説明

ICカード、ICカード読取機器、ICカード読取システム、およびICカード読取プログラム

【課題】災害時などで無線通信回線が不通となったり込み合ったりしている状態で、事故に遭った怪我人や街頭での急病人の健康状態に関する情報を、救急隊員などの救助者が、できるだけ個人のプライバシー侵害にならないように個人のICカードから直接取得することができ、これにより救助者が適切な救助を行うことを可能とするシステムを得る。
【解決手段】ICカード10と、ICカード10に格納されている情報を読み取るICカード読取機器100とを有するICカード読取システム1において、ICカード10を、ICカード所有者である個人に関連する複数のコンテンツ情報Daを、その秘匿性とコンテンツ情報を要求する情報要求者に対する個人の信頼度との関係に応じて分類して格納したカード側メモリ11と、コンテンツ情報Daをその分類に基づいて選択的にカード側メモリ11から読み出して出力するカード側演算処理部12とを有するものとした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ICカード、ICカード読取機器、ICカード読取システム、およびICカード読取プログラムに関し、特に、ICカードに格納されているICカード所有者(以下個人ともいう。)に関連する個人コンテンツ情報をその情報要求者に提供する情報提供範囲を、このコンテンツ情報を要求する情報要求者とICカード所有者である個人との関連性に基づいて制限するようにしたICカード、ICカード読取機器、ICカード読取システム、およびICカード読取プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、LANなどのネットワークの普及により、個人に関連するコンテンツ情報を、ネットワーク上のサーバで一括管理する情報管理システムが医療機関などで用いられている。
【0003】
図11はこのような情報管理システムを説明する図であり、図11(a)は該システムの全体構成を模式的に示し、図11(b)は、この情報管理システムを構成するユーザ端末の構成を示している。
【0004】
この情報管理システム200は、個人に関連するコンテンツ情報を保管した情報保管サーバーNsrと、サーバーNsvにネットワーク200aを介して接続され、サーバーNsvに対してコンテンツ情報の読出しあるいは書込みを行う複数のユーザ端末Nt1,Nt2,・・・,Ntnとを有している。
【0005】
また、これらのユーザ端末は、例えば、図11(b)に示すように、1つのコンピュータシステム230で構成されている。ここで、コンピュータシステム230は、コンピュータ本体231と、コンピュータ本体231に接続された、ディスプレイ232、キーボード233、マウス234、および磁気カードリーダ220とを有している。
【0006】
このような情報管理システム200では、例えば、医師がカードリーダ220のカード挿入溝221に磁気カード30を通すことにより、磁気カードリーダ220が、個人(患者)を識別する患者ID情報を読取ってコンピュータ本体231に供給すると、コンピュータ本体231は、供給された患者ID情報に基づいて、ネットワーク200aを介してサーバーNsrにアクセスし、該サーバーNsrに格納されている患者のコンテンツ情報であるカルテを読み出してディスプレイ232に表示する。
【0007】
なお、このような磁気カードを用いた個人認証システムは、特許文献1にも開示されている。
【特許文献1】特開2004−145438号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、今日では、情報の書込みや読出しが自在なICチップを備えたICカードが実用化され、また、無線通信網のインフラも整ってきている。
【0009】
そこで、このような情報管理システムの磁気カードの代わりにICカードを用い、さらに、その磁気カードリーダを、無線通信網およびネットワークを介してサーバに接続可能なICカードリーダとすることで、図11に示すような情報管理システムを医療機関外に拡張することもできる。
【0010】
例えば、外出先で事故に遭ったり急病で倒れたりして意識がなくなった人に対する救助を、救急隊員などの救助者が行う場合などには、救助者は、その人の所持しているICカードからその個人ID情報をICカードリーダなどで読み取って、その人の病歴や健康状態を、無線通信網およびインターネットを介してサーバーに問い合わせ、サーバーから取得した健康状態に応じて適切な対応を取ることができる情報管理システムを実現することもできる。
【0011】
しかしながら、このような情報管理システムでは、災害時に無線通信回線が不通となっり込み合ったりしている状態では、事故に遭ったけが人や急病人の健康状態に関する情報をサーバから取得することはできず、救助者が適切な救助を行うことができないという問題がある。また、一般の人がこのようなけが人や急病人の救助にあたる場合には、個人の健康状態に関する情報を取得することは、個人のプライバシー侵害になるという問題もある。
【0012】
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたもので、災害時などで無線通信回線が不通となったり込み合ったりしている状態で、事故に遭った怪我人や街頭での急病人の健康状態に関する情報を、救急隊員などの救助者が、できるだけ個人のプライバシー侵害にならないように素早く取得することができ、これにより救助者が適切な救助を行うことを可能とするICカード、ICカード読取機器、ICカード読取システム、およびICカード読取プログラムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係るICカードは、ICカードの所有者である個人に関連する複数のコンテンツ情報を、その秘匿性と該コンテンツ情報を要求する情報要求者に対する個人の信頼度との関係に応じて分類して格納した情報格納部と、該コンテンツ情報をその分類に基づいて選択的に該情報格納部から読み出して出力する情報選択出力部とを備えたものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0014】
本発明は、上記ICカードにおいて、前記情報選択出力部は、前記コンテンツ情報を要求する情報要求者を識別する識別情報に基づいて、該コンテンツ情報を該情報要求者に提供する情報提供範囲を設定する情報提供範囲設定部と、該設定された情報提供範囲内のコンテンツ情報を出力する情報出力部とを備えている、ことが好ましい。
【0015】
本発明は、上記ICカードにおいて、前記複数のコンテンツ情報は、その秘匿性の高さに応じて分類されるよう、各コンテンツ情報にその秘匿性の高さを示すフラグを付加して前記情報格納部に格納されており、前記情報提供範囲設定部は、前記情報要求者の識別情報に基づいて、前記情報格納部に格納されているコンテンツ情報のフラグを選択することにより前記情報提供範囲を決定し、前記情報出力部は、該決定された情報提供範囲内のコンテンツ情報を該情報要求者へ提供することが好ましい。
【0016】
本発明は、上記ICカードにおいて、前記コンテンツ情報は、複数のフォルダに、高い秘匿性を有するコンテンツ情報を含むフォルダに、より低い秘匿性を有するコンテンツ情報を含むフォルダのコンテンツ情報が含まれるよう分類して前記情報格納部に格納されており、前記情報提供範囲設定部は、前記情報要求者の識別情報に基づいて、前記情報格納部に格納されているコンテンツ情報のフォルダを選択することにより前記情報提供範囲を決定し、前記情報出力部は、該決定された情報提供範囲内のコンテンツ情報を該情報要求者へ提供することが好ましい。
【0017】
本発明は、上記ICカードにおいて、前記コンテンツ情報は、前記個人の健康に関する個人健康情報であり、前記情報要求者は、主治医、一般の医師、救急隊員、一般人、および行政関係者を含み、前記情報提供範囲設定部は、前記情報提供範囲を、主治医、一般の医師、救急隊員、一般人、および行政関係者に応じて設定することが好ましい。
【0018】
本発明は、上記ICカードにおいて、前記コンテンツ情報の読出しを要求する情報要求者を識別する識別情報に応じて、該コンテンツ情報を該情報要求者に提供する情報提供範囲を設定する処理を行うための範囲設定プログラムを格納したプログラム格納部と、本ICカードに対して、コンテンツ情報を要求する情報要求端末からの給電が開始されたとき、該範囲設定プログラムを該情報要求端末に供給するプログラム供給部とをさらに備えることが好ましい。
【0019】
本発明は、上記ICカードにおいて、前記情報選択出力部は、前記情報要求端末にて、前記範囲設定プログラムに従って設定された情報提供範囲を示す指示情報を受信する情報受信部と、受信した指示情報が示す情報提供範囲内のコンテンツ情報を出力する情報出力部とを備えていることが好ましい。
【0020】
本発明は、上記ICカードにおいて、前記複数のコンテンツ情報は、その秘匿性の高さに応じて分類されるよう、各コンテンツ情報にその秘匿性の高さを示すフラグを付加して前記情報格納部に格納されており、前記範囲設定プログラムは、前記情報要求者の識別情報に基づいて、前記情報格納部に格納されているコンテンツ情報のフラグを選択することにより、該情報要求者に提供する情報提供範囲を決定するステップと、該決定された情報提供範囲内のコンテンツ情報を本ICカードに対して要求するステップとを実行するためのプログラムであることが好ましい。
【0021】
本発明は、上記ICカードにおいて、前記複数のコンテンツ情報は、複数のフォルダに、高い秘匿性を有するコンテンツ情報を含むフォルダに、より低い秘匿性を有するコンテンツ情報を含むフォルダのコンテンツ情報が含まれるよう分類して前記情報格納部に格納されており、前記範囲設定プログラムは、前記情報要求者の識別情報に基づいて、前記情報格納部に格納されているコンテンツ情報のフォルダを選択することにより、該情報要求者に提供する情報提供範囲を決定するステップと、該決定された情報提供範囲内のコンテンツ情報を本ICカードに対して要求するステップとを実行するためのプログラムであることが好ましい。
