ETCシステム、車載装置、携帯装置、及び情報センタ
【課題】
有料道路の入口ゲートにおける課金処理と出口ゲートにおける課金処理とで、異なるICカードが使用されてしまうことを防ぐことが可能なETCシステムを提供する。
【解決手段】
ETCシステムでは、車載装置は、非接触型ICカードである携帯電話から読み出したカードID等を用いて課金処理を行う。携帯電話は、第一の車載装置との通信を開始後、この車載装置から車載装置IDを取得すると共に、課金処理履歴情報リストに基づき、自装置を用いて最後に行なわれた課金処理の種類を特定する。そして、最後の課金処理が入口ゲートでの課金処理である場合には(S305:Yes)、最後の課金処理に用いられた車載装置の車載装置IDと、取得した車載装置IDが一致するか判定する(S310)。これらの車載装置IDが一致しない場合には、車載装置と携帯電話との組み合わせに異常があるとみなし、ユーザに対し異常を報知する(S315)。
有料道路の入口ゲートにおける課金処理と出口ゲートにおける課金処理とで、異なるICカードが使用されてしまうことを防ぐことが可能なETCシステムを提供する。
【解決手段】
ETCシステムでは、車載装置は、非接触型ICカードである携帯電話から読み出したカードID等を用いて課金処理を行う。携帯電話は、第一の車載装置との通信を開始後、この車載装置から車載装置IDを取得すると共に、課金処理履歴情報リストに基づき、自装置を用いて最後に行なわれた課金処理の種類を特定する。そして、最後の課金処理が入口ゲートでの課金処理である場合には(S305:Yes)、最後の課金処理に用いられた車載装置の車載装置IDと、取得した車載装置IDが一致するか判定する(S310)。これらの車載装置IDが一致しない場合には、車載装置と携帯電話との組み合わせに異常があるとみなし、ユーザに対し異常を報知する(S315)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信により有料道路の走行料金についての課金処理を行うETCシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
有料道路の走行料金の課金を行なうETCシステムが知られている。このETCシステムでは、車載装置に接続されているICカードに記憶されているカードID等を用いて課金が行なわれる。このため、ETCシステムを利用するユーザは、ICカードを所持していなければならないという煩わしさがあった。そこで、携帯電話等が備える非接触ICカード機能をETCシステムに適用することが提案されている。こうすることにより、ETCシステムを利用するためにICカードを所持しなければならないという煩わしさからユーザを開放することができる。
【0003】
ところで、有料道路を走行する際には、走行距離に応じた走行料金が課金される場合があるが、このような場合には、ETCシステムの車載装置は、有料道路の入口ゲートと出口ゲートにて同一のICカードを用いて課金処理を行わなければならない。また、例えば、複数の車両で旅行に出かけた場合には、有料道路のサービスエリア等での休憩の際に車両の乗車メンバの入れ替えが発生する可能性がある。ここで、携帯電話は、ユーザが常に持ち歩く可能性があるため、有料道路の走行開始後に乗車メンバの入れ替えが生じると、入口ゲートでの課金処理に用いられた携帯電話が、他の車両に移ってしまうことが考えられる。そして、このような状態で車両が出口ゲートに到達すると、入口ゲートにおける課金処理に用いられた携帯電話とは異なる携帯電話を用いて、課金処理が開始されてしまう可能性がある。そして、その結果、課金処理に失敗してしまい、出口ゲートにて車両が立ち往生してしまうおそれがある。
【0004】
ここで、特許文献1には、ICカードが挿入されると、ICカードのカードIDに基づき、先に挿入されたICカードと新たに挿入されたICカードとの同一性を判定する車載器が記載されている。携帯電話等の非接触ICカードに対応している車載装置は、特許文献1に記載の車載器のように、カードIDに基づき、入口ゲートにおける課金処理に用いられた非接触ICカードと、出口ゲートにおける課金処理に用いられようとしている非接触ICカードとの同一性を判定しても良い。そして、上記車載装置は、出口ゲートにおける課金処理に、入口ゲートにおける課金処理にて用いられた非接触ICカードとは異なる非接触ICカードが用いられようとしている場合には、ユーザに警告等を行っても良い。こうすることにより、入口ゲートにおける課金処理に用いられた非接触ICカードと異なる非接触ICカードが、出口ゲートにおける課金処理にて用いられ、出口ゲートにて課金処理に失敗してしまうことを防ぐことができる。
【特許文献1】特開平11−195152号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、カードIDは非接触ICカードを識別する情報であるため、車載装置は、非接触ICカードのカードIDのみに基づき、この非接触ICカードを用いて先に行われた課金処理が有料道路の入口ゲートでの課金処理であるかどうかを判定することはできない。したがって、上述した方法をそのまま適用した場合には、有料道路の走行開始前に非接触ICカードの交換がなされ、新たな非接触ICカードを用いて入口ゲートでの課金処理が行われようとしている場合にまで、警告等が行われてしまうおそれがある。
【0006】
本願発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、有料道路の入口ゲートにおける課金処理と出口ゲートにおける課金処理とで、異なるICカードが使用されてしまうことを防ぐことが可能なETCシステム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するためになされた請求項1に記載のETCシステムは、有料道路のゲートに設置されている路側機と無線通信を行い、有料道路の走行料金についての課金処理を行う車載装置と、車載装置と通信可能な装置であって、該車載装置による課金処理に用いられる課金先特定情報を記憶している携帯装置とを有している。そして、車載装置は、携帯装置に対して、自装置を識別するためのID情報を通知すると共に、課金処理を行うと、該携帯装置に対して、該課金処理の種類を識別するための情報であるゲート情報を通知する。また、携帯装置は、車載装置からID情報とゲート情報とを取得し、ゲート情報と、該ゲート情報の通知元である車載装置のID情報とを課金情報として記憶し、車載装置との通信が開始されると、該車載装置からID情報を取得し、該ID情報と、最後に記憶した課金情報とに基づき、該車載装置が搭載されている車両が次に通過するゲートにて行われる課金処理に関して、自装置と、該車載装置との組み合わせが正常であるか否かを判定する。
【0008】
尚、携帯装置とは、例えば、非接触ICカード機能を有する携帯電話等であっても良いし、接触型のI/Fを備えるICカードであっても良い。また、課金先特定情報とは、例えば、カードID等であっても良い。
【0009】
また、ゲート情報により識別される課金処理の種類としては、走行距離に応じた走行料金が課金される有料道路の入口ゲートにて行なわれる入口ゲート処理と、該有料道路の出口ゲートにて行なわれる出口ゲート処理と、均一な走行料金が課金される有料道路のゲートにて行なわれる均一処理とが存在する。
【0010】
また、携帯装置は、例えば、最後に記憶した課金情報におけるゲート情報に基づき、自装置を用いて最後に行われた課金処理が入口ゲート処理であるか否かを判定しても良い。そして、最後の課金処理が入口ゲート処理である場合には、最後に記憶した課金情報におけるID情報と、車載装置との通信開始時にこの車載装置から取得したID情報とを比較しても良い。そして、これらのID情報が一致する場合には、車載装置と携帯装置との組み合わせが正常であると判定し、これらのID情報が一致しない場合には、車載装置と携帯装置との組み合わせが異常であると判定しても良い。また、最後の課金処理が入口ゲート処理でない場合には、常に、車載装置と携帯装置との組み合わせが正常であると判定しても良い。
【0011】
また、このETCシステムは、請求項2に記載されているように、携帯装置が課金処理に関しての判定結果をユーザに報知しても良いし、請求項3に記載されているように、車載装置が課金処理に関しての判定結果をユーザに報知しても良い。
【0012】
このような構成を有することにより、例えば、有料道路の走行中に、入口ゲート処理に用いられた携帯装置が車載装置から取り外され、再度、携帯装置が車載装置にセットされた場合に、この携帯装置が、入口ゲート処理にて用いられた携帯装置であるか判定することができる。そして、入口ゲート処理にて用いられた携帯装置と異なる場合には、ユーザに対して警告等を行うことができる。したがって、請求項1に記載のETCシステムは、有料道路の入口ゲートにおける課金処理と出口ゲートにおける課金処理とで、異なるICカードが使用されてしまうことを防ぐことが可能である。
【0013】
また、請求項1に記載のETCシステムにおける車載装置を、単体で構成して流通させても良い。具体的には、この車載装置は、請求項4に記載されているように、携帯装置と通信を行う車載装置側通信手段と、ID情報を記憶しているID情報記憶手段と、ゲート情報を生成する車載装置側生成手段と、車載装置側ゲート情報生成手段が生成したゲート情報を、車載装置側通信手段を介して携帯装置に通知すると共に、ID情報記憶手段に記憶されているID情報を、車載装置側通信手段を介して携帯装置に通知する車載装置側情報通知手段とを備えていても良い。
【0014】
また、請求項1に記載のETCシステムにおける携帯装置を、単体で構成して流通させても良い。具体的には、この携帯装置は、請求項5に記載されているように、車載装置と通信を行う携帯装置側通信手段と、携帯装置側通信手段を介して車載装置からID情報とゲート情報とを取得し、取得したゲート情報と、該ゲート情報の通知元である車載装置のID情報とを課金情報として記憶する課金情報記憶制御手段とを備えていても良い。さらに、この携帯装置は、携帯装置側通信手段を介して車載装置との通信が開始されると、該車載装置からID情報を取得し、該ID情報と、課金情報記憶制御手段により最後に記憶された課金情報とに基づき、該車載装置が搭載されている車両が次に通過するゲートにて行われる課金処理に関して、自装置と、該車載装置との組み合わせが正常であるか否かを判定する携帯装置側課金判定手段とを備えていても良い。
【0015】
請求項1に記載のETCシステムにおける車載装置や携帯装置を単体で構成しても、対応する車載装置又は携帯装置と組み合わせることにより、上述した効果を奏する。
【0016】
また、ETCシステムは、次のような構成を有していても良い。
【0017】
すなわち、請求項6に記載のETCシステムのように、車載装置は、携帯装置に対して、自装置を識別するためのID情報を通知すると共に、課金処理を行うと、該携帯装置に対して、該課金処理の種類を識別するための情報であるゲート情報を通知しても良い。そして、携帯装置は、車載装置からID情報とゲート情報とを取得し、ゲート情報と、該ゲート情報の通知元である車載装置のID情報とを課金情報として記憶し、車載装置との通信が開始されると、最後に記憶した課金情報を該車載装置に通知しても良い。そして、さらに、車載装置は、携帯装置から課金情報を取得すると、該課金情報と、自装置のID情報とに基づき、自車両が次に通過するゲートにて行われる課金処理に関して、自装置と、該携帯装置との組み合わせが正常であるか否かを判定しても良い。
【0018】
ここで、車載装置は、例えば、取得した課金情報におけるゲート情報に基づき、自装置を用いて最後に行われた課金処理が入口ゲート処理であるか否かを判定しても良い。そして、最後の課金処理が入口ゲート処理である場合には、取得した課金情報におけるID情報と、自装置のID情報とを比較しても良い。そして、これらのID情報が一致する場合には、車載装置と携帯装置との組み合わせが正常であると判定し、これらのID情報が一致しない場合には、車載装置と携帯装置との組み合わせが異常であると判定しても良い。また、最後の課金処理が入口ゲート処理でない場合には、常に、車載装置と携帯装置との組み合わせが正常であると判定しても良い。
【0019】
また、このETCシステムは、請求項7に記載されているように、車載装置が課金処理に関しての判定結果をユーザに報知しても良いし、請求項8に記載されているように、携帯装置が課金処理に関しての判定結果をユーザに報知しても良い。
【0020】
このような構成を有する場合であっても、請求項1に記載のETCシステムと同様の効果を得ることができる。
【0021】
また、請求項6に記載のETCシステムにおける車載装置を、単体で構成して流通させても良い。具体的には、この車載装置は、請求項9に記載されているように、携帯装置と通信を行う車載装置側通信手段と、ID情報を記憶しているID情報記憶手段と、ゲート情報を生成する車載装置側生成手段と、車載装置側生成手段が生成したゲート情報を、車載装置側通信手段を介して携帯装置に通知すると共に、ID情報記憶手段に記憶されているID情報を、車載装置側通信手段を介して携帯装置に通知する車載装置側情報通知手段とを備えていても良い。また、この車載装置は、車載装置側通信手段を介して携帯装置から課金情報を取得すると、該課金情報と、ID情報記憶手段に記憶されているID情報とに基づき、自車両が次に通過するゲートにて行われる課金処理に関して、自装置と、該携帯装置との組み合わせが正常であるか否かを判定する車載装置側課金判定手段を備えていても良い。
【0022】
また、請求項6に記載のETCシステムにおける携帯装置を、単体で構成して流通させても良い。具体的には、この携帯装置は、請求項10に記載されているように、車載装置と通信を行う携帯装置側通信手段と、携帯装置側通信手段を介して車載装置からID情報とゲート情報とを取得し、取得したゲート情報と、該ゲート情報の通知元である車載装置のID情報とを課金情報として記憶する課金情報記憶制御手段と、携帯装置側通信手段を介して車載装置との通信が開始されると、該車載装置に対して課金情報記憶制御手段により最後に記憶された課金情報を、携帯装置に通知する課金情報通知手段とを備えていても良い。
【0023】
請求項6に記載のETCシステムにおける車載装置や携帯装置を単体で構成しても、対応する車載装置又は携帯装置と組み合わせることにより、上述した効果を奏する。
【0024】
また、ETCシステムは、次のような構成を有していても良い。
【0025】
すなわち、請求項11に記載されているように、ETCシステムは、有料道路のゲートに設置されている路側機と無線通信を行い、有料道路の走行料金についての課金処理を行う車載装置と、車載装置と通信が可能な装置であって、該車載装置による課金処理に用いられる課金先特定情報を記憶している携帯装置と、路側機と通信を行い、課金処理に対応する処理を行うと共に、携帯装置と無線通信を行うことが可能な情報センタとを有していても良い。そして、車載装置は、携帯装置に対して、自装置を識別するためのID情報を通知すると共に、課金処理を行うと、該携帯装置に対して、該課金処理の種類を識別するための情報であるゲート情報を通知しても良い。また、携帯装置は、車載装置からID情報とゲート情報とを取得し、ゲート情報と、該ゲート情報の通知元である車載装置のID情報とを課金情報として記憶し、車載装置との通信が開始されると、該車載装置からID情報を取得し、該ID情報と、最後に記憶した課金情報とを、情報センタに送信しても良い。情報センタは、携帯装置から受信したID情報と課金情報とに基づき、該ID情報により特定される車載装置が搭載されている車両が次に通過するゲートにて行われる課金処理に関して、該車載装置と、該携帯装置との組み合わせが正常であるか否かを判定し、該判定結果を該携帯装置に送信しても良い。
【0026】
ここで、情報センタは、例えば、携帯装置から受信した課金情報におけるゲート情報に基づき、この携帯装置を用いて最後に行われた課金処理が入口ゲート処理であるか否かを判定しても良い。そして、最後の課金処理が入口ゲート処理である場合には、上記課金情報におけるID情報と、この課金情報と共に受信したID情報とを比較しても良い。そして、これらのID情報が一致する場合には、車載装置と携帯装置との組み合わせが正常であると判定し、これらのID情報が一致しない場合には、車載装置と携帯装置との組み合わせが異常であると判定しても良い。また、最後の課金処理が入口ゲート処理でない場合には、常に、車載装置と携帯装置との組み合わせが正常であると判定しても良い。
【0027】
また、このETCシステムは、請求項12に記載されているように、携帯装置が課金処理に関しての判定結果をユーザに報知しても良いし、請求項13に記載されているように、車載装置が課金処理に関しての判定結果をユーザに報知しても良い。
【0028】
このような構成を有する場合であっても、請求項1に記載のETCシステムと同様の効果を得ることができる。
【0029】
また、請求項11に記載のETCシステムにおける車載装置を、単体で構成して流通させても良い。具体的には、この車載装置は、請求項14に記載されているように、携帯装置と通信を行う車載装置側通信手段と、ID情報を記憶しているID情報記憶手段と、ゲート情報を生成する車載装置側生成手段と、車載装置側生成手段が生成したゲート情報を、車載装置側通信手段を介して携帯装置に通知すると共に、ID情報記憶手段に記憶されているID情報を、車載装置側通信手段を介して携帯装置に通知する車載装置側情報通知手段とを備えていても良い。
【0030】
また、請求項11に記載のETCシステムにおける携帯装置を、単体で構成して流通させても良い。具体的には、この携帯装置は、請求項15に記載されているように、車載装置と通信を行う携帯装置側通信手段と、携帯装置側通信手段を介して車載装置からID情報とゲート情報とを取得し、取得したゲート情報と、該ゲート情報の通知元である車載装置のID情報とを課金情報として記憶する課金情報記憶制御手段とを備えていても良い。さらに、この携帯装置は、情報センタと無線通信を行う携帯装置側無線通信手段と、携帯装置側通信手段を介して車載装置との通信が開始されると、該車載装置からID情報を取得し、該ID情報と、課金情報記憶制御手段により最後に記憶された課金情報とを、携帯装置側無線通信手段を介して情報センタに送信する携帯装置側情報送信手段とを備えていても良い。
【0031】
また、請求項11に記載のETCシステムにおける情報センタを、単体で構成して流通させても良い。具体的には、この情報センタは、請求項16に記載されているように、携帯装置と無線通信を行う情報センタ側無線通信手段と、情報センタ側無線通信手段が携帯装置から受信したID情報と課金情報とに基づき、該ID情報により特定される車載装置が搭載されている車両が次に通過するゲートにて行われる課金処理に関して、該車載装置と、該携帯装置との組み合わせが正常であるか否かを判定する情報センタ側課金判定手段とを備えていても良い。また、この情報センタは、さらに、情報センタ側課金判定手段による判定結果を、情報センタ側無線通信手段を介して、該判定に係る携帯装置に送信する判定結果送信手段を備えていても良い。
【0032】
請求項11に記載のETCシステムにおける車載装置や携帯装置や情報センタを単体で構成しても、対応する車載装置、携帯装置、または情報センタと組み合わせることにより、上述した効果を奏する。
【0033】
また、ETCシステムは、次のような構成を有していても良い。
【0034】
すなわち、請求項17に記載されているように、ETCシステムは、有料道路のゲートに設置されている路側機と無線通信を行い、有料道路の走行料金についての課金処理を行う車載装置と、車載装置と通信が可能な装置であって、該車載装置による課金処理に用いられる課金先特定情報を記憶している携帯装置と、路側機と、路側機と通信を行い、課金処理に対応する処理を行うと共に、携帯装置と無線通信を行うことが可能な情報センタとを有していても良い。そして、車載装置は、携帯装置に対して、自装置を識別するためのID情報を通知すると共に、課金処理において、携帯装置からの課金先特定情報の取得と、路側機に対しての、該課金先特定情報、及び、自装置を識別するためのID情報の送信とを行っても良い。また、路側機は、課金処理にて車載装置から受信したID情報及び課金先特定情報と、該課金処理の種類を識別するための情報であるゲート情報とを情報センタに送信し、携帯装置は、車載装置との通信が開始されると、該車載装置からID情報を取得し、該ID情報と、課金先特定情報とを情報センタに送信しても良い。そして、情報センタは、路側機から受信したID情報と、課金先特定情報と、ゲート情報とを、路側情報として記憶し、路側情報と、携帯装置から受信したID情報及び課金先特定情報とに基づき、該ID情報により特定される車載装置が搭載されている車両が次に通過するゲートにて行われる課金処理に関して、該車載装置と、該携帯装置との組み合わせが正常であるか否かを判定し、該判定結果を該携帯装置に送信しても良い。
【0035】
ここで、情報センタは、携帯装置からID情報と課金先特定情報とを受信すると、自身が記憶している路側情報のうち、受信した課金先特定情報と同一の課金先特定情報を含む路側情報を特定しても良い。そして、特定した路側情報のうち、最新の路側情報に含まれているゲート情報に基づき、この携帯装置を用いて最後に行われた課金処理が入口ゲート処理であるか否かを判定し、最後の課金処理が入口ゲート処理である場合には、受信したID情報と、上記最新の路側情報に含まれているID情報とを比較しても良い。そして、これらのID情報が一致する場合には、車載装置と携帯装置との組み合わせが正常であると判定し、これらのID情報が一致しない場合には、車載装置と携帯装置との組み合わせが異常であると判定しても良い。また、最後の課金処理が入口ゲート処理でない場合には、常に、車載装置と携帯装置との組み合わせが正常であると判定しても良い。
【0036】
また、このETCシステムは、請求項18に記載されているように、携帯装置が課金処理に関しての判定結果をユーザに報知しても良いし、請求項19に記載されているように、車載装置が課金処理に関しての判定結果をユーザに報知しても良い。
【0037】
このような構成を有する場合であっても、請求項1に記載のETCシステムと同様の効果を得ることができる。
【0038】
また、請求項17に記載のETCシステムにおける車載装置を、単体で構成して流通させても良い。具体的には、この車載装置は、請求項20に記載されているように、路側機と無線通信を行う車載装置側無線通信手段と、携帯装置と通信を行う車載装置側通信手段と、ID情報を記憶しているID情報記憶手段と、ID情報記憶手段に記憶されているID情報を、車載装置側通信手段を介して携帯装置に通知する車載装置側情報通知手段とを備えていても良い。さらに、この車載装置は、課金処理において、車載装置側通信手段を介して携帯装置から課金先特定情報を取得すると共に、該課金先特定情報と、ID情報記憶手段に記憶されているID情報とを、車載装置側無線通信手段を介して路側機に送信する課金関連情報送信手段とを備えていても良い。
