L型金具及びこれを用いた高さ位置調整装置
【課題】建材に作用する応力に弱いビスを用いて固定しても当該ビスが破断しない耐荷重性を向上させたL型金具及びこれを用いて建材の高さ調整が行なえる高さ調整装置を提供する。
【解決手段】L型金具1の起立壁2若しくは底壁3の少なくともいずれか一方に板厚を厚肉に形成された厚肉部2bにビス先端が底壁3から離れる向きに傾斜した傾斜ビス孔2cが貫通して設けられている。
【解決手段】L型金具1の起立壁2若しくは底壁3の少なくともいずれか一方に板厚を厚肉に形成された厚肉部2bにビス先端が底壁3から離れる向きに傾斜した傾斜ビス孔2cが貫通して設けられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば建材に密着して取り付けられるL型金具及びその設置面からの高さ位置を調整可能な高さ位置調整装置に関する。
【背景技術】
【0002】
住宅回りにはデッキ・濡れ縁・玄関踏み台・作業テーブル・収納棚など様々な木製の建造物があり、それらは仮設的なものであり建物躯体と異なり地盤に強固に固定する必要の無いものであるがそれでも水平レベルを出して設置しなければならないことは言うまでもない。たとえば、デッキ、濡れ縁、玄関踏み台などが傾斜していては使い勝手が悪い。
【0003】
これらの簡易な建造物は地面に接地されることがおおく、図8に示すように設置の際は束石53が使われる。束石53とは地中に埋設される砕石層51その上に敷き詰められるモルタル層52の上に高さ30cm程度で地中より突設されるコンクリートブロックである。この束石53の上面には羽子板54と呼ばれる鉄板が飛び出ていて、構造材55をのせてボルト締めする。
【0004】
束石53の据え付けには、まず地面を掘り下げて砕石51を敷き、突き固めたうえに束石53を仮置きし、建造物に応じた柱の高さと位置を割出し水糸を張り、各束石53の上面が所望の位置にありなおかつ水平になるように砕石51を詰めながら調整する。そしてX座標,Y座標、及び水平レベルがでたところで、束石53の下および周囲にモルタル52を流し込み、固化するまえに再び位置および水平レベルを確認して微調整したのち乾燥するのを待つのである。この工事にはミリ単位の精度が要求されかなりの熟練を要する。
また、束石53XYZ方向の位置調整にはかなりの時間がかかる。さらに作業が終わってもモルタル52が乾くのには1昼夜程度かかるため基礎工事には2〜3日を要する。簡易な建造物であればなおさら基礎工事の工数は大きな比重を占め、大半が据え付け作業という場合もある。また作業には重量のある砕石51や束石53を扱わなくてはならず重労働である。
【0005】
これを改善するためにアジャスタボルトを根太や柱に取り付けボルトを回転させることで水平レベルを調整する方法がある。例えば、図9に示すように建築用構造材55にボルトが抜ける貫通孔55aを設けその底部に平板ナット56をねじ止めし、下方から太くて長い調整ボルト57をねじ嵌合させる。調整ボルト57の中途部には締付けナット57aがねじ嵌合しており下端部に固定ナット57b及び脚部57cが固定されている。脚部57cは地面に接地しており、固定ナット57bをスパナ等で回すと調整ボルト57が回転し平板ナット56により構造材55が上下に移動する。この方法は束石53を使った基礎工事よりも工数的に優れているが、しかしながら構造材55に深い貫通孔55aを開けなければならないことから加工が厄介で熟練を要し、またコーナーなどの継手の部分では設けることができない。また、比較的大きな貫通孔55aを開けることから太い構造材55を使わなくてはならず、強度的にも不安が残るうえに外観上も好ましくない。
【0006】
そこで、特公平7−68733号公報や特許公開2005−23645号公報などに示す金具や高さ調整装置が種々提案されているが、前者はALC外壁板を構造材に支持するためのパネル受け金具であり、後者は押出し成形された合成木板で形成された枠フレームのコーナー部の幕板にコーナー金具を固定して脚部の高さ調整が可能な脚柱を取り付けたウッドデッキでありいずれも特殊な建材を用いており、部品点数も多く構造材などの構造材を用いた建築物にそのまま適用することは難しく汎用性に欠けている。
一方、コンクリート床に木造構築物を接地する場合も、ほとんどの場合、平らな水平面は出ておらず、ガタツキも発生しやすくやはりレベル出しの必要がある。したがってアジャスタボルトを使って高さ調整せざるを得ないが、上述と同様にボルトの取り付け加工の煩わしさが残る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特公平7−68733号公報
【特許文献2】特開2005−23645号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述した仮設的な建築物を含む建築物の設置には、現状では時間と熟練を要する束石による基礎敷設か或いは制約の多い調整ボルトを設ける脚部支持構造によるしかない。木造の建造物に特殊な加工なしで調整ボルト57を取り付けるためには、金具を用いて構造材に一体化する方法が考えられる。例えば、図10に示すように構造材(構造材等)55に調整ボルト57付きのL型金具58を固定すればよい。即ち調整ボルト57がねじ嵌合するねじ孔(雌ねじ部)58を備えたL型金具58を構造材55の底面と側面にビス59によりビス止めすればよい。そして、L型金具58の下方から調整ボルト57をねじ孔58aにねじ嵌合させれば構造材55が上下動して高さ調整することができる。
【0009】
L型金具58を構造材等の構造材55に取り付けるためにはビス(木ネジ)59を使用することが一般的である。L型金具58の取り付けに際して太いボルトを使っていては穴あけ加工が必要になるうえに構造材55の強度が低下してしまうので好ましくない。そこで、現実的にもビス59を使用することになる。しかしながら、図11に矢印で示すようにビス59は締め付けが簡便で作業性も良いが軸径が細くビス59自体が剪断力に弱い欠点がある。
【0010】
また、L型金具58のL型面双方への密着は難しく、構造材55が浮いているとビス59が破断しやすい。即ち、L型金具58が構造材55に密着していればビス59には剪断力がかからないが浮いている状態で大きな荷重がかかるとビス59は容易に破断してしまう。しかしながらL型金具58の取り付けは1面ずつ行われるため2面を均等に密着させることは至難の技であり、どちらか1面は浮いていて密着しない場合が多い。従って、ビス59に剪断応力がかかることになって垂直方向の耐荷重を大きくできない。
【0011】
また、図12の矢印に示すように、ビス59による固定では構造材55に作用する曲げモーメントに耐えられない。即ち、構造材55には垂直荷重の他、長手方向に曲げモーメントがかかる。曲げモーメントはL型金具58を止めるビス59に作用して剪断破壊の原因となる。したがってこの点からも強度をあげられないという問題が発生する。
また、図13の矢印に示すように、L型金具58およびビス59が構造材55に作用する回転モーメントに耐えられない。即ち、構造材55の短手方向へ大きな回転モーメントが作用してL型金具58が変形すると歪はビス59の頭部に集中し、大きな引張応力がかかりビス59の頭部がちぎれるか引き抜かれる状態が発生し、この点からも強度をあげられない。
以上説明したようにビス締結によるL型金具58の取り付けは作業性が良い反面、上述の3点から耐荷重性をあげられないという致命的な欠点を有する。
