説明

LSIシステム

【課題】入力された外部信号の波形で規定される論理をより確実に判定することが可能なLSIシステムを提供する。
【解決手段】LSIシステムは、第1の入力回路と、発振回路と、発振安定化回路と、システムクロック信号をカウントするフリーランカウンタと、第2の入力回路と、第1のキャプチャ信号が入力されたときのフリーランカウンタの第1のカウント値を保持するとともに、第2のキャプチャ信号が入力されたときのフリーランカウンタの第2のカウント値を保持するキャプチャ回路と、設定値を発振安定化回路に出力するとともに、設定値に対応した補正値を出力する補正回路と、キャプチャ回路に保持された第1のカウント値と第2のカウント値との差に補正値を加算した値に基づいて、第2の外部信号の波形のエッジの間隔で規定される論理を判定する判定回路と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、リモコンコードやHDMI CEC等の信号を読み込むLSIシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、DTV、DVDレコーダなどの家電機器は、スタンバイ時の低消費電力を実現することが非常に重要になってきている。
【0003】
このスタンバイ時の電源関連の入力を、例えば、マイコン(MCU:Micro Controller Unit)で検出する。そして、低消費電力の実現のために、電源関連の入力待ちを、該MCUのシステムクロック信号を低速、または、停止にした状態で行っている。
【0004】
システムクロック信号を停止した状態では、リモコンコードやHDMI CEC(High−Definition Multimedia Interface Consumer Electoronic Control)の波形が変化した場合、例えば、これらの波形の立ち下がりで、MCUはシステムクロック信号の発振を再開させる。
【0005】
しかし、システムクロック信号の発振が安定した後に、該MCUのソフトが動くため、次のリモコンコードやHDMI CECの波形の立下りまでの時間計測ができない。特に、リモコンコードやHDMI CECは、数mS単位(例えば、1.12mS、2.25mS)で“1”、“0”の極性が変わるため波形取込みは容易ではない。
【0006】
すなわち、従来は、該MCUが、リモコンコードやHDMI CECの最初の“1”、“0”情報を正確に判定できない問題があった。
【0007】
ここで、従来の電子制御装置には、MPUにフリーランタイマを内蔵し、リモコン入力のパルス幅を測定し、リモコン入力が正常か否かを判定し、正常な信号ならば通常動作に移行し、異常信号ならばスリープモードに移行ものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0008】
しかし、上記従来技術は、低消費電力の待機状態から通常動作に復帰する際にシステムクロック信号が安定するまでに入力された外部信号の波形を読み出すことについては言及していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平9−44229号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、入力された外部信号の波形で規定される論理をより確実に判定することが可能なLSIシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一態様に係るLSIシステムは、システムクロック信号の発振を開始させるための第1の外部信号が入力され、前記第1の外部信号に応じて、発振開始信号および第1のキャプチャ信号を出力し、前記第1の外部信号が入力された後に第2の外部信号が入力され、前記第2の外部信号に応じて、第2のキャプチャ信号を出力する入力回路と、前記発振開始信号に応じてクロック信号を生成し、生成したクロック信号を出力する発振回路と、前記クロック信号が入力され、入力された前記クロック信号を前記システムクロック信号として出力し、前記クロック信号が入力され始めてから設定値で規定される期間は前記システムクロック信号を出力しない発振安定化回路と、前記システムクロック信号を分周する分周器と、分周された前記システムクロック信号をカウントするフリーランカウンタと、前記第1のキャプチャ信号および前記第2のキャプチャ信号が入力され、前記第1のキャプチャ信号が入力されたときの前記フリーランカウンタの第1のカウント値を保持するとともに、前記第2のキャプチャ信号が入力されたときの前記フリーランカウンタの第2のカウント値を保持するキャプチャ回路と、前記設定値を前記発振安定化回路に出力するとともに、前記設定値に対応した補正値を出力する補正回路と、前記キャプチャ回路に保持された前記第1のカウント値と前記第2のカウント値との差に前記補正値を加算した値に基づいて、前記第2の外部信号の波形のエッジの間隔で規定される論理を判定する判定回路と、を備える。
