説明

DC−DCコンバータ及び電源電圧制御方法

【課題】送信電力増幅器によって増幅されたRF(Radio Frequency)送信信号の過渡応答の品質を良化し、且つ、送信電力増幅器に電源供給するDC−DCコンバータを低消費電力で小規模な回路により実現する。
【解決手段】送信パワー設定信号に基づいてRF信号を増幅する送信電力増幅器に対して、電源電圧を供給するDC−DCコンバータにおいて、送信パワー設定信号に基づいて電源電圧を設定すると共に、電源電圧が変化する過渡期間においてのみ、高いスイッチング周波数を設定するように制御する。これにより、過渡期間の品質が良化し、過渡期間以外では、スイッチング損失を抑制することにより低消費電力化が可能になる。また、送信パワー設定信号を用いて、電源電圧の設定及びスイッチング周波数の設定を制御するため、特別なハードウェアを必要とせずに、小規模な回路で実現することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、DC−DCコンバータ及び電源電圧制御方法に関する。特に、本発明は、RF(Radio Frequency)信号を増幅する送信電力増幅器に電源供給するDC−DCコンバータ、及びその電源電圧制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話に代表される通信端末装置では、入力されたRF(Radio Frequency)入力信号を送信電力増幅器により増幅してRF送信信号を生成した後、アンテナを介して無線により基地局装置に送信している。近年、CDMA(Code Division Multiple Access)、WCDMA(Wideband Code Division Multiple Access)、GSM(Global System for Mobile Communication)、LTE(Long Term Evolution)等の種々の通信方式が採用されているが、このような通信方式を用いる通信端末装置では、送信パワー精度を保ちつつ、高速な送信パワー制御を行う必要がある。
【0003】
高速な送信パワー制御をしながら、送信信号品質を良好に保つには、送信電力増幅器に電源を供給しているDC−DCコンバータの出力電圧切り替え時の過渡応答性能も良くすることが必要である。もし、DC−DCコンバータの出力電圧切り替え時の過渡応答性能が悪いと、送信電力増幅器に供給する電源電圧が最適とならずに、送信歪みや送信パワー変動が発生してしまい、RF送信信号の品質が劣化してしまうからである。
【0004】
そこで、RF送信信号の品質を確保するためには、DC−DCコンバータのスイッチング周波数を高くすることにより、DC−DCコンバータの出力電圧切り替え時の過渡応答性能を改善することが有効である。
【0005】
例えば、特許文献1には、RF信号の包絡線成分を検出した結果に基づいて、DC−DCコンバータのスイッチング周波数を切り替える電力増幅システムが開示されている。この電力増幅システムでは、RF信号の包絡線の振幅に応じて電力増幅器への供給電圧を変化させることで、電力増幅器を入力信号に対し常に飽和に近い状態で動作させることができるため、電力効率の良い電力増幅システムを提供することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−193298号公報
【特許文献2】特開2009−100552号公報
【特許文献3】特開2002−186249号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
以下の分析は、本発明により与えられる。
【0008】
しかしながら、DC−DCコンバータのスイッチング周波数を高くした場合、DC−DCコンバータの出力電圧切り替え時の過渡応答性能は良化するが、スイッチング損失による消費電力が増加するという問題が発生する。特に、携帯通信端末においては低消費電力化の要求が高いため、消費電力の増加は許容されにくい。
【0009】
一方、特許文献1に記載された電力増幅システムは、RF信号の包絡線の変化を検出してスイッチング周波数を切り替えることにより、電力効率の良い電力増幅システムを実現している。しかしながら、包絡線検波回路が必要になるため、全体として、回路規模が増大してしまうという問題がある。
【0010】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであり、送信電力増幅器で増幅されたRF送信信号の過渡応答の品質を良化し、且つ、送信電力増幅器に電源供給するDC−DCコンバータを低消費電力で小規模な回路により実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1の視点によるDC−DCコンバータは、増幅後のパワーレベルの情報を含む送信パワー設定信号に基づいて、RF(Radio Frequency)信号を増幅する送信電力増幅器に対して、電源電圧を供給するDC−DCコンバータであって、スイッチング素子をオンオフ制御することにより前記電源電圧を生成するDC−DCコンバータ電圧生成部と、前記DC−DCコンバータ電圧生成部に対し、前記電源電圧の設定及び前記スイッチング素子のスイッチング周波数の設定を行う制御部と、を備え、前記制御部は、前記送信パワー設定信号に基づいて前記電源電圧を設定すると共に、前記電源電圧が変化する過渡期間においてのみ、高いスイッチング周波数を設定するように制御する。
【0012】
本発明の第2の視点による電源電圧制御方法は、増幅後のパワーレベルの情報を含む送信パワー設定信号に基づいて、RF(Radio Frequency)信号を増幅する送信電力増幅器に供給する電源電圧を制御する方法であって、前記送信パワー設定信号に基づいて前記電源電圧を設定して、スイッチング素子をオンオフ制御する方式のDC−DCコンバータにより、前記電源電圧を生成する際に、前記電源電圧が変化する過渡期間においてのみ、前記スイッチング素子に対して高いスイッチング周波数を設定するように制御する。
【発明の効果】
【0013】
本発明のDC−DCコンバータによれば、送信パワー設定信号に基づいて、送信増幅器に電源供給するDC−DCコンバータの出力電圧を制御し、且つ、電源電圧が変化する過渡期間のみDC−DCコンバータのスイッチング周波数を高い周波数に切り替えるようにしたから、送信電力増幅器により増幅されたRF送信信号の過渡応答の品質を良化し、且つ、DC−DCコンバータを低消費電力で小規模な回路により実現することが可能になる。
【0014】
また、本発明の電源電圧制御方法によれば、上記のDC−DCコンバータから送信電力増幅器に電源供給することで、送信電力増幅器で増幅されたRF送信信号の過渡応答の品質を良化し、且つ、低消費電力で動作させることが可能な電源電圧制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施例1に係るDC−DCコンバータと送信電力増幅器を示すブロック図である。
【図2】図1のDC−DCコンバータ電圧生成部の詳細を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施例1の変形例における昇圧コア回路の回路図である。
【図4】本発明の実施例1に係るDC−DCコンバータの制御部の動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施例1に係るDC−DCコンバータと送信電力増幅器の各部の波形図である。
