LED照明ユニット及びLED照明装置
【課題】簡易な構成によって、柔軟に配光特性を調整できるLED照明ユニットを提供する。
【解決手段】LED照明ユニット202は、LEDパッケージが配置されるLED配置領域の略中央の中央領域に配置され、それぞれが所定の定格出力を有する複数のLEDパッケージの一群からなる1台のLEDモジュール22Lと、LED配置領域においてLEDモジュール22Lが配置される中央領域を囲むように中央領域の外側に配置され、LEDモジュール22Lに属するどのLEDパッケージよりも定格出力の大きい複数のLEDパッケージの一群からなる2台のLEDモジュール21H、2台のLEDモジュール23Hとを備えた。
【解決手段】LED照明ユニット202は、LEDパッケージが配置されるLED配置領域の略中央の中央領域に配置され、それぞれが所定の定格出力を有する複数のLEDパッケージの一群からなる1台のLEDモジュール22Lと、LED配置領域においてLEDモジュール22Lが配置される中央領域を囲むように中央領域の外側に配置され、LEDモジュール22Lに属するどのLEDパッケージよりも定格出力の大きい複数のLEDパッケージの一群からなる2台のLEDモジュール21H、2台のLEDモジュール23Hとを備えた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、光源にLEDを用いたLED照明ユニット及びこのLED照明ユニットを用いたLED照明装置に関する。例えばLED光の配光特性に関する。
【背景技術】
【0002】
LEDは点光源に近く、光を拡散させる器具を検討する場合においては、複数のLEDチップを用いて、配光特性を考慮した器具設計を行わなくてはならなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−49994号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この本発明は、簡易な構成によって、柔軟に配光特性を調整できるLED照明ユニット、LED照明装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明のLED照明ユニットは、
LEDパッケージが配置されるLED配置領域の略中央の中央領域に配置され、それぞれが所定の定格出力を有する複数のLEDパッケージの一群からなる中央領域LED群と、
前記LED配置領域において前記中央領域LED群が配置される前記中央領域を囲むように前記中央領域の外側に配置され、前記中央領域LED群に属するどのLEDパッケージよりも定格出力の小さい複数のLEDパッケージからなる一群と、前記中央領域LED群に属するどのLEDパッケージよりも定格出力の大きい複数のLEDパッケージからなる一群とのいずれかの一群からなる外側領域LED群と
を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、簡易な構成によって、柔軟に配光特性を調整できるLED照明ユニットを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】実施の形態1における長方形型器具101〜103を示す図。
【図2】実施の形態1における円形型器具104〜106を示す図。
【図3】実施の形態2における長方形型の器具202,203を示す図。
【図4】実施の形態2における円形型器具204〜206を示す図。
【図5】実施の形態2における長方形型器具101の配光特性を示す図。
【図6】実施の形態2における器具207を示す図。
【図7】実施の形態2における器具208を示す図。
【図8】実施の形態3における高W、低WのLEDパッケージを同一モジュールに実装する場合のランド構成を示す図。
【図9】実施の形態3におけるランド熱容量の関係を説明する図。
【図10】実施の形態3における高Wと低WのLEDパッケージを同一モジュールに実装する場合を示す図。
【図11】実施の形態3におけるランド熱容量の関係を説明する図。
【図12】実施の形態3における高熱容量と低熱容量のLEDパッケージを同一モジュールに実装する場合のランド例を示す図。
【図13】実施の形態4における透過光がY=1/COS4θの配光特性を持ったダウンライト等の円形の照明装置1001の模式的な断面図。
【図14】実施の形態4におけるY=1/COS4θの配光特性を持ったフィルタ特性例を示す図。
【図15】実施の形態4におけるLEDパッケージに1/COS4θ特性フィルタを印刷した状態を示す図。
【図16】実施の形態4におけるフィルタ300のLEDモジュール側の表面に、アルミや銀の蒸着を施した構成を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
実施の形態1.
図1、図2を参照して実施の形態1を説明する。実施の形態1は、LEDパッケージの配置領域における中央部分(中央領域)と、中央部分の外側領域である外周部分とで、LEDパッケージの配置密度を変えた照明ユニット(照明器具あるいは器具ともいう)に関する。照明ユニットにおいて、中央部分とその外周部分とでLED配置密度を変えたので、配光特性の調整が容易になる。
【0009】
(均一配置)
図1は、長方形型の器具101〜103(直管型器具)を示す図である。図1(a),(b)は、LEDパッケージ10を均一配置する器具101を示している。(a)は器具において複数のLEDパッケージ10が配置された様子を示す下面図であり、(b)は(a)の模式的なA−A断面図である。
【0010】
(実装密度を変えた場合:器具102)
図1(c)〜(f)は、LED配置領域において、中央領域と、中央領域の外周領域(外側領域)とで、LEDパッケージ10の実装密度が異なる器具102を示している。(c)は、前記(a)と同様の下面図である。(d)、(e)、(f)はそれぞれ、LEDモジュール21,22,23のLED配置状態を示している。器具102では、LEDモジュール21,22,23を用いている。LEDモジュール21、22,23は、それ自身はLEDパッケージのLED配置密度は均一であるが、他のモジュール同士でのLED配置密度が異なっている。器具102では、LEDモジュール21を2台、LEDモジュール22を1台、LEDモジュール23を2台使用することで、LED配置領域(符号102の指す太枠内)において、中央領域と、外周領域とのLED配置密度を異なるものとしている。
【0011】
(実装密度を変えた場合:器具103)
図1(g)〜(j)は、器具102と同様に、中央領域と外周領域とで、LEDパッケージ10の実装密度が異なる器具103を示している。器具103は、器具102に比べ、全体のLED実装密度が小さい器具である。(g)は、前記(a)と同様の下面図である。(h)、(i)、(j)はそれぞれ、LEDモジュール24,25,26のLED配置状態を示している。LEDモジュール24,25,26は、それぞれLEDモジュール21〜23に対応し、LEDモジュール21〜23に比べて、LED実装密度が小さくなっている。器具103では、LEDモジュール24を2台、LEDモジュール25を1台、LEDモジュール26を2台使用することで、LED配置領域において、中央領域と、外周領域とのLED配置密度を異なるものとしている。
【0012】
(円形型器具の場合(ダウンライトなどの場合))
図1では長方形型の器具102,103を説明したが、図2を参照して円形型器具の場合を説明する。
図2は、LEDパッケージの実装密度を変えた円形型器具104〜106を示す図である。
【0013】
円形型器具の例であるダウンライトタイプは、LEDモジュールに合わせて、LEDパッケージ10の配置を変更する。なるべく広角の配光特性とする場合は、中央部分のLEDパッケージは実装しないほうが良い。図2(a)〜(c)は、ダウンライトタイプの円形型器具104〜106のLED配置を示している。円形型器具104〜106では、中央部分に円形のLEDモジュール27を配置し、その外側に、リング形状のLEDモジュール28,29,30を配置している。LEDモジュール28,29,30では、互いに、LEDパッケージ10の配置が変更されている。
【0014】
以上に説明した器具102〜106のように、LEDモジュール内のLEDパッケージの配置密度は一定にしておき、配置密度の異なる、LEDモジュールの組み合わせを行うことによって、器具の配光特性を調整することができる。なおかつ、LEDモジュールの共用化を実施することができるので、多品種の器具の生産性が向上する。もちろん、配光特性を調整するのであれば、1つのLEDモジュールで実施してもよい。
【0015】
実施の形態2.
