説明

DNA損傷修復能力の簡便・迅速な検査方法

【課題】簡便・迅速なDNA修復能力の検査方法を開発することを目的とした。
【解決手段】検査時間の短縮や被験者の負担軽減のため、従来の診断に使われていた皮膚由来の線維芽細胞ではなく、血液由来のリンパ球に注目した。
そして、末梢血由来のリンパ球による検査方法を鋭意研究し、末梢血由来のリンパ球に紫外線を照射した後、6-4光産物量および/またはシクロブタン型ピリミジンダイマー量を測定することを特徴とするDNA損傷修復能力の検査方法、さらにはマイトジェンで処理した末梢血由来リンパ球を用いた高感度検査方法を完成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、末梢血由来のリンパ球を用いたDNA損傷修復能力の検査方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
紫外線によってシクロブタン型ピリミジンダイマー(cyclobutane pyrimidine dimer;以下CPD)や6-4光産物(6-4 photoproduct;以下6-4PP)等のDNAに歪みをもたらす損傷が誘発される。ヒト細胞においてこれらのDNA損傷は、ヌクレオチド除去修復(nucleotide excision repair;以下NER)機構によって修復され、細胞のガン化などから守られている。このNERは、損傷を受けたヌクレオチドを除去し、損傷を受けていない鎖の情報を基にして修復するものである。その機構に関わるXP因子のいずれかが欠損することによって、高発癌性遺伝疾患・色素性乾皮症(xeroderma pigmentosum;以下XP)を発症する。
【0003】
XPは、光過敏症、日光露光部における悪性腫瘍の高頻度発症、原因不明の進行性神経障害などを特徴とする常染色体劣性遺伝疾患であり、難病に指定されている。日本での発症頻度は5万人に1人であり、欧米での頻度(100万人に1人)に比べ高頻度であるが、未だ有効な治療法は無く、患者の長期的QOL向上のためには早期に診断し、徹底した遮光が必要となる。現在、XPの診断は、患者の臨床症状による診断、患者の皮膚片から分離した線維芽細胞を用いた細胞学的試験、遺伝子診断等を総合的に組み合わせて行われている。しかし、これらのXPの診断方法では、3ヶ月〜半年の時間を要し、皮膚片を採取するなど患者の負担も大きいという問題がある。
【0004】
DNA損傷の測定方法についての従来技術は、いくつか知られている。特許文献1は、「全体的及び特異的DNA修復能力の定量的評価法」を開示している。
【0005】
しかしながら、上記特許文献では、本発明の検査方法とは、測定する対象及び測定方法が明らかに異なる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特表2006−510385号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記述べたように、従来のXPの診断方法では、3ヶ月〜半年の時間を要し、皮膚片を採取するなど患者の負担も大きいという問題がある。
そこで、本発明者らは、簡便・迅速なDNA修復能力の検査方法を開発することを目的とした。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決するために、特に検査時間の短縮や被験者の負担軽減のため、従来の診断に使われていた皮膚由来の線維芽細胞ではなく、血液由来のリンパ球に注目した。
そして、本発明者らは、末梢血由来のリンパ球によるDNA修復能力の検査方法を鋭意研究し、末梢血由来のリンパ球を用いたDNA修復能力の検査方法、さらにはマイトジェンで処理した末梢血由来リンパ球を用いたDNA修復能力の高感度検査方法を完成した。
【0009】
本発明は以下からなる。
1.末梢血由来のリンパ球に紫外線を照射した後、抗6-4光産物抗体および/または抗シクロブタン型ピリミジンダイマー抗体を用いたフローサイトメトリーにより、6-4光産物量および/またはシクロブタン型ピリミジンダイマー量を測定することを特徴とするDNA損傷修復能力の検査方法。
2.紫外線を照射した直後の6-4光産物量および/またはシクロブタン型ピリミジンダイマー量と、紫外線照射1〜48時間後の6-4光産物量および/またはシクロブタン型ピリミジンダイマー量を比較することを特徴とする前項1に記載の検査方法。
3.紫外線を照射した直後の6-4光産物量と、紫外線照射1〜6時間後の6-4光産物量を比較することを特徴とする前項2に記載の検査方法。
4.紫外線を照射した直後のシクロブタン型ピリミジンダイマー量と、紫外線照射4〜48時間後のシクロブタン型ピリミジンダイマー量を比較することを特徴とする前項2に記載の検査方法。
5.紫外線照射前に末梢血由来のリンパ球をマイトジェンで刺激することを特徴とする前項1〜4のいずれか一に記載の検査方法。
6.マイトジェン存在下で1〜5日間培養することを特徴とする前項5に記載の検査方法。
