説明

LTEネットワークにおける最適化したeNB(EvolvedNodeB)ハンドオーバ

【課題】3GPP E−UTRAN進化型パケットコア(EPC)のLTE MME(モビリティ管理エンティティ)機能との間のシグナリングを低減する最適化されたHeNB GW内ハンドオーバ動作を提供する方法。
【解決手段】動作時には、HeNBゲートウェイ(GW)は、ソースHeNBからターゲットHeNBへのハンドオーバ要求を傍受し、MMEから最小の対話で、これらの要求をローカルに処理する。可能な場合は、GWがハンドオーバ関連の全メッセージをMMEにリレーするという3GPPの要件に関係なく、MMEとの間のメッセージ送信を最小化する、及び/又は低減する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、E−UTRAN(Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network)を使用してIP接続を提供する進化型3GPPパケット交換ドメインなどのモバイル広帯域ネットワーキング技術に関する。
【背景技術】
【0002】
EPC(Evolved Packet Core)とは、LTE(Long-Term Evolution)及び他の無線ネットワークアクセス技術で使用するために、3GPP、リリース8によって定義されたインターネットプロトコル(IP)ベースのコアネットワークである。EPCの目的は、すべてのインターネットプロトコル(IP)ベースのコアネットワークが、各種サービスにアクセス可能となるアーキテクチャを提供することである。LTEにおいて、MME(モビリティ管理エンティティ)機能は、モバイルデバイス(ユーザ機器又は「UE」)がMMEノードがカバーする地理的エリア内でシステムを移動するとき、そのアンカー(anchor)を提供する。EPCはMMEと、ユーザのデータグラムを経路指示する複数のアクセス非依存型ゲートウェイとを備える。LTEシステムの無線アクセス部分はeNB(Evolved Node B)である。各eNBは通常、基地局無線機器とともにアンテナシステムを備える。さらに、無線送信機及び受信機に加えて、eNBはリソース管理及び論理制御機能も含み、これは従来、基地局制御装置(BSC)又は無線ネットワーク制御装置(RNC)に分離されている。この追加機能を含むことにより、eNBは相互に直接通信し、それによりモバイル交換システム(MSC)又は制御装置(BSC又はRNC)が不要になる。eNB間の通信はハンドオーバを含む。LTE規格では、LTE eNBは、E−UTRAN内で、eNB間及びeNB内両方のハンドオーバ手順を実施する必要がある。
【0003】
フェムトセルは、GSM(登録商標)/WCDMAファミリーのうち1つ又は複数の無線インターフェイス上の、限られた地理的エリアのホーム環境にある限られた数の同時ユーザをサポートする無線アクセスネットワーク要素である。3GのフェムトアクセスポイントをホームノードB(HNB)と呼ぶ。CSG(クローズドサブスクライバグループ:Closed Subscriber Group)は、特定のフェムトセルへのアクセスを許可されたモバイルデバイスの特定のグループを説明するために使用される。LTEでは、「ホームeNB」(HeNB)の論理アーキテクチャを実施してもよい。HeNBは、HeNBをEPCに接続する一組のS1インターフェイスを有する。この方法で、E−UTRANアーキテクチャは、ホームeNBゲートウェイ(HeNB GW)が、HeNBとEPCの間のS1インターフェイスを多数のHeNBをサポートするように拡大することを可能とする。
【0004】
3GPP仕様は、HeNB GWがUE関連S1アプリケーションパートの全メッセージをHeNBとMMEとの間でリレーすることを要件とする。この要件は、EPC(すなわちMME及びSGW(サービングゲートウェイ))が処理する必要があるシグナリング量を増大させる。EPCへのシグナリング量を低減しながら、同じHeNB GWに接続されているHeNB間のUEのハンドオーバを最適化することが望ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、当技術分野におけるこの要求に対処する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、3GPPのE−UTRAN EPC(Evolved Packet Core)のLTE MME(モビリティ管理エンティティ)機能とGW間のシグナリングを低減する最適化したHeNBゲートウェイ内ハンドオーバ動作を提供する方法について説明する。
