説明

LED点灯装置

【課題】簡易な回路構成により、安定したトライアック調光が可能で且つ高効率なLED点灯装置。
【解決手段】交流入力電圧を位相制御するトライアック調光器3に接続されるトランスTの一次巻線Pとスイッチング素子Q1との直列回路と、スイッチング素子Q1をオンオフ制御する制御回路14と、LEDに電力が供給されるトランスPの二次巻線Sと、第1電流と第1電流よりも小さい第2電流とを切り替えて流すように構成されたブリーダ回路23と、ブリーダ回路23に接続され、少なくとも前記トライアック調光器3の導通開始時にブリーダ回路23に第1電流を流させる切替回路21とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のLEDを駆動するLED点灯装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数のLED(Light Emitting Diode)を点灯させるLED点灯装置として、例えば特許文献1が知られている。
【0003】
特許文献1は、トライアック調光器を有する絶縁型のLED点灯装置及びLED照明装置を開示している。このLED点灯装置において、トライアック調光器を安定なオン状態に保持するためには、保持電流と呼ばれる最小負荷電流を流す必要がある。
【0004】
しかし、保持電流が不足することにより、トライアック調光器がオンオフを繰り返してしまい、チラツキや異音などの不具合が発生してしまう。この不具合をなくすために、LED点灯装置をトライアック調光器に接続する際には、保持電流を流すためのブリーダ回路が必要であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−003326号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、ブリーダ回路に流れる電流は、損失となるため、LED点灯装置の効率が低下してしまう。
【0007】
また、トライアック調光器からの交流電圧は、トライアック調光器により位相制御された断続的な電圧波形であり、交流電圧の立ち上がり時においては、保持電流以上の電流が流れにくくトライアック調光器はオフ状態となり、トライアック調光器は安定に動作しない。このため、特許文献1では、入力コンデンサを設けることで、制御ICを常時、起動させている。しかし、LED点灯装置の部品点数が増加してしまう。
本発明の課題は、簡易な回路構成により、安定したトライアック調光が可能で且つ高効率なLED点灯装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明のLED点灯装置は、交流入力電圧を位相制御するトライアック調光器に接続されるトランスの一次巻線とスイッチング素子との直列回路と、前記スイッチング素子をオンオフ制御する制御回路と、LEDに電力供給する前記トランスの二次巻線と、第1電流と前記第1電流よりも小さい第2電流とを切り替えて流すように構成されたブリーダ回路と、前記ブリーダ回路に接続され、少なくとも前記トライアック調光器の導通開始時に前記ブリーダ回路に前記第1電流を流させる切替回路とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、切替回路は、少なくともトライアック調光器の導通開始時にブリーダ回路に第1電流、即ち、保持電流を流させ、トライアック調光器の動作安定後にはブリーダ回路に流れるブリーダ電流を第1電流よりも小さい第2電流に低減する。従って、本発明は、簡易な回路構成により、安定したトライアック調光が可能で且つ高効率なLED点灯装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施例1のLED点灯装置の構成図である。
【図2】本発明の実施例2のLED点灯装置の構成図である。
【図3】本発明の実施例1のLED点灯装置のブリーダ回路に対するオン/オフ動作有無での動作波形を示す図で、図3(a)は従来技術の動作波形図で、図3(b)は本発明の動作波形図である。
