CNT/ポリマー複合材料およびその製造方法
【課題】CNT/ポリマー複合材料およびその製造方法を提供する。このポリマーはCNTによって改良され、その特性を改善させうる。
【解決手段】CNT/ポリマー複合材料溶液を形成するために、CNT(カーボンナノチューブ)およびドデシル硫酸ナトリウム等のアニオン性界面活性剤を前もって水中で混合し、次にポリビニルアルコール等の水溶性ポリマーをその中へ高速度小振動で混合する工程からなるCNT/ポリマー複合材料。
【解決手段】CNT/ポリマー複合材料溶液を形成するために、CNT(カーボンナノチューブ)およびドデシル硫酸ナトリウム等のアニオン性界面活性剤を前もって水中で混合し、次にポリビニルアルコール等の水溶性ポリマーをその中へ高速度小振動で混合する工程からなるCNT/ポリマー複合材料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はCNT/ポリマー複合材料に関し、その中にあるポリマーの特性がCNT(カーボンナノチューブ)によって改良および改善される。本発明はまた、CNT/ポリマー複合材料の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
カーボンナノチューブ(CNT)は、電気伝導度等において劣った特性を示す従来の物質を改良するのに非常に重要な役割を果たしている。
【0003】
米国特許第7,056,452号明細書には、「ポリビニリデンフルオライド複合材料およびその調製方法」が開示されている。PVDF複合材料は、ポリマー溶液を形成する第一溶剤においてPVDFポリマーを溶解し、次に、カーボンナノチューブをその溶液に加えることで調製される。溶液はソニケーターまたはワーリングブレンダー等のエネルギー源を用いて混合される。沈殿化成分がポリマーおよびナノチューブを含む複合材料から沈殿するために付加される。この複合材料は、溶液をろ過し、この複合材料を乾燥させることで単離される。
【0004】
上記の開示において伝導度は改善されたが、ケトンまたはテトラヒドロフラン等の有機溶媒を使用せねばならず、それによって汚染をもたらしかねない。さらには、複合材料を単利するための後処理は複雑である。
【0005】
したがって、CNTを用いるポリマーの改良技術を研究し、それによってその特性の改善をすることが望まれている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の主な目的は、CNT/ポリマー複合材料およびその製造方法を提供することであり、このポリマーはCNTによって改良され、その特性を改善させ得る。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明において、CNT/ポリマー複合材料の製造方法には、CNT/ポリマー複合材料溶液を形成するための、高速振動による、水中におけるCNT、ポリマーおよび界面活性剤の混合の工程が含まれる。
【0008】
好ましくは、CNTおよび界面活性剤はCNT分散を形成するのに事前に水中で混合され、次に、その中にポリマーを混合する。より好ましくは、界面活性剤は、界面活性剤溶液を形成するのに水中にあらかじめ溶解されており、次に、CNT分散を形成するのにその溶液中にCNTが混合される。
【0009】
本発明で使用される界面活性剤は、好ましくはアニオン性界面活性剤であって、例えば、アルキルスルホネート、アルキルベンゼンスルホネート、アルキルサルフェートまたはアルキルベンゼンサルフェートである。アニオン性界面活性剤のさらなる例としては、ヘキシルスルホン酸ナトリウム、ヘプチルスルホン酸ナトリウム、オキシチルスルホン酸ナトリウム、ドデシルスルホン酸ナトリウム、ノナデシルスルホン酸ナトリウム、エイコシルスルホン酸ナトリウム、ヘキシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ヘプチルベンゼンスルホン酸ナトリウム、オキシチルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ノナデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、エイコシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ヘキシルスルホン酸カルシウム、ヘプチルスルホン酸カルシウム、オキシチルスルホン酸カルシウム、ドデシルスルホン酸カルシウム、ノナデシルスルホン酸カルシウム、エイコシルスルホン酸カルシウムが挙げられる。これらの界面活性剤のうち、ドデシルスルホン酸ナトリウム(SDS)が好ましく、これは、好ましくは水溶液中に約1乃至0.1重量%の濃度を有し;SDS:CNTの重量比は好ましくは0.1:1乃至100:1であり、より好ましくは0.2:1乃至5:1である。
【0010】
本発明において、改良すべきポリマーは任意の固有のポリマーであり得、好ましくは1,000乃至4,000,000に及ぶ分子量を有し、以下からなる群から選択される。
【0011】
【化1】
およびポリビニルアルコール:ホウ砂(Na2B4O7)=1:1のモル比である混合物であって;
式中、nは1を超える整数であり、より好ましくはポリビニルアルコール(PVA)である。
好ましくは、PVA:CNTの重量比は1.5:1乃至10,000:1に及び、PVAのモル重量は好ましくは1,000乃至200,000に及ぶ。
【0012】
上述の手順で得られるCNT/ポリマー複合材料溶液は、固形CNT/ポリマー複合材料を形成するのに、さらに乾燥される。
