説明

HVJエンベロープによるタンパク質の導入方法

【課題】タンパク質を高効率で細胞に導入する方法を開発する。
【解決手段】 HVJ-Eとタンパク質を1チューブ内で混合するだけの簡便な方法によって、タンパク質をHVJ-Eに封入することが可能となった。また、そのHVJ-Eを細胞に接触させることにより、今まで困難とされてきたタンパク質の細胞導入、活性発現ができることが明らかとなった。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、HVJエンベロープにタンパク質を封入する方法および当該タンパク質を細胞に導入する方法などに関する。
【背景技術】
【0002】
細胞内に生体高分子を導入する方法を開発することは、ライフサイエンス分野における大きな課題の一つである。
【0003】
生体高分子の中でも遺伝子の導入に関しては、ウイルスベクターを用いる方法、物理的方法(マイクロインジェクション法、エレクトロポレーション法、ジーンパーティクルなど)、あるいは化学的方法(リン酸カルシウム共沈殿法、リポソーム法、DEAEデキストラン法、赤血球ゴースト法、マイクロカプセル法など)、細胞融合法(HVJなど)など多様な方法が開発され、用いられている。これらの方法の中からその特徴を勘案しながら選択し、使用することが既に一般的になっている。
【0004】
一方、同じく生体高分子の一つであるタンパク質については、その生化学的性質から細胞導入法の開発が困難であった。
【0005】
例えば、これまでタンパク質を導入する方法としては、物理的方法(マイクロインジェクション法、エレクトロポレーション法)、化学的方法(リポソーム法、赤血球ゴースト法)などが用いられてきた。
【0006】
しかし、マイクロインジェクション法やエレクトロポレーション法などは特殊な装置を必要とするし、また物理的に穴を開けることから、細胞に対するダメージが大きい。さらに導入効率の低さも問題となっている。化学的方法についても、リポソーム法は導入効率が低く、またその細胞毒性も問題となるし、赤血球ゴースト法は赤血球を大量生産できないというデメリットがある。
【0007】
リポソーム法をさらに改変するため、金田らはHVJ-リポソームを作製し、これを遺伝子や薬剤、あるいはペプチドの細胞導入に用いた(特許文献1)。しかし、この方法は、HVJとリポソームの両方を調整する必要があり、作業が煩雑であった。またリポソームの細胞毒性を避けることはできなかった。
【0008】
また、金田らはHVJエンベロープ(HVJ-E)に遺伝子や抗癌剤を封入し、これを細胞導入することには成功している(特許文献2,3)。しかし、封入されるのは遺伝子や低分子化合物である抗癌剤にとどまり、遺伝子と性質の異なるタンパク質を封入し、細胞に導入することはできなかった。
【0009】
近年では、タンパク質と他の物質の複合体を作製し、それを細胞に接触させて細胞導入を行う方法が開発されている。複合体作製のための物質には、細胞膜透過性ペプチド、脂質あるいは陽イオン性脂質などがあげられる。細胞膜透過性ペプチドを用いる方法は、Activemotif社のChariot(商品名)(非特許文献1)として、脂質を用いる方法はTargeting Systems社のProfect Reagent(商品名)として、また陽イオン性脂質を用いる方法は、Gene Therapy Systems社のBioPORTER(商品名)として、それぞれ商品化されている。これらの複合体は、タンパク質との非共有結合により形成されるので、タンパク質の生理活性は阻害されない。
【0010】
しかし、(i)タンパク質の種類により複合体の形成効率が違う(陽イオン性脂質の試薬に陽荷電のタンパク質を加えるのは効率が悪いなど)、(ii)複合体形成のための試薬とタンパク質量の至適濃度条件の検討が必須である、(iii)複合体自体が取り込まれるので、試薬が細胞毒性を起こす可能性がある、(iv)細胞によっては導入効率が低い、などの欠点がある。
【0011】
他にも、抗体と細胞膜透過性ペプチドの融合タンパク質を作製し、当該抗体を細胞内に導入する方法が開発されている(特許文献4)が、融合タンパク質を作製するのに手間がかかることや、細胞の種類と融合タンパク質の親和性、あるいは融合タンパク質が細胞内に混在することなどが懸念される。
【特許文献1】特開2001−302541
【特許文献2】特開2001−286282
【特許文献3】再表2004−039406
【特許文献4】特開2005−039406
【非特許文献1】NatureBiotechnology, 19, 1173-1176, 2001
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明が解決しようとする課題は、簡便かつ高効率な細胞へのタンパク質導入方法を開発することである。
【0013】