【図6】本発明の実施例1における送信パワー設定信号−DC−DCコンバータ出力電圧の変換テーブルの一例である。
【図7】本発明の実施例1に係るDC−DCコンバータの三角波発生器を説明するための図である。
【図8】本発明の実施例2に係るDC−DCコンバータと送信電力増幅器を示すブロック図である。
【図9】図8のDC−DCコンバータ電圧生成部の詳細を示すブロック図である。
【図10】本発明の実施例2の変形例における昇圧コア回路の回路図である。
【図11】本発明の実施例2に係るDC−DCコンバータと送信電力増幅器の各部の波形図である。
【図12】本発明の実施例3に係るDC−DCコンバータの制御部とDC−DCコンバータ電圧生成部を示すブロック図である。
【図13】本発明の実施例3に係るDC−DCコンバータの制御部を説明するための図である。
【図14】本発明の実施例4に係るDC−DCコンバータと送信電力増幅器を示すブロック図である。
【図15】スイッチング損失を説明するための図である。
【図16】本発明の実施例1の別の変形例における昇降圧コア回路の回路図である。
【図17】本発明の実施例2の別の変形例における昇降圧コア回路の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施形態について、必要に応じて図面を参照して説明する。なお、実施形態の説明において引用する図面及び図面の符号は実施形態の一例として示すものであり、それにより本発明による実施形態のバリエーションを制限するものではない。
【0017】
本発明による第1の実施形態のDC−DCコンバータ20は、図1、2に示すように、増幅後のパワーレベルの情報を含む送信パワー設定信号8に基づいて、RF(Radio Frequency)信号1を増幅する送信電力増幅器30に対して、電源電圧36を供給するDC−DCコンバータ20であって、スイッチング素子80をオンオフ制御することにより電源電圧36を生成するDC−DCコンバータ電圧生成部24と、DC−DCコンバータ電圧生成部24に対し、電源電圧36の設定及びスイッチング素子80のスイッチング周波数の設定を行う制御部22と、を備え、制御部22は、送信パワー設定信号8に基づいて電源電圧36を設定すると共に、電源電圧36が変化する過渡期間においてのみ、高いスイッチング周波数を設定するように制御する。
【0018】
本発明による第2の実施形態の電源電圧制御方法は、図1、2に示すように、増幅後のパワーレベルの情報を含む送信パワー設定信号8に基づいて、RF(Radio Frequency)信号1を増幅する送信電力増幅器30に供給する電源電圧36を制御する方法であって、送信パワー設定信号8に基づいて電源電圧36を設定して、スイッチング素子80をオンオフ制御する方式のDC−DCコンバータ20により、電源電圧36を生成する際に、電源電圧36が変化する過渡期間においてのみ、スイッチング素子80に対して高いスイッチング周波数を設定するように制御する。
【0019】
以下、実施例について、図面を参照して詳しく説明する。
【実施例1】
【0020】
[実施例1の構成]
図1は、本発明の実施例1に係るDC−DCコンバータ20及び送信電力増幅器30を示すブロック図である。図1は無線通信装置において、RF入力信号1を増幅してRF送信信号3を出力する送信電力増幅器30と、送信電力増幅器30に電源供給するDC−DCコンバータ20を示している。送信電力増幅器30で生成されたRF送信信号3は、不図示の送信部のアンテナを介して、基地局装置へ送信される。
【0021】
図1における外部から供給される送信パワー設定信号8は、増幅されたRF送信信号3の送信パワーを設定する信号である。例えば、携帯端末装置では、通信を行う基地局装置が携帯端末装置に対して送信信号のレベルの増加を要求する場合がある。送信パワー設定信号8は、そのように基地局から要求される送信パワーの増加などを含めたRF送信信号3の送信パワーの目標値である。
【0022】
送信電力増幅器30は、第1の増幅器32と第2の増幅器34を有している。ここで、第1の増幅器32はAGC(Auto Gain Control)アンプであり、外部から供給される送信パワー設定信号8に基づいて増幅率が制御される。一方、第2の増幅器34は、増幅率が固定のパワーアンプであり、第1の増幅器32の出力を増幅し、RF送信信号3として出力する。送信電力増幅器30のトータルの増幅率は、送信パワー設定信号8に基づいて制御される第1の増幅器32の増幅率と、第2の増幅器34の固定の増幅率の積になる。従って、第1の増幅器32及び第2の増幅器34によるトータルの増幅により、送信パワー設定信号8で与えられた送信パワーが得られるように、第1の増幅器32の増幅度が制御される。
【0023】
また、図1のDC−DCコンバータ20は、DC−DCコンバータ電圧生成部24、制御部22、記憶部10を備える。DC−DCコンバータ電圧生成部24は、スイッチング素子80をオンオフ制御することにより、所望の電圧を出力するスイッチングレギュレータ方式を採用している。DC−DCコンバータ電圧生成部24が生成したDC−DCコンバータの出力電圧36は、送信電力増幅器30の第2の増幅器34の電源電圧36として供給される。
【0024】
また、制御部22は、スイッチング周波数切替信号生成部26とDC−DCコンバータ出力電圧制御信号生成部28を備える。スイッチング周波数切替信号生成部26はスイッチング周波数切替信号5を、DC−DCコンバータ出力電圧制御信号生成部28はDC−DCコンバータ出力電圧制御信号7をDC−DCコンバータ電圧生成部24に対して出力し、DC−DCコンバータ電圧生成部24を制御する。
【0025】
具体的には、DC−DCコンバータ出力電圧制御信号生成部28は、送信パワー設定信号8を入力し、記憶部10に格納された図6に示す送信パワー設定信号−DC−DCコンバータ出力電圧の変換テーブルを読み出して、送信パワー設定信号8をDC−DCコンバータの出力電圧の設定値に変換し、該DC−DCコンバータ出力電圧の設定値に対応したDC−DCコンバータ出力電圧制御信号7を出力する。これにより、DC−DCコンバータ電圧生成部24で生成される電源電圧(DC−DCコンバータの出力電圧)36が、対応したDC−DCコンバータ出力電圧の設定値になるように制御がなされる。また、DC−DCコンバータ出力電圧制御信号生成部28において、DC−DCコンバータ出力電圧の設定値が変化した場合、DC−DCコンバータ出力電圧の設定値の変化を検知した信号11をスイッチング周波数切替信号生成部26に出力する。
【0026】
そして、スイッチング周波数切替信号生成部26は、DC−DCコンバータ出力電圧の設定値の変化を検知した信号11により、DC−DCコンバータの出力電圧36が変化する過渡期間を検出して、過渡期間においてのみ、高いスイッチング周波数を設定するようにスイッチング周波数切替信号5を出力する。具体的には、上記した過渡期間においてのみ、スイッチング周波数切替信号5をHレベルにし、それ以外の場合はLレベルにする。
【0027】
次に、DC−DCコンバータ電圧生成部24の構成について、図2を参照しながら詳細に説明する。図2は、降圧型のDC−DCコンバータ電圧生成部24のブロック図である。降圧型は、入力電圧Vccより、低い出力電圧Voを生成するタイプのDC−DCコンバータである。降圧型のDC−DCコンバータは、広く知られた技術であり、例えば、特許文献2に開示されている。図2は、特許文献2に記載されたDC−DCコンバータの回路図に基づいている。