【0013】
好ましくは、混合手順は超音波発振器において断続的に行われ、および/またはプローブ型の超音波発振器内で行われるのが好ましい。
【0014】
本発明において、ポリマーはさらに水溶性ポリマーおよび対象ポリマーに分別され得、CNTは最初に、対象ポリマーと混合される前に水溶性ポリマーと混合される。
【0015】
水溶性ポリマーは、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドン、水溶性エポキシエステル樹脂、水溶性フェノール樹脂、水溶性アミノ樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、水溶性アルキッド樹脂、水溶性ポリウレタン、ポリメタシケート、アルギン酸ナトリウム、アラビアガム、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロプロピルメチルセルロース、ヒドロキシブチルメチルセルロース、ヒドロキシメチルヒドロキシエチルセルロース、スルホン酸エチルセルロースまたはシアノエチルセルロース、またはそれらの混合物であり得る。
対象ポリマーは、エポキシ樹脂、ポリクロロブタジンゴム、ポリ(ビニルホルマール)(PVFM)またはポリ(ビニルアセテート)(PVAc)であり得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明を明確に記載するために、いくつかの好ましい実施例の手順を図面とともに例示する。図1は、CNT、界面活性剤およびポリマーを混合するプローブ型の超音波発振器を示し、この超音波発振器は、発振器10、Tiプローブ20、コントローラ30および熱電対40を包含する。発振器が開始すると、溶液50は泡60を作り出すであろう。
【0017】
実施例および比較例において、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)およびポリビニルアルコール(PVA)は、それぞれ改良される界面活性剤及びポリマーとして使用される。
【0018】
[実施例1]
(a)CNT分散の調製
SDS(50mg)を水に溶解して水溶液(50mL)を形成し、次に、CNT(12.5mg)の入った丸底チューブに加える。これらの物質を次に、プローブ型の超音波発振器で1乃至20分混合し、CNT分散を形成する。発振器の作動条件は以下の通りである:
周波数:20KHz
定格出力:750W
作動強度:20%乃至40%
温度:25℃
この混合物を次に室温まで冷却し、均一なCNT分散を達成する。
(b)ポリマーの改良
PVA(12.5g、モル重量(m.w)18,000乃至20,000)を水に溶解して10wt%溶液を形成し、次に、そこにCNT分散を加え超音波発振器で3分間攪拌し、最後に、PVA:CNT=1,000:1(または10,000:10)の重量比を有する均一なCNT/PVA複合材料溶液を得る。
(c)CNT/PVA複合材料フィルムの形成
次に、浸漬被覆法によって、CNT/PVA複合材料溶液を基板上に被覆し、炉で乾燥してCNT/PVA複合材料フィルムを形成する。
【0019】
[実施例2乃至実施例5]
実施例1の手順を繰り返すが、PVA:CNT=10,000:1、10,000:2、10,000:3および10,000:5の重量比を有する溶液を得るのに、異なる量のPVA溶液を加える。
【0020】
[実施例6]
実施例1の手順を繰り返すが、PVA(12.5g)をSDSと共に水に加える。
【0021】
[実施例7乃至実施例9]
実施例1の手順を繰り返すが、PVA(m.w 18,000乃至20,000)の代わりに、PVA(m.w 6,000乃至8,000)、PVA(m.w 60,000)およびPVA(m.w 80,000)をそれぞれ加える。
【0022】
[実施例10乃至実施例22]
実施例1の手順を繰り返すが、CNT、SDSおよびPVAを表1に列挙される比率で加える。
【0023】
【表1】
【0024】
[比較例1]
実施例1の手順を繰り返すが、SDSを加えない。
【0025】
[比較例2]
実施例1の手順を繰り返すが、プローブ型の超音波発振器の代わりに機械式攪拌器を使用し、120分間作動した。
【0026】
[比較例3]
実施例1の手順を繰り返すが、プローブ型の超音波発振器の代わりにタンク型の超音波発振器を使用し、120分間作動した。
【0027】
[CNT/PVA複合材料溶液の観察]
図2は、実施例1および6、比較例1乃至3(それぞれA、B、C、DおよびEと記される)で得られるCNT/PVA溶液の状態を示し;実施例1が最良の分散状態を示している。比較例1乃至3、特に比較例2および3において明るい色が存在し、つまりCNTが最もPVAに分散しにくい。
【0028】
図3は、実施例1乃至5で得られるCNT/PVA溶液の状態を示し、ここで分子量20,000の純PVA溶液は「A」と記され、溶液の色は濃度が上昇するにつれて濃くなっている。
【0029】
実施例7乃至9で得られるCNT/PVA溶液は異なる粘度で存在し、これは、水の量および温度がプローブ型の超音波発振器における操作に好適であるように適切に制御されるのであれば、ポリマーの分子量に制限はないことを示す。
【0030】
[CNT/PVA溶液の紫外分析]]
図4は、実施例2乃至5で得られるCNT/PVA溶液の紫外吸光度を示し、これは3ヵ月後においてもほぼ同様である。
【0031】
図5乃至10は、実施例2乃至5において、波長250nm、300nm、350nm、500nm、700nmおよび800nmで得られる紫外吸光度とCNT濃度の直線関係を示す。図に示すように、相関係数(R)は全て0.9998を超える。