【0012】
本発明の目的は、建材に作用する応力に弱いビスを用いて固定しても当該ビスが破断しない耐荷重性を向上させたL型金具及びこれを用いて建材の高さ調整が行なえる高さ調整装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するため、本発明に係るL型金具は、以下の構成を備える。
建材の側面に沿って組み付けられて側面荷重を支える起立壁と、前記起立壁面に直交して前記建材の底面に沿って組み付けられて垂直荷重を支える底壁と、を備えたL型金具であって、前記起立壁若しくは前記底壁の少なくともいずれか一方に板厚を厚肉に形成された厚肉部にビス先端が底壁から離れる向きに傾斜した傾斜ビス孔が貫通して設けられていることを特徴とする。
【0014】
上記構成によれば、起立壁若しくは底壁の少なくともいずれか一方に板厚を厚肉に形成された厚肉部にビス先端が底壁から離れる向きに傾斜した傾斜ビス孔が貫通して設けられている。これにより、L型金具の傾斜ビス孔を通じてビスを建材にビス止めすると、起立壁及び底壁が斜め上方に持ち上げられて、L型金具の起立壁面及び底壁面の双方が建材に密着して結合される。また建材とL型金具との固定は厚さ方向に貫通するビス孔にビスを通じてビス止めすることにより、固定することができる。よって、難しい作業を伴わずにL型金具を建材に対して密着固定することができ、ビスに垂直荷重による剪断応力が作用するのを防いで破損することを防止できる。尚、垂直荷重はL型金具の底壁に垂直に作用するため、必ずしも底壁にビスを用いて構造材に固定する必要はない。
【0015】
前記起立壁若しくは前記底壁には当該底壁の板厚方向に貫通するねじ孔に雌ねじ部が形成されていることが望ましい。
これにより、ねじ孔にねじ軸をねじ込むことで建材に貫通孔を設けることなくL型金具に高さ調整するための調整脚を容易に取り付けることができる。
【0016】
前記L型金具の底壁は起立壁を介して反対側に延設された延設部が設けられ、該延設部に前記雌ねじ部を有するねじ孔が前記起立壁に近接して板厚方向に設けられていることが好ましい。
このように、延設部に雌ねじ部を有するねじ孔が起立壁に近接して板厚方向に設けられていると、ねじ軸が起立壁面に接する位置とすることにより、調整脚のねじ軸を建材の荷重中心に近く配置することができL型金具に作用する回転モーメントは限界まで小さくすることができる。
【0017】
前記起立壁の外面及び前記延設部に直交して連なる一対の補強リブが前記ねじ孔を囲んで突設されていてもよい。この一対の補強リブを設けたことによりL型金具が変形し難くなりビスに引張応力は働かない。また、ねじ軸が一対の補強リブと起立壁に囲まれて組み付けられるので、作業者と接触することもなく、ねじ軸を直接視認しながら建材の高さ調整を行うことができるので作業性も向上する。
例えば、ダクタイル鋳鉄製の場合、リブ幅4mm、リブ高さ10mmとすれば、L型金具1個で通常の建造物の負荷条件である400kgfの垂直荷重を支えることができる。
【0018】
前記L型金具の前記起立壁面若しくは底壁面のうち少なくとも一方には、前記被締結部材に食い込んで滑動するのを防ぐ先端が先細り状に形成された突起が複数突設されているのが好ましい。
これにより、L型金具をビスで建材に締結すると、突起が建材に食い込んで摩擦力(粘性)が発生する。よって、建材に曲げモーメントが作用しても壁面の突起部がそれを受けるようになり、ビスに剪断応力が集中して作用するのを防止できる。
尚、曲げモーメントは建材の長手方向に発生することから、起立壁面に作用して底壁面には作用しない。よってL型金具の底壁面には必ずしも突起を設けなくてもよい。また、L型金具を建材に取り付ける際にはビスを斜め打ちすることからL型金具がわずかに上方に摺動するため、突起は上下方向に延設して金具の摺動の妨げにならないような形状とする必要がある。
【0019】
前記起立壁及び底壁のうち少なくとも一方には、厚さ方向に貫通するビス孔が各々設けられていてもよい。これにより、L型金具と建材の密着固定状態をより強固にすることができる。
【0020】
また、高さ調整装置にあっては、雄ねじ部が形成されたねじ軸及び該ねじ軸の設置面側端部に脚部が設けられた調整脚が、上述したL型金具のねじ孔に前記ねじ軸を挿入して雌ねじ部に雄ねじ部がねじ嵌合して組み付けられており、前記ねじ軸を回転させて前記L型金具の設置面からの高さを調整可能であることを特徴とする。
このように、ねじ軸とねじ孔とのねじ嵌合する位置を可変にすることでL型金具の設置面からの高さを調整して建材の設置面に対する水平度を容易に調整することができる。
【0021】
前記脚部には、当該脚部を設置面に固定するアンカーボルトを挿通するアンカーボルト固定孔が貫通して設けられているのが好ましい。
これにより、脚部をアンカーボルトにより設置面に固定して調整脚の移動や転倒を防ぐことができる。
【発明の効果】
【0022】
以上説明したように、本発明によれば、剪断力に弱いビスを用いて建材に固定してもビスが破断しないL型金具及びこれを用いて建材の高さ調整が簡易に行える高さ調整装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】L型金具及び調整脚の正面図、上視図、右側面図、傾斜ビス孔を含む部分断面図である。
【図2】L型金具及び調整脚の構造材への組み付け作業を示す斜視説明図である。
【図3】高さ調整装置の構造材への組み付け後の状態を示す側面図である。
【図4】高さ調整装置の構造材への組み付け位置を変更した状態を示す正面図及び右側面図である。
【図5】高さ調整装置の他例に係る構造材への組み付け状態を示す正面図及び右側面図である。
【図6】高さ調整装置の構造材への組み付け位置のバリエーションを示す斜視図である。
【図7】L型金具を構造材に密着固定する過程を示す説明図である。
【図8】従来の建造物の基礎工事を示す説明図である。
【図9】従来の高さ調整装置の断面説明図である。
【図10】高さ調整装置の一例を示す説明図である。
【図11】図10においてL型金具に作用するせん断応力の説明図である。
【図12】図10においてL型金具に作用する曲げモーメントの説明図である。
【図13】図10においてL型金具に作用する回転モーメントの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明に係るL型金具及びこれを用いた高さ調整装置の実施形態について図1乃至図7を参照して説明する。以下では、建材の一例として構造材(例えばツーバイフォーランバー)にビス止めされるL型金具及びこれを用いた建造物の高さ調整装置を例示して説明するものとする。
【0025】
先ず、図1を参照してL型金具の構成について説明する。
図1(c)において、L型金具1は、例えば鋳鉄製の金属金具が用いられる。L型金具1は、構造材6(図2参照)の側面沿って組み付けられて側面荷重を支える起立壁2と、起立壁面に直交して構造材6の底面に沿って組み付けられて垂直荷重を支える底壁3を備えている。L型金具1の底壁3は起立壁2を介して反対側に延設された延設部4が設けられている。この延設部4に雌ねじ部5a(図1(b)参照)を有するねじ孔5が起立壁2に近接して板厚方向に設けられている。また、起立壁2及び底壁3には、構造材6に対してビス止めするためビス孔2a,3a(ばか孔)が板厚方向に貫通して形成されている。尚、延設部4に代えて起立壁2の板厚を部分的に(例えば底壁3に隣接する部分;図7(a)〜(c)破線部参照)厚くして底壁3の板厚方向にねじ孔5を設けてもよい。
