説明

M41Sファミリーモレキュラーシーブの製造方法

本発明は精製段階を用いず、高い固体成分含有量を有する合成混合物を用いてM41Sファミリーモレキュラーシーブを製造及び回収のための新規な方法に関連する。たとえば、固体成分含有量は約20wt.%から50wt.%までの範囲である。また、M41Sの少なくとも一部を別の残基利用と混合して組成物を生成する段階を含み、前記M41S産物と混合される前記材料の量は前記組成物が10wt.%未満の流体を有するような量であることを特徴とする。得られるM41Sと混合する材料は金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物及びそれらの混合物を含み、並びに、母液を吸着することのできる吸着材料であって、炭素、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア及びそれらの混合物からなる軍から選択される吸着材料を含む。この新規な方法により発生する排水の量を従来のM41S材料の製造方法と比較して少なくとも50%から100%まで低減する。合成産物中に発生する排水の少なくとも一部を低減し及び/又は放出することにより、新規な方法によりM41Sの製造コストを低減し、より環境にやさしい合成産物を提供する。
【選択図なし】

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は2007年10月26日出願の仮出願第60/983,000号及び2007年10月26日出願の仮出願第60/983,009号について優先権を主張する。
【0002】
技術分野
本発明は高い固形成分含有量を有する合成混合物を用いてM41Sファミリーモレキュラーシーブ材料を作る方法に関し、特に、しかし限定するべきではないが、例えば、合成産物の洗浄及び/又はろ過のような精製段階を除くことで特徴付けられる方法に関する。
【背景技術】
【0003】
多孔性無機固体は産業用利用にとって触媒及び分離媒体として顕著な有用性をもたらしてきた。それらの微細構造の開口性により分子をこれらの材料の比較的広い表面積に接近させそれらの触媒及び吸着活性を増強する。今日用いられる多孔性材料は分類の基本としてそれらの微細構造の詳細を用いて三つの広いカテゴリーに分けられる。これらのカテゴリーは非結晶性と半結晶性材料、結晶性モレキュラーシーブ、及び修飾される層状材料である。これらの材料の微細構造にかかる詳細な違いは材料の触媒的と吸着的挙動にかかる重要な違い、及びそれらを特徴付けるために用いる多様な観察できる特性の相違点における重要な違いとして自然と明らかとなり、例えば、それらの表面積、細孔(pore)のサイズ及びそれらのサイズのばらつき、X線回析(XRD)パターンの存在又は非存在とそのようなパターンの詳細、及びそれらの微細構造を透過電子顕微鏡法および電子線回析法により研究する場合材料の外観である。
【0004】
M41Sファミリーメソ多孔性モレキュラーシーブはJ. Amer. Chem. Soc., 1992, 114, 10834に記載される。M41Sファミリーメソ多孔性モレキュラーシーブの仲間はMCM−41、MCM−48及びMCM―50を含む。このクラスの仲間にMCM−41があり、米国特許第5098,684に調製物が記載される。MCM−41は約13オングストロームより大きいセルの直径を有する一次元配置の細孔を伴う六角形面構造を持つことで特徴づけられる。MCM−41の物理的構造はひと束のわらのようであり、わらの開口(細孔のセルの直径)が約13から200オングストロームの範囲である。MCM−48は立方体対称を有し、例えば、米国特許第5,198,203に記載される。MCM−50は層状又はラメラ構造を有し米国特許第5,246,689に記載される。
【0005】
M41Sファミリーメソ多孔性モレキュラーシーブをしばしば適切な酸化物の供給源を含む水溶性反応溶液(合成混合物)から調製する。また、界面活性剤のような有機試薬を所望の構造及びチャンネルサイズを有するM41Sファミリーメソ多孔性モレキュラーシーブの生産に影響を与える目的で合成混合物に含んでよい。合成混合物の成分を適切に別のものと混合した後、合成混合物をオートクレーブにて適切な結晶化条件にて処理する。通常そのような条件は可能であれば攪拌しながら昇温まで合成混合物の加熱を含む。また、ある場合には合成混合物の室温熟成が好ましい。
【0006】
合成混合物の結晶化が完了後、結晶性生成物を合成混合物の残渣、特に、その液体成分量から回収してよい。そのような回収は結晶をろ過し、これらの結晶を水のような液体で洗浄することを含む。しかしながら、結晶から合成混合物の好ましくない残渣全体を除くために、結晶を高い温度、例えば、540℃で、可能であれば酸素存在下にてか焼処理する必要がしばしばある。そのようなか焼温度は結晶から水を除くだけでなく、この処理は、場合によればイオン交換部位を占有し、結晶の細孔を塞ぐ有機指向剤残渣を分解及び/又は酸化するのに役立つ。
【0007】
M41Sファミリーメソ多孔性モレキュラーシーブを非常に大きい細孔ウィンドウ(pore window),及び高い吸着用量を含むその構造により特徴づけてよい。M41Sファミリーモレキュラーシーブは多くの用途、例えば、接触分解、吸着、分離、酸化、重合、及び薬剤のような多くの用途がある。しかしながら、M41Sファミリーメソ多孔性モレキュラーシーブの合成方法は高価な界面活性剤を必要とする。実際に、結晶化、ろ過、及び洗浄において発生する使い捨て界面活性剤含有廃水の費用は高い。従って、ろ過/洗浄段階を除ことにより廃水を最小限にするような、生産コストの低下によるM41Sファミリーメソ多孔性モレキュラーシーブの合成方法を改善する必要がある。
【0008】
米国特許出願第60/899,785はメソ多孔性モレキュラーシーブ組成物を合成する方法に関し、反応混合物中溶剤又は溶剤混合物の少なくとも一部が例えば、母液、洗浄液、クリーニング液、及びそれらの任意の組み合わせのような従来の合成バッチで製造されるメソモレキュラーシーブのプロセス由来の廃水を含むことを特徴とする。
【0009】
我々は高い固体成分含有量を有する合成混合物を用いてM41S材料の新規な製造方法を発見した。この新規な方法は高品質のM41S材料を製造し及び母液のような合成中に形成される界面活性剤を含む廃水を少なくとも50%又は100%にまでも低減するという有利な効果を有する。別のこの新規な方法の有利な効果は合成のろ過及び/又は洗浄段階を最小限に又は除去することである。この新規な方法により生成される界面活性剤含有廃水の量は従来のM41S材料製造方法と比較して少なくとも50%から100%にまでも低減する。この新規な方法の合成されたまま(as−synthesized)のM41S産物はろ過及び/又は洗浄段階を用いて得られるM41S産物と比較して同様の構造及び表面を示した。合成中に生じる廃水の少なくとも一部を低減及び/又は除去により、新規な方法はM41S材料の合成コストを低減し、環境に優しい合成方法を提供する。
【発明の概要】
【0010】
幾つかの実施態様においては、本発明は物質の組成物を合成する方法に関し、無機多孔性結晶相材料を含み、前記材料がか焼後均一な細孔の六角形配置を有し、前記細孔が少なくとも約13オングストローム単位の直径を有し、18オングストローム単位より大きいd100値で指標付けできる六角形の電子線回析パターンを有し、
(a)前記組成物を生成することのできる混合物であって、前記混合物が2価原子W、3価原子X、4価原子Y、と5価原子Zからなる群から選択される酸化物の一つ又はそれらの組み合わせ、有機(R)指向剤及び溶剤又は溶剤混合物の供給源を含み、及びモル比を単位として、次の範囲、即ち、
【表1】

(ここで、e及びfはそれぞれ、M及びRの加重平均原子価であり、Mはアルカリ又はアルカリ土類金属イオン及びRは式Rのイオンを含み、ここで、Qは窒素又はリン及びR1、2、3、及びRの少なくとも一つは6から約36の炭素原子のアリール基、6から約36の炭素原子のアルキル基、及びそれらの組み合わせからなる群から選択され、残りのR1、2、3、及びRは水素、1から5の炭素原子のアルキル基及びそれらの組み合わせからなる群より選択される)
なる範囲内の組成を有することを特徴とする混合物を調製し、
(b)前記物質の組成物の生成ために十分なpH、温度、及び時間条件下前記混合物を維持し、及び
(c)精製段階を用いずに、前記物質の組成物を回収する
ことを含むことを特徴とする、物質の組成物を合成する方法に関連する。
【0011】
一以上の実施態様においては、さらに方法は回収段階の前でも後でも物質の組成物の少なくとも一部を別の材料と混合する段階を含み、物質の組成物と混合される材料の量は、10wt.%未満の遊離流体%、好ましくは5wt.%未満、さらに好ましくは1wt.%未満の遊離流体を有するような物質の組成物になるような量であることを特徴とする。
【0012】
材料は10wt.%未満の遊離流体を有する物質の組成物を生産することのできる任意の適切な化合物でよい。
【0013】
幾つかの実施態様においては、材料は周期表の1族から17族及びそれらの混合物から選択される原子の酸化物の少なくとも一つを含む。好ましい実施態様においては、材料はシリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニアの少なくとも一つを含む。
【0014】
他の実施態様においては、材料は母液を吸着することのできる吸着材料を含み、炭素、シリカ‐アルミナ、シリカ‐マグネシア、シリカ‐ジルコニア、シリカ‐トリア、シリカ‐ベリリア、シリカ‐チタニア、及びシリカ‐アルミナ‐トリア、シリカ‐アルミナ‐ジルコニア、シリカ‐アルミナ‐マグネシアとシリカ‐マグネシア‐ジルコニアのような三元組成物、及びそれらの混合物を含むがこれらに限定されない。
【0015】
また他の実施態様においては、材料は金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物及びそれらの混合物からなる群から選択される。
【0016】
一以上の態様においては、本発明は物質の組成物を合成する方法に関し、無機多孔性結晶相材料を含み、前記材料がか焼後均一なサイズの細孔の六角形配置を有し、前記細孔径が少なくとも約13オングストローム単位を有し及び約18オングストローム単位より大きいd100値で指標付けできる六角形の電子線回析パターンを示し、
(a)前記組成物を生成できる反応混合物であって、前記反応混合物がシリコンの酸化物又はシリコン及びアルミニウムからなる群から選択される酸化物の組み合わせ、有機(R)指向剤及び溶剤又は溶剤混合物の供給源を含み、前記混合物がモル比を単位として、次の範囲、即ち、
【表2】