【0039】
また、請求項17に記載のETCシステムにおける路側機を、単体で構成して流通させても良い。具体的には、この路側機は、請求項21に記載されているように、車載装置と無線通信を行う路側機側無線通信手段と、情報センタと通信を行う路側機側通信手段と、ゲート情報を生成する路側機側生成手段と、路側機側無線通信手段を介して車載装置からID情報と課金先特定情報とを受信し、課金処理において、該ID情報と該課金先特定情報とを、路側機側生成手段により生成された該課金処理についてのゲート情報と共に、路側機側通信手段を介して情報センタに送信する路側機側情報送信手段とを備えていても良い。
【0040】
また、請求項17に記載のETCシステムにおける携帯装置を、単体で構成して流通させても良い。具体的には、この携帯装置は、請求項22に記載されているように、車載装置と通信を行う携帯装置側通信手段と、情報センタと無線通信を行う携帯装置側無線通信手段と、課金先特定情報を記憶している課金先特定情報記憶手段と、携帯装置側通信手段を介して車載装置との通信が開始されると、該車載装置からID情報を取得し、該ID情報と、課金先特定情報記憶手段に記憶されている課金先特定情報とを、携帯装置側無線通信手段を介して情報センタに送信する携帯装置側情報送信手段とを備えていても良い。
【0041】
また、請求項17に記載のETCシステムにおける情報センタを、単体で構成して流通させても良い。具体的には、この情報センタは、請求項23に記載されているように、路側機と通信を行う第一の情報センタ側通信手段と、携帯装置と無線通信を行う第二の情報センタ側通信手段と、路側機から、情報センタ側通信手段を介して受信したID情報と、課金先特定情報と、ゲート情報とを、路側情報として記憶する路側情報記憶制御手段とを備えていても良い。そして、さらに、この情報センタは、情報センタ側無線通信手段が携帯装置から受信したID情報及び課金先特定情報と、路側情報記憶制御手段により記憶された路側情報とに基づき、該ID情報により特定される車載装置が搭載されている車両が次に通過するゲートにて行われる課金処理に関して、該車載装置と、該携帯装置との組み合わせが正常であるか否かを判定する情報センタ側課金判定手段を備えていても良い。
【0042】
請求項17に記載のETCシステムにおける車載装置や携帯装置や路側機や情報センタを単体で構成しても、対応する車載装置、携帯装置、路側機、または情報センタと組み合わせることにより、上述した効果を奏する。
【0043】
また、請求項24に記載されているように、車載装置を識別するためのID情報とは、該車載装置が搭載されている車両の車両IDであっても良い。
【0044】
ID情報として車両IDを用いた場合であっても、上述した効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】第一のETCシステム、及び第一の車載装置のブロック図である。
【図2】携帯電話のブロック図、及び、課金処理履歴情報リストを示す表である。
【図3】第一のETCシステムにて行なわれる処理を示すシーケンス図である。
【図4】第一の判定処理のフローチャートである。
【図5】第二のETCシステム、及び第二の車載装置のブロック図である。
【図6】ICカードのブロック図である。
【図7】第二のETCシステムにて行なわれる処理を示すシーケンス図である。
【図8】第二の判定処理のフローチャートである。
【図9】第三のETCシステム、及び情報センタサーバのブロック図である。
【図10】第三のETCシステムにて行なわれる処理を示すシーケンス図である。
【図11】第三の判定処理のフローチャートである。
【図12】第四のETCシステム、及び路側機のブロック図である。
【図13】路側情報リストを示す表である。
【図14】第四のETCシステムにて行なわれる処理を示すシーケンス図である。
【図15】第四の判定処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0046】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。尚、本発明の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
【0047】
[第一実施形態]
[構成の説明]
図1の(a)、第一実施形態における第一のETCシステム100の構成を示すブロック図である。第一のETCシステム100は、第一の車載装置10と携帯電話20とから構成されている。
【0048】
第一の車載装置10は、自車両が有料道路の料金所ゲートを通過する際に、料金所ゲートに設けられている路側機30とDSRC(Dedicated Short Range Communication:狭域通信)による無線通信を行い、携帯電話20から読み出したカードID等を用いて走行料金の課金処理を実行する装置である。尚、課金処理には、走行距離に応じた走行料金が課金される有料道路の入口ゲートにて行なわれる入口ゲート処理と、該有料道路の出口ゲートにて行なわれる出口ゲート処理と、均一な走行料金が課金される有料道路のゲートにて行なわれる均一処理との三種類が存在する。
【0049】
また、携帯電話20は、非接触ICカード機能を有する周知の携帯電話である。携帯電話20には、有料道路走行時の課金処理に用いられるカード情報等が記憶されている。このカード情報には、カード情報を特定するカードID、名義人情報、銀行口座情報、及びカード会社情報等の情報が含まれている。
【0050】
次に、第一の車載装置10の構成について説明する。図1の(b)には、第一の車載装置10の構成を示すブロック図が記載されている。第一の車載装置10は、無線アンテナ11と、DSRC部12と、SAM13と、非接触通信I/F14と、制御部15と、HMI16と、記憶部17とを備える。
【0051】
無線アンテナ11は、DSRC用のアンテナである。
【0052】
DSRC部12は、無線アンテナ11を介して、路側機30とDSRCによる情報の送受信を行う部位である。
【0053】
SAM13は、路側機30との通信情報の暗号化・復号化を行う部位である。
【0054】
非接触通信I/F14は、携帯電話20と非接触の近距離無線通信を行う部位であり、携帯電話20に記憶されている情報の読み出しや、携帯電話20に対する情報の送信を行う。尚、接触型のインターフェースであっても良い。
【0055】
制御部15は、CPU、ROM、RAM、I/O等から構成され、第一の車載装置10の各部位を統括的に制御する部位である。制御部15は、ROMに記憶されているプログラムに基づき、種々の処理を行う。また、制御部15は、DSRC部12を介して路側機30と無線通信を行い、携帯電話20から非接触通信I/F14を介して読み出したカード情報を用いて走行料金の課金処理を実行する。
【0056】
HMI16は、人間と装置とのコミュニケーションのためのインターフェース(Human Machine Interface)を提供する部位である。具体的には、操作ボタンやLEDやスピーカ等から構成される。
【0057】
記憶部17は、記憶保持動作が不要なデバイス(例えば、フラッシュメモリ)から構成され、各種の情報を記憶することができる。記憶部17には、自装置を識別するための情報である車載装置IDが記憶されている。
【0058】
次に、携帯電話20の構成について説明する。携帯電話20は、無線アンテナ21と、公衆通信部22と、HMI23と、非接触通信I/F24と、制御部25と、記憶部26とを備える。
【0059】
無線アンテナ21は、公衆回線網に無線接続するためのアンテナである。
【0060】
公衆通信部22は、無線アンテナ21を介して無線通信(例えば、CDMA等の通信)を行い、公衆回線網への接続を行なう部位である。
【0061】
HMI23は、人間と装置とのコミュニケーションのためのインターフェース(Human Machine Interface)を提供する部位である。具体的には、操作ボタンやLCDやスピーカ等から構成される。
【0062】
非接触通信I/F24は、第一の車載装置10と非接触の近距離無線通信を行うためのインターフェースである。尚、接触型のインターフェースであっても良い。
【0063】
制御部25は、CPU、ROM、RAM、I/O等から構成され、携帯電話20の各部位を統括的に制御する部位である。制御部25は、ROMに記憶されているプログラムに基づき、種々の処理を行う。
【0064】
記憶部26は、記憶保持動作が不要なデバイス(例えば、フラッシュメモリ)から構成され、各種の情報を記憶することができる。記憶部26には、有料道路走行時の課金処理に用いられるカード情報が記憶されている。このカード情報には、カード情報を特定するカードID、名義人情報、銀行口座情報、及びカード会社情報等の情報が含まれている。
【0065】
[動作の説明]
次に、第一のETCシステム100の動作について説明する。
【0066】
(1)課金処理履歴情報リストについて
携帯電話20の記憶部26には、自装置を用いて行なわれた有料道路走行時の課金処理の記録である課金処理履歴情報リストが記憶されている。まず、この課金処理履歴情報リストについて、図2の(b)に記載の表を用いて説明する。課金処理履歴情報リストは、「年月日時」,「ゲート情報」,「車載装置ID」という項目を有している。また、この課金処理履歴情報リストを構成する各レコードは、自装置を用いて行なわれた課金処理に対応している。また、このレコードを課金処理履歴情報とも記載する。
【0067】
「年月日時」とは、各課金処理履歴情報に対応する課金処理が実行された年月日時を示す項目である。
【0068】
「ゲート情報」とは、各課金処理履歴情報に対応する課金処理の種類を示す項目である。尚、課金処理には、走行距離に応じた走行料金が課金される有料道路の入口ゲートにて行なわれる“入口ゲート処理”と、該有料道路の出口ゲートにて行なわれる“出口ゲート処理”と、均一な走行料金が課金される有料道路のゲートにて行なわれる“均一処理”との三種類が存在する。
【0069】
「車載装置ID」とは、各課金処理履歴情報に対応する課金処理を行った第一の車載装置10の車載装置IDを示す項目である。
【0070】
(2)第一の車載装置10と携帯電話20との組み合わせ判定について
第一のETCシステム100では、入口ゲート処理における第一の車載装置10と携帯電話20の組み合わせとは異なる組み合わせで出口ゲート処理が行われてしまうことを防ぐため、課金処理に先立ち、第一の車載装置10と携帯電話20との組み合わせについての判定が行われる。ここでは、課金処理に先立ち行われる、第一の車載装置10と携帯電話20との組み合わせについての判定について、図3に記載のシーケンス図を用いて説明する。
【0071】
自車両が一般道路を走行中に、携帯電話20が、第一の車載装置10との近距離無線通信が可能な所定の位置に配置され、これらの装置間で近距離無線通信が開始されると、携帯電話20の制御部25は、近距離無線通信により、第一の車載装置10に対してETC利用要求を送信する(S205)。そして、ETC利用要求を受信した第一の車載装置10では、制御部15は、記憶部17に記憶されている車載装置IDを携帯電話20に送信する(S210)。
【0072】
車載装置IDを受信した携帯電話20では、制御部25は、第一の判定処理を実行する(S215)。この第一の判定処理により、自装置と、通信相手である第一の車載装置10との組み合わせが異常であると判定された場合には、ユーザに対する警告が行われる。
【0073】
そして、自車両が有料道路の入口ゲートに到達すると、第一のETCシステム100と路側機30との間で、課金処理(入口ゲート処理)が開始される(S220)。この入口ゲート処理において、第一の車載装置10は、DSRCにより路側機30と無線通信を行い、SAM13により路側機30からの受信データのデコードを行なう。また、近距離無線通信を介して携帯電話20からカードID等を読み出し、このカードID等を用いて、周知の方法により、走行料金の課金のための処理を行なう。また、第一の車載装置10は、今回行なわれた課金処理の種類を示すゲート情報を生成し、携帯電話20に送信する(S225)。
【0074】
課金処理(入口ゲート処理)が終了すると(S230)、有料道路の走行が開始される。また、携帯電話20の制御部25は、記憶部26に記憶されている課金処理履歴情報リストに対し、終了した課金処理に対応する課金処理履歴情報を追加する(S235)。具体的には、カレンダー機能により特定した現在の年月日時を「年月日時」とし、課金処理にて受信したゲート情報を「ゲート情報」とし、課金処理に先立って受信した車載装置IDを「車載装置ID」とする課金処理履歴情報を、課金処理履歴情報リストに新たに追加する。
【0075】
有料道路の走行中に、ユーザにより、携帯電話20が上記所定の位置から移動させられると、携帯電話20と第一の車載装置10との間の近距離無線通信が途絶える。その後、携帯電話20が第一の車載装置10との近距離無線通信が可能な所定の位置に配置され、これらの装置間で近距離無線通信が開始されると、携帯電話20の制御部25は、第一の車載装置10に対してETC利用要求を送信する(S240)。そして、ETC利用要求を受信した第一の車載装置10の制御部15は、記憶部17に記憶されている車載装置IDを、携帯電話20に送信する(S245)。
【0076】
車載装置IDを受信した携帯電話20の制御部25は、第一の判定処理を実行する(S250)。このとき、入口ゲート処理における携帯電話20とは異なる携帯電話20が配置されている場合には、第一の判定処理において異常判定がなされ、ユーザに対する警告が行われる。
【0077】
そして、自車両が有料道路の出口ゲートに到達すると、第一のETCシステム100と、路側機30との間で、課金処理(出口ゲート処理)が開始される(S255)。尚、この出口ゲート処理において、入口ゲート処理にて用いられた携帯電話20とは異なる携帯電話20が用いられている場合には、出口ゲートが閉鎖され、自車両は出口ゲートを通過することができない。
【0078】
(3)第一の判定処理について
次に、第一の車載装置10との近距離無線通信を開始した携帯電話20が、この第一の車載装置10から車載装置IDを受信した際に開始する処理である第一の判定処理について、図4に記載のフローチャートを用いて説明する。
【0079】
S305では、携帯電話20の制御部25は、記憶部26に記憶されている課金処理履歴情報リストにおける最新の課金処理履歴情報に基づき、自装置を用いて最後に行なわれた課金処理が入口ゲート処理であるか否かを判定する。そして、最後に行なわれた課金処理が入口ゲート処理である場合には(S305:Yes)、制御部25は、S310に処理を移行し、そうでない場合には(S305:No)、本処理を終了する。
【0080】
S310では、制御部25は、最後に行われた入口ゲート処理において用いられた第一の車載装置10の車載装置IDを、最新の課金処理履歴情報に基づき特定し、この車載装置IDが、本処理に先立って第一の車載装置10から受信した車載装置IDと一致するか否かを判定する。これらの車載装置IDが一致する場合には(S310:Yes)、自装置と第一の車載装置10との組み合わせが正常であると判定し、本処理を終了する。また、これらの車載装置IDが一致しない場合には(S310:No)、制御部25は、自装置と第一の車載装置10との組み合わせが異常であると判定し、HMI23を介してユーザに異常を報知し(S315)、本処理を終了する。尚、制御部25は、この判定結果を近距離無線通信により第一の車載装置10に送信しても良い。そして、第一の車載装置10の制御部15は、HMI16により、受信した判定結果をユーザに報知しても良い。
【0081】
[効果]
第一実施形態における第一のETCシステム100では、携帯電話20は、最新の課金処理履歴情報に基づき、自装置を用いて最後に行なわれた課金処理が入口ゲート処理であるか判定する(S305)。そして、最後の課金処理が入口ゲート処理である場合には、最新の課金処理履歴情報に含まれている車載装置IDと、第一の車載装置10から受信した車載装置IDが一致するか否かを判定する(S310)。そして、これらの車載装置IDが一致しない場合には、第一の車載装置10と携帯電話20との組み合わせが異常であると判定し、ユーザに異常を報知する(S315)。したがって、第一のETCシステム100は、有料道路の入口ゲートにおける課金処理と出口ゲートにおける課金処理とで、異なる携帯電話20が使用されてしまうことを防ぐことが可能である。
【0082】
[第二実施形態]
[構成の説明]
図5の(a)、第二実施形態における第二のETCシステム110の構成を示すブロック図である。第二のETCシステム110は、第二の車載装置40とICカード50とから構成されている。
【0083】
第二の車載装置40は、自車両が有料道路の料金所ゲートを通過する際に、料金所ゲートに設けられている路側機30とDSRC(Dedicated Short Range Communication:狭域通信)による無線通信を行い、ICカード50から読み出したカードID等を用いて走行料金の課金処理を実行する装置である。尚、課金処理には、第一実施形態と同様に、入口ゲート処理と、出口ゲート処理と、均一処理との三種類が存在する。
【0084】
また、ICカード50とは、第二の車載装置40による有料道路走行時の課金処理に用いられるカード情報等が記憶されている周知のICカードである。カード情報には、カード情報を特定するカードID、名義人情報、銀行口座情報、及びカード会社情報等の情報が含まれている。
【0085】
次に、第二の車載装置40の構成について説明する。図5の(b)には、第二の車載装置40の構成を示すブロック図が記載されている。第二の車載装置40は、無線アンテナ41と、DSRC部42と、SAM43と、ICカードI/F44と、制御部45と、HMI46と、記憶部47とを備える。尚、無線アンテナ41,DSRC部42,SAM43,制御部45,HMI46,記憶部47に関しては、第一実施形態における第一の車載装置10における無線アンテナ11,DSRC部12,SAM13,制御部15,HMI16,記憶部17と同様の構成であるため、説明を省略する。
【0086】
ICカードI/F44は、ICカード50と通信を行う部位であり、ICカード50に記憶されている情報の読み出しや、ICカード50に対する情報の送信を行う。尚、第二実施形態では、接触型のインターフェースとして構成されているものとするが、非接触型のインターフェースとして構成されていても良い。
【0087】
次に、ICカード50の構成について説明する。ICカード50は、ICカードI/F51と、記憶部52と、制御部53とを備える。
【0088】
ICカードI/F51は、第二の車載装置40と通信を行う部位である。尚、第二実施形態では、接触型のインターフェースとして構成されているものとするが、非接触型のインターフェースとして構成されていても良い。
【0089】
記憶部52は、記憶保持動作が不要なデバイス(例えば、フラッシュメモリ)から構成され、各種の情報を記憶することができる。記憶部52には、有料道路走行時の課金処理に用いられるカード情報が記憶されている。このカード情報には、カード情報を特定するカードID、名義人情報、銀行口座情報、及びカード会社情報等の情報が含まれている。
【0090】
制御部53は、CPU、ROM、RAM、I/O等から構成され、ICカード50の各部位を統括的に制御する部位である。制御部53は、ROMに記憶されているプログラムに基づき、種々の処理を行う。
【0091】
[動作の説明]
次に、第二のETCシステム110の動作について説明する。
【0092】
(1)第二の車載装置40とICカード50との組み合わせ判定について
第二のETCシステム110では、第一実施形態と同様に、入口ゲート処理における第二の車載装置40とICカード50の組み合わせとは異なる組み合わせで出口ゲート処理が行われてしまうことを防ぐため、課金処理に先立ち、第二の車載装置40とICカード50との組み合わせについての判定が行われる。ここでは、課金処理に先立ち行われる、第二の車載装置40とICカード50との組み合わせについての判定について、図7に記載のシーケンス図を用いて説明する。
【0093】
自車両が一般道路を走行中に、ICカード50が、第二の車載装置40に接続され、これらの装置間で通信が開始されると、ICカード50の制御部53は、ICカードI/F51を介して、第二の車載装置40に対してETC利用要求を送信し(S405)、さらに、記憶部52に記憶されている課金処理情報を第二の車載装置40に対して送信する(S410)。尚、課金処理情報とは、先にこのICカード50を用いて行なわれた課金処理に用いられた車載装置の車載装置IDと、この課金処理の種類とを示す情報である。
【0094】
課金処理情報を受信した第二の車載装置40では、制御部45は、第二の判定処理を実行する(S415)。この第二の判定処理により自装置とICカード50との組み合わせが異常であると判定された場合には、ユーザに対する警告が行われる。
【0095】
そして、自車両が有料道路の入口ゲートに到達すると、第二のETCシステム110と路側機30との間で、課金処理(入口ゲート処理)が開始される(S420)。この入口ゲート処理において、第二の車載装置40は、DSRCにより路側機30と無線通信を行い、SAM43により路側機30からの受信データのデコードを行なう。また、ICカード50からカードID等を読み出し、このカードID等を用いて、周知の方法により、走行料金の課金のための処理を行なう。また、第二の車載装置40は、今回行なわれた課金処理の種類を示すゲート情報を生成し、記憶部47に記憶されている車載装置IDと、生成したゲート情報をICカード50に送信する(S425)。
【0096】
課金処理(入口ゲート処理)が終了すると(S430)、有料道路の走行が開始される。また、ICカード50の制御部53は、課金処理にて第二の車載装置40から受信した車載装置IDとゲート情報とを、課金処理情報として記憶部52に記憶する(S435)。
【0097】
有料道路の走行中に、ユーザにより、ICカード50が第二の車載装置40から外されると、ICカード50と第二の車載装置40との間の通信が途絶える。その後、ICカード50が第二の車載装置40に接続され、これらの装置間で通信が開始されると、ICカード50の制御部53は、第二の車載装置40に対してETC利用要求を送信すると共に(S440)、先に記憶した課金処理情報を第二の車載装置40に対して送信する(S445)。
【0098】
課金処理情報を受信した第二の車載装置40では、制御部45は、第二の判定処理を実行する(S450)。このとき、入口ゲート処理におけるICカード50とは異なるICカード50が接続されている場合には、第二の判定処理において異常判定がなされ、ユーザに対する警告が行われる。
【0099】
