説明

LEDランプ

【課題】周囲の明るさに応じた制御が可能なLEDランプを提供する。
【解決手段】
LEDランプ1は、照明器具に取り付けられて用いられる。LEDランプ1は、複数のLEDチップを含むLED光源部2と、周囲の照度を検出する照度センサモジュール12と、LED光源部2が点灯状態のときに、照度センサモジュール12の出力信号に基づいて、LED光源部2が発生する光以外の周囲光の照度に応じてLED光源部2を制御する制御装置とを含む。LED光源部2が点灯状態のとき、照度センサモジュール12は周囲光照度のみならず自発光照度をも検出するおそれがある。制御装置は、その自発光照度の影響を排除し、周囲光の照度に応じてLED光源部2を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、照明器具に取り付けられて用いられ、複数のLED(発光ダイオード)チップを有するLEDランプに関する。
【背景技術】
【0002】
LED(発光ダイオード)を光源としたLEDランプは、下記特許文献1に開示されている。このLEDランプは、基板と、基板上に配置された複数のLEDチップとによって構成された面状光源部を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2010/018682号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明は、周囲の明るさに応じた制御が可能なLEDランプを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明は、照明器具に取り付けられるLEDランプであって、複数のLEDチップを含むLED光源部と、周囲の照度を検出する照度センサと、前記LED光源部が点灯状態のときに、前記照度センサの出力信号に基づいて、前記LED光源部が発生する光以外の周囲光の照度に応じて前記LED光源部を制御する制御装置とを含む、LEDランプを提供する(請求項1)。この構成では、LEDランプに照度センサが備えられているので、LED光源部が点灯状態のとき、照度センサは周囲光照度のみならずLED光源部が発生する自発光の照度をも検出するおそれがある。この発明では、自発光照度の影響を排除し、周囲光の照度に応じてLED光源部が制御されるので、周囲の明るさに応じてLED光源部を適切に制御できる。すなわち、照明器具に照度センサが備えられていなくても、周囲の照度に応じてLED光源部の駆動状態を変化させることができる。
【0006】
前記照度センサは、前記LED光源部が発生する光と周囲光とを検出するように配置されていてもよい(請求項2)。このような配置であっても自発光照度の影響を排除して、周囲光の照度に応じてLED光源部が制御されるので、照度センサの配置の自由度が高まり、かつ周囲の明るさに応じた良好な制御が実現される。
この発明の一つの実施形態では、前記制御装置は、前記LED光源部の駆動状態に基づいて、当該LED光源部が発生する光による前記照度センサの出力信号への寄与分である自発光照度を演算する自発光照度演算手段と、前記照度センサの出力信号から前記自発光照度を減じた周囲光照度が所定のしきい値以下ならば前記LED光源部を点灯し、前記周囲光照度が前記しきい値を超えていれば前記LED光源部を消灯するオン/オフ制御手段とを含む(請求項3)。LED光源部の駆動状態と自発光照度とには相関関係がある。したがって、LED光源部の駆動状態に基づいて自発光照度を演算できる。この演算された自発光照度を用いることにより、周囲光照度を適切に評価できる。すなわち、照度センサの出力信号から自発光照度を減じた周囲光照度をしきい値と比較し、その比較結果を用いることによって、LED光源部を適切にオン/オフできる。
【0007】
前記制御装置は、前記周囲光照度が前記しきい値以下のときに、当該周囲光照度に応じた電力で前記LED光源部を駆動する照度適応駆動手段をさらに含むことが好ましい(請求項4)。この構成により、周囲光照度に応じてLED光源部を適切に駆動できる。すなわち、周囲光照度が高いほど、LED光源部の駆動電力を低くすることにより、LED光源部を適切な発光状態とすることができ、かつ省エネルギーにも貢献できる。
【0008】
この発明の別の実施形態では、前記制御装置は、前記照度センサの出力信号を記憶する記憶手段と、前記照度センサの出力信号と前記記憶手段の記憶値とを比較する比較手段と、前記比較手段の比較結果に応じて前記LED光源部を点灯/消灯するオン/オフ制御手段とを含む(請求項5)。たとえば、周囲光照度が零の状態(すなわち外光のない状態)でLED光源部を点灯させれば、照度センサの出力は自発光照度を表すことになる。そこで、このような照度センサの出力を記憶手段に記憶させることによって、自発光照度を記憶手段に記憶させることができる。
【0009】
前記記憶手段は、前記LED光源部が予め定める点灯状態のときの前記照度センサの出力信号を記憶するように構成されていてもよい(請求項6)。これにより、当該点灯状態のときの自発光照度を記憶手段に記憶させることができる。よって、当該点灯状態でLED光源部を駆動しているときに、記憶手段の記憶値を参照することによって、照度センサの出力から周囲光照度を正しく見積もることができる。
【0010】
前記LEDランプは、前記記憶手段に前記照度センサの出力信号を書き込むために操作者によって操作される書き込み指示手段をさらに含むことが好ましく、この場合に、前記制御装置は、前記書き込み指示手段の操作に応答して前記照度センサの出力信号を前記記憶手段に書き込む書き込み手段をさらに含むことが好ましい(請求項7)。これにより、照度センサの出力信号を確実に記憶手段に書き込むことができる。
【0011】
この発明の一つの実施形態では、前記書き込み指示手段が、前記LED光源部を予め定める状態で点灯させるための点灯指示手段を含み、前記制御装置が、前記記憶手段に前記照度センサの出力信号が書き込み済みであるときには前記書き込み手段による書き込み動作を禁止し、前記記憶手段に前記照度センサの出力信号が書き込み済みでないときには、前記書き込み手段による書き込み動作を許容する書き込み制御手段をさらに含む(請求項8)。この構成によれば、予め定める状態でLED光源部を点灯させると、そのときの照度センサの出力信号を自発光照度として記憶手段に書き込むことができる。この書き込みが一旦行われると、その後は、記憶手段への書き込みが禁止される。したがって、外光のない適切な環境下でLED光源部を予め定める状態で最初に点灯させることにより、正確な自発光照度を記憶手段に簡単に書き込むことができる。
【0012】
前記LEDランプは、前記書き込み手段による書き込み動作の禁止を解除するために操作者によって操作される禁止解除操作手段をさらに含み、前記書き込み制御手段は、前記禁止解除操作手段の操作に応答して、前記書き込み手段による一回の書き込み動作を許容するように構成されていることが好ましい(請求項9)。この構成により、禁止解除操作手段を操作することによって記憶手段への書き込み禁止が解除されるので、たとえば、記憶手段に不適切な値が書き込まれた場合には、その値を修正できる。
【0013】
前記比較手段は、前記照度センサの出力信号から前記記憶手段の記憶値を減じた周囲光照度が所定のしきい値以下かどうかを判定する手段を含むことが好ましく、この場合に、前記オン/オフ制御手段は、前記周囲光照度が前記しきい値以下ならば前記LED光源部を点灯し、前記周囲光照度が前記しきい値を超えていれば前記LED光源部を消灯するように構成されていることが好ましい(請求項10)。記憶手段に自発光照度が正しく書き込まれていれば、照度センサの出力信号から記憶手段の記憶値を減じた値は周囲光照度を正しく表している。その正確な周囲光照度を用いることによって、LED光源部を、周囲の明るさに応じて適切にオン/オフできる。
【0014】
この発明のさらに別の実施形態では、前記制御装置は、前記LED光源部をPWM(パルス幅変調)制御するPWM制御手段と、前記PWM制御手段によって前記LED光源部がPWM制御されているときに、PWM周期中において前記LED光源部への電力供給が遮断されるオフ期間中に前記照度センサの出力信号を周囲光照度としてサンプリングするサンプリング手段とを含み、前記サンプリング手段によってサンプリングされた周囲光照度に応じて前記LED光源部を制御するように構成されている(請求項11)。LED光源部は、PWM周期中のオン期間には点灯し、オフ期間には消灯している。したがって、PWM周期中のオフ期間に照度センサの出力信号をサンプリングすると、このサンプリングされた信号は、周囲光照度を正確に表している。そこで、その正確な周囲光照度を用いることによって、LED光源部を周囲の明るさに応じて適切に制御できる。
【0015】
前記制御装置は、前記サンプリング手段によってサンプリングされた周囲光照度に基づいて前記PWM制御におけるデューティ比を設定するデューティ比設定手段をさらに含むことが好ましい(請求項12)。この構成により、周囲光の照度に応じた電力でLED光源部が適切に駆動される。
この発明の一実施形態では、前記LEDランプは、予め定める感度領域を有する人感センサをさらに含み、前記制御装置は、前記人感センサの出力信号に応じて前記LED光源部を制御するように構成されている(請求項13)。この構成により、感度領域への人の立ち入りの有無に応じてLED光源部を駆動できる。そして、人感センサがLEDランプに内蔵されているので、照明器具に人感センサが備えられていない場合でも、人感機能を有する照明装置を提供できる。
【0016】
前記制御装置は、前記人感センサによって人が検出されたことに応答して、前記LED光源部の駆動電力を増加するように構成されていることが好ましい(請求項14)。この構成により、感度領域に人が立ち入ると、LED光源部の発光光量が多くなる。これにより、必要時に限ってLED光源部から必要光量の光が発せられるので、省エネルギー性を高めることができる。
【0017】
この発明の一実施形態では、LEDランプは、予め定める温度検知対象域に存在する対象の温度を非接触で検出する非接触温度センサをさらに含み、前記制御装置は、前記非接触温度センサによって検出される温度に応じて前記LED光源部を制御するように構成されている(請求項15)。人感センサは、人の動きに応答するのに対して、非接触温度センサは対象の温度を非接触で検出するので、温度検知対象域で静止している人を検出できる。したがって、温度検知対象域に静止した人が居るときに、LED光源部を適切に駆動できる。そして、非接触温度センサがLEDランプに内蔵されているので、照明器具に非接触温度センサが備えられていない場合でも、静止人体感知機能を有する照明装置を提供できる。
【0018】
この発明の一実施形態では、前記人感センサは、焦電型赤外センサを含み、前記LEDランプは、前記焦電型赤外センサの受光面への赤外線入射経路を開閉(たとえば周期的に遮断)するシャッタユニットをさらに含む(請求項16)。焦電型赤外センサの感度領域内に人がいるとき、シャッタユニットによって赤外線入射経路を開閉(たとえば周期的に遮断)すると、たとえその人が静止しているときでも、焦電型赤外センサは、焦電効果による信号を出力する。感度領域内に人がいなければ、赤外線入射経路が開閉されても焦電型赤外センサの出力に有意な変化があらわれない。こうして、温度センサに比較して格段に安価な焦電型赤外センサを用いて、静止人体感知機能を提供できる。しかも、人感センサに備えられた焦電型赤外センサを静止人体感知のために兼用できるので、LEDランプのコストを効果的に低減できる。
【0019】
また、この発明の一実施形態では、前記LEDランプは、予め定める感度領域を有する焦電型赤外センサと、前記焦電型赤外センサの受光面への赤外線入射経路を開閉(たとえば周期的に遮断)するシャッタユニットとをさらに含み、前記制御装置は、前記焦電型赤外センサの出力信号に基づいて前記感度領域内の人の有無を判断し、その判断結果に応じて前記LED光源部を制御するように構成されている(請求項17)。この構成によっても、同様の原理によって、温度センサを用いることなく、静止人体検知機能を提供できる。また、人感センサとは別に焦電型赤外センサを設けているので、焦電型赤外センサと人感センサとの感度領域を個別に設定できる。これにより、静止した人の有無をより適切に検知し、その検知結果に応じてLED光源部を適切に制御できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は、この発明の第1構成例における一実施形態に係るLEDランプの斜視図であり、通常の使用状態における下方を上向きにして表してある。
【図2】図2は、LEDランプの内部構造を示す縦断面図であり、通常の使用状態における鉛直断面を示す。
【図3】図3は、LEDランプ1の内部構造を示す底面図(図1の姿勢のLEDランプを上方から見た図)である。
【図4】図4は、人感センサモジュールの感度領域を図解的に示す図である。
【図5】図5は、LEDモジュールの構成例を示す断面図である。
【図6】図6Aおよび図6Bは、人感センサモジュールの検知エリアを説明するための図解的な正面図であり、照明器具にLEDランプを取り付けた状態を示す。
【図7】図7は、LEDランプの電気的構成を説明するためのブロック図である。
【図8】図8は、LEDランプに備えられたマイクロコンピュータの制御内容の一例を示すフローチャートであり、所定の制御周期毎に繰り返される処理が示されている。
【図9】図9は、待機点灯モード(図8のステップS6)におけるマイクロコンピュータの制御動作を説明するためのフローチャートである。
【図10】図10は、この発明の第1構成例における第2の実施形態に係るLEDランプの電気的構成を説明するためのブロック図である。
【図11】図11は、マイクロコンピュータによる制御動作例を説明するためのフローチャートであり、所定の制御周期毎に繰り返される処理が示されている。
【図12】図12は、この発明の第1構成例における第3の実施形態を説明するための図であり、図9に示した待機点灯モードの代わりに適用することができる待機点灯モードの動作を示すフローチャートである。
【図13】図13は、待機点灯モードにおいて照度センサモジュールの出力信号をサンプリングするタイミングを説明するための図解的なタイムチャートである。
【図14】図14は、この発明の第1構成例における第4の実施形態に係るLEDランプの構成を説明するための断面図である。
【図15】図15は、この発明の第1構成例における第5の実施形態に係るLEDランプを示す斜視図である。
【図16】図16は、この発明の第1構成例における第6の実施形態に係るLEDランプを示す斜視図である。
【図17】図17は、この発明の第1構成例における第7の実施形態に係るLEDランプの構成の一部を示す断面図である。
【図18】図18は、人感センサモジュールの他の構成例を示す斜視図である。
【図19】図19は、人感センサモジュールのさらに他の構成例を示す斜視図である。
【図20】図20は、この発明の第1構成例における第8の実施形態に係るLEDランプの構成を説明するための斜視図である。
【図21】図21は、この発明の第1構成例における第9の実施形態に係るLEDランプの電気的構成を説明するためのブロック図である。
【図22】図22は、人感センサモジュールに備えられた焦電型赤外センサとシャッタユニットとの位置関係を説明するための図である。
【図23】図23は、焦電型赤外センサおよびシャッタユニットによって静止した人体を検知する原理を説明するための図である。
【図24】図24は、マイクロコンピュータの制御内容の一例を示すフローチャートであり、所定の制御周期毎に繰り返される処理が示されている。
【図25】図25は、この発明の第1構成例における第10の実施形態に係るLEDランプの電気的構成を説明するためのブロック図である。
【図26】図26は、本発明の第2構成例に係るLEDランプの一例を示す断面図である。
【図27】図27は、図26のLEDランプに用いられるLEDモジュールを示す断面図である。
【図28】図28は、図26のLEDランプを示すシステム構成図である。
【図29】図29は、図26のLEDランプの通常点灯モードにおける点灯制御を示すフローチャートである。
【図30】図30は、図26のLEDランプの常夜点灯モードにおける点灯制御を示すフローチャートである。
【図31】図31は、図26のLEDランプの使用状態を示す概略側面図である。
【図32】図32は、図26のLEDランプの点灯状態を示す概略側面図である。
【図33】図33は、図26のLEDランプの点灯状態が継続された場合を示す概略側面図である。
【図34】図34は、図26のLEDランプの点灯状態が継続された場合を示す概略側面図である。
【図35】図35は、図26のLEDランプの常夜点灯モードにおける点灯状態を示す概略側面図である。
【図36】図36は、図26のLEDランプの常夜点灯モードにおける消灯状態を示す概略側面図である。
【図37】図37は、本発明に係るLEDランプの変形例の通常点灯モードにおける点灯制御を示すフローチャートである。
【図38】図38は、従来のLEDランプの一例の使用状態を示す概略側面図である。
【図39】図39は、本発明の第3構成例における第1実施形態に基づく人感センサ付LEDランプを天井に設置した状態を示す図である。
【図40】図40は、図39に示す人感センサ付LEDランプの一方の端部を示す斜視図である。
【図41】図41は、図39に示す人感センサ付LEDランプの他方の端部を示す斜視図である。
【図42】図42は、図39に示す人感センサ付LEDランプの内部を示す要部平面図である。
【図43】図43は、図39に示す人感センサ付LEDランプの人感センサを示す平面図である。
【図44】図44は、図43のVI−VI線に沿う断面図である。
【図45】図45は、図43に示す人感センサの底面図である。
【図46】図46は、図39に示す人感センサ付LEDランプの第1の使用状態を示す図である。
【図47】図47は、図46の要部拡大図である。
【図48】図48は、図46に示す状態から検出範囲を変更した後の図である。
【図49】図49は、図48の要部拡大図である。
【図50】図50は、図39に示す人感センサ付LEDランプの第2の使用状態を示す図である。
【図51】図51は、図50の要部拡大図である。
【図52】図52は、図50に示す状態から検出範囲を変更した後の図である。
【図53】図53は、図52の要部拡大図である。
【図54】図54は、本発明の第3構成例における第2実施形態に基づく人感センサ付LEDランプの他方の端部を示す斜視図である。
【図55】図55は、図54に示す人感センサ付LEDランプの一方の端部を示す図である。
【図56】図56は、図55に示す第1の可動部が回転した後の状態を示す図である。
【図57】図57は、本発明の第3構成例における第3実施形態に基づく人感センサ付LEDランプを天井に埋め込むように設置した状態を示す図である。
【図58】図58は、図57に示す人感センサ付LEDランプの使用例を示す図である。
【図59】図59は、本発明の第3構成例における第4実施形態に基づく人感センサ付LEDランプの斜視図である。
【図60】図60は、図59に示す人感センサ付LEDランプの使用状態を示す図である。
【図61】図61は、本発明の第3構成例における第5実施形態に基づく人感センサ付LEDランプを示す図である。
【図62】図62は、従来の人感センサ付LEDランプの斜視分解図である。
【図63】図63は、従来の人感センサ付LEDランプの使用状況を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
[1]第1構成例
図1は、この発明の一実施形態に係るLEDランプ1の斜視図であり、通常の使用状態における下方を上向きにして表してある。また、図2は、LEDランプ1の内部構造を示す縦断面図であり、通常の使用状態における鉛直断面を示す。さらに、図3は、LEDランプ1の内部構造を示す底面図(図1の姿勢のLEDランプ1を上方から見た図)である。
【0022】
このLEDランプ1は、直管型蛍光ランプの代替として、蛍光ランプ照明器具に取り付けて用いることができる。たとえば、天井に取り付けられた照明器具にLEDランプ1を装着する場合、図1に上方に示した部分が下方を向くことになる。LEDランプ1は、LED光源部2と、支持部材3と、ケース4と、一対のキャップ5と、一対の口金6とを備えている。ケース4には、人感センサモジュール11と、照度センサモジュール12と、温度センサモジュール13とが保持されている。なお、図2および図3では、照度センサモジュール12および温度センサモジュール13の図示は省略した。
【0023】
LED光源部2は、基板7と、複数のLEDモジュール8とを含む。基板7は、長尺な矩形形状を有する配線基板であり、たとえばガラスエポキシ樹脂等の樹脂基板に配線パターンを形成して構成されている。この基板7の表面に、基板7の長手方向に沿って、複数のLEDモジュール8が一列に配列されている。むろん、複数のLEDモジュール8は、基板7上に複数列に配列されていてもよい。こうして、LED光源部2は、基板7の長手方向に長尺な面状の発光域9(図3参照)を有している。発光域9は、基板7の長手方向中間位置に中心9aを有している。LED光源部2は、発光域9の中心から基板7の法線方向に延びる照明中心軸35を中心とした照明領域に向けて光を放射する。
