説明

FADシンテターゼをアッセイする方法

本発明は、フラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)シンテターゼの活性を決定する方法、およびこの酵素の活性を調節する化合物を同定する方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
発明の分野
本発明は、フラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)シンテターゼの活性を決定する方法、およびこの酵素の活性を調節する化合物を同定する方法に関する。
【0002】
背景
FADシンテターゼは、多くの酵素に必須の補因子である、補因子フラビンモノヌクレオチド(FMN)およびフラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)の生合成において、最後の工程を触媒する。
【0003】
細菌におけるFADシンテターゼは、2つの酵素活性を持つ、二機能性タンパク質である。一方の酵素活性、フラボキナーゼ(FK)活性は、FMNを生じる、リボフラビン(rfl)のリン酸化である。もう一方の酵素活性、FADシンテターゼ(FADS)活性は、FADを生じる、FMNのアデニル化である。この生合成経路は、多くの病原性細菌種に存在すると予測されてきており、そしてFKおよびFADSのどちらの酵素工程も、細菌生存性に必須であると予測される(Gerdesら,J.Bacteriol.,184:4555−4572,2002)。
【0004】
FADシンテターゼ酵素活性を調べる研究が、枯草菌(Bacillus subtilis)(Kearneyら,J.Biol.Chem.,254:9551−9557,1997)およびコリネバクテリウム・アンモニアゲネス(Corynebacterium ammoniagenes)(Spencerら,Biochemistry,15:1043−1053,1976)を含む、いくつかの細菌に対して行われてきている。FADシンテターゼは、枯草菌およびコリネバクテリウム・アンモニアゲネス両方のin vitro実験において、FK活性およびFADS活性のため、ATPを用いることが示された。しかし、FADシンテターゼ酵素活性は、フラビン基質が特定の酸化還元状態にあることを必要とする。例えば、枯草菌は、in vitroで、FK活性およびFADS活性のため、還元フラビンを必要とすることが示された。対照的に、コリネバクテリウム・アンモニアゲネス由来のFADシンテターゼ酵素は、添加される還元剤の非存在下で、RflからFMNの形成、およびFMNからFADの形成を触媒すると報告されてきており、そしてしたがって、基質として酸化フラビンを用いる。
【0005】
発明の概要
FADシンテターゼは、2つの酵素活性:(1)FMNを生じる、リボフラビンのリン酸化である、フラボキナーゼ(FK)活性、および(2)FADを生じる、FMNのアデニル化、またはこの反応の逆の、FADからFMNへの脱アデニル化である、FADシンテターゼ(FADS)活性、を有する二機能性タンパク質である。本発明は、部分的に、病原性種、ブドウ球菌属(Staphyloccus)、連鎖球菌属(Streptococcus)、またはサルモネラ属(Salmonella)由来の細菌FADシンテターゼが、この酵素活性のため、還元基質を必要とするという発見に基づく。さらに、サルモネラ属由来の細菌FKが、その活性のため、還元リボフラビンを必要とすることも見出された。
【0006】
本発明はまた、試験化合物の存在下で、FMNまたはFADの形成または枯渇を決定することによって、FADS活性の調節剤を同定する方法も含む。さらに、試験化合物の存在下でFMN形成に関してアッセイすることによって、FK活性の調節剤を決定することも可能である。本発明は、ハイスループットスクリーニング(HTS)を用いて、関心対象の化合物を同定するのに特に適している。
【0007】
したがって、1つの側面において、本発明は、細菌シンテターゼの活性を決定するための方法を含む。該方法は、ブドウ球菌属、連鎖球菌属、サルモネラ属からなる群より選択される細菌FADシンテターゼ、またはその機能性断片と、該FADシンテターゼの還元基質を接触させ;そして細菌FADシンテターゼの活性を決定することを含む。還元基質は、リボフラビン、FMNまたはFADであることも可能である。
【0008】
別の側面において、本発明は、特にFADSまたは細菌フラボキナーゼ(FK)の活性を決定するための方法を含む。例えば、該方法は、ブドウ球菌属、連鎖球菌属、サルモネラ属からなる群より選択される細菌FK、またはその機能性断片を、還元リボフラビンと接触させ;そして細菌FKの活性を決定することを含む。
【0009】
さらに別の側面において、本発明は、細菌フラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)シンテターゼ活性を調節可能な化合物を同定するための方法を含む。該方法は、ブドウ球菌属、連鎖球菌属、サルモネラ属からなる群より選択される細菌FADシンテターゼ、またはその機能性断片と、細菌FADシンテターゼの還元基質および試験化合物を接触させ;そして細菌FADシンテターゼの活性を決定することを含み、ここで、対照と比較した、化合物の存在下での活性の増加または減少は、該化合物がFADシンテターゼ活性を調節する指標となる。
