説明

LEDユニットおよびそれを用いた照明器具

【課題】比較的簡単な構成で、放熱シートの位置ずれを抑制し、位置ずれの有無を容易に確認することが可能とすることができるLEDユニットおよびそれを用いた照明器具を提供する。
【解決手段】一表面側に突台部1fを備えた板状のベース1と、突台部1fの先端面1fに設けられた放熱シート9と、該放熱シート9の突台部1fと反対の側に配置されてなりLEDチップを用いた発光装置3とを有するLEDユニット10であって、突台部1fは、放熱シート9の一部を入り込ませる窪部1qを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LEDユニットおよびそれを用いた照明器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、LEDユニットを備えた照明器具(LED照明器具)が提案されている(例えば、特許文献1,2)。
【0003】
特許文献1に開示されたLED照明器具は、図17に示すように、複数個のLEDチップ36などが実装されたLEDモジュール基板37を有する。LEDモジュール基板37には、このLEDモジュール基板37への給電電線38を直接接続するための速結端子である端子部39を具備する端子台24が設けられている。端子台24には、給電電線38と端子部39との接続を解除するための解除ボタン25が設けられている。なお、上述のLEDモジュール基板37を備えたLED照明器具では、各LEDチップ36、LEDモジュール基板37、端子台24などにより、LEDユニットを構成している。
【0004】
また、特許文献2に開示されたLED照明器具は、例えば、天井から吊り下げられて使用されるペンダントライトであって、図18(a)に示すように、複数個のLED26が実装されたLED基板27と、LED基板27に電力を供給する電源回路28とを有する。また、このLED照明器具は、LED基板27を収納する有底筒状のLEDケーシング29と、LEDケーシング29とは別体に構成され電源回路28を収納する有底筒状の電源ケーシング30とを有する。なお、電源ケーシング30は、LEDケーシング29よりも上側に配置される。
【0005】
電源ケーシング30の底壁30cには、電源回路28に電気的に接続された電源側コード32を挿通可能なコード通し穴30dが形成されている。電源側コード32の先端には、図18(b)に示すように、接続プラグ32aが設けられている。また、電源ケーシング30の底面には、LEDケーシング29を保持するための引掛具34が複数箇所に突設されている。
【0006】
LEDケーシング29には、このLEDケーシング29の開口部を閉塞する上面部材29aが取着されている。上面部材29aには、LED基板27に電気的に接続されたLED側コード33を挿通可能なコード通し穴29bが形成されている。LED側コード33の先端には、電源側コード32の接続プラグ32aに着脱可能な接続プラグ33aが設けられている。また、上面部材29aには、電源ケーシング30の各引掛具34を引掛ける引掛溝35が複数箇所に形成されている。したがって、図18に示した構成のLED照明器具は、LEDケーシング29に取着された上面部材29aと電源ケーシング30の底壁30cとを面接触させて着脱可能に取り付けることができる。なお、図18に示した構成のLED照明器具では、各LED26と、LED基板27と、LEDケーシング29と、上面部材29aと、LED側コード33と、接続プラグ33aとで、LEDユニットを構成している。
【0007】
これにより、特許文献1,2に開示されたLED照明器具では、LEDユニットを比較的簡単に着脱することができる。
【0008】
なお、特許文献2のLEDユニットでは、LEDケーシング29および電源ケーシング3が、アルミニウム、銅、真鍮、セラミックなどの放熱性材料で形成され、LEDケーシング29、電源ケーシング30から放熱させることが開示されている。また、LEDユニットでは、LED基板27とLEDケーシング29との間に絶縁部材(図示していない)を介して固着してLEDケーシング29との電気絶縁性を向上させることが開示されている。しかしながら、特許文献2では、絶縁部材が如何なるものであるか不明であり、具体的にどのように絶縁部材を配置して固着するかも明らかでない。
【0009】
ところで、LEDは点灯に伴い自己発熱し昇温する。LEDは、昇温に伴い発光効率が低下する特性を備えている。また、LEDは、LEDの温度が高くなりすぎれば、寿命が短くなる特性がある。そのため、LEDユニットは、LEDからの熱を効率よく放熱することが極めて重要となる。
【0010】
そのため、上述とは別のLED照明器具として、器具本体の一表面側に設けられた凹部内に放熱シートを収納し、放熱シートの器具本体と反対の側にLEDチップを用いた発光装置を配置して固定させたものも知られている(例えば、特許文献3)。
【0011】
特許文献3の照明装置は、発光装置からの熱を器具本体へ効率よく除熱することができる、としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2003−59330号公報
【特許文献2】特開2008−258066号公報
【特許文献3】特開2010−147000号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
そのため、LEDユニットとして、特許文献2のLEDユニットにおける絶縁部材の代わりに、特許文献3の放熱シートを用いることで絶縁性と放熱性とを兼ね備えた構成とすることが考えられる。
【0014】
ところで、LEDは、一般に他の光源と比較して指向性が強い。そのため、放熱シートを単に平坦面に配置させたLEDユニットでは、LEDユニットの組立工程における振動などにより、LEDが所定の位置からずれて光学特性がばらつく恐れがある。
【0015】
また、LEDユニットは、特許文献3の構成を応用して放熱シートを凹部の内側と略同一の大きさとし、放熱シートを凹部内に配置させることで、LEDユニットの組立工程にあたって振動が加わっても放熱シートの位置ずれが生ずることを抑制することも考えられる。この場合、放熱シートは、凹部内に精度良く配置させる必要がある。放熱シートは、凹部から部分的にはみ出した場合、凹部の端部で放熱シートが押圧されて部分的に薄くなり所定の電気絶縁性を十分に確保することができない恐れがある。放熱シートは、部分的に押圧されて放熱シートの損傷などが生じた場合、所定の電気絶縁性や熱伝導性を確保することができない恐れもある。他方、凹部の大きさを放熱シートより大きくしすぎれば、放熱シートの位置づれを抑制することが難しくなる。
