IC非実装外部接続端子基板型デュアルICカード
【課題】本発明は、IC非実装外部接続端子基板とアンテナパターンとの接合部が信頼性に優れるIC非実装外部接続端子基板型デュアルICカードを提供する。
【解決手段】接触・非接触型ICチップ(1)をもつアンテナシート(2)を埋設したカード基材(3)に凹部(4)を形成し、該凹部(4)にIC非実装外部接続端子基板(6)を埋設固定し、前記基板(6)の外部接続端子(7)と、アンテナパターン(5)とを電気的に接続固定したIC非実装外部接続端子基板型デュアルICカードにおいて、前記IC非実装外部接続端子基板(6)が両面基板からなり、該基板(6)の接続ランド(パッド)(9)と前記アンテナパターン(5)の接続パターン(5A)との接合部が前記基板(6)の中央部側のISO7816に定める外部接続端子領域(14)外の内側に設けられていることを特徴とするIC非実装外部接続端子基板型デュアルICカードである。
【解決手段】接触・非接触型ICチップ(1)をもつアンテナシート(2)を埋設したカード基材(3)に凹部(4)を形成し、該凹部(4)にIC非実装外部接続端子基板(6)を埋設固定し、前記基板(6)の外部接続端子(7)と、アンテナパターン(5)とを電気的に接続固定したIC非実装外部接続端子基板型デュアルICカードにおいて、前記IC非実装外部接続端子基板(6)が両面基板からなり、該基板(6)の接続ランド(パッド)(9)と前記アンテナパターン(5)の接続パターン(5A)との接合部が前記基板(6)の中央部側のISO7816に定める外部接続端子領域(14)外の内側に設けられていることを特徴とするIC非実装外部接続端子基板型デュアルICカードである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンテナパターンとIC非実装外部接続端子基板を搭載したデュアルICカード(接触・非接触共用型ICカード)に関するもので、さらに詳しくは、ICが実装されていない外部接続端子基板(IC非実装外部接続端子基板)とアンテナシートに配置されたアンテナパターンの接続パターンとの接合部が信頼性に優れるIC非実装外部接続端子基板型デュアルICカードに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、クレジットカード、キャッシュカードなどの分野においては、磁気カードに代わるカードとして、カード基板にマイクロプロセッサ(MPU)やデータメモリなどのICメモリを含むICモジュールを内蔵したICカードが、情報記憶容量が非常に大きいこと、また高いセキュリティ性を有することから注目されている。
【0003】
特に、近年はICカードの情報量が、磁気カードに比較して非常に大きいこと、またセキュリティ性も高いということなどの理由から急速に金融分野、流通分野、交通分野、行政分野、通信分野などいろいろな分野でICカードの利用が検討、或いは実用化されている。
【0004】
ICカードの種類も多様化されている。例えば、ICカードにCPU(中央演算処理装置)を内蔵しているか否かによる分類や、またICカードに搭載されているICチップと、外部装置とのデータの送受信方法などにより分類することもできる。
【0005】
ICカードは、磁気カードと類似の形状と材料からできているプラスチック製カードの中にICチップが埋め込まれている。該ICチップにCPUを内蔵しており、演算機能があるため、データの読み書きの際にアクセスが正しいかどうか判断することができ高いセキュリティを実現できる。
【0006】
前記、ICチップ内のデータの読取りや書込みを行うためには、外部とのインターフェースが必要である。また、ICカードには、電池が内蔵されていないので、ICチップを動作させる電力を外部から供給する必要がある。
【0007】
このようなことから、ICカードには、CPUの有無による分類のほかに、リーダライタなどの外部機器とのインターフェースによる違いから、接触型ICカードと非接触型ICカードなどがある。
【0008】
接触型ICカードは、カード表面に露出した外部接続端子を直接、リーダライタ側の端子に接触させて電力供給を受けたり、外部機器とのデータ通信を行うものでICカードの中では一番多い種類である。
【0009】
一方、非接触型ICカードは、近年急速に普及してきたICカードである。カード表面に外部機器とのデータなどをやり取りする外部接続端子がなく、カード内部にICチップとコイルアンテナを内蔵しており、電波により、リーダライタと情報のやり取りを行う仕組みになっている。
【0010】
非接触型ICカードは、ICカードにアンテナを内蔵しているだけでなく、リーダライタの方にもアンテナを内蔵し、ICカードはリーダライタからの電波を利用して電力供給を受けるとともにデータなどの情報のやり取りを行う。
【0011】
ところで、最近では、接触型ICカードと非接触型ICカードの両方の機能をもつ、ICカードとして、例えば、接触型と非接触型用の二つのICチップを搭載し、且つコイルアンテナなどを備えたハイブリッド型ICカードや、接触型と非接触型共用のICチップを搭載し、且つコイルアンテナなどを備えたICカードである、いわゆる1チップ2インターフェースを有するデュアルICカード(コンビネーション型ICカード)があるが、特に、後者のデュアルICカードの要望が高まってきており、このカード用の両機能を有するICチップも開発され商品化されつつある。
【0012】
この1枚のカードに接触型と非接触型共用のICチップを搭載した1チップ2インターフェースを有するデュアルICカードは、カード基板の任意の位置に配置された外部接続端子基板と、さらに予め、ループ状に埋め込まれた銅線からなるアンテナのアンテナ接続端子及び該アンテナ接続端子と該カード基板の任意の位置に所定の深さに切削された凹部に埋め込まれたICモジュールとを接続した構成になっている。
【0013】
すなわち、このようなデュアルICカードは、接触型と非接触型共用のICチップを内蔵したICモジュールと通信を非接触で行うアンテナと、外部接続端子基板を接続して機能を発揮するもので、この接続方法と構造が耐久性のあるデュアルICカードを製造するうえでのポイントである。
【0014】
さらに詳しく説明すると、前記ICチップを使用したICカードにおける商品化の1つの形態として、アンテナシート上にICチップを実装し、非接触型カード機能用としてアンテナシート上にはアンテナパターン(コイル)を配置し、接触型カード機能用としては、ISO7816に定める外部接続端子位置が保証できるIC非実装外部接続端子基板を設け、さらに、そのIC非実装外部接続端子基板に接続ランドを設けてアンテナシートと電気的に接続を行う方法を開発したが、ここでの最大の課題は、前記接続の信頼性を確保することであった。
【0015】
そこでこのようなデュアルICカードの接続の信頼性を確保する方法の先行事例として、デュアルインターフェースカード及びその製造方法の提案がなされている。(例えば、特許文献1参照。)。
【0016】
この提案の内容としては、タブ基板(IC非実装外部接続端子基板)を使用したデュアルICカードの技術が開示されており、図17及び図18に示すように、接続の信頼性を確保する手段としては、超音波によりタブ基板(35)に設けたバンプ(36)を溶融させてアンテナ基板(31)と電気的に接続し、タブ基板(35)は2液接着剤によりカード本体(34)に接着固定するというものである。
【0017】
従来から、電気的な接続方法としては、導電性樹脂を用いるとか、また、タブ基板の接着方法としては、ホッメルト接着剤を使用するとか、各種の方法が考えられるが、ここで課題となるのは、電気的な接続の信頼性を如何に確保するかということである。
【0018】
しかし、前述の先行事例においては、デュアルICカードの構成及び製造方法についての技術は開示されているが、接続部が外周部に配置されるとすると、曲げ応力等により一旦、接合が剥れ始めると急激に進行して完全に電気的に断線してしまうこともあり、接続の信頼性に不安が残るものである。
【0019】
以下に先行技術文献を示す。
【特許文献1】特開2004−13855号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
