MAG、LMA、システム及びその高速ハンドオーバ方法
【課題】余分なトンネルを減少し、ネットワークリソースの無駄を減少できる、モバイルアクセスゲートウェイ、ローカルモビリティアンカー、システム及びその高速ハンドオーバ方法を提供する。
【解決手段】モバイルアクセスゲートウェイは移動端末その他と通信を行い、移動端末が他の一つにハンドオーバしようとすることが検知された場合、ハンドオーバ開始(HI)メッセージを送信し(S103)、ハンドオーバ確認(HAck)メッセージ(S105)を受信した後、他のモバイルアクセスゲートウェイとの間に移動端末のためのトンネルを確立(S107)したか否かをチェックし、確立済みである場合は、当該トンネルを削除し(S113)、当該移動端末のためのトンネルを確立する(S115)。
【解決手段】モバイルアクセスゲートウェイは移動端末その他と通信を行い、移動端末が他の一つにハンドオーバしようとすることが検知された場合、ハンドオーバ開始(HI)メッセージを送信し(S103)、ハンドオーバ確認(HAck)メッセージ(S105)を受信した後、他のモバイルアクセスゲートウェイとの間に移動端末のためのトンネルを確立(S107)したか否かをチェックし、確立済みである場合は、当該トンネルを削除し(S113)、当該移動端末のためのトンネルを確立する(S115)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はモバイルアクセスゲートウェイ、ローカルモビリティアンカー、プロキシモバイルIPv6システム及びその高速ハンドオーバ方法に関し、特にプロキシモバイルIPv6システムにおいて移動端末の複数のセル周辺で高速ハンドオーバを実現するモバイルアクセスゲートウェイ、ローカルモビリティアンカー、システム及びその高速ハンドオーバ方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プロキシモバイルIPv6(Proxy Mobile IPv6(PMIPv6)(RFC5213))はネットワークに基づいたモバイル管理プロトコルであり、当該プロトコルでは、移動端末が移動に関するいかなるシグナリングの送信に関与しなくても、IP移動を実現できる。ネットワーク側が移動端末のIP移動を管理する。ネットワークにおけるモバイルプロキシは移動端末の代わりにホームエージェントにモバイルシグナリングを送信し、移動端末の移動を管理する。プロキシモバイルIPv6プロトコルにおいて、ローカルモビリティアンカー(Local Mobility Anchor(LMA))とモバイルアクセスゲートウェイ(Mobile Access Gateway(MAG))はそれぞれの移動端末のために、双方向のトンネルを確立して、データを転送する。プロキシモバイルIPv6プロトコルは3GPP、3GPP2、WiMAXのような複数の広域無線ネットワーク、及びローカル無線ネットワーク環境に用いられる。
【0003】
また、プロキシモバイルIPv6高速ハンドオーバプロトコル(Fast Handovers for Proxy Mobile IPv6,draft−ietf−mipshop−pfmipv6−13.txt)では、プロキシモバイルIPv6において移動端末が異なるアクセスネットワークの間でハンドオーバするときのハンドオーバ遅延を減少する方法が提案されている。移動端末が旧MAGから新MAGネットワークに移動する際に、新MAGがLMAへの移動端末のバインディング登録を済ませる前に、旧MAGと新MAGの間に双方向トンネルを確立することでデータを当該移動端末に転送する。
【0004】
しかしながら、移動端末が複数のMAGアクセスネットワークの周辺でハンドオーバするときに、移動予測が失敗する場合がある。即ち、最初は移動端末が新MAGにハンドオーバすると予測し、旧MAGと当該新MAGの間に双方向トンネルが確立されたが、移動端末が他の新MAGに高速ハンドオーバし、旧MAGと当該他の新MAGの間にも双方向トンネルが確立される。この場合、旧MAGと当該他の新MAGの間に確立された双方向トンネルが利用されるが、当該新MAGとの間に確立された双方向トンネルは利用されないため、利用されない余分なトンネルを形成してしまう問題点が存在し、したがって、ネットワークのリソースが無駄になってしてしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上述の問題点を解決するためになされたもので、余分なトンネルを減少し、ネットワークリソースの無駄を減少できる、モバイルアクセスゲートウェイ、ローカルモビリティアンカー、プロキシモバイルIPv6システム及びその高速ハンドオーバ方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の目的を実現するために、本発明による一つの技術案は、移動端末と複数の他のモバイルアクセスゲートウェイと通信を行うモバイルアクセスゲートウェイであって、メッセージを送受信するネットワークインターフェースと、ハンドオーバ開始メッセージを構成するハンドオーバ開始メッセージ構成部と、受信したハンドオーバ確認メッセージを処理するハンドオーバ確認メッセージ処理部と、を有し、前記移動端末が前記複数の他のモバイルアクセスゲートウェイ中の一つのモバイルアクセスゲートウェイにハンドオーバしようとすることを検知した場合、前記ハンドオーバ開始メッセージ構成部はハンドオーバ開始メッセージを構成し、前記ネットワークインターフェースを介して当該構成されたハンドオーバ開始メッセージを前記一つのモバイルアクセスゲートウェイに送信し、前記ネットワークインターフェースを介して前記一つのモバイルアクセスゲートウェイからのハンドオーバ確認メッセージを受信した後に、前記ハンドオーバ確認メッセージ処理部は前記モバイルアクセスゲートウェイと前記一つのモバイルアクセスゲートウェイ以外の他のモバイルアクセスゲートウェイとの間に前記移動端末のためのトンネルが確立済みであるか否かをチェックし、トンネルがすでに確立済みである場合は、当該トンネルを削除し、前記モバイルアクセスゲートウェイと前記一つのモバイルアクセスゲートウェイの間に当該移動端末のためのトンネルを確立することを特徴とする。
【0007】
本発明による他の技術案は、複数のモバイルアクセスゲートウェイと通信を行うローカルモビリティアンカーであって、メッセージを送受信するネットワークインターフェースと、受信したハンドオーバ完了メッセージを処理するHOFメッセージ処理部と、を有し、前記ネットワークインターフェースを介して複数のモバイルアクセスゲートウェイ中の一つのモバイルアクセスゲートウェイからの、当該一つのモバイルアクセスゲートウェイと複数のモバイルアクセスゲートウェイ中の他の一つのモバイルアクセスゲートウェイとの間に移動端末のためのトンネルが確立済みであることを示すハンドオーバ完了メッセージを受信した場合、前記HOFメッセージ処理部は当該他の一つのモバイルアクセスゲートウェイと当該一つのモバイルアクセスゲートウェイ以外の複数のモバイルアクセスゲートウェイとの間に前記移動端末のためのトンネル、即ち余分なトンネルがすでに確立済みであるか否かをチェックし、余分なトンネルがすでに確立済みである場合は、前記余分なトンネルを削除するトンネル削除メッセージを構成して、対応するモバイルアクセスゲートウェイに送信することを特徴とする。」