【0028】
図2において、DC−DCコンバータ電圧生成部24は、DC−DCコンバータ電圧生成部制御回路90と降圧コア回路78と、抵抗、コンデンサ(図2の抵抗Ra、Rb、R1、R2;コンデンサC1、C2)により構成される。
【0029】
降圧コア回路78は、入力電圧Vccと、PWM(Pulse Width Modulation)入力信号(図2のPWM_IN)を入力し、DC−DCコンバータの出力電圧36(図2のVo)を出力する。降圧コア回路78は、スイッチング素子80、インダクタ84、コンデンサ86、ダイオード82で構成される。図2に示すように、スイッチング素子80の一端は入力電圧Vccと接続され、スイッチング素子80の他端はダイオード82のカソード及びインダクタ84の一端と接続される。ダイオードのアノードはグランドと接続され、インダクタ84の他端は、ノードN2及びコンデンサ86の一端と接続される。コンデンサ86の他端はグランドと接続される。
【0030】
スイッチング素子80は、例えば、NチャネルMOSトランジスタで構成され、PWM_IN信号がHレベルのとき導通し、Lレベルのとき非導通になる。PWM_IN信号のデューティ比、すなわち、導通状態の比率により、DC−DCコンバータの出力電圧36(図2のVo)は制御される。
【0031】
具体的には、降圧コア回路78は、スイッチング素子80が導通状態時にインダクタ84を励磁し電磁エネルギーを蓄積すると同時に電力を出力に供給する。一方、スイッチング素子80が非導通状態時には、インダクタ84に蓄えた電磁エネルギーをダイオード82を介して放出し、出力側に低く供給する。このようにして、導通と非導通の状態を繰り返すことにより、式(1)に示すように入力電圧VccからDC−DCコンバータの出力電圧36(図2のVo)が得られる。式(1)において、Ton、Toffは、夫々、スイッチング素子80の導通状態の期間、非導通状態の期間である。この場合、PWM信号のデューティ比は、Ton/(Ton+Toff)になる。
【0032】
【数1】

【0033】
DC−DCコンバータ電圧生成部制御回路90は、基準電圧発生器91、内部電源92、誤差アンプ93、三角波発生器94、コンパレータ95、出力MOSドライバ96により構成される。DC−DCコンバータの出力電圧36(図2のVo)は、抵抗Ra、Rbで構成される分圧回路を介して、DC−DCコンバータ電圧生成部制御回路90にフィードバックされ、DC−DCコンバータの出力電圧36(図2のVo)が所望の電圧になるように制御され、PWM出力信号PWM_INを生成している。
【0034】
具体的には、DC−DCコンバータの出力電圧36(図2のVo)は、抵抗Ra、Rbで構成される分圧回路に入力され、分圧回路は、分圧電圧Vfbを出力する。そして、この分圧電圧は、誤差アンプ93の反転入力端子に供給される。一方、誤差アンプ93の非反転入力端子には基準電圧発生器91により発生された基準電圧Vrefが供給される。また、誤差アンプ93には発振防止のための位相補償用の抵抗とコンデンサ(R1、C1、R2、C2)が、図2に示すように接続される。上記した構成により、誤差アンプ93は分圧電圧Vfbと基準電圧Vrefとの差分を増幅し、誤差電圧Verrとして出力する。
【0035】
そして、誤差アンプ93の出力Verrは、コンパレータ95の反転入力端子に接続される。一方、コンパレータ95の非反転入力端子には、三角波発生器94で生成した三角波Vtrが供給される。これにより、コンパレータ95において、誤差電圧Verrと三角波Vtrが比較され、三角波Vtrが誤差電圧Verr以上の場合にはコンパレータ95はHレベルを出力し、それ以外の場合にはLレベルを出力する。
【0036】
コンパレータ95の出力は出力MOSドライバ96に供給され、出力MOSドライバ96は、コンパレータ95の出力に基づいて、スイッチング素子80をオンオフ制御するPWM信号(図2のPWM_IN)を出力する。そして、降圧コア回路78において、PWM信号のデューティ比に基づいてDC−DCコンバータの出力電圧36(図2のVo)が出力される。
【0037】
以上の説明が、特許文献2等に開示された降圧型のDC−DCコンバータの構成である。本発明の実施例1のDC−DCコンバータ電圧生成部24では、さらに、制御部22から基準電圧発生器91に対してDC−DCコンバータ出力電圧制御信号7が、三角波発生器94に対してスイッチング周波数切替信号5が、夫々供給される。
【0038】
DC−DCコンバータ電圧生成部24は、DC−DCコンバータ出力電圧制御信号7に基づいて、電源電圧(DC−DCコンバータ出力電圧)36を変化させて出力する。DC−DCコンバータ出力電圧制御信号7は、目標のDC−DCコンバータの出力電圧を示すディジタル信号であり、基準電圧発生器91が有するD/A変換器により、アナログの基準電圧Vrefに変換されて出力される。DC−DCコンバータ出力電圧制御信号7のビット幅をnとすると、アナログ電圧Vrefは、2のn乗レベルのアナログ電圧を出力するように構成することができる。また、D/A変換器の代わりに、複数のアナログ電圧を設け、それらをスイッチで切り替えるように構成してもよい。
【0039】
また、三角波発生器94は、複数のスイッチング周波数に対応した三角波を発生することが可能であり、スイッチング周波数切替信号5に基づいて、発生させる三角波の周波数を切り替えるように構成される。実施例1では、スイッチング周波数の切り替えは2段階であり、スイッチング周波数切替信号がLレベルのとき、スイッチング周波数f1が選択され、スイッチング周波数切替信号がHレベルのとき、スイッチング周波数f2が選択される。ここで、f1<f2である。図7は、三角波発生器94が出力する2段階の三角波を示している。図7(A)はスイッチング周波数がf1のときの三角波であり、図7(B)は、スイッチング周波数がf2のときの三角波である。以上のようにして生成した三角波の周波数に応じて、PWM信号(図2のPWM_IN)のスイッチング周波数が変化する。ここで、実施例1では、2段階のスイッチング周波数を切り替える場合について例示しているが、スイッチング周波数の切り替えは2段階に限定されず、3段階以上のスイッチング周波数を切り替えるように構成してもよい。
【0040】
[実施例1の動作]
次に、実施例1の動作について必要に応じて図面を参照しながら詳細に説明する。図4は実施例1に係るDC−DCコンバータの制御部22の動作を示すフローチャートである。また、図5は実施例1に係るDC−DCコンバータ20及び送信電力増幅器30の各部の信号の波形図である。図5において、RF送信信号3、電源電圧(DC−DCコンバータの出力電圧)36、DC−DCコンバータ出力電圧制御信号7、送信パワー設定信号8、スイッチング周波数切替信号5、スイッチング周波数が示されている。
【0041】
図5に示すように、送信パワー設定信号8を外部より、送信電力増幅器30に供給することによって、RF送信信号3が、送信パワー設定信号8が示す送信パワーレベルを出力するように制御される。具体的には、RF送信信号3が送信パワー設定信号8が示す送信パワーレベルになるように、第1の増幅器32の利得が自動的に設定される。図5において、送信パワー設定信号8は、時点t1までに「送信パワー1」、時点t1〜t3に「送信パワー3」、時点t3以降が「送信パワー2」に設定されている。ここで、各々の期間の送信パワーの大きさは、送信パワー1<送信パワー2<送信パワー3の関係になっている。