【0016】
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、比較的簡単な構成で、放熱シートの位置ずれを抑制し、位置ずれの有無を容易に確認することが可能なLEDユニットおよびそれを用いた照明器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明のLEDユニットは、一表面側に突台部を備えた板状のベースと、上記突台部の先端面に設けられた放熱シートと、放熱シートの上記突台部と反対の側に配置されてなりLEDチップを用いた発光装置とを有するLEDユニットであって、上記突台部は、上記放熱シートの一部を入り込ませる窪部を備えたことを特徴とする。
【0018】
このLEDユニットにおいて、上記窪部は、上記突台部の上記放熱シートを設ける予定の領域における外周部に備えていることが好ましい。
【0019】
本発明の照明器具は、上記LEDユニットと、上記LEDユニットが取り付けられた器具本体とを備えてなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明のLEDユニットにおいては、比較的簡単な構成で、放熱シートの位置ずれを抑制し、位置ずれの有無を容易に確認することが可能とすることができる。
【0021】
本発明の照明器具においては、比較的簡単な構成で、放熱シートの位置ずれを抑制し、位置ずれの有無を容易に確認することが可能なLEDユニットを備えた照明器具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】実施形態1のLEDユニットの分解斜視図である。
【図2】同上のLEDユニットの概略断面図である。
【図3】同上のLEDユニットの要部を示し、(a)は斜視図、(b)は説明断面図である。
【図4】同上のLEDユニットの要部を示し、(a)は斜視図、(b)は説明断面図である。
【図5】同上のLEDユニットの要部の他の構成例を示す平面図である。
【図6】同上のLEDユニットの組立工程の説明図である。
【図7】同上のLEDユニットの組立工程の説明図である。
【図8】同上のLEDユニットの組立工程の説明図である。
【図9】同上の照明器具の概略断面図である。
【図10】同上の照明器具の他の構成例の概略断面図である。
【図11】同上の照明器具の他の構成例の概略断面図である。
【図12】同上の照明器具の他の構成例の概略断面図である。
【図13】同上の照明器具の他の構成例の概略断面図である。
【図14】同上の照明器具の他の構成例の概略断面図である。
【図15】実施形態2のLEDユニットの分解斜視図である。
【図16】同上のLEDユニットの概略断面図である。
【図17】従来例のLED照明器具におけるLEDモジュール基板の斜視図である。
【図18】他の従来例のLED照明器具を示し、(a)は断面図、(b)は概略分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
(実施形態1)
以下、本実施形態のLEDユニット10について、図1〜図8を参照しながら説明する。
【0024】
本実施形態のLEDユニット10は、一表面側(図1では、上面側)に突台部1fを備えた板状(例えば、円板状)のベース1と、突台部1fの先端面1faに設けられた電気絶縁性および熱伝導性を有する放熱シート9と、放熱シート9の突台部1fと反対の側に配置されてなりLEDチップ(図示せず)を用いた発光装置3とを有する。特に、このLEDユニット10の突台部1fは、放熱シート9の一部を入り込ませる窪部1qを備えている。
【0025】
また、このLEDユニット10は、発光装置3をベース1との間に挟持する有底筒状(例えば、有底円筒状)のホルダ2と、発光装置3の前面側(図1では、上面側)に配置されてベース1に取り付けられてなり発光装置3から放射された光を透過させる機能を有するカバー20とを有する。さらに、上述のLEDユニット10は、発光装置3に電気的に接続される給電用の一対の電線(リード線)4,4を備えている。
【0026】
本実施形態のLEDユニット10に用いられるベース1は、アルミダイキャスト製のベース1であって突台部1fを一表面側に一体として備えている。なお、ベース1は、樹脂に比べて熱伝導性の高い材料として、アルミニウムだけに限らず、例えば、銅やステンレスなどの金属により形成してもよい。また、突台部1fは、ベース1と一体に形成されたものだけでなく、別途に形成されたものでもよい。
【0027】
ベース1の周部には、LEDユニット10を照明器具12(図9参照)の器具本体11(図9参照)に着脱自在に取り付けるための、取付ねじ(図示せず)をベース1の上記一表面側から挿通する取付ねじ挿通孔1bが複数箇所(図示例では、2箇所)に貫設されている。
【0028】
ここにおいて、本実施形態のLEDユニット10では、ベース1の形状を円形状としているが、これに限らず、例えば、多角形状であってもよいし、楕円形状であってもよい。
【0029】
発光装置3は、複数個のLEDチップを具備する発光部3aと、この発光部3aが実装された実装基板3bとで構成されている。ここにおいて、複数個のLEDチップは、直列接続されているが、並列接続してもよいし、直並列接続してもよい。
【0030】
発光部3aは、複数個のLEDチップ(図示せず)と、これら複数個のLEDチップを囲みLEDチップからの光を反射する周壁部3eと、周壁部3e内のLEDチップを覆う封止部3dとを有する。そして、発光部3aは、LEDチップが青色LEDチップで構成され、青色LEDチップから放射される青色光により励起されてブロードな黄色光を放射する黄色蛍光体からなる蛍光体が封止部3dの透光性封止材料(例えば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ガラスなど)に混合されており、白色光を得る白色LEDを構成している。なお、発光部3aの蛍光体は、黄色蛍光体に限らず、例えば、赤色蛍光体と緑色蛍光体とを用いてもよい。また、発光部3aは、紫〜近紫外LEDチップと、赤色蛍光体、緑色蛍光体および青色蛍光体とを組み合わせて白色光を得る白色LEDを構成してもよい。さらに、発光部3aは、赤色LEDチップと緑色LEDチップと青色LEDチップとを組み合わせて白色光を得る白色LEDを構成してもよい。
