説明

DMC触媒反応を介してアルコキシル化された植物油から製造された軟質ポリウレタンフォーム

【課題】環境に優しいアルコキシ化ポリオールを使用した軟質ポリウレタンフォームを提供する。
【解決手段】必要に応じて、発泡剤、界面活性剤、顔料、難燃剤、触媒および充填剤の少なくとも一つの存在下、少なくとも一つのポリイソシアネートと、二重金属シアン化物(DMC)触媒の存在下でアルコキシル化された少なくとも一つの植物油と、必要に応じて少なくとも一つの非植物油系ポリオールから製造された軟質ポリウレタンフォーム。該アルコキシル化された植物油は、フォーム特性に有害な影響を有しないポリウレタンフォームの「環境に優しい」内容物を増大させるために使用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、ポリウレタン、より詳細には、石油由来ポリオールの少なくとも一部を、二重金属シアン化物(DMC)触媒の存在下でアルコキシル化された植物油で置き換えた軟質ポリウレタンフォームに関する。
【背景技術】
【0002】
ポリウレタンフォームは、多くの工業および消費者用途において大量に使用されている。この人気の高さは、ポリウレタンの幅広い機械的特性および比較的容易に製造可能であることに起因する。例えば、自動車は、多くのポリウレタン部品、例えば、シート、ダッシュボードおよび他のキャビンインテリア部品を含有する。ポリウレタンフォームは、伝統的に軟質(または半硬質)または硬質フォームに分類される。軟質フォームは、通常、硬質フォームよりも、柔らかく、密度が低く、成形しやすく、および荷重後により反発しやすい。
【0003】
ポリウレタンフォームの製造は、当業者によく知られている。ポリウレタンは、NCO基とヒドロキシル基との反応により形成される。最も一般的なポリウレタンの製造方法は、骨格ウレタン基を形成するポリオールとイソシアネートとの反応を介する。また、架橋剤、発泡剤、触媒および他の添加剤を、必要に応じてポリウレタン処方物中に含有させることができる。
【0004】
ポリウレタンの製造に使用されるポリオールは、典型的に石油化学品を起源とし、通常、プロピレンオキシド、エチレンオキシドおよび種々のスターター(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、蔗糖およびソルビトール)から誘導される。ポリエステルポリオールおよびポリエーテルポリオールは、ポリウレタンの製造に使用される最も一般的なポリオールである。半硬質フォームのために、通常、約300〜2,000の分子量を有するポリエステルまたはポリエーテルポリオールが使用され、一方、軟質フォームのために、約1,000〜10,000の分子量を有する長鎖ポリオールが典型的に使用される。ポリエステルおよびポリエーテルポリオールは、所望の最終靱性、耐久性、密度、柔軟性、圧縮永久歪率および係数、および硬度特性を有する特定のポリウレタンエラストマーまたはフォームの設計が可能になるように選択することができる。通常、高分子量ポリオールおよび低官能価ポリオールは、低分子量ポリオールおよび高官能価ポリオールよりも、軟質のフォームを製造する傾向がある。
【0005】
石油由来の成分、例えば、ポリエステルおよびポリエーテルポリオールは、幾つかの欠点を有する。このようなポリエステルまたはポリエーテルポリオールの使用は、再生不可能な資源である石油の消耗に寄与する。また、ポリオールの製造は、多量のエネルギーの投資を必要とする。なぜなら、ポリオールを製造するための石油を、穴を掘り、抽出し、およびそれを精油する精油所に輸送し、そして加工して完成品ポリオールを得なければならないからである。一般消費者は、この生産鎖の環境影響に次第に気付いてきたので、「より環境に優しい」生成物に対する消費者の要求は、大きくなり続けている。この増大する消費者の要求を満たしつつ石油の消耗を低減するために、ポリウレタンエラストマーおよびフォームの製造に使用される石油由来ポリエステルまたはポリエーテルポリオールを、より多目的で、再生可能で、およびより環境に対して責任を持てる成分に部分的にまたは完全に代替することは有利であろう。
【0006】
多くの会社が、それらの再生可能な資源に基づく製品の特定のパーセンテージの目標を発表し、および再生可能な資源に基づく製品に対する優先傾向が、幾つかの政府規制に現れ始めている。石油系製品の増大し続ける費用と相まって、これらの要因は、種々の植物由来の油に基づくフォーム生成物の開発に対する努力に弾みを与えている。
【0007】
残念なことに、石油系製品の使用は、高度に発達した産業であり、および長年の最適化により、厳格な工業要件を満たすように調整された製品が作り出されてきた。したがって、再生可能な資源に基づく生成物の代替の試みは、製品品質を実質的に損失させずに添加することができる「ドロップイン」タイプの生成物を開発することの困難性を含む幾つかの要因によって抑制されてきた。例えば、ヒマシ油系ポリウレタンは、数十年間知られてきたけれども、それらの使用は、通常、少しの用途、例えば、典型的なポリウレタン特性が必要とされない疎水性被覆剤および特定のシーラントに限定されていた。フォーム品質に対する工業要件を満たすことができる、これらの天然物に基づくポリエーテルを開発することの継続した必要性が存在する。
【0008】