【0042】
送信電力増幅器30は、図5に示すような送信パワーのRF送信信号3を出力する。時点t1までは、送信パワー設定信号8の「送信パワー1」に相当する送信パワーレベル1が出力され、時点t2〜t3は送信パワー設定信号8の「送信パワー3」に相当する送信パワーレベル3が出力され、時点t4以降は、送信パワー設定信号8の「送信パワー2」に相当する送信パワーレベル2が出力される。送信パワー設定信号8は、例えば、図6に示す表の第1列に示されるように、dBmで表される信号である。ここで、dBmは通信回線上の信号の大きさを表すのに用いられ、1mWを0dBmとして定義した単位である。以下の説明において、送信パワー1が10dBm、送信パワー2が26dBm、送信パワー3が29dBmであるとする。
【0043】
RF送信信号3の送信パワーレベルは、DC−DCコンバータ出力電圧制御信号7の変化に対して、図5に示すように、立ち上がりの過渡期間(時点t1〜時点t2)と、立ち下がりの過渡期間(時点t3〜時点t4)を生ずる。
【0044】
本発明の実施例1では、上記のように動作する送信電力増幅器30に対して、以下に示すように、送信電力増幅器30に電源供給するDC−DCコンバータ20の電源電圧36の設定と、DC−DCコンバータ20のスイッチング周波数を、送信パワー設定信号8を用いて制御する。
【0045】
図4は、DC−DCコンバータ20の制御部22による制御を示すフローチャートである。以下に、図4を参照しながら、制御部22の動作を詳細に説明する。まず、制御部22のDC−DCコンバータ出力電圧制御信号生成部28は、送信パワー設定信号8を入力する(ステップS10)。次に、DC−DCコンバータ出力電圧制御信号生成部28は、入力した送信パワー設定信号8が変化したか否かを判定する(ステップS12)。ステップS12でNOと判定された場合は、ステップS10に戻り、処理を繰り返す。
【0046】
一方、ステップS12でYESと判定された場合は、記憶部10に格納されている送信パワー設定信号−DC−DCコンバータ出力電圧の変換テーブルを参照し、送信パワー設定信号8からDC−DCコンバータ出力電圧の設定値を得る(ステップS14)。
【0047】
ここで、記憶部10に格納されているその変換テーブルについて説明する。図6は、記憶部10に格納された送信パワー設定信号−DC−DCコンバータ出力電圧の変換テーブルの一例である。図6の第1列は、送信パワー設定信号の値であり、第2列は、各々の送信パワー設定信号に対するDC−DCコンバータの出力電圧の設定値である。ある送信パワー設定信号8が与えられると、この変換テーブルを参照することにより、対応するDC−DCコンバータの出力電圧の設定値を得ることができる。ここで、送信パワー設定信号8がテーブルの第1列にない値の場合には、補間演算によってDC−DCコンバータの出力電圧の設定値を算出するか、又は、第1列の中で最も近い値の送信パワー設定信号に相当するDC−DCコンバータの出力電圧の設定値を用いればよい。図6に示す変換テーブルでは、DC−DCコンバータの出力電圧は、1V、3.3V、4.2Vの3レベルが設定されている。1Vは、図5の出力電圧1に、3.3Vは図5の出力電圧2に、4.2Vは図5の出力電圧3に相当する。すなわち、送信パワー設定信号8が送信パワー1(10dBm)の場合、DC−DCコンバータの出力電圧の設定値として、出力電圧1(1V)が設定される。また、送信パワー設定信号8が送信パワー2(26dBm)の場合、DC−DCコンバータの出力電圧の設定値として、出力電圧2(3.3V)が設定される。また、送信パワー設定信号8が送信パワー3(29dBm)の場合、DC−DCコンバータの出力電圧の設定値として、出力電圧3(4.2V)が設定される。
【0048】
次に、図4のフローチャートに戻って、説明を続ける。DC−DCコンバータ出力電圧制御信号生成部28は、ステップS14で得られたDC−DCコンバータ出力電圧の設定値が変化したか否かを判定する(ステップS16)。ステップS16で、NOと判定された場合には、ステップS10に戻る。一方、ステップS16で、YESと判定された場合には、DC−DCコンバータ出力電圧制御信号生成部28は、DC−DCコンバータ出力電圧の設定値が変化したことをスイッチング周波数切替信号生成部26に伝える。具体的には、DC−DCコンバータ出力電圧の設定値の変化を検知した信号11を伝える。そして、スイッチング周波数切替信号生成部26は、スイッチング周波数切替信号をスイッチング周波数が高い設定に切り替える。具体的には、スイッチング周波数切替信号をLレベルからHレベルにすることにより、スイッチング周波数をf1からf2(但し、f1<f2)に切り替える(ステップS18)。
【0049】
また、ステップS18と同じタイミングで、DC−DCコンバータ出力電圧制御信号7を更新する(ステップS20)。ここで、DC−DCコンバータ出力電圧制御信号7は、図6の第2列の電圧値(1V、3.3V、4.2V等)をディジタル信号で表現した値である。例えば、ディジタル信号を8ビットで表現する場合には、DC−DCコンバータの電圧値を256段階で示すことができる。
【0050】
次に、ステップS18、S20の後、所定の時間ΔTを計測するタイマ処理を行う(ステップS22)。ここで、ΔTは、RF送信信号の立ち上がり/立ち下がりの過渡期間に相当する時間である。また、図4では、立ち上がりと立ち下がりで同じ所定の時間ΔTを計測しているが、立ち上がりと立ち下がりに応じて、別のタイマ設定ΔT1、ΔT2を行うようにしてもよい。
【0051】
次に、上記のタイマ処理により所定の時間が経過した後に、スイッチング周波数切替信号5を低いスイッチング周波数f1に戻す(ステップS24)。そして、ステップS24の後は、ステップS10に戻って、処理を繰り返す。以上が、DC−DCコンバータ20の制御部22の動作である。
【0052】
次に、図5において、上記した制御部22の動作により得られる各部の信号波形を説明する。まず、DC−DCコンバータ出力電圧制御信号7について説明する。DC−DCコンバータ出力電圧制御信号7は、時点t1までは、送信パワー設定信号8が送信パワー1(10dBm)で、DC−DCコンバータ出力電圧の設定は1Vであり、DC−DCコンバータ出力電圧制御信号7には1Vに対応するディジタル信号が出力される。次に、時点t1〜t3の期間は、送信パワー設定信号8が送信パワー3(29dBm)で、DC−DCコンバータ出力電圧の設定は4.2Vであり、DC−DCコンバータ出力電圧制御信号7には4.2Vに対応するディジタル信号が出力される。次に、時点t3以降の期間は、送信パワー設定信号8が送信パワー2(26dBm)で、DC−DCコンバータ出力電圧の設定は3.3Vであり、DC−DCコンバータ出力電圧制御信号7には3.3Vに対応するディジタル信号が出力される。
【0053】
次に、電源電圧(DC−DCコンバータの出力電圧)36について説明する。電源電圧36は、DC−DCコンバータ出力電圧制御信号7が、DC−DCコンバータ電圧生成部24の基準電圧発生器91に入力され、基準電圧発生器91内部のD/A変換器により、アナログ電圧である基準電圧Vrefに変換される。基準電圧Vrefが変化すると、それに追随して電源電圧36は、DC−DCコンバータ電圧生成部24のフィードバック制御により変化する。しかしながら、電源電圧36はDC−DCコンバータ出力電圧制御信号7の変化に対して即座に応答するのではなく、電源電圧36が変化する過渡期間を持つ。このような性質により、図5において、時点t1までは、電源電圧36は1V(出力電圧1)を出力し、時点t1〜t2の期間は電源電圧36が変化する過渡期間となり、時点t2〜t3の期間は電源電圧36は4.2V(出力電圧3)を出力し、時点t3〜t4の期間は電源電圧36が変化する過渡期間となり、時点t4以降は電源電圧36は3.3V(出力電圧2)を出力する。