【0022】
本発明は、上記ICカードにおいて、前記コンテンツ情報は、前記個人の健康に関する個人健康情報であり、前記情報要求者は、主治医、一般の医師、救急隊員、一般人、および行政関係者を含み、前記情報要求端末では、前記範囲設定プログラムの実行により、前記情報提供範囲が、主治医、一般の医師、救急隊員、一般人、および行政関係者に応じて設定されることが好ましい。
【0023】
本発明は、上記ICカードにおいて、前記個人健康情報は、前記個人の主治医を特定する主治医情報と、該個人の主病名を示す主病名情報と、該個人の全病名を示す全病名情報と、該個人の全医療経歴における検査結果を示す検査結果情報と、該個人の健康保険の種類を示す健康保険情報とを含むことが好ましい。
【0024】
本発明に係るICカード読取機器は、個人に関する複数のコンテンツ情報を、その秘匿性と該コンテンツ情報を要求する情報要求者に対する個人の信頼度との関係に応じて分類して格納しているICカードから、該コンテンツ情報を読み取るICカード読取機器であって、該コンテンツ情報を要求する情報要求者の識別情報を取得する識別情報取得部と、該ICカードから該識別情報に基づいて提供されるコンテンツ情報を表示する表示部とを備えたものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0025】
本発明は、上記ICカード読取機器において、前記取得した識別情報を前記ICカードに出力する識別情報出力部を備えていることが好ましい。
【0026】
本発明は、上記ICカード読取機器において、前記コンテンツ情報を要求する情報要求者を識別する識別情報に基づいて、該コンテンツ情報を該情報要求者に提供する情報提供範囲を設定する情報提供範囲設定部と、該設定された情報提供範囲のコンテンツ情報を該ICカードに要求する情報要求部とを備えていることが好ましい。
【0027】
本発明は、上記ICカード読取機器において、プログラムにより演算処理を実行するマイクロプロセッサを備え、該マイクロプロセッサは、前記ICカードから提供されるプログラムにより、前記情報提供範囲設定部と前記情報要求部とを構築することが好ましい。
【0028】
本発明は、上記ICカード読取機器において、前記識別情報取得部は、前記情報要求者の所持する磁気カードから該情報要求者の識別情報を読み取る磁気カード読取部と、該磁気カード読取部で読み取った該情報要求者の識別情報を前記ICカードに無線送信する通信部とを有することが好ましい。
【0029】
本発明は、上記ICカード読取機器において、前記識別情報取得部は、前記情報要求者の操作により該情報要求者の識別情報を生成する入力処理部と、該入力処理部で生成された該情報要求者の識別情報を前記ICカードに無線送信する通信部とを有することが好ましい。
【0030】
本発明に係るICカード読取システムは、ICカードと、該ICカードに格納されている情報を読み取るICカード読取機器とを有するICカード読取システムであって、該ICカードは、該ICカードの所有者である個人に関連する複数のコンテンツ情報を、その秘匿性と該コンテンツ情報を要求する情報要求者に対する個人の信頼度との関係に応じて分類して格納した情報格納部と、該コンテンツ情報をその分類に基づいて選択的に該情報格納部から読み出して出力する情報選択出力部とを備えているものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0031】
本発明は、上記ICカード読取システムにおいて、前記ICカードの情報選択出力部は、前記コンテンツ情報を要求する情報要求者を識別する識別情報に基づいて、該コンテンツ情報を該情報要求者に提供する情報提供範囲を設定する情報提供範囲設定部と、該設定された情報提供範囲内のコンテンツ情報を出力する情報出力部とを備えており、前記ICカード読取機器は、該コンテンツ情報を要求する情報要求者の識別情報を取得する識別情報取得部と、該取得した識別情報を該ICカードに出力する識別情報出力部と、該ICカードから該識別情報に基づいて提供されるコンテンツ情報を表示する表示部とを備えていることが好ましい。
【0032】
本発明は、上記ICカード読取システムにおいて、前記ICカードは、前記コンテンツ情報の読出しを要求する情報要求者を識別する識別情報に応じて、該コンテンツ情報を該情報供給者に提供する情報提供範囲を設定する処理を行うための範囲設定プログラムを格納したプログラム格納部と、本ICカードに対して、コンテンツ情報を要求する情報要求端末からの給電が開始されたとき、該範囲設定プログラムを該情報要求端末に供給するプログラム供給部とを備えており、前記ICカードの情報選択出力部は、前記ICカード読取機器にて、前記範囲設定プログラムに従って設定された情報提供範囲を示す指示情報を受信する情報受信部と、受信した指示情報が示す情報提供範囲内のコンテンツ情報を該ICカード読取機器に出力する情報出力部とを備えていることが好ましい。
【0033】
本発明は、上記ICカード読取システムにおいて、前記ICカード読取機器は、プログラムにより演算処理を実行するマイクロプロセッサを備え、該マイクロプロセッサは、前記コンテンツ情報を要求する情報要求者を識別する識別情報に基づいて、該コンテンツ情報を該情報要求者に提供する情報提供範囲を設定する情報提供範囲設定部と、該設定された情報提供範囲のコンテンツ情報を該ICカードに要求する情報要求部とを、前記ICカードから提供される前記範囲設定プログラムにより構築することが好ましい。
【0034】
本発明に係るICカード読取プログラムは、ICカードの所有者である個人に関連する複数のコンテンツ情報を、その秘匿性と該コンテンツ情報を要求する情報要求者に対する個人の信頼度との関係に応じて分類して格納したICカードからコンテンツ情報を読み取る処理を実行するためのICカード読取プログラムであって、該コンテンツ情報を要求する情報要求者の識別情報を取得するステップと、該コンテンツ情報の分類に従って、該ICカード内に格納されているコンテンツ情報を該情報要求者に提供する情報提供範囲を設定するステップと、該設定された情報提供範囲のコンテンツ情報を該ICカードに要求するステップとを含むものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【発明の効果】
【0035】
本発明によれば、ICカードの所有者である個人に関連する複数のコンテンツ情報を、その秘匿性と該コンテンツ情報を要求する情報要求者に対する個人の信頼度との関係に応じて分類して格納した情報格納部と、該コンテンツ情報をその分類に基づいて選択的に該情報格納部から読み出して出力する情報選択出力部とを備えたので、災害時などで無線通信回線が不通となったり込み合ったりしている状態で、事故に遭った怪我人や街頭での急病人の健康状態に関する情報を、救急隊員などの救助者が、できるだけ個人のプライバシー侵害にならないように素早く取得することができ、これにより救助者が怪我人や急病人に対して適切な措置をとることができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
(実施形態1)
本発明の実施形態1によるICカード読取システムは、ICカードの所有者である個人に関連する複数のコンテンツ情報を、その秘匿性とコンテンツ情報を要求する情報要求者に対する個人の信頼度との関係に応じて分類して格納した情報格納部と、コンテンツ情報をその分類に基づいて選択的に情報格納部から読み出して出力する情報選択出力部とを備えたものであり、これにより、災害時などで無線通信回線が不通となったり込み合ったりしている状態で、事故に遭った怪我人や街頭での急病人などの被救助者の救助にあたる救急隊員や一般の人(救助者)が、被救助者の健康状態に関する情報(コンテンツ情報)を、できるだけ個人のプライバシー侵害にならないように個人のICカードから直接取得することができ、救助者がそのような個人との関係において適切な救助を行うことを可能とするものであり、以下具体的に説明する。
【0037】
図1は、本発明の実施形態1によるICカード読取システム1を説明する図であり、図1(a)は全体構成を示し、図1(b)はその主要部を概念的に示す。
【0038】
この実施形態1のICカード読取システム1は、ICカード所有者である個人に関連するコンテンツ情報を格納したICカード10と、ICカード10に格納されているコンテンツ情報を読み取るICカード読取機器100とを有し、該ICカード10とICカード読取機器100との間で、無線通信Wcによりデータ信号の送受信が行われるようになっている。
【0039】
まず、本実施形態1のICカード読取システム1を構成するICカード10について説明する。
【0040】
図2は、この実施形態1のICカード10を示す図であり、図2(a)は、このICカード10の構成を示している。
【0041】
このICカード10は、ICチップ10aとアンテナ10bとを一体化して構成してなる電子コンポーネントである。ICチップ10aは、上述した個人情報およびコンテンツ情報を格納するメモリ(以下、カード側メモリともいう。)11と、ICカード読取機器100へのデータ信号Tscをアンテナ10bから送信し、ICカード読取機器100からのデータ信号Rscをアンテナ10bから受信するカード側送受信部13とを有している。このICチップ10aはさらに、メモリ11への書込みデータWd、メモリ11からの読出しデータRd、ICカード読取機器100への送信データ信号Tsc、およびICカード読取機器100からの受信データ信号Rscに対する演算処理を行う演算処理部(以下、カード側演算処理部ともいう。)12を有している。なお、このICカード10は、バッテリなどの電源は有しておらず、このICカード10にICカード読取機器100を近づけたとき、ICカード読取機器100からの送信電波により給電されるものであり、アンテナ10bでの受信電波をICカード10の電源電圧Pvに変換して、メモリ11、演算処理部12、送受信部13に供給する給電部14を有している。