【0032】
[CNT/PVAフィルムのSEM分析]
図11は、実施例1で得られるCNT/PVAフィルムを示す。図12および13は、異なる倍率におけるフィルムの走査型電子顕微鏡写真を示し、このフィルムはプラズマでエッチングされ、両図ともにCNTはPVAに確かに均一に分散されていることを示す。
【0033】
図14は、スパッタリング成膜法によってAuフィルムを形成した後、プラズマでエッチングされるフィルムの走査型電子顕微鏡写真を示し、ここで、(a)乃至(f)は異なる倍率を有する。写真(a)の中央にある突起は、高エネルギー(15kV)の電気ビーム
CNT(図中に示される線)を露光するのにポリマーに焦点を当て、焼き付けていることを示す。
【0034】
[CNT/PVAフィルムの電気的分析]
図15は、重量3.2mgおよび寸法2.5cm×7.5cmのCNT/PVAフィルムの抵抗を測定する図式を示す。以下の方程式が適用される。
【0035】
【数1】
式中、Rは抵抗(Ω)であって、δは電気伝導度であって、Aはクロスエリアであって、およびLは長さである。フィルムの抵抗は4.481MΩと計算され、これは本発明で得られる単なるCNTが絶縁ポリマーを導電ポリマーへ改良し得ることを示す。
【0036】
実施例10乃至15、17、19乃至21で得られる、異なるCNT含有率でのCNT/PVAフィルムの伝導度が表2に列挙され、および図16で示され、これは表3に列挙するようにいくつかの金属および非金属の伝導度と比較し得る。
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】
a 工業用純正品
【0039】
[難燃剤]
非改良PVAにおける熱分解温度(TDT)は200℃である。しかしながら、CNT/PVA複合材料は図17乃至19のTGA曲線に示されるよりもはるかに高いTDTを成し遂げる。この温度を10℃/分勾配で900度まで上昇させ、次に、1時間維持する。図17および18は、低CNT(0乃至10%)および高CNT(20乃至60%)含有率を有する複合材料は、400℃における残余を効果的に促進し得ることを示す。図19は、異なるCNT含有率(0.1乃至60%)を有する複合材料は900℃における残余を効果的に促進し得ることも示す。
【0040】
図20は、実施例14および実施例16乃至23で得られる、異なるCNT含有率のCNT/PVA複合材料の最終残余を示し、表4はこれらのデータを列挙する。温度を2℃/分勾配で400℃まで上昇させ、次に1時間維持し、室温まで自然に冷却する。
【0041】
【表4】
【0042】
図21および22は、CNTを5wt%含有する燃焼CNT/PVA複合材料の走査型電子顕微鏡写真を示す。
【0043】
[CNT/他のポリマーにおける実施例]
上述の実施例で使用されるPVAとは異なり、他のポリマーを異なる手順で改良する。これらの実施例においては、水溶性ポリマーを、同様の作動条件でプローブ型超音波発振器内でCNTと混合し、次に、3ローラ機械または脱気器のような従来の攪拌機によって対象ポリマーを混合する。これらの実施例において、水溶性ポリマーはポリエチレングリコールであって、対象ポリマーはそれぞれ、エポキシ樹脂、ポリクロロブタジンゴム、ポリ(ビニルホルマール)(PVFM)およびポリ(酢酸ビニル)(PVAc)である。
【0044】
[CNT/他のポリマーの熱分解]
異なるCNT含有率を有する対象ポリマーを、室温から1時間かけて熱した後に、100乃至300℃で2時間熱する。これらの対象ポリマーの熱分解温度(THD)を表5に示す。
【0045】
【表5】
【0046】
[CNT/他のポリマーの抵抗]
表6に1.00wt%のCNTを含有する対象ポリマーおよびCNTを含まない原抵抗との比較の結果を列挙する。
【0047】
【表6】
【0048】
上述の試験によると、ポリマーの難燃性はCNTとともに改良を行った際に効果的に遂行され得ることが明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】実施形態で用いるプローブ型の超音波発振器を示す。
【図2】実施例1および6、比較例15乃至3で得られるCNT/PVA溶液の状態を示す。
【図3】実施例1乃至5で得られるCNT/PVA溶液の状態を示す。
【図4】実施例2乃至5で得られるCNT/PVA溶液の紫外吸光度を示す。
【図5】実施例2乃至5で得られるCNTの紫外吸光度と濃度の直線関係を示す。
【図6】実施例2乃至5で得られるCNTの紫外吸光度と濃度の直線関係を示す。
【図7】実施例2乃至5で得られるCNTの紫外吸光度と濃度の直線関係を示す。
【図8】実施例2乃至5で得られるCNTの紫外吸光度と濃度の直線関係を示す。
【図9】実施例2乃至5で得られるCNTの紫外吸光度と濃度の直線関係を示す。
【図10】実施例2乃至5で得られるCNTの紫外吸光度と濃度の直線関係を示す。
【図11】実施例1で得られるCNT/PVAフィルムを示す。
【図12】フィルムの走査型電子顕微鏡写真を示す。
【図13】フィルムの走査型電子顕微鏡写真を示す。
【図14】スパッタリング成膜法によってAuフィルムを形成した後、プラズマでエッチングされたフィルムの走査型電子顕微鏡写真を示す。
【図15】CNT/PVAフィルムの抵抗を測定する図式を示す。
【図16】CNT/PVAフィルムの伝導度を図説する。
【図17】CNT/PVA複合材料のTGAカーブを示す。
【図18】CNT/PVA複合材料のTGAカーブを示す。
【図19】CNT/PVA複合材料のTGAカーブを示す。