図3〜図7を参照して実施の形態2を説明する。実施の形態2は、LEDパッケージの定格出力が異なる場合を説明する。実施の形態2は、LED照明ユニットにおいて、LEDパッケージの配置に関し、中央部分とその外周部分とで、LEDの定格を変えた場合を説明する。
【0016】
(高W、低WのLED)
以下の実施の形態では、LEDパッケージを四角の図形と、丸の図形とで表す場合がある。四角の図形で示すLEDパッケージは、丸で示すLEDパッケージよりも定格出力の高い(高出力)LEDパッケージであることを示す。定格(以下、定格というときは定格出力を意味する)の高い側のLEDを高W(四角の図形)、定格の低い側のLEDを低W(丸の図形)とも表記する。
【0017】
(器具202,203)
図3は、長方形型の器具202,203を示す。
図4は、円形型器具204〜206を示す。
図3(a)の器具202は、図1(c)の器具102に対応する。器具202のLEDモジュール21H,22L,23Hは、器具102のLEDモジュール21,22,23と同じLED配置である。異なるのは、LEDモジュール21H,23H(外側領域LED群)に使用されるLEDパッケージは、LEDモジュール22L(中央領域LED群)に使用されるLEDパッケージの定格に対して、高い(高出力)ことである。同様に図3(b)の器具203は、図1(g)の器具103に対応する。器具203のLEDモジュール24H,25L,26Hは、器具103のLEDモジュール24,25,26と同じLED配置である。異なるのは、LEDモジュール24H,26Hに使用されるLEDパッケージは、LEDモジュール25Lに使用されるLEDパッケージの定格に対して、高い(高出力)ことである。
【0018】
(器具204〜206)
図4(a)〜(c)の器具204〜206は、図2(a)〜(c)の器具104〜106に対応する。すなち、器具204〜206は、LED配置は器具104〜106と同じであるが、中央部のLEDモジュール27Lに使用されるLEDパッケージの定格が、中央部のLEDモジュール27Lの外側に配置されるLEDパッケージの定格に対して、低い(低出力)ことである。
【0019】
図3、図4に示すように、LED照明ユニットにおいて、配置されたLEDに関して、中央部分とその外周部分に対してLEDの定格を変えたので、実施の形態1に対して、さらに適正な輝度の調整が、LED配置領域の内周部(中央部)と外周部(中央部の外側領域)とに対して行うことができる。図3、図4では、中央部分を低W、外周を高Wとしたので、容易に広角の配光とすることができる。またLED照明ユニットにおいて、LEDの配置を中央部分に対して、その外周部分の定格を上げた場合、中央部分の過度な輝度を押さえた照明装置を提供できる。
【0020】
なお、図3、図4ではLED配置領域において中央部分を低W、その外側外周領域を高WのLEDとしたが、後述する図6のように、高WのLEDパッケージ、低WのLEDパッケージの配置を逆にしても良い。つまり、中央部分を高W、外周を低Wとすることで狭角の配光とすることも容易にできる。
【0021】
図5は、図1の器具101の配光特性を示す図である。図5(a)は図1(a)と同じ図であり、図5(b)は図1(b)にさらに各LEDの光束を加えた図であり、図5(c)は器具101の配光特性図である。図5の器具101は、LEDパッケージ10を均等配置した場合の配光特性の例であり、等間隔にLEDパッケージ10を配置した場合は、従来の一般的な配光特性となる。
【0022】
(中央部の定格>外周部分の定格)
図6は、実施の形態2の器具207を示す図である。図6(a)は、複数のLEDパッケージが配置された様子を示す下面図である。図6(b)は図6(a)の模式的なB−B断面部である。図6(c)は器具207の配光特性図である。器具207は(a)に示すように、中央部分に高WのLEDパッケージを配置し、その外側外周に低WのLEDパッケージを配置している。図6の器具207のように、外周部分のLED定格を下げると、中央部分の光束が相対的に高まるので、配光特性がより鋭角的になる。このように、LED照明ユニットにおいて、LEDの配置を中央部分に対して、その外周部分の定格を下げたので、鋭角な配光特性を持った照明ユニットを提供できる。
【0023】
(中央部の定格<外周部分の定格)
図7は、器具208を示す図である。図7の器具208は、図6の器具207に対して、LED配置は同じであるが、低W、高WのLEDが反対になっている。すなわち、器具208では中央部分が低W、外側外周領域が高Wである。図7では、それぞれ、(a)〜(c)が、図6の(a)〜(c)に対応する。図7のように、外周部の定格を上げると、相対的に中央部分の光束が下がり、広範囲にわたり均一な配光特性が得られるようになる。
【0024】
実施の形態3.
図8〜図12を参照して、実施の形態3を説明する。以下の実施の形態3では、LEDパッケージの熱容量(あるいはLEDパッケージの定格)と、そのLEDパッケージがはんだ付けによって電気的に接続されるランドの熱容量との関係を説明する。
【0025】
実施の形態3では、低WのLEDパッケージと、高WのLEDパッケージとについて、LEDパッケージ10の熱容量と、そのLEDパッケージが接続するLEDモジュールのランド(パターン)との合成熱容量(トータルの熱容量)を概略同じにする。
これを式で表現すれば、
CLED(高W)+CLAND(高W)≒CLED(低W)+CLAND(低W)
である。ここで、
CLED(高W):高WのLEDパッケージの熱容量を示す。
CLAND(高W):高WのLEDパッケージに使用されるランドの熱容量を示す。
低Wの表記についても同様である。
【0026】
高WのLEDパッケージと、高WのLEDパッケージ用ランドとの合成熱容量と、低WのLEDパッケージと低WのLEDパッケージ用ランドとの合成熱容量とを、概略同じようにする。その場合、低WのLEDパッケージのランドについては、内層ランドを設けたり、裏面にランドを設けたり、ランド面積を大きくしたりする。
【0027】
以上のように、LEDモジュールの中央部分と外周部分とで、異なる定格のLEDパッケージを実装したLED照明ユニットに関して、各LEDパッケージ及びそのLEDパッケージを実装するLEDモジュール上のランド(パターン)の合成熱容量を概略同じにしたので、均一なはんだ付けを行うことができる。よって、信頼性の高いLEDモジュールを製造することができる。よって高品質な照明器具を提供することができる。このように熱容量を一定とすることで、LEDモジュールを製造する場合に、熱容量(定格)の異なるLEDパッケージを実装した場合においても、均一にはんだ付けを行うことができる。
【0028】
(異なる定格の場合、 CLAND(高W)<CLAND(低W))
図8を参照して、高W(高熱容量)のLEDパッケージ用ランドより、低W(低熱容量)LEDパッケージ用ランドの総面積を大きくした場合を説明する。
すなわち、
CLED(高W)>CLED(低W)
の条件の下で、
低W(低熱容量)LEDパッケージ用ランドの総面積(そのランド材の総質量)を、高W(高熱容量)のランドよりも大きくすることで、
CLAND(高W)<CLAND(低W)
とする。高WのLEDパッケージ用ランドの熱容量CLAND(高W)より、低WのLEDパッケージ用ランドの熱容量CLAND(低W)を大きくするには、そのランド材の質量を高Wのランドのランド材の質量よりも多くすればよく、低WのLEDパッケージ用のランドについては基板内層にランドを設けたり、裏面にランドを設けたり、ランド面積を大きくしたりする。
【0029】
以上のように、「LEDモジュール」の中央部分と外周部分で、異なる定格のLEDパッケージを実装するLED照明ユニットでは、低WのLEDパッケージに実装する部分のランド(パターン)の熱容量より高WのLEDパッケージに実装する部分のランド(パターン)の熱容量を小さくすると、「LEDパッケージ+ランド」の合成熱容量の差を、低Wと高Wとの間で小さくすることができる。よって、均一なはんだ付けを行うことができ、信頼性の高いLEDモジュールを製造することができる。よって高品質な照明器具を提供することができる。
【0030】
図8は、高W、低WのLEDパッケージを、「同一モジュール」に実装する場合のランド構成を示す図である。
(a)は、高WのLEDパッケージ(低Wよりも高熱容量)を、高W用のランド(高熱容量用ランド)に接続する場合を示している。