【0012】
本発明の他の態様に係るLSIシステムは、システムクロック信号の発振を停止させるための第1の外部信号が入力され、前記第1の外部信号に応じて、発振停止信号および第1のキャプチャ信号を出力し、前記第1の外部信号が入力された後に第2の外部信号が入力され、前記第2の外部信号に応じて、第2のキャプチャ信号を出力する入力回路と、クロック信号を生成し、生成したクロック信号を出力し、前記発振停止信号に応じて前記クロック信号の生成を停止する発振回路と、前記クロック信号が入力され、入力された前記クロック信号を前記システムクロック信号として出力し、前記クロック信号が入力され始めてから設定値で規定される期間は前記システムクロック信号を出力しない発振安定化回路と、前記システムクロック信号を分周する分周器と、分周された前記システムクロック信号をカウントするフリーランカウンタと、前記第1のキャプチャ信号および前記第2のキャプチャ信号が入力され、前記第1のキャプチャ信号が入力されたときの前記フリーランカウンタの第1のカウント値を保持するとともに、前記第2のキャプチャ信号が入力されたときの前記フリーランカウンタの第2のカウント値を保持するキャプチャ回路と、前記設定値を前記発振安定化回路に出力するとともに、前記設定値に対応した補正値を出力する補正回路と、前記キャプチャ回路に保持された前記第1のカウント値と前記第2のカウント値との差に前記補正値を加算した値に基づいて、前記第2の外部信号の波形のエッジの間隔で規定される論理を判定する判定回路と、を備え、
前記第2の外部信号は、前記第1の外部信号が入力された後であって前記発振安定化回路から前記システムクロック信号が出力された後に前記入力回路に入力されるものであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係るLSIシステムによれば、入力された外部信号の波形で規定される論理をより確実に判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一態様である実施例1に係るLSIシステム100の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を適用した実施例について図面を参照しながら説明する。
【実施例1】
【0016】
図1は、本発明の一態様である実施例1に係るLSIシステム100の構成を示す図である。
【0017】
図1に示すように、LSIシステム100は、第1の入力回路1と、発振回路2と、発振安定化回路3と、分周器4と、フリーランカウンタ5と、第2の入力回路6と、キャプチャ回路7と、補正回路8と、判定回路9と、を備える。
【0018】
このLSIシステム100は、例えば、既述のマイコン(MCU)に含まれる。該マイコンは、消費電力を低減するために、自己のシステムクロック信号SCLKを停止するストップモードを有する。
【0019】
第1の入力回路1は、システムクロック信号SCLKの発振を開始させるための第1の外部信号が入力されるようになっている。この第1の入力回路1は、該第1の外部信号に応じて、発振開始信号および第1のキャプチャ信号SC1を出力するようになっている。例えば、第1の入力回路1は、該第1の外部信号の片エッジ、または、両エッジに応じて、第1のキャプチャ信号SC1を出力するようになっている。
【0020】
なお、該第1の外部信号は、例えば、リモコン(図示せず)の電源オンキーが押されることにより出力される信号やストップ解除入力信号(後述)である。なお、該第1の外部信号の波形は、例えば、リモコン入力波形、または、HDMI CEC入力波形を含んでもよい。
【0021】
発振回路2は、該発振開始信号に応じてクロック信号CLKを生成し、生成したクロック信号CLKを出力するようになっている。
