DNAを定量又は検出する方法
【課題】簡便にDNAを定量又は検出する方法等を提供する。
【解決手段】(1)検体中に含まれるDNAから、目的とする領域の塩基配列を含むDNAを取得する第一工程、(2)第一工程で得られた前記DNAをメチル化酵素で処理し、メチル化DNAを取得する第二工程、(3)第二工程で得られた前記メチル化DNAから、一本鎖メチル化DNAを取得する第三工程、(4)第三工程で選択された前記一本鎖メチル化DNAと、メチル化DNA抗体と、特定オリゴヌクレオチドと、を結合させて、該メチル化された目的とするDNA領域を含む一本鎖メチル化DNAと、該メチル化DNA抗体と、該特定オリゴヌクレオチドと、の複合体を形成させて、該複合体を取得する第四工程等を含む検体中に含まれるDNA中の目的とする領域のメチル化されたDNAの含量を定量または検出する方法等を提供する。
【解決手段】(1)検体中に含まれるDNAから、目的とする領域の塩基配列を含むDNAを取得する第一工程、(2)第一工程で得られた前記DNAをメチル化酵素で処理し、メチル化DNAを取得する第二工程、(3)第二工程で得られた前記メチル化DNAから、一本鎖メチル化DNAを取得する第三工程、(4)第三工程で選択された前記一本鎖メチル化DNAと、メチル化DNA抗体と、特定オリゴヌクレオチドと、を結合させて、該メチル化された目的とするDNA領域を含む一本鎖メチル化DNAと、該メチル化DNA抗体と、該特定オリゴヌクレオチドと、の複合体を形成させて、該複合体を取得する第四工程等を含む検体中に含まれるDNA中の目的とする領域のメチル化されたDNAの含量を定量または検出する方法等を提供する。
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
検体中に含まれる目的とするDNA領域を有するDNAを定量又は検出する方法であって、
(1)目的とするDNA領域を有するDNAを検体中から取得する第一工程、
(2)第一工程で取得した目的とするDNA領域を有するDNAをDNAメチル化酵素で処理する第二工程、
(3)第二工程で取得したDNAメチル化酵素で処理された目的とするDNA領域を有するDNAから、目的とするDNA領域を有する一本鎖メチル化DNAを取得する第三工程、
(4)第三工程で取得した目的とするDNA領域を有する一本鎖メチル化DNAと、メチル化DNA抗体と、該一本鎖メチル化DNA中の目的とするDNA領域のメチル化された部分と該メチル化DNA抗体との結合を阻害せず、且つ、該一本鎖DNAと相補性により結合し得る塩基配列を有する特定オリゴヌクレオチドと、を混合させて、
該メチル化された目的とするDNA領域を有する一本鎖メチル化DNAと、該メチル化DNA抗体と、該特定オリゴヌクレオチドとの複合体を形成させる第四工程、
(5)第四工程で形成した複合体に含まれる前記メチル化DNA抗体をその識別機能により定量又は検出することにより、前記一本鎖メチル化DNA中の目的とするDNA領域を有するDNAを定量又は検出する第五工程、
を有することを特徴とする方法。
【請求項2】
第四工程において、二価陽イオンを含有する反応系中で複合体を形成させる請求項1に記載の方法。
【請求項3】
二価陽イオンがマグネシウムイオンである請求項2に記載の方法。
【請求項4】
第五工程開始までに、第四工程で形成される複合体に含まれる抗体と支持体とを結合させる請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
第五工程開始までに、第四工程で形成される複合体に含まれる特定オリゴヌクレオチドと支持体とを結合させる請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
DNAメチル化酵素が、シトシンメチル化酵素である請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
DNAメチル化酵素が、SssIメチラーゼである請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
メチル化DNA抗体が、メチルシトシン抗体である請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
検体が、下記のいずれかの検体である請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
(a)哺乳動物由来の血液、体液、糞尿、体分泌物、細胞溶解液又は組織溶解液
(b)哺乳動物由来の血液、体液、糞尿、体分泌物、細胞溶解液及び組織溶解液からなる群より選ばれる一から抽出されたDNA
(c)哺乳動物由来の組織、細胞、組織溶解液及び細胞溶解液からなる群より選ばれる一から抽出されたRNAを鋳型として作製されたDNA
(e)細菌、真菌又はウイルスから抽出されたDNA
(f)細菌、真菌又はウイルスから抽出されたRNAを鋳型として作製されたDNA
【請求項10】
目的とするDNA領域を有するDNAが、下記のいずれかの目的とするDNA領域を有するDNAである請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
(a)目的とするDNA領域を認識切断部位としない制限酵素で予め消化処理されてなるDNA
(b)予め精製されてなる目的とするDNA領域を有するDNA
(c)血液中の目的とするDNA領域を有する遊離DNA
(d)微生物ゲノム由来の目的とするDNA領域を有するDNA
(e)RNAから逆転写酵素によって生成された目的とするDNA領域を有するDNA
【請求項11】
第四工程における複合体形成時にカウンターオリゴヌクレオチドを添加する請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
第一工程において検体中からDNAを取得するためのDNA抽出操作において用いられる溶液中のナトリウム塩の濃度が、100mM以下1000mM以下である請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
第一工程において検体中からDNAを取得するためのDNA抽出操作において用いられる溶液中のナトリウム塩の濃度が、100mM以下200mM以下である請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
癌患者由来の検体を選抜する方法であり、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法により被験者由来の検体を用いて定量又は検出されたDNAの定量結果または検出結果と、同方法により健常者由来の検体を用いて定量又は検出されたDNAの定量結果または検出結果との差異が有意であれば、被験者由来の検体を癌患者由来の検体として評価し、当該評価の結果に基づき癌患者由来の検体を特定する工程を含む方法。
