説明

IPアドレス割り当て方法および装置

IPアドレス割り当て方法を提供する。一実施形態では、方法は、移動局がDHCP発見メッセージを送信する前に、移動局上で動作可能なドライバモジュールが、DHCP(動的ホスト設定プロトコル)情報を受信する段階を含む。方法は、ドライバモジュールがDHCP情報を格納する段階と、DHCP発見メッセージをオペレーティングシステムのDHCPプロセスからドライバモジュールへリダイレクトする段階とを含む。方法はさらに、DHCP発見メッセージに呼応して、DHCPハンドシェークを実行する段階を含む。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本発明の実施形態は無線通信システムに係り、本発明の実施形態はより詳しくはIP(インターネットプロトコル)アドレス割り当てに係る。
【0002】
モバイルWiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)は、IEEE(アイトリプルイー)802.16規格に基づくブロードバンド無線アクセス技術である。モバイルWiMAXは、スケーラブル直交周波数分割多重接続(OFDMA)スキームを利用して、無線ブロードキャストパケットデータサービスを移動局に配信する。
【0003】
ネットワークエントリ処理をWiMAX技術と組み合わせた例には、初期レンジング、基本機能交渉、認証、MAC交渉(登録)、QoS交渉(サービスフロー初期化)、およびIPアドレスを、動的ホスト設定プロトコル(DHCP)を介して取得することなどが挙げられる。
【0004】
DHCPが、IPアドレスを取得するためにとられてきた従来の方法であり、この協定は、多くのオペレーティングシステムのネットワークサービスに欠くことのできない部分であった。DHCP段階は、ネットワークエントリ処理の最終段階の一部である。通常は、無線ネットワークでIPアドレスを取得するためには数秒が必要となる。DHCPにおいて欠けているパケットがあると、この処理の待ち時間がさらに長くなる。
【0005】
本発明の実施形態は、以下の詳細な説明を本発明の様々な実施形態についての添付図面とともに読むことにより、よりよく理解されるであろうが、これらは本発明を特定の実施形態に限定するものとしてとらえられるべきではなく、あくまで例示および理解を促進するためのものとしてのみ捉えられるものとして記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】登録段階におけるIPアドレス取得処理の一実施形態のフロー図を示す。
【0007】
【図2】サービスフロー設定段階におけるIPアドレス取得処理の一実施形態のフロー図を示す。
【0008】
【図3】基地局が開始するIPアドレス取得処理の一実施形態のフロー図を示す。
【0009】
【図4】本発明の一実施形態における無線通信システムのダイアグラム表現である。
【0010】
【図5】本発明の一実施形態で利用されるコンピュータシステムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
IP(インターネットプロトコル)アドレス割り当て方法を提示する。一実施形態では、方法は、移動局がDHCP発見メッセージを送信する前に、移動局上で動作可能なドライバモジュールがDHCP(動的ホスト設定プロトコル)情報を受信する段階を含む。方法は、ドライバモジュールが、DHCP情報を格納して、DHCP発見メッセージをオペレーティングシステムのDHCPプロセスからドライバモジュールへリダイレクトする段階を含む。方法はさらに、DHCP発見メッセージに呼応して、DHCPハンドシェークを行う段階も含む。
【0012】
以下の詳細な記載においては、数多くの詳細を述べて、本発明の完全な理解を促す。しかし、当業者であれば理解するように、本発明は、これら特定の詳細がなくても実施することができる。また、公知の方法、手順、部材、および回路については詳述を避けることで、本発明を不当に曖昧にしないようにしている箇所もある。
【0013】
以下に述べる詳細な記載の一部は、コンピュータメモリ内のデータビットまたはバイナリデジタル信号に対する処理を表すアルゴリズムによる、象徴的な表現で示される場合がある。これらの、アルゴリズムによる記載および表現は、データ処理技術分野の当業者が他の当業者に対して自分の仕事の内容を伝える際に利用される技術である。アルゴリズムは本明細書においても通常のケースでも、所望の結果を生み出す一連の自己矛盾のないシーケンスとして捉えられる。ステップには、物理量の物理的操作が必要である。通常は、といって必ずしもではないが、これらの量は、格納、転送、統合、比較、あるいは操作可能な電気信号または磁気信号の形態をとる。ときとして、主に共用の観点から、これらの信号はビット、値、エレメント、シンボル、文字、期間、数等として表すほうが都合がよい場合もある。