【0008】
本発明による他の技術案は、プロキシモバイルIPv6システムであって、ネットワークを介して通信を行うローカルモビリティアンカーと複数のモバイルアクセスゲートウェイと移動端末を含むものであって、前記モバイルアクセスゲートウェイは上述のようなモバイルアクセスゲートウェイであることを特徴とする。
【0009】
本発明による他の技術案は、移動端末及び複数の他のモバイルアクセスゲートウェイと通信を行うモバイルアクセスゲートウェイの高速ハンドオーバ方法であって、前記移動端末が前記複数の他のモバイルアクセスゲートウェイ中の一つのモバイルアクセスゲートウェイにハンドオーバしようとすることを検知した場合、ハンドオーバ開始メッセージを構成し、前記ネットワークインターフェースを介して当該構成されたハンドオーバ開始メッセージを前記一つのモバイルアクセスゲートウェイに送信し、前記ネットワークインターフェースを介して前記一つのモバイルアクセスゲートウェイからのハンドオーバ確認メッセージを受信した後に、前記モバイルアクセスゲートウェイと前記一つのモバイルアクセスゲートウェイ以外の他のモバイルアクセスゲートウェイとの間に前記移動端末のためのトンネルがすでに確立済みであるか否かをチェックし、トンネルが確立済みである場合は、当該トンネルを削除し、前記モバイルアクセスゲートウェイと前記一つのモバイルアクセスゲートウェイの間に当該移動端末のためのトンネルを確立することを特徴とする。
【0010】
本発明による他の技術案は、ローカルモビリティアンカーと複数のモバイルアクセスゲートウェイと通信を行うモバイルアクセスゲートウェイの高速ハンドオーバ方法であって、前記ローカルモビリティアンカーは、複数のモバイルアクセスゲートウェイ中の一つのモバイルアクセスゲートウェイからの、当該一つのモバイルアクセスゲートウェイと複数のモバイルアクセスゲートウェイ中の他の一つのモバイルアクセスゲートウェイとの間に移動端末のためのトンネルがすでに確立済みであることを示すハンドオーバ完了メッセージを受信した場合、当該他の一つのモバイルアクセスゲートウェイと当該一つのモバイルアクセスゲートウェイ以外の複数のモバイルアクセスゲートウェイとの間に前記移動端末のためのトンネル、即ち余分なトンネルがすでに確立済みであるか否かをチェックし、余分なトンネルがすでに確立済みである場合は、前記余分なトンネルの削除を示すトンネル削除メッセージを構成して、対応するモバイルアクセスゲートウェイに送信することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によると、旧MAGは、移動端末が新MAGネットワークにハンドオーバしようとすることを検知した場合、旧MAGは新MAGにハンドオーバ開始メッセージを送信し、新MAGはハンドオーバ確認メッセージを返信する。旧MAGがHAckメッセージを受信した後に、先ず当該移動端末のためのトンネルがすでに確立済みであるか否かをチェックし、トンネルが確立済みである場合は、当該トンネルを削除し、再び新MAGとトンネルを確立する。このため、移動端末が複数のMAGネットワークの間でハンドオーバする際に移動予測の失敗による余分なトンネルの確立を防止し、ネットワークリソースの無駄を減少することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の移動端末がMAGアクセスネットワークで高速ハンドオーバが可能なプロキシモバイルIPv6システムを示す配置図である。
【図2A】本発明のMAGの構成を示すブロック図である。
【図2B】本発明のMAGにおけるトンネル記録データベースを示す図である。
【図3A】本発明のハンドオーバ開始(HI)メッセージのフォーマットを示す図である。
【図3B】本発明のハンドオーバ確認(HAck)メッセージのフォーマットを示す図である。
【図4】本発明のMAGによるハンドオーバ確認(HAck)メッセージの処理を示すフローチャートである。
【図5】本発明のMAGによる高速ハンドオーバの制御を示すシグナリングフローチャートである。
【図6A】本発明のLMAの構成を示すブロック図である。
【図6B】本発明のLMAにおけるマルチキャストハンドオーバ記録データベースを示す図である。
【図7A】本発明のハンドオーバ通知(HON)メッセージとハンドオーバ完了(HOF)メッセージのフォーマットを示す図である。
【図7B】本発明のトンネル削除(TD)メッセージのフォーマットを示す図である。
【図8】本発明のLMAによる高速ハンドオーバの制御を示すシグナリングフローチャートである。
【図9】本発明の基地局の信号強度を利用してLMAにより高速ハンドオーバを制御するシステムの配置図である。
【図10A】本発明の基地局の信号強度を利用して高速ハンドオーバを制御するLMAの構成を示すブロック図である。
【図10B】本発明の基地局の信号強度を利用して高速ハンドオーバを制御するLMAにおけるマルチキャストハンドオーバ記録データベースを示す図である。
【図11A】本発明の基地局の信号強度を利用して高速ハンドオーバを制御する時のハンドオーバ開始(HI)メッセージのフォーマットを示す図である。
【図11B】本発明の基地局の信号強度を利用して高速ハンドオーバを制御する時のハンドオーバ通知(HON)メッセージ/ハンドオーバ完了(HOF)メッセージのフォーマットを示す図である。
【図11C】本発明の基地局の信号強度を利用して高速ハンドオーバを制御する時のネットワーク状態メッセージのフォーマットを示す図である。
【図12】本発明の基地局の信号強度を利用して高速ハンドオーバを制御する時のネットワーク状態を示すシグナリングフローチャートである。
【図13】本発明のLMAによるネットワーク状態メッセージの処理を示すフローチャートである。
【図14】本発明の基地局の信号強度を利用してLMAにより高速ハンドオーバを制御するシグナリングフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態について詳しく説明する。後述の実施形態は本発明の内容を説明する一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。
〈プロキシモバイルIPv6システムの構造〉
【0014】
先ず、図1を参照しながら本発明のプロキシモバイルIPv6システムについて説明する。図1は本発明の移動端末がMAGアクセスネットワークで高速ハンドオーバが可能なプロキシモバイルIPv6システムを示す配置図である。
【0015】