本発明は、このような従来技術の問題点を解決しようとするものであり、ICが実装されていない外部接続端子基板(IC非実装外部接続端子基板)の接続ランド(パッド)とアンテナシートに配置されたアンテナパターンの接続パターンとの接合部が信頼性に優れるIC非実装外部接続端子基板型デュアルICカードを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明は、上記の課題を解決するために成されたものであり、本発明の請求項1に係る発明は、接触型と非接触型の機能をもったICチップ(1)を、アンテナパターン(アンテナコイル)(5)を有するアンテナシート(フィルム)(2)上に搭載し、カード基材(3)に埋設した後、該カード基材(3)に凹部(4)を形成すると同時にアンテナパターン(5)を露出させ、IC非実装外部接続端子基板(6)を該カード基材(3)の凹部(4)に埋設固定すると同時に、前記IC非実装外部接続端子基板(6)の外部接続端子(7)と、アンテナシート(2)に配置されたアンテナパターン(5)と、を導電体(導電性樹脂、クリーム半田等)(8)を介して電気的に接続固定したIC非実装外部接続端子基板型デュアルICカードにおいて、前記IC非実装外部接続端子基板(6)が両面基板からなり、該IC非実装外部接続端子基板(6)の接続ランド(パッド)(9)と前記アンテナシート(2)に配置されたアンテナパターン(5)の接続パターン(5A)との接合部が前記基板(6)の中央部側のISO7816に定める外部接続端子領域(14)外の内側に設けられていることを特徴とするIC非実装外部接続端子基板型デュアルICカードである。
【0022】
本発明の請求項2に係る発明は、請求項1記載のIC非実装外部接続端子基板型デュアルICカードにおいて、前記IC非実装外部接続端子基板(6)の総厚が0.2〜0.4mmの範囲であることを特徴とするIC非実装外部接続端子基板型デュアルICカードである。
【0023】
本発明の請求項3に係る発明は、請求項1又は2記載のIC非実装外部接続端子基板型デュアルICカードにおいて、前記IC非実装外部接続端子基板(6)の裏面側にアンテナパターン(5)の一部を配置することを特徴とするIC非実装外部接続端子基板型デュアルICカードである。
【発明の効果】
【0024】
本発明に係るIC非実装外部接続端子基板型デュアルICカードは、接触型と非接触型の機能をもったICチップを、アンテナパターン(アンテナコイル)を有するアンテナシート(フィルム)上に搭載し、カード基材に埋設した後、該カード基材に凹部を形成すると同時にアンテナパターンを露出させ、IC非実装外部接続端子基板を該カード基材の凹部に埋設固定すると同時に、前記IC非実装外部接続端子基板の外部接続端子と、アンテナシートに配置されたアンテナパターンと、を導電体(導電性樹脂、クリーム半田等)を介して電気的に接続固定したIC非実装外部接続端子基板型デュアルICカードにおいて、前記IC非実装外部接続端子基板が両面基板からなり、該IC非実装外部接続端子基板の接続ランド(パッド)と前記アンテナシートに配置されたアンテナパターンの接続パターンとの接合部が前記基板の中央部側のISO7816に定める外部接続端子領域外の内側に設けられていることにより、カードに曲げ応力が加わった場合も、接合部が信頼性に優れ、外部機器との通信のためのリーダライタの押し圧力等の影響を受けにくいため接合部の接続の信頼性を向上させることができる。
【0025】
また、両面基板でなるIC非実装外部接続端子基板を0.2〜0.4mmの範囲に厚くすることにより、基板の剛性が高くなり、カードに曲げ応力が加わった場合でも曲げ応力
を外部接続端子基板の周囲の剛性に劣るカード基材で吸収して外部接続端子基板の変形が緩和されるため、アンテナシートの接続パターン群との接続ランドの接合部における接続の信頼性を向上させることができる。
【0026】
さらに、前記IC非実装外部接続端子基板の裏面側にアンテナパターンの一部を配置することにより、アンテナシートにおけるアンテナパターンの設計の自由度が増加し、例えば、アンテナシートにジャンパー回路を設けるとか、アンテナシートに両面配線してスルーホール接続するとかという必要がなくなり、製品を安価に生産できるというメリットをもつものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
本発明の実施の形態を図1〜図16に基づいて詳細に説明する。
【0028】
図1は本発明に係るIC非実装外部接続端子基板型デュアルICカードを構成するアンテナシート上に部分的に欠如したアンテナパターンを設けた状態の1実施例を示す平面図であり、図2は本発明に係るIC非実装外部接続端子基板型デュアルICカードを構成するアンテナシート上に設けた部分的に欠如したアンテナパターンの動作状態を説明する説明図であり、図3は本発明に係るIC非実装外部接続端子基板型デュアルICカードを構成する部分的に欠如したアンテナパターンを有するアンテナシートにICチップを実装後、カード基材に挟み込み、積層する前の状態の1実施例を示す側断面図であり、図4は本発明に係るIC非実装外部接続端子基板型デュアルICカードを構成する部分的に欠如したアンテナパターンを有するアンテナシートにICチップを実装後、カード基材に挟み込み、積層した積層体の1実施例を示す側断面図であり、図5は本発明に係るIC非実装外部接続端子基板型デュアルICカードにおいて、IC非実装外部接続端子基板を配置する位置をミリング加工し、アンテナシートの各接続端子を露出させる状態を説明する平面図であり、図6は図5のA−A線側断面図であり、図7は図5のB−B線側断面図であり、図8は本発明に係るIC非実装外部接続端子基板型デュアルICカードを構成するIC非実装外部接続端子基板の側断面図であり、図9は本発明に係るIC非実装外部接続端子基板型デュアルICカードを構成するIC非実装外部接続端子基板の表面の状態を示す平面図であり、図10は本発明に係るIC非実装外部接続端子基板型デュアルICカードを構成するIC非実装外部接続端子基板の裏面の状態を示す平面図であり、図11は本発明に係るIC非実装外部接続端子基板型デュアルICカードにおいて、IC非実装外部接続端子基板のアンテナパターンとアンテナシートのアンテナパターンとが接続される状態を説明する平面図であり、図12は図11のA−A線側断面図であり、図13は図11のB−B線側断面図であり、図14は本発明に係るIC非実装外部接続端子基板型デュアルICカードにおいて、IC非実装外部接続端子基板の曲げ応力の状態を説明する説明図であり、図15は本発明に係るIC非実装外部接続端子基板型デュアルICカードを構成するIC非実装外部接続端子基板の裏面にアンテナパターンをジャンパーパターンとして設けた状態を示す平面図であり、図16は本発明に係るIC非実装外部接続端子基板型デュアルICカードにおいて、IC非実装外部接続端子基板のアンテナパターンをジャンパーパターンとして設けた状態を示す平面図である。
【0029】
本発明の1実施例のIC非実装外部接続端子基板型デュアルICカード(A)は、接触型と非接触型の機能をもったICチップ(1)を、アンテナパターン(アンテナコイル)(5)を有するアンテナシート(フィルム)(2)上に搭載し、カード基材(3)に埋設した後、該カード基材(3)に凹部(4)を形成すると同時にアンテナパターン(5)を露出させ、IC非実装外部接続端子基板(6)を、該カード基材(3)の凹部(4)に埋設固定すると同時に、前記IC非実装外部接続端子基板(6)の外部接続端子(7)と、アンテナシート(2)に配置されたアンテナパターン(5)と、を導電体(導電性樹脂、クリーム半田等)(8)を介して電気的に接続固定したIC非実装外部接続端子基板型デ
ュアルICカードにおいて、前記IC非実装外部接続端子基板(6)が両面基板からなり、該IC非実装外部接続端子基板(6)の接続ランド(パッド)(9)と前記アンテナシート(2)に配置されたアンテナパターン(5)の接続パターン(5A)との接合部が前記基板(6)の中央部側のISO7816に定める外部接続端子領域(14)外の内側に設けられていることを特徴とするIC非実装外部接続端子基板型デュアルICカードである。
【0030】
前記IC非実装外部接続端子基板型デュアルICカードの構造や構成材料について、詳細に説明する。
【0031】
