説明

D−プシコースの血中D−フラクトース濃度上昇抑制への使用

【課題】 肥満、糖尿病、メタボリックシンドロームの症状悪化の防止、発症予防、症状改善。
【解決手段】 D-プシコースおよび/またはその誘導体を有効成分とする、D−フラクトースをその構造の一部とするかまたは含有する炭水化物および/または糖類を摂取した場合の、血中D−フラクトース濃度上昇を抑制する、好ましくは同時にD−グルコース濃度上昇を抑制する組成物。D-プシコースはD-プシコースおよびD-フラクトースの混合物である。上記組成物は、甘味料、調味料、食品添加物、食品素材、飲食品、健康飲食品、医薬品および飼料からなる群から選ばれる形態のものである。D−フラクトースをその構造の一部とするかまたは含有する炭水化物および/または糖類を摂取するときに、D-プシコースを与えることよりなる、血中D−フラクトース濃度上昇の抑制に使用すること、好ましくは同時にD−グルコース濃度上昇の抑制にも使用するD-プシコースの使用方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はD−プシコースの血中D−フラクトース濃度上昇抑制効果の利用に関する。
【背景技術】
【0002】
希少糖は天然に存在するが、その存在量が極めて微量である単糖をいう。希少糖は化学構造により、アルドース、ケトースおよびアルコールに分けられる。アルドース類としては例えばD−アロースが、ケトース類としては例えばD−プシコースが、アルコール類としては例えばアリトールがある。しかし、従来これら希少糖の大部分は大量生産ができず入手困難であったため、その生理活性や薬理活性に関する研究はほとんどなされていなかった。最近、香川大学農学部何森らにより酵素を用いた大量生産方法が開発され、D−プシコース、D−アロース、アリトールなどいくつかの希少糖が生産されるようになり、その生物活性に関する研究が進んでいる。
【0003】
これまでの研究結果から、希少糖には糖代謝あるいは脂質代謝に対する作用をもつ糖が存在することが明らかにされている。例えば、D−プシコースについては、in vitro実験において、摘出腸管でのD-Glucose輸送の抑制(非特許文献1)、ラット膵β細胞株からのインスリン分泌促進(特許文献1)、血管内皮細胞株からのMCP-1分泌抑制(特許文献1)などが、またin vivo実験で、体脂肪蓄積軽減作用(非特許文献2)、生体内ではエネルギーとはならないこと(非特許文献3)、などが、それぞれ明らかにされている。
【0004】
しかし、これまでの研究で明らかにされた作用は、多くはin vitro実験で見られているものである。また、D−グルコースの体内動態に対する作用は知られているが、D−フラクトースの体内動態に対する作用については未だ知られていない。
【非特許文献1】平成11年度科学技術総合研究委託費 地域先導研究 研究成果報告書「希少糖類の医薬品としての作用機序に関する研究」香川医科大学、徳田雅明、小西良士、前田 肇、平成12年
【非特許文献2】平成11年度科学技術総合研究委託費 地域先導研究 研究成果報告書「ラット等を用いた希少糖類の栄養学的評価と食品への応用」香川大学農学部、鈴木博雄、松尾達博、橋口峰雄、平成12年
【非特許文献3】平成12年度科学技術総合研究委託費 地域先導研究 研究成果報告書「ラット等を用いた希少糖類の栄養学的評価と食品への応用」香川大学農学部、鈴木博雄、松尾達博、橋口峰雄、平成13年
【特許文献1】国際公開番号W003/097820
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
現在我が国には糖尿病患者が約200万人、糖尿病が強く疑われる人が約880万人、糖尿病の可能性を否定できない人が約740万人、肥満とされる人たちが2300万人いると見られている。これらの人たちは、高血糖や過体重のみでなく、高脂血症、高尿酸血症などを併発していることが多く、最近では高血糖、高脂血および高尿酸血が「死のトライアングル」を形成し、「メタボリックシンドローム」として生活習慣病のうちでも特に脳血管障害を現わしやすく、死亡やQOL低下を引き起こす危険因子と見なされている。この「死のトライアングル」のうち、高血糖と高脂血はD−グルコースやD−フラクトースなどの血中濃度と深く関係している。
【0006】
D−グルコースは血糖値として測定され、高血糖が糖尿病などの場合に問題となる。D−フラクトースについては、血中での高濃度の持続および/または反復する急激な血中濃度の上昇により、肥満、高脂血症あるいは糖尿病の発症や悪化を来すことが知られている(Kobe J. Med. Sci. 48, 125-136, 2002、Diabetes Care 24, 1882-1887, 2001, Am. J. Nutr. 76,911-911, 2002, Am. J. Clin. Nutr. 79, 537-543, 2004)。
