説明

CD20に対する抗体およびその使用

抗原CD20に指向化された抗体およびこのような抗体の使用が本願明細書において開示されている。特に、完全ヒトモノクローナル抗体が抗原CD20に指向化されている。重鎖および軽鎖免疫グロブリン分子、(特に、フレームワーク領域および/または相補性決定領域(CDR)、特にFR1からFR4またはCDR1からCDR3を橋架けする、近接する重鎖および軽鎖に対応する配列)をコードするヌクレオチド配列、およびそれを含むアミノ酸配列が開示されている。このような免疫グロブリン分子およびモノクローナル抗体を発現するハイブリドーマまたは他の株細胞もまた開示されている。

【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、米国特許法119条による、2005年6月2日出願の米国仮特許出願第60/686,992号に基づく優先権の利益を主張し、これは、本願明細書において参照により援用される。
【技術分野】
【0002】
発明の背景
発明の分野
本発明は、標的抗原CD20に対するモノクローナル抗体、およびこのような抗体の使用に関する。より具体的には、本発明は、CD20に指向化された完全ヒトモノクローナル抗体およびこれらの抗体の使用に関する。本発明の態様はまた、ハイブリドーマまたはこのような抗体を発現する他の株細胞に関する。記載の抗体は、CD20の活性および/または過剰発現、および/またはCD20細胞の存在および/または活性に関連する疾病の、診断上、および治療に有用である。
【背景技術】
【0003】
関連技術の説明
CD20は、長さが298アミノ酸である33,000MWグリコ−リン酸化タンパク質である。ヒトCD20遺伝子は、1653塩基ペアの長さである。5’UTRは、147塩基ペアの長さである。コード配列は893塩基ペア、一方で3’UTRは613塩基ペアの長さである。
【0004】
CD20は、Bリンパ球系列の正常な新生細胞の表面上にのみ高密度で発現され、B細胞活性化中に受容体として機能すると考えられている。幹細胞およびB細胞前駆細胞は、明らかにCD20抗原に欠けている。CD20の推測されるアミノ酸配列は、4メンブラン−橋架けドメインを有する高度に疎水性のタンパク質を明らかにし、ここで、タンパク質のアミノ酸カルボキシ終端が原形質内に位置されている。短い親水性領域が、残渣142および185の間に位置されており、細胞表面上に露出され得る。
【0005】
33、35および37kDaの重量を有するヒトCD20の3つのアイソフォームは、単一タンパク質の差異的リン酸化からもたらされる。CD20は、いずれの顕著なホモロジーも、他の公知のタンパク質と共有しない。ヒトおよびマウス配列の間には、最大の類似で73%ホモロジーが、膜貫通領域においてある。
【0006】
CD20は、他のタンパク質、特にC−末端srcキナーゼ結合タンパク質(Cbp)、CD40および主要な組織適合性複合体クラスIIタンパク質(MHC II)と密接に関連している。CD20に結合している抗体は、いくつかの場合において、分子の脂質ラフトへの急速な移行を誘起することが見出されてきている。
【0007】
数々の会社が、現在、CD20タンパク質を標的にする治療的剤を販売している。Rituxan(登録商標)(リツキシマブ)(Genentech,カリフォルニア州サウスサンフランシスコ(South San Francisco,CA))、Tositumomab(登録商標)(GlaxoSmithKline,英国ミドルエセックス、ブレントフォード(Brentford,Middlesex,United Kingdom))、およびHuMax-CD20(Genmab,デンマークコペンハーゲン(Copenhagen,Denmark))は、CD20タンパク質を標的にするモノクローナル抗体治療剤である。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
発明の概要
本発明の実施形態は、CD20に特異的に結合すると共に、CD20を発現する細胞の成長を阻害する標的結合剤に関する。これを達成することができるメカニズムは、限定されないが、CD20を発現する細胞のアポトーシスを誘起するステップ、CD20を発現する細胞における抗体依存細胞傷害活性(ADCC)を誘起するステップ、またはCD20を発現する細胞における補体依存性細胞傷害作用(CDC)を誘起するステップのいずれかを含むことができ、これにより、CD20リンパ腫細胞、CD20+白血病細胞および通常のB細胞を含むCD20陽性B細胞を根絶する。
【0009】
本発明の一実施形態において、標的結合剤は、CD20に結合する完全ヒト抗体であり、CD20を発現する細胞のアポトーシスを誘起する。本発明のさらに他の実施形態は、CD20に結合する完全ヒトモノクローナル抗体であり、CD20を発現する細胞における抗体依存細胞傷害活性(ADCC)を誘起する。本発明の他の実施形態は、CD20に結合する完全ヒトモノクローナル抗体であり、CD20を発現する細胞における補体依存性細胞傷害作用(CDC)を誘起する。
【0010】
いくつかの実施形態において、抗体は、CD20に結合すると共に、ラモス細胞(Ramos cell)の標準CellTiterGlo生存度アッセイにおいて約0.5μg/ml以下のEC50で、CD20を発現する細胞のアポトーシスを誘起する。いくつかの実施形態において、抗体またはその抗原結合部分は、約0.4、0.3、0.2、0.1、0.09、0.08、0.07、0.06、0.05、0.04、0.03、または0.02μg/ml未満のEC50を、B細胞のアポトーシスを誘起するために、ラモス細胞の標準CellTiterGlo生存度アッセイにおいて有する。いくつかの実施形態において、抗体、またはその抗原結合部分は、CD20に結合すると共に、ラモス細胞の標準Alamar Blue生存度アッセイにおいて約0.2μg/ml以下のEC50で、CD20を発現する細胞のアポトーシスを誘起する。いくつかの実施形態において、抗体またはその結合部分は、約0.1、0.09、0.08、0.07、0.06、0.05、または0.04μg/mlの未満のEC50をラモス細胞の標準Alamar Blue生存度アッセイにおいて有する。
【0011】
本発明の他の実施形態は、本願明細書に記載の標的結合剤または抗体のいずれかと結合について競合する抗体である。
【0012】
一実施形態において、抗体は、12nM未満のKDでCD20に結合する。他の実施形態において、抗体は、10nM、9nM、8nM、7nM、6nM、5nM、4nM、3nM、2nMまたは1nM未満のKで結合する。一実施形態において、抗体は、500、100、30、20、10、または5pMのKで結合する。親和性および/または結合活性計測値は、本願明細書に記載のとおりFMAT、FACS、KinExA(登録商標)および/またはBIACORE(登録商標)によって計測されることができる。
【0013】
一実施形態において、抗体は、表8に示す配列の1つで相補性決定領域(CDR)を有する重鎖アミノ酸配列を含む。当業者は、CDR判定を容易に達成することができることを注記する。例えば、Kabatら、「Sequences of Proteins of Immunological Interest」、第5版、NIH Publication、91〜3242ページ、メリーランド州ベセスダ(Bethesda MD)(1991年)、第1〜3巻を参照のこと。一実施形態は、CD20に結合すると共に、GYSFTSYWIG(配列番号201)のアミノ酸配列を有する重鎖相補性決定領域1(CDR1)を含む標的結合剤である。
【0014】
さらなる他の実施形態は、CD20に結合すると共に、表9に示される配列の1つを含むCDRを有する軽鎖アミノ酸配列を含む抗体である。一定の実施形態において、抗体は、完全ヒトモノクローナル抗体である。従って、一実施形態は、CD20に結合すると共に、KISNRFS(配列番号202)のアミノ酸配列を有する軽鎖相補性決定領域2(CDR2)を含む標的結合剤である。
【0015】
さらなる実施形態は、CD20に結合すると共に、表8に示されるCDR配列の1つを有する重鎖アミノ酸配列と表9に示されるCDR配列の1つを有する軽鎖アミノ酸配列とを含む抗体である。一定の実施形態において、抗体は、完全ヒトモノクローナル抗体である。いくつかの実施形態において、本発明は、本願明細書において開示された抗体のいずれかと同一のエピトープに結合する抗体を提供する。
【0016】
一実施形態は、抗体または結合部分が、配列番号2の配列を有する重鎖ポリペプチドを含む、モノクローナル抗体またはその抗原結合部分を提供する。一実施形態において、抗体またはその結合部分は、配列番号4の配列を有する軽鎖ポリペプチドをさらに含む。他の実施形態は、抗体または結合部分が配列番号30の配列を有する重鎖ポリペプチドを含む、モノクローナル抗体またはその抗原結合部分である。一実施形態において、抗体またはその結合部分は、配列番号32の配列を有する軽鎖ポリペプチドをさらに含む。さらなる他の実施形態は、抗体または結合部分が配列番号46の配列を有する重鎖ポリペプチドを含む、モノクローナル抗体またはその抗原結合部分である。一実施形態において、抗体またはその結合部分は、配列番号48の配列を有する軽鎖ポリペプチドをさらに含む。
【0017】
本発明のさらなる実施形態はCD20に特異的に結合するヒトモノクローナル抗体を含み、ここで、抗体は、正準クラス1に対応する重鎖相補性決定領域1(CDR1)を含む。本願明細書において提供される抗体はまた、正準クラス2に対応する重鎖相補性決定領域2(CDR2)、正準クラス4に対応する軽鎖相補性決定領域1(CDR1)、正準クラス1に対応する軽鎖相補性決定領域2(CDR2)、および正準クラス1に対応する軽鎖相補性決定領域3(CDR3)を含むことができる。
【0018】
本発明の他の実施形態は、CD20に結合すると共に、VH5−51生殖系列配列に由来の重鎖ポリペプチドを含むヒトモノクローナル抗体を含む。本発明のいくつかの実施形態は、CD20に結合すると共に、Vκ軽鎖を含むヒトモノクローナル抗体を含む。本発明のさらに他の実施形態は、VH5−51重鎖遺伝子によってコードされる、またはそれに由来する重鎖とペアのVκ軽鎖を含むモノクローナル抗体を含む。いくつかの実施形態において、Vκ軽鎖ポリペプチドは、A23軽鎖遺伝子によってコードされ、またはそれに由来する。
【0019】
さらなる他の実施形態は、ヒトCD20細胞外ドメインのアミノ酸残渣171−179に結合する標的結合剤である。他の実施形態において、本発明は、ペプチドNPSEKNSPS(配列番号196)を含むエピトープに結合する標的結合剤を提供する。さらなる他の実施形態において、本発明は、CD20の細胞外ドメインに結合するためにアラニン170を必要としない標的結合剤を提供する。
【0020】
本発明の一施形態は、以下により詳細に考察されているとおり、CD20に特異的に結合する、完全ヒトモノクローナル抗体1.1.2(ATCC受入番号PTA−7329)、2.1.2(ATCC受入番号PTA−7328)、および1.5.3(ATCC受入番号PTA−7330)を含む。
【0021】
本発明の一施形態は、モノクローナル抗体1.1.2(ATCC受入番号PTA−7329)、2.1.2(ATCC受入番号PTA−7328)、および1.5.3(ATCC受入番号PTA−7330)と同一のエピトープに結合する抗体である。
【0022】
他の実施形態では、本発明は、抗体またはその機能性フラグメント、および薬剤的に許容可能なキャリアを含む組成物を提供する。
【0023】
本発明のさらなる実施形態は、腫瘍性疾患についての治療を必要とする動物を選択するステップと、この動物に、治療的有効量の、CD20に特異的に結合する完全ヒトモノクローナル抗体を投与するステップとを含む、腫瘍性疾患に罹っている動物を効果的に治療する方法を含む。
【0024】
治療可能な腫瘍性疾患としては、例えば、前駆体B細胞リンパ芽球性白血病/リンパ腫を含む非ホジキンリンパ腫(NHL)などのB細胞リンパ腫を含むリンパ腫、および、低悪性度、中悪性度および高悪性度FL、皮膚濾胞中心リンパ腫、近縁帯Bリンパ腫(MALTタイプ、結節性および脾臓タイプ)、有毛細胞白血病、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、形質細胞腫、形質細胞性骨髄腫、移植後リンパ増殖性障害、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、および未分化大細胞型リンパ腫(ALCL)を含むB細胞慢性リンパ性白血病(CLL)、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、B細胞前リンパ球性白血病、リンパ形質細胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫(MCL)、濾胞性リンパ腫(FL)などの成熟B細胞腫瘍が挙げられる。さらに、例としては、Rituxan(登録商標)治療後の再発性または治療抵抗性B−NHLが挙げられる。
【0025】
本発明のさらなる実施形態は、免疫系疾患についての治療を必要とする動物を選択するステップと、この動物に、治療的有効量の、CD20に特異的に結合する完全ヒトモノクローナル抗体を投与するステップとを含む、免疫系疾患に罹っている動物を効果的に治療する方法を含む。
【0026】
治療可能な免疫系疾患としては、例えば、特に限定されないが、クローン病、ウェゲナー肉芽腫症、乾癬、乾癬性関節炎、皮膚炎、全身性強皮症および硬化症、炎症性腸疾患(IBD)、潰瘍性大腸炎、呼吸促迫症候群、髄膜脳炎、ブドウ膜炎、糸球体腎炎、湿疹、喘息、アテローム性動脈硬化、白血球粘着不全症、多発性硬化症、レイノー症候群、シェーグレン症候群、若年発症糖尿病、ライター病、ベーチェット病、免疫複合体性腎炎、IgA腎症、IgM多発ニューロパシー;急性特発性血小板減少性紫斑病および慢性的特発性血小板減少性紫斑病などの免疫介在性血小板減少症、溶血性貧血、重症筋無力症、ループス腎炎、全身性エリテマトーデス、関節リウマチ(RA)、アトピー性皮膚炎、天疱瘡、グレーブス病、橋本甲状腺炎、オーメン症候群、慢性的腎不全、急性感染性単核球症、HIV、およびヘルペスウイルス関連疾病が挙げられる。追加の障害としては、重症急性呼吸促迫症候群および脈絡網膜炎が挙げられる。他の例は、エプスタインバーウイルス(EBV)などのウイルスでのB細胞の感染症により引き起こされる疾病および障害である。
【0027】
本発明の追加の実施形態は、動物におけるB細胞腫瘍成長の阻害方法を含む。これらの方法は、B細胞腫瘍成長についての治療を必要とする動物を選択するステップと、動物に治療的有効量の完全ヒトモノクローナル抗体を投与するステップとを含み、ここで、前記抗体はCD20に特異的に結合する。
【0028】
本発明のさらなる実施形態は、動物におけるCD20発現を含む疾病の治療のための薬剤の調製における抗体の使用を含み、ここで、モノクローナル抗体はCD20に特異的に結合する。
【0029】
他の実施形態において、本願明細書に記載の抗体は、動物における腫瘍性疾患の治療のための薬剤の調製のために用いられることができ、ここで、抗体は、CD20に特異的に結合する。治療可能な腫瘍性疾患としては、非ホジキンリンパ腫(NHL)などのB細胞リンパ腫を含むリンパ腫が挙げられる。
【0030】
さらなる実施形態は、動物における免疫疾患の治療のための薬剤の調製における抗体の使用を含み、ここで、抗体はCD20に特異的に結合する。
【0031】
治療可能な疾病はCD20の発現を含み、例えば、前駆体B細胞リンパ芽球性白血病/リンパ腫を含むNHLなどの腫瘍性疾患、および低悪性度、中悪性度および高悪性度FL、皮膚濾胞中心リンパ腫、近縁帯Bリンパ腫(MALTタイプ、結節性および脾臓タイプ)、有毛細胞白血病、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、形質細胞腫、形質細胞性骨髄腫、移植後リンパ増殖性障害、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、および未分化大細胞型リンパ腫(ALCL)を含む、B細胞慢性リンパ性白血病(CLL)、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、B細胞前リンパ球性白血病、リンパ形質細胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫(MCL)、濾胞性リンパ腫(FL)などの成熟B細胞腫瘍が挙げられる。さらに、例としては、Rituxan(登録商標)治療後の再発性または治療抵抗性B−NHLが挙げられる。免疫疾患の例としては、クローン病、ウェゲナー肉芽腫症、乾癬、乾癬性関節炎、皮膚炎、全身性強皮症および硬化症、炎症性腸疾患(IBD)、潰瘍性大腸炎、呼吸促迫症候群、髄膜脳炎、ブドウ膜炎、糸球体腎炎、湿疹、喘息、アテローム性動脈硬化、白血球粘着不全症、多発性硬化症、レイノー症候群、シェーグレン症候群、若年発症糖尿病、ライター病、ベーチェット病、免疫複合体性腎炎、IgA腎症、IgM多発ニューロパシー;急性特発性血小板減少性紫斑病および慢性的特発性血小板減少性紫斑病などの免疫介在性血小板減少症、溶血性貧血、重症筋無力症、ループス腎炎、全身性エリテマトーデス、関節リウマチ(RA)、アトピー性皮膚炎、天疱瘡、グレーブス病、橋本甲状腺炎、オーメン症候群、慢性的腎不全、急性感染性単核球症、HIV、およびヘルペスウイルス関連疾病が挙げられる。追加の障害としては、重症急性呼吸促迫症候群および脈絡網膜炎が挙げられる。他の例は、エプスタインバーウイルス(EBV)などのウイルスでのB細胞の感染症によって引き起こされる疾病および障害である。
【0032】
本願明細書に記載の本発明の実施形態は、CD20に結合すると共に、CD20機能に作用するモノクローナル抗体に関する。他の実施形態は、CD20に対する高い結合親和性、インビトロおよびインビボでのCD20陽性B細胞およびBリンパ腫細胞の根絶能、インビトロおよびインビボでのアポトーシスの誘起能、インビトロおよびインビボでのADCC活性の誘発能、インビトロおよびインビボでのCDCの誘起能、および/またはB細胞腫瘍成長の阻害能を含む、治療的観点からの所望の特性を有する完全ヒト抗CD20抗体および抗CD20抗体調製物に関する。さらに他の実施形態は、顕著なヒト抗キメラ抗体(HACA)応答をもたらさず、これにより反復的な投与を許容する、完全ヒト抗CD20抗体および抗CD20抗体調製物に関する。
【0033】
従って、本願明細書に記載の一実施形態は、CD20に結合する単離された抗体、またはこれらの抗体のフラグメントを含む。技術分野において公知であるとおり、抗体は、有利に、例えば、ポリクローナル、オリゴクローナル、モノクローナル、キメラ、ヒト化および/または完全ヒト抗体であることができる。本願明細書に記載の本発明の実施形態はまた、これらの抗体を産生するための細胞を提供する。
【0034】
本発明の実施形態は、抗体または発生または産生方法のいずれかの特定の形態に限定されないことが認識されるであろう。例えば、抗CD20抗体は、完全長抗体(例えば、無処置ヒトFc領域を有する)または抗体フラグメント(例えば、Fab、Fab’またはF(ab’))であることができる。さらに、抗体は、抗体を分泌するハイブリドーマから、または遺伝子または抗体をコードする遺伝子で形質転換または形質移入された、組換え的に操作された細胞から製造されることができる。さらに、抗体は、CD20に結合するラクダまたはヒト単一VHまたはVLドメインなどの単一ドメイン抗体であることができる。
【0035】
本発明の他の実施形態は、本願明細書に記載の抗体のいずれかをコードする単離された核酸分子、抗CD20抗体をコードする単離された核酸分子を有するベクターまたはこのような核酸分子のいずれかで形質転換された宿主細胞を含む。さらに、本発明の一実施形態は、核酸分子が発現されて抗体が産生され、抗体の回収が続く条件下で宿主細胞を培養することにより、抗CD20抗体を産生する方法である。
【0036】
本願明細書におけるさらなる実施形態は、哺乳動物を、ヒトCD20を発現する細胞、ヒトCD20を含有する単離された細胞膜、精製されたヒトCD20、またはそれらのフラグメント、および/または1種または複数のオルソロガスな配列またはそれらのフラグメントで免疫化することにより、CD20に対する高親和性抗体を産生する方法を含む。
【0037】
他の実施形態は、CD20に特異的に結合する単離された抗体の発生および同定に基づいている。CD20は、90%を超えるB細胞リンパ腫で発現する。CD20を発現するB細胞の死滅を媒介する抗体は、CD20誘起性腫瘍成長および他の所望の効果を予防することができる。非悪性のB細胞の死滅を媒介する抗体は、免疫疾患を治療または予防するために用いられることができる。
【0038】
本発明の他の実施形態は、本願明細書に記載のとおり調製された抗体が、患者中のCD20のレベルを検出するために用いられる疾病または状態を診断する方法を含む。さらなる実施形態においては、CD20の発現および/または過剰発現の抗CD20抗体を用いる同定を含む、リスク因子の同定、疾病の診断、および疾病の病期診断のための方法が提示されている。いくつかの実施形態において、方法は、患者に、細胞上のCD20タンパク質に選択的に結合する完全ヒト抗体複合物を投与するステップを含む。抗体複合物は、CD20に選択的に接合する抗体および標識を含む。方法は、患者における標識の存在を観察するステップをさらに含む。比較的多量の標識は、疾病の比較的高いリスクを示すこととなり、比較的少量の標識は、疾病の比較的低いリスクを示すこととなる。一実施形態において、標識は、緑色蛍光タンパク質である。
【0039】
本発明は、患者サンプルにおけるCD20のレベルのアッセイ方法をさらに提供し、抗CD20抗体を患者からの生物学的サンプルと接触させるステップ、および前記抗体および前記サンプル中のCD20間の結合のレベルを検出するステップを含む。より特定の実施形態において、生物学的サンプルは血液または血清である。
【0040】
本発明の他の実施形態は、血清または細胞を抗CD20抗体と接触させること、およびその後CD20の存在を検出することにより、細胞中におけるCD20の発現に関連する状態を診断する方法を含む。
【0041】
他の実施形態において、本発明は、哺乳類組織、細胞、または体液中のCD20を検出して、疾病に関与している、CD20を発現する細胞をスクリーニングするためのアッセイキットを含む。キットは、CD20に結合する抗体および存在する場合に、CD20を含む抗体の反応を示すための手段を含む。好ましくは、抗体はモノクローナル抗体である。一実施形態において、CD20に結合する抗体は標識化されている。他の実施形態において、抗体は非標識化一次抗体であり、およびキットは、一次抗体を検出するための手段をさらに含む。一実施形態において、手段は、抗免疫グロブリンである標識化二次抗体を含む。好ましくは、抗体は、蛍光色素、酵素、放射性核種および放射性不透過性材料からなる群から選択されるマーカーで標識化されている。
【0042】
さらなる他の実施形態は、患者に有効量の抗CD20抗体を投与することによる、患者におけるCD20の発現に関連する疾病または状態を治療する方法を含む。抗CD20抗体は単独で投与されることができ、または追加の抗体または化学療法薬または放射線治療と組み合わせて投与されることができる。例えば、Bリンパ腫細胞のアポトーシスを誘起する、および/またはADCCを誘発する、および/またはCDCを誘起する、CD20抗体のモノクローナル、オリゴクローナルまたはポリクローナル混合物は、腫瘍細胞増殖を直接的に阻害する薬と組み合わせて投与されることができる。方法は、インビボで実施されることができ、患者はヒト患者であることが好ましい。
【0043】
いくつかの実施形態において、抗CD20抗体は、修飾されて、それらの、補体固定能および補体依存性細胞傷害作用(CDC)に関与する能力が増強されることができる。他の実施形態において、抗CD20抗体は、修飾されて、それらの、エフェクター細胞を活性化させる、および抗体依存傷害作用(ADCC)に関与する能力が増強されることができる。さらに他の実施形態において、抗CD20抗体は、共に修飾されて、エフェクター細胞を活性化させるおよび抗体依存傷害作用(ADCC)に関与するそれらの能力が増強されると共に、補体固定能および補体依存性細胞傷害作用(CDC)に関与するそれらの能力が増強されることができる。
【0044】
他の実施形態において、本発明は、コンテナを含む製造物品を提供する。コンテナは、抗CD20抗体を含有する組成物、および組成物はCD20の発現または過剰発現によって特徴付けられる疾病の治療に用いられることができることを示す包装材挿入物またはラベルを含む。
【0045】
他の実施形態において、本発明は、抗CD20モノクローナル抗体およびモノクローナル抗体の治療を必要とする患者に対する投与の説明書を含む、CD20の発現を含む疾病の治療用のキットを提供する。
【0046】
他の態様において、患者における癌性細胞を選択的において死滅させる方法が提供されている。方法は、完全ヒト抗体複合物を患者へ投与するステップを含む。完全ヒト抗体複合物は、CD20および剤の細胞外ドメインに結合することができる抗体を含む。剤は、毒素、放射性同位体、または癌細胞を死滅させることとなる他の物質のいずれかである。抗体複合物は、これにより、癌細胞を選択的に死滅させる。剤は、サポリンであることができる。
【0047】
一態様において、CD20に結合する複合化完全ヒト抗体が提供されている。抗体には剤が結合しており、抗体の細胞への結合は、細胞への剤の送達をもたらす。一実施形態において、上記の複合物化完全ヒト抗体は、CD20の細胞外ドメインに結合する。他の実施形態において、抗体および複合物化毒素は、CD20を発現する細胞によって内部移行される。他の実施形態において、剤は細胞障害性剤である。他の実施形態において、剤はサポリンである。さらなる他の実施形態において、剤は放射性同位体である。
【0048】
本発明のいくつかの実施形態においては、本願明細書において提供される抗体のグリコシル化パターンが修飾されて、ADCCおよびCDCエフェクター機能が増強される。Shields RLら、(2002年)「JBC.」、277:26733Shinkawa Tら、(2003年)「JBC.」、278:3466およびOkazaki Aら、(2004年)「J. Mol. Biol.」、336:1239を参照のこと。
【発明を実施するための最良の形態】
【0049】
好ましい実施形態の詳細な説明
本願明細書に記載の本発明の実施形態は、CD20に結合するモノクローナル抗体に関する。いくつかの実施形態において、抗体はCD20に結合すると共に、Bリンパ腫細胞のアポトーシスを誘起する。本発明の他の実施形態は、治療的に有用である完全ヒト抗CD20抗体、および抗体調製物を含む。このような抗CD20抗体調製物は、好ましくは、CD20に対する強結合親和性、インビトロおよびインビボでのB−リンパ腫細胞のアポトーシスの誘起能、インビトロおよびインビボでのADCC活性の誘発能、およびインビトロおよびインビボでのCDC活性誘起能を含む所望の治療的特性を有する。
【0050】
本発明の実施形態はまた、抗CD20抗体の単離された結合フラグメントを含む。好ましくは、結合フラグメントは、完全ヒト抗CD20抗体に由来する。例示的なフラグメントとしては、以下により詳細に記載されているとおりFv、Fab’または他の周知抗体フラグメントが挙げられる。本発明の実施形態はまた、CD20に対する完全ヒト抗体を発現する細胞を含む。細胞の例としては、ハイブリドーマ、またはCD20に対する抗体を産生するチャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)細胞などの組換え的に作成された細胞が挙げられる。
【0051】