まず、前記アンテナシート(2)は、例えば、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリイミド(PI)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)、アクリル樹脂、ポリカーボネート(PC)、ポリ塩化ビニル(PVC)等の絶縁シート(フィルム)が単独で又は組み合わされた複合体として使用可能である。前記アンテナシート(フィルム)(2)の厚みは、15〜200μmの範囲が好ましい。
【0032】
このようなアンテナシート(2)上に設けられた厚み15〜50μmの範囲の銅箔、あるいはアルミ箔を貼り合わせた後に、エッチングにより形成されたアンテナパターン(5)を配置した。
【0033】
前記アンテナシート(2)は、ICチップ(1)の接続ランド(パッド)と接続するための第1の接続パターン群とIC非実装外部接続端子基板(6)の接続ランド(パッド)(9)と接続するための第2の接続パターン群とを備えている。
【0034】
前記ICチップ(1)は、アンテナシート(2)の第1の接続パターン群と該ICチップ(1)の接続ランド(パッド)に設けられたバンプ(突起電極)との間に異方性導電性接着シート(ACF)を介在させて、アンテナシート(2)にフェースダウンにて実装する。
【0035】
図3に示すように、前記構成によるアンテナシート(2)を絶縁性の上下のカード基材(3、3)に挟み込み、熱成形して、図4に示すように、厚みが、略0.8mmの積層体を形成する。
【0036】
前記カード基材(3)は、前述のアンテナシート(2)と同様の材料が使用でき、例えば、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリイミド(PI)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)、アクリル樹脂、ポリカーボネート(PC)、ポリ塩化ビニル(PVC)等の絶縁シート(フィルム)が単独で又は組み合わされた複合体として使用可能である。また、該カード基材(3)の厚みは、0.1〜0.3mmの範囲が好ましい。
【0037】
図5〜図7に示すように、前記積層体にIC非実装外部接続端子基板(6)を埋設する凹部(4)をミリング加工により形成すると同時にアンテナシート(2)の第2の接続パターン群を露出させる。
【0038】
一方、図8〜図10に示すように、IC非実装外部接続端子基板(6)は、ガラスエポキシ等の絶縁基板(ガラスエポキシ基材)(10)の片面に外部接続端子(7)となる導体を形成する。尚、前記外部接続端子(7)は、ガラスエポキシ基板上に貼り合わされた銅箔をエッチングし所定のパターンを形成した後にニッケルメッキと金メッキとが施された構成となっている。
【0039】
前記IC非実装外部接続端子基板(6)の総厚は、厚くして、0.2〜0.4mmの範囲であることが好ましい。尚、一般的には、0.2mm以下の基板が使用されていることが多い。
【0040】
前記IC非実装外部接続端子基板(6)は、ガラスエポキシ基材(10)面に外部接続端子(7)とスルーホール(11)でガラスエポキシ基材(10)を貫通して電気的に接続された複数の銅箔でなる導体が形成されており、その導体にはアンテナシート(2)の第2の接続パターン群に対応する位置に接続ランド(9)を形成した後にニッケルメッキと金メッキが施されている。
【0041】
前記の接続ランド(9)は、IC非実装外部接続端子基板(6)の中央部近傍に設けられている。また、前記IC非実装外部接続端子基板(6)のガラスエポキシ基材(10)面にはアンテナシート(2)のアンテナパターン(5)の1部となるアンテナ形成回路パターン(5B)と接続ランド(9)とが銅箔上にニッケルメッキと金メッキが施されて形成されている。
【0042】
図11に示すように、IC非実装外部接続端子基板(6)のアンテナパターン(5)とアンテナシート(2)のアンテナパターン(5)とが接続されることにより、このカード(A)のアンテナパターン(5)が完成する。図12及び図13に示すように、IC非実装外部接続端子基板(6)は、該基板(6)の外周の所定の位置にはホッメルトシート等からなる接着テープ(12)を仮止めし、該カード基材(3)の所定の凹部(4)に配置し埋設固定する。
【0043】
同時に、前記IC非実装外部接続端子基板(6)の接続ランド(9)とアンテナシート(2)の第2の接続パターン群との接続要素は、クリーム半田、或いは銀系導電性樹脂等の導電体(8)を介して電気的に接続固定する。
【0044】
前記接続固定する具体的方法は、IC非実装外部接続端子基板(6)の外部接続端子面より加圧・加熱してクリーム半田を溶融し、或いは銀系導電性樹脂を硬化させ、該IC非実装外部接続端子基板(6)に設けた接続ランド(9)とアンテナシート(2)の第2の接続パターン群とを接合させる。
【0045】
上記手段で構成されるIC非実装外部接続端子基板型デュアルICカードにおいて、本発明においては、前記IC非実装外部接続端子基板(6)が両面基板からなり、前記IC非実装外部接続端子基板(6)の接続ランド(パッド)(9)と前記アンテナシート(2)に配置されたアンテナパターン(5)の接続パターン(5A)との接合部が前記基板(6)の中央部側のISO7816に定める外部接続端子領域(14)外の内側に設けられていることが発明のポイントである。
【0046】
すなわち、IC非実装外部接続端子基板(6)として両面基板を使用することにより、(1)前記外部接続端子基板(6)の中央部側にアンテナシート(2)の第2の接続パターン群との接続ランド(9)を設けることができる。その領域はISO7816に定める外部接続端子領域(14)の内側とする。その効果としては、外部接続端子基板(6)の外周部を確実にカードの凹部(4)に接着固定ができ、外部より加えられる曲げ応力等により接着剥がれが発生しにくいため、接合部の接続の信頼性を向上させることができる。加えてISO7816に定める端子領域を避けているため、外部機器との通信のためのリーダライタの接続端子(図示せず)の押し圧力等の影響を受けにくいため接合部の接続の信頼性を向上させることができる。
【0047】
(2)前記外部接続端子基板(6)の総厚を0.2〜0.4mmと厚くする。(一般的には、0.2mm以下の基板が使用されることが多い)。その効果としては、図14に示すように、基板(6)の剛性が高くなり、カードに曲げ応力が加わった場合でも、曲げ応力を外部接続端子基板(6)の周囲の剛性に劣るカード基材で吸収して外部接続端子基板(6)の変形が緩和されるため、アンテナシート(2)の接続パターン群との接続ランド(9)の接合部における接続の信頼性を向上させることができる。すなわち、曲げ時に端子部の曲率が大きく(余り曲がらない)、カード基材部の曲率が小さくて基材部で曲げ応力を吸収するため端子部の信頼性が向上する。
【0048】
(3)前記外部接続端子基板(6)の裏面側にアンテナパターン(5)の一部を配置することができる。その効果としては、図15及び図16に示すように、前記基板(6)の裏面側にアンテナパターン(5)の一部を持たせることでアンテナシート(2)におけるアンテナパターン(5)の設計の自由度が増加し、例えば、IC非実装外部接続端子基板(6)のアンテナパターン(5)をジャンパーパターンとして設けることで、アンテナシート(2)のジャンパーパターンをなくすことができ、片面のみでアンテナパターン(5)を形成することができる。したがって、アンテナシート(2)にジャンパーパターンを設けるとか、アンテナシート(2)に両面配線してスルーホール(11)接続するとかという必要がなくなり、製品を安価に生産できるというメリットをもつ。
【0049】
次に、前述した発明のポイントで掲げた内容を反映させた技術を、より具体的に説明する。
【0050】
図1及び図2に示すように、アンテナシート(2)上のIC非実装外部接続端子基板(6)が対応する位置でアンテナパターン(5)の一部が欠如しているようなアンテナパターン(5)を設ける。この状態だとアンテナパターン(5)は、2点間が欠如しているので非接触の外部通信が行えない。
【0051】
図9及び図10は、IC非実装外部接続端子基板(6)側を示しているが、この欠如部分(13)は、図10の前記基板(6)のアンテナパターン(5)として示している。前記欠如部分(13)は、後述のように、IC非実装外部接続端子基板(6)をクリーム半田により、接続配置することにより回路形成される。
【0052】