従って、D−フラクトースの血中濃度の過度の上昇を抑制することは、高脂血症あるいは糖尿病等の生活習慣病予防あるいは悪化防止という点から意義がある。そこで本発明者は、D−プシコースの血中D−フラクトース濃度上昇抑制効果について、実験動物を用いて検討を加えた。
【0007】
上記研究の成果に基づく本発明の目的は、高血糖および/または高脂血状態の改善が可能で、肥満、糖尿病および/またはメタボリックシンドロームの症状悪化防止、発症予防および/または症状改善を必要とする人および/または動物に適したD−プシコースおよび/またはその誘導体を含有する組成物、食品、食品素材、食品添加物、飲料、飲料水、薬剤、製剤原料、飼料などの提供である。
【0008】
また、本発明は、D−フラクトースをその構造の一部とするかまたは含有する炭水化物および/または糖類を摂取するときに、D-プシコースを与えることよりなる、血中D−フラクトース濃度上昇の抑制に使用することを特徴とするD-プシコースの使用方法の提供を目的とする。すなわち、本発明は、高血糖および/または高脂血状態を改善し、肥満、糖尿病およびまたはメタボリックシンドロームの症状の悪化を防止し、発症を予防し、および/または症状を改善する方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記研究において、実験動物に蔗糖あるいはD−フラクトースを投与したときの血中D−フラクトース濃度に対するD−プシコースの効果について検討したところ、いずれの場合でも、D−プシコースは血中D−フラクトース濃度上昇を強く抑制することを見いだし、その発見をもとに鋭意研究を重ねて本発明を完成するに至った。
【0010】
D−プシコースが血糖上昇を抑制する効果を持っていることはすでに明らかにされている。このような糖代謝あるいは脂質代謝の異常に関連しているD−グルコースとD−フラクトースの両者の血中濃度上昇を抑制するという性質は、血糖調節の目的で使用されている他の物質においては明らかにされていない。
【0011】
本発明は、以下の(1)〜(5)の血中D−フラクトース濃度上昇を抑制する組成物を要旨としている。
(1)D-プシコースを有効成分とする、D−フラクトースをその構造の一部とするかまたは含有する炭水化物および/または糖類を摂取した場合の、血中D−フラクトース濃度上昇を抑制する組成物。
(2)上記組成物が、血中D−フラクトース濃度上昇と同時に、D−グルコース濃度上昇を抑制する組成物である(1)の組成物。
(3)D-プシコースが、D-プシコース、および/または、その誘導体である(1)または(2)の組成物。
(4)D-プシコースが、D-プシコースおよびD-フラクトースの混合物である(1)、(2)または(3)の組成物。
(5)上記組成物が、甘味料、調味料、食品添加物、食品素材、飲食品、健康飲食品、医薬品および飼料からなる群から選ばれる形態のものである(1)ないし(4)のいずれかの組成物。
【0012】
本発明は、以下の(6)〜(10)のD-プシコースの使用方法を要旨としている。
(6)D−フラクトースをその構造の一部とするかまたは含有する炭水化物および/または糖類を摂取するときに、D-プシコースを与えることよりなる、血中D−フラクトース濃度上昇の抑制に使用することを特徴とするD-プシコースの使用方法。
(7)血中D−フラクトース濃度上昇の抑制に使用すると同時に、D−グルコース濃度上昇の抑制にも使用する(6)のD-プシコースの使用方法。
(8)D-プシコースが、D-プシコース、および/または、その誘導体である(6)または(7)のD-プシコースの使用方法。
(9)D-プシコースが、D-プシコースおよびD-フラクトースの混合物である(6)、(7)または(8)のD-プシコースの使用方法。
(10)D-プシコースが、D-プシコースを有効成分とする、甘味料、調味料、食品添加物、食品素材、飲食品、健康飲食品、医薬品および飼料からなる群から選ばれる形態の組成物である(6)ないし(9)のいずれかのD-プシコースの使用方法。
【発明の効果】
【0013】
本発明により、D−プシコースおよび/またはその誘導体を有効成分とし、D−プシコースおよび/またはその誘導体の、D−フラクトースをその構造の一部とするおよび/または含有する炭水化物、および/または、糖類を摂取した場合の血中D−フラクトース濃度上昇を抑制する組成物、血中D−グルコース濃度上昇とD−フラクトース濃度上昇を同時に抑制する効果を有する組成物、ならびに、これらの組成物を用いることを特徴とする、D−プシコースおよび/またはその誘導体の、D−フラクトースをその構造の一部とするおよび/または含有する炭水化物および/または糖類を摂取した場合の血中D−フラクトース濃度上昇を抑制する方法、血中D−グルコース濃度上昇とD−フラクトース濃度上昇を同時に抑制する方法を提供することができる。