【0010】
さらに別の側面において、本発明は、細菌FADSまたはFKを調節可能な化合物を同定するための方法を含む。例えば、該方法は、サルモネラ属の細菌FKまたはその機能性断片を、還元リボフラビンと共に試験化合物と接触させ;そして細菌FKの活性を決定することを含み、ここで、対照と比較した、化合物の存在下での活性の増加または減少は、該化合物がFK活性を調節する指標となる。
【0011】
上述のスクリーニング法において、ブドウ球菌属は黄色ブドウ球菌(S.aureus)であることも可能であり;連鎖球菌属は肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)であることも可能であり、そしてサルモネラ属はネズミチフス菌(S.typhimurium)であることも可能である。本発明の方法で用いる試験化合物は、ペプチド、ペプチド擬似体、小分子、または他の薬剤などの化合物であることも可能である。
【0012】
詳細な説明
本発明は、部分的に、新規抗細菌薬剤を同定するための方法を提供する。本発明は、特定の病原体由来のFADシンテターゼの酵素活性が、還元基質を必要とするという発見に基づく。本発明は、FADシンテターゼの酵素活性を決定するための方法、およびその活性を増加させるかまたは減少させる調節剤を同定するための方法を提供する。関心対象の病原体には、腸内細菌科(Enterobacteriaceae)由来の種(ネズミチフス菌など)、ブドウ球菌属種(黄色ブドウ球菌、表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermidis)、スタフィロコッカス・ヘモリティクス(Staphylococcus haemolyticus)、およびスタフィロコッカス・サプロフィティクス(Staphylococcus saprophyticus)など)、および連鎖球菌属種(肺炎連鎖球菌、ストレプトコッカス・ミュータンス(Streptococcus mutans)、および化膿連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)など)が含まれる。
【0013】
FADシンテターゼ
多様な細菌種由来のFADシンテターゼをコードする核酸が当該技術分野で知られている。例えば、ネズミチフス菌由来のFADシンテターゼをコードする核酸配列が、GenBankにおいてAE008695のもとに入手可能であり;黄色ブドウ球菌由来のFADシンテターゼをコードする核酸配列が、GenBankにおいてNC_002758のもとに入手可能であり;そして肺炎連鎖球菌由来のFADシンテターゼをコードする核酸配列が、GenBankにおいてAE008474のもとに入手可能である。
【0014】
細菌属のブドウ球菌属、連鎖球菌属、またはサルモネラ属由来のFADシンテターゼは、当該技術分野に周知の方法を用いて、容易に入手可能である。例えば、ネズミチフス菌由来のFADシンテターゼを用いて、同じ綱または他の細菌種から、FADシンテターゼの相同体をコードするcDNAおよび遺伝子を単離することも可能である。方法の例には、限定されるわけではないが、核酸ハイブリダイゼーションの方法、ならびに核酸増幅技術(例えばポリメラーゼ連鎖反応(PCR)またはリガーゼ連鎖反応)の多様な使用によって例示されるようなDNAおよびRNA増幅法が含まれる。
【0015】
例えば、当業者に周知の方法論を使用して、所望の細菌いずれか由来のライブラリーをスクリーニングするDNAハイブリダイゼーションプローブとして、ネズミチフス菌由来の核酸のすべてまたは一部を用いることによって、cDNAまたはゲノムDNAとしてのFADシンテターゼを直接単離することも可能である。ネズミチフス菌のFAD核酸配列に基づく特異的オリゴヌクレオチドプローブを設計して、そして合成することも可能である。さらに、全配列を直接用いて、ランダムプライマー、DNA標識、ニックトランスレーション、または末端標識技術などの、当業者に知られる方法によって、DNAプローブを合成することも可能である。さらに、特異的プライマーを設計し、そして用いて、本配列の一部または全長を増幅することも可能である。増幅反応中に、生じた増幅産物を直接標識するか、または増幅反応後に標識し、そして適切なストリンジェンシー条件下で、全長cDNAまたはゲノム断片を単離するプローブとして用いることも可能である。これらの断片を配列決定することによって、cDNAまたはゲノム断片の配列を得ることも可能である。既知の遺伝子配列に対する相同性に基づいて、未知の遺伝子を配列決定し、そして性質決定するための方法が、当該技術分野に周知である(例えばSambrookら, Molecular Cloning: A Laboratory Manual, CSH Press 1989を参照されたい)。
【0016】
FADシンテターゼの変異体および機能性断片