【0024】
支持部材3は、たとえば、アルミニウム等の高熱伝導性材料(基板7よりも熱伝導率の高い材料)からなり、基板7の長手方向に沿って延びる細長い中空ブロック形状を有している。より具体的には、支持部材3は、長手方向に直交する断面が中空の半円形状を有しており、ケース4の内周面に整合する円筒面3aと、基板7に対向する平坦面3bとを有している。この平坦面3bに基板7が取り付けられている。平坦面3bは、基板7の横幅(短手方向の長さ)よりも幅広で、かつ基板7の長さ(長手方向の長さ)よりも長く形成されている。支持部材3は、基板7を支持する働きに加えて、LED光源部2が発生する熱をケース4およびキャップ5に伝熱する伝熱部材(または放熱部材)としての働きをも有している。支持部材3の中空の空間は、LED光源部2を制御および駆動するための回路部品を収納するために利用されてもよい。
【0025】
ケース4は、基板7の長手方向に延びた管状(たとえば円管状)に形成されており、LED光源部2が発生する光を拡散して透過させる。このようなケース4は、ポリカーボネート等の樹脂材料(たとえば押出し成形品)からなっていてもよい。ケース4内の空間には、LED光源部2および支持部材3が収容されている。ケース4は、基板7よりも長く形成されており、支持部材3とほぼ同等の長さを有している。
【0026】
一対のキャップ5は、支持部材3の両端にそれぞれ結合されており、それらの間にケース4を挟持している。キャップ5の外側に口金6が結合されている。口金6は、一対の端子6a,6bを有しており、直管型蛍光ランプ照明器具のソケットに機械的および電気的に接続できるように構成されている。一対のキャップ5には、それぞれ、人感センサモジュール11を取り外し可能に装着することができるコネクタ15が取り付けられている。すなわち、コネクタ15は、キャップ5を介してケース4に取り付けられている。そして、人感センサモジュール11は、コネクタ15およびキャップ5を介して、ケース4に取り付けることができる。
【0027】
ケース4の両端部には、コネクタ15に対応する開口16が下方側(照明対象領域に対向する位置)に形成されている。人感センサモジュール11は、開口16を通ってコネクタ15に結合されて、このコネクタ15に電気的に接続されている。実際の使用時には、一対のコネクタ15のうちのいずれか一方が人感センサモジュール11の接続のために用いられる。すなわち、いずれか一方のコネクタ15に人感センサモジュール11が接続される。未使用のコネクタ15には、開口16に整合し、かつコネクタ15に結合可能なコネクタキャップ17が装着されてもよい。
【0028】
人感センサモジュール11は、たとえば焦電型赤外線センサからなるセンサ本体20と、センサ本体20を保持するモジュールケース21と、モジュールケース21から引き出された端子ピン22とを有している。モジュールケース21は、ケース4の開口16に整合する外形を有しており、端子ピン22はコネクタ15の接続端子位置と整合するように配置されている。センサ本体20は、図4に図解的に示すように、感度中心軸23を中心軸とする円錐形状の感度領域24を有している。感度中心軸23を含む切断面において感度領域24は二等辺三角形を形成し、その二等辺三角形の頂角は80度程度である。人感センサモジュール11は、感度領域24内への人の出入りを検出するモーションセンサとしての働きを有している。
【0029】
照度センサモジュール12および温度センサモジュール13は、たとえば、ケース4の一端部に取り付けられている。これらのセンサモジュール12,13も、人感センサモジュール11と同様に、ケース4の両端部に着脱自在に取り付け可能としてもよい。照度センサモジュール12は、LEDランプ1の周囲の照度を検出する。温度センサモジュール13は、たとえば、サーモパイル(thermopile)を含み、LEDランプ1の近傍に位置する人の体温を非接触で検出する非接触温度センサである。つまり、人感センサモジュール11は感度領域24への人の出入りを検出するのに対して、温度センサモジュール13はLEDランプ1の近傍で静止している人を検知することができる。
【0030】
図5は、LEDモジュール8の構成例を示す断面図である。LEDモジュール8は、LEDチップ27と、封止樹脂28と、リード29A,29Bと、リフレクタ30とを含む。LEDモジュール8は、たとえば、幅が4.0mm、長さが2.0mm、厚さが0.6mm程度であり、小型でかつ薄型に構成されている。
リード29A,29Bはそれぞれ、たとえばCu−Ni合金からなる板状の部材である。リード29A,29Bはそれぞれ、LEDモジュール8を面実装するための実装端子として用いられる。リフレクタ30は、たとえば白色の樹脂からなる。
【0031】
LEDチップ27は、LEDモジュール8の光源であり、たとえば可視光を発光する。LEDチップ27は、たとえば銀ペーストを介してリード29Bに搭載されることにより、リード29Bと電気的に接続されている。また、LEDチップ27は、ワイヤ31を介してリード29Aと電気的に接続されている。リード29A,29Bを介してLEDチップ27に電流を供給することによって、LEDチップ27が発光する。
【0032】
封止樹脂28は、LEDチップ27を保護するためのものである。封止樹脂28は、たとえば、LEDチップ27が発した光に対して透光性を有するエポキシ樹脂からなる。封止樹脂28には、たとえば、LEDチップ27が発した光(たとえば青色光)によって励起されることにより異なる波長の光(たとえば黄色光)を発する蛍光物質(波長変換物質)が混合されていてもよい。たとえば、LEDチップ27からの青色光と、封止樹脂22に含まれる蛍光物質からの黄色光とを混色させた場合、LEDモジュール8は、白色光を発生することができる。
【0033】
図6Aおよび図6Bは、人感センサモジュール11の検知エリアを説明するための図解的な正面図であり、照明器具40にLEDランプ1を取り付けた状態を示す。照明器具40は、LEDランプ1の一対の口金6をそれぞれ保持する一対のソケット41,42を有している。一方のソケット41は、口金6を機械的に保持するとともに、端子6a,6bからLEDランプ1に電力を供給する機能を有している。他方のソケット42は、LEDランプ1に対する電力供給機能はなく、専ら、口金6を機械的に保持する機能を有する。LEDランプ1の一対の口金6は、いずれか一方のみが外部から電力供給を受けて内部の電気回路にその電力を供給するように構成されており、他方は、照明器具40に対する機械的な取り付けのために設けられていて、内部の電気回路への給電機能を有していない。したがって、照明器具40の一方のソケット41と、給電機能を有する口金6とを接続するようにLEDランプ1を照明器具40に取り付けると、図6Aまたは図6Bのいずれかの状態となる。すなわち、照明器具40の取り付け方向によっては、LEDランプ1の長手方向(基板7の長手方向と同じ)に関して、人感センサモジュール11の配置が逆転する。むろん、この配置の逆転は、人感センサモジュール11を一対のコネクタ15のうちの一方から他方へと付け替えることによって解消できる。
【0034】
LEDランプ1の光源部2は、発光域9の中心9aを通る照明中心軸35を中心に広がる照明領域36を有している。照明中心軸35は、基板7の法線方向に沿って延びており、ケース4の長手方向(基板7の長手方向と同じ)と直交している。照明領域36は、LEDランプ1から離れるに従って広がる形状を有しており、照明中心軸35に沿ってLEDランプ1から離れた所定距離範囲(たとえば0.5m〜3m程度)に照明対象領域37が設定されている。この実施形態では、人感センサモジュール11は、その感度中心軸23が照明中心軸35と非平行になるようにケース4に取り付けられている。より具体的には、感度中心軸23は、ケース4の長手方向端部を起点として、照明中心軸35に接近する方向に傾斜している。そして、感度中心軸23と照明中心軸35とは、照明対象領域37内で交差している。図6Aおよび図6Bには、人感センサモジュール11を発光域9の中心9aに配置して、照明中心軸35と感度中心軸23とを一致させた場合の仮想的な感度領域24iが二点鎖線で表されている。この仮想的な感度領域24iの感度中心軸23i(照明中心軸35と実質的に一致)と、実際の感度領域24の感度中心軸23とは、照明対象領域37で交差している。換言すれば、LED光源部2から所定距離離れた位置(照明対象領域37内の位置)において、実際の感度領域24の中心と仮想的な感度領域24iの中心とが一致している。
【0035】
人感センサモジュール11を発光域9の中心9aに配置すると、LEDランプ1は、その点灯時において、長手方向中央に暗部を有することになるから、見栄えが悪く、配光にも影響する。そこで、この実施形態では、人感センサモジュール11をLEDランプ1の長手方向端部に配置することによって、点灯時の見栄えおよび配光の向上を図っている。一方、感度中心軸23を照明中心軸35と平行にすると、照明対象領域37と人感センサモジュール11の感度領域24とがずれてしまい、照明対象領域37の周辺領域にどの方向から人が立ち入るかによって、感知タイミングがばらついてしまう。そこで、この実施形態では、照明対象領域37内で照明中心軸35と感度中心軸23とが交差するように、感度中心軸23を傾斜させて人感センサモジュール11をケース4に取り付けている。これにより、照明対象領域37の周辺領域への人の立ち入りを、タイミングのばらつきを抑制しつつ、良好に検出できる。
【0036】
図7は、LEDランプ1の電気的構成を説明するためのブロック図である。LEDランプ1は、制御装置としてのマイクロコンピュータ50と、マイクロコンピュータ50によって制御されるLEDドライバ51とを有している。口金6の端子6a,6bからの交流電力(たとえば100V)は、AC/DCコンバータ52によって直流電力(たとえば5V)に変換されてマイクロコンピュータ50等に供給される。この電力を受けて、マイクロコンピュータ50、人感センサモジュール11、照度センサモジュール12および温度センサモジュール13が動作する。センサモジュール11,12,13の出力信号は、マイクロコンピュータ50に入力されている。一方、口金6の端子6a,6bからの交流電力は、リレー53を介して、LEDドライバ51に供給されている。
【0037】
LEDドライバ51は、LED光源部2に電力を供給し、LED光源部2に備えられたLEDモジュール8(より具体的にはLEDチップ27)を駆動する。さらに、具体的には、LEDドライバ51は、AC/DCコンバータ55と、駆動回路56とを有している。AC/DCコンバータ55は、口金6の端子6a,6bから供給される交流電力(たとえば100V)を直流電力(たとえば27V)に変換する。駆動回路56は、AC/DCコンバータ55が生成する直流電力のLED光源部2への供給をオン/オフするスイッチング素子を含む。LEDドライバ51は、PWM(パルス幅変調)制御信号の入力を受け付けるPWM入力端子54を有している。このPWM入力端子54には、マイクロコンピュータ50からPWM制御信号が入力される。駆動回路56は、PWM入力端子54に入力されるPWM制御信号に応じて、LED光源部2をオン/オフするように構成されている。よって、PWM制御信号のデューティ比に応じた電力でLED光源部2が駆動されることになる。
【0038】
リレー53は、リレードライバ58によってオン/オフ駆動される。リレードライバ58には、マイクロコンピュータ50からオン/オフ制御信号が入力されている。リレードライバ58は、そのオン/オフ制御信号に応じて、リレー53をオン/オフする。これにより、LED光源部2を点灯/消灯できる。
図8は、マイクロコンピュータ50の制御内容の一例を示すフローチャートであり、所定の制御周期毎に繰り返される処理が示されている。照明器具40の電源スイッチ43(図7参照)がオンされて電源投入されると(ステップS1)、マイクロコンピュータ50は、人感センサモジュール11、照度センサモジュール12および温度センサモジュール13の初期化処理を実行する(ステップS2)。電源未投入のときは、リレー53はオフ状態に保たれている。マイクロコンピュータ50は、電源投入直後は、リレー53をオフ状態に保持してLED光源部2を消灯状態で待機させる(ステップS3)。その状態で、マイクロコンピュータ50は、照度センサモジュール12の出力信号を取り込む(ステップS4)。LED光源部2が消灯状態であるので、照度センサモジュール12の出力信号は、周囲光の照度Aiを表す。マイクロコンピュータ50は、照度センサモジュール12によって検出された周囲光照度Aiと、所定の待機点灯しきい値SBthとを比較する(ステップS5)。周囲光照度Aiが待機点灯しきい値SBthを超えていれば(ステップS5:NO)、マイクロコンピュータ50は、リレー53を引き続きオフ状態として、LED光源部2を消灯状態で待機させる(ステップS3)。
【0039】
周囲光照度Aiが待機点灯しきい値SBth以下となると(ステップS5:YES)、すなわち、周囲が十分に暗くなると、マイクロコンピュータ50は、リレー53をオンさせて、待機点灯モードによる制御を開始する(ステップS6)。待機点灯モードとは、全点灯状態のときにLED光源部2に供給される電力を100%とすると、100%未満の電力(たとえば10%〜30%程度)でLED光源部2を駆動する点灯モードであり、常夜灯モードと言い換えることもできる。より具体的には、マイクロコンピュータ50は、LEDドライバ51に対して、100%未満のデューティ比(たとえば10%〜30%)のPWM制御信号を供給する。
【0040】
さらに、マイクロコンピュータ50は、人感センサモジュール11の出力信号に基づいて、感度領域24(図6Aおよび6B参照)内での人の動きの有無を判定する(ステップS7)。人の動きが検出されなければ(ステップS7:NO)、マイクロコンピュータ50は、待機点灯モードを継続する(ステップS6)。人の動きが検出されると(ステップS7:YES)、マイクロコンピュータ50は、LED光源部2を全点灯させる(ステップS8)。より具体的には、マイクロコンピュータ50は、LEDドライバ51に対して、100%のデューティ比のPWM制御信号(連続点灯信号)を供給する。
【0041】
次に、マイクロコンピュータ50は、温度センサモジュール13の出力信号を取り込み(ステップS9)、温度センサモジュール13の温度検知対象域に存在する対象の温度を検出する。一般的には、温度検知対象域は、人感センサモジュール11の感度領域24よりも狭い範囲の領域である。この温度センサモジュール13の出力信号に基づいて、マイクロコンピュータ50は、LEDランプ1の近くに静止状態の人が存在しているか否かを判断する(ステップS10)。静止状態の人とは、人感センサモジュール11によって検知可能な動きをしていない人を意味し、完全に静止していることを意味しているわけではない。マイクロコンピュータ50は、温度センサモジュール13によって所定温度(たとえば35℃)以上の対象が検知されていれば、LEDランプ1の近くに静止状態の人が存在していると判断する。静止状態の人が検知されると(ステップS10:YES)、マイクロコンピュータ50は、LED光源部2を全点灯状態に保持する(ステップS8)。
【0042】
静止状態の人が検知されなければ(ステップS10:NO)、マイクロコンピュータ50は、内部のタイマをリセットさせ、その計時動作を開始させる(ステップS11)。マイクロコンピュータ50は、さらに、人感センサモジュール11の出力信号を参照し、人の動きが検知されていれば(ステップS12:YES)、ステップS8に戻って、LED光源部2の全点灯状態を維持する。人の動きが検知されないときは(ステップS12:NO)、マイクロコンピュータ50は、タイマカウントを進める(ステップS13)。タイマカウント値は、タイマスタート(静止人体検知なし)からの経過時間を表す。マイクロコンピュータ50は、この経過時間が所定の待機しきい値(たとえば30秒)に達したかどうかを判断する(ステップS14)。経過時間が待機しきい値に達しなければ(ステップS14:NO)、ステップS12からの処理が繰り返される。経過時間が待機しきい値に達すると(ステップS14:YES)、マイクロコンピュータ50は、ステップS3に戻って、リレー53をオフし、LED光源部2を消灯する。ただし、LED光源部2を消灯するのではなく、ステップS6に戻って、LED光源部2を待機点灯状態としてもよい。
【0043】
図9は、待機点灯モード(図8のステップS6)におけるマイクロコンピュータ50の制御動作を説明するためのフローチャートである。マイクロコンピュータ50は、照度センサモジュール12の出力信号を取り込む(ステップS21)。
待機点灯モードでは、照度センサモジュール12は、周囲光のみならず、待機点灯状態で点灯されているLED光源部2が発生する光をも検出する。すなわち、照度センサモジュール12の出力信号は、周囲光照度Aiと、LED光源部2が発生する光による寄与分である自発光照度Siとの重ね合わせになっている。そこで、マイクロコンピュータ50は、LED光源部2の駆動状態に基づいて自発光照度Siを求める(ステップS22。自発光照度演算手段)。より具体的には、マイクロコンピュータ50は、LEDドライバ51に与えているPWM制御信号のデューティ比に基づいて、自発光照度Siを求める。
【0044】
次に、マイクロコンピュータ50は、照度センサモジュール12の出力信号から自発光照度Siを減じた周囲光照度Aiが待機点灯しきい値SBth以下かどうかを判断する(ステップS23)。この判断は、照度センサモジュール12によって検出される照度Di(=Si+Ai)が待機点灯しきい値SBthに自発光照度Siを加えた値(Si+SBth)以下かどうか、すなわち、Di≦Si+SBthかどうかを判断することによって行ってもよい。むろん、照度センサモジュール12によって検出される照度Diから自発光照度Siを減じて周囲光照度Ai(=Di−Si)を求め、この周囲光照度Aiが待機点灯しきい値SBth以下かどうか、すなわち、Di−Si≦SBthかどうかを判断してもよい。
【0045】
周囲光照度Aiが待機点灯しきい値SBth以下のときは(ステップS23:YES)、マイクロコンピュータ50は、その周囲光照度Ai(=Di−Si)に応じたデューティ比を設定し(ステップS24)、そのデューティ比のPWM制御信号をLEDドライバ51に供給する(ステップS25)。これにより、そのデューティ比に応じた電力、すなわち周囲の明るさに応じた電力でLED光源部2が駆動されることになる。その後の処理は、ステップS21に戻る。
【0046】
周囲光照度Aiが待機点灯しきい値SBthを超えているときは(ステップS23:NO)、マイクロコンピュータ50は、待機点灯モードを終了して、LED光源部2を消灯待機状態とする(図8のステップS3)。すなわち、マイクロコンピュータ50は、リレー53をオフして、LED光源部2を消灯させる。
前記ステップS23〜S25およびS3の処理は、マイクロコンピュータ50のオン/オフ制御手段としての働きである。また、ステップS24,S25の処理は、マイクロコンピュータ50の照度適応駆動手段としての働きである。すなわち、マイクロコンピュータ50は、周囲光照度に応じてLED光源部2を駆動するようにプログラムされている。
【0047】
以上のように、この実施形態によれば、LEDランプ1に照度センサモジュール12が備えられている。そのため、照明器具に照度センサが備えられていなくても、周囲の照度に応じてLED光源部2の駆動状態を変化させることができる。そして、照明中心軸35と人感センサモジュール11の感度中心軸23とが非平行であり、人感センサモジュール11をケース4の長手方向端部に配置して点灯時の見栄えをよくしつつ、照明対象領域37の周辺に立ち入る人を良好に検知できるように感度中心軸23が設定されている。これにより、点灯時の見栄えと、良好な人検知機能とを両立したLEDランプを提供できる。
【0048】
また、この実施形態では、LEDランプ1に備えられたコネクタ15に人感センサモジュール11を着脱できるので、人検知機能を任意に付加できる。すなわち、人検知機能のない仕様と、人検知機能のある仕様とに共通に適用可能な設計のLEDランプ1を提供できる。加えて、照明器具の種類や配置に応じて、適切な構造の人感センサモジュール11を選択して使用することもできる。しかも、ケース4の長手方向両端部にそれぞれコネクタ15が備えられているので、人感センサモジュール11をケース4のいずれの端部にでも配置できる。よって、照明器具の配置等の個別の事情に応じて人感センサモジュール11の配置を任意に選択できる。
【0049】
一方、LEDランプ1に照度センサモジュール12が内蔵されているので、LED光源部2が点灯状態のときには、照度センサモジュール12は周囲光照度Aiのみならず自発光照度Siをも検出するおそれがある。そこで、この実施形態では、照度センサモジュール12の出力信号を自発光照度Siの影響を排除して適切に処理し、周囲光照度Aiに応じてLED光源部2を制御するようにしている。これにより、周囲の明るさに応じてLED光源部2を適切に制御できるLEDランプ1を提供できる。しかも、自発光照度Siの影響を排除できるので、照度センサモジュール12を或る程度自由に配置できるので、LEDランプ1の設計が容易になる。