また本発明は、タンパク質が封入されたHVJ-E、前記HVJ-Eを含む医薬組成物などの薬剤、前記HVJ-Eを用いたタンパク質を細胞に導入する方法を提供することを他の課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、1チューブ内でHVJ-Eにタンパク質を封入し、それを細胞に接触させることにより、当該タンパク質を細胞に導入できるという簡便かつ効率的な方法を見出し、本発明を完成した。
【0015】
すなわち、本発明は、以下の(1)〜(23)を提供するものである。
(1)HVJ(hemagglutinating virus of Japan)-E(envelope)を含む溶液に、界面活性剤およびタンパク質を添加し、該溶液を攪拌することを含む、HVJ-Eへのタンパク質封入方法;
(2)HVJ-Eを含む溶液に、界面活性剤、硫酸プロタミンおよびタンパク質を添加し、該溶液を攪拌することを含む、HVJ-Eへのタンパク質封入方法;
(3)界面活性剤を、最終濃度が0.001%〜10%となるように添加する、請求項1または2記載の方法;
(4)界面活性剤を、最終濃度が0.01%〜1%となるように添加する、請求項1または2記載の方法;
(5)硫酸プロタミンを、最終濃度が0.01mg/ml〜100 mg/mlとなるように添加する、請求項2記載の方法;
(6)硫酸プロタミンを、最終濃度が0.1mg/ml〜10mg/mlとなるように添加する、請求項2記載の方法;
(7)硫酸プロタミン添加後、界面活性剤を添加し、その後タンパク質を添加する、請求項2記載の方法:
(8)HVJ 100HAU(hemagglutination units)あたり0.01μg〜100μgのタンパク質を添加する、請求項1または2記載の方法;
(9)タンパク質が、転写調節因子、抗原、抗体、リガンド、受容体、分子シャペロン、酵素、毒素、ホルモン、神経伝達物質、サイトカイン、成長因子およびペプチドからなる群から選択される請求項1または2記載の方法;
(10)タンパク質が、酵素以外のタンパク質である請求項1または2記載の方法;
(11)攪拌後に、D-MEM(Dulbecco’s Modified Eagle’s Medium)を添加することをさらに含む、請求項1または2記載の方法;
(12)界面活性剤がNP40(p-tert-octylphenol,)またはCHAPS({3-〔(3-Cholamidopropyl)dimethylammonio〕-1-propanesulfonate})である、請求項1または2記載の方法;
(13)タンパク質が封入されているHVJ-E;
(14)NFκB活性を抑制するタンパク質が封入されているHVJ-E;
(15)タンパク質が、転写調節因子、抗原、抗体、リガンド、受容体、分子シャペロン、酵素、毒素、ホルモン、神経伝達物質、サイトカイン、成長因子およびペプチドからなる群から選択される請求項13または14記載のHVJ-E;
(16)タンパク質が、酵素以外のタンパク質である請求項13または14のHVJ-E;
(17)タンパク質が抗体である請求項13または14記載のHVJ-E;
(18)タンパク質が抗NFκB抗体である請求項14記載のHVJ-E;
(19)タンパク質がIκBαである請求項14記載のHVJ-E;
(20)請求項13または14記載のHVJ-Eを有効成分として含む医薬組成物;
(21)請求項14記載のHVJ-Eを有効成分として含むNFκB活性抑制剤;
(22)請求項13または14記載のHVJ-Eを含む炎症性疾患、感染症または酵素欠損症の予防、改善または治療剤;
(23)請求項13〜19のいずれかに記載のHVJ-Eを細胞に接触させることを含むタンパク質を細胞に導入する方法。
【0016】
以下、本発明において特に使用される用語を説明する。
【0017】
本明細書において「HVJ」(Hemagglutinating virus of Japan)または「センダイウイルス」とは、互換的に用いられ、パラミクソウイルス科パラミクソウイルス属に属する、細胞融合作用を有するウイルスをいう。M. Kuroyaら(1953年)がセンダイウイルスとして報告した。本発明に用いるHVJは野生型であっても改変型であってもよい。
【0018】
本明細書において「(ウイルス)エンベロープ」とは、センダイウイルスなどの特定のウイルスに存在するヌクレオキャプシドの周囲を取り囲む脂質二重層を基本とする膜構造をいう。
【0019】
本明細書において「タンパク質」、「ポリペプチド」および「ペプチド」は、互換的に用いられ、一連のアミノ酸からなる高分子をいう。アミノ酸は、炭素原子にカルボキシル基およびアミノ基を有する有機分子をいう。本明細書において好ましくは、アミノ酸は天然に存在する約20種類のアミノ酸であるが、これらに限定されない。
【0020】
本明細書において「HAU」とは、ニワトリ赤血球0.5%を凝集可能なウイルスの活性をいう。1HAUは、ほぼ2400万ウイルス粒子に相当する(Okada,Yら、 Biken Journal 4, 209-213, 1961)。
【0021】