7.マイトジェンがフィトヘマグルチニンである前項5又は6に記載の検査方法。
8・フィトヘマグルチニンの濃度が5〜50μg/mlである前項7に記載の検査方法。
9.200〜400nmの波長の紫外線を10〜40J/m2で照射することを特徴とする前項1〜8のいずれか一に記載の検査方法。
10.前項1〜9のいずれか一に記載の検査方法を用いることを特徴とする色素性乾皮症の検査方法。
11.前項1〜9のいずれか一に記載の検査方法を用いることを特徴とする発癌リスクの検査方法。
12.抗6-4光産物抗体および/または抗シクロブタン型ピリミジンダイマー抗体と、蛍光標識二次抗体並びにマイトジェンを含有するDNA損傷修復能力の検査用キット。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、末梢血由来のリンパ球を用いたDNA損傷修復能力の検査が可能となった。該検査により、検査が簡便となり検査期間が短縮された。さらには患者の負担の軽減を達成できた。
また、健常人におけるDNA修復能力の検査が可能となり、発癌リスクの評価と予防に利用できる。加えて、XPの迅速検査が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】紫外線で誘発される代表的なDNA損傷を示した説明図である。
【図2】NERの基本反応様式とそこで働く因子を示した説明図である。
【図3】ヒト末梢血由来のリンパ球における6-4PP量の検出を示した説明図である(実施例1)。
【図4】ヒト末梢血由来のリンパ球における6-4PPの修復動態を示した説明図である(実施例1)。
【図5】PHA刺激時間によるPCNA発現量の変化を示した説明図である(実施例2)。
【図6】PHA濃度によるPCNA発現量の変化を示した説明図である(実施例2)。
【図7】PHA濃度によるヒト末梢血由来のリンパ球で発現するタンパク質量の変化を示した説明図である(実施例2)。
【図8】PHA刺激による6-4PPの修復動態を示した説明図である(実施例2)。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(紫外線で誘発される代表的なDNA損傷)
細胞は紫外線によってDNAに損傷を受ける。代表的なDNA損傷として、シクロブタン型ピリミジンダイマー(CPD)や6-4光産物(6-4PP)等のDNAに歪みをもたらす損傷が挙げられる。なお、CPDと6-4PPの構造を図1に示す。
【0013】
(ヌクレオチド除去修復機構)
ヒト細胞においてDNA損傷は種々の機構により修復され癌化等から守られている。DNA修復機構の一つにヌクレオチド除去修復(NER)機構が存在する。NERの基本反応様式とそこで働く様々な因子を図2に示す。
【0014】
(本発明の検査方法の概要)
本発明は、DNA損傷の一つである6-4PP量および/またはCPD量を指標としたDNA損傷修復能力の検査方法に係るものである。より詳しくは、DNA損傷修復能力を検査することによりXPの診断、健常者の発癌リスクの評価が可能となる。
【0015】
(本発明の検査工程の概要)
本発明は、哺乳動物、特にヒトから分離した末梢血由来のリンパ球に紫外線を照射し、誘起されたDNA損傷(6-4PPおよび/またはCPD)量の時間による変化(6-4PP減少量および/またはCPD減少量)を測定する。6-4PP量および/またはCPD量の減少度が大きいほど、DNA修復活性が高い細胞である。
なお、6-4PP量および/またはCPD量は抗6-4PP抗体および/または抗CPD抗体を用いたフローサイトメトリーにより測定する。
【0016】
本発明では、DNA損傷の指標として、6-4PP量および/またはCPD量を測定する。紫外線照射により誘起された6-4PPは、同じくDNA損傷であるCPDより早い速度で除去され修復される。発明者らの研究では、健常人由来の線維芽細胞に紫外線を照射してDNA損傷を誘起した場合、6-4PP量は4時間で紫外線照射直後の10%以下になるが、同条件でのCPDは24時間後で50%残存する。従って、末梢血由来のリンパ球を用いた簡便で迅速な検査のためには、6-4PP量の測定によるDNA損傷修復能力の検査がより好適である。
【0017】
(抗体)
抗6-4PP抗体および抗CPD抗体は定法により作製することができる。
抗6-4PP抗体および抗CPD抗体は、紫外線によって生じた6-4PP、CPDに各々結合する。そして、これら抗体が直接または間接的に蛍光物質により標識され、フローサイトメトリーで検出される。間接的に蛍光標識と結合する方法としては例えば蛍光標識二次抗体の使用が挙げられる。
【0018】
抗6-4PP抗体、抗CPD抗体、およびこれら以外の他のDNA損傷に対する抗体も使用することができる。これら抗体は単独で用いることができ、また、組み合わせて使用することもできる。
