説明

LED照明ユニット

【課題】回路基板上に複数のLED素子が設けられる場合においても、光の干渉を低減しつつ、回路基板にかかる熱負荷を低減させることができるLED照明ユニットを提供すること。
【解決手段】複数のLED素子22が実装された回路基板21と、回路基板21が収容される光透過性ハウジング10とを有してなるLED照明ユニットにおいて、光透過性ハウジング10の外表面を覆うように形成され、複数のLED素子22の各LED素子22に対向する壁30a,30cに形成されてなる光出射開口部31a,31bを有してなる遮光カバー30と、複数のLED素子22の各LED素子22から発せられた光が、光透過性ハウジング10の壁10b内で導かれて互いに干渉することがないように光透過性ハウジング10の壁10b内部で導かれる光を該壁10bの内部で遮る遮光部材40と、を有してなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のLED素子が実装された回路基板と、回路基板が収容される光透過性ハウジングとを有してなるLED照明ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、回路基板上に複数のLED素子が設けられ、各LED素子から発せられる光を、照明光として、あるいはオレンジ等の有色の光を発するようにして機器の動作状態を示すようにするようにしたものがある。例えば、特許文献1には、複数のLED素子から発せられる光によって、いわゆるインジケータとして機能するようにした車両用表示装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−101664号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された車両用表示装置は、文字板に円状または円弧状に配置された目盛と、該目盛に付随する数字、文字または記号等の指標と、前記文字板の各前記目盛に個別に対応するように配置された一または複数の光源と、計測値を基準値とし、該基準値以下の所定の範囲の光源の点灯をさせることにより、計測量に応じた前記所定の範囲の目盛を光輝させることで、前記文字板に前記所定の範囲の表示をする表示制御手段とを備え、前記所定の範囲の表示と、前記文字板の目盛に付随する数字、文字または記号等の指標と協働して計測量を表示している。
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載された車両用表示装置は、各LED素子が各LED素子から発せられる光が干渉しないように遮光板および遮光基部によって個別に仕切られた空間に配置されるようになっているので、各LED素子から発せられた熱が個別の空間内にこもりやすくなり、結果的に、回路基板にかかる熱負荷が大きくなるという問題があった。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、回路基板上に複数のLED素子が設けられる場合においても、光の干渉を低減しつつ、回路基板にかかる熱負荷を低減させることができるLED照明ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の請求項1にかかるLED照明ユニットは、複数のLED素子が実装された回路基板と、前記回路基板が収容される光透過性ハウジングとを有してなるLED照明ユニットにおいて、
前記光透過性ハウジングの外表面を覆うように形成され、前記複数のLED素子の各LED素子に対向する壁に形成されてなる光出射開口部を有してなる遮光カバーと、前記複数のLED素子の各LED素子から発せられた光が、前記光透過性ハウジングの壁内で導かれて互いに干渉することがないように前記光透過性ハウジングの壁内部で導かれる光を該壁の内部で遮る遮光部材と、を有してなることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の請求項2にかかるLED照明ユニットは、上記の発明において、前記光透過性ハウジングは、前記遮光部材の少なくとも一部が挿通されるように該光透過性ハウジングの壁に形成された開口である挿通開口部、あるいは前記遮光部材の少なくとも一