(b)は、低WのLEDパッケージ(高Wよりも低熱容量)を、低W用のランドに接続する場合の、ランドの構成を示している。(b)では、ランド熱容量CLAND(低W)を高Wのランドよりも大きくするために、内層ランドやスルーホールを追加して設ける場合を示している。
(c)では、ランド熱容量CLAND(低W)を大きくするため、ランドの面積を増やす場合を示している。
(d)では、ランド熱容量CLAND(低W)を大きくするため、裏面ランドを追加する場合を示している。
【0031】
高WのLEDパッケージや、高熱容量パッケージを、適切にはんだ付けするためには、充分加熱する必要があるが、その際に、図8に示す構成によって、低WのLEDパッケージや低熱容量のLEDパッケージが、熱ストレスを受けることを極力少なくすることができる。よって、はんだづけ品質を均一にすることができる。よって高品質なLEDモジュールを製造することができ、信頼性の高い照明器具を提供することができる。
【0032】
(LEDパッケージの熱用容量と、ランド熱容量との関係)
LEDモジュールの中央部分と外周部分で、異なる熱容量のLEDパッケージを実装したLED照明ユニットにおいて、小さい熱容量のLEDパッケージに実装する部分のランド(パターン)の熱容量より大きい熱容量のLEDパッケージに実装する部分のランド(パターン)の熱容量を小さくする。すなわち、高W、低Wという見方からLEDパッケージの熱容量の大小という見方に変えると、LEDパッケージの熱容量の大小と、ランドの熱容量の大小との関係を次のようにする。
すなわち、
CLED(高熱容量LED)>CLED(低熱容量LED)
の条件の下で、低熱容量LEDパッケージ用ランドの総面積を大きくすることで、
CLAND(高熱容量LED)<CLAND(低熱容量LED)
とする。高熱容量LEDのLEDパッケージ用ランドの熱容量CLAND(高熱容量LED)より、低熱容量LEDのLEDパッケージ用ランドの熱容量CLAND(低熱容量LED)を大きくするには、図8と同様に、低熱容量LEDのLEDパッケージ用のランドについて、基板内層にランドを設けたり、裏面にランドを設けたり、ランド面積を大きくしたりする。
【0033】
図8に示したように、LEDモジュールの中央部分と外周部分で、異なる熱容量のLEDパッケージを実装したLED照明ユニットにおいて、小さい熱容量のLEDパッケージに実装する部分のランド(パターン)の熱容量より大きい熱容量のLEDパッケージに実装する部分のランド(パターン)の熱容量を小さくした。このため、小さい熱容量のLEDパッケージ周辺と、大きい熱容量LEDパッケージ周辺の各熱容量を概略同じにできる。よって、均一なはんだ付けを行うことができ、信頼性の高いLEDモジュールを製造することができる。また、高品質な照明器具を提供することができる。
【0034】
(互いに定格の異なる複数のLEDパッケージの実装の場合)
図9、図10を参照して、互いに定格の異なる複数のLEDパッケージが実装される場合を説明する。低WのLEDパッケージを実装するランドの大きさ(熱容量)は、実装する最も大きな定格のLEDパッケージが必要とするランド(パターン)の大きさ(熱容量)よりも大きくする。図9は、このことを説明するための図である。図9に示すように、異なる定格のLEDパッケージを実装したLEDモジュール基板において、LEDモジュール基板の各ランドの熱容量CLANDは、実装されている最大定格のLEDパッケージに必要なランド(パターン)の熱容量CLAND(最大定格LED)以上とする。
すなわち、任意の各ランドの熱容量CLANDは、
CLAND≧CLAND(最大定格LED)
とする。
具体的には、
CLAND(最大定格より小さい定格LED)>CLAND(最大定格LED) (式1)
とするため、最大定格LEDパッケージより小さな定格のLEDパッケージを実装するランド(パターン)は、最大定格LEDパッケージのランド(パターン)より、大きく(ランド材の質量を多く)する。これによって、はんだづけ品質を均一にでき、さらに信頼性の高いLEDモジュール基板を製造することができるから高品質な照明器具を提供することができる。
【0035】
図10は、(式1)を満たす構成例であり、高Wと低WのLEDパッケージを同一モジュール(同一基板)に実装する場合を示す。(a)は、高WのLEDパッケージを高W用のランドに実装する場合を示している。(b)は、LEDパッケージ実装面の低W用ランド面積を高WのLEDパッケージ用ランドに必要な面積(熱容量)より大きくした場合を示す。(c)は、LEDパッケージ実装面の低W用ランドに、スルーホールを用いて基板内層ランドと接続し、トータルの表面積(熱容量)を高WのLEDパッケージ用必要ランドより大きくした場合を示す。(d)は、LEDパッケージ実装面の低W用ランドに、スルーホールを用いて基板裏面ランドと接続し、トータルの表面積(熱容量)を高WのLEDパッケージ用必要ランドより大きくした場合を示す。
【0036】
図10で説明した例では、異なる定格のLEDパッケージを実装したLEDモジュール基板において、LEDモジュール基板の各ランドの熱容量は実装した最も大きな定格のLEDパッケージの必要なランド(パターン)以上とし、最も大きな定格のLEDパッケージより小さな定格のLEDパッケージを実装するランド(パターン)は最も大きな定格のLEDパッケージのランド(パターン)より大きくした。従って、実装するLEDパッケージの寿命を最大限に延ばせ、かつ均一なはんだ付けを行うことができるから、より信頼性の高いLEDモジュールを製造することができる。よって高品質な照明器具を提供することができる。
【0037】
(互いに熱容量Cの異なる複数のLEDパッケージの実装の場合)
図11、図12を参照して、「互いに熱容量の異なる複数のLEDパッケージの実装の場合」を説明する。低熱容量のLEDパッケージを実装するランドの大きさ(熱容量)は、実装する最大熱容量のLEDパッケージが必要とするランド(パターン)(熱容量)より大きくする。
図11は、このことを説明するための図である。図11に示すように、異なる熱容量CLEDのLEDパッケージを実装したLEDモジュール基板において、LEDモジュール基板の各ランドの熱容量CLANDは、実装した最大の熱容量CLEDMAXを持つLEDパッケージの必要なランド(パターン)の熱容量CLAND(最大熱容量LED)以上とする。
すなわち、任意の各ランドの熱容量CLANDは、
CLAND≧CLAND(最大熱容量LED)
とする。
具体的には、
CLAND(最大熱容量より小さい熱容量LED)>CLAND(最大熱容量LED)
とするため、最大熱容量を持つLEDパッケージより小さな熱容量を持つLEDパッケージを実装するランド(パターン)は、最大熱容量を持つLEDパッケージのランド(パターン)より大きくする。これによって、はんだづけ品質を均一にでき、さらに信頼性の高いLEDモジュール基板を製造することができ、高品質な照明器具を設計できる。
【0038】
図12は、図10と同様の図であり、高熱容量と低熱容量のLEDパッケージを同一モジュールに実装する場合のランド例を示す。(a)は、高熱容量のLEDパッケージを高熱容量用のランドに実装する場合を示す。(b)は、LEDパッケージ実装面の低熱容量用ランド面積を高熱容量LEDパッケージ用必要ランドより大きくする場合を示す。(c)は、LEDパッケージ実装面の低熱容量用ランドにスルーホールを用いて基板内層ランドと接続し、トータルの表面積を高熱容量LEDパッケージ用必要ランドより大きくする場合を示す。(d)は、LEDパッケージ実装面の低熱容量用ランドにスルーホールを用いて基板裏面ランドと接続し、トータルの表面積を高熱容量用LEDパッケージ用必要ランドより大きくする場合を示す。
【0039】
図11、図12の場合では、異なる熱容量のLEDパッケージを実装したLEDモジュール基板において、LEDモジュール基板の各ランドの熱容量は実装した最大熱容量を持つLEDパッケージの必要なランド(パターン)以上とし、最大熱容量を持つLEDパッケージより小さな熱容量を持つLEDパッケージを実装するランド(パターン)は、最大熱容量を持つLEDパッケージのランド(パターン)より大きくした。これによって、実装するLEDの寿命を最大限に延ばせ、かつ均一なはんだ付けを行うことができる。よって、より信頼性の高いLEDモジュールを製造することができる。よって高品質な照明器具を提供することができる。
【0040】
実施の形態4.