【0050】
また、この実施形態では、LED光源部2の駆動状態(より具体的にはPWM制御信号のデューティ比)に基づいて自発光照度Siが演算されている。これにより、照度センサモジュール12によって検出された検出照度Diに対する自発光照度Siの寄与分を正確に見積もることができる。その結果、周囲光照度Aiを適切に評価できるので、LED光源部2を周囲の明るさに応じて一層適切に駆動することができる。とくに、この実施形態では、待機点灯モードにおいて、周囲光照度Aiに応じたデューティ比が設定されるので、周囲光照度Aが高いほど小さなデューティ比を設定してLED光源部2の駆動電力を低くすることができる。これにより、LED光源部2を周囲の明るさに応じた適切な発光状態とすることができ、かつ省エネルギーにも貢献できる。
【0051】
また、この実施形態では、LEDランプ1は、人感センサモジュール11を備えているので、その感度領域24への人の立ち入りの有無に応じてLED光源部2を駆動できる。具体的には、人感センサモジュール11によって人の動きが検出されると、LED光源部2の駆動電力が増加し、その発光光量が多くなる。これにより、必要時に限ってLED光源部2から必要光量の光が発せられるので、省エネルギー性を高めることができる。そして、LEDランプ1に人感センサモジュール11が内蔵されているので、照明器具に人感センサが備えられていなくても、人感知機能を有する照明装置を提供できる。
【0052】
さらに、この実施形態では、LEDランプ1は、その近傍の温度検知対象域に存在する対象の温度を非接触で検出する温度センサモジュール13を備えていて、この温度センサモジュール13によって、人感センサモジュール11では検知できない静止状態の人体を検知できる。そして、この温度センサモジュール13の出力信号に応じてLED光源部2が制御されるので、温度検知対象域に静止した人が居るときに、LED光源部2が消灯されたり待機点灯状態に移行したりすることがない。また、LEDランプ1に温度センサモジュール13が内蔵されているので、照明器具に温度センサが備えられていなくても、静止人体感知機能を有する照明装置を提供できる。
【0053】
図10は、この発明の第2の実施形態に係るLEDランプの電気的構成を説明するためのブロック図である。LEDランプの構造的な構成は、前述の第1の実施形態とほぼ同様であるので、この実施形態の説明においては、必要に応じて、図1〜図6Bを併せて参照する。また、図10において、前述の図8に示された各部との対応個所は、同一参照符号で示す。
【0054】
この実施形態のLEDランプ101は、モード設定スイッチ60と、リセットスイッチ61と、メモリ62とを備えている。また、この実施形態のLEDランプ101は、温度センサモジュール13を備えていない。
モード設定スイッチ60およびリセットスイッチ61は、LEDランプ101のケース4またはキャップ5に配置されていてもよい。図1には、ケース4に配置されたモード設定スイッチ60およびリセットスイッチ61を二点鎖線で示す。
【0055】
モード設定スイッチ60は、LEDランプ101の動作モードを、通常モードと常夜灯モードとのいずれかに設定するために操作者によって操作されるスイッチである。通常モードとは、人感センサモジュール11によって人が検知されるとLED光源部2が全点灯状態となり、人感センサモジュール11によって一定時間以上人が検知されないときにLED光源部2が消灯状態となる動作モードである。常夜灯モードとは、人感センサモジュール11によって人が検知されるとLED光源部2が全点灯状態となり、人感センサモジュール11によって一定時間以上人が検知されないときにLED光源部2が待機点灯状態となる動作モードである。この実施形態では、待機点灯状態のときには、LED光源部2は、周囲光照度によらずに一定の電力(予め定める一定のデューティ比。100%未満。たとえば30%程度)で駆動される。また、この実施形態では、常夜灯モードにおいて、周囲光照度が所定の待機点灯しきい値を超えると、LED光源部2が消灯状態となる。
【0056】
メモリ62は、待機点灯状態のときの自発光照度を記憶するための記憶手段である。メモリ62は、電源遮断時にも記憶値を保持することができる書き換え可能な不揮発性メモリで構成されていることが好ましい。
リセットスイッチ61は、メモリ62の記憶値を更新するときに操作者によって操作されるスイッチである。
【0057】
図11は、マイクロコンピュータ50による制御動作例を説明するためのフローチャートであり、所定の制御周期毎に繰り返される処理が示されている。照明器具40の電源スイッチ43(図10参照)がオンされて電源投入されると(ステップS31)、マイクロコンピュータ50は、人感センサモジュール11および照度センサモジュール12の初期化処理を実行する(ステップS32)。電源未投入のときは、リレー53はオフ状態に保たれている。マイクロコンピュータ50は、電源投入直後は、リレー53をオフ状態に保持してLED光源部2を消灯状態で待機させる(ステップS33)。その状態で、マイクロコンピュータ50は、モード設定スイッチ60によって設定された動作モードを判定する(ステップS34)。
【0058】
通常モードが設定されているときには、マイクロコンピュータ50は、人感センサモジュール11の出力信号に基づいて、感度領域24(図6Aおよび6B参照)内での人の動きの有無を判定する(ステップS35)。人の動きが検出されなければ(ステップS35:NO)、ステップS33に戻り、マイクロコンピュータ50は、LED2を消灯状態に保持する。人の動きが検出されると(ステップS35:YES)、マイクロコンピュータ50は、LED光源部2を全点灯させる(ステップS36)。より具体的には、マイクロコンピュータ50は、リレー53をオン状態に制御し、さらに、LEDドライバ51に対して100%のデューティ比のPWM制御信号(連続点灯信号)を供給する。
【0059】
さらに、マイクロコンピュータ50は、内部のタイマをリセットさせ、その計時動作を開始させる(ステップS37)。マイクロコンピュータ50は、次に、人感センサモジュール11の出力信号を参照し、人の動きが検知されていれば(ステップS38:YES)、ステップS36に戻って、LED光源部2の全点灯状態を維持する。人の動きが検知されないときは(ステップS38:NO)、マイクロコンピュータ50は、タイマカウントを進める(ステップS39)。タイマカウント値は、タイマスタート(人の動きの検知なし)からの経過時間を表す。マイクロコンピュータ50は、この経過時間が所定の待機しきい値(たとえば30秒)に達したかどうかを判断する(ステップS40)。経過時間が待機しきい値に達しなければ(ステップS40:NO)、ステップS38からの処理が繰り返される。経過時間が待機しきい値に達すると(ステップS40:YES)、マイクロコンピュータ50は、ステップS33に戻って、リレー53をオフし、LED光源部2を消灯する。
【0060】
一方、常夜灯モードと判定(ステップS34)されると、マイクロコンピュータ50は、常夜灯モードでの初回点灯かどうか、すなわち、始めて常夜灯モードで点灯されるのかどうかが判断する(ステップS41)。常夜灯モードでの初回点灯と判断されると(ステップS41:YES)、マイクロコンピュータ50は、リレー53をオンさせ、さらにLED光源部2を待機点灯状態とする(ステップS42)。すなわち、マイクロコンピュータ50は、予め定める待機点灯用デューティ比(たとえば30%程度)を設定し、そのデューティ比のPWM制御信号をLEDドライバ51に供給する。これにより、LED光源部2が待機点灯状態となる。その状態で、マイクロコンピュータ50は、照度センサモジュール12の出力信号を取り込み、自発光照度Siとしてメモリ62に書き込む(ステップS43。書き込み手段)。照度センサモジュール12の出力信号が自発光照度Siに相当するのは、周囲光照度Aiが零の場合である。そこで、LEDランプ101の取扱説明書等には、常夜灯モードでの初回点灯は、外光のない環境で行うべき指示を記載しておく。この指示に従って常夜灯モードでの初回点灯を行うことによって、外光の影響のない自発光照度Siをメモリ62に書き込むことができる。
【0061】
常夜灯モードでの初回点灯か否かの判定(ステップS41)は、メモリ62に自発光照度Siが書込済みか否かの判定と言い換えることもできる。
常夜灯モードでの初回点灯でないと判断されると(ステップS41:NO)、マイクロコンピュータ50は、リセットスイッチ61が操作された後の点灯かどうかを判断する(ステップS44)。リセットスイッチ61の操作後であれば、ステップS42からの動作が行われ、自発光照度Siがメモリ62に書き込まれる(ステップS43)。すなわち、メモリ62の記憶値が更新される。常夜灯モードでの初回点灯を外光のない環境で行うことができなかった場合には、リセットスイッチ61を操作した後に常夜灯モードでの点灯を行うことによって、自発光照度Siの修正を行うことができる。このことも、LEDランプ101の取扱説明書に記載しておけばよい。
【0062】
このように、メモリ62に自発光照度Siが書き込み済みのときは、常夜灯モードを設定して電源投入してもメモリ62への書き込み動作が禁止され、メモリ62に自発光照度Siが書き込み済みでないときには、メモリ62への自発光照度Siの書き込みが許容される。その一方で、メモリ62に自発光照度Siを書き込み済みであって、したがってメモリ62への自発光照度Siの書き込みが禁止されているときでも、リセットスイッチ62を操作することによって、その禁止が解除される。すなわち、リセットスイッチ62は、禁止解除操作手段である。リセットスイッチ62が操作されたときは、メモリ62への自発光照度Siの一回の書き込みが許容される。
【0063】
自発光照度Siがメモリ62に書き込まれた後(ステップS43)、および2回目以降の常夜灯モードでの点灯時にリセットスイッチ61が操作されなかったとき(ステップS44:NO)には、マイクロコンピュータ50は、照度センサモジュール12の出力信号を取り込む。待機点灯状態では、照度センサモジュール12は、周囲光のみならず、待機点灯状態で点灯されているLED光源部2が発生する光をも検出する。すなわち、照度センサモジュール12の出力信号は、周囲光照度Aiと、LED光源部2が発生する光による寄与分である自発光照度Siとの重ね合わせになっている。そこで、マイクロコンピュータ50は、照度センサモジュール12の出力信号から自発光照度Si(メモリ62の記憶値)を減じた周囲光照度Aiが待機点灯しきい値SBth以下かどうかを判断する(ステップS45。比較手段)。この判断は、照度センサモジュール12によって検出される照度Di(=Si+Ai)が待機点灯しきい値SBthに自発光照度Si(メモリ62の記憶値)を加えた値(Si+SBth)以下かどうか、すなわち、Di≦Si+SBthかどうかを判断することによって行ってもよい。むろん、照度センサモジュール12によって検出される照度Diから自発光照度Si(メモリ62の記憶値)を減じて周囲光照度Ai(=Di−Si)を求め、この周囲光照度Aiが待機点灯しきい値SBth以下かどうか、すなわち、Di−Si≦SBthかどうかを判断してもよい。
【0064】
周囲光照度Aiが待機点灯しきい値SBth以下のときは(ステップS45:YES)、マイクロコンピュータ50は、所定の待機点灯用デューティ比(たとえば30%程度)を設定し、そのデューティ比のPWM制御信号をLEDドライバ51に供給する(ステップS46)。これにより、そのデューティ比に応じた電力でLED光源部2が駆動され、LED光源部2は待機点灯状態とされることになる。
【0065】
周囲光照度Aiが待機点灯しきい値SBthを超えているときは(ステップS45:NO)、マイクロコンピュータ50は、LED光源部2を消灯待機状態とする(ステップS33)。すなわち、マイクロコンピュータ50は、リレー53をオフして、LED光源部2を消灯させる。
LED光源部2が消灯状態のときは、照度センサモジュール12は、周囲光照度Aiのみを検出する(つまりDi=Ai)。すなわち、自発光照度Siは零である。このときにも、ステップS45の判断(メモリ62に格納された自発光照度Si(>0)を用いた判断)をそのまま適用しても差し支えないが、メモリ62に記憶された自発光照度Siを用いずに、自発光照度Siを零とみなして、検出照度Diと待機点灯しきい値SBthとをそのまま比較してもよい。
【0066】
LED光源部2が待機点灯状態とされると(ステップS46)、マイクロコンピュータ50は、人感センサモジュール11の出力信号に基づいて、感度領域24(図6Aおよび6B参照)内での人の動きの有無を判定する(ステップS47)。人の動きが検出されなければ(ステップS47:NO)、マイクロコンピュータ50は、ステップS45からの処理を繰り返す。人の動きが検出されると(ステップS47:YES)、マイクロコンピュータ50は、LED光源部2を全点灯させる(ステップS48)。より具体的には、マイクロコンピュータ50は、LEDドライバ51に対して、100%のデューティ比のPWM制御信号(連続点灯信号)を供給する。
【0067】
次に、マイクロコンピュータ50は、内部のタイマをリセットさせ、その計時動作を開始させる(ステップS49)。マイクロコンピュータ50は、さらに、人感センサモジュール11の出力信号を参照し、人の動きが検知されていれば(ステップS50:YES)、ステップS48に戻って、LED光源部2の全点灯状態を維持する。人の動きが検知されないときは(ステップS50:NO)、マイクロコンピュータ50は、タイマカウントを進める(ステップS51)。タイマカウント値は、タイマスタート(人の動き検知なし)からの経過時間を表す。マイクロコンピュータ50は、この経過時間が所定の待機しきい値(たとえば30秒)に達したかどうかを判断する(ステップS52)。経過時間が待機しきい値に達しなければ(ステップS52:NO)、ステップS50からの処理が繰り返される。経過時間が待機しきい値に達すると(ステップS52:YES)、マイクロコンピュータ50は、ステップS45に戻って周囲光照度Aiの判定を行い、周囲光照度Aiが待機点灯しきい値SBth以下であれば、LED光源部2を待機点灯状態とする(ステップS46)。
【0068】
ステップS46,S33の処理は、マイクロコンピュータ50のオン/オフ制御手段としての働きである。すなわち、マイクロコンピュータ50は、人感センサモジュール11や照度センサモジュール12の検知結果に応じてLED光源部2をオン/オフ制御するようにプログラムされている。
また、モード設定スイッチ60は、常夜灯モードまたは通常モードによる点灯を指示する点灯指示手段である。そして、モード設定スイッチ60によって常夜灯モードを設定した状態で電源投入すると、照度センサモジュール12の出力信号が自発光照度Siとしてメモリ62に書き込まれるので、モード設定スイッチ60は、自発光照度Siを書き込ませるための書き込み指示手段としての機能を有している。
【0069】
以上のように、この実施形態によれば、外光のない環境で常夜灯モードでの初回点灯を行うことによって、簡単に、自発光照度Siをメモリ62に書き込むことができる。このメモリ62に書き込まれた自発光照度Siを用いることによって、照度センサモジュール12の出力信号(検出照度Di)に基づく周囲光照度Aiの評価を適切に行うことができる。また、リセットスイッチ61を操作した後に常夜灯モードでLEDランプ1を点灯させることにより、メモリ62の記憶値を書き換えることができる。したがって、常夜灯モードでの初回点灯が外光のある環境で行われた場合でも、その後の操作によって、正確な自発光照度Siをメモリ62に書き込める。
【0070】
図12は、この発明の第3の実施形態を説明するための図であり、前述の図9に示した待機点灯モードの代わりに適用することができる待機点灯モードの動作を示すフローチャートである。この実施形態の説明では、前述の図1〜図8を併せて参照する。
待機点灯モード(図8のステップS6)において、マイクロコンピュータ50は、照度センサモジュール12の出力信号をサンプリングする(ステップS61)。待機点灯モードでは、照度センサモジュール12は、周囲光のみならず、待機点灯状態で点灯されているLED光源部2が発生する光をも検出する。しかし、待機点灯状態では、PWM周期中のオン期間にはLED光源部2は点灯し、そのオフ期間にはLED光源部2は消灯している。そこで、マイクロコンピュータ50は、PWM周期中のオフ期間中に照度センサモジュール12の出力信号をサンプリングする(ステップS61。サンプリング手段)。このサンプリングされた照度センサモジュール12の出力信号は、周囲光照度Aiとして用いることができる。
【0071】
次に、マイクロコンピュータ50は、周囲光照度Ai(ステップS61でサンプリングされた値)が待機点灯しきい値SBth以下かどうかを判断する(ステップS62)。周囲光照度Aiが待機点灯しきい値SBth以下のときは(ステップS62:YES)、マイクロコンピュータ50は、その周囲光照度Aiに応じたデューティ比を設定し(ステップS63。デューティ比設定手段)、そのデューティ比のPWM制御信号をLEDドライバ51に供給する(ステップS64。PWM制御手段)。これにより、そのデューティ比に応じた電力、すなわち周囲の明るさに応じた電力でLED光源部2が駆動されることになる。
【0072】
周囲光照度Aiが待機点灯しきい値SBthを超えているときは、マイクロコンピュータ50は、待機点灯モードを終了して、LED光源部2を消灯待機状態とする(図8のステップS3)。すなわち、マイクロコンピュータ50は、リレー53をオフして、LED光源部2を消灯させる。
なお、周囲光照度Aiに応じてPWM制御信号のデューティ比を可変設定する必要は必ずしもなく、待機点灯状態のときのデューティ比を一定値(たとえば30%程度)に固定してもよい。この場合には、ステップS63の処理を省き、ステップS64において当該一定のデューティ比のPWM制御信号を生成すればよい。
【0073】
図13は、待機点灯モードにおいて照度センサモジュール12の出力信号をサンプリングするタイミングを説明するための図解的なタイムチャートである。マイクロコンピュータ50は、一定のPWM周波数のPWM制御信号を生成する。たとえば、PWM周波数が1kHzのとき、PWM周期は、1ミリ秒である。待機点灯状態では、デューティ比が100%未満に設定されるので、PWM周期中にオン期間とオフ期間とが存在する。LEDドライバ51は、オン期間にLED光源部2に通電し、オフ期間にはLED光源部2への電力供給を遮断する。マイクロコンピュータ50は、PWM周期のオフ期間中(好ましくはその期間の中央付近)のタイミングで、照度センサモジュール12の出力信号をサンプリングする。サンプリングに要する時間はマイクロ秒のオーダーであるので、PWM周期中のオフ期間にそのサンプリングを完了できる。PWM周波数を200Hz以上とすれば、人間の目にはLED光源部2が連続発光しているように見える。したがって、見かけ上の連続点灯状態で待機点灯を行いながら、自発光照度Siの影響を排除して、周囲光照度Aiを検出できる。
【0074】
このように、この実施形態によれば、PWM周期中のオフ期間に照度センサモジュール12の出力信号がサンプリングされるので、自発光照度Siの影響を排除して、正確な周囲光照度Aiを検出できる。そして、その正確な周囲光照度Aiを用いることによって、LED光源部2を周囲の明るさに応じて適切に制御できる。
図14は、この発明の第4の実施形態に係るLEDランプ102の構成を説明するための断面図である。LEDランプ102は、前述のLEDランプ1,101と同様な直管型蛍光ランプと同様の構成を有しており、たとえば、埋め込み型照明器具70に取り付けて用いられる。照明器具70は、たとえば天井71に形成された開口72に嵌め込まれる器具本体73を有している。器具本体73は、天井71の下方に向けて開放した空間74を区画している。この空間74内にLEDランプ102が保持される。器具本体73の内面は、LEDランプ102からの光を下方に向けて反射する反射面として機能する。
【0075】
LEDランプ102には、そのケースの側方部に、人感センサモジュール80に電気的に接続されるコネクタ75が設けられている。人感センサモジュール80は、センサ本体81と、センサ本体81から延びたリード線82と、リード線82の端部に固定されたプラグ83とを含む。プラグ83は、コネクタ75に結合可能に構成されており、リード線82をコネクタ75に電気的に接続する。
【0076】
この構成により、センサ本体81をLEDランプ102のケースから離れた位置に配置でき、たとえば、図14に示すように、器具本体73が区画する空間74の外に配置できる。埋め込み型の照明器具70に、図1等に示したLEDランプ1をそのまま適用すると、人感センサモジュール11の感度領域24が器具本体73と干渉してしまい、実質的な感度領域が狭くなるおそれがある。図14に示した人感センサモジュール80を用いてセンサ本体81をLEDランプ102よりも下方に配置することにより、センサ本体81の感度領域の全部を用いることができる。センサ本体81の感度中心軸をLEDランプ102の照明中心軸と非並行とすることにより、適切な感度領域を設定できる。たとえば、LEDランプ102の照明対象領域と整合する感度領域が得られるように感度中心軸の方向を設定してもよい。
