB7439#14−2(クローン集団)のいずれか、または100,000のMC38/CASB7439#35細胞を皮下に投与した。投与後、マウスごとに腫瘍の大きさを週に3回測定した。プロトコールに従って、200mmを超える大きさの腫瘍を有するマウスを安楽死させた。この特定の研究で、対照マウスが先に死ぬこと、および識別できる保護効果がないことによって明らかなように、TC−1/CASB7439#14−2の投与は、TC−1/CASB7439#の14よりもより攻撃的であると思える。図26を参照されたい。次の実験は、本明細書の他の箇所で記述したように、より攻撃的なTC−1/CASB7439#14−2を用いて行った。
【0161】
研究#2.1
1群あたり15匹のCB6F1マウスに、本明細書の他の箇所で記述したように、最終濃度のAS15とともに製剤化されたLVL168またはLVL144のいずれかを種々の等モルの用量によって4回筋肉内免疫した。LVL168の場合、以下の抗原用量を用いた:1マウスあたり0.77、1.5、3.1および6.25μg。LVL144の場合、以下の抗原用量を用いた:1マウスあたり1.25、2.5、5および10μg。AS15単独によって免疫された対照群も、試験した。4回目の免疫化から2週間後、すべてのマウスに、250,000のTC−1/CASB7439#14−2(クローン集団)細胞を皮下に投与した。投与後、マウスごとに腫瘍の大きさを週に3回測定した。289mm(17mm×17mm)を超える大きさの腫瘍を有するマウスを安楽死させた。各群に関する生存曲線を作成した。図27を参照されたい。該図は、TC−1/CASB7439#14−2腫瘍投与後、AS15とともに製剤化されたLVL168およびLVL144の等モル用量で得られた生存曲線を表す。TFは、無腫瘍マウスを表す。AS15対照群と比較すると、LVL144およびLVL168の等モル用量の4セットは、CB6F1マウスにおいて腫瘍増殖を同様に阻害するように思われる。
【0162】
研究#2.2
1群あたり15匹のC57BL/6マウスに、本明細書の他の箇所で記述したように、最終濃度のAS15とともに製剤化されたLVL168またはLVL144のいずれかを種々の等モルの用量によって4回筋肉内免疫した。LVL168の場合、以下の抗原用量を用いた:1マウスあたり0.77、1.5、3.1および6.25μg。LVL144の場合、以下の抗原用量を用いた:1マウスあたり1.25、2.5、5および10μg。対照群として、マウスにAS15単独または緩衝剤によって免疫した。4回目の免疫化から2週間後、すべてのマウスに、250,000のTC−1/CASB7439#14−2(クローン集団)細胞を投与した。投与後、マウスごとに腫瘍の大きさを週に3回測定した。289mm(17mm×17mm)を超える大きさの腫瘍を有するマウスを安楽死させた。各群に関する生存曲線を作成した。図28を参照されたい。該図は、TC−1/CASB7439#14−2腫瘍投与後、AS15とともに製剤化されたLVL168およびLVL144の異なる等モル用量で得られた生存曲線を表す。TFは、無腫瘍マウスを表す。CB6F1マウスで行った研究と対照的に、本研究では、免疫した群、AS15群または緩衝群のC56B1/6マウスの生存間に統計的に有意差は、見られなかった。
【0163】
研究#2.3
1群あたり15匹のCB6F1マウスに、本明細書の他の箇所で記述したように、最終濃度のAS15とともに製剤化されたLVL168またはLVL144を種々の等モルの用量によって4回筋肉内免疫した。LVL168の場合、以下の抗原用量を用いた:1マウスあたり0.04、0.19、0.77、1.5、3.1および6.25μg。LVL144の場合、以下の抗原用量を用いた:1マウスあたり0.078、0.31、1.25、2.5、5および10μg。AS15単独によって免疫された対照群も、試験した。ナイーブマウスも、第2の対照群として用いた。4回目の免疫化から2週間後、すべてのマウスに、250,000のTC−1/CASB7439#14−2(クローン集団)細胞を皮下に投与した。投与後、マウスごとに腫瘍の大きさを週に3回測定した。289mm(17mm×17mm)を超える大きさの腫瘍を有するマウスを安楽死させた。各群に関する生存曲線を作成した。図29および30を参照されたい。これらの図は、TC−1/CASB7439#14−2腫瘍投与後、AS15とともに製剤化されたLVL168およびLVL144の異なる等モル用量で得られた生存曲線を表す。TFは、無腫瘍マウスを表す。
【0164】
試験した2つの等モル最低用量は、腫瘍増殖を有意に阻害するように見えなかった。4つの最高用量で、LVL144+AS15と比較すると、LVL168+AS15によって免疫されたマウスにより多くの腫瘍予防が観察された。
【0165】
研究#2.4
研究#2.2で観察されたように、TC−1/CASB7439#14−2腫瘍投与に対して、AS15とともに製剤化されたCASB7439によって免疫されたC57BL/6マウスで観察された予防不足をさらに検討した。1群あたり15匹のCB6F1またはC57BL/6のマウスに、本明細書の他の箇所で記述したように、最終濃度のAS15とともに製剤化されたLVL168を1μgの用量で4回筋肉内免疫した。LVL168+AS15を1μg用量によって免疫されたマウスの雄群および雌群を別々に調べた。AS15単独によって免疫された別々の対照雄群および対照雌群も試験した。
【0166】
実施例10に記述したように、4回目の免疫化から7日後に部分採血を得て、抗CASB7439総IgG血清抗体価をELISAによって測定した。LVL168+AS15によって免疫された雄および雌のCB6F1マウスにおいて、同様のCASB7439特異的CD4T細胞応答(約1×10ng/mL総IgG)を得た。C57BL/6マウスでは抗体応答が検出されなかった。図33を参照されたい。
【0167】
4回目の免疫化から14日後に、部分採血を得た。実施例10に記述したように、CASB7439全配列を網羅するプールのペプチドで、CB6F1またはC57BL/6のマウス(1群あたり3マウスからなる5プール)由来のPBLを再刺激した後、CD4およびCD8のT細胞応答(IFNγおよびTNFαのダブルポジティブ)を細胞内染色およびフローサイトメトリー分析によって測定した。さらに、ペプチド39(配列番号91)を、C57BL/6由来のPBLで試験した。LVL168+AS15によって免疫した雄および雌のCB6F1マウスにおいて、同様のCASB7439特異的CD4T細胞応答(約0.1%頻度)を得た;CASB7438特異的CD8T細胞応答(0.05%頻度)を雄マウスでのみ得た。図34および35(上段のパネル)を参照されたい。CASB7439全配列またはCASB7439ペプチド39(配列番号91)(配列番号13のaa153〜167)を網羅するプールのペプチドでPBLを再刺激した後、CASB7439特異的CD4またはCD8のT細胞応答を、1μgのLVL168+AS15によって免疫したC57BL/6マウスで検出した。図34および35(下段のパネル)を参照されたい。ここで留意すべきは、CASB7439ペプチト39(配列番号91)は、10μgのLVL168+AS15によって4回免疫されたC57BL/6の脾細胞においてCD4T細胞免疫原性が低いペプチドとして以前に特定されていたので、本発明で非依存的に利用したことである。実施例10の図13を参照されたい。
【0168】
4回目の免疫化から2週間後、すべてのマウスに、250,000のTC−1/CASB7439#14−2細胞を皮下に投与した。投与後、マウスごとに腫瘍の大きさを週に3回測定した。289mm(17mm×17mm)を超える大きさの腫瘍を有するマウスを安楽死させた。各群に関する腫瘍増殖曲線および生存曲線を作成した。図31および32は、TC−1/CASB7439#14−2腫瘍投与後、AS15ととも製剤化された1μgのLVL168またはLVL144によって免疫された雄もしくは雌のCB6F1マウスまたはC57BL/6マウスで得られた腫瘍増殖曲線および生存曲線をそれぞれ表す。結果が示していることは、CASB7439+AS15は、雌CB6F1と比べて、雄CB6F1マウスにおいて緩慢な腫瘍増殖と良好な生存とをもたらす傾向があるが、C57BL/6マウスでは腫瘍予防への効果がないことである。C57BL/6マウスでのCASB7439腫瘍予防の不足は、C57BL/6マウスにおける検出可能なCASB7439特異的CD4およびCD8のT細胞の非存在、ならびに検出可能なCASB7439特異的抗体応答の非存在に対応する。これが示すことは、使用した実験条件下で、C57BL/6マウスがCASB7439による免疫原性および腫瘍予防を調べるには理想的なマウスモデルでないことを示している。一方では、CB6F1マウスにおいて観察されたCASB7439腫瘍予防は、CASB7439特異的CD4T細胞[免疫原性ペプチド7〜8(配列番号13のaa25〜43)および23〜24(配列番号13のaa89〜107)、図13、実施例10を参照されたい]およびCASB7439特異的CD8T細胞、ならびにCASB7439特異的抗体応答の有意な存在に対応することである。
【0169】
配列:
配列番号1
LVL055 タンパク質