【図4】本発明の実施例1のLED点灯装置のブリーダ回路に対するオン/オフ動作有無での動作波形を示す図で、図4(a)は従来技術の動作波形図で、図4(b)は本発明の動作波形図である。
【図5】本発明の実施例1及び2のLED点灯装置のブリーダ回路に対するオン/オフ動作有無での効率を示す図である。
【図6】本発明の実施例3のLED点灯装置の構成図である。
【図7】本発明の実施例4のLED点灯装置の構成図である。
【図8】本発明の実施例5のLED点灯装置の構成図である。
【図9】本発明の実施例6のLED点灯装置の構成図である。
【図10】本発明の実施例7のLED点灯装置の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態のLED点灯装置を図面を参照しながら詳細に説明する。
【実施例1】
【0012】
図1は本発明の実施例1のLED点灯装置の構成図である。図1に示すLED点灯装置は、調光機能を有する絶縁型のLED点灯装置である。
【0013】
図1において、交流電源1は、交流入力電圧をトライアック調光器3に供給する。トライアック調光器3は、トライアックにより交流電源1からの交流入力電圧を位相制御する。全波整流回路5は、トライアック調光器3により位相制御された交流入力電圧を整流する。
【0014】
全波整流回路5の出力端と1次GNDとの間には、スイッチングトランスTの一次巻線PとMOSFET等からなるスイッチング素子Q1との直列回路が接続される。制御回路14は、スイッチング素子Q1をPWM制御するもので、発振器15、PWM回路17、ドライブ回路19を有する。
【0015】
スイッチングトランスTの二次巻線Sは、負荷であるLEDに電力を供給するために、スイッチングトランスTの一次巻線Pとは逆相に巻回されている。スイッチングトランスTの二次巻線Sの両端にはダイオードD1とコンデンサC1との直列回路が接続される。ダイオードD1とコンデンサC1とで整流平滑回路を構成する。ダイオードD1とコンデンサC1との接続点と2次GNDとの間には、直列に接続されたLED1a〜LED1nと抵抗7との直列回路が接続される。
【0016】
抵抗7は、直列に接続されたLED1a〜LED1nに流れる電流を検出して電流検出信号を誤差増幅器13に出力する。
【0017】
電圧検出回路11は、ダイオードD1がオフのときにスイッチングトランスTの二次巻線Sに発生する位相制御された交流入力電圧に比例した高周波電圧を平滑し調光信号に変換して誤差増幅器13に出力する。
【0018】
誤差増幅器13は、電圧検出回路11からの調光信号に応じてレベルが変わる基準電圧を有し、抵抗7からの電流検出信号と基準電圧との誤差を増幅し、誤差増幅信号を出力する。PWM回路17は、発振器15からの基準信号と誤差増幅器13からの誤差増幅信号とを比較することによりパルス信号のオンオフデューティを変えるPWM制御を行う。ドライブ回路19は、PWM回路17からのPWM信号によりスイッチング素子Q1をオン/オフ駆動させる。
【0019】
また、LED点灯装置は、トライアック調光器に保持電流を流すブリーダ回路23と、オン/オフ回路(本発明の切替回路に対応)21と、トランスTの補助巻線Dとを有している。補助巻線DにはダイオードD2とコンデンサC2との直列回路が接続され、補助巻線Dに発生した位相制御された交流電圧をダイオードD2とコンデンサC2とで整流平滑した直流電圧が制御回路14とオン/オフ回路21とに供給されている。ブリーダ回路23は、全波整流回路5の出力端に接続される。
【0020】
ブリーダ回路23は、第1電流と第1電流よりも小さい第2電流とを切り替えてブリーダ電流として流すように構成されている。オン/オフ回路21は、ブリーダ回路23に接続され、補助巻線Dの電圧を検出して、この検出電圧に基づきブリーダ回路23に流れる第1電流と第2電流とを切り替える。
【0021】
オン/オフ回路21は、少なくともトライアック調光器3のオン動作時にブリーダ回路23に第2電流よりも大きい第1電流を流させる。
【0022】