このようなアンテナパターン(5)を設けることにより、図2に示すように、ICチップ(1)をアンテナシート(2)上に実装しても、アンテナパターン(5)が部分的に欠如しているために非接触の通信を行うことができないが、ICチップ(1)実装後の機能検査では欠如部分(13)をショートさせた状態で実施することができる。
【0053】
このように部分的に欠如したアンテナパターン(5)を設けたアンテナシート(2)上にICチップ(1)を実装した後、図3に示すように、カード基材(3)に挟み込み熱成形して、図4に示すように、積層体を形成する。
【0054】
熱成形して形成された前記積層体を図6及び図7に示すように、露出された接続パターンにクリーム半田の導電体(8)を塗布し、図8に示すような、IC非実装外部接続端子基板(6)を配置する。該IC非実装外部接続端子基板(6)の外部接続端子基板面を加圧・加熱し半田を溶融させて、図12及び図13に示すように、IC非実装外部接続端子基板(6)の各接続ランド(9)とアンテナパターン(5)の各接続パターン(5A)とを接合させる。尚、前記導電体(8)を半田の代わりに、銀系の導電性樹脂を使用しても良い。
【0055】
また、図15及び図16に示すように、IC非実装外部接続端子基板(6)に設けたア
ンテナパターン(5)をジャンパーパターンとして設けることもできる。
【0056】
以上のように、本発明の1実施例のIC非実装外部接続端子基板型デュアルICカード(A)は、接触型と非接触型の機能をもったICチップ(1)を、アンテナパターン(アンテナコイル)(5)を有するアンテナシート(フィルム)(2)上に搭載し、カード基材(3)に埋設した後、該カード基材(3)に凹部(4)を形成すると同時にアンテナパターン(5)を露出させ、IC非実装外部接続端子基板(6)を、該カード基材(3)の凹部(4)に埋設固定すると同時に、前記IC非実装外部接続端子基板(6)の外部接続端子(7)と、アンテナシート(2)に配置されたアンテナパターン(5)と、を導電体(導電性樹脂、クリーム半田等)(8)を介して電気的に接続固定したIC非実装外部接続端子基板型デュアルICカードにおいて、前記IC非実装外部接続端子基板(6)が両面基板からなり、該IC非実装外部接続端子基板(6)の接続ランド(パッド)(9)と前記アンテナシート(2)に配置されたアンテナパターン(5)の接続パターン(5A)との接合部が前記基板(6)の中央部側のISO7816に定める外部接続端子領域(14)外の内側に設けられていることにより、カードに曲げ応力が加わった場合も、接合部が信頼性に優れ、外部機器との通信のためのリーダライタの押し圧力等の影響を受けにくいため接合部の接続の信頼性を向上させることができる。
【0057】
また、両面基板でなるIC非実装外部接続端子基板(6)を0.2〜0.4mmの範囲に厚くすることにより、基板の剛性が高くなり、カード(A)に曲げ応力が加わった場合でも曲げ応力を外部接続端子基板(6)の周囲の剛性に劣るカード基材(3)で吸収して外部接続端子基板(6)の変形が緩和されるため、アンテナシート(2)の接続パターン群との接続ランド(9)の接合部における接続の信頼性を向上させることができる。
【0058】
さらに、前記IC非実装外部接続端子基板(6)の裏面側にアンテナパターン(5)の一部を配置することにより、アンテナシート(2)におけるアンテナパターン(5)の設計の自由度が増加し、例えば、アンテナシート(2)にジャンパーパターンを設けるとか、アンテナシート(2)に両面配線してスルーホール接続するとかという必要がなくなり、製品を安価に生産できるというメリットをもつものである。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明に係るIC非実装外部接続端子基板型デュアルICカードを構成するアンテナシート上に部分的に欠如したアンテナパターンを設けた状態の1実施例を示す平面図である。
【図2】本発明に係るIC非実装外部接続端子基板型デュアルICカードを構成するアンテナシート上に設けた部分的に欠如したアンテナパターンの動作状態を説明する説明図である。
【図3】本発明に係るIC非実装外部接続端子基板型デュアルICカードを構成する部分的に欠如したアンテナパターンを有するアンテナシートにICチップを実装後、カード基材に挟み込み、積層する前の状態の1実施例を示す側断面図である。
【図4】本発明に係るIC非実装外部接続端子基板型デュアルICカードを構成する部分的に欠如したアンテナパターンを有するアンテナシートにICチップを実装後、カード基材に挟み込み、積層した積層体の1実施例を示す側断面図である。
【図5】本発明に係るIC非実装外部接続端子基板型デュアルICカードにおいて、IC非実装外部接続端子基板を配置する位置をミリング加工し、アンテナシートの各接続端子を露出させる状態を説明する平面図である。
【図6】図5のA−A線側断面図である。
【図7】図5のB−B線側断面図である。
【図8】本発明に係るIC非実装外部接続端子基板型デュアルICカードを構成するIC非実装外部接続端子基板の側断面図である。
【図9】本発明に係るIC非実装外部接続端子基板型デュアルICカードを構成するIC非実装外部接続端子基板の表面の状態を示す平面図である。
【図10】本発明に係るIC非実装外部接続端子基板型デュアルICカードを構成するIC非実装外部接続端子基板の裏面の状態を示す平面図である。
【図11】本発明に係るIC非実装外部接続端子基板型デュアルICカードにおいて、IC非実装外部接続端子基板のアンテナパターンとアンテナシートのアンテナパターンとが接続される状態を説明する平面図である。
【図12】図11のA−A線側断面図である。
【図13】図11のB−B線側断面図である。
【図14】本発明に係るIC非実装外部接続端子基板型デュアルICカードにおいて、IC非実装外部接続端子基板の曲げ応力の状態を説明する説明図である。
【図15】本発明に係るIC非実装外部接続端子基板型デュアルICカードを構成するIC非実装外部接続端子基板の裏面にアンテナパターンをジャンパーパターンとして設けた状態を示す平面図である。
【図16】本発明に係るIC非実装外部接続端子基板型デュアルICカードにおいて、IC非実装外部接続端子基板のアンテナパターンをジャンパーパターンとして設けた状態を示す平面図である。
【図17】従来のIC非実装外部接続端子基板型デュアルICカードの製造方法を説明する工程断面図である。
【図18】従来のIC非実装外部接続端子基板型デュアルICカードの1実施例を示す平面図である。
【符号の説明】
【0060】
A・・・IC非実装外部接続端子基板型デュアルICカード
1・・・ICチップ
2・・・アンテナシート(フィルム)
3・・・カード基材
4・・・凹部
5・・・アンテナパターン(アンテナコイル)
5A・・・アンテナパターンの接続パターン
5B・・・アンテナ形成回路パターン
6・・・IC非実装外部接続端子基板
7・・・外部接続端子
8・・・導電体
9・・・接続ランド(パッド)
10・・・絶縁基板(ガラスエポキシ基材)
11・・・スルーホール
12・・・接着テープ
13・・・欠如部分
14・・・ISO7816に定める外部接続端子領域
31・・・アンテナ基板
34・・・カード本体
35・・・タブ基板
36・・・バンプ
37a・・・配線パターン
41・・・ICチップ
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンテナパターンとIC非実装外部接続端子基板を搭載したデュアルICカード(接触・非接触共用型ICカード)に関するもので、さらに詳しくは、ICが実装されていない外部接続端子基板(IC非実装外部接続端子基板)とアンテナシートに配置されたアンテナパターンの接続パターンとの接合部が信頼性に優れるIC非実装外部接続端子基板型デュアルICカードに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、クレジットカード、キャッシュカードなどの分野においては、磁気カードに代わるカードとして、カード基板にマイクロプロセッサ(MPU)やデータメモリなどのICメモリを含むICモジュールを内蔵したICカードが、情報記憶容量が非常に大きいこと、また高いセキュリティ性を有することから注目されている。
【0003】