FADシンテターゼの変異体には、FADシンテターゼの生物学的活性(例えばFK活性および/またはFADS活性)を実質的に保持する変異体が含まれる。典型的には、変異体は、野生型FADシンテターゼの活性の70%を超える活性、例えば野生型FADシンテターゼの活性の75%、80%、85%、90%、95%、または99%の活性を保持する。当該技術分野に周知の方法を用いて、変異体の活性をアッセイすることも可能である。変異体には、天然アレル変異または突然変異誘発のため、アミノ酸配列が異なるポリペプチドが含まれる。1つの例において、機能性変異体は、典型的には、保存的変異(conservative variation)、あるいは重要でない残基におけるかまたは重要でない領域における変異のみを含有する。「保存的アミノ酸置換」は、アミノ酸残基が類似の側鎖を有するアミノ酸残基で置換されているものである。類似の側鎖を有するアミノ酸残基のファミリーが、当該技術分野で定義されてきている。これらのファミリーには、塩基性側鎖を持つアミノ酸(例えばリシン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖を持つアミノ酸(例えばアスパラギン酸、グルタミン酸)、非荷電極性側鎖を持つアミノ酸(例えばグリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、スレオニン、チロシン、システイン)、非極性側鎖を持つアミノ酸(例えばアラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン)、ベータ分岐側鎖を持つアミノ酸(例えばスレオニン、バリン、イソロイシン)、および芳香族側鎖を持つアミノ酸(例えばチロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)が含まれる。
【0017】
FADシンテターゼは、FK活性およびFADS活性を有する二機能性分子であるため、本発明の方法において、これらの活性を有するFADシンテターゼの機能性断片を用いることも可能である。機能性断片によって、FK活性またはFADS活性を有するFADシンテターゼの断片または変異体を意味する。典型的には、FK断片またはFADS断片は、野生型FADシンテターゼの活性の70%を超える活性、例えば野生型FADシンテターゼの活性の75%、80%、85%、90%、95%、または99%の活性を保持する。
【0018】
一般的に、FADS活性は、FADシンテターゼのN末端ドメイン中に存し、そしてFK活性は、FADシンテターゼのC末端ドメイン中に存する(Krupaら,(2001)Trends Biochem.Sci.,10:1712−1728)。例えば、大腸菌(E. coli)において、タンパク質のN末端におけるFADシンテターゼ・アミノ酸突然変異は、FADS活性を非常に減少させ、一方、タンパク質のC末端における突然変異は、FK活性を減少させることが示されている(米国特許第5514574号を参照されたい)。さらに、細菌サーモトガ・マリティマ(Thermotoga maritima)(GenBank ID AAD35939)由来のFADシンテターゼのX線結晶構造によって、アデニリルトランスフェラーゼに構造的に相同なN末端ドメイン、およびフラビン結合性タンパク質に構造的に相同なC末端ドメインを持つ、2ドメイン構造が明らかになった(Wangら,(2003)Proteins,52:633−635)。
【0019】
日常的なコンピュータ化相同性検索法を用いて、FADSドメインまたはFKドメインを同定することも可能である。例えば、相同性研究を用いて、FK活性を有するタンパク質断片またはFADS活性を有する断片の設計のためのドメイン境界を予測することも可能である。多様な既知のアルゴリズムが公的に開示されており、そして検索手段を行うための多様な商業的に入手可能なソフトウェアを用いることも可能である。ソフトウェアの例には、MacPattern(EMBL)、BLASTNおよびBLASTX(NCBIA)が含まれる。例えば、Sybaseシステム上のBLAST(Altschulら(1990)J.Mol.Biol.215:403−410)およびBLAZE(Brutlagら(1993)Comp.Chem.17:203−207)検索アルゴリズムを実行するソフトウェアを用いて、既知のFKドメインまたはFADSドメインに相同なFKドメインまたはFADSドメインを同定することも可能である。1つの例において、NBLASTプログラム、スコア=100、ワード長=12で、BLASTヌクレオチド検索を行って、FADSドメインまたはFKドメインに相同なヌクレオチド配列を得ることも可能である。XBLASTプログラム、スコア=50、ワード長=3で、BLASTタンパク質検索を行って、FADSドメインまたはFKドメインに相同なアミノ酸配列を得ることも可能である。比較目的のためにギャップ化配列(gapped alignment)を得るため、Altschulら(1997)Nucleic Acids Res.25(17):3389−3402に記載されるように、ギャップ化BLASTを利用することも可能である。BLASTおよびギャップ化BLASTプログラムを利用する場合、それぞれのプログラム(例えばXBLASTおよびNBLAST)のデフォルトパラメータを用いてもよい。http://www.ncbi.nlm.nih.govを参照されたい。
【0020】
1つの例において、サーモトガ・マリティマFADS構造と比較することによって、黄色ブドウ球菌におけるFADSドメインを同定することも可能である(Wangら(2003)Proteins 52:633−635)。例えば、サーモトガ・マリティマのN末端ドメイン、残基Val2〜Ser136を用いて、黄色ブドウ球菌酵素のFADSドメイン境界を予測することも可能である。N末端ドメインを黄色ブドウ球菌酵素の配列と比較することによって、黄色ブドウ球菌のアミノ酸Met1〜ほぼSer148までのタンパク質がFADS活性を有すると予測され、そしてアミノ酸Ser148〜Ile323がFK活性を有すると予測される。