【0014】
本発明は、D−フラクトースをその構造の一部とするおよび/または含有する炭水化物および/または糖類を摂取した場合の血中D−フラクトース濃度上昇あるいは血中D−グルコース濃度上昇とD−フラクトース濃度上昇を同時を抑制することを特徴とし、D−プシコースおよび/またはその誘導体を有効成分として含有する、食品、保健用食品、患者用食品、食品素材、保健用食品素材、患者用食品素材、食品添加物、保健用食品添加物、患者用食品添加物、飲料、保健用飲料、患者用飲料、飲料水、保健用飲料水、患者用飲料水、薬剤、製剤原料、飼料、患畜および/または患獣用飼料を提供することができる。
【0015】
また、本発明はD−フラクトースをその構造の一部とするおよび/または含有する炭水化物および/または糖類を摂取した場合の血中D−フラクトース濃度上昇あるいは血中D−グルコース濃度上昇とD−フラクトース濃度上昇を同時を抑制する方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明は、人および/または動物を対象とし、D−フラクトースをその構造の一部とするおよび/または含有する炭水化物および/または糖類を摂取した場合の急激な血中D−フラクトース濃度上昇を抑制することができ、肥満、糖尿病、メタボリックシンドロームなどの生活習慣病の発症や進行の予防あるいは治療が可能で、高脂血症、高血糖症および/またはメタボリックシンドロームなど糖質代謝異常および/または脂質代謝異常を示す人および/または動物用に適したD−プシコースを含有した組成物、食品、食品素材、食品添加物、飲料、飲料水、薬剤、製剤原料、飼料に関する。また本発明は、D−フラクトースをその構造の一部とするおよび/または含有する炭水化物および/または糖類を摂取した場合の急激な血中D−フラクトース濃度上昇を抑制する方法に関する。
【0017】
D−プシコースについては、近年、エピメラーゼの出現(例えば、特開平6−125776号公報参照)により、たとえば自然界に豊富に存在する単糖であるD−フラクトースより生産できるようになるなど、依然高価ではあるが、比較的入手が容易となった。原料としてD−フラクトースを用いることにより、原料コストの問題を解決し、D−プシコースに基づく新たな生理活性を有することが期待できるヘテロオリゴ糖が得られることを見出した。単糖類の中で、D−プシコースは、還元基としてケトン基を持つ六単糖である。このD−プシコースには光学異性体としてD体とL体とが有ることが知られている。ここで、D−プシコースは既知物質であるが自然界に希にしか存在しないので、国際希少糖学会の定義によれば「希少糖」と定義されている。
【0018】
希少糖とは自然界に希にしか存在しない単糖(アルドース、ケトースおよび糖アルコール)と定義づけることができる。本発明においても上記の定義に基づく希少糖であり、好ましくはケトースのD-プシコースである。この定義は糖の構造や性質による定義ではないため、あいまいである。すなわち、一定量以下の存在量を希少糖というなどの量の定義はなされていないためである。しかし、一般に自然界に多量に存在するアルドースとしてはD-グルコース、D-ガラクトース、D-マンノース、D-リボース、D-キシロース、L-アラビノースの6種類あり、それ以外のアルドースは希少糖と定義される。ケトースとしては、D-フラクトースが存在しており、他のケトースは希少糖といえる。他のケトースとして、D-タガトース、D-ソルボース、L-フラクトース、L-プシコース、L-タガトース、L-ソルボースが挙げられる。また糖アルコールは単糖を還元してできるが、自然界にはD−ソルビトールが比較的多いがそれ以外のものは量的には少ないので、これらも希少糖といえる。
本発明で用いる希少糖D−プシコースは、これまで入手自体が困難であったが、自然界に多量に存在する単糖から希少糖を大量生産する方法が開発されつつあり、その技術を利用して製造することができる。
【0019】
本発明で用いるD-プシコースの誘導体について説明する。ある出発化合物から分子の構造を化学反応により変換した化合物を出発化合物の誘導体と呼称する。D-プシコースを含む六炭糖の誘導体には、そのエステル体およびエーテル体、糖アルコール(単糖類を還元すると、アルデヒド基およびケトン基はアルコール基となり、炭素原子と同数の多価アルコールとなる)や、ウロン酸(単糖類のアルコール基が酸化したもので、天然ではD-グルクロン酸、ガラクチュロン酸、マンヌロン酸が知られている)、アミノ糖(糖分子のOH基がNH2基で置換されたもの、グルコサミン、コンドロサミン、配糖体などがある)などが一般的であるが、それらに限定されるものではない。
【0020】