【0014】
しかし、これらの、または類似した用語は全て、それに見合う物理量に関連付けられるものであり、用語自体は単にこれらの量に付された便宜上のラベルであることに留意されたい。特にそうではないと明記されていない限り、「処理(processing)」「コンピューティング(computing)」「計算(calculating)」「判断/決定(determining)」「表示」といった用語を利用する説明は明細書の随所に見られるが、これらは、特にそうではないと明記していない限りにおいて、コンピュータシステム、またはこれらに類似した電子コンピューティングデバイスの行う、コンピュータシステムのレジスタおよび/またはメモリ内の物理量(例えば電子)で表されるデータを、コンピュータシステムのレジスタ、メモリ、もしくはその他の同様の情報格納、送信、または表示デバイス内の物理量で同様に表される他のデータへと操作および/または変換する動作および/または処理に係るものであってよい。
【0015】
本発明の実施形態はさらに、ここに記載する処理を実行する装置にも係る。装置のなかには、特定の用途に特化して構築されるものもあれば、コンピュータに格納されているコンピュータプログラムにより選択的に起動または再設定される汎用コンピュータを含むものもある。これらのコンピュータプログラムは、フロッピー(登録商標)ディスク、光ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、および磁気光ディスク、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、EPROM、EEPROM、NVRAM、磁気カードまたは光カード等に任意の種類のディスク、または、コンピュータシステムバスにそれぞれ連結され、電子命令を格納する目的に適した任意の種類の媒体を含むがこれらに限定はされないコンピュータ可読格納媒体に格納されていてよい。
【0016】
ここに提示するアルゴリズムおよびディスプレイは、本質的に特定のコンピュータその他の装置に関している、というわけではない。ここに示される教示に則ったプログラムについて、様々な汎用のシステムを利用することもできるし、必要な方法ステップを実行するためには、より多くの専用装置を構築するほうが好適である場合もある。以下の記載を読めば、これらの多様なシステムが必要とする構造が分かる。加えて、本発明の実施形態の説明では、特定のプログラミング言語は利用しないここで記載する本発明の教示を実装するためには様々なプログラミング言語を利用することができる点に留意されたい
【0017】
機械可読媒体には、機械(例えばコンピュータ)が可読な形で情報を格納または送信することができる任意のメカニズムが含まれる。例えば機械可読媒体には、読み取り専用メモリ(「ROM」)、ランダムアクセスメモリ(「RAM」)、磁気ディスク格納媒体、光格納媒体、フラッシュメモリデバイス等が含まれる。
【0018】
ここに記載する方法および装置は、IPアドレス割り当てに関している。特に、IPアドレス割り当てを、マルチコアプロセッサコンピュータシステムの観点から説明する。しかし、IPアドレス割り当て方法および装置は、これに限定はされず、任意の集積回路デバイスまたはシステム(例えば携帯電話機、携帯情報端末、エンベデッドコントローラ、モバイルプラットフォーム、デスクトッププラットフォーム、およびサーバプラットフォーム)、および、他のリソース(ハードウェア/ソフトウェアスレッド等)との組み合わせを含む。
【0019】
<概略>
IP(インターネットプロトコル)アドレス割り当て方法を説明する。一実施形態では、方法は、移動局がDHCP発見メッセージを送信する前に、移動局上で動作可能なドライバモジュールがDHCP(動的ホスト設定プロトコル)情報を受信する段階を含む。方法は、ドライバモジュールが、DHCP情報を格納して、DHCP発見メッセージをオペレーティングシステムのDHCPプロセスからドライバモジュールへリダイレクトする段階を含む。方法はさらに、DHCP発見メッセージに呼応して、DHCPハンドシェークを行う段階も含む。
【0020】
図1は、登録段階におけるIPアドレス取得処理の一実施形態のフロー図を示す。多くの関連するコンポーネント周辺機器は図から省くことで本発明を曖昧にしないように気をつけた。図1のシステムは、ASN(アクセスサービスネットワーク)ゲートウェイ101、基地局102、および移動局103を含む。
【0021】