さらに、本発明の実施形態は、これらの抗体を疾病の治療のために使用する方法を含む。抗CD20抗体は、CD20陽性B細胞および/またはBリンパ腫細胞を根絶するために有用である。作用のメカニズムは、CD20を発現する細胞のアポトーシスの誘起、CD20を発現する細胞における抗体依存細胞傷害活性(ADCC)の誘起、またはCD20を発現する細胞における補体依存性細胞傷害作用(CDC)の誘起を含むことができる。このメカニズムを介して治療可能である疾病としては、限定されないが、B細胞慢性リンパ性白血病(CLL)、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、B細胞前リンパ球性白血病、リンパ形質細胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫(MCL)、低悪性度、中悪性度および高悪性度FLを含む濾胞性リンパ腫(FL)、皮膚濾胞中心リンパ腫、近縁帯Bリンパ腫(粘膜関連リンパ組織(MALT)タイプ、結節性および脾臓タイプ)、有毛細胞白血病、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、形質細胞腫、形質細胞性骨髄腫、移植後リンパ増殖性障害、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、および未分化大細胞型リンパ腫(ALCL)などの、前駆体B細胞リンパ芽球性白血病/リンパ腫および成熟B細胞腫瘍を含む、非ホジキン病(NHL)などの、B細胞リンパ腫を含むリンパ腫などの腫瘍性疾患が挙げられる。さらに、例としては、リツキシマブ治療後の再発性または治療抵抗性B−NHLが挙げられる。免疫疾患としては、クローン病、ウェゲナー肉芽腫症、乾癬、乾癬性関節炎、皮膚炎、全身性強皮症および硬化症、炎症性腸疾患(IBD)、潰瘍性大腸炎、呼吸促迫症候群、髄膜脳炎、ブドウ膜炎、糸球体腎炎、湿疹、喘息、アテローム性動脈硬化、白血球粘着不全症、多発性硬化症、レイノー症候群、シェーグレン症候群、若年発症糖尿病、ライター病、ベーチェット病、免疫複合体性腎炎、IgA腎症、IgM多発ニューロパシー;急性特発性血小板減少性紫斑病および慢性的特発性血小板減少性紫斑病などの免疫介在性血小板減少症、溶血性貧血、重症筋無力症、ループス腎炎、全身性エリテマトーデス、関節リウマチ(RA)、アトピー性皮膚炎、天疱瘡、グレーブス病、橋本甲状腺炎、オーメン症候群、慢性的腎不全、急性感染性単核球症、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、およびヘルペスウイルス関連疾病が挙げられる。追加の障害としては、重症急性呼吸促迫症候群および脈絡網膜炎が挙げられる。他の例は、エプスタインバーウイルス(EBV)などのウイルスでのB細胞の感染症により引き起こされる疾病および障害である。
【0052】
本発明の他の実施形態は、CD20の患者または生物学的サンプル中の存在および/または量を特定的に判定するための診断上のアッセイを含む。アッセイキットは、このような抗体を検出するために必要な標識と共に、抗CD20抗体を含むことができる。これらの診断上のアッセイは、特に限定されないが、低悪性度、中悪性度および高悪性度FL、皮膚濾胞中心リンパ腫、近縁帯Bリンパ腫(MALTタイプ、結節性および脾臓タイプ)、有毛細胞白血病、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、形質細胞腫、形質細胞性骨髄腫、移植後リンパ増殖性障害、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、および未分化大細胞型リンパ腫(ALCL)を含む、B細胞慢性リンパ性白血病(CLL),小リンパ球性リンパ腫(SLL)、B細胞前リンパ球性白血病、リンパ形質細胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫(MCL)、濾胞性リンパ腫(FL)などの、前駆体B細胞リンパ芽球性白血病/リンパ腫および成熟B細胞腫瘍を含む、非ホジキン病(NHL)などの、B細胞リンパ腫を含むリンパ腫などの腫瘍性疾患を含むCD20関連疾病のスクリーニングするために有用である。さらに、例としては、リツキシマブ治療後の再発性または治療抵抗性B−NHLが挙げられる。免疫疾患としては、クローン病、ウェゲナー肉芽腫症、乾癬、乾癬性関節炎、皮膚炎、全身性強皮症および硬化症、炎症性腸疾患(IBD)、潰瘍性大腸炎、呼吸促迫症候群、髄膜脳炎、ブドウ膜炎、糸球体腎炎、湿疹、喘息、アテローム性動脈硬化、白血球粘着不全症、多発性硬化症、レイノー症候群、シェーグレン症候群、若年発症糖尿病、ライター病、ベーチェット病、免疫複合体性腎炎、IgA腎症、IgM多発ニューロパシー;急性特発性血小板減少性紫斑病および慢性的特発性血小板減少性紫斑病などの免疫介在性血小板減少症、溶血性貧血、重症筋無力症、ループス腎炎、全身性エリテマトーデス、関節リウマチ(RA)、アトピー性皮膚炎、天疱瘡、グレーブス病、橋本甲状腺炎、オーメン症候群、慢性的腎不全、急性感染性単核球症、HIV、およびヘルペスウイルス関連疾病が挙げられる。追加の障害としては、重症急性呼吸促迫症候群および脈絡網膜炎が挙げられる。他の例は、エプスタインバーウイルス(EBV)などのウイルスでのB細胞の感染症により引き起こされる疾病および障害である。
【0053】
一実施形態においては、配列番号2の配列を有する重鎖ポリペプチドを含むモノクローナル抗体が提供されている。一実施形態において、抗体は、配列番号4の配列を有する軽鎖ポリペプチドをさらに含む。他の実施形態は、配列番号30の配列を有する重鎖ポリペプチドを含む抗体を提供する。一実施形態において、抗体は、配列番号32の配列を有する軽鎖ポリペプチドをさらに含む。さらなる他の実施形態は、配列番号46の配列を有する重鎖ポリペプチドを含む抗体を提供する。一実施形態において、抗体は、配列番号48の配列を有する軽鎖ポリペプチドをさらに含む。
【0054】
一実施形態においては、本願明細書において上述されているとおり、抗体の軽鎖および/または重鎖を産生するハイブリドーマが提供されている。好ましくは、ハイブリドーマは、完全ヒトモノクローナル抗体の軽鎖および/または重鎖を産生する。より好ましくは、ハイブリドーマは、完全ヒトモノクローナル抗体1.1.2(ATCC受入番号PTA−7329)、2.1.2(ATCC受入番号PTA−7328)、および1.5.3(ATCC受入番号PTA− 7330)の軽鎖および/または重鎖を産生する。あるいは、ハイブリドーマは、完全ヒトモノクローナル抗体1.1.2(ATCC受入番号PTA−7329)、2.1.2(ATCC受入番号PTA−7328)、および1.5.3(ATCC受入番号PTA−7330)と同一のエピトープまたはエピトープに結合する抗体を産生する。
【0055】
一実施形態においては、本願明細書において上述されているとおり、抗体の軽鎖または重鎖をコードする核酸分子が提供されている。
【0056】
好ましくは、完全ヒトモノクローナル抗体の軽鎖または重鎖をコードする核酸分子が提供されている。より好ましくは、完全ヒトモノクローナル抗体1.1.2(ATCC受入番号PTA−7329)、2.1.2(ATCC受入番号PTA−7328)、および1.5.3(ATCC受入番号PTA−7330)の軽鎖または重鎖をコードする核酸分子が提供されている。
【0057】
本発明の一実施形態においては、本願明細書において上述されているとおり、核酸分子または分子を含むベクターが提供されており、ここで、ベクターは、本願明細書中上記において定義されているとおり、抗体の軽鎖および/または重鎖をコードする。
【0058】
本発明の一実施形態においては、本願明細書に上述されているとおり、ベクターを含む宿主細胞が提供されている。あるいは、宿主細胞は、2つ以上のベクターを含み得る。
【0059】
さらに、本発明の一実施形態は、核酸分子が発現されて抗体が産生され、その後抗体が回収される条件下で宿主細胞を培養することにより抗体を産生させる方法である。
【0060】
本発明の一実施形態においては、本願明細書において上述されているとおり、少なくとも1つの宿主細胞を、抗体をコードする少なくとも1つの核酸分子と形質移入させるステップ、核酸分子を前記宿主細胞において発現させるステップ、および前記抗体を単離するステップを含む抗体の製造方法が提供されている。
【0061】
本発明の他の態様によれば、本願明細書において上述されているとおり、標的結合剤を投与するステップを含む、CD20を発現する細胞の成長を阻害する方法が提供されている。方法は、CD20発現に関連する疾病についての治療を必要とする動物を選択するステップ、および前記動物に治療的有効量の、CD20に特異的に結合する標的結合剤を投与するステップを含み得る。
【0062】
他の態様によれば、治療的有効量の、CD20に特異的に結合する標的結合剤を投与するステップを含む、哺乳動物における免疫系疾患を治療する方法が提供されている。方法は、免疫疾患についての治療を必要とする動物を選択するステップ、および動物に治療的有効量の、CD20に特異的に結合する標的結合剤を投与するステップを含み得る。
【0063】
他の態様によれば、治療的有効量の、CD20に特異的に結合する標的結合剤を投与するステップを含む、哺乳動物における腫瘍性疾患を治療する方法が提供されている。方法は、腫瘍性疾患についての治療を必要とする動物を選択するステップ、および前記動物に治療的有効量の、CD20に特異的に結合する標的結合剤を投与するステップを含み得る。剤は単独で投与されることができ、または抗体、化学療法薬、または放射性薬から選択される第2の抗悪性腫瘍薬剤と組み合わせて投与されることができる。
【0064】
他の態様によれば、治療的有効量の、CD20に特異的に結合する標的結合剤を投与するステップを含む、哺乳動物における癌を治療する方法が提供されている。方法は、癌についての治療を必要とする動物を選択するステップ、および前記動物に治療的有効量の、CD20に特異的に結合する標的結合剤を投与するステップを含み得る。剤は単独で投与されることができ、または抗体、化学療法薬、または放射性薬から選択される第2の抗悪性腫瘍薬剤と組み合わせて投与されることができる。
【0065】
本発明の他の態様によれば、免疫系疾患の治療のための薬剤の製造についての、CD20に特異的に結合する標的結合剤の使用が提供されている。
【0066】
本発明の他の態様によれば、腫瘍性疾患の治療のための薬剤の製造についての、CD20に特異的に結合する標的結合剤の使用が提供されている。
【0067】
一実施形態では、本発明は、単独で、または部分的にCD20発現に依存する腫瘍を有する患者におけるB細胞腫瘍成長の阻害における使用に、特に好適である。
【0068】
本発明の他の実施形態は、哺乳類組織、細胞、または体液におけるCD20を検出して、腫瘍性および/または免疫系疾患についてスクリーニングするためのアッセイキットを含む。キットは、CD20に結合する標的結合剤および存在する場合に標的結合剤とCD20との反応を示す手段を含む。標的結合剤は、モノクローナル抗体であり得る。一実施形態において、CD20に結合する抗体は標識化される。他の実施形態において、抗体は非標識化一次抗体であり、キットは、一次抗体を検出する手段をさらに含む。一実施形態において、手段は、抗免疫グロブリンである標識化二次抗体を含む。好ましくは、抗体は、蛍光色素、酵素、放射性核種および放射線不透過性材料からなる群から選択されるマーカーで標識化されている。
【0069】
抗CD20抗体に関するさらなる実施形態、特質等が、以下に追加的に詳細に提供されている。
【0070】
定義
特に記載のない限り、本願明細書において用いられる科学的および技術的用語は、通例当業者によって理解される意味を有するべきである。さらに、内容によって要求されない限りにおいて、単数形は複数形を含むべきであると共に、複数形の用語は単数形を含むべきである。一般に、本願明細書に記載の、細胞および組織培養、分子生物学、およびタンパク質およびオリゴ−またはポリヌクレオチド化学およびハイブリダイゼーションに関連して用いられる命名法およびこれらの技術は、周知であると共に技術分野において通例用いられるものである。
【0071】
標準技術が、組み換え型DNA、オレゴヌクレオチド合成、および組織培養および形質転換(例えば、エレクトロポレーション、リポフェクション)について用いられる。酵素反応および精製技術は、製造業者の仕様書に基づいて、または通例技術分野において達成されるとおり、または本願明細書に記載のとおり実施される。前述の技術および手順は、一般に、技術分野において周知である従来の方法に基づいて、および本明細書の全体を通して援用されおよび検討されている、種々の一般的およびより特定的な文献に記載のとおり実施される。例えば、本願明細書において参照により援用されるSambrookら「Molecular Cloning: A' Laboratory Manual」(第3版、Cold Spring Harbor Laboratory Press、ニューヨーク州コールドスプリングハーバー(Cold Spring Harbor,N.Y.)(2001年))を参照のこと。本願明細書に記載の、分析化学、合成有機化学、および薬用および医薬品化学に関連して用いられた命名法、ならびにこれらの実験用手順および技術は、周知であると共に技術分野において通例用いられるものである。標準技術が、化学的合成、化学的分析、医薬品調製、配合、および送達、および患者の治療のために用いられる。
【0072】
本開示に基づいて用いられるところ、以下の用語は、他に示されていない限りにおいて、以下の意味を有するものとして理解されるべきである。
【0073】
化合物は、約2000ダルトン未満の分子量を有するいずれかの小分子量化合物を指す。
【0074】
用語「CD20」は、長さが298アミノ酸であり、およびCD20遺伝子によってコードされる33,000MWグリコ−リン酸化タンパク質CD20を指す。
【0075】
用語「単離されたポリヌクレオチド」は、本願明細書において用いられるところ、その自然に発生する環境から単離されたポリヌクレオチドを意味するべきである。このようなポリヌクレオチドは、ゲノム、cDNA、または合成であり得る。単離されたポリヌクレオチドは、好ましくは、自然において関連するポリヌクレオチドのすべてまたは部分と関連しない。単離されたポリヌクレオチドは、自然にはリンクされていない他のポリヌクレオチド操作可能にリンクされ得る。さらに、単離されたポリヌクレオチドは、好ましくはより大きな配列の一部としては自然には生じない。
【0076】
本願明細書において言及される、用語「単離されたタンパク質」は、その自然に発生する環境から単離されたタンパク質を意味する。このようなタンパク質は、ゲノムDNA、cDNA、組み換え型DNA、組み換え型RNAに由来し得、または合成由来またはいくつかのこれらの組み合わせであり得る、その由来により、または由来のソースにより、「単離されたタンパク質」は、(1)自然に見出されるタンパク質と関連しておらず、(2)同一のソースからの他のタンパク質を含まず、例えばマウスタンパク質を含まず、(3)異なる種からの細胞によって発現され、または(4)自然には発生しない。
【0077】
用語「ポリペプチド」は、本願明細書において、未修飾タンパク質、フラグメント、またはポリペプチド配列の類似体を指す総称として用いられる。それ故、未修飾タンパク質、フラグメント、および類似体は、ポリペプチド属の種である。本発明に基づく好ましいポリペプチドは、ヒト重鎖免疫グロブリン分子およびヒトκ軽鎖免疫グロブリン分子、ならびに、抗体分子は、重鎖免疫グロブリン分子と、κまたはλ軽鎖免疫グロブリン分子などの軽鎖免疫グロブリン分子とを含む組み合わせによって形成され(逆もまた同じ)、ならびにそれらのフラグメントおよび類似体を含む。本発明に基づく好ましいポリペプチドはまた、単に、ヒト重鎖免疫グロブリン分子またはそのフラグメントを含み得る。
【0078】
用語「自然に発生する」は、本願明細書において用いられて、対象に対して適応されるところ、対象は自然において見出されることができるという事実を指す。例えば、生体(ウイルスを含む)中に存在し、天然のソースから単離されることができると共に、実験室で人によってまたは他の方法で意図的に修飾されていないポリペプチドまたはポリヌクレオチド配列が、自然に発生したものである。
【0079】
用語「操作可能にリンクされた」は、本願明細書において用いられるところ、それらの意図された方策において機能するようそれらを許容する関係にあると記載されている成分の位置を指す。例えば、コード配列に「操作可能にリンクされた」制御配列は、コード配列の発現が制御配列と適合する条件下で達成されるような方法で接続されている。
【0080】
用語「制御配列」は、本願明細書において用いられるところ、これらが接続されているコード配列の発現およびプロセシングを有効にするまたは及ぼすために必要であるポリヌクレオチド配列を指す。このような制御配列の性質は、宿主生体に依って異なり;原核生物においては、このような制御配列は、一般に、プロモータ、リボソーム結合部位、および転写終結配列を含み;真核生物においては、一般に、このような制御配列は、プロモータ、エンハンサ、イントロン、転写終結配列、ポリアデニル化シグナル配列、および5’および’3非翻訳領域を含み得る。用語「制御配列」は、最低でも、発現およびプロセシングのためにその存在が必須であるすべての成分を含むことを意図し、およびその存在が有利である、例えば、リーダー配列および融合パートナー配列といった追加の成分を含むこともできる。
【0081】
用語「ポリヌクレオチド」は、本願明細書において称されるところ、少なくとも10塩基の長さのヌクレオチド、リボヌクレオチドまたはデオキシヌクレオチドまたは、ヌクレオチドあるいはRNA−DNAヘテロ二重鎖のいずれかのタイプの修飾形態の高分子形態を意味する。用語は、単鎖および二重鎖形態のDNAを含む。
【0082】
本願明細書において称される、用語「オレゴヌクレオチド」は、自然に生じる、および自然に生じないリンケージによって共にリンクされた、自然に生じる、および修飾ヌクレオチドを含む。オレゴヌクレオチドは、一般に、200塩基以下の長さを含むポリヌクレオチドサブセットである。好ましくは、オレゴヌクレオチドは、10〜60塩基の長さおよび最も好ましくは12、13、14、15、16、17、18、19、または20〜40塩基の長さである。オレゴヌクレオチドは、通常は、単鎖である(例えばプローブのための)が、オレゴヌクレオチドは、例えば遺伝子変異体の構成における使用のために二重鎖であり得る。オレゴヌクレオチドは、センスまたはアンチセンスオレゴヌクレオチドのいずれかであることができる。
【0083】
本願明細書において称される、用語「自然に生じるヌクレオチド」は、デオキシリボヌクレオチドおよびリボヌクレオチドを含む。本願明細書において称される、用語「修飾ヌクレオチド」は、修飾または置換糖質基等を有するヌクレオチドを含む。本願明細書において称される、用語「オレゴヌクレオチドリンケージ」は、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、ホスホロセレノエート、ホスホロジセレノエート、ホスホロアニロチオエート、ホスホルアニラデート(phosphoraniladate)、ホスホロアミデート等などのオレゴヌクレオチドリンケージを含む。例えば、LaPlancheら「Nucl. Acids Res.」14:9081(1986年);Stecら「J. Am. Chem. Soc.」106:6077(1984年);Steinら、「Nucl. Acids Res.」16:3209(1988年);Zonら、「Anti-Cancer Drug Design」6:539(1991年);Zonら、「Oligonucleotides and Analogues: A Practical Approach」、第87〜108ページ(F. Eckstein編、Oxford University Press、英国オックスフォード(Oxford England)(1991年));Stecら、米国特許第5,151,510号明細書;UhlmannおよびPeyman、「Chemical Reviews」90:543(1990年)を参照されたく、これらの開示は本願明細書において参照により援用されている。オレゴヌクレオチドは、検出のための標識を、所望の場合には含むことができる。
【0084】
本願明細書において称される用語「選択的なハイブリダイズ」は、検出可能なおよび特異的な結合を意味する。ポリヌクレオチド、オレゴヌクレオチドおよびこれらのフラグメントは、非特異的な核酸への相当量の検出可能な結合を最低化させるハイブリダイゼーションおよび洗浄条件下で、核酸ストランドに選択的にハイブリダイズする。技術分野において公知であるとおり、および本願明細書に記載のとおり、高度なストリンジェンシー条件を用いて選択的ハイブリダイゼーション条件を達成することができる。一般に、ポリヌクレオチド、オレゴヌクレオチド、または抗体フラグメントおよび関心のある核酸配列間の核酸配列ホモロジーは少なくとも80%となり、およびより典型的には、少なくとも85%、90%、95%、99%、および100%のホモロジー増加が好ましい。
【0085】
2つのアミノ酸配列は、部分的または完全相同性がそれらの配列の間にある場合には、「相同的」である。例えば、85%ホモロジーは、2つの配列が最大の一致で配置された場合、85%のアミノ酸が同一であることを意味する。ギャップ(一致されている2つの配列のいずれかにおける)が、一致を最大化するために許容され、5以下のギャップ長さが好ましく、2以下であることがより好ましい。あるいはおよび好ましくは、この用語が本願明細書において用いられるところ、2つのタンパク質配列(または少なくとも約30アミノ酸の長さの、これら由来のポリペプチド配列)は、これらが、突然変異データマトリックスおよび6以上のギャップペナルティと共にプログラムALIGNを用いて5を超える(標準偏差単位で)類似度を有する場合には、相同的である。Dayhoff, M.O.、「Atlas of Protein Sequence and Structure」中、第101〜110ページ(第5巻、National Biomedical Research Foundation(1972年))およびこの巻への追補2、第1〜10ページを参照のこと。2つの配列またはそれらの部分は、より好ましくは、ALIGNプログラムを用いて最適に配置されるときに、それらのアミノ酸が50%以上同一である場合には、相同的である。2つのオルソロガスな配列内におけるホモロジーの異なる領域があることができることが認識されるべきである。例えば、マウスおよびヒトオルソログの機能性部位は、非機能性領域より高度なホモロジーを有し得る。
【0086】
用語「に対応する」は、本願明細書において、ポリヌクレオチド配列が、参照ポリヌクレオチド配列のすべてまたは部分と相同的(すなわち、同一であり、厳密には進化的に関連していない)であること、またはポリペプチド配列が参照ポリペプチド配列と同一であることを意味するために用いられる。
【0087】
対比において、用語「補完的な」は、本願明細書において、補完的な配列が、参照ポリヌクレオチド配列とすべてまたは部分に相同的であることを意味するために用いられる。例示のために、ヌクレオチド配列「TATAC」は参照配列「TATAC」に対応すると共に、参照配列「GTATA」に対して補完的である。
【0088】
用語「配列相同性」は、2つのポリヌクレオチドまたはアミノ酸配列が、比較ウィンドウにわたって、(すなわち、ヌクレオチドごとに、または残渣ごとに)同一であることを意味する。用語「配列相同性の割合」は、比較のウィンドウにわたって、最適に配置された2つの配列を比較し、同一の核酸塩基(例えば、A、T、C、G、U、またはI)またはアミノ酸残渣が療法の配列に生じている位置の数を判定して、一致した位置の数を得、一致した位置の数を、比較ウィンドウ(すなわちウィンドウサイズ)中の位置の総数で除し、および結果を100で乗じて、配列相同性の割合を得ることにより算出される。用語「実質的な相同性」は、本願明細書において用いられるところ、ポリヌクレオチドまたはアミノ酸配列の特徴を現し、ここで、ポリヌクレオチドまたはアミノ酸は、少なくとも18ヌクレオチド(6アミノ酸)位置の比較ウィンドウにわたる、度々、少なくとも24−48ヌクレオチド(8−16アミノ酸)位置のウィンドウにわたる参照配列と比して、少なくとも85パーセント配列相同性、好ましくは少なくとも90〜95パーセント配列相同性、より好ましくは少なくとも99パーセント配列相同性を有する配列を含み、ここで、配列相同性の割合は、参照配列と、20パーセント以下の参照配列を比較ウィンドウにわたって総計する欠落または付加を含み得る配列とを比較することにより算出される。参照配列は、より大きい配列のサブセットであり得る。
【0089】
本願明細書において用いられるところ、20種の従来のアミノ酸およびそれらの略語は、従来の使用法に従う。本願明細書において参照により援用される、「Immunology - A Synthesis」(第2版、E.S. GolubおよびD.R. Gren編、「Sinauer Associates」、マサチューセッツ州サンダーランド(Sunderland,Mass.)(1991年))を参照のこと。20種の従来のアミノ酸の立体異性体(例えばD−アミノ酸)(α−、α−二置換アミノ酸、N−アルキルアミノ酸、乳酸、および他の特殊なアミノ酸などの非天然アミノ酸)がまた、本発明のポリペプチドについての好適な成分であり得る。特殊なアミノ酸の例としては:4−ヒドロキシプロリン、γ−カルボキシグルタメート、ε−N,N,N−トリメチルリシン、ε−N−アセチルリシン、O−ホスホセリン、N−アセチルセリン、N−ホルミルチオニン、3−メチルヒスチジン、5−ヒドロキシリシン、σ−N−メチルアルギニンおよび他の類似のアミノ酸およびイミノ酸(例えば4−ヒドロキシプロリン)が挙げられる。本願明細書において用いるポリペプチド表記においては、標準使用法および慣習に基づいて、左側方向がアミノ末端方向であり、右側方向がカルボキシ−末端方向である。
【0090】
同様に、他に明記されていない限りにおいて、単鎖ポリヌクレオチド配列の左側末端は5’末端であり、二重鎖ポリヌクレオチド配列の左側方向は5’方向と称される。新生RNA転写物の5’〜3’付加の方向は転写方向と称され;RNAと同一の配列を有するDNAストランド上の配列領域であって、RNA転写物の5’〜5’末端であるものが「上流配列」と称され、RNAと同一の配列を有するDNAストランド上の配列領域であって、RNA転写物の3’〜3’末端であるものが「下流配列」と称される。
【0091】
ポリペプチドに適用されるところ、用語「実質的に相同性」とは、2つのペプチド配列が、プログラムGAPまたはBESTFITなどにより最適に配置されたときに、デフォルトギャップ重量を用いて、少なくとも80パーセント配列相同性、好ましくは少なくとも90パーセント配列相同性、より好ましくは少なくとも95パーセント配列相同性、および最も好ましくは少なくとも99パーセント配列相同性を共有することを意味する。好ましくは、同一でない残渣位置は、同類アミノ酸置換によって異なる。同類アミノ酸置換は、類似の側鎖を有する残渣の可換性を指す。例えば、脂肪族側鎖を有するアミノ酸の群は、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、およびイソロイシンであり;脂肪族−ヒドロキシル側鎖を有するアミノ酸の群は、セリンおよびスレオニンであり;アミド−含有側鎖を有するアミノ酸の群は、アスパラギンおよびグルタミンであり;芳香族側鎖を有するアミノ酸の群は、フェニルアラニン、チロシン、およびトリプトファンであり;塩基性側鎖を有するアミノ酸の群は、リシン、アルギニン、およびヒスチジンであり;および硫黄含有側鎖を有するアミノ酸の群は、システインおよびメチオニンである。好ましい同類アミノ酸置換基は:バリン−ロイシン−イソロイシン、フェニルアラニン−チロシン、リシン−アルギニン、アラニン−バリン、グルタミン−アスパラギン、およびアスパラギン−グルタミンである。
【0092】