【0026】
図1(d)に示すように起立壁2に板厚を厚肉に形成された厚肉部2bが形成されている。この厚肉部2bにビス先端が底壁3から離れる向きに斜め上方に傾斜した傾斜ビス孔2c(ばか孔)が貫通して設けられている。傾斜ビス孔2cの水平方向に対する傾斜角度は約30°である(図1(c)参照)。傾斜ビス孔2cは、底壁3に設けられていてもよい。この場合にも、傾斜ビス孔はビス先端が底壁3から離れる向きに斜め上方に傾斜して形成される必要がある。尚、傾斜ビス孔2cは、ビス孔2aにビス止めされるビスとの干渉を避けるため、構造材6(図2参照)の長手方向に傾いていてもよい。
【0027】
これにより、図1(d)に示すようにL型金具1の傾斜ビス孔2cを通じてビス8を構造材6にビス止めすると、起立壁2及び底壁3が斜め上方に持ち上げられて、L型金具1の起立壁面及び底壁面の双方が構造材に密着して結合される(図7参照)。また構造材6とL型金具1との固定は厚さ方向に貫通するビス孔2a,3aにビス7を通じてビス止めすることにより、固定することができる(図2参照)。ビス7,8は、例えば直径4mm、長さ38mm程度のナベ小ねじが用いられる。よって、難しい作業を伴わずにL型金具1を構造材6に対して密着固定することができ、ビス7,8に垂直荷重による剪断応力が作用するのを防いで破損することを防止できる。尚、垂直荷重はL型金具1の底壁3に垂直に作用するため、必ずしも底壁3にビス7を用いて構造材6に固定する必要はない。
【0028】
図1(b)(c)に示すようにL型金具1の構造材6と当接する起立壁面には構造材6に食い込んで滑動するのを防ぐ先端が先細り状に形成された突起部9が複数突設されている。
これにより、L型金具1をビス7,8で構造材6に締結すると、突起部9が構造材6に食い込んで摩擦力(粘性)が発生する。よって、構造材6に曲げモーメントが作用しても起立壁面の突起部9がこの応力を受けるようになり、ビス7,8に剪断応力が集中するのを防止できる。
【0029】
尚、曲げモーメントは構造材6の長手方向に発生することから、起立壁2に作用して底壁3には作用しない。よってL型金具1の底壁3には必ずしも突起部9を設けなくてもよい。また、L型金具1を構造材6に取り付ける際にはビス8を斜め打ちすることからL型金具1がわずかに上方に摺動するため、突起部9は上下方向に延設してL型金具1の摺動の妨げにならないような形状(例えば突条)とする必要がある。
【0030】
また、図1(a)(c)に示すように、起立壁2の外面及び延設部4に直交して連なる一対の補強リブ10がねじ孔を囲んで突設されている。この一対の補強リブ10を設けたことによりL型金具1が変形し難くなりビス7,8に引張応力は働かなくなる。例えば、ダクタイル鋳鉄製の場合、リブ幅4mm、リブ高さ10mmとすれば、L型金具1個で通常の建造物の負荷条件である400kgfの垂直荷重を支えることができる。
また、後述するようにねじ軸12が一対の補強リブ10と起立壁2に囲まれて組み付けられるので、作業者と接触することもなく、ねじ軸12を直接視認しながら構造材6の高さ調整を行うことができるので作業性も向上する。尚、補強リブ10は、底壁3及び延設部4の下面側に設けられていてもよい。
【0031】
次に、L型金具1に組み付けられる調整脚11の構成について図1(a)(c)を参照して説明する。調整脚11は、雄ねじ部12aが形成されたねじ軸12の中間にねじ込まれた締付けナット12bを有するとともにねじ軸12の設置面側端部にねじ軸12と一体となった固定ナット12c及びねじ軸12と回転可能に係止された脚部13が設けられている。脚部13は、設置面積を拡大するフットプレート14と一体に組み付けられている。フットプレート14には脚部13を設置面に固定するアンカーボルト15(図3参照)を挿通するアンカーボルト固定孔14aが貫通して設けられている。尚、設置面が土の場合は、インタロック等を敷設したうえに脚部13を連結する。ねじ軸12としては、例えばφ12で長さ100mm程度のアジャスタボルトが用いられる。
【0032】
図3に示すように、調整脚11は、L型金具1の延設部4に設けられたねじ孔5にねじ軸12を挿入して雌ねじ部5aと雄ねじ部12a(図1(a)(b)参照)がねじ嵌合して組み付けられる。固定ナット12cをスパナ等を用いて回転させることによりねじ軸12が回転しL型金具1の設置面からの高さを調整可能になっている。上述したL型金具1及び調整脚11を有する高さ調整装置16が構造材6に組み付けられる。このように、延設部4に雌ねじ部5aを有するねじ孔5が起立壁2に近接して板厚方向に設けられていると、ねじ軸12が起立壁面に接する位置とすることにより、調整脚11のねじ軸12を構造材6の荷重中心に近く配置することができL型金具1に作用する回転モーメントは限界まで小さくすることができる。
【0033】
次に、高さ調整装置16の組み付け作業の一例について図2、3及び図7を参照して説明する。先ず、図2に示すように、構造材6の側面下方にL型金具1の起立壁2を押し当てて傾斜ビス孔2cにビス8を斜め上方に向けてビス止めする。
【0034】
このとき、図7(a)に示すように、ビス8を回転させると、ビス先端8aが上方に滑り、底壁3を構造材6の底面に向って引き上げる力が作用する。
図7(b)に示すように、ビス8をねじ込むにしたがって、ビス8の直径進入分だけ底壁3が構造材6の底面に向って引き上げられる力が作用する。
図7(c)に示すように、ビス8が構造材6に螺合してビス頭部が厚肉部2cに締結すると、突起部9が構造材6に食い込むと同時に締付け力Fの垂直分力Fzが高さ方向に作用してL型金具1の底壁3を上方に引き上げて構造材6の底面に密着させる。
【0035】
尚、鉄骨角パイプなどの金属製建材、あるいはプラスチック系建材においてもほぼ同様の効果が得られる。テーパー状のビスを使わないときは直径進入分の引き上げ力は発生しないが、ビス8にナットを組み付けて使用時には、ビス8は傾斜ビス孔2cのクリアランス分だけ上方に滑り、ナット締結時には垂直分力Fzにより底壁3を構造材6の底面に密着させることができる。
【0036】
次いで、図2に示すように、L型金具1の起立壁2及び底壁3に設けられたビス孔2a,3aに対してビス7を壁面に垂直にビス止めする。これにより起立壁2及び底壁3が構造材6と強固に固定される。また、突起部9が構造材6に食い込み、構造材6に作用する曲げモーメントに対して強い摩擦力が発生するため、ビス7,8に剪断応力が集中して作用するのを防止できる(図7(c)参照)。
【0037】
次いで、図2においてL型金具1の延設部4のねじ孔5の雌ねじ部5aにねじ軸12の雄ねじ部12a(図1(a)(b)参照)をねじ嵌合させて調整脚11を組み付ける。ねじ孔5を挿通したねじ軸12は、一対の補強リブ10と起立壁2に囲まれた空間部に挿入される。このとき、L型金具1は一対の補強リブ10により変形することがないのでビス7,8に回転モーメントによる応力集中は発生しない。また、ねじ軸12は、一対の補強リブ10によって囲まれているため作業者と干渉するおそれはない。
【0038】
次に、ねじ軸12の下端に脚部13と共に設けられた固定ナット12cをスパナ等で所定方向に回転させてねじ軸12が同方向に回転すると、L型金具1が上動若しくは下動して設置面との高さが調整できる。高さ調整が終わると、締付けナット12bをL型金具1に当接するまで締め込んでねじ軸12の剛性を高めて固定する(図3参照)。