【0031】
実装基板3bは、例えば、金属ベースプリント配線板を用いて形成されており、発光部3aに電気的に接続された一対の端子部3c,3cが形成されている。各端子部3c,3cは、導体パターンにより構成されている。実装基板3bは、金属ベースプリント配線板を用いているが、これに限らず、例えば、セラミック基板、ガラスエポキシ基板などを用いてもよい。また、各端子部3c,3cには、電線4,4が半田からなる接合部(図示せず)を介して電気的に接続されている。ここで、一方の電線4が発光部3aのプラス側に接続された端子部3c(図1における左側の端子部3c)に接続され、他方の電線4が発光部3aのマイナス側に接続された端子部3c(図1における右側の端子部3c)に接続されている。また、実装基板3bは、電線4の誤接続を防止するために、各端子部3c,3cの近傍に極性を示す“+”、“−”を表記してある。なお、実装基板3bの一表面側には、発光部3aおよび各端子部3c,3c以外の部位を覆う白色のレジスト層などからなる反射層(図示せず)が形成されており、これにより、発光部3aから放射された光が実装基板3bに吸収されるのを抑制することが可能となる。
【0032】
また、実装基板3bの他表面とベース1の上記一表面側に突設された突台部1fとの間には、上述の放熱シート9が配置されている。したがって、上述の発光装置3は、この発光装置3で発生した熱を、放熱シート9を通してベース1へ効率よく放熱させることが可能となる。また、本実施形態のLEDユニット10は、ベース1を樹脂に比べて熱伝導性の高いアルミニウムとしているので、上述の発光装置3で発生した熱を、放熱シート9およびベース1の突台部1fを通して器具本体11側へ放熱することが可能となる。
【0033】
放熱シート9は、ゲル状で架橋密度が低く軟質で弾性を有するゲル状エラストマー材料からなるシリコーン樹脂を用いたシリコーンゲルシートを好適に使用している。放熱シート9は、シリコーンゲルシートを好適に使用しているが、電気絶縁性と熱伝導性に優れ窪部1qに一部が入る材質であればよい。したがって、放熱シート9は、放熱シート9の材料としてシリコーンゲルだけに限らず、電気絶縁性と熱伝導性を有し軟質なエラストマー材料(例えば、アクリル樹脂材料)であればよい。また、放熱シート9は、粘着性を備えさせ接着シートとして機能させてもよい。
【0034】
ところで、ベース1の上記一表面側には、発光装置3に電気的に接続された各電線4,4の一部を収納配置するための円形状の凹所1eが形成されている。
【0035】
凹所1eの内底面の中央部には、発光装置3側(図1では、上側)へ突出する上述の突台部1fが設けられている。この突台部1fは、平面視において矩形状(図示例では、長方形状)に形成されている。ここにおいて、発光装置3は、突台部1fの先端面1faとの間に放熱シート9が介在するように配置される。
【0036】
また、突台部1fの高さ寸法は、この突台部1fの高さ寸法と放熱シート9の厚み寸法とを合わせた寸法が凹所1eの深さ寸法よりも大きくなるように設定されている。したがって、突台部1fは、発光装置3から放射された光が、ベース1の凹所1eの内面で反射されたり吸収されたりするのを抑制することが可能となる。
【0037】
また、突台部1fの先端面1faには、軟質な放熱シート9の一部が入り込むことが可能な窪部1qが複数箇所(図1では、4箇所)に形成されている。これによって、LEDユニット10は、組立時において発光装置3および放熱シート9をベース1とホルダ2とで挟持する前に、突台部1fと発光装置3との間に介在された放熱シート9の横方向への位置ずれを防止することが可能となる。
【0038】
より具体的には、突台部1fには、放熱シート9が設けられる領域における外周部に窪部1qを備えており、突台部1fの先端面1faを覆うように放熱シート9を載せ置くことで(図3(a)を参照)、放熱シート9の一部が窪部1qに入り込んでいる(図3(b)を参照)。放熱シート9は、窪部1qに入り込んだ放熱シート9の一部が放熱シート9の位置ずれを抑制するアンカー効果を生じさせることができる。そのため、図5ないし図8で後述するLEDユニット10の組立工程などにおいて、組立途中のLEDユニット10に振動などが加わっても、窪部1qに入り込んだ放熱シート9の一部により、放熱シート9が突台部1fから位置ずれすることを抑制することが可能となる。
【0039】
突台部1fに備えた窪部1qは、放熱シート9の厚み、発光装置10の大きさや形状に合わせて窪部1qの形状、幅および深さを適宜に設定すればよい。窪部1qは、例えば、放熱シート9の厚みを1.0mmとし、窪部1qの幅および深さを0.3〜0.5mmの範囲内で形成することができる。放熱シート9は、窪部1qを覆う大きさとし、先端面1faの放熱シート9を設ける予定の領域に積載すればよい。すなわち、窪部1qは、放熱シート9が設けられる予定の領域の外周部に設けている。
【0040】
また、窪部1qは、平面視矩形状の突台部1fの先端面1fa上における放熱シート9を設ける予定の領域の四辺に相当する外周部に窪部1qを設けることで、放熱シート9の位置ずれを比較的に容易に判断することが可能となる。LEDユニット10は、組立工程において、放熱シート9が所定の積載位置から位置ずれを生じている場合、図4に示すように、外部に窪部1qが露出し放熱シート9の位置ずれを容易に確認されることが可能となる。言い換えれば、LEDユニット10は、組立工程において、図3のごとく、放熱シート9が突台部1fを覆って窪部1qが露出していなければ、放熱シート9が適正に配置されていると見なすことができる。また、図4のごとく、窪部1qが外部に露出していれば、放熱シート9に位置ずれが生じており、発光装置3とベース1との間で所定の放熱特性や電気絶縁特性を確保できていない恐れがある。
【0041】
本実施形態のLEDユニット10は、LEDユニット10の組立工程において、窪部1qが外部に露出しているかを把握するだけで、LEDユニット10の放熱特性や電気絶縁特性が確保できていると見做すことができる。
【0042】
また、放熱シート9は、一般的に、PMMA(polymethyl methacrylate)やPC(Polycarbonate)などの熱可塑性樹脂と比較して比較的高価であり、できるだけ小さいことが好ましい。そのため、放熱シート9の大きさを小さくすれば電気絶縁特性を確保するため、より精確に放熱シート9を配置させなければならず、本実施形態のLEDユニット10の構成が特に有用となる。