本願明細書において考察されているとおり、抗体または免疫グロブリン分子のアミノ酸配列における軽微偏差は本発明によって包含されているとして予期されているが、ただし、アミノ酸配列における偏差は、本願明細書に記載の抗体または免疫グロブリン分子と少なくとも75%、より好ましくは少なくとも80%、90%、95%、および最も好ましくは99%配列相同性を維持する。特に、同類アミノ酸置き換えが予期されている。同類置き換えは、関連する側鎖を有するアミノ酸のファミリー内において起きるものである。遺伝的にコードされたアミノ酸は、一般に:(1)酸性=アスパルテート、グルタメート;(2)塩基性=リシン、アルギニン、ヒスチジン;(3)非極性=アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン;および(4)非荷電極性=グリシン、アスパラギン、グルタミン、システイン、セリン、スレオニン、チロシンのファミリーに区分される。より好ましいファミリーは:セリンおよびスレオニンは脂肪族−ヒドロキシファミリーであり;アスパラギンおよびグルタミンはアミド含有ファミリーであり;アラニン、バリン、ロイシンおよびイソロイシンは脂肪族ファミリーであり;およびフェニルアラニン、トリプトファン、およびチロシンは芳香族ファミリーである。例えば、ロイシンとイソロイシンまたはバリンとの、アスパルテートとグルタメートとの、スレオニンとセリンとの独立した置き換え、またはアミノ酸と構造的に関連したアミノ酸との類似の置き換えは、置き換えがフレームワーク部位中のアミノ酸を含まない場合に特に、結合機能または得られる分子の特性に大きな効力を有さないであろうことは、理にかなっている。アミノ酸の変化が機能性ペプチドをもたらすかどうかは、ポリペプチド誘導体の特定の活性をアッセイすることにより、容易に判定することができる。アッセイは、本願明細書において詳細に記載されている。抗体または免疫グロブリン分子のフラグメントまたは類似体は、当業者によって容易に調製されることができる。フラグメントまたは類似体の好ましいアミノ−およびカルボキシ−終端は、機能性ドメインの境界付近に生じる。構造的および機能的ドメインは、ヌクレオチドおよび/またはアミノ酸配列データを、公共または私有の配列データベースと比較することにより、同定されることができる。好ましくは、コンピュータ化比較方法が、公知の構造および/または機能の他のタンパク質中に生じる配列モチーフまたは推測されたタンパク質コンフォメーションドメインを同定するために用いられる。公知の三次元構造に折り畳まれるタンパク質配列を同定する方法が公知である。Bowieら、「Science」、253:164(1991年)。それ故、前述の例は、当業者は、本願明細書に記載の抗体に基づいて構造的および機能的ドメインを定義するために用いられ得る配列モチーフおよび構造的コンフォメーションを認識することができることを例示している。
【0093】
好ましいアミノ酸置換は:(1)タンパク質分解に対する感受性を低減させ、(2)酸化に対する感受性を低減させ、(3)タンパク質複合体を形成するための結合親和性を変化させ、(4)結合親和性を変化させ、および(4)このような類似体の他の物理化学的または機能性特性を与えまたは修飾させるものである。類似体は、自然に発生するペプチド配列以外の配列の種々のムテインを含むことができる。例えば、単一または多重アミノ酸置換(好ましくは同類アミノ酸置換)は、自然に発生する配列において(好ましくは、分子間接触を形成するドメインの外側のポリペプチドの部分において)形成され得る。保存アミノ酸置換は、親配列の構造的特徴を実質的に変化させるべきではない(例えば、置き換えアミノ酸は、親配列に生じるヘリックスを破壊、または親配列を特徴づける他のタイプの二次構造を分裂させる傾向にあるべきではない)。技術分野において認識されているポリペプチド二次および三次構造の例が、「Proteins, Structures and Molecular Principles」(Creighton編、W. H. Freeman and Company、ニューヨーク(New York)(1984年));「Introduction to Protein Structure」(C. BrandenおよびJ. Tooze編、Garland Publishing、ニューヨーク州ニューヨーク(New York,N.Y.)(1991年));およびThorntonら、「Nature」354:105(1991年)に記載されており、これらは各々、本願明細書において参照により援用される。
【0094】
用語「ポリペプチドフラグメント」は、本願明細書において用いられるところ、アミノ−末端および/またはカルボキシ−末端欠失を有するが、残りのアミノ酸配列が、例えば完全長cDNA配列から推定される自然に発生する配列における対応する位置と等しいポリペプチドを指す。フラグメントは、典型的には、少なくとも5、6、8または10アミノ酸長、好ましくは少なくとも14アミノ酸長、より好ましくは少なくとも20アミノ酸長、通常は少なくとも50アミノ酸長、およびさらにより好ましくは少なくとも70アミノ酸長である。用語「類似体」は、本願明細書において用いられるところ、推定されたアミノ酸配列の部分と実質的な相同性を有すると共に以下の特性の少なくとも1つを有する、少なくとも25アミノ酸の断片から構成されるポリペプチドを指す:(1)好適な結合条件下でのCD20に対する特異的結合、(2)CD20を発現する細胞のアポトーシスの誘起能、(3)抗体依存細胞傷害活性(ADCC)の誘発能、または(4)補体依存性細胞傷害作用(CDC)の誘起能。典型的には、ポリペプチド類似体は、自然に発生する配列に関して保存アミノ酸置換(または付加または除去)を有する。類似体は、典型的には、少なくとも20アミノ酸長、好ましくは少なくとも50アミノ酸長以上であり、および度々、自然に発生する完全長ポリペプチドと同等の長さであることができる。
【0095】
ペプチド類似体は、通例、鋳型ペプチドのものと類似の特性を具える非ペプチド薬として、医薬品産業において用いられる。これらのタイプの非ペプチド化合物は、「ペプチド模倣薬(peptide mimetics)」または「ペプチド模倣薬(peptidomimetics)」と呼ばれる。本願明細書において参照により援用される、Fauchere, 「J. Adv. Drug Res.」15:29(1986年); VeberおよびFreidinger、「TINS」392ページ(1985年);およびEvansら、「J. Med. Chem.」30:1229(1987年)。このような化合物が、度々、コンピュータ化分子モデリングの補助を伴って開発されている。治療的に有用なペプチドに構造的に類似するペプチド模倣薬(peptide mimetics)は、均等な治療的または予防的効力をもたらすために用いられ得る。一般に、ペプチド模倣薬(peptidomimetics)は、ヒト抗体などのパラダイムポリペプチド(すなわち、生化学的特性または薬理学的を有するポリペプチド)に構造的に類似しているが、技術分野において周知である方法によって、−CHNH−、−CHS−、−CH−CH−、−CH=CH−(シスおよびトランス)、−COCH−、−CH(OH)CH−、および−CHSO−からなる群から選択されるリンケージによって任意により置き換えられる1つまたは複数のペプチドリンケージを有する。同一のタイプのD−アミノ酸を有するコンセンサス配列の、1つまたは複数のアミノ酸の系統的な置換(例えば、L−リシンの代わりにD−リシン)が、より安定なペプチドの生成に用いられ得る。さらに、コンセンサス配列または実質的に同一であるコンセンサス配列バリエーションを含む制約されたペプチドは、技術分野において公知である方法(本願明細書において参照により援用される、RizoおよびGierasch、「Ann. Rev. Biochem.」61:387(1992年));例えば、ペプチドを環化させる分子間ジスルフィド橋架けを形成することができる内部システイン残渣を付加することにより、生成され得る。
【0096】
本願明細書において用いられるところ、用語「抗体」は、内部表面形状と抗原の抗原決定因子の特質に補完的な電荷分布とを具える、三次元結合空隙を有するポリペプチド鎖の折り畳みから形成される少なくとも1つの結合ドメインから構成される、ポリペプチドまたはポリペプチドの群を指す。抗体は、典型的には、ポリペプチド鎖の同一のペアの2つを含むテトラマー形態を有し、各ペアは1つの「軽鎖」および1つの「重鎖」を有する。各軽鎖/重鎖ペアの可変領域は抗体結合部位を形成する。
【0097】
本願明細書において用いられるところ、「標的結合剤」は、標的部位に優先的に結合する抗体、またはその結合フラグメントである。一実施形態において、標的結合剤は、1つの標的部位にのみ特異的である。他の実施形態において、標的結合剤は、2つ以上の標的部位に特異的である。一実施形態において、標的結合剤はモノクローナル抗体であり得、および標的部位はエピトープであり得る。
【0098】
抗体の「結合フラグメント」は、組み換え型DNA技術により、または無処置抗体の酵素的または化学的開裂により産生される。結合フラグメントとしては、Fab、Fab’、F(ab’)、Fv、および単一鎖抗体が挙げられる。「二重特異性」または「二官能性」抗体以外の抗体は、同一のその結合部位の各々を有すると考えられている。抗体は、過剰量の抗体が、対受容体に結合される受容体の量を少なくとも約20%、40%、60%または80%、およびより通常は約85%を超えて(インビトロ競合的結合アッセイにおいて計測される)低減させる場合に、受容体の対受容体に対する接着を実質的に阻害する。
【0099】
抗体は、単独でまたは公知の技術によって提供された他のアミノ酸配列との組み合わせのいずれかでの、オリゴクローナル、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、キメラ抗体、CDR−グラフト化抗体、マルチ特異性抗体、二重特異性抗体、触媒性抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、完全ヒト抗体、抗イディオタイプ抗体および可溶形態または結合形態において標識化されることができる抗体、ならびにそれらのフラグメント、変異体または誘導体であり得る。抗体はいずれの種からのものであり得る。用語抗体はまた、本発明の抗体の結合フラグメントを含み、例示的なフラグメントはFv、Fab、Fab’、単鎖の抗体(svFC)、二量体可変領域(二重特異性抗体)およびジスルフィド安定化可変領域(dsFv)を含む。
【0100】
用語「エピトープ」は、免疫グロブリンまたはT細胞受容体に特異的に結合することができるいずれかのタンパク質決定因子を含む。エピトープ決定因子は、通常は、アミノ酸または糖質側鎖などの分子の化学的に活性な表面グルーピングからなり、および、常にではないが、特定の三次元構造的特徴、ならびに特定の電荷特徴を有し得る。抗体は、解離定数は≦1μM、好ましくは≦100nMおよび最も好ましくは≦10nMであるときに抗原を特異的に結合すると言われている。
【0101】
用語「剤」は、本願明細書において、化学的化合物、化学的化合物の混合物、生物学的巨大分子、または生物学的材料からの抽出物を表すために用いられている。
【0102】
CD20ポリペプチドに関して「活性」または「活性度」は、原生CD20ポリペプチドの生物学的または免疫学的活性を有するCD20ポリペプチドの部分を指す。「生物学的」は、本願明細書において用いられるとき、原生CD20ポリペプチドの活性からもたらされる生物学的機能を指す。好ましいCD20生物活性は、例えば、Bリンパ球増殖を含む。
【0103】
「哺乳動物」は、本願明細書において用いられるとき、哺乳動物と見なされるいずれかの動物を指す。好ましくは、哺乳動物はヒトである。
【0104】
酵素、パパインでの抗体の消化は、抗原結合活性を有さないが結晶化能を有する「Fab」フラグメント、および「Fc」フラグメントとしても知られている、2つの同一の抗原−結合フラグメントをもたらす。酵素、ペプシンでの抗体の消化は、抗体分子の2つの尾部がリンクされたままであり、2つの−抗原結合部位を含む、F(ab’)フラグメントをもたらす。F(ab’)フラグメントは、抗原の架橋能を有する。
【0105】
「Fv」は、本願明細書において用いられるとき、抗原認識および抗原−結合部位の両方を維持する抗体の最小フラグメントを指す。
【0106】
「Fab」は、本願明細書において用いられるとき、軽鎖の定常ドメインおよび重鎖のCH1ドメインを含む抗体のフラグメントを指す。
【0107】
用語「mAb」は、モノクローナル抗体を指す。
【0108】
「リポソーム」は、本願明細書において用いられるとき、本発明のCD20ポリペプチドまたはこのようなCD20ポリペプチドへの抗体を含み得る薬の哺乳動物への送達に有用であり得る小ベシクルを指す。
【0109】
「標識」または「標識化」は、本願明細書において用いられるところ、例えば、放射標識、蛍光標識、化学発光標識化酵素的標識またはビオチニル基といったポリペプチドへの検出可能部位の付加を指す。放射性同位体または放射性核種はH、14C、15N、35S、90Y、99Tc、111In、125I、131Iを含み得、蛍光標識はローダミン、ランタニド蛍光体またはFITCを含み得、および酵素的標識は、西洋わさびペルオキシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、ルシフェラーゼ、アルカリホスファターゼを含み得る。
【0110】
用語「医薬品剤または薬」は、本願明細書において用いられるところ、患者に適当に投与された場合に所望の治療的効力を誘起することができる化学的化合物または組成物を指す。明細書における他の化学的用語は、「The McGraw-Hill Dictionary of Chemical Terms」(Parker, S.編、McGraw-Hill、サンフランシスコ(San Francisco)(1985年))(本願明細書において参照により援用される)によって例示されるとおり、技術分野における従来の使用法に基づいて用いられている。
【0111】
本願明細書において用いられるところ、「実質的に純粋」とは、対象の種が、存在する主な種(すなわち、モル濃度に基づいて、組成物中における他のいずれの個別の種よりも豊富である)であることを意味し、好ましくは、実質的に精製された分画は、対象種が、存在するすべての巨大分子種の少なくとも約50パーセント(モル濃度で)を構成する組成物である。一般に、実質的に純粋な組成物は、組成物中に存在するすべての巨大分子種の約80パーセント超を構成し、より好ましくは約85%、90%、95%、および99%超を構成するであろう。最も好ましくは、対象種は、基本的に均質性精製され(従来の検出方法では組成物中に汚染物種を検出することができない)、ここで、組成物は、基本的において、単一の巨大分子種からなる。
【0112】
「抗体依存細胞媒介傷害活性」および「ADCC」は、Ig Fc受容体(FcR)(例えばナチュラルキラー(NK)細胞、単球、好中球、およびマクロファージ)を発現する非特異的細胞障害性細胞が標的細胞上の結合抗体を認識し、およびその後標的細胞の溶解を生じる細胞媒介反応を指す。ADCCを媒介する主な細胞であるNK細胞は、FcγRIIIのみを発現する一方、単球は、FcγRI、FcγRIIおよびFcγRIIIを発現する。造血細胞でのFcR発現は、RavetchおよびKinet、「Annu. Rev. Immunol」 9:457〜92ページ(1991年)の464ページの表3にまとめられている。関心のある分子のADCC活性を評価するために、米国特許第5,500,362号明細書、または米国特許第5,821,337号明細書に記載のものなどのインビトロADCCアッセイを実施することができる。このようなアッセイに有用なエフェクター細胞としては、末梢血単核球(PBMC)およびナチュラルキラー(NK)細胞が挙げられる。あるいは、または、さらに、関心のある分子のADCC活性は、インビボで、例えば、Clynesら、「PNAS(USA)」95:652〜656ページ(1988年)において開示されているものなどの動物モデルにおいて評価することができる。
【0113】
「補体依存性細胞傷害作用」および「CDC」は、抗体が、それらの細胞死滅機能を行うメカニズムを指す。これは、補体の第1の成分の構成成分C1qの、抗原との複合体(Hughs-Jones, N.C.、およびB. Gardner.1979年。「Mol. Immunol.」16:697)である、Igs、IgGまたはIgMのFcドメインとの結合によって開始される。C1qは、ヒト血清中に、70μg/mlの濃度で存在する約410kDaの大型の構造的複合体糖タンパク質(Cooper, N.R.1985年。「Adv. Immunol.」37:151)である。2種のセリンプロテアーゼC1rおよびC1sと共に、C1qは、補体の第1の成分である複合体C1を形成する。C1qのN−末端球状頭部の少なくとも2つは、C1活性のために、従って、補体カスケードの開始のためにIgsのFcに結合していなければならない(Cooper、N.R.、1985年。「Adv. Immunol.」37:151)。
【0114】
「全血アッセイ」は、未分画化血液を天然エフェクターのソースとして用いる。血液は、多形核細胞(PMN)および単核細胞(MNC)などのFcR発現細胞性エフェクターと共に、補体をプラズマ中に含有する。それ故、全血アッセイは、ADCCおよびCDCエフェクターメカニズムの両方のインビトロでの相乗作用の同時の評価を許容する。
【0115】
用語「患者」は、ヒトおよび獣医学的対象を含む。
【0116】
抗体構造
塩基性抗体構造的単位はテトラマーを含むことが公知である。各テトラマーは、ポリペプチド鎖の2つの同一のペアから構成されており、各ペアは、1つの「軽鎖」(約25kDa)および1つの「重鎖」(約50−70kDa)を有する。各鎖のアミノ末端部分は、抗原認識に主に関与する、約100〜110以上のアミノ酸の可変領域を含む。各鎖のカルボキシ末端部分は、エフェクター機能に主に関与する定常領域を定義する。ヒト軽鎖は、κおよびλ軽鎖として分類される。重鎖は、μ、δ、γ、α、またはεとして分類され、抗体のアイソタイプを、それぞれ、IgM、IgD、IgA、およびIgEとして定義する。軽鎖および重鎖中において、可変および定常領域は、約12以上のアミノ酸の「J」領域によって、約10以上のアミノ酸の「D」領域をも含む重鎖と共に、接続される。一般に、「Fundamental Immunology Ch. 7」(Paul, W.編、第2版、Raven Press、ニューヨーク(N.Y.)(1989年))(すべての目的のために、その全体が参照により援用されている)を参照のこと。各軽鎖/重鎖ペアの可変領域は、抗体結合部位を形成する。
【0117】
それ故、無処置抗体は2つの結合部位を有する。二官能性または二重特異性抗体を除いて、2つの結合部位は同一である。
【0118】
鎖は、すべて、相補性決定領域またはCDRとも呼ばれる3つの高頻度可変領域によって接続された比較的保存のフレームワーク領域(FR)の同一の一般構造を示す。各ペアの2つの鎖からのCDRはフレームワーク領域によって整列されて、特定のエピトープへの結合が可能とされる。N−末端からC−末端までに、軽鎖および重鎖の両方は、ドメインFR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3およびFR4を含む。アミノ酸の各ドメインへの割当は、Kabat、「Sequences of Proteins of Immunological Interest」(National Institutes of Health、メリーランド州ベテスダ(Bethesda,Md.)(1987年および1991年))、またはChothia & Lesk「J. Mol. Biol.」196:901〜917ページ(1987年);Chothiaら、「Nature」342:878〜883ページ(1989年)の定義に従う。
【0119】
二重特異性または二官能性抗体は、2つの異なる重鎖/軽鎖ペアおよび2つの異なる結合部位を有する人工ハイブリッド抗体である。二重特異性抗体は、ハイブリドーマの融合またはFab’フラグメントのリンクを含む多様な方法によって産生されることができる。例えば、Songsivilai & Lachmann、「Clin. Exp. Immunol.」79:315〜321ページ(1990年)、Kostelnyら、「J. Immunol.」148:1547〜1553ページ(1992年)を参照のこと。二重特異性抗体は、単一結合部位(例えば、Fab、Fab’、およびFv)を有するフラグメントの形態では存在しない。
【0120】
ヒト抗体および抗体のヒト化
ヒト抗体は、マウスまたはラット可変および/または定常領域を有する抗体に付随する問題のいくつかを回避する。このようなマウスまたはラット由来タンパク質の存在は、抗体の急速なクリアランスをもたらす可能性があり、または患者による、抗体に対する免疫応答の発生をもたらす可能性がある。マウスまたはラット由来抗体の使用を回避するために、完全ヒト抗体は、げっ歯類、他の哺乳動物または動物が完全ヒト抗体を産生するよう、機能性ヒト抗体座位のげっ歯類、他の哺乳動物または動物への導入を介して生成されることができる。
【0121】
完全ヒト抗体を生成するための1つの方法は、ヒト重鎖座位およびκ軽鎖座位の1000kbサイズまでであって未満の生殖系列構成フラグメントを含有するよう操作されたマウスのXenoMouse(登録商標)菌株の使用を介するものである。XenoMouse(登録商標)菌株は、Abgenix, Inc.(カルフォルニア州フレモント(Fremont,CA))から入手可能である。このようなマウスは、次いで、ヒト免疫グロブリン分子および抗体を産生することが可能であり、およびマウス免疫グロブリン分子および抗体の産生に欠く。これを達成するために用いられるテクノロジーは、1996年12月3日出願の米国特許出願第08/759,620号明細書および1998年6月11日公開の国際公開第98/24893号パンフレットおよび2000年12月21日公開の国際公開第00/76310号パンフレットに開示されており、この開示は、参照により本願明細書によって援用されている。また、その開示が参照により本願明細書によって援用されている、Mendezら、「Nature Genetics」、15:146〜156ページ(1997年)も参照のこと。
【0122】
一般には、融合ハイブリドーマによって産生された抗体は、完全ヒトκまたはλ軽鎖を有するヒトIgG1またはIgG4重鎖であった。抗体はまた、IgG2重鎖を含む他のヒトアイソタイプであることができる。抗体は高い親和性を備え、FACS−ベースの親和性計測技術において細胞に対して形成されるとき、典型的には約10−6から約10−12Mまたはそれ未満のKdを有する。親和性はまた、固体相および溶液相技術によって計測されることができる。一実施形態において、本願明細書に記載の抗体は、12nM未満のKdでCD20に結合し、およびBリンパ球のアポトーシスを誘起する。いくつかの実施形態において、抗体は、約10、9、8、7、6、5、または4nM未満のKdでCD20に結合する。
【0123】
理解されるであろうとおり、抗CD20抗体は、ハイブリドーマ株細胞以外の株細胞において発現されることができる。特定の抗体をコードする配列は、好適な哺乳類宿主細胞を形質転換するために用いられることができる。形質転換は、例えばウイルス(またはウイルス性ベクター)中へのポリヌクレオチドのパッケージングおよび宿主細胞のウイルス(またはベクター)への形質導入を含むポリヌクレオチドを宿主細胞に導入するためのいずれかの公知の方法によることができ、または米国特許第4,399,216号明細書、米国特許第4,912,040号明細書、米国特許第4,740,461号明細書、および米国特許第4,959,455号明細書(これらの特許は本願明細書において参照により援用される)によって例示される、技術分野において公知である形質移入法によることができる。用いられる形質転換法は、形質転換される宿主に依存する。異種ポリヌクレオチドを哺乳類細胞に導入するための方法は、技術分野において周知であり、およびデキストラン−媒介形質移入、カルシウムリン酸沈殿、ポリブレン媒介形質移入、プロトプラスト融合、エレクトロポレーション、ポリヌクレオチドのリポソームへの封入、およびDNAの核への直接微量注入が挙げられる。
【0124】
発現のための宿主として入手可能な哺乳類株細胞は技術分野において周知であって、American Type Culture Collection(ATCC)から入手可能である多くの不死化株細胞を含み、特に限定されないが、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)細胞、HeLa細胞、ベビーハムスター腎臓細胞(BHK)細胞、サル腎臓細胞(COS)、ヒト肝細胞癌細胞(例えば、Hep G2)、ヒト上皮性腎臓293細胞、および多数の他の株細胞が挙げられる。特に好ましい株細胞は、どの株細胞が高発現レベルを有すると共に恒常的CD20結合特性を有する抗体を産生するかを判定して選択される。
【0125】
抗CD20抗体は、患者サンプルにおけるCD20の検出において有用であり、従って、本願明細書に記載の疾病状態についての診断上有用である。さらに、それらのアポトーシス誘起能、ADCC誘発能、および/またはCDC誘起能(以下の実施例において実施されているとおり)に基づいて、抗CD20抗体は、B細胞でのCD20発現からもたらされる症状および条件の治療において治療的効力を有する。特定の実施形態において、本願明細書における抗体および方法は、CD20誘起腫瘍成長からもたらされる症状の治療に関する。さらなる実施形態は、B細胞慢性リンパ性白血病(CLL)、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、B細胞前リンパ球性白血病、リンパ形質細胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫(MCL)、低悪性度、中悪性度および高悪性度濾胞性リンパ腫(FL)を含むFL、皮膚濾胞中心リンパ腫、近縁帯Bリンパ腫(MALTタイプ、結節性および脾臓タイプ)、有毛細胞白血病、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、形質細胞腫、形質細胞性骨髄腫、移植後リンパ増殖性障害、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、および未分化大細胞型リンパ腫(ALCL)などの前駆体B細胞リンパ芽球性白血病/リンパ腫および成熟B細胞腫瘍を含む、NHLなどの腫瘍性疾患を治療するための本願明細書に記載の抗体の使用および方法を含む。さらに、例としては、リツキシマブ治療後の再発性または治療抵抗性B−NHLが挙げられる。免疫疾患としては、クローン病、ウェゲナー肉芽腫症、乾癬、乾癬性関節炎、皮膚炎、全身性強皮症および硬化症、炎症性腸疾患(IBD)、潰瘍性大腸炎、呼吸促迫症候群、髄膜脳炎、ブドウ膜炎、糸球体腎炎、湿疹、喘息、アテローム性動脈硬化、白血球粘着不全症、多発性硬化症、レイノー症候群、シェーグレン症候群、若年発症糖尿病、ライター病、ベーチェット病、免疫複合体性腎炎、IgA腎症、IgM多発ニューロパシー;急性特発性血小板減少性紫斑病および慢性的特発性血小板減少性紫斑病などの免疫介在性血小板減少症、溶血性貧血、重症筋無力症、ループス腎炎、全身性エリテマトーデス、関節リウマチ(RA)、アトピー性皮膚炎、天疱瘡、グレーブス病、橋本甲状腺炎、オーメン症候群、慢性的腎不全、急性感染性単核球症、HIV、およびヘルペスウイルス関連疾病が挙げられる。追加の障害としては、重症急性呼吸促迫症候群および脈絡網膜炎が挙げられる。他の例は、エプスタインバーウイルス(EBV)などのウイルスでのB細胞の感染症により引き起こされる疾病および障害である。
【0126】
抗体配列
本発明の実施形態は、以下の表1に列挙された特定の抗CD20抗体を含む。この表は、対応する重鎖および軽鎖遺伝子の可変領域の配列番号と共に、各抗CD20抗体の識別番号を報告する。
【0127】
各抗体に、1つまたは2つの小数点によって区切られた2つまたは3つの数字を含む識別番号を付与した。いくつかの場合において、1つの小数点で区切られた2つの識別番号のみが列挙されている。しかしながら、いくつかの場合において、1つの抗体の数々のクローンを調製した。クローンは、親配列と同一の核酸およびアミノ酸配列を有するが、これらもまた、第2の小数点の右側の数字によって示されるクローン番号と共に、個別に列挙され得る。それ故、例えば、抗体1.2の核酸およびアミノ酸配列は、抗体1.2.1、1.2.2、および1.2.3の配列と同一である。
【0128】
【表1−1】