【0042】
この実施形態1では、ICカード10のカード側メモリ11は、ICカード所有者である個人に関連する複数のコンテンツ情報を、その秘匿性とこのコンテンツ情報を要求する情報要求者に対する個人の信頼度との関係に応じて分類して格納した情報格納部の一部を構成しており、以下、ICカード10のメモリ11に、上述した個人のコンテンツ情報を格納する方法の一例について説明する。
【0043】
図3は、個人のコンテンツ情報をその秘匿性(プライバシー性)に応じて分類してICカードのメモリ11に格納する方法の一例を説明する図であり、図3(a)は、ICカードのメモリ領域Mrに書き込まれている、コンテンツ情報Da1〜Da5を含むデータ列Bs1〜Bs5を示している。ここでは、5つのコンテンツ情報Da1〜Da5と、それぞれに対応する5つのデータ列Bs1〜Bs5とを示しているが、コンテンツ情報やこれを含むデータ列はそれぞれ、5つに限られるものではない。なお、以下、説明の都合上、一般的なコンテンツ情報をコンテンツ情報Daと言い、コンテンツ情報Daを含むデータ列をデータ列Bsという。
【0044】
また、図3(b)は、このデータ列Bs2のデータ構造を示し、図3(c)は、データ列のカード側メモリへの書込みの際に作成される、データ列の書込みアドレスとコンテンツ情報の管理情報であるフラグとの対応を示すテーブルT1を示している。また、図3(c)では、5つのコンテンツ情報Da1〜Da5に対応するフラグFL1〜FL5とデータ列Bs1〜Bs5の書込みアドレスとして、5つのアドレスA1〜A5を示しているが、上述したデータ列などと同様に、5つに限られるものではない。なお、以下、説明の都合上、一般的なフラグをフラグFLと言い、フラグFLを含むデータ列Bsの書込みアドレスをアドレスAという。
【0045】
カード側メモリ11aのメモリ領域Mrには、図3(a)に示すように、各コンテンツ情報Da1〜Da5に対応するデータ列Bs1〜Bs5が書き込まれている。例えば、データ列Bs2は、図3(b)に示すように、コンテンツ情報Da2と、このコンテンツ情報Da2の管理情報であるフラグ情報FL2とを含んでいる。
【0046】
ここでは、このフラグFL2は複数ビットからなり、先頭ビットB1〜5番目ビットB5をコンテンツ情報Da2の秘匿性(プライバシー性)の高さを示すものとして用い、残りのビットBは、その他の管理情報を示すビットあるいはリザーブされたビットとなっている。なお、他のデータ列Bs1、Bs3〜Bs5も、このデータ列Bs2と同一のデータ構造を有している。例えば、フラグFL2では、2ビット目B2に「1」が設定されており、フラグFL2が付与されたコンテンツ情報は、2番目に秘匿性の高いものであることを示している。
【0047】
また、図3(a)に示すように、各コンテンツ情報Da1〜Da5に対応するデータ列Bs1〜Bs5は、ICカードのメモリ領域Mrにランダムに配置されており、カード側演算処理部12では、図3(c)に示すように、テーブルT1により、各データ列Bs1〜Bs5をメモリ領域Mrに書き込んだときのアドレス、具体的にはその書込み位置の先頭アドレスA1〜A5が、各データ列Bs1〜Bs5のフラグFL1〜FL5と対応付けて管理されている。
【0048】
図4は、本実施形態1のICカード10に格納する具体的なコンテンツ情報を説明する図であり、図4(a)は、コンテンツ情報の要求者に対して設定される情報開示範囲を示し、図4(b)は、情報要求者の識別情報とフラグ(コンテンツ情報の秘匿性の高さを示す情報)との対応により、情報要求者に対する個人の信頼度の高さを表すテーブルT2を示している。つまり、ICカード所有者である個人からみて信頼度の高い情報要求者の識別情報には、秘匿性(プライバシー性)の高いコンテンツ情報に対応するフラグが割当てられている。
【0049】
コンテンツ情報Da1は、カード所有者(以下、個人ともいう。)の氏名である本人氏名と、そのかかりつけ医師名およびその連絡先とを示す情報である。コンテンツ情報Da2は、個人の主病名(糖尿病)、禁忌薬(アスピリン)、およびアレルギー(そば)を示す情報である。コンテンツ情報Da3は、個人の全病名、例えば(糖尿病)および(網膜症)を示すとともに、個人の既往症(脳梗塞)、主要検査結果(血液型)および(血糖値)を示す情報である。コンテンツ情報Da4は、個人の全医療データ(各科特有の検査結果)を示す情報である。コンテンツ情報Da5は、個人の加入している健康保険の種類(社)・(国)・(生)・(無)を示す情報である。
【0050】
このようなコンテンツ情報Da1〜Da5は、基本的には個人の秘匿性の大きさに基づいて分類されており、コンテンツ情報Da1〜Da4には、図3(c)に示すように、秘匿性の低いものから順に、フラグFL1〜FL4が対応付けられている。なお、ここでは、各フラグが示す秘匿性の高さは、フラグFL1〜FL4の順に大きくなっている。なお、コンテンツ情報Da5は、他のコンテンツ情報Da1〜Da4とは別に分類されており、このコンテンツ情報Da5には、フラグFL1〜FL4が示す秘匿性の順位とは独立した秘匿性を示すフラグFL5が対応付けられている。
【0051】
図2(b)は、この実施形態1のICカード10におけるカード側演算処理部12の構成を示すブロック図である。
【0052】
このカード側演算処理部12は、マイクロプロセッサにより構成されており、カード側メモリ11に対してデータの書込みおよび読出しを行うメモリアクセス部12aと、カード側メモリ11でのデータ記録状態を管理するメモリ管理部12bと、カード側送受信部13からの受信データ信号Rsc、カード側送受信部13への送信データ信号Tsc、カード側メモリ11への書込みデータWd、およびカード側メモリ11からの読出しデータRdに対して、データ処理を施すデータ処理部12cと、データ処理部12cからの情報要求者を識別する識別情報IDに基づいて、情報要求者に対応した制限された読出しアドレスLAdを発生して、コンテンツ情報の提供範囲を設定する情報提供範囲設定部12dとを有している。
【0053】
ここで、メモリ管理部12bは、カード側メモリ11のメモリ領域Mrに書込みデータWdを書き込む際に、この書込みデータWdとその書込みアドレスAとを取得して、メモリ11の管理をするものであり、特に、この実施形態1では、メモリ管理部12bは、主治医などにより、予めコンテンツ情報Daに対応するデータ列Bsがカード側メモリ12bのメモリ領域Mrに書き込まれるときに、図3(c)に示すように、コンテンツ情報Daに対応するデータ列BsのフラグFLと、このデータ列Bsの書込み領域の先頭位置のアドレスAとを対応付けるテーブルT1を作成して保持し、このテーブルT1によりフラグFLとアドレスAとを管理するものである。
【0054】
さらに、情報提供範囲設定部12dは、データ処理部12cから提供されるコンテンツ情報の要求者Pを識別する識別情報IDに応じて、コンテンツ情報の読出しアドレスを生成することにより、コンテンツ情報の分類に基づいた情報提供範囲Rを設定するものであり、想定される複数の情報要求者P(P1〜P5)の各々に対する情報提供範囲R(R1〜R5)を、コンテンツ情報のフラグFLにより示すテーブル情報T2を保持している。このテーブルT2は予め主治医により、個人のコンテンツ情報の秘匿性とそのコンテンツ情報を要求する情報要求者に対する個人の信頼度との関係に応じて、設定されるものである。従って、情報提供範囲設定部12dは、カード側メモリ11とともに、ICカードの所有者である個人に関連する複数のコンテンツ情報を、その秘匿性とコンテンツ情報を要求する情報要求者に対する個人の信頼度との関係に応じて分類して格納した情報格納部を構成するものである。
【0055】
次に、個人のICカード10からコンテンツ情報を要求すると想定される情報要求者として、図4(a)に示す一般人P1、救急隊員P2、医師P3、主治医P4、および行政関係者P5を挙げ、情報提供範囲Rの設定の具体例を説明する。
【0056】
一般人P1の識別情報ID1には、コンテンツ情報の秘匿性の最も低いことを示すフラグFL1が対応付けられ、これにより、一般人に対しては、コンテンツ情報Da1のみに制限された最も狭い情報提供範囲R1が設定されている。救急隊員の識別情報P2には、コンテンツ情報の秘匿性の最も低いことを示すフラグFL1と、これより1ランク秘匿性の高いフラグFL2とが対応付けられ、これにより、救急隊員に対しては、コンテンツ情報Da1およびDa2に制限された情報提供範囲R2が設定されている。医師P3の識別情報ID3には、フラグFL1〜FL3が対応付けられ、これにより、医師に対しては、コンテンツ情報Da1〜Da3に制限された情報提供範囲R3が設定されている。主治医の識別情報P4の識別情報ID4には、コンテンツ情報の秘匿性の最も低いことを示すフラグFL1〜コンテンツ情報の秘匿性の最も高いことを示すフラグFL4が対応付けられ、これにより、主治医に対しては、特殊なコンテンツ情報Da5を除いた他のコンテンツ情報Da1〜Da4の全てを提供可能とする情報提供範囲R4が設定されている。さらに、行政関係者の識別情報P5には、コンテンツ情報の秘匿性の最も低いことを示すフラグFL1と、開示義務を示すフラグFL5とが対応付けられ、これにより、行政関係者に対しては、コンテンツ情報Da1およびDa5のみに制限された比較的狭い情報提供範囲R5が設定されている。
【0057】
また、メモリアクセス部12aは、情報提供範囲設定部12dからの制限された読出アドレスLAdに基づいて、カード側メモリ11のメモリ領域Mrの、読出アドレスLAdに示す位置に格納されているデータ列のコンテンツ情報を読み出してデータ処理部12cに読出しデータRdとして出力するものである。