【0022】
発振安定化回路3は、発振回路2からクロック信号CLKが入力される。この発振安定化回路3は、入力されたクロック信号CLKをシステムクロック信号SCLKとして出力するようになっている。
【0023】
また、発振安定化回路3は、クロック信号CLKが入力され始めてから設定値で規定される期間は、システムクロック信号SCLKを出力しないようになっている。すなわち、発振安定化回路3は、クロック信号CLKが入力され始めてから該設定値に対応するカウント値だけクロック信号CLKをカウントする期間は、システムクロック信号SCLKを出力しない。
【0024】
これにより、発振安定化回路3は、安定した状態のシステムクロック信号SCLKを出力することになる。
【0025】
分周器4は、システムクロック信号SCLKを分周するようになっている。
【0026】
フリーランカウンタ5は、分周器4により分周されたシステムクロック信号SCLKをカウントするようになっている。
【0027】
第2の入力回路6は、該第1の外部信号が第1の入力回路1に入力された後に、第2の外部信号が入力される。この第2の入力回路6は、該第2の外部信号に応じて、第2のキャプチャ信号SC2を出力するようになっている。例えば、第2の入力回路6は、該第2の外部信号の片エッジ、または、両エッジに応じて、第2のキャプチャ信号SC2を出力するようになっている。
【0028】
なお、該第2の外部信号の波形は、例えば、リモコン入力波形、または、HDMI CEC入力波形を含む。
【0029】
キャプチャ回路7は、第1のキャプチャ信号SC1および第2のキャプチャ信号SC2が入力される。このキャプチャ回路7は、第1のキャプチャ信号SC1が入力されたときのフリーランカウンタ5の第1のカウント値Cn1を保持するとともに、第2のキャプチャ信号SC2が入力されたときのフリーランカウンタ5の第2のカウント値Cn2を保持するようになっている。
【0030】
補正回路8は、該設定値を発振安定化回路3に出力するとともに、該設定値に対応した補正値を判定回路9に出力するようになっている。この補正値は、例えば、発振回路2が発振を開始してから発振安定化回路3がシステムクロック信号SCLKを出力するまでの期間に相当するフリーランカウンタ5のカウント値(時間)である。
【0031】
判定回路9は、キャプチャ回路7に保持された第1のカウント値Cn1と第2のカウント値Cn2との差に該補正値を加算した値(時間)に基づいて、該第2の外部信号の波形のエッジの間隔(パルス幅)で規定される論理(例えば、入力コードのデータ“1” “0”、または、リーダーコード)を判定するようになっている。
【0032】
該マイコンは、判定回路9の判定結果に基づいて、例えば、該マイコン内のソフトが入力信号を処理する。
【0033】
次に、以上のような構成を有するLSIシステム100の動作について、説明する。
【0034】
既述のストップモードをLSIシステム100の外部から解除するのがストップ解除入力信号(ここでは、該第1の外部信号)である。
【0035】
該マイコンは、システムクロック信号SCLKを停止させてもよい状態、例えば、テレビの電源オフの場合、電源オフの処理を行い、該ストップ解除入力信号待ちにしてストップモードに入る(この状態を低消費電力スタンバイと言う)。この場合、ストップ解除入力信号は、リモコン(図示せず)の電源オンキーが押されることにより出力される信号(第1の外部信号)となる。
【0036】
低消費電力スタンバイ(ストップモード)時に、電源オンキーが押されることによりリモコンから出力された信号(第1の外部信号)が第1の入力回路1に入力される。これにより、発振回路2が発振を再開し、該マイコンにシステムクロック信号SCLKが供給される。これにより、該マイコンが通常動作を実施可能(通常動作モード)になる。
【0037】
この通常動作モードでは、キャプチャ回路7が第2の外部信号(リモコン入力波形、または、HDMI CEC入力波形)の片エッジ、または、両エッジでフリーランカウンタ5のカウントし値をキャプチャする。判定回路9は、このキャプチャ回路7でキャプチャされたカウント値の差を求めることにより、入力コードのデータ“1”、“0”、または、リーダーコードを判定する。
【0038】