特許文献および技術文献は、ヒマシ油またはキャスターポリオールのいずれかの使用に関する多くの参考文献を含んでいるが(非特許文献1:J.H.SaundersおよびK.C.Frisch、Polyurethanes Chemistry and Technology II.Technology第II部(High Polymers第XVI巻)、Interscience Publishers、1964年、第32〜37頁を参照のこと、また、特許文献1:国際公開WO2004/020497に列挙された参考文献も参照のこと)、この先行技術の大きな部分は、有用なフォーム品を得るためのプレポリマーの使用を教示する。プレポリマー技術は、幾つかの用途、例えば、多くのタイプの被覆剤になお使用されているが、現在、軟質フォーム産業における製造業者の大半は、ヒマシ油をほとんど利用することができないワンショット法を用いている。
【0009】
ヒマシ油に基づくポリオールの使用の別の障害は、1950年代より、これらのポリオールが水酸化カリウム触媒反応で製造されていることである。KOHは、スターター(例えば、グリセリン、トリメチロールプロパンおよびソルビトール)を使用するプロピレンオキシドおよびエチレンオキシドからのポリエーテルの製造に非常に良好な触媒であるという事実に関わらず、広範な副反応がエステル官能基を含有する天然物に関して発生する。当業者が気付くように、水酸化カリウムは、アルコキシル化反応およびエステル交換反応の両方の触媒である。したがって、水酸化カリウムは、アルコキシル化反応の間、競合するエステル交換を触媒し、その結果、ヒドロキシル末端基がエステル官能基で連続的に交換され、これにより幅広い分子量分布が生じることから、広範なエステルが生じる。これらの分子量分布の生成物は、塩基触媒ポリオールから製造されたフォームに対して悪影響を有し得る。
【0010】
1990年代後半において、ポリオール製造産業は、スラブポリウレタンを製造するのに使用されるポリオールの製造に適した触媒として、二重金属シアン化物(DMC)触媒が水酸化カリウムを代替し始めたことから、大きく変化し始めた。DMC触媒は、エステル交換反応を目に見えて触媒しないので、初めて、天然物エステルに基づくポリオールを、水酸化カリウムによって生じる特有のエステル交換なく製造することができた。
【0011】
旭硝子(特許文献2:特開平5−163342号公報)は、スターターとしてヒマシ油を使用するEO/PO系ポリエーテルの製造を報告した。得られたポリエーテル生成物の多分散性は、得られた多分散性が1.10〜1.13の範囲であったことを考えると、実質的な変化が起こったことを立証した;一方、対応する水酸化カリウム触媒ポリオールは、1.7〜1.8の範囲の多分散性を有した。初めて、再生可能な資源のエステルに基づくポリエーテルの製造について、経済的な方法が開発された。残念なことに、特許文献2は、ポリエーテルの製造についてのみ報告し、軟質ポリウレタンフォームにおけるそれらの生成物の適合性については報告しなかった。
【特許文献1】国際公開WO2004/020497
【特許文献2】特開平5−163342号公報
【非特許文献1】J.H.SaundersおよびK.C.Frisch、Polyurethanes Chemistry and Technology II.Technology第II部(High Polymers第XVI巻)、Interscience Publishers、1964年、第32〜37頁
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
したがって、当該分野において、環境に優しい再生可能な成分を用いて製造された軟質ポリウレタンフォームに対する必要性は存在し続けている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
したがって、本発明は、必要に応じて、発泡剤、界面活性剤、顔料、難燃剤、触媒および充填剤の少なくとも一つの存在下、少なくとも一つのポリイソシアネートと、二重金属シアン化物(DMC)触媒の存在下でアルコキシル化された少なくとも一つの植物油と、必要に応じて、少なくとも一つの非植物油系ポリオールとから製造された軟質ポリウレタンフォームを提供する。該アルコキシル化植物油は、環境に優しい「生物ベースの」ポリオールであり、およびポリウレタンフォーム形成処方物中の石油由来ポリオールを部分的にまたは完全に代替する。本発明の軟質フォームは、多くの用途に有用である。
本発明のこれらのおよび他の利点および利益は、以下の本発明の詳細な説明から明らかになろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明を限定する目的ではなく、説明する目的で記載する。実施例を除いて、または他に示さない限り、本明細書中に示された量、百分率、OH価、官能価などの全ての数は、いずれの場合も、用語「約」によって修飾されていると理解すべきである。本明細書中にダルトン(Da)で示される当量および分子量は、他に示さない限り、それぞれ数平均当量および数平均分子量である。
【0015】
本発明は、必要に応じて、発泡剤、界面活性剤、顔料、難燃剤、触媒および充填剤の少なくとも一つの存在下での、少なくとも一つのポリイソシアネートと、二重金属シアン化物(DMC)触媒の存在下でアルコキシル化された少なくとも一つの植物油と、必要に応じて、少なくとも一つの非植物油系ポリオールとの反応生成物を含有する軟質ポリウレタンフォームを提供する。
さらに、本発明は、必要に応じて、発泡剤、界面活性剤、顔料、難燃剤、触媒および充填剤の少なくとも一つの存在下、少なくとも一つのポリイソシアネートと、二重金属シアン化物(DMC)触媒の存在下でアルコキシル化された少なくとも一つの植物油と、必要に応じて、少なくとも一つの非植物油系ポリオールとを反応させることを含む、軟質ポリウレタンフォームの製造方法を提供する。
【0016】
植物油系ポリオールは、軟質ポリウレタンフォームの製造に典型的に使用されている石油由来ポリオールを部分的にまたは完全に代替する。好ましい植物油は、ヒマシ油であるが、本発明者らは、他の植物油、例えば、ヒマワリ油、菜種油、亜麻仁油、綿実油、キリ油、ヤシ油、ケシ油、トウモロコシ油およびピーナッツ油は、ヒドロキシル化あるいは変性させて本発明にしたがって使用することができると考えている。