【0039】
最後に、図3に示すように、フットプレート14のアンカーボルト孔14aに必要に応じてアンカーボルト15を打ち込んで、締付けナット15aをプレート上に締付ければフットプレート14を固定することができ、調整脚11の移動や転倒を防止することができる。
【0040】
上述したL型金具1及びこれを用いた高さ調整装置16を用いれば、基礎工事が不要となり納期とコストを低減できる。また、ねじ軸12により構造材を支え、高さ調整や傾き修正が可能である。従って、束石敷設といった基礎工事は不要となる。何日も要していた作業は、ほんの数分のねじ締め作業に短縮される。しかも部材費も金具代だけでよくローコストですみ、大幅なコストダウンが可能である。
【0041】
また、構造材6の高さを現場で合わせられる。ねじ軸12を回すだけで高さ調整できることから、構造材6を現場に据え付けたあとで高さや水勾配を合わせられる。従来は地盤高さを決め、構築物高さをあらかじめ設計して部材を準備し、現場には丁張を設けて水糸を張るなど、据え付け前に多大な工数が発生しており、しかも据え付けが始まるともう高さ調整はできなかった。
【0042】
また、経年変化による建築物の沈下を修正することができる。ねじ軸12を回すだけで高さ調整できることから、いつでも高さ調整可能である。地盤の不等沈下や凍上による傾きといった設置後かなりたってから発生するレベル不具合にも対応できる。従来は、建造物の高さは基礎で決まってしまい基本的には高さ調整はできなかった。高さ修正には、地盤掘り起しやジャッキアップなどが必要となり大変な工数が発生する。
また、L型金具1の構造材6へ取り付けはビス留めによっており作業時間を短縮できる。ビス締め作業がだれでも確実にできるように考慮されていることから初心者でも取り付け可能で、インパクトドライバーを使って1分程度と極めて短時間で行うことができる。今まで熟練者でなければ困難であった構造材6への穴あけ作業やナット取り付け作業が不要となる。
【0043】
図4において、調整脚11のねじ軸12は構造材6を貫通しないで組み付けられることから、細長い角材、例えばツーバイフォーランバー(38mm×89mmの構造材)の長手方向の任意の位置に取り付けることができる。
【0044】
また、図6に示すように建物の基礎となる矩形状の構造材6であれば、4方向のいずれにでも取り付けられる。例えばツーバイフォー材でも外周側若しくは内周側のいずれにも取り付けることができる。従って、外観上の問題からL型金具を見えないように配置することも可能である。尚、図6では構造材6を地面に設置する場合を例示しており、フットプレート14の下部にインタロック17などのブロック材を敷設して支持するようになっている。
【0045】
また、L型金具1は耐荷重のわりに小型化できるので取り付けスペースが小さくて済む。よって、構造材6に細いビス7,8をねじこむだけでよいのでコーナー部に継手があっても或いは図5に示すように角柱底部にも制約なくL型金具1を組み付けて高さ調整装置16を取り付けることができる。
【0046】
更にねじ軸12を水平方向に取り付けて物品を固定することもできる。あるいは天井から吊り下げて物品を押し付けることもできる。あるいは床から上方にむけて取り付けて物品を浮かせることもできる。さらにL型金具1をねじ留めせずに構造材6に押し当てて小型ジャッキとして使うことも可能である。
【0047】
また、高さ調整装置16は既設の建築物にも後付けすることができる。即ち、側面作業のみでL型金具1を固定することができることから、構造材6を持ち上げて底面から加工する必要がない。したがって建築物を組立後に高さ調整装置16を取り付けることもでき、既存の建築物に追加することも容易である。
また、構造材6は高さ調整装置16により持ち上げられて設置される。一般的に建築物は脚部から腐り劣化するが、構造材6は地表から離れて支持されており通気性も確保されることから構造物を長寿命化できる。またシロアリやナメクジ、カビなども寄せ付けず破損や劣化を防ぐことができる。
更には、住環境における木造の建造物は多数あり、それらに対して制約がすくなく広く対応できて、基礎工事や追加工がまったく要らなくなるという効果は大きい。大幅なコストダウンと納期短縮が実現でき、従来にはなかった場所への適応や物品締結といった新しい用途など幅広い用途に用いられる。
【符号の説明】
【0048】
1 L型金具 2 起立壁 2a,3a ビス孔 2b 厚肉部 2c 傾斜ビス孔 3 底壁 4 延設部 5 ねじ孔 5a 雌ねじ部 6 構造材 7,8 ビス 9 突起部 10 補強リブ 11 調整脚 12 ねじ軸 12a 雄ねじ部 12b,15a 締付けナット 12c 固定ナット 13 脚部 14 フットプレート 14a アンカーボルト固定孔 15 アンカーボルト 16 高さ調整装置 17 インタロック
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば建材に密着して取り付けられるL型金具及びその設置面からの高さ位置を調整可能な高さ位置調整装置に関する。
【背景技術】
【0002】
住宅回りにはデッキ・濡れ縁・玄関踏み台・作業テーブル・収納棚など様々な木製の建造物があり、それらは仮設的なものであり建物躯体と異なり地盤に強固に固定する必要の無いものであるがそれでも水平レベルを出して設置しなければならないことは言うまでもない。たとえば、デッキ、濡れ縁、玄関踏み台などが傾斜していては使い勝手が悪い。
【0003】
これらの簡易な建造物は地面に接地されることがおおく、図8に示すように設置の際は束石53が使われる。束石53とは地中に埋設される砕石層51その上に敷き詰められるモルタル層52の上に高さ30cm程度で地中より突設されるコンクリートブロックである。この束石53の上面には羽子板54と呼ばれる鉄板が飛び出ていて、構造材55をのせてボルト締めする。
【0004】
束石53の据え付けには、まず地面を掘り下げて砕石51を敷き、突き固めたうえに束石53を仮置きし、建造物に応じた柱の高さと位置を割出し水糸を張り、各束石53の上面が所望の位置にありなおかつ水平になるように砕石51を詰めながら調整する。そしてX座標,Y座標、及び水平レベルがでたところで、束石53の下および周囲にモルタル52を流し込み、固化するまえに再び位置および水平レベルを確認して微調整したのち乾燥するのを待つのである。この工事にはミリ単位の精度が要求されかなりの熟練を要する。
また、束石53XYZ方向の位置調整にはかなりの時間がかかる。さらに作業が終わってもモルタル52が乾くのには1昼夜程度かかるため基礎工事には2〜3日を要する。簡易な建造物であればなおさら基礎工事の工数は大きな比重を占め、大半が据え付け作業という場合もある。また作業には重量のある砕石51や束石53を扱わなくてはならず重労働である。
【0005】