【0021】
次いで、変異体または予測されるポリペプチドを、活性に関して容易に試験することも可能である。簡潔には、その内容が本明細書に援用される、Efimovら(1998)Biochemistry 37:9716−9723に記載されるように、FMNからのFADの形成を触媒する能力に関して、FADS活性を有すると予測されるポリペプチド断片を試験することも可能であるし、そしてその内容が本明細書に援用される、Efimovら(1998)Biochemistry 37:9716−9723における、リボフラビンからのFMNの形成を触媒する能力に関して、FK活性を有すると予測されるポリペプチド断片を試験することも可能である。
【0022】
FADシンテターゼタンパク質
本発明の方法で用いる、FADシンテターゼタンパク質、またはFADS活性を有する断片を、関心対象の細菌種から単離することも可能である。FADシンテターゼを単離する方法が当該技術分野に知られ、例えば、その内容が本明細書に援用される、Efimovら(1998)Biochemistry 37:9716−9723を参照されたい。あるいは、FADシンテターゼまたはその機能性断片を、組換え的に産生することも可能である。FADSを組換え的に産生する場合、FADシンテターゼを適切な発現ベクター内にクローニングすることも可能である。典型的には、組換え発現ベクターには、発現に用いようとする宿主細胞に基づいて選択される、1以上の制御配列が含まれる。制御配列は、発現されるべきFADシンテターゼ核酸配列に、機能可能であるように連結される。「機能可能であるように連結される」は、(例えばin vitro転写/翻訳系において、またはベクターが宿主細胞に導入される場合、宿主細胞において)FADシンテターゼ核酸配列の発現を可能にする方式で、FADシンテターゼ核酸配列が、制御配列(単数または複数)に連結されることを意味すると意図される。用語「制御配列」は、プロモーター、エンハンサーおよび他の発現調節要素(例えばポリアデニル化シグナル)を含むよう意図される。こうした制御配列は、例えば、Goeddel(1990)Methods Enzymol.185:3−7に記載される。
【0023】
次いで、発現ベクターを関心対象の宿主細胞に導入することも可能である。例えば、宿主細胞は、原核細胞または真核細胞であることも可能である。例えば、FADS活性を有する機能性断片を、大腸菌などの細菌細胞、昆虫細胞、酵母または哺乳動物細胞において発現させることも可能である。他の適切な宿主細胞が当業者に知られる。慣用的な形質転換またはトランスフェクション技術を介して、宿主細胞に発現ベクターを導入することも可能である。本明細書において、用語「形質転換」および「トランスフェクション」は、外来(foreign)核酸(例えばDNA)を宿主細胞に導入するための、当該技術分野に認められる多様な技術を指すよう意図され、こうした技術には、リン酸カルシウムまたは塩化カルシウム共沈、DEAE−デキストラン仲介トランスフェクション、リポフェクション、またはエレクトロポレーションが含まれる。宿主細胞を形質転換するかまたはトランスフェクションするのに適した方法が、Sambrookら(Molecular Cloning: A Laboratory Manual.第2版,Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor Laboratory Press,ニューヨーク州コールドスプリングハーバー,1989)、および他の実験室マニュアルに見出されうる。
【0024】
還元基質
本発明の方法は、FADS活性のため還元フラビン基質を、またはFK活性のため還元リボフラビンを提供することを必要とする。
【0025】
還元フラビンを提供するため、酸化フラビンの溶液に、還元剤を添加して、フラビンをその還元型に変換することも可能である。還元剤は、酵素系、例えば細菌ビブリオ・ハーベイ(Vibrio harveyi)由来のニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸NAD(P)H依存性酸化還元酵素(Tu,Antiox.Redox.Signal.,3:881−897,2001)などの酸化還元酵素タンパク質およびニコチンアミド基質であることも可能である。あるいは、還元剤は、亜ジチオン酸ナトリウム、限定されるわけではないが、水素化ホウ素ナトリウムなどの水素化ホウ素などの化学薬品、または限定されるわけではないがパラジウムなどの触媒の存在下の水素であることも可能である(Ghisla,Methods Enzymol.,66:361−373,1980)。当業者は、適切な還元性化学薬品を容易に同定可能である。
【0026】
FADS活性に関して基質を生成する能力に関して、還元剤の有効性を試験することも可能である。例えば、こうした実験を行うため、試験還元剤、25mM Tris・HCl pH7.5、ATP、リボフラビン、およびFADシンテターゼの存在下で、反応を25℃で行う。15分間インキュベーションした後、反応を停止し、そして分析して、例えば産生されたFADの量を定量化する。
【0027】
FADシンテターゼ活性またはFK活性の測定