これらの抗体は、好ましくはモノクローナル抗体であり、市販されている抗体も使用することができる{参照:コスモバイオ株式会社提供のDNA損傷検出モノクローナル抗体(http://www.cosmobio.co.jp/product/antibody/products_cac_20080411.asp?entry_id=5456)}。抗6-4PPモノクローナル抗体としては、64M-1、64M-2、64M-3、64M-4、64M-5等が例示され、抗CPDモノクローナル抗体としては、TDM-1、TDM-2、TDM-3などが例示される(参照:Mori et al., 1988: Mutat. Res. 194, 263-270; Matsunaga et al., 1990: Mutat. Res. 235, 187-194; Mizuno et al., 1991: Mutat. Res. 254, 175-184; Mori et al., 1991: Photochem. Photobiol. 54, 225-232)。
【0019】
(末梢血由来のリンパ球)
末梢血由来のリンパ球は、患者および健常人から採血により得られた末梢血から自体公知の方法で分離される。例えば、リンパ球は密度勾配遠心法等で分離される。なお、本発明の検査方法では、分離後凍結したリンパ球を用いることもできる。
【0020】
(照射する紫外線)
照射する紫外線は、波長が10〜400 nm、すなわち可視光線より短く軟X線より長い不可視光線の電磁波である。人間の健康や環境への影響の観点から、UV-A (315〜400nm)、UV-B(280〜315nm)、UV-C (100〜280nm) に分けられる。
本発明で用いられる紫外線は、DNAに損傷を与える目的であるため、200〜400nmの波長の紫外線が好適である。中でも、UV-C(特に254nm)の紫外線がさらに好適である。
紫外線を照射する対象(付着細胞、浮遊細胞)によって紫外線によるDNA損傷の生成量は異なる。
末梢血由来のリンパ球への紫外線照射の線量はDNAに必要十分な損傷を与える量を選択する。254nmの紫外線では、5〜40J/m2、好ましくは10〜40J/m2、より好ましくは、10〜35J/m2、さらに好ましくは15〜25J/m2である。波長により好適な線量は異なり、例えば、波長の長い紫外線を用いる場合は一層高い線量を照射する。
【0021】
(フローサイトメトリー)
フローサイトメトリーとは、微細な粒子を流体中に分散させ、その流体を細く流して、個々の粒子を光学的に分析する手法である。
本発明では、直接または間接的に蛍光物質で標識された抗6-4PP抗体を6-4PPに結合させて、蛍光物質を検出、および/または、直接または間接的に蛍光物質で標識された抗CPD抗体をCPDに結合させて、蛍光物質を検出する。
【0022】
(本発明の検査工程の概要)
本発明の検査工程の一例は、以下の通りである。なお、下記工程に限定されるものではない。
(1)取得した末梢血由来のリンパ球に紫外線を照射する。
(2)照射直後又は数時間の修復後、末梢血由来のリンパ球を集め固定化する。
(3)該固定化したリンパ球中のDNAを一本鎖化させる。
(4)上記一本鎖化したDNAを含むリンパ球を抗6-4PP抗体または抗CPD抗体と結合させる。
(5)未結合の抗6-4PP抗体または抗CPD抗体を洗浄する。
(6)蛍光標識二次抗体を該抗6-4PP抗体または抗CPD抗体に結合させる。
(7)未結合の蛍光標識二次抗体を洗浄する。
(8)ヨウ化プロピディウム(PI)を加え、好ましくは細胞周期G1期にあたる細胞のみをフローサイトメトリーを用いて抽出して解析する。
【0023】
DNA損傷の測定は、紫外線照射直後の6-4PP量またはCPD量を測定し、その後のDNA修復過程における6-4PP量またはCPD量を測定することにより行う。減少度が大きいほど、修復活性が高い細胞である。
好適には、紫外線照射直後(照射後30秒〜30分の間 、好ましくは、10分〜20分の間)の6-4PP量またはCPD量と1〜48時間後の6-4PP量またはCPD量を比較する。
【0024】
6-4PP量については、紫外線照射直後の6-4PP量と、好適には1〜8時間後、より好適には照射2〜6時間後、さらに好適には照射3〜5時間後、最も好ましくは照射4時間後の6-4PP量を比較する。1〜8時間後に少なくとも1回6-4PP量を測定する。複数回測定しても良い。
【0025】
CPD量については、紫外線照射直後のCPD量と、好適には、4〜48時間後、より好適には照射6〜36時間後、さらに好適には照射8〜30時間後、最も好適には照射8〜24時間後のCPD量を比較する。4〜48時間後に少なくとも1回CPD量を測定する。
なお、CPD量を複数回測定しても良い。好ましい測定方法として、8〜12時間後と20〜30時間後に1回ずつ測定する方法等があり、例えば、8時間後と24時間後に測定する方法が挙げられる。
【0026】
(マイトジェンの使用)
本発明の検査方法は、好適には、より高感度検出のために、紫外線照射前に末梢血由来のリンパ球をマイトジェンで刺激する。