これを改善するためにアジャスタボルトを根太や柱に取り付けボルトを回転させることで水平レベルを調整する方法がある。例えば、図9に示すように建築用構造材55にボルトが抜ける貫通孔55aを設けその底部に平板ナット56をねじ止めし、下方から太くて長い調整ボルト57をねじ嵌合させる。調整ボルト57の中途部には締付けナット57aがねじ嵌合しており下端部に固定ナット57b及び脚部57cが固定されている。脚部57cは地面に接地しており、固定ナット57bをスパナ等で回すと調整ボルト57が回転し平板ナット56により構造材55が上下に移動する。この方法は束石53を使った基礎工事よりも工数的に優れているが、しかしながら構造材55に深い貫通孔55aを開けなければならないことから加工が厄介で熟練を要し、またコーナーなどの継手の部分では設けることができない。また、比較的大きな貫通孔55aを開けることから太い構造材55を使わなくてはならず、強度的にも不安が残るうえに外観上も好ましくない。
【0006】
そこで、特公平7−68733号公報や特許公開2005−23645号公報などに示す金具や高さ調整装置が種々提案されているが、前者はALC外壁板を構造材に支持するためのパネル受け金具であり、後者は押出し成形された合成木板で形成された枠フレームのコーナー部の幕板にコーナー金具を固定して脚部の高さ調整が可能な脚柱を取り付けたウッドデッキでありいずれも特殊な建材を用いており、部品点数も多く構造材などの構造材を用いた建築物にそのまま適用することは難しく汎用性に欠けている。
一方、コンクリート床に木造構築物を接地する場合も、ほとんどの場合、平らな水平面は出ておらず、ガタツキも発生しやすくやはりレベル出しの必要がある。したがってアジャスタボルトを使って高さ調整せざるを得ないが、上述と同様にボルトの取り付け加工の煩わしさが残る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特公平7−68733号公報
【特許文献2】特開2005−23645号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述した仮設的な建築物を含む建築物の設置には、現状では時間と熟練を要する束石による基礎敷設か或いは制約の多い調整ボルトを設ける脚部支持構造によるしかない。木造の建造物に特殊な加工なしで調整ボルト57を取り付けるためには、金具を用いて構造材に一体化する方法が考えられる。例えば、図10に示すように構造材(構造材等)55に調整ボルト57付きのL型金具58を固定すればよい。即ち調整ボルト57がねじ嵌合するねじ孔(雌ねじ部)58を備えたL型金具58を構造材55の底面と側面にビス59によりビス止めすればよい。そして、L型金具58の下方から調整ボルト57をねじ孔58aにねじ嵌合させれば構造材55が上下動して高さ調整することができる。
【0009】
L型金具58を構造材等の構造材55に取り付けるためにはビス(木ネジ)59を使用することが一般的である。L型金具58の取り付けに際して太いボルトを使っていては穴あけ加工が必要になるうえに構造材55の強度が低下してしまうので好ましくない。そこで、現実的にもビス59を使用することになる。しかしながら、図11に矢印で示すようにビス59は締め付けが簡便で作業性も良いが軸径が細くビス59自体が剪断力に弱い欠点がある。
【0010】
また、L型金具58のL型面双方への密着は難しく、構造材55が浮いているとビス59が破断しやすい。即ち、L型金具58が構造材55に密着していればビス59には剪断力がかからないが浮いている状態で大きな荷重がかかるとビス59は容易に破断してしまう。しかしながらL型金具58の取り付けは1面ずつ行われるため2面を均等に密着させることは至難の技であり、どちらか1面は浮いていて密着しない場合が多い。従って、ビス59に剪断応力がかかることになって垂直方向の耐荷重を大きくできない。
【0011】
また、図12の矢印に示すように、ビス59による固定では構造材55に作用する曲げモーメントに耐えられない。即ち、構造材55には垂直荷重の他、長手方向に曲げモーメントがかかる。曲げモーメントはL型金具58を止めるビス59に作用して剪断破壊の原因となる。したがってこの点からも強度をあげられないという問題が発生する。
また、図13の矢印に示すように、L型金具58およびビス59が構造材55に作用する回転モーメントに耐えられない。即ち、構造材55の短手方向へ大きな回転モーメントが作用してL型金具58が変形すると歪はビス59の頭部に集中し、大きな引張応力がかかりビス59の頭部がちぎれるか引き抜かれる状態が発生し、この点からも強度をあげられない。
以上説明したようにビス締結によるL型金具58の取り付けは作業性が良い反面、上述の3点から耐荷重性をあげられないという致命的な欠点を有する。
【0012】
本発明の目的は、建材に作用する応力に弱いビスを用いて固定しても当該ビスが破断しない耐荷重性を向上させたL型金具及びこれを用いて建材の高さ調整が行なえる高さ調整装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するため、本発明に係るL型金具は、以下の構成を備える。
建材の側面に沿って組み付けられて側面荷重を支える起立壁と、前記起立壁面に直交して前記建材の底面に沿って組み付けられて垂直荷重を支える底壁と、を備えたL型金具であって、前記起立壁若しくは前記底壁の少なくともいずれか一方に板厚を厚肉に形成された厚肉部にビス先端が底壁から離れる向きに傾斜した傾斜ビス孔が貫通して設けられていることを特徴とする。
【0014】
上記構成によれば、起立壁若しくは底壁の少なくともいずれか一方に板厚を厚肉に形成された厚肉部にビス先端が底壁から離れる向きに傾斜した傾斜ビス孔が貫通して設けられている。これにより、L型金具の傾斜ビス孔を通じてビスを建材にビス止めすると、起立壁及び底壁が斜め上方に持ち上げられて、L型金具の起立壁面及び底壁面の双方が建材に密着して結合される。また建材とL型金具との固定は厚さ方向に貫通するビス孔にビスを通じてビス止めすることにより、固定することができる。よって、難しい作業を伴わずにL型金具を建材に対して密着固定することができ、ビスに垂直荷重による剪断応力が作用するのを防いで破損することを防止できる。尚、垂直荷重はL型金具の底壁に垂直に作用するため、必ずしも底壁にビスを用いて構造材に固定する必要はない。
【0015】
前記起立壁若しくは前記底壁には当該底壁の板厚方向に貫通するねじ孔に雌ねじ部が形成されていることが望ましい。
これにより、ねじ孔にねじ軸をねじ込むことで建材に貫通孔を設けることなくL型金具に高さ調整するための調整脚を容易に取り付けることができる。
【0016】
前記L型金具の底壁は起立壁を介して反対側に延設された延設部が設けられ、該延設部に前記雌ねじ部を有するねじ孔が前記起立壁に近接して板厚方向に設けられていることが好ましい。
このように、延設部に雌ねじ部を有するねじ孔が起立壁に近接して板厚方向に設けられていると、ねじ軸が起立壁面に接する位置とすることにより、調整脚のねじ軸を建材の荷重中心に近く配置することができL型金具に作用する回転モーメントは限界まで小さくすることができる。
【0017】
前記起立壁の外面及び前記延設部に直交して連なる一対の補強リブが前記ねじ孔を囲んで突設されていてもよい。この一対の補強リブを設けたことによりL型金具が変形し難くなりビスに引張応力は働かない。また、ねじ軸が一対の補強リブと起立壁に囲まれて組み付けられるので、作業者と接触することもなく、ねじ軸を直接視認しながら建材の高さ調整を行うことができるので作業性も向上する。
例えば、ダクタイル鋳鉄製の場合、リブ幅4mm、リブ高さ10mmとすれば、L型金具1個で通常の建造物の負荷条件である400kgfの垂直荷重を支えることができる。
【0018】