図1に示すように、システムはモバイルアクセスゲートウェイ(「MAG」と略称する)MAG11、MAG12、MAG13、ローカルモビリティアンカー(「LMA」と略称する)2、コアネットワーク(ネットワーク)3、および移動端末(「MN」と略称する)(移動端末)4を含む。そのうち、モバイルアクセスゲートウェイ、ローカルモビリティアンカー、および移動端末の定義などについてはプロキシモバイルIPv6プロトコルを参照できるので、ここでは説明を省略する。
【0016】
MAG11、MAG12、MAG13は移動端末4に下りアクセスし、ネットワークを介して移動端末4と自分以外の他のMAGと通信を行う。MAGは移動端末4のIP移動を管理し、移動端末4の代わりに移動に関するシグナリングを送信し、移動端末4は移動に関するシグナリングの送信に関与しない。LMA2はMAG11、MAG12、MAG13に下りアクセスし、移動端末4のホームエージェントであり、コアネットワーク3を介して互いに接続する。
【0017】
図1に点線で示すように、移動端末4がMAG11のネットワークカバー範囲からMAG12のネットワークカバー範囲へ移動し、その後またMAG13のネットワークカバー範囲へ移動する場合、MAG11(以下、「旧MAG」と称する)とMAG12またはMAG13(以下ではハンドオーバ先のMAGを「新MAG」または「目標MAG」と称する)の間にトンネルを確立して当該移動端末4のためにデータを転送する。
【0018】
〈モバイルアクセスゲートウェイMAGの構造〉
本実施形態において、MAGを改良し、MAGの機能を拡張した。以下、図2Aを参照しながら本発明のモバイルアクセスゲートウェイMAGの構造について説明する。図2Aは本発明のMAGの構造を示すブロック図である。
【0019】
図2Aに示すように、モバイルアクセスゲートウェイMAGはネットワークインターフェース10、HI(Handover Initiate:ハンドオーバ開始)メッセージ処理部14、記憶部15、HIメッセージ構成モジュール16、バス17、HAck(Handover Acknowledgement:ハンドオーバ確認)メッセージ処理部18、および制御部19を有する。
【0020】
ネットワークインターフェース10は外部の装置(LMA、その他のMAG、MNなど)と通信を行い、種々のメッセージを送受信する。ネットワークインターフェース10はHI/HAckメッセージ受信モジュール101とHI/HAckメッセージ送信モジュール103を含む。HI/HAckメッセージ受信モジュール101は外部から送信されるHIメッセージ、HAckメッセージを受信する。HI/HAckメッセージ送信モジュール103はHIメッセージ、HAckメッセージを送信する。HIメッセージとHAckメッセージのフォーマットについては図3Aと図3Bを参照しながら後で詳しく説明する。
【0021】
HIメッセージ処理部14はネットワークインターフェース10のHI/HAckメッセージ受信モジュール101を介して外部から受信したHIメッセージを処理し、HIメッセージ処理部14が有するHAckメッセージ構成モジュール141を呼び出して当該HIメッセージに返信するHAckメッセージを構成し、その後、ネットワークインターフェース10のHI/HAckメッセージ送信モジュール103を介して構成されたHAckメッセージを外部に送信する。
【0022】
記憶部15は、ハードディスク、フラッシュカード、ROM、RAMなどのメモリデバイスから構成され、その中にマルチキャストハンドオーバデータベース151が記憶され、当該マルチキャストハンドオーバデータベース151には受信したマルチキャストハンドオーバに関するメッセージを記録したマルチキャストハンドオーバ記録テーブル1511が記憶されている。マルチキャストハンドオーバ記録テーブル1511の具体的な内容については、図2Bを参照しながら後で詳しく説明する。
【0023】
HIメッセージ構成部16はHIメッセージを構成する。例えば、移動端末4がMAG11のネットワークカバー範囲からMAG12のネットワークカバー範囲へ移動する場合、モバイルアクセスゲートウェイMAG11は移動端末4がMAG11(旧MAG)からMAG12(新MAG)にハンドオーバしようとすることを検知した後に、HIメッセージ構成部16はHIメッセージを構成し、ネットワークインターフェース10のHI/HAckメッセージ送信モジュール103を経由して構成したHIメッセージをMAG12へ送信する。
【0024】
バス17はMAGの各ユニットとモジュールの間にデータを伝送する。
【0025】
HAckメッセージ処理部18はネットワークインターフェース10のHI/HAckメッセージ受信モジュール101を介して受信したHAckメッセージを処理する。HAckメッセージ処理部18がHAckメッセージを処理する際に、先ず当該HAckメッセージの中の移動端末のためのトンネルがすでに確立済みであるかをチェックする。トンネルが確立済みであることが検出された場合は、当該トンネルを削除し、その後旧MAGから新MAGまでのトンネルを構成する。トンネルが確立済みでないことが検出された場合は、直接旧MAGから新MAGまでのトンネルを構成する。HAckメッセージ処理部18は移動端末4のためのトンネルがすでに確立済みであるかをチェックするトンネルチェックモジュール181、確立済みの余分なトンネルを削除するトンネル削除モジュール181、および新しいトンネルを構成するトンネル構成モジュール185などの複数のモジュールを含む。複数のモジュールから構成されたHAckメッセージ処理部18がHAckメッセージを処理する例については、図4を参照しながら後で詳しく説明する。
【0026】
制御部19はMAGの各ユニットとモジュールに対して制御を行う。具体的には、移動端末4が旧MAGから新MAGにハンドオーバしようとすることを検知した場合、またはハンドオーバ開始メッセージ(例えば、図5に示すHO Initiateメッセージ)を受信した場合、制御部19は、HIメッセージ構成部16を呼び出してHIメッセージを構成し、ネットワークインターフェース10を呼び出して当該HIメッセージを新MAGに送信する。ネットワークインターフェース10を介して外部からのHIメッセージを受信した場合、制御部19は、HIメッセージ処理部14を呼び出して当該HIメッセージを処理し、当該HIメッセージに返信するHAckメッセージを構成する。ネットワークインターフェース10を介してHAckメッセージを受信した場合は、HAckメッセージ処理部18を呼び出してHAckメッセージを処理する。
【0027】
以下、図2Bを参照しながら図2Aに示したMAGの中のトンネル記録データベース151に記憶されているトンネル記録テーブル1511について詳しく説明する。図2Bは本発明のMAGの中のトンネル記録データベースを示す図である。
【0028】
図2Bに示すように、トンネル記録データベース151にトンネル記録テーブル1511が記憶されており、当該トンネル記録テーブル1511には、シーケンス番号15111、MNアドレス15113、宛先アドレス15115、および有効期間15117のようなフィールドが含まれている。そのうち、シーケンス番号15111は当該記録のデータベースにおけるシーケンス番号、MNアドレス15113は移動端末4のアドレス、宛先アドレス15115は移動端末4がハンドオーバした新MAGのアドレス、有効期間15117は当該記録の有効時間、をそれぞれ示す。