【0017】
この植物油をアルコキシル化するのに有用なアルキレンオキシドとしては、限定されないが、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2−および2,3−ブチレンオキシド、イソブチレンオキシド、エピクロロヒドリン、シクロヘキセンオキシド、スチレンオキシド、およびより高級なアルキレンオキシド(例えば、C〜C30α−アルキレンオキシド)が挙げられる。一般に、エチレンオキシドのみを用いることが望ましいが、高いエチレンオキシド含量(すなわち、85モル%まで)を有するプロピレンオキシドとエチレンオキシドとの混合物も、効果的に使用することができる。プロピレンオキシドまたはプロピレンオキシドとエチレンオキシドまたは別のアルキレンオキシドとの混合物は、植物油をアルコキシル化するのに好ましい。
【0018】
同様に、他の重合可能なモノマー、例えば、ポリカルボン酸無水物(無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸無水物、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸無水物、無水クロレンド酸および無水マレイン酸)、ラクトン、および米国特許3,404,109、5,145,883および3,538,043に開示されているような他のモノマーも使用することができる。該アルコキシル化植物油系ポリオールは、必要に応じて、当該分野で既知のように、および例えば、米国特許4,355,188、4,721,818および5,563,221に開示されているように、エチレンオキシドで「キャップ」されていてもよい。
【0019】
上記のように、植物油は、二重金属シアン化物(DMC)触媒の存在下でアルコキシル化される。任意の二重金属シアン化物(DMC)触媒を使用することができる。得られた植物油系ポリオールは、それらを用いて製造されるポリウレタンフォームに改善された快適性を与える、より高い分子量を有するであろう。適当な二重金属シアン化物(DMC)触媒は、当業者に既知である。二重金属シアン化物錯体(DMC)触媒は、低分子量有機錯化剤および必要に応じて他の錯化剤と、二重金属シアン化物塩(例えば、ヘキサシアノコバルト酸亜鉛)との非化学量論的錯体である。
【0020】
植物油をアルコキシル化するのに使用される二重金属シアン化物(DMC)錯体触媒の例としては、例えば、米国特許3,427,256、3,427,334、3,427,335、3,829,505、4,472,560、4,477,589および5,158,922に開示されているような、低不飽和ポリオキシアルキレンポリエーテルポリオールの製造に適当なものである。該二重金属シアン化物(DMC)触媒は、より好ましくは「超低」不飽和ポリエーテルポリオールを製造可能なものである。このような触媒は、米国特許5,470,813、5,482,908および5,545,601(これらの内容全体は、参照することにより本明細書中に組み込まれる)に開示されている。特に好ましくは、米国特許5,482,908に記載の方法によって製造された、ヘキサシアノコバルト酸亜鉛触媒である。
【0021】
DMC触媒濃度は、所定の反応条件下、ポリオキシアルキル化反応の良好な制御を確実にするように選択される。該触媒濃度は、製造されるポリオールの量に基づいて、好ましくは0.0005重量%〜1重量%の範囲、より好ましくは0.001重量%〜0.1重量%の範囲、最も好ましくは0.001〜0.01重量%の範囲である。DMC触媒は、これらの値(記載した値も含む)の任意の組合せの間の範囲の量であり得る。
【0022】
当業者が気付くように、有機錯化リガンドがDMC触媒に含まれていてもよい。任意の有機錯化リガンド、例えば、米国特許3,404,109、3,829,505、3,941,849、5,158,922および5,470,813、ならびに欧州特許EP0,700,949、EP0,761,708、EP0,743,093、国際公開WO 97/40086および特開平4−145123に記載の有機錯化リガンドは、本発明の方法におけるDMC触媒の一部であり得る。このような有機錯化リガンドとしては、DMC化合物と錯体を形成し得るヘテロ原子(例えば、酸素、窒素、リンまたは硫黄)を有する水溶性有機化合物が挙げられる。有機錯化リガンドとして好ましいものは、アルコール、アルデヒド、ケトン、エーテル、エステル、アミド、尿素、ニトリル、スルフィドおよびそれらの混合物である。より好ましい有機錯化リガンドとしては、水溶性脂肪族アルコール、例えば、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソ−ブタノール、sec−ブタノールおよびtert−ブタノールなどが挙げられる。Tert−ブタノールが最も好ましい。
【0023】