【0007】
動作時には、HeNBゲートウェイ(GW)が、HeNB(「ソースHeNB」)からのハンドオーバ要求を傍受し、ターゲットセルがゲートウェイに接続されている別のHeNB(「ターゲットHeNB」)であるか否かを判定する。(i)ターゲットHeNBがソースHeNBと(トラッキングエリア識別子(TAI)によって識別された)同じトラッキングエリア内にある、(ii)ターゲットHeNBがオープンであるか、又はソースによって指示されたCSG識別子をサポートする、及び(iii)ソースHeNBとターゲットHeNBが両方ともHeNB GW S1−Uインターフェイスを使用している場合は、HeNB GWがMMEと限られた対話でローカルにハンドオーバ手順を処理する。(i)ターゲットHeNBがオープンであるか、又はソースによって指示されたCSG識別子をサポートする、及び(ii)ターゲットHeNBがソースHeNBと同じTAI内にないか、又は(iii)ソースHeNBもターゲットHeNBもHeNB GW S1−Uインターフェイスを使用していないか、のいずれかの場合は、HeNB GWがそれでもハンドオーバ手順をMMEへのX2ベースのハンドオーバメッセージに変換することによって、これをローカルに処理する。両方のシナリオで、GWがMMEへの全ハンドオーバメッセージをリレーするという3GPP要件にかかわらず、MMEとの間のメッセージ送信を最小化するか、及び/又は低減する。
【0008】
以上は、より主題に適合する機能の幾つかを概略説明している。これらの機能は例示としてのものに過ぎない。開示された主題を様々な方法で適用するか、又は以下で述べるように主題を修正することによって、多くの他の有利な結果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】HeNBとEPCの間のS1インターフェイスを多数のHeNBを支持するスケールにできるようにホームeNBゲートウェイ(HeNB GW)を展開するEPC(Evolved Packet Core)ベースのネットワークの簡易ブロック図である。
【図2】HeNBゲートウェイ内ハンドオーバ手順中のMMEシグナリングを低減する本開示の第1の実施形態を示す時系列図であり、ソースHeNBとターゲットHeNBが同じトラッキングエリア内に配置されている。
【図3】HeNBゲートウェイ内ハンドオーバ手順中のMMEシグナリングを低減する本開示の第2の実施形態を示す時系列図であり、ソースHeNBとターゲットHeNBが異なるトラッキングエリア内に配置されている。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の詳細な説明は、3GPPモバイルブロードバンド規格の基準仕様3GPP TS 23.401に記載されたE−UTRANの汎用パケット無線サービス(GPRS)の拡張に精通していると推定する。特にLTE E−UTRAN内ハンドオーバは、3GPP TS 36.300に記載されている。
【0011】
図1に示すように、開示されたハンドオーバ技術を実施することができる代表的なLTEネットワーク100は、MME102と、SGW104と、PGW106と、HSS108と、HeNBゲートウェイ(HeNB GW)112に結合された一組のホーム進化型ノードB(それぞれがHeNB)とを備える。MME102は、LTEアクセスネットワークの1次制御ノードである。他にも機能はあるが、MME102は、アイドルモードUE(ユーザ機器)のトラッキング及び再伝送を含むページング手順を担当する。サービングゲートウェイ(SGW)104は、ユーザデータパケットを経路指示して転送しながら、eノードB間ハンドオーバ中にユーザプレーンのモビリティアンカーとしても作用する。MMEは、初期接続時に、及びコアネットワーク(CN)ノードの再配置を含むLTE内ハンドオーバ時に、UEのSGWを選択することを担当している。PDNゲートウェイ(PGW)106は、UEのトラフィックの入口点及び出口点になることにより、UEから外部パケットデータネットワークへの接続を提供する。ホームサブスクライバサーバ(HSS:Home Subscriber Server)108は、ユーザ関連及び加入関連情報を含む中央データベースである。HSS108は、モビリティ管理、呼び出し及びセッション確立支援、ユーザ認証、及びアクセス許可も提供する。
【0012】
