ＩＣカードを製造するための製造システムおよびその製造方法
【課題】インレットの載置精度を高めつつ、生産性の向上を図ることが可能な製造システムを提供する。
【解決手段】製造システムは、コンベア１と、インレット保持シート供給部２と、インレット供給部３と、インレット搭載部４と、インレット溶着部５とを備えている。多数の印刷領域を含むとともに接着剤が表面に塗布された印刷済シートａが印刷済シート搬送部６により搬送され、インレット搭載部４により多数のインレットｄ２が搭載されたインレット保持シートｄ１が、印刷済シートａ上に接着剤層ｃ２が介在するように載置され溶着固定される。少なくともインレット搭載部４とインレット供給部３は制御部８により駆動制御され、制御部８は、予め入力された印刷済シートａの不良印刷領域情報に基づいて、インレット搭載部４を制御して、印刷済シートａの優良印刷領域に対応するインレット保持シートｄ１の優良搭載領域にインレットｄ２を搭載する。
【解決手段】製造システムは、コンベア１と、インレット保持シート供給部２と、インレット供給部３と、インレット搭載部４と、インレット溶着部５とを備えている。多数の印刷領域を含むとともに接着剤が表面に塗布された印刷済シートａが印刷済シート搬送部６により搬送され、インレット搭載部４により多数のインレットｄ２が搭載されたインレット保持シートｄ１が、印刷済シートａ上に接着剤層ｃ２が介在するように載置され溶着固定される。少なくともインレット搭載部４とインレット供給部３は制御部８により駆動制御され、制御部８は、予め入力された印刷済シートａの不良印刷領域情報に基づいて、インレット搭載部４を制御して、印刷済シートａの優良印刷領域に対応するインレット保持シートｄ１の優良搭載領域にインレットｄ２を搭載する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、非接触情報通信を行うＩＣ（Ｉｎｔｅｇｒａｔｅｄ Ｃｉｒｃｕｉｔ）カードを製造するための製造システムおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【０００２】
ＩＣカードは、例えば、社員証、学生証等の個人の身分を証明するのに用いられる。このようなＩＣカードは、カード基体と、カード基体に内蔵され、ＩＣチップおよびアンテナ回路を有するインレットとを備えている。そして、ＩＣカードの表面に顔画像と記載情報が印刷され、ＩＣカードの裏面に筆記具等により記入することができる筆記層が設けられている。また、この筆記層に印刷が施されたＩＣカードもある。
【０００３】
このようなＩＣカードの製造方法において、生産性及び材料収率を向上させるために、多面付けの印刷基材に個片状のインレットを載置する方法が採用されているが、この場合、印刷基材の印刷位置に対して、各インレットの高い載置精度が要求される。
【０００４】
特に、ＩＣカードのカード平面性を得るために印刷基材上の接着剤を加熱し、この接着剤の流動性が高い状態で、個片状のインレットを印刷基材上にラミネートすると、インレットが印刷基材上の所定位置からずれてしまう問題がある。ここで、「ＩＣカードのカード平面性」とは、ＩＣカードの印刷基材を含む面の平坦度のことをいう。
【０００５】
例えば、各インレットが印刷基材の所定位置からずれないように、インレットをシート状に形成したものを印刷基材上に載置する場合、混入する不良のインレットも載置され製品として不良と判断されることによる印刷基材の無駄や、印刷基材の印刷不良領域に良品のインレットが載置され製品として不良と判断されることによる良品のインレットの無駄等が生じる。
【０００６】
このような問題を解決するため、従来より、インレットを個片化し、良品のインレットのみを選択して、多面付けシート上に積載するものがある（例えば、特許文献１参照。）。特許文献１に記載のＩＣカードの製造方法においては、不良と判定されたインレットが積載されなくなり、多面付けシートには良品のインレットのみが積載されるので、多面付けシートの材料が無駄になるのを防ぐことができる。
【０００７】
しかしながら、特許文献１に記載の従来のＩＣカードの製造方法では、多面付けシートの印刷不良領域にインレットが積載された場合には、当該インレットが無駄になる。
【０００８】
また、その他、従来より、予め基材に印刷を行い、基材の印刷が正常な領域に良品のインレットを積載し、印刷不良部分に良品インレットを積載しないものがある（例えば、特許文献２参照。）。これにより、高価なインレットが無駄になるのを防ぐことができる。
【０００９】
しかしながら、特許文献２に記載の従来のＩＣカードの製造方法では、基材の接着剤塗工面に個片化されたインレットを載置する時にエア抜きのためにローラでしごいた場合や、ＩＣカードのラミネートする場合等に、個片状のインレットが接着剤流動により所定載置範囲からずれる。これにより、不良のＩＣカードが発生することも考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【００１０】
【特許文献１】特開２００３-３０６１８号公報
【特許文献２】特開２００４-３１８３０３号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【００１１】
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、インレットの載置精度を高めつつ、生産性の向上を図ることが可能な製造システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【００１２】
本発明の一態様に係るＩＣカードの製造システムは、
ＩＣカードを製造するための製造システムにおいて、
コンベアと、
インレット保持シートを前記コンベア上に供給するインレット保持シート供給部と、
インレットシートと、アンテナ回路と、ＩＣチップと、を含む多数のインレットを供給するインレット供給部と、
インレット供給部から供給される前記インレットを、前記コンベア上に供給された前記インレット保持シート上に順次搭載するインレット搭載部と、
前記インレット保持シートと前記インレット保持シートに搭載された前記インレットとを溶着固定する溶着部と、
多数の印刷領域を含むとともに接着剤が表面に塗布された印刷済シートを搬送する印刷済シート搬送部と、
前記インレット搭載部により多数の前記インレットが搭載された前記インレット保持シートを、印刷済シート搬送部により搬送された前記印刷済シート上に前記接着剤層が前記印刷済シートと前記インレット保持シートとの間に介在するように載置し、且つ、前記印刷済シートに固定するインレット溶着シート載置部と、
少なくともインレット搭載部を駆動制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、予め入力された前記印刷済シートの不良印刷領域情報に基づいて、前記インレット搭載部を制御して、前記印刷済シートの優良印刷領域に対応する前記インレット保持シートの優良搭載領域にインレットを搭載することを特徴とする。
【００１３】
また、上記製造システムにおいて、前記インレット溶着シート載置部は、前記インレット保持シートを、その外周において前記印刷済シートの接着剤非塗布部に溶着固定するようにしてもよい。
【００１４】
また、上記製造システムにおいて、前記印刷済シートに印刷された不良マークを読み取ることにより、前記不良印刷領域情報を読み取る読取部を、さらに備え、
前記制御部は、前記読取部から前記不良印刷領域情報を取得するようにしてもよい。
【００１５】
また、上記製造システムにおいて、前記インレット供給部は、良品として選別されたインレットのみをインレット搭載部に供給するようにしてもよい。
【００１６】
また、上記製造システムにおいて、前記インレット溶着インレット溶着シート載置部の下流側に、接着剤がインレット保持シートと相対する面に塗布された裏基材を前記インレット保持シート上に配置してラミネートするラミネート部をさらに備えるようにしてもよい。
【００１７】
また、上記製造システムにおいて、前記インレット保持シート供給部は、不織布からなるインレット保持シートを前記コンベア上に供給してもよい。
【００１８】
また、上記製造システムにおいて、前記インレット溶着シート載置部は、前記印刷済シートに前記インレット保持シートを熱溶着してもよい。
【００１９】
また、上記製造システムにおいて、前記インレット溶着シート載置部は、前記印刷済シートに前記インレット保持シートを超音波溶着してもよい。
【００２０】
本発明の一態様に係る製造方法は、
ＩＣカードを製造するための製造方法において、