DMC触媒は、必要に応じて、少なくとも一つの官能化ポリマーを含有し得る。本明細書で使用される「官能化ポリマー」は、酸素、窒素、硫黄、リンまたはハロゲンを含む一以上の官能基を含有するポリマーまたはその塩である。本発明の方法に好ましい官能化ポリマーの例としては、限定されないが、ポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアルキレングリコールソルビタンエステル、ポリアルキレングリコールグリシジルエーテル、ポリアクリルアミド、ポリ(アクリルアミド−コ−アクリル酸)、ポリアクリル酸、ポリ(アクリル酸−コ−マレイン酸)、ポリ(N−ビニルピロリドン−コ−アクリル酸)、ポリ(アクリル酸−コ−スチレン)およびその塩、マレイン酸、スチレンおよび無水マレイン酸コポリマーおよびその塩、分枝鎖エトキシル化アルコールから構成されるブロックコポリマー、アルコキシル化アルコール、例えば、NEODOL(Shell Chemical Co.から市販)、ポリエーテル、ポリアクリロニトリル、ポリアルキルアクリレート、ポリアルキルメタクリレート、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルエチルエーテル、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリ−N−ビニルピロリドン、ポリビニルメチルケトン、ポリ(4−ビニルフェノール)、オキサゾリンポリマー、ポリアルキレンイミン、ヒドロキシエチルセルロース、ポリアセタール、グリシジルエーテル、グリコシド、多価アルコールのカルボン酸エステル、胆汁酸およびそれらの塩、エステルまたはアミド、シクロデキストリン、リン化合物、不飽和カルボン酸エステルおよびイオン性表面または界面活性化合物が挙げられる。ポリエーテルポリオールは、官能化ポリマーとして最も好ましく使用される。
【0024】
使用される場合、官能化ポリマーは、DMC触媒の総重量に基づいて、2〜80重量%、好ましくは5〜70重量%、より好ましくは10〜60重量%の量でDMC触媒中に存在することができる。官能化ポリマーは、これらの値(記載した値を含む)の任意の組合せの間の範囲の量でDMC触媒中に存在することができる。さらに、例えば、米国特許6,699,961に記載の触媒ポリオール懸濁物を使用してもよい。
【0025】
植物油をアルコキシル化するのに使用されるDMC触媒は、半バッチ、連続および他の反応器形態中で用いることができる。当業者に既知のように、半バッチ方法は、ポリエーテルおよびポリエーテルエステルポリオールを製造するために広く使用されている。これらの方法のための反応器は、1,000ガロン当たり0.5〜20馬力のエネルギー導入量を用いる混合条件の範囲で利用することが既知である。好ましくは1,000ガロン当たり1〜8馬力の混合エネルギーであり、これは特に有用である。当業者は、最適エネルギー導入量が、例えば、方法パラメーター(例えば、オキシド添加時間)および生成物粘度によって変動し得ること、およびより大きな量のエネルギーが、より高い粘度を有する生成物に好適であり得ることをよく理解するであろう。有用であり得る他の方法条件としては、オキシド供給完了後の窒素または別の不活性流体またはガスによる反応器オキシド供給チューブまたはパイプのパージングが挙げられる。
【0026】
ポリエーテルを製造するための連続反応器において、DMC触媒は、ポリエーテル中のスラリーとして、または粉末として反応器に充填することができる。種々のグリコール、例えば、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、エチレングリコールおよびジオールのアルコキシレートを含む広範なポリエーテルを、スラリーのための懸濁化剤として使用することができる。種々のトリオール、テトラオール、ペントールなど、およびこれらのアルコールのアルコキシレートも、使用することができる。懸濁化剤の選択は、その場所での利用可能性および生成物パラメーター(例えば、粘度)を含む多くの因子に依存し得る。幾つかの例において、高剪断混合機または同様の機器を使用することは、それらが触媒充填容器中にある間、低い沈澱傾向を有する懸濁物を作り出すために、特に所望され得る。
【0027】
本発明者らは、石油由来ポリオールおよび植物油系ポリオールの両方の製造において、DMC触媒が、最初にスターターに充填されるとき、不活性であるようであることを見出した。二重金属シアン化物触媒は、POの存在下、活性化方法を受ける。触媒の活性化速度は、窒素パージしつつまたは窒素パージをすることなく、反応器に真空を付与することによって、およびストリッピング手順の完了後、反応器に添加されるオキシドの濃度を高めることによって、影響を受け得る。また、一つの温度で活性化し、そして方法の一部について他の温度に変えること、例えば、活性化のためにより低い温度(例えば、105℃)を使用し、およびアルコキシル化の大部分をより高い温度(例えば、130℃)で完了させることの利点があり得る。
【0028】
低DMC触媒レベルで実施することが意図されたポリオール製造方法において、プロピレンオキシド品質およびエチレンオキシド品質が、安定した方法の獲得および不純物量が低い生成物の製造に重要であり得る。プロピレンオキシド中の低レベルのアルカリ度または水は、触媒を潜在的に阻害または不活性化し得る。これにより、反応器中の高いプロピレンオキシド濃度がもたらされ、および安全上の問題が生じる。許容可能な水およびアルカリ度範囲は、触媒レベルおよび触媒活性の両方に依存する。20〜30ppmの範囲のDMC触媒レベルで実施することが意図された系に関して、水酸化カリウムとして3ppm未満のプロピレンオキシドアルカリ度が好ましい。アルカリ度および含水量についての限界値は、ポリオールの分子量に応じて変動する。これらのパラメーターは、低分子量ポリオールのアルコキシル化により重要である。方法限界付近で実施するポリオール製造方法において、数百ppm〜千ppmの範囲の水レベルは、方法安定性に影響を与え得る。また、これらの成分の限界値は、方法タイプに関連し得る。低分子量スターターの連続添加を伴う連続方法および半バッチ方法は、従来の半バッチ方法よりも敏感である。
【0029】