【0058】
このように、この実施形態1では、情報提供範囲設定部12dは、データ処理部12cから提供されるコンテンツ情報の要求者Pを識別する識別情報IDに応じて、コンテンツ情報の分類に基づいた情報提供範囲Rを設定するものであり、また、メモリアクセス部12aは、設定された情報提供範囲内のコンテンツ情報を出力する情報出力部となっている。従って、情報提供範囲設定部12dおよびメモリアクセス部12aは、コンテンツ情報をその分類に基づいて選択的にカード側メモリ(情報格納部)11aから読み出して出力する情報選択出力部を構成している。
【0059】
なお、個人のコンテンツ情報をその秘匿性に応じて分類してICカードのメモリに格納する方法は、図3に示すように、コンテンツ情報を、これに付加する管理情報としてのフラグにより分類してICカードのメモリに格納する方法に限らず、例えば、複数のコンテンツ情報を、複数のフォルダに、高い秘匿性を有するコンテンツ情報を含むフォルダに、より低い秘匿性を有するコンテンツ情報を含むフォルダのコンテンツ情報が含まれるよう分類してカード側メモリ11に格納する方法も考えられる。
【0060】
図5は、このようなコンテンツ情報の格納方法を説明する図である。
【0061】
ここでは、コンテンツ情報を格納するフォルダとして、5つのフォルダFd1〜Fd5が設定されており、各フォルダは、コンテンツ情報を要求すると想定される情報要求者P1〜P5の識別情報ID1〜ID5に対応付けられている。なお、フォルダの数や情報要求者の数は、これに限るものではない。また、各フォルダFd1〜Fd5は、個人のその情報要求者Pに対する信頼度が高い識別情報が対応付けられているものほど、より秘匿性の高いコンテンツ情報まで含まれている。つまり、個人の信頼度の高い情報要求者の識別情報が割り当てられてフォルダには、より多くのコンテンツ情報が、つまり、最もプライバシー性の低いコンテンツ情報から個人にとってよりプライバシー性の高いコンテンツ情報までにわたる情報が格納される。
【0062】
図5に示すように5つのフォルダFd1〜Fd5が準備されている場合について、図3で示した情報要求者P1〜P5とコンテンツ情報Da1〜Da5とを用いて具体的に説明する。
【0063】
フォルダFd1には、個人から見て信頼度の最も低い情報要求者(一般人P1)の識別情報ID1が割り当てられている。フォルダFd2には、個人から見て信頼のやや高い情報要求者(救急隊員P2)の識別情報ID2が割り当てられている。フォルダFd3には、個人から見て信頼のさらに高い情報要求者(医師P3)の識別情報ID3が割り当てられている。フォルダFd4には、個人から見て信頼の最も高い情報要求者(主治医P4)の識別情報ID4が割り当てられている。フォルダFd5には、個人から見て主治医ほどは信頼が高くはないが、特定の個人情報について個人が開示義務を負う情報要求者(行政関係者P5)の識別情報ID5が割り当てられている。
【0064】
この場合、フォルダFd1に格納されるコンテンツ情報Db1は、プライバシー性の最も低いコンテンツ情報Da1(図4(a)参照)のみである。フォルダFd2に格納されるコンテンツ情報Db2は、プライバシー性の最も低いコンテンツ情報Da1とこれより一段プライバシー性の高いコンテンツ情報Da2(図4(b)参照)の2つである。フォルダFd3に格納されるコンテンツ情報Db3は、プライバシー性の最も低いコンテンツ情報Da1と、これより一段プライバシー性の高いコンテンツ情報Da2と、さらに一段プライバシー性の高いコンテンツ情報Da3(図4(a)参照)の3つのコンテンツ情報である。さらに、フォルダFd4に格納されるコンテンツ情報Db4は、プライバシー性の最も低いコンテンツ情報Da1からプライバシー性の最も高いコンテンツ情報Da4までの4つのコンテンツ情報である。さらに、フォルダFd5に格納されるコンテンツ情報Db5は、プライバシー性の最も低いコンテンツ情報Da1と、特定の情報要求者(行政関係者)に対して開示義務のあるコンテンツ情報Da5の2つのコンテンツ情報である。
【0065】
次に、ICカード読取システム1を構成するICカード読取機器100について説明する。
【0066】
図6は、このICカード読取機器100の構成を示す図である。
【0067】
ICカード読取機器100は、ICカード10との無線通信Wcのためのアンテナ111と、このアンテナ111に接続され、ICカード10と無線通信を行う機器側送受信部112と、この機器側送受信部112に接続され、データに対する演算処理を行う機器側演算処理部113と、ユーザの入力操作に応じて入力信号Sinを機器側演算処理部113に出力する入力処理部115と、磁気カード30から読み取ったユーザ認証コードなどの認証情報Cidを機器側演算処理部113に出力する磁気カード読取部116と、機器側演算処理部113で処理されたデータIdを表示する表示部114と、ICカードから読み出したコンテンツ情報Daを格納する機器側メモリ117とを有している。
【0068】
ここで、機器側演算処理部113は、磁気カード30からのユーザ認証コードなどの認証情報Cidを上述の情報要求者Pの識別情報IDに変換して送信データ信号Tsdとして機器側送受信部112に出力し、また、機器側送受信部112でICカード10から受信した信号(受信データ信号)Rsdを処理し、受信データ信号Rsdに含まれるコンテンツ情報Daを機器側メモリ117に格納する。機器側演算処理部113は、機器側メモリ117に格納したコンテンツ情報Daなどの情報を表示用データIdに変換して表示部114に出力する。また、機器側演算処理部113は、入力処理部115からの入力信号Sinを受け、この入力信号Sinに基づいてユーザの要求する種々の演算処理を行うものである。従って、ユーザ認証コードなどの認証情報は、機器のユーザである情報要求者が入力キー102の操作により入力してもよい。この場合、ユーザ認証コードなどの個人認証情報Cidは、入力処理部115から機器側演算処理部113に出力される。
【0069】
従って、ここでは、機器側演算処理部113および機器側送受信部112は、機器のユーザである情報要求者から取得した識別情報をICカードに出力する識別情報出力部を構成している。
【0070】
また、このICカード読取機器100の筐体110の側面には、磁気カード30を挿入する磁気カード挿入溝103が形成されている。この筐体110の表面の一方側には、表示画面101上でデータの表示を行う表示部114が配置され、さらに、この筐体110の表面の他方側には、ユーザ操作のための入力キー102が複数配置されている。ここで、磁気カード挿入溝103は、この溝に磁気カード30が挿入されたとき、磁気カード読取部116が磁気カード30から個人認証情報Cidを読み取って機器側演算処理部113に出力するように構成されている。
【0071】
次に、本実施形態1のICカード読取システム1の動作について説明する。
【0072】
図7および図8は、本実施形態1のICカード読取システムの動作を説明する図であり、図7は、コンテンツ情報の読取処理の流れを示し、図8は、コンテンツ情報の読取処理における情報提供範囲を決定する処理を具体的に示している。
【0073】
なお、ICカード所有者である個人のコンテンツ情報は、個人の主治医などその個人が最も信頼する者によって、図3および図4で説明しように、コンテンツ情報Daをこれに付加したフラグFLにより分類してカード側メモリ11格納する方法で、カード側メモリ11のメモリ領域Mr(図3(a)参照)に予め書き込まれている。
【0074】
この書込みは、コンピュータシステムに接続されたICカード書込装置(図示せず)を用いて行うことができる。例えば、このICカード書込装置から、各種コンテンツ情報とその管理情報であるフラグとが無線通信によりICカード10に送信されると、ICカード10では、データ処理部12cを介してこれらの情報が書込情報Wdとしてメモリアクセス部12aに出力され、この書込情報Wdがメモリアクセス部12aによりICカード10のメモリ領域Mrに書き込まれる。このとき、メモリ管理部12bは、書込情報Wdに含まれるフラグFLと、書込情報Wdの書込みアドレスAとから、図3(c)に示すテーブルT1を作成し、メモリ領域Mrに書き込まれたコンテンツ情報DaのフラグFLと、コンテンツ情報DaおよびそのフラグFLを含むデータ列Bsの書込みアドレスAとを対応付けて管理する。
【0075】
また、主治医は、テーブルT2(図4(b))の設定も、上述したICカード書込装置を用いて行う。例えば、このICカード書込装置から、テーブルT2の情報、つまり情報要求者の識別情報IDと秘匿性を示すフラグFLとを対応付ける情報が、ICカード10に送信されると、ICカード10では、データ処理部12cを介してこのテーブルT2の情報が情報提供範囲設定部12dのレジスタ部(図示せず)に格納される。このテーブルT2では、個人の信頼度が高い情報要求者の識別情報IDほど、高い秘匿性を示すフラグFLが対応付けられており、言い換えると、個人の信頼度が高い情報要求者には、秘匿性の高いコンテンツ情報まで提供されるようになっている。
【0076】
以下、怪我人や急病人など意識のない人を救助する際に、救助者がコンテンツ情報をICカードから読み取る場合について説明する。なお、ここでは、救助者である情報要求者が救急隊員P2であるとする。
【0077】
救助者(情報要求者)は、まず、ICカード読取機器100に救急隊員であることを認識させるために、救急隊員P2所有の認証用磁気カード30をICカード読取機器100のカード読取溝103に挿入する。なお、磁気カード30による認証作業は、上述したように、ICカード読取機器100の入力キー102を用いて行うこともできる。
【0078】
ICカード読取機器100の磁気カード読取部116は、磁気カード30から認証用データCidを読み取り、これを機器側演算処理部113に出力する。機器側演算処理部113は認証用データCidを受け取り、このデータを送信データ信号Tsdとして機器側送受信部112に出力すると、機器側送受信部112は、送信データ信号Tsdをアンテナ111を介して送信する。