【図20】CNT/PVA複合材料の最終残余を示す。
【図21】燃焼CNT/PVA複合材料の走査型電子顕微鏡写真を示す。
【図22】燃焼CNT/PVA複合材料の走査型電子顕微鏡写真を示す。
【技術分野】
【0001】
本発明はCNT/ポリマー複合材料に関し、その中にあるポリマーの特性がCNT(カーボンナノチューブ)によって改良および改善される。本発明はまた、CNT/ポリマー複合材料の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
カーボンナノチューブ(CNT)は、電気伝導度等において劣った特性を示す従来の物質を改良するのに非常に重要な役割を果たしている。
【0003】
米国特許第7,056,452号明細書には、「ポリビニリデンフルオライド複合材料およびその調製方法」が開示されている。PVDF複合材料は、ポリマー溶液を形成する第一溶剤においてPVDFポリマーを溶解し、次に、カーボンナノチューブをその溶液に加えることで調製される。溶液はソニケーターまたはワーリングブレンダー等のエネルギー源を用いて混合される。沈殿化成分がポリマーおよびナノチューブを含む複合材料から沈殿するために付加される。この複合材料は、溶液をろ過し、この複合材料を乾燥させることで単離される。
【0004】
上記の開示において伝導度は改善されたが、ケトンまたはテトラヒドロフラン等の有機溶媒を使用せねばならず、それによって汚染をもたらしかねない。さらには、複合材料を単利するための後処理は複雑である。
【0005】
したがって、CNTを用いるポリマーの改良技術を研究し、それによってその特性の改善をすることが望まれている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の主な目的は、CNT/ポリマー複合材料およびその製造方法を提供することであり、このポリマーはCNTによって改良され、その特性を改善させ得る。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明において、CNT/ポリマー複合材料の製造方法には、CNT/ポリマー複合材料溶液を形成するための、高速振動による、水中におけるCNT、ポリマーおよび界面活性剤の混合の工程が含まれる。
【0008】
好ましくは、CNTおよび界面活性剤はCNT分散を形成するのに事前に水中で混合され、次に、その中にポリマーを混合する。より好ましくは、界面活性剤は、界面活性剤溶液を形成するのに水中にあらかじめ溶解されており、次に、CNT分散を形成するのにその溶液中にCNTが混合される。
【0009】
本発明で使用される界面活性剤は、好ましくはアニオン性界面活性剤であって、例えば、アルキルスルホネート、アルキルベンゼンスルホネート、アルキルサルフェートまたはアルキルベンゼンサルフェートである。アニオン性界面活性剤のさらなる例としては、ヘキシルスルホン酸ナトリウム、ヘプチルスルホン酸ナトリウム、オキシチルスルホン酸ナトリウム、ドデシルスルホン酸ナトリウム、ノナデシルスルホン酸ナトリウム、エイコシルスルホン酸ナトリウム、ヘキシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ヘプチルベンゼンスルホン酸ナトリウム、オキシチルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ノナデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、エイコシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ヘキシルスルホン酸カルシウム、ヘプチルスルホン酸カルシウム、オキシチルスルホン酸カルシウム、ドデシルスルホン酸カルシウム、ノナデシルスルホン酸カルシウム、エイコシルスルホン酸カルシウムが挙げられる。これらの界面活性剤のうち、ドデシルスルホン酸ナトリウム(SDS)が好ましく、これは、好ましくは水溶液中に約1乃至0.1重量%の濃度を有し;SDS:CNTの重量比は好ましくは0.1:1乃至100:1であり、より好ましくは0.2:1乃至5:1である。
【0010】
本発明において、改良すべきポリマーは任意の固有のポリマーであり得、好ましくは1,000乃至4,000,000に及ぶ分子量を有し、以下からなる群から選択される。
【0011】
【化1】
およびポリビニルアルコール:ホウ砂(Na2B4O7)=1:1のモル比である混合物であって;
式中、nは1を超える整数であり、より好ましくはポリビニルアルコール(PVA)である。
好ましくは、PVA:CNTの重量比は1.5:1乃至10,000:1に及び、PVAのモル重量は好ましくは1,000乃至200,000に及ぶ。
【0012】
上述の手順で得られるCNT/ポリマー複合材料溶液は、固形CNT/ポリマー複合材料を形成するのに、さらに乾燥される。
【0013】
好ましくは、混合手順は超音波発振器において断続的に行われ、および/またはプローブ型の超音波発振器内で行われるのが好ましい。
【0014】
本発明において、ポリマーはさらに水溶性ポリマーおよび対象ポリマーに分別され得、CNTは最初に、対象ポリマーと混合される前に水溶性ポリマーと混合される。
【0015】