前記L型金具の前記起立壁面若しくは底壁面のうち少なくとも一方には、前記被締結部材に食い込んで滑動するのを防ぐ先端が先細り状に形成された突起が複数突設されているのが好ましい。
これにより、L型金具をビスで建材に締結すると、突起が建材に食い込んで摩擦力(粘性)が発生する。よって、建材に曲げモーメントが作用しても壁面の突起部がそれを受けるようになり、ビスに剪断応力が集中して作用するのを防止できる。
尚、曲げモーメントは建材の長手方向に発生することから、起立壁面に作用して底壁面には作用しない。よってL型金具の底壁面には必ずしも突起を設けなくてもよい。また、L型金具を建材に取り付ける際にはビスを斜め打ちすることからL型金具がわずかに上方に摺動するため、突起は上下方向に延設して金具の摺動の妨げにならないような形状とする必要がある。
【0019】
前記起立壁及び底壁のうち少なくとも一方には、厚さ方向に貫通するビス孔が各々設けられていてもよい。これにより、L型金具と建材の密着固定状態をより強固にすることができる。
【0020】
また、高さ調整装置にあっては、雄ねじ部が形成されたねじ軸及び該ねじ軸の設置面側端部に脚部が設けられた調整脚が、上述したL型金具のねじ孔に前記ねじ軸を挿入して雌ねじ部に雄ねじ部がねじ嵌合して組み付けられており、前記ねじ軸を回転させて前記L型金具の設置面からの高さを調整可能であることを特徴とする。
このように、ねじ軸とねじ孔とのねじ嵌合する位置を可変にすることでL型金具の設置面からの高さを調整して建材の設置面に対する水平度を容易に調整することができる。
【0021】
前記脚部には、当該脚部を設置面に固定するアンカーボルトを挿通するアンカーボルト固定孔が貫通して設けられているのが好ましい。
これにより、脚部をアンカーボルトにより設置面に固定して調整脚の移動や転倒を防ぐことができる。
【発明の効果】
【0022】
以上説明したように、本発明によれば、剪断力に弱いビスを用いて建材に固定してもビスが破断しないL型金具及びこれを用いて建材の高さ調整が簡易に行える高さ調整装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】L型金具及び調整脚の正面図、上視図、右側面図、傾斜ビス孔を含む部分断面図である。
【図2】L型金具及び調整脚の構造材への組み付け作業を示す斜視説明図である。
【図3】高さ調整装置の構造材への組み付け後の状態を示す側面図である。
【図4】高さ調整装置の構造材への組み付け位置を変更した状態を示す正面図及び右側面図である。
【図5】高さ調整装置の他例に係る構造材への組み付け状態を示す正面図及び右側面図である。
【図6】高さ調整装置の構造材への組み付け位置のバリエーションを示す斜視図である。
【図7】L型金具を構造材に密着固定する過程を示す説明図である。
【図8】従来の建造物の基礎工事を示す説明図である。
【図9】従来の高さ調整装置の断面説明図である。
【図10】高さ調整装置の一例を示す説明図である。
【図11】図10においてL型金具に作用するせん断応力の説明図である。
【図12】図10においてL型金具に作用する曲げモーメントの説明図である。
【図13】図10においてL型金具に作用する回転モーメントの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明に係るL型金具及びこれを用いた高さ調整装置の実施形態について図1乃至図7を参照して説明する。以下では、建材の一例として構造材(例えばツーバイフォーランバー)にビス止めされるL型金具及びこれを用いた建造物の高さ調整装置を例示して説明するものとする。
【0025】
先ず、図1を参照してL型金具の構成について説明する。
図1(c)において、L型金具1は、例えば鋳鉄製の金属金具が用いられる。L型金具1は、構造材6(図2参照)の側面沿って組み付けられて側面荷重を支える起立壁2と、起立壁面に直交して構造材6の底面に沿って組み付けられて垂直荷重を支える底壁3を備えている。L型金具1の底壁3は起立壁2を介して反対側に延設された延設部4が設けられている。この延設部4に雌ねじ部5a(図1(b)参照)を有するねじ孔5が起立壁2に近接して板厚方向に設けられている。また、起立壁2及び底壁3には、構造材6に対してビス止めするためビス孔2a,3a(ばか孔)が板厚方向に貫通して形成されている。尚、延設部4に代えて起立壁2の板厚を部分的に(例えば底壁3に隣接する部分;図7(a)〜(c)破線部参照)厚くして底壁3の板厚方向にねじ孔5を設けてもよい。
【0026】
図1(d)に示すように起立壁2に板厚を厚肉に形成された厚肉部2bが形成されている。この厚肉部2bにビス先端が底壁3から離れる向きに斜め上方に傾斜した傾斜ビス孔2c(ばか孔)が貫通して設けられている。傾斜ビス孔2cの水平方向に対する傾斜角度は約30°である(図1(c)参照)。傾斜ビス孔2cは、底壁3に設けられていてもよい。この場合にも、傾斜ビス孔はビス先端が底壁3から離れる向きに斜め上方に傾斜して形成される必要がある。尚、傾斜ビス孔2cは、ビス孔2aにビス止めされるビスとの干渉を避けるため、構造材6(図2参照)の長手方向に傾いていてもよい。
【0027】
これにより、図1(d)に示すようにL型金具1の傾斜ビス孔2cを通じてビス8を構造材6にビス止めすると、起立壁2及び底壁3が斜め上方に持ち上げられて、L型金具1の起立壁面及び底壁面の双方が構造材に密着して結合される(図7参照)。また構造材6とL型金具1との固定は厚さ方向に貫通するビス孔2a,3aにビス7を通じてビス止めすることにより、固定することができる(図2参照)。ビス7,8は、例えば直径4mm、長さ38mm程度のナベ小ねじが用いられる。よって、難しい作業を伴わずにL型金具1を構造材6に対して密着固定することができ、ビス7,8に垂直荷重による剪断応力が作用するのを防いで破損することを防止できる。尚、垂直荷重はL型金具1の底壁3に垂直に作用するため、必ずしも底壁3にビス7を用いて構造材6に固定する必要はない。
【0028】
図1(b)(c)に示すようにL型金具1の構造材6と当接する起立壁面には構造材6に食い込んで滑動するのを防ぐ先端が先細り状に形成された突起部9が複数突設されている。
これにより、L型金具1をビス7,8で構造材6に締結すると、突起部9が構造材6に食い込んで摩擦力(粘性)が発生する。よって、構造材6に曲げモーメントが作用しても起立壁面の突起部9がこの応力を受けるようになり、ビス7,8に剪断応力が集中するのを防止できる。
【0029】
尚、曲げモーメントは構造材6の長手方向に発生することから、起立壁2に作用して底壁3には作用しない。よってL型金具1の底壁3には必ずしも突起部9を設けなくてもよい。また、L型金具1を構造材6に取り付ける際にはビス8を斜め打ちすることからL型金具1がわずかに上方に摺動するため、突起部9は上下方向に延設してL型金具1の摺動の妨げにならないような形状(例えば突条)とする必要がある。
【0030】
また、図1(a)(c)に示すように、起立壁2の外面及び延設部4に直交して連なる一対の補強リブ10がねじ孔を囲んで突設されている。この一対の補強リブ10を設けたことによりL型金具1が変形し難くなりビス7,8に引張応力は働かなくなる。例えば、ダクタイル鋳鉄製の場合、リブ幅4mm、リブ高さ10mmとすれば、L型金具1個で通常の建造物の負荷条件である400kgfの垂直荷重を支えることができる。