【表1−2】

【表1−3】

【表1−4】

【0129】
治療的投与および配合物
抗CD20抗体は、CD20発現に関連する症状および条件の治療において治療的効力を有することができる。例えば、抗体は、CD20を発現する細胞のアポトーシスを誘起することができ、これにより腫瘍成長を阻害し、または抗体は、剤と結合されて、致死的な毒素を標的細胞に送達することができる。さらに、抗CD20抗体は、疾病状態、特に腫瘍性および免疫疾患についての診断上有用である。
【0130】
所望の場合には、例えば異なるアイソタイプの生物学的特性を生かすために、抗CD20抗体のアイソタイプは転換されることができる。例えば、いくつかの状況において、CD20に対する治療的抗体としての抗体の生成に関連して、抗体は、補体に結合し、および補体依存性細胞傷害作用(CDC)に関与することができることが望ましい場合がある。限定されないが、以下の:マウスIgM、マウスIgG2a、マウスIgG2b、マウスIgG3、ヒトIgM、ヒトIgA、ヒトIgG1、およびヒトIgG3を含む、同じことができる多数の抗体のアイソタイプがある。他の実施形態において、CD20に対する治療的抗体としての抗体の生成に関連して、抗体は、Fc受容体をエフェクター細胞に結合することができ、抗体依存傷害作用(ADCC)に関与することが望ましい場合がある。限定されないが、以下の:マウスIgG2a、マウスIgG2b、マウスIgG3、ヒトIgG1、およびヒトIgG3を含む、同じことができる多数の抗体のアイソタイプがある。生成される抗体は、初めからアイソタイプを具える必要はなく、むしろ、生成された抗体はいずれかのアイソタイプを具えることができ、および抗体はその後、技術分野において周知である従来の技術用いてアイソタイプ転換されることができることが認識されるであろう。このような技術は、とりわけ、直接的組み換え型技術(例えば、米国特許第4,816,397号明細書を参照のこと)、細胞−細胞融合技術(例えば、米国特許第5,916,771号明細書および米国特許第6,207,418号明細書を参照のこと)の使用を含む。
【0131】
例として、本願明細書において考察される抗CD20抗体は、完全ヒト抗体である。抗体がCD20に対する所望の結合を具える場合には、これは、容易にアイソタイプ転換されて、同一の可変領域(抗体の特異性およびその親和性のいくらかを定義する)をいまだ具えるヒトIgM、ヒトIgG1、またはヒトIgG3アイソタイプが生成されることができる。次いで、このような分子は、補体に結合すること、およびCDCに関与することが可能であり、および/またはエフェクター細胞上のFc受容体に結合すること、およびADCCに関与することが可能であるであろう。
【0132】
細胞−細胞融合技術において、ミエローマ、CHO細胞または他の株細胞はいずれかの所望のアイソタイプを有する重鎖を具えて調製され、および他のミエローマ、CHO細胞または他の株細胞は、軽鎖を具えて調製される。このような細胞は、従って融合されることができ、および無処置抗体を発現する株細胞は単離されることができる。
【0133】
従って、上記に考察されるとおりの所望の「構造的」性状を満たす抗体候補が生成されるに伴って、これらは、一般に、少なくとも一定の所望の「機能性」性状が、アイソタイプ転換を介して提供されていることができる。
【0134】
本発明の実施形態は、疾病についての治療に有用である、抗CD20抗体の無菌医薬品配合物を含む。このような配合物は、Bリンパ腫細胞アポトーシスを誘起し、これにより、例えば、CD20発現が異常に上昇している、またはCD20発現細胞が疾病状態を媒介する病理学的条件を効果的に治療する。抗CD20抗体は、好ましくは、特異的にCD20に結合する適切な親和性を具え、および好ましくは、ヒトでの低頻度での投与を許容する作用の適切な持続時間を有する。作用の遷延性の持続時間は、低い頻度での、皮下または筋肉内注入などの代替的な非経口的な径路によるより簡便な投与計画を許容するであろう。
【0135】
無菌配合物は、例えば、抗体の凍結乾燥および再構成の前または後の無菌ろ過膜を通したろ過によって、形成されることができる。抗体は、通常は、凍結乾燥形態または溶液中に保管されるであろう。治療的抗体組成物は、一般に、例えば、静脈内溶液バッグまたは、皮下注入針で貫通可能なストッパーなどの配合物の回収を許容するアダプターを有するバイアルといった、無菌アクセスポートを有するコンテナ中に入れられる。
【0136】
抗体投与経路は、公知の方法に従う(例えば、静脈内、腹腔内、脳内、筋肉内、眼内、動脈内、髄腔内、吸入または病巣内経路、あるいは以下に注記されている徐放システムによる注入または点滴)。抗体は、好ましくは、点滴またはボーラス注入により連続的に投与される。
【0137】
治療的に用いられる抗体の有効量は、例えば、治療目的、投与経路、および患者の条件に依存するであろう。従って、セラピストが投与量をタイタリングし、最適な治療的効力を得るために求められるとおり投与経路を変更することが好ましい。典型的には、臨床医は、所望の効力が達成される投与量に達するまで抗体を投与するであろう。この治療の進行は、従来のアッセイによって、または本願明細書に記載のアッセイによって容易に監視される。
【0138】
本願明細書に記載の抗体は、混合物中に、薬剤的に許容可能なキャリアと共に調製されることができる。この治療的組成物は、静脈内に、または鼻または肺を介して、好ましくは液体または粉末エアロゾル(凍結乾燥された)として投与されることができる。組成物はまた、所望に応じて、非経口的または皮下に投与されることができる。全身的に投与されるとき、治療的組成物は、無菌、パイロジェンフリーであるべきであり、およびpH、等張性、および安定性について正当な注意を払った非経口的に許容可能な溶液中にあるべきである。これらの条件は、当業者に公知である。簡潔には、本願明細書に記載の化合物の投与処方物は、所望の純度を有する化合物を、生理学的に許容可能なキャリア、賦形物、または安定化剤と混合することにより、保管または投与のために調製される。このような材料は、使用される投与量および濃度でレシピエントに無毒であり、およびTRIS HCl、リン酸、クエン酸、酢酸および他の有機酸塩などの緩衝剤;アスコルビン酸などの酸化防止剤;ポリアルギニンなどの低分子量(約10残渣未満)ペプチド、血清アルブミン、膠、または免疫グロブリンなどのタンパク質;ポリビニルピロリジノンなどの親水性ポリマー;グリシン、グルタミン酸、アスパラギン酸、またはアルギニンなどのアミノ酸;セルロースまたはその誘導体、グルコース、マンノース、またはデキストリンを含む単糖、二糖、および他の炭化水素;EDTAなどのキレート化剤;マンニトールまたはソルビトールなどの糖質アルコール;ナトリウムなどの対イオンおよび/またはTWEEN、PLURONICSまたはポリエチレングリコールなどのノニオン性界面活性剤が挙げられる。
【0139】
注入用の無菌組成物は、Remington:「The Science and Practice of Pharmacy」(第20版、Lippincott Williams & Wilkens Publishers(2003年))に記載の従来の製薬習慣に基づいて配合されることができる。例えば、活性化合物の、水または自然に生じるゴマ、ピーナッツ、または綿実油のような植物油、またはエチルオレアート等のような合成脂肪ビヒクルなどのビヒクル中での溶解または懸濁が所望であることができる。緩衝剤、防腐剤、酸化防止剤等が、製薬慣習で許容されるものに基づいて組み込まれることができる。
【0140】
徐放性調製物の好適な例としては、ポリペプチドを含有する固体疎水性ポリマーの半透性マトリックスが挙げられ、このマトリックスは、付形物品、フィルムまたはマイクロカプセルの形態である。徐放性マトリックスの例としては、ポリエステル、ヒドロゲル(例えば、Langerら、「J. Biomed Mater. Res.」、(1981年)15:167〜277ページおよびLanger、「Chem. Tech.」、(1982年)12:98〜105ページに記載のポリ(2−ヒドロキシエチル−メタクリレート)、またはポリ(ビニルアルコール))、ポリ乳酸(米国特許第3,773,919号明細書、欧州特許第58,481号明細書)、L−グルタミン酸およびγエチル−L−グルタメートのコポリマー(Sidmanら、「Biopolymers」、(1983年)22:547〜556ページ)、非分解性エチレン−ビニルアセテート(前述のLangerら)、LUPRON Depot(商標)(乳酸−グリコール酸コポリマーおよびリュープロリド酢酸から構成される注入可能微小球)などの分解性乳酸−グリコール酸コポリマー、およびポリ−D−(−)−3−ヒドロキシ酪酸(欧州特許第133,988号明細書)が挙げられる。
【0141】
エチレン−ビニル酢酸および乳酸−グリコール酸などのポリマーは、100日間にわたる分子の放出を可能とするが、一定のヒドロゲルは、タンパク質をより短期間で放出する。被包性タンパク質が体中に長期にわたって残されると、これらは、37℃での水分への露出の結果変性または凝集する可能性があり、生物活性の損失および免疫原性の変化の可能性をもたらす。関わるメカニズムに応じて、合理的なストラテジーを、タンパク質安定化について考案することができる。例えば、凝集メカニズムがジスルフィド交換を介する分子間S−S結合形成であると見出された場合、安定化は、スルフヒドリル残渣の修飾、酸性溶液からの凍結乾燥、水分含有量の制御、適切な添加剤の使用、および特定のポリマーマトリックス組成物の展開によって達成することができる。
【0142】
徐放性組成物はまた、結晶を懸濁に維持することができる好適な配合物中に懸濁された抗体の結晶の調製物を有する。これらの調製物は、皮下または腹腔内に注入されたとき、徐放効力をもたらすことができる。他の組成物はまた、リポゾーム封入抗体を含む。このような抗体を含有するリポソームは、それ自体公知である方法によって調製される:米国特許第DE3,218,121号明細書;Epsteinら、「Proc. Natl. Acad. Sci. USA」、(1985年)82:3688〜3692; Hwangら、「Proc. Natl. Acad. Sci. USA」、(1980年)77:4030〜4034ページ;欧州特許第52,322号明細書;欧州特許第36,676号明細書;欧州特許第88,046号明細書;欧州特許第143,949号明細書;欧州特許第142,641号明細書;特開昭58−118008号公報;米国特許第4,485,045号明細書および米国特許第4,544,545号明細書;および欧州特許第102,324号明細書。
【0143】
所与の患者に対する抗体配合物の投与量は、担当の内科医によって、重症度および疾病のタイプ、体重、性別、食事、時間および投与経路、他の薬物適用および他の関連する臨床的要因を含む薬の作用を変化させると知られている種々の要因を考慮することにより判定されるであろう。治療的有効量は、インビトロまたはインビボ方法の一方によって判定されることができる。
【0144】
治療的に用いられる本願明細書に記載の抗体の有効量は、例えば、治療目的、投与経路、および患者の条件に依存することとなる。従って、セラピストが投与量をタイタリングして、最適な治療的効力を得るために求められるとおり投与経路を変更することが好ましい。典型的な一日量は、上述の要因に応じて、約0.001mg/kgから、100mg/kg以下または超の範囲であり得る。典型的には、臨床医は、所望の効力が達成される投与量に達するまで治療的抗体を投与するであろう。この治療の進行は、従来のアッセイまたは本願明細書に記載のとおり容易に監視される。
【0145】
本願明細書における組成物および方法に基づく治療的実体の投与は、向上した伝達、送達、許容誤差等を提供するために配合物に組み込まれる、好適なキャリア、賦形物、および他の剤と共に投与されることとなることが認識されるであろう。これらの配合物としては、例えば、粉末、ペースト、軟膏剤、ゼリー、ワックス、油、脂質、ベシクルを含有する脂質(カチオン性またはアニオン性)(Lipofectin(商標)などの)、DNA複合物、無水吸収ペースト、水中油型および油中水型エマルジョン、エマルジョンカーボワックス(種々の分子量のポリエチレングリコール)、半固体ゲル、およびカーボワックスを含有する半固体混合物が挙げられる。前述の混合物のいずれかが、本発明に基づく治療および療法において適切であることが可能であるが、ただし、配合物における活性構成要素は配合物によって不活性化されておらず、配合物は生理学的に適合性であると共に投与経路で容認可能である。Baldrick P. 「「Pharmaceutical excipient development: the need for preclinical guidance.」 Regul. Toxicol. Pharmacol.」32(2):210〜8ページ(2000年)、Wang W.「「Lyophilization and development of solid protein pharmaceuticals.」Int. J. Pharm.」203(1−2):1〜60ページ(2000年)、Charman WN 「「Lipids, lipophilic drugs, and oral drug delivery-some emerging concepts.」 J Pharm Sci.」89(8):967〜78ページ(2000年)、Powellら「「Compendium of excipients for parenteral formulations」PDA J Pharm Sci Technol.」52:238〜311ページ(1998年)および製薬化学者に周知である配合物、賦形物およびキャリアに関する追加の情報のためのそれら中の引用文献もまた参照のこと。
【0146】
他の治療薬の設計および生成
本発明に基づいて、およびCD20に関して本願明細書において産生されおよび特徴づけられる抗体の活性をベースとして、他の治療的モダリティの設計は促進されおよび当業者に開示される。このようなモダリティとしては、限定されないが、二重特異性抗体、免疫毒素、放射性標識化治療薬、および単一抗体Vドメイン、V領域骨格以外をベースとする抗体様結合剤、ペプチド治療薬の生成、遺伝子療法、特に細胞内抗体、アンチセンス治療薬、および小分子などの先進的抗体治療薬が挙げられる。
【0147】
補体結合が所望の性状である先進的抗体治療薬の生成に関して、例えば二重特異性、免疫毒素、または放射標識の使用を介する細胞死滅についての補体における依存関係を回避することが可能である場合がある。
【0148】
例えば、二重特異性抗体は、(i)共に複合物化された、一方がCD20に、他方が第2の分子に特異性を有する2つの抗体、(ii)CD20に特異的である一方の鎖および第2の分子に特異的である他方の鎖を有する単一の抗体、または(iii)CD20および他の分子の両方に対して特異性を有する単一鎖抗体を含んで生成されることができる。このような二重特異性抗体は、周知である技術を用いて生成されることができ;例えば、(i)および(ii)に関しては、例えば、Fangerら「Immunol Methods」4:72〜81ページ(1994年)ならびに、前述のWrightおよびHarrisを、および(iii)に関しては、例えば、Trauneckerら「Int. J. Cancer(追補)」7:51〜52ページ(1992年)を参照のこと。各場合において、第2の特異性は、所望に応じて形成されることができる。例えば、第2の特異性は、限定されないが、CD16またはCD64(例えばDeoら18:127(1997年)を参照のこと)またはCD89(例えばValeriusら、「Blood」90:4485〜4492ページ(1997年)を参照のこと)を含む重鎖活性化受容体に対して形成されることができる。
【0149】
抗体はまた、技術分野において周知である技術を利用して、修飾されて、免疫毒素として作用されることもできる。例えば、Vitetta、「Immunol Today」14:252(1993年)を参照のこと。米国特許第5,194,594号明細書もまた参照のこと。放射性標識化抗体の調製に関して、このような修飾抗体はまた、技術分野において周知である技術を利用して、容易に調製されることができる。例えば、「Cancer Chemotherapy and Biotherapy」655〜686ページ(第2版、ChafherおよびLongo編、Lippincott Raven(1996年))におけるJunghansらを参照のこと。米国特許第4,681,581号明細書、米国特許第4,735,210号明細書、米国特許第5,101,827号明細書、米国特許第5,102,990号明細書(RE35,500)、米国特許第5,648,471号明細書、および米国特許第5,697,902号明細書もまた参照のこと。免疫毒素および放射性標識化分子の各々は、所望の多量体酵素サブユニットオリゴマー化ドメインを発現する細胞を死滅させる可能性があるであろう。いくつかの実施形態においては、有効量の抗体を、薬剤的に許容可能なキャリアまたは希釈剤と関連して含む医薬品組成物が提供される。
【0150】
いくつかの実施形態において、抗CD20抗体は、剤(例えば、放射性同位体、医薬品組成物、または毒素)にリンクされている。好ましくは、このような抗体は、疾病の治療のために用いられることができ、このような疾病は、CD20を発現する細胞またはCD20を過剰発現する細胞に関することができる。例えば、薬は、有糸分裂阻害薬、アルキル化、代謝拮抗物質、血管新生抑制、アポトーシス、アルカロイド、COX−2、および抗生物質剤およびこれらの組み合わせの群から選択される医薬品特性を備えることが予期される。薬は、ナイトロジェンマスタード、エチレンイミン誘導体、アルキルスルホン酸塩、ニトロソ尿素、トリアゼン、葉酸類似体、アントラサイクリン、タキサン、COX−2抑制剤、ピリミジン類似体、プリン類似体、代謝拮抗薬、抗生物質、酵素、エピポドフィロトキシン、白金配位複合体、ビンカアルカロイド、置換尿素、メチルヒドラジン誘導体、副腎皮質抑制薬、アンタゴニスト、エンドスタチン、タキソール、カンプトテシン、オキサリプラチン、ドキソルビシンおよびそれらの類似体、およびこれらの組み合わせの群から選択されることができる。
【0151】
毒素の例としては、さらに、ゲロニン、シュードモナス属(Pseudomonas)外毒素(PE)、PE40、PE38、ジフテリア毒素、リシン、リシン、アブリン、α毒素、サポリン、リボヌクレアーゼ(RNase)、DNase I、ブドウ球菌性エンテロトキシン−A、ヨウシュヤマゴボウ抗ウイルス性タンパク質、ゲロニン、シュードモナス属(Pseudomonas)エンドトキシン、ならびにこれらの誘導体、組み合わせおよび改良が挙げられる。
【0152】