インレット保持シートをコンベア上に供給する工程と、
インレットシートと、アンテナ回路と、ＩＣチップと、を含む多数のインレットを、前記コンベア上に供給された前記インレット保持シート上に順次搭載する工程と、
前記インレット保持シートと前記インレット保持シートに搭載された前記インレットとを溶着固定する工程と、
多数の印刷領域を含むとともに接着剤が表面に塗布された印刷済シートを印刷済シート搬送部により搬送する工程と、
多数の前記インレットが搭載された前記インレット保持シートを、多数の印刷領域を含むとともに接着剤が表面に塗布され、前記印刷済シート搬送部により搬送される印刷済シート上に接着剤層が前記印刷済シートと前記インレット保持シートとの間に介在するように載置し、且つ、前記印刷済シートに固定する工程と、を備え、
予め入力された前記印刷済シートの不良印刷領域情報に基づいて、前記印刷済シートの優良印刷領域に対応する前記インレット保持シートの優良搭載領域にインレットを搭載することを特徴とする。
【発明の効果】
【００２１】
本発明に係る製造システムによれば、予め入力された印刷済シートの不良印刷領域情報に基づいて、印刷済シートの優良印刷領域に対応するインレット保持シートの優良搭載領域にインレットを搭載し、インレット保持シートとインレット保持シートに搭載されたインレットとを溶着固定し、多数のインレットが搭載されたインレット保持シートを、搬送された印刷済シート上に接着剤層が印刷済シートとインレット保持シートとの間に介在するように載置し、且つ、印刷済シートに固定するので、インレットの載置精度を高めつつ、生産性の向上を図ることができる。
【００２２】
これらにより、塗布済み多面付け印刷済シートに多数のインレットを高精度に載置することが可能となり、例えばカード化時の通信不良を抑制し、材料やインレットの歩留まりを向上すると共に、載置精度を損なうことなく、生産性も向上することができる。
【００２３】
さらに、インレット基材及び基材を溶着したシートが不織布であるため、ラミネート時にＩＣチップ近傍の接着剤がインレット基材に浸透し、インレット基材及びシート基材上下の接着剤の偏りを生じさせず、カード平面性が得られる。
【図面の簡単な説明】
【００２４】
【図１】図１は本発明によるＩＣカードを製造するための製造システムの構成の一例を示す図である。
【図２】図２は図１に示す製造システムの具体例を示す図である。
【図３】図３は図１、図２に示すインレット溶着シート載置工程において印刷済シート上にインレット保持シートが載置された状態を表す平面図である。
【図４】図４は図３のＡ−Ａ‘に沿った断面を表す断面図である。
【図５】図５は本発明の実施の形態に係る製造システムにより製造されたＩＣカードの断面の一例を表す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【００２５】
以下、本発明によるＩＣカードを製造するための製造システムの実施の形態について図面に基づいて説明する。
【実施例１】
【００２６】
まず、図５により、本発明によるＩＣカードを製造するための製造システムにより製造されるＩＣカード２００について説明する。
【００２７】
ここで、図５は、本発明の実施の形態に係る製造システムにより製造されたＩＣカードの断面の一例を表す断面図である。
【００２８】
図５に示すように、ＩＣカード２００は、裏基材（裏面シート）ｆ２と、この裏基材（裏面シート）ｆ２上に、接着剤ｇ２を介して設けられ、インレットシートｄ２１、アンテナ回路ｄ２２、およびＩＣチップｄ２３を含むインレットｄ２と、インレットｄ２上に設けられ溶着されたインレット保持シートｄ１と、このインレット保持シートｄ１上に、接着剤層ｃ２を介して設けられた印刷済シートａと、を備えている。
【００２９】
このうち、裏基材（裏面シート）ｆ２と、インレット保持シートｄ１と、印刷済シートａとによって、ＩＣカード２００のカード基体が構成される。
【００３０】
図５に示すＩＣカード２００において、ＩＣチップｄ２３は、アンテナ回路ｄ２２に電気的に接続されている。このアンテナ回路ｄ２２は、金属（例えば、Ａｌ、Ｃｕ、Ａｇ）等の導体で構成される。
【００３１】
また、ＩＣチップｄ２３は、情報を記憶するためのメモリ部（図示せず）と、該メモリ部への情報の記憶動作、該メモリ部からの情報の読み出し動作、および、無線通信動作を制御する制御部（図示せず）を有する。このＩＣチップｄ２３は、アンテナ回路ｄ２２を介して、図示しないリーダ・ライタ等の質問器（Ｉｎｔｅｒｒｏｇａｔｏｒ）へ情報を読み出し、または、該質問器からアンテナ回路ｄ２２を介して入力された情報を記憶するようになっている。
【００３２】
なお、インレット保持シートｄ１およびインレットシートｄ２１は、例えば、不織布で構成される。これにより、ラミネート時にＩＣチップ近傍の接着剤が不織布に浸透して、接着剤の偏りの発生が抑制される。したがって、ＩＣカードの平面性および接着強度を向上することができる。
【００３３】
次に、図１および図２により、本発明によるＩＣカードを製造するための製造システムについて説明する。ここで、図１は、ＩＣカード製造の全体システムを示す図、図２はＩＣカードを製造するための製造システムの構成の一例を示す図である。
【００３４】
はじめに、図１によって、本発明によるＩＣカードを製造するための製造システム１００が組み込まれたＩＣカード製造の全体システム１００Ａについて述べる。
【００３５】
図１に示すように、ＩＣカード製造のための全体システム１００Ａにおいて、印刷された印刷済みシートａを供給する表基材供給工程Ａと、接着剤を供給する接着剤供給工程Ｂと、印刷済シートａ上に接着剤層ｃ２を成膜する接着剤塗布工程Ｃと、多数のインレットｄ２が多面付けされたインレット保持シートｄ１を供給するインレット溶着シート供給工程Ｄとが実行される。次に、インレット溶着シート供給工程Ｄの下流側において、インレット保持シートｄ１を搬送された印刷済シートａ上に載置し、且つ、印刷済シートａに溶着固定するインレット溶着シート載置工程Ｅと、裏基材（裏面シート）ｆ２を供給する裏基材供給工程Ｆと、裏基材（裏面シート）ｆ２をインレット保持シートｄ１上に該接着剤が介在するように配置しラミネートする接着剤塗布／ラミネート工程Ｇと、印刷済シートａと裏基材（裏面シート）ｆ２の貼合品ｈ１の各インレットｄ２に対して検査を実施する検査工程Ｉと、貼合品ｈ１をシート状に切断するラミネート済シート切断工程Ｈと、が実行され、シートｈ３を集積するシート回収工程Ｊと、シートｈ３をエージングするエージング工程Ｋと、各インレットｄ２に対応してカード状に打ち抜き、裏面シートに定型印刷する打抜／裏面印刷発行シール工程Ｌとが実行される。
【００３６】
このうち、後述する本発明によるＩＣカードを製造するための製造システム１００は、表基材供給工程Ａと、接着剤塗布工程Ｃと、インレット溶着シート供給工程Ｄと、インレット溶着シート載置工程Ｅと、裏基材供給工程Ｆとに対応している。
【００３７】
次に、ＩＣカード製造のための全体システム１００Ａの各工程Ａ、Ｂ、Ｃ、Ｄ、Ｅ、Ｆ、Ｇ、Ｈ、Ｉ、Ｊ、Ｋについて以下詳述する。
【００３８】
図１に示すように、表基材供給工程Ａにおいて、ＩＣカードの表基材となるシートに所定の記載情報が印刷装置（図示せず）により印刷された印刷済みシートａが１枚ずつ供給される。この印刷済みシートａは、多数のインレットが多面付けされるように、多数の印刷領域を含む。
【００３９】
なお、該印刷装置は、例えば、印刷済みシートａの印刷領域を検査し、該印刷領域のうち印刷が不良である不良印刷領域がある場合には、バーコード等の不良マークＭを印刷済みシートａに印刷する。または、該印刷装置は、印刷済みシートａの印刷領域を検査し、印刷が不良である不良印刷領域がある場合には、不良印刷領域に対応した不良印刷領域情報を図示しない通信部に出力するようにしてもよい。
【００４０】
また、接着剤供給工程Ｂにおいて、湿気硬化型接着剤等の接着剤をタンクｂ２に供給する。タンクｂ２に供給された接着剤は、接着剤の滞留を抑制する送液システムｂ３を介して、接着剤塗布工程Ｃのダイｃ１および接着剤塗布／ラミネート工程Ｇのダイｇ１に供給される。
【００４１】
次に、接着剤塗布工程Ｃにおいて、ダイｃ１のスリットから接着剤が印刷済シートａ上に塗布されることにより、印刷済シートａ上に接着剤層ｃ２が成膜される。
【００４２】
次に、インレット溶着シート供給工程Ｄにおいて、多数のインレットｄ２が多面付けされたインレット保持シートｄ１が準備される。
【００４３】