MGHHHHHHHHHHSSGHIDDDDKHMDGGTLPRSAPPAPPVPVGCAARRRPASPELLRCSRRRRPATAETGGGAAAVARRNERERNRVKLVNLGFQALRQHVPHGGASKKLSKVETLRSAVEYIRALQRLLAEHDAVRNALA
【0170】
配列番号2
LVL055 DNA
atgggccatcatcatcatcatcatcatcatcatcacagcagcggccatatcgacgacgacgacaagcatatggatggtggcaccctgccgcgtagcgctccgccggcaccgccggttccggttggttgtgcggcgcgtcgtcgtccggcgagcccggaactgctgcgttgcagccgtcgtcgccgtccggccaccgcggaaaccggtggtggtgcggcagcggttgcgcgtcgtaacgaacgtgaacgtaaccgtgtgaaactggtgaacctgggctttcaggcgctgcgtcagcatgtgccgcatggcggtgcgagcaaaaaactgagcaaagtggaaaccctgcgtagcgcggtggaatatattcgtgcgctgcaacgtctgctggccgaacatgatgcggtgcgtaacgcgctggcctaa
【0171】
配列番号3
LVL111 タンパク質
MGHHHHHHHHHHSSGHIDDDDKHMDGGTLPRSAPPAPPVPVGCAARRRPASPELLRCSRRRRPATAETGGGAAAVARRNERERNRVKLVNLGFQALRQHVPHGGASKKLSKVETLRSAVEYIRALQRLLAEHDAVRNALAGGLRPQAVRPSAPRGGSSEPGSPRSAYSSDDSGCEGALSPAERELLDFSSWLGGYHHHHHH
【0172】
配列番号4
LVL111 DNA
atgggccatcatcatcatcatcatcatcatcatcacagcagcggccatatcgacgacgacgacaagcatatggatggtggcaccctgccgcgtagcgcaccgccggctccgccggttccggttggttgtgcggcgcgtcgtcgtccggcgagcccggaactgctgcgttgcagccgtcgtcgccgtccggccaccgcggaaaccggtggtggtgcggcagcggttgcgcgtcgtaacgaacgtgaacgtaaccgtgtgaaactggtgaacctgggctttcaggcgctgcgtcagcatgtgccgcatggcggtgcgagcaaaaaactgagcaaagtggaaaccctgcgtagcgcggtggaatatattcgtgcgctgcaacgtctgctggccgaacatgatgcggtgcgtaacgcgctggccggtggtctgcgtccgcaggcggttcgtccgagcgcgccgcgtggtggtagcagcgaaccgggtagcccgcgtagcgcctatagcagcgatgatagcggctgcgaaggtgccctgagcccggcggaacgtgaactgctggattttagcagctggctgggcggctatcatcatcatcaccatcattaa
【0173】
配列番号5
LVL137 タンパク質
MGHHHHHHHHHHSSGHIDDDDKHMDGGTLPRSAPPAPPVPVGCAARRRPASPELLRCSRRRRPATAETGGGAAAVARRNERERNRVKLVNLGFQALRQHVPHGGASKKLSKVETLRSAVEYIRALQRLLAEHDAVRNALAGGLRPQAVRPSAPRGGSSEPGSPRSAYSSDDSGCEGALSPAERELLDFSSWLGGY
【0174】
配列番号6
LVL137 DNA
atgggccatcatcatcatcatcatcatcatcatcacagcagcggccatatcgacgacgacgacaagcatatggatggtggcaccctgccgcgtagcgcaccgccggctccgccggttccggttggttgtgcggcgcgtcgtcgtccggcgagcccggaactgctgcgttgcagccgtcgtcgccgtccggccaccgcggaaaccggtggtggtgcggcagcggttgcgcgtcgtaacgaacgtgaacgtaaccgtgtgaaactggtgaacctgggctttcaggcgctgcgtcagcatgtgccgcatggcggtgcgagcaaaaaactgagcaaagtggaaaccctgcgtagcgcggtggaatatattcgtgcgctgcaacgtctgctggccgaacatgatgcggtgcgtaacgcgctggccggtggtctgcgtccgcaggcggttcgtccgagcgcgccgcgtggtggtagcagcgaaccgggtagcccgcgtagcgcctatagcagcgatgatagcggctgcgaaggtgccctgagcccggcggaacgtgaactgctggattttagcagctggctgggcggctattaa
【0175】
配列番号7
LVL141 タンパク質
MDPSSHSSNMANTQMKSDKIIIAHRGASGYLPEHTLESKALAFAQQADYLEQDLAMTKDGRLVVIHDHFLDGLTDVAKKFPHRHRKDGRYYVIDFTLKEIQSLEMTENFETAAAHMDGGTLPRSAPPAPPVPVGCAARRRPASPELLRCSRRRRPATAETGGGAAAVARRNERERNRVKLVNLGFQALRQHVPHGGASKKLSKVETLRSAVEYIRALQRLLAEHDAVRNALAGGLRPQAVRPSAPRGGSSEPGSPRSAYSSDDSGCEGALSPAERELLDFSSWLGGYHHHHHH
【0176】
配列番号8
LVL141 DNA
atggatccaagcagccattcatcaaatatggcgaatacccaaatgaaatcagacaaaatcattattgctcaccgtggtgctagcggttatttaccagagcatacgttagaatctaaagcacttgcgtttgcacaacaggctgattatttagagcaagatttagcaatgactaaggatggtcgtttagtggttattcacgatcactttttagatggcttgactgatgttgcgaaaaaattcccacatcgtcatcgtaaagatggccgttactatgtcatcgactttaccttaaaagaaattcaaagtttagaaatgacagaaaactttgaaaccgcggccgcacatatggatggtggcaccctgccgcgtagcgcaccgccggctccgccggttccggttggttgtgcggcgcgtcgtcgtccggcgagcccggaactgctgcgttgcagccgtcgtcgccgtccggccaccgcggaaaccggtggtggtgcggcagcggttgcgcgtcgtaacgaacgtgaacgtaaccgtgtgaaactggtgaacctgggctttcaggcgctgcgtcagcatgtgccgcatggcggtgcgagcaaaaaactgagcaaagtggaaaccctgcgtagcgcggtggaatatattcgtgcgctgcaacgtctgctggccgaacatgatgcggtgcgtaacgcgctggccggtggtctgcgtccgcaggcggttcgtccgagcgcgccgcgtggtggtagcagcgaaccgggtagcccgcgtagcgcctatagcagcgatgatagcggctgcgaaggtgccctgagcccggcggaacgtgaactgctggattttagcagctggctgggcggctatcatcatcatcaccatcattaa
【0177】
配列番号9
LVL144 タンパク質
MDPSSHSSNMANTQMKSDKIIIAHRGASGYLPEHTLESKALAFAQQADYLEQDLAMTKDGRLVVIHDHFLDGLTDVAKKFPHRHRKDGRYYVIDFTLKEIQSLEMTENFETDGGTLPRSAPPAPPVPVGCAARRRPASPELLRCSRRRRPATAETGGGAAAVARRNERERNRVKLVNLGFQALRQHVPHGGASKKLSKVETLRSAVEYIRALQRLLAEHDAVRNALAGGLRPQAVRPSAPRGGSSEPGSPRSAYSSDDSGCEGALSPAERELLDFSSWLGGYHHHHHH
【0178】
配列番号10
LVL144 DNA