エチレンオキシドおよびプロピレンオキシド中の有機成分は、方法安定性に関して、含水量またはアルカリ度よりも重要ではない。しかしながら、これらの材料の存在は、生成物品質に影響を与え得る。プロピレンオキシドは、ポリウレタンフォームへのポリオールおよびイソシアネートの変換における発泡方法に影響を与え得る高分子量ポリプロピレンオキシドを含有し得る。高分子量ポリプロピレンオキシドは、フォーム崩壊をもたらし得るか、またはセルの大きさに影響を与え得る。プロピレンオキシドの炭素処理を使用すること、または他の方法を使用して高分子量ポリプロピレンオキシドを除去すること、が必要であり得る。プロピオンアルデヒド、ギ酸メチル、メチルプロピルエーテル、メチルイソプロピルエーテル、アセトアルデヒドおよびフランのような低分子量成分は、フォーム製造前にこれらの成分を除去するために、さらなるポリオール加工工程を必要にし得る。これらの軽量成分は、通常、ストリッピング法により除去することができる。
【0030】
植物油系ポリオールは、好ましくは1.5〜6の範囲、より好ましくは2〜4の範囲の公称官能価および300〜10,000Daの範囲、最も好ましくは500〜7,000Daの範囲の分子量を有する。本発明の軟質フォームの製造に有用な植物油系ポリオールは、これらの値(記載した値も含む)の任意の組合せの間の範囲の量の官能価および分子量を有し得る。
【0031】
適当なポリイソシアネートは、当業者に既知であり、およびこれには、非変性イソシアネート、変性ポリイソシアネート、およびイソシアネートプレポリマーが含まれる。このような有機ポリイソシアネートとしては、例えば、W.SiefkenによるJustus Liebigs Annalen der Chemie、562、第75〜136頁に記載のタイプの脂肪族、脂環族、芳香脂肪族、芳香族、およびヘテロ環式ポリイソシアネートが挙げられる。このようなイソシアネートの例としては、式:
Q(NCO)
〔式中、nは、2〜5、好ましくは2〜3の数であり、およびQは、2〜18個(好ましくは6〜10個)の炭素原子を含有する脂肪族炭化水素基;4〜15個(好ましくは5〜10個)の炭素原子を含有する脂環族炭化水素基;8〜15個(好ましくは8〜13個)の炭素原子を含有する芳香脂肪族炭化水素基;または6〜15個(好ましくは6〜13個)の炭素原子を含有する芳香族炭化水素基である〕
で示されるものが挙げられる。
【0032】
適当なイソシアネートの例としては、エチレンジイソシアネート;1,4−テトラメチレンジイソシアネート;1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート;1,12−ドデカンジイソシアネート;シクロブタン−1,3−ジイソシアネート;シクロヘキサン−1,3−および−1,4−ジイソシアネート、およびこれらの異性体の混合物;1−イソシアナト−3,3,5−トリメチル−5−イソシアナトメチルシクロヘキサン(イソホロンジイソシアネート;例えば、独国特許公開1,202,785および米国特許3,401,190);2,4−および2,6−ヘキサヒドロトルエンジイソシアネートおよびこれらの異性体の混合物;ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(水素化MDI、またはHMDI);1,3−および1,4−フェニレンジイソシアネート;2,4−および2,6−トルエンジイソシアネートおよびこれらの異性体の混合物(TDI);ジフェニルメタン−2,4’−および/または−4,4’−ジイソシアネート(MDI);ナフチレン−1,5−ジイソシアネート;トリフェニルメタン−4,4’,4’’−トリイソシアネート;アニリンとホルムアルデヒドを縮合し、続いてホスゲン化することによって得られ得るタイプのポリフェニル−ポリメチレン−ポリイソシアネート(粗MDI)、例えば、英国特許GB878,430およびGB848,671に記載;ノルボルナンジイソシアネート、例えば、米国特許3,492,330に記載;米国特許3,454,606に記載のタイプのm−およびp−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネート;例えば、米国特許3,227,138に記載のタイプの過塩素化アリールポリイソシアネート;米国特許3,152,162に記載のタイプのカルボジイミド基含有変性ポリイソシアネート;例えば、米国特許3,394,164および3,644,457に記載のタイプのウレタン基含有変性ポリイソシアネート;例えば、英国特許GB994,890、ベルギー国特許BE 761,616、およびオランダ国特許NL7,102,524に記載のタイプのアロファネート基含有変性ポリイソシアネート;例えば、米国特許3,002,973、独国特許明細書1,022,789、1,222,067および1,027,394、および独国特許公開1,919,034および2,004,048に記載のタイプのイソシアヌレート基含有変性ポリイソシアネート;独国特許明細書1,230,778に記載のタイプの尿素基含有変性ポリイソシアネート;例えば、独国特許明細書1,101,394、米国特許3,124,605および3,201,372、および英国特許GB889,050に記載のタイプのビウレット基含有ポリイソシアネート;例えば、米国特許3,654,106に記載のタイプの短鎖重合反応によって得られたポリイソシアネート;例えば、英国特許GB965,474およびGB1,072,956、米国特許3,567,763、および独国特許明細書1,231,688に記載のタイプのエステル基含有ポリイソシアネート;独国特許明細書1,072,385に記載の上記イソシアネートとアセタールとの反応生成物;および米国特許3,455,883に記載のタイプのポリマー脂肪酸基含有ポリイソシアネートが挙げられる。商業規模でのイソシアネートの製造において蓄積する、必要に応じて一以上の上記ポリイソシアネート溶液中に蓄積する、イソシアネート含有蒸留残渣を使用することもできる。当業者は、上記ポリイソシアネートの混合物を使用できることも認識するであろう。