【0043】
また、窪部1qは、図5(a)に示すように、突台部1fの各辺に沿って一つずつ設けるだけでなく、図5(b)に示すように、放熱シート9を設ける予定領域(たとえば、二点鎖線を参照)に沿って環状に形成した環状部1lを備えた構成としてもよい。
【0044】
さらに、窪部1qは、放熱シート9が突台部1fの先端面1faを覆うことによって、放熱シート9と窪部1qとにより密閉した空間を形成する図5(a)や図5(b)に示す構造だけに限られない。すなわち、窪部1qは、突台部1fに放熱シート9を設置する際に、放熱シート9と突台部1fとの間で空気を巻き込んで放熱シート9に皴が生じない構成とすることも可能となる。
【0045】
具体的には、窪部1qは、図5(c)や図5(d)に示すごとく、突台部1fの先端面1faにおける内側に設けられた環状部1lから先端面1faにおける外側まで貫通するような連通溝1m,1nを設ければよい。
【0046】
また、放熱シート9を設けられる面が放熱シート9よりも大きな単なる平坦面で構成される場合、放熱シート9が所定の公差で所定の位置に配置されているか否かを把握することは難しい。この場合、放熱シート9が所定の位置にあるかの確認だけであれば、放熱シート9を設ける予定の領域における外周部に窪部1qを設けるだけでなく、突台部1fの先端面1faから突出する凸部を設けることも考えられる。ここで、放熱シート9が設けられる領域における外周部に備えた窪部1qに放熱シート9の一部を入り込ませるLEDユニット10は、突台部1fの先端面1faから突出する凸部を設けるものと比較して、発光装置3をベース1側に押圧して固定した場合であっても放熱シート9の薄肉化が生ずることも少ない。すなわち、LEDユニット10は、突台部1fの先端面1faに凸部を設けたものにより放熱シート9の位置決めをした場合、発光装置3がベース1側に押圧して固定するにあたり、軟質な放熱シート9が凸部で部分的に肉薄となることで放熱シート9に損傷が生ずる恐れがある。しかしながら、本実施形態のLEDユニット10では、放熱シート9に損傷が生ずることを抑制することが可能となる。
【0047】
さらに、LEDチップを用いた発光装置3と組み合わされるカバー20は、一般的に、光学特性を最大限に発揮させるため、レンズ形状としている場合も多く、レンズ形状のカバー20の光軸と発光装置3の発光部3aの中心とを精度良く一致させていることがより望ましい。
【0048】
ここで、LEDユニット10の製造装置は、たとえば、放熱シート9を配置させたベース1を撮像する撮像手段と、撮像手段で撮像し生成した画像を画像処理し、予め記憶手段に記憶させておいた窪部1qの形状のパターンと比較してパターン認識させるパターン認識手段とを備えさせてもよい。これにより、LEDユニット10の製造装置は、突台部1fの窪部1qが露出したものを認識した場合、LEDユニット10の製造装置が不良品として弁別することが可能となる。つまり、放熱シート9や放熱シート9上の発光装置3の配置を比較的簡単に確認して、所定の光学特性などを満たしたものだけを組み立てることも可能となる。
【0049】
すなわち、本実施形態のLEDユニット10は、ベース1の中心とLEDチップを用いた発光装置3の中心とが一致したものを把握し、光学特性のばらつきを生ずるものが組み立てられることを抑制することも可能となる。
【0050】
また、ホルダ2は、突台部1fとの間に発光装置3を保持する押え板部2eと、押え板部2eの周縁から後方(ベース1側)に延設された周壁部2fとを有している。このホルダ2は、押え板部2eが円板状に形成されており、押え板部2eの中央部に、発光装置3の発光部3aを露出させるための窓孔2aが形成されている。
【0051】
ここにおいて、凹所1eの内底面には、突台部1fの短手方向の両側において、ボス部1rが突設されている。各ボス部1rには、ホルダ2をベース1に取り付けるための組立ねじ23dを螺合するねじ孔1dが形成されている。したがって、本実施形態のLEDユニット10は、突台部1fの長手方向の両側にボス部1rが配置される場合に比べて、ホルダ2の押え板部2eの形状を小さくすることが可能となる。
【0052】
また、ホルダ2の押え板部2eの周部には、発光装置3の各端子部3c,3cの各々に電気的に接続された各電線4,4がホルダ2に干渉するのを防止する開口部2b,2bが、窓孔2aに連通するように形成されている。
【0053】
また、ホルダ2の押え板部2eの周部には、ベース1の各ねじ孔1dに対応する部位に、組立ねじ23dをホルダ2の押え板部2eの前面側(図1では、上面側)から挿通するねじ挿通孔2dが貫設されている。ここで、ホルダ2をベース1に取り付ける場合は、まず、ホルダ2の窓孔2aから発光装置3の発光部3aを露出させるとともに、発光装置3をベース1とホルダ2とで挟持させる。そして、組立ねじ23dをホルダ2の押え板部2eの上記前面側からねじ挿通孔2dに挿通し、ベース1のねじ孔1dに螺合させることによって、ベース1にホルダ2が取り付けられる。なお、発光装置3とベース1との間には、放熱シート9が配置されている。
【0054】
したがって、本実施形態のLEDユニット10は、組立ねじ23dをねじ孔1dに螺合させる際に発光装置3にかかる応力を放熱シート9により吸収して緩和することが可能となるので、発光装置3に不要な応力がかかるのを抑制することが可能となる。
【0055】
ここにおいて、本実施形態のLEDユニット10では、ホルダ2の押え板部2eの形状を円形状としているが、これに限らず、例えば、多角形状であってもよいし、楕円形状であってもよい。
【0056】
また、ベース1の周部には、発光装置3に電気的に接続された一対の電線4,4をLEDユニット10の外部へ導出するための導出部1cが設けられている。
【0057】
導出部1cは、ベース1の周部に形成された切欠き部であって、一対の電線4,4をLEDユニット10の外部へ導出する方向を変更することが可能となっている。
【0058】
具体的に説明すると、導出部1cは、ベース1の周部においてベース1の他表面(図2では、下面)、側面および上記一表面が開放されている。つまり、導出部1cは、一対の電線4,4をLEDユニット10の外部へ導出する方向を、ベース1の上記他表面側と、ベース1の上記他表面に沿った方向との間で変更することが可能となる(図2の円弧の矢印を参照)。また、導出部1cは、この導出部1cから導出した一対の電線4,4をベース1の上記他表面に直交する方向へ導出した場合に、一対の電線4,4がベース1の外周線よりも内側に配置されるように形成されている。