atggatccaagcagccattcatcaaatatggcgaatacccaaatgaaatcagacaaaatcattattgctcaccgtggtgctagcggttatttaccagagcatacgttagaatctaaagcacttgcgtttgcacaacaggctgattatttagagcaagatttagcaatgactaaggatggtcgtttagtggttattcacgatcactttttagatggcttgactgatgttgcgaaaaaattcccacatcgtcatcgtaaagatggccgttactatgtcatcgactttaccttaaaagaaattcaaagtttagaaatgacagaaaactttgaaaccgatggtggcaccctgccgcgtagcgcaccgccggctccgccggttccggttggttgtgcggcgcgtcgtcgtccggcgagcccggaactgctgcgttgcagccgtcgtcgccgtccggccaccgcggaaaccggtggtggtgcggcagcggttgcgcgtcgtaacgaacgtgaacgtaaccgtgtgaaactggtgaacctgggctttcaggcgctgcgtcagcatgtgccgcatggcggtgcgagcaaaaaactgagcaaagtggaaaccctgcgtagcgcggtggaatatattcgtgcgctgcaacgtctgctggccgaacatgatgcggtgcgtaacgcgctggccggtggtctgcgtccgcaggcggttcgtccgagcgcgccgcgtggtggtagcagcgaaccgggtagcccgcgtagcgcctatagcagcgatgatagcggctgcgaaggtgccctgagcccggcggaacgtgaactgctggattttagcagctggctgggcggctatcatcatcatcaccatcattaa
【0179】
配列番号11
LVL168 タンパク質
MHHHHHHHHHHDGGTLPRSAPPAPPVPVGCAARRRPASPELLRCSRRRRPATAETGGGAAAVARRNERERNRVKLVNLGFQALRQHVPHGGASKKLSKVETLRSAVEYIRALQRLLAEHDAVRNALAGGLRPQAVRPSAPRGGSSEPGSPRSAYSSDDSGCEGALSPAERELLDFSSWLGGY
【0180】
配列番号12
LVL168 DNA
atgcatcatcatcatcatcatcatcatcatcatgacggtggcaccctgccgcgtagcgcaccgccggctccgccggttccggttggttgtgcggcgcgtcgtcgtccggcgagcccggaactgctgcgttgcagccgtcgtcgccgtccggccaccgcggaaaccggtggtggtgcggcagcggttgcgcgtcgtaacgaacgtgaacgtaaccgtgtgaaactggtgaacctgggctttcaggcgctgcgtcagcatgtgccgcatggcggtgcgagcaaaaaactgagcaaagtggaaaccctgcgtagcgcggtggaatatattcgtgcgctgcaacgtctgctggccgaacatgatgcggtgcgtaacgcgctggccggtggtctgcgtccgcaggcggttcgtccgagcgcgccgcgtggtggtagcagcgaaccgggtagcccgcgtagcgcctatagcagcgatgatagcggctgcgaaggtgccctgagcccggcggaacgtgaactgctggattttagcagctggctgggcggctattaa
【0181】
配列番号13
受入番号AAB86993、HASH2 タンパク質
MDGGTLPRSAPPAPPVPVGCAARRRPASPELLRCSRRRRPATAETGGGAAAVARRNERERNRVKLVNLGFQALRQHVPHGGASKKLSKVETLRSAVEYIRALQRLLAEHDAVRNALAGGLRPQAVRPSAPRGPPGTTPVAASPSRASSSPGRGGSSEPGSPRSAYSSDDSGCEGALSPAERELLDFSSWLGGY
【0182】
配列番号14
HASH2 DNA
atggacggcggcacactgcccaggtccgcgccccctgcgccccccgtccctgtcggctgcgctgcccggcggagacccgcgtccccggaactgttgcgctgcagccggcggcggcgaccggccaccgcagagaccggaggcggcgcagcggccgtagcgcggcgcaatgagcgcgagcgcaaccgcgtgaagctggtgaacttgggcttccaggcgctgcggcagcacgtgccgcacggcggcgccagcaagaagctgagcaaggtggagacgctgcgctcagccgtggagtacatccgcgcgctgcagcgcctgctggccgagcacgacgccgtgcgcaacgcgctggcgggagggctgaggccgcaggccgtgcggccgtctgcgccccgcgggccgccagggaccaccccggtcgccgcctcgccctcccgcgcttcttcgtccccgggccgcgggggcagctcggagcccggctccccgcgttccgcctactcgtcggacgacagcggctgcgaaggcgcgctgagtcctgcggagcgcgagctactcgacttctccagctggttagggggctactga
【0183】
配列番号15
LVL007 タンパク質
MGHHHHHHHHHHSSGHIDDDDKHMDGGTLPRSAPPAPPVLVGCAARRRPASPELLRCSRRRRPATAETGGGAAAVARRNERERNRVKLVNLGFQALRQHVPHGGASKKLSKVETLRSAVEYIRALQRLLAEHDAVRNALAGGLRPQAVRPSAPRGPPGTTPVAASPSRASSSPGRGGSSEPGSPRSAYSSDDSGCEGALSPAERELLDFSSWLGGY
【0184】
配列番号16
LVL007 DNA
atgggccatcatcatcatcatcatcatcatcatcacagcagcggccatatcgacgacgacgacaagcatatggacggcggcacactgcccaggtccgcgccccctgcgccccccgtccttgtcggctgcgctgcccggcggagacccgcgtccccggaactgttgcgctgcagccggcggcggcgaccggccaccgcagagaccggaggcggcgcagcggccgtagcgcggcgcaatgagcgcgagcgcaaccgcgtgaagctggtgaacttgggcttccaggcgctgcggcagcacgtgccgcacggcggcgccagcaagaagctgagcaaggtggagacgctgcgctcagccgtggagtacatccgcgcgctgcagcgcctgctggccgagcacgacgccgtgcgcaacgcgctggcgggagggctgaggccgcaggccgtgcggccgtctgcgccccgcgggccgccagggaccaccccggtcgccgcctcgccctcccgcgcttcttcgtccccgggccgcgggggcagctcggagcccggctccccgcgttccgcctactcgtcggacgacagcggctgcgaaggcgcgctgagtcctgcggagcgcgagctactcgacttctccagctggttagggggctactga
【0185】
配列番号17
LVL010 タンパク質
MGHHHHHHHHHHSSGHIDDDDKHMDGGTLPRSAPPAPPVPVGCAARRRPASPELLRCSRRRRPATAETGGGAAAVARRNERERNRVKLVNLGFQALRQHVPHGGASKKLSKVETLRSAVEYIRALQRLLAEHDAVRNALAGGLRPQAVRPSAPRGPPGTTPVAASPSRASSSPGRGGSSEPGSPRSAYSSDDSGCEGALSPAERELLDFSSWLGGY
【0186】
配列番号18
LVL010 DNA
atgggccatcatcatcatcatcatcatcatcatcacagcagcggccatatcgacgacgacgacaagcatatggacggcggcacactgcccaggtccgcgccccctgcgccccccgtccctgtcggctgcgctgcccggcggagacccgcgtccccggaactgttgcgctgcagccggcggcggcgaccggccaccgcagagaccggaggcggcgcagcggccgtagcgcggcgcaatgagcgcgagcgcaaccgcgtgaagctggtgaacttgggcttccaggcgctgcggcagcacgtgccgcacggcggcgccagcaagaagctgagcaaggtggagacgctgcgctcagccgtggagtacatccgcgcgctgcagcgcctgctggccgagcacgacgccgtgcgcaacgcgctggcgggagggctgaggccgcaggccgtgcggccgtctgcgccccgcgggccgccagggaccaccccggtcgccgcctcgccctcccgcgcttcttcgtccccgggccgcgggggcagctcggagcccggctccccgcgttccgcctactcgtcggacgacagcggctgcgaaggcgcgctgagtcctgcggagcgcgagctactcgacttctccagctggttagggggctactga
【0187】
配列番号19
LVL060 タンパク質