水溶性ポリマーは、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドン、水溶性エポキシエステル樹脂、水溶性フェノール樹脂、水溶性アミノ樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、水溶性アルキッド樹脂、水溶性ポリウレタン、ポリメタシケート、アルギン酸ナトリウム、アラビアガム、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロプロピルメチルセルロース、ヒドロキシブチルメチルセルロース、ヒドロキシメチルヒドロキシエチルセルロース、スルホン酸エチルセルロースまたはシアノエチルセルロース、またはそれらの混合物であり得る。
対象ポリマーは、エポキシ樹脂、ポリクロロブタジンゴム、ポリ(ビニルホルマール)(PVFM)またはポリ(ビニルアセテート)(PVAc)であり得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明を明確に記載するために、いくつかの好ましい実施例の手順を図面とともに例示する。図1は、CNT、界面活性剤およびポリマーを混合するプローブ型の超音波発振器を示し、この超音波発振器は、発振器10、Tiプローブ20、コントローラ30および熱電対40を包含する。発振器が開始すると、溶液50は泡60を作り出すであろう。
【0017】
実施例および比較例において、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)およびポリビニルアルコール(PVA)は、それぞれ改良される界面活性剤及びポリマーとして使用される。
【0018】
[実施例1]
(a)CNT分散の調製
SDS(50mg)を水に溶解して水溶液(50mL)を形成し、次に、CNT(12.5mg)の入った丸底チューブに加える。これらの物質を次に、プローブ型の超音波発振器で1乃至20分混合し、CNT分散を形成する。発振器の作動条件は以下の通りである:
周波数:20KHz
定格出力:750W
作動強度:20%乃至40%
温度:25℃
この混合物を次に室温まで冷却し、均一なCNT分散を達成する。
(b)ポリマーの改良
PVA(12.5g、モル重量(m.w)18,000乃至20,000)を水に溶解して10wt%溶液を形成し、次に、そこにCNT分散を加え超音波発振器で3分間攪拌し、最後に、PVA:CNT=1,000:1(または10,000:10)の重量比を有する均一なCNT/PVA複合材料溶液を得る。
(c)CNT/PVA複合材料フィルムの形成
次に、浸漬被覆法によって、CNT/PVA複合材料溶液を基板上に被覆し、炉で乾燥してCNT/PVA複合材料フィルムを形成する。
【0019】
[実施例2乃至実施例5]
実施例1の手順を繰り返すが、PVA:CNT=10,000:1、10,000:2、10,000:3および10,000:5の重量比を有する溶液を得るのに、異なる量のPVA溶液を加える。
【0020】
[実施例6]
実施例1の手順を繰り返すが、PVA(12.5g)をSDSと共に水に加える。
【0021】
[実施例7乃至実施例9]
実施例1の手順を繰り返すが、PVA(m.w 18,000乃至20,000)の代わりに、PVA(m.w 6,000乃至8,000)、PVA(m.w 60,000)およびPVA(m.w 80,000)をそれぞれ加える。
【0022】
[実施例10乃至実施例22]
実施例1の手順を繰り返すが、CNT、SDSおよびPVAを表1に列挙される比率で加える。
【0023】
【表1】
【0024】
[比較例1]
実施例1の手順を繰り返すが、SDSを加えない。
【0025】
[比較例2]
実施例1の手順を繰り返すが、プローブ型の超音波発振器の代わりに機械式攪拌器を使用し、120分間作動した。
【0026】
[比較例3]
実施例1の手順を繰り返すが、プローブ型の超音波発振器の代わりにタンク型の超音波発振器を使用し、120分間作動した。
【0027】
[CNT/PVA複合材料溶液の観察]
図2は、実施例1および6、比較例1乃至3(それぞれA、B、C、DおよびEと記される)で得られるCNT/PVA溶液の状態を示し;実施例1が最良の分散状態を示している。比較例1乃至3、特に比較例2および3において明るい色が存在し、つまりCNTが最もPVAに分散しにくい。
【0028】
図3は、実施例1乃至5で得られるCNT/PVA溶液の状態を示し、ここで分子量20,000の純PVA溶液は「A」と記され、溶液の色は濃度が上昇するにつれて濃くなっている。
【0029】
実施例7乃至9で得られるCNT/PVA溶液は異なる粘度で存在し、これは、水の量および温度がプローブ型の超音波発振器における操作に好適であるように適切に制御されるのであれば、ポリマーの分子量に制限はないことを示す。
【0030】
[CNT/PVA溶液の紫外分析]]
図4は、実施例2乃至5で得られるCNT/PVA溶液の紫外吸光度を示し、これは3ヵ月後においてもほぼ同様である。
【0031】
図5乃至10は、実施例2乃至5において、波長250nm、300nm、350nm、500nm、700nmおよび800nmで得られる紫外吸光度とCNT濃度の直線関係を示す。図に示すように、相関係数(R)は全て0.9998を超える。
【0032】
[CNT/PVAフィルムのSEM分析]
図11は、実施例1で得られるCNT/PVAフィルムを示す。図12および13は、異なる倍率におけるフィルムの走査型電子顕微鏡写真を示し、このフィルムはプラズマでエッチングされ、両図ともにCNTはPVAに確かに均一に分散されていることを示す。
【0033】
図14は、スパッタリング成膜法によってAuフィルムを形成した後、プラズマでエッチングされるフィルムの走査型電子顕微鏡写真を示し、ここで、(a)乃至(f)は異なる倍率を有する。写真(a)の中央にある突起は、高エネルギー(15kV)の電気ビーム