マイトジェンは、リンパ球の増殖、分裂を誘起させるものであり、ほとんどが植物由来のレクチンである。マイトジェンは、フィトヘマグルチニン(PHA)、コンカナバリンA(ConA)、ポークウィドマイトジェン(PWM)、リポ多糖(LPS)等が挙げられるが、好ましくはPHAである。
【0027】
上記刺激は、マイトジェン存在下で末梢血由来のリンパ球を培養することにより行う。
なお、マイトジェン刺激がなくても、本発明の方法によりDNA損傷修復能力を検査することができる。しかし、検査法の信頼性をより高めるには、休止期の状態で修復能力が低下しているリンパ球を増殖刺激し、修復能力を亢進させることが望ましい。また、XP患者の中には相補性群により部分的に修復能力を有する場合があり、休止期状態のままでは診断がつきにくいケースも想定される。
よって、マイトジェン刺激により健常者のDNA損傷修復能力を高めることにより、XP患者のDNA損傷修復能力と明確に異なることを確認することができる。
【0028】
本発明者らは、下記実施例2により、末梢血由来のリンパ球をマイトジェンで刺激することにより、NER反応に関与するPCNAやDNAポリメラーゼδ/ε等の修復合成因子の発現量が上昇し、DNA損傷修復が促進されることを確認している。
【0029】
末梢血由来のリンパ球にマイトジェンを加えた後、1〜5日間培養して刺激する。好適には、2〜4日間刺激する。より好適には、2日〜3日間、最も好ましくは3日間培養する。1〜5日間の培養によりPCNA、DNAポリメラーゼδ等のNER因子の発現量が上がる。1日より短期間であると刺激が充分でなく、5日以上長い期間刺激しても発現量は上がらず、死細胞が増加する。
リンパ球は好ましくは、PHA濃度5〜50μg/ml存在下で培養する。より好ましくは8〜35μg/ml、さらに好ましくは10〜30μg/ml、より一層好ましくは15〜25μg/ml、最も好ましくは25μg/ml存在下で培養する。濃度が低ければ刺激が充分でなく、濃度を高く設定してもNER因子の発現量は上がらずNER活性は上昇しない。
【0030】
(XPの検査方法)
本発明はまた、末梢血由来リンパ球に紫外線を照射し、抗6-4PP抗体および/または抗CPD抗体を用いたフローサイトメトリーにより6-4PPの量またはCPDの量を測定することによるXP(色素性乾皮症)の検査方法に関する。
XP患者の末梢血由来のリンパ球細胞では、NER活性が無い、または僅かであるため、紫外線により生じた6-4PPおよび/またはCPDは時間が経過してもほとんど減少しない。
末梢血由来のリンパ球に紫外線を照射した1〜48時間後の6-4PP量および/またはCPDの減少度が健常人の減少度と比較して大きく相違する場合はXPの精密検等を行う必要がある。
【0031】
(発癌リスクの検査方法)
本発明はまた、末梢血由来リンパ球に紫外線を照射し、抗6-4PP抗体および/または抗CPD抗体を用いたフローサイトメトリーにより6-4PP量および/またはCPD量を測定することによる発癌リスクの検査方法に関する。発癌リスクの高い健常者は、発癌リスクの低い健常者と比較して、DNA損傷修復能力が低い。
よって、末梢血由来のリンパ球に紫外線を照射した1〜48時間後の6-4PP量および/またはCPD量の減少度が健常人の減少度と比較して小さい場合は精密検査や、癌予防対策等を行う必要がある。
【0032】
(DNA損傷修復能力の検査用キット)
本発明のDNA損傷修復能力の検査用キットは、少なくとも抗6-4PP抗体および/または抗CPD抗体、蛍光標識二次抗体並びにマイトジェンを含む。好ましくはさらにヨウ化プロピディウム(Propidium iodide (PI))を含む。さらに、本発明の検査用キットは培養液やプレートなどを含んでいてもよい。マイトジェンとしては、PHAが好ましい。
【0033】
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例により限定されるものではない。
【実施例1】
【0034】
末梢血由来のリンパ球での6-4PP量の測定とDNA損傷修復能力の確認
【0035】
(材料)
培養液:RPMI-1640(和光純薬)500 mlに50 mg/ml ゲンタマイシン(Sigma)500μl、非働化した牛胎児血清(FBS)(Sigma)56 mlを加えて調製した。
PBS(-):10×D-PBS(-)(和光純薬)を10倍に希釈した。
【0036】
(ヒト末梢血からのリンパ球の分離・凍結)
EDTA-2Na添加により抗血液凝固処理をした末梢血を等量のRPMI-1640+50μg/mlゲンタマイシン(RPMI+G)で希釈した。15 mlチューブにFicoll-Paque Plusを4 ml入れ、その上に血液の希釈液8 mlを静かに重層し、室温で35分の遠心(1,400 rpm)を行った。
遠心後、中間層をパスツールピペットにより回収し、新しいチューブに移して2倍量のRPMI+Gで希釈した。