【0033】
一般に、容易に入手できるポリイソシアネート、例えば、2,4−および2,6−トルエンジイソシアネートおよびこれらの異性体の混合物(TDI);アニリンとホルムアルデヒドを縮合し、続いてホスゲン化することによって得られるタイプのポリフェニル−ポリメチレン−ポリイソシアネート(粗MDI);およびカルボジイミド基、ウレタン基、アロファネート基、イソシアヌレート基、尿素基、またはビウレット基を含有するポリイソシアネート(変性ポリイソシアネート)を使用することが好ましい。
【0034】
また、イソシアネート末端プレポリマーも、本発明の軟質フォームの製造に用いることができる。プレポリマーは、過剰の有機ポリイソシアネートまたはそれらの混合物と、Kohlerにより「Journal of the American Chemical Society」49、3181(1927年)に記載されるような、よく知られたツェレビチノフ試験によって決定される少量の活性水素含有化合物を反応させることによって製造することができる。これらの化合物およびそれらの製造方法は、当業者によく知られている。いずれか一つの特定の活性水素化合物の使用は重要ではない。任意のこのような化合物を、本発明の実施に用いることができる。
【0035】
本発明のポリウレタン形成処方物は、必要に応じて、一以上の非植物油系(すなわち、石油化学由来の)ポリオール、例えば、ポリエーテル、ポリエステル、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリエステルエーテル、ポリエステルカーボネート、ポリチオエーテル、ポリアミド、ポリエステルアミド、ポリシロキサン、ポリブタジエンおよびポリアセトンを含み得る。非植物油系ポリオールは、好ましくは二重金属シアン化物(DMC)触媒の存在下に使用することができる。
【0036】
本発明のポリウレタン形成処方物中に必要に応じて含まれ得る適当な添加剤としては、例えば、フォーム安定剤、触媒、セル調整剤、反応阻害剤、難燃剤、可塑剤、顔料、充填剤などが挙げられる。
【0037】
本発明の方法における使用に適当と考えられ得るフォーム安定剤としては、例えば、ポリエーテルシロキサンが挙げられ、および好ましくは水に不溶であるものが挙げられる。これらのような化合物は、通常、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのコポリマーがポリジメチルシロキサン残基に結合したような構造である。このようなフォーム安定剤は、例えば、米国特許2,834,748、2,917,480および3,629,308に記載されている。
【0038】
本発明の軟質フォーム形成方法に適当な触媒としては、当業者に既知のものが挙げられる。これらの触媒としては、例えば、第3級アミン、例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、ペンタメチル−ジエチレントリアミンおよびより高級の同族体(例えば、独国特許DE−A2,624,527および2,624,528に記載)、1,4−ジアザビシクロ(2.2.2)オクタン、N−メチル−N’−ジメチル−アミノエチルピペラジン、ビス−(ジメチルアミノアルキル)ピペラジン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N−ジエチル−ベンジルアミン、ビス−(N,N−ジエチルアミノエチル)アジペート、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−ブタンジアミン、N,N−ジメチル−β−フェニルエチルアミン、1,2−ジメチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、単環式および二環式アミン、ならびに、ビス−(ジアルキルアミノ)アルキルエーテル、例えば、2,2−ビス−(ジメチルアミノエチル)エーテルが挙げられる。
【0039】
本発明のポリウレタンフォームを製造するのに使用し得る他の適当な触媒としては、例えば、有機金属化合物、および特に、有機錫化合物が挙げられる。適当と考えられ得る有機錫化合物としては、それらの硫黄含有有機錫化合物が挙げられる。このような触媒としては、例えば、ジ−n−オクチル錫メルカプチドが挙げられる。適当な有機錫触媒の他のタイプとしては、好ましくは、例えば、カルボン酸の錫(II)塩(例えば、錫(II)アセテート、錫(II)オクトエート、錫(II)エチルヘキソエートおよび/または錫(II)ラウレート)、および例えば、錫(IV)化合物(例えば、ジブチル錫オキシド、ジブチル錫ジクロリド、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫マレエートおよび/またはジオクチル錫ジアセテート)が挙げられる。
【0040】
必要に応じて本発明の軟質ポリウレタンフォーム中に含まれ得る適当な添加剤のさらなる例は、例えば、Kunststoff−Handbuch、第VII巻、Vieweg & Hochtlen編、Carl Hanser Verlag、ミュンヘン(1993年)、第3版、第104〜127頁中に見出すことができる。
これらの添加剤の使用および作用様式に関連する詳細は、そこに記載されている。
【実施例】
【0041】
本発明を、以下の実施例によって、限定することなく、さらに説明する。実施例中の「部」および「%」で与えられた全ての量は、他に示さない限り、重量基準であると理解される。
【0042】
〔ヒマシ油系ポリオールの製造〕