【0077】
なお、図14においては、センサ本体81を器具本体73の外側に配置した例を示したが、器具本体73内(空間74内。たとえば器具本体73の内壁面)に配置してもよい。また、コネクタ75は、LEDランプ102の側方部に配置される必要はなく、下方部または上方部に配置されてもよい。ただし、下方部に配置すると、点灯時にコネクタ75の部分が暗部となるので見映えが悪くなるおそれがあり、上方部に配置するとLEDランプを照明器具70に取り付けた状態では、プラグ83の接続作業が困難になるおそれがある。
【0078】
図15は、この発明の第5の実施形態に係るLEDランプを示す斜視図である。このLEDランプ103は、電球型であり、電球用ソケット85に結合可能な口金86と、ケース87とを有している。ケース87は、円筒部88と、口金86と反対側に形成されたドーム部89とを一体的に有しており、回転対称な形状を有している。ドーム部89の中央付近には、半球状に突出した突出部90が形成されており、この突出部90内に人感センサ91が収納されている。
【0079】
人感センサ91の感度中心軸92は、LEDランプ103の中心軸である照明中心軸95に対して傾斜している。そして、人感センサ91は、感度中心軸92を中心とする円錐形状の感度領域93を有している。
たとえば、LEDランプ103は、部屋96の天井97の角部に配置された電球用ソケット85に取り付けて用いられる。この場合に、照明中心軸95は上下方向に沿うのに対して、感度中心軸92は上下方向に対して傾斜し、たとえば、部屋96の中央に向けられる。これにより、感度領域93が部屋96の中央に向かって広がるので、部屋96に立ち入る人を検知しやすくなる。
【0080】
なお、図1等に示した構成に倣って、ケース87内に人感センサモジュールを着脱自在に取り付けることができるコネクタを設け、このコネクタに対して、人感センサ91を内蔵した人感センサモジュールを任意に接続できるように構成してもよい。
図16は、この発明の第6の実施形態に係るLEDランプを示す斜視図である。このLEDランプ104は、電球型であり、埋め込み型照明器具120に備えられた電球用ソケット121に取り付けられて用いられる。照明器具120は、たとえば天井122に形成された開口123に嵌め込まれる器具本体124を有している。器具本体124は、たとえば下方にフランジを有する円筒状に形成されており、天井122の下方に向けて開放した空間125を区画している。この空間125内にLEDランプ104が保持される。器具本体124の内面は、LEDランプ104からの光を下方に向けて反射する反射面として機能する。
【0081】
LEDランプ104は、電球用ソケット121に結合可能な口金130と、ケース131とを有している。ケース131は、円筒部132と、口金130と反対側に形成されたドーム部133とを一体的に有しており、回転対称な形状を有している。ケース131の側方部(図16の例ではケース13の側面の上端部)には、人感センサモジュール140に電気的に接続されるコネクタ135が設けられている。人感センサモジュール140は、センサ本体141と、センサ本体141から延びたリード線142と、リード線142の端部に固定されたプラグ143とを含む。プラグ143は、コネクタ135に結合可能に構成されており、リード線142をコネクタ135に電気的に接続する。
【0082】
この構成により、センサ本体141をLEDランプ104から離れた位置に配置でき、たとえば、図16に示すように、器具本体124が区画する空間125の外に配置できる。埋め込み型の照明器具120に、図15に示した形態のようなLEDランプをそのまま適用すると、人感センサの感度領域が器具本体124と干渉してしまい、実質的な感度領域が狭くなるおそれがある。そこで、図16に示した人感センサモジュール140を用いてセンサ本体141をLEDランプ104よりも下方に配置することにより、センサ本体141の感度領域の全部を用いることができる。センサ本体141の感度中心軸をLEDランプ104の照明中心軸と非平行とすることにより、適切な感度領域を設定できる。たとえば、LEDランプ104の照明対象領域と整合する感度領域が得られるように感度中心軸の方向を設定してもよい。
【0083】
なお、図16においては、センサ本体141を器具本体124の外側に配置した例を示したが、器具本体124内(たとえば空間125内。たとえば器具本体124の内壁面)に配置してもよい。また、コネクタ135は、LEDランプ104の側方部に配置される必要はなく、下方部または上面に配置されてもよい。ただし、下方部に配置すると、点灯時にコネクタ135の部分が暗部となるので見映えが悪くなるおそれがあり、上面に配置するとLEDランプを照明器具120に取り付けた状態では、プラグ143の接続作業が困難になるおそれがある。
【0084】
図17は、この発明の第7の実施形態に係るLEDランプ105の構成の一部を示す断面図である。この図17において、前述の図2に示された各部に対応する部分は、同一参照符号で示す。このLEDランプ105は、人感センサモジュール150をケース4に対して姿勢変更可能に取り付けるセンサ取り付け構造151が備えられている。センサ取り付け構造151は、キャップ5と、キャップ5に結合されるモジュール保持部材152と、人感センサモジュール150のモジュールケース153とを含む。人感センサモジュール150は、モジュールケース153と、モジュールケース153に収容されたセンサ本体154とを含む。モジュールケース153は、球状に形成されており、球面状の外表面155を有している。
【0085】
モジュール保持部材152は、キャップ5に対して、ボルト158等の固定手段を用いて、内面側から固定されている。キャップ5およびモジュール保持部材152は、それぞれ部分球面156,157を有している。これらの部分球面156,157は、モジュールケース153の外表面155と等しい曲率の部分球面である。そして、モジュール保持部材152をキャップ5に結合したときに、部分球面156,157が連続し、それらは半球面よりも若干大きな部分球面を形成する。この部分球面が区画する空間にモジュールケース153が保持されている。したがって、モジュールケース153は、キャップ5およびモジュール保持部材152によって保持された状態で、その姿勢を変化させることができる。この姿勢変化に伴って、センサ本体154の感度中心軸159の方向が変化し、それに応じて感度領域が変化することになる。したがって、使用者は、LEDランプ105の取り付け位置や使用状況に応じて、適切な方向に感度中心軸159を向けることができる。すなわち、人感センサモジュール150の感度中心軸159は、ケース4の長手方向だけでなく、それに直交する方向も含めて、任意の方向に向けることができる。
【0086】
図18に示すように、球状のモジュールケース153を回転可能に保持する保持ケース175を含めて人感センサモジュール170を構成し、このような人感センサモジュール170をケース4またはキャップ5に取り付けるようにしてもよい。さらには、図19に示すように、センサ本体154と電気的に接続された端子ピン172を保持ケース175に植設した人感センサモジュール180を構成することもできる。このような人感センサモジュール180は、図1等に示した人感センサモジュール11に代えて用いることができる。これにより、図1等のLEDランプ1において、人感センサの感度中心軸の方向を一層自由に設定できる。
【0087】
図20は、この発明の第8の実施形態に係るLEDランプの構成を説明するための斜視図である。図20において、図15に示された各部に対応する部分は同一参照符号で示す。
このLEDランプ106は、ケース131のドーム部133の頂部に対して人感センサモジュール160を回転可能に取り付けるセンサ取り付け構造165を有している。人感センサモジュール160は、モジュールケース161と、モジュールケース161内に収容されたセンサ本体162とを有している。人感センサモジュール160をセンサ取り付け構造165を介してケース131に取り付けた状態において、センサ本体162の感度中心軸163は、LEDランプ106の照明中心軸166に対して傾斜している。換言すれば、感度中心軸163がそのような方向に沿うように、センサ本体162がモジュールケース161に固定されている。センサ取り付け構造165は、照明中心軸166を中心に回転可能な状態で人感センサモジュール160をケース131に取り付ける。これにより、使用者は、LEDランプ106の取り付け位置や使用状況に応じて、適切な方向に感度中心軸163を向けて、適切な感度領域164を設定することができる。
【0088】
なお、図17の実施形態と同様に、モジュールケース161を球状に形成するとともに、センサ取り付け構造165によって、モジュールケース161を任意の方向に回転可能にケース131に取り付けてもよい。これにより、人感センサモジュール160の感度中心軸163を任意の方向に向けることができる。また、前述の図18に示したような人感センサモジュール170をケース131に取り付けてもよい。さらには、ケース131内に人感センサモジュールを着脱自在に取り付けることができるコネクタを設け、このコネクタに対して、前述の図19に示したような人感センサモジュール180を任意に接続するようにしてもよい。
【0089】
図21は、この発明の第9の実施形態に係るLEDランプの電気的構成を説明するためのブロック図である。この図21において、図7に示された各部に対応する部分は、同一参照符号で示す。また、この実施形態の説明においては、必要に応じて、図1−図6および図9を参照することとし、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
このLEDランプ107は、人感センサモジュール11への赤外線入射経路を開閉するシャッタユニット200を備えている。マイクロコンピュータ50は、シャッタユニット200を駆動して人感センサモジュール11への赤外線入射経路を開閉(たとえば周期的に遮断)したときの人感センサモジュール11の出力信号に基づいて、LEDランプ107の近傍における静止した人の有無を判断するようにプログラムされている。また、この実施形態では、温度センサモジュール13(図7等参照)は、設けられていない。
【0090】
図22は、人感センサモジュール11とシャッタユニット20との位置関係を説明するための図である。人感センサモジュール11のセンサ本体20は、焦電型赤外センサ201と、フレネルレンズ202とを含む。焦電型赤外センサ201は、感度中心軸23に向けられた受光面203を有している。フレネルレンズ202は、受光面203を覆うドーム形状(半球形状)に形成されている。フレネルレンズ202は、焦電型赤外センサ201の検出視野にムラを与える。すなわち、フレネルレンズ202による集光作用のために、焦電型赤外センサ201は、斜線を付して示す検知可能領域205に位置する放射体(人体)から放射される赤外線のみが検知可能であり、検知可能領域205外の領域は、赤外線の放射を検知できない検知不能領域206である。人体等の赤外線放射体が検知可能領域205と検知不能領域206との間を跨いで移動すると、受光面203に温度変化が生じる。そのため、焦電効果(パイロ電子効果)による起電力が焦電型赤外センサ201に発生し、それに応じた信号が出力される。したがって、感度中心軸23を中心とする感度領域24内で人が移動すると、人感センサモジュール11の出力信号が変化する。これにより、感度領域24への人の立ち入り、および感度領域24内での人の移動を検知できる。
【0091】
感度領域24内で人が静止しているときは、焦電型赤外センサ201の受光面203への赤外線入射状態が変化しないから、受光面203に温度変化が生じないので、焦電型赤外センサ201は焦電効果による起電力を生じない。
そこで、この実施形態では、静止した人体を検知するために、感度中心軸23を中心とする受光面203の前方(この実施形態ではフレネルレンズ202の直前方)の領域にシャッタユニット200が配置されている。より具体的には、受光面203と照明対象領域37と受光面203との間の赤外線入射経路にシャッタユニット200が配置されている。シャッタユニット200は、液晶シャッタユニットであってもよい。この場合、液晶シャッタユニットを透光状態(赤外線を透過させる状態)とすることによって、焦電型赤外センサ201の受光面203に感度領域24内の放射体からの赤外線が入射する。また、液晶シャッタユニットを遮光状態(赤外線を遮断する状態)とすることによって、焦電型赤外センサ201の受光面203には赤外線が入射しなくなる。また、シャッタユニット200は、赤外線入射経路を機械的に遮断するユニットであってもよい。機械的なシャッタユニットとしては、シャッタ板を電動モータによって回転させる構成を例示できる。シャッタ板には、たとえば、透光部(赤外線を透過させる部分)と遮光部(赤外線を遮断する部分)とが回転方向に関して交互に形成されている。電動モータは、感度中心軸23からずれた位置において感度中心軸23と平行に設定した回転軸線まわりにシャッタ板を回転させる。したがって、シャッタ板の回転によって、透光部と遮光部とが焦電型赤外センサ201の受光面203の前方に交互に位置する。よって、シャッタ板の回転位置を制御することにより、感度領域24内の放射体からの赤外線が受光面203に入射する状態と、当該赤外線が受光面203に入射しない状態とを切り換えることができる。以下、感度領域24内の放射体からの赤外線を受光面203へと透過させるシャッタユニット200の状態を「開状態」などといい、当該赤外線の受光面203への入射経路を遮るシャッタユニット200の状態を「閉状態」などという。
【0092】
図23は、焦電型赤外センサ201およびシャッタユニット200によって静止した人体を検知する原理を説明するための図である。図23(a)に示すように、マイクロコンピュータ50は、シャッタユニット200を開閉させ、焦電型赤外センサ201の受光面203への赤外線入射経路をたとえば周期的に遮断する。開閉の周期は、数ミリ秒程度であってもよい。感度領域24内に放射体としての人が存在しているとき、シャッタユニット200が閉状態から開状態に切り換わると、焦電型赤外センサ201の受光面203において温度変化が生じ、焦電効果による起電力が生じる。また、シャッタユニット200が開状態から閉状態に切り換わるときも、焦電型赤外センサ201の受光面203において温度変化が生じ、焦電効果による起電力が生じる。よって、図23(b)に示すように、焦電型赤外センサ201は、交流信号を出力する。これに対して、感度領域24内に放射体としての人が存在していないときは、シャッタユニット200を開閉しても、焦電型赤外センサ201の受光面203に対する赤外線入射状態は変化しない。そのため、焦電型赤外センサ201の出力信号は、図23(c)に示すように、実質的な変化のない状態となる。このようにして、シャッタユニット200を開閉駆動することによって、焦電型赤外センサ201(人感センサモジュール11)を用いて、静止した人の有無を検知できる。
【0093】
図24は、マイクロコンピュータ50の制御内容の一例を示すフローチャートであり、所定の制御周期毎に繰り返される処理が示されている。図24において、図8に示した各ステップと同様の処理ステップは、同一参照符号で示す。
この実施形態では、感度領域24内での人の動きが検出されて(ステップS7:YES)、LED光源部2が全点灯されると(ステップS8)、マイクロコンピュータ50は、シャッタユニット200の開閉駆動を開始する(ステップS71)。それ以前の期間には、マイクロコンピュータ50は、シャッタユニット200を開状態に制御している。
【0094】
マイクロコンピュータ50は、シャッタユニット200を開閉駆動している状態で(ステップS71)、人感センサモジュール11(焦電型赤外センサ201)の出力信号を監視し、その出力信号に基づいて、LEDランプ107の近くに静止状態の人が存在しているか否かを判断する(ステップS72)。すなわち、図23(b)に示すような交流波形が検出されれば、マイクロコンピュータ50は、LEDランプ107の近くに人が存在していると判断する。一方、図23(c)に示すように、人感センサモジュール11の出力信号に有意な変化がなければ、マイクロコンピュータ50は、LEDランプ107の近くに人が存在していないと判断する。
【0095】
静止状態の人が検知されると(ステップS72:YES)、マイクロコンピュータ50は、LED光源部2を全点灯状態に保持し(ステップS8)、シャッタユニット200の駆動を継続する(ステップS71)。静止状態の人が検知されなければ(ステップS72:NO)、マイクロコンピュータ50は、シャッタユニット200の開閉駆動を停止して開状態に制御する(ステップS73)。さらに、マイクロコンピュータ50は、内部のタイマをリセットさせ、その計時動作を開始させる(ステップS11)。この後の制御動作は、前述の第1の実施形態の場合と同様である。
【0096】
このように、この実施形態によれば、第1の実施形態において備えられているような温度センサモジュール13を備えることなく、静止状態の人の有無を検知できる。これにより、より簡単で安価な構成で、人の動きのみならず静止状態の人の有無を検知して、点灯状態を適切に制御できるLEDランプ107を提供できる。サーモパイル等の温度センサは高価であるので、このような高価な温度センサを備えないことによって、顕著なコスト削減効果が達成される。
【0097】
図25は、この発明の第10の実施形態に係るLEDランプ108の電気的構成を説明するためのブロック図である。図25において、図21に示された各部に対応する部分は、同一参照符号で示す。また、以下では、第9の実施形態との相違点を中心に説明する。
この実施形態では、人感センサモジュール11とは別に、焦電型赤外センサ210が設けられている。シャッタユニット200は、焦電型赤外センサ210の受光面に対する赤外線入射経路を開閉するように配置されている。焦電型赤外センサ210は、たとえば、人感センサモジュール11の感度領域24と同様の感度領域を有するように構成されてもよいし、感度領域24の中央付近のより狭い領域を感度領域とするように構成されていてもよい。また、焦電型赤外センサ210は、その受光面と感度領域との間にフレネルレンズを有している必要はない。シャッタユニット200は、焦電型赤外センサ210の受光面とその感度領域との間の赤外線入射経路に配置されている。より具体的には、シャッタユニット200は、焦電型赤外センサ210の受光面の直前方に配置されればよい。
【0098】
マイクロコンピュータ50は、人感センサモジュール11の出力信号に基づいて、感度領域24への人の立ち入りおよび感度領域24内での人の動きを検出する。一方、マイクロコンピュータ50は、シャッタユニット200を駆動して焦電型赤外センサ210の受光面への赤外線入射経路を開閉(たとえば周期的に遮断)し、そのときの焦電型赤外センサ210の出力信号に基づいて、LEDランプ108の近傍に静止した人が存在しているか否かを判断する。この判断の詳細は、第9の実施形態に関連して図23および図24を参照して説明した判断と同様である。むろん、図24のフローチャートの処理において、ステップS72での判断は、焦電型赤外センサ210の出力信号に基づいて行われることになる。なお、この実施形態では、マイクロコンピュータ50は、シャッタユニット200を常時開閉駆動していてもよいし、感度領域24への人の立ち入りまたは感度領域24内での人の動きが検知されたときにだけ、シャッタユニット200を開閉駆動してもよい(ステップS71)。
【0099】
このように、この実施形態では、人感センサモジュール11とは別に焦電型赤外センサ210を設けているけれども、焦電型赤外センサ210はサーモパイル等の温度センサに比較すると格段に安価であるので、第1の実施形態の場合よりもLEDランプ108の生産コストを安くできる。しかも、人感センサモジュール11の感度領域24とは独立に焦電型赤外センサ210の感度領域を設定することも可能であるから、静止した人の存在をより適切に検知することができる。
【0100】
以上、この発明の実施形態について説明してきたが、この発明は、さらに他の形態で実施することもできる。たとえば、図1等には、人感センサモジュールが着脱可能な構成を示したが、人感センサがLEDランプに固定的に取り付けられていてもよい。また、図1等には、直管型のLEDランプの両端部に人感センサモジュールを配置可能な構成を示したが、一端部にのみ人感センサモジュールのためのコネクタが設けられていてもよい。さらに、図1等には、人感センサモジュールの感度中心軸がLEDランプの照明対象領域の中央に向けられた例を示したが、感度中心軸とLEDランプの照明中心軸とが平行とされていてもよい。
【0101】
さらに、前述の第1および第3の実施形態では、人感センサ、照度センサおよび温度センサが備えられた例を示したが、温度センサおよびそれに関連する構成および処理を省いてもよいし、人感センサおよびそれに関連する構成および処理を省いてもよい。第2の実施形態においても同様であり、人感センサおよびそれに関連する処理を省いてもよいし、第1の実施形態に倣って温度センサおよびそれに関連する構成を追加してもよい。