室温で5分遠心(1,200 rpm)を行い、上清を取り除いた後、約10 mlのRPMI+Gに懸濁し、同様に遠心した。上清を取り除き、上記の培養液(RPMI-1640+10% FBS+50μg/mlゲンタマイシン)に懸濁して実験に用いた。
なお、凍結する場合は、培養液に懸濁した細胞を2×107個/mlの濃度に調製し、等量のRPMI-1640+40%FBS+20%DMSO+50μg/mlゲンタマイシンを徐々に加えて、コニカルチューブに約1 mlずつ分注し、-80℃ で徐々に凍結した。
【0037】
(紫外線照射)
紫外線照射装置{殺菌灯:GL-10(東芝)}を用い、紫外線線量率は紫外線強度計(UVR-2)(東京光学機械)にて0.3 - 0.5 J/m2/secに調整した。
細胞をPBS(-)で洗浄し、約1×106個/mlの濃度になるようにPBS(-)に懸濁した。最終濃度1%になるようにFBSを加え、60 mmプラスチックディッシュに2 mlの細胞懸濁液を広げて紫外線を照射した。細胞を回収し、再び培養液に懸濁して各時間インキュベートした。
【0038】
(フローサイトメトリーを用いた6-4PPの定量)
1. 試薬の調製
PBS+50 mM EDTA: PBS(-)と0.5 M EDTA(Invitrogen)で作製した。
PBS-TB: BSA(Sigma)を0.1%になるようにPBS(-)に溶解し、Tween 20(和光純薬)を0.05%になるよう添加して混合した。
HCl/Triton X: 2 M HCl(和光純薬)と0.5%Triton X(in 10mM PBS)を1:1で混合して調製した。
100μg/ml RNaseA: 20 mg/mlRNaseAとPBS+50 mM EDTAで作製した。
5μg/ml PI: 100μg/ml Propidium iodide(Sigma)とPBS-TBで作製した。
【0039】
2.定量方法
紫外線照射した細胞の浮遊液を集めて4oC、1,200 rpmで3分間遠心した。上清を除き、PBS+50 mM EDTAを250μl加えてピペッティングで細胞をほぐした後、氷冷99.5%エタノールを800μl加えてすぐにボルテックスし、-20oCで10分間以上インキュベートすることによって細胞を固定した。
その後、1分間遠心(4oC、8,000 rpm)してエタノールを除き、PBS+50 mM EDTAを1 ml加えてさらに1分間遠心(4oC、8,000 rpm)した後、上清を除いた。
次に、HCl/Triton Xを1ml加え、20分間室温でインキュベートすることによりDNAを一本鎖化した。PBS+50 mM EDTAで2回洗浄後、100μg/ml RNaseAを300μl加えて37oCで1時間インキュベートし、上清を除いてPBS-TBで洗浄した。そこにPBS-TBで希釈した紫外線誘発DNA損傷に特異的な一次抗体溶液64M-5(100倍希釈)を加え、37oCで30分間インキュベートした。
PBS-TBで洗浄した後、PBS-TBで希釈した二次抗体Alexa Flour(登録商標)488 goat anti-mouse IgG conjugate(Molecular Probes)(200倍希釈)を加え、37℃で30分間インキュベートした。
同様にPBS-TBで洗浄した後、最後に5μg/ml PIを800μl加えてサスペンドし、フィルターを通して細胞を回収した。解析にはFACS Calibur(登録商標)とCELL Quest(BD Biosciences)を用い、細胞周期のG1期にあたる細胞のみを抽出して解析した。
【0040】
(末梢血由来のリンパ球の6-4PP量の測定結果)
末梢血由来のリンパ球にUV-Cを20 J/m2又は40 J/m2照射し、6-4PP量を検出すると、照射量依存的に蛍光ピークが右へシフトした(図3左)。すなわち、末梢血由来のリンパ球においても6-4PPの検出ができた。
なお、図3右は、横軸に照射量、縦軸に蛍光強度の平均値をとりグラフ化したものである。
【0041】
(末梢血由来のリンパ球を用いたDNA損傷修復能力の確認結果)
Ficollを用いて健常人末梢血液から分離したリンパ球(参照:図4上)を、そのままPBS(-)に懸濁して紫外線20 J/m2を照射した後、2時間、4時間修復させ、細胞の持つ6-4PP量をフローサイトメトリーで解析した(図4)。
上記解析結果では、紫外線照射後の時間経過と共に6-4PP蛍光のピークが左にシフトし(図4の下左)、紫外線照射後4時間までに6-4PP蛍光強度が約50%までに減少することがわかった(図4の下右)。
なお、図4の下右は、横軸に修復時間、縦軸に照射直後を100%とした相対的DNA損傷量をとりグラフ化したものである。
次に、XP患者末梢血から分離したリンパ球について検討した。XP患者は原因遺伝子の違いによって8つのグループに分けられるが、XP-A、XP-B、XP-C、XP-D、XP-E、XP-F、XP-Gの7つのグループはNER能に異常があり、バリアントと呼ばれるXP-V患者はNER能に異常がない。