MGHHHHHHHHHHSSGHIDDDDKHMDGGTLPRSAPPAPPVPVGCAARRRPASPELLRCSRRRRPATAETGGGAAAVARRNERERNRVKLVNLGFQALRQHVPHGGASKKLSKVETLRSAVEYIRALQRLLAEHDAVRNALAGGLRPQAVRPSAPRGPPGTTPVAASPSRASSSPGRGGSSEPGSPRSAYSSDDSGCEGALSPAERELLDFSSWLGGY
【0188】
配列番号20
LVL060 DNA
atgggccatcatcatcatcatcatcatcatcatcacagcagcggccatatcgacgacgacgacaagcatatggatggtggcaccctgccgcgtagcgctccgccggcaccgccggttccggttggttgtgcggcgcgtcgtcgtccggcgagcccggaactgctgcgttgcagccgtcgtcgccgtccggccaccgcggaaaccggtggtggtgcggcagcggttgcgcgtcgtaacgaacgtgaacgtaaccgtgtgaaactggtgaacctgggctttcaggcgctgcgtcagcatgtgccgcatggcggtgcgagcaaaaaactgagcaaagtggaaaccctgcgtagcgcggtggaatatattcgtgcgctgcaacgtctgctggccgaacatgatgcggtgcgtaacgcgctggccggtggtctgcgtccgcaggcggttcgtccgagcgcaccgcgtggtccgccgggtacgacgccggttgcagcgagcccgagccgtgcgagcagctctccgggtcgtggtggtagcagcgaaccgggtagcccgcgtagcgcctatagcagcgatgatagcggctgcgaaggtgccctgtctccggcggaacgtgaactgctggattttagcagctggctgggcggctattaa
【0189】
配列番号21
Const−1 タンパク質
MGHHHHHHHHHHSSGHIDDDDKHMATAETGGGAAAVARRNERERNRVKLVNLGFQALRQHVPHGGASKKLSKVETLRSAVEYIRALQRLLAEHDAVRNALAGGLRPQAVRPSAPRGPPGTTPVAASPSRASSSPGRGGSSEPGSPRSAYSSDDSGCEGALSPAERELLDFSSWLGGYLEDPAANKARKEAELAAATAEQ
【0190】
配列番号22
Const−1DNA
atgggccatcatcatcatcatcatcatcatcatcacagcagcggccatatcgacgacgacgacaagcatatggccaccgcggaaaccggtggtggtgcggcagcggttgcgcgtcgtaacgaacgtgaacgtaaccgtgtgaaactggtgaacctgggctttcaggcgctgcgtcagcatgtgccgcatggcggtgcgagcaaaaaactgagcaaagtggaaaccctgcgtagcgcggtggaatatattcgtgcgctgcaacgtctgctggccgaacatgatgcggtgcgtaacgcgctggccggtggtctgcgtccgcaggcggttcgtccgagcgcaccgcgtggtccgccgggtacgacgccggttgcagcgagcccgagccgtgcgagcagctctccgggtcgtggtggtagcagcgaaccgggtagcccgcgtagcgcctatagcagcgatgatagcggctgcgaaggtgccctgtctccggcggaacgtgaactgctggattttagcagctggctgggcggctatctcgaggatccggctgctaacaaagcccgaaaggaagctgagttggctgctgccaccgctgagcaataa
【0191】
配列番号23
LVL056
タンパク質
MGHHHHHHHHHHSSGHIDDDDKHMNRVKLVNLGFQALRQHVPHGGASKKLSKVETLRSAVEYIRALQRLLAEHDAVRNALAGGLRPQAVRPSAPRGPPGTTPVAASPSRASSSPGRGGSSEPGSPRSAYSSDDSGCEGALSPAERELLDFSSWLGGY
【0192】
配列番号24
LVL056 DNA
atgggccatcatcatcatcatcatcatcatcatcacagcagcggccatatcgacgacgacgacaagcatatgaaccgtgtgaaactggtgaacctgggctttcaggcgctgcgtcagcatgtgccgcatggcggtgcgagcaaaaaactgagcaaagtggaaaccctgcgtagcgcggtggaatatattcgtgcgctgcaacgtctgctggccgaacatgatgcggtgcgtaacgcgctggccggtggtctgcgtccgcaggcggttcgtccgagcgcaccgcgtggtccgccgggtacgacgccggttgcagcgagcccgagccgtgcgagcagctctccgggtcgtggtggtagcagcgaaccgggtagcccgcgtagcgcctatagcagcgatgatagcggctgcgaaggtgccctgtctccggcggaacgtgaactgctggattttagcagctggctgggcggctattaa
【0193】
配列番号25
LVL057 タンパク質
MGHHHHHHHHHHSSGHIDDDDKHMAAAVARRNERERNRVKLVNLGFQALRQHVPHGGASKKLSKVETLRSAVEYIRALQRLLAEHDAVRNALA
【0194】
配列番号26
LVL057 DNA
atgggccatcatcatcatcatcatcatcatcatcacagcagcggccatatcgacgacgacgacaagcatatggcggcagcggttgcgcgtcgtaacgaacgtgaacgtaaccgtgtgaaactggtgaacctgggctttcaggcgctgcgtcagcatgtgccgcatggcggtgcgagcaaaaaactgagcaaagtggaaaccctgcgtagcgcggtggaatatattcgtgcgctgcaacgtctgctggccgaacatgatgcggtgcgtaacgcgctggcctaa
【0195】
配列番号27
LVL088 タンパク質
MDGGTLPRSAPPAPPVPVGCAARRRPASPELLRCSRRRRPATAETGGGAAAVARRNERERNRVKLVNLGFQALRQHVPHGGASKKLSKVETLRSAVEYIRALQRLLAEHDAVRNALAGGLRPQAVRPSAPRGGSSEPGSPRSAYSSDDSGCEGALSPAERELLDFSSWLGGYHHHHHH
【0196】
配列番号28
LVL088 DNA
atggatggtggcaccctgccgcgtagcgcaccgccggctccgccggttccggttggttgtgcggcgcgtcgtcgtccggcgagcccggaactgctgcgttgcagccgtcgtcgccgtccggccaccgcggaaaccggtggtggtgcggcagcggttgcgcgtcgtaacgaacgtgaacgtaaccgtgtgaaactggtgaacctgggctttcaggcgctgcgtcagcatgtgccgcatggcggtgcgagcaaaaaactgagcaaagtggaaaccctgcgtagcgcggtggaatatattcgtgcgctgcaacgtctgctggccgaacatgatgcggtgcgtaacgcgctggccggtggtctgcgtccgcaggcggttcgtccgagcgcgccgcgtggtggtagcagcgaaccgggtagcccgcgtagcgcctatagcagcgatgatagcggctgcgaaggtgccctgagcccggcggaacgtgaactgctggattttagcagctggctgggcggctatcatcatcatcaccatcattaa
【0197】
配列番号29
LVL016 タンパク質
MDPSSHSSNMANTQMKSDKIIIAHRGASGYLPEHTLESKALAFAQQADYLEQDLAMTKDGRLVVIHDHFLDGLTDVAKKFPHRHRKDGRYYVIDFTLKEIQSLEMTENFETAAAMDGGTLPRSAPPAPPVPVGCAARRRPASPELLRCSRRRRPATAETGGGAAAVARRNERERNRVKLVNLGFQALRQHVPHGGASKKLSKVETLRSAVEYIRALQRLLAEHDAVRNALAGGLRPQAVRPSAPRGPPGTTPVAASPSRASSSPGRGGSSEPGSPRSAYSSDDSGCEGALSPAERELLDFSSWLGGYLEHHHHHH
【0198】
配列番号30
LVL016 DNA