図13〜図15を参照して実施の形態4を説明する。実施の形態4は、LEDパッケージ実装面に実装されたLEDパッケージ10の透過光が関数Y=1/COS4θの配光特性を持つように、後述の図13に示すフィルタ300を、LEDパッケージを実装したLEDモジュール(LEDパッケージ実装面)の前面に対向するように配置する。フィルタ300を用いることにより、安価で均斉度を1に近づけた照明器具を製造するこができる。よって、照明環境内の照度を均一にする効果がある。
【0041】
(フィルタ300)
具体的には、透過光が関数Y=1/COS4θの配光特性を持つようなフィルタ300は、アクリル樹脂やポリカーボネート樹脂などのプラスチックにドット印刷などを施すと容易にフィルタを作成できる。印刷する際には、解像度は細かいほど良いが、300dpi(dots per inch)程度の印刷で行えば充分効果ある。以下に説明するフィルタ300では、フィルタ300におけるドット印刷の位置を、器具内部、すなわちLEDモジュール側の面としている。このようにすることによって、外部からの衝撃に対して印刷面が傷つきにくくなるので、器具の配光特性が永続的に維持される。もちろん、そこまでの効果を期待できなくても、器具外側に印刷を行っても良い。
【0042】
図13は、透過光がY=1/COS4θの配光特性を持ったダウンライト等の円形の照明装置1001の模式的な断面を示す。照明装置1001は、照明ユニット1002として、以上の実施の形態で説明したいずれかの照明ユニットを備える。フィルタ300は、照明ユニット1002の透過光をY=1/COS4θの配光特性にする。
【0043】
図14は、Y=1/COS4θの配光特性を持ったフィルタ特性例を示す。(a)は、図2、図4等の円形の照明ユニットに使用される、円形のフィルタ300を示す。(b)は、図1、図3等の長方形型の照明ユニットに使用される長方形型のフィルタ300を示す。(c)は、(a),(b)のY=1/COS4θの配光特性を示す。(c)では、中央0°の位置の光度を1とした場合に30°の位置での光度は約1.8倍(1/cos430°=1.8)の大きさとなるようにフィルタを構成する。
【0044】
このように、実施の形態4では、関数Y=1/COS4θの配光特性を持つフィルタを用いたので、安価で均斉度を1に近づけることができ、照明環境内の照度を均一にすることができる。
【0045】
もちろんLEDパッケージ自体に光束が照射される方向に、フィルタ特性をシルク印刷等で実施しても良い。この場合、1つのLEDパッケージで、照明器具を構成する場合に有効な手段となる。
図15は、LEDパッケージに1/COS4θ特性フィルタを印刷した例である。図15のLEDパッケージ上の模様がフィルタ特性のための印刷を示す。図15のように、LEDパッケージの光が照射される方向に1/COS4θ特性フィルタを印刷することによって、LEDパッケージを器具1台に1つだけ使用するタイプの照明器具においても、配光特性を均等配光にすることができる。特に宝飾品等の小型スポットライト等に使用すれば、輝度むらのない照明を実現できる。
【0046】
(光反射部材)
図16を参照して、光反射部材を説明する。図16では、配光特性を補正するフィルタ300の内側にアルミや銀などの蒸着等を行い、透過しない光の反射率を高める部材(光反射部材)を塗布する場合を示す。
【0047】
図16は、図13に対して、フィルタ300のLEDモジュール側の表面に、アルミや銀の蒸着を施した構成である。透過光が関数Y=1/COS4θの配光特性に近似するようにLEDモジュールから光が照射される方向に、例えば、アルミや銀などを蒸着したフィルタを設ける。この蒸着によって反射光が有効に作用し、図13に比較して器具効率の高い器具が製造できる。図16ではフィルタ300における蒸着位置を器具内部、すなわちLEDモジュール側としている。このようにすることによって、外部からの衝撃に対して、蒸着面が傷つきにくくなるので、器具の配光特性が永続的に維持される。もちろん、そこまでの効果を期待できなくても、器具外側に蒸着を行っても良い。
【0048】
図16では、配光特性を補正するフィルタの内側にアルミや銀の蒸着等を行い反射率を高めた光反射部材を塗布したので、フィルタ内部で効率よく反射させることができるので、器具効率の高い照明装置を提供できる。
【0049】
(光反射器)
図16ではフィルタ300にアルミなどを蒸着して光反射部材を形成したが、配光特性を補正するフィルタ300の内側(照明ユニットとこれに対向するフィルタ300の面との間)に、光の反射率を高める部品である光反射器を取り付ける。
【0050】
LEDモジュールから光が照射される方向に、関数Y=1/COS4θの配光特性に近似するように例えばアルミや銀などの金属で形成された光反射器を取り付けたフィルタ300を設ける。このようにすることによって、反射光が有効に作用し、図13に比較して器具効率の高い器具が製造できる。図16で示した蒸着を金属片としたものである。光を透過させたい部分に穴を空けるなどの手法で実現できる。
【0051】
配光特性を補正するフィルタの内側にアルミ製や銀製の光反射器を配置することで、フィルタ内部で効率よく光反射させることができるので、器具効率の高い照明装置を提供できる。
【符号の説明】
【0052】
10 LEDパッケージ、21,22,23,24,25,26,27,28,29,30,21H,22L,23H,24H,25L,26H,27H LEDモジュール、101,102,103,104,105,106,202,203,204,205,206,207,208 照明ユニット、300 フィルタ、1001 照明装置、1002 照明ユニット。
【技術分野】
【0001】
この発明は、光源にLEDを用いたLED照明ユニット及びこのLED照明ユニットを用いたLED照明装置に関する。例えばLED光の配光特性に関する。
【背景技術】
【0002】
LEDは点光源に近く、光を拡散させる器具を検討する場合においては、複数のLEDチップを用いて、配光特性を考慮した器具設計を行わなくてはならなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−49994号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この本発明は、簡易な構成によって、柔軟に配光特性を調整できるLED照明ユニット、LED照明装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明のLED照明ユニットは、
LEDパッケージが配置されるLED配置領域の略中央の中央領域に配置され、それぞれが所定の定格出力を有する複数のLEDパッケージの一群からなる中央領域LED群と、
前記LED配置領域において前記中央領域LED群が配置される前記中央領域を囲むように前記中央領域の外側に配置され、前記中央領域LED群に属するどのLEDパッケージよりも定格出力の小さい複数のLEDパッケージからなる一群と、前記中央領域LED群に属するどのLEDパッケージよりも定格出力の大きい複数のLEDパッケージからなる一群とのいずれかの一群からなる外側領域LED群と
を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、簡易な構成によって、柔軟に配光特性を調整できるLED照明ユニットを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】実施の形態1における長方形型器具101〜103を示す図。
【図2】実施の形態1における円形型器具104〜106を示す図。
【図3】実施の形態2における長方形型の器具202,203を示す図。
【図4】実施の形態2における円形型器具204〜206を示す図。
【図5】実施の形態2における長方形型器具101の配光特性を示す図。
【図6】実施の形態2における器具207を示す図。
【図7】実施の形態2における器具208を示す図。
【図8】実施の形態3における高W、低WのLEDパッケージを同一モジュールに実装する場合のランド構成を示す図。
【図9】実施の形態3におけるランド熱容量の関係を説明する図。
【図10】実施の形態3における高Wと低WのLEDパッケージを同一モジュールに実装する場合を示す図。
【図11】実施の形態3におけるランド熱容量の関係を説明する図。
【図12】実施の形態3における高熱容量と低熱容量のLEDパッケージを同一モジュールに実装する場合のランド例を示す図。
【図13】実施の形態4における透過光がY=1/COS4θの配光特性を持ったダウンライト等の円形の照明装置1001の模式的な断面図。
【図14】実施の形態4におけるY=1/COS4θの配光特性を持ったフィルタ特性例を示す図。
【図15】実施の形態4におけるLEDパッケージに1/COS4θ特性フィルタを印刷した状態を示す図。
【図16】実施の形態4におけるフィルタ300のLEDモジュール側の表面に、アルミや銀の蒸着を施した構成を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
実施の形態1.