一実施形態では、ASNゲートウェイ101はさらに、DHCPプロキシサーバまたはDHCPサーバである。一実施形態では、ASN制御はASNゲートウェイ101および基地局102により行われる。ASNゲートウェイ101の制御プレーンは、無線独立制御(radio-independent control)を行い、特徴セットには、承認、認証、および会計(AAA:authorization, authorization and accounting)、コンテキスト管理、プロフィール管理、サービスフロー承認、ページング、無線リソース管理、およびハンドオーバが含まれる。ASNゲートウェイ101のデータプレーン特徴セットには、IPネットワークへのマッピング無線ベアラ、パケット検査、トンネリング、受け入れ制御、取り締まり(policing)、QoS(サービス品質)測定、およびデータ転送が含まれる。
【0022】
一実施形態では、ASNゲートウェイ101は、AAAフレームワークを実装するための認証者および鍵配信者、および、信号をAAAサーバに送信するためにAAA中継を有して、ここで、ネットワーク再エントリ中のユーザの認証情報は、EAP認証により検証される。セキュリティコンテキストは、AAAセッション中に作成され、鍵(MSKおよびPSK)が生成され、基地局102と移動局103との間で共有される。ASNゲートウェイ101内のAAAモジュールは、フロー(例えば転送または受信されるビット数、期間、よび適用ポリシー)についての詳細があり、直接データプレーンから取得されるものであるということから、会計に関するフローの情報を提供する。
【0023】
一実施形態では、ASNゲートウェイ101は、プロフィール管理を、接続ネットワークに常駐するポリシー機能とともに実行する。プロフィール管理は、ユーザおよびサブスクライブされている認証情報(例えば許可されているQoSレート、フロー数、フローの種類)を特定する。
【0024】
一実施形態では、ASNゲートウェイ101は、移動局103にIPアドレスを割り当てる機能を有するゲートウェイである。一実施形態では、ASNゲートウェイ101は、基地局102を含む基地局の数を含む。移動局103は、基地局102を介してASNゲートウェイ101と通信する。
【0025】
一実施形態では、移動局103は、ASNゲートウェイ101と関連付けられたネットワークへのネットワークエントリを実行する。ネットワークエントリに呼応して、ASNゲートウェイ101は、移動局103が送信したDHCP発見メッセージを受信する前に、DHCP情報を生成する。DHCP情報は、移動局103に割り当てるIPアドレス、および、その他の設定データを、ネットワークプロトコルとの組み合わせで含む。一実施形態では、基地局102は、DHCP情報を移動局103へと伝播する。
【0026】
一実施形態では、最初のネットワークエントリプロセス中に、ASNゲートウェイ101は、DHCP情報を、MAC交渉メッセージ(例えばMAC接続応答110)とともに、基地局102へ送る。一実施形態では、基地局102は、DHCP情報を、登録メッセージ(例えば登録応答(REG−RSP111))とともに、移動局103へ伝播する。一実施形態では、MAC交渉メッセージがMS接続応答であり、登録メッセージがREG−RSPメッセージである。
【0027】
一実施形態では、移動局103は、ネットワークエントリの登録段階で、IPアドレスと補足のIP設定情報(例えばDHCPオプション)とを受信する。移動局103は、要求を出さぬ間に(あるいは、移動局103がDHCP発見メッセージを送信する前に)、REG−RSP(MAC管理メッセージ)を介してDHCP情報を受信する。DHCP情報には、移動局103に割り当てるIPアドレス、並びに、デフォルトゲートウェイ、サブネットマスク、およびリース時間についての設定データが含まれる。
【0028】
一実施形態では、移動局103は、DHCPドライバモジュール(不図示)を含む。DHCPドライバモジュール(スプーフ、隠れたプロキシ、またはエージェントとして機能する)は、移動局103に、無線(例えば802.16m)インタフェースドライバとともにインストールされる。一実施形態では、オペレーティングシステム(OS)が提供するDHCPサービスを不変として想定する。OSはDHCPを通常通り実行する。DHCPドライバモジュールは、OSスタックからくる、またはOSスタックを宛先とするDHCPメッセージを傍受する。ドライバモジュールは、無線ネットワークから、上述したプロセスに関連してIPアドレスを取得する。ドライバモジュールは、DHCP情報でOSスタックに応答する。
【0029】
一実施形態では、ドライバモジュールは、移動局103がDHCP情報をREG−RSPメッセージとともに受信することができることを示すREG−REQメッセージを生成することができる。ドライバモジュールは、DHCP OSサービス(OSプロセス)によるDHCP発見メッセージを、自身にリダイレクトして、DHCPハンドシェークを実行する。DHCPハンドシェークには、DHCP発見メッセージに対する応答を、遠隔DHCPゲートウェイに要求を送ることなく生成すること、DHCP情報をDHCP OSサービスに通信すること、および、OS DHCPサービスにDHCP受領確認を通信することが含まれる。