本明細書において、「封入する」とは、ウイルスエンベロープの中にタンパク質などの目的物質を入れることをいう。
【0022】
本明細書において「細胞に導入する」とは、タンパク質などの物質を細胞内に取り込ませることをいう。
【0023】
本明細書において界面活性剤の「最終濃度」とは、(I)HVJ-Eを含む溶液に、界面活性剤およびタンパク質を添加した状態、あるいは(II)HVJ-Eを含む溶液に、界面活性剤、硫酸プロタミンおよびタンパク質を添加した状態、における界面活性剤の濃度をいう。
【発明の効果】
【0024】
HVJ-Eとタンパク質を1チューブ内で試薬と共に混合するだけの簡便な方法によって、タンパク質をHVJ-Eに封入することが可能となった。また、そのHVJ-Eを細胞に接触させることにより、今まで困難とされてきたタンパク質の細胞導入ができ、また導入されたタンパク質は、細胞内において活性発現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
<HVJ-Eへのタンパク質封入方法>
本発明のHVJ-Eへのタンパク質封入方法は、
HVJ-Eを含む溶液に、界面活性剤およびタンパク質を添加し、該溶液を攪拌することを含む方法、
HVJ-Eを含む溶液に、界面活性剤、硫酸プロタミンおよびタンパク質を添加し、該溶液を攪拌することを含む方法、
のいずれかの方法を適用できる。
【0026】
本発明において使用するウイルスエンベロープはHVJ由来のものが好ましいが、他のエンベロープウイルスのエンベロープを使用することもできる。エンベロープウイルスとしては、例えば、フィロウイルス科、ブニヤウイルス科、ヘルペスウイルス科、ポックスウイルス科、トガウイルス科、コロナウイルス科、フラビウイルス科、パラミクソウイルス科、アレナウイルス科、オルトミクソウイルス科、レトロウイルス科、ヘパドナウイルス科、レオウイルス科、デルタウイルス科の群から選択される科に属するウイルスが挙げられる。
【0027】
具体的には、エボラ出血熱ウイルス、クリミア・コンゴ出血熱ウイルス、ハンターウイルス、単純ヘルペスウイルス、EBウイルス、天然痘ウイルス、牛 痘ウイルス、風疹ウイルス、SARSウイルス(ヒトコロナウイルス)、C型肝炎ウイルス、日本脳炎ウイルス、黄熱ウイルス、デング熱ウイルス、西ナイルウイルス、ロシア春夏脳炎ウイルス、ブタコレラウイルス、狂犬病ウイルス、水疱性口内炎ウイルス、はしかウイルス、おたふく風 邪ウイルス、ムンプスウイルス、風疹ウイルス、RSウイルス、ラッサ熱ウイルス、インフルエンザウイルス、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、ヒトT細胞白 血病I型ウイルス(HTLV-1)、ネコ免疫不全ウイルス(FIV)、B型肝炎ウイルス(HBV)、レオウイルス、D型肝炎ウイルスなどが挙げられる。
【0028】
HVJはWO2006/011580号に記載された方法によって精製し、UVやアルキル化剤を用いて不活化することができる。そのようにして得られたHVJ-Eを封入操作に用いる。
【0029】
ウイルスの「不活化」とは、そのゲノムを不活化することをいう。不活化ウイルスとは、不活化により遺伝子の複製能を欠損しているウイルスである。本明細書において「不活化」および「不活性化」は同義として取り扱われる。
【0030】
HVJ-Eに封入されるタンパク質は、タンパク質であれば特に限定されず、ペプチドやアミノ酸単体でもよい。当該タンパク質としては、転写調節因子、抗原、抗体、リガンド、受容体、分子シャペロン、酵素、毒素、ホルモン、神経伝達物質、サイトカイン、成長因子および酵素インヒビター等のタンパク質が挙げられるが、これらに限定されない。また、封入されるタンパク質は単数種でも複数種でもよい。
【0031】
また、封入されるタンパク質の分子量も限定されないが、300kDa以下であることが好ましく、200kDa以下であることがさらに好ましい。タンパク質は野生型でも変異型でもよく、また化学修飾されていてもよい。
【0032】
これらのタンパク質は細胞内にあらかじめ存在する他のタンパク質の活性を促進および/または抑制する目的で導入される。あるいは、細胞内に存在しない、または不足しているタンパク質を補う目的で導入されることもある。また、免疫原、すなわちワクチンとして導入することもできる。
【0033】
これらのタンパク質は、HVJ 100HAU(hemagglutination units)に対し、0.01μg〜100μgを反応溶液中に添加すればよく、好ましくは0.1μg〜50μg、さらに好ましくは0.2μg〜20μg、より好ましくは0.2μg〜6μgを添加すればよい。
【0034】
また、この際、準備するHVJ-E溶液の濃度は任意の濃度でよく、0.1〜1000HAU/μlであってよい。これに、界面活性剤およびタンパク質溶液、場合によってはさらに硫酸プロタミン溶液を添加した溶液中のHVJ-Eの濃度が、0.1〜1000HAU/μl、好ましくは0.5〜100HAU/μl、より好ましくは1〜50HAU/μlであればよい。