atggatccaagcagccattcatcaaatatggcgaatacccaaatgaaatcagacaaaatcattattgctcaccgtggtgctagcggttatttaccagagcatacgttagaatctaaagcacttgcgtttgcacaacaggctgattatttagagcaagatttagcaatgactaaggatggtcgtttagtggttattcacgatcactttttagatggcttgactgatgttgcgaaaaaattcccacatcgtcatcgtaaagatggccgttactatgtcatcgactttaccttaaaagaaattcaaagtttagaaatgacagaaaactttgaaaccgcggccgcaatggatggtggcaccctgccgcgtagcgctccgccggcaccgccggttccggttggttgtgcggcgcgtcgtcgtccggcgagcccggaactgctgcgttgcagccgtcgtcgccgtccggccaccgcggaaaccggtggtggtgcggcagcggttgcgcgtcgtaacgaacgtgaacgtaaccgtgtgaaactggtgaacctgggctttcaggcgctgcgtcagcatgtgccgcatggcggtgcgagcaaaaaactgagcaaagtggaaaccctgcgtagcgcggtggaatatattcgtgcgctgcaacgtctgctggccgaacatgatgcggtgcgtaacgcgctggccggtggtctgcgtccgcaggcggttcgtccgagcgcaccgcgtggtccgccgggtacgacgccggttgcagcgagcccgagccgtgcgagcagctctccgggtcgtggtggtagcagcgaaccgggtagcccgcgtagcgcctatagcagcgatgatagcggctgcgaaggtgccctgtctccggcggaacgtgaactgctggattttagcagctggctgggcggctatctcgagcaccaccaccaccaccactga
【0199】
配列番号31
LVL018 タンパク質
MDGGTLPRSAPPAPPVPVGCAARRRPASPELLRCSRRRRPATAETGGGAAAVARRNERERNRVKLVNLGFQALRQHVPHGGASKKLSKVETLRSAVEYIRALQRLLAEHDAVRNALAGGLRPQAVRPSAPRGPPGTTPVAASPSRASSSPGRGGSSEPGSPRSAYSSDDSGCEGALSPAERELLDFSSWLGGYLEHHHHHH
【0200】
配列番号32
LVL018 DNA
atggatggtggcaccctgccgcgtagcgctccgccggcaccgccggttccggttggttgtgcggcgcgtcgtcgtccggcgagcccggaactgctgcgttgcagccgtcgtcgccgtccggccaccgcggaaaccggtggtggtgcggcagcggttgcgcgtcgtaacgaacgtgaacgtaaccgtgtgaaactggtgaacctgggctttcaggcgctgcgtcagcatgtgccgcatggcggtgcgagcaaaaaactgagcaaagtggaaaccctgcgtagcgcggtggaatatattcgtgcgctgcaacgtctgctggccgaacatgatgcggtgcgtaacgcgctggccggtggtctgcgtccgcaggcggttcgtccgagcgcaccgcgtggtccgccgggtacgacgccggttgcagcgagcccgagccgtgcgagcagctctccgggtcgtggtggtagcagcgaaccgggtagcccgcgtagcgcctatagcagcgatgatagcggctgcgaaggtgccctgtctccggcggaacgtgaactgctggattttagcagctggctgggcggctatctcgagcaccaccaccaccaccactga
【0201】
配列番号33
LVL138 タンパク質
MHHHHHHDGGTLPRSAPPAPPVPVGCAARRRPASPELLRCSRRRRPATAETGGGAAAVARRNERERNRVKLVNLGFQALRQHVPHGGASKKLSKVETLRSAVEYIRALQRLLAEHDAVRNALAGGLRPQAVRPSAPRGGSSEPGSPRSAYSSDDSGCEGALSPAERELLDFSSWLGGY
【0202】
配列番号34
LVL138 DNA
atgcaccatcaccatcaccatgatggtggcaccctgccgcgtagcgcaccgccggctccgccggttccggttggttgtgcggcgcgtcgtcgtccggcgagcccggaactgctgcgttgcagccgtcgtcgccgtccggccaccgcggaaaccggtggtggtgcggcagcggttgcgcgtcgtaacgaacgtgaacgtaaccgtgtgaaactggtgaacctgggctttcaggcgctgcgtcagcatgtgccgcatggcggtgcgagcaaaaaactgagcaaagtggaaaccctgcgtagcgcggtggaatatattcgtgcgctgcaacgtctgctggccgaacatgatgcggtgcgtaacgcgctggccggtggtctgcgtccgcaggcggttcgtccgagcgcgccgcgtggtggtagcagcgaaccgggtagcccgcgtagcgcctatagcagcgatgatagcggctgcgaaggtgccctgagcccggcggaacgtgaactgctggattttagcagctggctgggcggctattaa
【0203】
配列番号35
改変型リンカー DNA
atgcatcatcatcatcatcatgac
【0204】
配列番号36
非改変型リンカー DNA
atgcaccatcaccatcaccatgat
【0205】
配列番号37
LVL160 タンパク質
MHHHHHHDGGTLPRSAPPAPPVPVGCAARRRPASPELLRCSRRRRPATAETGGGAAAVARRNERERNRVKLVNLGFQALRQHVPHGGASKKLSKVETLRSAVEYIRALQRLLAEHDAVRNALAGGLRPQAVRPSAPRGGSSEPGSPRSAYSSDDSGCEGALSPAERELLDFSSWLGGY
【0206】
配列番号38
LVL160 DNA
atgcatcatcatcatcatcatgacggtggcaccctgccgcgtagcgcaccgccggctccgccggttccggttggttgtgcggcgcgtcgtcgtccggcgagcccggaactgctgcgttgcagccgtcgtcgccgtccggccaccgcggaaaccggtggtggtgcggcagcggttgcgcgtcgtaacgaacgtgaacgtaaccgtgtgaaactggtgaacctgggctttcaggcgctgcgtcagcatgtgccgcatggcggtgcgagcaaaaaactgagcaaagtggaaaccctgcgtagcgcggtggaatatattcgtgcgctgcaacgtctgctggccgaacatgatgcggtgcgtaacgcgctggccggtggtctgcgtccgcaggcggttcgtccgagcgcgccgcgtggtggtagcagcgaaccgggtagcccgcgtagcgcctatagcagcgatgatagcggctgcgaaggtgccctgagcccggcggaacgtgaactgctggattttagcagctggctgggcggctattaa
【0207】
配列番号39
1/3pD タンパク質
MDPSSHSSNMANTQMKSDKIIIAHRGASGYLPEHTLESKALAFAQQADYLEQDLAMTKDGRLVVIHDHFLDGLTDVAKKFPHRHRKDGRYYVIDFTLKEIQSLEMTENFET
【0208】
配列番号40
1/3pD DNA
atggatccaagcagccattcatcaaatatggcgaatacccaaatgaaatcagacaaaatcattattgctcaccgtggtgctagcggttatttaccagagcatacgttagaatctaaagcacttgcgtttgcacaacaggctgattatttagagcaagatttagcaatgactaaggatggtcgtttagtggttattcacgatcactttttagatggcttgactgatgttgcgaaaaaattcccacatcgtcatcgtaaagatggccgttactatgtcatcgactttaccttaaaagaaattcaaagtttagaaatgacagaaaactttgaaacc
【0209】
配列番号41
インフルエンザ菌 タンパク質D
MKLKTLALSLLAAGVLAGCSSHSSNMANTQMKSDKIIIAHRGASGYLPEHTLESKALAFAQQADYLEQDLAMTKDGRLVVIHDHFLDGLTDVAKKFPHRHRKDGRYYVIDFTLKEIQSLEMTENFETKDGKQAQVYPNRFPLWKSHFRIHTFEDEIEFIQGLEKSTGKKVGIYPEIKAPWFHHQNGKDIAAETLKVLKKYGYDKKTDMVYLQTFDFNELKRIKTELLPQMGMDLKLVQLIAYTDWKETQEKDPKGYWVNYNYDWMFKPGAMAEVVKYADGVGPGWYMLVNKEESKPDNIVYTPLVKELAQYNVEVHPYTVRKDALPEFFTDVNQMYDALLNKSGATGVFTDFPDTGVEFLKGIK