【0030】
一実施形態では、IP割り当てプロセスは、高度エアインタフェース(AAI)を併用して、実行される。一実施形態では、AAI_REG−REQに関して、ホスト設定機能およびパラメータは、1)ホスト設定機能インジケータIE(情報エレメント):AMS(高度移動局)が、AAI_REG−RSPメッセージを通じて受信したパラメータを利用してホストを設定する機能をサポートしているか否かを示し、1ビットのインジケータは、要求されているホスト設定IEがメッセージに含まれている場合には含まれない、および、2)要求されているホストの設定IE:これは、要求されているホスト設定オプションをDHCPオプションフォーマットで含み、含まれている場合、このIEは、AMSが、AAI_REG−RSPメッセージを利用してホスト設定をサポートしていることを示し、ホスト設定機能インジケータIEを省くことができる旨を示す、を含む。
【0031】
一実施形態では、AAI_REG−RSPに関して、ホスト設定機能およびパラメータは、1)IPv6ホームネットワークプレフィックスIE:つまり、AMSに割り当てられているIPv6ホームネットワークプレフィックスのこと、および、2)補足ホスト設定IE:これには、DHCPオプションフォーマットの補足ホスト設定オプションが含まれる、を含む。
【0032】
一実施形態では、IP割り当て方法は、様々な無線モバイルネットワーク規格(例えばIEEE802.16m、ロングタームエボリューション(LTE)、およびこれらの拡張規格)に適用可能である。
【0033】
図2は、サービスフロー設定段階におけるIPアドレス取得処理の一実施形態のフロー図を示す。
【0034】
一実施形態では、最初のサービスフロー設定中に、ASNゲートウェイ201は、DHCP情報を経路登録メッセージと組み合わせて、基地局202に送信する。基地局202は、DHCP情報をサービスフロー設定メッセージと組み合わせて、移動局203に伝播する。一実施形態では、経路登録メッセージが経路REG応答(PATH-REG response)であり、サービスフロー設定メッセージがDSA−RSPメッセージである。
【0035】
一実施形態では、移動局203は、IPアドレスおよび補足IP設定情報(例えばDHCPオプション)を最初のサービスフロー設定中に受信する。ASNゲートウェイ201内のDHCPプロキシは、移動局203の最初のネットワークエントリプロセス中に、DHCP情報を、経路REG−RSP210を介して基地局202に送信する。移動局203は、DHCP情報を、最初のサービスフロー設定中に、要求を出さぬ間に(つまり、移動局203が要求しないのに)、基地局202からDSA−RSP211(MAC管理メッセージ)を介して受信する。
【0036】
図3は、基地局が開始するIPアドレス取得処理の一実施形態のフロー図を示す。
【0037】
一実施形態では、基地局302は、ASNゲートウェイ301に対して、DHCP情報を送信せよとの要求をDHCPメッセージと組み合わせて送信する。一実施形態では、DHCPメッセージは、DHCP発見310、DHCPオファー311、DHCP要求312、およびDHCP ACK313を含む。基地局302は、DHCP情報を、「サービスフロー変更」メッセージを介して移動局303に伝播する。一実施形態では、サービスフロー変更メッセージはDSC−RSPメッセージである。
【0038】
一実施形態では、移動局303による最初のネットワークエントリが完了して、最初のサービスフローが構築されると、基地局302は、移動局303の代わりに、ASNゲートウェイ301内のDHCPプロキシとの間でDHCPメッセージング処理を実行する。基地局302は、移動局303用のIPアドレスとIP設定情報とを取得する。基地局は、IPアドレスとIP設定情報とを、DSC−RSP(MAC管理メッセージ)を介して移動局に提供する。
【0039】
図4は、本発明の一実施形態における無線通信システムのダイアグラム表現である。図4の一実施形態では、無線通信システム900は、1以上の無線通信ネットワーク(910、920、および930として概略されている)を含む。
【0040】
一実施形態では、無線通信システム900は、無線パーソナルエリアネットワーク(WPAN)910、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)920、および、無線メトロポリタンエリアネットワーク(WMAN)930を含む。他の実施形態では、無線通信システム900が、これ以上または以下の無線通信ネットワークを含んでもよい。例えば無線通信システム900に、これ以外のWPAN、WLAN、および/または、WMANが追加されていてもよい。ここに記載される方法および装置は、この点に限定はされない。
【0041】