in vitro反応における基質(例えばリボフラビン、ATP、またはFMN)代謝回転の量または産物形成(例えばADP、FMN、PPi、またはFAD)の量を定量化することによって、FADシンテターゼ酵素活性、すなわちFADS活性またはFK活性を測定することも可能である。こうした方法は、当該技術分野に知られる。例えば、クロマトグラフィー分離と同時に、各個々のフラビンを吸光度または蛍光で検出することによって、基質枯渇および/または産生を直接測定することも可能である。さらに、代謝回転のためFMNまたはFADを必要とする酵素に共役させることによって、FMNおよびFADを測定することも可能である。
【0028】
簡潔には、1つの例において、FADS活性を決定するため、正反応を分析することによって、枯渇するFMNの量または産生されるFADの量を決定することも可能である。この例では、FMNの添加によって、FADS反応を開始することにより、in vitro酵素反応を行うことも可能である。反応を停止した後、陰イオン交換高性能液体クロマトグラフィーによって、枯渇したFMNの量または産生されたFADの量を定量化することも可能である(その内容が本明細書に援用される、Entschら(1983)Anal.Biochem.13:401−408)。
【0029】
あるいは、FADSが、FADからのFMN形成を触媒する逆反応を決定することも可能である。簡潔には、この例では、FADの添加によって、FADS反応を開始することにより、in vitro酵素反応を行うことも可能である。反応を停止した後、陰イオン交換高性能液体クロマトグラフィーによって、枯渇したFADの量または産生されたFMNの量を定量化することも可能である(Entschら(1983)Anal.Biochem.13:401−408)。
【0030】
別の例において、FMNまたはFADを必要とする酵素に共役させることによって、FMNおよびFADを測定することも可能である。FMN共役酵素の例は、ビブリオ・フィシェリ(Vibrio fischeri)・ルシフェラーゼ(Stanley(1971)Anal.Biochem.39:441−453)である。ビブリオ・フィシェリ・ルシフェラーゼを用いて、産生される発光の量によって、ルシフェラーゼ活性を定量化する。FAD共役酵素の例は、アポ−D−アミノ酸オキシダーゼである(Hinkkanen(1983)Anal.Biochem.132:202−208)。産生される過酸化水素の量によって、アポ−D−アミノ酸オキシダーゼの活性を定量化することも可能である。
【0031】
FK活性に関しては、枯渇したリボフラビンの量または産生されたFMNの量を決定することも可能である。この例では、リボフラビンの添加によって、FK反応を開始することにより、in vitro酵素反応を行うことも可能である。反応を停止した後、陰イオン交換高性能液体クロマトグラフィーによって、枯渇したリボフラビンの量または産生されたFMNの量を定量化することも可能である(Entschら(1983)Anal.Biochem.13:401−408)。
【0032】
あるいは、基質ATPの枯渇の決定、または産物ADPおよびピロリン酸の産生の決定を用いて、FADシンテターゼ酵素活性を決定することも可能である。FK反応に関しては、陰イオン交換高性能液体クロマトグラフィーによって、枯渇したATPの量または産生されたADPの量を決定することも可能である。FK反応に関しては、ピルビン酸キナーゼ、および消費されたNADHの量によって乳酸デヒドロゲナーゼ活性が定量化される乳酸デヒドロゲナーゼなどの、代謝回転にADPを必要とする酵素系に共役させることによって、産生されたADPの量を決定することも可能である(Jaworekら(1985)Methods of Enzymatic Analysis(Bergmeyer,H.U.監修)第3版中,7:365−369)。FADS反応に関しては、ピロホスファターゼ酵素を添加することによって産生されたピロリン酸の量、および放出されたリン酸の検出を用いて、FADS活性を決定することも可能である。1つの例において、比色読み取り値を生じる、マラカイトグリーンおよびモリブデン酸アンモニウムの使用によって、リン酸の量を定量化することも可能である(Lanzettaら(1979)Anal.Biochem.100:95−99)。
【0033】
スクリーニング法
本発明は、細菌フラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)シンテターゼ活性を調節可能な化合物を同定するための方法を含む。1つの例において、該方法は、ブドウ球菌属、連鎖球菌属、サルモネラ属からなる群より選択される細菌FADシンテターゼ、またはその機能性断片と、細菌FADシンテターゼの還元基質および試験化合物を接触させ;そして細菌FADシンテターゼの活性を決定することを含み、ここで、対照と比較した、化合物の存在下での活性の増加または減少は、該化合物がFADシンテターゼ活性を調節する指標となる。細菌FADシンテターゼの活性を上述のように決定することができる。
【0034】
別の例において、本発明は、細菌FADSまたはFKを調節可能な化合物を同定するための方法を含む。該方法は、サルモネラ属の細菌FKまたはその機能性断片を、還元リボフラビンおよび試験化合物と接触させ;そして細菌FKの活性を決定することを含むことができ、ここで、対照と比較して、化合物の存在下での活性の増加または減少は、該化合物がFK活性を調節する指標となる。