【0059】
したがって、本実施形態のLEDユニット10は、導出部1cから導出した一対の電線4,4をベース1の上記他表面側および側方へ導出することが可能となる。言い換えれば、このLEDユニット10は、図19に示した従来例のLEDユニットに比べて、LEDユニット10に電源を供給する電源ユニット15(図9参照)との相対的な位置関係の自由度を高めることが可能となる。これによって、本実施形態のLEDユニット10は、電源ユニット15との相対的な位置関係の自由度を高めることができるので、様々な形態の器具本体11に取り付け可能となる。また、このLEDユニット10では、導出部1cが、この導出部1cから導出した一対の電線4,4をベース1の上記他表面に直交する方向側へ導出した場合に、一対の電線4,4がベース1の外周線よりも内側に配置されるように形成されているので、例えば、器具本体11が円筒状に形成されている場合、器具本体11の最小径をベース1の外形寸法と同程度の寸法に設定することが可能となり、照明器具12の小型化を図ることが可能となる。
【0060】
ところで、ベース1の凹所1eにおいて導出部1c側(図2では、下側)には、各電線4,4の各々を凹所1eの内周面との間に挟持するリブ1ha,1hbが内底面から突設されている(図6(a)参照)。具体的に説明すると、ベース1の凹所1eにおいて導出部1c側の内底面には、一方の電線4を凹所1eの内周面との間に挟持するリブ1haと、他方の電線4を凹所1eの内周面との間に挟持するリブ1hbとが突設されている。また、ベース1の凹所1eの内周面には、凹所1eの内周面における導出部1cの内周面1gと境界付近に突設された2つのリブ1hd,1hdの各々との間に電線4,4を保持するリブ1hcが突設されている(図7(a)を参照)。なお、リブ1hcは、ボス部1rに連続して形成されている。また、リブ1haおよびリブ1hbは、ベース1の凹所1eの内底面に突設した連結片1heを介して連結されている。
【0061】
したがって、本実施形態のLEDユニット10は、発光装置3に電気的に接続された各電線4,4を、ベース1において保持することによって、別部品を追加することなく、一対の電線4,4の張力止め機能を付与することが可能となる。言い換えれば、上述のLEDユニット10は、一対の電線4,4に作用する張力を低減するための別部品が不要であり、低コストで一対の電線4,4の張力止め機能を付与することが可能となる。また、このLEDユニット10は、一対の電線4,4に作用する張力を低減することができるので、各電線4,4と発光装置3の各端子部3c,3cとの接合部(図示せず)に応力が作用して断線するのを防止することが可能となる。
【0062】
また、LEDユニット10におけるホルダ2の側部には、ベース1の導出部1cに対応する部位に、導出部1cから導出した一対の電線4,4をベース1とで挟持するための挟持部2cが形成されている。つまり、本実施形態のLEDユニット10は、発光装置3に電気的に接続された各電線4,4を、ベース1で保持するとともに、ベース1と挟持部2cとで挟持することが可能となる。
【0063】
また、ベース1には、図2に示すように、ベース1の導出部1cの内側面1gとベース1の凹所1eの内底面との間に、面取り部1kが形成されている。したがって、本実施形態のLEDユニット10は、ベース1に面取り部1kが形成されているので、各電線4をベース1の上記他表面側に曲げた時に一対の各電線4にかかる応力を低減することが可能となる。また、LEDユニット10は、電線4をベース1の上記他表面側に曲げた時に各電線4にかかる応力を低減することができるので、各電線4を断線するのを防止することが可能となる。なお、面取り部1kは、C面取り部としてあるが、これに限らず、例えば、R面取り部などであってもよい。
【0064】
また、導出部1cは、ベース1の周部においてベース1の他表面(図2の右側の面)だけでなく側面および一表面(図2の左側の面)を開放して形成させてもよい。すなわち、カバー押え部材21の周部において導出部1cに対応する部位は、カバー押え部材21の他表面、側面および一表面が開放させればよい(図示していない)。これにより、導出部1cは、一対の電線4,4をLEDユニット10の外部へ導出する方向を、ベース1の上記他表面側と、ベース1の上記一表面側との間で変更することも可能となる。要するに、LEDユニット10は、電源ユニット15との位置関係の自由度をより高めることができ、様々な形態の器具本体11に取り付け可能となる。
【0065】
カバー20は、透光性材料(例えば、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ガラスなど)により形成されている。また、カバー20は、ベース1の外周線よりも内側に配置され発光装置3を覆う有底円筒状の本体部20aと、この本体部20aの端部から外方へ延設されてなりカバー20をベース1に取り付けるための鍔部20bとを有する。なお、本体部20aは、底板部20hと、筒状部20jで構成されており、底板部20hの一部にレンズを形成してもよい。また、本体部20aの形状は、有底円筒状に限定するものではなく、例えば、ドーム状であってもよい。
【0066】
また、カバー20のベース1側(図1では、下側)とホルダ2の押え板部2eの上記前面側との間には、ホルダ2の各ねじ挿通孔2d,2dの各々に挿通された組立ねじ23d,23dと、ホルダ2の各開口部2b,2bから露出された各電線4,4とを覆う環状(例えば、円環状)の化粧カバー40が配置されている。
【0067】
化粧カバー40は、非透光性材料(例えば、白色不透明の樹脂など)により形成されており、カバー20の本体部20aに収納配置される。化粧カバー40には、中央部に発光装置3の発光部3aを露出させるための窓孔部40bが形成されている。窓孔部40bの内周壁40cは、発光部3aからの光を反射して所定の配光が得られるように傾斜角を適宜に設計している。
【0068】
したがって、本実施形態のLEDユニット10は、ホルダ2の押え板部2eの上記前面側に、窓孔部40bの内周壁40cと、その外側の外周壁40dとを備えた化粧カバー40を設けているので、カバー20を通して各組立ねじ23d,23dおよび各電線4,4が見えるのを防止することが可能となり、外観の意匠性を高めることが可能となる。