次にこのように構成された実施例1のLED点灯装置の動作を説明する。まず、交流電源1が印加されると、トライアック調光器3を介してトランスTの一次巻線Pに交流電圧が印加され、図示しない起動回路を介してコンデンサC2が充電される。コンデンサC2が充電されると、スイッチング素子Q1のオン/オフ駆動が開始され、トランスTの二次巻線S及び補助巻線Dに交流電圧が発生する。補助巻線Dからの交流電圧は、ダイオードD5を介し、直流電圧がオン/オフ回路21に印加される。この直流電圧は、補助巻線Dからの交流電圧の電圧値に応じた電圧値となる。
【0023】
オン/オフ回路21は、コンデンサC2から入力された直流電圧がしきい値電圧未満である場合、即ち、トライアック調光器3の導通開始時には第1電流を選択する。このため、ブリーダ回路23は、オン/オフ回路21で選択された第1電流をブリーダ電流として流し、トライアック調光器3の動作安定後には第2電流を流す。
【0024】
このように、実施例1のLED点灯装置によれば、オン/オフ回路21は、少なくともトライアック調光器3のオン動作時にブリーダ回路23に第1電流、即ち、保持電流を流させ、トライアック調光器3の動作安定後にはブリーダ回路23に流れるブリーダ電流を第1電流よりも小さい第2電流に低減する。即ち、実施例1のLED点灯装置は、必要最低限の期間のみ動作させるので、効率を良くすることができるLED点灯装置を提供できる。また、特許文献1のように、入力コンデンサを設ける必要がなく、簡易な構成が可能である。
【実施例2】
【0025】
図2は、本発明の実施例2のLED点灯装置の構成図である。図2に示す実施例2は、図1に示す実施例1のブリーダ回路23に代えて、オン/オフ回路21を有するブリーダ回路31を有するとともに、トライアック調整器3の出力両端に、ダイオードD3とダイオードD4との直列回路が接続している。ブリーダ回路31は、ダイオードD3及びD4のカソードを介して全波整流回路5の入力端に接続される。
【0026】
ブリーダ回路31において、補助巻線DとダイオードD2との接続点はダイオードD5を介してダイオードD6のアノードと、コンデンサC3の一端とツェナーダイオードZD2のカソードとに接続される。ダイオードD6の他端は抵抗R1を介して抵抗R3の一端と抵抗R2の一端とツェナーダイオードZD1のカソードとコンデンサC4の一端とに接続される。
【0027】
抵抗R3の他端は全波整流回路5の出力端に接続され、抵抗R2の他端はnpn型のトランジスタQ3のコレクタとn型のMOSFETQ2のゲートとに接続される。トランジスタQ3のベースは抵抗R6を介してツェナーダイオードZD2のアノードに接続される。トランジスタQ3のベースは抵抗R5を介してトランジスタQ3のエミッタに接続される。
【0028】
MOSFETQ2のドレインはダイオードD3とダイオードD4との接続点に接続され、MOSFETQ2のソースは抵抗R4の一端に接続される。抵抗R4の他端とトランジスタQ3のエミッタとコンデンサC4の他端とツェナーダイオードZD1のアノードとコンデンサC3の他端とは共通接続される。
【0029】
トランジスタQ3と抵抗R5,R6とツェナーダイオードZD2とは、オン/オフ回路21を構成する。
【0030】
次に、このように構成された実施例2のLED点灯装置の動作を説明する。ここで、コンデンサC3の一端の電圧をVcとする。
【0031】
まず、補助巻線Dに交流電圧が発生し、コンデンサC3の電圧Vcがしきい値Vthを超えると、即ち、重負荷になると、ツェナーダイオードZD2が降伏して、トランジスタQ3のベースに電流が流れて、トランジスタQ3がオンする。このため、MOSFETQ2はオフするので、ブリーダ回路31は動作しない。即ち、略ゼロのブリーダ電流(第2電流)が流れる。
【0032】
一方、軽負荷時又は重負荷時で且つ交流電圧の立ち上がり時には、コンデンサC3の電圧Vcが低いので、ツェナーダイオードZD2はオフし、トランジスタQ3はオフである。このため、電圧VcはダイオードD6、抵抗R1、抵抗R2を介してMOSFETQ2のゲートに印加される。このため、MOSFETQ2はオンするので、ブリーダ回路31は動作して、ブリーダ電流(第1電流)が流れる。
【0033】
このように、実施例2のLED点灯装置によれば、オン/オフ回路21は、補助巻線Dに発生する電圧の値に基づきLEDの負荷状態を判定し、負荷が軽負荷である場合にはブリーダ回路31に第1電流を流させ、負荷が重負荷時である場合であって且つ補助巻線Dに発生する電圧の立ち上がり時にはブリーダ回路31に第1電流を流させるので、実施例1のLED点灯装置の効果と同様な効果が得られる。