【0102】
また、前述の実施形態では、人感センサによって人の動きが検知されると、LED光源部が全点灯状態とされる例を示したが、100%未満の駆動電力(ただし待機点灯状態よりも大電力)での点灯状態とされてもよく、たとえば、周囲照度に応じた点灯状態としてもよい。
さらに、前述の図22には、フレネルレンズ202の前方(焦電型赤外センサ201の受光面203とは反対側)にシャッタユニット200を配置した構成を示したが、シャッタユニット200は、フレネルレンズ202と受光面203との間に配置されてもよい。
【0103】
また、前述の第9の実施形態および第10の実施形態に示した構成は、第2〜第8の実施形態に対しても適用可能である。
[2]第2構成例
図26および図28は、本発明に係るLEDランプの一例を示している。本実施形態のLEDランプ1101は、基板1200、カバー1210、放熱部材1300、複数のLEDモジュール1400、コネクタ1500、電源部1600、制御部1700、記憶部1710、LEDドライバ1720、電波検知部1750、人感センサ1760、および照度センサ1770を備えている。LEDランプ1101は、いわゆる直管形の蛍光灯ランプに類似した形状とされており、直管形蛍光灯ランプが装填される照明器具に取り付け可能とされている。なお、一般的な直管形蛍光灯ランプ用の照明器具に取り付け可能な構成のほか、専用の照明器具に取り付けられる構成であってもよい。
【0104】
基板1200は、たとえばガラスエポキシ樹脂あるいはセラミックスからなる絶縁基板であり、細長矩形状とされている。放熱部材1300は、基板1200の裏面に取り付けられており、たとえばアルミからなる。カバー1210は、半透明の乳白色樹脂からなり、基板1200を収容する円筒形状とされている。コネクタ1500は、LEDランプ1101を後述する照明器具1110に取り付けるために用いられる部位であり、たとえば複数の金属製の棒状端子を具備している。
【0105】
複数のLEDモジュール1400は、基板1200の長手方向に沿って基板1200の表面に配列されている。図28に示すように、本実施形態においては、互いに直列に接続されたいくつかのLEDモジュール1400どうしが、たがいに並列に接続されている。図27は、LEDモジュール1400の断面図である。本図に示すようにLEDモジュール1400は、LEDチップ1410、1対のリード1420、封止樹脂1440、およびリフレクタ1430を備えている。1対のリード1420は、たとえばCu合金からなり、その一方にLEDチップ1410が搭載されている。LEDチップ1410は、LEDモジュール1400の光源であり、たとえば青色光を発光可能とされている。封止樹脂1440は、LEDチップ1410を保護するためのものである。封止樹脂1440は、LEDチップ1410からの光によって励起されることにより黄色光を発する蛍光物質を含む透光樹脂を用いて形成されている。これにより、LEDモジュール1400は、白色を照射することができる。上記蛍光物質としては、黄色光を発するものに代えて、赤色光を発するものと緑色光を発するものとを混合して用いてもよい。リフレクタ1430はたとえば白色樹脂からなり、LEDチップ1410から側方に発された光を上方に反射するためのものである。
【0106】
制御部1700は、たとえばCPU、EPROM、RAM、入出力インターフェースを具備しており、LEDランプ1101の動作全般を制御するためのものである。制御部1700には、後述するLEDランプ1101の発光制御を実現するためのプログラムが格納されている。本実施形態においては、制御部1700は、タイマー回路1701を有している。タイマー回路1701は、複数のLEDモジュール1400(LEDチップ1410)の点灯時間を制御するための計時を行う回路である。LEDドライバ1720は、制御部1700からの指令に基づいて複数のLEDチップ1410の発光状態をたとえばPWM制御によって駆動制御するドライバICである。
【0107】
人感センサ1760は、たとえば人体から発せられる赤外線を受けることにより起電力を生じるサーモパイルなどを具備している。人感センサ1760からの検知信号は、制御部1700へと出力される。このような構成の人感センサ1760は、その原理上、検知範囲に人が進入したことは、起電力の発生により検知可能であるが、検知範囲に人が居続けていることは、検知することができない。
【0108】
照度センサ1770は、LEDランプ1101が置かれた環境の照度を計測するセンサであり、たとえばフォトダイオードを内蔵している。照度センサ1770は、照度に応じた検知信号を制御部1700へと出力する。記憶部1710は、たとえばRAMであり、照度センサ1770の検知信号に基づく照度を記憶するためのものである。
電波検知部1750は、携帯型電話機からの電波を受信することにより、その電波強度に応じた検知信号を制御部1700へと出力する。電波検知部1750は、たとえば電波を受信するためのアンテナ、電波を信号に変換する変換部、および変換された信号を増幅するアンプ部を具備している。
【0109】
次いで、図29〜図36を参照しつつ、以下にLEDランプ1101の動作を説明する。
図31に示すように、LEDランプ1101は、たとえば天井1850に設置された照明器具1110に取り付けられた状態で使用される。使用者1800は、床1860上を歩行しながら照明器具1110の直下付近を往来する。人感センサ1760は、検知範囲1761に歩行者1800が進入すると、検知信号を出力する。
【0110】
図29に示すように、照明器具1110の操作部(図示略)によって電源が投入される(ステップS100)。この操作部は、たとえば壁面などに設置されたもの、あるいはリモコンスイッチでもよい。次いで、通常点灯モードか否かが判断される(ステップS110)。通常点灯モードの選択は、照明器具1110の上記操作部またはLEDランプ1101に対するリモコンスイッチからの指令であってもよい。通常点灯モードが選択されている場合、ステップS111以降の処理を行い、通常点灯モードが選択されていない場合、ステップS120以降の処理を行う。
<通常点灯モード>
通常点灯モードが選択されていた場合、制御部1700は、人感センサ1760からの検知信号の有無を判断する(ステップS111)。人感センサ1760からの検知信号が無い場合、ステップS111を繰り返す。一方、図32に示すように、使用者1800が検知範囲1761に進入すると、人感センサ1760は、制御部1700に検知信号を出力する。制御部1700は、この検知信号の入力により、使用者1800が検知範囲1761に進入したと判断する。そして、図29に示すように、タイマー回路1701によってタイマーをスタートし(ステップS112)、複数のLEDモジュール1400(LEDチップ1410)を全点灯させる(ステップS113)。
【0111】
タイマー回路1701によるタイマーは、複数のLEDモジュール1400(LEDチップ1410)が全点灯の間、運針されている。ただし、検知範囲1761からいったん離れた使用者1800が再び検知範囲1761に進入した場合、人感センサ1760からの検知信号が制御部1700へと出力される。制御部1700は、この検知信号が入力されると(ステップS114−Yes)、タイマー回路1701によりタイマーをリセットする(ステップS116)。
【0112】
また、ステップS114において人感センサ1760が検知していない場合は、電波検知部1750による電波検知状態によって複数のLEDモジュール1400(LEDチップ1410)の点灯制御を行う。図33および図34に示すように、使用者1800は、携帯型電話機1810を携帯している。携帯型電話機1810は、本発明でいう電波発信手段に相当する。携帯型電話機1810は、たとえば位置情報電波や着信完了情報電波を、間欠的に発信している。電波検知部1750は、受信した電波の強度に応じた検知信号を制御部1700に送信する。制御部1700は、あらかじめ定められた基準電波強度Rwsを記憶している。基準電波強度Rwsは、LEDランプ1101の直下付近など所定範囲内に置かれた一般的な携帯型電話機1810から発せられる電波を電波検知部1750が受信したときに相当する電波強度に設定される。制御部1700は、電波検知部1750からの検知信号に基づくそのときどきの電波強度Rwと基準電波強度Rwsとを比較する(ステップS115)。そして、電波強度Rwが基準電波強度Rwsよりも大きい場合、ステップS116においてタイマーをリセットする。
【0113】
ステップS114における人感センサ1760による検知、およびステップS115における電波検知部1750による検知のいずれもが無い場合、タイマーの運針が進められる。タイマーが所定の時間(たとえば90s)に達するまでは、複数のLEDモジュール1400(LEDチップ1410)を全点灯させた状態で、ステップS114,S115を繰り返す(ステップS117)。そして、タイマーが所定の時間に達すると(ステップS117−Yes)、複数のLEDモジュール1400(LEDチップ1410)を全消灯する(ステップS118)。以上の処理により、通常点灯モードが終了する。
<常夜点灯モード>
ステップS110において通常点灯モードが選択されていない場合、ステップS120において常夜点灯モードが選択されているかを判断する。常夜点灯モードの選択は、照明器具1110の上記操作部またはLEDランプ1101に対するリモコンスイッチからの指令であってもよい。常夜点灯モードが選択されていない場合、ステップS110に戻る。常夜点灯モードが選択されている場合、ステップS121の常夜点灯処理を行う。
【0114】
図30は、常夜点灯処理(ステップS121)の内容を示している。まず、初回設定モードが選択されている場合(ステップS211−Yes)、ステップS213において照度記憶処理を行う。また、ステップS211において初回設定モードが選択されていない場合に、リセット操作が選択されていると(ステップS212−Yes)、ステップS213の照度記憶処理を行う。
【0115】
照度記憶処理においては、照度センサ1770からの検知信号に基づく照度を、記憶部1710に記憶させる。このとき、図35に示すように、屋外が夜間であるなど窓1870から外光がほとんど入ってこない状態において、複数のLEDモジュール1400(LEDチップ1410)を常夜点灯状態としておく。常夜点灯状態とは、複数のLEDモジュール1400(LEDチップ1410)の全点灯状態よりも、意図的に輝度を低下させた状態をいい、たとえば夜間に使用者1800が歩く程度の照度は確保されているが、周囲に迷惑となるほどの明るさには至らない状態を指す。
【0116】
図30に示すように、ステップS213の照度記憶が完了した後、またはステップS212においてリセット操作が選択されていない場合、ステップS214に進む。ステップS214においては、基準照度Imsと照度Imとの比較を行う。基準照度Imsは、記憶部1710に記憶された照度に一定の照度を加えた照度である。照度Imは、そのときどきの照度センサ1770からの検知信号に基づく照度である。たとえば、図35に示す状態のように、屋外が夜間で、窓1870から外光がほとんど入ってこない場合、照度Imが基準照度Imsよりも小さい。この場合、制御部1700は、複数のLEDモジュール1400(LEDチップ1410)を常夜点灯状態とする(S215)。一方、図36に示すように、屋外が明け方などで、窓1870から外光が多く入ってくる場合、照度Imが基準照度Imsよりも大きくなる。この場合、制御部1700は、常夜点灯状態とはせず、ステップS217に進む。ステップS216において消灯設定がなされていれば、ステップS217において複数のLEDモジュール1400(LEDチップ1410)を全消灯させる。ステップS216において消灯設定がなされていない場合は、ステップS110に戻る。以上が、常夜点灯処理S121の内容である。
【0117】
次に、LEDランプ1101の作用について説明する。
本実施形態によれば、図33に示すように、使用者1800がLEDランプ1101の近辺にとどまっていると、使用者1800が携帯する携帯型電話機1810からの電波を電波検知部1750が検知することにより、使用者1800の存在を認識することができる。したがって、LEDランプ1101の近辺に使用者1800がとどまっている場合に、使用者1800の意図に反してLEDランプ1101を消灯してしまうことを回避することができる。
【0118】
図34に示すように、使用者1800が人感センサ1760の検知範囲1761から退避している場合であっても、電波検知部1750の検知による電波強度Rwが基準電波強度Rwsよりも強ければ、LEDランプ1101の点灯が継続される。これにより、使用者1800が検知範囲1761から退避しているものの、LEDランプ1101による光が求められる場合に、LEDランプ1101の点灯状態を適切に継続することができる。
【0119】
人感センサ1760の検知信号によって(ステップS114)タイマーをリセットすることにより(ステップS116)、使用者1800がいったん検知範囲1761から退避した後に再び検知範囲1761に進入した場合や、使用者1800以外の他の使用者が検知範囲1761にさらに進入した場合に、LEDランプ1101の点灯状態を適切に継続することができる。
【0120】
常夜点灯モードを備えることにより、夜間などのように全点灯ほどの明るさが必要とされない場合に、使用者1800が歩行できる程度に、あるいは防犯効果が期待できる程度に、屋内を照らしておくことができる。基準照度Imsと照度Imとの比較によって常夜点灯させることにより、屋外からの外光によって屋内がある程度照らされているときに、不必要にLEDランプ1101を常夜点灯状態とすることを回避することができる。
【0121】
フォトダイオードなどによって構成される照度センサ1770のサンプリング周期は、PWM制御によって点灯制御されるLEDチップ1410の点滅周期よりも一般的に顕著に短い。このため、照度センサ1770による光量測定のタイミングをLEDチップ1410が点灯(全点灯)しているタイミングに同期させると、LEDチップ1410の全点灯状態における照度を測定することができる。たとえば、LEDランプ1101の使用開始時点でのLEDチップ1410の全点灯光量を記憶部1710に記憶させておき、この初期照度と使用中の照度とを比較することにより、LEDチップ1410の光量変化をモニタリングすることができる。これは、LEDチップ1410の光量が、初期の光量のたとえば30%以下となった場合に、LEDチップ1410が寿命を迎えたとLEDランプ1101の制御部1700が自己判断することに利用できる。
【0122】
図37は、LEDランプ1101の変形例の通常点灯モードの点灯制御のフローチャートである。本変形例においては、ステップS114において人感センサ1760が検知した場合と、電波強度Rwが基準電波強度Rwsよりも大きい場合とで、タイマー回路1701によるタイマー処理が異なっている。まず、ステップS114において人感センサ1760が検知した場合、ステップS116Aにおいてタイマー回路1701はタイマー時間を0に戻すタイマーリセットを行い、ステップS112においてタイマーが再スタートされる。
【0123】
一方、ステップS114において人感センサ1760の検知はなかったものの、ステップS115において電波強度Rwが基準電波強度Rwsよりも大きい場合、ステップS116Bが実行される。ステップS116Bにおいては、タイマー回路1701は、タイマーの運針を一定時間だけ戻す処理を行う。この一定時間は、ステップS117におけるタイマ時間経過の判断に用いられる所定時間(たとえば90s)よりも短い時間である。この一定時間の一例としては、たとえば携帯型電話機1810が位置確認や受信確認などを目的として定期的に発する電波の1周期分に相当する時間が挙げられる。ステップS116Bにおいてタイマーの運針を一定時間だけ戻した後は、ステップS112に進む。ステップS112においては、一定時間戻されたタイマー時間について再び運針を開始する。
【0124】
人感センサ1760が検知したときは、使用者1800が検知範囲1761に進入した時点であり、使用者1800は即座に検知範囲1761から退避する可能性は少ない。このため、ステップS116Aによってタイマーをリセットすることにより、十分長い時間(たとえば所定時間としての90s)LEDランプ1101を点灯させておくことが好ましい。一方、人感センサ1760が検知しないもののステップS115において電波強度Rwが基準電波強度Rwsよりも大きい場合、すでに検知範囲1761に進入していた使用者1800がLEDランプ1101の近辺にとどまっている可能性が高い。この場合、使用者1800がLEDランプ1101の近辺から比較的短時間で退避する可能性がある。このため、ステップS116Bにおいて、タイマー時間を0にリセットせずに、一定時間だけ戻すことにより、この後に使用者1800がLEDランプ1101の近辺から退避してしまったにもかかわらず、LEDランプ1101が不当に点灯し続けてしまうことを防止することができる。
【0125】
本発明に係るLEDランプは、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係るLEDランプの各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
LEDランプ1101は、いわゆる直管型蛍光灯に類似した外観のものに限定されず、たとえば電球型のものであってもよい。本発明でいう電波発信手段としては、携帯型電話機が代表的なものであるが、これに限定されず、たとえば携帯型のWi−Fiルータであってもよい。
[3]第3構成例
図39〜図45は、第3構成例の第1実施形態に基づく人感センサ付LEDランプを示している。図39に示すように、人感センサ付LEDランプA1は、直管型の蛍光灯の代替として天井W1に固定され、室内を照明するのに使用される。以下において、人感センサ付LEDランプA1の長手方向をx方向とし、このx方向と直交する方向をy,z方向とする。z方向は、天井W1から床面に向かう方向と合致する。図39に示す例では、商用電源に接続された電源装置P1と、電源装置P1に接続されたソケットS1と、x方向においてソケットS1から離間するソケットS2とが、天井W1に設けられている。人感センサ付LEDランプA1は、x方向における一方の端部がソケットS1に嵌め込まれ、他方の端部がソケットS2に嵌め込まれることにより、天井W1に固定されている。
【0126】
図39〜図41に示すように、人感センサ付LEDランプA1は、直管型の蛍光灯と似たような外観となるように、x方向に長く延びる円筒状に形成された拡散カバー2001と、x方向に沿って配列された複数のLEDモジュール2002とを備えている。図41に示すように、拡散カバー2001は、複数のLEDモジュール2002を覆っている。さらに、図39に示すように、人感センサ付LEDランプA1は、複数のLEDモジュール2002を支持する支持部材2003と、電気回路部品2004と、人感センサ2005と、エンドキャップ2061,2062と、口金2071,2072とを備えている。図39に示すように、エンドキャップ2061および口金2071は、x方向における一方側に位置し、エンドキャップ2062および口金2072はx方向における他方側に位置している。
【0127】
拡散カバー2001は、たとえば、塩化水銀などの拡散材を添加された透明なポリカーボネート樹脂により形成されている。このような拡散カバー2001は、LEDモジュール2002からの光を拡散しつつ透過する。図40に示すように、拡散カバー2001のx方向における一方の端部には、z方向視矩形状の開口部2011が形成されている。また、図41に示すように拡散カバー2001のx方向における他方の端部には、z方向視矩形状の開口部2012が形成されている。
【0128】
各LEDモジュール2002は、LEDチップを内蔵しており、主にz方向の一方側に向けて光を出射するように構成されている。
図42に示すように、支持部材2003はx方向に沿って長く延びており、基板2030、第1のコネクタ2031、第2のコネクタ2032、および、放熱板2033を備えている。基板2030は、z方向視長矩形状に形成されている。図41に示すように、基板2030のz方向における一方側の面はLEDモジュール2002が設置される設置面であり、反対側の面は放熱板2033に接している。設置面はz方向に対して垂直であり、x方向を含む面となる。LEDモジュール2002が点灯時に発する熱は基板2030を介して速やかに放熱板2033に伝達される。
【0129】
図42に示すように、第1のコネクタ2031は基板2030のx方向における一方の端部に設置されており、第2のコネクタ2032は基板2030のx方向における他方の端部に設置されている。このような配置によれば、第2のコネクタ2032は、第1のコネクタ2031から離間している。図40に示すように、第1のコネクタ2031は、開口部2011から拡散カバー2001の外側に露出させられている。また、図40に示す例では、第1のコネクタ2031には、複数のz方向視矩形状の端子係合部2311が形成されている。図41に示すように、第2のコネクタ2032は、開口部2012から拡散カバー2001の外側に露出させられている。また、図41に示す例では、第2のコネクタ2032には、複数のz方向視矩形状の端子係合部2321が形成されている。端子係合部2311および端子係合部2321は同数形成されており、z方向視形状も同一である。