そして、自車両が有料道路の出口ゲートに到達すると、第二のETCシステム110と、路側機30との間で、課金処理(出口ゲート処理)が開始される(S455)。尚、この出口ゲート処理において、入口ゲート処理にて用いられたICカード50とは異なるICカード50が用いられている場合には、出口ゲートが閉鎖され、自車両は出口ゲートを通過することができない。
【0100】
(2)第二の判定処理について
次に、ICカード50との通信を開始した第二の車載装置40が、このICカード50から課金処理情報を受信した際に開始する処理である第二の判定処理について、図8に記載のフローチャートを用いて説明する。
【0101】
S505では、第二の車載装置40の制御部45は、ICカード50から受信した課金処理情報におけるゲート情報に基づき、このICカード50を用いて最後に行なわれた課金処理が入口ゲート処理であるか否かを判定する。そして、最後に行なわれた課金処理が入口ゲート処理である場合には(S505:Yes)、制御部45は、S510に処理を移行し、そうでない場合には(S505:No)、本処理を終了する。
【0102】
S510では、制御部45は、課金処理情報における車載装置IDを、課金処理情報の送信元であるICカード50を用いて最後に行われた入口ゲート処理において用いられた第二の車載装置40の車載装置IDとし、この車載装置IDが、記憶部47に記憶されている車載装置IDと一致するか否かを判定する(S515)。これらの車載装置IDが一致する場合には(S515:Yes)、自装置とICカード50との組み合わせが正常であると判定し、本処理を終了する。また、これらの車載装置IDが一致しない場合には(S515:No)、制御部45は、自装置とICカード50との組み合わせが異常であると判定し、HMI46を介してユーザに異常を報知し(S520)、本処理を終了する。
【0103】
[効果]
第二実施形態における第二のETCシステム110では、第二の車載装置40は、ICカード50から受信した課金処理情報に基づき、自装置を用いて最後に行なわれた課金処理が入口ゲート処理であるか判定する(S505)。そして、最後の課金処理が入口ゲート処理である場合には、課金処理情報に含まれている車載装置IDと、自装置の車載装置IDが一致するか否かを判定する(S515)。そして、これらの車載装置IDが一致しない場合には、第二の車載装置40とICカード50との組み合わせが異常であると判定し、ユーザに異常を報知する(S520)。したがって、第二のETCシステム110は、有料道路の入口ゲートにおける課金処理と出口ゲートにおける課金処理とで、異なるICカード50が使用されてしまうことを防ぐことが可能である。
【0104】
[第三実施形態]
[構成の説明]
図9の(a)、第三実施形態における第三のETCシステム120の構成を示すブロック図である。第三のETCシステム120は、第一の車載装置10と、携帯電話20と、情報センタサーバ60とから構成されている。携帯電話20は、公衆回線網70を介して情報センタサーバ60と通信を行うことができる。尚、第一の車載装置10と携帯電話20とについては、第一実施形態と同様の構成であるため、説明を省略する。
【0105】
情報センタサーバ60は、クレジットカード会社に設置されており、公衆回線網70を介して、携帯電話20や、有料道路の料金所ゲートに設置されている路側機30と通信を行うことができる。尚、情報センタサーバ60は、1または2以上の携帯電話20や路側機30に接続されている。
【0106】
次に、情報センタサーバ60の構成について、図9の(b)に記載のブロック図を用いて説明する。情報センタサーバ60は、公衆通信部61と、HMI62と、制御部63と、SAM64と、記憶部65とから構成されている。
【0107】
公衆通信部61は、公衆回線網70に接続し、携帯電話20や路側機30と通信を行う部位である。
【0108】
HMI62は、人間と装置とのコミュニケーションのためのインターフェース(Human Machine Interface)を提供する部位である。具体的には、操作ボタンやLCDやスピーカ等から構成される。
【0109】
制御部63は、CPU、ROM、RAM、I/O等から構成され、情報センタサーバ60の各部位を統括的に制御する部位である。制御部63は、ROMに記憶されているプログラムや、RAMにロードされたプログラムに基づき、種々の処理を行う。
【0110】
SAM64は、路側機30との通信情報の暗号化・復号化を行う部位である。
【0111】
記憶部65は、記憶保持動作が不要なデバイス(例えば、HDD)から構成され、各種の情報を記憶することができる。
【0112】
[動作の説明]
(1)第一の車載装置10と携帯電話20との組み合わせ判定について
第三のETCシステム120では、第一実施形態や第二実施形態と同様に、入口ゲート処理における第一の車載装置10と携帯電話20の組み合わせとは異なる組み合わせで出口ゲート処理が行われてしまうことを防ぐため、課金処理に先立ち、第一の車載装置10と携帯電話20との組み合わせについての判定が行われる。ここでは、課金処理に先立ち行われる、第一の車載装置10と携帯電話20との組み合わせについての判定について、図10に記載のシーケンス図を用いて説明する。
【0113】
自車両が一般道路を走行中に、携帯電話20が、第一の車載装置10との近距離無線通信が可能な所定の位置に配置され、これらの装置間で近距離無線通信が開始されると、携帯電話20の制御部25は、近距離無線通信により、第一の車載装置10に対してETC利用要求を送信する(S605)。そして、ETC利用要求を受信した第一の車載装置10では、制御部15は、記憶部17に記憶されている車載装置IDを携帯電話20に送信する(S610)。
【0114】
車載装置IDを受信した携帯電話20では、制御部25は、公衆通信部22を介して公衆回線網70にアクセスし、この車載装置IDと、記憶部26に記憶されている課金処理情報とを、情報センタサーバ60に送信する(S615)。
【0115】
車載装置IDと課金処理情報とを受信した情報センタサーバ60では、制御部63は、第一の車載装置10と携帯電話20との組み合わせについて判定する処理である第三の判定処理を実行する(S620)。そして、公衆通信部61を介して、判定結果を車載装置ID等の送信元の携帯電話20に送信する(S625)。
【0116】
情報センタサーバ60から判定結果を受信した携帯電話20の制御部25は、HMI23を介して、受信した判定結果をユーザに報知する(S630)。尚、制御部25は、受信した判定結果を、第一の車載装置10に送信しても良い。そして、判定結果を受信した第一の車載装置10の制御部15は、HMI16を介して、受信した判定結果をユーザに報知しても良い。
【0117】
そして、自車両が有料道路の入口ゲートに到達すると、第三のETCシステム120と路側機30との間で、課金処理(入口ゲート処理)が開始される(S635)。この入口ゲート処理において、第一の車載装置10は、DSRCにより路側機30と無線通信を行ない、SAM13により路側機30からの受信データのデコードを行なう。また、近距離無線通信を介して携帯電話20からカードID等を読み出し、このカードID等を用いて、周知の方法により、走行料金の課金のための処理を行なう。また、第一の車載装置10は、今回行なわれた課金処理の種類を特定可能なゲート情報を生成し、携帯電話20に送信する(S640)。
【0118】
課金処理(入口ゲート処理)が終了すると(S645)、有料道路の走行が開始される。また、携帯電話20の制御部25は、課金処理に先立って第一の車載装置10から受信した車載装置IDと、課金処理にて第一の車載装置10から受信したゲート情報とを、課金処理情報として記憶部26に記憶する(S650)。
【0119】
有料道路の走行中に、ユーザにより、携帯電話20が上記所定の位置から移動させられると、携帯電話20と第一の車載装置10との間の近距離無線通信が途絶える。その後、携帯電話20が第一の車載装置10との近距離無線通信が可能な所定の位置に配置され、これらの装置間で近距離無線通信が開始されると、携帯電話20の制御部25は、第一の車載装置10に対してETC利用要求を送信する(S655)。そして、ETC利用要求を受信した第一の車載装置10の制御部15は、記憶部17に記憶されている車載装置IDを、携帯電話20に送信する(S660)。
【0120】
車載装置IDを受信した携帯電話20では、制御部25は、この車載装置IDと、先に記憶した課金処理情報とを、情報センタサーバ60に送信する(S665)。車載装置IDと課金処理情報とを受信した情報センタサーバ60では、制御部63は、第三の判定処理を実行し(S670)、判定結果を車載装置ID等の送信元の携帯電話20に送信する(S675)。そして、情報センタサーバ60から判定結果を受信した携帯電話20の制御部25は、HMI23を介して、受信した判定結果をユーザに報知する(S680)。尚、制御部25は、受信した判定結果を、第一の車載装置10に送信しても良い。そして、判定結果を受信した第一の車載装置10の制御部15は、HMI16を介して、受信した判定結果をユーザに報知しても良い。
【0121】
そして、自車両が有料道路の出口ゲートに到達すると、第三のETCシステム120と路側機30との間で、課金処理(出口ゲート処理)が開始される(S685)。尚、この出口ゲート処理において、入口ゲート処理にて用いられた携帯電話20とは異なる携帯電話20が用いられている場合には、出口ゲートが閉鎖され、自車両は出口ゲートを通過することができない。
【0122】
(2)第三の判定処理について
次に、情報センタサーバ60が、携帯電話20から車載装置IDと課金処理情報とを受信した際に開始する処理である第三の判定処理について、図11に記載のフローチャートを用いて説明する。この第三の判定処理は、第一の車載装置10と携帯電話20の組み合わせが正常であるか否かを判定する処理である。
【0123】
S705では、情報センタサーバ60の制御部63は、携帯電話20から受信した課金処理情報を構成するゲート情報が示す課金処理の種類を、この携帯電話20を用いて最後に行われた課金処理の種類として特定し、最後に行なわれた課金処理の種類が入口ゲート処理かどうか判定する。そして、最後に行なわれた課金処理が入口ゲート処理である場合には(S705:Yes)、制御部63は、S710に処理を移行し、そうでない場合には(S705:No)、第一の車載装置10と携帯電話20の組み合わせは正常と判定し、本処理を終了する。
【0124】
S710では、制御部63は、課金処理情報を構成する車載装置IDを特定する。そして、課金処理情報を構成する車載装置IDと、課金処理情報と共に受信した車載装置IDとが一致するか判定する(S715)。これらの車載装置IDが一致する場合は、第一の車載装置10と携帯電話20の組み合わせが正常であると判定し、一致しない場合は、第一の車載装置10と携帯電話20の組み合わせが異常であると判定する。そして、本処理を終了する。
【0125】
[効果]
第三実施形態における第三のETCシステム120では、携帯電話20と第一の車載装置10とが通信を開始すると、この携帯電話20は、通信相手である第一の車載装置10の車載装置IDと、課金処理情報とを、情報センタサーバ60に送信する(S615,S665)。そして、この課金処理情報に基づき、この携帯電話20を用いて最後に行なわれた課金処理が入口ゲート処理であるか判定する(S705)。そして、最後の課金処理が入口ゲート処理である場合には、さらに、課金処理情報を構成する車載装置IDと、受信した車載装置IDとに基づき、第一の車載装置10と携帯電話20との組み合わせが正常であるか判定する(S715)。このとき、情報センタサーバ60は、これらの車載装置IDが一致しない場合には、第一の車載装置10と携帯電話20との組み合わせが異常であると判定する。そして、情報センタサーバ60は、判定結果を携帯電話20に送信し(S625,S675)、判定結果を受信した携帯電話20は、この判定結果をユーザに報知する(S630,S680)。したがって、第三のETCシステム120は、有料道路の入口ゲートにおける課金処理と出口ゲートにおける課金処理とで、異なる携帯電話20が使用されてしまうことを防ぐことが可能である。
【0126】
[第四実施形態]
[構成の説明]
図12の(a)には、第四実施形態における第四のETCシステム130の構成を示すブロック図が記載されている。第四のETCシステム130は、第一の車載装置10と、携帯電話20と、路側機30と、情報センタサーバ60とから構成されている。携帯電話20や路側機30は、公衆回線網70を介して情報センタサーバ60と通信を行うことができる。尚、第一の車載装置10と携帯電話20とについては、第一実施形態と同様の構成であるため、説明を省略する。また、情報センタサーバ60についても、第三実施形態と同様の構成であるため、説明を省略する。
【0127】
路側機30は、有料道路の料金所ゲートに設けられている。路側機30は、車両が料金所ゲートを通過する際、この車両に搭載されている第一の車載装置10や第二の車載装置40とDSRCによる無線通信を行い、走行料金の課金処理を実行する装置である。尚、既に説明したが、課金処理には、走行距離に応じた走行料金が課金される有料道路の入口ゲートにて行なわれる入口ゲート処理と、該有料道路の出口ゲートにて行なわれる出口ゲート処理と、均一な走行料金が課金される有料道路のゲートにて行なわれる均一処理との三種類が存在する。
【0128】
路側機30について、図12の(b)に記載のブロック図を用いて説明する。路側機30は、無線アンテナ31と、DSRC部32と、制御部33と、SAM34と、公衆通信部35とを備える。
【0129】
無線アンテナ31は、DSRC用のアンテナである。
【0130】
DSRC部32は、無線アンテナ31を介して、車載装置とDSRCによる情報の送受信を行う部位である。
【0131】
制御部33は、CPU、ROM、RAM、I/O等から構成され、第一の車載装置10の各部位を統括的に制御する部位である。制御部33は、ROMに記憶されているプログラムや、RAMにロードされたプログラムに基づき、種々の処理を行う。
【0132】
SAM34は、第一の車載装置10や情報センタサーバ60との間の通信情報の暗号化・復号化を行う部位である。
【0133】
公衆通信部35は、公衆回線網70に接続し、情報センタサーバ60と通信を行う部位である。
【0134】
[動作の説明]
次に、第四のETCシステム130の動作について説明する。
【0135】
(1)路側情報リストについて
情報センタサーバ60の記憶部65には、公衆回線網70を介して自装置に接続されている路側機30にて行なわれた課金処理の記録である路側情報リストが記憶されている。この路側情報リストについて、図13に記載の表を用いて説明する。路側情報リストは、「年月日時」,「ゲート情報」,「車載装置ID」,「カードID」という項目を有している。また、この路側情報リストを構成する各レコードは、路側機30により行なわれた課金処理に対応している。また、このレコードを路側情報とも記載する。
【0136】
「年月日時」とは、各路側情報に対応する課金処理が実行された年月日時を示す項目である。
【0137】
「ゲート情報」とは、各路側情報に対応する課金処理の種類を示す項目である。尚、課金処理には、走行距離に応じた走行料金が課金される有料道路の入口ゲートにて行なわれる“入口ゲート処理”と、該有料道路の出口ゲートにて行なわれる“出口ゲート処理”と、均一な走行料金が課金される有料道路のゲートにて行なわれる“均一処理”との三種類が存在する。
【0138】
「車載装置ID」とは、各路側情報に対応する課金処理を行った第一の車載装置10の車載装置IDを示す項目である。
【0139】
「カードID」とは、各路側情報に対応する課金処理に用いられたカードIDを示す項目である。
【0140】
(2)第一の車載装置10と携帯電話20との組み合わせ判定について
第四のETCシステム130では、第一〜第三実施形態と同様に、入口ゲート処理における第一の車載装置10と携帯電話20の組み合わせとは異なる組み合わせで出口ゲート処理が行われてしまうことを防ぐため、課金処理に先立ち、第一の車載装置10と携帯電話20との組み合わせについての判定が行われる。ここでは、課金処理に先立ち行われる、第一の車載装置10と携帯電話20との組み合わせについての判定について、図14に記載のシーケンス図を用いて説明する。
【0141】
自車両が一般道路を走行中に、携帯電話20が、第一の車載装置10との近距離無線通信が可能な所定の位置に配置され、これらの装置間で近距離無線通信が開始されると、携帯電話20の制御部25は、近距離無線通信により、第一の車載装置10に対してETC利用要求を送信する(S805)。そして、ETC利用要求を受信した第一の車載装置10では、制御部15は、記憶部17に記憶されている車載装置IDを携帯電話20に送信する(S810)。
【0142】
車載装置IDを受信した携帯電話20では、制御部25は、公衆通信部22を介して公衆回線網70にアクセスし、この車載装置IDと、記憶部26に記憶されているカードIDとを、情報センタサーバ60に送信する(S815)。
【0143】
車載装置IDとカードIDとを受信した情報センタサーバ60では、制御部63は、第一の車載装置10と携帯電話20との組み合わせについて判定する処理である第四の判定処理を実行する(S820)。そして、公衆通信部61を介して、判定結果を車載装置ID等の送信元の携帯電話20に送信する(S825)。
【0144】
情報センタサーバ60から判定結果を受信した携帯電話20の制御部25は、HMI23を介して、受信した判定結果をユーザに報知する(S830)。尚、制御部25は、受信した判定結果を、第一の車載装置10に送信しても良い。そして、判定結果を受信した第一の車載装置10の制御部15は、HMI16を介して、受信した判定結果をユーザに報知しても良い。
【0145】
そして、自車両が有料道路の入口ゲートに到達すると、第一の車載装置10及び携帯電話20と、路側機30との間で、課金処理(入口ゲート処理)が開始される(S835)。この入口ゲート処理において、第一の車載装置10は、DSRCにより路側機30と無線通信を行ない、SAM43により路側機30からの受信データのデコードを行なう。また、近距離無線通信を介して携帯電話20からカードID等を読み出し(S840)、このカードID等を用いて、周知の方法により、走行料金の課金のための処理を行なう。また、第一の車載装置10は、課金処理の際に、携帯電話20から読み出したカードIDと、自装置の車載装置IDとを路側機30に送信する(S845)。
【0146】
課金処理(入口ゲート処理)が終了すると(S850)、路側機30の制御部33は、この課金処理の種類を示すゲート情報を生成し、この課金処理にて受信した車載装置ID及びカードIDと、生成したゲート情報とを、公衆回線網70を介して情報センタサーバ60に送信する(S855)。
【0147】
車載装置ID等を受信した情報センタサーバ60の制御部65は、記憶部65に記憶されている路側情報リストに対し、終了した課金処理に対応する路側情報を追加する(S860)具体的には、カレンダー機能により特定した現在の年月日時を「年月日時」とし、路側機30から受信したゲート情報,車載装置ID,カードIDを、それぞれ、「ゲート情報」,「車載装置ID」,「カードID」とする路側情報を、路側情報リストに新たに追加する。
【0148】
有料道路の走行中に、ユーザにより、携帯電話20が上記所定の位置から移動させられると、携帯電話20と第一の車載装置10との間の近距離無線通信が途絶える。その後、携帯電話20が第一の車載装置10との近距離無線通信が可能な所定の位置に配置され、これらの装置間で近距離無線通信が開始されると、携帯電話20の制御部25は、第一の車載装置10に対してETC利用要求を送信する(S865)。そして、ETC利用要求を受信した第一の車載装置10の制御部15は、記憶部17に記憶されている車載装置IDを、携帯電話20に送信する(S870)。
【0149】
車載装置IDを受信した携帯電話20では、制御部25は、この車載装置IDと、記憶部26に記憶されているカードIDとを、情報センタサーバ60に送信する(S875)。車載装置IDとカードIDとを受信した情報センタサーバ60では、制御部63は、第四の判定処理を実行し(S880)、判定結果を車載装置ID等の送信元の携帯電話20に送信する(S885)。そして、情報センタサーバ60から判定結果を受信した携帯電話20の制御部25は、HMI23を介して、受信した判定結果をユーザに報知する(S890)。尚、制御部25は、受信した判定結果を、第一の車載装置10に送信しても良い。そして、判定結果を受信した第一の車載装置10の制御部15は、HMI16を介して、受信した判定結果をユーザに報知しても良い。
【0150】
そして、自車両が有料道路の出口ゲートに到達すると、第一の車載装置10及び携帯電話20と、路側機30との間で、課金処理(出口ゲート処理)が開始される(S895)。尚、この出口ゲート処理において、入口ゲート処理にて用いられた携帯電話20とは異なる携帯電話20が用いられている場合には、出口ゲートが閉鎖され、自車両は出口ゲートを通過することができない。
【0151】
(3)第四の判定処理について
次に、情報センタサーバ60が、携帯電話20からカードIDと車載装置IDとを受信した際に開始する処理である第四の判定処理について、図15に記載のフローチャートを用いて説明する。この第四の判定処理は、第一の車載装置10と携帯電話20の組み合わせが正常であるか否かを判定する処理である。
【0152】
S905では、情報センタサーバ60の制御部63は、記憶部65に記憶されている路側情報リストのうち、受信したカードIDと同一のカードIDを用いて行なわれた課金処理に対応する路側情報を特定する。そして、特定した路側情報のうち、最後に行なわれた課金処理に対応する路側情報をさらに特定する(S910)。
【0153】
続いてS915では、制御部63は、S910にて特定した路側情報の「ゲート情報」に基づき、最後に行なわれた課金処理の種類が入口ゲート処理であるか否かを判定する。そして、最後に行なわれた課金処理が入口ゲート処理である場合には(S915:Yes)、制御部63は、S920に処理を移行し、そうでない場合には(S915:No)、第一の車載装置10と携帯電話20の組み合わせは正常と判定し、本処理を終了する。
【0154】
S920では、制御部63は、最後の課金処理に用いられた第一の車載装置10の車載装置ID、つまり、S910にて特定した路側情報の「車載装置ID」と、携帯電話20からカードIDと共に受信した車載装置IDとが一致するか判定する。これらの車載装置IDが一致する場合は、制御部63は、第一の車載装置10と携帯電話20の組み合わせが正常であると判定し、一致しない場合は、第一の車載装置10と携帯電話20の組み合わせが異常であると判定する。そして、本処理を終了する。
【0155】
[効果]