放射性同位体の例としては、局在化および/または治療のために用いられることができるγ−エミッタ、ポジトロン−エミッタ、およびX線エミッタ、および治療のために用いられることができるβ−エミッタおよびα−エミッタが挙げられる。診断、予後診断および病期診断のために有用であると既述の放射性同位体がまた、治療薬について有用である。抗癌または抗白血病剤の非限定的な例としては、ドキソルビシン(アドリアマイシン)、ダウノルビシン(ダウノマイシン)、イダルビシン、デトルビシン、カルミノマイシン、エピルビシン、エソルビシン、およびモルホリノなどのアントラサイクリンおよびこれらの置換誘導体、組み合わせおよび改良が挙げられる。例示的な医薬品剤としては、シス−白金、タキソール、カリチアマイシン、ビンクリスチン、シタラビン(Ara−C)、シクロホスファミド、プレドニゾン、ダウノルビシン、イダルビシン、フルダラビン、クロランブシル、インターフェロンα、ヒドロキシウレア、テモゾロミド、サリドマイド、およびブレオマイシン、およびこれらの誘導体、組み合わせおよび改良が挙げられる。好ましくは、抗癌または抗白血病は、ドキソルビシン、モルホリノドキソルビシン、またはモルホリノダウノルビシンである。
【0153】
当業者によって認識されるであろうとおり、上記実施形態においては、親和性値が重要であることができるが、抗体の特定の機能に応じて、他の要因も同様にまたはより重要であることができる。例えば、免疫毒素(抗体に関連する毒素)について、抗体の標的への結合作用は有用であることができるが、しかしながら、いくつかの実施形態においては、これは、所望の最終結果である細胞への毒素の内部移行である。このように、高い割合での内部移行を含む抗体が、これらの状況においては望ましいことができる。それ故、一実施形態においては、高効率の内部移行での抗体が予期される。内部移行の高効率は、内部移行された抗体の割合として計測されることができ、および低い値から100%であることができる。例えば、異なる実施形態において、0.1〜5、5〜10、10〜20、20〜30、30〜40、40〜45、45〜50、50〜60、60〜70、70〜80、80〜90、90〜99、および99〜100%が高効率であることができる。当業者によって認識されるであろうとおり、所望の効率は、例えば、関連する剤、その領域に投与されることができる抗体の量、抗体−剤複合体の副作用、治療される問題のタイプ(例えば、癌タイプ)および重症度に応じて、異なる実施形態においては異なることができる。
【0154】
他の実施形態において、本願明細書において開示される抗体は、CD20の発現の変化に関連する疾病または障害についてスクリーニングするための、哺乳類組織または細胞におけるCD20発現の検出のためのアッセイキットを提供する。キットは、CD20に結合する抗体および抗原が存在する場合の抗原と抗体の反応を示すための手段を含む。
【0155】
いくつかの実施形態において、製造物品は、抗CD20抗体を含む組成物、および組成物がCD20発現に媒介される疾病の治療に用いられることができることを示す、包装材挿入物またはラベルを含む、コンテナを含んで提供される。好ましくは、哺乳動物および、より好ましくはヒトは、抗CD20抗体を受ける。
【0156】
組み合わせ
本願明細書において定義される抗腫瘍治療は、単独治療として適用され得、または、本発明の化合物に追加して、従来の手術、骨髄および末梢幹細胞移植または放射線療法または化学療法を含み得る。このような化学療法としては、抗腫瘍剤の以下のカテゴリーの1つまたは複数が挙げられ得る:
(i)フルダラビン、2−クロロデオキシアデノシン、クロランブシルまたはドキソルビシンなどの細胞障害性剤、およびフルダラビン+シクロホスファミド、CVP:シクロホスファミド+ビンクリスチン+プレドニゾン、ACVBP:ドキソルビシン+シクロホスファミド+ビンデシン+ブレオマイシン+プレドニゾン、CHOP:シクロホスファミド+ドキソルビシン+ビンクリスチン+プレドニゾン、CNOP:シクロホスファミド+ミトキサントロン+ビンクリスチン+プレドニゾン、m−BACOD:メトトレキサート+ブレオマイシン+ドキソルビシン+シクロホスファミド+ビンクリスチン+デキサメタゾン+ロイコボリン、MACOP−B:メトトレキサート+ドキソルビシン+シクロホスファミド+ビンクリスチン+プレドニゾン固定投与量+ブレオマイシン+ロイコボリン、またはProMACE CytaBOM:プレドニゾン+ドキソルビシン+シクロホスファミド+エトポシド+シタラビン+ブレオマイシン+ビンクリスチン+メトトレキサート+ロイコボリンなどのこれらの組み合わせ。
(ii)癌細胞侵襲を阻害する剤(例えばマリマスタットのようなメタロプロテイナーゼ抑制剤およびウロキナーゼプラスミノーゲン活性化因子受容体機能の抑制剤);
(iii)増殖因子または生存シグナル機能抑制剤であって、例えばこのような抑制剤としては、増殖因子抗体(例えばB−LySに指向された抗体)、増殖因子受容体抗体(例えばCD40またはTRAIL受容体TRAILR1およびTRAILR2に指向された抗体)、ファルネシルトランスフェラーゼ抑制剤またはチロシンキナーゼ抑制剤およびセリン/スレオニンキナーゼ抑制剤、MEK抑制剤、Bcl−2、Bcl−XL例えばABT−737などの生存シグナルタンパク質の抑制剤;
(iv)血管性内皮増殖因子の効力を阻害するものなどの血管新生抑制剤(例えば抗血管性内皮細胞増殖因子抗体ベバシズマブ[Avastin(商標)]、抗KDR抗体および抗flt1抗体などの抗血管性内皮増殖因子受容体抗体、国際公開第97/22596号パンフレット、国際公開第97/30035号パンフレット、国際公開第97/3285号パンフレット、国際公開第98/13354号パンフレット、国際公開第00/47212号パンフレットおよび国際公開第01/32651号パンフレットに開示のものなどの化合物)および他のメカニズムによって作用する化合物(例えばlinomide、インテグリンavb3機能およびアンジオスタチンの抑制剤);
(v)コンブレタスタチンA4および、国際公開第99/02166号パンフレット、国際公開第00/40529号パンフレット、国際公開第00/41669号パンフレット、国際公開第01/92224号パンフレット、国際公開第02/04434号パンフレットおよび国際公開第02/08213号パンフレットに開示の化合物などの血管性傷害剤;
(vi)G−3139(Genasense)、抗bcl2アンチセンスなどの、例えば上記に列挙した標的に指向化されたものといったアンチセンス療法;
(vii)例えば、異常p53または異常BRCA1またはBRCA2などの異常遺伝子を置き換えるアプローチ、シトシンデアミナーゼ、チミジンキナーゼまたは細菌性ニトロ還元酵素酵素を用いるものなどのGDEPT(遺伝子指向化酵素プロドラッグ治療)アプローチ、およびマルチ薬剤耐性遺伝子治療などの化学療法または放射線療法に対する患者許容誤差を増加させるアプローチを含む遺伝子治療アプローチ;および
(viii)例えばアレムツズマブ(campath−1H(商標))、CD52で指向化されたモノクローナル抗体での治療、またはCD22で指向化された抗体での治療、患者腫瘍細胞の免疫原性を増加させるエキソビボおよびインビボアプローチ、インターロイキン2、インターロイキン4または顆粒球マクロファージコロニー刺激因子などのサイトカインでの形質移入、CTLA−4機能を阻害するモノクローナル抗体での治療などのT細胞アネルジーを低減させるアプローチ、サイトカイン形質移入樹状細胞などの形質移入された免疫細胞を用いるアプローチ、サイトカイン形質移入化腫瘍株細胞を用いるアプローチおよび抗イディオタイプ抗体を用いるアプローチを含む、免疫療法アプローチ。
(ix)Velcade(ボルテゾミブ)などのポロテアソーム抑制剤などのタンパク質分解の抑制剤。
(x)例えば、受容体リガンド、受容体に結合するブロックリガンドを隔離する、または受容体シグナルを低減させる(例えば増強された受容体分解または低下された発現レベルによる)ペプチドまたはタンパク質(抗体または可溶性外部受容体ドメイン構成などの)を用いるものといった生物学的薬物治療的アプローチ。
【0157】
本発明の一実施形態において、本発明の抗腫瘍性治療は、血管性内皮増殖因子(VEGF)(例えば抗血管性内皮の細胞増殖因子抗体ベバシズマブ(Avastin(登録商標))、抗KDR抗体および抗flt1抗体などの抗血管性内皮増殖因子受容体抗体、国際公開第97/22596号パンフレット、国際公開第97/30035号パンフレット、国際公開第97/3285号パンフレット、国際公開第98/13354号パンフレット、国際公開第00/47212号パンフレットおよび国際公開第01/32651号パンフレットに開示のものなどの化合物)および他のメカニズムによって作用する化合物(例えばlinomide、インテグリンavb3機能およびアンジオスタチンの抑制剤)の効力を阻害する剤と組み合わされており、本発明の他の実施形態において、本発明の抗血管新生治療は、血管性内皮増殖因子受容体、KDR(例えばAZD2171またはAZD6474)のチロシンキナーゼ活性を阻害する混合剤である。AZD2171の追加の詳細は、Wedgeら(2005年)「Cancer Research」、65(10):4389〜400ページに見出され得る。AZD6474の追加の詳細は、Ryan & Wedge(2005年)「British Journal of Cancer」、92追補1:S6−13に見出され得る。両方の刊行物は、本願明細書において、それらの全体が参照により援用される。本発明の他の実施形態において、完全ヒト抗体1.1.2、1.5.3、2.1.2は、単独で、またはAvastin(登録商標)AZD2171またはAZD6474との組み合わせで組み合わせられる。
【0158】
このような併合治療は、治療の個別の成分の、同時的、順次的または個別の投与法によって達成され得る。このような組み合わせ産生物は、本発明の化合物、または薬剤的に許容可能なその塩を、本願明細書中前述の投与量範囲内で、および他の薬学的に活性な剤をその認可された投与量範囲内で用いる。
【実施例】
【0159】
実施した実験および達成された実施を含む以下の実施例は例示的目的のだけために提供されており、および本願明細書における教示を限定すると解釈されるべきではない。
【0160】
実施例1
免疫化およびタイタリング
ヒトCD20プラスミドのクローン化
全RNAを、RNAzol B RNA単離溶液(Tel−テスト、INC、テキサス州フレンズウッド(Friendswood,TX))を用いて、製造業者の説明書に従ってラージ細胞から単離し、および260nmでの紫外吸収によって定量化した(Bio-RAD smartspec(商標)3000)。2マイクログラムの全RNAを、単鎖cDNA合成キット(GIBCO-BRL)で、製造業者の説明書に従ってランダムに刺激した。単鎖のcDNAをTaq DNAポリメラーゼ(QIAGEN、カリフォルニア州バレンシア(Valencia,CA)を用いて、オレゴヌクレオチドプライマー(Operon、アラバマ州ハンツビル(Huntsville,AL))で以下のとおり増幅した:
順方向プライマー:5’−TCAGGAGTTTTGAGAGCAAAATG−3’(配列番号137)および
逆方向プライマー:5’−AACAGAAGAAATCACTTAAGGAG−3’。配列番号138)
【0161】
PCR条件は以下のとおりであった:94℃で5分初期変性、94℃30秒の30サイクル、55℃で45秒、72℃で1分および72℃で10分間延長一サイクル。
【0162】
PCR産生物を、アガロースゲル電気泳動法によって分解し、Qiaquickゲル抽出キット(QIAGEN、カリフォルニア州バレンシア(Valencia,CA))を用いて単離し、およびT4リガーゼ(New England Biolabs、マサチューセッツ州ビバリー(Beverly,MA))で、pCR3.1双方向性真核生物TA発現ベクター(Invitrogen、カリフォルニア州カールスバッド(Carlsbad,CA))に連結した。トップ10F’大腸菌(Escherichia coli)菌株を、形質転換のために用いた。アンピシリンに耐性であるクローンを細菌中に増殖させ、およびEcoRI(New England Biolabs、マサチューセッツ州ビバリー(Beverly,MA))での消化により、1kbインサートの存在について評価した。すべてのPCR増幅産生物を、3100 Genetic Analyzer(PE Biosystems、カリフォルニア州フォスターシティ(Foster City,CA))でのBigDyeターミネータ方法を用いて、正確なDNA配列を保証するために配列した。
【0163】
細胞および形質移入
HEK293FおよびCHO K1細胞を、10%FBS、2mM L−グルタミン、50μM BME、100単位ペニシリン−g/ml、100単位MCGストレプトマイシン/mlを追加したDMEM/F12(50/50混合)培地中に増殖させた。ヒトCD20/pCR3.1プラスミドを、HEK293FおよびCHO K1細胞に、LipofectAMINE 2000 Reagent(Invitrogen、カリフォルニア州カールスバッド(Carlsbad,CA))を製造業者の説明書に従って用いて形質移入した。形質移入を48時間進行させ、続いて、1mg/ml G418(Invitrogen、カリフォルニア州カールスバッド(Carlsbad,CA))で2週間セレクションした。安定G418耐性クローンを、1次マウス抗ヒトCD20モノクローナル抗体(BD)で染色し、続いて、ヤギ抗マウスIgG(CalTag Laboratories、カリフォルニア州バーリンガム(Burlingame,CA))をPE複合物化し、およびFACSによって、FACS Vantage(BD、ニュージャージー州フランクリンレイクス(Franklin Lakes,NJ))で分析した。
【0164】
免疫化
ヒト癌株細胞ラモス、ダウディおよびCD20−CHO細胞において発現されたCD20を抗原として用いた。CD20に対するモノクローナル抗体を、XenoMouse(登録商標)マウス(XenoMouse菌株:XM3B3:IgG1K、XM3B3L3:IgG1KL、XM3B3L:IgG1L、XM3C−1:IgG4K、XM3C−1L3:IgG4KL、およびXM3C−1L:IgG4L、Abgenix, Inc.、カリフォルニア州フレモント(Fremont,CA))を順番に免疫化することにより発生させた。XenoMouse動物は、従来の手段によるすべての注入について、足蹠経路を介して免疫化した。各注入の総体積は、マウス当たり50μl、足蹠当たり25μlであった。
【0165】
実施例2
リンパ球、B細胞単離、融合物の回収およびハイブリドーマの生成
選択した免疫化マウスを子宮頚部の転移によって犠牲にし、および排出リンパ節を採取し、および各コホートからプールした。リンパ球細胞を、DMEM中に粉砕することにより分離して、細胞を組織から放出させ、および細胞をDMEM中に懸濁させた。細胞を計数し、および0.9ml DMEM/1億のリンパ球を細胞ペレットに添加して、細胞を穏やかにかつ完全に再懸濁させた。100μlのCD90+磁性ビーズ/1億細胞を用いて、細胞を、細胞を磁性ビーズと共に4℃で15分間インキュベートすることにより標識化した。10以下の陽性細胞(または2×10以下の総細胞)を含有する、磁性的に標識化した細胞懸濁液をLS+カラムにロードし、およびカラムをDMEMで洗浄した。総溶出液を、CD90−陰性分画(これらの細胞ほとんどは、B細胞であると予想された)として回収した。
【0166】
洗浄した濃縮した上記からのB細胞と、ATCC(カタログ番号CRL1580)(Kearneyら、「J. Immunol.」123、1979年、1548〜1550ページ)から購入した非分泌性ミエローマP3X63Ag8.653細胞とを、1:1の比で混合することにより融合を実施した。細胞混合物を、800×gで遠心分離により穏やかにペレット化した。上清の完全な除去の後、細胞を、2〜4mLのPronase溶液(CalBiochem、カタログ番号53702;PBS中に0.5mg/mL)で、2分間未満処理した。次いで、3〜5mlのFBSを添加して酵素活性を停止させ、および懸濁液を、電気細胞融合溶液、ECFS(0.3Mスクロース、Sigma、カタログ番号S7903、0.1mM酢酸マグネシウム、Sigma、カタログ番号M2545、0.1mM酢酸カルシウム、Sigma、カタログ番号C4705)を用いて、40mLの総体積に調整した。上清を遠心分離後に除去し、および細胞を40mL ECFS中に再懸濁させた。この洗浄ステップを繰り返し、および細胞を、再度、ECFS中に、2×10細胞/mLの濃度に再懸濁させた。
【0167】
電気細胞融合は、融合発電機、モデルECM2001、Genetronic, Inc.、カリフォルニア州サンディエゴ(San Diego,CA)を用いて実施した。用いた融合チャンバサイズは2.0mLであり、以下の機器設定を用いた:アラインメント条件:電圧:50V、時間:50秒;メンブラン破壊:電圧:3000V、時間:30μ秒;融合後保持時間:3秒。
【0168】
ECFの後、細胞懸濁液を注意深く無菌条件下の融合チャンバから取り出し、およびL−グルタミン、pen/strep、OPI(オキサロ酢酸、ピルビン酸、ウシインスリン)(すべてのSigma製)およびIL−6(Boehringer Mannheim)が追加された、同一体積のハイブリドーマ培養培地(DMEM(JRH Biosciences)、15%FBS(Hyclone)を含有する無菌チューブに移した。細胞を、15〜30分間37℃でインキュベートし、および次いで、400×g(1000rpm)で5分間遠心分離した。細胞を、小容量のハイブリドーマセレクション培地(0.5×HA(Sigma、カタログ番号A9666)が追加されたハイブリドーマ培養培地)中に穏やかに再懸濁させ、ならびに、合計で5×10B細胞の最終プレーティング/96−ウェルプレートおよび200μL/ウェルに基づいて、さらなるハイブリドーマセレクション培地で体積を適切に調整した。細胞を穏やかに混合し、96−ウェルプレートにピペットし、および増殖させた。7日目または10日目には、半分の培地を除去し、および細胞を、ハイブリドーマセレクション培地で再給餌した。
【0169】
実施例3
FMATおよびFACSによる候補抗体のセレクション
14日間の培養の後、ハイブリドーマ上清を、組み換え型CHO−ヒトCD20形質移入細胞に対してスクリーニングし、および親CHO細胞に対して対−スクリーニングすることにより、CD20−特異的モノクローナル抗体について蛍光定量的微体積アッセイテクノロジー(FMAT)でスクリーニングした。
【0170】
一次スクリーニングに基づく陽性ハイブリドーマ細胞成長ウェルからの培養上清を除去し、およびCD20陽性ハイブリドーマ細胞を新鮮なハイブリドーマ培養培地に懸濁させ、および24−ウェルプレートに移した。2日間培養した後、これらの上清は、二次確認スクリーニングへの準備ができた。二次確認スクリーニングにおいては、抗CD20抗体が完全ヒトであることを確認するために、一次スクリーニングにおける陽性を、個別に用いた2セットまたは3セットの検出抗体:ヒトγ鎖検出用に、1.25μg/ml GAH−γ Cy5(JIR109−176−098番);ヒトκ軽鎖検出用に1.25μg/ml GAH−κPE(S.B2063−09番)および、ヒトλ軽鎖検出用に1.25μg/ml GAH−λPE(S.B.2073−09番)と共にFACSによってスクリーニングした。
【0171】
78完全ヒトIgG/κまたはIgG/λCD20特異的モノクローナル抗体を生成した。
【0172】
【表2】