【0029】
次に、図3Aと図3Bを参照しながらHIメッセージとHAckメッセージのフォーマットについて詳しく説明する。図3Aは本発明のHIメッセージのフォーマットを示す図で、図3Bは本発明のHAckメッセージのフォーマットを示す図である。
【0030】
図3Aに示すように、M100はHIメッセージのフォーマットであり、送信元M101、宛先アドレスM102、種別M104、長さM106、および移動端末アドレスM108のようなフィールドを含む。そのうち、送信元M101は当該メッセージを送信したMAGのアドレス、宛先アドレスM102は当該メッセージを送信する宛先のアドレス、種別M104は当該メッセージの種別、をそれぞれ示す。ここのメッセージの種別はHIメッセージである。長さM106は当該メッセージの長さを示し、移動端末アドレスM108にはハンドオーバ先のMAGの移動端末のアドレスが記録されている。
【0031】
図3Bに示すように、M200はHAckメッセージのフォーマットであり、送信元アドレスM201、宛先アドレスM202、種別M204、長さM206、および移動端末アドレスM208のようなフィールドを含む。そのうち、送信元アドレスM201は当該メッセージを構成したMAGのアドレス、宛先アドレスM202は当該メッセージが送信される宛先のアドレス、種別M204は当該メッセージの種別、をそれぞれ示す。ここのメッセージの種別はHAckメッセージである。長さM206は当該メッセージの長さを示し、移動端末アドレスM208は送信されたHIメッセージの中の移動端末アドレスM108をコピーしたものである。
【0032】
以下、図4を参照しながら移動端末がMAGをハンドオーバするときに、HAckメッセージの処理プロセスの一例について説明する。図4は本発明のMAGによるHAckメッセージの処理を示すフローチャートである。
【0033】
図4に示すように、MAGのHI/HAckメッセージ受信モジュール101は定期的に種々のメッセージを繰り返して受信する(ステップF101)。HI/HAckメッセージ受信モジュール101がHAckメッセージを受信した後に(ステップF102)、HAckメッセージ処理部18は当該HAckメッセージの処理を開始する。先ず、当該HAckメッセージの中の移動端末アドレスを抽出し、その後トンネルチェックモジュール181は旧MAGと新MAG以外の他のMAGとの間に当該移動端末のためのトンネルがすでに確立済みであるか否かをチェックする(ステップF103)。トンネルチェックモジュール181はトンネルがすでに確立済みであることを検出した場合、トンネル削除モジュール183は当該トンネルを削除する(ステップF104)。その後、トンネル構成モジュール185は当該移動端末のために旧MAGから新MAGまでのトンネルを確立する。トンネルチェックモジュール181はトンネルが確立済みでないことを検出した場合、トンネル構成モジュール185は直接旧MAGから新MAGまでのトンネルを確立する(ステップF106)
【0034】
以下、図5を参照しながら本発明の移動端末がMAGを高速ハンドオーバするときのMAGの具体的なプロセスについて説明する。図5は本発明のMAGによる高速ハンドオーバの制御を示すシグナリングフローチャートである。
【0035】
図5に示すように、先ず、移動端末4は旧MAGを介してデータを送受信する(S101)。
【0036】
移動端末4は、自分が旧MAGであるMAG11のネットワークカバー範囲から新MAGであるMAG12のネットワークカバー範囲へ移動しようとすることを検知した場合、新MAG12のアドレス情報が含まれているハンドオーバ開始(HOInitiate)メッセージを旧MAG11に送信する(S102)。
【0037】
旧MAG11が当該ハンドオーバ開始メッセージを受信した後に、旧MAG11のHIメッセージ構成部16はHIメッセージを構成して、移動端末4のアドレス情報が含まれている当該HIメッセージを新MAG12に送信する(S103)。
【0038】
新MAG12がHI/HAckメッセージ受信モジュール101を介して旧MAG11からのHIメッセージを受信した後に、HIメッセージ処理部14は当該HIメッセージを処理し、HAckメッセージ構造モジュール141は当該HIメッセージに返信するHAckメッセージを構成し、その後HI/HAckメッセージ送信モジュール103を介してHAckメッセージを旧MAG11に返信する(S105)。
【0039】
旧MAG11がHI/HAckメッセージ受信モジュール101を介して新MAG12から返信されたHAckメッセージを受信した後に、トンネルチェックモジュール181は旧MAG11とその他のMAG(ここではMAG13)との間に移動端末4のためのトンネルがすでに確立済みであるか否かをチェックする。この場合、トンネルが確立済みでなかったため、トンネル構成モジュール185は直接旧MAG11から新MAG12までのトンネルを確立する(S107)。このように、移動端末4は新MAG12にハンドオーバした後に、旧MAG11と新MAG12との間のトンネルを通じて引き続きデータを伝送することができる。
【0040】
次に、移動端末4がまたMAG12のネットワークカバー範囲からMAG13のネットワークカバー範囲へ移動しようとすることを検知した場合、このとき、MAG13は新MAGで、移動端末4は新MAG13のアドレスが含まれているハンドオーバ開始メッセージを旧MAG11に送信する(S109)。
【0041】
旧MAG11が移動端末4の新MAG13にハンドオーバしようとすることを示すハンドオーバ開始メッセージを受信した場合、旧MAG11のHIメッセージ構成部16はHIメッセージを構成して移動端末4のアドレス情報が含まれているHIメッセージを新MAG13に送信する(S110)。
【0042】
新MAG13がHI/HAckメッセージ受信モジュール101を介して旧MAG11からのHIメッセージを受信した後に、HIメッセージ処理部14は当該HIメッセージを処理し、HAckメッセージ構成モジュール141は当該HIメッセージに返信するHAckメッセージを構成し、その後HI/HAckメッセージ送信モジュール103を介して旧MAG11にHAckメッセージを返信する(S111)。
【0043】
旧MAG11がHI/HAckメッセージ受信モジュール101を介して新MAG13から返信されたHAckメッセージを受信した後に、トンネルチェックモジュール181は、旧MAG11とその他のMAG(ここではMAG12)との間に当該移動端末4のためのトンネル、即ち余分なトンネルがすでに確立済みであるか否かをチェックする(S113)。この場合、旧MAG11とMAG12との間に当該移動端末4のためのトンネルがすでに確立済みであることが検出されたため、トンネル削除モジュール183は旧MAG11からMAG12までのトンネルを削除し(S113)、トンネル構成モジュール185は新たに旧MAG11からMAG13までのトンネルを確立する(S115)。