第四実施形態における第四のETCシステム130では、情報センタサーバ60は、第一の車載装置10と携帯電話20とにより課金処理が行われると、路側機30から、この第一の車載装置10の車載装置IDや、この課金処理にて用いられたカードID等を受信する(S855)。そして、これらの情報に基づき、路側情報リストを更新する(S860)。また、情報センタサーバ60は、携帯電話20と第一の車載装置10との通信が開始されると、この携帯電話20から、通信相手である第一の車載装置10の車載装置IDと、カードIDとを受信する(S815,S875)。そして、携帯電話20から受信したカードID等に基づき、自身が記憶している路側情報リストの中から、この携帯電話20を用いて最後に行なわれた課金処理に対応する路側情報を特定し(S910)、この路側情報に基づき、最後の課金処理が入口ゲート処理であるか判定する(S915)。最後の課金処理が入口ゲート処理である場合には、さらに、上記路側情報に含まれている車載装置IDと、受信した車載装置IDとに基づき、第一の車載装置10と携帯電話20との組み合わせが正常であるか判定する(S920)。このとき、情報センタサーバ60は、これらの車載装置IDが一致しない場合には、第一の車載装置10と携帯電話20との組み合わせが異常であると判定する。そして、情報センタサーバ60は、判定結果を携帯電話20に送信し(S825,S885)、判定結果を受信した携帯電話20は、この判定結果をユーザに報知する(S830,S890)。したがって、第四のETCシステム130は、有料道路の入口ゲートにおける課金処理と出口ゲートにおける課金処理とで、異なる携帯電話20が使用されてしまうことを防ぐことが可能である。
【0156】
[他の実施形態]
(1)第一〜第四実施形態では、車載装置は、記憶部に記憶されている車載装置IDを、自装置を識別するための情報として用いているが、例えば、図示しない車内LAN等を介して取得した車両IDを、自装置を識別するための情報として用いても良い。このような構成を有する場合であっても、同様の効果を得ることができる。
【0157】
(2)また、第一,第三,第四実施形態では、第一の車載装置10と共に課金処理を行う装置として携帯電話20が用いられているが、この携帯電話20と同様の構成を有するPDA等を、携帯電話20に替えて用いても良い。このような構成を有する場合であっても、同様の効果を得ることができる。
【0158】
(3)また、第一実施形態における第一のETCシステム100には、第一の車載装置10と携帯電話20とが用いられているが、第二の車載装置40とICカード50とを用いて同様の処理を行っても良い。また、第二実施形態における第二のETCシステム110には、第二の車載装置40とICカード50とが用いられているが、第一の車載装置10と携帯電話20とを用いて同様の処理を行っても良い。このような構成を有する場合であっても、同様の効果を得ることができる。
【0159】
[特許請求の範囲との対応]
上記実施形態の説明で用いた用語と、特許請求の範囲の記載に用いた用語との対応を示す。
【0160】
カードIDが課金先特定情報に、車載装置IDがID情報にそれぞれ相当する。
【0161】
また、第一実施形態において、第一の車載装置10,携帯電話20,課金処理履歴情報が、それぞれ、請求項1に記載の車載装置,携帯装置,課金情報に相当する。
【0162】
また、第一の車載装置10における非接触通信I/F14,記憶部17が、請求項4に記載の車載装置側通信手段,ID情報記憶手段にそれぞれ相当する。また、制御部15が、請求項4に記載の車載装置側生成手段及び車載装置側情報通知手段に相当する。
【0163】
また、携帯電話20における非接触通信I/F24,制御部25及び記憶部26,制御部25が、それぞれ、請求項5に記載の携帯装置側通信手段,課金情報記憶制御手段,携帯装置側課金判定手段に相当する。
【0164】
また、第二実施形態において、第二の車載装置40,ICカード50,課金処理情報が、それぞれ、請求項6に記載の車載装置,携帯装置,課金情報に相当する。
【0165】
また、第二の車載装置40におけるICカードI/F44,記憶部47が、それぞれ、請求項9に記載の車載装置側通信手段,ID情報記憶手段に相当する。また、制御部45が、請求項9に記載の車載装置側生成手段,車載装置側情報通知手段,車載装置側課金判定手段にそれぞれ相当する。
【0166】
また、ICカード50におけるICカードI/F51,記憶部52及び制御部53,制御部53が、それぞれ、請求項10に記載の携帯装置側通信手段,課金情報記憶制御手段,課金情報通知手段に相当する。
【0167】
また、第三実施形態において、第一の車載装置10,携帯電話20,情報センタサーバ60,課金処理情報が、それぞれ、請求項11に記載の車載装置,携帯装置,情報センタ,課金情報に相当する。
【0168】
また、第一の車載装置10における非接触通信I/F14,記憶部17が、それぞれ、請求項14に記載の車載装置側通信手段,ID情報記憶手段に相当する。また、制御部15が、請求項14に記載の車載装置側生成手段,車載装置側情報通知手段にそれぞれ相当する。
【0169】
また、携帯電話20における非接触通信I/F24,制御部25及び記憶部26,公衆通信部22,制御部25が、それぞれ、請求項15に記載の携帯装置側通信手段,課金情報記憶制御手段,携帯装置側無線通信手段,携帯装置側情報送信手段に相当する。
【0170】
また、情報センタサーバ60における公衆通信部61が、請求項16における情報センタ側無線通信手段に相当し、制御部63が、請求項16における情報センタ側課金判定手段,判定結果送信手段にそれぞれ相当する。
【0171】
また、第四実施形態において、第一の車載装置10,携帯電話20,情報センタサーバ60が、それぞれ、請求項17に記載の車載装置,携帯装置,情報センタに相当する。
【0172】
また、第一の車載装置10におけるDSRC部12,非接触通信I/F14,記憶部17が、それぞれ、請求項20に記載の車載装置側無線通信手段,車載装置側通信手段,ID情報記憶手段に相当する。また、制御部15が、請求項20に記載の車載装置側情報通知手段,課金関連情報送信手段にそれぞれ相当する。
【0173】
また、路側機30におけるDSRC部32,公衆通信部35が、それぞれ、請求項21に記載の路側機側無線通信手段,路側機側通信手段に相当する。また、制御部33が、請求項21に記載の路側機側生成手段,路側機側情報送信手段にそれぞれ相当する。
【0174】
また、携帯電話20における非接触通信I/F24,公衆通信部22,制御部25が、それぞれ、請求項22に記載の携帯装置側通信手段,携帯装置側無線通信手段,携帯装置側情報送信手段に相当する。また、記憶部26が課金先特定情報記憶手段に相当する。
【0175】
また、情報センタサーバ60の公衆通信部61が、第一の情報センタ側通信手段,第二の情報センタ側通信手段にそれぞれ相当する。また、制御部63及び記憶部65,制御部63が、それぞれ、路側情報記憶制御手段,情報センタ側課金判定手段に相当する。
【符号の説明】
【0176】
10…第一の車載装置、11…無線アンテナ、12…DSRC部、13…SAM、14…非接触通信I/F、15…制御部、16…HMI、17…記憶部、20…携帯電話、21…無線アンテナ、22…公衆通信部、23…HMI、24…非接触通信I/F、25…制御部、26…記憶部、30…路側機、31…無線アンテナ、32…DSRC部、33…制御部、34…SAM、35…公衆通信部、40…第二の車載装置、41…無線アンテナ、42…DSRC部、43…SAM、44…ICカードI/F、45…制御部、46…HMI、47…記憶部、50…ICカード、51…ICカードI/F、52…記憶部、53…制御部、60…情報センタサーバ、61…公衆通信部、62…HMI、63…制御部、64…SAM、65…記憶部、70…公衆回線網、100…第一のETCシステム、110…第二のETCシステム、120…第三のETCシステム、130…第四のETCシステム。
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信により有料道路の走行料金についての課金処理を行うETCシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
有料道路の走行料金の課金を行なうETCシステムが知られている。このETCシステムでは、車載装置に接続されているICカードに記憶されているカードID等を用いて課金が行なわれる。このため、ETCシステムを利用するユーザは、ICカードを所持していなければならないという煩わしさがあった。そこで、携帯電話等が備える非接触ICカード機能をETCシステムに適用することが提案されている。こうすることにより、ETCシステムを利用するためにICカードを所持しなければならないという煩わしさからユーザを開放することができる。
【0003】
ところで、有料道路を走行する際には、走行距離に応じた走行料金が課金される場合があるが、このような場合には、ETCシステムの車載装置は、有料道路の入口ゲートと出口ゲートにて同一のICカードを用いて課金処理を行わなければならない。また、例えば、複数の車両で旅行に出かけた場合には、有料道路のサービスエリア等での休憩の際に車両の乗車メンバの入れ替えが発生する可能性がある。ここで、携帯電話は、ユーザが常に持ち歩く可能性があるため、有料道路の走行開始後に乗車メンバの入れ替えが生じると、入口ゲートでの課金処理に用いられた携帯電話が、他の車両に移ってしまうことが考えられる。そして、このような状態で車両が出口ゲートに到達すると、入口ゲートにおける課金処理に用いられた携帯電話とは異なる携帯電話を用いて、課金処理が開始されてしまう可能性がある。そして、その結果、課金処理に失敗してしまい、出口ゲートにて車両が立ち往生してしまうおそれがある。
【0004】
ここで、特許文献1には、ICカードが挿入されると、ICカードのカードIDに基づき、先に挿入されたICカードと新たに挿入されたICカードとの同一性を判定する車載器が記載されている。携帯電話等の非接触ICカードに対応している車載装置は、特許文献1に記載の車載器のように、カードIDに基づき、入口ゲートにおける課金処理に用いられた非接触ICカードと、出口ゲートにおける課金処理に用いられようとしている非接触ICカードとの同一性を判定しても良い。そして、上記車載装置は、出口ゲートにおける課金処理に、入口ゲートにおける課金処理にて用いられた非接触ICカードとは異なる非接触ICカードが用いられようとしている場合には、ユーザに警告等を行っても良い。こうすることにより、入口ゲートにおける課金処理に用いられた非接触ICカードと異なる非接触ICカードが、出口ゲートにおける課金処理にて用いられ、出口ゲートにて課金処理に失敗してしまうことを防ぐことができる。
【特許文献1】特開平11−195152号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、カードIDは非接触ICカードを識別する情報であるため、車載装置は、非接触ICカードのカードIDのみに基づき、この非接触ICカードを用いて先に行われた課金処理が有料道路の入口ゲートでの課金処理であるかどうかを判定することはできない。したがって、上述した方法をそのまま適用した場合には、有料道路の走行開始前に非接触ICカードの交換がなされ、新たな非接触ICカードを用いて入口ゲートでの課金処理が行われようとしている場合にまで、警告等が行われてしまうおそれがある。
【0006】
本願発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、有料道路の入口ゲートにおける課金処理と出口ゲートにおける課金処理とで、異なるICカードが使用されてしまうことを防ぐことが可能なETCシステム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するためになされた請求項1に記載のETCシステムは、有料道路のゲートに設置されている路側機と無線通信を行い、有料道路の走行料金についての課金処理を行う車載装置と、車載装置と通信可能な装置であって、該車載装置による課金処理に用いられる課金先特定情報を記憶している携帯装置とを有している。そして、車載装置は、携帯装置に対して、自装置を識別するためのID情報を通知すると共に、課金処理を行うと、該携帯装置に対して、該課金処理の種類を識別するための情報であるゲート情報を通知する。また、携帯装置は、車載装置からID情報とゲート情報とを取得し、ゲート情報と、該ゲート情報の通知元である車載装置のID情報とを課金情報として記憶し、車載装置との通信が開始されると、該車載装置からID情報を取得し、該ID情報と、最後に記憶した課金情報とに基づき、該車載装置が搭載されている車両が次に通過するゲートにて行われる課金処理に関して、自装置と、該車載装置との組み合わせが正常であるか否かを判定する。
【0008】
尚、携帯装置とは、例えば、非接触ICカード機能を有する携帯電話等であっても良いし、接触型のI/Fを備えるICカードであっても良い。また、課金先特定情報とは、例えば、カードID等であっても良い。
【0009】
また、ゲート情報により識別される課金処理の種類としては、走行距離に応じた走行料金が課金される有料道路の入口ゲートにて行なわれる入口ゲート処理と、該有料道路の出口ゲートにて行なわれる出口ゲート処理と、均一な走行料金が課金される有料道路のゲートにて行なわれる均一処理とが存在する。
【0010】
また、携帯装置は、例えば、最後に記憶した課金情報におけるゲート情報に基づき、自装置を用いて最後に行われた課金処理が入口ゲート処理であるか否かを判定しても良い。そして、最後の課金処理が入口ゲート処理である場合には、最後に記憶した課金情報におけるID情報と、車載装置との通信開始時にこの車載装置から取得したID情報とを比較しても良い。そして、これらのID情報が一致する場合には、車載装置と携帯装置との組み合わせが正常であると判定し、これらのID情報が一致しない場合には、車載装置と携帯装置との組み合わせが異常であると判定しても良い。また、最後の課金処理が入口ゲート処理でない場合には、常に、車載装置と携帯装置との組み合わせが正常であると判定しても良い。
【0011】
また、このETCシステムは、請求項2に記載されているように、携帯装置が課金処理に関しての判定結果をユーザに報知しても良いし、請求項3に記載されているように、車載装置が課金処理に関しての判定結果をユーザに報知しても良い。
【0012】
このような構成を有することにより、例えば、有料道路の走行中に、入口ゲート処理に用いられた携帯装置が車載装置から取り外され、再度、携帯装置が車載装置にセットされた場合に、この携帯装置が、入口ゲート処理にて用いられた携帯装置であるか判定することができる。そして、入口ゲート処理にて用いられた携帯装置と異なる場合には、ユーザに対して警告等を行うことができる。したがって、請求項1に記載のETCシステムは、有料道路の入口ゲートにおける課金処理と出口ゲートにおける課金処理とで、異なるICカードが使用されてしまうことを防ぐことが可能である。
【0013】
また、請求項1に記載のETCシステムにおける車載装置を、単体で構成して流通させても良い。具体的には、この車載装置は、請求項4に記載されているように、携帯装置と通信を行う車載装置側通信手段と、ID情報を記憶しているID情報記憶手段と、ゲート情報を生成する車載装置側生成手段と、車載装置側ゲート情報生成手段が生成したゲート情報を、車載装置側通信手段を介して携帯装置に通知すると共に、ID情報記憶手段に記憶されているID情報を、車載装置側通信手段を介して携帯装置に通知する車載装置側情報通知手段とを備えていても良い。
【0014】
また、請求項1に記載のETCシステムにおける携帯装置を、単体で構成して流通させても良い。具体的には、この携帯装置は、請求項5に記載されているように、車載装置と通信を行う携帯装置側通信手段と、携帯装置側通信手段を介して車載装置からID情報とゲート情報とを取得し、取得したゲート情報と、該ゲート情報の通知元である車載装置のID情報とを課金情報として記憶する課金情報記憶制御手段とを備えていても良い。さらに、この携帯装置は、携帯装置側通信手段を介して車載装置との通信が開始されると、該車載装置からID情報を取得し、該ID情報と、課金情報記憶制御手段により最後に記憶された課金情報とに基づき、該車載装置が搭載されている車両が次に通過するゲートにて行われる課金処理に関して、自装置と、該車載装置との組み合わせが正常であるか否かを判定する携帯装置側課金判定手段とを備えていても良い。
【0015】
請求項1に記載のETCシステムにおける車載装置や携帯装置を単体で構成しても、対応する車載装置又は携帯装置と組み合わせることにより、上述した効果を奏する。
【0016】
また、ETCシステムは、次のような構成を有していても良い。
【0017】
すなわち、請求項6に記載のETCシステムのように、車載装置は、携帯装置に対して、自装置を識別するためのID情報を通知すると共に、課金処理を行うと、該携帯装置に対して、該課金処理の種類を識別するための情報であるゲート情報を通知しても良い。そして、携帯装置は、車載装置からID情報とゲート情報とを取得し、ゲート情報と、該ゲート情報の通知元である車載装置のID情報とを課金情報として記憶し、車載装置との通信が開始されると、最後に記憶した課金情報を該車載装置に通知しても良い。そして、さらに、車載装置は、携帯装置から課金情報を取得すると、該課金情報と、自装置のID情報とに基づき、自車両が次に通過するゲートにて行われる課金処理に関して、自装置と、該携帯装置との組み合わせが正常であるか否かを判定しても良い。
【0018】
ここで、車載装置は、例えば、取得した課金情報におけるゲート情報に基づき、自装置を用いて最後に行われた課金処理が入口ゲート処理であるか否かを判定しても良い。そして、最後の課金処理が入口ゲート処理である場合には、取得した課金情報におけるID情報と、自装置のID情報とを比較しても良い。そして、これらのID情報が一致する場合には、車載装置と携帯装置との組み合わせが正常であると判定し、これらのID情報が一致しない場合には、車載装置と携帯装置との組み合わせが異常であると判定しても良い。また、最後の課金処理が入口ゲート処理でない場合には、常に、車載装置と携帯装置との組み合わせが正常であると判定しても良い。
【0019】
また、このETCシステムは、請求項7に記載されているように、車載装置が課金処理に関しての判定結果をユーザに報知しても良いし、請求項8に記載されているように、携帯装置が課金処理に関しての判定結果をユーザに報知しても良い。
【0020】
このような構成を有する場合であっても、請求項1に記載のETCシステムと同様の効果を得ることができる。
【0021】
また、請求項6に記載のETCシステムにおける車載装置を、単体で構成して流通させても良い。具体的には、この車載装置は、請求項9に記載されているように、携帯装置と通信を行う車載装置側通信手段と、ID情報を記憶しているID情報記憶手段と、ゲート情報を生成する車載装置側生成手段と、車載装置側生成手段が生成したゲート情報を、車載装置側通信手段を介して携帯装置に通知すると共に、ID情報記憶手段に記憶されているID情報を、車載装置側通信手段を介して携帯装置に通知する車載装置側情報通知手段とを備えていても良い。また、この車載装置は、車載装置側通信手段を介して携帯装置から課金情報を取得すると、該課金情報と、ID情報記憶手段に記憶されているID情報とに基づき、自車両が次に通過するゲートにて行われる課金処理に関して、自装置と、該携帯装置との組み合わせが正常であるか否かを判定する車載装置側課金判定手段を備えていても良い。
【0022】
また、請求項6に記載のETCシステムにおける携帯装置を、単体で構成して流通させても良い。具体的には、この携帯装置は、請求項10に記載されているように、車載装置と通信を行う携帯装置側通信手段と、携帯装置側通信手段を介して車載装置からID情報とゲート情報とを取得し、取得したゲート情報と、該ゲート情報の通知元である車載装置のID情報とを課金情報として記憶する課金情報記憶制御手段と、携帯装置側通信手段を介して車載装置との通信が開始されると、該車載装置に対して課金情報記憶制御手段により最後に記憶された課金情報を、携帯装置に通知する課金情報通知手段とを備えていても良い。
【0023】
請求項6に記載のETCシステムにおける車載装置や携帯装置を単体で構成しても、対応する車載装置又は携帯装置と組み合わせることにより、上述した効果を奏する。
【0024】
また、ETCシステムは、次のような構成を有していても良い。
【0025】
すなわち、請求項11に記載されているように、ETCシステムは、有料道路のゲートに設置されている路側機と無線通信を行い、有料道路の走行料金についての課金処理を行う車載装置と、車載装置と通信が可能な装置であって、該車載装置による課金処理に用いられる課金先特定情報を記憶している携帯装置と、路側機と通信を行い、課金処理に対応する処理を行うと共に、携帯装置と無線通信を行うことが可能な情報センタとを有していても良い。そして、車載装置は、携帯装置に対して、自装置を識別するためのID情報を通知すると共に、課金処理を行うと、該携帯装置に対して、該課金処理の種類を識別するための情報であるゲート情報を通知しても良い。また、携帯装置は、車載装置からID情報とゲート情報とを取得し、ゲート情報と、該ゲート情報の通知元である車載装置のID情報とを課金情報として記憶し、車載装置との通信が開始されると、該車載装置からID情報を取得し、該ID情報と、最後に記憶した課金情報とを、情報センタに送信しても良い。情報センタは、携帯装置から受信したID情報と課金情報とに基づき、該ID情報により特定される車載装置が搭載されている車両が次に通過するゲートにて行われる課金処理に関して、該車載装置と、該携帯装置との組み合わせが正常であるか否かを判定し、該判定結果を該携帯装置に送信しても良い。
【0026】
ここで、情報センタは、例えば、携帯装置から受信した課金情報におけるゲート情報に基づき、この携帯装置を用いて最後に行われた課金処理が入口ゲート処理であるか否かを判定しても良い。そして、最後の課金処理が入口ゲート処理である場合には、上記課金情報におけるID情報と、この課金情報と共に受信したID情報とを比較しても良い。そして、これらのID情報が一致する場合には、車載装置と携帯装置との組み合わせが正常であると判定し、これらのID情報が一致しない場合には、車載装置と携帯装置との組み合わせが異常であると判定しても良い。また、最後の課金処理が入口ゲート処理でない場合には、常に、車載装置と携帯装置との組み合わせが正常であると判定しても良い。
【0027】
また、このETCシステムは、請求項12に記載されているように、携帯装置が課金処理に関しての判定結果をユーザに報知しても良いし、請求項13に記載されているように、車載装置が課金処理に関しての判定結果をユーザに報知しても良い。
【0028】
このような構成を有する場合であっても、請求項1に記載のETCシステムと同様の効果を得ることができる。
【0029】