HeNB GW112は、ゲートウェイに接続されたHeNB110にS1−C及び/又はS1−Uインターフェイスを提供する。HeNB GWによって、HeNBとEPCの間のS1インターフェイスを、多数のHeNB110をサポートするスケールにすることができる。動作時には、HeNB GWはCプレーン、特にS1−MMEインターフェイスの集信装置となる。HeNBからのS1−UインターフェイスはHeNB GWにて終端するか、又はHeNBとS−GWの間の直接論理Uプレーン接続を使用することができる。
【0013】
eNBはLTEシステムの無線アクセス部分である。周知のように、各eNBは通常、少なくとも1つの無線送信機と、受信機と、制御セクションと、電源とを備える。さらに、eNBは通常、様々なソフトウェアベースの機能を実施する。例えば無線リソース管理、アクセス制御、接続モビリティ管理、リソーススケジューリング、ヘッダ圧縮、ユーザデータストリームのリンク暗号化、宛先に向かう(通常はEPC又は他のeNBへの)ユーザデータのパケット経路指示、及び(ハンドオーバの決定を支援する)測定報告である。
【0014】
LTE eNBは、E−UTRAN内でハンドオーバ手順を実施する必要がある。図1に見られるように、E−UTRAN内ハンドオーバは、例えばUE114をソースeノードB116からターゲットeノードB(図示せず)へのハンドオーバを実行するために使用され、通常はMMEが変わらない場合はX2ベースのハンドオーバメッセージを使用している。ソースeノードBとターゲットeノードBの間に直接のXインターフェイスがない場合は、S1ベースのハンドオーバメッセージ送信シーケンスを使用する。3GPP仕様のリリース8に基づくホームeノードB110は、X2インターフェイスを提供せず、したがってS1ベースのハンドオーバを使用する。3GPPの仕様に記載されているように、このハンドオーバ手順中に、HeNB GWは全メッセージをMMEにリレーするが、これは望ましくない。この問題に対処するために、HeNB GWによってHeNB GW内ハンドオーバ手順を最適化する方法が実施されるが、それについては以下で説明する。この最適化されたGWハンドオーバ手順は、GWによってリレーされるMMEとの間のシグナリング量を大幅に低減し、それによってEPC要求性能を低減し、ネットワークの帯域幅を低減し、信頼性を向上させ、費用を低減する。
【0015】
最適化されたHeNB GW内ハンドオーバ
この技術の好適な方法が図2に図示され、これはHeNB内ハンドオーバ手順中にMMEシグナリングを低減する本開示の第1の実施形態を示す時系列図である。この実施形態では、ソースHeNB200及びターゲットHeNB202が(トラッキングエリア識別子、すなわちTAIによって識別された)同じトラッキングエリア内に配置され、両方ともHeNB GW204に結合されて、HeNB GWのS1−Uインターフェイスを使用する。GWは、S1−CインターフェイスでMME206に、S1−UインターフェイスでSGW(図示せず)に結合される。本開示のハンドオーバシグナリングの最適化を可能にするために、HeNB GWは、UE(図示せず)とHeNB GW204とMME206の間にシグナリングパスを確立する間に必要なデータを格納することが好ましい。この情報は、ハンドオーバ制限リスト、セキュリティパラメータ、UE無線アクセス能力データなどを含むが、これらに限定されない。
【0016】
図2に示すように、ハンドオーバ手順はステップ1で開始し、ソースHeNB200がGW204に対してハンドオーバ要求メッセージを発行する。ステップ2で、GW204はパススイッチ要求メッセージをMME206に送信し、MMEはステップ3にて応答し、パススイッチ要求肯定応答メッセージ(Path Switch Request Ack message)を返送する。ステップ4で、GW204はハンドオーバ要求メッセージをターゲットHeNB202に対して発行し、ターゲットHeNBはステップ5にてハンドオーバ要求肯定応答メッセージでGW204に応答する。ステップ6で、GW204はハンドオーバコマンドメッセージをソースHeNB200に対して発行し、ソースHeNBはステップ7にてeNB状態転送メッセージでGW204に応答する。ステップ8で、GW204はeBN状態転送メッセージをターゲットHeNB202に対して発行し、ターゲットHeNBはステップ9にてハンドオーバ通知メッセージでGW204に応答する。ステップ10で、GW204はUEコンテキストリリースコマンドをソースHeNB200に対して発行する。ソースHeNB200は、ステップ11にてUEコンテキストリリース完了メッセージでGW204に応答する。これで典型的なハンドオーバのシーケンスが完了する。