【0054】
次に、スイッチング周波数切替信号5について説明する。図4のフローチャートで説明したように、DC−DCコンバータ出力電圧制御信号7が変化した後の過渡期間ΔTの間、スイッチング周波数切替信号5をHレベルにする。従って、図5において、期間t1〜t2、期間t3〜t4において、スイッチング周波数切替信号5はHレベルに設定されている。そして、このように設定されたスイッチング周波数切替信号5に応じて、スイッチング周波数は図5に示すように、時点t1〜t2と時点t3〜t4の期間において、高い周波数f2に設定され、それ以外の期間において、低い周波数f1に設定される。具体的には、高い周波数f2が設定された際には、DC−DCコンバータ電圧生成部24の三角波発生器94が図7(B)に示す高い周波数f2の三角波を発生し、それにより、スイッチング素子80をオンオフ制御するPWM信号の周波数が高い周波数f2になる。一方、低い周波数f1が設定された際には、DC−DCコンバータ電圧生成部24の三角波発生器94が図7(A)に示す低い周波数f1の三角波を発生し、それにより、スイッチング素子80をオンオフ制御するPWM信号の周波数が低い周波数f1になる。
【0055】
次に、図5において、送信電力増幅器30で増幅されたRF送信信号3の過渡応答の品質と、送信電力増幅器30に電源供給するDC−DCコンバータ20の消費電力について考察する。
【0056】
もし、電源電圧(DC−DCコンバータの出力電圧)36を送信パワー設定信号8に依らずに一定の電源電圧を供給したならば、電源電圧36は、送信電力増幅器30が最大パワーを出力する場合に対応できる電圧を常に供給しなければならない。すると、送信パワーが低い信号の場合にも、必要以上に高い電源電圧36を供給することになり、無駄な消費電力が発生する。そこで、実施例1のように、送信パワー設定信号8に依存して、必要な分だけの電源電圧(DC−DCコンバータの出力電圧)36を供給することが電源効率の観点から好ましい。
【0057】
このように、電源電圧36を変化させる構成にした場合、送信電力増幅器30で増幅されたRF送信信号3の過渡応答の品質が劣化しないようにしなければならない。もし、DC−DCコンバータの出力電圧36の切り替え時の過渡応答性能が悪いと、送信電力増幅器30に供給する電圧が最適とならずに、送信歪みや送信パワー変動が発生してしまい、RF送信信号3の品質が劣化してしまう。DC−DCコンバータの出力電圧36の切り替え時の過渡応答性能を良くするには、スイッチング素子80におけるスイッチング周波数80を高い周波数に設定することが有効である。その理由は、DC−DCコンバータ出力電圧生成部24において、スイッチング周波数を例えば50KHzとすると、その周期20μs毎にスイッチング素子80に供給するPWM信号を修正することになるが、2倍の100KHzにすれば、周期10μs毎にスイッチング素子80に供給するPWM信号を修正することになり、DC−DCコンバータの出力電圧36の過渡応答特性が改善されるためである。このような理由に、実施例1ではDC−DCコンバータの出力電圧36の切り替え時の過渡期間においてのみ、スイッチング周波数を高くし、過渡特性を改善している。
【0058】
次に、スイッチング素子80におけるスイッチング損失の問題について考察する。図15は、スイッチング素子80で発生するスイッチング損失を説明するための図である。図15において、期間trはターンON時(すなわち、オフからオンに切り替わる期間)、期間tfはターンOFF時(すなわち、オンからオフに切り替わる期間)を示している。スイッチング素子80がオフのとき、スイッチング素子80のドレインとソース間の電圧はVpkになり、スイッチング素子80のドレインとソース間には、ほとんど電流が流れない。また、スイッチング素子80がオンのとき、スイッチング素子80のドレインとソース間の電圧は小さくなり、スイッチング素子80のドレインとソース間に流れる電流はIpになる。このように、完全にオン、又は完全にオフの状態では、電流、電圧のいずれか一方が小さいので、電力ロスは、その小さいほう値がゼロに近いかどうかで決まる。
【0059】
一方、期間tr、tfにおいては、電圧と電流の積は図15の一点鎖線に示すP1、P2のようになる。この部分で生ずる電力ロスがスイッチング損失である。図15から分かるように、スイッチング損失を減らすには、期間tr、tfを短くするか、スイッチング周波数を低く設定すればよい。実施例1では、そのうち、過渡期間以外で、スイッチング周波数を低くし、オンオフ間の切り替わりが生ずる頻度を少なくすることによって、スイッチング損失を抑えている。
【0060】
以上説明したように、実施例1に係るDC−DCコンバータ20によれば、送信パワー設定信号8に基づいて、DC−DCコンバータの出力電圧(電源電圧)36を変化させることにより、電力効率を向上させる。また、電源電圧36を変化させたときの過渡応答特性を向上させるために過渡期間のみ、スイッチング周波数を高い周波数に切り替える。一方、過渡期間以外はスイッチング周波数を低い周波数に選択することにより、スイッチング損失を抑制する。以上により、送信電力増幅器30で増幅されたRF送信信号3の過渡応答の品質を良化し、且つ、DC−DCコンバータを低消費電力にすることが可能になる。
【0061】
また、本発明のDC−DCコンバータによれば、外部から供給される送信パワー設定信号8に基づいて、送信電力増幅器30の増幅率を制御し、同じ制御信号の送信パワー設定信号8に基づいて、電源電圧36及びスイッチング周波数を制御している。そのため、特許文献1に記載されたように包絡線成分を検波する回路等は不要となり、小規模な回路により、RF送信信号3のパワーに応じて最適な電源供給を行うDC−DCコンバータ20の制御を行うことが可能であるという効果が得られる。
【0062】
また、記憶部10の送信パワー設定信号−DC−DCコンバータ出力電圧の変換テーブルを書き換えることにより、送信パワーレベル毎のDC−DCコンバータの出力電圧の設定を容易に変更することが可能であるという効果が得られる。
【0063】
[実施例1の変形例]
実施例1の変形例は、DC−DCコンバータ電圧生成部24のコア回路を、図3に示す昇圧コア回路58に置き換えたものであり、それ以外の構成は実施例1と同じである。昇圧コア回路を使用することによって、入力電圧Vccよりも高い出力電圧Voを得る昇圧型DC−DCコンバータとして動作することが可能になる。
【0064】
以下に、昇圧コア回路58の構成を示す。昇圧コア回路58は、入力電圧Vccと、PWM(Pulse Width Modulation)入力信号(図2のPWM_IN)を入力し、DC−DCコンバータの出力電圧37を出力する。昇圧コア回路58は、スイッチング素子62、インダクタ60、コンデンサ66、ダイオード64で構成される。図3に示すように、インダクタ60の一端には入力電圧Vccが供給され、インダクタ60の他端はスイッチング素子62の一端及びダイオード64のアノードと接続される。また、スイッチング素子62の他端はグランドと接続される。また、スイッチング素子62の制御電極にはPWM信号(PWM_IN)が供給される。また、ダイオード64のカソード及びコンデンサ66の一端はノードN12と接続される。コンデンサ66の他端はグランドと接続される。