部が嵌め込まれるように該光透過性ハウジングの壁に凹状に形成された嵌合凹部を有してなり、前記遮光部材は、前記挿通開口部に挿通され、あるいは前記嵌合凹部に嵌め込まれることによって前記光透過性ハウジングに保持固定されることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の請求項3にかかるLED照明ユニットは、上記の発明において、前記遮光部材は、横断面形状がT字状をなし、T字状の縦線に相当する突出部分であり前記挿通開口部に挿通される挿通凸部、あるいは前記嵌合凹部に嵌め込まれる嵌合凸部と、T字状の横線に相当する部分であり、前記挿通凸部側、あるいは前記嵌合凸部側の面であり前記光透過性ハウジングの外表面に当接される第一の当接面と、該第一の当接面の裏側の面であり前記遮光カバーの内面に当接される第二の当接面とを有してなる当接部と、を有してなることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の請求項4にかかるLED照明ユニットは、上記の発明において、前記遮光部材は、前記複数のLED素子の各LED素子の近傍で向かい合う前記光透過性ハウジングの壁に、前記各LED素子を囲うように配置されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の請求項1にかかるLED照明ユニット1は、複数のLED素子が実装された回路基板と、前記回路基板が収容される光透過性ハウジングとを有してなるLED照明ユニットにおいて、前記光透過性ハウジングの外表面を覆うように形成され、前記複数のLED素子の各LED素子に対向する壁に形成されてなる光出射開口部を有してなる遮光カバーと、前記複数のLED素子の各LED素子から発せられた光が、前記光透過性ハウジングの壁内で導かれて互いに干渉することがないように前記光透過性ハウジングの壁内部で導かれる光を該壁の内部で遮る遮光部材と、を有してなるので、前記遮光部材が個別の空間内に各LED素子を囲うことがなく、前記光透過性ハウジングの壁内で光を遮るので、前記回路基板上に複数のLED素子が設けられる場合においても、光の干渉を低減しつつ、回路基板にかかる熱負荷を低減させることができる。
【0012】
本発明の請求項2にかかるLED照明ユニットは、前記光透過性ハウジングが前記遮光部材の少なくとも一部が挿通されるように該光透過性ハウジングの壁に形成された開口である挿通開口部、あるいは前記遮光部材の少なくとも一部が嵌め込まれるように該光透過性ハウジングの壁に凹状に形成された嵌合凹部を有してなり、前記遮光部材は、前記挿通開口部に挿通され、あるいは前記嵌合凹部に嵌め込まれることによって前記光透過性ハウジングに保持固定されるので、前記光透過性ハウジングの壁の断面を貫いて、あるいは前記光透過性ハウジングの壁の内部に前記遮光部材が配置されるため、効果的に前記光透過性ハウジングの壁内で導かれる光を遮ることができ、結果的に、前記各LED素子から発せられる光の干渉を効果的に防ぐことができる。
【0013】
本発明の請求項3にかかるLED照明ユニットは、横断面形状がT字状をなし、T字状の縦線に相当する突出部分であり前記挿通開口部に挿通される挿通凸部、あるいは前記嵌合凹部に嵌め込まれる嵌合凸部と、T字状の横線に相当する部分であり、前記挿通凸部側、あるいは前記嵌合凸部側の面であり前記光透過性ハウジングの外表面に当接される第一の当接面と、該第一の当接面の裏側の面であり前記遮光カバーの内面に当接される第二の当設面とを有してなる当接部と、を有してなるので、前記遮光カバーと前記光透過性ハウジングとの取り付け状態におけるガタツキを防止するとともに、前記光透過性ハウジングの熱を前記遮光カバーに逃がすことができる。
【0014】
本発明の請求項4にかかるLED照明ユニットは、前記遮光部材が、前記複数のLED素子の各LED素子の近傍で向かい合う前記光透過性ハウジングの壁に、前記各LED素子を囲うように配置されるので、効果的に前記光透過性ハウジングの壁内で導かれる光を遮ることができ、結果的に、前記各LED素子から発せられる光の干渉を効果的に防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、本発明の実施の形態にかかるLED照明ユニットの斜視図である。