【0017】
本明細書で開示した最適化技術がない状態では、GW204が(確実に3GPPへ準拠するようにするために)ステップ1及び4〜11でシグナリングメッセージのそれぞれを(MMEとの間で)リレーする。このような動作は、ハンドオーバ要求メッセージを「ローカルで」、すなわち全メッセージをMMEとの間でリレーする必要がない状態で処理できるか否かをHeNB GW204に判定させることによって、記載された実施形態により不要になる。この第1の実施形態によれば、(ローカルなハンドオーバ処理を実行できるという)この判定は、以下の条件をすべて満たした場合になされる。すなわち、(i)ターゲットHeNB202がソースHeNB200と(トラッキングエリア識別子(TAI)によって識別された)同じトラッキングエリア内にあり、(ii)ターゲットHeNB202がオープンであるか、又はソース200によって指示されたCSG識別子を支持し、(iii)ソースHeNBとターゲットHeNBが両方ともHeNB GW S1−Uインターフェイスを使用する。このような場合、及び本開示により、HeNB GW204はローカルに、MMEと限られた対話で、ハンドオーバ手順を処理する。この特定の実施形態では、図2に示すように、この限られた対話とは、単にパススイッチ要求メッセージを送信し(ステップ2)、パススイッチ要求肯定応答メッセージを受信する(ステップ3)ことである。これらのメッセージは従来からあるものであるが、メッセージ自体がここでは典型的な使用法とは異なる方法で使用されていることが当業者には理解される。すなわち、本開示によれば、これらの標準化されたメッセージは、事実上、ローカルなハンドオーバ手順を容易にするために目的変更される。この例示的なシナリオでは、ステップ2及び3の目的は、UEとソースHeNBとターゲットHeNBの間のセキュリティキーの同期化を確実に行うことである。
【0018】
これらの標準化されたメッセージの代替的使用法は好ましい実施態様ではあるが必須ではない。他の代替的な解決法を使用できるからである。したがって、例えば1つの変形は、S1メッセージを拡張するか、又はパススイッチ要求を再使用する代わりに、新しいメッセージを定義する。別の変形では、ハンドオーバ要求メッセージ(ステップ1)及びハンドオーバ要求メッセージ(ステップ4)を拡張して、ソースHeNB200が使用する現HeNBを(ターゲットHeNB202に)渡すことができる。この方法のさらに別の変形では、HeNB GWを介してHeNB上でUEのコンテキストが確立されると、複数のセキュリティコンテキストを供給するようにMME204をプログラムしてもよい。これらの後者のオプションにより、図2のステップ2及び3を使用する必要がなくなり、それによりMMEへの影響がさらに低減する。
【0019】
図3は、HeNB GW内ハンドオーバ手順中にMMEシグナリングを低減する本開示の第2の実施形態を示す時系列図であり、ソースHeNBとターゲットHeNBが異なるトラッキングエリアに配置されている。この実施形態では、ソースHeNBとターゲットHeNBの両方がHeNB GW304に接続され、さらにターゲットHeNB302がオープンであるか、又はソースHeNB300によって指示されたCSG識別子をサポートする。以下の条件のいずれか、あるいはその両方が第1の実施形態(すなわち図2)と異なる。すなわち、ソースHeNB300とターゲットHeNB302が同じトラッキングエリア内に配置されていないか、又はせいぜいその一方(しかし両方ではない)がHeNB GWのS1−Uインターフェイスを使用する。この場合も、図2の実施形態と同様に、GW304がS1−CインターフェイスでMME306に、S1−UインターフェイスでSGW(図示せず)に接続される。この場合も、及び本開示のハンドオーバシグナリングの最適化を可能にするために、HeNB GW304は、UE(図示せず)とHeNB GW304とMME306の間にシグナリングパスを確立する間に必要なデータを格納することが好ましい。
【0020】