特に、近年はICカードの情報量が、磁気カードに比較して非常に大きいこと、またセキュリティ性も高いということなどの理由から急速に金融分野、流通分野、交通分野、行政分野、通信分野などいろいろな分野でICカードの利用が検討、或いは実用化されている。
【0004】
ICカードの種類も多様化されている。例えば、ICカードにCPU(中央演算処理装置)を内蔵しているか否かによる分類や、またICカードに搭載されているICチップと、外部装置とのデータの送受信方法などにより分類することもできる。
【0005】
ICカードは、磁気カードと類似の形状と材料からできているプラスチック製カードの中にICチップが埋め込まれている。該ICチップにCPUを内蔵しており、演算機能があるため、データの読み書きの際にアクセスが正しいかどうか判断することができ高いセキュリティを実現できる。
【0006】
前記、ICチップ内のデータの読取りや書込みを行うためには、外部とのインターフェースが必要である。また、ICカードには、電池が内蔵されていないので、ICチップを動作させる電力を外部から供給する必要がある。
【0007】
このようなことから、ICカードには、CPUの有無による分類のほかに、リーダライタなどの外部機器とのインターフェースによる違いから、接触型ICカードと非接触型ICカードなどがある。
【0008】
接触型ICカードは、カード表面に露出した外部接続端子を直接、リーダライタ側の端子に接触させて電力供給を受けたり、外部機器とのデータ通信を行うものでICカードの中では一番多い種類である。
【0009】
一方、非接触型ICカードは、近年急速に普及してきたICカードである。カード表面に外部機器とのデータなどをやり取りする外部接続端子がなく、カード内部にICチップとコイルアンテナを内蔵しており、電波により、リーダライタと情報のやり取りを行う仕組みになっている。
【0010】
非接触型ICカードは、ICカードにアンテナを内蔵しているだけでなく、リーダライタの方にもアンテナを内蔵し、ICカードはリーダライタからの電波を利用して電力供給を受けるとともにデータなどの情報のやり取りを行う。
【0011】
ところで、最近では、接触型ICカードと非接触型ICカードの両方の機能をもつ、ICカードとして、例えば、接触型と非接触型用の二つのICチップを搭載し、且つコイルアンテナなどを備えたハイブリッド型ICカードや、接触型と非接触型共用のICチップを搭載し、且つコイルアンテナなどを備えたICカードである、いわゆる1チップ2インターフェースを有するデュアルICカード(コンビネーション型ICカード)があるが、特に、後者のデュアルICカードの要望が高まってきており、このカード用の両機能を有するICチップも開発され商品化されつつある。
【0012】
この1枚のカードに接触型と非接触型共用のICチップを搭載した1チップ2インターフェースを有するデュアルICカードは、カード基板の任意の位置に配置された外部接続端子基板と、さらに予め、ループ状に埋め込まれた銅線からなるアンテナのアンテナ接続端子及び該アンテナ接続端子と該カード基板の任意の位置に所定の深さに切削された凹部に埋め込まれたICモジュールとを接続した構成になっている。
【0013】
すなわち、このようなデュアルICカードは、接触型と非接触型共用のICチップを内蔵したICモジュールと通信を非接触で行うアンテナと、外部接続端子基板を接続して機能を発揮するもので、この接続方法と構造が耐久性のあるデュアルICカードを製造するうえでのポイントである。
【0014】
さらに詳しく説明すると、前記ICチップを使用したICカードにおける商品化の1つの形態として、アンテナシート上にICチップを実装し、非接触型カード機能用としてアンテナシート上にはアンテナパターン(コイル)を配置し、接触型カード機能用としては、ISO7816に定める外部接続端子位置が保証できるIC非実装外部接続端子基板を設け、さらに、そのIC非実装外部接続端子基板に接続ランドを設けてアンテナシートと電気的に接続を行う方法を開発したが、ここでの最大の課題は、前記接続の信頼性を確保することであった。
【0015】
そこでこのようなデュアルICカードの接続の信頼性を確保する方法の先行事例として、デュアルインターフェースカード及びその製造方法の提案がなされている。(例えば、特許文献1参照。)。
【0016】
この提案の内容としては、タブ基板(IC非実装外部接続端子基板)を使用したデュアルICカードの技術が開示されており、図17及び図18に示すように、接続の信頼性を確保する手段としては、超音波によりタブ基板(35)に設けたバンプ(36)を溶融させてアンテナ基板(31)と電気的に接続し、タブ基板(35)は2液接着剤によりカード本体(34)に接着固定するというものである。
【0017】
従来から、電気的な接続方法としては、導電性樹脂を用いるとか、また、タブ基板の接着方法としては、ホッメルト接着剤を使用するとか、各種の方法が考えられるが、ここで課題となるのは、電気的な接続の信頼性を如何に確保するかということである。
【0018】
しかし、前述の先行事例においては、デュアルICカードの構成及び製造方法についての技術は開示されているが、接続部が外周部に配置されるとすると、曲げ応力等により一旦、接合が剥れ始めると急激に進行して完全に電気的に断線してしまうこともあり、接続の信頼性に不安が残るものである。
【0019】
以下に先行技術文献を示す。
【特許文献1】特開2004−13855号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
本発明は、このような従来技術の問題点を解決しようとするものであり、ICが実装されていない外部接続端子基板(IC非実装外部接続端子基板)の接続ランド(パッド)とアンテナシートに配置されたアンテナパターンの接続パターンとの接合部が信頼性に優れるIC非実装外部接続端子基板型デュアルICカードを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明は、上記の課題を解決するために成されたものであり、本発明の請求項1に係る発明は、接触型と非接触型の機能をもったICチップ(1)を、アンテナパターン(アンテナコイル)(5)を有するアンテナシート(フィルム)(2)上に搭載し、カード基材(3)に埋設した後、該カード基材(3)に凹部(4)を形成すると同時にアンテナパターン(5)を露出させ、IC非実装外部接続端子基板(6)を該カード基材(3)の凹部(4)に埋設固定すると同時に、前記IC非実装外部接続端子基板(6)の外部接続端子(7)と、アンテナシート(2)に配置されたアンテナパターン(5)と、を導電体(導電性樹脂、クリーム半田等)(8)を介して電気的に接続固定したIC非実装外部接続端子基板型デュアルICカードにおいて、前記IC非実装外部接続端子基板(6)が両面基板からなり、該IC非実装外部接続端子基板(6)の接続ランド(パッド)(9)と前記アンテナシート(2)に配置されたアンテナパターン(5)の接続パターン(5A)との接合部が前記基板(6)の中央部側のISO7816に定める外部接続端子領域(14)外の内側に設けられていることを特徴とするIC非実装外部接続端子基板型デュアルICカードである。
【0022】
本発明の請求項2に係る発明は、請求項1記載のIC非実装外部接続端子基板型デュアルICカードにおいて、前記IC非実装外部接続端子基板(6)の総厚が0.2〜0.4mmの範囲であることを特徴とするIC非実装外部接続端子基板型デュアルICカードである。
【0023】
本発明の請求項3に係る発明は、請求項1又は2記載のIC非実装外部接続端子基板型デュアルICカードにおいて、前記IC非実装外部接続端子基板(6)の裏面側にアンテナパターン(5)の一部を配置することを特徴とするIC非実装外部接続端子基板型デュアルICカードである。
【発明の効果】
【0024】
本発明に係るIC非実装外部接続端子基板型デュアルICカードは、接触型と非接触型の機能をもったICチップを、アンテナパターン(アンテナコイル)を有するアンテナシート(フィルム)上に搭載し、カード基材に埋設した後、該カード基材に凹部を形成すると同時にアンテナパターンを露出させ、IC非実装外部接続端子基板を該カード基材の凹部に埋設固定すると同時に、前記IC非実装外部接続端子基板の外部接続端子と、アンテナシートに配置されたアンテナパターンと、を導電体(導電性樹脂、クリーム半田等)を介して電気的に接続固定したIC非実装外部接続端子基板型デュアルICカードにおいて、前記IC非実装外部接続端子基板が両面基板からなり、該IC非実装外部接続端子基板の接続ランド(パッド)と前記アンテナシートに配置されたアンテナパターンの接続パターンとの接合部が前記基板の中央部側のISO7816に定める外部接続端子領域外の内側に設けられていることにより、カードに曲げ応力が加わった場合も、接合部が信頼性に優れ、外部機器との通信のためのリーダライタの押し圧力等の影響を受けにくいため接合部の接続の信頼性を向上させることができる。