(ここで、e及びfはそれぞれ、M及びRの加重平均原子価であり、Mはアルカリ又はアルカリ土類金属イオン及びRは式RRのイオンを含み、ここで、Qは窒素又はリン及びR1、2、3、及びRの少なくとも一つは6から約36の炭素原子のアリール基、6から約36の炭素原子のアルキル基及びそれらの組み合わせからなる群から選択され、R1、2、3、及びRの残りは水素、1から5の炭素原子のアルキル基及びそれらの組み合わせからなる群から選択される)
なる範囲内の組成を有し、
前記(a)段階が
(1)溶剤/R2/fOのモル比が約50から約800の範囲内であるように有機(R)指向剤を溶剤又は溶剤混合物と混合し、
(2)(a)(1)段階の混合物にR2/fO/( SiO+Al)のモル比が約0.01から約2.0の範囲内になるように酸化物供給源を添加し、
(3)(a)(2)段階から得られる混合物を約20℃から約40℃の温度にて攪拌し、及び任意に、
(4)(a)(3)段階から得られる混合物を約20℃から約100℃にて約10分から約24時間熟成させることを含むことを特徴とする、
反応混合物を調製し、
(b)前記物質の組成物を生成するために十分なpH、温度、及び時間の条件下、前記混合物を維持し、及び
(c)精製段階を用いずに、前記物質の組成物を回収する
ことを含むことを特徴とする、
物質の組成物を合成する方法に関連する。
【0017】
一以上の実施態様においては、さらに方法は分離及び/又は回収段階の前でも後でも物質の組成物の少なくとも一部を別の材料と混合する段階を含み、物質の組成物と混合される材料の量は、10wt.%未満の遊離流体%、好ましくは5wt.%未満、さらに好ましくは1wt.%未満の遊離流体を有するような物質の組成物になるようにする。
【0018】
材料は10wt.%未満の遊離流体を有する物質の組成物を生産することのできる任意の適切な化合物でよい。
【0019】
幾つかの実施態様においては、材料は周期表の1族から17族及びそれらの混合物から選択される原子の酸化物の少なくとも一つを含む。好ましい実施態様においては、材料はシリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア及びそれらの混合物を少なくとも一つを含む。
【0020】
他の実施態様においては、材料は母液を吸着することのできる吸着材料を含み、炭素、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア及びそれらの混合物を含むが、これらに限定されない。
【0021】
また他の実施態様においては、材料は金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物及びそれらの混合物を含む。
【0022】
本発明の態様においては、前記混合物が式Rである追加的な有機指向剤イオンRを含み、ここで、R1、2、3、及びRが水素、1から5の炭素原子のアルキル基及びそれらの組み合わせからなる群から選択されることを特徴とする。
【0023】
本発明の他の態様においては、Rがセチルトリメチルアンモニウム、オクタデシルトリメチルアンモニウム、ベンジルトリメチルアンモニウム、セチルピリジニウム、ミリスチルトリメチルアンモニウム、デシルトリメチルアンモニウム、ドデシルトリメチルアンモニウム、及びジメチルジドデシルアンモニウムからなる群から選択される有機剤を含む。
【0024】
本発明の他の態様においては、前記R1、2、3、及びRが−C6H13、−C10H21、−C12H25、−C14H29、−C16H33、−C18H37及びそれらの組合せからなる群から選択される。
【0025】
幾つかの実施態様においては、本発明の方法はさらに、前記反応混合物に
(1)5から20の炭素原子の芳香族炭化水素及びアミン並びにそれらのハロゲン置換及びC‐C14アルキル置換される誘導体、
(2)5から20の炭素原子の環状脂肪族炭化水素及びアミン並びにそれらのハロゲン置換及びC‐C14アルキル置換される誘導体、
(3)6から20の炭素原子の多環式脂肪族炭化水素及びアミン並びにそれらのハロゲン置換及びC‐C14アルキル置換される誘導体、
(4)3から16の炭素原子の直鎖及び分岐脂肪族炭化水素及びアミン並びにそれらのハロゲン置換される誘導体、及び
(5)それらの組み合わせ
からなる群から選択される補助有機剤、及び
モル比を単位として、次の
【表3】

である範囲内の組成を有する補助有機剤、
を添加する段階を含む。
本発明の幾つかの態様においては、前記補助有機剤がペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ドデカン、ジハロオクタン、p−キシレン、トリメチルベンゼン、トリエチルベンゼン、ジメチルアダマンタン、ベンゼン、アルキル‐置換ベンゼン、アルキル置換‐アダマンタン及びそれらの組み合わせからなる群から選択され、ここでアルキルが1から約14の炭素原子であることを特徴とする。
【0026】
幾つかの実施態様においては、合成混合物の固体成分含有量は少なくとも15wt.%、好ましくは少なくとも18wt.%、より好ましくは少なくとも20wt.%、さらに好ましくは少なくとも25wt.%、最も好ましくは少なくとも30wt.%である。本発明に有用な固体成分含有量は少なくとも約15wt.%、好ましくは少なくとも約18wt.%、より好ましくは少なくとも約20wt.%、さらに好ましくは少なくとも約25wt.%、最も好ましくは少なくとも約30wt.%から、少なくとも約50wt.%未満、好ましくは少なくとも約45wt.%未満、より好ましくは少なくとも約40wt.%未満、最も好ましくは少なくとも約35wt.%未満の範囲を含む。他の実施態様においては、混合物は20から50wt.%の範囲、好ましくは25から35wt.%の範囲を有する。
【0027】
本発明のこれらの及び他の態様は次の詳細な説明、図、及び添付される特許請求の範囲から明らかとなる。
【発明を実施するための形態】
【0028】
序論
本発明は高い固相結晶化製剤を用いることによって合成から発生する廃水の低減を用いてM41Sの合成の障害を除く新規な方法に関する。本明細書に記載の結晶化段階をオートクレーブ反応器に便利に導入してよい。得られるM41Sを多くの触媒プロセスに用いてよい。この新規な固相結晶化方法は従来の低い(固体成分含有量5wt.%未満)から中程度(固体成分含有量約15wt.%未満)の固体成分含有量結晶化方法に対して幾つかの有利な効果を提供し、それは、合成中に生産される母液の量を低減することにより界面活性剤含有廃水の顕著に低い生産及びろ過及び/又は洗浄段階を最小限にする又は除去することにより合成プロセスを非常に簡略化し、合成中に生産される廃水の量の低減もすることを含む。本明細書に記載の高い固相結晶化製剤の使用により、合成中に生産される廃水の量が少なくとも50%低減する。
【0029】
一以上の実施態様においては、さらに方法は回収段階の前でも後でも物質の組成物の少なくとも一部と別の材料を混合する段階を含み、物質の組成物と混合される材料の量は、10wt.%未満の遊離流体%、好ましくは5wt.%未満、さらに好ましくは1wt.%未満の遊離流体を有するような物質の組成物になるようにする。材料は10wt.%未満の遊離流体を有する物質の組成物を生産することのできる任意の適切な化合物でよい。
【0030】
本明細書及び特許請求の範囲の目的のために触媒活性材料は触媒材料又は触媒として相互互換的に称してよい。用語「触媒」は周知であり、それ自身消耗し又は著しい変化なくして化学反応速度に著しい影響を与える任意の物質をいう。触媒系は触媒及び担体を含む。反応器は化学反応を起こす任意の容器である。本明細書にて用いるように、「骨格型」は「Atlas of Zeolite Framework Types」2001に記載の意味で用いる。本明細書に用いる、周期表のグループの番号の付与はChemical and Engineering News, 63(5), 27 (1985)のように用いる。
【0031】
本明細書に他に記載しない限り、すべてのパーセント、部分、比等は重量である。化合物又は成分への言及はその化合物又は成分それ自身及び例えば、化合物の混合物のような他の化合物又は成分との組み合わせを含む。
【0032】
数値の最小限及び数値の最大限は本明細書に記載される場合、任意の最小限から任意の最大限までの範囲を含む。冠詞「a」及び「an」は冠詞の文法的目的の一以上(即ち、少なくとも一つ)をいうために本明細書にて用いる。例えば、「一つの要素(an element)」は一つの要素又は二以上の要素を意味する。用語「含む(comprise)」及び「含んでいる(comprising)」は包括的に、広い意味で、追加要素を含む意味で用いられる。用語「含む(including)」は「含むが限定されない(including but not limited to)」の意味のように用いる。「含む(including)」及び「含むが限定されない(including but not limited to)」は互換可能に用いられる。
【0033】
本出願の目的のために、「多孔性(porous)」の実用的定義は100グラムの固体当たり少なくとも1グラムのAr、N2、n‐ヘキサン、ベンゼン又はシクロヘキサンのような小分子が吸着する材料である。
【0034】
用語「メソ多孔性(mesoporous)」は直径約13オングストロームから約200オングストロームの範囲内の実質的に均一な細孔を有する結晶を示すために本明細書にて用いられる。それにより調製される材料は直径約13オングストロームから約200オングストローム、通常は直径約15オングストロームから約100オングストロームの範囲内の実質的に均一な細孔を有する。
【0035】
本明細書にて用いる用語「実質的に均一な」は規則配置及び均一サイズ(単相内の細孔サイズ分布がその相の平均細孔サイズよりも、例えば、±25% 通常±15%以下の範囲)を意味する。
【0036】
本明細書にて用いる用語精製段階は、結晶化プロセスの産物を精製するための段階または複数の段階を意味する。精製段階の例は洗浄及びろ過段階である。
【0037】
メソ多孔性範囲に細孔を有する多孔性材料又は粒子は約13オングストローム(Å)以上であり200Å以下の粒子表面直径を有する細孔を含む。細孔のサイズは材料の最大垂直断面細孔寸法である。細孔壁の厚さは細孔壁表面に直角に測定される細孔間の平均厚さである。本発明の目的のために、細孔壁の厚さをオングストローム単位のd100ピーク値と1.155を乗じてオングストローム単位の平均細孔径(窒素吸着のBJH吸着プロットにより決定するように)を引くことにより決定する。d100が不明確又は他に得られない場合、その時は細孔壁厚さをオングストローム単位のd200ピーク値と2.31を乗じてオングストローム単位の平均細孔径(窒素吸着のBJH吸着プロットにより決定するように)を引くことにより決定する。d100とd200ピークが不明確であるか又は得られない場合、その時は細孔壁厚さをオングストローム単位のd300ピーク値と3.465を乗じてオングストローム単位の平均細孔径(窒素吸着のBJH吸着プロットにより決定するように)を引くことにより決定する。
【0038】
本明細書にて用いる用語「結晶相材料」は回析パターンにか焼後d100、d200、d300、及び/又はd110のようなX線、電子線又は中性子回析により少なくとも一つのピークを有する材料を意味する。
【0039】
用語「六角形(hexagonal)」は実験的測定範囲内で数学的に完全な六角形対称を示す材料のみならず、理想的な状態から明らかに外れていると見られるものをも含むと考えている。本発明
の微細構造に適するように実用的定義は、6つの最近接しているチャンネルがおおよそ同じ距離の位置にて材料中の殆んどのチャンネルに囲まれていることを言う。しかしながら、材料の製造の精度によっては、欠陥や不完全さのため、極めて多くのチャンネルが種々異なる程度でこの基準に反している。隣接するチャンネル間の平均反復距離から±25%までランダムに逸脱しているサンプルは、まだ本発明の巨大細孔材料と認識可能な像を明確に示す。比較可能な偏差はまた電子線回折パターンのd100値で観測される。
【0040】
本明細書にて用いる用語「遊離流体(free fluid)」は化学的又は物理的にモレキュラーシーブに結合しない液体を意味する。遊離流体の量を25℃及び101.3kPa‐aにて測定する。任意の混合物又は結晶化産物中の遊離流体の重量パーセントを25℃及び101.3kPa‐aでの遊離流体の総重量を混合物又は結晶化産物の総重量で割ることにより算出してよい。
【0041】
結晶性モレキュラーシーブの合成に影響する因子のひとつは、合成混合物中の固形成分含有量である。本明細書にて用いる用語「固形成分含有量」は、4価原子と3価原子が合成混合物に存在する場合、合成混合物中の水分に対する酸化物として表示される4価原子と3価原子の重量比のパーセントを意味する。それは合成混合物中の酸化物の重量を合成混合物中の水分の重量で割ることにより測定でき、次に示す。
【数1】