また、後述するようにねじ軸12が一対の補強リブ10と起立壁2に囲まれて組み付けられるので、作業者と接触することもなく、ねじ軸12を直接視認しながら構造材6の高さ調整を行うことができるので作業性も向上する。尚、補強リブ10は、底壁3及び延設部4の下面側に設けられていてもよい。
【0031】
次に、L型金具1に組み付けられる調整脚11の構成について図1(a)(c)を参照して説明する。調整脚11は、雄ねじ部12aが形成されたねじ軸12の中間にねじ込まれた締付けナット12bを有するとともにねじ軸12の設置面側端部にねじ軸12と一体となった固定ナット12c及びねじ軸12と回転可能に係止された脚部13が設けられている。脚部13は、設置面積を拡大するフットプレート14と一体に組み付けられている。フットプレート14には脚部13を設置面に固定するアンカーボルト15(図3参照)を挿通するアンカーボルト固定孔14aが貫通して設けられている。尚、設置面が土の場合は、インタロック等を敷設したうえに脚部13を連結する。ねじ軸12としては、例えばφ12で長さ100mm程度のアジャスタボルトが用いられる。
【0032】
図3に示すように、調整脚11は、L型金具1の延設部4に設けられたねじ孔5にねじ軸12を挿入して雌ねじ部5aと雄ねじ部12a(図1(a)(b)参照)がねじ嵌合して組み付けられる。固定ナット12cをスパナ等を用いて回転させることによりねじ軸12が回転しL型金具1の設置面からの高さを調整可能になっている。上述したL型金具1及び調整脚11を有する高さ調整装置16が構造材6に組み付けられる。このように、延設部4に雌ねじ部5aを有するねじ孔5が起立壁2に近接して板厚方向に設けられていると、ねじ軸12が起立壁面に接する位置とすることにより、調整脚11のねじ軸12を構造材6の荷重中心に近く配置することができL型金具1に作用する回転モーメントは限界まで小さくすることができる。
【0033】
次に、高さ調整装置16の組み付け作業の一例について図2、3及び図7を参照して説明する。先ず、図2に示すように、構造材6の側面下方にL型金具1の起立壁2を押し当てて傾斜ビス孔2cにビス8を斜め上方に向けてビス止めする。
【0034】
このとき、図7(a)に示すように、ビス8を回転させると、ビス先端8aが上方に滑り、底壁3を構造材6の底面に向って引き上げる力が作用する。
図7(b)に示すように、ビス8をねじ込むにしたがって、ビス8の直径進入分だけ底壁3が構造材6の底面に向って引き上げられる力が作用する。
図7(c)に示すように、ビス8が構造材6に螺合してビス頭部が厚肉部2cに締結すると、突起部9が構造材6に食い込むと同時に締付け力Fの垂直分力Fzが高さ方向に作用してL型金具1の底壁3を上方に引き上げて構造材6の底面に密着させる。
【0035】
尚、鉄骨角パイプなどの金属製建材、あるいはプラスチック系建材においてもほぼ同様の効果が得られる。テーパー状のビスを使わないときは直径進入分の引き上げ力は発生しないが、ビス8にナットを組み付けて使用時には、ビス8は傾斜ビス孔2cのクリアランス分だけ上方に滑り、ナット締結時には垂直分力Fzにより底壁3を構造材6の底面に密着させることができる。
【0036】
次いで、図2に示すように、L型金具1の起立壁2及び底壁3に設けられたビス孔2a,3aに対してビス7を壁面に垂直にビス止めする。これにより起立壁2及び底壁3が構造材6と強固に固定される。また、突起部9が構造材6に食い込み、構造材6に作用する曲げモーメントに対して強い摩擦力が発生するため、ビス7,8に剪断応力が集中して作用するのを防止できる(図7(c)参照)。
【0037】
次いで、図2においてL型金具1の延設部4のねじ孔5の雌ねじ部5aにねじ軸12の雄ねじ部12a(図1(a)(b)参照)をねじ嵌合させて調整脚11を組み付ける。ねじ孔5を挿通したねじ軸12は、一対の補強リブ10と起立壁2に囲まれた空間部に挿入される。このとき、L型金具1は一対の補強リブ10により変形することがないのでビス7,8に回転モーメントによる応力集中は発生しない。また、ねじ軸12は、一対の補強リブ10によって囲まれているため作業者と干渉するおそれはない。
【0038】
次に、ねじ軸12の下端に脚部13と共に設けられた固定ナット12cをスパナ等で所定方向に回転させてねじ軸12が同方向に回転すると、L型金具1が上動若しくは下動して設置面との高さが調整できる。高さ調整が終わると、締付けナット12bをL型金具1に当接するまで締め込んでねじ軸12の剛性を高めて固定する(図3参照)。
【0039】
最後に、図3に示すように、フットプレート14のアンカーボルト孔14aに必要に応じてアンカーボルト15を打ち込んで、締付けナット15aをプレート上に締付ければフットプレート14を固定することができ、調整脚11の移動や転倒を防止することができる。
【0040】
上述したL型金具1及びこれを用いた高さ調整装置16を用いれば、基礎工事が不要となり納期とコストを低減できる。また、ねじ軸12により構造材を支え、高さ調整や傾き修正が可能である。従って、束石敷設といった基礎工事は不要となる。何日も要していた作業は、ほんの数分のねじ締め作業に短縮される。しかも部材費も金具代だけでよくローコストですみ、大幅なコストダウンが可能である。
【0041】
また、構造材6の高さを現場で合わせられる。ねじ軸12を回すだけで高さ調整できることから、構造材6を現場に据え付けたあとで高さや水勾配を合わせられる。従来は地盤高さを決め、構築物高さをあらかじめ設計して部材を準備し、現場には丁張を設けて水糸を張るなど、据え付け前に多大な工数が発生しており、しかも据え付けが始まるともう高さ調整はできなかった。
【0042】
また、経年変化による建築物の沈下を修正することができる。ねじ軸12を回すだけで高さ調整できることから、いつでも高さ調整可能である。地盤の不等沈下や凍上による傾きといった設置後かなりたってから発生するレベル不具合にも対応できる。従来は、建造物の高さは基礎で決まってしまい基本的には高さ調整はできなかった。高さ修正には、地盤掘り起しやジャッキアップなどが必要となり大変な工数が発生する。
また、L型金具1の構造材6へ取り付けはビス留めによっており作業時間を短縮できる。ビス締め作業がだれでも確実にできるように考慮されていることから初心者でも取り付け可能で、インパクトドライバーを使って1分程度と極めて短時間で行うことができる。今まで熟練者でなければ困難であった構造材6への穴あけ作業やナット取り付け作業が不要となる。
【0043】
図4において、調整脚11のねじ軸12は構造材6を貫通しないで組み付けられることから、細長い角材、例えばツーバイフォーランバー(38mm×89mmの構造材)の長手方向の任意の位置に取り付けることができる。
【0044】
また、図6に示すように建物の基礎となる矩形状の構造材6であれば、4方向のいずれにでも取り付けられる。例えばツーバイフォー材でも外周側若しくは内周側のいずれにも取り付けることができる。従って、外観上の問題からL型金具を見えないように配置することも可能である。尚、図6では構造材6を地面に設置する場合を例示しており、フットプレート14の下部にインタロック17などのブロック材を敷設して支持するようになっている。
【0045】
また、L型金具1は耐荷重のわりに小型化できるので取り付けスペースが小さくて済む。よって、構造材6に細いビス7,8をねじこむだけでよいのでコーナー部に継手があっても或いは図5に示すように角柱底部にも制約なくL型金具1を組み付けて高さ調整装置16を取り付けることができる。