【0173】
実施例4
アポトーシス活性
2つの実験的アプローチを実行してスクリーニングし、およびラモスヒトリンパ腫株細胞中にアポトーシス促進活性を示す抗体系統を同定した。より具体的には、アポトーシス活性を、CellTiterGloアッセイを用いて、およびヨウ化プロピジウム/ヘキスト染色と併せて自動化蛍光顕微鏡により評価した。
【0174】
簡潔には、CellTiterGloアッセイ(ウィスコンシン州マディソン(Madison,WI)のPromega)について、ラモス細胞をATCCから得、および10%FBS、1%ナトリウムピルビン酸、および1%HEPES緩衝剤を追加したRPMI培地中に維持した。細胞を、96−ウェルプレート中に、100,000細胞/ml(100μl/ウェル)の濃度で播種した。細胞を、37℃および5%COで72時間インキュベートした。アッセイを、抗体を添加し、およびキットに提供された説明書のとおり実施した後、72時間で停止させた。細胞を、抗体ハイブリドーマ上清で、1または10μg/mlの濃度で、二次架橋抗体の存在下、または非存在下で処理した。アイソタイプ(IgG1およびIgG4)ならびにRituxan(登録商標)(リツキシマブ−Genentech Inc.)およびB1(Beckman Coulter、フロリダ州マイアミ(Miami,FL))抗体を、対照として用いた。(注記:透析を抗体で実施して、ストック緩衝剤溶液(0.10%アジ化ナトリウム)からアジ化ナトリウムを除去した。)治療サンプルについての生存割合の判定は、対照サンプル(すなわち無治療)の100%生存の標準化に基づいていた。
【0175】
ヨウ化プロピジウム/ヘキスト染色試験について、細胞を、100,000細胞/ml(50μl/ウェル)の濃度で96−ウェルプレート中に播種した。細胞を、37℃および5%COで48時間インキュベートした。細胞を、5000ng/ml〜8ng/mlの範囲の濃度でのタイタリング中に、抗体ハイブリドーマ上清(Protein A Sepharoseカラムで、続いてPBS中での透析によって精製した)で処理した。すべての実験を、二次架橋抗体の存在下(N=2)または非存在下(N=1)に、重複して行った。アイソタイプ(IgG1および希釈剤対照)ならびにリツキシマブおよびB1抗体を対照として用いた。48時間のインキュベーション後、細胞を、PI/ヘキストで染色し、および自動化蛍光顕微鏡を用いて可視化した。アポトーシス割合を、PI陽性細胞の数(アポトーシス性)対ヘキスト陽性細胞の数(合計)の比を取ることにより判定した。
【0176】
CellTiterGlo分析について、細胞を重複して播種し、および平均の標準誤差を、Excelソフトウェアを用いて判定した。ヨウ化プロピジウム/ヘキスト染色分析について、平均値は重複点から生成した。これらの平均を用いて、用量反応曲線を生成し、およびこれらの曲線を、アイソタイプおよび希釈剤対照で比較してアポトーシス活性を評価した。
【0177】
要約すれば、この試験は、25ハイブリドーマ上清の総計を調べた。分析は、抗CD20抗体ハイブリドーマ系統の大部分は前述のアッセイにおいてアポトーシス活性を示すことを明らかにした。合計で22系統をクローン化のために選択した。
【0178】
【表3−1】

【表3−2】

【0179】
【表4】

【0180】
上述のプロセスは、各サンプル中に存在するハイブリドーマ系列の数が1つ〜数々〜多数で異なるオリゴクローナル混合物を産生することが認められるべきである。各ウェル中において、1つのCD20−特異的抗体系列/ハイブリドーマの混合物がある可能性がある。さらに、オリゴクローナル混合物中の実際の抗原−特異性細胞は、それらの産生能(それらが産生および分泌する抗体の量)において広く異なることができる。アッセイにおける強いシグナルは、抗体の高濃度、標的に対して高い親和性を有する抗体、またはこれらの要因の組み合わせの結果であることができる。それ故、これらのアッセイから定量的結果が供される一方で、これらの結果は、「陽性」対「陰性」の方法で、数々の得られたデータ点に注目すると共にこれらを対照と比較して、解釈される。
【0181】
クローン化を、融合1および2(抗体はIgG1であった)から回収したすべての系統で開始した。融合3および4からの系統を、系統3.6、4.1、および4.7を除いて単独でクローン化した。
【0182】
実施例5
アポトーシスアッセイ:架橋剤無しでのCELLTITERGLO生存度アッセイ
存在する生存細胞の数に相関する、細胞中に存在するATPの量を判定するために、CellTiterGloアッセイを実施した。簡潔には、リンパ腫(ラモス)細胞を、Costar96ウェル平底プレート(カタログ番号3603)に、10,000細胞/ウェルで、50μlの体積中に播種した。一次抗体を、25μl/ウェルとして、組織培養培地に添加し、および細胞と共に10分間室温でインキュベートした。インキュベーションの後、CellTiter Glo試薬(Promegaカタログ番号G7571)を細胞に添加し、および10分間室温で、暗中でインキュベートした。プレートをプロトコル説明書のとおり読み取った。結果は、図1(72時間での2つのうちのプレート1)および2(72時間での2つのうちのプレート2)に示されており、および以下の表5および6にまとめられている。太字の値は、リツキシマブ対照より優れているEC50値を示す。
【0183】
実施例6
アポトーシスアッセイ:架橋剤無しでのALAMAR BLUE生存度アッセイ
ラモス細胞におけるアポトーシスを計測するために、Alamar Blue(Biosource、カリフォルニア州カマリロ(Camarillo,CA))生存度アッセイを実施した。Alamar Blueは、代謝活性に応じて変色する酸化還元指示薬である。増殖性細胞の内部環境は、非増殖性細胞のものより還元されている。Alamar Blueは増殖性細胞内で還元され、計測可能な色の変化を伴う。
【0184】
簡潔には、ラモス細胞を、Costar96ウェル平底プレート(カタログ番号3603)に、10,000細胞/50μlで播種した。一次抗体サンプルを、50μl/ウェルとして、組織培養培地中に添加し、および37℃で48時間インキュベートした。10μl/ウェルのAlamar Blue染料を添加し、および一晩37℃でインキュベートした。インキュベーションの後、Victor(Perkin Elmer、マサチューセッツ州ウェルズリー(Wellesley,MA))を用いて蛍光を計測した。
【0185】
結果が図3Aから3D(72時間で)に示されており、および以下の表5および6にまとめられている。太字の値は、リツキシマブ対照より優れているEC5O値を示す。
【0186】
実施例7
アポトーシスアッセイ:架橋剤なしでのWST-1生存度アッセイ
ラモス細胞におけるアポトーシスを計測するために、WST-1(Roche Molecular Biochemicals、インディアナ州インディアナポリス(Indianapolis,IN))生存度アッセイを実施した。WST-1還元アッセイは細胞傷害性の定量化のための比色アッセイであり、生存細胞中のミトコンドリアデヒドロゲナーゼによるWST-1テトラゾリウム塩の開裂に基づく。
【0187】
簡潔には、ラモス細胞を収穫し、計数しおよび完全RPMI成長培地中に、66,667細胞/mlの濃度で再懸濁させた。細胞を、50μl(10,000細胞/ウェル)で、平底プレート(Costar、カタログ番号3595)中に播種した。抗体を、標的細胞に、50μl/ウェルとしての適切な濃度で添加し、および68時間37℃でインキュベートした。10μlWST-1(Roche1 644 807)/ウェルを添加し、および4時間37℃でインキュベートした。プレートを振盪機上に1分置き、および450nmで読み取った。
【0188】
結果が、図4Aから4Dに示されており、および以下の表5および6にまとめられている。太字の値は、リツキシマブ対照より優れているEC5O値を示している。
【0189】
実施例8
アポトーシスアッセイ:架橋剤無しでのアネキシンV/PIアポトーシスアッセイ
リンパ腫細胞を、Costar96ウェル平底プレート(カタログ番号3603)に、200,000細胞/ウェルで、50μlの体積に播種した。一次抗体を25μl/ウェルとして組織培養培地中に添加し、および細胞と共に10分間室温でインキュベートした。インキュベーションの後、プレートを、1,200rpmで5分間遠心分離し、および上清を吸引した。細胞ペレットを、100μl FACS緩衝剤(1×PBS中の2%FBS)中に再懸濁させ、およびプレートを、1,200rpmで5分間遠心分離した。ペレットを、100μlのインキュベーション緩衝剤(95%1×結合緩衝剤、2.5%アネキシンV、2.5%PI)中に再懸濁させ、および10〜15分間室温で、暗中でインキュベートした。インキュベーションの後、タイターチューブ中の体積を、200μlの1×緩衝剤(w/oアネキシンVおよびPI)を添加することにより300μlに増やした。分析を、チャンネルFL−1(アネキシンV)およびFL−3(PI)をFACS Caliburと共に用いて実施した。
【0190】
結果が、図5(24時間での2つのうちのプレート1)および6(24時間での2つのうちのプレート2)に示されており、および以下の表5および6にまとめられている。太字の値は、リツキシマブ対照より優れているEC50値を示す。
【0191】
実施例9
CDCアッセイ
リンパ腫細胞(ラモス、ラージ、またはダウディ)を、Costar96−ウェル平底プレート(カタログ番号3603)に、100,000細胞/ウェルで、25μlの体積に播種した。一次抗体サンプルを、25μl/ウェルとして、組織培養培地中に添加し、および室温で10分間インキュベートした。正常なヒト血清を、10〜50%の濃度で添加し、および成長培地(血清濃度を滴定した)(Advanced Research Technologies、カリフォルニア州サンディエゴ(San Diego,CA)から入手した血清)で希釈し、および37℃で1時間インキュベートした。CellTiter Glo試薬(Promegaカタログ番号G7571)を細胞に添加し、および10分間室温で、暗中でインキュベートした。プレートを、プロトコル説明書どおり読み取った。
【0192】
結果が、図7A〜7D(1時間でのラモス株細胞)、8A〜8D(1時間でのラージ株細胞)、および9A〜9D(1時間でのダウディ株細胞)に示されている。n=3であるリツキシマブおよびIgG1を除いて、すべてのアッセイについてn=2である。平均EC50値が以下の表5および6に示されている。太字の値はリツキシマブ対照より優れているEC50値を示す。
【0193】
実施例10
ヒト抗CD20抗体のADCC
全血(35〜45ml)からのPBMCの単離
PMBCからのNKの濃縮を、RosetteSep(登録商標)Human NK Cell Enrichment反応混液およびプロトコル(カタログ番号15065)を用いて実施した。RosetteSep(登録商標)抗体反応混液は、ヒト全血中の不必要な細胞と多重(RBC)に架橋して、免疫ロゼットを形成する。これは、Ficol-Paque(登録商標)などの浮遊密度培地上に遠心分離されたときにこれらがフリーRBCと共にペレット化されるよう不必要な(ロゼット形成された)細胞の密度を増加させる。所望の細胞は、プラズマおよび浮遊密度培地の間になることはない。
【0194】
簡潔には、ドナーからの全血をヘパリン処置されたまたはEDTAコートされたチューブに回収し、および2.25mlRosetteSep(登録商標)Human NK Cell Enrichment反応混液(カタログ番号15065)と共に、20分間室温で、RosetteSep(登録商標)プロトコルのとおりインキュベートした。サンプルを、次いで、等体積のPBS+2%FBSで希釈し、および30mL血液混合物を、15mL Ficoll(Amersham 17-1440-02)上に、50mLコニカルチューブ内に積層した。チューブを、2150RPM(卓上遠心分離機)で、30分間ブレーキオフで室温で遠心分離した。界面層を、2つの清浄な50mlコニカルチューブに移した。PBS+2%FBSを50mlに添加し、および卓上遠心分離機(Beckman Allegra 6)においてブレーキオンで、1200RPMで10分間遠心分離した。上清を廃棄し、およびペレットを1ml PBS中に再懸濁させ、および氷中に保管した。細胞を、血球計を用いて計数し、および溶液中のNK細胞/mlを[(総細胞/#四分円)×10e4×希釈係数]と判定した。
【0195】
Calcein-AMでの腫瘍標的細胞の標識化
Calcein-AMは、カルセインの細胞透過性バージョンである。これは、カルセインと比して増強された疎水性により、生存細胞の細胞膜を容易に通過する。Calcein-AMが原形質に浸透するとき、これは、細胞中のエステラーゼによって、細胞の内部に良好に維持されるカルセインに加水分解される。それ故、Calcein-AMは、生存細胞を染色する好適なプローブである。カルセインを用いる生存度アッセイは信頼でき、および標準51Cr−放出アッセイと良好に相関する。
【0196】
簡潔には、腫瘍標的細胞(ラモス、ラージ、およびダウディ)を収穫し、および培地中に1×10細胞/mlで再懸濁させた。Calcein-AM(SigmaC1359)を、10μM(2mL細胞中に5μl)の最終濃度に添加した。細胞を、37℃で45分間インキュベートした。細胞を、次いで、1200RPMで10分間スピンし、上清を廃棄し、およびペレットを新鮮な成長培地(2×)中に再懸濁させた。ペレットを、10,000細胞/75μlに再懸濁させた。標的細胞を、75μl(10,000細胞/ウェル)に、丸底プレート(Costar、カタログ番号3799)で播種した。抗体を、次いで、標的細胞に、培地中に希釈した50μl/ウェルとしての適切な濃度で添加して、および30分間室温でインキュベートした。インキュベーションの後、75μlのエフェクター細胞を、100,000細胞/ウェルで添加し、および37℃で4時間インキュベートした。インキュベーションの後、プレートを、1200RPMで5分間スピンさせた。100μL上清を、黒色で、清透な平底プレート(Costar、カタログ番号3603)に移し、および蛍光を計測した。
【0197】
結果が、図10〜12に示されており、および以下の表5および6にまとめられている。太字の値は、リツキシマブ対照より優れているEC50値を示す。
【0198】
リード候補を、テスト抗体がアポトーシス、CDC、およびADCCに対照と比して優れた効力を示した実例の数に基づいて選択した。抗CD20mAb2.1.2、1.1.2、および1.5.3(注記:mAb1.5.3および1.3.3は同一のアミノ酸配列を有することが見出された)を、最高の3つの候補として同定した。
【0199】
【表5】

【0200】
【表6】

【0201】
実施例11
全血アッセイ
calcein−AMでの標的細胞の標識化
腫瘍標的細胞(ラモス、ラージ、ダウディ)を収穫し、および1×10細胞/mlで培地に再懸濁させた。Calcein-AM(Sigma、カタログ番号C1359)を、10μM(2mL細胞中に5μl)の最終濃度に添加し、および37℃で45分間インキュベートした。インキュベーションの後、細胞を、1200RPMで10分間スピンさせ、上清を廃棄し、およびペレットを新鮮な成長培地(2×)中に再懸濁させた。ペレットを、10,000細胞/75μlに再懸濁させた。標的細胞を、次いで、75μl(10,000細胞/ウェル)に、丸底プレート(Costar、カタログ番号3799)に播種した。抗体を、標的細胞に、培地中に希釈された50μl/ウェルとしての適切な濃度で添加し、および30分間室温でインキュベートした。インキュベーションの後、ウェル当たり50μlの全血を添加し、および37℃で4時間インキュベートした。(注記:全血は、ヘパリンを含有するチューブ中に回収した)。インキュベーションの後、プレートを、1200RPMで5分間スピンさせた。100μL上清を、黒色、清透な平底プレート(Costar、カタログ番号3603)に移し、および蛍光を計測した。
【0202】
図13に示されている10μg/mlの出発抗体濃度での全血アッセイにおける細胞傷害性の結果は、1.1.2および2.1.2抗体が、特にラージ株細胞において例示されているとおり、リツキシマブ対照抗体と比してより大きい細胞溶解を媒介していることを例示している。
【0203】
抗CD20mAbのパネルの細胞障害性活性を、EHEBおよびカルパス(Karpas)−422株細胞に対して、未分画化血液を天然エフェクターのソースとして用いて評価した。EHEBは、ヒト慢性的B細胞白血病系統(CLL)であるが、カルパス(Karpas)−422は非ホジキンリンパ腫株細胞である。カルパス(Karpas)−422系統は、既に、リツキシマブおよび補体(Br J Haematol.2001年;114:800〜9)に対して耐性であると報告されている。これらの株細胞を、上記抗体およびリツキシマブに対する相対的感受性を比較するために、アッセイにおいて評価した。図14に示されているデータは、EHEBおよびカルパス(Karpas)−422株細胞の両方はリツキシマブ治療に対して耐性であることを示しているが、しかしながら、抗CD20抗体2.1.2、1.1.2、および1.5.3は、著しく高レベルの細胞溶解を、カルパス(Karpas)−422株細胞において媒介し、ならびに、抗CD20抗体1.1.2、1.5.3、1.10.3.1、および1.11.3.1は、著しく高レベルの細胞溶解をEHEB株細胞において媒介した。
【0204】
溶解活性の比較
これらの知見は、さらに株細胞由来の多数の非ホジキンリンパ腫(ダウディ、ラモス、ARH−77、ナマルバ、ラージ、SC1、WSU−NHL、SU−DHL−4およびカルパス(Karpas)422)および慢性リンパ性白血病(EHEB、JMV−2およびJMV−3)に拡張された。抗CD20抗体のパネルの細胞溶解活性を、抗CD20抗体の活性におけるバリエーションはFcgRIIIa受容体における多形性の関数として異なるため、異なるヒトドナーからの未分画化血液を用いて評価した(「Blood」2002年;99:754〜758ページ)。図15および16に示されるデータは、ドナーおよび株細胞にわたって、抗CD20抗体1.1.2および1.5.3が高レベルの細胞溶解を10μg/mlの抗体濃度で媒介していたことを示している。
【0205】
抗CD20抗体の細胞障害性活性をさらに評価するために、リツキシマブ−媒介補体媒介細胞傷害性に耐性の株細胞を生成、および全血アッセイにおけるモノクローナル抗体1.5.3および1.1.2の活性をテストした。リツキシマブ−耐性ラモスおよびラージ株細胞を、ヒト血清(Research Blood Components、LLC)の増加性濃度の存在下でのリツキシマブに対する3ラウンドの反復的な露出により生成した。ラージおよびラモス(バーキットリンパ腫)細胞はATCCから入手し、および10%FBS、1%ナトリウムピルビン酸および1%HEPES緩衝剤を追加したRPMI培地中に維持した。セレクションの第1のラウンドについて、細胞は、1μg/mlのリツキシマブに、20%ヒト血清の存在下に、37℃で、および5%CO中に16時間露出した。第2のおよび第3のラウンドについて、リツキシマブの濃度を、10および100μg/mlに、それぞれ、50%以下のヒト血清の存在下で増加させた。各ラウンド後、細胞バイアビリティを、Guava ViaCountキット(Guava Technologies, Inc.、米国カリフォルニア州ヘイワード(Hayward,CA,USA))で評価した。リツキシマブ−耐性細胞(RRラージまたはRRラモス)を限定希釈によってクローン化し、クローンを拡大させた。
【0206】
リツキシマブによるCDC媒介活性に対する耐性を各クローンについて確認した。ラージおよびラモス株細胞について生成された3つのクローンにおいて、CD20の発現は保存され、およびFACS分析によって親株細胞と均等であるとみられている。図17は、1または10μg/mlのリツキシマブの存在下にRR1−ラージ細胞が死滅されておらず、その一方で、親ラージ株細胞は感受性のままであることを図示している。対照的に、10μg/mlの1.5.3または1.1.2は、約50%のRR1−ラージ細胞を、この4時間のアッセイ中に溶解させることができた。増加された溶解活性はまた、図18に図示されているとおり、RR1−ラモス、RR6−ラモスおよびRR8−ラモス株細胞において、モノクローナル抗体1.5.3および1.1.2と共に、リツキシマブに比して観察された。
【0207】
実施例12
CD20を発現するSB細胞に結合している7つの精製モノクローナル抗体についてのFACS Kd判定
精製した抗体の、CD20(mAb1.1.2、1.2.1、2.1.2、1.3.3、1.5.3、1.10.3.1、1.13.2)、リツキシマブ(陽性対照)、およびB1に対する親和性は、FACSによって測定した。簡潔には、CD20を発現するSB細胞を、FACS緩衝剤(2%FBS、0.05%NaN)中に、およそ500万個の細胞/mLの濃度で再懸濁させた。HSB細胞をまた、FACS緩衝剤中に、およそ900万個の細胞/mLの濃度で再懸濁させた。細胞を氷上に維持した。精製した抗体を、96−ウェルプレートにおける11ウェルにわたってろ過された1×PBS(2×)中に連続的に希釈した。各列における12番目のウェルは、緩衝剤のみを含有した。1×PBSおよび細胞を、最終体積が30μL/ウェルであると共に各ウェルがおよそ375,000個の細胞を含有するよう各mAbウェルに添加した。mAbについての最終分子濃度範囲は以下のとおりであった:
mAb 濃度
1.1.2 =156−0.304nM
1.2.1 =202−0.098nM
2.1.2 =396−0.387nM
1.3.3 =289−0.283nM
1.5.3 =107−0.104nM
1.10.3.1 =265−0.258nM
1.13.2 =367−0.358nM
リツキシマブ =365−0.356nM
B1 =351−0.343nM
【0208】
プレートをプレート振盪機上に、3時間、4℃で置き、次いでスピンさせ、およびPBSで3回洗浄した。200μLの145nM Cy5ヤギα−ヒトポリクローナル抗体を各ウェルに添加し、および200μLの192nM Cy5ヤギα−マウスポリクローナル抗体をB1抗体と複合体された細胞に添加した。プレートを、次いで、40分間、4℃でインキュベートし、次いでスピンさせ、およびPBSで3回洗浄した。
【0209】
各mAb濃度についての10,000細胞の相乗平均蛍光(GMF)をFACS Calibur機器を用いて測定した。顕著な非特異的結合は、HSB細胞からは明らかではなかった(顕著なシグナル無し)。SB細胞を含有する各列において、12番目のウェル(緩衝剤のみを含有する)からのシグナルを、最初の11のウェルからのシグナルから差し引いた。分子mAb濃度の関数としてのGMFの非線形プロットを、Scientistソフトウェアを用いて、式:
【数1】

を用いて適合させた。
【0210】
上記式において、F=相乗平均蛍光、L=合計分子mAb濃度、P’=任意の蛍光単位に結合されたmAbと関連づける比例定数、およびK=平衡解離定数である。各mAbについて、Kについての推定は、P’およびKは非線形分析において自由に浮遊させられるとして、得た。以下の表は、適合の95%信頼間隔と共に、各mAbについての得られたKを列挙する。mAbは、親和性を低減させるために列挙されている。リツキシマブの、このFACS K分析方法を用いた数々の既述の個別の計測値に基づいて、予期される精度は、標準偏差(バリエーションの係数)に基づいて12%であり、および95%信頼間隔に基づいて30%精度である。しかしながら、精度は各mAbで異なることができる。
【0211】
【表7】