【0069】
また、カバー20の鍔部20bの周部には、円環状の突出部20e(図2参照)がベース1側に突設されている。ここにおいて、ベース1の上記一表面側には、カバー20の突出部20eに対応する部位に、突出部20eを収納可能な溝部1tが形成されている。この溝部1tには、気密封止用の封止材5(例えば、シリコーン樹脂など)が充填されている。したがって、本実施形態のLEDユニット10は、カバー20の突出部20eを、封止材5が充填されたベース1の溝部1tに収納することによって、LEDユニット10内への水分や不純物などの侵入を抑制することが可能となる。
【0070】
カバー押え部材21は、非透光性材料(例えば、アルミニウムなどの金属や、白色不透明の樹脂など)により形成されており、発光装置3から放射されてカバー20の本体部20aの外周面から出射される光をできるだけ妨げないように扁平な環状(図示例では、円環状)に形成されている。また、カバー押え部材21は、カバー20の鍔部20bをベース1との間に挟持する。
【0071】
また、カバー押え部材21の周部には、ベース1の導出部1cに対応する部位に、LEDユニット10の組立時にベース1の溝部1tに充填された封止材5が溢れた場合、溢れた封止材5を溜めることが可能な凹所21a(図2参照)が形成されている。ここにおいて、カバー20の鍔部20bの外周部には、カバー押え部材21の凹所21aに対応する部位に、溢れた封止材5をカバー押え部材21の凹所21aに導くための切欠き部20fが形成されている。
【0072】
また、カバー押え部材21の一表面(図1では、下面)には、ベース1側へ突出する複数個(図1では、4個のうちの2個が見えている)の円柱状のボス部21cが設けられている。ここにおいて、カバー20の鍔部20bの外周部には、カバー押え部材21の各ボス部21cの各々に対応する部位に、各ボス部21cを挿通する半円状の切欠き部20dが各々形成されている。また、ベース1の周部には、カバー押え部材21の各ボス部21cの各々に対応する部位に、ボス部21cを貫通させる貫通孔1aが形成されている。ここで、上述のカバー20をベース1に取り付ける場合は、カバー押え部材21の各ボス部21cをベース1の各貫通孔1aに挿通させてから、ベース1の上記他表面側(図1では、下面側)から各ボス部21cの先端部をレーザ光などの照射により塑性変形させてベース1の貫通孔1aよりも広げることによって、ベース1にカバー20が取り付けられる。要するに、ボス部21cは、最終的にはマッシュルーム状の形状となる。ここにおいて、ベース1の上記他表面側には、各貫通孔1aの各々に対応する部位に、マッシュルーム状のボス部21cの頭部(先端部)が収納配置される収納部1jにより、貫通孔1aに連通して形成されている。ここで、各収納部1jの深さ寸法は、ベース1の上記他表面を含む平面からマッシュルーム状のボス部21cの頭部が突出しないように設定されている。
【0073】
本実施形態のLEDユニット10は、カバー20の鍔部20bをベース1とカバー押え部材21とで挟持することによって、カバー20に過剰な応力が加わるのを防止することが可能となる。また、LEDユニット10は、カバー押え部材21をベース1に対してねじを用いることなく取り付けているので、ねじの緩みなどの懸念がなくなる。また、LEDユニット10は、カバー押え部材21を扁平な環状に形成しているので、このLEDユニット10を器具本体11に取り付けてLEDユニット10を点灯させた場合に、カバー20の本体部20aの外周面から出射される光の所望の配光および均斉度を阻害する要素が少なくなる。なお、カバー20をベース1に取り付ける方法は、特に限定するものではなく、例えば、組立ねじなどを用いてカバー20をベース1に取り付けてもよい。
【0074】
また、カバー押え部材21の外周部には、ベース1の各取付ねじ挿通孔1bの各々に対応する部位に、取付ねじ(図示せず)をカバー押え部材21の他表面側(図1では、上面側)から挿通する半円状の切欠き部21bが形成されている。また、カバー20の鍔部20bの外周部には、ベース1の各取付ねじ挿通孔1b、カバー押え部材21の各切欠き部21bの各々に対応する部位に、上記取付ねじをカバー押え部材21側から挿通する半円状の切欠き部20cが形成されている。したがって、本実施形態のLEDユニット10は、カバー押え部材21の外周部に各切欠き部21bが形成されるとともに、カバー20の鍔部20bの外周部に各切欠き部20cが形成されているので、ベース1をカバー20側から照明器具12の器具本体11に着脱自在に取り付けることが可能となる。
【0075】
ところで、一対の電線4,4においてベース1の導出部1cから導出した部位の先端部には、コネクタ4aが設けられている。このコネクタ4aは、図9に示すように、電源ユニット15に電気的に接続されている電源線13の先端部に設けられた電源ユニット15側のコネクタ14と着脱自在に接続することが可能である。
【0076】
したがって、本実施形態のLEDユニット10は、一対の電線4,4の先端部に、電源ユニット15側のコネクタ14と着脱自在に接続可能なコネクタ4aが設けられているので、LEDユニット10の着脱時の接続作業を容易に行うことができる。また、このLEDユニット10は、一対の電線4,4の先端部にコネクタ4aが設けられるとともに、ベース1をカバー20側から照明器具12の器具本体11に着脱自在に取り付けることができるので、ユーザによってLEDユニット10を容易に交換することが可能となる。
【0077】
以下に、上述のLEDユニット10の組立工程について、図6〜図8を参照しながら説明する。
【0078】
まず、図6(a)のベース1の一表面側に備えられた矩形状の突台部1fの先端面1fa上に先端面1faよりも大きい矩形状の放熱シート9を載せおく(図6(b)参照)。放熱シート9を先端面1faに載せ置くことで、先端面1faの窪部1qに放熱シート9の一部が入り込む。
【0079】
次に、発光装置3を放熱シート9に積載する(図6(c)参照)。
【0080】
引き続き、各電線4,4をベース1の凹所1eの内周面と各リブ1ha,1hbとで挟持するとともに、電線4,4と実装基板3bの端子部3cとを電気的に接続させる(図7(a)参照)。
【0081】
続いて、ホルダ2を発光装置3に被せ、組立ねじ23d,23dによってベース1側にホルダ2を固定させる(図7(b)参照)