ヒマシ油(2,000g)を、米国特許5,482,908における手順にしたがって製造された二重金属シアン化物触媒(0.174g)と共に反応器に充填した。この混合物を、ポリオール−触媒ブレンドの窒素ストリッピングをしながら130℃に加熱した。プロピレンオキシド(86g)を充填して、触媒を活性化した。活性化後、反応器の温度を130℃に維持し、およびプロピレンオキシド(3,700g)を3時間にわたって添加した。130℃での消化期間後、ポリエーテルをストリップして未反応プロピレンオキシドを除去し、および生成物を冷却し、排出させた。
【0043】
軟質ポリウレタンフォームを、以下の成分を使用して製造した:
ポリオールA:上記方法にしたがって製造したプロポキシル化ヒマシ油(ヒドロキシル価:約56mgKOH/g)、
ポリオールB:DMC触媒反応を用いて製造したEO/PO混合ブロックを含有するグリセリン出発ポリエーテルポリオール(ヒドロキシル価:約56mgKOH/g)、
MeCl:塩化メチレン、
界面活性剤:シリコーン界面活性剤、GE SiliconesからNIAX L 620として市販、
触媒A:ジ−(2−エチルヘキシル)フタレート/第一錫アルキルヘキソエート(比率50/50)触媒、Air ProductsからDABCO T−10として市販、
触媒B:アミン触媒、GE SiliconesからNIAX A−1として市販、および
イソシアネート:トルエンジイソシアネート、Bayer MaterialScienceからMONDUR TD−80として市販。
【0044】
成分を以下の表1に示した量(部)で組み合わせ、および110のイソシアネート指数(100A/B)で反応させた。得られたフリーライズフォームの物理的特性を決定した。これを、以下の表1にまとめる。
【0045】
【表1】

【0046】
表1を参照して容易に明らかになるように、ヒマシ油系ポリオールと従来の石油由来ポリオールとの混合物を用いて製造した本発明のフォーム(実施例1および2)は、良好な特性を示す。ヒマシ油系ポリオールのみを用いて製造したフォーム(実施例3)の特性も、許容可能な特性を示した。このことは、DMC触媒の存在下でアルコキシル化された植物油が、生成物特性の重大な劣化をもたらすことなく、再生可能な資源の内容物を軟質フォームに添加するために用いることができることを示す。
【0047】
本発明の上記の実施例は、本発明を制限する目的ではなく、例示の目的で提供される。本明細書に記載された実施態様は、本発明の精神および範囲を逸脱することなく、種々の方法で変形または修正され得ることは当業者には明らかである。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって判定すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
必要に応じて、発泡剤、界面活性剤、顔料、難燃剤、触媒および充填剤の少なくとも一つの存在下での、
少なくとも一つのポリイソシアネートと、
二重金属シアン化物(DMC)触媒の存在下でアルコキシル化された少なくとも一つの植物油と、
必要に応じて、少なくとも一つの非植物油系ポリオールと
の反応生成物を含んでなる、軟質ポリウレタンフォーム。
【請求項2】
少なくとも一つのポリイソシアネートは、エチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,12−ドデカンジイソシアネート、シクロブタン−1,3−ジイソシアネート、シクロヘキサン−1,3−および−1,4−ジイソシアネート、1−イソシアナト−3,3,5−トリメチル−5−イソシアナトメチルシクロヘキサン(イソホロンジイソシアネート)、2,4−および2,6−ヘキサヒドロトルエンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(水素化MDI、またはHMDI)、1,3−および1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−および2,6−トルエンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタン−2,4’−および/または−4,4’−ジイソシアネート(MDI)、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、トリフェニル−メタン−4,4’,4’’−トリイソシアネート、ポリフェニル−ポリメチレン−ポリイソシアネート(粗MDI)、ノルボルナンジイソシアネート、m−およびp−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネート、過塩素化アリールポリイソシアネート、カルボジイミド変性ポリイソシアネート、ウレタン変性ポリイソシアネート、アロファネート変性ポリイソシアネート、イソシアヌレート変性ポリイソシアネート、尿素変性ポリイソシアネート、ビウレット含有ポリイソシアネート、イソシアネート末端プレポリマーおよびそれらの混合物から選択される、請求項1に記載の軟質ポリウレタンフォーム。
【請求項3】
少なくとも一つのポリイソシアネートは、トルエンジイソシアネート(TDI)である、請求項1に記載の軟質ポリウレタンフォーム。
【請求項4】
植物油はヒマシ油である、請求項1に記載の軟質ポリウレタンフォーム。
【請求項5】
植物油は、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、2,3−ブチレンオキシド、イソブチレンオキシド、エピクロロヒドリン、シクロヘキセンオキシド、スチレンオキシド、C〜C30α−アルキレンオキシド、ポリカルボン酸無水物およびラクトンから選択される一以上のアルキレンオキシドでアルコキシル化されている、請求項1に記載の軟質ポリウレタンフォーム。
【請求項6】