【0130】
電気回路部品2004は、図42に示すように、支持部材2003のx方向における一方の端部に隣接するように設置されている。図40に示すように、電気回路部品2004は、口金2071内に収容される。電気回路部品2004は、ソケットS1を介して電源装置P1に接続される。電気回路部品2004は、電源装置P1から供給される交流電流を直流電流に整流するトランス回路と、複数のLEDモジュール2002に接続された制御回路とを内蔵している。この制御回路は整流回路によって得られる直流電流を複数のLEDモジュール2002に定電流として流すための制御を行う。さらに、この制御回路は、第1のコネクタ2031および第2のコネクタ2032に接続されている。
【0131】
基板2030上には、図示しない配線パターンが設けられている。この図示しない配線パターンは、電気回路部品2004と図示しない配線によって電気的に接続されている。これらの配線および配線パターンを介して、前述した制御回路と複数のLEDモジュール2002との接続は行われている。また、制御回路と第1のコネクタ2031および第2のコネクタ2032との接続も同様に上記の図示しない配線および配線パターンを介して行われている。
【0132】
人感センサ2005は、図43および図44に示すように、球状部材2051と、この球状部材2051を回動可能に保持する保持部2052と、センサ部2053とを備えている。球状部材2051は、内部が空洞になった本体部2511と、本体部2511のz方向における図44中上端部に連結された集光部2512とを備えている。センサ部2053は、たとえば、熱起電力効果を利用したサーモパイルや焦電効果を利用した焦電体であり、赤外線を受光して信号を出力するように構成されている。図44に示すように、センサ部2053は、本体部2511の内部に設けられている。集光部2512は、赤外線をセンサ部2053に集めるためのレンズとして機能する。保持部2052には、球状部材2051が嵌合する凹部2521が形成されている。図44に示すように、凹部2521はz方向における図中上方に開口するように形成されている。球状部材2051が凹部2521から脱落しないように、凹部2521の開口は、z方向視において、球状部材2051の直径よりも短い直径を有する円形に形成されている。さらに、保持部2052は、z方向における図44中下方に突き出す複数の端子部2522を備えている。図45に示すように、各端子部2522はz方向視略矩形状であり、第1のコネクタ2031および第2のコネクタ2032の端子係合部2311,2321の双方に連結可能となっている。
【0133】
この人感センサ2005は、第1のコネクタ2031または第2のコネクタ2032を介して電気回路部品2004内の制御回路に接続される。制御回路は、センサ部2053が出力する信号を受けて複数のLEDモジュール2002への電流を制御する。具体的には、センサ部2053は所定の強さの赤外線を受光するときに、制御回路へ比較的強い電気信号を出力する。この比較的強い電気信号を受信するとき、制御回路はLEDモジュール2002へ電流を流す制御を行う。逆に、センサ部2053が受光する赤外線が所定の強さを下回るときには、制御回路へ比較的弱い電気信号を出力する。この比較的弱い電気信号を受信するとき、制御回路はLEDモジュール2002へ電流を流さない制御を行う。
【0134】
人感センサ2005は、集光部2512の集光機能に応じた検出範囲を有することになる。たとえば、図44に示すように、集光部2512が中心軸Lnを中心とする範囲Cn内の赤外線をセンサ部2053に集める場合、範囲Cnが人感センサ2005の検出範囲となる。また、集光部2512が中心軸Lnの向く方向を人感センサ2005の主検出方向とする。
【0135】
人感センサ2005では、球状部材2051を凹部2521内で回動させることにより、前述の主検出方向を変更することができる。このとき、検出範囲は主検出方向を中心とする範囲であるため、検出範囲も変わることになる。
エンドキャップ2061は、拡散カバー2001のx方向における一方の端部に取り付けられている。口金2071はx方向に突き出すようにエンドキャップ2061に取り付けられる。口金2071はソケットS1に嵌合する。
【0136】
エンドキャップ2062は、拡散カバー2001のx方向における一方の端部に取り付けられている。口金2072はx方向に突き出すようにエンドキャップ2062に取り付けられる。口金2072はソケットS2に嵌合する。
次に、人感センサ付LEDランプA1の作用について、さらに図46〜図53を参照にしつつ説明を行う。
【0137】
上述した人感センサ付LEDランプA1は、人感センサ2005を第1のコネクタ2031に連結して使用する第1の使用状態と、人感センサ2005を第2のコネクタ2032に連結して使用する第2の使用状態と、をとることができる。第1の使用状態においては、人感センサ2005は、第1のコネクタ2031を介して電気回路部品2004内の制御回路に接続される。第2の使用状態においては、人感センサ2005は、第2のコネクタ2032を介して電気回路部品2004内の制御回路に接続される。
【0138】
図46〜図53には、人感センサ付LEDランプA1を壁W2の間近に設置した状況を示している。このような状況は、従来の説明で記載したように、壁W2の近くに設置されていた蛍光灯用の電源装置P1を利用しようとした場合に発生する。
図46および図47において、人感センサ付LEDランプA1は第1の使用状態であり、人感センサ2005の主検出方向はz方向を向いている。図47に示すように、保持部2052は、集光部2512が図中下方を向くように球状部材2051を保持する第1の保持状態をとる。この第1の保持状態において、人感センサ2005は、z方向を向く軸線L1を中心とする検出範囲C1を有している。しかしながら、図46に示すように、この検出範囲C1の一部は壁W2と重なることになり、実際に有効な検出範囲C1Eは検出範囲C1よりも狭い範囲となる。検出範囲C1が部屋の広さ丁度となるように集光部2512が設計されている場合、検出範囲C1Eは部屋の広さに対して狭い範囲となってしまう。この場合、たとえば、部屋の壁W2と反対側に人が居ても、人感センサ2005はその人が発する赤外線を十分に検出できず、人感センサ付LEDランプA1は消灯する可能性がある。
【0139】
上記のような問題が生じた場合、人感センサ付LEDランプA1では、図48および図49に示すように、球状部材2051の向きを変えることで問題の解決を図ることができる。
図49に示すように、球状部材2051を回動させ、第1の保持状態と異なる第2の保持状態としたとき、集光部2512および本体部2511に内蔵されたセンサ部2053の向きが変わる。この第2の保持状態における人感センサ2005の主検出方向は、z方向に対して傾斜しており、この主検出方向を向く軸線L1’は軸線L1に対して傾斜している。このとき、図48に示すように人感センサ2005は軸線L1’を中心とする検出範囲C1’を有する。
【0140】
図48に示すように、z方向における図中下方ほどx方向において壁W2から遠ざかるように軸線L1’を傾斜させると、検出範囲C1’が壁W2と重なってしまうのを防ぎやすくなる。検出範囲C1’は検出範囲C1よりも壁W2の反対側に寄ったものとなり、先述した問題が生じにくくなる。
また、上記のような問題が生じた場合、人感センサ付LEDランプA1では、図50および図51に示すように第2の使用状態とすることによっても問題の解決を図ることができる。
【0141】
図51に示すように、人感センサ2005は第2のコネクタ2032に連結されている。保持部2052は、第1の保持状態をとっており、人感センサ2005の主検出方向はz方向を向いている。このとき、人感センサ2005は、z方向を向く軸線L2を中心とする検出範囲C2を有している。この検出範囲C2は、検出範囲C1を第1のコネクタ2031と第2のコネクタ2032とが離間する長さ分だけx方向に水平移動させたものとなる。このような検出範囲C2は、当然、検出範囲C1に含まれない領域を含んでいる。また、図50に示すように、第2のコネクタ2032は第1のコネクタ2031と比べて壁W2から遠い位置にあり、検出範囲C2は壁W2と重なりにくくなっている。
【0142】
しかしながら、部屋がx方向に長い場合、人感センサ2005を水平移動させただけでは、検出範囲C2が部屋全体に届かないこともある。そのような場合には、さらに、図52および図53に示すように、保持部2052を第2の保持状態とすることにより問題の解決を図ることができる。
図53に示すように、球状部材2051を回動させ、保持部2052に第2の保持状態をとらせると、人感センサ2005はz方向に対して傾斜する主検出方向を向く軸線L2’を中心とする検出範囲C2’を有するようになる。
【0143】
図52に示すように、z方向における図中下方ほどx方向において壁W2から遠ざかるように軸線L2’を定めると、検出範囲C2’が壁W2と重なってしまうのをより一層に防ぎやすくなる。検出範囲C2’は検出範囲C2よりもさらに壁W2の反対側に寄ったものとなり、先述した問題が生じにくくなる。
以上のように、人感センサ付LEDランプA1は人感センサ2005の検出範囲を様々に変更可能であるため、仮に壁間際に設置しなければならない場合であっても、壁の影響を受けにくい検出範囲を選択することが可能となっている。適切な検出範囲を選択することにより、人感センサ付LEDランプA1の人感センサ2005はより正確に人の存否を判定することができるようになる。
【0144】
図54〜図61は、第3構成例の他の実施形態を示している。なお、これらの図において、上記実施形態と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付している。
図54および図55には、第3構成例の第2実施形態に基づく人感センサ付LEDランプを示している。図54および55に示す人感センサ付LEDランプA2は、人感センサ2005の主検出方向を変更するための機構が人感センサ付LEDランプA1の場合と異なっており、その他の構成は人感センサ付LEDランプA1と同様になっている。
【0145】
本実施形態では、人感センサ2005は、円筒状の本体部2511と本体部2511の先端に取り付けられた半球状の集光部2512とを備えている。本体部2511の内部に人感センサ付LEDランプA1におけるセンサ部2053と同様のセンサ部が設けられている。
本実施形態では、支持部材2003が、第1の可動部2341、第2の可動部2342、第1の保持部2351、および、第2の保持部2352をさらに備えている。第1の保持部2351は第1の可動部2341を変位可能なように保持し、第2の保持部2352は第2の可動部2342を変位可能なように保持する。第1の保持部2351は、図55に示すように、開口部2011からz方向に突き出すように、基板2030のx方向における一方の端部に設置されている。第2の保持部2352は、図54に示すように、開口部2012からz方向に突き出すように、基板2030のx方向における他方の端部に設置されている。第1の保持部2351および第2の保持部2352は設置場所が異なるだけで同一の構成である。また、第1の可動部2341および第2の可動部2342も設置場所が異なるだけで同一の構成である。
【0146】
第1の可動部2341および第2の可動部2342は、球状に形成されている。第1の可動部2341には第1のコネクタ2031が設けられており、第2の可動部2342には第2のコネクタ2032が設けられている。第1の保持部2351には第1の可動部2341が嵌合する凹部2351aが形成されている。第2の保持部2352には第2の可動部2342が嵌合する凹部が形成されている。
【0147】
図55では、第1の可動部2341は第1の変位状態にある。この第1の変位状態において、第1のコネクタ2031に連結された人感センサ2005は、z方向を向く軸線L1を中心とする検出範囲を有している。一方、図56では、第1の可動部2341は、第1の変位状態と異なる第2の変位状態にある。第1の可動部2341を凹部2351a内で回転させることより、第1の変位状態から第2の変位状態へ切り替わる。第2の変位状態においては、第1のコネクタ2031に連結された人感センサ2005は、z方向に対して傾斜する軸線L1’を中心とする検出範囲を有している。
【0148】
第2の可動部2342および第2の保持部2352は、第1の可動部2341および第1の保持部2351と同一の構成であるため、第2の可動部2342も第1の変位状態および第2の変位状態をとり得る。
人感センサ付LEDランプA2は、人感センサ付LEDランプA1の場合と同様に、人感センサ2005を第1のコネクタ2031に連結させる第1の使用状態と、人感センサ2005を第2のコネクタ2032に連結させる第2の使用状態と、をとることが可能となっている。
【0149】
さらに、人感センサ付LEDランプA2では、人感センサ2005自体に主検出方向を変更する機能がない代わりに、第1のコネクタ2031および第2のコネクタ2032が設けられた第1の可動部2341および第2の可動部2342が上述したように変位可能に構成されている。このような構成によっても、人感センサ2005の検出範囲を適切に選択可能とすることができる。
【0150】
図57および図58には、第3構成例の第3実施形態に基づく人感センサ付LEDランプを示している。図57および図58に示す人感センサ付LEDランプA3は、可撓部材2008を備え、人感センサ2005の細部が人感センサ付LEDランプA1の場合と異なっている。人感センサ付LEDランプA3のその他の構成は人感センサ付LEDランプA1と同様である。なお、図57および図58には段差のある天井に人感センサ付LEDランプA3を取り付けた状態を示している。図57および図58に示すように、天井W1aの一部が床から遠ざかるように凹んでおり、この凹部W1b内に人感センサ付LEDランプA3は取り付けられている。
【0151】
このような位置関係の場合、第1のコネクタ2031または第2のコネクタ2032に人感センサ2005を直接連結した場合、凹部W1bの側面によって、人感センサ2005の検出範囲が制限されることが起こりえる。そこで、本実施形態では、図57に示すように、可撓部材2008を用いて天井W1aに固定した人感センサ2005と第1のコネクタ2031または第2のコネクタ2032とを連結する。
【0152】
可撓部材2008は、長手方向を有し、その長手方向に離間する第1の連結部2081および第2の連結部2082を備えている。具体的には、可撓部材2008は複数の銅線を保護用の樹脂で覆ったものの一方の端部に人感センサ2005に連結可能な第1の連結部2081を形成し、他方の端部に第1のコネクタ2031または第2のコネクタ2032に連結可能な第2の連結部2082を形成したものである。人感センサ付LEDランプA3では、第1の使用状態において第2の連結部2082を第1のコネクタ2031に連結し、第2の使用状態において第2の連結部2082を第2のコネクタ2032に連結する。
【0153】
本実施形態における人感センサ2005は、球状部材2051と保持部2052とを備えている。保持部2052は天井W1aに固定可能なように構成されている。
図59および図60には、第3構成例の第4実施形態に基づく人感センサ付LEDランプを示している。図59に示す人感センサ付LEDランプA4は、円環状の蛍光灯の代替として用いられるものである。人感センサ付LEDランプA4の基本的な構成は人感センサ付LEDランプA1と同様であるが、環状構造を実現するために異なる点がある。以下において、人感センサ付LEDランプA4の人感センサ付LEDランプA1と異なる点について説明する。
【0154】
人感センサ付LEDランプA4は電源装置P1に連結されたソケットSaに接続される口金2073を備えており、拡散カバー2001がz方向視円環状に形成されている。拡散カバー2001は口金2073の両端を繋ぐように設置されている。拡散カバー2001内には、周方向に沿って配列された複数のLEDモジュールと、複数のLEDモジュールを支持する支持部材とが収容されている。支持部材は、たとえば、人感センサ付LEDランプA1における基板2030と同様の断面を持つ基板をz方向視円環状にしたものを備えており、この基板の設置面上に複数のLEDモジュールは設置される。複数のLEDモジュールを制御する制御回路は口金2073に収容される。
【0155】
このような構造によれば、支持部材の両端が口金2073の両端付近に位置することになり、人感センサ付LEDランプA1の場合のように支持部材の両端付近にそれぞれコネクタを設ける意義が小さくなる。このため、本実施形態では、支持部材は1個のコネクタ2036を備えている。拡散カバー2001にはコネクタ2036を露出させる開口部が形成されている。この開口部はz方向視において、複数のLEDモジュールと重ならない位置、たとえば、口金2073の直近に形成される。
【0156】
本実施形態における人感センサ2005は人感センサ付LEDランプA1における人感センサ2005と同じである。人感センサ2005はコネクタ2036に連結され、コネクタ2036を介して制御回路に接続される。
人感センサ2005は、人感センサ付LEDランプA1の説明において記載したように、球状部材2051を回転させることにより検出範囲を変更可能となっている。図60にはz方向を向く軸線L1を中心とする検出範囲C1と、z方向に対して傾斜する軸線L2を中心とする検出範囲C2を例示している。軸線L1が向く方向を第1の主検出方向とみなすとき、軸線L2が向く方向を第2の主検出方向とみなすことができる。
【0157】
人感センサ付LEDランプA4においては、人感センサ付LEDランプA1の場合のようにコネクタの位置によって使用状態を変更することはできない。代わりに、球状部材2051を回転させることによって使用状態を変更させることになる。人感センサ付LEDランプA4は、人感センサ2005が検出範囲C1を有する第1の使用状態と、人感センサ2005が検出範囲C2を有する第2の使用状態とをとることができる。
【0158】
図61には、第3構成例の第5実施形態に基づく人感センサ付LEDランプを示している。図61に示す人感センサ付LEDランプA5は、白熱電球の代替として用いられるものである。図61には、天井W1aに設けられた凹部W1bの奥にソケットSbが設置されている状況を示している。ソケットSbは、天井W1aに設置された電源装置P1に接続されている。
【0159】
人感センサ付LEDランプA5は、たとえば、略半球状の拡散カバー2001と、支持部材2003と、口金2074と、可撓部材2008とを備えている。支持部材2003には複数のLEDモジュールが設置されている。拡散カバー2001はこれらのLEDモジュールを覆っている。また、支持部材2003は、これらのLEDモジュールを制御するための制御回路も内蔵している。口金2074は支持部材2003の図61中z方向上端部に固定されており、ソケットSbに嵌め込まれる。複数のLEDモジュールおよび制御回路は、口金2074およびソケットSbを介して電源装置P1に接続される。可撓部材2008は、たとえば、人感センサ付LEDランプA3における可撓部材2008と同様のものである。また、人感センサ2005は、たとえば、人感センサ付LEDランプA3における人感センサ2005と同様のものである。
【0160】
支持部材2003は、x方向視において拡散カバー2001と重ならない位置に、上記制御回路に接続されたコネクタ2037を備えている。可撓部材2008の第2の連結部2082はコネクタ2037に連結される。
このような人感センサ付LEDランプA5は、z方向に長くなりがちであり、図61に示すように凹部W1b内に収容される場合がしばしばある。このような場合、仮に、人感センサ2005を、z方向において比較的床に近い拡散カバー2001に配置したとしても、凹部W1bの側面によって人感センサ2005の検出範囲が狭められる可能性がある。人感センサ付LEDランプA5では、そのような場合であっても、人感センサ2005を可撓部材2008によって凹部W1b外に引っ張り出して設置することができ、人感センサ2005の検出範囲が狭くなるのを防ぐことができる。
【0161】
本発明に基づく人感センサ付LEDランプは、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に基づく人感センサ付LEDランプの各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