【0035】
上述の方法で用いる試験化合物には、ペプチド、ペプチド擬似体、小分子、または他の薬剤などの化合物が含まれる。
以下の実施例は、本発明を例示するよう意図され、そしていかなる意味でも、本発明を限定すると解釈されないものとする。当業者は、本発明の精神および範囲内である修飾を認識するであろう。
【0036】
実施例
実施例1
黄色ブドウ球菌、肺炎連鎖球菌、およびネズミチフス菌のribF遺伝子の単離
ribFをクローニングするため、遺伝子の5’端に隣接したNde1部位(下線)および3’端に隣接したSal1またはEcoR1部位(下線)を持つ、PCR順方向プライマーおよび逆方向プライマーを設計した。製造者によって記載されるように、高忠実度PCRマスターポリメラーゼ(Roche、インディアナ州)を用いて、黄色ブドウ球菌(5’AAACGTGGATCCCATATGAAAGTCATAGAAGTG3’(配列番号1))および(5’AAACGTGAATTCCTAAATATTATAAGCTAC3’(配列番号2))、肺炎連鎖球菌(5’AAACGTCATATGATTATTACTATTCC3’(配列番号3))および(5’AAACGTGTCGACTTAAGACCAATTCCGAG3’(配列番号4))、ならびにネズミチフス菌(5’AGCTCATATGAAGCTGATACGCG3’(配列番号5))および(5’AGCTGAATTCTTACACCTGCCCGGC3’(配列番号6))から、DNAを増幅した。
【0037】
PCR産物をNde1およびSal1で消化し、そして両方の制限酵素で切断した発現ベクター内に連結した。連結混合物を用いて、TOP10コンピテント細胞を化学的に形質転換した。カナマイシン(25μg/ml)を補ったLBプレート上に細胞を蒔いて、そして37℃で一晩インキュベーションした。DNA配列決定によって、正しい挿入物に関して、異なる細菌コロニーから調製したプラスミドをチェックした。タンパク質過剰発現のため、正しいプラスミドで大腸菌を形質転換して、黄色ブドウ球菌RibF、肺炎連鎖球菌RibF、およびネズミチフス菌RibFに関する株を生成した。
【0038】
(1)黄色ブドウ球菌、肺炎連鎖球菌、およびネズミチフス菌のRibFタンパク質の精製
黄色ブドウ球菌RibFを精製するため、OD600が0.5になるまで、25μg/mlカナマイシンを含むLB培地中、大腸菌細胞を37℃で増殖させ、次いで0.5mM IPTGで誘導し、そして20℃で4時間増殖させた。この発酵6Lからの細胞を、70mLの溶解緩衝液:50mM Tris・HCl pH8.0、1mM DTT、10mM EDTA、25mM NaClに再懸濁した。4℃で、18,000psi、2回のフレンチプレス処理によって、細胞を破壊し、次いで4℃、10,000rpmで60分間遠心分離した。上清分画を、緩衝液A:50mM Tris・HCl pH8.0、1mM DTT、1mM EDTA、25mM NaClで平衡化した20mL Q−Seph FF(Amersham Biosciences)上に適用した。6カラム容積の緩衝液Aでカラムを洗浄し、そして10カラム容積の25mM〜350mM NaClの直線勾配で溶出した。主な分画をプールして、そして1M硫酸アンモニウムに調節した。この分画を、緩衝液:50mM Tris・HCl pH8.0、1mM DTT、1mM EDTA、1M硫酸アンモニウムで平衡化した、20mL Ph−Sepharoseカラム(Amersham Biosciences、ニュージャージー州)上に装填した。1M〜0M硫酸アンモニウムの直線勾配で、タンパク質を溶出した。タンパク質を含有する分画をプールし、Amicon CentriPrep濃縮装置中で濃縮し、そして25mM Tris・HCl pH8.0、150mM NaCl、10%グリセロール、1mM DTT、1mM EDTAで平衡化した、200mL HiPrep Sephacryl S−200(Amersham Biosciences、ニュージャージー州)に適用した。純粋なタンパク質をアリコットし、そして−80℃で保存した。
【0039】
上記と同じ方法を用いて、肺炎連鎖球菌RibFを精製した。
ネズミチフス菌RibFを精製するため、OD600が0.5になるまで、25μg/mlカナマイシンを含むLB培地中、大腸菌細胞を37℃で増殖させ、次いで0.5mM IPTGで誘導し、そして20℃で3時間増殖させた。この発酵2Lからの細胞を、75mLの溶解緩衝液:20mM Tris・HCl pH8.0、1mM DTT、10mM EDTA、25mM NaClに再懸濁した。4℃で、18,000psi、2回のフレンチプレス処理によって、細胞を破壊し、次いで4℃、10,000rpmで30分間遠心分離した。上清分画を、緩衝液A:20mM Tris・HCl pH8.0、1mM DTT、1mM EDTA、25mM NaClで平衡化した15mL SP−Seph FF(Amersham Biosciences、ニュージャージー州)上に適用した。3カラム容積の緩衝液Aでカラムを洗浄し、そして20カラム容積の25mM〜500mM NaClの直線勾配で溶出した。タンパク質を含有する分画をプールし、Amicon CentriPrep濃縮装置中で濃縮し、そして25mM Tris・HCl pH8.0、150mM NaCl、10%グリセロール、1mM DTT、1mM EDTAで平衡化した、200mL HiPrep Sephacryl S−200(Amersham Biosciences、ニュージャージー州)に適用した。純粋なタンパク質をアリコットし、そして−80℃で保存した。