【0034】
図3(b)に、オン/オフ回路21が有りで、コンデンサC2の両端電圧、ブリーダ回路電流、交流電圧Vin(AC)、スイッチング素子Q1のドレイン電流Idを示す。ここで、交流電圧Vin(AC)は、全波整流回路5とトランスTとの接続点に発生する電圧を示す。また、時刻t1,t2,t3及びt4は、トライアック調光器3の導通が開始する時刻を示す。図3(b)からもわかるように、補助巻線Dの交流電圧の立ち上がり時に第2電流よりも大きい第1電流が流れている。図4(b)には、オン/オフ回路21が有りで、ブリーダ回路電流、交流電圧Vin(AC)と、ブリーダ回路電流による電力損失を示す。
【0035】
図3(a)に、オン/オフ回路21が無しで、コンデンサC2の両端電圧Vc、ブリーダ回路電流、交流電圧Vin(AC)を示す。図4(a)には、オン/オフ回路21が無しで、ブリーダ回路電流、交流電圧Vin(AC)と、ブリーダ回路電流による電力損失を示す。
【0036】
図3(a)、図4(a)は、従来技術の動作波形であり、常時、ブリーダ回路23にブリーダ電流が流れているため、電力損失が大きい。
【0037】
図5に、本発明の実施例1のLED点灯装置のブリーダ回路23に対するオン/オフ回路21の動作の有無での効率を示す。図5において、Ioutは出力電流(負荷電流)を示し、η1はオン/オフ回路21が有る場合の効率を示し、η2はオン/オフ回路21がない場合の効率を示す。本発明の方が従来技術の方よりも効率が良いことがでわかる。導通角が小さいときには、即ち、軽負荷時には、ブリーダ回路23に常時電流を流しているので、本発明と従来技術との効率は同じである。
【実施例3】
【0038】
図6は、本発明の実施例3のLED点灯装置の構成図である。図6に示す実施例3のLED点灯装置は、図2に示す実施例2のブリーダ回路31に対して、さらに、抵抗R8、抵抗R4、MOSFETQ4を設けたことを特徴とする。
【0039】
トランジスタQ3のコレクタには抵抗R8の一端が接続され、抵抗R8の他端は抵抗R2と抵抗R3とに接続される。抵抗R4の他端には抵抗R7の一端が接続され、抵抗R7の他端はコンデンサC3の他端に接続される。
【0040】
トランジスタQ3のコレクタにはMOSFETQ4のゲートが接続され、MOSFETQ4のドレインは抵抗R4と抵抗R7との接続点に接続される。MOSFETQ4のソースはコンデンサC3の他端に接続される。
【0041】
次に、このように構成された実施例3のLED点灯装置の動作を説明する。
【0042】
まず、交流電源1から交流電圧が印加され、スイッチング素子Q1のオン/オフ動作が開始し、コンデンサC3の電圧Vcがしきい値Vthを超えると、即ち、重負荷になると、ツェナーダイオードZD2が降伏して、トランジスタQ3のベースに電流が流れて、トランジスタQ3がオンする。このため、MOSFETQ4はオフし、ブリーダ電流は抵抗R4と抵抗R7との直列回路に流れるため、ブリーダ電流は小さくなる。即ち、ブリーダ電流は第2電流となる。
【0043】
一方、軽負荷時又は重負荷時で且つトライアック調光器3の導通開始時には、電圧Vcが低いので、ツェナーダイオードZD2はオフし、トランジスタQ3はオフである。このため、電圧VcはダイオードD6、抵抗R8を介してMOSFETQ4のゲートに印加される。このため、MOSFETQ4はオンし、MOSFETQ2もオンして、ブリーダ電流は抵抗R4のみを流れるので、大きくなる。即ち、ブリーダ電流は第1電流となる。
【0044】
このように、実施例3のLED点灯装置によれば、実施例1のLED点灯装置の効果と同様な効果が得られる。
【実施例4】
【0045】
図7は、本発明の実施例4のLED点灯装置の構成図である。図1に示す実施例1のLED点灯装置は、補助巻線Dからの電圧をオン/オフ回路21に出力したが、図7に示す実施例4のLED点灯装置は、誤差増幅器13aを有し、誤差増幅器13aからの誤差電圧をオン/オフ回路21bに出力したことを特徴とする。
【0046】