CNT(図中に示される線)を露光するのにポリマーに焦点を当て、焼き付けていることを示す。
【0034】
[CNT/PVAフィルムの電気的分析]
図15は、重量3.2mgおよび寸法2.5cm×7.5cmのCNT/PVAフィルムの抵抗を測定する図式を示す。以下の方程式が適用される。
【0035】
【数1】
式中、Rは抵抗(Ω)であって、δは電気伝導度であって、Aはクロスエリアであって、およびLは長さである。フィルムの抵抗は4.481MΩと計算され、これは本発明で得られる単なるCNTが絶縁ポリマーを導電ポリマーへ改良し得ることを示す。
【0036】
実施例10乃至15、17、19乃至21で得られる、異なるCNT含有率でのCNT/PVAフィルムの伝導度が表2に列挙され、および図16で示され、これは表3に列挙するようにいくつかの金属および非金属の伝導度と比較し得る。
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】
a 工業用純正品
【0039】
[難燃剤]
非改良PVAにおける熱分解温度(TDT)は200℃である。しかしながら、CNT/PVA複合材料は図17乃至19のTGA曲線に示されるよりもはるかに高いTDTを成し遂げる。この温度を10℃/分勾配で900度まで上昇させ、次に、1時間維持する。図17および18は、低CNT(0乃至10%)および高CNT(20乃至60%)含有率を有する複合材料は、400℃における残余を効果的に促進し得ることを示す。図19は、異なるCNT含有率(0.1乃至60%)を有する複合材料は900℃における残余を効果的に促進し得ることも示す。
【0040】
図20は、実施例14および実施例16乃至23で得られる、異なるCNT含有率のCNT/PVA複合材料の最終残余を示し、表4はこれらのデータを列挙する。温度を2℃/分勾配で400℃まで上昇させ、次に1時間維持し、室温まで自然に冷却する。
【0041】
【表4】
【0042】
図21および22は、CNTを5wt%含有する燃焼CNT/PVA複合材料の走査型電子顕微鏡写真を示す。
【0043】
[CNT/他のポリマーにおける実施例]
上述の実施例で使用されるPVAとは異なり、他のポリマーを異なる手順で改良する。これらの実施例においては、水溶性ポリマーを、同様の作動条件でプローブ型超音波発振器内でCNTと混合し、次に、3ローラ機械または脱気器のような従来の攪拌機によって対象ポリマーを混合する。これらの実施例において、水溶性ポリマーはポリエチレングリコールであって、対象ポリマーはそれぞれ、エポキシ樹脂、ポリクロロブタジンゴム、ポリ(ビニルホルマール)(PVFM)およびポリ(酢酸ビニル)(PVAc)である。
【0044】
[CNT/他のポリマーの熱分解]
異なるCNT含有率を有する対象ポリマーを、室温から1時間かけて熱した後に、100乃至300℃で2時間熱する。これらの対象ポリマーの熱分解温度(THD)を表5に示す。
【0045】
【表5】
【0046】
[CNT/他のポリマーの抵抗]
表6に1.00wt%のCNTを含有する対象ポリマーおよびCNTを含まない原抵抗との比較の結果を列挙する。
【0047】
【表6】
【0048】
上述の試験によると、ポリマーの難燃性はCNTとともに改良を行った際に効果的に遂行され得ることが明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】実施形態で用いるプローブ型の超音波発振器を示す。
【図2】実施例1および6、比較例15乃至3で得られるCNT/PVA溶液の状態を示す。
【図3】実施例1乃至5で得られるCNT/PVA溶液の状態を示す。
【図4】実施例2乃至5で得られるCNT/PVA溶液の紫外吸光度を示す。
【図5】実施例2乃至5で得られるCNTの紫外吸光度と濃度の直線関係を示す。
【図6】実施例2乃至5で得られるCNTの紫外吸光度と濃度の直線関係を示す。
【図7】実施例2乃至5で得られるCNTの紫外吸光度と濃度の直線関係を示す。
【図8】実施例2乃至5で得られるCNTの紫外吸光度と濃度の直線関係を示す。
【図9】実施例2乃至5で得られるCNTの紫外吸光度と濃度の直線関係を示す。
【図10】実施例2乃至5で得られるCNTの紫外吸光度と濃度の直線関係を示す。
【図11】実施例1で得られるCNT/PVAフィルムを示す。
【図12】フィルムの走査型電子顕微鏡写真を示す。
【図13】フィルムの走査型電子顕微鏡写真を示す。
【図14】スパッタリング成膜法によってAuフィルムを形成した後、プラズマでエッチングされたフィルムの走査型電子顕微鏡写真を示す。
【図15】CNT/PVAフィルムの抵抗を測定する図式を示す。
【図16】CNT/PVAフィルムの伝導度を図説する。
【図17】CNT/PVA複合材料のTGAカーブを示す。
【図18】CNT/PVA複合材料のTGAカーブを示す。
【図19】CNT/PVA複合材料のTGAカーブを示す。
【図20】CNT/PVA複合材料の最終残余を示す。
【図21】燃焼CNT/PVA複合材料の走査型電子顕微鏡写真を示す。
【図22】燃焼CNT/PVA複合材料の走査型電子顕微鏡写真を示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
CNT/ポリマー複合材料溶液を形成するために、高速微小振動で水中にCNT(カーボンナノチューブ)、ポリマーおよび界面活性剤を混合する工程からなるCNT/ポリマー複合材料の製造方法。
【請求項2】
前記CNTおよび界面活性剤は、CNT分散を形成するのに前もって水中で混合され、次にポリマーはその中に混合される請求項1に記載のCNT/ポリマー複合材料の製造方法。