XP-Aと既に診断されている患者の血液から分離したリンパ球を用いて同様の方法で解析した。NER能が欠損しているXP-A患者から血液由来のリンパ球では、損傷の除去がほぼ見られなかった(図4の下右)。
さらに、XP-Vと既に診断されている患者の血液から分離したリンパ球を用いて同様の方法で解析した。NER能が正常のXP-V患者から血液由来のリンパ球では、約60%まで減少していた (図なし)。
上記XP-A及びXP-Vの結果により、紫外線照射後の6-4PP蛍光ピークのシフトは、細胞のNER能によるものであることを確認した。
以上により、本発明の検査方法は、末梢血由来のリンパ球のNER活性、すなわちDNA損傷修復能を検出できる。
【実施例2】
【0042】
PHA刺激によるDNA損傷修復能力向上の確認
【0043】
(PHA刺激の条件検討)
末梢血由来のリンパ球に様々な条件でPHA刺激を与え、ウェスタンブロッティングによる解析およびフローサイトメトリーを用いたPCNA発現量の解析で最適なPHA刺激条件を評価した。
【0044】
(ウェスタンブロット法によるタンパク発現量の解析)
1. 細胞溶解液の調製
1サンプルあたり4×106個の細胞を4oC、1,200 rpmで3分間遠心することにより回収した。次に、1 mlのPBS(-)を加えてマイクロチューブに移し、30秒間の遠心(4oC、5,000 rpm)を行い、PBS(-)を除いた細胞にSDS-PAGE sample buffer{Laemmli sample buffer(日本バイオラド)と2-mercaptoethanol(Sigma)を95:5の割合で混合したもの}を150μl加えてBIORUPTOR(登録商標)(コスモ・バイオ)にセットした。氷中につけた状態で250 W、30秒おきに計5分間超音波をかけることでゲノムDNAを細かく切断した。この細胞溶解液を4oC、13,200 rpmで10分間遠心して上清を回収し、さらに100 ℃で10分間変性処理を行った。
細胞溶解液は、プロテインアッセイ試薬(日本バイオラド)を用いてタンパク濃度を測定した。
【0045】
2.SDS-PAGE
ポリアクリルアミドゲルは以下の組成で作製した。
Separating Gel(8%):H2O 4.7 ml、30% Acrylamide/bis solution(日本バイオラド)2.7 ml 、1.5 M Tris-HCl(pH 8.8)2.5 ml、10% SDS(Invitrogen)0.1 mlを混合し、TEMED(Invitrogen)5μl、10% APS(過硫酸アンモニウム;和光純薬)50μlを加えて重合させた。
Stacking Gel:H2O 6.1 ml、 30% Acrylamide/bis solution 1.3 ml、0.5 M Tris-HCl(pH6.8)2.5 ml、10% SDS 0.1 ml、TEMED 12μl、10% APS 60μlを混合した後、Separating Gelの上に注ぎいれ、コームを挿入して重合させた。
細胞溶解液に等量以上のSDS-PAGE sample buffer(Laemmli sample buffer(日本バイオラド)と2-mercaptoethanol(Sigma)を95:5の割合で混合)を加え、全てのサンプルで液量が同じになるように補正し、100℃で3分間変性処理して泳動用サンプルを調製した。ポリアクリルアミドゲルをMini-PROTEAN III電気泳動装置に装着し、200V定電圧で泳動を行った。
【0046】
3.ウェスタンブロッティング
上記泳動後、ホライズブロット(アトー)を用いて転写用メンブレン(日本ミリポア)にタンパク質を転写した。転写が終了したメンブレンを軽く純水で洗浄し、0.5%スキムミルク(雪印乳業)を含むPBS-T溶液に浸して1時間ゆっくり振とうすることにより抗体の非特異的吸着部位をブロックした。メンブレンをPBS-Tで3分間ずつ3回洗浄した後、一次抗体を加えてゆっくり振とうしながら1時間反応させ、さらに同様の洗浄後、二次抗体を加えて1時間反応させた。メンブレンをPBS-Tで3分間ずつ3回、10 mM PBS(pH 7.4)で3分間ずつ2回洗浄した後、Super Signal West Femto Stable Peroxide Buffer(Pierce)とSuper Signal West Femto Luminol/Enhancer Solution(Pierce)を等量ずつ混合したものをメンブレンにかけて5分間反応させた。ハイブリバッグ(コスモバイオ)にメンブレンをはさみ、Las-4000(富士フィルム)で目的タンパクの発光を検出した。
【0047】
抗体溶液:各特異抗体を洗浄液で希釈し、以下の組み合わせで用いた。なお、二次抗体は、一次抗体を認識する標識化抗体である。
(PCNA)
一次抗体:Mouse monoclonal PCNA(Ab-1)(Calbiochem)(5,000倍希釈)