ホルダ2上には、発光装置3の発光部3aを囲むように、化粧カバー40が配置される(図7(c)参照)。
【0082】
次に、ベース1の溝部1tに封止材5を塗布した後(図7(c)参照)、化粧カバー40の周部から突出した突部40aと、カバー20の内周面に設けた凹部20gとの位置を合わせて、溝部1tとカバー20の突出部20eとを嵌め合わせることによりカバー20をベース1側に配置する(図8(a)を参照)。なお、カバー20は、図7(c)に示すように、発光装置3の発光部3aを囲むように化粧カバー40をベース1側に配置させた後、カバー20をベース1側に配置させる構成だけに限られない。カバー20は、たとえば、予めカバー20の凹部20gに化粧カバー40の突部40aを嵌め込みカバー20側に化粧カバー40を仮保持させた後、ベース1側に配置してもよい。
【0083】
最後に、カバー押え部材21のボス21cをベース1の貫通孔1aに挿通し、ベース1の他表面側でボス21cの先端部をレーザ光などの照射により塑性変形させてLEDユニット10を組み立てることができる(図8(b)参照)。
【0084】
こうして組み立てられたLEDユニット10を備える照明器具12について、図9〜図14を参照しながら説明する。
【0085】
照明器具12は、上述のLEDユニット10と、LEDユニット10が着脱自在に取り付けられた金属製の器具本体11とを備えている。この照明器具12は、器具本体11を金属製としてあるので、樹脂製の場合に比べて、LEDユニット10の発光装置3で発生した熱を、放熱シート9、ベース1および器具本体11を通して効率よく放熱させることが可能となる。なお、器具本体11の材料としては、アルミニウムを採用しているが、アルミニウム以外の金属を採用してもよい。また、器具本体11の材料は、金属以外の材料でもよい。
【0086】
器具本体11は、LEDユニット10を着脱自在に取り付けることができるように構成されている。具体的に説明すると、器具本体11には、ベース1の各取付ねじ挿通孔1bの各々に対応する部位に、上記取付ねじを螺合する取付ねじ孔(図示せず)が形成されている。
【0087】
図9に示した構成の照明器具12は、例えば、天井材17に埋め込み配置されるダウンライトである。この照明器具12の器具本体11は、LEDユニット10が収納配置される有底円筒状の本体部11aと、この本体部11aの開口部から外方へ延設された外鍔部11bとを有する。また、器具本体11は、天井材17に貫設された埋込穴17aに埋め込まれ、外鍔部11bが天井材17の下面における埋込穴17aの周部に当接する形で天井材17に取り付けられる。
【0088】
器具本体11の底部11cの上側には、電源ユニット15を収納配置する収納部11eが設けられており、電源ユニット15が器具本体11から離して配置されている。したがって、本実施形態の照明器具12は、電源ユニット15で発生した熱が器具本体11を通してLEDユニット10側に熱伝導するのを抑制することが可能となる。
【0089】
また、器具本体11の底部11cには、LEDユニット10から導出した一対の電線4,4およびコネクタ4aを収納部11e内へ引き出す引出孔(図示せず)が貫設されている。
【0090】
また、図10に示した構成の照明器具12は、例えば、天井材17に固定され器具本体11を保持する保持具19に器具本体11が保持されるスポットライトである。この照明器具12の器具本体11は、箱状であって、器具本体11内に電源ユニット15が器具本体11から離して配置されている。
【0091】
器具本体11の底部11cには、LEDユニット10から導出した一対の電線4,4およびコネクタ4aを器具本体11内へ引き出す引出孔(図示せず)が貫設されている。また、器具本体11の底部11cには、LEDユニット10のカバー20から出射される光を拡散透過させる拡散板22がLEDユニット10を覆う形で取り付けられている。
【0092】
また、図11に示した構成の照明器具12は、例えば、器具本体11が壁面18に固定されるブラケットである。この照明器具12の器具本体11は、箱状であって、器具本体11内に電源ユニット15が器具本体11から離して配置されている。なお、器具本体11には、LEDユニット10のカバー20から出射される光を拡散透過させる拡散板22がLEDユニット10を覆う形で取り付けられている。
【0093】
上述の図9〜図11に示した構成の照明器具12におけるLEDユニット10は、図2に示すように、一対の電線4,4をベース1の導出部1cからベース1の上記他表面側(図2では、下側)へ導出する。
【0094】
また、図12に示した構成の照明器具12は、例えば、電源ユニット15がLEDユニット10の側方に配置されたものであり、器具本体11が天井材17に固定されるシーリングライトである。また、図13に示した構成の照明器具12は、例えば、天井材17に固定され器具本体11を吊り下げる吊り具16に器具本体11が吊り下げられたペンダントライトである。また、図14に示した構成の照明器具12は、例えば、電源ユニット15がLEDユニット10の下方に配置されたものであり、器具本体11が壁面18に固定される縦長のポーチライトである。なお、図12〜図14に示した構成の照明器具12は、LEDユニット10のカバー20から出射される光を拡散透過させる拡散板22を有する。
【0095】
上述の図12〜図14に示した構成の照明器具12におけるLEDユニット10は、図2に示すように、一対の電線4,4をベース1の導出部1cからベース1の側方(図2では、下側)へ導出する。本実施形態の照明器具12は、様々な形態の器具本体11に取り付け可能なLEDユニット10を備えた照明器具とすることができる。
【0096】
(実施形態2)
本実施形態のLEDユニットの基本構成は実施形態1と同じであり、図15に示すように、カバー6の構成が実施形態1と相違する。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を適宜省略する。
【0097】
以下、本実施形態のLEDユニット10のカバー6について、図15および図16を参照しながら説明する。
【0098】
カバー6は、透光性材料(例えば、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ガラスなど)により形成されたレンズ部7と、このレンズ部7を保持するとともにベース1に取り付けられるレンズ保持部8とで構成されている。
【0099】