誤差増幅器13aは、抵抗7に流れるLED電流により発生する電圧と基準電圧との誤差電圧を増幅し増幅された誤差電圧をフォトカプラ等の絶縁信号伝達素子を介してオン/オフ回路21bに出力する。オン/オフ回路21bは、誤差増幅器13aからの誤差電圧に応じて、ブリーダ回路23に流れるブリーダ電流の大小を切り替える。
【0047】
オン/オフ回路21bは、例えば、誤差増幅器13aからの誤差電圧が所定の値以上の場合にはブリーダ回路23に第1電流を流し、誤差増幅器13aからの誤差電圧が所定の値未満の場合にはブリーダ回路23に第1電流よりも小さい第2電流(略ゼロでも良い)を流す。或いは、オン/オフ回路21bは、誤差増幅器13aからの誤差電圧が所定の値以上の場合にはブリーダ回路23に第1電流を流し、所定時間が経過した後にブリーダ回路23に第2電流(略ゼロでも良い)を流しても良い。
【0048】
このように実施例4のLED点灯装置によれば、オン/オフ回路21bは、交流電圧立上がり時には、誤差増幅器13aからの誤差電圧が所定の値以上であるので、ブリーダ回路23に第1電流、即ち、保持電流を流させ、LED点灯装置が動作安定後には、誤差増幅器13aからの誤差電圧が所定の値未満であるので、ブリーダ回路23に流す電流を第2電流に低減する。
【0049】
このように、実施例4のLED点灯装置によれば、実施例1のLED点灯装置の効果と同様な効果が得られる。
【実施例5】
【0050】
図8は、本発明の実施例5のLED点灯装置の構成図である。図8に示す実施例5は、図7に示す実施例4のブリーダ回路23に代えて、オン/オフ回路21bを有するブリーダ回路33を有するとともに、トライアック調整器3の出力両端に、ダイオードD3とダイオードD4との逆直列回路が接続している。ブリーダ回路33は、ダイオードD3及びD4のカソードを介して全波整流回路5の入力端に接続される。
【0051】
ブリーダ回路33において、補助巻線DとダイオードD2との接続点はダイオードD5を介してダイオードD6のアノードと、コンデンサC3の一端とに接続される。ダイオードD6の他端は抵抗R1を介して抵抗R3の一端と抵抗R2の一端とツェナーダイオードZD1のカソードとコンデンサC4の一端とに接続される。
【0052】
抵抗R3の他端は全波整流回路5の出力端に接続され、抵抗R2の他端はn型のMOSFETQ2のゲートと抵抗R8の一端とに接続される。抵抗R8の他端は、フォトカプラPCのコレクタに接続され、MOSFETQ4のゲートとに接続される。
【0053】
MOSFETQ2のドレインはダイオードD3とダイオードD4との接続点に接続され、MOSFETQ2のソースは抵抗R4と抵抗R7との直列回路に接続される。抵抗R4と抵抗R7との接続点は、MOSFETQ4のドレインに接続される。抵抗R7の一端とMOSFETQ4のソースとフォトカプラPCのエミッタとは共通接続される。
【0054】
フォトカプラPCとMOSFETQ4とは、オン/オフ回路21bを構成する。
【0055】
次に、このように構成された実施例5のLED点灯装置の動作を説明する。
【0056】
まず、重負荷になると、LED1a〜LED1nに大きい電流が流れるので、フォトカプラPCにも大きい電流が流れる。このため、MOSFETQ4はオフするので、ブリーダ電流は抵抗R4と抵抗R7との直列回路に流れるため、ブリーダ電流は小さくなる。即ち、ブリーダ電流は第2電流となる。
【0057】
一方、軽負荷時又は重負荷時で且つトライアック調光器3の導通開始時には、LED1a〜LED1nに小さい電流が流れるので、フォトカプラPCにも小さい電流が流れる。このため、MOSFETQ4はオンして、ブリーダ電流は抵抗R4のみを流れるので、大きくなる。即ち、ブリーダ電流は第1電流となる。
【0058】
このように、実施例5のLED点灯装置によれば、実施例1のLED点灯装置の効果と同様な効果が得られる。
【実施例6】
【0059】
図9は、本発明の実施例6のLED点灯装置の構成図である。本実施例に係るLED点灯装置において、1次側および2次GNDは共通の接地電位である。図1に示す実施例1のLED点灯装置は、補助巻線Dからの電圧をオン/オフ回路21に出力したが、図9に示す実施例6のLED点灯装置は、トランスTの二次巻線Sの電圧の値に基づきブリーダ電流の大小を切り替えるオン/オフ回路21cを設けたことを特徴とする。