希少糖は微量ではあるが天然に存在する単糖である。D−プシコースについてはヒトに対する毒性の報告はなく、動物に対する毒性は低いと考えられる。また、D−プシコースは水に溶けやすく、蔗糖の約60%の強さの爽快な甘みを持つ糖であり、その甘味は上品で爽やかで、サッカリンのような苦みや渋みを伴う不快感はなく、むしろフラクトースの甘味に類似している。D−プシコースは、酸味、塩から味、渋味、旨味、苦味など、各種の物質の他の呈味とよく調和し、普通一般の飲食物の甘味付、呈味改良に、また品質改良などに有利に利用できる。本研究によってD−プシコースがD−フラクトースの血中濃度上昇をも抑制することが明らかとなった。
【0021】
本発明が対象とする組成物(食品、保健用食品、患者用食品、食品素材、保健用食品素材、患者用食品素材、食品添加物、保健用食品添加物、患者用食品添加物、飲料、保健用飲料、患者用飲料、飲料水、保健用飲料水、患者用飲料水、薬剤、製剤原料、飼料、患畜および/または患獣用飼料)は、D−プシコースおよび/またはその誘導体を含む食用および/あるいは薬用の組成物であれば何でもよい。
D-プシコースを有効成分とする組成物は、血中D−フラクトース濃度上昇を抑制するための食品添加物、食品素材、飲食品、医薬品・医薬部外品および飼料からなる群から選ばれる形態のものである。その組成物の機能性を生かして健康飲食品、患者用栄養飲食品を謳った食品、同様に、家畜、家禽、魚などの飼育動物のための飼料の開発が可能となった。
すなわち、上記飲食品が、血中D−フラクトース濃度上昇を抑制するための、機能性食品、栄養補助食品または健康飲食品である。上記飼料が、血中D−フラクトース濃度上昇を抑制するための、家畜、家禽、ペット類の飼料である。具体的には、上述したD−プシコースを有効成分とする組成物の食品素材を、食品形態、飲料形態または飼料形態のいずれの形態で使用することができる。
本発明のD-プシコースを有効成分とする組成物が有する上述した機能性を生かして用いる場合は、その含量は、特に制限されないが、目的とする機能の度合い、使用態様、使用量等により適宜調整することができ、例えば0.05〜100質量%である。本発明の血中D−フラクトース濃度上昇を抑制するための組成物は、人体やその他飲食物、医薬品、飼料や皮膚外用剤に使用することができる。また、経口等により内服することも、皮膚等に塗布することもできる。常法にしたがって経口、非経口の製品に配合することができ、調味料、食品添加物、食品素材、飲食品、健康飲食品、皮膚外用剤、医薬品および飼料等の様々な分野で利用することができる。例えば、飲食物に配合した場合には、血中D−フラクトース濃度上昇を抑制すべき疾患を治療または予防するための飲食物を提供することができる。予防等の効果からは、健康食品、栄養食品等として用いられることも期待できる。その他、家畜、および/または魚類の飼料、餌料に利用することができる。人体やその他飲食物、医薬品、肥料、飼料や皮膚外用剤に使用することにより、血中D−フラクトース濃度上昇を抑制すべき疾患を治療または予防する効果を得ることができる。
【0022】
本発明の組成物においては、D−プシコースおよび/またはその誘導体は、通常、組成物中に0.1〜50重量%含まれるように配合されている。好ましくは1〜50重量%、より好ましくは10〜30重量%である。ただし、含有量が少ない場合には組成物の摂取量を増やせば良く含有量が多い場合には組成物の摂取量を少なくすれば良い。よって、配合割合について、通常飲食品には下限に近い配合割合で用いることができるが、医薬品、錠剤やカプセルに入れて用いるような場合は上限に近い配合割合で用いることができる。D−プシコースおよび/またはその誘導体をヒトが摂取する場合、個々人の年齢、体重および症状などによって用法用量が決定されるべきであるが、多くの場合有効な用量はD−プシコース成人1日当たり1〜50gで、分割して食前、食後あるいは食事とともに摂取されるのが適当である。D−プシコースおよび/またはその誘導体の投与量は、経口投与の場合、成人に対しD−プシコースとして、1日量0.3〜50gを摂取するのが好ましいが、年令、症状により適宜増減することも可能である。前記1日量の本発明の血糖上昇抑制剤は、1日に1回、又は適当な間隔をおいて1日2もしくは3回に分けて、あるいは食前、食後あるいは食事とともに摂取することが好ましい。
【0023】