図1、図2を参照して実施の形態1を説明する。実施の形態1は、LEDパッケージの配置領域における中央部分(中央領域)と、中央部分の外側領域である外周部分とで、LEDパッケージの配置密度を変えた照明ユニット(照明器具あるいは器具ともいう)に関する。照明ユニットにおいて、中央部分とその外周部分とでLED配置密度を変えたので、配光特性の調整が容易になる。
【0009】
(均一配置)
図1は、長方形型の器具101〜103(直管型器具)を示す図である。図1(a),(b)は、LEDパッケージ10を均一配置する器具101を示している。(a)は器具において複数のLEDパッケージ10が配置された様子を示す下面図であり、(b)は(a)の模式的なA−A断面図である。
【0010】
(実装密度を変えた場合:器具102)
図1(c)〜(f)は、LED配置領域において、中央領域と、中央領域の外周領域(外側領域)とで、LEDパッケージ10の実装密度が異なる器具102を示している。(c)は、前記(a)と同様の下面図である。(d)、(e)、(f)はそれぞれ、LEDモジュール21,22,23のLED配置状態を示している。器具102では、LEDモジュール21,22,23を用いている。LEDモジュール21、22,23は、それ自身はLEDパッケージのLED配置密度は均一であるが、他のモジュール同士でのLED配置密度が異なっている。器具102では、LEDモジュール21を2台、LEDモジュール22を1台、LEDモジュール23を2台使用することで、LED配置領域(符号102の指す太枠内)において、中央領域と、外周領域とのLED配置密度を異なるものとしている。
【0011】
(実装密度を変えた場合:器具103)
図1(g)〜(j)は、器具102と同様に、中央領域と外周領域とで、LEDパッケージ10の実装密度が異なる器具103を示している。器具103は、器具102に比べ、全体のLED実装密度が小さい器具である。(g)は、前記(a)と同様の下面図である。(h)、(i)、(j)はそれぞれ、LEDモジュール24,25,26のLED配置状態を示している。LEDモジュール24,25,26は、それぞれLEDモジュール21〜23に対応し、LEDモジュール21〜23に比べて、LED実装密度が小さくなっている。器具103では、LEDモジュール24を2台、LEDモジュール25を1台、LEDモジュール26を2台使用することで、LED配置領域において、中央領域と、外周領域とのLED配置密度を異なるものとしている。
【0012】
(円形型器具の場合(ダウンライトなどの場合))
図1では長方形型の器具102,103を説明したが、図2を参照して円形型器具の場合を説明する。
図2は、LEDパッケージの実装密度を変えた円形型器具104〜106を示す図である。
【0013】
円形型器具の例であるダウンライトタイプは、LEDモジュールに合わせて、LEDパッケージ10の配置を変更する。なるべく広角の配光特性とする場合は、中央部分のLEDパッケージは実装しないほうが良い。図2(a)〜(c)は、ダウンライトタイプの円形型器具104〜106のLED配置を示している。円形型器具104〜106では、中央部分に円形のLEDモジュール27を配置し、その外側に、リング形状のLEDモジュール28,29,30を配置している。LEDモジュール28,29,30では、互いに、LEDパッケージ10の配置が変更されている。
【0014】
以上に説明した器具102〜106のように、LEDモジュール内のLEDパッケージの配置密度は一定にしておき、配置密度の異なる、LEDモジュールの組み合わせを行うことによって、器具の配光特性を調整することができる。なおかつ、LEDモジュールの共用化を実施することができるので、多品種の器具の生産性が向上する。もちろん、配光特性を調整するのであれば、1つのLEDモジュールで実施してもよい。
【0015】
実施の形態2.
図3〜図7を参照して実施の形態2を説明する。実施の形態2は、LEDパッケージの定格出力が異なる場合を説明する。実施の形態2は、LED照明ユニットにおいて、LEDパッケージの配置に関し、中央部分とその外周部分とで、LEDの定格を変えた場合を説明する。
【0016】
(高W、低WのLED)
以下の実施の形態では、LEDパッケージを四角の図形と、丸の図形とで表す場合がある。四角の図形で示すLEDパッケージは、丸で示すLEDパッケージよりも定格出力の高い(高出力)LEDパッケージであることを示す。定格(以下、定格というときは定格出力を意味する)の高い側のLEDを高W(四角の図形)、定格の低い側のLEDを低W(丸の図形)とも表記する。
【0017】
(器具202,203)
図3は、長方形型の器具202,203を示す。
図4は、円形型器具204〜206を示す。
図3(a)の器具202は、図1(c)の器具102に対応する。器具202のLEDモジュール21H,22L,23Hは、器具102のLEDモジュール21,22,23と同じLED配置である。異なるのは、LEDモジュール21H,23H(外側領域LED群)に使用されるLEDパッケージは、LEDモジュール22L(中央領域LED群)に使用されるLEDパッケージの定格に対して、高い(高出力)ことである。同様に図3(b)の器具203は、図1(g)の器具103に対応する。器具203のLEDモジュール24H,25L,26Hは、器具103のLEDモジュール24,25,26と同じLED配置である。異なるのは、LEDモジュール24H,26Hに使用されるLEDパッケージは、LEDモジュール25Lに使用されるLEDパッケージの定格に対して、高い(高出力)ことである。
【0018】
(器具204〜206)
図4(a)〜(c)の器具204〜206は、図2(a)〜(c)の器具104〜106に対応する。すなち、器具204〜206は、LED配置は器具104〜106と同じであるが、中央部のLEDモジュール27Lに使用されるLEDパッケージの定格が、中央部のLEDモジュール27Lの外側に配置されるLEDパッケージの定格に対して、低い(低出力)ことである。
【0019】
図3、図4に示すように、LED照明ユニットにおいて、配置されたLEDに関して、中央部分とその外周部分に対してLEDの定格を変えたので、実施の形態1に対して、さらに適正な輝度の調整が、LED配置領域の内周部(中央部)と外周部(中央部の外側領域)とに対して行うことができる。図3、図4では、中央部分を低W、外周を高Wとしたので、容易に広角の配光とすることができる。またLED照明ユニットにおいて、LEDの配置を中央部分に対して、その外周部分の定格を上げた場合、中央部分の過度な輝度を押さえた照明装置を提供できる。
【0020】
なお、図3、図4ではLED配置領域において中央部分を低W、その外側外周領域を高WのLEDとしたが、後述する図6のように、高WのLEDパッケージ、低WのLEDパッケージの配置を逆にしても良い。つまり、中央部分を高W、外周を低Wとすることで狭角の配光とすることも容易にできる。
【0021】
図5は、図1の器具101の配光特性を示す図である。図5(a)は図1(a)と同じ図であり、図5(b)は図1(b)にさらに各LEDの光束を加えた図であり、図5(c)は器具101の配光特性図である。図5の器具101は、LEDパッケージ10を均等配置した場合の配光特性の例であり、等間隔にLEDパッケージ10を配置した場合は、従来の一般的な配光特性となる。
【0022】
(中央部の定格>外周部分の定格)
図6は、実施の形態2の器具207を示す図である。図6(a)は、複数のLEDパッケージが配置された様子を示す下面図である。図6(b)は図6(a)の模式的なB−B断面部である。図6(c)は器具207の配光特性図である。器具207は(a)に示すように、中央部分に高WのLEDパッケージを配置し、その外側外周に低WのLEDパッケージを配置している。図6の器具207のように、外周部分のLED定格を下げると、中央部分の光束が相対的に高まるので、配光特性がより鋭角的になる。このように、LED照明ユニットにおいて、LEDの配置を中央部分に対して、その外周部分の定格を下げたので、鋭角な配光特性を持った照明ユニットを提供できる。
【0023】
(中央部の定格<外周部分の定格)
図7は、器具208を示す図である。図7の器具208は、図6の器具207に対して、LED配置は同じであるが、低W、高WのLEDが反対になっている。すなわち、器具208では中央部分が低W、外側外周領域が高Wである。図7では、それぞれ、(a)〜(c)が、図6の(a)〜(c)に対応する。図7のように、外周部の定格を上げると、相対的に中央部分の光束が下がり、広範囲にわたり均一な配光特性が得られるようになる。
【0024】
実施の形態3.