【0060】
オン/オフ回路21cは、例えば、二次巻線Sの電圧の値が所定の値未満の場合にはブリーダ回路23に第1電流を流し、二次巻線Sの電圧の値が所定の値以上の場合にはブリーダ回路23に第1電流よりも小さい第2電流(略ゼロでも良い)を流す。或いは、オン/オフ回路21cは、二次巻線Sの電圧の値が所定の値未満の場合にはブリーダ回路23に第1電流を流し、所定時間が経過した後にブリーダ回路23に第2電流(略ゼロでも良い)を流しても良い。
【0061】
このように実施例6のLED点灯装置によれば、オン/オフ回路21cは、交流電圧立上がり時には、二次巻線Sの電圧の値が所定の値未満であるので、ブリーダ回路23に第1電流、即ち、保持電流を流させ、LED点灯装置が動作安定後には、二次巻線Sの電圧の値が所定の値以上であるので、ブリーダ回路23に流す電流を第2電流に低減する。
【0062】
このように、実施例6のLED点灯装置によれば、実施例1のLED点灯装置の効果と同様な効果が得られる。また、絶縁信号伝達素子を設ける必要がなくなるため、LED点灯装置の構成が簡易化できる。
【実施例7】
【0063】
図10は、本発明の実施例7のLED点灯装置の構成図である。図10に示す実施例7は、図1に示す実施例1のブリーダ回路23に代えて、オン/オフ回路21cを有するブリーダ回路34を有する。
【0064】
ブリーダ回路34において、ダイオードD6のアノードにはダイオードD7を介して二次巻線Sの一端が接続される。ダイオードD6のアノードと、コンデンサC3の一端とツェナーダイオードZD2のカソードとは共通接続される。ダイオードD6の他端は抵抗R1を介して抵抗R3の一端と抵抗R2の一端とツェナーダイオードZD1のカソードとコンデンサC4の一端とに接続される。
【0065】
抵抗R3の他端は全波整流回路5の出力端に接続され、抵抗R2の他端はnpn型のトランジスタQ3のコレクタとn型のMOSFETQ2のゲートとに接続される。トランジスタQ3のベースは抵抗R6を介してツェナーダイオードZD2のアノードに接続される。トランジスタQ3のベースは抵抗R5を介してトランジスタQ3のエミッタに接続される。
【0066】
MOSFETQ2のドレインはダイオードD3とダイオードD4との接続点に接続され、MOSFETQ2のソースは抵抗R4の一端に接続される。抵抗R4の他端とトランジスタQ3のエミッタとコンデンサC4の他端とツェナーダイオードZD1のアノードとコンデンサC3の他端とは共通接続される。
【0067】
トランジスタQ3と抵抗R5,R6とツェナーダイオードZD2とは、オン/オフ回路21cを構成する。
【0068】
次に、このように構成された実施例7のLED点灯装置の動作を説明する。
【0069】
まず、交流電源1から交流電圧が印加され、スイッチング素子Q1のオン/オフ動作が開始する。即ち、重負荷になると、二次巻線Sの両端に電圧が発生し、この電圧によりツェナーダイオードZD2が降伏して、トランジスタQ3のベースに電流が流れて、トランジスタQ3がオンする。このため、ブリーダ電流は流れなくなる。即ち、ブリーダ電流は第2電流となる。
【0070】
一方、軽負荷時又は重負荷時で且つトライアック調光器3の導通開始時には、二次巻線Sの電圧が低いので、ツェナーダイオードZD2はオフし、トランジスタQ3はオフである。このため、二次巻線Sの電圧はダイオードD7、ダイオードD6、抵抗R1、抵抗R2を介してMOSFETQ2のゲートに印加される。このため、MOSFETQ2はオンし、ブリーダ電流は抵抗R4を流れるので、ブリーダ電流は第1電流となる。
【0071】
このように、実施例7のLED点灯装置によれば、実施例1のLED点灯装置の効果と同様な効果が得られるとともに、実施例6の効果と同様な効果が得られる。
【0072】
なお、本発明は前述した実施例1乃至実施例7のLED点灯装置に限定されない。実施例1乃至実施例7のLED点灯装置では、フライバック方式を用いたが、例えば、フォワード方式のコンバータ型の電力供給装置を用いても良い。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明は、LEDを点灯させるためのLED点灯装置やLED照明に適用可能である。