【図2】図2は、図1に示したLED照明ユニットのA−A線断面図である。
【図3】図3は、図1に示したLED照明ユニットの平面図である。
【図4】図4は、図1に示した遮光部材が取り付けられた光透過性ハウジングの斜視図である。
【図5】図5は、図1に示した遮光部材をテーパー形状にした場合の断面図である。
【図6】図6は、本発明の実施の形態の変形例1のLED照明ユニットの要部断面図である。
【図7】図7は、本発明の実施の形態の変形例2のLED照明ユニットの要部断面図である。
【図8】図8は、本発明の実施の形態の変形例3のLED照明ユニットの要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して、この発明にかかるLED照明ユニットの好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0017】
(実施の形態)
図1は、本発明の実施の形態にかかるLED照明ユニット1の斜視図である。図2は、図1に示したLED照明ユニット1のA−A線断面図である。図3は、図1に示したLED照明ユニット1の平面図である。図4は、図1に示した遮光部材40が取り付けられた光透過性ハウジング10の斜視図である。図5は、図1に示した遮光部材40をテーパー形状にした場合の断面図である。
なお、便宜上、図中の互いに直交する矢印方向を前後左右上下方向とする。
本発明の実施の形態にかかるLED照明ユニット1は、光透過性ハウジング10と、LEDユニット部20と、遮光カバー30と、遮光部材40とを有してなる。
【0018】
まず、光透過性ハウジング10について説明する。
光透過性ハウジング10は、光透過性の合成樹脂材からなり、前端部10aが塞がれた有底角筒形状をなし、内部に後述する回路基板21が収容されるものである。この光透過性ハウジング10は、挿通開口部11を有してなる。挿通開口部11は、遮光部材40の少なくとも一部が挿通されるように光透過性ハウジング10の壁に形成された開口である。
【0019】
次に、LEDユニット部20について説明する。
LEDユニット部20は、回路基板21と、二つのLED素子22と、電線Wとを有してなる。
回路基板21は、いわゆるプリント配線板によって実現され、電源回路等の導体パターンが形成されている。この回路基板21は、基板表面に複数のLED素子が実装されている。また、この実施の形態では、回路基板は、基板上に形成された端子を介して、信号線、あるいは給電線としての3本の電線Wに接続されている。各電線Wは、半田付け処理等を行うことによって端子21aに接続される。
【0020】
二つのLED素子の各LED素子22は、箱状のパッケージの表面に発光部があり、図示しない電源入力端子が回路基板21の図示しない電源回路に接続されている。図示しない電源回路は、回路基板21上に設けられた端子21aを介して3本の電線Wに接続されている。各LED素子22は、電源回路を介して電源を供給されることによって点灯するようになっている。
二つのLED素子22のうち、回路基板21の前側位置に配置されたLED素子22(以下、前側LED素子22aと称する。)は、例えば、オレンジ色の光を発し、色の種類によって機器の動作状態を示すための照明として機能するようになっている。すなわち、LED照明ユニット1を、いわゆるインジケータとして機能させるものである。
また、前側LED素子22aに比して回路基板21上の後方位置に配置されたLED素子22(以下、後側LED素子22bと称する。)は、白色光を発するものである。すなわち、LED照明ユニット1を照明装置として機能させるものである。
【0021】
次に、遮光カバー30について説明する。
遮光カバー30は、黒色の合成樹脂からなり、前端部30aが塞がれた有底角筒形状をなし、光透過性ハウジング10の外表面を覆うように形成されてなる。この遮光カバー30は、二つのLED素子22から発せられた光が遮光カバー30外に出射されるように形成された開口である二つの光出射開口部31を有してなる。
この二つの光出射開口部31の各光出射開口部31は、回路基板21上に設けられた各LED素子22の配置に対応して配置されている。