【0044】
移動端末4が新MAG13ネットワークにハンドオーバした後には旧MAG11と新MAG13の間のトンネルを介してデータの伝送を継続することができる(S117)。
【0045】
このように、移動端末が複数のMAGネットワークの間で高速移動(高速ハンドオーバ)するときにも高速ハンドオーバが実現できる同時に、移動予測の失敗による余分なトンネルの確立を防止し、ネットワークリソースの無駄を減少することができる。
〈ローカルモビリティアンカーLMAの構造〉
【0046】
本実施形態においては、ローカルモビリティアンカーLMAを改良し、その機能を拡張した。以下、図6Aを参照しながら本発明のLMAの構造について説明する。図6Aは本発明のLMAの構成を示すブロック図である。
【0047】
図6Aに示すように、LMA2はネットワークインターフェース20、HON(ハンドオーバ通知:Handover Notification)メッセージ処理部24、記憶部25、HOF(ハンドオーバ完了:Handover Finish)メッセージ処理部26、バス27、および制御部29を含む。
【0048】
ネットワークインターフェース20は種々のメッセージを送受信し、HON/HOFメッセージ受信モジュール201とTD(トンネル削除:Tunnel Delete)メッセージ送信モジュール203を含む。HON/HOFメッセージ受信モジュール201は外部からのハンドオーバを通知するHONメッセージ、ハンドオーバが終了したことを示すHOFメッセージを受信する。TDメッセージ送信モジュール203は余分なトンネルを削除したことを示すTDメッセージを送信する。HONメッセージ、HOFメッセージ、およびTDメッセージのフォーマットについては、図7Aと図7Bを参照しながら後で詳しく説明する。
【0049】
HONメッセージ処理部24はネットワークインターフェース20を介して受信したHONメッセージを処理し、処理するときに、HONメッセージ処理部24に含まれているマルチキャストハンドオーバ記録モジュール241を呼び出して受信したマルチキャストハンドオーバに関する情報を記録する。
【0050】
記憶部25は、ハードディスク、フラッシュカード、ROM、RAMなどのメモリデバイスから構成され、記憶部25の中にはマルチキャストハンドオーバデータベース251が記憶され、当該マルチキャストハンドオーバデータベース251には受信したマルチキャストハンドオーバに関するメッセージを記録したマルチキャストハンドオーバ記録テーブル2511が記憶されている。マルチキャストハンドオーバ記録テーブル2511の具体的な内容については、図6Bを参照しながら後で詳しく説明する。
【0051】
HOFメッセージ処理部26はネットワークインターフェース20を介して受信したHOFメッセージを処理し、マルチキャストハンドオーバチェックモジュール261、TDメッセージ構成モジュール263、およびマルチキャストハンドオーバ記録更新モジュール265を含む。HOFメッセージを処理するときに、マルチキャストハンドオーバチェックモジュール261はマルチキャストハンドオーバデータベース251に複数のHOFメッセージの中の移動端末に関するマルチキャストハンドオーバ記録が記憶されているか否かをチェックする。複数の記録が存在する場合は、TDメッセージ構成モジュール263を呼び出してTDメッセージを構成し、その後TDメッセージ送信モジュール203を介して関連MAGに当該TDメッセージを送信する。その後、マルチキャストハンドオーバ記録更新モジュール265を呼び出してマルチキャストハンドオーバデータベース251の中の当該移動端末のマルチキャストハンドオーバ記録を更新する。
【0052】
制御部29はLMAの各ユニットとモジュールを制御する。
【0053】
以下、図6Bを参照しながら図6Aに示したLMAの中のマルチキャストハンドオーバ記録データベース251に記憶されているマルチキャストハンドオーバ記録テーブル2511について詳しく説明する。図6Bは本発明のLMAにおけるマルチキャストハンドオーバ記録データベースを示す図である。
【0054】
図6Bに示すように、マルチキャストハンドオーバ記録データベース251にマルチキャストハンドオーバ記録テーブル2511が記録されている。マルチキャストハンドオーバ記録テーブル2511には、シーケンス番号25111、MNアドレス25113、新MAGアドレス25115、マルチキャストアドレス25117、旧MAGアドレス25119、および状態フラグ25121を含む。そのうち、シーケンス番号25111は当該記録のマルチキャストハンドオーバ記録データベース251におけるシーケンス番号、MNアドレス25113はハンドオーバする移動端末のアドレス、新MAGアドレス25115は新MAGのアドレス、マルチキャストアドレス25117は当該移動端末の加入しているマルチキャストグループ、旧MAGアドレス25119は旧MAGのアドレス、状態フラグ25121は受信したハンドオーバ通知の種別がHONかそれともHOFか、をそれぞれ示す。
【0055】
次に、図7Aと図7Bを参照しながらHONメッセージ、HOFメッセージ、及びTDメッセージのフォーマットについて詳しく説明する。図7Aは本発明のHONメッセージとHOFメッセージのフォーマットを示す図であり、図7Bは本発明のTDメッセージのフォーマットを示す図である。
【0056】
図7Aに示すように、M400はHONメッセージとHOFメッセージのフォーマットであり、送信元アドレスM401、宛先アドレスM402、種別M404、長さM406、MNアドレスM408、マルチキャストアドレスM410、旧MAGアドレス412、および状態フラグM414のようなフィールドを含む。そのうち、送信元アドレスM401は新MAGのアドレス、宛先アドレスM402はLMAのアドレス、種別M404は当該メッセージの種別がHONとHOFメッセージを含むマルチキャストハンドオーバメッセージであること、長さM406は当該メッセージの長さ、MNアドレスM408はハンドオーバしようとする移動端末のアドレス、マルチキャストアドレスM410はハンドオーバしようとする移動端末が加入しているマルチキャストグループのアドレス、旧MAGアドレス412はハンドオーバする前の旧MAGのアドレス、状態フラグM414は移動端末のハンドオーバ状態、をそれぞれ示す。状態フラグM414が「0」の場合はハンドオーバしようとすることを表し、当該メッセージ種別がHONメッセージであることを示し、「1」の場合はハンドオーバ完了を表し、当該メッセージ種別がHOFメッセージであることを示す。
【0057】
図7Bに示すように、M600はTDメッセージのフォーマットであり、送信元アドレスM601、宛先アドレスM602、種別M604、長さM606、MNアドレスM610、マルチキャストアドレスM612、および旧MAGアドレス614を含む。そのうち、送信元アドレスM601はLMAのアドレス、宛先アドレスM602は新MAGのアドレス、種別M604は当該メッセージの種別がTDメッセージであること、長さM606は当該メッセージの長さ、MNアドレスM610は移動端末のアドレス、マルチキャストアドレスM612は移動端末が加入しているマルチキャストグループのアドレス、旧MAGアドレス614はハンドオーバする前のMAGのアドレス、をそれぞれ示す。