【0079】
この状態で、怪我人や急病人など意識のない人(被救助者)の所有するICカード10を、ICカード読取機器100に近づけると、ICカード読取機器100のアンテナ111から放射された電波をICカード10のアンテナ10bが受信し、ICカード10の各部は、アンテナ10bに接続された給電部14から給電され、これによりICカードが起動する(ステップS1)。
【0080】
カード側受信部13がICカード読取機器100から送信された、救急隊員(情報要求者)P2を識別する識別情報ID2を受信すると(ステップS2)、カード側受信部13は、受信した識別情報をカード側演算処理部12に出力する。カード側演算処理部12は、この識別情報に基づいて、情報要求者に対応する情報提供範囲Rを決定する(ステップS3)。
【0081】
具体的には、図8に示すように、カード側演算処理部12は、受信した識別情報IDが、テーブルT2の識別情報ID1〜ID5のいずれに一致するかをステップS31からS35でそれぞれ判定し、いずれかに一致したときは、判定ステップS31〜S35に対応するアドレス発生ステップS31a〜S35aで、コンテンツ情報の書込み位置のアドレスを読出アドレスとして生成する。
【0082】
以下、図2(b)のブロック図を用いてこの読込アドレスの生成動作を詳細に説明する。
【0083】
カード側演算処理部12の情報提供範囲設定部12dはまず、受信した識別情報IDが、この設定部12dが保持するテーブルT2の識別情報ID1に一致するか否か判定し(ステップS31)、判定結果が一致であるとき、このテーブルT2から、この識別情報ID1が示す情報要求者P1に対するフラグFL1を選択し、さらに、メモリ管理部12bに保持されているテーブルT1の情報Rfから、選択したフラグFL1に基づいて、識別情報ID1が示す情報要求者P1に提供すべきコンテンツ情報Da1のアドレスA1を生成する(ステップS31a)。
【0084】
ステップS31の判定結果が不一致であるときは、情報提供範囲設定部12dは、受信した識別情報IDが、この設定部12dが保持するテーブルT2の識別情報ID2に一致するか否か判定し(ステップS32)、判定結果が一致であるとき、このテーブルT2から、この識別情報ID2が示す情報要求者P2に対するフラグFL1およびFL2を選択し、さらに、メモリ管理部12bに保持されているテーブルT1の情報Rfから、選択したフラグFL1およびFL2に基づいて、識別情報ID2が示す情報要求者P2に提供すべきコンテンツ情報Da1およびDa2の読出アドレスA1およびA2を生成する(ステップS32a)。
【0085】
ステップS32の判定結果が不一致であるときは、情報提供範囲設定部12dは、受信した識別情報IDが、この設定部12dが保持するテーブルT2の識別情報ID3に一致するか否か判定し(ステップS33)、判定結果が一致であるとき、このテーブルT2から、この識別情報ID3が示す情報要求者P3に対するフラグFL1〜FL3を選択し、さらに、メモリ管理部12bに保持されているテーブルT1の情報Rfから、選択したフラグFL1〜FL3に基づいて、識別情報ID3が示す情報要求者P3に提供すべきコンテンツ情報Da1〜Da3の読出アドレスA1〜A3を生成する(ステップS33a)。
【0086】
ステップS33の判定結果が不一致であるときは、情報範囲設定部12dは、受信した識別情報IDが、この設定部12dが保持するテーブルT2の識別情報ID4に一致するか否か判定し(ステップS34)、判定結果が一致であるとき、このテーブルT2から、この識別情報ID4が示す情報要求者P4に対するフラグFL1〜FL4を選択し、さらに、メモリ管理部12bに保持されているテーブルT1の情報Rfから、選択したフラグFL1〜FL4に基づいて、識別情報ID4が示す情報要求者P4に提供すべきコンテンツ情報Da1〜Da4の読出アドレスA1〜A4を生成する(ステップS34a)。
【0087】
ステップS34の判定結果が不一致であるときは、情報範囲設定部12dは、受信した識別情報IDが、この設定部12dが保持するテーブルT2の識別情報ID5に一致するか否か判定し(ステップS35)、判定結果が一致であるとき、このテーブルT2から、この識別情報ID5が示す情報要求者P5に対するフラグFL1およびFL5を選択し、さらに、メモリ管理部12bに保持されているテーブルT1の情報Rfから、選択したフラグFL1およびFL5に基づいて、識別情報ID5が示す情報要求者P5に提供すべきコンテンツ情報Da1およびDa5の読出アドレスA1およびA5を生成する(ステップS35a)。
【0088】
但し、ここでの動作説明では、救助者である情報要求者が救急隊員P2であるとしているので、コンテンツ情報Da1およびDa2のアドレスA1およびA2が生成されることとなる。
【0089】
その後、メモリアクセス部12aは、情報提供範囲設定部12dからのアドレスLAdに基づいてカード側メモリ11にコンテンツ情報を要求し(ステップS4)、指定されたアドレスに格納されているデータ列Bs(ここではデータ列Bs1およびBs2)を読出データRdとして読み出してデータ処理部12cに出力する(ステップS5)。データ処理部12cはメモリアクセス部12aから出力されたデータ列に対してデータ処理して、各データ列に含まれるコンテンツ情報da(ここではコンテンツ情報Da1およびDa2)をカード側送受信部13に出力すると、カード側送受信部13はコンテンツ情報daを送信データ信号TscとしてICカード読取機器100に送信する(ステップS6)。その後、カード側演算処理部12は、カードICの動作が停止するよう各部を制御する(ステップS7)。
【0090】
ICカード読取機器100では、機器側送受信部112がアンテナ111を介して、ICカード10からの送信データ信号Tscを受信データ信号Rsdとして受信し、この受信データ信号Rsdに含まれるコンテンツ情報Da(ここではコンテンツ情報Da1およびDa2)を機器側演算処理部113に出力する。演算処理部113に出力されたコンテンツ情報Daは、機器側メモリ117に格納される。その後、入力処理部からの操作信号に基づいて、演算処理部113が機器側メモリ117に格納されたコンテンツ情報Daを読み出して表示部114に出力すると、ICカードから読み取られたコンテンツ情報Da(コンテンツ情報Da1およびDa2)が、ICカード読取機器100の表示画面101に表示される。
【0091】
このとき表示されるコンテンツ情報は、図4(a)に示す、救急隊員P2に対応する情報提供範囲R2に相当するものであり、本人氏名、かかりつけ医師名とその連絡先、さらに主病名(糖尿病)、禁忌薬(アスピリン)、アレルギー(そば)が、救急隊員のICカード読取機器100の表示画面101に表示されることとなる。
【0092】
救急隊員はこのコンテンツ情報に基づいて適切な措置を講じることができる。
【0093】
また、救助者が、救急隊員ではなく、たまたま通りかかった医師であり、その医師が近隣の施設に常備されているICカード読取機器100で、被救助者のコンテンツ情報をそのICカード10から読み取る場合には、医師の所持する認証用磁気カードをICカード読取機器100に通すと、医師P3の識別情報ID3に対応する情報提供範囲R3に相当するコンテンツ情報Da1〜Da3が、ICカード読取機器100に読み出される。これにより、医師P3は、その個人の健康あるいは医療関連の情報として、救急隊員よりもより詳しい情報を、つまり、救急隊員が見ることができる情報に加えて、全病名(糖尿病)(網膜症)、既往症(脳梗塞)、主要検査結果(血液型)(血糖値)なども知ることができる。
【0094】
このように、本実施形態1では、ICカード所有者である個人のコンテンツ情報を格納したICカード10と、ICカード10に格納されている情報を読み取るICカード読取機器100とを有するICカード読取システム1において、ICカード10を、その所有者である個人に関連する複数のコンテンツ情報を、その秘匿性とコンテンツ情報を要求する情報要求者に対する個人の信頼度との関係に応じて分類して格納した情報格納部(カード側メモリ)11と、コンテンツ情報をその分類に基づいて選択的に情報格納部から読み出して出力する情報選択出力部としてのメモリアクセス部12aおよび情報提供範囲設定部12dとを備えた構成としたので、災害時などで無線通信回線が不通となったり込み合ったりしている状態で、事故に遭った怪我人や急病人の健康状態に関する情報を、救急隊員などの救助者がICカード10から直接取得することができる。
【0095】
しかも、このICカード10では、コンテンツ情報を要求する情報要求者を識別する識別情報に基づいて、コンテンツ情報の読出しを制限するので、コンテンツ情報を要求する情報要求者と個人との信頼関係に基づいて、読み出すコンテンツ情報を個人のプライバシーを考慮した適切な範囲にすることができる。
【0096】
また、この実施形態1では、情報要求者に対する情報提供範囲をICカードで決定し、ICカード10aの、情報提供範囲に対応するコンテンツ情報が書き込まれているメモリ領域のデータを読み取るので、ICカードに格納されているコンテンツ情報の安全性を高めることができる。
【0097】
なお、上記実施形態1では、情報要求者に対する情報提供範囲を決定する演算処理は、ICカード側で行っているが、この演算処理は、ICカード読取機器側で行うようにしてもよく、以下このような構成のICカード読取システムを実施形態2として説明する。
(実施形態2)