【0035】
HVJ-E溶液に対して界面活性剤とタンパク質溶液とを添加するに際しては、その添加する順序は任意でよく、同時に添加してもよい。好ましくは、界面活性剤を添加してからタンパク質溶液を加える。
【0036】
HVJ-Eにタンパク質を封入する際に用いられる界面活性剤は、界面活性剤であれば特に限定されないが、非イオン性界面活性剤または両性界面活性剤が好ましい。特に好ましくはNP40(p-tert-octylphenol,)またはCHAPS({3-〔(3-Cholamidopropyl)dimethylammonio〕-1-propanesulfonate})が用いられる。
【0037】
当該界面活性剤は、HVJ-Eとタンパク質の混合溶液において、好ましくは0.001%〜10%、より好ましくは0.01%〜1%、特に好ましくは0.05%〜0.9%を最終濃度として用いられる。界面活性剤はその種類に応じて適切な濃度で用いればよく、HVJ-E自体に含有されるタンパク質あるいは封入されるタンパク質が変性しない程度、あるいは変性したとしても、HVJ-Eの細胞融合能が低減しない程度、または封入されるタンパク質の生理活性に変化が生じない程度の濃度とすることが好ましい。
【0038】
界面活性剤とHVJ-Eとタンパク質の混合溶液中にはさらに硫酸プロタミンを含有させることもできる。硫酸プロタミンを含有させる場合は、好ましくは最終濃度が0.01〜100 mg/ml、より好ましくは0.1〜10mg/mlとなるように添加する。
【0039】
また、さらに当該混合液にD-MEM(Dulbecco’s Modified Eagle’s Medium)を添加することもできる。硫酸プロタミンおよびD-MEMは添加してもしなくてもよい。
【0040】
HVJ-E、硫酸プロタミン、界面活性剤およびタンパク質の混合液を調製する際、それぞれを添加する順序は特に規定しないが、HVJ-E混合液に硫酸プロタミンを添加した後に界面活性剤を添加することが好ましい。
【0041】
硫酸プロタミンを添加後、氷上で2分以上、好ましくは5〜15分静置し、その後界面活性剤を添加して再度氷上で2分以上、好ましくは5〜15分静置した後に、タンパク質溶液を添加することが好ましい場合がある。各溶液の添加後には、タッピング等により攪拌を行うことが好ましい。
【0042】
HVJ-E、界面活性剤およびタンパク質、場合によってはさらに硫酸プロタミンの混合液を調製後、該混合液を攪拌する。この際の攪拌は、タッピングで行うことが好ましい。攪拌後、氷上または室温にて2分以上、好ましくは5分以上静置する。例えば、氷上にて15分静置する。静置時間が5分を超える場合は、数分おき(例えば5分おき)にタッピング等により攪拌してもよい。
【0043】
場合によっては、ここでD-MEMなどの無血清動物細胞用培地、またはPBS等の緩衝液を添加して、混合液のpHを中性付近に保ったまま、氷上または室温で5分以上、好ましくは10分以上、より好ましくは15分以上静置するとよい。上記と同様に、静置時間が5分を超える場合は、数分おき(例えば5分おき)にタッピング等により攪拌してもよい。かかる方法により、HVJ-Eにタンパク質を封入することができる。
【0044】
<タンパク質が封入されたHVJ-E>
上記したHVJ-Eへのタンパク質封入方法を適用することで、タンパク質が封入されたHVJ-Eが得られる。
【0045】
封入されるタンパク質は、前述のように、特に限定はないが、HVJ-Eに封入されたタンパク質を、生体内の細胞にin vivoで、または生体から取り出した組織の細胞にex vivoで導入するために用いる場合は、導入する細胞の由来する動物種のタンパク質であることが望ましい場合がある。すなわち、マウスに導入するために用いる場合は、マウス由来のタンパク質であることが好ましく、ヒトに導入するために用いる場合は、ヒトに由来するタンパク質であることが好ましい。
【0046】
該タンパク質が、導入する細胞に予め存在する他のタンパク質の活性を抑制するものである場合、他のタンパク質の活性を抑制するものとしては、該タンパク質に対する抗体、アンタゴニスト、ドミナントネガティブ変異体タンパク質、および酵素に対するペプチド性インヒビターなどが挙げられるがこれらに限定されない。さらにまた、タンパク質を導入することにより、該タンパク質により誘導される細胞内シグナル伝達経路を活性化することもできる。このようなタンパク質は、天然に細胞内に存在する野生型タンパク質だけではなく、活性型の変異体タンパク質等も包含しうる。
【0047】
タンパク質が封入されているHVJ-Eは、生体内の細胞にin vivoまたはex vivoで当該タンパク質を導入するのに用いることができる。
【0048】
<医薬組成物、NFκB活性抑制剤および炎症性疾患、感染症または酵素欠損症の予防、改善または治療剤>