【0042】
M41Sファミリーメソ多孔性モレキュラーシーブ
本発明の方法による物質の組成物はM41Sファミリーメソ多孔性モレキュラーシーブである。
【0043】
M41Sファミリーメソ多孔性モレキュラーシーブのある実施態様は、結晶相材料を含む本発明の方法によって作られた。結晶相材料は次のように表す組成を含む。
Mn/q(TaXbYcZdOh)
ここで、Mは一以上のイオンであって、例えば、アンモニウム、1、2及び17族のイオン、好ましくは、水素、ナトリウム、及び/又は、フッ化物イオンであり、nは酸化物として表すMを除く組成の電荷であり、qはMの加重モル平均原子価であり、n/qはMのモル数又はモル分率であり、Tは一以上の2価の原子であって、例えば、マンガン、コバルト、鉄、及び/又はマグネシウムのような第一列遷移金属であり、Xは一以上の3価原子であって、アルミニウム、ホウ素、鉄、及び/又はガリウム、好ましくはアルミニウムであり、Yは一以上の4価の原子であって、例えば、シリコン及び/又はゲルマニウムであって、好ましくはシリコンであり、Zは一以上の5価の原子であって、例えば、リン、であり、Oは酸素であり、a、b、c、及びdはT、X、Y、及びZそれぞれのモル分率であり、hは1から2.5の数であり、及び(a+b+c+d)=1である。
【0044】
上記M41Sファミリーメソ多孔性モレキュラーシーブの好ましい実施態様は、(a+b+c)がdより大きく及びh=2の場合である。さらなる実施態様はa=0、d=0、及びh=2であって、アルミノケイ酸塩を含む場合である。
【0045】
好ましいアルミノケイ酸塩M41Sファミリーメソ多孔性モレキュラーシーブはシリカ対アルミナのモル比が約5:1から約1000:1である。好ましくは、本発明の物質の組成物は、有機鋳型又は界面活性剤を含まないで乾燥ベース(120℃にて24時間空気乾燥)における物質の組成物の総重量に基づいて約0.1から約20Alwt.%のアルミナ重量%(Alwt.%)を有するように特徴づけられるアルミノケイ酸塩である。この範囲内で約15wt.%以下のアルミナを用いてよく、約10Alwt.%未以下のものが好ましい。また、この範囲内で好ましいのは約1以上から約4Alwt.%までが好ましい。好ましい実施態様においては、a及びdは0であり、h=2、Xはアルミニウムを含み、Yはシリコンを含む。
【0046】
か焼前に、(合成されたまま(as−synthesized)の状態)、本発明のM41Sファミリーメソ多孔性モレキュラーシーブは好ましくは、無水和物を基本として、次のような式として表される組成を示す。
rRMn/q(TaXbYcZdOh)
ここで、RはイオンとしてのMを含まない全体の有機材料、rはRの係数、即ち、Rのモル数又はモル分率であり、T、X、Y、Z、O、n、q、a、b、c、d、及びhは上記に定義する。M及びRの成分は結晶化の間それらの存在の結果として材料と結合し、容易に除かれ、又はMの場合以下に実際に記載する結晶化後の方法により置換される。さらに記載するように例えば、合成されたまま(as−synthesized)の材料のナトリウム、カリウムイオンのようなもとのMの陽イオンは、少なくとも部分的に他のイオンとイオン交換により置換される。好ましい置換イオンは金属イオン、水素イオン、アンモニウムイオンを含む水素前駆体、及びイオンの混合物を含む。
【0047】
好ましくは、本発明のM41Sファミリーメソ多孔性モレキュラーシーブは、か焼後に、回析パターンにX線、電子線又は中性子線回析により少なくとも一つのピークを有する状態の結晶構造である。本発明の物質の組成物は好ましくは極めて低角度領域で僅かの明確な最大値を持つX線回折パターンを示す。これらのピークの位置は、おおよそ六角形格子からのhkO反射の位置と一致する。しかし、微細構造の規則性の程度、及び個々の粒子内の構造の繰返しの程度が観測されるピークの数に影響を与えるため、X線回折パターンは、常にこれらの材料の存在を示す十分な指標と成るとは限らない。事実、X線回折パターンの低角度領域で唯一の明確なピークを持つ調製物は本発明の組成物を含むことがあった。
【0048】
そのか焼状態において、M41Sファミリーメソ多孔性モレキュラーシーブは、非積層無機多孔性結晶相材料であって、X線回折パターンで、約18オングストローム単位(Å)dスペーシング(Cu Kα照射の2シータが4.909度)より大きな位置で少なくとも1つのピークを持つ点で特徴付けてよい。より好ましくは、本発明のか焼結晶性材料はX線回折パターンで、約10Å dスペーシング(Cu Kα照射の2シータが8.842度)より大きな位置で少なくとも2つのピークを持ち、約18Å dスペーシングより大きな位置に少なくとも一つのピークを持ち、及び約10Å dスペーシングより小さい位置では最も強いピークの約20%より強い相対強度を持つピークは存在しない点で特徴付けてよい。より好ましくは、本発明のか焼される物質の組成物のX線回折パターンは、約10Å dスペーシングより小さい位置では最も強いピークの約10%より強い相対強度を持つものは存在しない。
【0049】
か焼される非積層無機多孔性結晶相材料は、本明細書にてさらに詳しく述べる物理吸着計測により測定された細孔のサイズが約13Å以上と特徴付けてよい。
【0050】
本発明のM41Sファミリーメソ多孔性モレキュラーシーブは吸着特性に基づいて特徴づけてもよい。好ましくは、M41Sファミリーメソ多孔性モレキュラーシーブは、偶発的な汚染によって細孔がブロックされていないという状態を確保して処理されている無水性結晶材料に基づいて、6.67kPa−a(50torr)及び25℃にて100グラムのM41Sモレキュラーシーブ当たり約15グラムのベンゼンより大きい平衡ベンゼン吸収容量を有する。従って、吸着テストは、細孔が汚染によってブロックされておらず、水が除去されているM41Sファミリーメソ多孔性モレキュラーシーブで実施される。水は脱水技術、例えば、熱処理によって除いても良い。細孔をブロックする無機非結晶質材料、例えば、シリカ及び有機物は酸又は塩基又は他の化学剤と接触させて除去しても良く、そのためこれらの細孔ブロック無機非結晶材料は非積層無機多孔性結晶相材料に不利な影響を与えることなく除去される。
【0051】
好ましくは、平衡ベンゼン吸収容量を450℃‐700℃にて少なくとも1時間酸化的か焼後、及び他の処理では、必要ならば、細孔をブロックする汚染物をすべて除くために、平衡になるまで25℃及び6.67kPa−a(50torr)ベンゼンにて本明細書に記載の無水材料に接触させて測定してよい。吸収(即ち、吸着)するベンゼン重量をそれから測定する。
【0052】
偶発的な汚染によって細孔がブロックされていないという状態を確保して処理されている無水結晶材料に基づいて、6.67kPa−a(50torr)及び25℃での平衡ベンゼン吸収容量は好ましくは、100グラムのM41Sモレキュラーシーブ当たり約20グラム以上のベンゼン、より好ましくは100グラムのM41Sモレキュラーシーブ当たり約25グラム以上のベンゼンである。
【0053】
偶発的な汚染によって細孔がブロックされていないという状態を確保して処理されている無水結晶材料に基づいて、6.67kPa−a(50torr)及び25℃での平衡シクロヘキサン吸収容量は好ましくは、100グラムのM41Sモレキュラーシーブ当たり約15グラム以上のシクロヘキサン、より好ましくは100グラムのM41Sモレキュラーシーブ当たり約25グラム以上のシクロヘキサンである。
【0054】
非積層無機多孔性結晶相材料を四面体骨格内でAl、Ga、B又はFeのような四面体配位の3価原子を取り込むことによりブレンステッド酸活性部位を用いて合成してよい。この骨格のアルミノケイ酸塩材料は熱及び化学的に安定であり、これは酸触媒にとって好ましい特徴である。さらに、物質の組成物のメソ多孔性構造を高いケイ酸含有の材料又は多様な酸性度を有する一以上の四面体型を有する結晶性金属ケイ酸塩を用いることにより使用してよい。アルミノケイ酸塩、ガロケイ酸塩(gallosilicate)、フェロケイ酸塩(ferrosilicate)、及びボロケイ酸塩(borosilicate)材料も用いてよい。
【0055】
また、M41Sファミリーメソ多孔性モレキュラーシーブをこの材料の微細構造を説明する方法を用いて特徴づけてよく、透過電子顕微鏡法を用いて集める。単色光分光器の必要性が除かれる。また、好ましくは、入射及び回析X線ビーム両者を二重スリット入射及び回析視準システムにより視準を合わせる。用いる好ましいスリットサイズは、X線管から始まり、それぞれ0.5、1.0、0.3及び0.2mmを含む。しかしながら、異なるスリットシステムはX線回析パターン中ピークの異なる強度を作成する。
【0056】
回析データを0.04度の2−シータにてステップ‐スキャンニングを用いて記録してよく、ここでシータはブラッグ(Bragg)角であり、各ステップについて10秒の計測時間を用いる。内面格子間隔であるdをオングストローム単位(Å)で計算してよく、線の相対強度であるI/Ioを、好ましくは、プロフィールフィッティング法(profile fitting routine)を用いて求め、ここでIoはバックグラウンド以上で、最も強い線の強度の1/100単位である。さらに、好ましくは、線強度はLorentz効果及び分極効果に対する補正は行なわない。1本の線として現れる回折データは例えば、高い実験解像度又は結晶構造変化のような、特定の条件下、分解線又は部分的分解線として現れる複数の重複した線からなると理解される。従って、結晶構造変化には、構造中実質的な変化を伴わない単位セルパラメーターの軽微な変化及び/又は結晶の対称性の変化が含まれる。これらの軽微な効果は、相対強度の変化を含め、陽イオン含有量、骨格組成、細孔充填剤の性質と程度、熱及び/又は水熱反応の履歴、粒子サイズ/形によるピーク幅/形の変化、不規則構造、及び/又はX線回析の分野での当業者に周知な他の要因の違いによっても生じる。
【0057】
好ましくは、適切に配向付けされた材料のサンプルは、大きなチャンネルの六角形配置を示し、対応する電子線回折パターンはおおよその回折の六角形の配置に最大値を与える。本明細書に記載のように、電子線回折パターンのd100スペーシングは六角形格子のhkO投影上の隣接する点間の距離であり、式d100=a(3/2)1/2による電子顕微鏡写真で観察されるチャンネル間の反復距離aに関連するものである。従って、電子線回折パターンで観測されるこのd100スペーシングは材料のX線回折パターンの低角度ピークのdスペーシングに該当する。材料の調製物は、電子線回折パターンで観測される20から約40以上の明確な点を含む。これらのパターンは、100、110、200、210などの独特の反射の六角形hkOサブセット及びそれらと対称の関係にある反射によって指標付けすることが出来る。
【0058】
100を直接測定されるXRDスペクトルから計算され(即ち、決定される)、及び/又はXRDスペクトルの一以上のピークに基づいて計算してよい。例えば、d100ラインの値を次の式に基づいてd200ラインから計算してよい。