【0058】
以下、図8を参照しながら本発明のLMAによる高速ハンドオーバの具体的なプロセスについて説明する。図8は本発明のLMAによる高速ハンドオーバの制御を示すシグナリングフローチャートである。
【0059】
図8に示すように、先ず、移動端末4は旧MAG11と接続し、旧MAG11を介してデータを受送信する(S201)。
【0060】
移動端末4は自分が旧MAG11ネットワークのカバー範囲から新MAG12ネットワークのカバー範囲へ移動しようとすることを検知した際に、目標MAG12のアドレス情報が含まれているハンドオーバ開始(HO Initiate)メッセージを旧MAG11に送信する(S202)。旧MAG11は当該ハンドオーバ開始メッセージを受信した後に、移動端末4のアドレスとマルチキャストグループ情報が含まれているHI情報を新MAG12に送信する(S203)。新MAG12はHIメッセージを受信した後に、旧MAG11にHAckメッセージを返信し(S205)、同時に、LMA2にHON(ハンドオーバ通知)メッセージを送信し(S206)、当該移動端末4がMAG12のネットワークにハンドオーバしようとすることをLMA2に通知する。LMA2のHON/HOFメッセージ受信モジュール201がMAG12からのHONメッセージを受信した後に、マルチキャストハンドオーバ記録モジュール241はHONメッセージに含まれているマルチキャストハンドオーバ情報をマルチキャストハンドオーバデータベース251の中のマルチキャストハンドオーバ記録テーブル2511に記録する。旧MAG11は新MAG12から送信されたHAckメッセージを受信した後に、移動端末4のために旧MAG11から新MAG12までのトンネルを確立する(S207)。
【0061】
次に、移動端末4はまたMAG13にハンドオーバしようとすることを検知したため、ハンドオーバ開始メッセージを旧MAG11に送信する(S209)。旧MAG11は新MAG13にHIメッセージを送信する(S210)。新MAG13はHIメッセージを受信した後に、MAG11にHAckメッセージを返信し(S211)、同時に、HONメッセージをLMA2に送信する(S213)。LMA2のマルチキャストハンドオーバ記録モジュール241はHON/HOFメッセージ受信モジュール201を介して受信したMAG13からのHONメッセージに含まれているマルチキャストハンドオーバ情報をマルチキャストハンドオーバデータベース251の中のマルチキャストハンドオーバ記録テーブル2511に記録する。旧MAG11はHAckメッセージを受信した後に、移動端末4のために旧MAG11から新MAG13までのトンネルを確立する(S214)。
【0062】
そのあと、移動端末4は再びMAG14にハンドオーバしようとすることを検知したため、ハンドオーバ開始メッセージを旧MAG11に送信する(S215)。旧MAG11は新MAG14にHIメッセージを送信する(S216)。新MAG14はHIメッセージを受信した後に、MAG11にHAckメッセージを返信し(S217)、同時に、HONメッセージをLMA2に送信する(S218)。LMA2のマルチキャストハンドオーバ記録モジュール241はHON/HOFメッセージ受信モジュール201を介して受信したMAG14からのHONメッセージに含まれているマルチキャストハンドオーバ情報をマルチキャストハンドオーバデータベース251の中のマルチキャストハンドオーバ記録テーブル2511に記録する。旧MAG11はHAckメッセージを受信した後に、移動端末4のために旧MAG11から新MAG14までのトンネルを確立する(S219)。
【0063】
移動端末4が新MAG14に接続した後に、MAG14はHOFメッセージをLMA2に送信して(S220)、ハンドオーバ済みであることを移動端末4に通知する。LMA2のネットワークインターフェース20のHON/HOFメッセージ受信モジュール201がHOFメッセージを受信した後に、HOFメッセージ処理部26のマルチキャストハンドオーバチェックモジュール261はマルチキャストハンドオーバデータベース251に複数のHOFメッセージの中の移動端末に関するマルチキャストハンドオーバ記録が記憶されているか否かをチェックする。即ち、余分なトンネルがあるか否かをチェックする。この場合、MAG11からMAG12まで、MAG11からMAG13まで、MAG11からMAG14までのトンネルが三つ存在するため、TDメッセージ構成モジュール263はMAG11からMAG12まで、MAG11からMAG13までの二本の余分なトンネルを削除するTDメッセージを構成してMAG13にTDメッセージを送信し(S221)、同時にMAG12にTDメッセージを送信して(S222)、余分なトンネルを削除するように関連MAGにそれぞれ通知する。その後、マルチキャストハンドオーバ記録更新モジュール265はマルチキャストハンドオーバデータベース251の中の当該移動端末4のマルチキャストハンドオーバ記録を更新する。
【0064】
このように、移動端末4は旧MAG11と新MAG14の間に確立されたトンネルを通じてデータを送受信する。移動端末4は複数のMAGネットワークの間を高速に移動するときでも高速ハンドオーバを実現し、移動予測の失敗による余分なトンネルの確立を防止し、ネットワークのリソースの無駄を削減することができる。
〈信号強度報告付きのプロキシモバイルIPv6システムの構造〉
【0065】
先ず、図9を参照しながら本発明のプロキシモバイルIPv6システムのもう一つの例について説明する。図9は本発明の基地局の信号強度を利用して、LMAにより高速ハンドオーバを制御するシステムの配置図である。
【0066】
図9に示すように、当該システムは、MAG11、MAG12、MAG13、LMA32、コアネットワーク3、移動端末4、および基地局51、52、53を含む。モバイルアクセスゲートウェイMAG、ローカルモビリティアンカーLMA、および移動端末MNの定義などの詳細についてはプロキシモバイルIPv6プロトコルを参照できるので、ここでは説明を省略する。
【0067】
MAG11、MAG12、MAG13はそれぞれ基地局51、52、53を介して移動端末4に下りアクセスし、ネットワークを介して移動端末4、基地局、および自分以外の他のMAGと通信を行なう。MAGは移動端末4のIP移動を管理し、移動端末4の代わりに移動に関するシグナリングを送信するが、移動端末4は移動に関するシグナリングの送信には関与しない。LMA32はMAG11、MAG12、MAG13に下りアクセスし、移動端末4のホームエージェントであり、コアネットワーク3を介してお互いに接続する。
〈信号強度報告付きのローカルモビリティアンカーLMAの構造〉
【0068】