【0022】
より具体的には、二つの光出射開口部31のうち、前側LED素子22aの配置に対応して配置された光出射開口部31(以下、前側光出射開口部31aと称する。)は、遮光カバー30の前壁30bの前側LED素子22aと向かい合う位置に配置される。
また、後側LED素子22bの配置に対応して配置された光出射開口部31(以下、後側光出射開口部31bと称する。)は、遮光カバー30の上壁30cの後側LED素子22bと向かい合う位置に配置される。
このような遮光カバー30によって、光透過性ハウジング10の外表面が覆われることによって、各LED素子22から発せられた光が光透過性ハウジング10を透過した後、各LED素子22に応じて配置された各光出射開口部31を介して遮光カバー30の外に出射されるようになっている。
【0023】
次に、遮光部材40について説明する。
遮光部材40は、前側LED素子22aおよび後側LED素子22bから発せられた光が、光透過性ハウジング10によって導光されて干渉することがないように、光透過性ハウジング10の壁の内部で導かれる光を遮るものである。
この遮光部材40は、黒色のゴム材等、遮光性を有する材料からなり、光透過性ハウジング10の壁を貫通して光透過性ハウジング10に取り付けられている。より具体的には、遮光部材40は、横断面形状がT字状、かつ横方向に延びる直線形状をなし、光透過性ハウジング10の前壁10bの幅方向の面に取り付けられている。
【0024】
さらに具体的には、遮光部材40は、挿通凸部41および当接部42を有してなる。
挿通凸部41は、T字の横断面形状のうち、縦線に相当する突出部分であり、光透過性ハウジングの挿通開口部11を貫通して嵌め込まれる部分である。
当接部42は、T字状の横線に相当する部分であり、第一の当接面42aおよび第二の当接面42bを有してなる。
第一の当接面42aは、挿通凸部側の面であり、光透過性ハウジング10の外表面に当接される。
第二の当接面42bは、第一の当接面42aの裏側の面であり遮光カバー30の内面に当接される。
【0025】
このような遮光部材40の光透過性ハウジング10への取り付けの際、挿通凸部41が当接部42の面42aが光透過性ハウジング10の外表面に当接されるまで挿入することによって、挿入部41が所定の深さで挿通開口部11に挿通される。これによって、遮光部材40が光透過性ハウジング10に保持固定されるようになっている。また、第一の当接面42aが、光透過性ハウジング10の外表面に当接され、第二の当接面42bが遮光カバー30の内面に当接されるので、遮光部材40によって遮光カバー30と光透過性ハウジング10との取り付け状態におけるガタツキを防止するとともに、光透過性ハウジング10の熱を遮光カバー30に逃がすことができるようになっている。
【0026】
このように、遮光部材40が光透過性ハウジング10の前壁10bの幅方向の面に取り付けられることによって、前方側LED素子22aおよび後方側LED素子22bから発せされる光が、図2に示すように、光透過性ハウジング10の壁の内部で導かれて干渉することを防止することができる
また、各LED素子22が、光透過性ハウジング10内でLED素子22毎に個別の空間に仕切られることなく回路基板21上に配置されているため、各LED素子22から発せられた熱が放熱しやすいようになっている。しかも、遮光部材40が、光透過性ハウジング10と、遮光カバー30とに当接されているので、光透過性ハウジング10の熱が遮光カバー30に逃げ易いようになっている。
【0027】
なお、遮光部材40の防水性能を高めるために、挿通凸部41の横断面の縦幅および横幅のそれぞれが、挿通開口部11の縦幅および横幅のそれぞれに比して大きくなるように設定し、ゴムの弾性を利用して遮光部材40を挿通開口部11に挿入するようにすると良い。あるいは、遮光部材40の防水性能を高めるために、挿通41部を蛇腹形状にしてもよい。また、遮光部材40は、図5に示すように、挿通凸部41がテーパー状に形成されるのが好ましい、このようにテーパー状にすると、遮光部材40を挿通開口部11に容易に挿入することができる。
【0028】