二次抗体:Stabilized Goat anti-rabbit HRP-Conjugated(Pierce)(5,000倍希釈)
(Polδ)
一次抗体:Mouse monoclonal anti-Human DNA Polymerese δ Mab (Transducion Laboratories)(4,000倍希釈)
二次抗体:HRP-Goat anti-mouse IgG(H+L)(Zymed)(3,000倍希釈)
(Polε)
一次抗体:Mouse monoclonal anti- DNA Pol ε(261-kDa CS)(4,000倍希釈)
二次抗体:HRP-Goat anti-mouse IgG(H+L)(Zymed)(3,000倍希釈)
(RPA70)
一次抗体:Mouse monoclonal Replication Fork(Ab-1)(Calbiochem)(1,000倍希釈)
二次抗体:Stabilized Goat anti-mouse HRP-Conjugated(Pierce)(5,000倍希釈)
(XPF)
一次抗体:Mouse monoclonal anti-XPF (19-16)(本発明者らが作製)(1,000倍希釈)
二次抗体:Stabilized Goat anti-mouse HRP-Conjugated(Pierce)(1,000倍希釈)
(XPG)
一次抗体:Mouse monoclonal anti-XPG (26)(本発明者らが作製)(500倍希釈)
二次抗体:Stabilized Goat anti-mouse HRP-Conjugated(Pierce)(1,000倍希釈)
(ERCC1)
一次抗体:Mouse monoclonal anti-ERCC1 (44)(本発明者らが作製)(500倍希釈)
二次抗体:Stabilized Goat anti-mouse HRP-Conjugated(Pierce)(1,000倍希釈)
(β-actin)
一次抗体:monoclonal anti β-actin antibody(Cell Signaling,Cat.No.4967)(4,000倍希釈)
二次抗体:Stabilized Goat anti-rabbit HRP-Conjugated(Pierce)(1,000倍希釈)
【0048】
(フローサイトメトリーを用いたPCNA発現量の解析)
細胞浮遊液を回収し、4oC、1,200 rpmで3分間遠心した。上清を除き、FACSバッファー{1 mg/mL BSA、2 mM EDTA in PBS(-)}を250μl加えてピペッティングで細胞をほぐした後、氷冷99.5%エタノールを800μl加えてすぐにボルテックスし、-20℃で10分間以上インキュベートすることによって細胞を固定した。その後1週間以内に以降の操作を行った。
1分間遠心(4oC、8,000 rpm)してエタノールを除き、FACSバッファーを1 ml加えて1分間遠心(4oC、8,000 rpm)した後、上清を除いた。さらにもう1度FACSバッファーで洗浄した後、PCNAに特異的な一次抗体溶液PCNA(Ab-1)(200倍希釈)を加え、37℃で30分間インキュベートした。再び洗浄した後、同様にFACSバッファーで希釈した二次抗体Alexa Flour(登録商標)488 goat anti-mouse IgG conjugate(Molecular Probes)(400 倍希釈)を加え、37℃で30分間インキュベートした。同様にFACSバッファーで洗浄した後、FACSバッファーを800μl、さらに最終濃度200μg/mLになるように RNase(Sigma)と4μg/mLになるように Propidium iodide(PI)(Sigma)を添加して室温、暗所で30分間反応させた。最後に、フィルターを通して細胞を回収し、FACS Calibur(登録商標)とCELL Quest(BD Biosciences)を用いて、単個細胞のみを抽出して解析した。細胞周期の解析はModiFitを用いた。
【0049】
(PHA刺激時間の検討結果)
PHA濃度を25μg/mlとして、刺激(培養)時間を0日、1日、2日、3日と変化させた結果を示す(図5左)。なお、図5右は、PCNA発現量の高い細胞(M1)の割合を縦軸に、培養時間を横軸にとりグラフ化したものである。
以上により、1日以上、より好ましくは3日のPHAによる刺激によりPCNA陽性細胞の割合を増加させることができた。
なお、培養時間を3日より延長してもPCNA陽性細胞の割合は増加せず、むしろ細胞死が生じた。
【0050】
(PHA濃度の検討結果)
刺激(培養)時間は3日間としてPHA濃度を0μg/ml、5μg/ml、10μg/ml、25μg/mlと変化させたところ、PHA濃度5μg/ml以上のサンプルではピークが2つ見られ、PCNA陽性細胞と陰性細胞がはっきりと分かれた(図6左)。なお。図6右は、PCNA発現量の高い細胞(M1)の割合を縦軸に、PHA濃度を横軸にとり、グラフ化したものである。PCNA陽性細胞の割合はPHA濃度上昇に伴って増加した(図6右)。