【請求項3】
前記界面活性剤は、界面活性剤の溶液を形成するのに前もって水中に溶解され、次に前記CNTは、CNT分散を形成するのにその溶液中に混合される請求項2に記載のCNT/ポリマー複合材料の製造方法。
【請求項4】
前記界面活性剤は、アルキルスルホネート、アルキルベンゼンスルホネート、アルキルサルフェートおよびアルキルベンゼンサルフェートからなる群から選択される請求項1に記載のCNT/ポリマー複合材料の製造方法。
【請求項5】
前記アニオン性界面活性剤は、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)である請求項4に記載のCNT/ポリマー複合材料の製造方法。
【請求項6】
SDS:CNTの重量比は、0.1:1乃至100:1である請求項5に記載のCNT/ポリマー複合材料の製造方法。
【請求項7】
前記ポリマーは1,000乃至4,000,000に及ぶ分子量を有し、以下の群から選択されてなる請求項1に記載のCNT/ポリマー複合材料の製造方法。
【化1】
および、モル比率1:1のポリビニルアルコールおよびホウ砂(Na2B4O7)の混合物であって、
式中、nは1を超える整数である;
【請求項8】
前記ポリマーはポリビニルアルコール(PVA)である請求項1に記載のCNT/ポリマー複合材料の製造方法。
【請求項9】
PVA:CNTの重量比は1.5:1乃至10,000:1に及ぶ請求項8に記載のCNT/ポリマー複合材料の製造方法。
【請求項10】
PVAの分子量は1,000乃至200,000に及ぶ請求項8に記載のCNT/ポリマー複合材料の製造方法。
【請求項11】
固形のCNT/ポリマー複合材料を得るために、さらにCNT/ポリマー複合材料を乾燥する工程からなる請求項1に記載のCNT/ポリマー複合材料の製造方法。
【請求項12】
前記混合手順は超音波発振器内で操作される請求項1に記載のCNT/ポリマー複合材料の製造方法。
【請求項13】
前記超音波発振器はプローブ型の超音波発振器である請求項12に記載のCNT/ポリマー複合材料の製造方法。
【請求項14】
前記ポリマーは水溶性ポリマーおよび対象ポリマーを含み、前記CNTは前記対象ポリマーと混合される前に、水溶性ポリマーと最初に混合される請求項1に記載のCNT/ポリマー複合材料の製造方法。
【請求項15】
前記水溶性ポリマーは、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドン、水溶性エポキシエステル樹脂、水溶性フェノ樹脂、水溶性アミノ樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、水溶性アルキッド樹脂、水溶性ポリウレタン、ポリメタシケート、アルギン酸ナトリウム、アラビアガム、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロプロピルメチルセルロース、ヒドロキシブチルメチルセルロース、ヒドロキシメチルヒドロキシエチルセルロース、スルホン酸エチルセルロースまたはシアノエチルセルロース、またはそれらの混合物からなる群から選択される請求項14に記載のCNT/ポリマー複合材料の製造方法。
【請求項16】
前記対象ポリマーは、エポキシ、ポリクロロブタジンゴム、ポリ(ビニルホルマール)(PVFM)またはポリ(ビニルアセテート)(PVAc)からなる群から選択さる請求項14に記載のCNT/ポリマー複合材料の製造方法。
【請求項17】
高速振動で、水中にCNT、ポリマーおよび界面活性剤を混合して得られる生成物からなるCNT/ポリマー複合材料。
【請求項18】
前記界面活性剤は、アルキルスルホネート、アルキルベンゼンスルホネート、アルキルサルフェートまたはアルキルベンゼンサルフェートからなる群から選択される請求項17に記載のCNT/ポリマー複合材料。
【請求項19】
前記界面活性剤は、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)である請求項17に記載のCNT/ポリマー複合材料。
【請求項20】
SDS:CNTの重量比は0.1:1乃至100:1に及ぶ請求項19に記載のCNT/ポリマー複合材料。
【請求項21】
前記ポリマーは1,000乃至4,000,000に及ぶ分子量を有し、以下の群から選択されてなる請求項17に記載のCNT/ポリマー複合材料。
【化2】
および、ポリビニルアルコール:ホウ砂(Na2B4O7)=1:1のモル比である混合物であって、
式中、nは1を超える整数である;
【請求項22】
前記ポリマーはポリビニルアルコール(PVA)である請求項17に記載のCNT/ポリマー複合材料。
【請求項23】
PVA:CNTの重量比は1.5:1乃至10,000:1に及ぶ請求項22に記載のCNT/ポリマー複合材料。
【請求項24】
PVAの分子量は1,000乃至200,000に及ぶ請求項22に記載のCNT/ポリマー複合材料。
【請求項1】
CNT/ポリマー複合材料溶液を形成するために、高速微小振動で水中にCNT(カーボンナノチューブ)、ポリマーおよび界面活性剤を混合する工程からなるCNT/ポリマー複合材料の製造方法。
【請求項2】
前記CNTおよび界面活性剤は、CNT分散を形成するのに前もって水中で混合され、次にポリマーはその中に混合される請求項1に記載のCNT/ポリマー複合材料の製造方法。
【請求項3】
前記界面活性剤は、界面活性剤の溶液を形成するのに前もって水中に溶解され、次に前記CNTは、CNT分散を形成するのにその溶液中に混合される請求項2に記載のCNT/ポリマー複合材料の製造方法。
【請求項4】