たとえば、人感センサ付LEDランプA3および人感センサ付LEDランプA5において、人感センサ2005は人感センサ付LEDランプA1のものと同様に主検出方向を変更する機能を備えている。しかしながら、人感センサ付LEDランプA3および人感センサ付LEDランプA5では、可撓部材2008により、人感センサ2005を比較的自由な位置に設置可能な構成となっている。このため、人感センサ2005を人感センサ付LEDランプA2のものと同様に簡単な構造とし、人感センサ2005の設置位置を変えることにより、第1の使用状態と第2の使用状態とをとるようにしてもよい。人感センサ2005の設置位置は可撓部材2008を変形させることで容易に実現可能なことである。
【0162】
また、人感センサ付LEDランプA1において、第1のコネクタ2031および第2のコネクタ2032は固定された状態であるが、人感センサ付LEDランプA2における第1のコネクタ2031および第2のコネクタ2032のように第1,2の可動部2341,2342に設けても構わない。この場合、第1,2の可動部2341,2342に、球状部材2051を支持する保持部2052が嵌め込まれることになる。このようにした場合、検出範囲をより幅広く変更することが可能となる。
【0163】
また、さらに、人感センサ付LEDランプA1において、第1のコネクタ2031および第2のコネクタ2032をz方向に可動なように構成してもよい。人感センサ付LEDランプA3の説明で示した状況のように、天井W1の凹んだ部分に人感センサ付LEDランプA1も設置されることは有り得る。そのような場合に、第1のコネクタ2031および第2のコネクタ2032をz方向において床面に近づくように引っ張り出せる構成にしておくと、人感センサ2005の検出範囲が天井W1の凹みによって狭められるリスクが低くなる。なお、人感センサ2005自体に、集光部2512をz方向において床面に近づくように移動させる機能を付けてもよい。
【0164】
また、人感センサ付LEDランプA1において、電気回路部品2004内の制御回路に切り替え機能を設けておき、人感センサ2005からの信号と無関係に複数のLEDモジュール2002が点灯する状態に切り替えられるようにしてもよい。この場合、第1のコネクタ2031および第2のコネクタ2032を拡散カバー2001と似た外観のカバーで覆うのがよい。なお、人感センサ付LEDランプA2〜A4でも同様のことを行うことができる。
【0165】
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
この明細書および図面の記載からは、特許請求の範囲に記載した特徴以外にも、以下のような特徴が抽出され得る。
A1.照明器具に取り付けられるLEDランプであって、
複数のLEDチップを含むLED光源部と、
感度中心軸を中心とした感度領域を有する人感センサと、
前記LED光源部と前記人感センサとを共通に保持するケースとを含み、
前記LED光源部の発光域の中心を通る照明中心軸と、前記人感センサの感度中心軸とが非平行である、LEDランプ。
【0166】
この構成によれば、人感センサがLEDランプに内蔵されているので、照明器具に人感センサが備えられていなくても、照明対象領域の周辺への人の立ち入りを感知できる機能を有する照明装置を提供できる。そして、照明中心軸と人感センサの感度中心軸とが非平行であるため、照明中心軸と感度中心軸とを独立に設定できる。そのため、たとえば、LED光源部の発光域の中心を回避した位置に人感センサを配置して点灯時の見栄えを向上しつつ、照明対象領域の周辺への人の立ち入りを良好に検知できるように人感センサの感度領域を設定できる。こうして、点灯時の見栄えと、良好な人検知機能とを両立したLEDランプを提供できる。
【0167】
前記ケースは、電球形状を有していてもよいし、直管形状を有していてもよい。すなわち、LEDランプは、電球の代替として用いることができる電球型に構成されていてもよいし、直管型蛍光灯の代替として用いることができる直管型に構成されていてもよい。
A2.前記ケースが所定の長手方向に延びた直管状に形成されており、
前記複数のLEDチップが前記所定方向に延びて配列されており、
前記人感センサが前記ケースの長手方向中心から離れた位置に配置されている、項A1に記載のLEDランプ。
【0168】
この構成によれば、人感センサがケースの長手方向中心から離れた位置に配置されているので、LEDランプの点灯時に長手方向中央が暗部にならない。したがって、点灯時の見栄えのよい直管型LEDランプを提供できる。
A3.前記照明中心軸が、前記ケースの長手方向と直交しており、
前記人感センサの感度中心軸が、当該人感センサから前記照明中心軸に近づく方向に傾斜している、項A2に記載のLEDランプ。
【0169】
この構成によれば、照明中心軸を中心に広がる照明対象領域と人感センサの感度領域とを整合させることができる。これにより、照明対象領域の周辺への人の立ち入りを良好に検知でき、かつ長手方向中央部の暗部がなく見栄えのよいLEDランプを提供できる。
A4.前記人感センサが前記ケースの長手方向一端部に配置されている、項A2またはA3に記載のLEDランプ。この構成により、ケースの長手方向に沿って延びるLED光源部の発光域の途中に人感センサに起因する暗部が形成されない。そのため、点灯時の見栄えを一層よくすることができる。
A5.前記ケースの長手方向両端部に設けられ、前記人感センサを着脱自在に保持し、かつ前記人感センサに電気的に接続される一対のコネクタをさらに含む、項A4に記載のLEDランプ。この構成によれば、LEDランプに備えられたコネクタに人感センサを着脱できるので、人検知機能を任意に付加できる。すなわち、人検知機能のない仕様と、人検知機能のある仕様とに共通に適用可能な設計のLEDランプを提供できる。加えて、照明器具の種類や配置に応じて、適切な構造の人感センサを選択して使用できる。また、ケースの長手方向両端部にそれぞれコネクタが備えられているので、人感センサをいずれの端部にでも配置できる。よって、照明器具の配置等の個別の事情に応じて人感センサの配置を任意に選択できる。
A6.前記LED光源部から照明対象領域に向けて所定距離離れた位置において、前記人感センサの感度中心軸と前記照明中心軸とが交差している、項A1〜A5のいずれか一項に記載のLEDランプ。この構成により、LED光源部の発光域の中心を回避して人感センサを配置しても、照明対象領域の周辺への人の立ち入りを良好に検知できる。
A7.前記LED光源部から照明対象領域に向けて所定距離離れた位置における前記人感センサの感度領域中心が、前記LED光源部の発光域の中心に前記人感センサを配置して前記照明中心軸と当該人感センサの感度中心軸とを一致させた場合の仮想的な感度領域中心と一致している、項A1〜A6のいずれか一項に記載のLEDランプ。この構成により、LED光源部の発光域の中心を回避して人感センサを配置しても、照明対象領域の周辺への人の立ち入りを良好に検知できる。すなわち、人感センサを発光域の中心に配置した場合と同等の人検知機能を実現できる。
A8.前記ケースに設けられ、前記人感センサを着脱自在に保持し、かつ前記人感センサに電気的に接続されるコネクタをさらに含む、項A1〜A7のいずれか一項に記載のLEDランプ。この構成によれば、LEDランプに備えられたコネクタに人感センサを着脱できるので、人検知機能を任意に付加できる。すなわち、人検知機能のない仕様と、人検知機能のある仕様とに共通に適用可能な設計のLEDランプを提供できる。加えて、照明器具の種類や配置に応じて、適切な構造の人感センサを選択して使用できる。
A9.前記人感センサが、センサ本体と、センサ本体から延びたリード線と、リード線の端部に固定され前記コネクタに結合可能なプラグとを含む、項A8に記載のLEDランプ。この構成により、センサ本体をLEDランプのケースから離れた位置に配置できるから、人感センサの感度領域を一層自由に設定できる。たとえば、埋め込み型照明器具にLEDランプが適用される場合に、ケースの位置からでは適切な感度領域が得られないおそれがある。より具体的には、照明器具の構造によって感度領域が狭められるおそれがある。このような場合に、センサ本体をケースから離して配置することによって、良好な感度領域を得ることができる。
A10.前記人感センサを前記ケースに対して前記感度中心軸の方向を変更可能に取り付けるセンサ取り付け構造をさらに含む、項A1〜A9のいずれか一項に記載のLEDランプ。この構成により、人感センサの感度領域を一層自由に設定できるので、点灯時の見栄えと良好な人検知機能との両立が容易になる。
A11.前記人感センサは、焦電型赤外センサを含み、
前記焦電型赤外センサの受光面への赤外線入射経路を開閉するシャッタユニットをさらに含む、項A1〜A10のいずれか一項に記載のLEDランプ。
【0170】
焦電型赤外センサの感度領域内に人がいるとき、シャッタユニットによって赤外線入射経路を開閉(たとえば周期的に遮断)すると、たとえその人が静止しているときでも、焦電型赤外センサは、焦電効果による信号を出力する。感度領域内に人がいなければ、赤外線入射経路が開閉されても焦電型赤外センサの出力に有意な変化があらわれない。こうして、温度センサに比較して格段に安価な焦電型赤外センサを用いて、静止人体感知機能を提供できる。しかも、人感センサに備えられた焦電型赤外センサを静止人体感知のために兼用できるので、LEDランプのコストを効果的に低減できる。
A12.予め定める感度領域を有する焦電型赤外センサと、
前記焦電型赤外センサの受光面への赤外線入射経路を開閉するシャッタユニットとをさらに含み、
前記制御装置は、前記焦電型赤外センサの出力信号に基づいて前記感度領域内の人の有無を判断し、その判断結果に応じて前記LED光源部を制御するように構成されている、項A1〜A10のいずれか一項に記載のLEDランプ。
【0171】
この構成によっても、同様の原理によって、温度センサを用いることなく、静止人体検知機能を提供できる。また、人感センサとは別に焦電型赤外センサを設けているので、焦電型赤外センサと人感センサとの感度領域を個別に設定できる。これにより、静止した人の有無をより適切に検知し、その検知結果に応じてLED光源部を適切に制御できる。
B1.複数のLEDチップと、
上記複数のLEDチップへの供給電力を制御する制御部と、
使用者が携帯する電波発信手段から発せられた電波を検知し、その検知信号を上記制御部へと出力する電波検知部と、
を備えることを特徴とする、LEDランプ。
【0172】
この構成によれば、上記使用者が上記LEDランプの近辺にとどまっていると、上記使用者が携帯する上記電波発信手段からの電波を上記電波検知部が検知することにより、上記使用者の存在を認識することができる。したがって、上記LEDランプの近辺に上記使用者がとどまっている場合に、上記使用者の意図に反して上記LEDランプを消灯してしまうことを回避することができる。
B2.上記制御部は、上記複数のLEDチップに点灯状態をとらせているときに、上記電波検知部からの検知信号が入力されると、点灯状態を継続する、項B1に記載のLEDランプ。
B3.上記制御部は、上記電波検知部からの検知信号に基づく電波強度が基準電波強度より強いときに、上記複数のLEDチップの点灯状態を継続する、項B2に記載のLEDランプ。
B4.上記電波発信手段は、携帯型電話機である、項B1ないしB3のいずれかに記載のLEDランプ。
B5.上記電波検知部は、上記携帯型電話機からの位置情報電波を検知する、項B4に記載のLEDランプ。
B6.上記電波検知部は、上記携帯型電話機からの着信完了情報電波を検知する、項B4に記載のLEDランプ。
B7.使用者が検知範囲に進入したことを検知し、その検知信号を上記制御部へと出力する人感センサを備えており、
上記制御部は、上記複数のLEDチップに消灯状態をとらせているときに、上記人感センサからの検知信号が入力されると、上記複数のLEDチップに点灯状態をとらせる、項B1ないしB6のいずれかに記載のLEDランプ。
B8.上記人感センサは、使用者が発する赤外線を検知する、項B7に記載のLEDランプ。
B9.上記制御部は、上記複数のLEDチップの点灯時間を計時するタイマー回路を有しており、この点灯時間が所定点灯時間を越えたときに点灯状態にある上記複数のLEDチップに消灯状態をとらせる、項B7またはB8に記載のLEDランプ。
B10.上記制御部は、上記複数のLEDチップが点灯状態にあるときに、上記人感センサからの検知信号が入力されると、上記タイマー回路による上記点灯時間の計時をリセットする、項B9に記載のLEDランプ。
B11.上記制御部は、上記複数のLEDチップが点灯状態にあるときに、上記電波検知部からの検知信号が入力されると、上記タイマー回路による上記点灯時間の計時をリセットする、項B9またはB10に記載のLEDランプ。
B12.外光の照度を検知し、その検知信号を上記制御部へと出力する照度センサを備えており、
上記制御部は、上記照度センサからの検知信号に基づく照度が、あらかじめ定められた基準照度よりも暗いときに、上記複数のLEDチップに全点灯よりも暗い常夜点灯状態をとらせる、常夜点灯モードを選択可能である、項B1ないしB11のいずれかに記載のLEDランプ。
B13.上記照度センサからの検知信号に基づく照度を記憶する記憶部を備えており、
上記基準照度は、外光を受けていないときに上記複数のLEDチップに常夜点灯状態をとらせたときの照度に一定照度を加えた照度である、項B12に記載のLEDランプ。
B14.上記制御部は、上記記憶部に照度を記憶させる初回設定モードを選択可能である、項B13に記載のLEDランプ。
B15.上記制御部は、上記初回設定モードが選択されていないときには、上記記憶部への新たな記憶を禁止する、項B14に記載のLEDランプ。
B16.上記制御部は、上記記憶部の記憶を消去するリセットモードを選択可能である、項B13ないしB15のいずれかに記載のLEDランプ。
C1.複数のLEDモジュールと、
上記複数のLEDモジュールと接続された制御回路と、
上記制御回路に接続され、かつ、所定の検出範囲を有する人感センサと、
を備えた人感センサ付LEDランプであって、
上記人感センサが第1の検出範囲を有する第1の使用状態と、
上記人感センサが上記第1の検出範囲に含まれない領域を含む第2の検出範囲を有する第2の使用状態と、をとることを特徴とする、人感センサ付LEDランプ。
【0173】
本発明によって提供される人感センサ付LEDランプは、たとえば、天井に設置され、室内を照明するために用いられるものである。上記人感センサは、たとえば、赤外線を検知することにより上記検出範囲内における人の存否を判断して上記制御回路に信号を発信する。上記制御回路は上記検出範囲内に人が居ないことを示す信号を受信した場合に上記複数のLEDモジュールを消灯する制御を行うものである。人感センサ付LEDランプの設置場所によっては、上記室内の一部の領域が上記検出範囲外となることがある。本発明によって提供される人感センサ付LEDランプは、たとえば上記第1の使用状態において、上記室内の一部の領域が上記第1の検出範囲外となった場合には上記第2の使用状態で使用することで問題の解消を図ることができる。上記第2の使用状態では、上記人感センサは上記第1の検出範囲に含まれない領域を含む第2の検出範囲を有している。このため、上記第1の検出範囲外であった上記室内の一部の領域が上記第2の検出範囲に含まれることが十分に起こり得る。上記第1の使用状態で正確に人の存否を判定できない場合でも、上記第2の使用状態にすることで正確に人の存否を判定できることがありえる。従って、本発明によって提供される人感センサ付LEDランプによれば、人感センサの検出範囲が一通りに固定されている場合よりも、人の存否を正確に判定可能である。
C2.上記複数のLEDモジュールは第1の方向に沿って配列されており、
上記第1の方向に沿って長く延び、かつ、上記複数のLEDモジュールを支持する支持部材を備えており、
上記支持部材は、上記制御回路に接続された第1のコネクタと、上記第1の方向において上記第1のコネクタと離間し、かつ、上記制御回路に接続された第2のコネクタを備えており、
上記第1の使用状態において、上記人感センサは上記第1のコネクタを介して上記制御回路に接続され、
上記第2の使用状態において、上記人感センサは上記第2のコネクタを介して上記制御回路に接続される、項C1に記載の人感センサ付LEDランプ。
C3.上記第1の検出範囲は、第1の主検出方向を向く軸線を中心としており、
上記第1の使用状態において、上記人感センサは、上記第1の主検出方向に対して傾斜する第2の主検出方向を向く軸線を中心とする追加の第1の検出範囲をさらに有する、項C2に記載の人感センサ付LEDランプ。
C4.上記第2の検出範囲は、第1の主検出方向を向く軸線を中心としており、
上記第2の使用状態において、上記人感センサは、上記第2の主検出方向を向く軸線を中心とする追加の第2の検出範囲をさらに有する、項C3に記載の人感センサ付LEDランプ。
C5.上記人感センサは、センサ部と、上記センサ部を保持する保持部とを備えており、
上記保持部は、上記人感センサが上記第1の主検出方向を向く軸線を中心とする検出範囲を有するように上記センサ部を保持する第1の保持状態と、上記人感センサが上記第2の主検出方向を向く軸線を中心とする検出範囲を有するように上記センサ部を保持する第2の保持状態と、をとる、項C3またはC4に記載の人感センサ付LEDランプ。
C6.上記人感センサは球状部材をさらに備えており、
上記センサ部は球状部材に設けられており、
上記保持部には上記球状部材が嵌合する凹部が形成されており、
上記球状部材を上記凹部内で回転させることにより、上記第1の保持状態と上記第2の保持状態とが切り替わる、項C5に記載の人感センサ付LEDランプ。
C7.上記支持部材は、上記第1のコネクタが設けられた第1の可動部と、上記第1の可動部を変位可能なように保持する第1の保持部と、を備えており、
上記第1の可動部は、上記第1のコネクタに接続された上記人感センサが上記第1の主検出方向を向く軸線を中心とする検出範囲を有する第1の変位状態と、上記第1のコネクタに接続された上記人感センサが上記第2の主検出方向を向く軸線を中心とする検出範囲を有する第2の変位状態と、をとる、項C3ないしC6のいずれかに記載の人感センサ付LEDランプ。
C8.上記第1の可動部は球状に形成されており、上記第1の保持部には上記第1の可動部が嵌合する凹部が形成されており、
上記第1の可動部を上記凹部内で回転させることにより、上記第1の可動部の上記第1の変位状態と上記第2の変位状態とが切り替わる、項C7に記載の人感センサ付LEDランプ。
C9.上記支持部材は、上記第2のコネクタが設けられた第2の可動部と、上記第2の可動部を変位可能なように保持する第2の保持部と、を備えており、
上記第2の可動部は、上記第2のコネクタに接続された上記人感センサが上記第1の主検出方向を向く軸線を中心とする検出範囲を有する第1の変位状態と、上記第2のコネクタに接続された上記人感センサが上記第2の主検出方向を向く軸線を中心とする検出範囲を有する第2の変位状態と、をとる、項C7またはC8に記載の人感センサ付LEDランプ。
C10.上記第2の可動部は球状に形成されており、上記第2の保持部には上記第2の可動部が嵌合する凹部が形成されており、
上記第2の可動部を上記凹部内で回転させることにより、上記第2の可動部の上記第1の変位状態と上記第2の変位状態とが切り替わる、項C9に記載の人感センサ付LEDランプ。
C11.長手方向を有する可撓部材をさらに備えており、
上記可撓部材は、上記長手方向に離間する第1の連結部および第2の連結部を備えており、
上記第1の連結部は上記人感センサに連結され、
上記第2の連結部は、上記第1の使用状態においては上記第1のコネクタに連結され、上記第2の使用状態においては上記第2のコネクタに連結される、項C2ないしC10のいずれかに記載の人感センサ付LEDランプ。
C12.上記第1のコネクタおよび上記第2のコネクタは、上記第1の方向と直交する第2の方向視において、上記複数のLEDモジュールと重ならない位置に設置されている、項C2ないしC11のいずれかに記載の人感センサ付LEDランプ。
C13.上記第1のコネクタは上記支持部材の上記第1の方向における一方の端部に設置されており、上記第2のコネクタは上記支持部材の上記第1の方向における他方の端部に設置されている、項C12に記載の人感センサ付LEDランプ。
C14.上記複数のLEDモジュールを覆い、上記第1の方向に長く延びる拡散カバーを備えており、上記拡散カバーには、上記第1のコネクタを露出させる第1の開口部および上記第2のコネクタを露出させる第2の開口部が形成されている、項C2ないしC13に記載の人感センサ付LEDランプ。
C15.上記第1の検出範囲は、第1の主検出方向を向く軸線を中心とし、
上記第2の検出範囲は、上記第1の主検出方向に対して傾斜する第2の主検出方向を向く軸線を中心とする、項C1に記載の人感センサ付LEDランプ。
C16.上記複数のLEDモジュールを支持する支持部材を備えており、
上記支持部材は、上記制御回路に接続されたコネクタを備えており、
上記人感センサは、上記コネクタを介して上記制御回路に接続されている、項C15に記載の人感センサ付LEDランプ。
C17.上記人感センサは、センサ部と、上記センサ部を保持する保持部とを有しており、
上記保持部は、上記第1の使用状態において、上記人感センサが上記第1の検出範囲を有するように上記センサ部を保持し、上記第2の使用状態において、上記人感センサが上記第2の検出範囲を有するように上記センサ部を保持する、項C16に記載の人感センサ付LEDランプ。