【0025】
また、両面基板でなるIC非実装外部接続端子基板を0.2〜0.4mmの範囲に厚くすることにより、基板の剛性が高くなり、カードに曲げ応力が加わった場合でも曲げ応力
を外部接続端子基板の周囲の剛性に劣るカード基材で吸収して外部接続端子基板の変形が緩和されるため、アンテナシートの接続パターン群との接続ランドの接合部における接続の信頼性を向上させることができる。
【0026】
さらに、前記IC非実装外部接続端子基板の裏面側にアンテナパターンの一部を配置することにより、アンテナシートにおけるアンテナパターンの設計の自由度が増加し、例えば、アンテナシートにジャンパー回路を設けるとか、アンテナシートに両面配線してスルーホール接続するとかという必要がなくなり、製品を安価に生産できるというメリットをもつものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
本発明の実施の形態を図1〜図16に基づいて詳細に説明する。
【0028】
図1は本発明に係るIC非実装外部接続端子基板型デュアルICカードを構成するアンテナシート上に部分的に欠如したアンテナパターンを設けた状態の1実施例を示す平面図であり、図2は本発明に係るIC非実装外部接続端子基板型デュアルICカードを構成するアンテナシート上に設けた部分的に欠如したアンテナパターンの動作状態を説明する説明図であり、図3は本発明に係るIC非実装外部接続端子基板型デュアルICカードを構成する部分的に欠如したアンテナパターンを有するアンテナシートにICチップを実装後、カード基材に挟み込み、積層する前の状態の1実施例を示す側断面図であり、図4は本発明に係るIC非実装外部接続端子基板型デュアルICカードを構成する部分的に欠如したアンテナパターンを有するアンテナシートにICチップを実装後、カード基材に挟み込み、積層した積層体の1実施例を示す側断面図であり、図5は本発明に係るIC非実装外部接続端子基板型デュアルICカードにおいて、IC非実装外部接続端子基板を配置する位置をミリング加工し、アンテナシートの各接続端子を露出させる状態を説明する平面図であり、図6は図5のA−A線側断面図であり、図7は図5のB−B線側断面図であり、図8は本発明に係るIC非実装外部接続端子基板型デュアルICカードを構成するIC非実装外部接続端子基板の側断面図であり、図9は本発明に係るIC非実装外部接続端子基板型デュアルICカードを構成するIC非実装外部接続端子基板の表面の状態を示す平面図であり、図10は本発明に係るIC非実装外部接続端子基板型デュアルICカードを構成するIC非実装外部接続端子基板の裏面の状態を示す平面図であり、図11は本発明に係るIC非実装外部接続端子基板型デュアルICカードにおいて、IC非実装外部接続端子基板のアンテナパターンとアンテナシートのアンテナパターンとが接続される状態を説明する平面図であり、図12は図11のA−A線側断面図であり、図13は図11のB−B線側断面図であり、図14は本発明に係るIC非実装外部接続端子基板型デュアルICカードにおいて、IC非実装外部接続端子基板の曲げ応力の状態を説明する説明図であり、図15は本発明に係るIC非実装外部接続端子基板型デュアルICカードを構成するIC非実装外部接続端子基板の裏面にアンテナパターンをジャンパーパターンとして設けた状態を示す平面図であり、図16は本発明に係るIC非実装外部接続端子基板型デュアルICカードにおいて、IC非実装外部接続端子基板のアンテナパターンをジャンパーパターンとして設けた状態を示す平面図である。
【0029】
本発明の1実施例のIC非実装外部接続端子基板型デュアルICカード(A)は、接触型と非接触型の機能をもったICチップ(1)を、アンテナパターン(アンテナコイル)(5)を有するアンテナシート(フィルム)(2)上に搭載し、カード基材(3)に埋設した後、該カード基材(3)に凹部(4)を形成すると同時にアンテナパターン(5)を露出させ、IC非実装外部接続端子基板(6)を、該カード基材(3)の凹部(4)に埋設固定すると同時に、前記IC非実装外部接続端子基板(6)の外部接続端子(7)と、アンテナシート(2)に配置されたアンテナパターン(5)と、を導電体(導電性樹脂、クリーム半田等)(8)を介して電気的に接続固定したIC非実装外部接続端子基板型デ
ュアルICカードにおいて、前記IC非実装外部接続端子基板(6)が両面基板からなり、該IC非実装外部接続端子基板(6)の接続ランド(パッド)(9)と前記アンテナシート(2)に配置されたアンテナパターン(5)の接続パターン(5A)との接合部が前記基板(6)の中央部側のISO7816に定める外部接続端子領域(14)外の内側に設けられていることを特徴とするIC非実装外部接続端子基板型デュアルICカードである。
【0030】
前記IC非実装外部接続端子基板型デュアルICカードの構造や構成材料について、詳細に説明する。
【0031】
まず、前記アンテナシート(2)は、例えば、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリイミド(PI)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)、アクリル樹脂、ポリカーボネート(PC)、ポリ塩化ビニル(PVC)等の絶縁シート(フィルム)が単独で又は組み合わされた複合体として使用可能である。前記アンテナシート(フィルム)(2)の厚みは、15〜200μmの範囲が好ましい。
【0032】
このようなアンテナシート(2)上に設けられた厚み15〜50μmの範囲の銅箔、あるいはアルミ箔を貼り合わせた後に、エッチングにより形成されたアンテナパターン(5)を配置した。
【0033】
前記アンテナシート(2)は、ICチップ(1)の接続ランド(パッド)と接続するための第1の接続パターン群とIC非実装外部接続端子基板(6)の接続ランド(パッド)(9)と接続するための第2の接続パターン群とを備えている。
【0034】
前記ICチップ(1)は、アンテナシート(2)の第1の接続パターン群と該ICチップ(1)の接続ランド(パッド)に設けられたバンプ(突起電極)との間に異方性導電性接着シート(ACF)を介在させて、アンテナシート(2)にフェースダウンにて実装する。
【0035】
図3に示すように、前記構成によるアンテナシート(2)を絶縁性の上下のカード基材(3、3)に挟み込み、熱成形して、図4に示すように、厚みが、略0.8mmの積層体を形成する。
【0036】
前記カード基材(3)は、前述のアンテナシート(2)と同様の材料が使用でき、例えば、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリイミド(PI)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)、アクリル樹脂、ポリカーボネート(PC)、ポリ塩化ビニル(PVC)等の絶縁シート(フィルム)が単独で又は組み合わされた複合体として使用可能である。また、該カード基材(3)の厚みは、0.1〜0.3mmの範囲が好ましい。
【0037】
図5〜図7に示すように、前記積層体にIC非実装外部接続端子基板(6)を埋設する凹部(4)をミリング加工により形成すると同時にアンテナシート(2)の第2の接続パターン群を露出させる。
【0038】
一方、図8〜図10に示すように、IC非実装外部接続端子基板(6)は、ガラスエポキシ等の絶縁基板(ガラスエポキシ基材)(10)の片面に外部接続端子(7)となる導体を形成する。尚、前記外部接続端子(7)は、ガラスエポキシ基板上に貼り合わされた銅箔をエッチングし所定のパターンを形成した後にニッケルメッキと金メッキとが施された構成となっている。
【0039】
前記IC非実装外部接続端子基板(6)の総厚は、厚くして、0.2〜0.4mmの範囲であることが好ましい。尚、一般的には、0.2mm以下の基板が使用されていることが多い。