図8〜図12を参照して、実施の形態3を説明する。以下の実施の形態3では、LEDパッケージの熱容量(あるいはLEDパッケージの定格)と、そのLEDパッケージがはんだ付けによって電気的に接続されるランドの熱容量との関係を説明する。
【0025】
実施の形態3では、低WのLEDパッケージと、高WのLEDパッケージとについて、LEDパッケージ10の熱容量と、そのLEDパッケージが接続するLEDモジュールのランド(パターン)との合成熱容量(トータルの熱容量)を概略同じにする。
これを式で表現すれば、
CLED(高W)+CLAND(高W)≒CLED(低W)+CLAND(低W)
である。ここで、
CLED(高W):高WのLEDパッケージの熱容量を示す。
CLAND(高W):高WのLEDパッケージに使用されるランドの熱容量を示す。
低Wの表記についても同様である。
【0026】
高WのLEDパッケージと、高WのLEDパッケージ用ランドとの合成熱容量と、低WのLEDパッケージと低WのLEDパッケージ用ランドとの合成熱容量とを、概略同じようにする。その場合、低WのLEDパッケージのランドについては、内層ランドを設けたり、裏面にランドを設けたり、ランド面積を大きくしたりする。
【0027】
以上のように、LEDモジュールの中央部分と外周部分とで、異なる定格のLEDパッケージを実装したLED照明ユニットに関して、各LEDパッケージ及びそのLEDパッケージを実装するLEDモジュール上のランド(パターン)の合成熱容量を概略同じにしたので、均一なはんだ付けを行うことができる。よって、信頼性の高いLEDモジュールを製造することができる。よって高品質な照明器具を提供することができる。このように熱容量を一定とすることで、LEDモジュールを製造する場合に、熱容量(定格)の異なるLEDパッケージを実装した場合においても、均一にはんだ付けを行うことができる。
【0028】
(異なる定格の場合、 CLAND(高W)<CLAND(低W))
図8を参照して、高W(高熱容量)のLEDパッケージ用ランドより、低W(低熱容量)LEDパッケージ用ランドの総面積を大きくした場合を説明する。
すなわち、
CLED(高W)>CLED(低W)
の条件の下で、
低W(低熱容量)LEDパッケージ用ランドの総面積(そのランド材の総質量)を、高W(高熱容量)のランドよりも大きくすることで、
CLAND(高W)<CLAND(低W)
とする。高WのLEDパッケージ用ランドの熱容量CLAND(高W)より、低WのLEDパッケージ用ランドの熱容量CLAND(低W)を大きくするには、そのランド材の質量を高Wのランドのランド材の質量よりも多くすればよく、低WのLEDパッケージ用のランドについては基板内層にランドを設けたり、裏面にランドを設けたり、ランド面積を大きくしたりする。
【0029】
以上のように、「LEDモジュール」の中央部分と外周部分で、異なる定格のLEDパッケージを実装するLED照明ユニットでは、低WのLEDパッケージに実装する部分のランド(パターン)の熱容量より高WのLEDパッケージに実装する部分のランド(パターン)の熱容量を小さくすると、「LEDパッケージ+ランド」の合成熱容量の差を、低Wと高Wとの間で小さくすることができる。よって、均一なはんだ付けを行うことができ、信頼性の高いLEDモジュールを製造することができる。よって高品質な照明器具を提供することができる。
【0030】
図8は、高W、低WのLEDパッケージを、「同一モジュール」に実装する場合のランド構成を示す図である。
(a)は、高WのLEDパッケージ(低Wよりも高熱容量)を、高W用のランド(高熱容量用ランド)に接続する場合を示している。
(b)は、低WのLEDパッケージ(高Wよりも低熱容量)を、低W用のランドに接続する場合の、ランドの構成を示している。(b)では、ランド熱容量CLAND(低W)を高Wのランドよりも大きくするために、内層ランドやスルーホールを追加して設ける場合を示している。
(c)では、ランド熱容量CLAND(低W)を大きくするため、ランドの面積を増やす場合を示している。
(d)では、ランド熱容量CLAND(低W)を大きくするため、裏面ランドを追加する場合を示している。
【0031】
高WのLEDパッケージや、高熱容量パッケージを、適切にはんだ付けするためには、充分加熱する必要があるが、その際に、図8に示す構成によって、低WのLEDパッケージや低熱容量のLEDパッケージが、熱ストレスを受けることを極力少なくすることができる。よって、はんだづけ品質を均一にすることができる。よって高品質なLEDモジュールを製造することができ、信頼性の高い照明器具を提供することができる。
【0032】
(LEDパッケージの熱用容量と、ランド熱容量との関係)
LEDモジュールの中央部分と外周部分で、異なる熱容量のLEDパッケージを実装したLED照明ユニットにおいて、小さい熱容量のLEDパッケージに実装する部分のランド(パターン)の熱容量より大きい熱容量のLEDパッケージに実装する部分のランド(パターン)の熱容量を小さくする。すなわち、高W、低Wという見方からLEDパッケージの熱容量の大小という見方に変えると、LEDパッケージの熱容量の大小と、ランドの熱容量の大小との関係を次のようにする。
すなわち、
CLED(高熱容量LED)>CLED(低熱容量LED)
の条件の下で、低熱容量LEDパッケージ用ランドの総面積を大きくすることで、
CLAND(高熱容量LED)<CLAND(低熱容量LED)
とする。高熱容量LEDのLEDパッケージ用ランドの熱容量CLAND(高熱容量LED)より、低熱容量LEDのLEDパッケージ用ランドの熱容量CLAND(低熱容量LED)を大きくするには、図8と同様に、低熱容量LEDのLEDパッケージ用のランドについて、基板内層にランドを設けたり、裏面にランドを設けたり、ランド面積を大きくしたりする。
【0033】
図8に示したように、LEDモジュールの中央部分と外周部分で、異なる熱容量のLEDパッケージを実装したLED照明ユニットにおいて、小さい熱容量のLEDパッケージに実装する部分のランド(パターン)の熱容量より大きい熱容量のLEDパッケージに実装する部分のランド(パターン)の熱容量を小さくした。このため、小さい熱容量のLEDパッケージ周辺と、大きい熱容量LEDパッケージ周辺の各熱容量を概略同じにできる。よって、均一なはんだ付けを行うことができ、信頼性の高いLEDモジュールを製造することができる。また、高品質な照明器具を提供することができる。
【0034】
(互いに定格の異なる複数のLEDパッケージの実装の場合)
図9、図10を参照して、互いに定格の異なる複数のLEDパッケージが実装される場合を説明する。低WのLEDパッケージを実装するランドの大きさ(熱容量)は、実装する最も大きな定格のLEDパッケージが必要とするランド(パターン)の大きさ(熱容量)よりも大きくする。図9は、このことを説明するための図である。図9に示すように、異なる定格のLEDパッケージを実装したLEDモジュール基板において、LEDモジュール基板の各ランドの熱容量CLANDは、実装されている最大定格のLEDパッケージに必要なランド(パターン)の熱容量CLAND(最大定格LED)以上とする。
すなわち、任意の各ランドの熱容量CLANDは、
CLAND≧CLAND(最大定格LED)
とする。
具体的には、
CLAND(最大定格より小さい定格LED)>CLAND(最大定格LED) (式1)
とするため、最大定格LEDパッケージより小さな定格のLEDパッケージを実装するランド(パターン)は、最大定格LEDパッケージのランド(パターン)より、大きく(ランド材の質量を多く)する。これによって、はんだづけ品質を均一にでき、さらに信頼性の高いLEDモジュール基板を製造することができるから高品質な照明器具を提供することができる。
【0035】
図10は、(式1)を満たす構成例であり、高Wと低WのLEDパッケージを同一モジュール(同一基板)に実装する場合を示す。(a)は、高WのLEDパッケージを高W用のランドに実装する場合を示している。(b)は、LEDパッケージ実装面の低W用ランド面積を高WのLEDパッケージ用ランドに必要な面積(熱容量)より大きくした場合を示す。(c)は、LEDパッケージ実装面の低W用ランドに、スルーホールを用いて基板内層ランドと接続し、トータルの表面積(熱容量)を高WのLEDパッケージ用必要ランドより大きくした場合を示す。(d)は、LEDパッケージ実装面の低W用ランドに、スルーホールを用いて基板裏面ランドと接続し、トータルの表面積(熱容量)を高WのLEDパッケージ用必要ランドより大きくした場合を示す。
【0036】