図3に示すように、この実施形態のハンドオーバ手順はステップ1で開始し、ソースHeNB300がGW304に対してハンドオーバ要求メッセージを発行する。ステップ2で、GW304はハンドオーバ要求メッセージをターゲットHeNB302対して発行し、ターゲットHeNBはステップ3にてハンドオーバ要求肯定応答メッセージでGW304に応答する。ステップ4で、GW304はハンドオーバコマンドメッセージをソースHeNB300に対して発行し、ソースHeNBはステップ5にてeNB状態転送メッセージでGW304に応答する。ステップ6で、GW304はeBN状態転送メッセージをターゲットHeNB302に対して発行し、ターゲットHeNBはステップ7にてハンドオーバ通知メッセージでGW304に応答する。ステップ8で、GW304はパススイッチ要求メッセージをMME306に対して発行し、MMEはステップ9にてパススイッチ要求肯定応答メッセージを返送する。ステップ10で、GW304はUEコンテキストリリースコマンドをソースHeNB300に対して発行する。ソースHeNB300は、ステップ11にてUEコンテキストリリース完了メッセージでGW304に応答する。これで典型的なハンドオーバのシーケンスが完了する。
【0021】
図2の実施形態とは対照的に、図3の実施形態では、パススイッチ要求メッセージ(ステップ8)及びパススイッチ要求肯定応答メッセージ(ステップ9)は従来の方法で使用される。主に、これらのメッセージはこの実施形態で、UEとMMEが確実に同期したままであるようにし、位置情報を渡すために使用される。
【0022】
図3の実施形態によれば、HeNB GWは、また、ハンドオーバの「ローカル」処理を実行する。しかし、局所ハンドオーバ処理を実行できるという判定は、以下の条件をすべて満たした場合になされる。すなわち、(i)ターゲットHeNB302がオープンであるか、又はソースHeNB300によって指示されたCSG識別子をサポートする、及び(ii)ターゲットHeNB302がソースHeNB300と同じTAI内にないか、又は(iii)ソースHeNB又はターゲットHeNBがHeNB GW S1−Uインターフェイスを使用しない。これらの条件を満たした場合、HeNB GWは、好ましくはこれをMMEへのX2ベースのハンドオーバメッセージに変換することによって、ハンドオーバ手順をローカルに処理する。ここでは、MMEのメッセージ送信(ステップ8〜9)が必要であるが、それでもこの技術は、メッセージ1〜7及び10〜11をMMEとGWの間でトラバースする必要がなく、MMEとの間で送信されるメッセージの量を低減するという目的を満たす。
【0023】
したがって図3の実施形態でも、GWがMMEへのすべてのハンドオーバメッセージをリレーするという3GPPの要件に関係なく、MMEとの間のメッセージ送信を低減する。
【0024】
HeNB GWは、ハードウェアとして、すなわち1つ又は複数のプロセッサ、コンピュータメモリ、及び上述した機能を実行するためにプロセッサが実行するソフトウェアとして実施することが好ましい。したがって、図2及び図3に示す機能は、上述した動作を実施するために必要に応じた機械のそれぞれで、ソフトウェアとして、例えばプロセッサが実行するプログラム命令として実施することが好ましい。各機械は、通信、制御及び記憶機能を容易にするために、必要に応じて関連するデータ構造及びユーティリティ(例えば通信ルーチン、データベースルーチンなど)を備える。
【0025】
本明細書で説明した機能を提供するHeNB GWは、ハードウェア及びソフトウェアのシステムを備える機械で実施される。上述したハンドオーバの機能は、1つ又は複数のこのような機械上で通常はソフトウェアで実践することができる。一般化すると、機械は通常、コモディティのハードウェア及びソフトウェア、記憶装置(例えば1つ又は複数のディスク、アレイなど)及びメモリ(RAM、ROMなど)を備える。ネットワークで使用される特定の機械は限定するものではない。所与の機械は、上述したネットワークインターフェイス(S1−C、S1−U及び他のインターフェイスを含むが、これらに限定されない)、及び機械を無線アクセスネットワークの他のコンポーネントに通常の方法で接続するソフトウェアを含む。さらに一般的には、本明細書で説明した技術は、一緒になって上述した本発明の機能を容易にするか、又は提供する一組の1つ又は複数のコンピュータ関連のエンティティ(システム、機械、プロセス、プログラム、ライブラリ、機能など)を使用して提供される。典型的な実施態様では、HeNB−GWは1つ又は複数のコンピュータを備える。代表的な機械は、コモディティのハードウェア、オペレーティングシステム、アプリケーション実行時環境、及び所与のシステム又はサブシステムの機能を提供する複数のアプリケーション又はプロセス及び関連するデータを備える。上述したように、この機能は、独立型ノードで、又は分散した機械の組にわたって実施することができる。
【0026】
ハンドオーバ技術は、HeNBノード、MME自体など、ネットワーク内の他のノードで実施することができる。