100=2(d200)=2(a(3/2)1/2

【0059】
従って、計算されるd100値をd100値が直接XRDから確認されない場合に用いてよい。そのような場合、材料の好ましい物質の組成物は米国特許第5,098,684に見られる詳細な説明にMCM−41として言及する化合物と多くの点で基本構成の一致を有する。
【0060】
また、M41Sファミリーメソ多孔性モレキュラーシーブは米国特許第5,198,203及び5,211,934に記載のメソ多孔性結晶材料の群の構造的特徴及び属性を含んでよく、引用文献はこれらの材料、調製及び特性の詳細な説明を記載する。これらの材料をか焼された材料の特徴的なX線回析パターンにより区別してよい。X線回析パターン(相対的強度=100)での最も強いピークのd‐スペーシングを示すためにdを用い、か焼された材料のX線回析パターンは約18Åd‐スペーシングより大きい位置にてd及び、d‐スペーシングdを用いる少なくとも一つの追加的な弱いピークを有し、dに相対的なこれらのd‐スペーシングの比率(即ち、d/d)は次の範囲に相当する。
【表4】

【0061】
より好ましくは、か焼された材料のX線回析パターンは、d‐スペーシングd及びdにて少なくとも二つの追加的な弱いピークを含み、約18Åd‐スペーシングより大きい位置にて最も強いピークdに相対的なこれらのd‐スペーシングの比率は次の範囲に相当する。
【表5】

【0062】
最も好ましくは、か焼された材料のX線回析パターンは、d‐スペーシングd、d3、及びdにて少なくとも4つの追加的な弱いピークを含み、最も強いピークd(約18Åd‐スペーシングより大きい位置にて)に相対的なこれらのd‐スペーシングの比率は次の範囲に相当する。
【表6】

【0063】
この群のか焼された材料は好ましくは次の範囲に相当する位置にて少なくとも二つのピークを含むX線回析パターンを示す。
【表7】

【0064】
より好ましくは、本明細書に記載のか焼された材料のX線回析パターンを次の範囲に相当する位置にて少なくとも三つのピークを含むとして特徴づけてよい。
【表8】

【0065】
最も好ましくは、X線回析パターンを次の範囲に相当する位置にて少なくとも五つのピークを含むとして特徴づけてよい。
【表9】

【0066】
また、非積層無機多孔性結晶相材料の蜂の巣状微細構造は3次元マトリックスにて相互に接続される部分を幾つか含んでよく、又は触媒の非常に大きい細孔を形成する大きな六角形チャンネルを有する格子を含んでよい。格子の大きな環構造を形成する繰り返し単位は細孔サイズによって変化する。さらに、物質の組成物は5から95%のシリカ、クレイ、及び/又はアルミナバインダーを含んでよい。
【0067】
さらに、本発明のM41Sファミリーメソ多孔性モレキュラーシーブであって、好ましくはか焼されたものは、好ましくは、約25Å以下の細孔壁の厚さを有する。この範囲内にて、約20Å以下の細孔壁を用いてよく、約15Å以下を有するものがより好ましい。また、この範囲内で好ましいものは、約1Å以上の細孔壁の厚さであり、約4Å以上を有するものがより好ましく、約6Å以上を有するものが特に好ましい。好ましい実施態様においては、細孔壁の厚さは約1から25Åであり、好ましくは、2から25Åであり、より好ましくは、3から25Åであり、より好ましくは、4から23Åであり、より好ましくは、5から20Åであり、より好ましくは、5から18Åであり、より好ましくは、6から15Åである。
【0068】
好ましくは、か焼M41Sファミリーメソ多孔性モレキュラーシーブは実質的に均一な細孔サイズを有し、ここで約80%以上の細孔が細孔径±約20%物質の組成物の平均細孔径を有し、約90%以上の本発明の細孔が細孔径±約5%物質の組成物の平均細孔径を有する。
【0069】
M41Sファミリーメソ多孔性モレキュラーシーブの合成方法
本発明のM41Sファミリーメソ多孔性モレキュラーシーブを幾つかの方法の一つにより調製又は合成してよい。ある好ましい方法は、X/YOのモル比が0から約0.5を有し、結晶化温度が約25℃から約250℃、好ましくは、約50℃から約175℃にて、有機指向剤、又は好ましくは、追加的な有機指向剤と有機指向剤との組み合わせを有する反応混合物を含んでよい。例えば、この好ましい方法は、例えば、ナトリウム又はカリウム陽イオンのような、アルカリ又はアルカリ土類金属(M)、例えば、コバルトのような2価原子T、例えば、アルミニウムのような3価原子X、例えばシリコンのような4価原子Y、例えば、リンのような5価原子Zを含む酸化物の一つ又はその組み合わせ、有機(R)指向剤等、及びC‐Cアルコール、C‐Cジオール及び水の少なくとも一つを含む溶剤又は溶剤混合物の供給源を含む反応混合物を調製することを含む。好ましくは、反応混合物は酸化物のモル比を単位として次の範囲内の組成を有する。
【表10】