本発明の実施の形態にかかるLED照明ユニット1は、複数のLED素子22が実装された回路基板21と、回路基板21が収容される光透過性ハウジング10とを有してなるLED照明ユニットにおいて、光透過性ハウジング10の外表面を覆うように形成され、複数のLED素子22の各LED素子22に対向する壁30a,30cに形成されてなる光出射開口部31a,31bを有してなる遮光カバー30と、複数のLED素子22の各LED素子22から発せられた光が、光透過性ハウジング10の壁10b内で導かれて互いに干渉することがないように光透過性ハウジング10の壁10bの内部に導かれる光を壁10bの内部で遮る遮光部材40と、を有してなるので、遮光部材40が個別の空間内に各LED素子22を囲うことがなく、光透過性ハウジング10の壁内で光を遮るので、回路基板21上に複数のLED素子22が設けられる場合においても、光の干渉を低減しつつ、回路基板にかかる熱負荷を低減させることができる。
【0029】
また、本発明の実施の形態にかかるLED照明ユニット1は、光透過性ハウジング10が遮光部材40の少なくとも一部が挿通されるように該光透過性ハウジング10の壁10bに形成された開口である挿通開口部11を有してなり、遮光部材40が、挿通開口部11に挿通されることによって光透過性ハウジング10に保持固定されるので、光透過性ハウジング10の壁の断面を貫いて遮光部材40が配置されるため、効果的に光透過性ハウジング10の壁内で導かれる光を遮ることができ、結果的に、各LED素子22から発せられる光の干渉を効果的に防ぐことができる。
【0030】
また、本発明の実施の形態にかかるLED照明ユニット1は、遮光部材40の横断面形状がT字状をなし、T字状の縦線に相当する突出部分であり挿通開口部11に挿通される挿通凸部41と、T字状の横線に相当する部分であり、挿通凸部41側面であり光透過性ハウジング10の外表面に当接される第一の当接面42aと、該第一の当接面42aの裏側の面であり遮光カバー30の内面に当接される第二の当接面42bとを有してなる当接部42と、を有してなるので、遮光カバー30と光透過性ハウジング10との取り付け状態におけるガタツキを防止するとともに、光透過性ハウジングの熱を遮光カバーに逃がすことができる。
【0031】
(変形例1)
次に、図6を用いて本発明の実施の形態の変形例1について説明する。図6は、本発明の実施の形態の変形例1のLED照明ユニット100の要部断面図である。
この変形例1のLED照明ユニット100は、光透過性ハウジング10に代わって光透過性ハウジング50を有し、遮光部材40に代わって遮光部材60を有してなる点で実施の形態のLED照明ユニット1と異なる。
なお、その他の構成は実施の形態と同様であり、実施の形態と同一構成部分には同一符号を付している。
【0032】
光透過性ハウジング50は、嵌合開口11に代わって嵌合凹部51を有してなる点で透過性ハウジング10と異なる。
嵌合凹部51は、遮光部材60の少なくとも一部が嵌め込まれるように光透過性ハウジング50の前壁50aに凹状に形成された溝部である。
遮光部材60は、T字状の縦線に相当する突出部分であり嵌合凹部51に嵌め込まれる嵌合凸部61を有してなる。
このようなLED照明ユニット100は、嵌合凸部61が嵌合凹部に嵌め込まれることによって、遮光部材60が光透過性ハウジング50に保持固定されるようになっている。
【0033】
この変形例1のLED照明ユニット100は、遮光部材60が二つのLED素子22の各LED素子22から発せられた光が光透過性ハウジング50の壁内で導かれて互いに干渉することがないように、光透過性ハウジング50の壁内部で導かれる光を該壁の内部で遮るので、実施の形態のLED照明ユニット1と同様な効果を奏することができる。
【0034】
(変形例2)
次に、図7を用いて本発明の実施の形態の変形例2について説明する。図7は、本発明の実施の形態の変形例2のLED照明ユニット200の要部断面斜視図である。なお、本発明の実施の形態の変形例2のLED照明ユニット200は、遮光カバー30が実施の形態のLED照明ユニット1と同様であるため、図7では遮光カバー30の図示を省略している。
この変形例2のLED照明ユニット200は、光透過性ハウジング10に代わって光透過性ハウジング70を有し、遮光部材40に代わって遮光部材80を有してなる点で実施の形態のLED照明ユニット1と異なる。