【符号の説明】
【0074】
1 交流電源
3 トライアック調光器
5 全波整流回路
7 抵抗
11 電圧検出回路
13,13a 誤差増幅器
14 制御回路
15 発振器
17 PWM回路
19 ドライブ回路
21,21a,21b,21c オン/オフ回路
31〜34 ブリーダ回路
T トランス
P 一次巻線
S 二次巻線
D 補助巻線
Q1 スイッチング素子
Q2,Q4 MOSFET
Q3 トランジスタ
D1〜D7 ダイオード
ZD1,ZD2 ツェナーダイオード
C1〜C4 コンデンサ
R1〜R8 抵抗
PC フォトカプラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流入力電圧を位相制御するトライアック調光器に接続されるトランスの一次巻線とスイッチング素子との直列回路と、
前記スイッチング素子をオンオフ制御する制御回路と、
LEDに電力供給する前記トランスの二次巻線と、
第1電流と前記第1電流よりも小さい第2電流とを切り替えて流すように構成されたブリーダ回路と、
前記ブリーダ回路に接続され、少なくとも前記トライアック調光器の導通開始時に前記ブリーダ回路に前記第1電流を流させる切替回路と、
を有することを特徴とするLED点灯装置。
【請求項2】
前記切替回路は、負荷が軽負荷である場合には前記ブリーダ回路に前記第1電流を流させ、負荷が重負荷時である場合には前記トライアック調光器の導通開始時に前記ブリーダ回路に前記第1電流を流させることを特徴とする請求項1記載のLED点灯装置。
【請求項3】
前記トランスは、補助巻線を有し、
前記切替回路は、前記補助巻線に接続され、且つ前記補助巻線に発生する電圧の値に基づき前記ブリーダ回路に前記第1電流及び前記第2電流を流させることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のLED点灯装置。
【請求項4】
前記切替回路は、前記補助巻線に発生する電圧の値が所定の値未満であるとき、前記ブリーダ回路に前記第1電流を流させ、前記前記補助巻線に発生する電圧の値が所定の値以上であるとき、前記ブリーダ回路に第2電流を流させることを特徴とする請求項3記載のLED点灯装置。
【請求項5】
前記LEDに流れる電流により発生する電圧と基準電圧との誤差電圧を増幅する誤差増幅器を有し、
前記切替回路は、前記誤差増幅器からの誤差電圧の値に基づき前記ブリーダ回路に前記第1電流及び前記第2電流を流させることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のLED点灯装置。
【請求項6】
前記切替回路は、前記誤差増幅器からの誤差電圧の値が所定の値以上であるとき、前記ブリーダ回路に前記第1電流を流させ、前記誤差増幅器からの誤差電圧の値が所定の値未満であるとき、前記ブリーダ回路に第2電流を流させることを特徴とする請求項5記載のLED点灯装置。
【請求項7】
前記切替回路は、前記トランスの二次巻線の電圧の値に基づき前記ブリーダ回路に前記第1電流及び前記第2電流を流させることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のLED点灯装置。
【請求項8】
前記切替回路は、前記トランスの二次巻線の電圧の値が所定の値未満であるとき、前記ブリーダ回路に前記第1電流を流させ、前記トランスの二次巻線の電圧の値が所定の値以上であるとき、前記ブリーダ回路に第2電流を流させることを特徴とする請求項7記載のLED点灯装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−20931(P2013−20931A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−265527(P2011−265527)
【出願日】平成23年12月5日(2011.12.5)
【出願人】(000106276)サンケン電気株式会社 (982)
【Fターム(参考)】