本発明の組成物を食品に利用する場合、そのままの形態、オイルなどに希釈した形態、乳液状形態食、または食品業界で一般的に使用される担体を添加した形態などのものを調製してもよい。飲料の形態は、非アルコール飲料またはアルコール飲料である。非アルコール飲料としては、例えば、炭酸系飲料、果汁飲料、ネクター飲料などの非炭酸系飲料、清涼飲料、スポーツ飲料、茶、コーヒー、ココアなど、また、アルコール飲料の形態では薬用酒などの一般食品の形態を挙げることができる。本発明の組成物の、前記糖質代謝異常および/または脂質代謝異常改善を目的とした食品素材あるいは食品添加物としての使用形態としては、錠剤、カプセル剤、飲料などに溶解させる粉末あるいは顆粒などの固形剤、ゼリーなどの半固形体、飲料水などの液体、希釈して用いる高濃度溶液などがある。さらに、本発明の組成物を適宜食品に添加して糖質代謝異常および/または脂質代謝異常改善などを目的とした保健食または病人食とすることができる。任意的成分として、通常食品に添加されるビタミン類、炭水化物、色素、香料など適宜配合することができる。食品は液状または固形の任意の形態で食することができる。ゼラチンなどで外包してカプセル化した軟カプセル剤として食することができる。カプセルは、例えば、原料ゼラチンに水を加えて溶解し、これに可塑剤(グリセリン、D−ソルビトールなど)を加えることにより調製したゼラチン皮膜でつくられる。
【0024】
本発明の飲料水について説明する。糖質代謝異常や脂質代謝異常は摂取カロリーと消費カロリーのアンバランスから現われることが多いが、その原因が生活習慣に深く根ざしているため治療は困難である。これらの異常に対して、現在我が国では各種の治療薬が用いられているが、長期投与時の副作用発現が問題となっている。そのため、食事制限などによる生活習慣の修正と運動が、糖質および/または脂質代謝異常の治療法として重要視されている。しかし、食事制限や運動は肥満や糖尿病など糖質および/または脂質代謝異常状態にある人たちにとっては大きなストレスとなっている。また、食事制限の誤りなどにより、栄養バランスが崩れて体調をさらに悪化させるという状況も見られている。
【0025】
本発明の飲料水は、D−プシコースおよび/またはその誘導体を1〜5重量%含む無色透明、無臭でほとんど無味の水溶液である。好ましくは1.5〜4重量%、より好ましくは2〜3重量%である。0.1重量%未満であると糖質代謝異常および/または脂質代謝異常改善効果が十分ではなく、5重量%を越えると無味ではなくなる。この飲料水は、無色透明でにおいはなく、かすかな甘みを有している。したがって、そのまま飲料水として飲用できるとともに、炊飯、調理やお茶、コーヒーなどを淹れるためにも使用できる。本発明の飲料水をこのように日常の食事や嗜好品を作るために使用することにより、特に意識することなく糖質代謝異常および/または脂質代謝異常の改善を図ることができる。また、本発明の基礎となった研究結果から、血中D−フラクトース濃度を正常値以下に大きく低下させることはないことが推測されるので、より安全に血中の糖濃度調節を行うことができると考えられる。このことは、肥満、糖尿病やメタボリックシンドロームなど糖質および/または脂質代謝異常に悩む人たちのQOLの向上に益するものである。
【0026】
飲食物としては、具体的には以下のものを例示することができる。洋菓子類(プリン、ゼリー、グミキャンディー、キャンディー、ドロップ、キャラメル、チューインガム、チョコレート、ペストリー、バタークリーム、カスタードグリーム、シュークリーム、ホットケーキ、パン、ポテトチップス、フライドポテト、ポップコーン、ビスケット、クラッカー、パイ、スポンジケーキ、カステラ、ワッフル、ケーキ、ドーナツ、ビスケット、クッキー、せんべい、おかき、おこし、まんじゅう、あめなど)、乾燥麺製品(マカロニ、パスタ)、卵製品(マヨネーズ、生クリーム)、飲料(機能性飲料、乳酸飲料、乳酸菌飲料、濃厚乳性飲料、果汁飲料、無果汁飲料、果肉飲料、透明炭酸飲料、果汁入り炭酸飲料、果実着色炭酸飲料)、嗜好品(緑茶、紅茶、インスタントコーヒー、ココア、缶入りコーヒードリンク)、乳製品(アイスクリーム、ヨーグルト、コーヒー用ミルク、バター、バターソース、チーズ、発酵乳、加工乳)、ペースト類(マーマレード、ジャム、フラワーペースト、ピーナッツペースト、フルーツペースト、果実のシロップ漬け)、畜肉製品(ハム、ソーセージ、ベーコン、ドライソーセージ、ビーフジャーキー、ラード)、魚介類製品(魚肉ハム、魚肉ソーセージ、蒲鉾、ちくわ、ハンペン、魚の干物、鰹節、鯖節、煮干し、うに、いかの塩辛、スルメ、魚のみりん干し、貝の干物、鮭などの燻製品)、佃煮類(小魚、貝類、山菜、茸、昆布)、カレー類(即席カレー、レトルトカレー、缶詰カレー)、調味料剤(みそ、粉末みそ、醤油、粉末醤油、もろみ、魚醤、ソース、ケチャップ、オイスターソース、固形ブイヨン、焼き肉のたれ、カレールー、シチューの素、スープの素、だしの素、ペースト、インスタントスープ、ふりかけ、ドレッシング、サラダ油)、揚げ製品(油揚げ、油揚げ菓子、即席ラーメン)、豆乳、マーガリン、ショートニングなどを挙げることができる。
【0027】
上記飲食物は、組成物を常法に従って、一般食品の原料と配合することにより、加工製造することができる。上記飲食物への組成物の配合量は食品の形態により異なり特に限定されるものではないが、通常は0.1〜50重量%が好ましい。