C18.上記人感センサは球状部材をさらに備えており、
上記センサ部は球状部材に設けられており、
上記保持部には上記球状部材が嵌合する凹部が形成されており、
上記球状部材を上記凹部内で回転させることにより、上記第1の使用状態と上記第2の使用状態とが切り替わる、項C17に記載の人感センサ付LEDランプ。
C19.上記支持部材は、上記コネクタが設けられた可動部と、上記可動部を変位可能なように保持する保持部と、を有しており、
上記可動部は、上記コネクタに接続された上記人感センサが上記第1の検出範囲を有する第1の変位状態と、上記コネクタに接続された上記人感センサが上記第2の検出範囲を有する第2の変位状態と、をとる、項C16ないしC18のいずれかに記載の人感センサ付LEDランプ。
C20.上記可動部は球状に形成されており、上記保持部には上記可動部が嵌合する凹部が形成されており、
上記可動部を上記凹部内で回転させることにより、上記可動部の上記第1の変位状態と上記第2の変位状態とが切り替わる、項C19に記載の人感センサ付LEDランプ。
C21.長手方向を有する可撓部材をさらに備えており、
上記可撓部材は、上記長手方向に離間する第1の連結部および第2の連結部を備えており、
上記第1の連結部は上記人感センサに連結され、
上記第2の連結部は上記コネクタに連結される、項C16ないしC20のいずれかに記載の人感センサ付LEDランプ。
C22.上記複数のLEDモジュールを支持し、かつ、上記制御回路に接続されたコネクタを備えた支持部材と、
長手方向を有する可撓部材と、をさらに備えており、
上記可撓部材は、上記長手方向に離間する第1の連結部および第2の連結部を備えており、
上記第1の連結部は上記人感センサに連結され、
上記第2の連結部は上記コネクタに連結され、
上記可撓部材を変形させることにより、上記第1の使用状態と上記第2の使用状態とが切り替わる、項C1に記載の人感センサ付LEDランプ。
C23.上記複数のLEDモジュールを覆う拡散カバーをさらに備えており、
上記拡散カバーには、上記コネクタを露出させる開口部が形成されている、項C16ないしC22のいずれかに記載の人感センサ付LEDランプ。
C24.上記複数のLEDモジュールの少なくとも一部は、第1の方向を含む設置面上に設置されており、
上記設置面に対して垂直な方向視において、上記コネクタは上記複数のLEDモジュールと重ならない位置に配置されている、項C16ないしC23のいずれかに記載の人感センサ付LEDランプ。
【0174】
以上の発明によれば、照明対象領域の周辺への人の立ち入りを検知できる機能を有し、かつ点灯時の見栄えのよいLEDランプを提供することができる。
また、本発明は、複数のLEDチップを内蔵しており、使用者の有無により点灯状態と消灯状態とを切り替えるLEDランプに関する。
図38は、従来のLEDランプの一例を示している(たとえば、特開2009−16093号公報参照)。同図に示されたLEDランプ1900は、光源として複数のLEDチップ(図示略)を内蔵しており、天井1850に取り付けられている。LEDランプ1900は、人感センサ1091を備えている。人感センサ1091は、たとえば赤外線を受けることにより起電力を生じる赤外線センサであり、床1860を歩く使用者1800が検知範囲1092に進入すると、検知信号を出力する。LEDランプ1900は、人感センサ1091からの検知信号に基づいて、上記複数のLEDチップを点灯させる。
【0175】
赤外線を受けることによる起電力を利用した人感センサ1091は、使用者1800が検知範囲1092に進入したことは検知可能であるが、使用者1800が検知範囲1092に居続けていることを検知することは、原理上不可能である。このため、LEDランプ1900は、人感センサ1091から検知信号が出力された後、一定時間後に上記複数のLEDチップを消灯させる。このとき、使用者1800がいまだLEDランプ1900の照射範囲に居続けていると、使用者1800は意図せず暗い環境に置かれることとなる。
【0176】
本発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、使用者の意図に反して消灯してしまうことを抑制するLEDランプを提供することができる。
また、本発明は、複数のLEDチップを内蔵し、たとえば屋内の照明に用いられる人感センサ付LEDランプに関する。
図62には、従来の人感センサ付LEDランプの一例を示している(たとえば特開2009−16093号公報参照)。同図に示された人感センサ付LEDランプ2090は、フレーム2091と、放熱板2092と、複数の基板2093と、各基板2093に複数設置されたLEDモジュール2094と、電気回路部品2095と、人感センサ2096と、拡散カバー2097と、エンドキャップ2098a,2098bとを備えている。
【0177】
同図に示すように人感センサ付LEDランプ2090はx方向に長く延びるように形成されている。同図に示すy,z方向はx方向に対して直交する方向である。放熱板2092は、たとえばアルミ製であり、z方向において複数の基板2093とフレーム2091とに挟まれるように配置される。複数の基板2093は、x方向に沿って配列されており、たとえばネジを用いてフレーム2091に取り付けられている。複数のLEDモジュール2094は基板2093に互いに所定の間隔を隔てて配置されている。これらのLEDモジュール2094が点灯時に発する熱は放熱板2092に伝達する。電気回路部品2095は、外部からの交流電流を直流電流に整流し、複数のLEDモジュール2094に一定の電流を供給する制御回路を備えている。電気回路部品2095は、フレーム2091のx方向における一方の端部に設置される。人感センサ2096は、赤外線を受光する略円筒状のセンサ部2961を備えている。人感センサ2096は、電気回路部品2095に固定されている。拡散カバー2097はたとえば白色樹脂によってU字状断面を有してx方向に長く延びるように形成されている。拡散カバー2097は、複数のLEDモジュール2094を覆うようにフレーム2091に取り付けられている。フレーム2091および拡散カバー2097のx方向における一方の端部にはエンドキャップ2098aが差し込まれており、他方の端部にはエンドキャップ2098bが差し込まれている。エンドキャップ2098aには、人感センサ2096のセンサ部2961を露出させるための開口部2981が形成されている。
【0178】
このような人感センサ付LEDランプ2090は、たとえば、直管型の蛍光灯の代替として、拡散カバー2097が床面を向くように天井に取り付けられ、商用電源に接続される。電源の投入に伴い、電気回路部品2095によって整流された直流電流が複数のLEDモジュール2094に供給され、複数のLEDモジュール2094が点灯する。人感センサ2096は、たとえば天井から床に向かう方向を向く軸線を中心とする検出範囲を有している。人感センサ2096は、この検出範囲内にいる人間の体温を検出することによって、検出範囲内における人の存否を判定する。人感センサ2096は、検出範囲内に人が居ないと判定した場合には、その旨を伝える信号を電気回路部品2095内の制御回路に伝達する。この信号を受信した場合には、制御回路は複数のLEDモジュール2094への電流の供給を停止する制御を行う。このため、人感センサ付LEDランプ2090は、仮に消灯するのを忘れた場合でも、室内に人が居なければ自然に消灯し、電力消費の低減に寄与する。
【0179】
図63には、人感センサ付LEDランプ2090を天井W1の壁W2に近い領域に設置した状況を示している。人感センサ付ランプ2090を使用可能な状態にするには、電気回路部品2095を商用電源に接続する必要がある。このため、天井W1には、商用電源に接続された電源装置2099が設置される。電気回路部品2095が電源装置2099に接続されるように人感センサ付ランプ2090は天井W1に固定される。
【0180】
人感センサ付ランプ2090の使用形態としては、既存の蛍光灯と置き換えて使用するケースが想定される。この場合、天井W1には蛍光灯に電力を供給するための電源装置2099が既に設置されている。電気回路部品2095を既設の電源装置2099に接続する必要があるため、人感センサ付ランプ2090を天井W1の任意の場所に任意の向きで固定するわけにはいかず、特定の場所に特定の向きでしか固定できないことになる。図63に示す状況のように、電源装置2099が壁W2に比較的近い位置にある場合には、以下のような問題が生じることがある。
【0181】
上述したように、人感センサ付ランプ2090における人感センサ2096は、電気回路部品2095に固定されている。このため、電源装置2099が壁W2に比較的近い位置にある場合には、人感センサ付ランプ2090は、電気回路部品2095が壁W2の近くに配置される向きで天井W1に固定される。上述したように人感センサ2096は電気回路部品2095に固定されており、人感センサ2096も壁W2のすぐ近くに配置されることになる。このとき、人感センサ2096の検出範囲Cxは、壁W2が障害となり、本来人感センサ2096が検出可能な範囲の一部しか有効活用されないことになる。人感センサ2096の本来の検出範囲が、人感センサ付ランプ2090が設置されることが想定される部屋の大きさと同程度である場合、壁W2によって制限された検出範囲Cxは部屋の大きさよりも小さいことになる。このような場合、たとえば、室内の壁W2と反対側の壁近くに人が居ても、人感センサ2096はその人を検出できず、人が居ないときの信号を制御回路に出力し、消灯してしまうことが起こりえる。このような問題があるため、電源装置2099が壁の近くにある部屋には人感センサ付ランプ2090を取り付けることができなかったり、電源装置2099の位置を変更する工事を行う必要が生じたりすることがあった。
【0182】
本発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、より正確に人の存否を判定可能な人感センサ付ランプを提供することができる。
【符号の説明】
【0183】
1 LEDランプ
2 LED光源部
3 支持部材
4 ケース
5 キャップ
6 口金
7 基板
8 LEDモジュール
9 発光域
9a 発光域の中心
11 人感センサモジュール
12 照度センサモジュール
13 温度センサモジュール
15 コネクタ(人感センサ用)
16 開口(人感センサ用)
17 コネクタキャップ
20 センサ本体
21 モジュールケース
22 端子ピン
23 感度中心軸
23i 仮想的な感度領域の感度中心軸
24 感度領域
24i 仮想的な感度領域
27 LEDチップ
28 封止樹脂
29A,29B リード
30 リフレクタ
31 ワイヤ
35 照明中心軸
36 照明領域
37 照明対象領域
40 照明器具
41 ソケット
42 ソケット
43 電源スイッチ
50 マイクロコンピュータ
51 LEDドライバ
52 AC/DCコンバータ
53 リレー
54 PWM入力端子
55 AC/DCコンバータ
56 駆動回路
58 リレードライバ
60 モード設定スイッチ
61 リセットスイッチ
62 メモリ
70 埋め込み型照明器具
71 天井
72 開口
73 器具本体
74 空間
75 コネクタ
80 人感センサモジュール
81 センサ本体
82 リード線
83 プラグ
85 電球用ソケット
86 口金
87 ケース
88 円筒部
89 ドーム部
90 突出部
91 人感センサ
92 感度中心軸
93 感度領域
95 照明中心軸
96 部屋
97 天井
101 LEDランプ
102 LEDランプ
103 LEDランプ
104 LEDランプ
105 LEDランプ
106 LEDランプ
107 LEDランプ
108 LEDランプ
120 埋め込み型照明器具
121 電球用ソケット
122 天井
123 開口
124 器具本体
125 空間
130 口金
131 ケース
132 円筒部
133 ドーム部
135 コネクタ
140 人感センサモジュール
141 センサ本体
142 リード線
143 プラグ
150 人感センサモジュール
151 センサ取り付け構造
152 モジュール保持部材
153 モジュールケース
154 センサ本体
155 球面状の外表面
158 ボルト
159 感度中心軸
160 人感センサモジュール
161 モジュールケース
162 センサ本体
163 感度中心軸
164 感度領域
165 センサ取り付け構造
166 照明中心軸
170 人感センサモジュール
172 端子ピン
175 保持ケース
180 人感センサモジュール
200 シャッタユニット
201 焦電型赤外センサ
202 フレネルレンズ
203 受光面
205 検知可能領域
206 検知不能領域
210 焦電型赤外センサ
1101 LEDランプ
1110 照明器具
1200 基板
1210 カバー
1300 放熱部材
1400 LEDモジュール
1410 LEDチップ
1500 コネクタ
1600 電源部
1700 制御部
1710 記憶部
1720 LEDドライバ
1750 電波検知部
1760 人感センサ
1770 照度センサ
1800 使用者
1810 携帯型電話機(電波発信手段)
1850 天井
1860 床
1870 窓
Im 照度
Ims 基準照度
Rw 電波強度
Rws 基準電波強度
2001 拡散カバー
2002 LEDモジュール
2003 支持部材
2004 電気回路部品(制御回路)
2005 人感センサ
2008 可撓部材
2011,2012 開口部
2030 基板
2031 第1のコネクタ
2032 第2のコネクタ
2033 放熱板
2036,2037 コネクタ
2051 球状部材
2052 保持部
2053 センサ部
2061,2062 エンドキャップ
2071,2072,2073,2074 口金
2081 第1の連結部
2082 第2の連結部
2311,2321 端子係合部
2341 第1の可動部
2342 第2の可動部
2351 第1の保持部
2351a 凹部
2352 第2の保持部
2511 本体部
2512 集光部
2521 凹部
2522 端子部
A1〜A5 人感センサ付LEDランプ
L1,L1’,L2,L2’ 軸線
C1,C1’,C2,C2’ 検出範囲
S1,S2,Sa,Sb ソケット
P1 電源装置
W1,W1a 天井
W1b 凹部
W2 壁
x (第1の)方向
y 方向
z 方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明器具に取り付けられるLEDランプであって、
複数のLEDチップを含むLED光源部と、
周囲の照度を検出する照度センサと、
前記LED光源部が点灯状態のときに、前記照度センサの出力信号に基づいて、前記LED光源部が発生する光以外の周囲光の照度に応じて前記LED光源部を制御する制御装置と
を含む、LEDランプ。
【請求項2】
前記照度センサが、前記LED光源部が発生する光と周囲光とを検出するように配置されている、請求項1に記載のLEDランプ。
【請求項3】
前記制御装置は、
前記LED光源部の駆動状態に基づいて、当該LED光源部が発生する光による前記照度センサの出力信号への寄与分である自発光照度を演算する自発光照度演算手段と、
前記照度センサの出力信号から前記自発光照度を減じた周囲光照度が所定のしきい値以下ならば前記LED光源部を点灯し、前記周囲光照度が前記しきい値を超えていれば前記LED光源部を消灯するオン/オフ制御手段と
を含む、請求項1または2に記載のLEDランプ。
【請求項4】
前記制御装置は、前記周囲光照度が前記しきい値以下のときに、当該周囲光照度に応じた電力で前記LED光源部を駆動する照度適応駆動手段をさらに含む、請求項3に記載のLEDランプ。
【請求項5】
前記制御装置は、
前記照度センサの出力信号を記憶する記憶手段と、
前記照度センサの出力信号と前記記憶手段の記憶値とを比較する比較手段と、
前記比較手段の比較結果に応じて前記LED光源部を点灯/消灯するオン/オフ制御手段とを含む、請求項1または2に記載のLEDランプ。
【請求項6】
前記記憶手段は、前記LED光源部が予め定める点灯状態のときの前記照度センサの出力信号を記憶するように構成されている、請求項5に記載のLEDランプ。
【請求項7】
前記記憶手段に前記照度センサの出力信号を書き込むために操作者によって操作される書き込み指示手段をさらに含み、前記制御装置は、前記書き込み指示手段の操作に応答して前記照度センサの出力信号を前記記憶手段に書き込む書き込み手段をさらに含む、請求項5または6に記載のLEDランプ。
【請求項8】
前記書き込み指示手段が、前記LED光源部を予め定める状態で点灯させるための点灯指示手段を含み、
前記制御装置が、前記記憶手段に前記照度センサの出力信号が書き込み済みであるときには前記書き込み手段による書き込み動作を禁止し、前記記憶手段に前記照度センサの出力信号が書き込み済みでないときには、前記書き込み手段による書き込み動作を許容する書き込み制御手段をさらに含む、請求項7に記載のLEDランプ。
【請求項9】
前記書き込み手段による書き込み動作の禁止を解除するために操作者によって操作される禁止解除操作手段をさらに含み、
前記書き込み制御手段は、前記禁止解除操作手段の操作に応答して、前記書き込み手段による一回の書き込み動作を許容するように構成されている、請求項8に記載のLEDランプ。
【請求項10】
前記比較手段は、前記照度センサの出力信号から前記記憶手段の記憶値を減じた周囲光照度が所定のしきい値以下かどうかを判定する手段を含み、
前記オン/オフ制御手段は、前記周囲光照度が前記しきい値以下ならば前記LED光源部を点灯し、前記周囲光照度が前記しきい値を超えていれば前記LED光源部を消灯するように構成されている、請求項5〜9のいずれか一項に記載のLEDランプ。
【請求項11】
前記制御装置は、前記LED光源部をPWM制御するPWM制御手段と、前記PWM制御手段によって前記LED光源部がPWM制御されているときに、PWM周期中において前記LED光源部への電力供給が遮断されるオフ期間中に前記照度センサの出力信号を周囲光照度としてサンプリングするサンプリング手段とを含み、前記サンプリング手段によってサンプリングされた周囲光照度に応じて前記LED光源部を制御するように構成されている、請求項1または2に記載のLEDランプ。
【請求項12】
前記制御装置は、前記サンプリング手段によってサンプリングされた周囲光照度に基づいて前記PWM制御におけるデューティ比を設定するデューティ比設定手段をさらに含む、請求項11に記載のLEDランプ。
【請求項13】
予め定める感度領域を有する人感センサをさらに含み、
前記制御装置は、前記人感センサの出力信号に応じて前記LED光源部を制御するように構成されている、請求項1〜12のいずれか一項に記載のLEDランプ。
【請求項14】
前記制御装置は、前記人感センサによって人が検出されたことに応答して、前記LED光源部の駆動電力を増加するように構成されている、請求項13に記載のLEDランプ。
【請求項15】
予め定める温度検知対象域に存在する対象の温度を非接触で検出する非接触温度センサをさらに含み、
前記制御装置は、前記非接触温度センサによって検出される温度に応じて前記LED光源部を制御するように構成されている、請求項1〜14のいずれか一項に記載のLEDランプ。
【請求項16】
前記人感センサは、焦電型赤外センサを含み、
前記焦電型赤外センサの受光面への赤外線入射経路を開閉するシャッタユニットをさらに含む、請求項13または14に記載のLEDランプ。
【請求項17】
予め定める感度領域を有する焦電型赤外センサと、
前記焦電型赤外センサの受光面への赤外線入射経路を開閉するシャッタユニットとをさらに含み、
前記制御装置は、前記焦電型赤外センサの出力信号に基づいて前記感度領域内の人の有無を判断し、その判断結果に応じて前記LED光源部を制御するように構成されている、請求項1〜14のいずれか一項に記載のLEDランプ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【図57】
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【図58】
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【図59】
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【図60】
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【図61】
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【図62】
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【図63】
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【公開番号】特開2013−33717(P2013−33717A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−87644(P2012−87644)
【出願日】平成24年4月6日(2012.4.6)
【出願人】(000116024)ローム株式会社 (3,539)
【Fターム(参考)】