一実施形態では、無線通信システム900は、1以上のサブスクライバステーション(例えば940、942、944、946、および、948として示されている)を含む。例えば、サブスクライバステーション940、942、944、946、および、948は、無線電子デバイス(例えばデスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ハンドヘルドコンピュータ、タブレットコンピュータ、携帯電話、ページャ、オーディオ/ビデオプレーヤ(例えばMP3プレーヤまたはDVDプレーヤ))、ゲームデバイス、ビデオカメラ、デジタルカメラ、ナビゲーションデバイス(GPSデバイス)、無線周辺機器(例えばプリンタ、スキャナ、ヘッドセット、キーボード、マウス等)、医療機器(たとえば心拍数モニター、血圧モニター等)、その他の適切な固定型、可搬型、または移動型電子デバイスを含んでよい。一実施形態では、無線通信システム900が含むサブスクライバステーションはこれより多くても少なくてもよい。
【0042】
一実施形態では、サブスクライバステーション940、942、944、946、および948は、拡散スペクトル変調(例えばDS−CDMA(直接シーケンス符号分割多重接続)、FH−CDMA(周波数ホッピング符号分割多重接続)またはこれら両方)、時分割多重化(TDM)変調、周波数分割多重化(FDM)変調、直交周波数分割多重化(OFDM)変調、マルチキャリア変調(MCM)、その他の適切な変調技術、またはこれらの組み合わせ等の様々な変調技術を利用して、無線リンクを介した通信を行う。
【0043】
一実施形態では、ラップトップコンピュータ940は、必要とする電力が非常に低い適切な無線通信プロトコル(例えばBluetooth(登録商標).RTM、ウルトラワイドバンド(UWB)、無線周波数識別(RFID)、またはこれらの組み合わせ)に従って動作することで、WPAN910を実現する。一実施形態では、ラップトップコンピュータ940は、ビデオカメラ942、プリンタ944、またはこれら両方等の、WPAN910に関連付けられたデバイスと、無線リンクを介して通信する。
【0044】
一実施形態では、ラップトップコンピュータ940は、直接拡散方式(DSSS)、周波数ホッピング方式信号(FHSS)、またはこれらの両方を利用して、WLAN920(例えばIEEE(アイトリプルイー)が開発した802.11規格ファミリーまたはこれらの規格の修正版または進化版に準拠する基本サービスセット(BSS)ネットワーク)を実現する。例えばラップトップコンピュータ940は、プリンタ944、ハンドヘルドコンピュータ946、スマートフォン948、またはこれらの組み合わせ等の、WLAN920と関連付けられたデバイスと、無線リンクを介して通信する。
【0045】
一実施形態では、ラップトップコンピュータ940はさらに、無線リンクを介してアクセスポイント(AP)950とも通信する。AP950は、以下で詳述するようにルータ952に動作可能に連結されている。または、AP950およびルータ952が単一のデバイス(例えば無線ルータ)に統合されていてもよい。
【0046】
一実施形態では、ラップトップコンピュータ940は、OFDM変調を用いて、無線周波数信号を複数の小さなサブ信号に分割することで、大量のデジタルデータを送信して、これらデータを同時に異なる周波数で送信することができる。一実施形態では、ラップトップコンピュータ940は、OFDM変調を用いてWMAN930を実現する。例えば、ラップトップコンピュータ940は、IEEEが開発した802.16規格ファミリーに従って動作して、固定型、可搬型、移動型のブロードバンド無線アクセス(BWA)ネットワーク(例えばIEEE規格802.16、2004年発行)またはこれらの組み合わせを提供して、無線リンクを介して960、962、および964として示される基地局と通信することができる。
【0047】
これまでの例の一部は、IEEEが開発した規格の観点から記載されているが、ここに開示する方法および装置は、他の特定の利益団体、規格開発団体(例えば、ワイヤレスフィデリティ(Wi−Fi)アライアンス、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)フォーラム、IrDA(Infrared Data Association)、第三世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)等)、またはこれらの組み合わせが開発した仕様、規格にも幅広く適用可能である。ここに記載する方法および装置は、この点に限定はされない。
【0048】