図10で説明した例では、異なる定格のLEDパッケージを実装したLEDモジュール基板において、LEDモジュール基板の各ランドの熱容量は実装した最も大きな定格のLEDパッケージの必要なランド(パターン)以上とし、最も大きな定格のLEDパッケージより小さな定格のLEDパッケージを実装するランド(パターン)は最も大きな定格のLEDパッケージのランド(パターン)より大きくした。従って、実装するLEDパッケージの寿命を最大限に延ばせ、かつ均一なはんだ付けを行うことができるから、より信頼性の高いLEDモジュールを製造することができる。よって高品質な照明器具を提供することができる。
【0037】
(互いに熱容量Cの異なる複数のLEDパッケージの実装の場合)
図11、図12を参照して、「互いに熱容量の異なる複数のLEDパッケージの実装の場合」を説明する。低熱容量のLEDパッケージを実装するランドの大きさ(熱容量)は、実装する最大熱容量のLEDパッケージが必要とするランド(パターン)(熱容量)より大きくする。
図11は、このことを説明するための図である。図11に示すように、異なる熱容量CLEDのLEDパッケージを実装したLEDモジュール基板において、LEDモジュール基板の各ランドの熱容量CLANDは、実装した最大の熱容量CLEDMAXを持つLEDパッケージの必要なランド(パターン)の熱容量CLAND(最大熱容量LED)以上とする。
すなわち、任意の各ランドの熱容量CLANDは、
CLAND≧CLAND(最大熱容量LED)
とする。
具体的には、
CLAND(最大熱容量より小さい熱容量LED)>CLAND(最大熱容量LED)
とするため、最大熱容量を持つLEDパッケージより小さな熱容量を持つLEDパッケージを実装するランド(パターン)は、最大熱容量を持つLEDパッケージのランド(パターン)より大きくする。これによって、はんだづけ品質を均一にでき、さらに信頼性の高いLEDモジュール基板を製造することができ、高品質な照明器具を設計できる。
【0038】
図12は、図10と同様の図であり、高熱容量と低熱容量のLEDパッケージを同一モジュールに実装する場合のランド例を示す。(a)は、高熱容量のLEDパッケージを高熱容量用のランドに実装する場合を示す。(b)は、LEDパッケージ実装面の低熱容量用ランド面積を高熱容量LEDパッケージ用必要ランドより大きくする場合を示す。(c)は、LEDパッケージ実装面の低熱容量用ランドにスルーホールを用いて基板内層ランドと接続し、トータルの表面積を高熱容量LEDパッケージ用必要ランドより大きくする場合を示す。(d)は、LEDパッケージ実装面の低熱容量用ランドにスルーホールを用いて基板裏面ランドと接続し、トータルの表面積を高熱容量用LEDパッケージ用必要ランドより大きくする場合を示す。
【0039】
図11、図12の場合では、異なる熱容量のLEDパッケージを実装したLEDモジュール基板において、LEDモジュール基板の各ランドの熱容量は実装した最大熱容量を持つLEDパッケージの必要なランド(パターン)以上とし、最大熱容量を持つLEDパッケージより小さな熱容量を持つLEDパッケージを実装するランド(パターン)は、最大熱容量を持つLEDパッケージのランド(パターン)より大きくした。これによって、実装するLEDの寿命を最大限に延ばせ、かつ均一なはんだ付けを行うことができる。よって、より信頼性の高いLEDモジュールを製造することができる。よって高品質な照明器具を提供することができる。
【0040】
実施の形態4.
図13〜図15を参照して実施の形態4を説明する。実施の形態4は、LEDパッケージ実装面に実装されたLEDパッケージ10の透過光が関数Y=1/COS4θの配光特性を持つように、後述の図13に示すフィルタ300を、LEDパッケージを実装したLEDモジュール(LEDパッケージ実装面)の前面に対向するように配置する。フィルタ300を用いることにより、安価で均斉度を1に近づけた照明器具を製造するこができる。よって、照明環境内の照度を均一にする効果がある。
【0041】
(フィルタ300)
具体的には、透過光が関数Y=1/COS4θの配光特性を持つようなフィルタ300は、アクリル樹脂やポリカーボネート樹脂などのプラスチックにドット印刷などを施すと容易にフィルタを作成できる。印刷する際には、解像度は細かいほど良いが、300dpi(dots per inch)程度の印刷で行えば充分効果ある。以下に説明するフィルタ300では、フィルタ300におけるドット印刷の位置を、器具内部、すなわちLEDモジュール側の面としている。このようにすることによって、外部からの衝撃に対して印刷面が傷つきにくくなるので、器具の配光特性が永続的に維持される。もちろん、そこまでの効果を期待できなくても、器具外側に印刷を行っても良い。
【0042】
図13は、透過光がY=1/COS4θの配光特性を持ったダウンライト等の円形の照明装置1001の模式的な断面を示す。照明装置1001は、照明ユニット1002として、以上の実施の形態で説明したいずれかの照明ユニットを備える。フィルタ300は、照明ユニット1002の透過光をY=1/COS4θの配光特性にする。
【0043】
図14は、Y=1/COS4θの配光特性を持ったフィルタ特性例を示す。(a)は、図2、図4等の円形の照明ユニットに使用される、円形のフィルタ300を示す。(b)は、図1、図3等の長方形型の照明ユニットに使用される長方形型のフィルタ300を示す。(c)は、(a),(b)のY=1/COS4θの配光特性を示す。(c)では、中央0°の位置の光度を1とした場合に30°の位置での光度は約1.8倍(1/cos430°=1.8)の大きさとなるようにフィルタを構成する。
【0044】
このように、実施の形態4では、関数Y=1/COS4θの配光特性を持つフィルタを用いたので、安価で均斉度を1に近づけることができ、照明環境内の照度を均一にすることができる。
【0045】
もちろんLEDパッケージ自体に光束が照射される方向に、フィルタ特性をシルク印刷等で実施しても良い。この場合、1つのLEDパッケージで、照明器具を構成する場合に有効な手段となる。
図15は、LEDパッケージに1/COS4θ特性フィルタを印刷した例である。図15のLEDパッケージ上の模様がフィルタ特性のための印刷を示す。図15のように、LEDパッケージの光が照射される方向に1/COS4θ特性フィルタを印刷することによって、LEDパッケージを器具1台に1つだけ使用するタイプの照明器具においても、配光特性を均等配光にすることができる。特に宝飾品等の小型スポットライト等に使用すれば、輝度むらのない照明を実現できる。
【0046】
(光反射部材)
図16を参照して、光反射部材を説明する。図16では、配光特性を補正するフィルタ300の内側にアルミや銀などの蒸着等を行い、透過しない光の反射率を高める部材(光反射部材)を塗布する場合を示す。
【0047】
図16は、図13に対して、フィルタ300のLEDモジュール側の表面に、アルミや銀の蒸着を施した構成である。透過光が関数Y=1/COS4θの配光特性に近似するようにLEDモジュールから光が照射される方向に、例えば、アルミや銀などを蒸着したフィルタを設ける。この蒸着によって反射光が有効に作用し、図13に比較して器具効率の高い器具が製造できる。図16ではフィルタ300における蒸着位置を器具内部、すなわちLEDモジュール側としている。このようにすることによって、外部からの衝撃に対して、蒸着面が傷つきにくくなるので、器具の配光特性が永続的に維持される。もちろん、そこまでの効果を期待できなくても、器具外側に蒸着を行っても良い。
【0048】
図16では、配光特性を補正するフィルタの内側にアルミや銀の蒸着等を行い反射率を高めた光反射部材を塗布したので、フィルタ内部で効率よく反射させることができるので、器具効率の高い照明装置を提供できる。
【0049】
(光反射器)
図16ではフィルタ300にアルミなどを蒸着して光反射部材を形成したが、配光特性を補正するフィルタ300の内側(照明ユニットとこれに対向するフィルタ300の面との間)に、光の反射率を高める部品である光反射器を取り付ける。
【0050】
LEDモジュールから光が照射される方向に、関数Y=1/COS4θの配光特性に近似するように例えばアルミや銀などの金属で形成された光反射器を取り付けたフィルタ300を設ける。このようにすることによって、反射光が有効に作用し、図13に比較して器具効率の高い器具が製造できる。図16で示した蒸着を金属片としたものである。光を透過させたい部分に穴を空けるなどの手法で実現できる。
【0051】
配光特性を補正するフィルタの内側にアルミ製や銀製の光反射器を配置することで、フィルタ内部で効率よく光反射させることができるので、器具効率の高い照明装置を提供できる。
【符号の説明】
【0052】