【0028】
上記飲食物は、機能性食品、栄養補助食品或いは健康食品類としても用いることができる。その形態は、特に限定されるものではなく、例えば、食品の製造例としては、アミノ酸バランスのとれた栄養価の高い乳蛋白質、大豆蛋白質、卵アルブミンなどの蛋白質、これらの分解物、卵白のオリゴペプチド、大豆加水分解物などの他、アミノ酸単体の混合物などを、常法に従って使用することができる。また、ソフトカプセル、タブレットなどの形態で利用することもできる。
【0029】
栄養補助食品或いは機能性食品の例としては、糖類、脂肪、微量元素、ビタミン類、乳化剤、香料などが配合された流動食、半消化態栄養食、成分栄養食、ドリンク剤、カプセル剤、経腸栄養剤などの加工形態を挙げることができる。上記各種食品には、例えば、スポーツドリンク、栄養ドリンクなどの飲食物は、栄養バランス、風味を良くするために、更にアミノ酸、ビタミン類、ミネラル類などの栄養的添加物や甘味料、香辛料、香料、色素などを配合することもできる。
【0030】
本発明の組成物を安定化させるために抗酸化剤、例えば、トコフェロール、L−アスコルビン酸、BHA、ローズマリー抽出物などを常法に従って併用することができる。
【0031】
本発明の組成物は、家畜、家禽、ペット類の飼料用に応用することができる。例えば、ドライドッグフード、ドライキャットフード、ウェットドッグフード、ウェットキャットフード、セミモイストドックフード、養鶏用飼料、牛、豚などの家畜用飼料に配合することができる。飼料自体は、常法に従って調製することができる。
これらの治療剤および予防剤は、ヒト以外の動物、例えば、牛、馬、豚、羊などの家畜用哺乳類、鶏、ウズラ、ダチョウなどの家禽類、は虫類、鳥類或いは小型哺乳類などのペット類、養殖魚類などにも用いることができる。
【0032】
本発明の薬剤について説明する。本発明者は、D−プシコースの、D−フラクトースをその構造の一部とするおよび/または含有する炭水化物および/または糖類を摂取した場合の血中D−フラクトース濃度上昇を抑制する効果について、実験動物を用いて詳細に検討した。その結果、D−プシコースには血中D−フラクトース濃度上昇を抑制する強い効果があることを見いだした。
【0033】
D−プシコースおよび/あるいはその誘導体を有効成分とする、前記の糖質代謝異常および/または脂質代謝異常改善効果を目的とした薬剤は、これらを単独で用いるほか、一般的賦形剤、安定剤、保存剤、結合剤、崩壊剤などの適当な添加剤を配合し、液剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、錠剤、カプセル剤、丸剤、軟膏剤、貼付剤、散布剤、スプレー剤または注射剤等の適当な剤型を選んで製剤し、経口的、経鼻的、経皮的あるいは経静脈的に投与することができる。
【0034】
本発明の組成物を薬剤として臨床に適用するに際しては、有効成分としてD−プシコースおよび/あるいはその誘導体を、固体、半固体または液体の医薬用担体、例えば希釈剤、賦形剤、安定剤等の添加剤とともに含む製剤とすることが望ましい。前記有効成分の担体成分に対する割合は、1〜90重量%の間で変動させ得る。剤型および投与形態としては、液剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、錠剤、カプセル剤、丸剤、軟膏剤、貼付剤、散布剤、スプレー剤または注射剤などの剤型にして、又は原末のまま経口投与してもよい。液剤として使用する場合には、経口投与の他に経鼻的あるいは経静脈的に投与してもよい。
【0035】
経口投与、経鼻投与、経皮投与または経静脈投与に適した医薬用の有機又は無機の固体、半固体又は液体の担体、溶解剤もしくは希釈剤を、本発明の組成物を薬剤として調製するために用いることができる。水、ゼラチン、乳糖、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、タルク、動・植物油、ベンジルアルコール、ガム、ポリアルキレングリコール、石油樹脂、ヤシ油、ラノリン、又は医薬に用いられる他のキャリアー(担体)は全て、本発明の組成物を含む薬剤の担体として用いることができる。また、安定剤、湿潤剤、乳化剤や、浸透圧を変えたり、配合剤の適切なpHを維持するための塩類を補助薬剤として適宜用いることができる。
【0036】
さらに、本発明の組成物を含有する薬剤は、糖質代謝異常および/または脂質代謝異常改善において、本発明の薬剤とともに適切に投与することができる他の医薬として有効な成分を含有していてもよい。顆粒剤、細粒剤、カプセル剤、散剤、錠剤、軟膏剤、貼付剤、散布剤またはスプレー剤の場合には、本発明の組成物を5〜80重量%含有しているのが好ましく、液剤あるいは注射剤の場合には、対応する量(割合)は1〜80重量%であるのが好ましい。
【0037】