本発明のタンパク質が封入されたHVJ-Eは、医薬(医薬組成物)として用いることもできるし、研究用試薬として用いることもできる。当該HVJ-Eは、場合によっては懸濁液または凍結乾燥品として提供される。何れの場合も、マイクロプレートやスライドグラスのような支持体上に該HVJ-Eを搭載して提供することもできるし、チューブのような密閉容器に入れて提供することもできる。
【0049】
NFκB活性を抑制するタンパク質が封入されたHVJ-Eは、NFκBの活性により誘発されるあらゆる疾患、例えば炎症性疾患または感染症の予防、改善または治療剤として用いることができる。
【0050】
具体的には腎炎、肝炎、関節炎(例えば慢性関節リウマチ、変形性関節症)、急性腎不全、慢性腎不全、動脈硬化、糸球体腎炎、腎孟腎炎、膀胱炎、前立腺炎、尿道炎、精巣上体炎、精巣炎、喘息、慢性閉塞性肺疾患、血管再狭窄、骨粗鬆症、アトピー性皮膚炎、尋常性乾癬、接触性皮膚炎、ケロイド、褥瘡、潰瘍性大腸炎、クローン病、細菌感染症、真菌感染症、原虫感染症、寄生虫感染症、ウイルス感染症などが挙げられるがこれらに限定されない。
【0051】
タンパク質を封入したHVJ-Eは通常注射剤として用いられる。あるいは、皮膚外用剤、座剤、吸入剤とすることもできるが、これらに限定されない。
【0052】
<タンパク質を細胞に導入する方法>
HVJ-Eに封入されている当該タンパク質を細胞に導入する場合、その細胞は動物細胞であることが好ましく、脊椎動物由来の細胞がさらに好ましく、哺乳類由来の細胞が特に好ましい。
【0053】
培養細胞または生体から取り出した細胞に導入する場合、タンパク質を封入したHVJ-Eと細胞を接触させるが、その場合は、例えば、タンパク質を封入したHVJ-Eを細胞懸濁液中または培養上清中に任意の濃度で添加する方法を適用できる。この場合、1.25×104細胞あたり好ましくはHVJ-Eを0.1〜10,000HAUの割合で添加する。さらに好ましくはHVJ-Eを1〜1,000HAUの割合で添加する。その後、該細胞を4〜40℃で任意の時間インキュベートすることによって、HVJ-Eに封入されたタンパク質が細胞に導入される。当業者であれば、実施目的に応じて、適宜条件を設定することが可能である。
【0054】
このようにして外来のタンパク質を導入された細胞を生体に戻す又は移植することにより、外来のタンパク質を生体内の細胞に導入することとなる。従って、本発明のタンパク質が封入されたHVJ-Eは、種々の疾患の予防、改善または治療剤として用いることができる。
【0055】
例えば封入するタンパク質の種類を選択することで、炎症性疾患、感染症または酵素欠損症の予防、改善または治療剤として用いることができる。疾患の予防、改善または治療剤として用いる場合は、疾患の種類、患者の身体状態、疾患の重篤度等に基づいて、適切な投与量、投与方法および投与間隔を選択するとよい。投与方法は、任意の方法でよく、その目的に応じて適宜選択することができる。好ましい投与方法としては、経皮投与、経粘膜投与、注射等が挙げられるがこれらに限定はされない。
【0056】
注射剤として利用する場合、疾患部位もしくはその周辺組織の細胞、またはHVJ-Eに封入されたタンパク質の発現が望まれる部位の組織もしくはその近傍に、タンパク質を封入したHVJ-E懸濁液を注射することができる。適切な処方は、臨床医学の当業者によって、選択することができる。
【0057】
HVJ-Eに封入するタンパク質として、例えばNFκB活性を抑制するタンパク質を用いることができる。当該タンパク質はNFκB活性を抑制するタンパク質であれば特に限定されないが、抗NFκB抗体、IκBαおよびIκBβの群から選択される単数種または複数種のタンパク質であることが好ましい。
【0058】
かかるタンパク質が本発明の方法により細胞内に導入されると、その細胞内のNFκB活性が抑制される。NFκB活性を抑制するタンパク質か否かは、当業者に公知の方法を用いて判定できる。例えば、NFκBとNFκB結合配列を含む核酸とが結合し得る条件下で、これらと試験したいタンパク質とを共存させ、その後EMSAなどを行い、NFκB、該核酸および該タンパク質複合体のバンドを検出することによって判定することができる。
【0059】
抗NFκB抗体は、抗NFκB抗体であれば、あらゆる抗体が含まれる。従って、例えばポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、免疫動物とヒトのキメラ抗体、ヒト型化抗体、あるいはヒト抗体が含まれるが、好ましくはモノクローナル抗体を用いる。さらに好ましくは哺乳動物由来のモノクローナル抗体を用いる。
【0060】
さらには、抗原結合部位を含有する抗体フラグメントまたは一本鎖抗体(scFv; single-chain variable fragment)を用いることもできる。
【0061】
抗体フラグメントの例としては、Fab, Fab’, F(ab’), Fv断片、二重特異性抗体(diabody)、直鎖状抗体、一本鎖抗体分子、及び抗体断片から形成された多重特異性抗体を含む。