前記界面活性剤は、アルキルスルホネート、アルキルベンゼンスルホネート、アルキルサルフェートおよびアルキルベンゼンサルフェートからなる群から選択される請求項1に記載のCNT/ポリマー複合材料の製造方法。
【請求項5】
前記アニオン性界面活性剤は、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)である請求項4に記載のCNT/ポリマー複合材料の製造方法。
【請求項6】
SDS:CNTの重量比は、0.1:1乃至100:1である請求項5に記載のCNT/ポリマー複合材料の製造方法。
【請求項7】
前記ポリマーは1,000乃至4,000,000に及ぶ分子量を有し、以下の群から選択されてなる請求項1に記載のCNT/ポリマー複合材料の製造方法。
【化1】
および、モル比率1:1のポリビニルアルコールおよびホウ砂(Na2B4O7)の混合物であって、
式中、nは1を超える整数である;
【請求項8】
前記ポリマーはポリビニルアルコール(PVA)である請求項1に記載のCNT/ポリマー複合材料の製造方法。
【請求項9】
PVA:CNTの重量比は1.5:1乃至10,000:1に及ぶ請求項8に記載のCNT/ポリマー複合材料の製造方法。
【請求項10】
PVAの分子量は1,000乃至200,000に及ぶ請求項8に記載のCNT/ポリマー複合材料の製造方法。
【請求項11】
固形のCNT/ポリマー複合材料を得るために、さらにCNT/ポリマー複合材料を乾燥する工程からなる請求項1に記載のCNT/ポリマー複合材料の製造方法。
【請求項12】
前記混合手順は超音波発振器内で操作される請求項1に記載のCNT/ポリマー複合材料の製造方法。
【請求項13】
前記超音波発振器はプローブ型の超音波発振器である請求項12に記載のCNT/ポリマー複合材料の製造方法。
【請求項14】
前記ポリマーは水溶性ポリマーおよび対象ポリマーを含み、前記CNTは前記対象ポリマーと混合される前に、水溶性ポリマーと最初に混合される請求項1に記載のCNT/ポリマー複合材料の製造方法。
【請求項15】
前記水溶性ポリマーは、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドン、水溶性エポキシエステル樹脂、水溶性フェノ樹脂、水溶性アミノ樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、水溶性アルキッド樹脂、水溶性ポリウレタン、ポリメタシケート、アルギン酸ナトリウム、アラビアガム、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロプロピルメチルセルロース、ヒドロキシブチルメチルセルロース、ヒドロキシメチルヒドロキシエチルセルロース、スルホン酸エチルセルロースまたはシアノエチルセルロース、またはそれらの混合物からなる群から選択される請求項14に記載のCNT/ポリマー複合材料の製造方法。
【請求項16】
前記対象ポリマーは、エポキシ、ポリクロロブタジンゴム、ポリ(ビニルホルマール)(PVFM)またはポリ(ビニルアセテート)(PVAc)からなる群から選択さる請求項14に記載のCNT/ポリマー複合材料の製造方法。
【請求項17】
高速振動で、水中にCNT、ポリマーおよび界面活性剤を混合して得られる生成物からなるCNT/ポリマー複合材料。
【請求項18】
前記界面活性剤は、アルキルスルホネート、アルキルベンゼンスルホネート、アルキルサルフェートまたはアルキルベンゼンサルフェートからなる群から選択される請求項17に記載のCNT/ポリマー複合材料。
【請求項19】
前記界面活性剤は、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)である請求項17に記載のCNT/ポリマー複合材料。
【請求項20】
SDS:CNTの重量比は0.1:1乃至100:1に及ぶ請求項19に記載のCNT/ポリマー複合材料。
【請求項21】
前記ポリマーは1,000乃至4,000,000に及ぶ分子量を有し、以下の群から選択されてなる請求項17に記載のCNT/ポリマー複合材料。
【化2】
および、ポリビニルアルコール:ホウ砂(Na2B4O7)=1:1のモル比である混合物であって、
式中、nは1を超える整数である;
【請求項22】
前記ポリマーはポリビニルアルコール(PVA)である請求項17に記載のCNT/ポリマー複合材料。
【請求項23】
PVA:CNTの重量比は1.5:1乃至10,000:1に及ぶ請求項22に記載のCNT/ポリマー複合材料。
【請求項24】
PVAの分子量は1,000乃至200,000に及ぶ請求項22に記載のCNT/ポリマー複合材料。
【図1】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図21】
【図22】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2008−1898(P2008−1898A)
【公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−152685(P2007−152685)
【出願日】平成19年6月8日(2007.6.8)
【出願人】(507191418)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年6月8日(2007.6.8)
【出願人】(507191418)
【Fターム(参考)】
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