なお、その他の構成は実施の形態と同様であり、実施の形態と同一構成部分には同一符号を付している。
【0035】
光透過性ハウジング70は、嵌合開口11に代わって嵌合凹部71を有してなる点で透過性ハウジング10と異なる。
嵌合凹部71は、遮光部材80の少なくとも一部が嵌め込まれるように光透過性ハウジング70の前壁70aに凹状に形成された溝部である。この嵌合凹部71は、二つのLED素子22の各LED素子22の近傍で向かい合う光透過性ハウジング70の壁に、各LED素子22を囲うように形成されてなる。
遮光部材80は、複数のLED素子22の各LED素子22の近傍で向かい合う光透過性ハウジング70の壁に、各LED素子22を囲うように配置される。すなわち、遮光部材80は、複数のLED素子22の各LED素子22の近傍で向かい合う光透過性ハウジング70の壁に、各LED素子22を囲うように形成され、嵌合凸部81が嵌合凹部71に嵌め込まれることによって遮光部材80が光透過性ハウジング70に保持固定されるようになっている。
【0036】
この変形例2のLED照明ユニット200は、遮光部材80によってLED素子22ごとに近傍で向かい合う光透過性ハウジング70の壁を仕切ることができるので、効果的に光透過性ハウジング70の壁内で導かれる光を遮ることができ、結果的に、各LED素子22から発せられる光の干渉を効果的に防ぐことができる。
【0037】
(変形例3)
次に、図8を用いて本発明の実施の形態の変形例3について説明する。図8は、本発明の実施の形態の変形例3のLED照明ユニット300の要部断面図である。
この変形例3のLED照明ユニット300は、遮光カバー30に代わって遮光カバー90を有し、この遮光カバー90が遮光部材40の機能を有する点で実施の形態のLED照明ユニット1と異なる。
なお、その他の構成は実施の形態と同様であり、実施の形態と同一構成部分には同一符号を付している。
【0038】
遮光カバー90は、光透過性ハウジング10の挿通開口部11に挿通される挿通凸部91を有してなる。
挿通凸部91は、遮光カバー90の前壁90aの内面から突出されてなる。すなわち、この挿通凸部91は遮光性を有するものである。
このようなLED照明ユニット300は、挿通凸部91が挿通開口部11に挿通されることによって、遮光カバー90が光透過性ハウジング10に取り付けられるようになっている。すなわち、挿通凸部91が遮光部材として機能するようになっている。
【0039】
この変形例3のLED照明ユニット300は、各LED素子から発せられ、光透過性ハウジング10の壁内で導かれる光を挿通凸部91によって遮ることができるので、実施の形態のLED照明ユニット1と同様な効果を奏することができる。しかも、遮光部材40を別に組み付ける必要がないので、組み付け作業が容易になる。
また、この変形例3のLED照明ユニット300は、遮光カバー90と、光透過性ハウジング10とを2色成形によって一体に成形することができる。
【0040】
なお、本発明の実施の形態にかかるLED照明ユニット1,100,200は、遮光部材40,60,80がゴム材であるものを例示したが、これに限らない。すなわち、遮光性を有するもものであれば、その他の材料を用いても良い。例えば、スポンジ材を用いても良い。この場合、スポンジ材の内部の通気孔を介して、光透過性ハウジング10、50、70内の熱を外部に出すことが可能となる。
【0041】
また、本発明の実施の形態にかかるLED照明ユニット1,100,200,300は、前方側LED素子22aおよび後方側LED素子22bを有し、前方側LED素子22aがオレンジ色の光を発し、後方側LED素子22bが白色光を発するものを例示したが、これに限らない。すなわち、複数のLED素子を有してなり、それぞれのLED素子が、白色光、あるいは有色の光を発するものであれば、その他の色の光を発するものを用いてもよい。
【0042】
また、本発明の実施の形態にかかるLED照明ユニット1,100,200,300は、前方側LED素子22aおよび後方側LED素子22bの二つのLED素子22を有してなるものを例示したが、これに限らない。すなわち、複数のLED素子22を有していればよい。
【0043】