ここで、e及びfはそれぞれM及びRの重量平均原子価である。
【0070】
好ましい実施態様においては、上記表中、Xはアルミニウム及びYはシリコンである。
【0071】
Z及び/又はT酸化物を反応混合物に添加しない場合、pHを好ましくは、約10から約14に維持する。Z及び/又はT酸化物が反応混合物中に存在する場合、pHはM41Sファミリーメソ多孔性モレキュラーシーブの結晶化のために約1と14の間で変化してよい。
【0072】
本発明の他の実施態様において、Xがアルミニウムを含み及びYがシリコンを含む場合、本発明のM41Sファミリーメソ多孔性モレキュラーシーブの合成は、好ましくは約25℃から約175℃の結晶化温度、好ましくは約50℃から約150℃の結晶化温度を有し、有機指向剤、好ましくは有機指向剤プラス追加的有機指向剤の組み合わせを用いる。例えば、この方法は必要に応じて、例えば、ナトリウム又はカリウム陽イオンのようなアルカリ又はアルカリ土類金属(M)の供給源、アルミニウム及び/又はシリコンの一以上の供給源、指向剤(R)、及び溶剤又は溶剤混合物であって、C‐Cアルコール、C‐Cジオール及び水の少なくとも一つを含む溶剤又は溶剤混合物を含む反応混合物を調製することを含む。反応混合物は酸化物のモル比を単位として、次の範囲内の組成を有する。
【表11】

ここで、e及びfはそれぞれM及びRの重量平均原子価である。好ましくは、pHを約9から約14に維持する。
【0073】
非積層無機多孔性結晶相材料を意図するT、X、Y、及びZの多様な組み合わせの例を次の表に開示するが、これらに限定されない。
【表12】

【0074】
また、組成物はMg又はMn、Co及びFeを含む2価の第一列遷移金属から選択される原子を含むT、B、Ga、又はFeを含むX、及びGeを含むYの組み合わせを含んでよい。
【0075】
反応混合物からM41Sファミリーメソ多孔性モレキュラーシーブを合成する際に用いる好ましい有機指向剤は第四級アンモニウム又は次の式のホスホニウムイオンである。
【化1】

ここで、Qは窒素又はリン及びR1、2、3、及び/又はRの少なくとも一つは6から約36の炭素原子を有するアリール基又はアルキル基、好ましくはR1、2、及び/又はRの少なくとも一つは−C13、−C1021、−C1633、−C1837又はそれらのを少なくとも一つ含む組み合わせである。好ましくは、R1、2、3、及び/又はRの残りは水素、1から5の炭素原子のアルキル基及びそれらの少なくとも一つを含む組み合わせを含む。好ましくは、4級アンモニウム又はホスホニウムイオンは水酸化物、ハロゲン化物、又はケイ酸塩由来である。
【0076】
また、追加的な有機剤は上記4級アンモニウム又はホスホニウムと共に反応混合物中に存在してよい。ある実施態様においては、追加的な有機剤は上記指向剤の式の4級アンモニウム又はホスホニウムイオンでよく、ここでR1、2、3、及び/又はRは水素及び1から5の炭素原子のアルキル基からそれぞれ独立的に選択される。
【0077】
好ましい指向剤は、セチルトリメチルアンモニウム、セチルトリメチルホスホニウム、オクタデシルトリメチルアンモニウム、オクタデシルトリメチルホスホニウム、ベンジルトリメチルアンモニウム、セチルピリジニウム、デシルトリメチルアンモニウム、ジメチルジドデシルアンモニウム、及びそれらの少なくとも一つを含む組み合わせを含む。
【0078】
また、本発明のM41Sファミリーメソ多孔性モレキュラーシーブを膨張剤を用いて製造してよく、高い割合の気孔率を有する材料を提供するために柱状化することを含んでよい。膨張剤の例は、水で膨張するクレイを含み、それによりクレイの層は水分子により別々に間隔をあける。他の材料は米国特許第5,057,296等に記載のような有機膨張剤で膨張するものを含む。有機膨張剤はアミン類、4級アンモニウム化合物、アルキル及び芳香族膨張剤を含んでよい。好ましい膨張剤は1,3,5‐トリメチルベンゼン等のようなアルキル置換芳香族を含む。非水系膨張性層状材料の例は米国特許第4,859,648に記載され、ケイ酸塩、マガディアイト(magadiite)、ケニアイト(kenyaite)、トリチタネート(trititanates) 及びペロブスカイト(perovskites)を含む。有機膨張剤で膨張する非水系膨張性層状材料他の例は、米国特許第4,831,006に記載のような空隙を含むチタノメタレート(titanometallate)材料を含む。
【0079】
材料が一度膨張すると、材料はシリカのような熱安定性物質を別々に間隔をあけた層の間に入れることにより柱状化されてよい。前述の米国特許第4,831,006及び4,859,648は本明細書に記載の非水系膨張性層状材料を柱状化するための方法を記載し、柱状材料及び柱状化材料の定義を参照により本明細書に取り込まれる。
【0080】
材料の柱状化及び柱状化製品を開示する他の特許は米国特許第4,216,188、4,248,739、4,176,090と4,367,163及び欧州特許出願205,711である。
【0081】
柱状材料のX線回析パターンはかなり変化に富み、膨張化及び柱状化が他の通常秩序だった微細構造を破壊する程度に依存する。幾つかの柱状化材料における微細構造の規則性はとてもひどく崩壊されるので、柱状化材料での繰り返し距離に相当するd‐スペーシングとして、X線回析パターン上低角度領域に一つのピークのみ観察される。あまり崩壊していない材料はこの領域に幾つかのピークを示し、この基本的な繰り返しの一般的な順序である。層の結晶性構造からのX線反射も時々観察される。柱状化材料での細孔サイズの分布は不定形の材料及び準結晶(paracrystalline)材料のものより狭いが、結晶性骨格材料のものより広い。
【0082】
本発明のM41Sファミリーメソ多孔性モレキュラーシーブの製造においては、反応混合物成分を二以上の供給源によって供給してよく、反応混合物をバッチ式又は連続式いずれかで調製してよい。さらに、無層性有機多孔性結晶相物質の組成物は広範囲の粒子サイズにすることができ、粉状、粒状又は押出物のような成形品を含む。触媒を押し出しによって成形する場合、成形後乾燥し、又は部分的に乾燥してそれから成形してよい。
【0083】
上記改善される手法において、バッチ式結晶化を例えば、ポリプロピレン容器又はテフロン処理又はステンレス製オートクレーブような適切な反応容器にて静止又は攪拌のような混合いずれかの条件下実施してよい。また、結晶化を適切な装置にて連続的に実施してよい。結晶化に有用な全範囲は、例えば、約5分から約14日のように用いる温度にて生じる結晶化に十分な時間約から、好ましくは約から約までである。その後、結晶を母液から分離し、例えば、ろ過及び/又は洗浄のような精製段階をせずに回収する。結晶化後、得られる産物はペースト状又は高い粘度を有するスラリー状でよい。結晶化の生成物をろ過及び/又は洗浄段階のような精製段階を経ずに回収する。
【0084】
本明細書に記載のM41S材料を合成する方法は、
(1)有機(R)指向剤を溶剤又は溶剤混合物と混合し、溶剤/R2/fOのモル比が約0.5から約3000、好ましくは、約2から10の範囲内である。この混合物は合成方法用「第一鋳型(primary template)」を構成する。
(2)段階(1)の第一鋳型混合物へ、例えば、シリカ及び/又はアルミナのような酸化物の供給源を添加し、R2/fO/(YO+X)の比が約0.01から約2.0の範囲内である。
(3)段階(2)から得られる混合物を約20℃から約100℃、好ましくは約25から40℃の温度にて、約5分から約3時間攪拌する。
(4)混合物を攪拌して又は攪拌せずに、好ましくは約20℃から約100℃にて及び好ましくは約5分から約24時間放置させる。
(5)段階(4)から生産物を約25℃から250℃、好ましくは約50℃から175℃の範囲内の温度にて、好ましくは約1時間から約72時間結晶化する。
(6)その後、例えば、ろ過及び/又は洗浄段階のような、精製段階を用いずに母液から結晶を分離及び/又は回収する。
という段階を含む。
【0085】
別の実施態様においては、M41Sファミリーメソ多孔性モレキュラーシーブを合成する方法は次の段階を用いてシリコン酸化物の供給源としてテトラエチルオルトシリケートを含む反応混合物に関する。それは、
(1)有機(R)指向剤を溶剤又は溶剤混合物と混合し、溶剤/R2/fOのモル比が約0.5から約3000、好ましくは、約1から30の範囲内である。この混合物は合成方法用「第一鋳型」を構成する。
(2)段階(1)の第一鋳型混合物をテトラエチルオルトシリケート及び必要であれば、例えば、アルミニウム酸化物のような3価の酸化物の供給源と混合し、R2/fO/(SiO)のモル比が約0.5から約2.0の範囲内である。
(3)段階(2)から得られる混合物を約10分から約6時間、好ましくは約30分から約2時間、約0℃から約25℃及び12未満のpHにて攪拌する。この段階により加水分解/重合が起こることを可能とし、得られる混合物は曇って見える。
(4)段階(3)から生産物を約25℃から約250℃、好ましくは約80℃から約150℃の温度にて、約4時間から約72時間、好ましくは約16時間から約48時間結晶化する。物質の組成物の結晶化を静止又は例えば攪拌のような混合いずれかの条件下例えば、ポリプロピレン容器又はテフロン処理又はステンレス製オートクレーブのような適切な反応容器にて実施してよい。結晶化温度の範囲は好ましくは、用いる温度にて結晶化が十分生じる時間約50℃から約250℃である。好ましい結晶化時間の範囲は約5分から約14日である。
(5)その後、例えば、ろ過及び/又は洗浄段階のような、精製段階を用いずに母液から結晶を分離及び/又は回収する。
という段階を含む。
【0086】
さらに合成方法の一以上の実施態様は回収及び/又は分離段階の前又は後のいずれかにて物質の組成物の少なくとも一部を別の材料と混合する段階を含み、ここで物質の組成物と混合される材料の量は10wt.%未満遊離流体%、好ましくは5wt.%未満、より好ましくは1wt.%未満の遊離流体を有する物質の組成物である。材料は10wt.%未満の遊離流体を有する物質の組成物を生産可能な任意の適切な化合物でよい。
【0087】
任意の理論によって限定されることを意図しないが、産物の母液は4価の原子のある量をしばしば含み、か焼の間モレキュラーシーブのチャンネルをブロックするようである。結晶化プロセスの産物を組成物が10wt.%未満遊離流体を有するような組成物を形成する材料と混合することにより、主な4価原子は、か焼/乾燥段階の間チャンネルをブロックすることを防ぐ材料に転移される。
【0088】
材料は10wt.%未満遊離流体を有する物質の組成物を生産できる任意の適切な化合物でよい。幾つかの実施態様においては、材料は周期表の1族から17族及びそれらの混合物から選択される原子の酸化物の少なくとも一つを含む。好ましい実施態様においては、材料はシリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、及びその混合物の少なくとも一つを含む。
【0089】
また他の実施態様においては、材料は金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物及びそれらの混合物から成る群から選択される。
【0090】
また、母液を吸着するのに有用な材料は、合成又は自然に生じるゼオライト及びクレイ、シリカ及び/又はアルミナのような金属酸化物のような無機材料を含む。後者は自然的に発生する又はゲル化沈殿物又はシリカ及び金属酸化物の混合物を含むゲルの形状いずれかでよい。また、これらの材料、即ちクレイ、酸化物等は、よい粉砕強度を有する触媒を提供するための触媒用のバインダーとして機能してよい。
【0091】
有用な合成及び自然発生的クレイはモンモリロナイト、ベントナイト及びカオリンファミリーを含み、そのファミリーはサブベントナイト(subbentonites)及びディキシー(Dixie)、マクナミー(McNamee)、ジョージア及びフロリダクレイ又は主な鉱物成分がハロイサイト、カオリナイト、ディッカイト、ナクライト(nacrite)又はアナウキサイト(anauxite)である他のものとして通常知られるカオリンを含むことを特徴とする。そのようなクレイは天然鉱物として生の状態又は初期にか焼させた又は酸処理や化学修飾したものを用いてよい。
【0092】
他の母液を吸着するのに有用な材料は、シリカ‐アルミナ、シリカ‐マグネシア、シリカ‐ジルコニア、シリカ‐トリア、シリカ‐ベリリア、シリカ‐チタニア並びにシリカ‐アルミナ‐トリア、シリカ‐アルミナ‐ジルコニア、シリカ‐アルミナ‐マグネシア、及びシリカ‐マグネシア‐ジルコニアのような三元組成物を含む。他の吸着材料は、炭素単独又は他の吸着材料と組み合わせいずれかを含むが、これらに限定されない。
【0093】
細かく分割される結晶材料と無機酸化物マトリックスの相対的比率は約1から約90wt.%の範囲の結晶含有成分を伴って広く変化し、通常、特に合成物をビーズの形状にて調製する場合組成物の約2から約80wt.%の範囲で変化する。
【0094】
本発明の幾つかの実施態様においては、本発明に有用な合成混合物の固体成分含有量は20wt.%から50wt.%の範囲である。他の実施態様においては、本発明に有用な合成混合物の固体成分含有量は25wt.%から35wt.%の範囲である。さらに他の実施態様においては、本発明に有用な合成混合物の固体成分含有量は25wt.%から30wt.%の範囲である。次の固体成分含有量は有用な固体成分含有量の下限値であり、20、21、22、23、24、25、30、35、40、45、及び49である。次の固体成分含有量は有用な固体成分含有量の上限値あり、50、45、40、35、30、29、28、27、26、及び25である。本発明に有用な合成混合物の固体成分含有量は、前述の下限値のいずれか一つと前述の上限値のいずれか一つの間に、下限値が上限値以下でない限り、理想的に一致する。
【0095】
また、他の実施態様においては、合成混合物の固体成分含有量は少なくとも15wt.%、好ましくは少なくとも18wt.%、より好ましくは少なくとも20wt.%、さらに好ましくは少なくとも25wt.%、最も好ましくは少なくとも30wt.%である。本発明に有用な固体成分含有量は少なくとも約15wt.%、好ましくは少なくとも約18wt.%、より好ましくは少なくとも約20wt.%、さらに好ましくは少なくとも約25wt.%、最も好ましくは少なくとも約30wt.%から、50wt.%未満、好ましくは約45wt.%未満、より好ましくは約40wt.%未満、最も好ましくは約35wt.%未満の範囲を含む。
【0096】
一以上の実施態様を番号順に述べると、本発明は、
1.物質の組成物を合成する方法であって、無機多孔性結晶相材料を含み、前記材料がか焼後均一なサイズの細孔の六角形配置を有し、前記細孔径が少なくとも約13オングストローム単位を有し及び約18オングストローム単位より大きいd100値で指標付けできる六角形の電子線回析パターンを示し、
(a)前記組成物を生成できる混合物であって、前記混合物が2価原子W、3価原子X、4価原子Y、と5価原子Zからなる群から選択される酸化物の一つ又はそれらの組み合わせ、有機(R)指向剤及び溶剤又は溶剤混合物の供給源を含み、前記混合物がモル比を単位として、次の範囲、即ち、
【表13】