【0040】
前記IC非実装外部接続端子基板(6)は、ガラスエポキシ基材(10)面に外部接続端子(7)とスルーホール(11)でガラスエポキシ基材(10)を貫通して電気的に接続された複数の銅箔でなる導体が形成されており、その導体にはアンテナシート(2)の第2の接続パターン群に対応する位置に接続ランド(9)を形成した後にニッケルメッキと金メッキが施されている。
【0041】
前記の接続ランド(9)は、IC非実装外部接続端子基板(6)の中央部近傍に設けられている。また、前記IC非実装外部接続端子基板(6)のガラスエポキシ基材(10)面にはアンテナシート(2)のアンテナパターン(5)の1部となるアンテナ形成回路パターン(5B)と接続ランド(9)とが銅箔上にニッケルメッキと金メッキが施されて形成されている。
【0042】
図11に示すように、IC非実装外部接続端子基板(6)のアンテナパターン(5)とアンテナシート(2)のアンテナパターン(5)とが接続されることにより、このカード(A)のアンテナパターン(5)が完成する。図12及び図13に示すように、IC非実装外部接続端子基板(6)は、該基板(6)の外周の所定の位置にはホッメルトシート等からなる接着テープ(12)を仮止めし、該カード基材(3)の所定の凹部(4)に配置し埋設固定する。
【0043】
同時に、前記IC非実装外部接続端子基板(6)の接続ランド(9)とアンテナシート(2)の第2の接続パターン群との接続要素は、クリーム半田、或いは銀系導電性樹脂等の導電体(8)を介して電気的に接続固定する。
【0044】
前記接続固定する具体的方法は、IC非実装外部接続端子基板(6)の外部接続端子面より加圧・加熱してクリーム半田を溶融し、或いは銀系導電性樹脂を硬化させ、該IC非実装外部接続端子基板(6)に設けた接続ランド(9)とアンテナシート(2)の第2の接続パターン群とを接合させる。
【0045】
上記手段で構成されるIC非実装外部接続端子基板型デュアルICカードにおいて、本発明においては、前記IC非実装外部接続端子基板(6)が両面基板からなり、前記IC非実装外部接続端子基板(6)の接続ランド(パッド)(9)と前記アンテナシート(2)に配置されたアンテナパターン(5)の接続パターン(5A)との接合部が前記基板(6)の中央部側のISO7816に定める外部接続端子領域(14)外の内側に設けられていることが発明のポイントである。
【0046】
すなわち、IC非実装外部接続端子基板(6)として両面基板を使用することにより、(1)前記外部接続端子基板(6)の中央部側にアンテナシート(2)の第2の接続パターン群との接続ランド(9)を設けることができる。その領域はISO7816に定める外部接続端子領域(14)の内側とする。その効果としては、外部接続端子基板(6)の外周部を確実にカードの凹部(4)に接着固定ができ、外部より加えられる曲げ応力等により接着剥がれが発生しにくいため、接合部の接続の信頼性を向上させることができる。加えてISO7816に定める端子領域を避けているため、外部機器との通信のためのリーダライタの接続端子(図示せず)の押し圧力等の影響を受けにくいため接合部の接続の信頼性を向上させることができる。
【0047】
(2)前記外部接続端子基板(6)の総厚を0.2〜0.4mmと厚くする。(一般的には、0.2mm以下の基板が使用されることが多い)。その効果としては、図14に示すように、基板(6)の剛性が高くなり、カードに曲げ応力が加わった場合でも、曲げ応力を外部接続端子基板(6)の周囲の剛性に劣るカード基材で吸収して外部接続端子基板(6)の変形が緩和されるため、アンテナシート(2)の接続パターン群との接続ランド(9)の接合部における接続の信頼性を向上させることができる。すなわち、曲げ時に端子部の曲率が大きく(余り曲がらない)、カード基材部の曲率が小さくて基材部で曲げ応力を吸収するため端子部の信頼性が向上する。
【0048】
(3)前記外部接続端子基板(6)の裏面側にアンテナパターン(5)の一部を配置することができる。その効果としては、図15及び図16に示すように、前記基板(6)の裏面側にアンテナパターン(5)の一部を持たせることでアンテナシート(2)におけるアンテナパターン(5)の設計の自由度が増加し、例えば、IC非実装外部接続端子基板(6)のアンテナパターン(5)をジャンパーパターンとして設けることで、アンテナシート(2)のジャンパーパターンをなくすことができ、片面のみでアンテナパターン(5)を形成することができる。したがって、アンテナシート(2)にジャンパーパターンを設けるとか、アンテナシート(2)に両面配線してスルーホール(11)接続するとかという必要がなくなり、製品を安価に生産できるというメリットをもつ。
【0049】
次に、前述した発明のポイントで掲げた内容を反映させた技術を、より具体的に説明する。
【0050】
図1及び図2に示すように、アンテナシート(2)上のIC非実装外部接続端子基板(6)が対応する位置でアンテナパターン(5)の一部が欠如しているようなアンテナパターン(5)を設ける。この状態だとアンテナパターン(5)は、2点間が欠如しているので非接触の外部通信が行えない。
【0051】
図9及び図10は、IC非実装外部接続端子基板(6)側を示しているが、この欠如部分(13)は、図10の前記基板(6)のアンテナパターン(5)として示している。前記欠如部分(13)は、後述のように、IC非実装外部接続端子基板(6)をクリーム半田により、接続配置することにより回路形成される。
【0052】
このようなアンテナパターン(5)を設けることにより、図2に示すように、ICチップ(1)をアンテナシート(2)上に実装しても、アンテナパターン(5)が部分的に欠如しているために非接触の通信を行うことができないが、ICチップ(1)実装後の機能検査では欠如部分(13)をショートさせた状態で実施することができる。
【0053】
このように部分的に欠如したアンテナパターン(5)を設けたアンテナシート(2)上にICチップ(1)を実装した後、図3に示すように、カード基材(3)に挟み込み熱成形して、図4に示すように、積層体を形成する。
【0054】
熱成形して形成された前記積層体を図6及び図7に示すように、露出された接続パターンにクリーム半田の導電体(8)を塗布し、図8に示すような、IC非実装外部接続端子基板(6)を配置する。該IC非実装外部接続端子基板(6)の外部接続端子基板面を加圧・加熱し半田を溶融させて、図12及び図13に示すように、IC非実装外部接続端子基板(6)の各接続ランド(9)とアンテナパターン(5)の各接続パターン(5A)とを接合させる。尚、前記導電体(8)を半田の代わりに、銀系の導電性樹脂を使用しても良い。
【0055】
また、図15及び図16に示すように、IC非実装外部接続端子基板(6)に設けたア
ンテナパターン(5)をジャンパーパターンとして設けることもできる。
【0056】
以上のように、本発明の1実施例のIC非実装外部接続端子基板型デュアルICカード(A)は、接触型と非接触型の機能をもったICチップ(1)を、アンテナパターン(アンテナコイル)(5)を有するアンテナシート(フィルム)(2)上に搭載し、カード基材(3)に埋設した後、該カード基材(3)に凹部(4)を形成すると同時にアンテナパターン(5)を露出させ、IC非実装外部接続端子基板(6)を、該カード基材(3)の凹部(4)に埋設固定すると同時に、前記IC非実装外部接続端子基板(6)の外部接続端子(7)と、アンテナシート(2)に配置されたアンテナパターン(5)と、を導電体(導電性樹脂、クリーム半田等)(8)を介して電気的に接続固定したIC非実装外部接続端子基板型デュアルICカードにおいて、前記IC非実装外部接続端子基板(6)が両面基板からなり、該IC非実装外部接続端子基板(6)の接続ランド(パッド)(9)と前記アンテナシート(2)に配置されたアンテナパターン(5)の接続パターン(5A)との接合部が前記基板(6)の中央部側のISO7816に定める外部接続端子領域(14)外の内側に設けられていることにより、カードに曲げ応力が加わった場合も、接合部が信頼性に優れ、外部機器との通信のためのリーダライタの押し圧力等の影響を受けにくいため接合部の接続の信頼性を向上させることができる。
【0057】