その後、インレット溶着シート載置工程Ｅにおいて、インレット保持シートｄ１は、搬送された印刷済シートａ上に接着剤層ｃ２が介在するように載置され、且つ、印刷済シートａに溶着固定される。なお、この溶着固定に代えて、例えば、機械的な固定が用いられてもよい。
【００４４】
その後、裏基材供給工程Ｆにおいて、ロール状に巻かれた長尺ウェブを繰り出し、裏基材ｆ２としてダイｇ１のスリット近傍に供給する。
【００４５】
次に、接着剤塗布／ラミネート工程Ｇにおいて、ダイｇ１のスリットから接着剤が裏基材ｆ２の裏面に塗布され、この接着剤が裏面に塗布された裏基材ｆ２をインレット保持シートｄ１上に該接着剤が介在するように配置し、ロールｆ３で貼り合わせ、加圧ラミネートし、コンベアｆ４により冷却保持、搬送する。
【００４６】
その後、ラミネート済シート切断工程Ｈにおいて、印刷済シートａと裏基材ｆ２の貼合品ｈ１をカッタユニットｈ２でシート状に切断し、シートｈ３を形成する。
【００４７】
その後、検査工程Ｉにおいて、貼合品ｈ１の各インレットｄ２に対してインレット良・不良の検査、インレット位置の検査等を実施する。
【００４８】
その後、シート回収工程Ｊにおいて、シートｈ３を所定枚数づつ集積し、エージング工程Ｋにおいて、集積されたシートｈ３を、接着剤が反応するのに必要な時間だけ、空調した条件下で保管（エージング）する。
【００４９】
その後、打抜／裏面印刷発行シール工程Ｌにおいて、各インレットｄ２に対応してカード状に打ち抜き、裏面シートに印刷機（図示せず）により定型印刷することにより、ＩＣカードが完成する。
【００５０】
次に、図２により、全体システム１００Ａに組み込まれた本発明によるＩＣカードを製造するための製造システム１００について述べる。
【００５１】
ここで、図２は、図１に示す製造システム１００の具体例を示す図である。
【００５２】
図２に示すように、本発明によるＩＣカードを製造するための製造システム１００は、複数のトレー１０を搬送するトレーコンベア１と、インレット保持シートｄ１をトレーコンベア１上のトレー１０に供給するインレット保持シート供給ロボット（インレット保持シート供給部）２と、インレットシートｄ２１と、アンテナ回路ｄ２２と、ＩＣチップｄ２３と、を含む多数のインレットｄ２（図５参照）を供給するインレット供給機（インレット供給部）３と、インレット供給機３から供給されるインレットｄ２を、トレーコンベア１上のトレー１０内に供給されたインレット保持シートｄ１上に順次搭載するインレット搭載ロボット（インレット搭載部）４と、インレット保持シートｄ１とインレット保持シートｄ１上に搭載されたインレットｄ２とを熱溶着する熱プレス装置（溶着部）５と、を備える。
【００５３】
また、トレーコンベア１に対して直交して、多数の印刷領域を含むとともに接着剤が表面に塗布された印刷済シートａを搬送するコンベア（印刷済シート搬送部）６が配置されている。また、トレーコンベア１とコンベア６との間には、インレット搭載ロボット４により多数のインレットｄ２が搭載されたインレット保持シートｄ１をトレーコンベア１上から受け取り、コンベア６により搬送された印刷済シートａ上に載置するインレット溶着シート搭載ロボット（インレット溶着シート載置部）７が設けられている。
【００５４】
インレット溶着シート搭載ロボット７は、印刷済シートａ上にインレット保持シートｄ１を載置するが、このとき、印刷済シートａとインレット保持シートｄ１との間に接着剤層ｃ２が介在するようにインレット保持シートｄ１を載置する。また、インレット溶着シート搭載ロボット７は、印刷済シートａにインレット保持シートｄ１を溶着固定するようになっている。既述のように、この溶着固定に代えて、例えば、機械的な固定が用いられてもよい。
【００５５】
そして、これらトレーコンベア１と、インレット保持シート供給ロボット２と、インレット供給機３と、インレット搭載ロボット４と、熱プレス装置５と、コンベア６と、インレット溶着シート搭載ロボット７は、制御装置（制御部）８により駆動制御される。
【００５６】
さらに、コンベア６により搬送される印刷済シートａに印刷された不良マークＭが読取装置（読取部）９により読み取られ、この読取装置９によって、印刷済シートａ上の不良印刷領域情報が認識される。
【００５７】
次に、制御装置８は、読取装置９から入力された印刷済シートａの不良印刷領域情報に基づいて、インレット搭載ロボット４を制御して、印刷済シートａの優良印刷領域に対応するインレット保持シートｄ１の優良搭載領域にインレットｄ２を搭載する。
【００５８】
なお、本実施の形態では、制御装置８は、上述のように、読取装置９から不良印刷領域情報を取得するが、既述のように、不良印刷領域に対応した不良印刷領域情報が該通信部（図示せず）に蓄積されている場合には、該通信部から不良印刷領域情報を取得するようにしてもよい。
【００５９】
また、制御装置８は、トレーコンベア１と、インレット保持シート供給ロボット２と、インレット供給機３と、インレット搭載ロボット４と、熱プレス装置５と、コンベア６と、インレット溶着シート載置ロボット７とを駆動制御するが、制御装置８は、インレットｄ２を置く位置をインレット供給機３で制御し、印刷済シートａの不良箇所数に応じて個片のインレットｄ２の供給量を制御するようにインレット搭載ロボット４とを制御し、トレーコンベア１と、インレット保持シート供給ロボット２と、インレット供給機３と、熱プレス装置５と、コンベア６と、インレット溶着シート載置ロボット７を他の制御装置により駆動制御してもよい。
【００６０】
次に、このような構成からなるＩＣカードを製造するための製造システムの製造方法について説明する。
【００６１】
図２に示すように、先ず、インレット保持シート供給ロボット２が、インレット保持シートｄ１をトレーコンベア１上のトレー１０に供給する。この場合、インレット保持シートｄ１は、例えば、吸引等の仮固定手段により予めトレー１０に固定されている。
【００６２】
次に、インレットシートｄ２１と、アンテナ回路ｄ２２と、ＩＣチップｄ２３と、を含む多数のインレットｄ２がインレット供給機３によりインレット搭載ロボット４に供給される。この場合、インレット供給機３は、良品として選別されたインレットｄ２のみをインレット搭載ロボット４に供給する。これにより、不良のインレットｄ２が供給されなくなり、不良のインレットｄ２が載置されることによる印刷済シートａの無駄をなくすことができる。
【００６３】
次に、インレット搭載ロボット４は、インレット供給機３から供給されるインレットｄ２を、トレーコンベア１上のトレー１０に供給されたインレット保持シートｄ１上に順次搭載する。
【００６４】
この間、多数の印刷領域を含むとともに接着剤層ｃ２が表面に塗布された印刷済シートａがコンベア６により搬送される。そして、コンベア６上の印刷済シートａに印刷された不良マークＭが読取装置９により読み取られ、この読取装置９により不良印刷領域情報が読み取られる。そして、制御装置８は、読取装置９から取得した該不良印刷領域情報に基づいて、インレット搭載ロボット４を制御して、印刷済シートａの優良印刷領域に対応するインレット保持シートｄ１の優良搭載領域のみにインレットｄ２を搭載する。すなわち、インレット搭載ロボット４は、印刷済シートａの不良印刷領域に対応したインレット保持シートｄ１の搭載不可領域Ｘには、インレットｄ２を搭載しない。
【００６５】
例えば、従来は、製品検査の段階で印刷済シートａの印刷が不良と判断された場合、インレットｄ２自体が良品であっても製品として不良品と判断されて廃棄されてしまうと、高価なインレットｄ２が無駄になる。
【００６６】
しかしながら、本実施の形態では、印刷済シートａの優良印刷領域のみにインレットｄ２が搭載されるため、上述のように高価なインレットｄ２が無駄になるのを抑制することができる。
【００６７】
次に、熱プレス装置５により、インレット保持シートｄ１とこのインレット保持シートｄ１上に搭載されたインレットｄ２とが熱溶着される。なお、本実施の形態では、熱プレス装置５により、インレット保持シートｄ１とインレットｄ２が熱溶着により固定されるが、インレット保持シートｄ１とインレットｄ２を、超音波溶着により固定してもよく、また、接着剤により固定してもよい。また、個片インレットとシートの溶着時に、ＩＣチップ部分など加熱・加圧が望ましくない部分に熱プレス装置５のプレス面が接触しないようにするのが望ましい。
【００６８】
次に、インレット溶着シート載置ロボット７が、インレット搭載ロボット４により多数のインレットｄ２が搭載されたインレット保持シートｄ１を、コンベア６により搬送された印刷済シートａ上に載置する。この場合、印刷済シートａとインレット保持シートｄ１との間に、接着剤層ｃ２が介在するように印刷済シートａ上にインレット保持シートｄ１を載置し、且つ、印刷済シートａにインレット保持シートｄ１を熱溶着により溶着固定する。このとき、インレット溶着シート載置ロボット７は、インレット保持シートｄ１の外周において、インレット保持シートｄ１と印刷済シートａの接着剤非塗布部とを溶着固定する。