【0062】
一本鎖抗体の作製方法は、Eur J. of Immunol, 1991, 21(4), 985-991などにも記載されており、一本鎖抗体は公知技術に基づいて作製可能である。また、ヒトに導入するために用いる場合は、ヒト化抗体が好ましく、ヒト化抗体の作製方法は、例えば{ HYPERLINK "javascript:AL_get(this,%20'jour',%20'Biosci%20Biotechnol%20Biochem.');" ,Biosci Biotechnol Biochem.} 2001 May;65(5):1082-1089などにも記載されており、当業者であればヒト化抗体は、公知技術に基づいて作製可能である。
【0063】
続いて実施例に基づいて本発明を説明するが、これらは例示の目的のみに提供されるものであり、本発明を限定するものではない。
【実施例】
【0064】
実施例1 HVJへの蛍光標識モノクローナル抗体の封入とその細胞導入
(方法)
(1)HVJ-Eへの蛍光標識モノクローナル抗体の封入
1000HAU相当量のHVJ-Eを15,000xgで15分間遠心分離した。上清を除き、沈殿に10μlのPBS(-)に懸濁した。さらに3μlの1mg/ml硫酸プロタミン溶液、10μlの0.7mg/ml Cy2標識−抗マウスIgG抗体(ウサギ)、2.3μlの1.0%NP40溶液を添加し、全量を25.3μlとし、十分に懸濁した。氷上で15分間インキュベートした後、15,000xgで15分間遠心分離した。上清を除き、沈殿に20μlのPBS(-)を添加して十分に懸濁した。
【0065】
(2)HVJ-Eに封入された蛍光標識モノクローナル抗体の細胞導入
前日に1.25×104細胞/ウェルで500μlずつ播種したHela細胞の24ウェルプレートを無血清培地に置換後、(1)の封入操作済みHVJ-Eを20μl/ウェルで添加してトランスフェクトした。24ウェルプレートを5%CO2の37℃インキュベーターに静置した。1時間後に血清入りの増殖培地を500μl添加してさらに16時間培養した。蛍光顕微鏡を用いてHela細胞に導入された蛍光標識済み抗体分子を検出した。
対照として、Cy2標識−抗マウスIgG抗体にChariot(Activemotif社)処理をしたものおよび当該抗体をそのまま加えたものを用いた。抗体を添加していない細胞も併せて観察した。
【0066】
(結果)
ほとんどの細胞にCy2標識された抗体分子が観察された(図1)。対照として用いたchariot処理抗体(Chariot)よりHVJ-Eに封入した抗体(HVJ-E)の方が、高い導入効率を示した。また、抗体をそのまま加えたもの(Mab Only)については、抗体を全く加えていない細胞(No Treat)と同様に、細胞内に導入された抗体分子を検出することはできなかった(図2)。
【0067】
同様に、Cy3 Mono-Reactive Dye Pack(GEヘルスケアバイオサイエンス社)で標識したマウスのIgG(図3)およびCy2 Mono-Reactive Dye Pack(GEヘルスケアバイオサイエンス社)で標識した複合タンパク質(LMW Marker Kit(Phosphorylase b, Albumin, Ovalbumin, Carbonic anhydrase, Trypsin inhibitorおよびα-Lactalbuminの混合物)、GEヘルスケアバイオサイエンス社)(図4)をVero細胞にトランスフェクトして蛍光顕微鏡を用いて検出した。すると、Hela細胞と同様にほとんどの細胞質内に標識タンパク質が導入されていた。
【0068】
実施例2 HVJへのNFκB活性抑制タンパク質の封入とその細胞導入
(方法)
(1)HVJ-Eへの抗NFκBモノクローナル抗体またはNFκBデコイ核酸の封入
512HAU相当量のHVJ-E100μlに14.3μlの10mg/ml硫酸プロタミン/PBS(-)溶液を加え、タッピングして氷上に5分間静置した。さらに6.9μlの200mg/ml CHAPS/TE溶液を加え、タッピングして氷上に5分間静置した。
そこに(I)25μlの1.0mg/ml抗NFκB抗体(Monoclonal Antibody to NF-kB (human) (NF5E6), ALEXIS Biochemicals)、(II)3.0μlの104.3mg/ml NFκBデコイ核酸、(III)25μlのTEバッファーをそれぞれ混合し、タッピングしてから室温に静置した。
NFκBデコイ核酸は、特許公報第3474879号に記載されている配列番号1と同じ物を使用した。これにD-MEM(無血清培地: Dulbecco’s Modified Eagle’s Medium)を添加して、全量をそれぞれ200μlとし、室温(もしくは氷上)で15分間(またはそれ以上)インキュベートした。この間5分おきにタッピングした。
【0069】