レンズ部7は、図15に示すように、発光装置3側(図15では、下側)に向かって凸形状に形成されるとともに、先端部に発光装置3の前面側(図16では、左側の面)を囲む凹所7aが形成されている。また、レンズ部7は、このレンズ部7の光出射面7bから発光装置3側に近づくにつれて外径が徐々に小さくなるように形成されている。さらに、レンズ部7は、光出射面7b側の中央部に凹所7cが形成されている。なお、レンズ部7は、光出射面7b側の中央部に凹所7cを形成しているが、これに限らず、例えば、光出射面7bの中央部が発光装置3側とは反対側へ突出する凸曲面状に形成してもよい。
【0100】
また、レンズ部7は、凹所7aの内底面7fから入射した光を凹所7cの内底面7gに導く機能と、凹所7aの内側面7hから入射した光をレンズ部7の外周面7dで反射してレンズ部7の光出射面7b側に導く機能とを有するように設計されている。
【0101】
レンズ保持部8は、非透光性材料(例えば、黒色の樹脂、アルミニウムなどの金属など)により形成されており、レンズ部7が収納配置される円筒状の本体部8aと、この本体部8aのベース1側(図16では、右側)の端部から外方へ延設された鍔部8bとを有する。ここで、本実施形態のLEDユニット10は、レンズ保持部8が非透光性材料により形成されているので、レンズ部7の外周面7dから出射される光を遮断することが可能となり、発光装置3からの光をレンズ部7の光出射面7bから出射することが可能となる。言い換えれば、本実施形態のLEDユニット10は、発光装置3からの光を一定範囲に集光させることが可能となる。
【0102】
本体部8aのレンズ部7側(図15では、上側)の端部には、レンズ部7を保持するための保持突起8eが複数箇所に形成されている。この保持突起8eは、レンズ部7の光出射面側の外鍔部7jを本体部8aの内側面に形成された段部8hとの保持する。レンズ部7の外鍔部7jと本体部8aとは、接着剤などにより接合することが好ましい。なお、レンズ部7の外鍔部7jと本体部8aとを固定する方法は、接着剤を用いた方法に限らず、例えば、レンズ部7の外鍔部7jを保持突起8eに圧入する方法であってもよい。
【0103】
ところで、レンズ部7の外鍔部7jには、レンズ部7をレンズ保持部8に取り付ける際に位置決めを行うための突片7eが設けられている。ここにおいて、本体部8aの内周壁には、レンズ部7の突片7eに対応する部位に、突片7eを位置決めする凹部8jが設けられている。
【0104】
鍔部8bには、ベース1の導出部1cに対応する部位に、LEDユニット10の組立時にベース1の溝部1tに充填された封止材5が溢れた場合、溢れた封止材5を溜めるための凹所8gが形成されている。
【0105】
また、鍔部8bの周部には、ベース1の溝部1tに対応する部位に、円環状の突出部8fがベース1側(図16参照)に突設されている。したがって、本実施形態のLEDユニット10は、レンズ保持部8の突出部(図示していない)を、封止材5が充填されたベース1の溝部1tに収納することによって、LEDユニット10内への不純物などの侵入を防止することが可能となる。
【0106】
鍔部8bの一表面(図15では、下面)には、ベース1の各貫通孔1aに対応する部位に、ベース1側へ突出する複数個(図15では、4個のうちの1個が見えている)の円柱状のボス部8cが設けられている。ここで、上述のカバー6は、レンズ保持部8の鍔部8bにおける各ボス部8cをベース1の各貫通孔1aに貫通させてから、ベース1の上記他表面側(図15では、下面側)から各ボス部8cの先端部をレーザ光などの照射により塑性変形させてベース1の貫通孔1aよりも広げることによって、ベース1にカバー6が取り付けられる。要するに、ボス部8cは、最終的にはマッシュルーム状の形状となる。ここにおいて、ベース1の上記他表面側には、各貫通孔1aに対応する部位に、マッシュルーム状のボス部8cの頭部(先端部)が収納配置される収納部1jが、貫通孔1aに連通して形成されている。ここで、各収納部1jの深さ寸法は、ベース1の上記他表面を含む平面からボス部8cの頭部が突出しないように設定されている。なお、カバー6をベース1に取り付ける方法は、特に限定するものではなく、例えば、組立ねじなどを用いてカバー6をベース1に取り付けてもよい。
【0107】
また、鍔部8bの外周部には、ベース1の各取付ねじ挿通孔1bに対応する部位に、上記取付ねじを鍔部8bの他表面側(図16では、上面側)から挿通する半円状の切欠き部8dが形成されている。したがって、本実施形態のLEDユニット10は、鍔部8bの外周部に各切欠き部8dを形成しているので、ベース1をカバー6側から照明器具12の器具本体11に着脱自在に取り付けることが可能となる。
【0108】
本実施形態のLEDユニット10でも、突台部1fの先端面1faに放熱シート9の一部を入り込ませる窪部1qを備えた比較的簡単な構成で、放熱シート9の位置ずれを抑制し、位置ずれの有無を容易に確認することが可能となる。
【符号の説明】
【0109】
1 ベース
1f 突台部
1q 窪部
3 発光装置
9 放熱シート
10 LEDユニット
11 器具本体
12 照明器具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一表面側に突台部を備えた板状のベースと、前記突台部の先端面に設けられた放熱シートと、該放熱シートの前記突台部と反対の側に配置されてなりLEDチップを用いた発光装置とを有するLEDユニットであって、
前記突台部は、前記放熱シートの一部を入り込ませる窪部を備えたことを特徴とするLEDユニット。
【請求項2】
前記窪部は、前記突台部の前記放熱シートを設ける予定の領域における外周部に備えていることを特徴とする請求項1記載のLEDユニット。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のLEDユニットと、前記LEDユニットが取り付けられた器具本体とを備えてなることを特徴とする照明器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2012−181945(P2012−181945A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−42396(P2011−42396)
【出願日】平成23年2月28日(2011.2.28)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】