【0065】
ここで、スイッチング素子62は、例えば、NチャネルMOSトランジスタで構成され、PWM_IN信号がHレベルのとき導通し、Lレベルのとき非導通になる。PWM_IN信号のデューティ比、すなわち、導通状態の比率により、DC−DCコンバータの出力電圧37は制御される。
【0066】
具体的には、昇圧コア回路58は、スイッチング素子62が導通状態時に、入力電源Vccによりインダクタ60を励磁して電磁エネルギーを蓄積する。一方、スイッチング素子80が非導通状態時には、インダクタ60に蓄えた電磁エネルギーをダイオード64を介して放出し、入力の電源電圧に重畳して出力側に高く供給する。このようにして、導通と非導通の状態を繰り返すことにより、式(2)に示すように入力電圧Vccから出力電圧Voが得られる。式(2)において、導通状態の期間をTon、非導通状態の期間をToffとしている。
【0067】
【数2】

【0068】
上記の昇圧コア回路58を用いた実施例1の変形例において、DC−DCコンバータの出力電圧37(図3のVo)が入力電源Vccよりも高い電圧が生成される点以外は、実施例1と同様の動作を行い、実施例1と同様の効果が得られる。
【0069】
次に、実施例1の別の変形例を示す。実施例1の別の変形例は、DC−DCコンバータ20の降圧コア回路78を、図16に示す昇降圧コア回路200に置き換えたものである。それにより、昇降圧型のDC−DCコンバータにすることが可能である。但し、図16に示すように、2つのスイッチング素子210、212が配され、それらに対して、夫々PWM_IN1、PWM_IN2のPWM信号を供給することが必要である。図16に示す昇降圧型のDC−DCコンバータのコア回路は、例えば、特許文献3等に開示されている。
【0070】
昇降圧コア回路200により昇降圧型DC−DCコンバータとした場合、DC−DCコンバータの出力電圧213を入力電圧Vccに関わらず広い範囲の電圧に変化させることが可能であり、広い電源電圧に対応したDC−DCコンバータを実現できるため、電力効率をより高めることが可能になるという効果が得られる。
【実施例2】
【0071】
次に、実施例2の構成について説明する。図8は、本発明の実施例2に係るDC−DCコンバータ38と送信電力増幅器30を示すブロック図である。実施例1との違いは、DC−DCコンバータ生成部40の降圧コア回路76が複数のインダクタ(図9の70、72)を有し、制御部22がDC−DCコンバータ生成部40を制御する信号として、インダクタンス切替信号6を追加している点である。ここで、インダクタンス切替信号6は、スイッチング周波数切替信号5と同じ信号が用いられる。それは、スイッチング周波数の切り替えとインダクタンスの切り替えがどちらも、電源電圧39の過渡期間とそれ以外とで切り替えるように制御するためである。尚、実施例2において、実施例1と同じ機能を有する構成要素に対しては、同じ参照符号を用い、それらの説明は省略する。
【0072】
次に、図9に示された降圧コア回路76について説明する。インダクタ70と、インダクタ72は、インダクタンスの異なるインダクタである。インダクタ70のインダクタンスはL1、インダクタ72のインダクタンスはL2であり、L1>L2の関係になっている。降圧コア回路76は、2つのインダクタを切り替えるためのスイッチ74を有し、インダクタ70、72の一端は共にノードN3に接続され、インダクタ70、72の他端は、スイッチ74の2つの入力端子に、夫々接続される。また、スイッチ74の出力端子はノードN4に接続され、ノードN4からDC−DCコンバータの出力電圧39が出力される。
【0073】
スイッチ74に対し、スイッチ周波数切替信号5と同じ信号であるインダクタンス切替信号6が供給され、スイッチ74において、インダクタンス切替信号6がLレベルのとき、インダクタンスL1のインダクタ70が選択され、インダクタンス切替信号6がHレベルのとき、インダクタンスL2のインダクタ72が選択される。
【0074】
次に、実施例2の動作について説明する。制御部22の動作は、図4のフローチャートのステップS18において、インダクタンス切替信号6を小さなインダクタンスが選択されるように設定する制御(インダクタンスL1→インダクタンスL2)が追加される。また、ステップS24において、インダクタンス切替信号6を元に戻す制御(インダクタンスL2→インダクタンスL1)が追加される。
【0075】
次に、図11を参照し、実施例2のDC−DCコンバータ38と送信電力増幅器30の動作を説明する。図11は、実施例2に係るDC−DCコンバータ38と送信電力増幅器30の各部の波形図である。図11は、実施例1の波形図を示す図5に対して、インダクタンス切替に関する波形のみを追加している。図11に示すように、電源電圧(DC−DCコンバータの出力電圧)36の過渡期間である期間t1〜t2と、期間t3〜t4において、小さなインダクタンスL2が選択され、それ以外の期間では、大きなインダクタンスL1が選択される。上記したインダクタの切り替え以外の動作については、図5に示した実施例1の波形図と同じであるため、説明は省略する。
【0076】
ここで、実施例2で追加したインダクタンス切り替えの効果について、以下に考察する。降圧コア回路76において、大きなインダクタンスL1のインダクタ70が選択された場合、リップル電流を小さくでき、DC−DCコンバータの出力電圧39のリップル電圧を小さくすることが可能である。しかしながら、DC−DCコンバータの出力電圧39を立ち上げた場合、オーバーシュートが発生し、DC−DCコンバータの出力電圧39を立ち下げた場合、アンダーシュートが発生する虞がある。
【0077】
一方、小さなインダクタンスL2のインダクタ72が選択された場合、過渡期間においてオーバーシュートやアンダーシュートは発生しにくくなるが、スイッチング周波数が低い周波数のf1のままでは、リップル電流が大きくなってしまう。しかしながら、過渡期間において、実施例1と同様に高いスイッチング周波数f2に切り替えることで、過渡期間のリップル電流を、過渡期間以外のリップル電流と同等に抑えること可能である。
【0078】
上記のリップル電流を定量的に表すと、以下のように、インダクタンスとスイッチング周波数に反比例する。過渡期間以外のリップル電流は式(3)で表され、過渡期間のリップル電流は式(4)で表される。
【0079】
【数3】

【0080】
【数4】

【0081】
式(3)、(4)から分かるように、例えばf2=2f1とした場合、L2=L1/2のようにインダクタンスを設定しておけば、過渡期間と過渡期間以外のリップル電流を同じにすることができる。
【0082】
以上説明したように、実施例2のDC−DCコンバータによれば、実施例1の効果に加えて、DC−DCコンバータの出力電圧36が変化する過渡期間におけるオーバーシュート及びアンダーシュートを抑制することができる。その際、過渡期間ではスイッチング周波数を高い周波数f2に設定するため、過渡期間のリップル電流を過渡期間以外と同等に抑えることができる。これにより、DC−DCコンバータの出力電圧36の過渡特性が良化するので、RF送信信号3の過渡応答の品質を、実施例1に対してさらに良化することができるという効果が得られる。
【0083】