図9は、本発明の実施形態2によるICカード読取システム2を説明する図であり、図9(a)は全体構成を模式的に示し、図9(b)は、ICカード読取システム2を構成するICカード20の構成を示し、図9(c)は、ICカード読取システム2を構成するICカード読取機器120の構成を示している。また、図10は、本実施形態2のICカード読取システム2を構成するICカード20のデータ制御部22(図10(a))、およびこのICカード読取システム2を構成するICカード読取機器20の演算処理部123(図10(b))の構成を説明する図である。なお、図9および図10中、図2および図6と同一符号は、実施形態1のものと同一のものを示している。
【0098】
この実施形態2のICカード読取システム2を構成するICカード20は、図9(b)に示すように、ICチップ20aとアンテナ10bとを一体化して構成してなる電子コンポーネントであり、ICチップ20aは、カード側メモリ21と、カード側メモリ21に対してデータ(情報)の書込みおよび読出しを行うデータ制御部22と、カード側メモリ21から読み出された読出データRdを送信し、カード側メモリ21への書込データWdを受信するカード側送受信部13とを有している。この実施形態2のICカード20は、実施形態1のICカード10におけるカード側演算処理部12に代わるデータ制御部22を有しており、このICカード20は、情報要求者に対する情報提供範囲の決定をカード側では行わない構成となっている。このため、この実施形態2では、ICカード読取機器120が、情報要求者に対する情報提供範囲を決定し、この情報提供範囲に応じたコンテンツ情報が書き込まれているメモリ領域に対してデータ読取を行う構成となっている。
【0099】
この実施形態2では、カード側メモリ21は、コンテンツ情報の要求者(情報要求者)を識別する識別情報に応じて、コンテンツ情報を情報要求者に提供する情報提供範囲を設定する処理を行うための範囲設定プログラムを格納しており、カード側メモリ21は、コンテンツ情報の記録部だけでなくプログラム格納部も兼ねている。
【0100】
また、ICカード20のデータ制御部22は、本ICカード20に対して、コンテンツ情報を要求するICカード読取機器(情報要求端末)120からの給電が開始されたとき、範囲設定プログラムをカード側メモリ21から読み出してICカード読取機器120に供給するプログラム供給部となっている。
【0101】
つまり、このデータ制御部22は、図10(a)に示すように、カード側メモリ21に対してデータのアクセスを行うメモリアクセス部22aと、カード側メモリ21を管理するメモリ管理部22bと、メモリアクセス部22aとカード側送受信部13との間で、データの授受を行うデータ処理部22cとを有している。このデータ処理部22cは、カード側送受信部13での受信データ信号Rsc、カード側送受信部13からの送信データ信号Tsc、メモリアクセス部22aへの書込みデータWd、メモリアクセス部22aからの読出しデータRdを処理する。
【0102】
ここで、メモリ管理部22bは、実施形態1のメモリ管理部12bと同様、カード側メモリ21のメモリ領域に書込みデータWdを書き込む際に、この書込みデータWdとその書込みアドレスAとを取得して、メモリ21の管理をするものであり、この実施形態2においても、メモリ管理部22bは、主治医などにより、予めコンテンツ情報Daに対応するデータ列Bsがカード側メモリ21のメモリ領域に書き込まれるときに、図3(c)に示すように、コンテンツ情報Daに対応するデータ列BsのフラグFLと、このデータ列Bsの書込み領域の先頭位置のアドレスAとを対応付けるテーブルT1を作成して保持し、このテーブルT1によりフラグとアドレスとを管理するものである。また、メモリ管理部22bは、図4(b)に示すテーブルT2の情報が、予め、主治医などにより書き込まれて保持されているものである。また、データ処理部22cは、カード側メモリ21に保持されている範囲設定プログラム、およびメモリ管理部22bに保持されているテーブルT1およびT2を、メモリアクセス部22aを介して読出し、カード側送受信部13に送信データ信号Tscとして出力する。これにより、範囲設定プログラムとテーブルT1およびT2とは、カード側送受信部13によりICカード読取機器120に送信される。
【0103】
この実施形態2のICカード読取システム2を構成するICカード読取機器120は、実施形態1と同様、ICカード20との無線通信Wcのためのアンテナ111と、このアンテナ111に接続され、ICカード20と無線通信を行う機器側送受信部112と、この機器側送受信部112に接続され、演算処理を行う機器側演算処理部(マイクロプロセッサ)123と、ユーザの入力操作に応じて入力信号Sinを機器側演算処理部123に出力する入力処理部115と、磁気カードから読み取ったユーザ認証コードなどの認証情報Cidを機器側演算処理部123に出力する磁気カード読取部116と、機器側演算処理部123で処理されたデータIdを表示する表示部114と、ICカードから読み出したコンテンツ情報DaおよびテーブルT1,T2の情報を格納する機器側メモリ117とを有している。
【0104】
そして、この実施形態2では、機器側演算処理部123は、磁気カードから読み取ったユーザ認証コードに基づいて、情報読取者の情報提供許範囲Rを決定する構成となっている。
【0105】
すなわち、この機器側演算部123は、コンテンツ情報の要求者(情報要求者)を識別する識別情報に基づいて、コンテンツ情報を情報要求者に提供する情報提供範囲Rを設定する情報提供範囲設定部123aと、設定された情報提供範囲Rのコンテンツ情報をICカード20に要求する情報要求部123bと、これらの各部123aおよび123bへのデータの流れを制御する制御部123cとを有している。この制御部123cは、入力処理部115からの入力信号Sinおよび磁気カード読取部116からの認証コード情報Cidを受け、入力信号Sinあるいは認証コード情報Cidから得られる情報要求者の識別情報IDを情報提供範囲設定部123aに供給する。また、制御部123は、情報要求部123bによりICカード20から取得したテーブル情報T1、T2、およびコンテンツ情報Daを機器側メモリ117に格納し、この機器側メモリ117に格納したコンテンツ情報を表示データIdとして表示部114に出力する。
【0106】
またここで、情報提供範囲設定部123aは、情報要求者の識別情報IDが入力処理部115あるいは磁気カード取得部116から制御部123cを介して提供されたとき、機器側メモリ117に格納されているテーブルT2の情報に基づいて、情報要求者の識別情報IDに対応するフラグFLを決定し、さらに、このフラグFLに対応するアドレスAを、機器側メモリ117に格納されているテーブルT1から決定して、このアドレスAを情報要求部123bを介して機器側送信器112に送信データ信号Tsdとして出力する。これにより、機器側送受信機112からは、情報要求者に提供すべきコンテンツ情報Daを読み出すためのアドレスAがICカード20に送信される。
【0107】
また、この実施形態2では、機器側演算処理部123は、プログラムにより演算処理を実行するマイクロプロセッサからなり、このマイクロプロセッサは、ICカード20から提供される、コンテンツ情報の提供範囲を設定するための範囲設定プログラムにより、上述した情報提供範囲設定部123aと情報要求部123bとを構築するものである。
【0108】
次に、この実施形態2のICカード読取システム2の動作について説明する。
【0109】
上記実施形態1と同様、怪我人や急病人など意識のない人を救助する際に、救助を行うもの(救助者)が、個人(被救助者)のICカードからそのコンテンツ情報を読み取る場合について説明する。
【0110】
例えば、救助者が救急隊員である場合は、汎用のICカード読取機器120に、救急隊員であることを認識させるために、救急隊員所有の認証用磁気カード30をカード読取溝103に挿入する(図1(a)参照)。
【0111】
そして、怪我人や急病人など意識のない人の所有するICカード20を、ICカード読取機器120に近づけると、ICカード読取機器120から放射された電波により、ICカード20に給電が行われれ、ICカード20が起動し、ICカードに格納されている、情報要求者に対する情報提供範囲を決定するための範囲設定プログラム、ならびにテーブルT1およびT2がICカード読取機器120にダウンロードされ、機器演算処理部123が、この範囲設定プログラムに従って動作する。
【0112】
このとき、範囲設定プログラム、ならびにテーブルT1およびT2が機器側送受信部112を介して機器側演算処理部123に供給されると、機器側演算処理部123では、制御部123cがこれらの情報を受け取り、機器側メモリ117に一旦格納する。その後、制御部123cは、範囲設定プログラムを機器側メモリ117から読み出して、情報提供範囲設定部123aおよび情報要求部123bを構築する。
【0113】
その後、例えば、機器側演算処理部123の情報提供範囲決定部123aは、磁気カード読取部116から救助者の認証情報を制御部123cを介して情報要求者の識別情報IDとして受け取ると、この情報提供範囲決定部123aは、この識別情報に基づいて、情報要求者に対応する情報提供範囲を決定し、決定した情報提供許範囲を情報要求部123bを介して機器側送受信部112に出力する。
【0114】
具体的には、機器側演算処理部123では、情報提供範囲設定部123aが情報要求者の識別情報IDに基づいて、機器側メモリ117のテーブルT2を参照して情報要求者の識別情報IDに対応するフラグFLを決定し、さらに、決定したフラグFLに基づいて、この識別情報IDを有する情報要求者に対する情報提供範囲が設定されるよう、機器側メモリ117のテーブルT1を参照して、決定したフラグFLに対するコンテンツ情報のアドレスAを決定する。
【0115】
そして、情報提供範囲設定部123aが、決定したアドレスAを情報要求部123bに出力すると、この情報要求部123bは、このアドレスAを機器側送受信部112に出力する。これにより、このアドレスAが機器側送受信部112により送信データ信号TsdとしてICカード20に送信される。
【0116】