WLAN920およびWMAN930は、ネットワーク970(公的、私的いずれであってもよい)(例えばインターネット、電話回線(例えば公衆交換電話網(PSTN))、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ケーブルネットワーク、および、別の無線ネットワークに、Ethernet(登録商標)、デジタル加入者線(DSL)、電話回線、同軸ケーブル、任意の無線接続等、またはこれらの組み合わせ等への接続を介して、動作可能に連結される。
【0049】
一実施形態では、WLAN920は、AP950およびルータ952を介してネットワーク970に動作可能に連結される。別の実施形態では、WMAN930は、基地局960、962、964またはこれらの組み合わせを介して、ネットワーク970に動作可能に連結される。ネットワーク970は、1以上のネットワークサーバ(不図示)を含む。
【0050】
一実施形態では、無線通信システム900は、他の適切な無線通信ネットワーク(例えば980で示される無線メッシュネットワーク)を含む。一実施形態では、AP950、基地局960、962、および964は、1以上の無線メッシュネットワークと関連付けられる。一実施形態では、AP950は、無線メッシュネットワーク980のメッシュポイント(MP)990の1つと通信したり、メッシュポイント(MP)990の1つとして動作したりすることができる。一実施形態では、AP950は、MP990の1以上に対してデータを送受信する。一実施形態では、MP990は、アクセスポイント、再配信ポイント、エンドポイント、その他の適切な接続ポイント、またはこれらの組み合わせを、メッシュ経路を介したトラフィックフローのために含む。MP990は、任意の変調技術、無線通信プロトコル、有線インタフェース、または上述したものの組み合わせを、通信のために利用する。
【0051】
一実施形態では、無線通信システム900は、無線ワイドエリアネットワーク(WWAN)(例えばセルラー式無線ネットワーク(不図示))を含む。ラップトップコンピュータ940は、WWANをサポートするために、他の無線通信プロトコルに従って動作する。一実施形態では、これらの無線通信プロトコルは、アナログ、デジタル、またはデュアルモード通信システム技術(例えばGSM(登録商標)(Global System for Mobile Communications)技術、WCDMA(Wideband Code Division Multiple Access)技術、GPRS(General Packet Radio Services)技術、EDGE(Enhanced Data GSM(登録商標) Environment)技術、UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)技術、HSDPA(High-Speed Download Packet Access)技術、HSUPA(High-Speed Uplink Packet Access)技術)、これらの技術に基づくその他の適切な世代の無線アクセス技術(例えば3G、4G等)規格、これら規格の修正版および進化版、およびその他の適切な無線通信規格に基づく。図4ではWPAN、WLAN、およびWMANを含んでいるが、一実施形態の無線通信システム900は、WPAN、WLAN、WMAN、およびWWANという他の組み合わせを含む。ここで記載する方法および装置はこの点に限定はされない。
【0052】
一実施形態では、無線通信システム900は、他のWPAN、WLAN、WMAN、およびWWAN(不図示)(例えばネットワークインタフェースデバイスおよび周辺機器(例えばネットワークインタフェースカード(NIC)、アクセスポイント(AP)、再配信ポイント、エンドポイント、ゲートウェイ、ブリッジ、ハブ等)を含み、セルラー式電話システム、サテライトシステム、パーソナル移動通信システム(PCS)、双方向無線システム、一方向ページャシステム、双方向ページャシステム、パーソナルコンピュータ(PC)システム、携帯情報端末(PDA)システム、パーソナルコンピューティングアクセサリ(PCA)システム、その他の適切な通信システム、またはこれらの組み合わせを含む。
【0053】
一実施形態では、サブスクライバステーション(940、942、944、946、および948)、AP950、または、基地局(960、962、および964)が、シリアルインタフェース、パラレルインタフェース、SCSI(小型計算機システムインタフェース)、Ethernet(登録商標)インタフェース、ユニバーサルシリアルバス(USB)インタフェース、高性能シリアルバスインタフェース(例えばIEEE1394インタフェース)、任意の他の適切な種類の有線インタフェース、またはこれらの組み合わせを含み、有線リンクを介して通信を行う。一部の例を上述したが、本開示の範囲はこれに限定はされない。
【0054】
本発明の実施形態は、様々な電子デバイスおよび論理回路に実装することができる。さらに、本発明の実施形態を含むデバイスまたは回路は、様々なコンピュータシステム内に含められてよい。本発明の実施形態は、他のコンピュータシステムトポロジーおよびアーキテクチャに含めることもできる。