【0027】
ハンドオーバ要求メッセージを局所で処理できるとGWが判定することができる限り、図2又は図3で上述した特定のハンドオーバメッセージ送信プロトコルを実施するという要件はない。
【0028】
本発明を説明してきたが、次に添付の特許請求の範囲について記載する。
【符号の説明】
【0029】
100 LTEネットワーク
102,206,306 MME
104 SGW
106 PGW
108 HSS
110 HeNB
112 ホーム進化型ノードBゲートウェイ(HeNB GW)
114 UE
116 ソースeノードB
200,300 ソースHeNB
202,302 ターゲットHeNB
204,304 HeNB GW

【特許請求の範囲】
【請求項1】
モビリティ管理エンティティ(MME)、及びホームeNBゲートウェイ(HeNB GW)に関連する複数のHeNB(Home evolved Node B)を有するEPC(Evolved Packet Core)ネットワーク内で動作するハンドオーバ方法であって、
第1のメッセージの受信に応答して、ソースHeNBからターゲットHeNBにハンドオーバを要求し、前記HeNB GWにて、前記ハンドオーバを前記HeNB GWにてローカルに処理できるか否かを判定するステップと、
前記ソースHeNBから前記ターゲットHeNBへの前記ハンドオーバをローカルに処理できる場合に、前記HeNB GWと前記MMEの間で少なくとも1つ又は複数のハンドオーバプロトコルメッセージをリレーせずに、前記ソースHeNBから前記ターゲットHeNBへの前記ハンドオーバを完了するステップと、
を含む方法。
【請求項2】
(i)前記ターゲットHeNBが前記ソースHeNBと同じトラッキングエリア内にある、(ii)前記ターゲットHeNBがオープンであるか、又は前記ソースHeNBによって指示されたクローズドサブスクライバグループ(CSG)識別子をサポートする、及び(iii)ソースHeNBとターゲットHeNBが両方とも同じHeNB GWのデータパスインターフェイスを使用している場合に、前記ハンドオーバをローカルに処理することができると判定する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
(i)前記ターゲットHeNBがオープンであるか、又は前記ソースHeNBによって指示されたクローズドサブスクライバグループ(CSG)識別子をサポートする、及び(ii)前記ターゲットHeNBが前記ソースHeNBと同じトラッキングエリア内にないか、又は(iii)前記ソースHeNB又は前記ターゲットHeNBが同じHeNB GWのデータパスインターフェイスを使用していないかのいずれかの場合、前記ハンドオーバをローカルに処理することができると判定する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記MMEと前記HeNB GWの間のセキュリティ情報の転送を容易にするために、少なくとも1つの標準メッセージを目的変更することによって、前記ハンドオーバが完了する、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
第1のメッセージを使用して前記ソースHeNB又から前記HeNB GWにセキュリティ情報を転送することによって、前記ハンドオーバが完了する、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記ソースHeNB上でUEコンテキストが確立された場合に確立されるセキュリティコンテキストを使用して、前記MMEから前記HeNB GWにセキュリティ情報を転送することによって、前記ハンドオーバが完了する、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記第1のメッセージが、ハンドオーバ要求メッセージである、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記少なくとも1つの標準メッセージが、パススイッチ要求メッセージである、請求項4に記載の方法。
【請求項9】
EPC(Evolved Packet Core)ネットワーク内で使用され、複数のHeNB、及びモビリティ管理エンティティ(MME)に接続するHeNB GW装置であって、
プロセッサと、
前記プロセッサによって実行された場合に、
第1のメッセージの受信に応答して、ソースHeNBからターゲットHeNBにハンドオーバを要求し、前記ハンドオーバをローカルに処理できるか否かを判定するステップと、