(ここで、e及びfはそれぞれ、M及びRの加重平均原子価であり、Mはアルカリ又はアルカリ土類金属イオン及びRは式Rのイオンを含み、ここで、Qは窒素又はリン及びR1、2、3、及びRの少なくとも一つは6から約36の炭素原子のアリール基、6から約36の炭素原子のアルキル基、及びそれらの組み合わせからなる群から選択され、R1、2、3、及びRの残りは水素、1から5の炭素原子のアルキル基及びそれらの組み合わせからなる群から選択される)
なる範囲内の組成物を有することを特徴とする混合物を調製し、
(b)前記物質の組成物を含む産物を生成するために十分なpH、温度、及び時間の条件下、前記混合物を維持し、及び
(c)精製段階を用いずに、前記物質の組成物を前記産物から回収する
ことを含むことを特徴とする、物質の組成物を合成する方法。
2.前記混合物が約20から約50wt.%の範囲又は約25から約35wt.%の範囲である固形成分含有量を有することを特徴とする、実施態様1に記載の方法。
3.さらに、
(d)少なくとも一部の前記産物を材料と混合して前記物質の組成物を生成し、ここで、前記産物と混合されるべき前記材料の量が10wt.%未満の遊離流体を有する前記組成物となるような量である、
段階を含むことを特徴とする、実施態様1に記載の方法。
4.前記材料が金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物及びそれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする実施態様3に記載の方法。
5.前記材料が、炭素、シリカ‐アルミナ、シリカ‐マグネシア、シリカ‐ジルコニア、シリカ‐トリア、シリカ‐ベリリア、シリカ‐チタニア、シリカ‐アルミナ‐トリア、シリカ‐アルミナ‐ジルコニア、シリカ‐アルミナ‐マグネシアとシリカ‐マグネシア‐ジルコニア及びそれらの混合物からなる群から選択される吸収材料であることを特徴とする、実施態様3に記載の方法。
6.前記混合物が式Rである追加的な有機指向剤イオンRを含み、ここで、R1、2、3、及びRが水素、1から5の炭素原子のアルキル基及びそれらの組み合わせからなる群から選択されることを特徴とする、前述のいずれかの実施態様に記載の方法。
7.Rがセチルトリメチルアンモニウム、オクタデシルトリメチルアンモニウム、ベンジルトリメチルアンモニウム、セチルピリジニウム、ミリスチルトリメチルアンモニウム、デシルトリメチルアンモニウム、ドデシルトリメチルアンモニウム、及びジメチルジドデシルアンモニウムからなる群から選択される有機剤を含むことを特徴とする、前記いずれかの実施態様に記載の方法。
8.前記R1、2、3、及びRが−C6H13、−C10H21、−C12H25、−C14H29、−C16H33、−C18H37及びそれらの組合せからなる群から選択されることを特徴とする、前述のいずれかの実施態様に記載の方法。
9.さらに、前記反応混合物に
(1)5から20の炭素原子の芳香族炭化水素及びアミン並びにそれらのハロゲン置換及びC‐C14アルキル置換される誘導体、
(2)5から20の炭素原子の環状脂肪族炭化水素及びアミン並びにそれらのハロゲン置換及びC‐C14アルキル置換される誘導体、
(3)6から20の炭素原子の多環式脂肪族炭化水素及びアミン並びにそれらのハロゲン置換及びC‐C14アルキル置換される誘導体、
(4)3から16の炭素原子の直鎖及び分岐脂肪族炭化水素及びアミン並びにそれらのハロゲン置換される誘導体、及び
(5)それらの組み合わせ
からなる群から選択される補助有機剤、及び
モル比を単位として、次の範囲内
【表14】