【0210】
配列番号42
長いポリヒスチジンタグ
MGHHHHHHHHHHSSGHIDDDDKH
【0211】
配列番号43
LVL090 タンパク質
MDPSSHSSNMANTQMKSDKIIIAHRGASGYLPEHTLESKALAFAQQADYLEQDLAMTKDGRLVVIHDHFLDGLTDVAKKFPHRHRKDGRYYVIDFTLKEIQSLEMTENFETKDGKQAQVYPNRFPLWKSHFRIHTFEDEIEFIQGLEKSTGKKVGIYPEIKAPWFHHQNGKDIAAETLKVLKKYGYDKKTDMVYLQTFDFNELKRIKTELLPQMGMDLKLVQLIAYTDWKETQEKDPKGYWVNYNYDWMFKPGAMAEVVKYADGVGPGWYMLVNKEESKPDNIVYTPLVKELAQYNVEVHPYTVRKDALPAFFTDVNQMYDVLLNKSGATGVFTDFPDTGVEFLKGIKAAAMDGGTLPRSAPPAPPVPVGCAARRRPASPELLRCSRRRRPATAETGGGAAAVARRNERERNRVKLVNLGFQALRQHVPHGGASKKLSKVETLRSAVEYIRALQRLLAEHDAVRNALAGGLRPQAVRPSAPRGPPGTTPVAASPSRASSSPGRGGSSEPGSPRSAYSSDDSGCEGALSPAERELLDFSSWLGGYLEHHHHHH
【0212】
配列番号44
LVL090 DNA
atggatccaagcagccattcatcaaatatggcgaatacccaaatgaaatcagacaaaatcattattgctcaccgtggtgctagcggttatttaccagagcatacgttagagtctaaagcacttgcgtttgcacaacaggctgattatttagagcaagatttagcaatgactaaggatggtcgtttagtggttattcacgatcactttttagatggcttgactgatgttgcgaaaaaattcccacatcgtcaccgtaaagatggtcgttactatgtcatcgactttaccttaaaagaaattcaaagtttagaaatgacagaaaactttgaaaccaaagatggcaaacaagcgcaagtttatcctaatcgtttcccactttggaaatcacattttagaattcatacctttgaagatgaaattgaatttatccaaggcttagaaaaatccactggcaaaaaagtagggatttatccagaaatcaaagcaccttggttccaccatcaaaatggtaaagatattgctgctgaaacgctcaaagtgttaaaaaaatatggctatgataagaaaaccgatatggtttacttacaaactttcgattttaatgaattaaaacgtatcaaaacggaattacttccacaaatgggaatggatttgaaattagttcaattaattgcttatacagattggaaagaaacacaagaaaaagacccaaagggttattgggtaaactataattacgattggatgtttaaacctggtgcaatggcagaagtggttaaatatgccgatggtgttggcccaggttggtatatgttagttaataaagaagaatccaaacctgataatattgtgtacactccgttggtaaaagaacttgcacaatataatgtggaagtgcatccttacaccgtgcgtaaagatgcactacccgcgtttttcacagacgtaaatcaaatgtatgatgtcttattgaataaatcaggggcaacaggtgtatttactgatttcccagatactggcgtggaattcttaaaaggaataaaagcggccgcaatggatggtggcaccctgccgcgtagcgctccgccggcaccgccggttccggttggttgtgcggcgcgtcgtcgtccggcgagcccggaactgctgcgttgcagccgtcgtcgccgtccggccaccgcggaaaccggtggtggtgcggcagcggttgcgcgtcgtaacgaacgtgaacgtaaccgtgtgaaactggtgaacctgggctttcaggcgctgcgtcagcatgtgccgcatggcggtgcgagcaaaaaactgagcaaagtggaaaccctgcgtagcgcggtggaatatattcgtgcgctgcaacgtctgctggccgaacatgatgcggtgcgtaacgcgctggccggtggtctgcgtccgcaggcggttcgtccgagcgcaccgcgtggtccgccgggtacgacgccggttgcagcgagcccgagccgtgcgagcagctctccgggtcgtggtggtagcagcgaaccgggtagcccgcgtagcgcctatagcagcgatgatagcggctgcgaaggtgccctgtctccggcggaacgtgaactgctggattttagcagctggctgggcggctatctcgagcaccaccaccaccaccac
【0213】
列番号45
LVL112 タンパク質
MGHHHHHHGSDSEVNQEAKPEVKPEVKPETHINLKVSDGSSEIFFKIKKTTPLRRLMEAFAKRQGKEMDSLRFLYDGIRIQADQAPEDLDMEDNDIIEAHREQIGGDGGTLPRSAPPAPPVPVGCAARRRPASPELLRCSRRRRPATAETGGGAAAVARRNERERNRVKLVNLGFQALRQHVPHGGASKKLSKVETLRSAVEYIRALQRLLAEHDAVRNALAGGLRPQAVRPSAPRGPPGTTPVAASPSRASSSPGRGGSSEPGSPRSAYSSDDSGCEGALSPAERELLDFSSWLGGY
【0214】
配列番号46
LVL112 DNA
atgggtcatcaccatcatcatcacgggtcggactcagaagtcaatcaagaagctaagccagaggtcaagccagaagtcaagcctgagactcacatcaatttaaaggtgtccgatggatcttcagagatcttcttcaagatcaaaaagaccactcctttaagaaggctgatggaagcgttcgctaaaagacagggtaaggaaatggactccttaagattcttgtacgacggtattagaattcaagctgatcaggcccctgaagatttggacatggaggataacgatattattgaggctcaccgcgaacagattggaggtgatggtggcaccctgccgcgtagcgctccgccggcaccgccggttccggttggttgtgcggcgcgtcgtcgtccggcgagcccggaactgctgcgttgcagccgtcgtcgccgtccggccaccgcggaaaccggtggtggtgcggcagcggttgcgcgtcgtaacgaacgtgaacgtaaccgtgtgaaactggtgaacctgggctttcaggcgctgcgtcagcatgtgccgcatggcggtgcgagcaaaaaactgagcaaagtggaaaccctgcgtagcgcggtggaatatattcgtgcgctgcaacgtctgctggccgaacatgatgcggtgcgtaacgcgctggccggtggtctgcgtccgcaggcggttcgtccgagcgcaccgcgtggtccgccgggtacgacgccggttgcagcgagcccgagccgtgcgagcagctctccgggtcgtggtggtagcagcgaaccgggtagcccgcgtagcgcctatagcagcgatgatagcggctgcgaaggtgccctgtctccggcggaacgtgaactgctggattttagcagctggctgggcggctat
【0215】
配列番号47
LVL113 タンパク質
MGHHHHHHGSDSEVNQEAKPEVKPEVKPETHINLKVSDGSSEIFFKIKKTTPLRRLMEAFAKRQGKEMDSLRFLYDGIRIQADQAPEDLDMEDNDIIEAHREQIGGDPSSHSSNMANTQMKSDKIIIAHRGASGYLPEHTLESKALAFAQQADYLEQDLAMTKDGRLVVIHDHFLDGLTDVAKKFPHRHRKDGRYYVIDFTLKEIQSLEMTENFETAAAMDGGTLPRSAPPAPPVPVGCAARRRPASPELLRCSRRRRPATAETGGGAAAVARRNERERNRVKLVNLGFQALRQHVPHGGASKKLSKVETLRSAVEYIRALQRLLAEHDAVRNALAGGLRPQAVRPSAPRGPPGTTPVAASPSRASSSPGRGGSSEPGSPRSAYSSDDSGCEGALSPAERELLDFSSWLGGY
【0216】
配列番号48
LVL113
DNA