(2)レポーター遺伝子ベクター(pNFκB-SEAP)の調製
720μlのDMEに25μlのFuGENE6 (Roche) を加え、室温にて5分間インキュベートした。さらに15μlのpNFκB-SEAP(Clontech)を加え、室温にて15分間インキュベートした。これを前日に播種しておいたHela細胞に30μl/ウェル添加した。
【0070】
(3)HVJ-Eに封入されたデコイ核酸または抗NFκBモノクローナル抗体の封入の細胞導入
(2)においてpNFκB-SEAPを導入しておいたHela細胞をTNFで刺激し、その培養上清に(1)のHVJ-E封入タンパクを添加した。36時間インキュベーション後にSEAP Reporter Gene Assay(BD Great EscAPs SEAP Fluorescence Detection Kit、BDクロンテック社)を行った。本方法は、化学発光を測定するものである。
【0071】
(結果)
TEバッファーのみを封入したHVJ-Eに比べて、抗NFκBモノクローナル抗体またはNFκBデコイ核酸を封入したHVJ-Eは、Hela細胞が発現する分泌性アルカリフォスファターゼを有意に抑制しており、細胞内のNFκBを抑制する効果が現れているといえる(表1、図5)。また、HVJ-Eに封入された抗NFκB抗体は、用量依存的に活性を抑制していることも分かった。さらに、これらのタンパク質が封入されたHVJ-Eは細胞毒性を示さないことも確認した。
【0072】
【表1】

【0073】
実施例3 HVJへのNFκB活性抑制タンパク質の封入とその細胞導入
(方法)
(1)HVJ-EへのIκBαまたはNFκBデコイ核酸の封入
512HAU相当量のHVJ-E100μlに14.3μlの10mg/ml硫酸プロタミン/PBS(-)溶液を加え、タッピングして氷上に5分間静置した。さらに6.9μlの200mg/ml CHAPS/TE溶液を加え、タッピングして氷上に5分間静置した。
そこに(I)1μlおよび6μlの1mg/ml IκBα(IkB alpha (human recombinant、BIOMOL社)、(II) 3.0μlの104.3mg/ml NF≡B デコイ核酸、(III) 25μlのTEバッファーをそれぞれ混合し、タッピングしてから室温に静置した。
これにD-MEM(無血清培地: Dulbecco’s Modified Eagle’s Medium)を添加して、全量をそれぞれ200μlとし、室温(もしくは氷上)で15分間(またはそれ以上)インキュベートした。この間5分おきにタッピングした。
【0074】
(2)レポーター遺伝子ベクター(pNFκB-SEAP)の調製
実施例2と同様に行った。
(3)HVJ-Eに封入されたI≡B≡またはNFκBデコイ核酸の細胞導入
実施例2と同様にHela細胞に対し(1)のHVJ-E封入タンパクを添加し、SEAP Reporter Gene Assayを行った。
【0075】
(結果)
実施例2と同様に、TEバッファーのみを封入したHVJ-Eに比べて、IκBαを封入したHVJ-Eは、Hela細胞が発現する分泌性アルカリフォスファターゼを有意に抑制しており、細胞内のNFκBを抑制する効果が現れているといえる(表2、図6)。また、HVJ-Eに封入されたIκBαは、用量依存的に活性を抑制していることも分かった。
【0076】
【表2】

【産業上の利用可能性】
【0077】
これまで困難とされていた細胞へのタンパク質の導入を、目的のタンパク質をHVJ-Eに封入し、それを細胞に接触させることにより、高効率で導入することができる。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】HVJ-Eに封入されたCy2標識−抗マウスIgG抗体が細胞内に導入されていることを示す図である。可視光および蛍光下で撮影した写真とそれらを合成した写真を示す。ほとんどの細胞に標識抗体が導入されていることが分かる。
【図2】HVJ-Eに封入したCy2標識−抗マウスIgG抗体(HVJ-E)、Chariot処理した同抗体(Chariot)および何らの処理も施さない抗体(Mab Only)をそれぞれ細胞に添加した場合のタンパク質の細胞導入効率を表した図である。陰性コントロールとして、タンパクを添加しない細胞(No Treat)も示す。Chariot処理よりHVJ-E封入の方が、抗体が高効率で導入されていることが分かる。
【図3】Cy3 Mono-Reactive Dye Packで標識したマウスのIgGをHVJ-Eに封入し、Vero細胞に導入した場合の細胞の図である。
【図4】Cy2 Mono-Reactive Dye Packで標識した複合タンパク質(LMW Marker Kit)をHVJ-Eに封入し、Vero細胞に導入した場合の細胞の図である。