の組成物を有する補助有機剤、
を添加する段階を含むことを特徴とする、前述のいずれかの実施態様に記載の方法。
10.前記補助有機剤がペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ドデカン、ジハロオクタン、p−キシレン、トリメチルベンゼン、トリエチルベンゼン、ジメチルアダマンタン、ベンゼン、アルキル‐置換ベンゼン、アルキル置換‐アダマンタン及びそれらの組み合わせからなる群から選択されることを特徴し、ここでアルキルが1から約14の炭素原子であることを特徴とする、実施態様9に記載の方法。
11.前記Yがシリコンであることを特徴とする、前述のいずれかの実施態様に記載の方法。
12.前記Xがアルミニウムであることを特徴とする、前述のいずれかの実施態様に記載の方法。
13.物質の組成物を製造する方法であって、無機多孔性結晶相材料を含み、前記材料がか焼後均一なサイズの細孔の六角形配置を有し、前記細孔径が約13オングストローム単位を有し及び約18オングストローム単位より大きいd100値で指標付けできる六角形の電子線回析パターンを示し、
(a)前記組成物を生成できる反応混合物のであって、前記反応混合物がシリコンの酸化物又はシリコン及びアルミニウムからなる群から選択される酸化物の組み合わせ、有機(R)指向剤及び溶剤又は溶剤混合物の供給源を含み、前記混合物がモル比を単位として、次の範囲、即ち、
【表15】

(ここで、e及びfはそれぞれ、M及びRの加重平均原子価であり、Mはアルカリ又はアルカリ土類金属イオン及びRは式RRのイオンを含み、ここで、Qは窒素又はリン及びR1、2、3、及びRの少なくとも一つは6から約36の炭素原子のアリール基、6から約36の炭素原子のアルキル基及びそれらの組み合わせからなる群から選択され、R1、2、3、及びRの残りは水素、1から5の炭素原子のアルキル基及びそれらの組み合わせからなる群から選択される)
なる範囲内である組成を有し、
前記(a)段階が
(1)溶剤/R2/fOのモル比が約50から約800の範囲内であるように有機(R)指向剤を溶剤又は溶剤混合物と混合し、
(2)(a)(1)段階の混合物にR2/fO/( SiO+Al)のモル比が約0.01から約2.0の範囲内になるように酸化物供給源を添加し、
(3)(a)(2)段階から得られる混合物を約20℃から約40℃にて攪拌し、及び任意に
(4)(a)(3)段階から得られる混合物を約20℃から約100℃の温度にて約10分から約24時間熟成させることを含むことを特徴とする、
反応混合物を調製し、
(b)前記物質の組成物を含む産物を生成するために十分なpH、温度、及び時間の条件下、前記混合物を維持し、及び
(c)精製段階を用いずに、前記物質の組成物を前記産物から回収する
ことを含むことを特徴とする、
物質の組成物を製造する方法。
14.(a)段階の前記混合物が20から50wt.%の範囲である固形成分含有量を有することを特徴とする、実施態様13に記載の方法。
15.(a)段階の前記混合物が25から35wt.%の範囲である固形成分含有量を有することを特徴とする、実施態様13に記載の方法。
16.(a)段階の前記混合物が式Rである追加的な有機指向剤イオンRを含み、ここで、R1、2、3、及びRが水素、1から5の炭素原子のアルキル基及びそれらの組み合わせからなる群から選択されることを特徴とする、13から15いずれかの実施態様に記載の方法。
17.Rがセチルトリメチルアンモニウム、オクタデシルトリメチルアンモニウム、ベンジルトリメチルアンモニウム、セチルピリジニウム、ミリスチルトリメチルアンモニウム、デシルトリメチルアンモニウム、ドデシルトリメチルアンモニウム、及びジメチルジドデシルアンモニウムからなる群から選択される有機剤を含むことを特徴とする、13から16いずれかの実施態様に記載の方法。
18.前記R1、2、3、及びRが−C6H13、−C10H21、−C12H25、−C14H29、−C16H33、−C18H37及びそれらの組合せからなる群から選択されることを特徴とする、実施態様13から17のいずれかの実施態様に記載の方法。
19.さらに、前記反応混合物に
(1)5から20の炭素原子の芳香族炭化水素及びアミン並びにそれらのハロゲン置換及びC‐C14アルキル置換される誘導体、
(2)5から20の炭素原子の環状脂肪族炭化水素及びアミン並びにそれらのハロゲン置換及びC‐C14アルキル置換される誘導体、
(3)6から20の炭素原子の多環式脂肪族炭化水素及びアミン並びにそれらのハロゲン置換及びC‐C14アルキル置換される誘導体、
(4)3から16の炭素原子の直鎖及び分岐脂肪族炭化水素及びアミン並びにそれらのハロゲン置換される誘導体、及び
(5)それらの組み合わせ
からなる群から選択される補助有機剤、及び
モル比を単位として、次の範囲内
【表16】

である組成を有する補助有機剤、
を添加する段階を含むことを特徴とする、実施態様13から18のいずれかの実施態様に記載の方法。
20.前記補助有機剤がペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ドデカン、ジハロオクタン、p−キシレン、トリメチルベンゼン、トリエチルベンゼン、ジメチルアダマンタン、ベンゼン、アルキル‐置換ベンゼン、アルキル置換‐アダマンタン及びそれらの組み合わせからなる群から選択されることを特徴し、ここでアルキルが1から約14の炭素原子であることを特徴とする、実施態様19に記載の方法。
21.触媒の製造方法であって、
(a)バインダー及び前述のいずれかの実施態様に記載の方法により作られる前記物質の組成物を含む混合物を押し出し加工して押出品を作成する段階、及び
(b)100から700℃の範囲の温度を有するか焼条件下前記押出品をか焼する段階、
を含むことを特徴とする方法。
22.(b)段階の後ろ過段階又は洗浄段階をさらに含むことを特徴とする、実施態様21に記載の方法。
23.前述のいずれかの請求項に記載の方法により作られる物質の組成物。
24.方法が、炭化水素を少なくとも1wt.%の前記炭化水素を転換するのに効果的な転換条件下、前記物質の組成物と接触させることを含むことを特徴とする、請求項1から21のいずれか一つに記載の炭素転換により作られる物質の組成物の使用方法。
に関連する。
【0097】
本発明のこれらの及び他の態様を次の実施例により説明する。
【実施例】
【0098】
実施例において、合成されたままの( as−synthesized)材料のXRD回析パターンを2から40度の範囲の2θでの銅Kα照射を用いてBruker D4 X−Ray Powder Diffractometerにて記録した。
【0099】
SEMイメージをHITACHI S4800 Field Emission Scanning Electron Microscope(SEM)において得た。
【0100】
BET表面領域をMicromeritics TriStar 3000 V6.05A (Micromeritics Corporation, Norcross, GA)により測定した。
【0101】
次の表は本発明のMCM−41材料の合成用に実施例中に用いる化学成分を記載する。
【表17】