本発明において、ローカルモビリティアンカーLMAを改良し、その機能を拡張した。以下、図10Aを参照しながら本発明の信号強度報告付きのLMAの構造について説明する。図10Aは本発明の基地局の信号強度を利用して高速ハンドオーバを制御するLMAの構成を示すブロック図である。
【0069】
図10Aに示すように、LMA32はネットワークインターフェース30、HONメッセージ処理部24、記憶部35、HOFメッセージ処理部26、バス27、制御部29、およびネットワーク状態メッセージ処理部38を含む。図6Aと比較すると、HONメッセージ処理部24、HOFメッセージ処理部26、バス27はほぼ同じであるため、ここではこれらのユニットについて説明を省略する。
【0070】
ネットワークインターフェース30はHON/HOFメッセージ受信モジュール201、TDメッセージ送信モジュール203、およびネットワーク状態メッセージ受信モジュール305を含む。図6Aと同様に、HON/HOFメッセージ受信モジュール201は外部からのHONとHOFメッセージを受信し、TDメッセージ送信モジュール203は余分なトンネルの削除メッセージを送信する。ネットワーク状態メッセージ受信モジュール305は外部からのネットワーク状態を表すネットワーク状態メッセージを受信する。HIメッセージ、HONメッセージ、HOFメッセージ、およびネットワーク状態メッセージのフォーマットについては、図11A〜図11Cを参照しながら後で詳しく説明する。
【0071】
記憶部35はハードディスク、フラッシュカード、ROM、RAMなどのメモリデバイスから構成され、記憶部35の中にはマルチキャストハンドオーバデータベース351が記憶され、当該ルチキャストハンドオーバデータベース351には受信したマルチキャストハンドオーバに関するメッセージを記録したマルチキャストハンドオーバ記録テーブル35111が記憶されている。マルチキャストハンドオーバ記録テーブル35111に関する具体的な内容については図10Bを参照しながら後で詳しく説明する。
【0072】
ネットワーク状態メッセージ処理部38はネットワーク状態メッセージ受信モジュール305を介して受信したネットワーク状態メッセージを処理し、ネットワーク状態メッセージに含まれている信号強度に関する情報をチェックし、当該信号強度が予め決められた閾値より低い場合、TDメッセージ構成モジュール263はTDメッセージを構成して、TDメッセージ送信モジュール203を介して関連MAGにTDメッセージを送信する。
【0073】
以下、図10Bを参照しながら図10Aに示すLMAにおけるマルチキャストハンドオーバ記録データベース351について詳しく説明する。図10Bは本発明の基地局の信号強度を利用して高速ハンドオーバを制御するLMAにおけるマルチキャストハンドオーバ記録データベースを示す図である。
【0074】
図10Bに示すように、マルチキャストハンドオーバ記録データベース351にマルチキャストハンドオーバテーブル3511が記憶され、当該マルチキャストハンドオーバテーブル3511には、シーケンス番号25111、MNアドレス23113、新MAGアドレス25115、マルチキャストアドレス25117、旧MAGアドレス25119、状態フラグ25121、および信号強度25123のようなフィールドを含む。図6Bのマルチキャストハンドオーバテーブル2511に含まれているフィールドと比較すると、信号強度25123が増えている。信号強度25123は移動端末によって検知された基地局の信号強度を示す。
【0075】
次に、図11A〜図11Cを参照しながらHIメッセージ、HONメッセージ、HOFメッセージ、およびネットワーク状態メッセージのフォーマットについて詳しく説明する。図11Aは本発明の基地局の信号強度を利用して高速ハンドオーバを制御する時のHIメッセージのフォーマットを示す図である。図11Bは本発明の基地局の信号強度を利用して高速ハンドオーバを制御する時のHONメッセージ/HOFメッセージのフォーマット示す図である。図11Cは本発明の基地局の信号強度を利用して高速ハンドオーバを制御する時のネットワーク状態メッセージのフォーマット示す図である。
【0076】
図11Aに示すように、M1100はHIメッセージのフォーマットであり、図3Aに示すHIメッセージのフォーマットM100と比較すると、信号強度M109が増えている。信号強度M109は移動端末4によって検出された基地局の信号強度を記録する。
【0077】
図11Bに示すように、M1400はHON/HOFメッセージのフォーマットを示し、図7Aに示すHON/HOFメッセージのフォーマットM400と比較すると、信号強度M415が増えている。信号強度M415は移動端末4によって検出された基地局の信号強度を記録する。
【0078】
図11Cに示すように、M500はネットワーク状態メッセージのフォーマットであり、送信元アドレスM501、宛先アドレスM502、種別M504、長さM506、MNアドレスM508、および信号強度M509を含む。そのうち、送信元アドレスM501は送信元のアドレス、宛先アドレスM502は受信側のアドレス、種別M504は当該メッセージの種別がネットワーク状態メッセージであること、長さM506は当該メッセージの長さ、およびMNアドレスM508は移動端末のアドレス、をそれぞれ示し、信号強度M509は移動端末によって検出された基地局の信号強度を記録する。
【0079】
次に、図12を参照しながら信号強度報告付きのネットワーク状態メッセージのシステムにおける伝送状況について説明する。図12は本発明の基地局の信号強度を利用して高速ハンドオーバを制御する時のネットワーク状態を示すシグナリングフローチャートである。
【0080】
図12に示すように、移動端末4によって検知された基地局の信号強度を含むネットワーク状態メッセージを移動端末4がMAG11に送信して、現在の基地局の信号強度を報告した(S301)場合、MAG11は移動端末4からのネットワーク状態メッセージをLMA32に転送する(S302)。移動端末4が新MAG12にネットワーク状態メッセージを送信して、目標基地局の信号強度を報告した(S303)場合、MAG12は移動端末4からのネットワーク状態メッセージをLMA32に転送する(S304)。
【0081】
次に、図13を参照しながら本発明の信号強度報告付きのLMAによるネットワーク状態メッセージを処理するプロセスについて説明する。図13は本発明のLMAによるネットワーク状態メッセージの処理を示すフローチャートである。
【0082】
図13に示すように、LMA32のネットワーク状態メッセージ受信モジュール305はメッセージを受信し(F202)、ネットワーク状態メッセージ受信モジュール305がネットワーク状態メッセージを受信した後に(F203)、ネットワーク状態メッセージ処理部38は当該メッセージを処理し、当該メッセージから移動端末によって検知された基地局の信号強度を抽出し、当該信号強度が予め決められた閾値より低いか否かをチェックする(F204)。閾値より低い場合、TDメッセージ構成モジュール263はTDメッセージを構成し、当該TDメッセージを関連MAGに送信して(F204)、当該移動端末のために確立したトンネルを削除するように当該MAGに通知する。