【００６９】
なお、本実施の形態では、インレット溶着シート載置ロボット７は、熱溶着により、インレット保持シートｄ１と印刷済シートａとを固定しているが、インレット溶着シート載置ロボット７が、インレット保持シートｄ１と印刷済シートａとを超音波溶着により固定してもよい。
【００７０】
次に、図３および図４により、インレット溶着シート載置工程について更に説明する。
【００７１】
ここで、図３は、図１、図２に示すインレット溶着シート載置工程において印刷済シート上にインレット保持シートが載置された状態を表す平面図である。また、図４は、図３のＡ−Ａ‘に沿った断面を表す断面図である。
【００７２】
上述のように、印刷済シートａの接着剤層ｃ２上にインレット保持シートｄ１が載置されている（図３および図４参照）。次に、インレット保持シートｄ１と印刷済シートａは、インレット溶着シート載置ロボット７によってインレット保持シートｄ１の溶着領域Ｙで熱溶着される。この場合、既述のように、印刷済シートａの不良印刷領域に対応したインレット保持シートｄ１の搭載不可領域Ｘには、インレットｄ２が搭載されていない。
【００７３】
次に、インレット溶着シート載置工程Ｅの後、図１に示す接着剤塗布／ラミネート工程Ｇにおいて、接着剤が裏面に塗布された裏基材ｆ２がインレット保持シートｄ１上に該接着剤が介在するように配置され、ロールｆ３で印刷済シートａと裏基材ｆ２を貼り合わせ、加圧ラミネートし、この貼合品がコンベアｆ４により冷却保持、搬送する（接着剤塗布／ラミネート工程Ｇ）。
【００７４】
その後、検査工程Ｉ、上述したラミネート済シート切断工程Ｈ、シート回収工程Ｊおよびエージング工程Ｋが実行される。
【００７５】
次に、エージング工程Ｋの後、打抜／裏面印刷発行シールが実行され、製品としてのＩＣカード２００が完成する。
【００７６】
このように、以上のような構成・機能を有する全体システム１００Ａにより、ＩＣカードが製造される。
【００７７】
以上のように本実施の形態によれば、予め入力された印刷済シートの不良印刷領域情報に基づいて、印刷済シートの優良印刷領域に対応するインレット保持シートの優良搭載領域にインレットを搭載し、インレット保持シートとインレット保持シートに搭載されたインレットとを溶着固定し、多数のインレットが搭載されたインレット保持シートを、搬送された印刷済シート上に接着剤層が印刷済シートとインレット保持シートとの間に介在するように載置し、且つ、印刷済シートに溶着固定する。
【００７８】
このため、印刷済シートの不良印刷領域に対応するインレット保持シートの不良搭載領域にインレットを搭載することはないので、高価なインレットを無駄にすることはない。また、一担インレットが搭載されたインレット保持シートを印刷済シート上に載置するため、インレットを適宜個片化して直接印刷済シート上に載置する場合に比べて、インレットの載置精度を高めることができる。
【００７９】
このようにして、印刷済シートａに複数のインレットｄ２を高精度に載置することができる。この場合、インレットｄ２とインレット保持シートｄ１とが溶着され、且つ、このインレット保持シートｄ１と印刷済シートａとが溶着されているので、接着剤塗工面にインレット溶着シートを載置後ローラで扱き、ラミネートしても、印刷済シートａに対するインレットｄ２の位置ずれを抑制することができる。
【符号の説明】
【００８０】
１ トレーコンベア
２ インレット保持シート供給ロボット（インレット保持シート供給部）
３ インレット供給機（インレット供給部）
４ インレット搭載ロボット（インレット搭載部）
５ 熱プレス装置（溶着部）
６ コンベア（印刷済シート搬送部）
７ インレット溶着シート載置ロボット（インレット溶着シート載置部）
８ 制御装置（制御部）
９ 読取装置（読取部）
１０ トレー
１００ 製造システム
１００Ａ 全体システム
２００ ＩＣカード
Ａ 表基材供給工程
ａ 印刷済みシート
Ｂ 接着剤供給工程
ｂ２ タンク
ｂ３ 送液システム
Ｃ 接着剤塗布工程
ｃ１ ダイ
ｃ２ 接着剤層
Ｄ インレット溶着シート供給工程
ｄ１ インレット保持シート
ｄ２ インレット
ｄ２１ インレットシート
ｄ２２ アンテナ回路
ｄ２３ ＩＣチップ
Ｅ インレット溶着シート載置工程
Ｆ 裏基材供給工程
ｆ２ 裏基材（裏面シート）
ｆ３ ロール
ｆ４ コンベア
Ｇ 接着剤塗布／ラミネート工程
ｇ１ ダイ
Ｈ ラミネート済シート切断工程
ｈ１ 貼合品
ｈ２ カッタユニット
ｈ３ シート
Ｉ 検査工程
Ｊ シート回収工程
Ｋ エージング工程
Ｌ 打抜／裏面印刷発行シール工程
Ｍ マーク
Ｘ 搭載不可領域
Ｙ 溶着領域
【技術分野】
【０００１】
本発明は、非接触情報通信を行うＩＣ（Ｉｎｔｅｇｒａｔｅｄ Ｃｉｒｃｕｉｔ）カードを製造するための製造システムおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【０００２】
ＩＣカードは、例えば、社員証、学生証等の個人の身分を証明するのに用いられる。このようなＩＣカードは、カード基体と、カード基体に内蔵され、ＩＣチップおよびアンテナ回路を有するインレットとを備えている。そして、ＩＣカードの表面に顔画像と記載情報が印刷され、ＩＣカードの裏面に筆記具等により記入することができる筆記層が設けられている。また、この筆記層に印刷が施されたＩＣカードもある。
【０００３】
このようなＩＣカードの製造方法において、生産性及び材料収率を向上させるために、多面付けの印刷基材に個片状のインレットを載置する方法が採用されているが、この場合、印刷基材の印刷位置に対して、各インレットの高い載置精度が要求される。
【０００４】
特に、ＩＣカードのカード平面性を得るために印刷基材上の接着剤を加熱し、この接着剤の流動性が高い状態で、個片状のインレットを印刷基材上にラミネートすると、インレットが印刷基材上の所定位置からずれてしまう問題がある。ここで、「ＩＣカードのカード平面性」とは、ＩＣカードの印刷基材を含む面の平坦度のことをいう。
【０００５】
例えば、各インレットが印刷基材の所定位置からずれないように、インレットをシート状に形成したものを印刷基材上に載置する場合、混入する不良のインレットも載置され製品として不良と判断されることによる印刷基材の無駄や、印刷基材の印刷不良領域に良品のインレットが載置され製品として不良と判断されることによる良品のインレットの無駄等が生じる。
【０００６】
このような問題を解決するため、従来より、インレットを個片化し、良品のインレットのみを選択して、多面付けシート上に積載するものがある（例えば、特許文献１参照。）。特許文献１に記載のＩＣカードの製造方法においては、不良と判定されたインレットが積載されなくなり、多面付けシートには良品のインレットのみが積載されるので、多面付けシートの材料が無駄になるのを防ぐことができる。
【０００７】
しかしながら、特許文献１に記載の従来のＩＣカードの製造方法では、多面付けシートの印刷不良領域にインレットが積載された場合には、当該インレットが無駄になる。
【０００８】
また、その他、従来より、予め基材に印刷を行い、基材の印刷が正常な領域に良品のインレットを積載し、印刷不良部分に良品インレットを積載しないものがある（例えば、特許文献２参照。）。これにより、高価なインレットが無駄になるのを防ぐことができる。
【０００９】
しかしながら、特許文献２に記載の従来のＩＣカードの製造方法では、基材の接着剤塗工面に個片化されたインレットを載置する時にエア抜きのためにローラでしごいた場合や、ＩＣカードのラミネートする場合等に、個片状のインレットが接着剤流動により所定載置範囲からずれる。これにより、不良のＩＣカードが発生することも考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【００１０】
【特許文献１】特開２００３-３０６１８号公報
【特許文献２】特開２００４-３１８３０３号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【００１１】
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、インレットの載置精度を高めつつ、生産性の向上を図ることが可能な製造システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【００１２】