【0102】
実施例1
混合物を300gのTEAOH35wt.%溶液、500gのARQUAD12/37溶液、及び350gのウルトラシルシリカから調製した。混合物は28wt.%の固体成分含有量及び次のモル比の組成を有した。
SiO2/Al2O3 ≧ 800/1
H2O/SiO2 〜 5.6
TEAOH/界面活性剤 〜 1
SiO2/界面活性剤 〜 7.7
【0103】
混合物を24時間攪拌せずにオートクレーブにて290°F(121℃)にて反応させた。産物を使用前に流出し及び120℃にて乾燥した。合成されたまま(as−synthesized)の材料のXRDパターンはMCM−41トポロジーの典型的な純粋相を示した。合成されたままの(as−synthesized)の材料のSEMは材料が小さな結晶の塊から構成されていたことを示す。得られるか焼されたSi−MCM−41産物はSiO/Alモル比が1270/1及び表面積が 883m/gを有した。
【0104】
実施例2
混合物を300gのTEAOH35wt.%溶液、500gのARQUAD12/37溶液、41gのアルミン酸ナトリウム(45wt.%)溶液、及び350gのウルトラシルシリカから調製した。混合物は28wt.%の固体成分含有量及び次のモル比の組成を有した。
SiO2/Al2O3 〜 50/1
H2O/SiO2 〜 5.6
TEAOH/界面活性剤 〜 1
SiO2/界面活性剤 〜 7.7
【0105】
混合物を24時間攪拌せずにオートクレーブにて290°F(121℃)にて反応させた。産物を使用前に流出し及び120℃にて乾燥した。合成されたままの(as−synthesized)の材料のXRDパターンはMCM−41トポロジーの典型的な純粋相を示した。合成されたままの(as−synthesized)の材料のSEMは材料が小さな結晶の塊から構成されていたことを示す。得られるか焼されたAl−MCM−41産物はSiO/Alモル比が48/1を有した。
【0106】
実施例3
混合物を300gのTEAOH35wt.%溶液、500gのARQUAD12/37溶液、及び350gのウルトラシルシリカから調製した。混合物は28wt.%の固体成分含有量及び次のモル比の組成物を有した。
SiO2/Al2O3 ≧ 800/1
H2O/SiO2 〜 5.6
TEAOH/界面活性剤 〜 1
SiO2/界面活性剤 〜 7.7
【0107】
混合物を36時間攪拌せずに2リットルのオートクレーブにて122℃にて反応させた。産物を使用前に流出し及び120℃にて乾燥した。合成されたままの(as−synthesized)の材料のXRDパターンはMCM−41トポロジーの典型的な純粋相を示した。合成されたままの(as−synthesized)の材料のSEMは材料が小さな結晶の塊から構成されていたことを示す。得られるか焼されたSi−MCM−41産物の表面積約800m/gである。
【0108】
実施例4
混合物を300gのTEAOH35wt.%溶液、500gのARQUAD12/37溶液、41gのアルミン酸ナトリウム(45wt.%)溶液、及び350gのウルトラシルシリカから調製した。混合物は28wt.%の固体成分含有量及び次のモル比の組成物を有した。
SiO2/Al2O3 〜 50/1
H2O/SiO2 〜 5.6
TEAOH/界面活性剤 〜 1
SiO2/界面活性剤 〜 7.7
【0109】
混合物を36時間攪拌せずに2リットルのオートクレーブにて122℃にて反応させた。産物を使用前に流出し及び120℃にて乾燥した。合成されたままの(as−synthesized)の材料のXRDパターンはMCM−41トポロジーの典型的な純粋相を示した。合成されたままの(as−synthesized)の材料のSEMは材料が小さな結晶の塊から構成されていたことを示す。得られるか焼されたAl−MCM−41結晶はSiO/Alモル比が49.5/1及び表面積が622m/gを有した。
【0110】
実施例5
MCM−41自己結合触媒を実施例1にて作られたそれらの合成されたまま(as−synthesized)の結晶から調製した。合成されたまま(as−synthesized)の産物を120℃にて5‐10分間オーブンにて乾燥した。それから得られた産物を温め1.59mmの円筒状の成形品に形成した。調製された成形品を使用前に120℃にて乾燥した。乾燥成形品を3時間482℃にてN中予備か焼し、それから各回2時間で2回約60℃の温度を有する温水を用いて洗浄し、続いて4時間540℃にて最終空気か焼を行った。最終触媒は表面積が751m/gを有する。
【0111】
実施例6
MCM−41/アルミナ触媒を実施例1にて作られたそれらの合成されたまま(as−synthesized)の結晶から調製した。合成されたまま(as−synthesized)の産物を120℃にて5‐10分間オーブンにて乾燥した。それから得られた産物及びアルミナを温め1.59mmの円筒状の成形品に形成した。調製された成形品を使用前に120℃にて乾燥した。乾燥成形品を3時間482℃にてN中予備か焼し、それから各回2時間で2回約60℃の温度を有する温水を用いて洗浄し、続いて4時間540℃にて最終空気か焼を行った。最終触媒は表面積が610m/gを有する。
【0112】
実施例7
MCM−41/アルミナ触媒を実施例2にて作られたそれらの合成されたまま(as−synthesized)の結晶から調製した。合成されたまま(as−synthesized)の産物をアルミナ及び水と混合した。それから混合物を温め1.59mmの円筒状の成形品に形成した。調製された成形品を使用前に120℃にて乾燥した。乾燥成形品を3時間482℃にてN中予備か焼し、それから各回2時間で2回約60℃の温度を有する温水を用いて洗浄し、続いて4時間540℃にて最終空気か焼を行った。最終触媒は表面積が505m/gを有する。
【0113】
実施例8
MCM−41/アルミナ触媒を実施例3にて作られたそれらの合成されたままの状態(as−synthesized)の結晶から調製した。合成されたままの状態(as−synthesized)の産物をアルミナ及び水と混合した。それから混合物を温め1.59mmの円筒状の成形品に形成した。調製された成形品を使用前に120℃にて乾燥した。乾燥成形品を3時間482℃にてN中予備か焼し、それから各回2時間で2回約60℃の温度を有する温水を用いて洗浄し、続いて4時間540℃にて最終空気か焼を行った。最終触媒は表面積が560m/gを有する。
【0114】
全ての特許、特許出願、テストの手順、優先権書類、論文、刊行物、説明書、及び本明細書に引用された他の資料は、そのような開示範囲が本発明と矛盾しない限りにおいて、及びその様な組み入れが許される全ての法体制下において、参照により十分に本明細書に組み入れられる。
【0115】
本発明の実施態様を具体的に説明したが、当業者であれば特許請求の範囲及び精神から逸脱することなく種々の他の変更を容易に行えることを理解できよう。従って、本出願に添付する特許請求の範囲は実施例及び本明細書に説明する記載によって限定されず、むしろ特許請求の範囲は本発明の分野の当業者により均等として扱われるすべての特徴も含めて本発明に開示した特許性のある新規のすべての特徴を含むとして構成される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物質の組成物を製造する方法であって、無機多孔性結晶相材料を含み、前記材料が、か焼後、少なくとも均一な細孔の六角形配置を有し、前記細孔が約13オングストローム単位の直径を有し、約18オングストローム単位より大きいd100値で指標づけできる六角形の電子線回析パターンを示し、
(a)前記組成物を生成できる混合物であって、前記混合物が2価原子W、3価原子X、4価原子Y、と5価原子Zからなる群から選択される酸化物の一つ又はそれらの組み合わせ、有機(R)指向剤及び溶剤又は溶剤混合物の供給源を含み、前記混合物がモル比を単位として、次の範囲、即ち、
【表18】

(ここで、e及びfはそれぞれ、M及びRの加重平均原子価であり、Mはアルカリ又はアルカリ土類金属イオン及びRは式Rのイオンを含み、ここで、Qは窒素又はリン及びR1、2、3、及びRの少なくとも一つは6から約36の炭素原子のアリール基、6から約36の炭素原子のアルキル基、及びそれらの組み合わせからなる群から選択され、残りのR1、2、3、及びRは水素、1から5の炭素原子のアルキル基及びそれらの組み合わせからなる群より選択される)
なる範囲内の組成を有することを特徴とする混合物を調製し、
(b)pH、温度、及び時間条件下に前記混合物を維持し、前記物質の組成物を含む産物を生成し、及び
(c)精製段階を用いずに、前記物質の組成物を回収する
ことを含むことを特徴とする、物質の組成物を製造する方法。
【請求項2】
(a)段階の前記混合物が約20から約50wt.%の範囲又は約25から約35wt.%の範囲である固形成分含有量を有することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
(d)さらに、少なくとも一部の前記産物を材料と混合して前記物質の組成物を生成し、前記産物と混合されるべき前記材料の量が10wt.%未満の遊離流体を有する前記組成物であることを特徴とする、
段階を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記材料が金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物及びそれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記材料が、炭素、シリカ‐アルミナ、シリカ‐マグネシア、シリカ‐ジルコニア、シリカ‐トリア、シリカ‐ベリリア、シリカ‐チタニア、シリカ‐アルミナ‐トリア、シリカ‐アルミナ‐ジルコニア、シリカ‐アルミナ‐マグネシアとシリカ‐マグネシア‐ジルコニア及びそれらの混合物からなる群から選択される吸着材料であることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
(a)段階の前記混合物が式Rである追加的な有機指向剤イオンRを含み、R1、2、3、及びRが水素、1から5の炭素原子のアルキル基、及びそれらの組み合わせからなる群から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
Rがセチルトリメチルアンモニウム、オクタデシルトリメチルアンモニウム、ベンジルトリメチルアンモニウム、セチルピリジニウム、ミリスチルトリメチルアンモニウム、デシルトリメチルアンモニウム、ドデシルトリメチルアンモニウム、及びジメチルジドデシルアンモニウムからなる群から選択される有機剤を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記R1、2、3、及びRが−C6H13、−C10H21、−C12H25、−C14H29、−C16H33、−C18H37及びそれらの組み合わせからなる群から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
さらに、前記反応混合物に
(1)5から20の炭素原子の芳香族炭化水素及びアミン、並びにそれらのハロゲン置換及びC‐C14アルキル置換される誘導体、
(2)5から20の炭素原子の環状脂肪族炭化水素及びアミン、並びにそれらのハロゲン置換及びC‐C14アルキル置換される誘導体、
(3)6から20の炭素原子の多環式脂肪族炭化水素及びアミン、並びにそれらのハロゲン置換及びC‐C14アルキル置換される誘導体、
(4)3から16の炭素原子の直鎖及び分岐脂肪族炭化水素及びアミン、並びにそれらのハロゲン置換される誘導体、及び
(5)それらの組み合わせ
からなる群から選択される補助有機剤、及び
モル比を単位として、次の
【表19】

である範囲内の組成を有する補助有機剤、
を添加する段階を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記補助有機剤がペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ドデカン、ジハロオクタン、p−キシレン、トリメチルベンゼン、トリエチルベンゼン、ジメチルアダマンタン、ベンゼン、アルキル‐置換ベンゼン、アルキル‐置換アダマンタン及びそれらの組み合わせであって、ここでアルキルが1から約14炭素原子のアルキルからなる群から選択されることを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記Yがシリコン及び前記Xがアルミニウムであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
触媒の製造方法であって、
(a)バインダー及び請求項1から11のいずれか1項に記載の方法により作られる前記物質の組成物を含む混合物を押し出し加工して押出品を作成する段階、及び
(b)100から700℃の範囲の温度を有するか焼条件下に前記押出品をか焼する段階、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項13】
さらに、(b)段階の後、ろ過段階又は洗浄段階を含むことを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
請求項1又は12に記載の方法により作られる物質の組成物。
【請求項15】
炭化水素転換方法であって、炭化水素を少なくとも1wt.%の前記炭化水素を転換するのに効果的な転換条件下請求項1又は12に記載の触媒と接触させる段階を含むことを特徴とする方法。

【公表番号】特表2011−502093(P2011−502093A)
【公表日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−531113(P2010−531113)
【出願日】平成20年9月30日(2008.9.30)
【国際出願番号】PCT/US2008/078310
【国際公開番号】WO2009/055215
【国際公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【出願人】(599134676)エクソンモービル・ケミカル・パテンツ・インク (301)
【Fターム(参考)】