ここで、既述のストップモードが解除されると、発振回路2が動作(発振)を開始するが、システムクロック信号SCLKが安定するまで、システムクロック信号SCLKが発振安定化回路3から出力されない。すなわち、この間、該MCUに、システムクロック信号SCLKが供給されない。
【0039】
そして、システムクロック信号SCLKの発振再開後、発振安定化回路3はクロック信号CLKをカウントし、このカウント値が指定された値(該設定値)になるまで、システムクロック信号SCLKを出力しない。
【0040】
したがって、フリーランカウンタ5は、システムクロック信号SCLKが安定するまで、時間計測(システムクロック信号SCLKのカウント)を、実行しない。
【0041】
一般的に、該MCUのシステムクロック信号SCLKの周波数は、高く、直ぐに発振は安定する。このため、該設定値に応じた値(時間)を、フリーランカウンタ5がシステムクロック信号SCLKをカウントしていなかった期間に対応する補正値(時間)として、用いることが可能である。
【0042】
判定回路9は、第1のキャプチャ信号SC1に応じて、ストップモードの解除時のフリーランカウンタ5の第1のカウント値Cn1を1つ前のキャプチャした値とし、この第1のカウント値Cn1とその後の第2の外部信号のエッジで(第2のキャプチャ信号SC2に応じて)キャプチャした第2のカウント値Cn2との差分に補正値を加算することにより時間補正する。
【0043】
そして、判定回路9は、この時間補正された結果に基づいて、ストップモードが解除された後の該第2の外部信号の波形のエッジの間隔(パルス幅)で規定される論理(例えば、入力コードのデータ“1” “0”、または、リーダーコード)を判定する。
【0044】
これにより、LSIシステム100は、より正確にデータ“1”、“0”、または、リーダーコード判定が可能となる。
【0045】
以上のように、本実施例に係るLSIシステムによれば、入力された外部信号の波形で規定される論理をより確実に判定することができる。
【実施例2】
【0046】
実施例1では、第1の入力回路がシステムクロック信号の発振を開始させるための外部信号に応じて、発振開始信号および第1のキャプチャ信号を出力する場合について述べた。
【0047】
本実施例2では、第1の入力回路がシステムクロック信号の発振を停止させるための外部信号に応じて、発振停止信号および第1のキャプチャ信号を出力する場合について述べる。なお、この場合も、第1の入力回路は、外部信号(例えば、リモコンの電源オンキーが押されることにより出力される信号)に応じて、発振回路に発振を開始させるための発振開始信号を出力する。
【0048】
実施例2のLSIシステムの構成は、図1に示す実施例1のLSIシステム100と同様の構成を有する。したがって、実施例2においても、以下、図1を用いて説明する。
【0049】
実施例2においては、第1の入力回路1は、ストップモード設定時に、システムクロック信号の発振を停止させるための第1の外部信号が入力されるようになっている。第1の入力回路1は、この第1の外部信号に応じて、発振停止信号および第1のキャプチャ信号を出力するようになっている。
【0050】
発振回路2は、既述の発振開始信号に応じて、クロック信号CLKを生成し、生成したクロック信号CLKを出力するようになっている。また、この発振回路2は、該発振停止信号に応じてクロック信号CLKの生成を停止するようになっている。
【0051】
発振回路2は、実施例1と同様に、該発振開始信号に応じてクロック信号CLKを生成し、生成したクロック信号CLKを出力するようになっている。
【0052】
発振安定化回路3は、実施例1と同様に、発振回路2からクロック信号CLKが入力される。この発振安定化回路3は、入力されたクロック信号CLKをシステムクロック信号SCLKとして出力するようになっている。
【0053】
また、発振安定化回路3は、クロック信号CLKが入力され始めてから設定値で規定される期間は、システムクロック信号SCLKを出力しないようになっている。すなわち、発振安定化回路3は、クロック信号CLKが入力され始めてから該設定値に対応するカウント値だけクロック信号CLKをカウントする期間は、システムクロック信号SCLKを出力しない。
【0054】
これにより、発振安定化回路3は、安定した状態のシステムクロック信号SCLKを出力することになる。
【0055】