本発明の一態様に係るＩＣカードの製造システムは、
ＩＣカードを製造するための製造システムにおいて、
コンベアと、
インレット保持シートを前記コンベア上に供給するインレット保持シート供給部と、
インレットシートと、アンテナ回路と、ＩＣチップと、を含む多数のインレットを供給するインレット供給部と、
インレット供給部から供給される前記インレットを、前記コンベア上に供給された前記インレット保持シート上に順次搭載するインレット搭載部と、
前記インレット保持シートと前記インレット保持シートに搭載された前記インレットとを溶着固定する溶着部と、
多数の印刷領域を含むとともに接着剤が表面に塗布された印刷済シートを搬送する印刷済シート搬送部と、
前記インレット搭載部により多数の前記インレットが搭載された前記インレット保持シートを、印刷済シート搬送部により搬送された前記印刷済シート上に前記接着剤層が前記印刷済シートと前記インレット保持シートとの間に介在するように載置し、且つ、前記印刷済シートに固定するインレット溶着シート載置部と、
少なくともインレット搭載部を駆動制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、予め入力された前記印刷済シートの不良印刷領域情報に基づいて、前記インレット搭載部を制御して、前記印刷済シートの優良印刷領域に対応する前記インレット保持シートの優良搭載領域にインレットを搭載することを特徴とする。
【００１３】
また、上記製造システムにおいて、前記インレット溶着シート載置部は、前記インレット保持シートを、その外周において前記印刷済シートの接着剤非塗布部に溶着固定するようにしてもよい。
【００１４】
また、上記製造システムにおいて、前記印刷済シートに印刷された不良マークを読み取ることにより、前記不良印刷領域情報を読み取る読取部を、さらに備え、
前記制御部は、前記読取部から前記不良印刷領域情報を取得するようにしてもよい。
【００１５】
また、上記製造システムにおいて、前記インレット供給部は、良品として選別されたインレットのみをインレット搭載部に供給するようにしてもよい。
【００１６】
また、上記製造システムにおいて、前記インレット溶着インレット溶着シート載置部の下流側に、接着剤がインレット保持シートと相対する面に塗布された裏基材を前記インレット保持シート上に配置してラミネートするラミネート部をさらに備えるようにしてもよい。
【００１７】
また、上記製造システムにおいて、前記インレット保持シート供給部は、不織布からなるインレット保持シートを前記コンベア上に供給してもよい。
【００１８】
また、上記製造システムにおいて、前記インレット溶着シート載置部は、前記印刷済シートに前記インレット保持シートを熱溶着してもよい。
【００１９】
また、上記製造システムにおいて、前記インレット溶着シート載置部は、前記印刷済シートに前記インレット保持シートを超音波溶着してもよい。
【００２０】
本発明の一態様に係る製造方法は、
ＩＣカードを製造するための製造方法において、
インレット保持シートをコンベア上に供給する工程と、
インレットシートと、アンテナ回路と、ＩＣチップと、を含む多数のインレットを、前記コンベア上に供給された前記インレット保持シート上に順次搭載する工程と、
前記インレット保持シートと前記インレット保持シートに搭載された前記インレットとを溶着固定する工程と、
多数の印刷領域を含むとともに接着剤が表面に塗布された印刷済シートを印刷済シート搬送部により搬送する工程と、
多数の前記インレットが搭載された前記インレット保持シートを、多数の印刷領域を含むとともに接着剤が表面に塗布され、前記印刷済シート搬送部により搬送される印刷済シート上に接着剤層が前記印刷済シートと前記インレット保持シートとの間に介在するように載置し、且つ、前記印刷済シートに固定する工程と、を備え、
予め入力された前記印刷済シートの不良印刷領域情報に基づいて、前記印刷済シートの優良印刷領域に対応する前記インレット保持シートの優良搭載領域にインレットを搭載することを特徴とする。
【発明の効果】
【００２１】
本発明に係る製造システムによれば、予め入力された印刷済シートの不良印刷領域情報に基づいて、印刷済シートの優良印刷領域に対応するインレット保持シートの優良搭載領域にインレットを搭載し、インレット保持シートとインレット保持シートに搭載されたインレットとを溶着固定し、多数のインレットが搭載されたインレット保持シートを、搬送された印刷済シート上に接着剤層が印刷済シートとインレット保持シートとの間に介在するように載置し、且つ、印刷済シートに固定するので、インレットの載置精度を高めつつ、生産性の向上を図ることができる。
【００２２】
これらにより、塗布済み多面付け印刷済シートに多数のインレットを高精度に載置することが可能となり、例えばカード化時の通信不良を抑制し、材料やインレットの歩留まりを向上すると共に、載置精度を損なうことなく、生産性も向上することができる。
【００２３】
さらに、インレット基材及び基材を溶着したシートが不織布であるため、ラミネート時にＩＣチップ近傍の接着剤がインレット基材に浸透し、インレット基材及びシート基材上下の接着剤の偏りを生じさせず、カード平面性が得られる。
【図面の簡単な説明】
【００２４】
【図１】図１は本発明によるＩＣカードを製造するための製造システムの構成の一例を示す図である。
【図２】図２は図１に示す製造システムの具体例を示す図である。
【図３】図３は図１、図２に示すインレット溶着シート載置工程において印刷済シート上にインレット保持シートが載置された状態を表す平面図である。
【図４】図４は図３のＡ−Ａ‘に沿った断面を表す断面図である。
【図５】図５は本発明の実施の形態に係る製造システムにより製造されたＩＣカードの断面の一例を表す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【００２５】
以下、本発明によるＩＣカードを製造するための製造システムの実施の形態について図面に基づいて説明する。
【実施例１】
【００２６】
まず、図５により、本発明によるＩＣカードを製造するための製造システムにより製造されるＩＣカード２００について説明する。
【００２７】
ここで、図５は、本発明の実施の形態に係る製造システムにより製造されたＩＣカードの断面の一例を表す断面図である。
【００２８】
図５に示すように、ＩＣカード２００は、裏基材（裏面シート）ｆ２と、この裏基材（裏面シート）ｆ２上に、接着剤ｇ２を介して設けられ、インレットシートｄ２１、アンテナ回路ｄ２２、およびＩＣチップｄ２３を含むインレットｄ２と、インレットｄ２上に設けられ溶着されたインレット保持シートｄ１と、このインレット保持シートｄ１上に、接着剤層ｃ２を介して設けられた印刷済シートａと、を備えている。
【００２９】
このうち、裏基材（裏面シート）ｆ２と、インレット保持シートｄ１と、印刷済シートａとによって、ＩＣカード２００のカード基体が構成される。
【００３０】
図５に示すＩＣカード２００において、ＩＣチップｄ２３は、アンテナ回路ｄ２２に電気的に接続されている。このアンテナ回路ｄ２２は、金属（例えば、Ａｌ、Ｃｕ、Ａｇ）等の導体で構成される。
【００３１】
また、ＩＣチップｄ２３は、情報を記憶するためのメモリ部（図示せず）と、該メモリ部への情報の記憶動作、該メモリ部からの情報の読み出し動作、および、無線通信動作を制御する制御部（図示せず）を有する。このＩＣチップｄ２３は、アンテナ回路ｄ２２を介して、図示しないリーダ・ライタ等の質問器（Ｉｎｔｅｒｒｏｇａｔｏｒ）へ情報を読み出し、または、該質問器からアンテナ回路ｄ２２を介して入力された情報を記憶するようになっている。
【００３２】
なお、インレット保持シートｄ１およびインレットシートｄ２１は、例えば、不織布で構成される。これにより、ラミネート時にＩＣチップ近傍の接着剤が不織布に浸透して、接着剤の偏りの発生が抑制される。したがって、ＩＣカードの平面性および接着強度を向上することができる。
【００３３】
次に、図１および図２により、本発明によるＩＣカードを製造するための製造システムについて説明する。ここで、図１は、ＩＣカード製造の全体システムを示す図、図２はＩＣカードを製造するための製造システムの構成の一例を示す図である。
【００３４】
はじめに、図１によって、本発明によるＩＣカードを製造するための製造システム１００が組み込まれたＩＣカード製造の全体システム１００Ａについて述べる。
【００３５】