臨床投与量は、経口投与の場合、成人に対してD−プシコースおよび/またはその誘導体として1日量1〜50gを内服するのが好ましいが、年齢、症状などにより適宜増減することも可能である。前記1日量の本発明の薬剤は、1日1回又は適当な間隔を置いて1日2回以上にわけて、あるいは食前、食後あるいは食事とともに投与することが好ましい。
【0038】
本発明の製剤原料について説明する。糖質代謝異常および/または脂質代謝異常改善を目的とする他の薬物などを薬剤として製造するときに、D−プシコースおよび/またはその誘導体を、製剤原料として、一般的賦形剤、安定剤、保存剤、結合剤、崩壊剤などの目的で使うこともできる。あるいは、例えば続発性に糖質代謝異常および/または脂質代謝異常が現れた場合などには原因疾患の治療に加えて糖質代謝異常および/または脂質代謝異常の改善が必要となるが、このような場合の原因疾患治療剤などの製造に、本発明の組成物を上記のような製剤原料としても用いることができる。この場合のD−プシコースおよび/またはその誘導体の使用量や他の薬物などとの割合は、これら治療薬の製剤中含有量あるいは性質により適宜調整することができる。
【0039】
[作用]
ラットにおいてD−プシコース経口投与は、蔗糖あるいはD−フラクトース経口投与による血中D−フラクトース濃度上昇を強く抑制した。
【0040】
本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は実施例によってなんら限定されるものではない。
【実施例】
【0041】
(実験方法)
体重約250gのWistar系雄ラットを1群10匹として、蔗糖2g/kg経口投与群(S群)、蔗糖2g/kg・D−プシコース0.5g/kg混合物投与群(S+P0.5群)および蔗糖2g/kg・D−プシコース1g/kg混合物投与群(S+P1群)の3群に分けた。動物を24時間絶食させた後、胃ゾンデを用いて糖溶液の10ml/kgを強制経口投与した。
D−フラクトース経口投与による血中D−フラクトース濃度上昇に対するD−プシコース経口投与の影響を検討する場合には、体重約250gのWistar系雄ラットを1群10匹として用い、D−フラクトース 1g/kgおよびD−プシコース 0.5あるいは1g/kgを強制経口投与した。
糖溶液投与直前、投与後15分、30分、60分、120分および240分に足底静脈よりそれぞれ約200μLを採血し、血清を分離した。血清中のD−フラクトース濃度は、液体クロマトグラフ装置を用い、電気化学的に検出・測定を行った。
測定値は平均値と標準誤差で表わし、有意差検定は、Tukey’s multiple range testを用いて行った。
【0042】
(実験結果)
24時間絶食後のラット血中D−フラクトース濃度は約9mg/dLであった。S群の動物では蔗糖投与15分後にはD−フラクトースの血中濃度は上昇し、30分後には16.4mg/mLとなった。その後、投与30分後の血中濃度を最高値として、D−フラクトースの血中濃度は減少し、投与120分後には蔗糖投与前の値に戻った。
S+P0.5群およびS+P1群では、血中D−フラクトース濃度の上昇は見られず、ほぼ完全に抑制された。D−プシコース投与量によりD−フラクトース血中濃度上昇抑制の強さには差は見られなかった(図1)。
【0043】
D−フラクトース1g/kgを経口投与した場合にも血中D−フラクトース濃度は急激に上昇して投与30分後に20.1mg/dLとなり、最大値を示した。この血中D−フラクトース濃度は投与1時間後から急激に低下し、投与2時間後には、ほぼ投与直前に値に戻った。D−プシコース0.5g/kgをD−フラクトース1g/kgと同時に経口投与した場合には、血中D−フラクトース濃度はD−フラクトース1g/kg単独投与の場合とほぼ同様の血中濃度の変化を示したが、投与30分後および1時間後の血中D−フラクトース濃度は低くなりD−フラクトース1g/kg単独投与の場合と較べて有意の差が認められた。D−プシコース1g/kgをD−フラクトース1g/kgと同時に経口投与した場合には、血中D−フラクトース濃度上昇は強く抑制され、投与15分および30分後ならびに1時間後の血中D−フラクトース濃度にはD−フラクトース1g/kg単独投与の場合と較べて有意の差が認められた。D−プシコース投与群の血中D−フラクトース濃度は投与2時間後も徐々に低下を続け、投与4時間後には血中D−フラクトース濃度はD−フラクトース1g/kg単独投与の場合と較べて有意に低かった(図2)。
【0044】
(考察)