【0055】
図5は、本発明の一実施形態に関するコンピュータシステムの一例を示す。プロセッサ705は、レベル1(L1)キャッシュメモリ706、レベル2(L2)キャッシュメモリ710、および、メインメモリ715のデータにアクセスする。一実施形態では、キャッシュメモリ710は、1を超える数のプロセッサコア用の共有キャッシュである。
【0056】
一実施形態では、メモリ/グラフィックコントローラ716、IOコントローラ717、またはこれらの組み合わせが、プロセッサ705に統合されている。一実施形態では、メモリ/グラフィックコントローラ716の一部、IOコントローラ717の一部、またはこれらの組み合わせが、プロセッサ705に統合されている。
【0057】
プロセッサ705は、任意の数の処理コアを有してよい。本発明の他の実施形態は、システム内の他のデバイス内に実装されていてもよいし、ハードウェア、ソフトウェア、またはこれらの組み合わせでシステム全体に分散されていてもよい。
【0058】
メインメモリ715は、様々なメモリソース(例えばダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、ハードディスクドライブ(HDD)720、NVRAM技術に基づく固体ディスク725、または、様々な格納デバイスおよび技術を含むネットワークインタフェース730または無線インタフェース740を介してコンピュータシステムから遠隔に位置するメモリソース)に実装可能である。キャッシュメモリは、プロセッサ内に、または、プロセッサの近隣に(例えばプロセッサのローカルバス707上に)配置されてよい。さらにキャッシュメモリは、比較的高速なメモリセル(例えば6トランジスタ(6T)セル)、または、アクセススピードが実質的にこれ以上であるその他のメモリセルを含んでよい。
【0059】
しかし本発明の他の実施形態も、図5のシステム内の他の回路、論理ユニット、またはデバイスに存在してよい。さらに本発明の他の実施形態では、図5に示す幾つかの回路、論理ユニット、またはデバイスに分散させることもできる。
【0060】
本発明は記載した実施形態に限定はされず、添付請求項の精神および範囲内における変更および修正を行って実装することができる。例えば、本発明は、全ての種類の半導体集積回路(「IC」)チップに利用することができる。これらICチップの例には、これらに限定はされないが、プロセッサ、コントローラ、チップセットコンポーネント、プログラマブルロジックアレイ(PLA)、メモリチップ、ネットワークチップ等を含む。さらに、サイズ/モデル/値/範囲が例示されている場合であっても、本発明の実施形態はこれに限定はされない。今後の製造技術(たとえばリソグラフィー)の成熟に連れて、より小型のデバイスの製造が可能になることが予想される。
【0061】
前述の記載を読んだ当業者には本発明の実施形態の変更例および変形例が明らかとなるであろう。例示してきた特定の実施形態は、限定として捉えられるべきではないことを理解されたい。従って、様々な実施形態の詳細に関する言及は、その性質上、本発明の本質的な特徴と捉えられるもののみを記載する請求項の範囲を限定する意図は持たない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動局がDHCP発見メッセージを送信する前に、前記移動局上で動作可能なドライバモジュールが、DHCP(動的ホスト設定プロトコル)情報を受信する段階と、
ドライバモジュールが前記DHCP情報を格納する段階と、
前記DHCP発見メッセージをオペレーティングシステムのDHCPプロセスから前記ドライバモジュールへリダイレクトする段階と、
前記DHCP発見メッセージに呼応して、DHCPハンドシェークを実行する段階と
を備える
無線通信ネットワークのための方法。
【請求項2】
前記DHCP情報は、前記移動局に割り当てるIPアドレスと、デフォルトゲートウェイ、サブネットマスク、およびリース時間に関する設定データとを含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記DHCPハンドシェークを実行する段階は、
前記ドライバモジュールが、遠隔DHCPゲートウェイに対して要求を送信せずに、前記DHCP発見メッセージに対する応答を生成する段階と、
前記オペレーティングシステムのDHCPプロセスに対して前記DHCP情報を通信する段階と、
前記オペレーティングシステムのDHCPプロセスに対してDHCP受領確認を通信する段階と