また、請求項11に記載のETCシステムにおける車載装置を、単体で構成して流通させても良い。具体的には、この車載装置は、請求項14に記載されているように、携帯装置と通信を行う車載装置側通信手段と、ID情報を記憶しているID情報記憶手段と、ゲート情報を生成する車載装置側生成手段と、車載装置側生成手段が生成したゲート情報を、車載装置側通信手段を介して携帯装置に通知すると共に、ID情報記憶手段に記憶されているID情報を、車載装置側通信手段を介して携帯装置に通知する車載装置側情報通知手段とを備えていても良い。
【0030】
また、請求項11に記載のETCシステムにおける携帯装置を、単体で構成して流通させても良い。具体的には、この携帯装置は、請求項15に記載されているように、車載装置と通信を行う携帯装置側通信手段と、携帯装置側通信手段を介して車載装置からID情報とゲート情報とを取得し、取得したゲート情報と、該ゲート情報の通知元である車載装置のID情報とを課金情報として記憶する課金情報記憶制御手段とを備えていても良い。さらに、この携帯装置は、情報センタと無線通信を行う携帯装置側無線通信手段と、携帯装置側通信手段を介して車載装置との通信が開始されると、該車載装置からID情報を取得し、該ID情報と、課金情報記憶制御手段により最後に記憶された課金情報とを、携帯装置側無線通信手段を介して情報センタに送信する携帯装置側情報送信手段とを備えていても良い。
【0031】
また、請求項11に記載のETCシステムにおける情報センタを、単体で構成して流通させても良い。具体的には、この情報センタは、請求項16に記載されているように、携帯装置と無線通信を行う情報センタ側無線通信手段と、情報センタ側無線通信手段が携帯装置から受信したID情報と課金情報とに基づき、該ID情報により特定される車載装置が搭載されている車両が次に通過するゲートにて行われる課金処理に関して、該車載装置と、該携帯装置との組み合わせが正常であるか否かを判定する情報センタ側課金判定手段とを備えていても良い。また、この情報センタは、さらに、情報センタ側課金判定手段による判定結果を、情報センタ側無線通信手段を介して、該判定に係る携帯装置に送信する判定結果送信手段を備えていても良い。
【0032】
請求項11に記載のETCシステムにおける車載装置や携帯装置や情報センタを単体で構成しても、対応する車載装置、携帯装置、または情報センタと組み合わせることにより、上述した効果を奏する。
【0033】
また、ETCシステムは、次のような構成を有していても良い。
【0034】
すなわち、請求項17に記載されているように、ETCシステムは、有料道路のゲートに設置されている路側機と無線通信を行い、有料道路の走行料金についての課金処理を行う車載装置と、車載装置と通信が可能な装置であって、該車載装置による課金処理に用いられる課金先特定情報を記憶している携帯装置と、路側機と、路側機と通信を行い、課金処理に対応する処理を行うと共に、携帯装置と無線通信を行うことが可能な情報センタとを有していても良い。そして、車載装置は、携帯装置に対して、自装置を識別するためのID情報を通知すると共に、課金処理において、携帯装置からの課金先特定情報の取得と、路側機に対しての、該課金先特定情報、及び、自装置を識別するためのID情報の送信とを行っても良い。また、路側機は、課金処理にて車載装置から受信したID情報及び課金先特定情報と、該課金処理の種類を識別するための情報であるゲート情報とを情報センタに送信し、携帯装置は、車載装置との通信が開始されると、該車載装置からID情報を取得し、該ID情報と、課金先特定情報とを情報センタに送信しても良い。そして、情報センタは、路側機から受信したID情報と、課金先特定情報と、ゲート情報とを、路側情報として記憶し、路側情報と、携帯装置から受信したID情報及び課金先特定情報とに基づき、該ID情報により特定される車載装置が搭載されている車両が次に通過するゲートにて行われる課金処理に関して、該車載装置と、該携帯装置との組み合わせが正常であるか否かを判定し、該判定結果を該携帯装置に送信しても良い。
【0035】
ここで、情報センタは、携帯装置からID情報と課金先特定情報とを受信すると、自身が記憶している路側情報のうち、受信した課金先特定情報と同一の課金先特定情報を含む路側情報を特定しても良い。そして、特定した路側情報のうち、最新の路側情報に含まれているゲート情報に基づき、この携帯装置を用いて最後に行われた課金処理が入口ゲート処理であるか否かを判定し、最後の課金処理が入口ゲート処理である場合には、受信したID情報と、上記最新の路側情報に含まれているID情報とを比較しても良い。そして、これらのID情報が一致する場合には、車載装置と携帯装置との組み合わせが正常であると判定し、これらのID情報が一致しない場合には、車載装置と携帯装置との組み合わせが異常であると判定しても良い。また、最後の課金処理が入口ゲート処理でない場合には、常に、車載装置と携帯装置との組み合わせが正常であると判定しても良い。
【0036】
また、このETCシステムは、請求項18に記載されているように、携帯装置が課金処理に関しての判定結果をユーザに報知しても良いし、請求項19に記載されているように、車載装置が課金処理に関しての判定結果をユーザに報知しても良い。
【0037】
このような構成を有する場合であっても、請求項1に記載のETCシステムと同様の効果を得ることができる。
【0038】
また、請求項17に記載のETCシステムにおける車載装置を、単体で構成して流通させても良い。具体的には、この車載装置は、請求項20に記載されているように、路側機と無線通信を行う車載装置側無線通信手段と、携帯装置と通信を行う車載装置側通信手段と、ID情報を記憶しているID情報記憶手段と、ID情報記憶手段に記憶されているID情報を、車載装置側通信手段を介して携帯装置に通知する車載装置側情報通知手段とを備えていても良い。さらに、この車載装置は、課金処理において、車載装置側通信手段を介して携帯装置から課金先特定情報を取得すると共に、該課金先特定情報と、ID情報記憶手段に記憶されているID情報とを、車載装置側無線通信手段を介して路側機に送信する課金関連情報送信手段とを備えていても良い。
【0039】
また、請求項17に記載のETCシステムにおける路側機を、単体で構成して流通させても良い。具体的には、この路側機は、請求項21に記載されているように、車載装置と無線通信を行う路側機側無線通信手段と、情報センタと通信を行う路側機側通信手段と、ゲート情報を生成する路側機側生成手段と、路側機側無線通信手段を介して車載装置からID情報と課金先特定情報とを受信し、課金処理において、該ID情報と該課金先特定情報とを、路側機側生成手段により生成された該課金処理についてのゲート情報と共に、路側機側通信手段を介して情報センタに送信する路側機側情報送信手段とを備えていても良い。
【0040】
また、請求項17に記載のETCシステムにおける携帯装置を、単体で構成して流通させても良い。具体的には、この携帯装置は、請求項22に記載されているように、車載装置と通信を行う携帯装置側通信手段と、情報センタと無線通信を行う携帯装置側無線通信手段と、課金先特定情報を記憶している課金先特定情報記憶手段と、携帯装置側通信手段を介して車載装置との通信が開始されると、該車載装置からID情報を取得し、該ID情報と、課金先特定情報記憶手段に記憶されている課金先特定情報とを、携帯装置側無線通信手段を介して情報センタに送信する携帯装置側情報送信手段とを備えていても良い。
【0041】
また、請求項17に記載のETCシステムにおける情報センタを、単体で構成して流通させても良い。具体的には、この情報センタは、請求項23に記載されているように、路側機と通信を行う第一の情報センタ側通信手段と、携帯装置と無線通信を行う第二の情報センタ側通信手段と、路側機から、情報センタ側通信手段を介して受信したID情報と、課金先特定情報と、ゲート情報とを、路側情報として記憶する路側情報記憶制御手段とを備えていても良い。そして、さらに、この情報センタは、情報センタ側無線通信手段が携帯装置から受信したID情報及び課金先特定情報と、路側情報記憶制御手段により記憶された路側情報とに基づき、該ID情報により特定される車載装置が搭載されている車両が次に通過するゲートにて行われる課金処理に関して、該車載装置と、該携帯装置との組み合わせが正常であるか否かを判定する情報センタ側課金判定手段を備えていても良い。
【0042】
請求項17に記載のETCシステムにおける車載装置や携帯装置や路側機や情報センタを単体で構成しても、対応する車載装置、携帯装置、路側機、または情報センタと組み合わせることにより、上述した効果を奏する。
【0043】
また、請求項24に記載されているように、車載装置を識別するためのID情報とは、該車載装置が搭載されている車両の車両IDであっても良い。
【0044】
ID情報として車両IDを用いた場合であっても、上述した効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】第一のETCシステム、及び第一の車載装置のブロック図である。
【図2】携帯電話のブロック図、及び、課金処理履歴情報リストを示す表である。
【図3】第一のETCシステムにて行なわれる処理を示すシーケンス図である。
【図4】第一の判定処理のフローチャートである。
【図5】第二のETCシステム、及び第二の車載装置のブロック図である。
【図6】ICカードのブロック図である。
【図7】第二のETCシステムにて行なわれる処理を示すシーケンス図である。
【図8】第二の判定処理のフローチャートである。
【図9】第三のETCシステム、及び情報センタサーバのブロック図である。
【図10】第三のETCシステムにて行なわれる処理を示すシーケンス図である。
【図11】第三の判定処理のフローチャートである。
【図12】第四のETCシステム、及び路側機のブロック図である。
【図13】路側情報リストを示す表である。
【図14】第四のETCシステムにて行なわれる処理を示すシーケンス図である。
【図15】第四の判定処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0046】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。尚、本発明の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
【0047】
[第一実施形態]
[構成の説明]
図1の(a)、第一実施形態における第一のETCシステム100の構成を示すブロック図である。第一のETCシステム100は、第一の車載装置10と携帯電話20とから構成されている。
【0048】
第一の車載装置10は、自車両が有料道路の料金所ゲートを通過する際に、料金所ゲートに設けられている路側機30とDSRC(Dedicated Short Range Communication:狭域通信)による無線通信を行い、携帯電話20から読み出したカードID等を用いて走行料金の課金処理を実行する装置である。尚、課金処理には、走行距離に応じた走行料金が課金される有料道路の入口ゲートにて行なわれる入口ゲート処理と、該有料道路の出口ゲートにて行なわれる出口ゲート処理と、均一な走行料金が課金される有料道路のゲートにて行なわれる均一処理との三種類が存在する。
【0049】
また、携帯電話20は、非接触ICカード機能を有する周知の携帯電話である。携帯電話20には、有料道路走行時の課金処理に用いられるカード情報等が記憶されている。このカード情報には、カード情報を特定するカードID、名義人情報、銀行口座情報、及びカード会社情報等の情報が含まれている。
【0050】
次に、第一の車載装置10の構成について説明する。図1の(b)には、第一の車載装置10の構成を示すブロック図が記載されている。第一の車載装置10は、無線アンテナ11と、DSRC部12と、SAM13と、非接触通信I/F14と、制御部15と、HMI16と、記憶部17とを備える。
【0051】
無線アンテナ11は、DSRC用のアンテナである。
【0052】
DSRC部12は、無線アンテナ11を介して、路側機30とDSRCによる情報の送受信を行う部位である。
【0053】
SAM13は、路側機30との通信情報の暗号化・復号化を行う部位である。
【0054】
非接触通信I/F14は、携帯電話20と非接触の近距離無線通信を行う部位であり、携帯電話20に記憶されている情報の読み出しや、携帯電話20に対する情報の送信を行う。尚、接触型のインターフェースであっても良い。
【0055】
制御部15は、CPU、ROM、RAM、I/O等から構成され、第一の車載装置10の各部位を統括的に制御する部位である。制御部15は、ROMに記憶されているプログラムに基づき、種々の処理を行う。また、制御部15は、DSRC部12を介して路側機30と無線通信を行い、携帯電話20から非接触通信I/F14を介して読み出したカード情報を用いて走行料金の課金処理を実行する。
【0056】
HMI16は、人間と装置とのコミュニケーションのためのインターフェース(Human Machine Interface)を提供する部位である。具体的には、操作ボタンやLEDやスピーカ等から構成される。
【0057】
記憶部17は、記憶保持動作が不要なデバイス(例えば、フラッシュメモリ)から構成され、各種の情報を記憶することができる。記憶部17には、自装置を識別するための情報である車載装置IDが記憶されている。
【0058】
次に、携帯電話20の構成について説明する。携帯電話20は、無線アンテナ21と、公衆通信部22と、HMI23と、非接触通信I/F24と、制御部25と、記憶部26とを備える。
【0059】
無線アンテナ21は、公衆回線網に無線接続するためのアンテナである。
【0060】
公衆通信部22は、無線アンテナ21を介して無線通信(例えば、CDMA等の通信)を行い、公衆回線網への接続を行なう部位である。
【0061】
HMI23は、人間と装置とのコミュニケーションのためのインターフェース(Human Machine Interface)を提供する部位である。具体的には、操作ボタンやLCDやスピーカ等から構成される。
【0062】
非接触通信I/F24は、第一の車載装置10と非接触の近距離無線通信を行うためのインターフェースである。尚、接触型のインターフェースであっても良い。
【0063】
制御部25は、CPU、ROM、RAM、I/O等から構成され、携帯電話20の各部位を統括的に制御する部位である。制御部25は、ROMに記憶されているプログラムに基づき、種々の処理を行う。
【0064】
記憶部26は、記憶保持動作が不要なデバイス(例えば、フラッシュメモリ)から構成され、各種の情報を記憶することができる。記憶部26には、有料道路走行時の課金処理に用いられるカード情報が記憶されている。このカード情報には、カード情報を特定するカードID、名義人情報、銀行口座情報、及びカード会社情報等の情報が含まれている。
【0065】
[動作の説明]
次に、第一のETCシステム100の動作について説明する。
【0066】
(1)課金処理履歴情報リストについて
携帯電話20の記憶部26には、自装置を用いて行なわれた有料道路走行時の課金処理の記録である課金処理履歴情報リストが記憶されている。まず、この課金処理履歴情報リストについて、図2の(b)に記載の表を用いて説明する。課金処理履歴情報リストは、「年月日時」,「ゲート情報」,「車載装置ID」という項目を有している。また、この課金処理履歴情報リストを構成する各レコードは、自装置を用いて行なわれた課金処理に対応している。また、このレコードを課金処理履歴情報とも記載する。
【0067】
「年月日時」とは、各課金処理履歴情報に対応する課金処理が実行された年月日時を示す項目である。
【0068】
「ゲート情報」とは、各課金処理履歴情報に対応する課金処理の種類を示す項目である。尚、課金処理には、走行距離に応じた走行料金が課金される有料道路の入口ゲートにて行なわれる“入口ゲート処理”と、該有料道路の出口ゲートにて行なわれる“出口ゲート処理”と、均一な走行料金が課金される有料道路のゲートにて行なわれる“均一処理”との三種類が存在する。
【0069】
「車載装置ID」とは、各課金処理履歴情報に対応する課金処理を行った第一の車載装置10の車載装置IDを示す項目である。
【0070】
(2)第一の車載装置10と携帯電話20との組み合わせ判定について
第一のETCシステム100では、入口ゲート処理における第一の車載装置10と携帯電話20の組み合わせとは異なる組み合わせで出口ゲート処理が行われてしまうことを防ぐため、課金処理に先立ち、第一の車載装置10と携帯電話20との組み合わせについての判定が行われる。ここでは、課金処理に先立ち行われる、第一の車載装置10と携帯電話20との組み合わせについての判定について、図3に記載のシーケンス図を用いて説明する。
【0071】
自車両が一般道路を走行中に、携帯電話20が、第一の車載装置10との近距離無線通信が可能な所定の位置に配置され、これらの装置間で近距離無線通信が開始されると、携帯電話20の制御部25は、近距離無線通信により、第一の車載装置10に対してETC利用要求を送信する(S205)。そして、ETC利用要求を受信した第一の車載装置10では、制御部15は、記憶部17に記憶されている車載装置IDを携帯電話20に送信する(S210)。
【0072】
車載装置IDを受信した携帯電話20では、制御部25は、第一の判定処理を実行する(S215)。この第一の判定処理により、自装置と、通信相手である第一の車載装置10との組み合わせが異常であると判定された場合には、ユーザに対する警告が行われる。
【0073】
そして、自車両が有料道路の入口ゲートに到達すると、第一のETCシステム100と路側機30との間で、課金処理(入口ゲート処理)が開始される(S220)。この入口ゲート処理において、第一の車載装置10は、DSRCにより路側機30と無線通信を行い、SAM13により路側機30からの受信データのデコードを行なう。また、近距離無線通信を介して携帯電話20からカードID等を読み出し、このカードID等を用いて、周知の方法により、走行料金の課金のための処理を行なう。また、第一の車載装置10は、今回行なわれた課金処理の種類を示すゲート情報を生成し、携帯電話20に送信する(S225)。
【0074】
課金処理(入口ゲート処理)が終了すると(S230)、有料道路の走行が開始される。また、携帯電話20の制御部25は、記憶部26に記憶されている課金処理履歴情報リストに対し、終了した課金処理に対応する課金処理履歴情報を追加する(S235)。具体的には、カレンダー機能により特定した現在の年月日時を「年月日時」とし、課金処理にて受信したゲート情報を「ゲート情報」とし、課金処理に先立って受信した車載装置IDを「車載装置ID」とする課金処理履歴情報を、課金処理履歴情報リストに新たに追加する。
【0075】
有料道路の走行中に、ユーザにより、携帯電話20が上記所定の位置から移動させられると、携帯電話20と第一の車載装置10との間の近距離無線通信が途絶える。その後、携帯電話20が第一の車載装置10との近距離無線通信が可能な所定の位置に配置され、これらの装置間で近距離無線通信が開始されると、携帯電話20の制御部25は、第一の車載装置10に対してETC利用要求を送信する(S240)。そして、ETC利用要求を受信した第一の車載装置10の制御部15は、記憶部17に記憶されている車載装置IDを、携帯電話20に送信する(S245)。
【0076】
車載装置IDを受信した携帯電話20の制御部25は、第一の判定処理を実行する(S250)。このとき、入口ゲート処理における携帯電話20とは異なる携帯電話20が配置されている場合には、第一の判定処理において異常判定がなされ、ユーザに対する警告が行われる。
【0077】
そして、自車両が有料道路の出口ゲートに到達すると、第一のETCシステム100と、路側機30との間で、課金処理(出口ゲート処理)が開始される(S255)。尚、この出口ゲート処理において、入口ゲート処理にて用いられた携帯電話20とは異なる携帯電話20が用いられている場合には、出口ゲートが閉鎖され、自車両は出口ゲートを通過することができない。
【0078】
(3)第一の判定処理について
次に、第一の車載装置10との近距離無線通信を開始した携帯電話20が、この第一の車載装置10から車載装置IDを受信した際に開始する処理である第一の判定処理について、図4に記載のフローチャートを用いて説明する。
【0079】
S305では、携帯電話20の制御部25は、記憶部26に記憶されている課金処理履歴情報リストにおける最新の課金処理履歴情報に基づき、自装置を用いて最後に行なわれた課金処理が入口ゲート処理であるか否かを判定する。そして、最後に行なわれた課金処理が入口ゲート処理である場合には(S305:Yes)、制御部25は、S310に処理を移行し、そうでない場合には(S305:No)、本処理を終了する。
【0080】
S310では、制御部25は、最後に行われた入口ゲート処理において用いられた第一の車載装置10の車載装置IDを、最新の課金処理履歴情報に基づき特定し、この車載装置IDが、本処理に先立って第一の車載装置10から受信した車載装置IDと一致するか否かを判定する。これらの車載装置IDが一致する場合には(S310:Yes)、自装置と第一の車載装置10との組み合わせが正常であると判定し、本処理を終了する。また、これらの車載装置IDが一致しない場合には(S310:No)、制御部25は、自装置と第一の車載装置10との組み合わせが異常であると判定し、HMI23を介してユーザに異常を報知し(S315)、本処理を終了する。尚、制御部25は、この判定結果を近距離無線通信により第一の車載装置10に送信しても良い。そして、第一の車載装置10の制御部15は、HMI16により、受信した判定結果をユーザに報知しても良い。
【0081】
[効果]
第一実施形態における第一のETCシステム100では、携帯電話20は、最新の課金処理履歴情報に基づき、自装置を用いて最後に行なわれた課金処理が入口ゲート処理であるか判定する(S305)。そして、最後の課金処理が入口ゲート処理である場合には、最新の課金処理履歴情報に含まれている車載装置IDと、第一の車載装置10から受信した車載装置IDが一致するか否かを判定する(S310)。そして、これらの車載装置IDが一致しない場合には、第一の車載装置10と携帯電話20との組み合わせが異常であると判定し、ユーザに異常を報知する(S315)。したがって、第一のETCシステム100は、有料道路の入口ゲートにおける課金処理と出口ゲートにおける課金処理とで、異なる携帯電話20が使用されてしまうことを防ぐことが可能である。
【0082】
[第二実施形態]
[構成の説明]
図5の(a)、第二実施形態における第二のETCシステム110の構成を示すブロック図である。第二のETCシステム110は、第二の車載装置40とICカード50とから構成されている。
【0083】
第二の車載装置40は、自車両が有料道路の料金所ゲートを通過する際に、料金所ゲートに設けられている路側機30とDSRC(Dedicated Short Range Communication:狭域通信)による無線通信を行い、ICカード50から読み出したカードID等を用いて走行料金の課金処理を実行する装置である。尚、課金処理には、第一実施形態と同様に、入口ゲート処理と、出口ゲート処理と、均一処理との三種類が存在する。