[実施例2の変形例]
実施例2の変形例は、DC−DCコンバータ電圧生成部40のコア回路を、図10に示す昇圧コア回路102に置き換えたものであり、それ以外の構成は実施例2と同じである。昇圧コア回路102を使用することによって、入力電圧Vccよりも高い出力電圧Voを得る昇圧型DC−DCコンバータとして動作させることが可能になる。
【0084】
次に、図10に示された昇圧コア回路102について説明する。昇圧コア回路102の実施例1の変形例の昇圧コア回路58に対する差異は、複数のインダクタ106、108、とスイッチ104を有する点であり、その他の構成は同じである。インダクタ106と、インダクタ108は、インダクタンスの異なるインダクタである。インダクタ106のインダクタンスはL1、インダクタ108のインダクタンスはL2であり、L1>L2の関係になっている。昇圧コア回路102は、2つのインダクタンスを切り替えるためのスイッチ104を有し、インダクタ106、108の一端は共にノードN13に接続され、インダクタ106、108の他端は、夫々、スイッチ104の入力端子に接続される。また、スイッチ104の出力端子はノードN14に接続され、ノードN14からDC−DCコンバータの出力電圧41が出力される。
【0085】
スイッチ104に対し、スイッチ周波数切替信号5と同じ信号であるインダクタンス切替信号6が供給され、スイッチ104において、インダクタンス切替信号6がLレベルのとき、インダクタンスL1が選択され、インダクタンス切替信号6がHレベルのとき、インダクタンスL2が選択される。
【0086】
上記の昇圧コア回路102を用いた実施例2の変形例において、DC−DCコンバータの出力電圧41が入力電源Vccよりも高い電圧が生成されるという点以外は、実施例2と同様に動作し、実施例2と同様の効果が得られる。
【0087】
次に、実施例2の別の変形例を示す。実施例2の別の変形例は、図9の降圧コア回路76を、図17に示す昇降圧コア回路300に置き換えたものである。それにより、昇降圧型のDC−DCコンバータにすることが可能である。昇降圧コア回路300は、昇降圧コア回路200(図16)に対して、複数のインダクタ302、304と、スイッチ306をさらに有している。インダクタ302と、インダクタ304は、インダクタンスの異なるインダクタである。インダクタ302のインダクタンスはL1、インダクタ304のインダクタンスはL2であり、L1>L2の関係になっている。そして、スイッチ306に対して、インダクタンス切替信号6を供給し、インダクタンス切替信号6がLレベルの時、インダクタンスL1が選択され、インダクタンス切替信号6がHレベルの時、インダクタンスL2が選択される。
【0088】
昇降圧コア回路300により昇降圧型DC−DCコンバータとした場合、DC−DCコンバータの出力電圧313を入力電圧Vccに関わらず広い範囲の電圧に変化させることが可能であり、広い電源電圧に対応したDC−DCコンバータを実現できるため、電力効率をより高めることが可能になるという効果が得られる。
【実施例3】
【0089】
次に、実施例3について説明する。図12は、実施例3に係るDC−DCコンバータの制御部52とDC−DCコンバータ電圧生成部24を示すブロック図である。実施例3の実施例1との違いは、制御部52が、電源電圧監視部56を有し、DC−DCコンバータの出力電圧43を監視することによって、スイッチング周波数切替信号5の低い周波数f1に戻すタイミングを制御している点である。
【0090】
図12において、制御部52の電源電圧監視部56は内部に不図示のコンパレータを有し、DC−DCコンバータの出力電圧43とDC−DCコンバータ出力電圧制御信号生成部28により設定される閾値電圧Vo_thを入力する。2つの入力信号はコンパレータで比較され、比較結果をスイッチング周波数切替信号生成部54に供給する。
【0091】
次に、電源電圧監視部56の動作を図13を参照しながら詳細に説明する。図13(A)は、DC−DCコンバータの出力電圧43が立ち上がる場合を示し、一方、図13(B)は、DC−DCコンバータの出力電圧43が立ち下がる場合を示している。まず、図13(A)において、DC−DCコンバータ出力電圧制御信号生成部28は、DC−DCコンバータ出力電圧の立ち上がり後の目標値から、閾値電圧Vo_thを設定し、電源電圧監視部56に出力する。ここで、図13(A)に示すように、閾値電圧Vo_thは、立ち上がり後の目標値よりも少し低い電圧に設定する。その状態で、DC−DCコンバータの出力電圧43が立ち上がると、閾値電圧Vo_thと比較され、DC−DCコンバータの出力電圧43が閾値電圧Vo_thを越えたことが検知されると、検知されたことをスイッチング周波数切替信号生成部54に入力し、スイッチング周波数切替信号5をLレベルに遷移させる。
【0092】
また、図13(B)に示すDC−DCコンバータ出力電圧が立ち下がる場合には、閾値電圧Vo_thを立ち下がり後の目標値よりも少し高い電圧に設定する以外は、立ち上がりの場合と同じである。その状態で、DC−DCコンバータの出力電圧43が立ち下がると、閾値電圧Vo_thと比較され、DC−DCコンバータの出力電圧43が閾値電圧Vo_thよりも低くなったことが検知されると、検知されたことをスイッチング周波数切替信号生成部54に入力し、スイッチング周波数切替信号5をLレベルに遷移させる。
【0093】
実施例3のDC−DCコンバータによれば、上記したように、電源電圧監視部56を備え、DC−DCコンバータの出力電圧43を監視することによって、立ち上がり又は立ち下り後の目標電圧に近づいたことを検知するようにしたから、図4のタイマ処理(ステップS22)により所定時間が経過したタイミングでスイッチング周波数を元に戻す処理を行う実施例1に比べて、高精度に過渡期間を検知できるようになる。従って、DC−DCコンバータの出力電圧43の過渡応答を精度よく制御することができ、RF送信信号3の品質が向上する効果が得られる。
【0094】
また、電源電圧監視部56を、実施例1の変形例、実施例1の別の変形例、実施例2、実施例2の変形例、及び実施例2の別の変形例に対して適用しても、同様にDC−DCコンバータの出力電圧の過渡応答を精度よく制御することができ、RF送信信号3の品質が向上する効果が得られる。
【実施例4】
【0095】
次に、実施例4について説明する。図14は、実施例4に係るDC−DCコンバータ42と送信電力増幅器30を示すブロック図である。実施例4の実施例2に対する違いは、DC−DCコンバータ電圧生成部50が、複数のDC−DCコンバータ電圧生成回路44、46と、複数のDC−DCコンバータ電圧生成回路44、46の出力を選択するスイッチ48を有する点である。スイッチング周波数切替信号5は、スイッチ48に対して、上記の選択を制御する信号として供給される。
【0096】
DC−DCコンバータ電圧生成回路44、46は、図2のDC−DCコンバータ生成部24と同じ構成であるが、三角波発生器94は固定周波数の三角波のみを発生し、スイッチング周波数切替信号5は三角波発生器94に対して供給されない。DC−DCコンバータ電圧生成回路44内部の三角波発生器は周波数f1の三角波を発生し、インダクタのインダクタンスはL1である。一方、DC−DCコンバータ電圧生成回路46内部の三角波発生器は周波数f2の三角波を発生し、インダクタのインダクタンスはL2である。ここで、f1<f2、L1>L2の関係になっている。
【0097】