図１に示すように、ＩＣカード製造のための全体システム１００Ａにおいて、印刷された印刷済みシートａを供給する表基材供給工程Ａと、接着剤を供給する接着剤供給工程Ｂと、印刷済シートａ上に接着剤層ｃ２を成膜する接着剤塗布工程Ｃと、多数のインレットｄ２が多面付けされたインレット保持シートｄ１を供給するインレット溶着シート供給工程Ｄとが実行される。次に、インレット溶着シート供給工程Ｄの下流側において、インレット保持シートｄ１を搬送された印刷済シートａ上に載置し、且つ、印刷済シートａに溶着固定するインレット溶着シート載置工程Ｅと、裏基材（裏面シート）ｆ２を供給する裏基材供給工程Ｆと、裏基材（裏面シート）ｆ２をインレット保持シートｄ１上に該接着剤が介在するように配置しラミネートする接着剤塗布／ラミネート工程Ｇと、印刷済シートａと裏基材（裏面シート）ｆ２の貼合品ｈ１の各インレットｄ２に対して検査を実施する検査工程Ｉと、貼合品ｈ１をシート状に切断するラミネート済シート切断工程Ｈと、が実行され、シートｈ３を集積するシート回収工程Ｊと、シートｈ３をエージングするエージング工程Ｋと、各インレットｄ２に対応してカード状に打ち抜き、裏面シートに定型印刷する打抜／裏面印刷発行シール工程Ｌとが実行される。
【００３６】
このうち、後述する本発明によるＩＣカードを製造するための製造システム１００は、表基材供給工程Ａと、接着剤塗布工程Ｃと、インレット溶着シート供給工程Ｄと、インレット溶着シート載置工程Ｅと、裏基材供給工程Ｆとに対応している。
【００３７】
次に、ＩＣカード製造のための全体システム１００Ａの各工程Ａ、Ｂ、Ｃ、Ｄ、Ｅ、Ｆ、Ｇ、Ｈ、Ｉ、Ｊ、Ｋについて以下詳述する。
【００３８】
図１に示すように、表基材供給工程Ａにおいて、ＩＣカードの表基材となるシートに所定の記載情報が印刷装置（図示せず）により印刷された印刷済みシートａが１枚ずつ供給される。この印刷済みシートａは、多数のインレットが多面付けされるように、多数の印刷領域を含む。
【００３９】
なお、該印刷装置は、例えば、印刷済みシートａの印刷領域を検査し、該印刷領域のうち印刷が不良である不良印刷領域がある場合には、バーコード等の不良マークＭを印刷済みシートａに印刷する。または、該印刷装置は、印刷済みシートａの印刷領域を検査し、印刷が不良である不良印刷領域がある場合には、不良印刷領域に対応した不良印刷領域情報を図示しない通信部に出力するようにしてもよい。
【００４０】
また、接着剤供給工程Ｂにおいて、湿気硬化型接着剤等の接着剤をタンクｂ２に供給する。タンクｂ２に供給された接着剤は、接着剤の滞留を抑制する送液システムｂ３を介して、接着剤塗布工程Ｃのダイｃ１および接着剤塗布／ラミネート工程Ｇのダイｇ１に供給される。
【００４１】
次に、接着剤塗布工程Ｃにおいて、ダイｃ１のスリットから接着剤が印刷済シートａ上に塗布されることにより、印刷済シートａ上に接着剤層ｃ２が成膜される。
【００４２】
次に、インレット溶着シート供給工程Ｄにおいて、多数のインレットｄ２が多面付けされたインレット保持シートｄ１が準備される。
【００４３】
その後、インレット溶着シート載置工程Ｅにおいて、インレット保持シートｄ１は、搬送された印刷済シートａ上に接着剤層ｃ２が介在するように載置され、且つ、印刷済シートａに溶着固定される。なお、この溶着固定に代えて、例えば、機械的な固定が用いられてもよい。
【００４４】
その後、裏基材供給工程Ｆにおいて、ロール状に巻かれた長尺ウェブを繰り出し、裏基材ｆ２としてダイｇ１のスリット近傍に供給する。
【００４５】
次に、接着剤塗布／ラミネート工程Ｇにおいて、ダイｇ１のスリットから接着剤が裏基材ｆ２の裏面に塗布され、この接着剤が裏面に塗布された裏基材ｆ２をインレット保持シートｄ１上に該接着剤が介在するように配置し、ロールｆ３で貼り合わせ、加圧ラミネートし、コンベアｆ４により冷却保持、搬送する。
【００４６】
その後、ラミネート済シート切断工程Ｈにおいて、印刷済シートａと裏基材ｆ２の貼合品ｈ１をカッタユニットｈ２でシート状に切断し、シートｈ３を形成する。
【００４７】
その後、検査工程Ｉにおいて、貼合品ｈ１の各インレットｄ２に対してインレット良・不良の検査、インレット位置の検査等を実施する。
【００４８】
その後、シート回収工程Ｊにおいて、シートｈ３を所定枚数づつ集積し、エージング工程Ｋにおいて、集積されたシートｈ３を、接着剤が反応するのに必要な時間だけ、空調した条件下で保管（エージング）する。
【００４９】
その後、打抜／裏面印刷発行シール工程Ｌにおいて、各インレットｄ２に対応してカード状に打ち抜き、裏面シートに印刷機（図示せず）により定型印刷することにより、ＩＣカードが完成する。
【００５０】
次に、図２により、全体システム１００Ａに組み込まれた本発明によるＩＣカードを製造するための製造システム１００について述べる。
【００５１】
ここで、図２は、図１に示す製造システム１００の具体例を示す図である。
【００５２】
図２に示すように、本発明によるＩＣカードを製造するための製造システム１００は、複数のトレー１０を搬送するトレーコンベア１と、インレット保持シートｄ１をトレーコンベア１上のトレー１０に供給するインレット保持シート供給ロボット（インレット保持シート供給部）２と、インレットシートｄ２１と、アンテナ回路ｄ２２と、ＩＣチップｄ２３と、を含む多数のインレットｄ２（図５参照）を供給するインレット供給機（インレット供給部）３と、インレット供給機３から供給されるインレットｄ２を、トレーコンベア１上のトレー１０内に供給されたインレット保持シートｄ１上に順次搭載するインレット搭載ロボット（インレット搭載部）４と、インレット保持シートｄ１とインレット保持シートｄ１上に搭載されたインレットｄ２とを熱溶着する熱プレス装置（溶着部）５と、を備える。
【００５３】
また、トレーコンベア１に対して直交して、多数の印刷領域を含むとともに接着剤が表面に塗布された印刷済シートａを搬送するコンベア（印刷済シート搬送部）６が配置されている。また、トレーコンベア１とコンベア６との間には、インレット搭載ロボット４により多数のインレットｄ２が搭載されたインレット保持シートｄ１をトレーコンベア１上から受け取り、コンベア６により搬送された印刷済シートａ上に載置するインレット溶着シート搭載ロボット（インレット溶着シート載置部）７が設けられている。
【００５４】
インレット溶着シート搭載ロボット７は、印刷済シートａ上にインレット保持シートｄ１を載置するが、このとき、印刷済シートａとインレット保持シートｄ１との間に接着剤層ｃ２が介在するようにインレット保持シートｄ１を載置する。また、インレット溶着シート搭載ロボット７は、印刷済シートａにインレット保持シートｄ１を溶着固定するようになっている。既述のように、この溶着固定に代えて、例えば、機械的な固定が用いられてもよい。
【００５５】
そして、これらトレーコンベア１と、インレット保持シート供給ロボット２と、インレット供給機３と、インレット搭載ロボット４と、熱プレス装置５と、コンベア６と、インレット溶着シート搭載ロボット７は、制御装置（制御部）８により駆動制御される。
【００５６】
さらに、コンベア６により搬送される印刷済シートａに印刷された不良マークＭが読取装置（読取部）９により読み取られ、この読取装置９によって、印刷済シートａ上の不良印刷領域情報が認識される。
【００５７】
次に、制御装置８は、読取装置９から入力された印刷済シートａの不良印刷領域情報に基づいて、インレット搭載ロボット４を制御して、印刷済シートａの優良印刷領域に対応するインレット保持シートｄ１の優良搭載領域にインレットｄ２を搭載する。
【００５８】
なお、本実施の形態では、制御装置８は、上述のように、読取装置９から不良印刷領域情報を取得するが、既述のように、不良印刷領域に対応した不良印刷領域情報が該通信部（図示せず）に蓄積されている場合には、該通信部から不良印刷領域情報を取得するようにしてもよい。
【００５９】
また、制御装置８は、トレーコンベア１と、インレット保持シート供給ロボット２と、インレット供給機３と、インレット搭載ロボット４と、熱プレス装置５と、コンベア６と、インレット溶着シート載置ロボット７とを駆動制御するが、制御装置８は、インレットｄ２を置く位置をインレット供給機３で制御し、印刷済シートａの不良箇所数に応じて個片のインレットｄ２の供給量を制御するようにインレット搭載ロボット４とを制御し、トレーコンベア１と、インレット保持シート供給ロボット２と、インレット供給機３と、熱プレス装置５と、コンベア６と、インレット溶着シート載置ロボット７を他の制御装置により駆動制御してもよい。
【００６０】
次に、このような構成からなるＩＣカードを製造するための製造システムの製造方法について説明する。
【００６１】