分周器4は、実施例1と同様に、システムクロック信号SCLKを分周するようになっている。
【0056】
フリーランカウンタ5は、実施例1と同様に、分周器4により分周されたシステムクロック信号SCLKをカウントするようになっている。
【0057】
第2の入力回路6は、該第1の外部信号が第1の入力回路1に入力された後であって発振安定化回路2からシステムクロック信号SCLKが出力された後に該第2の外部信号が入力されるようになっている。この第2の入力回路6は、該第2の外部信号に応じて、第2のキャプチャ信号SC1を出力する。
【0058】
なお、該第2の外部信号の波形は、例えば、リモコン入力波形、または、HDMI CEC入力波形を含む。
【0059】
キャプチャ回路7は、実施例1と同様に、第1のキャプチャ信号SC1および第2のキャプチャ信号SC2が入力される。このキャプチャ回路7は、第1のキャプチャ信号SC1が入力されたときのフリーランカウンタ5の第1のカウント値Cn1を保持するとともに、第2のキャプチャ信号SC2が入力されたときのフリーランカウンタ5の第2のカウント値Cn2を保持するようになっている。
【0060】
ここで、本実施例2では、上記第1のカウント値Cn1は、ストップモード設定時のフリーランカウンタ5のカウント値になるが、実施例1のストップモード解除時のフリーランカウンタ5のカウント値と同等であることを前提とする。
【0061】
補正回路8は、実施例1と同様に、該設定値を発振安定化回路3に出力するとともに、該設定値に対応した補正値を判定回路9に出力するようになっている。この補正値は、例えば、発振回路2が発振を開始してから発振安定化回路3がシステムクロック信号SCLKを出力するまでの期間に相当するフリーランカウンタ5のカウント値(時間)である。
【0062】
判定回路9は、実施例1と同様に、キャプチャ回路7に保持された第1のカウント値Cn1と第2のカウント値Cn2との差に該補正値を加算した値(時間)に基づいて、該第2の外部信号の波形のエッジの間隔(パルス幅)で規定される論理(例えば、入力コードのデータ“1” “0”、または、リーダーコード)を判定するようになっている。
【0063】
次に、以上のような構成を有するLSIシステム100の動作について、説明する。
【0064】
判定回路9は、実施例1と同様に、第1のキャプチャ信号SC1に応じて、ストップモードの解除時のフリーランカウンタ5の第1のカウント値Cn1を1つ前のキャプチャした値とし、この第1のカウント値Cn1とその後の第2の外部信号のエッジで(第2のキャプチャ信号SC2に応じて)キャプチャした第2のカウント値Cn2との差分に補正値を加算することにより時間補正する。
【0065】
既述のように、本実施例2では、上記第1のカウント値Cn1は、ストップモード設定時のフリーランカウンタ5のカウント値になるが、実施例1のストップモード解除時のフリーランカウンタ5のカウント値と同等であることを前提とする。
【0066】
したがって、実施例1と同様に、判定回路9は、上記時間補正された結果に基づいて、ストップモードが解除された後の該第2の外部信号の波形のエッジの間隔(パルス幅)で規定される論理(例えば、入力コードのデータ“1” “0”、または、リーダーコード)を判定する。
【0067】
これにより、LSIシステム100は、実施例1と同様に、より正確にデータ“1”、“0”、または、リーダーコード判定が可能となる。
【0068】
以上のように、本実施例に係るLSIシステムによれば、実施例1と同様に、入力された外部信号の波形で規定される論理をより確実に判定することができる。
【0069】
なお、上記各実施例においては、第1、第2の外部信号が入力される回路を、第1の入力回路と第2の入力回路に分けて説明した。しかし、第1、第2の外部信号が1つの入力回路に入力されるようにし、この1つの入力回路が、第1、第2の入力回路の機能を集約した機能を有し、第1、第2の入力回路の動作と同様の動作をするようにしてもよい。
【符号の説明】
【0070】
1 第1の入力回路
2 発振回路
3 発振安定化回路
4 分周器
5 フリーランカウンタ
6 第2の入力回路
7 キャプチャ回路
8 補正回路
9 判定回路