【0212】
実施例13
抗CD20抗体の構造分析
抗体の可変重鎖および可変軽鎖を配列して、それらのDNA配列を判定した。抗CD20抗体についての完全な配列情報が、配列リストに、各γおよびκ鎖組み合わせについてのヌクレオチドおよびアミノ酸配列と共に提供されている。可変重配列を分析して、VHファミリー、D−領域配列およびJ−領域配列を判定した。次いで、配列を翻訳して第一級アミノ酸配列を判定し、および生殖系列VH、DおよびJ−領域配列と比較して体細胞性高頻度変異を評価した。「−」は生殖系列配列との同一性を示す。「#」は、生殖系列中に見出されない抗体配列における追加のアミノ酸を示す。
【0213】
表8は、抗体重鎖領域と、それらの同族生殖系列重鎖領域とを比較する表である。表9は、抗体κ軽鎖領域と、それらの同族生殖系列軽鎖領域とを比較する表である。
【0214】
免疫グロブリン鎖の可変(V)領域は、B細胞個体発生中に機能性可変領域(VDJまたはV)に接続されるマルチ生殖系列DNAセグメントによってコードされている。CD20に対する抗体応答の分子および遺伝的多様性を詳細に試験した。これらのアッセイは、抗CD20抗体に特異的な数々の点を明らかにした。
【0215】
8つのハイブリドーマ融合物から単離したCD20に特異的である36の個別の抗体の分析は、ハイブリドーマの大部分は、同一の重鎖および軽鎖ペアを用いてCD20−特異的抗原結合部位を形成するという判定をもたらした。選択された抗原結合部位は、VH5−51重鎖とペアであるVκA23軽鎖からなる。VκA23軽鎖がVH1−18重鎖とペアである2つのmAbのみを単離した。単一のmAbは、VH6−1重鎖とペアであるVλ V4−3軽鎖を用い、および単一のmAbは、VH1−18とペアであるVλ V2−13を利用していた。
【0216】
VH5優位を、36のハイブリドーマ−由来mAbのうちの31で確認した。VH5−51−由来重鎖を、CDR1およびFR3にわたって広範に変異させた。VH5−51mAbの配列は、置換の異なるパターンおよびCDR3およびJH使用におけるCDR3およびJH使用のバリエーションによって示されるとおりマルチ−再配列イベントを表す。同一の置換が、異なる再配列(例えば、CDR1におけるSer31からAsn31、およびFR3におけるMet93からIle93)からのVH5−51重鎖において見出され、抗原−駆動型セレクションを意味していた。
【0217】
28の分析済mAbは、CD20−特異的結合ドメインの形成においてVκA23−由来軽鎖を用いていた。すべてのVκA23鎖を9−アミノ−酸CDR3で再配列し、およびCDRにおける生殖系列と比して変異化した。21mAbにおいて、単離したA23κ鎖は、突然変異および共有JK4断片使用のパターンに示されるとおり、単一の再配列イベントから誘導されるように思われた。同一の置換が、異なるmAb(CDR1におけるSer32からArg32、CDR2におけるIle56からVal56、およびCDR3におけるMet89からVal89)において見出され、これらの特定の残渣に対する、親和性成熟中のこれらの位置での抗原−駆動型セレクションを示唆していた。
【0218】
アポトーシス促進活性ならびにCDCおよびADCC(上述の)の誘発能によって判定される3つのリードmAb、mAb1.1.2、1.5.3、および2.1.2は、すべてVH5−51重鎖とペアであるVκA23軽鎖を用いる。重鎖および軽鎖の両方を、主にCDR中に変異化した。リード抗体は、ハイブリドーマ中に反復する単一の抗原結合部位ファミリーを表す。
【0219】
【表8−1】

【表8−2】

【表8−3】

【表8−4】

抗CD20抗体重鎖配列
【0220】
【表9−1】

【表9−2】

【表9−3】

【表9−4】

抗CD20抗体軽鎖配列
【0221】
実施例14
正準クラス抗体の判定
Chothiaらは、各免疫グロブリン鎖の高頻度可変領域についての「正準クラス」の観点で抗体構造を説明している(「J Mol Biol.」1987年8月20日;196(4):901〜17ページ)。多様な免疫グロブリンのFabおよびVLフラグメントの原子構造を分析して、それらのアミノ酸配列とそれらの抗原結合部位の三次元構造と間の関係を判定した。Chothiaらは、それらのパッキング、水素結合または異例のφ、ψまたはωコンフォメーションの推定能を介する、高頻度可変領域の主鎖コンフォメーションについての主な原因である残渣は比較的少数であったことを見出した。これらの残渣は、高頻度可変領域内のおよび転換β−シートフレームワークにおける部位で生じることが見出された。不明な構造を有する免疫グロブリンの配列を試験することにより、Chothiaらは、多くの免疫グロブリンが、既知の構造の1つと類似のサイズである高頻度可変領域を有すると共に、追加的に、同一の残渣を観察されたコンフォメーションについての原因である部位で含有していたことを示す。
【0222】
それらの発見は、これらの高頻度可変領域は、既知の構造におけるものと近似するコンフォメーションを有することを意味していた。高頻度可変領域の5つについて、コンフォメーションのレパートリーは、比較的少数の個別の構造的クラスに制限されているように思われた。これらの通例生じる高頻度可変領域の主鎖コンフォメーションは、「正準構造」と呼ばれる。Chothiaらによるさらなる研究(「Nature」、1989年12月21日〜28日;342(6252):877〜83ページ)および他(Martinら「J Mol Biol.」1996年11月15日;263(5):800〜15ページ)は、抗体の6つの高頻度可変領域の少なくとも5つについて、主鎖コンフォメーションの小さいレパートリーがあることが確認されている。
【0223】
上述の各抗体のCDRを分析してそれらの正準クラスを判定した。公知であるとおり、正準クラスは、抗体軽鎖のCDR1、CDR2およびCDR3と共に、抗体重鎖のCDR1およびCDR2についてのみ割り当てられている。以下の表は分析の結果をまとめている。正準クラスデータは、HCDR1−HCDR2−LCDR1−LCDR2−LCDR3(H1−H2−L1−L2−L3)の形態であり、ここで、「HCDR」は重鎖CDRを指し、「LCDR」は軽鎖CDRを指す。それ故、例えば、1−3−2−1−5の正準クラスは、正準クラス1に属するHCDR1、正準クラス3に属するHCDR2、正準クラス2に属するLCDR1、正準クラス1に属するLCDR2、および正準クラス5に属するLCDR3を有する抗体を指す。
【0224】
割り当ては、抗体配列が各正準クラスについて定義された主要アミノ酸に適合する特定の正準クラスに成された。各抗体について定義されたアミノ酸は、例えば、Chothiaらによる上に参照した論文において見出すことができる。表10および表11は、CD20抗体の各々についての正準クラスデータを報告する。同一のCDR長さを有する正準クラスとの適合がなかった場合、正準クラス割り当ては、「s18」(CDRが18のサイズであることを意味する)などのように文字sおよび数字で標記される。CDRの構造が、定義された正準クラスに類似するがおそらく偏差を伴うと推測される場合、正準クラス割り当ては、「^」で標記されている。重鎖または軽鎖の一方について配列データを入手できなかった場合、正準クラスは「Z」で標記されている。
【0225】
【表10−1】

【表10−2】

【0226】
【表11−1】

【表11−2】

【表11−3】

【0227】
表12は、クラス当たりの抗体の数の分析である。左列に記載の特定の正準クラスを有する抗体の数が右列に示されている。一方の鎖配列データに欠く(それ故正準割り当てに「Z」を有する)一のmAbは、この計数には含まれていない。最も通例みられた構造は1−2−4−1−1であり、34のmAbのうちの25がこの組み合わせの重鎖および軽鎖配列の両方を有していた。
【0228】
【表12】

【0229】
実施例15
エピトープ特徴づけ:合成ペプチドのSPOT合成
低親和性ペプチド−抗体相互作用の検出
ヒトCD20配列の43アミノ酸細胞外ドメインを橋架けするオーバーラッビングペプチドスキャンを自動化SPOT合成によって調製した。一連の33 12−塩基長ペプチドを、ポリプロピレンメンブランシート上のスポットとして合成した。ペプチドアレイが、CD20配列のアミノ酸残渣142−185を橋架けした。各連続したペプチドを、前のペプチドから、属する1つでオフセットして、表13に示されるとおり、アレイ化オリゴペプチドの入れ子、オーバーラッピングライブラリを得た。
【0230】
【表13】

【0231】
簡潔には、12−塩基長CD20由来ペプチドを含有するペプチドスキャンをモノクローナル抗体で調べた。CD20由来ペプチドに対するペプチド結合抗体のパターンを、抗体−ペプチド複合体のPVDFメンブラン上への電気化学的転移によって固定化した。電気転移を、3つの個別のPVDFメンブラン(高バックラウンドから低バックラウンドへ)上への分画化された方策で実施した。モノクローナル抗体を、ペルオキシダーゼ−標識化ヤギ−抗ヒトIgG抗体および化学発光で検出した。
【0232】
単一の結合領域をすべての3つのメンブラン上に同定した。mAb1.1.2および1.5.3の結合をペプチド27−30で検出した。共通エピトープを代表するペプチドは:NPSEKNSPS(配列番号196)であると判定した。このペプチドは、CD20細胞外ドメインの残渣171−179に対応する。
【0233】
2.1.2抗体についてのエピトープマッピングを、細胞外ドメインにおける部位特異的突然変異を有するCD20構造を発現するCHO細胞を用いるフローサイトメトリによって判定した。4つのCHO変異体系統を生成した。単一の結合領域を、3つのmAbについて同定した。
【0234】
実施例16
CD20細胞外領域配列アラインメント
出版された報告は、ヒトCD20上の細胞外エピトープに対して指向化された抗体はマウスB細胞に結合しないことを示している。ヒトおよびマウスCD20の細胞外ドメインは、およそ43アミノ酸の16で異なっている。以下のアラインメントに示されているとおり、8つの非保存的な差異が、10−アミノ酸ストレッチ(ESLNFIRAHT(配列番号197))中に位置されている。
【0235】
【表14】

ヒトおよびマウスCD20細胞外領域のアラインメント
【0236】
マウスCD20細胞外ドメインのアミノ酸配列におけるこれらの差異を、上記のエピトープマッピング試験を行うためのベースとして用いた。マウスにおけるものとは異なるヒトCD20配列における細胞外残渣をマウス配列における均等位置からのものと置き換えた突然変異ストラテジーを設計した。
【0237】
実施例17
部位特異的突然変異誘発を用いるエピトープマッピング
突然変異誘発アプローチを用いるエピトープマッピング試験は、170番でのアラニンおよび172番でのプロリンが公知の抗CD20抗体によるヒトCD20の認識に関与していることを示していた。公知の抗体B1、2H7、1F5およびリツキシマブの結合は、セリンへのこれらの残渣の突然変異によって抑止されていた。mAb2F2のヒトCD20への結合はA×P突然変異に対して非感受性であり、およびN163およびN166を含むCD20エピトープを表す。
【0238】
mAb1.1.2および1.5.3のエピトープを残渣171−179(NPSEKNSPS(配列番号196))にマップした。これらのmAbのヒト配列に対する特異性はプロリン172を介してである。アラニン170は以下の表16に示されるとおり、結合には必要ではない。
【0239】
【表15】

【0240】
本願明細書に記載のXenouse(登録商標)由来の抗CD20モノクローナル抗体は、すべての公知のCD20抗体のオーバーラップするが異なるエピトープを有する。
【0241】
実施例18
CD20の発現を伴う疾病の治療についての抗CD20抗体の使用
リード抗CD20抗体候補を、ラモス静脈内後肢麻痺モデルにおいて評価した。Cragg MS, Glennie, MJ(2004年)「Blood」103:2738〜43ページ。より具体的には、CB17SCIDマウスに1×10ヒトラモスリンパ腫細胞を、尾静脈を経由して注射し、後肢麻痺の発症および生存度について評価した。動物のコホートを3つのリード候補抗CD20抗体で処理し、リツキシマブで処理したコホートをベンチマーク対照として確立した。それ故、7匹のマウスの6つのコホートの各々を、腫瘍細胞接種後15日間、抗体の0.05mg/kgの単一投与量のi.p.(腹腔内注入)で処理した。6つのコホートは以下のとおりであった:PBS(ビヒクル)対照、IgG1アイソタイプ対照抗体、リツキシマブ、および抗CD20抗体2.1.2、1.3.3、および1.1.2。中央値および全体生存度終点を監視した。注記:抗CD20mAb1.3.3の配列は、mAb1.5.3のものと同一であることが見出された。入手性の理由により、mAb1.3.3をmAb1.5.3についての代わりとして用いた。
【0242】
上記試験の結果が図19に示されており、すべての3つのリード抗体候補が、単一投与量単独療法として投与されたときに強力な抗リンパ腫活性を示したことを実証している。しかも、この試験は、1.5.3および2.1.2抗体で処理されたコホートの全体生存度が、リツキシマブ対照と比して著しく向上したことを明らかにしていた。1.5.3抗体のリツキシマブと比した統計学的分析は0.022のp−値をもたらし、2.1.2のリツキシマブと比した分析は0.023のp−値をもたらした。従って、これらの知見は、1.5.3および2.1.2抗CD20抗体で処理されたマウスにおける全体生存度における統計額的に顕著な向上を実証する。
【0243】
実施例19
皮下腫瘍モデルにおけるCD20に対してヒト抗体を用いる免疫療法
ダウディ皮下モデルにおける効力
mAb1.5.3およびリツキシマブでの免疫療法を、ダウディ(ATCC)腫瘍細胞を有するCB17SCIDマウスで評価した。簡潔には、CB17SCIDマウスを米国マサチューセッツ州ウィルミントン(Wilmington,MA,USA)のCharles River laboratoriesから入手し、病原体フリー条件で維持した。107ダウディ細胞を皮下注射し、腫瘍を形成させた。平均腫瘍サイズが200mmに達したときに治療を開始した。各抗体、2.1.2、1.1.2、1.5.3およびリツキシマブを1mg/kgおよび5mg/kgの2投与量レベルでテストし、ビヒクル対照およびIgG1アイソタイプ対照と比較した。抗CD20抗体、アイソタイプ対照およびPBSビヒクル対照の投薬を腹腔内注入により週2回で3週間行い、腫瘍接種後18日目に開始した。
【0244】
上記試験の結果が、図20および以下の表17に示されている。すべてのmAbが強力な抗腫瘍効力を示した。mAb1.5.3および1.1.2は、5mg/kg投与量での95%(p<0.001)腫瘍成長阻害と、リツキシマブの71%阻害に比して、ダウディ腫瘍の成長の阻害でより強力であった。1.5.3または1.1.2のリツキシマブと比した統計学的分析は0.05未満のp値をスチューデントt−検定においてもたらし、mAb1.1.2および1.5.3での効力における顕著な向上を示している。完全回帰および腫瘍フリー生存度を、それぞれ、より高投与量のmAb1.5.3および1.1.2で処理したマウスの10%および20%において観察した。
【0245】
【表16】

【0246】
ナマルバ皮下モデルにおける効力
類似の実験設計を用いて、非ホジキンリンパ腫のナマルバモデルにおける抗CD20ヒト抗体の効力を評価した。107ナマルバ(ATCC)細胞を、Ncrヌードマウス(米国ニューヨーク州ゲルマンタウン(Germantown,NY,USA)のTaconics)の皮下に移植した。ナマルバ細胞は、低レベルのCD20を発現する高悪性度の腫瘍を形成した。腫瘍が、100mmの平均サイズに達したときに治療を開始した。抗体を、抗CD20抗体の10および20mg/kgの投与量レベルでテストし、ビヒクル対照およびIgG1アイソタイプ対照と比較した。抗CD20抗体、アイソタイプ対照およびPBSビヒクル対照の投薬を腹腔内注入により週2回で3週間行い、腫瘍接種後9日目に開始した。図21および以下の表18に示されるとおり、リツキシマブおよびmAb1.5.3は、20mg/kgの最高投与量で同等であり、それぞれ78および73%(p<0.001)の腫瘍成長阻害をもたらす。しかしながら、10mg/kgの投与量で、1.5.3は、同一の投与量のリツキシマブより劇的に強力であった。リツキシマブは効果的ではなかったが、一方、mAb1.5.3は、65%腫瘍成長阻害(p<0.05)を未だ示した。
【0247】
【表17】

【0248】
RR1−ラージ皮下モデルにおける効力
リツキシマブ−耐性細胞モデルにおける抗CD20ヒト抗体の効力もまた評価した。107RR1−ラージを、CB17SCIDレシピエントマウスの皮下に移植した。抗体を、1mg/kgおよび5mg/kgの2つの投与量レベルでテストし、ビヒクル対照およびIgG1アイソタイプ対照と比較した。抗CD20抗体、アイソタイプ対照およびPBSビヒクル対照の投薬を腹腔内注入により週2回で3週間行い、腫瘍接種後14日目に開始した。5mg/kgの濃度でのリツキシマブはRR1−ラージモデルにおいて有効であり、mAb1.5.3によって達成された62%に近似の59%腫瘍成長阻害をもたらした(図22)。週1mg/kgの投与量で、抗体1.5.3はリツキシマブより強力であるようにみられたが、差異は、統計学的有意性には到達していなかった(p=0.058)。
【0249】
【表18】

【0250】
RR6−ラモス皮下モデルにおける効力
RR6−ラモスモデルを、次いでインビボで試した。107RR6−ラモス細胞を、CB17SCIDレシピエントマウスの皮下に移植した。マウスを1または5mg/kgの2.1.2、1.5.3またはリツキシマブで処理し、抗腫瘍効力をビヒクルPBS対照またはIgG1アイソタイプ対照と比較した。抗CD20抗体、アイソタイプ対照およびPBSビヒクル対照の投薬を腹腔内注入により週2回で3週間行い、腫瘍接種後14日目に開始した。図23および表20は、mAb2.1.2および1.5.3は腫瘍成長を、それぞれ、61%および59%で(p<0.05)阻害したことを実証しているが、リツキシマブはいずれの顕著な抗腫瘍効力もこのモデルにおいてはもたらさなかった。
【0251】
【表19】