【0084】
また、ICカード50とは、第二の車載装置40による有料道路走行時の課金処理に用いられるカード情報等が記憶されている周知のICカードである。カード情報には、カード情報を特定するカードID、名義人情報、銀行口座情報、及びカード会社情報等の情報が含まれている。
【0085】
次に、第二の車載装置40の構成について説明する。図5の(b)には、第二の車載装置40の構成を示すブロック図が記載されている。第二の車載装置40は、無線アンテナ41と、DSRC部42と、SAM43と、ICカードI/F44と、制御部45と、HMI46と、記憶部47とを備える。尚、無線アンテナ41,DSRC部42,SAM43,制御部45,HMI46,記憶部47に関しては、第一実施形態における第一の車載装置10における無線アンテナ11,DSRC部12,SAM13,制御部15,HMI16,記憶部17と同様の構成であるため、説明を省略する。
【0086】
ICカードI/F44は、ICカード50と通信を行う部位であり、ICカード50に記憶されている情報の読み出しや、ICカード50に対する情報の送信を行う。尚、第二実施形態では、接触型のインターフェースとして構成されているものとするが、非接触型のインターフェースとして構成されていても良い。
【0087】
次に、ICカード50の構成について説明する。ICカード50は、ICカードI/F51と、記憶部52と、制御部53とを備える。
【0088】
ICカードI/F51は、第二の車載装置40と通信を行う部位である。尚、第二実施形態では、接触型のインターフェースとして構成されているものとするが、非接触型のインターフェースとして構成されていても良い。
【0089】
記憶部52は、記憶保持動作が不要なデバイス(例えば、フラッシュメモリ)から構成され、各種の情報を記憶することができる。記憶部52には、有料道路走行時の課金処理に用いられるカード情報が記憶されている。このカード情報には、カード情報を特定するカードID、名義人情報、銀行口座情報、及びカード会社情報等の情報が含まれている。
【0090】
制御部53は、CPU、ROM、RAM、I/O等から構成され、ICカード50の各部位を統括的に制御する部位である。制御部53は、ROMに記憶されているプログラムに基づき、種々の処理を行う。
【0091】
[動作の説明]
次に、第二のETCシステム110の動作について説明する。
【0092】
(1)第二の車載装置40とICカード50との組み合わせ判定について
第二のETCシステム110では、第一実施形態と同様に、入口ゲート処理における第二の車載装置40とICカード50の組み合わせとは異なる組み合わせで出口ゲート処理が行われてしまうことを防ぐため、課金処理に先立ち、第二の車載装置40とICカード50との組み合わせについての判定が行われる。ここでは、課金処理に先立ち行われる、第二の車載装置40とICカード50との組み合わせについての判定について、図7に記載のシーケンス図を用いて説明する。
【0093】
自車両が一般道路を走行中に、ICカード50が、第二の車載装置40に接続され、これらの装置間で通信が開始されると、ICカード50の制御部53は、ICカードI/F51を介して、第二の車載装置40に対してETC利用要求を送信し(S405)、さらに、記憶部52に記憶されている課金処理情報を第二の車載装置40に対して送信する(S410)。尚、課金処理情報とは、先にこのICカード50を用いて行なわれた課金処理に用いられた車載装置の車載装置IDと、この課金処理の種類とを示す情報である。
【0094】
課金処理情報を受信した第二の車載装置40では、制御部45は、第二の判定処理を実行する(S415)。この第二の判定処理により自装置とICカード50との組み合わせが異常であると判定された場合には、ユーザに対する警告が行われる。
【0095】
そして、自車両が有料道路の入口ゲートに到達すると、第二のETCシステム110と路側機30との間で、課金処理(入口ゲート処理)が開始される(S420)。この入口ゲート処理において、第二の車載装置40は、DSRCにより路側機30と無線通信を行い、SAM43により路側機30からの受信データのデコードを行なう。また、ICカード50からカードID等を読み出し、このカードID等を用いて、周知の方法により、走行料金の課金のための処理を行なう。また、第二の車載装置40は、今回行なわれた課金処理の種類を示すゲート情報を生成し、記憶部47に記憶されている車載装置IDと、生成したゲート情報をICカード50に送信する(S425)。
【0096】
課金処理(入口ゲート処理)が終了すると(S430)、有料道路の走行が開始される。また、ICカード50の制御部53は、課金処理にて第二の車載装置40から受信した車載装置IDとゲート情報とを、課金処理情報として記憶部52に記憶する(S435)。
【0097】
有料道路の走行中に、ユーザにより、ICカード50が第二の車載装置40から外されると、ICカード50と第二の車載装置40との間の通信が途絶える。その後、ICカード50が第二の車載装置40に接続され、これらの装置間で通信が開始されると、ICカード50の制御部53は、第二の車載装置40に対してETC利用要求を送信すると共に(S440)、先に記憶した課金処理情報を第二の車載装置40に対して送信する(S445)。
【0098】
課金処理情報を受信した第二の車載装置40では、制御部45は、第二の判定処理を実行する(S450)。このとき、入口ゲート処理におけるICカード50とは異なるICカード50が接続されている場合には、第二の判定処理において異常判定がなされ、ユーザに対する警告が行われる。
【0099】
そして、自車両が有料道路の出口ゲートに到達すると、第二のETCシステム110と、路側機30との間で、課金処理(出口ゲート処理)が開始される(S455)。尚、この出口ゲート処理において、入口ゲート処理にて用いられたICカード50とは異なるICカード50が用いられている場合には、出口ゲートが閉鎖され、自車両は出口ゲートを通過することができない。
【0100】
(2)第二の判定処理について
次に、ICカード50との通信を開始した第二の車載装置40が、このICカード50から課金処理情報を受信した際に開始する処理である第二の判定処理について、図8に記載のフローチャートを用いて説明する。
【0101】
S505では、第二の車載装置40の制御部45は、ICカード50から受信した課金処理情報におけるゲート情報に基づき、このICカード50を用いて最後に行なわれた課金処理が入口ゲート処理であるか否かを判定する。そして、最後に行なわれた課金処理が入口ゲート処理である場合には(S505:Yes)、制御部45は、S510に処理を移行し、そうでない場合には(S505:No)、本処理を終了する。
【0102】
S510では、制御部45は、課金処理情報における車載装置IDを、課金処理情報の送信元であるICカード50を用いて最後に行われた入口ゲート処理において用いられた第二の車載装置40の車載装置IDとし、この車載装置IDが、記憶部47に記憶されている車載装置IDと一致するか否かを判定する(S515)。これらの車載装置IDが一致する場合には(S515:Yes)、自装置とICカード50との組み合わせが正常であると判定し、本処理を終了する。また、これらの車載装置IDが一致しない場合には(S515:No)、制御部45は、自装置とICカード50との組み合わせが異常であると判定し、HMI46を介してユーザに異常を報知し(S520)、本処理を終了する。
【0103】
[効果]
第二実施形態における第二のETCシステム110では、第二の車載装置40は、ICカード50から受信した課金処理情報に基づき、自装置を用いて最後に行なわれた課金処理が入口ゲート処理であるか判定する(S505)。そして、最後の課金処理が入口ゲート処理である場合には、課金処理情報に含まれている車載装置IDと、自装置の車載装置IDが一致するか否かを判定する(S515)。そして、これらの車載装置IDが一致しない場合には、第二の車載装置40とICカード50との組み合わせが異常であると判定し、ユーザに異常を報知する(S520)。したがって、第二のETCシステム110は、有料道路の入口ゲートにおける課金処理と出口ゲートにおける課金処理とで、異なるICカード50が使用されてしまうことを防ぐことが可能である。
【0104】
[第三実施形態]
[構成の説明]
図9の(a)、第三実施形態における第三のETCシステム120の構成を示すブロック図である。第三のETCシステム120は、第一の車載装置10と、携帯電話20と、情報センタサーバ60とから構成されている。携帯電話20は、公衆回線網70を介して情報センタサーバ60と通信を行うことができる。尚、第一の車載装置10と携帯電話20とについては、第一実施形態と同様の構成であるため、説明を省略する。
【0105】
情報センタサーバ60は、クレジットカード会社に設置されており、公衆回線網70を介して、携帯電話20や、有料道路の料金所ゲートに設置されている路側機30と通信を行うことができる。尚、情報センタサーバ60は、1または2以上の携帯電話20や路側機30に接続されている。
【0106】
次に、情報センタサーバ60の構成について、図9の(b)に記載のブロック図を用いて説明する。情報センタサーバ60は、公衆通信部61と、HMI62と、制御部63と、SAM64と、記憶部65とから構成されている。
【0107】
公衆通信部61は、公衆回線網70に接続し、携帯電話20や路側機30と通信を行う部位である。
【0108】
HMI62は、人間と装置とのコミュニケーションのためのインターフェース(Human Machine Interface)を提供する部位である。具体的には、操作ボタンやLCDやスピーカ等から構成される。
【0109】
制御部63は、CPU、ROM、RAM、I/O等から構成され、情報センタサーバ60の各部位を統括的に制御する部位である。制御部63は、ROMに記憶されているプログラムや、RAMにロードされたプログラムに基づき、種々の処理を行う。
【0110】
SAM64は、路側機30との通信情報の暗号化・復号化を行う部位である。
【0111】
記憶部65は、記憶保持動作が不要なデバイス(例えば、HDD)から構成され、各種の情報を記憶することができる。
【0112】
[動作の説明]
(1)第一の車載装置10と携帯電話20との組み合わせ判定について
第三のETCシステム120では、第一実施形態や第二実施形態と同様に、入口ゲート処理における第一の車載装置10と携帯電話20の組み合わせとは異なる組み合わせで出口ゲート処理が行われてしまうことを防ぐため、課金処理に先立ち、第一の車載装置10と携帯電話20との組み合わせについての判定が行われる。ここでは、課金処理に先立ち行われる、第一の車載装置10と携帯電話20との組み合わせについての判定について、図10に記載のシーケンス図を用いて説明する。
【0113】
自車両が一般道路を走行中に、携帯電話20が、第一の車載装置10との近距離無線通信が可能な所定の位置に配置され、これらの装置間で近距離無線通信が開始されると、携帯電話20の制御部25は、近距離無線通信により、第一の車載装置10に対してETC利用要求を送信する(S605)。そして、ETC利用要求を受信した第一の車載装置10では、制御部15は、記憶部17に記憶されている車載装置IDを携帯電話20に送信する(S610)。
【0114】
車載装置IDを受信した携帯電話20では、制御部25は、公衆通信部22を介して公衆回線網70にアクセスし、この車載装置IDと、記憶部26に記憶されている課金処理情報とを、情報センタサーバ60に送信する(S615)。
【0115】
車載装置IDと課金処理情報とを受信した情報センタサーバ60では、制御部63は、第一の車載装置10と携帯電話20との組み合わせについて判定する処理である第三の判定処理を実行する(S620)。そして、公衆通信部61を介して、判定結果を車載装置ID等の送信元の携帯電話20に送信する(S625)。
【0116】
情報センタサーバ60から判定結果を受信した携帯電話20の制御部25は、HMI23を介して、受信した判定結果をユーザに報知する(S630)。尚、制御部25は、受信した判定結果を、第一の車載装置10に送信しても良い。そして、判定結果を受信した第一の車載装置10の制御部15は、HMI16を介して、受信した判定結果をユーザに報知しても良い。
【0117】
そして、自車両が有料道路の入口ゲートに到達すると、第三のETCシステム120と路側機30との間で、課金処理(入口ゲート処理)が開始される(S635)。この入口ゲート処理において、第一の車載装置10は、DSRCにより路側機30と無線通信を行ない、SAM13により路側機30からの受信データのデコードを行なう。また、近距離無線通信を介して携帯電話20からカードID等を読み出し、このカードID等を用いて、周知の方法により、走行料金の課金のための処理を行なう。また、第一の車載装置10は、今回行なわれた課金処理の種類を特定可能なゲート情報を生成し、携帯電話20に送信する(S640)。
【0118】
課金処理(入口ゲート処理)が終了すると(S645)、有料道路の走行が開始される。また、携帯電話20の制御部25は、課金処理に先立って第一の車載装置10から受信した車載装置IDと、課金処理にて第一の車載装置10から受信したゲート情報とを、課金処理情報として記憶部26に記憶する(S650)。
【0119】
有料道路の走行中に、ユーザにより、携帯電話20が上記所定の位置から移動させられると、携帯電話20と第一の車載装置10との間の近距離無線通信が途絶える。その後、携帯電話20が第一の車載装置10との近距離無線通信が可能な所定の位置に配置され、これらの装置間で近距離無線通信が開始されると、携帯電話20の制御部25は、第一の車載装置10に対してETC利用要求を送信する(S655)。そして、ETC利用要求を受信した第一の車載装置10の制御部15は、記憶部17に記憶されている車載装置IDを、携帯電話20に送信する(S660)。
【0120】
車載装置IDを受信した携帯電話20では、制御部25は、この車載装置IDと、先に記憶した課金処理情報とを、情報センタサーバ60に送信する(S665)。車載装置IDと課金処理情報とを受信した情報センタサーバ60では、制御部63は、第三の判定処理を実行し(S670)、判定結果を車載装置ID等の送信元の携帯電話20に送信する(S675)。そして、情報センタサーバ60から判定結果を受信した携帯電話20の制御部25は、HMI23を介して、受信した判定結果をユーザに報知する(S680)。尚、制御部25は、受信した判定結果を、第一の車載装置10に送信しても良い。そして、判定結果を受信した第一の車載装置10の制御部15は、HMI16を介して、受信した判定結果をユーザに報知しても良い。
【0121】
そして、自車両が有料道路の出口ゲートに到達すると、第三のETCシステム120と路側機30との間で、課金処理(出口ゲート処理)が開始される(S685)。尚、この出口ゲート処理において、入口ゲート処理にて用いられた携帯電話20とは異なる携帯電話20が用いられている場合には、出口ゲートが閉鎖され、自車両は出口ゲートを通過することができない。
【0122】
(2)第三の判定処理について
次に、情報センタサーバ60が、携帯電話20から車載装置IDと課金処理情報とを受信した際に開始する処理である第三の判定処理について、図11に記載のフローチャートを用いて説明する。この第三の判定処理は、第一の車載装置10と携帯電話20の組み合わせが正常であるか否かを判定する処理である。
【0123】
S705では、情報センタサーバ60の制御部63は、携帯電話20から受信した課金処理情報を構成するゲート情報が示す課金処理の種類を、この携帯電話20を用いて最後に行われた課金処理の種類として特定し、最後に行なわれた課金処理の種類が入口ゲート処理かどうか判定する。そして、最後に行なわれた課金処理が入口ゲート処理である場合には(S705:Yes)、制御部63は、S710に処理を移行し、そうでない場合には(S705:No)、第一の車載装置10と携帯電話20の組み合わせは正常と判定し、本処理を終了する。
【0124】
S710では、制御部63は、課金処理情報を構成する車載装置IDを特定する。そして、課金処理情報を構成する車載装置IDと、課金処理情報と共に受信した車載装置IDとが一致するか判定する(S715)。これらの車載装置IDが一致する場合は、第一の車載装置10と携帯電話20の組み合わせが正常であると判定し、一致しない場合は、第一の車載装置10と携帯電話20の組み合わせが異常であると判定する。そして、本処理を終了する。
【0125】
[効果]
第三実施形態における第三のETCシステム120では、携帯電話20と第一の車載装置10とが通信を開始すると、この携帯電話20は、通信相手である第一の車載装置10の車載装置IDと、課金処理情報とを、情報センタサーバ60に送信する(S615,S665)。そして、この課金処理情報に基づき、この携帯電話20を用いて最後に行なわれた課金処理が入口ゲート処理であるか判定する(S705)。そして、最後の課金処理が入口ゲート処理である場合には、さらに、課金処理情報を構成する車載装置IDと、受信した車載装置IDとに基づき、第一の車載装置10と携帯電話20との組み合わせが正常であるか判定する(S715)。このとき、情報センタサーバ60は、これらの車載装置IDが一致しない場合には、第一の車載装置10と携帯電話20との組み合わせが異常であると判定する。そして、情報センタサーバ60は、判定結果を携帯電話20に送信し(S625,S675)、判定結果を受信した携帯電話20は、この判定結果をユーザに報知する(S630,S680)。したがって、第三のETCシステム120は、有料道路の入口ゲートにおける課金処理と出口ゲートにおける課金処理とで、異なる携帯電話20が使用されてしまうことを防ぐことが可能である。
【0126】
[第四実施形態]
[構成の説明]
図12の(a)には、第四実施形態における第四のETCシステム130の構成を示すブロック図が記載されている。第四のETCシステム130は、第一の車載装置10と、携帯電話20と、路側機30と、情報センタサーバ60とから構成されている。携帯電話20や路側機30は、公衆回線網70を介して情報センタサーバ60と通信を行うことができる。尚、第一の車載装置10と携帯電話20とについては、第一実施形態と同様の構成であるため、説明を省略する。また、情報センタサーバ60についても、第三実施形態と同様の構成であるため、説明を省略する。
【0127】
路側機30は、有料道路の料金所ゲートに設けられている。路側機30は、車両が料金所ゲートを通過する際、この車両に搭載されている第一の車載装置10や第二の車載装置40とDSRCによる無線通信を行い、走行料金の課金処理を実行する装置である。尚、既に説明したが、課金処理には、走行距離に応じた走行料金が課金される有料道路の入口ゲートにて行なわれる入口ゲート処理と、該有料道路の出口ゲートにて行なわれる出口ゲート処理と、均一な走行料金が課金される有料道路のゲートにて行なわれる均一処理との三種類が存在する。
【0128】
路側機30について、図12の(b)に記載のブロック図を用いて説明する。路側機30は、無線アンテナ31と、DSRC部32と、制御部33と、SAM34と、公衆通信部35とを備える。
【0129】
無線アンテナ31は、DSRC用のアンテナである。
【0130】
DSRC部32は、無線アンテナ31を介して、車載装置とDSRCによる情報の送受信を行う部位である。
【0131】
制御部33は、CPU、ROM、RAM、I/O等から構成され、第一の車載装置10の各部位を統括的に制御する部位である。制御部33は、ROMに記憶されているプログラムや、RAMにロードされたプログラムに基づき、種々の処理を行う。
【0132】
SAM34は、第一の車載装置10や情報センタサーバ60との間の通信情報の暗号化・復号化を行う部位である。
【0133】
公衆通信部35は、公衆回線網70に接続し、情報センタサーバ60と通信を行う部位である。
【0134】
[動作の説明]
次に、第四のETCシステム130の動作について説明する。
【0135】
(1)路側情報リストについて
情報センタサーバ60の記憶部65には、公衆回線網70を介して自装置に接続されている路側機30にて行なわれた課金処理の記録である路側情報リストが記憶されている。この路側情報リストについて、図13に記載の表を用いて説明する。路側情報リストは、「年月日時」,「ゲート情報」,「車載装置ID」,「カードID」という項目を有している。また、この路側情報リストを構成する各レコードは、路側機30により行なわれた課金処理に対応している。また、このレコードを路側情報とも記載する。
【0136】
「年月日時」とは、各路側情報に対応する課金処理が実行された年月日時を示す項目である。
【0137】
「ゲート情報」とは、各路側情報に対応する課金処理の種類を示す項目である。尚、課金処理には、走行距離に応じた走行料金が課金される有料道路の入口ゲートにて行なわれる“入口ゲート処理”と、該有料道路の出口ゲートにて行なわれる“出口ゲート処理”と、均一な走行料金が課金される有料道路のゲートにて行なわれる“均一処理”との三種類が存在する。
【0138】
「車載装置ID」とは、各路側情報に対応する課金処理を行った第一の車載装置10の車載装置IDを示す項目である。
【0139】
「カードID」とは、各路側情報に対応する課金処理に用いられたカードIDを示す項目である。
【0140】
(2)第一の車載装置10と携帯電話20との組み合わせ判定について
第四のETCシステム130では、第一〜第三実施形態と同様に、入口ゲート処理における第一の車載装置10と携帯電話20の組み合わせとは異なる組み合わせで出口ゲート処理が行われてしまうことを防ぐため、課金処理に先立ち、第一の車載装置10と携帯電話20との組み合わせについての判定が行われる。ここでは、課金処理に先立ち行われる、第一の車載装置10と携帯電話20との組み合わせについての判定について、図14に記載のシーケンス図を用いて説明する。
【0141】
自車両が一般道路を走行中に、携帯電話20が、第一の車載装置10との近距離無線通信が可能な所定の位置に配置され、これらの装置間で近距離無線通信が開始されると、携帯電話20の制御部25は、近距離無線通信により、第一の車載装置10に対してETC利用要求を送信する(S805)。そして、ETC利用要求を受信した第一の車載装置10では、制御部15は、記憶部17に記憶されている車載装置IDを携帯電話20に送信する(S810)。
【0142】
車載装置IDを受信した携帯電話20では、制御部25は、公衆通信部22を介して公衆回線網70にアクセスし、この車載装置IDと、記憶部26に記憶されているカードIDとを、情報センタサーバ60に送信する(S815)。
【0143】