図２に示すように、先ず、インレット保持シート供給ロボット２が、インレット保持シートｄ１をトレーコンベア１上のトレー１０に供給する。この場合、インレット保持シートｄ１は、例えば、吸引等の仮固定手段により予めトレー１０に固定されている。
【００６２】
次に、インレットシートｄ２１と、アンテナ回路ｄ２２と、ＩＣチップｄ２３と、を含む多数のインレットｄ２がインレット供給機３によりインレット搭載ロボット４に供給される。この場合、インレット供給機３は、良品として選別されたインレットｄ２のみをインレット搭載ロボット４に供給する。これにより、不良のインレットｄ２が供給されなくなり、不良のインレットｄ２が載置されることによる印刷済シートａの無駄をなくすことができる。
【００６３】
次に、インレット搭載ロボット４は、インレット供給機３から供給されるインレットｄ２を、トレーコンベア１上のトレー１０に供給されたインレット保持シートｄ１上に順次搭載する。
【００６４】
この間、多数の印刷領域を含むとともに接着剤層ｃ２が表面に塗布された印刷済シートａがコンベア６により搬送される。そして、コンベア６上の印刷済シートａに印刷された不良マークＭが読取装置９により読み取られ、この読取装置９により不良印刷領域情報が読み取られる。そして、制御装置８は、読取装置９から取得した該不良印刷領域情報に基づいて、インレット搭載ロボット４を制御して、印刷済シートａの優良印刷領域に対応するインレット保持シートｄ１の優良搭載領域のみにインレットｄ２を搭載する。すなわち、インレット搭載ロボット４は、印刷済シートａの不良印刷領域に対応したインレット保持シートｄ１の搭載不可領域Ｘには、インレットｄ２を搭載しない。
【００６５】
例えば、従来は、製品検査の段階で印刷済シートａの印刷が不良と判断された場合、インレットｄ２自体が良品であっても製品として不良品と判断されて廃棄されてしまうと、高価なインレットｄ２が無駄になる。
【００６６】
しかしながら、本実施の形態では、印刷済シートａの優良印刷領域のみにインレットｄ２が搭載されるため、上述のように高価なインレットｄ２が無駄になるのを抑制することができる。
【００６７】
次に、熱プレス装置５により、インレット保持シートｄ１とこのインレット保持シートｄ１上に搭載されたインレットｄ２とが熱溶着される。なお、本実施の形態では、熱プレス装置５により、インレット保持シートｄ１とインレットｄ２が熱溶着により固定されるが、インレット保持シートｄ１とインレットｄ２を、超音波溶着により固定してもよく、また、接着剤により固定してもよい。また、個片インレットとシートの溶着時に、ＩＣチップ部分など加熱・加圧が望ましくない部分に熱プレス装置５のプレス面が接触しないようにするのが望ましい。
【００６８】
次に、インレット溶着シート載置ロボット７が、インレット搭載ロボット４により多数のインレットｄ２が搭載されたインレット保持シートｄ１を、コンベア６により搬送された印刷済シートａ上に載置する。この場合、印刷済シートａとインレット保持シートｄ１との間に、接着剤層ｃ２が介在するように印刷済シートａ上にインレット保持シートｄ１を載置し、且つ、印刷済シートａにインレット保持シートｄ１を熱溶着により溶着固定する。このとき、インレット溶着シート載置ロボット７は、インレット保持シートｄ１の外周において、インレット保持シートｄ１と印刷済シートａの接着剤非塗布部とを溶着固定する。
【００６９】
なお、本実施の形態では、インレット溶着シート載置ロボット７は、熱溶着により、インレット保持シートｄ１と印刷済シートａとを固定しているが、インレット溶着シート載置ロボット７が、インレット保持シートｄ１と印刷済シートａとを超音波溶着により固定してもよい。
【００７０】
次に、図３および図４により、インレット溶着シート載置工程について更に説明する。
【００７１】
ここで、図３は、図１、図２に示すインレット溶着シート載置工程において印刷済シート上にインレット保持シートが載置された状態を表す平面図である。また、図４は、図３のＡ−Ａ‘に沿った断面を表す断面図である。
【００７２】
上述のように、印刷済シートａの接着剤層ｃ２上にインレット保持シートｄ１が載置されている（図３および図４参照）。次に、インレット保持シートｄ１と印刷済シートａは、インレット溶着シート載置ロボット７によってインレット保持シートｄ１の溶着領域Ｙで熱溶着される。この場合、既述のように、印刷済シートａの不良印刷領域に対応したインレット保持シートｄ１の搭載不可領域Ｘには、インレットｄ２が搭載されていない。
【００７３】
次に、インレット溶着シート載置工程Ｅの後、図１に示す接着剤塗布／ラミネート工程Ｇにおいて、接着剤が裏面に塗布された裏基材ｆ２がインレット保持シートｄ１上に該接着剤が介在するように配置され、ロールｆ３で印刷済シートａと裏基材ｆ２を貼り合わせ、加圧ラミネートし、この貼合品がコンベアｆ４により冷却保持、搬送する（接着剤塗布／ラミネート工程Ｇ）。
【００７４】
その後、検査工程Ｉ、上述したラミネート済シート切断工程Ｈ、シート回収工程Ｊおよびエージング工程Ｋが実行される。
【００７５】
次に、エージング工程Ｋの後、打抜／裏面印刷発行シールが実行され、製品としてのＩＣカード２００が完成する。
【００７６】
このように、以上のような構成・機能を有する全体システム１００Ａにより、ＩＣカードが製造される。
【００７７】
以上のように本実施の形態によれば、予め入力された印刷済シートの不良印刷領域情報に基づいて、印刷済シートの優良印刷領域に対応するインレット保持シートの優良搭載領域にインレットを搭載し、インレット保持シートとインレット保持シートに搭載されたインレットとを溶着固定し、多数のインレットが搭載されたインレット保持シートを、搬送された印刷済シート上に接着剤層が印刷済シートとインレット保持シートとの間に介在するように載置し、且つ、印刷済シートに溶着固定する。
【００７８】
このため、印刷済シートの不良印刷領域に対応するインレット保持シートの不良搭載領域にインレットを搭載することはないので、高価なインレットを無駄にすることはない。また、一担インレットが搭載されたインレット保持シートを印刷済シート上に載置するため、インレットを適宜個片化して直接印刷済シート上に載置する場合に比べて、インレットの載置精度を高めることができる。
【００７９】
このようにして、印刷済シートａに複数のインレットｄ２を高精度に載置することができる。この場合、インレットｄ２とインレット保持シートｄ１とが溶着され、且つ、このインレット保持シートｄ１と印刷済シートａとが溶着されているので、接着剤塗工面にインレット溶着シートを載置後ローラで扱き、ラミネートしても、印刷済シートａに対するインレットｄ２の位置ずれを抑制することができる。
【符号の説明】
【００８０】
１ トレーコンベア
２ インレット保持シート供給ロボット（インレット保持シート供給部）
３ インレット供給機（インレット供給部）
４ インレット搭載ロボット（インレット搭載部）
５ 熱プレス装置（溶着部）
６ コンベア（印刷済シート搬送部）
７ インレット溶着シート載置ロボット（インレット溶着シート載置部）
８ 制御装置（制御部）
９ 読取装置（読取部）
１０ トレー
１００ 製造システム
１００Ａ 全体システム
２００ ＩＣカード
Ａ 表基材供給工程
ａ 印刷済みシート
Ｂ 接着剤供給工程
ｂ２ タンク
ｂ３ 送液システム
Ｃ 接着剤塗布工程
ｃ１ ダイ
ｃ２ 接着剤層
Ｄ インレット溶着シート供給工程
ｄ１ インレット保持シート
ｄ２ インレット
ｄ２１ インレットシート
ｄ２２ アンテナ回路
ｄ２３ ＩＣチップ
Ｅ インレット溶着シート載置工程
Ｆ 裏基材供給工程
ｆ２ 裏基材（裏面シート）
ｆ３ ロール
ｆ４ コンベア
Ｇ 接着剤塗布／ラミネート工程
ｇ１ ダイ
Ｈ ラミネート済シート切断工程
ｈ１ 貼合品
ｈ２ カッタユニット
ｈ３ シート
Ｉ 検査工程
Ｊ シート回収工程
Ｋ エージング工程
Ｌ 打抜／裏面印刷発行シール工程
Ｍ マーク
Ｘ 搭載不可領域
Ｙ 溶着領域
【特許請求の範囲】
【請求項１】
ＩＣカードを製造するための製造システムにおいて、
コンベアと、
インレット保持シートを前記コンベア上に供給するインレット保持シート供給部と、
インレットシートと、アンテナ回路と、ＩＣチップと、を含む多数のインレットを供給するインレット供給部と、
インレット供給部から供給される前記インレットを、前記コンベア上に供給された前記インレット保持シート上に順次搭載するインレット搭載部と、
前記インレット保持シートと前記インレット保持シートに搭載された前記インレットとを溶着固定する溶着部と、
多数の印刷領域を含むとともに接着剤が表面に塗布された印刷済シートを搬送する印刷済シート搬送部と、