【0252】
実施例20
CD20に対するヒト抗体での治療後の組織B細胞の欠乏
カニクイザルCD20およびヒトCD20の間のアミノ酸同一性/ホモロジーの程度は、多くの市販の抗ヒトCD20抗体はカニクイザルBリンパ球と交差反応するため、おそらく高い。試験の開始に先立って、循環Bリンパ球(CD20+細胞)の釣り合いのために合計で26匹の雄カニクイザルをスクリーニングした。分集団分布のいずれかの端の、CD20+細胞の極度/異例な罹患率を示す動物は排除した。24匹の動物をスクリーニングプロセスの結果選択し、体重で無作為抽出し、各々6匹の雄カニクイザルからなる3つのグループに割り当てた。14日間の順化期間に続いて、試験日1、8、および15に、グループを静脈内にビヒクル(グループ1、0mg/kg)、リツキシマブ(グループ2、10mg/kg)(陽性対照として)およびmAb1.5.3、10mg/kgで処理した。
【0253】
評価したパラメータは、臨床的所見、体重、摂食量、血液学、末梢血およびリンパ球組織のFACS分析、血清中のテスト物品濃度(薬物動態学的)、総病理学、臓器重量、病理学組織学および免疫組織化学を含む。すべての動物が、試験日18での予定された最終検死まで生存していた。
【0254】
陽性対照(リツキシマブ)またはテスト物品(mAb1.5.3)治療に起因する変化は、臨床的所見、摂食量、体重、臓器重量または総病理学においては明らかではなかった。想定したとおり、血液学において想定される変化と共に点滴後1時間もの早期に血液における合計リンパ球計数に顕著なテスト物品−関連効力があった。フローサイトメトリ結果は、ベースラインと比して、血液中の同等投与量で、グループ2(リツキシマブ)、およびグループ3(mAb1.5.3)についてのCD19+およびCD20+サブセットにおける陽性Bリンパ球の相対的割合において著明な枯渇を実証した。mAb1.5.3で処理したサルは、投薬直後から生じる最も著明な効力を示し、第18日目での試験の終了時にベースラインのおよそ>1%の枯渇B細胞レベルを維持していた。
【0255】
さらに、種々の部位(腸間膜、鼠径部、および補助的リンパ節)からのリンパ節、骨髄および脾臓から単離した細胞のFACS分析の結果は、最大の差異(P<0.05)を、グループ3、mAb1.5.3処理動物と対照グループとの間に示した(図24)。mAb1.5.3で観察された効力は、同等投与量でリツキシマブで観察されるものより著明であった(図24)。これらの変化は、ろ胞および近縁帯(脾臓)中の最小から顕著なB細胞枯渇ならびに細動脈周囲リンパ球シース(PALS)および傍皮質におけるT細胞の相対的および/または絶対的増加を含んでいた。全体として、テスト物品投与に起因する有害な知見は、この試験においては気づかれなかった。試験動物において観察されたすべてのテスト−物品関連変化は、最も強力な効力を示す抗体AB1での抗CD20+抗体の薬理学的活性と一貫していた。
【0256】
実施例21
非ホジキンリンパ腫のヒト患者が本願明細書に記載のmAb1.5.3で処理される。各患者は、毎週、50mg/m〜2,250mg/mの範囲の有効量の抗体で、4〜8週間投薬される。治療中に周期的に、各患者は、監視されて患者におけるリンパ腫細胞の数が判定される。mAb1.5.3での治療を受けている患者では、mAb1.5.3抗体が与えられていない対照患者と比してリンパ腫細胞の数が低減されることが見出された。
【0257】
参照による援用
特許、特許出願、論文、教科書等、およびそれら中に引用された文献を含む本願明細書において引用したすべての文献は、既に引用されていない限りで、本願明細書においてそれらの全体が参照により援用される。
【0258】
均等物
前述の明細書は、当業者が本発明を実施することができるために十分であると見なされている。前述の記載および実施例は本発明の一定の好ましい実施形態を詳述し、本発明者らによって予期される最良の形態を記載する。しかしながら、前述のものがどれほど詳細に文章で表現され得ているかにかかわらず、本発明は多くの方法で実施されることができ、および本発明は、添付の特許請求の範囲およびいずれかのそれらの均等物に従うと解釈されるべきであることが理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0259】
【図1】図1および2は、mAb1.1.2、1.2.1、1.3.3、1.4.3、1.5.3、1.6.2(図1)、1.9.2、1.12.3、1.13.2、2.1.2、2.2.2、2.4.1(図2)、およびRituxan(登録商標)(「リツキシマブ」)抗体対照と共にインキュベートされたラモス細胞の架橋なしでのCellTiterGlo細胞生存度アッセイの結果を表すグラフである。ラモス細胞のパーセントバイアビリティがy軸上に示され、および抗体濃度がx軸上に示されている。
【図2】図1および2は、mAb1.1.2、1.2.1、1.3.3、1.4.3、1.5.3、1.6.2(図1)、1.9.2、1.12.3、1.13.2、2.1.2、2.2.2、2.4.1(図2)、およびRituxan(登録商標)(「リツキシマブ」)抗体対照と共にインキュベートされたラモス細胞の架橋なしでのCellTiterGlo細胞生存度アッセイの結果を表すグラフである。ラモス細胞のパーセントバイアビリティがy軸上に示され、および抗体濃度がx軸上に示されている。
【図3A】図3A〜3Dは、mAb1.6.2、1.5.3、1.4.3、(図3A)1.3.3、1.1.2、B1(図3B)、2.4.1、2.2.2、2.1.2、(図3C)、1.13.2、1.12.3、B1(図3D)リツキシマブ、IgMおよびIgG1と共にインキュベートされたラモス細胞の架橋剤なしでのAlamar Blue細胞生存度アッセイの結果を表すグラフである。%バイアビリティがy軸上に示され、および抗体濃度がx軸上に示されている。
【図3B】図3A〜3Dは、mAb1.6.2、1.5.3、1.4.3、(図3A)1.3.3、1.1.2、B1(図3B)、2.4.1、2.2.2、2.1.2、(図3C)、1.13.2、1.12.3、B1(図3D)リツキシマブ、IgMおよびIgG1と共にインキュベートされたラモス細胞の架橋剤なしでのAlamar Blue細胞生存度アッセイの結果を表すグラフである。%バイアビリティがy軸上に示され、および抗体濃度がx軸上に示されている。
【図3C】図3A〜3Dは、mAb1.6.2、1.5.3、1.4.3、(図3A)1.3.3、1.1.2、B1(図3B)、2.4.1、2.2.2、2.1.2、(図3C)、1.13.2、1.12.3、B1(図3D)リツキシマブ、IgMおよびIgG1と共にインキュベートされたラモス細胞の架橋剤なしでのAlamar Blue細胞生存度アッセイの結果を表すグラフである。%バイアビリティがy軸上に示され、および抗体濃度がx軸上に示されている。
【図3D】図3A〜3Dは、mAb1.6.2、1.5.3、1.4.3、(図3A)1.3.3、1.1.2、B1(図3B)、2.4.1、2.2.2、2.1.2、(図3C)、1.13.2、1.12.3、B1(図3D)リツキシマブ、IgMおよびIgG1と共にインキュベートされたラモス細胞の架橋剤なしでのAlamar Blue細胞生存度アッセイの結果を表すグラフである。%バイアビリティがy軸上に示され、および抗体濃度がx軸上に示されている。
【図4A】図4A〜4Dは、mAb1.1.2、1.3.3、1.4.3(図4A)、1.5.3、1.6.2(図4B)、1.12.3、1.13.2(図4C)、2.1.2、2.2.2、2.4.1(図4D)、B1、リツキシマブ、IgG1、およびIgMと共にインキュベートされたラモス細胞の架橋なしでのWST-1細胞生存度アッセイの結果を表すグラフである。%バイアビリティがy軸上に示され、および抗体濃度がx軸上に示されている。
【図4B】図4A〜4Dは、mAb1.1.2、1.3.3、1.4.3(図4A)、1.5.3、1.6.2(図4B)、1.12.3、1.13.2(図4C)、2.1.2、2.2.2、2.4.1(図4D)、B1、リツキシマブ、IgG1、およびIgMと共にインキュベートされたラモス細胞の架橋なしでのWST-1細胞生存度アッセイの結果を表すグラフである。%バイアビリティがy軸上に示され、および抗体濃度がx軸上に示されている。
【図4C】図4A〜4Dは、mAb1.1.2、1.3.3、1.4.3(図4A)、1.5.3、1.6.2(図4B)、1.12.3、1.13.2(図4C)、2.1.2、2.2.2、2.4.1(図4D)、B1、リツキシマブ、IgG1、およびIgMと共にインキュベートされたラモス細胞の架橋なしでのWST-1細胞生存度アッセイの結果を表すグラフである。%バイアビリティがy軸上に示され、および抗体濃度がx軸上に示されている。
【図4D】図4A〜4Dは、mAb1.1.2、1.3.3、1.4.3(図4A)、1.5.3、1.6.2(図4B)、1.12.3、1.13.2(図4C)、2.1.2、2.2.2、2.4.1(図4D)、B1、リツキシマブ、IgG1、およびIgMと共にインキュベートされたラモス細胞の架橋なしでのWST-1細胞生存度アッセイの結果を表すグラフである。%バイアビリティがy軸上に示され、および抗体濃度がx軸上に示されている。
【図5】図5および6は、mAb1.1.2、1.3.3、1.4.3、1.5.3、1.6.2(図5)、1.12.3、1.13.2、2.1.2、2.2.2、2.4.1(図6)、リツキシマブおよびB1と共にインキュベートされたラモス細胞の架橋剤なしでのアネキシンV/PIアポトーシスアッセイの結果を表すグラフである。%バイアビリティがy軸上に示され、および抗体濃度がx軸上に示されている。
【図6】図5および6は、mAb1.1.2、1.3.3、1.4.3、1.5.3、1.6.2(図5)、1.12.3、1.13.2、2.1.2、2.2.2、2.4.1(図6)、リツキシマブおよびB1と共にインキュベートされたラモス細胞の架橋剤なしでのアネキシンV/PIアポトーシスアッセイの結果を表すグラフである。%バイアビリティがy軸上に示され、および抗体濃度がx軸上に示されている。
【図7A】図7A〜7D、8A〜8D、および9A〜9Dは、それぞれ、mAb1.1.2、1.2.1、1.3.3(A)、1.4.3、1.5.3、1.6.2(B)、1.9.2、1.12.3、1.13.2(C)、2.1.2、2.2.2、2.4.1(D)、リツキシマブ、およびIgG1対照と共にインキュベートされたラモス(図7A〜7D)、ラージ(図8A〜8D)、およびダウディ(図9A〜9D)株細胞のCDCアッセイの結果を表すグラフである。パーセントバイアビリティがy軸上に示され、および抗体濃度がx軸上に示されている。
【図7B】図7A〜7D、8A〜8D、および9A〜9Dは、それぞれ、mAb1.1.2、1.2.1、1.3.3(A)、1.4.3、1.5.3、1.6.2(B)、1.9.2、1.12.3、1.13.2(C)、2.1.2、2.2.2、2.4.1(D)、リツキシマブ、およびIgG1対照と共にインキュベートされたラモス(図7A〜7D)、ラージ(図8A〜8D)、およびダウディ(図9A〜9D)株細胞のCDCアッセイの結果を表すグラフである。パーセントバイアビリティがy軸上に示され、および抗体濃度がx軸上に示されている。
【図7C】図7A〜7D、8A〜8D、および9A〜9Dは、それぞれ、mAb1.1.2、1.2.1、1.3.3(A)、1.4.3、1.5.3、1.6.2(B)、1.9.2、1.12.3、1.13.2(C)、2.1.2、2.2.2、2.4.1(D)、リツキシマブ、およびIgG1対照と共にインキュベートされたラモス(図7A〜7D)、ラージ(図8A〜8D)、およびダウディ(図9A〜9D)株細胞のCDCアッセイの結果を表すグラフである。パーセントバイアビリティがy軸上に示され、および抗体濃度がx軸上に示されている。
【図7D】図7A〜7D、8A〜8D、および9A〜9Dは、それぞれ、mAb1.1.2、1.2.1、1.3.3(A)、1.4.3、1.5.3、1.6.2(B)、1.9.2、1.12.3、1.13.2(C)、2.1.2、2.2.2、2.4.1(D)、リツキシマブ、およびIgG1対照と共にインキュベートされたラモス(図7A〜7D)、ラージ(図8A〜8D)、およびダウディ(図9A〜9D)株細胞のCDCアッセイの結果を表すグラフである。パーセントバイアビリティがy軸上に示され、および抗体濃度がx軸上に示されている。
【図8A】図7A〜7D、8A〜8D、および9A〜9Dは、それぞれ、mAb1.1.2、1.2.1、1.3.3(A)、1.4.3、1.5.3、1.6.2(B)、1.9.2、1.12.3、1.13.2(C)、2.1.2、2.2.2、2.4.1(D)、リツキシマブ、およびIgG1対照と共にインキュベートされたラモス(図7A〜7D)、ラージ(図8A〜8D)、およびダウディ(図9A〜9D)株細胞のCDCアッセイの結果を表すグラフである。パーセントバイアビリティがy軸上に示され、および抗体濃度がx軸上に示されている。
【図8B】図7A〜7D、8A〜8D、および9A〜9Dは、それぞれ、mAb1.1.2、1.2.1、1.3.3(A)、1.4.3、1.5.3、1.6.2(B)、1.9.2、1.12.3、1.13.2(C)、2.1.2、2.2.2、2.4.1(D)、リツキシマブ、およびIgG1対照と共にインキュベートされたラモス(図7A〜7D)、ラージ(図8A〜8D)、およびダウディ(図9A〜9D)株細胞のCDCアッセイの結果を表すグラフである。パーセントバイアビリティがy軸上に示され、および抗体濃度がx軸上に示されている。
【図8C】図7A〜7D、8A〜8D、および9A〜9Dは、それぞれ、mAb1.1.2、1.2.1、1.3.3(A)、1.4.3、1.5.3、1.6.2(B)、1.9.2、1.12.3、1.13.2(C)、2.1.2、2.2.2、2.4.1(D)、リツキシマブ、およびIgG1対照と共にインキュベートされたラモス(図7A〜7D)、ラージ(図8A〜8D)、およびダウディ(図9A〜9D)株細胞のCDCアッセイの結果を表すグラフである。パーセントバイアビリティがy軸上に示され、および抗体濃度がx軸上に示されている。
【図8D】図7A〜7D、8A〜8D、および9A〜9Dは、それぞれ、mAb1.1.2、1.2.1、1.3.3(A)、1.4.3、1.5.3、1.6.2(B)、1.9.2、1.12.3、1.13.2(C)、2.1.2、2.2.2、2.4.1(D)、リツキシマブ、およびIgG1対照と共にインキュベートされたラモス(図7A〜7D)、ラージ(図8A〜8D)、およびダウディ(図9A〜9D)株細胞のCDCアッセイの結果を表すグラフである。パーセントバイアビリティがy軸上に示され、および抗体濃度がx軸上に示されている。
【図9A】図7A〜7D、8A〜8D、および9A〜9Dは、それぞれ、mAb1.1.2、1.2.1、1.3.3(A)、1.4.3、1.5.3、1.6.2(B)、1.9.2、1.12.3、1.13.2(C)、2.1.2、2.2.2、2.4.1(D)、リツキシマブ、およびIgG1対照と共にインキュベートされたラモス(図7A〜7D)、ラージ(図8A〜8D)、およびダウディ(図9A〜9D)株細胞のCDCアッセイの結果を表すグラフである。パーセントバイアビリティがy軸上に示され、および抗体濃度がx軸上に示されている。
【図9B】図7A〜7D、8A〜8D、および9A〜9Dは、それぞれ、mAb1.1.2、1.2.1、1.3.3(A)、1.4.3、1.5.3、1.6.2(B)、1.9.2、1.12.3、1.13.2(C)、2.1.2、2.2.2、2.4.1(D)、リツキシマブ、およびIgG1対照と共にインキュベートされたラモス(図7A〜7D)、ラージ(図8A〜8D)、およびダウディ(図9A〜9D)株細胞のCDCアッセイの結果を表すグラフである。パーセントバイアビリティがy軸上に示され、および抗体濃度がx軸上に示されている。
【図9C】図7A〜7D、8A〜8D、および9A〜9Dは、それぞれ、mAb1.1.2、1.2.1、1.3.3(A)、1.4.3、1.5.3、1.6.2(B)、1.9.2、1.12.3、1.13.2(C)、2.1.2、2.2.2、2.4.1(D)、リツキシマブ、およびIgG1対照と共にインキュベートされたラモス(図7A〜7D)、ラージ(図8A〜8D)、およびダウディ(図9A〜9D)株細胞のCDCアッセイの結果を表すグラフである。パーセントバイアビリティがy軸上に示され、および抗体濃度がx軸上に示されている。
【図9D】図7A〜7D、8A〜8D、および9A〜9Dは、それぞれ、mAb1.1.2、1.2.1、1.3.3(A)、1.4.3、1.5.3、1.6.2(B)、1.9.2、1.12.3、1.13.2(C)、2.1.2、2.2.2、2.4.1(D)、リツキシマブ、およびIgG1対照と共にインキュベートされたラモス(図7A〜7D)、ラージ(図8A〜8D)、およびダウディ(図9A〜9D)株細胞のCDCアッセイの結果を表すグラフである。パーセントバイアビリティがy軸上に示され、および抗体濃度がx軸上に示されている。
【図10】図10は、mAb2.1.2、1.1.2、1.5.3、1.10.3.1、および1.11.3.1、リツキシマブ、およびIgG1対照と共にインキュベートされたラモス株細胞のADCCアッセイの結果を表すグラフである。%バイアビリティがy軸上に示され、および抗体濃度がx軸上に示されている。
【図11】図11〜12は、mAb2.1.2、1.1.2、1.3.3、1.5.3、リツキシマブ、およびIgG1と共にインキュベートされたラージ(図11)、およびダウディ(図12)株細胞のADCCアッセイの結果を表すグラフである。%バイアビリティがy軸上に示され、および抗体濃度がx軸上に示されている。
【図12】図11〜12は、mAb2.1.2、1.1.2、1.3.3、1.5.3、リツキシマブ、およびIgG1と共にインキュベートされたラージ(図11)、およびダウディ(図12)株細胞のADCCアッセイの結果を表すグラフである。%バイアビリティがy軸上に示され、および抗体濃度がx軸上に示されている。
【図13】図13は、全血アッセイを用いて、mAb1.1.2、2.1.2、リツキシマブ、およびIgG1対照と共にインキュベートされたラージ、ラモス、およびダウディ細胞の全血アッセイの結果を表す棒グラフである。%溶解がy軸上に示され、およびそれぞれ、ラージ、ラモス、およびダウディ株細胞がx軸上に示されている。結果は、mAb1.1.2および2.1.2が、リツキシマブと比してより大きな細胞溶解を媒介していることを立証している。
【図14A】図14Aおよび14Bは、mAb2.1.2、1.1.2、1.5.3、1.10.3.1、1.11.3.1、リツキシマブ、およびIgG1対照と共にインキュベートされたカルパス(Karpas)−422(図14A)およびEHEB(図14B)株細胞の全血アッセイの結果を表すグラフである。%溶解がy軸上に示され、および抗体濃度がx軸上に示されている。結果は、EHEBおよびカルパス(Karpas)−422株細胞は、リツキシマブ治療に対して耐性である一方、上記の抗CD20抗体は著しく高レベルの細胞溶解を媒介していたことを立証している。
【図14B】図14Aおよび14Bは、mAb2.1.2、1.1.2、1.5.3、1.10.3.1、1.11.3.1、リツキシマブ、およびIgG1対照と共にインキュベートされたカルパス(Karpas)−422(図14A)およびEHEB(図14B)株細胞の全血アッセイの結果を表すグラフである。%溶解がy軸上に示され、および抗体濃度がx軸上に示されている。結果は、EHEBおよびカルパス(Karpas)−422株細胞は、リツキシマブ治療に対して耐性である一方、上記の抗CD20抗体は著しく高レベルの細胞溶解を媒介していたことを立証している。
【図15】図15は、mAb1.5.3、1.1.2、および株細胞のパネルにおけるリツキシマブを用いる溶解活性の全血アッセイ比較の結果を表す散布図である。各符号は、全血のヒトドナーを表す。10μg/mlでの%溶解がy軸上に示され、およびそれぞれ、ARH−77、ダウディ、EHEB、JMV2、MV3、カルパス(Karpas)422、ナマルバ、ラージ、ラモス、SC1、SU−DHL−4、およびWSU−NHL株細胞がx軸上に示されている。
【図16】図16は、mAb1.1.2およびリツキシマブの間およびmAb1.5.3およびリツキシマブの間の株細胞のパネルにおける全血アッセイにおける溶解の比を表す散布図である。各符号は、全血のヒトドナーを表す。各抗CD20mAbについての10μg/mlでの%溶解と、同一の血液ドナーについての10μg/mlでリツキシマブによって達成される%溶解との間の比が表されている。それぞれ、ARH−77、ダウディ、EHEB、JMV2、JMV3、カルパス(Karpas)422、ナマルバ、ラージ、ラモス,SC1、SU−DHL−4およびWSU−NHL株細胞がx軸上に示されている。
【図17】図17は、リツキシマブ、mAb1.1.2、およびmAb1.5.3による全血アッセイにおける、リツキシマブ−耐性細胞RR1−ラージの溶解を示す棒グラフである。%溶解がy軸上に示され、およびそれぞれ、1μg/mlおよび10μg/mlの抗体の濃度で処理されたラージ親細胞、ならびに、それぞれ、1μg/mlおよび10μg/mlの抗体の濃度で処理されたRR1−ラージ細胞がx軸上に示されている。
【図18】図18は、リツキシマブおよびmAb1.5.3による全血アッセイにおける、リツキシマブ−耐性細胞RR1−ラモス、RR6−ラモス、およびRR8−ラモスの溶解を示す棒グラフである。%溶解がy軸上に示され、およびそれぞれ、1μg/mlおよび10μg/mlの抗体の濃度で処理されたラモス親細胞、それぞれ、1μg/mlおよび10μg/mlの抗体の濃度で処理されたRR1−ラモス細胞、それぞれ、1μg/mlおよび10μg/mlの抗体の濃度で処理されたRR6−ラモス細胞、それぞれ、1μg/mlおよび10μg/mlの抗体の濃度で処理されたRR8−ラモス細胞がx軸上に示されている。
【図19】図19は、抗CD20抗体、リツキシマブ、2.1.2、1.1.2、および1.5.3の、ラモス静脈内麻痺モデルにおけるマウス生存(CB17SCID)での効力を表す線グラフである。結果は、3つの抗CD20抗体が、単一の投与量単独療法として投与されたとき、潜在的な抗リンパ腫活性を示すことを表す。腫瘍細胞移植後の治療の日数がx軸上に示され、および%生存がy軸上に示されている。
【図20】図20は、ダウディ皮下腫瘍モデルにおける抗CD20抗体の効力を表す線グラフである。腫瘍細胞接種時後の治療の日数がx軸上に示され、および立方ミリメートルでの腫瘍体積がy軸上に示されている。
【図21】図21は、ナマルバ皮下腫瘍モデルにおける抗CD20抗体の効力を表す線グラフである。腫瘍細胞接種時後の治療の日数がx軸上に示され、および立方ミリメートルでの腫瘍体積がy軸上に示されている。
【図22】図22は、RR1−ラージ皮下腫瘍モデルにおける抗CD20抗体の効力を表す線グラフである。腫瘍細胞接種時後の治療の日数がx軸上に示され、および立方ミリメートルでの腫瘍体積がy軸上に示されている。
【図23】図23は、RR6−ラモス皮下腫瘍モデルにおける抗CD20抗体の効力を表す線グラフである。腫瘍細胞接種時後の治療の日数がx軸上に示され、および立方ミリメートルでの腫瘍体積がy軸上に示されている。
【図24】図24は、対照ビヒクル(生理食塩水)、リツキシマブ(10mg/kg)、およびmAb1.5.3(10mg/kg)での治療後の、カニクイザルにおける組織B細胞の減少を示す棒グラフである。%組織CD20+CD40+がy軸上に示され、および補助的な、腸間膜、および鼠径部リンパ節、骨髄、および脾臓サンプルがx軸上に示されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
CD20に結合し、且つGYSFTSYWIG(配列番号201)のアミノ酸配列を有する重鎖相補性決定領域1(CDR1)を含む標的結合剤。
【請求項2】
CD20に結合し、且つKISNRFS(配列番号202)のアミノ酸配列を有する軽鎖相補性決定領域2(CDR2)を含む標的結合剤。
【請求項3】
CD20に結合する標的結合剤であって、前記標的結合剤は、標準CellTiterGlo生存度アッセイにおけるラモス細胞のアポトーシスを誘起するEC50が0.5μg/ml以下である標的結合剤。
【請求項4】
前記標的結合剤は、標準CellTiterGlo生存度アッセイにおけるラモス細胞のアポトーシスを誘起するEC50が0.2μg/ml以下である、請求項3に記載の標的結合剤。
【請求項5】
前記標的結合剤は、標準CellTiterGlo生存度アッセイにおけるラモス細胞のアポトーシスを誘起するEC50が0.02μg/ml以下である、請求項3に記載の標的結合剤。
【請求項6】
CD20に結合する標的結合剤であって、前記標的結合剤は、標準Alamar Blue生存度アッセイにおけるラモス細胞のアポトーシスを誘起するEC50が0.2μg/ml以下である標的結合剤。
【請求項7】
前記標的結合剤は、標準Alamar Blue生存度アッセイにおけるラモス細胞のアポトーシスを誘起するEC50が0.09μg/ml以下である、請求項6に記載の標的結合剤。
【請求項8】
前記標的結合剤は、標準Alamar Blue生存度アッセイにおけるラモス細胞のアポトーシスを誘起するEC50が0.04μg/ml以下である、請求項6に記載の標的結合剤。
【請求項9】
前記標的結合剤は、CD20を発現する細胞におけるアポトーシスを誘起し、CD20を発現する細胞における抗体依存細胞傷害活性(ADCC)を誘起し、またはCD20を発現する細胞における補体依存性細胞傷害作用(CDC)を誘起する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の標的結合剤。
【請求項10】
前記標的結合剤は、12nM未満のKdでCD20に結合する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の標的結合剤。
【請求項11】
前記標的結合剤は、10nM未満のKdでCD20に結合する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の標的結合剤。
【請求項12】
前記標的結合剤は、9nM未満のKdでCD20に結合する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の標的結合剤。
【請求項13】
前記標的結合剤は、5nM未満のKdでCD20に結合する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の標的結合剤。
【請求項14】
前記標的結合剤は、4nM未満のKdでCD20に結合する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の標的結合剤。
【請求項15】
前記標的結合剤は、モノクローナル抗体1.1.2(ATCC受入番号PTA−7329)である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の標的結合剤。
【請求項16】
前記標的結合剤は、モノクローナル抗体1.5.3(ATCC受入番号PTA−7330)である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の標的結合剤。
【請求項17】
前記標的結合剤は、モノクローナル抗体2.1.2(ATCC受入番号PTA−7328)である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の標的結合剤。
【請求項18】
前記標的結合剤は、配列番号2の配列を有する重鎖ポリペプチドを含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の標的結合剤。
【請求項19】
前記標的結合剤は、配列番号4の配列を有する軽鎖ポリペプチドを含む、請求項18に記載の標的結合剤。
【請求項20】
前記標的結合剤は、配列番号30の配列を有する重鎖ポリペプチドを含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の標的結合剤。
【請求項21】
前記標的結合剤は、配列番号32の配列を有する軽鎖ポリペプチドを含む、請求項20に記載の標的結合剤。
【請求項22】
前記標的結合剤は、配列番号46の配列を有する重鎖ポリペプチドを含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の標的結合剤。
【請求項23】
前記標的結合剤は、配列番号48の配列を有する軽鎖ポリペプチドを含む、請求項22に記載の標的結合剤。
【請求項24】
薬剤的に許容可能なキャリアと連携した、請求項1〜8のいずれか一項に記載の標的結合剤。
【請求項25】
請求項1〜8のいずれか一項に記載の標的結合剤をコードする核酸分子。
【請求項26】
請求項25に記載の核酸分子を含むベクター。
【請求項27】
請求項26に記載のベクターを含む宿主細胞。
【請求項28】
動物におけるB細胞リンパ腫を治療する方法であって、治療を必要とする前記動物に、治療的有効量の請求項1〜8のいずれか一項に記載の標的結合剤を投与するステップを含む方法。
【請求項29】
前記B細胞リンパ腫が、非ホジキンリンパ腫(NHL)である、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記動物がヒトである、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
前記標的結合剤が、mAb1.1.2(ATCC受入番号PTA−7329)またはmAb1.5.3(ATCC受入番号PTA−7330)またはmAb2.1.2(ATCC受入番号PTA−7328)である、請求項28に記載の方法。
【請求項32】
抗体、化学療法薬および放射性薬からなる群から選択される第2の剤を投与するステップをさらに含む、請求項28に記載の方法。
【請求項33】
前記投与するステップが、従来の手術、骨髄幹細胞移植または末梢幹細胞移植と併せてまたはその後に行われる、請求項28に記載の方法。
【請求項34】
B細胞リンパ腫の治療のための薬剤の調製における請求項1〜8のいずれか一項に記載の標的結合剤の使用。
【請求項35】
前記B細胞リンパ腫が非ホジキンリンパ腫(NHL)である、請求項34に記載の使用。
【請求項36】
前記標的結合剤は、mAb1.1.2(ATCC受入番号PTA−7329)またはmAb1.5.3(ATCC受入番号PTA−7330)またはmAb2.1.2(ATCC受入番号PTA−7328)である、請求項34に記載の使用。
【請求項37】
前記薬剤が、抗体、化学療法剤、または放射性薬からなる群から選択される第2の抗悪性腫瘍薬と組み合わせて用いられる、請求項34に記載の使用。
【請求項38】
前記薬剤が、従来の手術、骨髄幹細胞移植または末梢幹細胞移植と併せてまたはその後に用いられる、請求項34に記載の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図8D】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図9D】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14A】
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【図14B】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公表番号】特表2008−541758(P2008−541758A)
【公表日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−514711(P2008−514711)
【出願日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際出願番号】PCT/US2006/020408
【国際公開番号】WO2006/130458
【国際公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【出願人】(507207775)アストラゼネカ エービー (11)
【Fターム(参考)】