また、本発明の実施の形態にかかるLED照明ユニット1,100,200,300は、遮光部材40,60,80が光透過性ハウジング10,50,70の前壁10b、50a、70aに配置されるものを例示したが、これに限定されない。すなわち、複数のLED素子22の各LED素子22から発せられた光が、光透過性ハウジングの壁内で導かれて互いに干渉することがないように光透過性ハウジングの壁内で導かれる光を該壁の内部で遮るように配置されていれば、光透過性ハウジングのその他の壁に配置されても良い。例えば、光透過性ハウジングの上壁に配置されてもよい。
【0044】
以上、本発明者によってなされた発明を、上述した発明の実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は、上述した発明の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。
【符号の説明】
【0045】
1、100、200、300 LED照明ユニット
10、50、70 光透過性ハウジング
10a 前端部
10b、50a、70a 前壁
10c、50b、70b 上壁
11 挿通開口部
20 LEDユニット部
21 回路基板
21a 端子
22 LED素子
22a 前側LED素子
22b 後側LED素子
30、90 遮光カバー
30a 前端部
30b、90a 前壁
30c,90b 上壁
30d 内面
31 光出射開口部
31a 前側光出射開口部
31b 後側光出射開口部
40、60、80 遮光部材
41、91 挿通凸部
42 当接部
42a 第一の当接面
42b 第二の当接面
51、71 嵌合凹部
61、81 嵌合凸部
W 電線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のLED素子が実装された回路基板と、前記回路基板が収容される光透過性ハウジングとを有してなるLED照明ユニットにおいて、
前記光透過性ハウジングの外表面を覆うように形成され、前記複数のLED素子の各LED素子に対向する壁に形成されてなる光出射開口部を有してなる遮光カバーと、
前記複数のLED素子の各LED素子から発せられた光が、前記光透過性ハウジングの壁内で導かれて互いに干渉することがないように前記光透過性ハウジングの壁内で導かれる光を該壁の内部で遮る遮光部材と、
を有してなることを特徴とするLED照明ユニット。
【請求項2】
前記光透過性ハウジングは、
前記遮光部材の少なくとも一部が挿通されるように該光透過性ハウジングの壁に形成された開口である挿通開口部、あるいは前記遮光部材の少なくとも一部が嵌め込まれるように該光透過性ハウジングの壁に凹状に形成された嵌合凹部を有してなり、
前記遮光部材は、
前記挿通開口部に挿通され、あるいは前記嵌合凹部に嵌め込まれることによって前記光透過性ハウジングに保持固定されることを特徴とする請求項1に記載のLED照明ユニット。
【請求項3】
前記遮光部材は、
横断面形状がT字状をなし、T字状の縦線に相当する突出部分であり前記挿通開口部に挿通される挿通凸部、あるいは前記嵌合凹部に嵌め込まれる嵌合凸部と、T字状の横線に相当する部分であり、前記挿通凸部側、あるいは前記嵌合凸部側の面であり前記光透過性ハウジングの外表面に当接される第一の当接面と、該第一の当接面の裏側の面であり前記遮光カバーの内面に当接される第二の当接面とを有してなる当接部と、
を有してなることを特徴とする請求項2に記載のLED照明ユニット。
【請求項4】
前記遮光部材は、
前記複数のLED素子の各LED素子の近傍で向かい合う前記光透過性ハウジングの壁に、前記各LED素子を囲うように配置されることを特徴とする請求項1、2、または3に記載のLED照明ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−224299(P2012−224299A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−95812(P2011−95812)
【出願日】平成23年4月22日(2011.4.22)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】