前記ソースHeNBから前記ターゲットHeNBへの前記ハンドオーバをローカルに処理できる場合に、前記MMEとの間で少なくとも1つ又は複数のハンドオーバプロトコルメッセージをリレーせずに、前記ソースHeNBから前記ターゲットHeNBへの前記ハンドオーバを完了するステップと、
を含むハンドオーバ方法を実行するコンピュータプログラム命令を保持するコンピュータメモリと、
を備える装置。
【請求項10】
(i)前記ターゲットHeNBが前記ソースHeNBと同じトラッキングエリア内にある、(ii)前記ターゲットHeNBがオープンであるか、又は前記ソースHeNBによって指示されたクローズドサブスクライバグループ(CSG)識別子をサポートする、及び(iii)ソースHeNBとターゲットHeNBが両方とも同じHeNB GWのデータパスインターフェイスを使用している場合に、前記ハンドオーバをローカルに処理することができると判定する、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
(i)前記ターゲットHeNBがオープンであるか、又は前記ソースHeNBによって指示されたクローズドサブスクライバグループ(CSG)識別子をサポートする、及び(ii)前記ターゲットHeNBが前記ソースHeNBと同じトラッキングエリア内にないか、又は(iii)前記ソースHeNB又は前記ターゲットHeNBが同じHeNB GWのデータパスインターフェイスを使用していないかのいずれかの場合、前記ハンドオーバをローカルに処理することができると判定する、請求項9に記載の装置。
【請求項12】
前記MMEと前記HeNB GWの間のセキュリティ情報の転送を容易にするために、少なくとも1つの標準メッセージを目的変更することによって、前記ハンドオーバが完了する、請求項10に記載の装置。
【請求項13】
前記第1のメッセージを使用して前記ソースHeNB又から前記HeNB GWにセキュリティ情報を転送することによって、前記ハンドオーバが完了する、請求項10に記載の装置。
【請求項14】
前記ソースHeNB上でUEコンテキストが確立された場合に確立されるセキュリティコンテキストを使用して、前記MMEから前記HeNB GWにセキュリティ情報を転送することによって、前記ハンドオーバが完了する、請求項10に記載の装置。
【請求項15】
一組のソース及びターゲットHeNBノードが結合されたHeNBゲートウェイで動作可能な方法であって、
ソースノードからターゲットノードへのハンドオーバ要求の受信に応答して、前記ゲートウェイにて、(i)前記ターゲットノードが前記ソースノードと同じトラッキングエリア内にあるか、(ii)前記ターゲットノードが所与の特性を有するか、及び(iii)前記ソースノードと前記ターゲットノードが両方とも同じゲートウェイインターフェイスを使用しているか否かを判定するステップと、
条件(i)〜(iii)が真である場合に、前記ハンドオーバ要求をローカルに処理するステップと、
を含む方法。
【請求項16】
前記所与の特性が、前記ターゲットノードがオープンであるか、又は前記ソースノードによって指示されたクローズドサブスクライバグループ(CSG)識別子をサポートすることである、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記ソースノード及び前記ターゲットノードが、前記ゲートウェイS1−Uインターフェイスを使用する、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記ハンドオーバ要求が、少なくとも1つの標準メッセージの目的を変更することによって局所的に処理される、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記少なくとも1つの標準メッセージが、パススイッチ要求メッセージである、請求項18に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−51670(P2013−51670A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−126089(P2012−126089)
【出願日】平成24年6月1日(2012.6.1)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WCDMA
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】