ICカード20では、カード側受信部13がこのアドレスAを受信し、データ制御部22のデータ処理部22cに出力すると、データ処理部22cはこのアドレスをメモリアクセス部22aに出力する。メモリアクセス部22aが、カード側メモリ21からこのアドレスに書き込まれているコンテンツ情報Daを読み出してデータ処理部22cに出力し、さらにデータ処理部22cがコンテンツ情報Daをカード側送受信部13に出力すると、このコンテンツ情報Daはカード側送受信部13によりICカード読取機器120に送信される。
【0117】
ICカード読取機器120では、機器側送受信部112がアンテナ111を介して、コンテンツ情報Daを受信して機器側演算処理部123に出力する。この演算処理部123に出力されたコンテンツ情報Daは、情報要求部123bおよび制御部123cを介して機器側メモリ117に格納される。その後、入力処理部115からの操作信号Sinに基づいて、機器側演算処理部123が機器側メモリ117に格納されたコンテンツ情報Daを読み出して、表示部114に出力すると、ICカードから読み取られたコンテンツ情報は、ICカード読取機器120の表示画面101(図1参照)に表示される。
【0118】
このように、本実施形態2では、ICカード所有者である個人のコンテンツ情報を格納したICカード20と、ICカード20に格納されているコンテンツ情報を読み取るICカード読取機器120とを有するICカード読取システム2において、ICカードを、カード所有者である個人に関連する複数のコンテンツ情報を、その秘匿性とコンテンツ情報を要求する情報要求者に対する個人の信頼度との関係に応じて分類して格納した情報格納部(カード側メモリ)21と、コンテンツ情報をその分類に基づいて選択的に情報格納部から読み出して出力する情報選択出力部としてのメモリアクセス部22aおよびデータ処理部22cとを備えた構成としたので、災害時などで無線通信回線が不通となったり込み合ったりしている状態で、事故に遭った怪我人や急病人の健康状態に関する情報を、救急隊員などの救助者がICカードから直接取得することができる。
【0119】
また、この実施形態2では、情報要求者に対する情報提供範囲をICカード読取機器120で決定し、ICカード20の、情報提供範囲に対応するコンテンツ情報が書き込まれているメモリ領域のデータを読み取るので、ICカード側では情報提供範囲を決定する必要がなく、その構成を簡単にすることができる。
【0120】
なお、この実施形態2では、ICカードは、コンテンツ情報をフラグにより分類してカード側メモリに格納したものとしているが、ICカードは、コンテンツ情報を図5で説明したようにフォルダを用いて分類してカード側メモリに格納したものでもよい。また、コンテンツ情報の分類方法は、上述したものに限らず、カード所有者である個人に関連する複数のコンテンツ情報を、その秘匿性とコンテンツ情報を要求する情報要求者に対する個人の信頼度との関係に応じて分類してメモリに格納するものであればどのようなものでもよい。
【0121】
さらに、上記実施形態1および2では、ICカード読取機器において、情報要求者の識別情報を情報要求者の所持する磁気カードから読み取る方法を示したが、ICカード読取機器は、情報要求者の識別情報を、磁気カード以外の他の記録メディアから取得するよう構成したものでもよい。さらに、ICカード読取機器は、情報要求者の識別情報を記録メディアから読み取ったり、上記実施形態1および2で説明したように、情報要求者の操作によりICカード読取機器の入力処理部にて生成したりするものに限らず、ICカード読取機器は、情報要求者の識別情報を予め格納した識別情報格納部を有し、ICカードにはこの識別情報格納部に予め格納されている情報要求者の識別情報を提供するよう構成したものでもよい。このICカード読取機器の識別情報格納部は、格納した情報要求者の識別情報を書き換え不可能であることが望ましい。
【0122】
例えば、救急車に装備されているICカード読取機器は、情報要求者の識別情報として救急隊員P2を示す識別情報ID2をメモリなどに予め格納したものでもよく、公共の施設や駅などの常備されているICカード読取機器は、情報要求者の識別情報として一般人P1を示す識別情報ID1を予めメモリなどにに格納したものでもよい。
【0123】
ただし、この情報要求者の識別情報をICカード読取機器に持たせたり、またはICカード読取機器により取得あるいは生成したりする方法は、上記のものに限定されるものではなく、ICカード読取機器からICカードに情報要求者の識別情報を提供できるものであればどのような方法であってもよい。
【0124】
以上のように、本発明の好ましい実施形態を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、これらの実施形態に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。本明細書において引用した特許文献は、その内容自体が具体的に本明細書に記載されているのと同様にその内容が本明細書に対する参考として援用されるべきであることが理解される。
【産業上の利用可能性】
【0125】
本発明は、ICカード、ICカード読取機器、ICカード読取システム、ICカード読取プログラムの分野において、ICカードに、個人に関連する複数のコンテンツ情報を、その秘匿性とコンテンツ情報の要求者に対する個人の信頼度との関係に応じて分類して格納することにより、災害時などで無線通信回線が不通となったり込み合ったりしている状態でも、事故に遭った怪我人や街頭での急病人の健康状態に関する情報を、救急隊員などの救助者が、できるだけ個人のプライバシーを侵害することなく、ICカードから直接取得することができ、これにより救助者が適切な救助を行うことを可能とするものである。
【図面の簡単な説明】
【0126】
【図1】図1は、本発明の実施形態1によるICカード読取システム1を説明する図であり、図1(a)は全体構成を示し、図1(b)はその主要部を概念的に示している。
【図2】図2は、本実施形態1のICカード読取システム1を構成するICカード10を説明する図であり、図2(a)は、このICカード10の構成を示し、図2(b)は、ICカード10を構成する演算処理部12の構成を示している。
【図3】図3は、本実施形態1のICカードのメモリ11に個人のコンテンツ情報を格納する方法の一例を説明する図であり、図3(a)は、ICカード10のメモリ領域Mrに書き込まれている、コンテンツ情報Daを示すデータ列Bsを示し、図3(b)は、このデータ列Bsのデータ構造を示し、図3(c)は、データ列の書込み時に作成される、書込みアドレスAとフラグFL(コンテンツ情報Da)との対応表(テーブルT1)を示している。
【図4】図4は、本実施形態1のICカード10に格納する具体的なコンテンツ情報を説明する図であり、図4(a)は、コンテンツ情報の要求者Pに対して設定される情報開示範囲Rを示し、図4(b)は、情報要求者の識別情報IDとフラグFLとの対応表(テーブルT2)を示している。
【図5】図5は、本実施形態1のICカード読取システムにおける、コンテンツ情報を複数のフォルダに分けてカード側メモリに格納する他の方法を説明する図である。
【図6】図6は、本実施形態1のICカード読取システム1を構成するICカード読取機器100の構成を示す図である。
【図7】図7は、本実施形態1のICカード読取システム1の動作を説明する図であり、コンテンツ情報の読取処理の流れを示している。
【図8】図8は、本実施形態1のICカード読取システム1の動作を説明する図であり、コンテンツ情報の読取処理における情報提供範囲を決定する処理を具体的に示している。
【図9】図9は、本発明の実施形態2によるICカード読取システム2を説明する図であり、図9(a)は全体構成を模式的に示し、図9(b)は、ICカード読取システム2を構成するICカード20の構成を示し、図9(c)は、ICカード読取システム2を構成するICカード読取機器120の構成を示している。
【図10】図10は、本実施形態2のICカード読取システム2を構成するICカード20のデータ制御部22(図10(a))、およびこのICカード読取システム2を構成するICカード読取機器120の演算処理部123(図10(b))を説明する図である。
【図11】図11は従来の情報管理システムを説明する図であり、図11(a)はこのシステムの概略構成に示し、図11(b)は、この情報管理システムを構成するユーザ端末の構成を示している。
【符号の説明】
【0127】
1、2 ICカード読取システム
10、20 ICカード
10a、20a ICチップ
10b アンテナ
11、21 カード側メモリ
12 カード側演算処理部
12a メモリアクセス部
12b メモリ管理部
12c、22c データ処理部
12d、123a 情報提供範囲設定部
13 カード側送受信部
14 給電部
22 データ制御部
22a メモリアクセス部
22b メモリ管理部
30 磁気カード
100、120 ICカード読取機器
111 アンテナ
112 機器側送受信部
113 機器側演算処理部
114 表示部
115 入力処理部
116 磁気カード読取部
117 機器側メモリ
123 機器側演算処理部(マイクロプロセッサ)
123a 情報提供範囲設定部
123b 情報要求部
123c 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ICカードの所有者である個人に関連する複数のコンテンツ情報を、その秘匿性と該コンテンツ情報を要求する情報要求者に対する個人の信頼度との関係に応じて分類して格納した情報格納部と、
該コンテンツ情報をその分類に基づいて選択的に該情報格納部から読み出して出力する情報選択出力部と
を備えた、ICカード。
【請求項2】
前記情報選択出力部は、
前記コンテンツ情報を要求する情報要求者を識別する識別情報に基づいて、該コンテンツ情報を該情報要求者に提供する情報提供範囲を設定する情報提供範囲設定部と、