二重金属シアン化物(DMC)触媒は、ヘキサシアノコバルト酸亜鉛である、請求項1に記載の軟質ポリウレタンフォーム。
【請求項7】
アルコキシル化された植物油は、エチレンオキシドでキャップされている、請求項1に記載の軟質ポリウレタンフォーム。
【請求項8】
非植物油系ポリオールは、ポリエーテル、ポリエステル、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリエステルエーテル、ポリエステルカーボネート、ポリチオエーテル、ポリアミド、ポリエステルアミド、ポリシロキサン、ポリブタジエンおよびポリアセトンから選択される、請求項1に記載の軟質ポリウレタンフォーム。
【請求項9】
非植物油系ポリオールはポリエーテルポリオールである、請求項1に記載の軟質ポリウレタンフォーム。
【請求項10】
必要に応じて、発泡剤、界面活性剤、顔料、難燃剤、触媒および充填剤の少なくとも一つの存在下、
少なくとも一つのポリイソシアネートと、
二重金属シアン化物触媒の存在下でアルコキシル化された少なくとも一つの植物油と、
必要に応じて、少なくとも一つの非植物油系ポリオールと
を反応させることを含む、軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
【請求項11】
少なくとも一つのポリイソシアネートは、エチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,12−ドデカンジイソシアネート、シクロブタン−1,3−ジイソシアネート、シクロヘキサン−1,3−および−1,4−ジイソシアネート、1−イソシアナト−3,3,5−トリメチル−5−イソシアナトメチル−シクロヘキサン(イソホロンジイソシアネート)、2,4−および2,6−ヘキサヒドロトルエンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(水素化MDI、またはHMDI)、1,3−および1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−および2,6−トルエンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタン−2,4’−および/または−4,4’−ジイソシアネート(MDI)、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、トリフェニル−メタン−4,4’,4’’−トリイソシアネート、ポリフェニル−ポリメチレン−ポリイソシアネート(粗MDI)、ノルボルナンジイソシアネート、m−およびp−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネート、過塩素化アリールポリイソシアネート、カルボジイミド変性ポリイソシアネート、ウレタン変性ポリイソシアネート、アロファネート変性ポリイソシアネート、イソシアヌレート変性ポリイソシアネート、尿素変性ポリイソシアネート、ビウレット含有ポリイソシアネート、イソシアネート末端プレポリマーおよびそれらの混合物から選択される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
少なくとも一つのポリイソシアネートは、トルエンジイソシアネート(TDI)である、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
植物油はヒマシ油である、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
二重金属シアン化物(DMC)触媒は、ヘキサシアノコバルト酸亜鉛である、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
植物油は、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、2,3−ブチレンオキシド、イソブチレンオキシド、エピクロロヒドリン、シクロヘキセンオキシド、スチレンオキシド、C〜C30α−アルキレンオキシド、ポリカルボン酸無水物、ラクトンおよびそれらの混合物から選択される一以上のアルキレンオキシドでアルコキシル化されている、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
アルコキシル化された植物油は、エチレンオキシドでキャップされている、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
非植物油系ポリオールは、ポリエーテル、ポリエステル、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリエステルエーテル、ポリエステルカーボネート、ポリチオエーテル、ポリアミド、ポリエステルアミド、ポリシロキサン、ポリブタジエンおよびポリアセトンから選択される、請求項10に記載の方法。
【請求項18】
非植物油系ポリオールはポリエーテルポリオールである、請求項10に記載の方法。

【公開番号】特開2007−277555(P2007−277555A)
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−99056(P2007−99056)
【出願日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【出願人】(503349707)バイエル・マテリアルサイエンス・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー (178)
【氏名又は名称原語表記】Bayer MaterialScience LLC
【Fターム(参考)】