atgggtcatcaccatcatcatcacgggtcggactcagaagtcaatcaagaagctaagccagaggtcaagccagaagtcaagcctgagactcacatcaatttaaaggtgtccgatggatcttcagagatcttcttcaagatcaaaaagaccactcctttaagaaggctgatggaagcgttcgctaaaagacagggtaaggaaatggactccttaagattcttgtacgacggtattagaattcaagctgatcaggcccctgaagatttggacatggaggataacgatattattgaggctcaccgcgaacagattggaggtgatccaagcagccattcatcaaatatggcgaatacccaaatgaaatcagacaaaatcattattgctcaccgtggtgctagcggttatttaccagagcatacgttagaatctaaagcacttgcgtttgcacaacaggctgattatttagagcaagatttagcaatgactaaggatggtcgtttagtggttattcacgatcactttttagatggcttgactgatgttgcgaaaaaattcccacatcgtcatcgtaaagatggccgttactatgtcatcgactttaccttaaaagaaattcaaagtttagaaatgacagaaaactttgaaaccgcggccgcaatggatggtggcaccctgccgcgtagcgctccgccggcaccgccggttccggttggttgtgcggcgcgtcgtcgtccggcgagcccggaactgctgcgttgcagccgtcgtcgccgtccggccaccgcggaaaccggtggtggtgcggcagcggttgcgcgtcgtaacgaacgtgaacgtaaccgtgtgaaactggtgaacctgggctttcaggcgctgcgtcagcatgtgccgcatggcggtgcgagcaaaaaactgagcaaagtggaaaccctgcgtagcgcggtggaatatattcgtgcgctgcaacgtctgctggccgaacatgatgcggtgcgtaacgcgctggccggtggtctgcgtccgcaggcggttcgtccgagcgcaccgcgtggtccgccgggtacgacgccggttgcagcgagcccgagccgtgcgagcagctctccgggtcgtggtggtagcagcgaaccgggtagcccgcgtagcgcctatagcagcgatgatagcggctgcgaaggtgccctgtctccggcggaacgtgaactgctggattttagcagctggctgggcggctat
【0217】
配列番号49
LVL114 タンパク質
MGHHHHHHGSDSEVNQEAKPEVKPEVKPETHINLKVSDGSSEIFFKIKKTTPLRRLMEAFAKRQGKEMDSLRFLYDGIRIQADQAPEDLDMEDNDIIEAHREQIGGDGGTLPRSAPPAPPVPVGCAARRRPASPELLRCSRRRRPATAETGGGAAAVARRNERERNRVKLVNLGFQALRQHVPHGGASKKLSKVETLRSAVEYIRALQRLLAEHDAVRNALA
【0218】
配列番号50
LVL114 DNA
atgggtcatcaccatcatcatcacgggtcggactcagaagtcaatcaagaagctaagccagaggtcaagccagaagtcaagcctgagactcacatcaatttaaaggtgtccgatggatcttcagagatcttcttcaagatcaaaaagaccactcctttaagaaggctgatggaagcgttcgctaaaagacagggtaaggaaatggactccttaagattcttgtacgacggtattagaattcaagctgatcaggcccctgaagatttggacatggaggataacgatattattgaggctcaccgcgaacagattggaggtgatggtggcaccctgccgcgtagcgctccgccggcaccgccggttccggttggttgtgcggcgcgtcgtcgtccggcgagcccggaactgctgcgttgcagccgtcgtcgccgtccggccaccgcggaaaccggtggtggtgcggcagcggttgcgcgtcgtaacgaacgtgaacgtaaccgtgtgaaactggtgaacctgggctttcaggcgctgcgtcagcatgtgccgcatggcggtgcgagcaaaaaactgagcaaagtggaaaccctgcgtagcgcggtggaatatattcgtgcgctgcaacgtctgctggccgaacatgatgcggtgcgtaacgcgctggcc
【0219】
配列番号51
LVL115 タンパク質
MGHHHHHHGSDSEVNQEAKPEVKPEVKPETHINLKVSDGSSEIFFKIKKTTPLRRLMEAFAKRQGKEMDSLRFLYDGIRIQADQAPEDLDMEDNDIIEAHREQIGGDGGTLPRSAPPAPPVPVGCAARRRPASPELLRCSRRRRPATAETGGGAAAVARRNERERNRVKLVNLGFQALRQHVPHGGASKKLSKVETLRSAVEYIRALQRLLAEHDAVRNALAGGLRPQAVRPSAPRGGSSEPGSPRSAYSSDDSGCEGALSPAERELLDFSSWLGGY
【0220】
配列番号52
LVL115 DNA
atgggtcatcaccatcatcatcacgggtcggactcagaagtcaatcaagaagctaagccagaggtcaagccagaagtcaagcctgagactcacatcaatttaaaggtgtccgatggatcttcagagatcttcttcaagatcaaaaagaccactcctttaagaaggctgatggaagcgttcgctaaaagacagggtaaggaaatggactccttaagattcttgtacgacggtattagaattcaagctgatcaggcccctgaagatttggacatggaggataacgatattattgaggctcaccgcgaacagattggaggtgatggtggcaccctgccgcgtagcgcaccgccggctccgccggttccggttggttgtgcggcgcgtcgtcgtccggcgagcccggaactgctgcgttgcagccgtcgtcgccgtccggccaccgcggaaaccggtggtggtgcggcagcggttgcgcgtcgtaacgaacgtgaacgtaaccgtgtgaaactggtgaacctgggctttcaggcgctgcgtcagcatgtgccgcatggcggtgcgagcaaaaaactgagcaaagtggaaaccctgcgtagcgcggtggaatatattcgtgcgctgcaacgtctgctggccgaacatgatgcggtgcgtaacgcgctggccggtggtctgcgtccgcaggcggttcgtccgagcgcgccgcgtggtggtagcagcgaaccgggtagcccgcgtagcgcctatagcagcgatgatagcggctgcgaaggtgccctgagcccggcggaacgtgaactgctggattttagcagctggctgggcggctat
【0221】
配列番号53
ペプチド1
MDGGTLPRSAPPAPP
【0222】
配列番号54
ペプチド2
TLPRSAPPAPPVPVG
【0223】
配列番号55
ペプチド3
SAPPAPPVPVGCAAR
【0224】
配列番号56
ペプチド4
APPVPVGCAARRRPA
【0225】
配列番号57
ペプチド5
PVGCAARRRPASPEL
【0226】
配列番号58
ペプチド6
AARRRPASPELLRCS
【0227】
配列番号59
ペプチド7
RPASPELLRCSRRRR
【0228】
配列番号60
ペプチド8
PELLRCSRRRRPATA
【0229】
配列番号61
ペプチド9
RCSRRRRPATAETGG
【0230】
配列番号62
ペプチド10
RRRPATAETGGGAAA
【0231】
配列番号63
ペプチド11
ATAETGGGAAAVARR
【0232】
配列番号64
ペプチド12
TGGGAAAVARRNERE
【0233】
配列番号65
ペプチド13
AAAVARRNERERNRV
【0234】
配列番号66
ペプチド14
ARRNERERNRVKLVN
【0235】
配列番号67
ペプチド15
ERERNRVKLVNLGFQ
【0236】
配列番号68
ペプチド16
NRVKLVNLGFQALRQ
【0237】
配列番号69ペプチド17
LVNLGFQALRQHVPH
【0238】
配列番号70
ペプチド18
GFQALRQHVPHGGAS
【0239】
配列番号71
ペプチド19
LRQHVPHGGASKKLS
【0240】
配列番号72
ペプチド20
VPHGGASKKLSKVET
【0241】
配列番号73
ペプチド21
GASKKLSKVETLRSA
【0242】