車載装置IDとカードIDとを受信した情報センタサーバ60では、制御部63は、第一の車載装置10と携帯電話20との組み合わせについて判定する処理である第四の判定処理を実行する(S820)。そして、公衆通信部61を介して、判定結果を車載装置ID等の送信元の携帯電話20に送信する(S825)。
【0144】
情報センタサーバ60から判定結果を受信した携帯電話20の制御部25は、HMI23を介して、受信した判定結果をユーザに報知する(S830)。尚、制御部25は、受信した判定結果を、第一の車載装置10に送信しても良い。そして、判定結果を受信した第一の車載装置10の制御部15は、HMI16を介して、受信した判定結果をユーザに報知しても良い。
【0145】
そして、自車両が有料道路の入口ゲートに到達すると、第一の車載装置10及び携帯電話20と、路側機30との間で、課金処理(入口ゲート処理)が開始される(S835)。この入口ゲート処理において、第一の車載装置10は、DSRCにより路側機30と無線通信を行ない、SAM43により路側機30からの受信データのデコードを行なう。また、近距離無線通信を介して携帯電話20からカードID等を読み出し(S840)、このカードID等を用いて、周知の方法により、走行料金の課金のための処理を行なう。また、第一の車載装置10は、課金処理の際に、携帯電話20から読み出したカードIDと、自装置の車載装置IDとを路側機30に送信する(S845)。
【0146】
課金処理(入口ゲート処理)が終了すると(S850)、路側機30の制御部33は、この課金処理の種類を示すゲート情報を生成し、この課金処理にて受信した車載装置ID及びカードIDと、生成したゲート情報とを、公衆回線網70を介して情報センタサーバ60に送信する(S855)。
【0147】
車載装置ID等を受信した情報センタサーバ60の制御部65は、記憶部65に記憶されている路側情報リストに対し、終了した課金処理に対応する路側情報を追加する(S860)具体的には、カレンダー機能により特定した現在の年月日時を「年月日時」とし、路側機30から受信したゲート情報,車載装置ID,カードIDを、それぞれ、「ゲート情報」,「車載装置ID」,「カードID」とする路側情報を、路側情報リストに新たに追加する。
【0148】
有料道路の走行中に、ユーザにより、携帯電話20が上記所定の位置から移動させられると、携帯電話20と第一の車載装置10との間の近距離無線通信が途絶える。その後、携帯電話20が第一の車載装置10との近距離無線通信が可能な所定の位置に配置され、これらの装置間で近距離無線通信が開始されると、携帯電話20の制御部25は、第一の車載装置10に対してETC利用要求を送信する(S865)。そして、ETC利用要求を受信した第一の車載装置10の制御部15は、記憶部17に記憶されている車載装置IDを、携帯電話20に送信する(S870)。
【0149】
車載装置IDを受信した携帯電話20では、制御部25は、この車載装置IDと、記憶部26に記憶されているカードIDとを、情報センタサーバ60に送信する(S875)。車載装置IDとカードIDとを受信した情報センタサーバ60では、制御部63は、第四の判定処理を実行し(S880)、判定結果を車載装置ID等の送信元の携帯電話20に送信する(S885)。そして、情報センタサーバ60から判定結果を受信した携帯電話20の制御部25は、HMI23を介して、受信した判定結果をユーザに報知する(S890)。尚、制御部25は、受信した判定結果を、第一の車載装置10に送信しても良い。そして、判定結果を受信した第一の車載装置10の制御部15は、HMI16を介して、受信した判定結果をユーザに報知しても良い。
【0150】
そして、自車両が有料道路の出口ゲートに到達すると、第一の車載装置10及び携帯電話20と、路側機30との間で、課金処理(出口ゲート処理)が開始される(S895)。尚、この出口ゲート処理において、入口ゲート処理にて用いられた携帯電話20とは異なる携帯電話20が用いられている場合には、出口ゲートが閉鎖され、自車両は出口ゲートを通過することができない。
【0151】
(3)第四の判定処理について
次に、情報センタサーバ60が、携帯電話20からカードIDと車載装置IDとを受信した際に開始する処理である第四の判定処理について、図15に記載のフローチャートを用いて説明する。この第四の判定処理は、第一の車載装置10と携帯電話20の組み合わせが正常であるか否かを判定する処理である。
【0152】
S905では、情報センタサーバ60の制御部63は、記憶部65に記憶されている路側情報リストのうち、受信したカードIDと同一のカードIDを用いて行なわれた課金処理に対応する路側情報を特定する。そして、特定した路側情報のうち、最後に行なわれた課金処理に対応する路側情報をさらに特定する(S910)。
【0153】
続いてS915では、制御部63は、S910にて特定した路側情報の「ゲート情報」に基づき、最後に行なわれた課金処理の種類が入口ゲート処理であるか否かを判定する。そして、最後に行なわれた課金処理が入口ゲート処理である場合には(S915:Yes)、制御部63は、S920に処理を移行し、そうでない場合には(S915:No)、第一の車載装置10と携帯電話20の組み合わせは正常と判定し、本処理を終了する。
【0154】
S920では、制御部63は、最後の課金処理に用いられた第一の車載装置10の車載装置ID、つまり、S910にて特定した路側情報の「車載装置ID」と、携帯電話20からカードIDと共に受信した車載装置IDとが一致するか判定する。これらの車載装置IDが一致する場合は、制御部63は、第一の車載装置10と携帯電話20の組み合わせが正常であると判定し、一致しない場合は、第一の車載装置10と携帯電話20の組み合わせが異常であると判定する。そして、本処理を終了する。
【0155】
[効果]
第四実施形態における第四のETCシステム130では、情報センタサーバ60は、第一の車載装置10と携帯電話20とにより課金処理が行われると、路側機30から、この第一の車載装置10の車載装置IDや、この課金処理にて用いられたカードID等を受信する(S855)。そして、これらの情報に基づき、路側情報リストを更新する(S860)。また、情報センタサーバ60は、携帯電話20と第一の車載装置10との通信が開始されると、この携帯電話20から、通信相手である第一の車載装置10の車載装置IDと、カードIDとを受信する(S815,S875)。そして、携帯電話20から受信したカードID等に基づき、自身が記憶している路側情報リストの中から、この携帯電話20を用いて最後に行なわれた課金処理に対応する路側情報を特定し(S910)、この路側情報に基づき、最後の課金処理が入口ゲート処理であるか判定する(S915)。最後の課金処理が入口ゲート処理である場合には、さらに、上記路側情報に含まれている車載装置IDと、受信した車載装置IDとに基づき、第一の車載装置10と携帯電話20との組み合わせが正常であるか判定する(S920)。このとき、情報センタサーバ60は、これらの車載装置IDが一致しない場合には、第一の車載装置10と携帯電話20との組み合わせが異常であると判定する。そして、情報センタサーバ60は、判定結果を携帯電話20に送信し(S825,S885)、判定結果を受信した携帯電話20は、この判定結果をユーザに報知する(S830,S890)。したがって、第四のETCシステム130は、有料道路の入口ゲートにおける課金処理と出口ゲートにおける課金処理とで、異なる携帯電話20が使用されてしまうことを防ぐことが可能である。
【0156】
[他の実施形態]
(1)第一〜第四実施形態では、車載装置は、記憶部に記憶されている車載装置IDを、自装置を識別するための情報として用いているが、例えば、図示しない車内LAN等を介して取得した車両IDを、自装置を識別するための情報として用いても良い。このような構成を有する場合であっても、同様の効果を得ることができる。
【0157】
(2)また、第一,第三,第四実施形態では、第一の車載装置10と共に課金処理を行う装置として携帯電話20が用いられているが、この携帯電話20と同様の構成を有するPDA等を、携帯電話20に替えて用いても良い。このような構成を有する場合であっても、同様の効果を得ることができる。
【0158】
(3)また、第一実施形態における第一のETCシステム100には、第一の車載装置10と携帯電話20とが用いられているが、第二の車載装置40とICカード50とを用いて同様の処理を行っても良い。また、第二実施形態における第二のETCシステム110には、第二の車載装置40とICカード50とが用いられているが、第一の車載装置10と携帯電話20とを用いて同様の処理を行っても良い。このような構成を有する場合であっても、同様の効果を得ることができる。
【0159】
[特許請求の範囲との対応]
上記実施形態の説明で用いた用語と、特許請求の範囲の記載に用いた用語との対応を示す。
【0160】
カードIDが課金先特定情報に、車載装置IDがID情報にそれぞれ相当する。
【0161】
また、第一実施形態において、第一の車載装置10,携帯電話20,課金処理履歴情報が、それぞれ、請求項1に記載の車載装置,携帯装置,課金情報に相当する。
【0162】
また、第一の車載装置10における非接触通信I/F14,記憶部17が、請求項4に記載の車載装置側通信手段,ID情報記憶手段にそれぞれ相当する。また、制御部15が、請求項4に記載の車載装置側生成手段及び車載装置側情報通知手段に相当する。
【0163】
また、携帯電話20における非接触通信I/F24,制御部25及び記憶部26,制御部25が、それぞれ、請求項5に記載の携帯装置側通信手段,課金情報記憶制御手段,携帯装置側課金判定手段に相当する。
【0164】
また、第二実施形態において、第二の車載装置40,ICカード50,課金処理情報が、それぞれ、請求項6に記載の車載装置,携帯装置,課金情報に相当する。
【0165】
また、第二の車載装置40におけるICカードI/F44,記憶部47が、それぞれ、請求項9に記載の車載装置側通信手段,ID情報記憶手段に相当する。また、制御部45が、請求項9に記載の車載装置側生成手段,車載装置側情報通知手段,車載装置側課金判定手段にそれぞれ相当する。
【0166】
また、ICカード50におけるICカードI/F51,記憶部52及び制御部53,制御部53が、それぞれ、請求項10に記載の携帯装置側通信手段,課金情報記憶制御手段,課金情報通知手段に相当する。
【0167】
また、第三実施形態において、第一の車載装置10,携帯電話20,情報センタサーバ60,課金処理情報が、それぞれ、請求項11に記載の車載装置,携帯装置,情報センタ,課金情報に相当する。
【0168】
また、第一の車載装置10における非接触通信I/F14,記憶部17が、それぞれ、請求項14に記載の車載装置側通信手段,ID情報記憶手段に相当する。また、制御部15が、請求項14に記載の車載装置側生成手段,車載装置側情報通知手段にそれぞれ相当する。
【0169】
また、携帯電話20における非接触通信I/F24,制御部25及び記憶部26,公衆通信部22,制御部25が、それぞれ、請求項15に記載の携帯装置側通信手段,課金情報記憶制御手段,携帯装置側無線通信手段,携帯装置側情報送信手段に相当する。
【0170】
また、情報センタサーバ60における公衆通信部61が、請求項16における情報センタ側無線通信手段に相当し、制御部63が、請求項16における情報センタ側課金判定手段,判定結果送信手段にそれぞれ相当する。
【0171】
また、第四実施形態において、第一の車載装置10,携帯電話20,情報センタサーバ60が、それぞれ、請求項17に記載の車載装置,携帯装置,情報センタに相当する。
【0172】
また、第一の車載装置10におけるDSRC部12,非接触通信I/F14,記憶部17が、それぞれ、請求項20に記載の車載装置側無線通信手段,車載装置側通信手段,ID情報記憶手段に相当する。また、制御部15が、請求項20に記載の車載装置側情報通知手段,課金関連情報送信手段にそれぞれ相当する。
【0173】
また、路側機30におけるDSRC部32,公衆通信部35が、それぞれ、請求項21に記載の路側機側無線通信手段,路側機側通信手段に相当する。また、制御部33が、請求項21に記載の路側機側生成手段,路側機側情報送信手段にそれぞれ相当する。
【0174】
また、携帯電話20における非接触通信I/F24,公衆通信部22,制御部25が、それぞれ、請求項22に記載の携帯装置側通信手段,携帯装置側無線通信手段,携帯装置側情報送信手段に相当する。また、記憶部26が課金先特定情報記憶手段に相当する。
【0175】
また、情報センタサーバ60の公衆通信部61が、第一の情報センタ側通信手段,第二の情報センタ側通信手段にそれぞれ相当する。また、制御部63及び記憶部65,制御部63が、それぞれ、路側情報記憶制御手段,情報センタ側課金判定手段に相当する。
【符号の説明】
【0176】
10…第一の車載装置、11…無線アンテナ、12…DSRC部、13…SAM、14…非接触通信I/F、15…制御部、16…HMI、17…記憶部、20…携帯電話、21…無線アンテナ、22…公衆通信部、23…HMI、24…非接触通信I/F、25…制御部、26…記憶部、30…路側機、31…無線アンテナ、32…DSRC部、33…制御部、34…SAM、35…公衆通信部、40…第二の車載装置、41…無線アンテナ、42…DSRC部、43…SAM、44…ICカードI/F、45…制御部、46…HMI、47…記憶部、50…ICカード、51…ICカードI/F、52…記憶部、53…制御部、60…情報センタサーバ、61…公衆通信部、62…HMI、63…制御部、64…SAM、65…記憶部、70…公衆回線網、100…第一のETCシステム、110…第二のETCシステム、120…第三のETCシステム、130…第四のETCシステム。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有料道路のゲートに設置されている路側機と無線通信を行い、有料道路の走行料金についての課金処理を行う車載装置と、前記車載装置と通信可能な装置であって、該車載装置による前記課金処理に用いられる課金先特定情報を記憶している携帯装置とを有するETCシステムであって、
前記車載装置は、前記携帯装置に対して、自装置を識別するためのID情報を通知すると共に、前記課金処理を行うと、該携帯装置に対して、該課金処理の種類を識別するための情報であるゲート情報を通知し、
前記携帯装置は、
前記車載装置から前記ID情報と前記ゲート情報とを取得し、前記ゲート情報と、該ゲート情報の通知元である前記車載装置の前記ID情報とを課金情報として記憶し、
前記車載装置との通信が開始されると、該車載装置から前記ID情報を取得し、該ID情報と、最後に記憶した前記課金情報とに基づき、該車載装置が搭載されている車両が次に通過する前記ゲートにて行われる前記課金処理に関して、自装置と、該車載装置との組み合わせが正常であるか否かを判定すること、
を特徴とするETCシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のETCシステムにおいて、
前記携帯装置は、前記課金処理に関しての前記判定結果をユーザに報知すること、
を特徴とするETCシステム。
【請求項3】
請求項1に記載のETCシステムにおいて、
前記携帯装置は、前記課金処理に関しての前記判定結果を該車載装置に通知し、
前記車載装置は、前記携帯装置から取得した前記判定結果をユーザに報知すること、
を特徴とするETCシステム。
【請求項4】
請求項1に記載のETCシステムにおける前記車載装置であって、
前記車載装置は、
前記携帯装置と通信を行う車載装置側通信手段と、
前記ID情報を記憶しているID情報記憶手段と、
前記ゲート情報を生成する車載装置側生成手段と、
前記車載装置側ゲート情報生成手段が生成した前記ゲート情報を、前記車載装置側通信手段を介して前記携帯装置に通知すると共に、前記ID情報記憶手段に記憶されている前記ID情報を、前記車載装置側通信手段を介して前記携帯装置に通知する車載装置側情報通知手段と、
を備えること、
を特徴とする車載装置。
【請求項5】
請求項1に記載のETCシステムにおける前記携帯装置であって、
前記携帯装置は、
前記車載装置と通信を行う携帯装置側通信手段と、
前記携帯装置側通信手段を介して前記車載装置から前記ID情報と前記ゲート情報とを取得し、取得した前記ゲート情報と、該ゲート情報の通知元である前記車載装置の前記ID情報とを前記課金情報として記憶する課金情報記憶制御手段と、
前記携帯装置側通信手段を介して前記車載装置との通信が開始されると、該車載装置から前記ID情報を取得し、該ID情報と、前記課金情報記憶制御手段により最後に記憶された前記課金情報とに基づき、該車載装置が搭載されている車両が次に通過する前記ゲートにて行われる前記課金処理に関して、自装置と、該車載装置との組み合わせが正常であるか否かを判定する携帯装置側課金判定手段と、
を備えること、
を特徴とする携帯装置。
【請求項6】
有料道路のゲートに設置されている路側機と無線通信を行い、有料道路の走行料金についての課金処理を行う車載装置と、前記車載装置と通信可能な装置であって、該車載装置による前記課金処理に用いられる課金先特定情報を記憶している携帯装置とを有するETCシステムであって、
前記車載装置は、前記携帯装置に対して、自装置を識別するためのID情報を通知すると共に、前記課金処理を行うと、該携帯装置に対して、該課金処理の種類を識別するための情報であるゲート情報を通知し、
前記携帯装置は、
前記車載装置から前記ID情報と前記ゲート情報とを取得し、前記ゲート情報と、該ゲート情報の通知元である前記車載装置の前記ID情報とを課金情報として記憶し、
前記車載装置との通信が開始されると、最後に記憶した前記課金情報を該車載装置に通知し、
前記車載装置は、前記携帯装置から前記課金情報を取得すると、該課金情報と、自装置の前記ID情報とに基づき、自車両が次に通過する前記ゲートにて行われる前記課金処理に関して、自装置と、該携帯装置との組み合わせが正常であるか否かを判定すること、
を特徴とするETCシステム。
【請求項7】
請求項6に記載のETCシステムにおいて、
前記車載装置は、前記課金処理に関しての前記判定結果をユーザに報知すること、
を特徴とするETCシステム。
【請求項8】
請求項6に記載のETCシステムにおいて、
前記車載装置は、前記課金処理に関しての前記判定結果を該携帯装置に通知し、
前記携帯装置は、前記車載装置から取得した前記判定結果をユーザに報知すること、
を特徴とするETCシステム。
【請求項9】
請求項6に記載のETCシステムにおける車載装置であって、
前記車載装置は、
前記携帯装置と通信を行う車載装置側通信手段と、
前記ID情報を記憶しているID情報記憶手段と、
前記ゲート情報を生成する車載装置側生成手段と、
前記車載装置側生成手段が生成した前記ゲート情報を、前記車載装置側通信手段を介して前記携帯装置に通知すると共に、前記ID情報記憶手段に記憶されている前記ID情報を、前記車載装置側通信手段を介して前記携帯装置に通知する車載装置側情報通知手段と、
前記車載装置側通信手段を介して前記携帯装置から前記課金情報を取得すると、該課金情報と、前記ID情報記憶手段に記憶されている前記ID情報とに基づき、自車両が次に通過する前記ゲートにて行われる前記課金処理に関して、自装置と、該携帯装置との組み合わせが正常であるか否かを判定する車載装置側課金判定手段と、
を備えることを特徴とする車載装置。
【請求項10】
請求項6に記載のETCシステムにおける携帯装置であって、
前記携帯装置は、
前記車載装置と通信を行う携帯装置側通信手段と、
前記携帯装置側通信手段を介して前記車載装置から前記ID情報と前記ゲート情報とを取得し、取得した前記ゲート情報と、該ゲート情報の通知元である前記車載装置の前記ID情報とを前記課金情報として記憶する課金情報記憶制御手段と、
前記携帯装置側通信手段を介して前記車載装置との通信が開始されると、該車載装置に対して前記課金情報記憶制御手段により最後に記憶された前記課金情報を、前記携帯装置に通知する課金情報通知手段と、
を備えること、
を特徴とする携帯装置。
【請求項11】
有料道路のゲートに設置されている路側機と無線通信を行い、有料道路の走行料金についての課金処理を行う車載装置と、前記車載装置と通信が可能な装置であって、該車載装置による前記課金処理に用いられる課金先特定情報を記憶している携帯装置と、前記路側機と通信を行い、前記課金処理に対応する処理を行うと共に、前記携帯装置と無線通信を行うことが可能な情報センタとを有するETCシステムであって、
前記車載装置は、前記携帯装置に対して、自装置を識別するためのID情報を通知すると共に、前記課金処理を行うと、該携帯装置に対して、該課金処理の種類を識別するための情報であるゲート情報を通知し、
前記携帯装置は、
前記車載装置から前記ID情報と前記ゲート情報とを取得し、前記ゲート情報と、該ゲート情報の通知元である前記車載装置の前記ID情報とを課金情報として記憶し、
前記車載装置との通信が開始されると、該車載装置から前記ID情報を取得し、該ID情報と、最後に記憶した前記課金情報とを、前記情報センタに送信し、
前記情報センタは、前記携帯装置から受信した前記ID情報と前記課金情報とに基づき、該ID情報により特定される前記車載装置が搭載されている車両が次に通過する前記ゲートにて行われる前記課金処理に関して、該車載装置と、該携帯装置との組み合わせが正常であるか否かを判定し、該判定結果を該携帯装置に送信すること、
を特徴とするETCシステム。
【請求項12】
請求項11に記載のETCシステムにおいて、
前記携帯装置は、前記情報センタから、前記課金処理に関しての前記判定結果を受信し、該前記判定結果をユーザに報知すること、
を特徴とするETCシステム。
【請求項13】
請求項11に記載のETCシステムにおいて、
前記携帯装置は、前記情報センタから、前記課金処理に関しての前記判定結果を受信し、該前記判定結果を前記車載装置に通知し、
前記車載装置は、前記携帯装置から取得した前記判定結果をユーザに報知すること、
を特徴とするETCシステム。
【請求項14】
請求項11に記載のETCシステムにおける車載装置であって、
前記車載装置は、
前記携帯装置と通信を行う車載装置側通信手段と、
前記ID情報を記憶しているID情報記憶手段と、
前記ゲート情報を生成する車載装置側生成手段と、
前記車載装置側生成手段が生成した前記ゲート情報を、前記車載装置側通信手段を介して前記携帯装置に通知すると共に、前記ID情報記憶手段に記憶されている前記ID情報を、前記車載装置側通信手段を介して前記携帯装置に通知する車載装置側情報通知手段と、
を備えること、
を特徴とする車載装置。
【請求項15】
請求項11に記載のETCシステムにおける携帯装置であって、
前記携帯装置は、
前記車載装置と通信を行う携帯装置側通信手段と、
前記携帯装置側通信手段を介して前記車載装置から前記ID情報と前記ゲート情報とを取得し、取得した前記ゲート情報と、該ゲート情報の通知元である前記車載装置の前記ID情報とを前記課金情報として記憶する課金情報記憶制御手段と、
前記情報センタと無線通信を行う携帯装置側無線通信手段と、