実施例4は、実施例2と同じ動作をするので、実施例2と同様の効果が得られる。さらに、DC−DCコンバータ電圧生成回路44、46は三角波の周波数制御が不要であるため、各々のDC−DCコンバータ電圧生成回路44、46に対し、従来のDC−DCコンバータ用の制御ICチップがそのまま使用できるという効果がある。
【0098】
尚、実施例4では実施例2に対してDC−DCコンバータ生成部を複数のDC−DCコンバータ生成回路によって構成する場合について示したが、実施例1、実施例1の変形例、実施例1の別の変形例、実施例2の変形例、実施例2の別の変形例、実施例3に対しても、同様にDC−DCコンバータ生成部を複数のDC−DCコンバータ生成回路によって構成することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0099】
本発明のDC−DCコンバータは、携帯電話に代表される携帯通信端末やその他の無線通信装置の送信電力増幅器に適用可能である。
【0100】
なお、本発明の全開示(請求の範囲を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態ないし実施例の変更・調整が可能である。また、本発明の請求の範囲の枠内において種々の開示要素の多様な組み合わせないし選択が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。
【符号の説明】
【0101】
1:RF入力信号(RF信号)
3:RF送信信号
5:スイッチング周波数切替信号
6:インダクタンス切替信号
7:DC−DCコンバータ出力電圧制御信号
8:送信パワー設定信号
10:記憶部
11:DC−DCコンバータ出力電圧の設定値の変化を検知した信号
20、38、42:DC−DCコンバータ
22:制御部
24、40、50:DC−DCコンバータ電圧生成部
26、54:スイッチング周波数切替信号生成部
28:DC−DCコンバータ出力電圧制御信号生成部
30:送信電力増幅器
32:第1の増幅器
33:第1の増幅器の出力
34:第2の増幅器
36、37、39、41、43、45、213、313:電源電圧(DC−DCコンバータの出力電圧)
44、46:DC−DCコンバータ電圧生成回路
48、74、104、306:スイッチ
52:制御部
56:電源電圧監視部
58、102:昇圧コア回路
60、70、72、84、106、108、206、302、304:インダクタ
62、80、210、212:スイッチング素子
64、82、202、204:ダイオード
66、86、208:コンデンサ
76、78:降圧コア回路
90:DC−DCコンバータ電圧生成部制御回路
91:基準電圧発生器
92:内部電源
93:誤差アンプ
94:三角波発生器
95:コンパレータ
96:出力MOSドライバ
200、300:昇降圧コア回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
増幅後のパワーレベルの情報を含む送信パワー設定信号に基づいて、RF(Radio Frequency)信号を増幅する送信電力増幅器に対して、電源電圧を供給するDC−DCコンバータであって、
スイッチング素子をオンオフ制御することにより前記電源電圧を生成するDC−DCコンバータ電圧生成部と、
前記DC−DCコンバータ電圧生成部に対し、前記電源電圧の設定及び前記スイッチング素子のスイッチング周波数の設定を行う制御部と、を備え、
前記制御部は、前記送信パワー設定信号に基づいて前記電源電圧を設定すると共に、前記電源電圧が変化する過渡期間においてのみ、高いスイッチング周波数を設定するように制御することを特徴とするDC−DCコンバータ。
【請求項2】
前記制御部は、前記スイッチング周波数が高いスイッチング周波数に切り替わってから所定時間を経過した後に、前記スイッチング周波数を低いスイッチング周波数に戻すように制御することを特徴とする請求項1に記載のDC−DCコンバータ。
【請求項3】
前記制御部は、前記電源電圧を監視する電源電圧監視部を備え、
前記スイッチング周波数が高いスイッチング周波数に切り替わってから、前記電源電圧監視部により前記電源電圧が所定の電圧に達したことを検出した後に、前記スイッチングを低いスイッチング周波数に戻すように制御することを特徴とする請求項1に記載のDC−DCコンバータ。
【請求項4】
前記DC−DCコンバータ電圧生成部は、スイッチング周波数が異なる複数のDC−DCコンバータ電圧生成回路を具備し、
前記制御部が設定したスイッチング周波数に基づいて、前記複数のDC−DCコンバータ電圧回路の中から、1つの前記DC−DCコンバータ電圧回路の出力を選択することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のDC−DCコンバータ。
【請求項5】
前記DC−DCコンバータ電圧生成部は、インダクタンスの異なる複数のインダクタを有し、
前記制御部は、前記電源電圧が変化する過渡期間においてのみ、インダクタンスの小さなインダクタを選択するように制御することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のDC−DCコンバータ。
【請求項6】
前記送信パワー設定信号から前記電源電圧に変換する変換テーブルを有し、
前記制御部は、前記変換テーブルを用いて、前記送信パワー設定信号から前記電源電圧を得て、前記電源電圧の設定を行うことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のDC−DCコンバータ。
【請求項7】
増幅後のパワーレベルの情報を含む送信パワー設定信号に基づいて、RF(Radio Frequency)信号を増幅する送信電力増幅器に供給する電源電圧を制御する方法であって、
前記送信パワー設定信号に基づいて前記電源電圧を設定して、スイッチング素子をオンオフ制御する方式のDC−DCコンバータにより、前記電源電圧を生成する際に、
前記電源電圧が変化する過渡期間においてのみ、前記スイッチング素子に対して高いスイッチング周波数を設定するように制御することを特徴とする電源電圧制御方法。
【請求項8】
前記スイッチング周波数が高いスイッチング周波数に切り替わってから所定時間を経過した後に、前記スイッチング周波数を低いスイッチング周波数に戻すように制御することを特徴とする請求項7に記載の電源電圧制御方法。
【請求項9】
前記電源電圧を監視し、
前記スイッチング周波数が高いスイッチング周波数に切り替わってから、前記電源電圧が所定の電圧に達したことを検出した後に、前記スイッチングを低いスイッチング周波数に戻すように制御することを特徴とする請求項7に記載の電源電圧制御方法。
【請求項10】
前記DC−DCコンバータはインダクタンスの異なる複数のインダクタを有し、
前記電源電圧が変化する過渡期間においてのみ、インダクタンスの小さなインダクタを選択するように制御することを特徴とする請求項7乃至9のいずれか1項に記載の電源電圧制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2013−5691(P2013−5691A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−137643(P2011−137643)
【出願日】平成23年6月21日(2011.6.21)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】