【0040】
実施例2
黄色ブドウ球菌、肺炎連鎖球菌、およびネズミチフス菌のRibFタンパク質の酵素アッセイ
黄色ブドウ球菌RibFをin vitroでアッセイするため、時間経過実験を行って、そして高性能液体クロマトグラフィーによって分析した。50mMリン酸ナトリウムpH7.0、0.002%Brij−35、1mM塩化マグネシウム、および0.5mM ATPの100μL中で、反応を行った。示した場合、上述のように調製した60μMのストック溶液から、最終濃度200nMになるまで、黄色ブドウ球菌RibFを添加した。示した場合、窒素でバブリングした(bubbled)水中で調製した10mMのストック溶液から、最終濃度1mMになるまで、亜ジチオン酸ナトリウム(Aldrich、ウィスコンシン州)を添加した。示した場合、水中で調製した0.10mMのストック溶液から、最終濃度0.050mMになるまで、リボフラビンを添加した。示した場合、水中で調製した0.10mMのストック溶液から、0.050mMになるまで、FMNを添加した。反応を25℃でインキュベーションし、そして100μLの20mM EDTA pH8.0を用いて、多様な時点で反応を停止した。リン酸ナトリウムpH2.8で平衡化した四級アミン陰イオン交換カラム402.ICx250mm(Vydac、カリフォルニア州)上に25μLを注入することによって、高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)によって試料を分析した。蛍光検出(442nm励起波長、520nm発光波長)、ならびに保持時間および面積の比較によってピークを同定した。
【0041】
【表1】

【0042】
表1中のデータは、亜ジチオン酸ナトリウムの非存在下で、黄色ブドウ球菌RibFが、検出可能でそして測定可能なFK活性を示したが、検出可能でそして測定可能なFADS活性を示さなかったことを示す。亜ジチオン酸ナトリウムの存在下で、黄色ブドウ球菌RibFは、検出可能でそして測定可能なFK活性およびFADS活性を示した。
【0043】
肺炎連鎖球菌RibFをin vitroでアッセイするため、示した場合、上述のように調製した6.0μMのストック溶液から、最終濃度200nMになるまで肺炎連鎖球菌RibFを添加したことを除いて、上述のように、時間経過実験を行って、そして高性能液体クロマトグラフィーによって分析した。45分の時点でのデータを表2に示す。
【0044】
【表2】

【0045】
表2中のデータは、亜ジチオン酸ナトリウムの非存在下で、肺炎連鎖球菌RibFが、検出可能でそして測定可能なFK活性を示したが、検出可能でそして測定可能なFADS活性を示さなかったことを示す。亜ジチオン酸ナトリウムの存在下で、肺炎連鎖球菌RibFは、検出可能でそして測定可能なFK活性およびFADS活性を示した。
【0046】
ネズミチフス菌RibFをin vitroでアッセイするため、示した場合、上述のように調製した26μMのストック溶液から、最終濃度1.3μMになるまでネズミチフス菌RibFを添加したことを除いて、上述のように、時間経過実験を行って、そして高性能液体クロマトグラフィーによって分析した。10分の時点でのデータを表3に示す。
【0047】
【表3】

【0048】
表3中のデータは、亜ジチオン酸ナトリウムの非存在下で、ネズミチフス菌RibFが、検出可能でそして測定可能なFK活性を示さず、また、検出可能でそして測定可能なFADS活性を示さなかったことを示す。亜ジチオン酸ナトリウムの存在下で、ネズミチフス菌RibFは、検出可能でそして測定可能なFK活性およびFADS活性を示した。
【0049】
実施例3
黄色ブドウ球菌RibFの機能性断片の調製
T.マリティマ(T. maritima)構造と比較することによって、黄色ブドウ球菌フラボキナーゼドメインタンパク質を設計した。Lys146およびIle147間のドメイン境界を選択した。C末端フラボキナーゼドメインタンパク質は、αヘリックス構造モチーフで始まると予測されるため、N末端αヘリックスの安定化を提供すると予測される2つの突然変異T150DおよびS151Eを含むように構築物設計を改変した(Sealeら,(1994)Prot.Sci.3:1741−1745)。
【0050】
全長黄色ブドウ球菌タンパク質に関して上述するものと類似の標準的分子生物学技術を用いて、黄色ブドウ球菌FKドメインをコードするDNAを含有するプラスミドを調製した。大腸菌中で過剰発現した後、全長黄色ブドウ球菌タンパク質に関して上述するものと類似の標準的タンパク質精製技術を用いて、タンパク質を精製した。
【0051】
全長黄色ブドウ球菌FADシンテターゼに関して上述したHPLCアッセイを用いて、FMN形成を検出することによって、FKドメインタンパク質をアッセイした。100μ
Lの50mM HEPES pH7.5、0.002%Brij−35、10mM塩化マグネシウム、5.0mM ATP、20μMリボフラビン、および50nM酵素中で、反応を行った。全長黄色ブドウ球菌FADシンテターゼに比較して、FKドメインタンパク質で、同程度のFK活性が見られた(表4)。
【0052】