前記携帯装置側通信手段を介して前記車載装置との通信が開始されると、該車載装置から前記ID情報を取得し、該ID情報と、前記課金情報記憶制御手段により最後に記憶された前記課金情報とを、前記携帯装置側無線通信手段を介して前記情報センタに送信する携帯装置側情報送信手段と、
を備えること、
を特徴とする携帯装置。
【請求項16】
請求項11に記載のETCシステムにおける情報センタであって、
前記情報センタは、
前記携帯装置と無線通信を行う情報センタ側無線通信手段と、
前記情報センタ側無線通信手段が前記携帯装置から受信した前記ID情報と前記課金情報とに基づき、該ID情報により特定される前記車載装置が搭載されている車両が次に通過する前記ゲートにて行われる前記課金処理に関して、該車載装置と、該携帯装置との組み合わせが正常であるか否かを判定する情報センタ側課金判定手段と、
前記情報センタ側課金判定手段による前記判定結果を、前記情報センタ側無線通信手段を介して、該判定に係る前記携帯装置に送信する判定結果送信手段と、
を備えること、
を特徴とする情報センタ。
【請求項17】
有料道路のゲートに設置されている路側機と無線通信を行い、有料道路の走行料金についての課金処理を行う車載装置と、前記車載装置と通信が可能な装置であって、該車載装置による前記課金処理に用いられる課金先特定情報を記憶している携帯装置と、前記路側機と、前記路側機と通信を行い、前記課金処理に対応する処理を行うと共に、前記携帯装置と無線通信を行うことが可能な情報センタとを有するETCシステムであって、
前記車載装置は、前記携帯装置に対して、自装置を識別するためのID情報を通知すると共に、前記課金処理において、前記携帯装置からの前記課金先特定情報の取得と、前記路側機に対しての、該課金先特定情報、及び、自装置を識別するための前記ID情報の送信とを行い、
前記路側機は、前記課金処理にて前記車載装置から受信した前記ID情報及び前記課金先特定情報と、該課金処理の種類を識別するための情報であるゲート情報とを前記情報センタに送信し、
前記携帯装置は、前記車載装置との通信が開始されると、該車載装置から前記ID情報を取得し、該ID情報と、前記課金先特定情報とを前記情報センタに送信し、
前記情報センタは、
前記路側機から受信した前記ID情報と、前記課金先特定情報と、前記ゲート情報とを、路側情報として記憶し、
前記路側情報と、前記携帯装置から受信した前記ID情報及び前記課金先特定情報とに基づき、該ID情報により特定される前記車載装置が搭載されている車両が次に通過する前記ゲートにて行われる前記課金処理に関して、該車載装置と、該携帯装置との組み合わせが正常であるか否かを判定し、該判定結果を該携帯装置に送信すること、
を特徴とするETCシステム。
【請求項18】
請求項17に記載のETCシステムにおいて、
前記携帯装置は、前記情報センタから、前記課金処理に関しての前記判定結果を受信し、該前記判定結果をユーザに報知すること、
を特徴とするETCシステム。
【請求項19】
請求項17に記載のETCシステムにおいて、
前記携帯装置は、前記情報センタから、前記課金処理に関しての前記判定結果を受信し、該前記判定結果を前記車載装置に通知し、
前記車載装置は、前記携帯装置から取得した前記判定結果をユーザに報知すること、
を特徴とするETCシステム。
【請求項20】
請求項17に記載のETCシステムにおける車載装置であって、
前記車載装置は、
前記路側機と無線通信を行う車載装置側無線通信手段と、
前記携帯装置と通信を行う車載装置側通信手段と、
前記ID情報を記憶しているID情報記憶手段と、
前記ID情報記憶手段に記憶されている前記ID情報を、前記車載装置側通信手段を介して前記携帯装置に通知する車載装置側情報通知手段と、
前記課金処理において、前記車載装置側通信手段を介して前記携帯装置から前記課金先特定情報を取得すると共に、該課金先特定情報と、前記ID情報記憶手段に記憶されている前記ID情報とを、前記車載装置側無線通信手段を介して前記路側機に送信する課金関連情報送信手段と、
を備えること、
を特徴とする車載装置。
【請求項21】
請求項17に記載のETCシステムにおける路側機であって、
前記路側機は、
前記車載装置と無線通信を行う路側機側無線通信手段と、
前記情報センタと通信を行う路側機側通信手段と、
前記ゲート情報を生成する路側機側生成手段と、
前記路側機側無線通信手段を介して前記車載装置から前記ID情報と前記課金先特定情報とを受信し、前記課金処理において、該ID情報と該課金先特定情報とを、前記路側機側生成手段により生成された該課金処理についての前記ゲート情報と共に、前記路側機側通信手段を介して前記情報センタに送信する路側機側情報送信手段と、
を備えること、
を特徴とする路側機。
【請求項22】
請求項17に記載のETCシステムにおける携帯装置であって、
前記携帯装置は、
前記車載装置と通信を行う携帯装置側通信手段と、
前記情報センタと無線通信を行う携帯装置側無線通信手段と、
前記課金先特定情報を記憶している課金先特定情報記憶手段と、
前記携帯装置側通信手段を介して前記車載装置との通信が開始されると、該車載装置から前記ID情報を取得し、該ID情報と、前記課金先特定情報記憶手段に記憶されている前記課金先特定情報とを、前記携帯装置側無線通信手段を介して前記情報センタに送信する携帯装置側情報送信手段と、
を備えること、
を特徴とする路側機。
【請求項23】
請求項17に記載のETCシステムにおける情報センタであって、
前記情報センタは、
前記路側機と通信を行う第一の情報センタ側通信手段と、
前記携帯装置と通信を行う第二の情報センタ側通信手段と、
前記路側機から、前記情報センタ側通信手段を介して受信した前記ID情報と、前記課金先特定情報と、前記ゲート情報とを、前記路側情報として記憶する路側情報記憶制御手段と、
前記情報センタ側無線通信手段が前記携帯装置から受信した前記ID情報及び前記課金先特定情報と、前記路側情報記憶制御手段により記憶された前記路側情報とに基づき、該ID情報により特定される前記車載装置が搭載されている車両が次に通過する前記ゲートにて行われる前記課金処理に関して、該車載装置と、該携帯装置との組み合わせが正常であるか否かを判定する情報センタ側課金判定手段と、
を備えること、
を特徴とする情報センタ。
【請求項24】
請求項1,請求項6,請求項11,請求項17のうちのいずれかに記載のETCシステムにおいて、
前記車載装置を識別するための前記ID情報とは、該車載装置が搭載されている車両の車両IDであること、
を特徴とするETCシステム。
【請求項1】
有料道路のゲートに設置されている路側機と無線通信を行い、有料道路の走行料金についての課金処理を行う車載装置と、前記車載装置と通信可能な装置であって、該車載装置による前記課金処理に用いられる課金先特定情報を記憶している携帯装置とを有するETCシステムであって、
前記車載装置は、前記携帯装置に対して、自装置を識別するためのID情報を通知すると共に、前記課金処理を行うと、該携帯装置に対して、該課金処理の種類を識別するための情報であるゲート情報を通知し、
前記携帯装置は、
前記車載装置から前記ID情報と前記ゲート情報とを取得し、前記ゲート情報と、該ゲート情報の通知元である前記車載装置の前記ID情報とを課金情報として記憶し、
前記車載装置との通信が開始されると、該車載装置から前記ID情報を取得し、該ID情報と、最後に記憶した前記課金情報とに基づき、該車載装置が搭載されている車両が次に通過する前記ゲートにて行われる前記課金処理に関して、自装置と、該車載装置との組み合わせが正常であるか否かを判定すること、
を特徴とするETCシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のETCシステムにおいて、
前記携帯装置は、前記課金処理に関しての前記判定結果をユーザに報知すること、
を特徴とするETCシステム。
【請求項3】
請求項1に記載のETCシステムにおいて、
前記携帯装置は、前記課金処理に関しての前記判定結果を該車載装置に通知し、
前記車載装置は、前記携帯装置から取得した前記判定結果をユーザに報知すること、
を特徴とするETCシステム。
【請求項4】
請求項1に記載のETCシステムにおける前記車載装置であって、
前記車載装置は、
前記携帯装置と通信を行う車載装置側通信手段と、
前記ID情報を記憶しているID情報記憶手段と、
前記ゲート情報を生成する車載装置側生成手段と、
前記車載装置側ゲート情報生成手段が生成した前記ゲート情報を、前記車載装置側通信手段を介して前記携帯装置に通知すると共に、前記ID情報記憶手段に記憶されている前記ID情報を、前記車載装置側通信手段を介して前記携帯装置に通知する車載装置側情報通知手段と、
を備えること、
を特徴とする車載装置。
【請求項5】
請求項1に記載のETCシステムにおける前記携帯装置であって、
前記携帯装置は、
前記車載装置と通信を行う携帯装置側通信手段と、
前記携帯装置側通信手段を介して前記車載装置から前記ID情報と前記ゲート情報とを取得し、取得した前記ゲート情報と、該ゲート情報の通知元である前記車載装置の前記ID情報とを前記課金情報として記憶する課金情報記憶制御手段と、
前記携帯装置側通信手段を介して前記車載装置との通信が開始されると、該車載装置から前記ID情報を取得し、該ID情報と、前記課金情報記憶制御手段により最後に記憶された前記課金情報とに基づき、該車載装置が搭載されている車両が次に通過する前記ゲートにて行われる前記課金処理に関して、自装置と、該車載装置との組み合わせが正常であるか否かを判定する携帯装置側課金判定手段と、
を備えること、
を特徴とする携帯装置。
【請求項6】
有料道路のゲートに設置されている路側機と無線通信を行い、有料道路の走行料金についての課金処理を行う車載装置と、前記車載装置と通信可能な装置であって、該車載装置による前記課金処理に用いられる課金先特定情報を記憶している携帯装置とを有するETCシステムであって、
前記車載装置は、前記携帯装置に対して、自装置を識別するためのID情報を通知すると共に、前記課金処理を行うと、該携帯装置に対して、該課金処理の種類を識別するための情報であるゲート情報を通知し、
前記携帯装置は、
前記車載装置から前記ID情報と前記ゲート情報とを取得し、前記ゲート情報と、該ゲート情報の通知元である前記車載装置の前記ID情報とを課金情報として記憶し、
前記車載装置との通信が開始されると、最後に記憶した前記課金情報を該車載装置に通知し、
前記車載装置は、前記携帯装置から前記課金情報を取得すると、該課金情報と、自装置の前記ID情報とに基づき、自車両が次に通過する前記ゲートにて行われる前記課金処理に関して、自装置と、該携帯装置との組み合わせが正常であるか否かを判定すること、
を特徴とするETCシステム。
【請求項7】
請求項6に記載のETCシステムにおいて、
前記車載装置は、前記課金処理に関しての前記判定結果をユーザに報知すること、
を特徴とするETCシステム。
【請求項8】
請求項6に記載のETCシステムにおいて、
前記車載装置は、前記課金処理に関しての前記判定結果を該携帯装置に通知し、
前記携帯装置は、前記車載装置から取得した前記判定結果をユーザに報知すること、
を特徴とするETCシステム。
【請求項9】
請求項6に記載のETCシステムにおける車載装置であって、
前記車載装置は、
前記携帯装置と通信を行う車載装置側通信手段と、
前記ID情報を記憶しているID情報記憶手段と、
前記ゲート情報を生成する車載装置側生成手段と、
前記車載装置側生成手段が生成した前記ゲート情報を、前記車載装置側通信手段を介して前記携帯装置に通知すると共に、前記ID情報記憶手段に記憶されている前記ID情報を、前記車載装置側通信手段を介して前記携帯装置に通知する車載装置側情報通知手段と、
前記車載装置側通信手段を介して前記携帯装置から前記課金情報を取得すると、該課金情報と、前記ID情報記憶手段に記憶されている前記ID情報とに基づき、自車両が次に通過する前記ゲートにて行われる前記課金処理に関して、自装置と、該携帯装置との組み合わせが正常であるか否かを判定する車載装置側課金判定手段と、
を備えることを特徴とする車載装置。
【請求項10】
請求項6に記載のETCシステムにおける携帯装置であって、
前記携帯装置は、
前記車載装置と通信を行う携帯装置側通信手段と、
前記携帯装置側通信手段を介して前記車載装置から前記ID情報と前記ゲート情報とを取得し、取得した前記ゲート情報と、該ゲート情報の通知元である前記車載装置の前記ID情報とを前記課金情報として記憶する課金情報記憶制御手段と、
前記携帯装置側通信手段を介して前記車載装置との通信が開始されると、該車載装置に対して前記課金情報記憶制御手段により最後に記憶された前記課金情報を、前記携帯装置に通知する課金情報通知手段と、
を備えること、
を特徴とする携帯装置。
【請求項11】
有料道路のゲートに設置されている路側機と無線通信を行い、有料道路の走行料金についての課金処理を行う車載装置と、前記車載装置と通信が可能な装置であって、該車載装置による前記課金処理に用いられる課金先特定情報を記憶している携帯装置と、前記路側機と通信を行い、前記課金処理に対応する処理を行うと共に、前記携帯装置と無線通信を行うことが可能な情報センタとを有するETCシステムであって、
前記車載装置は、前記携帯装置に対して、自装置を識別するためのID情報を通知すると共に、前記課金処理を行うと、該携帯装置に対して、該課金処理の種類を識別するための情報であるゲート情報を通知し、
前記携帯装置は、
前記車載装置から前記ID情報と前記ゲート情報とを取得し、前記ゲート情報と、該ゲート情報の通知元である前記車載装置の前記ID情報とを課金情報として記憶し、
前記車載装置との通信が開始されると、該車載装置から前記ID情報を取得し、該ID情報と、最後に記憶した前記課金情報とを、前記情報センタに送信し、
前記情報センタは、前記携帯装置から受信した前記ID情報と前記課金情報とに基づき、該ID情報により特定される前記車載装置が搭載されている車両が次に通過する前記ゲートにて行われる前記課金処理に関して、該車載装置と、該携帯装置との組み合わせが正常であるか否かを判定し、該判定結果を該携帯装置に送信すること、
を特徴とするETCシステム。
【請求項12】
請求項11に記載のETCシステムにおいて、
前記携帯装置は、前記情報センタから、前記課金処理に関しての前記判定結果を受信し、該前記判定結果をユーザに報知すること、
を特徴とするETCシステム。
【請求項13】
請求項11に記載のETCシステムにおいて、
前記携帯装置は、前記情報センタから、前記課金処理に関しての前記判定結果を受信し、該前記判定結果を前記車載装置に通知し、
前記車載装置は、前記携帯装置から取得した前記判定結果をユーザに報知すること、
を特徴とするETCシステム。
【請求項14】
請求項11に記載のETCシステムにおける車載装置であって、
前記車載装置は、
前記携帯装置と通信を行う車載装置側通信手段と、
前記ID情報を記憶しているID情報記憶手段と、
前記ゲート情報を生成する車載装置側生成手段と、
前記車載装置側生成手段が生成した前記ゲート情報を、前記車載装置側通信手段を介して前記携帯装置に通知すると共に、前記ID情報記憶手段に記憶されている前記ID情報を、前記車載装置側通信手段を介して前記携帯装置に通知する車載装置側情報通知手段と、
を備えること、
を特徴とする車載装置。
【請求項15】
請求項11に記載のETCシステムにおける携帯装置であって、
前記携帯装置は、
前記車載装置と通信を行う携帯装置側通信手段と、
前記携帯装置側通信手段を介して前記車載装置から前記ID情報と前記ゲート情報とを取得し、取得した前記ゲート情報と、該ゲート情報の通知元である前記車載装置の前記ID情報とを前記課金情報として記憶する課金情報記憶制御手段と、
前記情報センタと無線通信を行う携帯装置側無線通信手段と、
前記携帯装置側通信手段を介して前記車載装置との通信が開始されると、該車載装置から前記ID情報を取得し、該ID情報と、前記課金情報記憶制御手段により最後に記憶された前記課金情報とを、前記携帯装置側無線通信手段を介して前記情報センタに送信する携帯装置側情報送信手段と、
を備えること、
を特徴とする携帯装置。
【請求項16】
請求項11に記載のETCシステムにおける情報センタであって、
前記情報センタは、
前記携帯装置と無線通信を行う情報センタ側無線通信手段と、
前記情報センタ側無線通信手段が前記携帯装置から受信した前記ID情報と前記課金情報とに基づき、該ID情報により特定される前記車載装置が搭載されている車両が次に通過する前記ゲートにて行われる前記課金処理に関して、該車載装置と、該携帯装置との組み合わせが正常であるか否かを判定する情報センタ側課金判定手段と、
前記情報センタ側課金判定手段による前記判定結果を、前記情報センタ側無線通信手段を介して、該判定に係る前記携帯装置に送信する判定結果送信手段と、
を備えること、
を特徴とする情報センタ。
【請求項17】
有料道路のゲートに設置されている路側機と無線通信を行い、有料道路の走行料金についての課金処理を行う車載装置と、前記車載装置と通信が可能な装置であって、該車載装置による前記課金処理に用いられる課金先特定情報を記憶している携帯装置と、前記路側機と、前記路側機と通信を行い、前記課金処理に対応する処理を行うと共に、前記携帯装置と無線通信を行うことが可能な情報センタとを有するETCシステムであって、
前記車載装置は、前記携帯装置に対して、自装置を識別するためのID情報を通知すると共に、前記課金処理において、前記携帯装置からの前記課金先特定情報の取得と、前記路側機に対しての、該課金先特定情報、及び、自装置を識別するための前記ID情報の送信とを行い、
前記路側機は、前記課金処理にて前記車載装置から受信した前記ID情報及び前記課金先特定情報と、該課金処理の種類を識別するための情報であるゲート情報とを前記情報センタに送信し、
前記携帯装置は、前記車載装置との通信が開始されると、該車載装置から前記ID情報を取得し、該ID情報と、前記課金先特定情報とを前記情報センタに送信し、
前記情報センタは、
前記路側機から受信した前記ID情報と、前記課金先特定情報と、前記ゲート情報とを、路側情報として記憶し、
前記路側情報と、前記携帯装置から受信した前記ID情報及び前記課金先特定情報とに基づき、該ID情報により特定される前記車載装置が搭載されている車両が次に通過する前記ゲートにて行われる前記課金処理に関して、該車載装置と、該携帯装置との組み合わせが正常であるか否かを判定し、該判定結果を該携帯装置に送信すること、
を特徴とするETCシステム。
【請求項18】
請求項17に記載のETCシステムにおいて、
前記携帯装置は、前記情報センタから、前記課金処理に関しての前記判定結果を受信し、該前記判定結果をユーザに報知すること、
を特徴とするETCシステム。
【請求項19】
請求項17に記載のETCシステムにおいて、
前記携帯装置は、前記情報センタから、前記課金処理に関しての前記判定結果を受信し、該前記判定結果を前記車載装置に通知し、
前記車載装置は、前記携帯装置から取得した前記判定結果をユーザに報知すること、
を特徴とするETCシステム。
【請求項20】
請求項17に記載のETCシステムにおける車載装置であって、
前記車載装置は、
前記路側機と無線通信を行う車載装置側無線通信手段と、
前記携帯装置と通信を行う車載装置側通信手段と、
前記ID情報を記憶しているID情報記憶手段と、
前記ID情報記憶手段に記憶されている前記ID情報を、前記車載装置側通信手段を介して前記携帯装置に通知する車載装置側情報通知手段と、
前記課金処理において、前記車載装置側通信手段を介して前記携帯装置から前記課金先特定情報を取得すると共に、該課金先特定情報と、前記ID情報記憶手段に記憶されている前記ID情報とを、前記車載装置側無線通信手段を介して前記路側機に送信する課金関連情報送信手段と、
を備えること、
を特徴とする車載装置。
【請求項21】
請求項17に記載のETCシステムにおける路側機であって、
前記路側機は、
前記車載装置と無線通信を行う路側機側無線通信手段と、
前記情報センタと通信を行う路側機側通信手段と、
前記ゲート情報を生成する路側機側生成手段と、
前記路側機側無線通信手段を介して前記車載装置から前記ID情報と前記課金先特定情報とを受信し、前記課金処理において、該ID情報と該課金先特定情報とを、前記路側機側生成手段により生成された該課金処理についての前記ゲート情報と共に、前記路側機側通信手段を介して前記情報センタに送信する路側機側情報送信手段と、
を備えること、
を特徴とする路側機。
【請求項22】
請求項17に記載のETCシステムにおける携帯装置であって、
前記携帯装置は、
前記車載装置と通信を行う携帯装置側通信手段と、
前記情報センタと無線通信を行う携帯装置側無線通信手段と、
前記課金先特定情報を記憶している課金先特定情報記憶手段と、
前記携帯装置側通信手段を介して前記車載装置との通信が開始されると、該車載装置から前記ID情報を取得し、該ID情報と、前記課金先特定情報記憶手段に記憶されている前記課金先特定情報とを、前記携帯装置側無線通信手段を介して前記情報センタに送信する携帯装置側情報送信手段と、
を備えること、
を特徴とする路側機。
【請求項23】
請求項17に記載のETCシステムにおける情報センタであって、
前記情報センタは、
前記路側機と通信を行う第一の情報センタ側通信手段と、
前記携帯装置と通信を行う第二の情報センタ側通信手段と、
前記路側機から、前記情報センタ側通信手段を介して受信した前記ID情報と、前記課金先特定情報と、前記ゲート情報とを、前記路側情報として記憶する路側情報記憶制御手段と、
前記情報センタ側無線通信手段が前記携帯装置から受信した前記ID情報及び前記課金先特定情報と、前記路側情報記憶制御手段により記憶された前記路側情報とに基づき、該ID情報により特定される前記車載装置が搭載されている車両が次に通過する前記ゲートにて行われる前記課金処理に関して、該車載装置と、該携帯装置との組み合わせが正常であるか否かを判定する情報センタ側課金判定手段と、
を備えること、
を特徴とする情報センタ。
【請求項24】
請求項1,請求項6,請求項11,請求項17のうちのいずれかに記載のETCシステムにおいて、
前記車載装置を識別するための前記ID情報とは、該車載装置が搭載されている車両の車両IDであること、
を特徴とするETCシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2010−157185(P2010−157185A)
【公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−356(P2009−356)
【出願日】平成21年1月5日(2009.1.5)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年1月5日(2009.1.5)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
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