また、PHA濃度を0μg/ml、10μg/ml及び25μg/mlとした場合の発現タンパク質の変化をウェスタンブロッティングにより解析した。
該解析結果では、損傷除去因子の変化は無く、修復合成因子の増加がPHA 10μg/ml、25μg/mlで見られたが、PHA 25μg/mlの方が他の修復合成因子の発現も高いことがわかった(図7)。なお、図7は、「ヒト末梢血由来のリンパ球の細胞溶解液、またはヒト末梢血由来のリンパ球をPHA 10μg/ml又は25μg/ml存在下で3日間培養した後の細胞溶解液を回収し、抗PCNA抗体、抗Pol δ抗体、抗Pol ε抗体、抗XPF抗体、抗RPA70抗体、抗βーactin抗体でウェスタンブロッティングをおこなった結果」を示す。
以上により、PHA刺激条件は25μg/mlで3日間が最適であると判断した。
【0051】
(PHA刺激によるDNA損傷修復能力向上の結果)
末梢リンパ球にPHA刺激を与えたときのDNA損傷除去能の向上効果について確認した。
解凍した末梢リンパ球にPHAを0、10または25 μg/mlの濃度で添加し、37℃で3日間培養した。その後、それぞれに紫外線照射して2時間後、4時間後の6-4PP量をフローサイトメトリーで解析した。
上記解析結果では、PHAで刺激した画分は、刺激なしの画分と比較して、紫外線照射後の時間経過とともに大きくピークが左にシフトした。なお、図8は、横軸に修復時間、縦軸に照射直後を100%とした相対的DNA損傷量をそれぞれグラフにしたものである。
以上により、PHA刺激(PHA共存下での培養)により、20%(1.2倍)程度のDNA損傷修復能力を向上させることができた。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明では、血液由来のリンパ球を用いてDNA損傷修復能力の検査が可能となった。さらに、本発明の検査方法では、簡便及び迅速に、XP患者の検査、発癌リスクの評価も行うことができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
末梢血由来のリンパ球に紫外線を照射した後、抗6-4光産物抗体および/または抗シクロブタン型ピリミジンダイマー抗体を用いたフローサイトメトリーにより、6-4光産物量および/またはシクロブタン型ピリミジンダイマー量を測定することを特徴とするDNA損傷修復能力の検査方法。
【請求項2】
紫外線を照射した直後の6-4光産物量および/またはシクロブタン型ピリミジンダイマー量と、紫外線照射1〜48時間後の6-4光産物量および/またはシクロブタン型ピリミジンダイマー量を比較することを特徴とする請求項1に記載の検査方法。
【請求項3】
紫外線を照射した直後の6-4光産物量と、紫外線照射1〜6時間後の6-4光産物量を比較することを特徴とする請求項2に記載の検査方法。
【請求項4】
紫外線を照射した直後のシクロブタン型ピリミジンダイマー量と、紫外線照射4〜48時間後のシクロブタン型ピリミジンダイマー量を比較することを特徴とする請求項2に記載の検査方法。
【請求項5】
紫外線照射前に末梢血由来のリンパ球をマイトジェンで刺激することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一に記載の検査方法。
【請求項6】
マイトジェン存在下で1〜5日間培養することを特徴とする請求項5に記載の検査方法。
【請求項7】
マイトジェンがフィトヘマグルチニンである請求項5又は6に記載の検査方法。
【請求項8】
フィトヘマグルチニンの濃度が5〜50μg/mlである請求項7に記載の検査方法。
【請求項9】
200〜400nmの波長の紫外線を10〜40J/m2で照射することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一に記載の検査方法。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか一に記載の検査方法を用いることを特徴とする色素性乾皮症の検査方法。
【請求項11】
請求項1〜9のいずれか一に記載の検査方法を用いることを特徴とする発癌リスクの検査方法。
【請求項12】
抗6-4光産物抗体および/または抗シクロブタン型ピリミジンダイマー抗体と、蛍光標識二次抗体並びにマイトジェンを含有するDNA損傷修復能力の検査用キット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−18068(P2012−18068A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−155303(P2010−155303)
【出願日】平成22年7月7日(2010.7.7)
【出願人】(504160781)国立大学法人金沢大学 (282)
【Fターム(参考)】