10 LEDパッケージ、21,22,23,24,25,26,27,28,29,30,21H,22L,23H,24H,25L,26H,27H LEDモジュール、101,102,103,104,105,106,202,203,204,205,206,207,208 照明ユニット、300 フィルタ、1001 照明装置、1002 照明ユニット。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
LEDパッケージが配置されるLED配置領域の略中央の中央領域に配置され、それぞれが所定の定格出力を有する複数のLEDパッケージの一群からなる中央領域LED群と、
前記LED配置領域において前記中央領域LED群が配置される前記中央領域を囲むように前記中央領域の外側に配置され、前記中央領域LED群に属するどのLEDパッケージよりも定格出力の小さい複数のLEDパッケージからなる一群と、前記中央領域LED群に属するどのLEDパッケージよりも定格出力の大きい複数のLEDパッケージからなる一群とのいずれかの一群からなる外側領域LED群と
を備えたことを特徴とするLED照明ユニット。
【請求項2】
前記中央領域LED群に属する前記LEDパッケージと、前記外側領域LED群に属する前記LEDパッケージとは、
いずれも、配線パターンを示す対応するランドに半田付けされると共に、前記LEDパッケージの熱容量と、前記LEDパッケージが半田付けされる対応するランドの熱容量との合計の熱容量が、略等しいことを特徴とする請求項1記載のLED照明ユニット。
【請求項3】
前記中央領域LED群に属する前記LEDパッケージと、前記外側領域LED群に属する前記LEDパッケージとは、
前記LEDパッケージ自体の定格出力が小さいほど、半田付けされる対応する前記ランドの熱容量が大きいことを特徴とする請求項2記載のLED照明ユニット。
【請求項4】
前記中央領域LED群に属する前記LEDパッケージと、前記外側領域LED群に属する前記LEDパッケージとは、
前記LEDパッケージ自体の定格出力が小さいほど、半田付けされる対応する前記ランドの使用質量が大きいことを特徴とする請求項3記載のLED照明ユニット。
【請求項5】
前記中央領域LED群に属する前記LEDパッケージと、前記外側領域LED群に属する前記LEDパッケージとは、
前記LEDパッケージ自体の熱容量が小さいほど、半田付けされる対応する前記ランドの熱容量が大きいことを特徴とする請求項2記載のLED照明ユニット。
【請求項6】
前記中央領域LED群に属する前記LEDパッケージと、前記外側領域LED群に属する前記LEDパッケージとは、
前記LEDパッケージ自体の熱容量が小さいほど、半田付けされる対応する前記ランドの使用質量が大きいことを特徴とする請求項5記載のLED照明ユニット。
【請求項7】
前記中央領域LED群の前記LEDパッケージの配置密度と、前記外側領域LED群の前記LEDパッケージの配置密度とは、
異なることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のLED照明ユニット。
【請求項8】
前記中央領域LED群は、
略均一な配置密度で同じ型の複数のLEDパッケージが配置された1以上のLEDモジュールからなり、
前記外側領域LED群は、
略均一な配置密度で同じ型の複数のLEDパッケージが配置された1以上のLEDモジュールからなることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のLED照明ユニット。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれかに記載のLED照明ユニットと、
前記LED照明ユニットから出射された光を透過して、略Y=1/COS4θの配光特性の透過光として出射するフィルタと
を備えたことを特徴とするLED照明装置。
【請求項10】
前記フィルタは、
前記LED照明ユニットから出射された光が入射する側の入射面に、光を反射する反射部を備えたことを特徴とする請求項9記載のLED照明装置。
【請求項11】
前記反射部は、
前記入射面に塗布された光反射部材と、前記入射面に取り付けられた部品である光反射器とのいずれかであることを特徴とする請求項10記載のLED照明装置。
【請求項1】
LEDパッケージが配置されるLED配置領域の略中央の中央領域に配置され、それぞれが所定の定格出力を有する複数のLEDパッケージの一群からなる中央領域LED群と、
前記LED配置領域において前記中央領域LED群が配置される前記中央領域を囲むように前記中央領域の外側に配置され、前記中央領域LED群に属するどのLEDパッケージよりも定格出力の小さい複数のLEDパッケージからなる一群と、前記中央領域LED群に属するどのLEDパッケージよりも定格出力の大きい複数のLEDパッケージからなる一群とのいずれかの一群からなる外側領域LED群と
を備えたことを特徴とするLED照明ユニット。
【請求項2】
前記中央領域LED群に属する前記LEDパッケージと、前記外側領域LED群に属する前記LEDパッケージとは、
いずれも、配線パターンを示す対応するランドに半田付けされると共に、前記LEDパッケージの熱容量と、前記LEDパッケージが半田付けされる対応するランドの熱容量との合計の熱容量が、略等しいことを特徴とする請求項1記載のLED照明ユニット。
【請求項3】
前記中央領域LED群に属する前記LEDパッケージと、前記外側領域LED群に属する前記LEDパッケージとは、
前記LEDパッケージ自体の定格出力が小さいほど、半田付けされる対応する前記ランドの熱容量が大きいことを特徴とする請求項2記載のLED照明ユニット。
【請求項4】
前記中央領域LED群に属する前記LEDパッケージと、前記外側領域LED群に属する前記LEDパッケージとは、
前記LEDパッケージ自体の定格出力が小さいほど、半田付けされる対応する前記ランドの使用質量が大きいことを特徴とする請求項3記載のLED照明ユニット。
【請求項5】
前記中央領域LED群に属する前記LEDパッケージと、前記外側領域LED群に属する前記LEDパッケージとは、
前記LEDパッケージ自体の熱容量が小さいほど、半田付けされる対応する前記ランドの熱容量が大きいことを特徴とする請求項2記載のLED照明ユニット。
【請求項6】
前記中央領域LED群に属する前記LEDパッケージと、前記外側領域LED群に属する前記LEDパッケージとは、
前記LEDパッケージ自体の熱容量が小さいほど、半田付けされる対応する前記ランドの使用質量が大きいことを特徴とする請求項5記載のLED照明ユニット。
【請求項7】
前記中央領域LED群の前記LEDパッケージの配置密度と、前記外側領域LED群の前記LEDパッケージの配置密度とは、
異なることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のLED照明ユニット。
【請求項8】
前記中央領域LED群は、
略均一な配置密度で同じ型の複数のLEDパッケージが配置された1以上のLEDモジュールからなり、
前記外側領域LED群は、
略均一な配置密度で同じ型の複数のLEDパッケージが配置された1以上のLEDモジュールからなることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のLED照明ユニット。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれかに記載のLED照明ユニットと、
前記LED照明ユニットから出射された光を透過して、略Y=1/COS4θの配光特性の透過光として出射するフィルタと
を備えたことを特徴とするLED照明装置。
【請求項10】
前記フィルタは、
前記LED照明ユニットから出射された光が入射する側の入射面に、光を反射する反射部を備えたことを特徴とする請求項9記載のLED照明装置。
【請求項11】
前記反射部は、
前記入射面に塗布された光反射部材と、前記入射面に取り付けられた部品である光反射器とのいずれかであることを特徴とする請求項10記載のLED照明装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2013−20712(P2013−20712A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−150731(P2011−150731)
【出願日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(390014546)三菱電機照明株式会社 (585)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(390014546)三菱電機照明株式会社 (585)
【Fターム(参考)】
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