また、両面基板でなるIC非実装外部接続端子基板(6)を0.2〜0.4mmの範囲に厚くすることにより、基板の剛性が高くなり、カード(A)に曲げ応力が加わった場合でも曲げ応力を外部接続端子基板(6)の周囲の剛性に劣るカード基材(3)で吸収して外部接続端子基板(6)の変形が緩和されるため、アンテナシート(2)の接続パターン群との接続ランド(9)の接合部における接続の信頼性を向上させることができる。
【0058】
さらに、前記IC非実装外部接続端子基板(6)の裏面側にアンテナパターン(5)の一部を配置することにより、アンテナシート(2)におけるアンテナパターン(5)の設計の自由度が増加し、例えば、アンテナシート(2)にジャンパーパターンを設けるとか、アンテナシート(2)に両面配線してスルーホール接続するとかという必要がなくなり、製品を安価に生産できるというメリットをもつものである。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明に係るIC非実装外部接続端子基板型デュアルICカードを構成するアンテナシート上に部分的に欠如したアンテナパターンを設けた状態の1実施例を示す平面図である。
【図2】本発明に係るIC非実装外部接続端子基板型デュアルICカードを構成するアンテナシート上に設けた部分的に欠如したアンテナパターンの動作状態を説明する説明図である。
【図3】本発明に係るIC非実装外部接続端子基板型デュアルICカードを構成する部分的に欠如したアンテナパターンを有するアンテナシートにICチップを実装後、カード基材に挟み込み、積層する前の状態の1実施例を示す側断面図である。
【図4】本発明に係るIC非実装外部接続端子基板型デュアルICカードを構成する部分的に欠如したアンテナパターンを有するアンテナシートにICチップを実装後、カード基材に挟み込み、積層した積層体の1実施例を示す側断面図である。
【図5】本発明に係るIC非実装外部接続端子基板型デュアルICカードにおいて、IC非実装外部接続端子基板を配置する位置をミリング加工し、アンテナシートの各接続端子を露出させる状態を説明する平面図である。
【図6】図5のA−A線側断面図である。
【図7】図5のB−B線側断面図である。
【図8】本発明に係るIC非実装外部接続端子基板型デュアルICカードを構成するIC非実装外部接続端子基板の側断面図である。
【図9】本発明に係るIC非実装外部接続端子基板型デュアルICカードを構成するIC非実装外部接続端子基板の表面の状態を示す平面図である。
【図10】本発明に係るIC非実装外部接続端子基板型デュアルICカードを構成するIC非実装外部接続端子基板の裏面の状態を示す平面図である。
【図11】本発明に係るIC非実装外部接続端子基板型デュアルICカードにおいて、IC非実装外部接続端子基板のアンテナパターンとアンテナシートのアンテナパターンとが接続される状態を説明する平面図である。
【図12】図11のA−A線側断面図である。
【図13】図11のB−B線側断面図である。
【図14】本発明に係るIC非実装外部接続端子基板型デュアルICカードにおいて、IC非実装外部接続端子基板の曲げ応力の状態を説明する説明図である。
【図15】本発明に係るIC非実装外部接続端子基板型デュアルICカードを構成するIC非実装外部接続端子基板の裏面にアンテナパターンをジャンパーパターンとして設けた状態を示す平面図である。
【図16】本発明に係るIC非実装外部接続端子基板型デュアルICカードにおいて、IC非実装外部接続端子基板のアンテナパターンをジャンパーパターンとして設けた状態を示す平面図である。
【図17】従来のIC非実装外部接続端子基板型デュアルICカードの製造方法を説明する工程断面図である。
【図18】従来のIC非実装外部接続端子基板型デュアルICカードの1実施例を示す平面図である。
【符号の説明】
【0060】
A・・・IC非実装外部接続端子基板型デュアルICカード
1・・・ICチップ
2・・・アンテナシート(フィルム)
3・・・カード基材
4・・・凹部
5・・・アンテナパターン(アンテナコイル)
5A・・・アンテナパターンの接続パターン
5B・・・アンテナ形成回路パターン
6・・・IC非実装外部接続端子基板
7・・・外部接続端子
8・・・導電体
9・・・接続ランド(パッド)
10・・・絶縁基板(ガラスエポキシ基材)
11・・・スルーホール
12・・・接着テープ
13・・・欠如部分
14・・・ISO7816に定める外部接続端子領域
31・・・アンテナ基板
34・・・カード本体
35・・・タブ基板
36・・・バンプ
37a・・・配線パターン
41・・・ICチップ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
接触型と非接触型の機能をもったICチップを、アンテナパターン(アンテナコイル)を有するアンテナシート(フィルム)上に搭載し、カード基材に埋設した後、該カード基材に凹部を形成すると同時にアンテナパターンを露出させ、IC非実装外部接続端子基板を該カード基材の凹部に埋設固定すると同時に、前記IC非実装外部接続端子基板の外部接続端子と、アンテナシートに配置されたアンテナパターンと、を導電体(導電性樹脂、クリーム半田等)を介して電気的に接続固定したIC非実装外部接続端子基板型デュアルICカードにおいて、前記IC非実装外部接続端子基板が両面基板からなり、該IC非実装外部接続端子基板の接続ランド(パッド)と前記アンテナシートに配置されたアンテナパターンの接続パターンとの接合部が前記基板の中央部側のISO7816に定める外部接続端子領域外の内側に設けられていることを特徴とするIC非実装外部接続端子基板型デュアルICカード。
【請求項2】
前記IC非実装外部接続端子基板の総厚が0.2〜0.4mmの範囲であることを特徴とする請求項1記載のIC非実装外部接続端子基板型デュアルICカード。
【請求項3】
前記IC非実装外部接続端子基板の裏面側にアンテナパターンの一部を配置することを特徴とする請求項1又は2記載のIC非実装外部接続端子基板型デュアルICカード。
【請求項1】
接触型と非接触型の機能をもったICチップを、アンテナパターン(アンテナコイル)を有するアンテナシート(フィルム)上に搭載し、カード基材に埋設した後、該カード基材に凹部を形成すると同時にアンテナパターンを露出させ、IC非実装外部接続端子基板を該カード基材の凹部に埋設固定すると同時に、前記IC非実装外部接続端子基板の外部接続端子と、アンテナシートに配置されたアンテナパターンと、を導電体(導電性樹脂、クリーム半田等)を介して電気的に接続固定したIC非実装外部接続端子基板型デュアルICカードにおいて、前記IC非実装外部接続端子基板が両面基板からなり、該IC非実装外部接続端子基板の接続ランド(パッド)と前記アンテナシートに配置されたアンテナパターンの接続パターンとの接合部が前記基板の中央部側のISO7816に定める外部接続端子領域外の内側に設けられていることを特徴とするIC非実装外部接続端子基板型デュアルICカード。
【請求項2】
前記IC非実装外部接続端子基板の総厚が0.2〜0.4mmの範囲であることを特徴とする請求項1記載のIC非実装外部接続端子基板型デュアルICカード。
【請求項3】
前記IC非実装外部接続端子基板の裏面側にアンテナパターンの一部を配置することを特徴とする請求項1又は2記載のIC非実装外部接続端子基板型デュアルICカード。
【図1】
【図2】
【図5】
【図9】
【図11】
【図16】
【図17】
【図18】
【図3】
【図4】
【図6】
【図7】
【図8】
【図10】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図5】
【図9】
【図11】
【図16】
【図17】
【図18】
【図3】
【図4】
【図6】
【図7】
【図8】
【図10】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2009−157743(P2009−157743A)
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−336656(P2007−336656)
【出願日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】
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