100 LSIシステム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムクロック信号の発振を開始させるための第1の外部信号が入力され、前記第1の外部信号に応じて、発振開始信号および第1のキャプチャ信号を出力し、前記第1の外部信号が入力された後に第2の外部信号が入力され、前記第2の外部信号に応じて、第2のキャプチャ信号を出力する入力回路と、
前記発振開始信号に応じてクロック信号を生成し、生成したクロック信号を出力する発振回路と、
前記クロック信号が入力され、入力された前記クロック信号を前記システムクロック信号として出力し、前記クロック信号が入力され始めてから設定値で規定される期間は前記システムクロック信号を出力しない発振安定化回路と、
前記システムクロック信号を分周する分周器と、
分周された前記システムクロック信号をカウントするフリーランカウンタと、
前記第1のキャプチャ信号および前記第2のキャプチャ信号が入力され、前記第1のキャプチャ信号が入力されたときの前記フリーランカウンタの第1のカウント値を保持するとともに、前記第2のキャプチャ信号が入力されたときの前記フリーランカウンタの第2のカウント値を保持するキャプチャ回路と、
前記設定値を前記発振安定化回路に出力するとともに、前記設定値に対応した補正値を出力する補正回路と、
前記キャプチャ回路に保持された前記第1のカウント値と前記第2のカウント値との差に前記補正値を加算した値に基づいて、前記第2の外部信号の波形のエッジの間隔で規定される論理を判定する判定回路と、を備える
ことを特徴とするLSIシステム。
【請求項2】
システムクロック信号の発振を停止させるための第1の外部信号が入力され、前記第1の外部信号に応じて、発振停止信号および第1のキャプチャ信号を出力し、前記第1の外部信号が入力された後に第2の外部信号が入力され、前記第2の外部信号に応じて、第2のキャプチャ信号を出力する入力回路と、
クロック信号を生成し、生成したクロック信号を出力し、前記発振停止信号に応じて前記クロック信号の生成を停止する発振回路と、
前記クロック信号が入力され、入力された前記クロック信号を前記システムクロック信号として出力し、前記クロック信号が入力され始めてから設定値で規定される期間は前記システムクロック信号を出力しない発振安定化回路と、
前記システムクロック信号を分周する分周器と、
分周された前記システムクロック信号をカウントするフリーランカウンタと、
前記第1のキャプチャ信号および前記第2のキャプチャ信号が入力され、前記第1のキャプチャ信号が入力されたときの前記フリーランカウンタの第1のカウント値を保持するとともに、前記第2のキャプチャ信号が入力されたときの前記フリーランカウンタの第2のカウント値を保持するキャプチャ回路と、
前記設定値を前記発振安定化回路に出力するとともに、前記設定値に対応した補正値を出力する補正回路と、
前記キャプチャ回路に保持された前記第1のカウント値と前記第2のカウント値との差に前記補正値を加算した値に基づいて、前記第2の外部信号の波形のエッジの間隔で規定される論理を判定する判定回路と、を備え、
前記第2の外部信号は、前記第1の外部信号が入力された後であって前記発振安定化回路から前記システムクロック信号が出力された後に前記入力回路に入力されるものである
ことを特徴とするLSIシステム。
【請求項3】
前記発振安定化回路は、
前記クロック信号が入力され始めてから設定値に対応するカウント値だけ前記クロック信号をカウントする期間は、前記システムクロック信号を出力しない
ことを特徴とする請求項1または2に記載のLSIシステム。
【請求項4】
前記第2の外部信号の波形は、リモコン入力波形、または、HDMI CEC入力波形を含むことを特徴とする請求項1ないし3の何れかに記載のLSIシステム。
【請求項5】
前記入力回路は、
前記第1の外部信号の片エッジ、または、両エッジに応じて、前記第1のキャプチャ信号を出力し、
前記第2の外部信号の片エッジ、または、両エッジに応じて、前記第2のキャプチャ信号を出力する
ことを特徴とする請求項1ないし4の何れかに記載のLSIシステム。

【図1】
image rotate


【公開番号】特開2010−218493(P2010−218493A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−67381(P2009−67381)
【出願日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】