D−グルコースは血糖値として測定され、高血糖が糖尿病などの場合に問題となる。D−フラクトースについては、血中での高濃度が持続した場合には、肥満、高脂血症あるいは糖尿病の発症や悪化を来すとされている(非特許文献7、非特許文献8、非特許文献9、非特許文献10)。従って、D−フラクトースの血中濃度の過度の上昇を抑制することは、高脂血症あるいは糖尿病等の生活習慣病を予防あるいは悪化を防ぐという点から意義があり、本研究によってD−プシコースがD−フラクトースの血中濃度上昇をも抑制することが明らかとなった。この作用は蔗糖投与時の血糖上昇を抑制する作用より強く現れた。このことは、D−プシコースとD−フラクトースはいずれもケトースに属しているため、D−プシコースは腸管におけるD−フラクトースの輸送を、アルドースに属しているD−グルコースの輸送より強く抑制する可能性を示唆している。
このような糖代謝あるいは脂質代謝の異常に関連しているD−グルコースとD−フラクトースの両者の血中濃度上昇を抑制するという性質は、血糖調節の目的で使用されている他の物質においては明らかにされていない。
このように、D−プシコースは、D−グルコースのみならずD−フラクトースの血中濃度上昇を抑制することから、肥満、高脂血症、糖尿病あるいはメタボリックシンドロームなどの糖代謝あるいは脂質代謝の異常による生活習慣病の予防、症状改善および/または悪化防止に極めて有用な手段を提供するものである。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明により、D−プシコースおよび/またはその誘導体は、実験動物において血中D−フラクトース濃度上昇抑制効果を現すことがはじめて明らかになった。このことは、ヒトにおいてもD−プシコースおよび/またはその誘導体が高血糖および/または高脂血状態改善効果を現すことを推測させる結果であり、肥満、高脂血症、糖尿病あるいはメタボリックシンドロームなどの糖代謝あるいは脂質代謝の異常による生活習慣病の予防ならびに対処に新しい手段を提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】蔗糖(Sucrose)経口投与による血中D−フラクトース(D-D−フラクトース)濃度上昇に及ぼすD−プシコース(D−プシコース)の影響〔図中、**;p<0.01(vs Sucrose2g/kg),N=10〕。
【図2】D−フラクトース経口投与による血中D−フラクトース濃度上昇におよぼすD−プシコースの影響〔図中、*;p<0.05,**;p<0.01(vs Fructose1g/kg),N=10〕。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
D-プシコースを有効成分とする、D−フラクトースをその構造の一部とするかまたは含有する炭水化物および/または糖類を摂取した場合の、血中D−フラクトース濃度上昇を抑制する組成物。
【請求項2】
上記組成物が、血中D−フラクトース濃度上昇と同時に、D−グルコース濃度上昇を抑制する組成物である請求項1の組成物。
【請求項3】
D-プシコースが、D-プシコース、および/または、その誘導体である請求項1または2の組成物。
【請求項4】
D-プシコースが、D-プシコースおよびD-フラクトースの混合物である請求項1、2または3の組成物。
【請求項5】
上記組成物が、甘味料、調味料、食品添加物、食品素材、飲食品、健康飲食品、医薬品および飼料からなる群から選ばれる形態のものである請求項1ないし4のいずれかの組成物。
【請求項6】
D−フラクトースをその構造の一部とするかまたは含有する炭水化物および/または糖類を摂取するときに、D-プシコースを与えることよりなる、血中D−フラクトース濃度上昇の抑制に使用することを特徴とするD-プシコースの使用方法。
【請求項7】
血中D−フラクトース濃度上昇の抑制に使用すると同時に、D−グルコース濃度上昇の抑制にも使用する請求項6のD-プシコースの使用方法。
【請求項8】
D-プシコースが、D-プシコース、および/または、その誘導体である請求項6または7のD-プシコースの使用方法。
【請求項9】
D-プシコースが、D-プシコースおよびD-フラクトースの混合物である請求項6、7または8のD-プシコースの使用方法。
【請求項10】
D-プシコースが、D-プシコースを有効成分とする、甘味料、調味料、食品添加物、食品素材、飲食品、健康飲食品、医薬品および飼料からなる群から選ばれる形態の組成物である請求項6ないし9のいずれかのD-プシコースの使用方法。















【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−51136(P2007−51136A)
【公開日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−196752(P2006−196752)
【出願日】平成18年7月19日(2006.7.19)
【出願人】(000215958)帝國製薬株式会社 (44)
【出願人】(304028346)国立大学法人 香川大学 (285)
【Fターム(参考)】