【0046】
更にねじ軸12を水平方向に取り付けて物品を固定することもできる。あるいは天井から吊り下げて物品を押し付けることもできる。あるいは床から上方にむけて取り付けて物品を浮かせることもできる。さらにL型金具1をねじ留めせずに構造材6に押し当てて小型ジャッキとして使うことも可能である。
【0047】
また、高さ調整装置16は既設の建築物にも後付けすることができる。即ち、側面作業のみでL型金具1を固定することができることから、構造材6を持ち上げて底面から加工する必要がない。したがって建築物を組立後に高さ調整装置16を取り付けることもでき、既存の建築物に追加することも容易である。
また、構造材6は高さ調整装置16により持ち上げられて設置される。一般的に建築物は脚部から腐り劣化するが、構造材6は地表から離れて支持されており通気性も確保されることから構造物を長寿命化できる。またシロアリやナメクジ、カビなども寄せ付けず破損や劣化を防ぐことができる。
更には、住環境における木造の建造物は多数あり、それらに対して制約がすくなく広く対応できて、基礎工事や追加工がまったく要らなくなるという効果は大きい。大幅なコストダウンと納期短縮が実現でき、従来にはなかった場所への適応や物品締結といった新しい用途など幅広い用途に用いられる。
【符号の説明】
【0048】
1 L型金具 2 起立壁 2a,3a ビス孔 2b 厚肉部 2c 傾斜ビス孔 3 底壁 4 延設部 5 ねじ孔 5a 雌ねじ部 6 構造材 7,8 ビス 9 突起部 10 補強リブ 11 調整脚 12 ねじ軸 12a 雄ねじ部 12b,15a 締付けナット 12c 固定ナット 13 脚部 14 フットプレート 14a アンカーボルト固定孔 15 アンカーボルト 16 高さ調整装置 17 インタロック
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建材の側面に沿って組み付けられて側面荷重を支える起立壁と、前記起立壁面に直交して前記建材の底面に沿って組み付けられて垂直荷重を支える底壁と、を備えたL型金具であって、
前記起立壁若しくは前記底壁の少なくともいずれか一方に板厚を厚肉に形成された厚肉部にビス先端が底壁から離れる向きに傾斜した傾斜ビス孔が貫通して設けられていることを特徴とするL型金具。
【請求項2】
前記起立壁若しくは前記底壁には当該底壁の板厚方向に貫通するねじ孔に雌ねじ部が形成されている請求項1記載のL型金具。
【請求項3】
前記L型金具の底壁は起立壁を介して反対側に延設された延設部が設けられ、該延設部に前記雌ねじ部を有するねじ孔が前記起立壁に近接して板厚方向に設けられている請求項1又は請求項2記載のL型金具。
【請求項4】
前記起立壁の外面及び前記延設部に直交して連なる一対の補強リブが前記ねじ孔を囲んで突設されている請求項3記載のL型金具。
【請求項5】
前記L型金具の前記起立壁面若しくは底壁面のうち少なくとも一方には、前記被締結部材に食い込んで滑動するのを防ぐ先端が先細り状に形成された突起が複数突設されている請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載のL型金具。
【請求項6】
前記起立壁及び底壁のうち少なくとも一方には、厚さ方向に貫通するビス孔が各々設けられている請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載のL型金具。
【請求項7】
雄ねじ部が形成されたねじ軸及び該ねじ軸の設置面側端部に脚部が設けられた調整脚が、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のL型金具のねじ孔に前記ねじ軸を挿入して雌ねじ部に雄ねじ部がねじ嵌合して組み付けられており、前記ねじ軸を回転させて前記L型金具の設置面からの高さを調整可能であることを特徴とする高さ調整装置。
【請求項8】
前記脚部には、当該脚部を設置面に固定するアンカーボルトを挿通するアンカーボルト固定孔が貫通して設けられている請求項7記載の高さ調整装置。
【請求項1】
建材の側面に沿って組み付けられて側面荷重を支える起立壁と、前記起立壁面に直交して前記建材の底面に沿って組み付けられて垂直荷重を支える底壁と、を備えたL型金具であって、
前記起立壁若しくは前記底壁の少なくともいずれか一方に板厚を厚肉に形成された厚肉部にビス先端が底壁から離れる向きに傾斜した傾斜ビス孔が貫通して設けられていることを特徴とするL型金具。
【請求項2】
前記起立壁若しくは前記底壁には当該底壁の板厚方向に貫通するねじ孔に雌ねじ部が形成されている請求項1記載のL型金具。
【請求項3】
前記L型金具の底壁は起立壁を介して反対側に延設された延設部が設けられ、該延設部に前記雌ねじ部を有するねじ孔が前記起立壁に近接して板厚方向に設けられている請求項1又は請求項2記載のL型金具。
【請求項4】
前記起立壁の外面及び前記延設部に直交して連なる一対の補強リブが前記ねじ孔を囲んで突設されている請求項3記載のL型金具。
【請求項5】
前記L型金具の前記起立壁面若しくは底壁面のうち少なくとも一方には、前記被締結部材に食い込んで滑動するのを防ぐ先端が先細り状に形成された突起が複数突設されている請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載のL型金具。
【請求項6】
前記起立壁及び底壁のうち少なくとも一方には、厚さ方向に貫通するビス孔が各々設けられている請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載のL型金具。
【請求項7】
雄ねじ部が形成されたねじ軸及び該ねじ軸の設置面側端部に脚部が設けられた調整脚が、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のL型金具のねじ孔に前記ねじ軸を挿入して雌ねじ部に雄ねじ部がねじ嵌合して組み付けられており、前記ねじ軸を回転させて前記L型金具の設置面からの高さを調整可能であることを特徴とする高さ調整装置。
【請求項8】
前記脚部には、当該脚部を設置面に固定するアンカーボルトを挿通するアンカーボルト固定孔が貫通して設けられている請求項7記載の高さ調整装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
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【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−104198(P2013−104198A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−247590(P2011−247590)
【出願日】平成23年11月11日(2011.11.11)
【出願人】(594055170)北斗制御株式会社 (19)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月11日(2011.11.11)
【出願人】(594055170)北斗制御株式会社 (19)
【Fターム(参考)】
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