該設定された情報提供範囲内のコンテンツ情報を出力する情報出力部とを備えている、請求項1に記載のICカード。
【請求項3】
前記複数のコンテンツ情報は、その秘匿性の高さに応じて分類されるよう、各コンテンツ情報にその秘匿性の高さを示すフラグを付加して前記情報格納部に格納されており、
前記情報提供範囲設定部は、前記情報要求者の識別情報に基づいて、前記情報格納部に格納されているコンテンツ情報のフラグを選択することにより前記情報提供範囲を決定し、
前記情報出力部は、該決定された情報提供範囲内のコンテンツ情報を該情報要求者へ提供する、請求項2に記載のICカード。
【請求項4】
前記コンテンツ情報は、複数のフォルダに、高い秘匿性を有するコンテンツ情報を含むフォルダに、より低い秘匿性を有するコンテンツ情報を含むフォルダのコンテンツ情報が含まれるよう分類して前記情報格納部に格納されており、
前記情報提供範囲設定部は、前記情報要求者の識別情報に基づいて、前記情報格納部に格納されているコンテンツ情報のフォルダを選択することにより前記情報提供範囲を決定し、
前記情報出力部は、該決定された情報提供範囲内のコンテンツ情報を該情報要求者へ提供する、請求項2に記載のICカード。
【請求項5】
前記コンテンツ情報は、前記個人の健康に関する個人健康情報であり、
前記情報要求者は、主治医、一般の医師、救急隊員、一般人、および行政関係者を含み、
前記情報提供範囲設定部は、前記情報提供範囲を、主治医、一般の医師、救急隊員、一般人、および行政関係者に応じて設定する、請求項3または4に記載のICカード。
【請求項6】
前記コンテンツ情報の読出しを要求する情報要求者を識別する識別情報に応じて、該コンテンツ情報を該情報要求者に提供する情報提供範囲を設定する処理を行うための範囲設定プログラムを格納したプログラム格納部と、
本ICカードに対して、コンテンツ情報を要求する情報要求端末からの給電が開始されたとき、該範囲設定プログラムを該情報要求端末に供給するプログラム供給部と
をさらに備えた、請求項1に記載のICカード。
【請求項7】
前記情報選択出力部は、
前記情報要求端末にて、前記範囲設定プログラムに従って設定された情報提供範囲を示す指示情報を受信する情報受信部と、
受信した指示情報が示す情報提供範囲内のコンテンツ情報を出力する情報出力部とを備えている、請求項6に記載のICカード。
【請求項8】
前記複数のコンテンツ情報は、その秘匿性の高さに応じて分類されるよう、各コンテンツ情報にその秘匿性の高さを示すフラグを付加して前記情報格納部に格納されており、
前記範囲設定プログラムは、
前記情報要求者の識別情報に基づいて、前記情報格納部に格納されているコンテンツ情報のフラグを選択することにより、該情報要求者に提供する情報提供範囲を決定するステップと、該決定された情報提供範囲内のコンテンツ情報を本ICカードに対して要求するステップとを実行するためのプログラムである、請求項6または7に記載のICカード。
【請求項9】
前記複数のコンテンツ情報は、複数のフォルダに、高い秘匿性を有するコンテンツ情報を含むフォルダに、より低い秘匿性を有するコンテンツ情報を含むフォルダのコンテンツ情報が含まれるよう分類して前記情報格納部に格納されており、
前記範囲設定プログラムは、
前記情報要求者の識別情報に基づいて、前記情報格納部に格納されているコンテンツ情報のフォルダを選択することにより、該情報要求者に提供する情報提供範囲を決定するステップと、該決定された情報提供範囲内のコンテンツ情報を本ICカードに対して要求するステップとを実行するためのプログラムである、請求項6または7に記載のICカード。
【請求項10】
前記コンテンツ情報は、前記個人の健康に関する個人健康情報であり、
前記情報要求者は、主治医、一般の医師、救急隊員、一般人、および行政関係者を含み、
前記情報要求端末では、前記範囲設定プログラムの実行により、前記情報提供範囲が、主治医、一般の医師、救急隊員、一般人、および行政関係者に応じて設定される、請求項8または9に記載のICカード。
【請求項11】
前記個人健康情報は、前記個人の主治医を特定する主治医情報と、該個人の主病名を示す主病名情報と、該個人の全病名を示す全病名情報と、該個人の全医療経歴における検査結果を示す検査結果情報と、該個人の健康保険の種類を示す健康保険情報とを含む、請求項5または10に記載のICカード。
【請求項12】
個人に関する複数のコンテンツ情報を、その秘匿性と該コンテンツ情報を要求する情報要求者に対する個人の信頼度との関係に応じて分類して格納しているICカードから、該コンテンツ情報を読み取るICカード読取機器であって、
該コンテンツ情報を要求する情報要求者の識別情報を取得する識別情報取得部と、
該ICカードから該識別情報に基づいて提供されるコンテンツ情報を表示する表示部と
を備えた、ICカード読取機器。
【請求項13】
前記取得した識別情報を前記ICカードに出力する識別情報出力部を備えている、請求項12に記載のICカード読取機器。
【請求項14】
前記コンテンツ情報を要求する情報要求者を識別する識別情報に基づいて、該コンテンツ情報を該情報要求者に提供する情報提供範囲を設定する情報提供範囲設定部と、
該設定された情報提供範囲のコンテンツ情報を該ICカードに要求する情報要求部と
を備えた、請求項12に記載のICカード読取機器。
【請求項15】
プログラムにより演算処理を実行するマイクロプロセッサを備え、
該マイクロプロセッサは、前記ICカードから提供されるプログラムにより、前記情報提供範囲設定部と前記情報要求部とを構築する、請求項14に記載のICカード読取機器。
【請求項16】
前記識別情報取得部は、
前記情報要求者の所持する磁気カードから該情報要求者の識別情報を読み取る磁気カード読取部と、
該磁気カード読取部で読み取った該情報要求者の識別情報を前記ICカードに無線送信する通信部とを有する、請求項13または14に記載のICカード読取機器。
【請求項17】
前記識別情報取得部は、
前記情報要求者の操作により該情報要求者の識別情報を生成する入力処理部と、
該入力処理部で生成された該情報要求者の識別情報を前記ICカードに無線送信する通信部とを有する、請求項13または14に記載のICカード読取機器。
【請求項18】
ICカードと、該ICカードに格納されている情報を読み取るICカード読取機器とを有するICカード読取システムであって、
該ICカードは、
該ICカードの所有者である個人に関連する複数のコンテンツ情報を、その秘匿性と該コンテンツ情報を要求する情報要求者に対する個人の信頼度との関係に応じて分類して格納した情報格納部と、
該コンテンツ情報をその分類に基づいて選択的に該情報格納部から読み出して出力する情報選択出力部とを備えている、
ICカード読取システム。
【請求項19】
前記ICカードの情報選択出力部は、
前記コンテンツ情報を要求する情報要求者を識別する識別情報に基づいて、該コンテンツ情報を該情報要求者に提供する情報提供範囲を設定する情報提供範囲設定部と、
該設定された情報提供範囲内のコンテンツ情報を出力する情報出力部とを備えており、
前記ICカード読取機器は、
該コンテンツ情報を要求する情報要求者の識別情報を取得する識別情報取得部と、
該取得した識別情報を該ICカードに出力する識別情報出力部と、
該ICカードから該識別情報に基づいて提供されるコンテンツ情報を表示する表示部とを備えている、請求項18に記載のICカード読取システム。
【請求項20】
前記ICカードは、
前記コンテンツ情報の読出しを要求する情報要求者を識別する識別情報に応じて、該コンテンツ情報を該情報供給者に提供する情報提供範囲を設定する処理を行うための範囲設定プログラムを格納したプログラム格納部と、
本ICカードに対して、コンテンツ情報を要求する情報要求端末からの給電が開始されたとき、該範囲設定プログラムを該情報要求端末に供給するプログラム供給部とを備えており、
前記ICカードの情報選択出力部は、
前記ICカード読取機器にて、前記範囲設定プログラムに従って設定された情報提供範囲を示す指示情報を受信する情報受信部と、
受信した指示情報が示す情報提供範囲内のコンテンツ情報を該ICカード読取機器に出力する情報出力部とを備えている、請求項18に記載のICカード取得システム。
【請求項21】
前記ICカード読取機器は、
プログラムにより演算処理を実行するマイクロプロセッサを備え、
該マイクロプロセッサは、前記コンテンツ情報を要求する情報要求者を識別する識別情報に基づいて、該コンテンツ情報を該情報要求者に提供する情報提供範囲を設定する情報提供範囲設定部と、該設定された情報提供範囲のコンテンツ情報を該ICカードに要求する情報要求部とを、前記ICカードから提供される前記範囲設定プログラムにより構築する、請求項20に記載のICカード読取システム。
【請求項22】
ICカードの所有者である個人に関連する複数のコンテンツ情報を、その秘匿性と該コンテンツ情報を要求する情報要求者に対する個人の信頼度との関係に応じて分類して格納したICカードからコンテンツ情報を読み取る処理を実行するためのICカード読取プログラムであって、
該コンテンツ情報を要求する情報要求者の識別情報を取得するステップと、
該コンテンツ情報の分類に従って、該ICカード内に格納されているコンテンツ情報を該情報要求者に提供する情報提供範囲を設定するステップと、
該設定された情報提供範囲のコンテンツ情報を該ICカードに要求するステップと
を含む、ICカード読取プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−211427(P2009−211427A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−53989(P2008−53989)
【出願日】平成20年3月4日(2008.3.4)
【出願人】(508030822)有限会社イゾウ (2)
【Fターム(参考)】