配列番号74
ペプチド22
KLSKVETLRSAVEYI
【0243】
配列番号75
ペプチド23
VETLRSAVEYIRALQ
【0244】
配列番号76
ペプチド24
RSAVEYIRALQRLLA
【0245】
配列番号77
ペプチド25
EYIRALQRLLAEHDA
【0246】
配列番号78
ペプチド26
ALQRLLAEHDAVRNA
【0247】
配列番号79
ペプチド27
LAEHDAVRNALAGG
【0248】
配列番号80
ペプチド28
HDAVRNALAGGLRPQ
【0249】
配列番号81
ペプチド29
RNALAGGLRPQAVRP
【0250】
配列番号82
ペプチド30
AGGLRPQAVRPSAPR
【0251】
配列番号83
ペプチド31
RPQAVRPSAPRGPPG
【0252】
配列番号84
ペプチド32
VRPSAPRGPPGTTPV
【0253】
配列番号85
ペプチド33
APRGPPGTTPVAASP
【0254】
配列番号86
ペプチド34
PPGTTPVAASPSRAS
【0255】
配列番号87
ペプチド35
TPVAASPSRASSSPG
【0256】
配列番号88
ペプチド36
ASPSRASSSPGRGGS
【0257】
配列番号89
ペプチド37
RASSSPGRGGSSEPG
【0258】
配列番号90
ペプチド38
SPGRGGSSEPGSPRS
【0259】
配列番号91
ペプチド39
GGSSEPGSPRSAYSS
【0260】
配列番号92
ペプチド40
EPGSPRSAYSSDDSG
【0261】
配列番号93
ペプチド41
PRSAYSSDDSGCEGA
【0262】
配列番号94
ペプチド42
YSSDDSGCEGALSPA
【0263】
配列番号95
ペプチド43
DSGCEGALSPAEREL
【0264】
配列番号96
ペプチド44
EGALSPAERELLDFS
【0265】
配列番号97
ペプチド45
SPAERELLDFSSWLG
【0266】
配列番号98
ペプチド46
AERELLDFSSWLGGY

【特許請求の範囲】
【請求項1】
改変型CASB7439ポリペプチドであって、少なくとも1つの発現増強改変を含み、前記発現増強改変が少なくとも配列番号13のプロリンリッチ領域の一部分またはすべての除去を含む、改変型CASB7439ポリペプチド。
【請求項2】
タンパク質構築物であって、請求項1に記載の改変型CASB7439ポリペプチドを含み、かつ1つまたは複数の異種ポリペプチドをさらに含む、タンパク質構築物。
【請求項3】
(a)LVL055(配列番号1);
(b)LVL111(配列番号3);
(c)LVL137(配列番号5);
(d)LVL141(配列番号7);
(e)LVL144(配列番号9);および
(f)LVL168(配列番号11)
から選択される構築物を含む、請求項3に記載のタンパク質構築物。
【請求項4】
免疫原性組成物であって、請求項1から3のいずれか1項に記載のタンパク質構築物と、医薬的に許容される担体または賦形剤とを含み、前記担体または賦形剤が任意に緩衝剤を含み得る、免疫原性組成物。
【請求項5】
アジュバントをさらに含む、請求項4に記載の免疫原性組成物。
【請求項6】
前記アジュバントが少なくともTh1免疫応答を誘発する、請求項5に記載の免疫原性組成物。
【請求項7】
前記アジュバントが、TLR−4アゴニスト、免疫学的に活性なサポニン画分、TLR−9アゴニストのうちの少なくとも1つを含む、請求項4、5または6に記載の免疫原性組成物。
【請求項8】
前記TLR−4アゴニストが3D−MPLである、請求項7に記載の免疫原性組成物。
【請求項9】
前記TLR−9アゴニストがCpGオリゴヌクレオチドである、請求項7または8に記載の免疫原性組成物。
【請求項10】
前記免疫学的に活性なサポニン画分がQS21である、請求項7、8または9に記載の免疫原性組成物。
【請求項11】
3D−MPLを含む、請求項7から10のいずれかに記載の免疫原性組成物。
【請求項12】
CpGを含む、請求項7から11のいずれかに記載の免疫原性組成物。
【請求項13】
QS21を含む、請求項7から12のいずれかに記載の免疫原性組成物。
【請求項14】
コレステロールをさらに含む、請求項13に記載の免疫原性組成物。
【請求項15】
核酸分子であって、請求項1から3のいずれかに記載のタンパク質構築物をコードするポリヌクレオチド配列を含む、核酸分子。
【請求項16】
ヒトまたは非ヒト動物においてCASB7439に対する免疫応答を誘発する方法であって、アジュバントと、
(a)配列番号9に記載のポリペプチド配列、および
(b)配列番号11に記載のポリペプチド配列
からなる群から選択されるポリペプチド配列を含有するタンパク質とを含む有効量の組成物を前記ヒトまたは非ヒト動物に投与することを含む、方法。
【請求項17】
ヒトまたは非ヒト動物を治療する方法であって、
(a)CASB7439を発現する癌性細胞を有するヒトまたは非ヒト動物を選択するステップと、
(b)アジュバントと、
(i)配列番号9に記載のタンパク質構築物、および
(ii)配列番号11に記載のタンパク質構築物
からなる群から選択されるポリペプチドを含有するタンパク質とを含む有効量の組成物を前記ヒトまたは非ヒト動物に投与するステップと
を含む、方法。
【請求項18】
ヒトまたは非ヒト動物においてCASB7439に対する免疫応答を誘発する方法で使用するための請求項7から14に記載の免疫原性組成物であって、前記方法が前記免疫原性組成物の有効量を投与することを含む、免疫原性組成物。
【請求項19】
(a)配列番号9に記載のタンパク質構築物、および
(b)配列番号11に記載のタンパク質構築物
からなる群から選択されるポリペプチドを含有するタンパク質を含む、請求項18に記載の免疫原性組成物。
【請求項20】
ヒトまたは非ヒト動物においてCASB7439に対する免疫応答を誘発する方法で使用するための薬物の製造における、請求項7から14に記載の免疫原性組成物の使用であって、前記誘発方法が前記免疫原性組成物の有効量を投与することを含む、免疫原性組成物の使用。
【請求項21】
前記免疫原性組成物が、
(i)配列番号9に記載のタンパク質構築物、および
(ii)配列番号11に記載のタンパク質構築物
からなる群から選択されるポリペプチドを含有するタンパク質を含む、請求項20に記載の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図11C】
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【図11D】
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【図12A】
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【図12B】
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【図12C】
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【図12D】
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【図13】
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【図14】
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【図15A】
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【図15B】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20A】
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【図20B】
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【図20C】
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【図20D】
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【図21A】
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【図21B】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【公表番号】特表2012−528106(P2012−528106A)
【公表日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−512340(P2012−512340)
【出願日】平成22年5月25日(2010.5.25)
【国際出願番号】PCT/EP2010/057141
【国際公開番号】WO2010/136443
【国際公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【出願人】(305060279)グラクソスミスクライン バイオロジカルズ ソシエテ アノニム (169)
【Fターム(参考)】