前記インレット搭載部により多数の前記インレットが搭載された前記インレット保持シートを、印刷済シート搬送部により搬送された前記印刷済シート上に接着剤層が前記印刷済シートと前記インレット保持シートとの間に介在するように載置し、且つ、前記印刷済シートに固定するインレット溶着シート載置部と、
少なくともインレット搭載部とインレット供給部とを駆動制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、予め入力された前記印刷済シートの不良印刷領域情報に基づいて、前記インレット搭載部を制御して、前記印刷済シートの優良印刷領域に対応する前記インレット保持シートの優良搭載領域にインレットを搭載する
ことを特徴とする製造システム。
【請求項２】
前記インレット溶着シート載置部は、前記インレット保持シートを、その外周において前記印刷済シートの接着剤非塗布部に溶着固定することを特徴とする請求項１に記載の製造システム。
【請求項３】
前記印刷済シートに印刷された不良マークを読み取ることにより、前記不良印刷領域情報を読み取る読取部を、さらに備え、
前記制御部は、前記読取部から前記不良印刷領域情報を取得することを特徴とする請求項１または２に記載の製造システム。
【請求項４】
前記インレット供給部は、良品として選別されたインレットのみをインレット搭載部に供給する
ことを特徴とする請求項１ないし３のいずれか一項に記載の製造システム。
【請求項５】
前記インレット溶着シート載置部の下流側に、接着剤がインレット保持シートと相対する面に塗布された裏基材を前記インレット保持シート上に配置してラミネートするラミネート部をさらに備える
ことを特徴とする請求項１ないし４のいずれか一項に記載の製造システム。
【請求項６】
前記インレット保持シート供給部は、不織布からなるインレット保持シートを前記コンベア上に供給することを特徴とする請求項１ないし５のいずれか一項に記載の製造システム。
【請求項７】
前記インレット溶着シート載置部は、前記印刷済シートに前記インレット保持シートを熱溶着することを特徴とする請求項１ないし６のいずれか一項に記載の製造システム。
【請求項８】
前記インレット溶着シート載置部は、前記印刷済シートに前記インレット保持シートを超音波溶着することを特徴とする請求項１ないし６のいずれか一項に記載の製造システム。
【請求項９】
ＩＣカードを製造するための製造方法において、
インレット保持シートをコンベア上に供給する工程と、
インレットシートと、アンテナ回路と、ＩＣチップと、を含む多数のインレットを、前記コンベア上に供給された前記インレット保持シート上に順次搭載する工程と、
前記インレット保持シートと前記インレット保持シートに搭載された前記インレットとを溶着固定する工程と、
多数の印刷領域を含むとともに接着剤が表面に塗布された印刷済シートを印刷済シート搬送部により搬送する工程と、
多数の前記インレットが搭載された前記インレット保持シートを、多数の印刷領域を含むとともに接着剤が表面に塗布され、前記印刷済シート搬送部により搬送される印刷済シート上に接着剤層が前記印刷済シートと前記インレット保持シートとの間に介在するように載置し、且つ、前記印刷済シートに固定する工程と、を備え、
予め入力された前記印刷済シートの不良印刷領域情報に基づいて、前記印刷済シートの優良印刷領域に対応する前記インレット保持シートの優良搭載領域にインレットを搭載する
ことを特徴とする製造方法。
【請求項１】
ＩＣカードを製造するための製造システムにおいて、
コンベアと、
インレット保持シートを前記コンベア上に供給するインレット保持シート供給部と、
インレットシートと、アンテナ回路と、ＩＣチップと、を含む多数のインレットを供給するインレット供給部と、
インレット供給部から供給される前記インレットを、前記コンベア上に供給された前記インレット保持シート上に順次搭載するインレット搭載部と、
前記インレット保持シートと前記インレット保持シートに搭載された前記インレットとを溶着固定する溶着部と、
多数の印刷領域を含むとともに接着剤が表面に塗布された印刷済シートを搬送する印刷済シート搬送部と、
前記インレット搭載部により多数の前記インレットが搭載された前記インレット保持シートを、印刷済シート搬送部により搬送された前記印刷済シート上に接着剤層が前記印刷済シートと前記インレット保持シートとの間に介在するように載置し、且つ、前記印刷済シートに固定するインレット溶着シート載置部と、
少なくともインレット搭載部とインレット供給部とを駆動制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、予め入力された前記印刷済シートの不良印刷領域情報に基づいて、前記インレット搭載部を制御して、前記印刷済シートの優良印刷領域に対応する前記インレット保持シートの優良搭載領域にインレットを搭載する
ことを特徴とする製造システム。
【請求項２】
前記インレット溶着シート載置部は、前記インレット保持シートを、その外周において前記印刷済シートの接着剤非塗布部に溶着固定することを特徴とする請求項１に記載の製造システム。
【請求項３】
前記印刷済シートに印刷された不良マークを読み取ることにより、前記不良印刷領域情報を読み取る読取部を、さらに備え、
前記制御部は、前記読取部から前記不良印刷領域情報を取得することを特徴とする請求項１または２に記載の製造システム。
【請求項４】
前記インレット供給部は、良品として選別されたインレットのみをインレット搭載部に供給する
ことを特徴とする請求項１ないし３のいずれか一項に記載の製造システム。
【請求項５】
前記インレット溶着シート載置部の下流側に、接着剤がインレット保持シートと相対する面に塗布された裏基材を前記インレット保持シート上に配置してラミネートするラミネート部をさらに備える
ことを特徴とする請求項１ないし４のいずれか一項に記載の製造システム。
【請求項６】
前記インレット保持シート供給部は、不織布からなるインレット保持シートを前記コンベア上に供給することを特徴とする請求項１ないし５のいずれか一項に記載の製造システム。
【請求項７】
前記インレット溶着シート載置部は、前記印刷済シートに前記インレット保持シートを熱溶着することを特徴とする請求項１ないし６のいずれか一項に記載の製造システム。
【請求項８】
前記インレット溶着シート載置部は、前記印刷済シートに前記インレット保持シートを超音波溶着することを特徴とする請求項１ないし６のいずれか一項に記載の製造システム。
【請求項９】
ＩＣカードを製造するための製造方法において、
インレット保持シートをコンベア上に供給する工程と、
インレットシートと、アンテナ回路と、ＩＣチップと、を含む多数のインレットを、前記コンベア上に供給された前記インレット保持シート上に順次搭載する工程と、
前記インレット保持シートと前記インレット保持シートに搭載された前記インレットとを溶着固定する工程と、
多数の印刷領域を含むとともに接着剤が表面に塗布された印刷済シートを印刷済シート搬送部により搬送する工程と、
多数の前記インレットが搭載された前記インレット保持シートを、多数の印刷領域を含むとともに接着剤が表面に塗布され、前記印刷済シート搬送部により搬送される印刷済シート上に接着剤層が前記印刷済シートと前記インレット保持シートとの間に介在するように載置し、且つ、前記印刷済シートに固定する工程と、を備え、
予め入力された前記印刷済シートの不良印刷領域情報に基づいて、前記印刷済シートの優良印刷領域に対応する前記インレット保持シートの優良搭載領域にインレットを搭載する
ことを特徴とする製造方法。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【公開番号】特開２０１１−２４３０３６（Ｐ２０１１−２４３０３６Ａ）
【公開日】平成２３年１２月１日（２０１１．１２．１）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１０−１１５３１６（Ｐ２０１０−１１５３１６）
【出願日】平成２２年５月１９日（２０１０．５．１９）
【出願人】（０００００２８９７）大日本印刷株式会社 (14,506)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２３年１２月１日（２０１１．１２．１）
【国際特許分類】
【出願日】平成２２年５月１９日（２０１０．５．１９）
【出願人】（０００００２８９７）大日本印刷株式会社 (14,506)
【Ｆターム（参考）】
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