を有する請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ドライバモジュールは、IEEE802.16mに則ってトランシーバと関連付けられており、オペレーティングシステムを修正することなくIP割り当てプロシージャの一部を実行する機能を有する請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ドライバモジュールは、前記移動局がDHCP情報をREG−RSPメッセージと組み合わせて受信することができることを示すREG−REQメッセージを生成する請求項1に記載の方法。
【請求項6】
ASN(アクセスサービスネットワーク)が、移動局に関するネットワークエントリに呼応して、前記移動局からのDHCP発見メッセージを受信せずにDHCP情報を生成する段階と、
前記移動局に前記DHCP情報を伝播する段階と
を備える
無線通信ネットワークのための方法。
【請求項7】
前記ASNは、
前記移動局にDHCP IPを割り当てるゲートウェイと、
前記移動局および前記ゲートウェイと通信する第1の基地局を含む複数の基地局と
を有する請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記DHCP情報は、前記移動局に割り当てるIPアドレスと設定データとを含む請求項6に記載の方法。
【請求項9】
基地局が、認証プロセス後の登録プロセス中に、前記DHCP情報をメッセージと組み合わせて前記移動局に伝播する段階をさらに備える請求項6に記載の方法。
【請求項10】
ゲートウェイが、前記DHCP情報をMAC交渉メッセージと組み合わせて基地局に送信する段階と、
前記基地局が、前記DHCP情報を登録メッセージと組み合わせて前記移動局に伝播する段階と
をさらに備える請求項6に記載の方法。
【請求項11】
前記MAC交渉メッセージはMS接続応答であり、前記登録メッセージはREG−RSPメッセージである請求項10に記載の方法。
【請求項12】
ゲートウェイが、前記DHCP情報を経路登録メッセージと組み合わせて基地局に送信する段階と、
前記基地局が、前記DHCP情報をサービスフロー設定メッセージと組み合わせて前記移動局に伝播する段階と
をさらに備える請求項6に記載の方法。
【請求項13】
前記経路登録メッセージはPATH−REG応答であり、前記サービスフロー設定メッセージはDSA−RSPメッセージである請求項12に記載の方法。
【請求項14】
基地局が、ゲートウェイに対して、前記DHCP情報を送信せよとの要求をDHCPメッセージと組み合わせて送信する段階と、
前記基地局が、前記DHCP情報をサービスフロー変更メッセージと組み合わせて前記移動局に伝播する請求項6に記載の方法。
【請求項15】
前記DHCPメッセージには、DHCP発見メッセージと、DHCPオファー・メッセージと、DHCP要求メッセージと、DHCP ACKメッセージとが含まれ、
前記サービスフロー変更メッセージはDSC−RSPメッセージである請求項14に記載の方法。
【請求項16】
ネットワークシステムであって、
IPアドレスを管理し、割り当てるゲートウェイと、
前記ゲートウェイと通信し、移動局と無線通信する基地局と
を備え、
前記ゲートウェイは、前記移動局がネットワークに入ると、前記移動局からDHCPメッセージを受信する前に、DHCP情報を生成する
ネットワークシステム。
【請求項17】
前記基地局は、認証プロセスが完了した後であって前記移動局によるDHCPプロセスの前である登録プロセス中に、前記DHCP情報を1以上のメッセージと組み合わせて前記移動局に通信する請求項16に記載のネットワークシステム。
【請求項18】
前記基地局は、前記移動局によるDHCPプロセスの前のサービスフロー設定プロセス中に、前記DHCP情報を1以上のメッセージと組み合わせて前記移動局に通信する請求項16に記載のネットワークシステム。
【請求項19】
前記DHCP情報は、オペレーティングシステムのDHCPプロセスではなくてドライバモジュールによりリダイレクトされ、処理される請求項16に記載のネットワークシステム。
【請求項20】
前記基地局は、前記移動局が前記DHCP情報を登録応答メッセージと組み合わせて受信することができることを示す情報を前記移動局から受信する請求項16に記載のネットワークシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2013−502883(P2013−502883A)
【公表日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−526887(P2012−526887)
【出願日】平成22年8月23日(2010.8.23)
【国際出願番号】PCT/US2010/046368
【国際公開番号】WO2011/028487
【国際公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WCDMA
【出願人】(591003943)インテル・コーポレーション (1,101)
【Fターム(参考)】