【図5】SEAP Reporter Gene Assayの結果である。TNF刺激により誘導されたNFκB活性をHVJ-Eに封入された抗NFκB抗体またはNF≡B デコイ核酸が抑制していることが分かる。(TE:TEバッファー、Decoy:NFκB デコイ核酸、 NFκB Ab:抗NFκB抗体、+TNF:TNF刺激有り、+HVJ-E:HVJ-E封入)
【図6】SEAP Reporter Gene Assayの結果である。TNF刺激により誘導されたNFκB活性をHVJ-Eに封入されたIκBαが抑制していることが分かる。(TE:TEバッファー、Decoy:NFκB デコイ核酸、NFκB Ab:抗NFκB抗体、−:HVJ-E無し、+TNF:TNF刺激有り、+HVJ-E:HVJ-E封入)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
HVJ(hemagglutinating virus of Japan)-E(envelope)を含む溶液に、界面活性剤およびタンパク質を添加し、該溶液を攪拌することを含む、HVJ-Eへのタンパク質封入方法。
【請求項2】
HVJ-Eを含む溶液に、界面活性剤、硫酸プロタミンおよびタンパク質を添加し、該溶液を攪拌することを含む、HVJ-Eへのタンパク質封入方法。
【請求項3】
界面活性剤を、最終濃度が0.001%〜10%となるように添加する、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
界面活性剤を、最終濃度が0.01%〜1%となるように添加する、請求項1または2記載の方法。
【請求項5】
硫酸プロタミンを、最終濃度が0.01mg/ml〜100 mg/mlとなるように添加する、請求項2記載の方法。
【請求項6】
硫酸プロタミンを、最終濃度が0.1mg/ml〜10mg/mlとなるように添加する、請求項2記載の方法。
【請求項7】
硫酸プロタミン添加後、界面活性剤を添加し、その後タンパク質を添加する、請求項2記載の方法。
【請求項8】
HVJ 100HAU(hemagglutination units)あたり0.01μg〜100μgのタンパク質を添加する、請求項1または2記載の方法。
【請求項9】
タンパク質が、転写調節因子、抗原、抗体、リガンド、受容体、分子シャペロン、酵素、毒素、ホルモン、神経伝達物質、サイトカイン、成長因子およびペプチドからなる群から選択される請求項1または2記載の方法。
【請求項10】
タンパク質が、酵素以外のタンパク質である請求項1または2記載の方法。
【請求項11】
攪拌後に、D-MEM(Dulbecco’s Modified Eagle’s Medium)を添加することをさらに含む、請求項1または2記載の方法。
【請求項12】
界面活性剤がNP40(p-tert-octylphenol,)またはCHAPS({3-〔(3-Cholamidopropyl)dimethylammonio〕-1-propanesulfonate})である、請求項1または2記載の方法。
【請求項13】
タンパク質が封入されているHVJ-E。
【請求項14】
NFκB活性を抑制するタンパク質が封入されているHVJ-E。
【請求項15】
タンパク質が、転写調節因子、抗原、抗体、リガンド、受容体、分子シャペロン、酵素、毒素、ホルモン、神経伝達物質、サイトカイン、成長因子およびペプチドからなる群から選択される請求項13または14記載のHVJ-E。
【請求項16】
タンパク質が、酵素以外のタンパク質である請求項13または14のHVJ-E。
【請求項17】
タンパク質が抗体である請求項13または14記載のHVJ-E。
【請求項18】
タンパク質が抗NFκB抗体である請求項14記載のHVJ-E。
【請求項19】
タンパク質がIκBαである請求項14記載のHVJ-E。
【請求項20】
請求項13または14記載のHVJ-Eを有効成分として含む医薬組成物。
【請求項21】
請求項14記載のHVJ-Eを有効成分として含むNFκB活性抑制剤。
【請求項22】
請求項13または14記載のHVJ-Eを含む炎症性疾患、感染症または酵素欠損症の予防、改善または治療剤。
【請求項23】
請求項13〜19のいずれかに記載のHVJ-Eを細胞に接触させることを含むタンパク質を細胞に導入する方法。

【図5】
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【図6】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−212023(P2008−212023A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−51656(P2007−51656)
【出願日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【出願人】(302060281)ジェノミディア株式会社 (7)
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)
【Fターム(参考)】