【請求項15】
検体が、哺乳動物由来の血清である請求項14に記載の方法。
【請求項16】
目的とするDNA領域を有するDNAが、哺乳動物由来の血清中の目的とするDNA領域を有する遊離DNAである請求項14〜15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項1】
検体中に含まれる目的とするDNA領域を有するDNAを定量又は検出する方法であって、
(1)目的とするDNA領域を有するDNAを検体中から取得する第一工程、
(2)第一工程で取得した目的とするDNA領域を有するDNAをDNAメチル化酵素で処理する第二工程、
(3)第二工程で取得したDNAメチル化酵素で処理された目的とするDNA領域を有するDNAから、目的とするDNA領域を有する一本鎖メチル化DNAを取得する第三工程、
(4)第三工程で取得した目的とするDNA領域を有する一本鎖メチル化DNAと、メチル化DNA抗体と、該一本鎖メチル化DNA中の目的とするDNA領域のメチル化された部分と該メチル化DNA抗体との結合を阻害せず、且つ、該一本鎖DNAと相補性により結合し得る塩基配列を有する特定オリゴヌクレオチドと、を混合させて、
該メチル化された目的とするDNA領域を有する一本鎖メチル化DNAと、該メチル化DNA抗体と、該特定オリゴヌクレオチドとの複合体を形成させる第四工程、
(5)第四工程で形成した複合体に含まれる前記メチル化DNA抗体をその識別機能により定量又は検出することにより、前記一本鎖メチル化DNA中の目的とするDNA領域を有するDNAを定量又は検出する第五工程、
を有することを特徴とする方法。
【請求項2】
第四工程において、二価陽イオンを含有する反応系中で複合体を形成させる請求項1に記載の方法。
【請求項3】
二価陽イオンがマグネシウムイオンである請求項2に記載の方法。
【請求項4】
第五工程開始までに、第四工程で形成される複合体に含まれる抗体と支持体とを結合させる請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
第五工程開始までに、第四工程で形成される複合体に含まれる特定オリゴヌクレオチドと支持体とを結合させる請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
DNAメチル化酵素が、シトシンメチル化酵素である請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
DNAメチル化酵素が、SssIメチラーゼである請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
メチル化DNA抗体が、メチルシトシン抗体である請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
検体が、下記のいずれかの検体である請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
(a)哺乳動物由来の血液、体液、糞尿、体分泌物、細胞溶解液又は組織溶解液
(b)哺乳動物由来の血液、体液、糞尿、体分泌物、細胞溶解液及び組織溶解液からなる群より選ばれる一から抽出されたDNA
(c)哺乳動物由来の組織、細胞、組織溶解液及び細胞溶解液からなる群より選ばれる一から抽出されたRNAを鋳型として作製されたDNA
(e)細菌、真菌又はウイルスから抽出されたDNA
(f)細菌、真菌又はウイルスから抽出されたRNAを鋳型として作製されたDNA
【請求項10】
目的とするDNA領域を有するDNAが、下記のいずれかの目的とするDNA領域を有するDNAである請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
(a)目的とするDNA領域を認識切断部位としない制限酵素で予め消化処理されてなるDNA
(b)予め精製されてなる目的とするDNA領域を有するDNA
(c)血液中の目的とするDNA領域を有する遊離DNA
(d)微生物ゲノム由来の目的とするDNA領域を有するDNA
(e)RNAから逆転写酵素によって生成された目的とするDNA領域を有するDNA
【請求項11】
第四工程における複合体形成時にカウンターオリゴヌクレオチドを添加する請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
第一工程において検体中からDNAを取得するためのDNA抽出操作において用いられる溶液中のナトリウム塩の濃度が、100mM以下1000mM以下である請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
第一工程において検体中からDNAを取得するためのDNA抽出操作において用いられる溶液中のナトリウム塩の濃度が、100mM以下200mM以下である請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
癌患者由来の検体を選抜する方法であり、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法により被験者由来の検体を用いて定量又は検出されたDNAの定量結果または検出結果と、同方法により健常者由来の検体を用いて定量又は検出されたDNAの定量結果または検出結果との差異が有意であれば、被験者由来の検体を癌患者由来の検体として評価し、当該評価の結果に基づき癌患者由来の検体を特定する工程を含む方法。
【請求項15】
検体が、哺乳動物由来の血清である請求項14に記載の方法。
【請求項16】
目的とするDNA領域を有するDNAが、哺乳動物由来の血清中の目的とするDNA領域を有する遊離DNAである請求項14〜15のいずれか一項に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【公開番号】特開2010−17178(P2010−17178A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−138006(P2009−138006)
【出願日】平成21年6月9日(2009.6.9)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年6月9日(2009.6.9)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】
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