【表4】

【0053】
実施例4
RibF活性を調節する化合物の同定
増加する量の化合物Aの存在下で、黄色ブドウ球菌RibFのアッセイを行って、化合物Aによる阻害の量を測定した。リボフラビンで反応を開始し、ピロリン酸産物を検出することによって、FK活性およびFADS活性を同時にアッセイした。50mM HEPES pH7.5、0.002%Brij−35、1mMエチレンジアミン四酢酸、0.1mg/mlピロホスファターゼ、2%ジメチルスルホキシド、2mM塩化マグネシウム、100μM ATP、10μMリボフラビン、10mM亜ジチオン酸ナトリウム、80nM黄色ブドウ球菌RibF、および0.78〜400μMで変動する化合物Aを含含有する100μLを含む96ウェルマイクロタイタープレート中、室温で反応を行った。20分後、10μLの200mMエチレンジアミン四酢酸で反応を停止した。2時間後、150μLのマラカイトグリーン・リン酸検出試薬(Lanzettaら(1979)Anal.Biochem.100:95−97)を添加した。化合物Aを含まない反応(阻害なし)および20mMエチレンジアミン四酢酸を含む反応(完全阻害)に比較することによって、阻害パーセントを計算した。図3に見られるように、化合物Aは、用量依存性の阻害を示し、29μMの濃度で50%阻害(IC50)を生じた。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】図1は、FADシンテターゼの系統学的距離を示す樹状図である。
【図2】図2は、ネズミチフス菌、黄色ブドウ球菌および肺炎連鎖球菌由来のFADシンテターゼのタンパク質配列を示す。
【図3】図3は、RibF調節活性を有する化合物を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
細菌フラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)シンテターゼの活性を決定するための方法であって:
ブドウ球菌属(Staphyloccus)、連鎖球菌属(Streptococcus)、サルモネラ属(Salmonella)からなる群より選択される細菌FADシンテターゼ、またはその機能性断片と、細菌FADシンテターゼの還元基質を接触させ;そして
細菌FADシンテターゼの活性を決定する
ことを含む、前記方法。
【請求項2】
ブドウ球菌属が黄色ブドウ球菌(Staphyloccus aureus)である、請求項1の方法。
【請求項3】
連鎖球菌属が肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)である、請求項1の方法。
【請求項4】
サルモネラ属がネズミチフス菌(Salmonella typhimurium)である、請求項1の方法。
【請求項5】
還元基質がFMNまたはFADである、請求項1の方法。
【請求項6】
細菌フラボキナーゼ(FK)の活性を決定するための方法であって;
サルモネラ属の細菌FKまたはその機能性断片を、還元リボフラビンと接触させ;そして
細菌FKの活性を決定する
ことを含む、前記方法。
【請求項7】
サルモネラ属がネズミチフス菌である、請求項6の方法。
【請求項8】
細菌フラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)シンテターゼ活性を調節可能な化合物を同定するための方法であって
ブドウ球菌属、連鎖球菌属、サルモネラ属からなる群より選択される細菌FADシンテターゼ、またはその機能性断片と、細菌FADシンテターゼの還元基質および試験化合物を接触させ;そして
細菌FADシンテターゼの活性を決定する(ここで、対照と比較した、化合物の存在下での活性の増加または減少は、該化合物がFADシンテターゼ活性を調節する指標となる)、
ことを含む、前記方法。
【請求項9】
ブドウ球菌属が黄色ブドウ球菌である、請求項8の方法。
【請求項10】
連鎖球菌属が肺炎連鎖球菌である、請求項8の方法。
【請求項11】
サルモネラ属がネズミチフス菌である、請求項8の方法。
【請求項12】
還元基質がFMNまたはFADである、請求項8の方法。
【請求項13】
細菌フラボキナーゼを調節可能な化合物を同定するための方法であって:
サルモネラ属の細菌FKまたはその機能性断片を、還元リボフラビンおよび試験化合物と接触させ;そして
細菌FKの活性を決定する(ここで、対照と比較した、化合物の存在下での活性の増加または減少は、該化合物がFK活性を調節する指標となる)、
ことを含む、前記方法。
【請求項14】
サルモネラ属がネズミチフス菌である、請求項13の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2008−507968(P2008−507968A)
【公表日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−523154(P2007−523154)
【出願日】平成17年7月29日(2005.7.29)
【国際出願番号】PCT/GB2005/002980
【国際公開番号】WO2006/010940
【国際公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【出願人】(300022641)アストラゼネカ アクチボラグ (581)
【Fターム(参考)】