【0083】
以下、図14を参照しながら本発明のLMAによる高速ハンドオーバの具体的なプロセスについて説明する。図14は本発明の基地局の信号強度を利用してLMAにより高速ハンドオーバを制御するシグナリングフローチャートである。
【0084】
図14に示すように、移動端末4は旧MAG11と接続し、旧MAG11を介してデータを送受信する(S401)。移動端末4が新MAG12ネットワークに移動しようとすることを検知した場合、目標MAG12のアドレス情報が含まれているハンドオーバ開始メッセージ(HO Initiate)を旧MAG11に送信する(S402)。旧MAG11はハンドオーバ開始メッセージを受信した後に、移動端末のアドレス情報とマルチキャストグループ情報が含まれているHIメッセージを新MAG12に送信する(S403)。新MAG12はHIメッセージを受信し後に、旧MAG11にHAckメッセージを返信し(S405)、同時にHON(ハンドオーバ通知)メッセージをLMA32に送信して(S406)、LMA32に当該移動端末がMAG12のネットワークにハンドオーバしようとすることを通知する。旧MAG11はHAckメッセージを受信した後に、新MAGまでのトンネルを確立する(S407)。
【0085】
そのあと、移動端末4はMAG13にハンドオーバしようとすることを検知した場合、ハンドオーバ開始メッセージを旧MAG11に送信する(S409)。旧MAG11はHIメッセージを新MAG13に送信する(S410)。新MAG13はHIメッセージを受信した後に、旧MAG11にHAckメッセージを返信し(S411)、同時にHONメッセージをLMA32に送信する(S413)。旧MAG11はHAckメッセージを受信した後に、新MAG13までのトンネルを確立する(S414)。
【0086】
次に、移動端末4はネットワーク状態メッセージをMAG11に送信し(S415)、検出された基地局の信号強度を報告する。MAG11は移動端末4からのネットワーク状態メッセージをLMA32に転送する(S416)。LMA32のネットワーク状態メッセージ受信モジュール305が当該ネットワーク状態メッセージを受信した後に、ネットワーク状態メッセージ処理部38は受信したネットワーク状態メッセージの中の信号強度を抽出し、このとき当該信号強度が予め決められた閾値より低いことが検出された場合、TDメッセージ構成モジュール263はTDメッセージを構成して、TDメッセージをMAG12に送信し(S417)、MAG11とMAG12の間のトンネルを削除するように通知し、マルチキャストハンドオーバ記録更新モジュール265はマルチキャストハンドオーバデータベース351の中の当該移動端末のマルチキャストハンドオーバ記録を更新する。
【0087】
次に、移動端末4はMAG14にハンドオーバしようとすることを検知し、ハンドオーバ開始メッセージを旧MAG11に送信する(S418)。旧MAG11はHIメッセージを新MAG14に送信する(S419)。新MAG14はHIメッセージを受信した後に、HAckメッセージを旧MAG11に返信し(S420)、同時に、HONメッセージをLMA32に送信する(S421)。旧MAG11はHAckメッセージを受信した後に、新MAG14までのトンネルを確立する(S422)。
【0088】
移動端末が新MAG14に接続した後に、MAG14はHOFメッセージをLMA32に送信し(S423)、ハンドオーバ済みであることを移動端末4に通知する。LMA32はマルチキャストハンドオーバ記録データベース251をチェックし、余分なトンネルが見つかったため、TD(トンネル削除)メッセージをMAG13に送信して(S424)、余分なトンネルを削除するように通知し、マルチキャストハンドオーバ記録更新モジュール265はマルチキャストハンドオーバデータベース251の中の当該移動端末のマルチキャストハンドオーバ記録を更新する。移動端末4は新MAG14を介してデータを送受信する。
【0089】
以上、本発明に係る実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の発明趣旨の範囲内でさらに様々な変形と拡張を行い、または構造の削除と組み合わせを行うことができる。
【0090】
例えば、本実施形態において、移動端末が複数のMAGの間で高速ハンドオーバを行うときに、MAGは移動端末から送信されたハンドオーバ開始メッセージによって当該移動端末がハンドオーバしようとすることを検知する。しかし、本発明はこれに限らず、当該移動端末と通信を行う基地局によって移動端末がMAGにハンドオーバしようとすることを示すメッセージをMAGに送信してもよい。もちろん、MAGはその他の周知の技術によって移動端末がMAGにハンドオーバするか否かをチェックしてもよい。
【0091】
実施形態において、IPv6プロトコルにおいて応用例を説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、IPv4などの様々な技術にも応用可能である。
【0092】
また、図2Aに示すMAGにおけるネットワークインターフェース10、HIメッセージ処理部14、HAckメッセージ処理部18などのユニットは複数の単一の機能を有するモジュールから構成されているが、本発明はこれに限らず、これらのユニットが一つのモジュールに統合されて種々の機能を実現してもよい。図6A、図10Aに示すLMAも同様である。
【0093】
また、図10Aに示すLMA32に対応して、MAGにネットワーク状態メッセージを送受信するモジュールを設置してもよい。
【0094】
また、図2Aに示すネットワークインターフェース10はHI/HAckメッセージ受信モジュール101と、HI/HAckメッセージ送信モジュール103を含むが、もちろんこれに限定されるものではなく、必要に応じてHAckメッセージ受信モジュールとHIメッセージ送信モジュール、またはHIメッセージ受信モジュールとHAckメッセージ送信モジュールのみを設置してもよい。図6Aと図10Aに示すネットワークインターフェース20も同様に設置してもよい。
【技術分野】
【0001】
本発明はモバイルアクセスゲートウェイ、ローカルモビリティアンカー、プロキシモバイルIPv6システム及びその高速ハンドオーバ方法に関し、特にプロキシモバイルIPv6システムにおいて移動端末の複数のセル周辺で高速ハンドオーバを実現するモバイルアクセスゲートウェイ、ローカルモビリティアンカー、システム及びその高速ハンドオーバ方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プロキシモバイルIPv6(Proxy Mobile IPv6(PMIPv6)(RFC5213))はネットワークに基づいたモバイル管理プロトコルであり、当該プロトコルでは、移動端末が移動に関するいかなるシグナリングの送信に関与しなくても、IP移動を実現できる。ネットワーク側が移動端末のIP移動を管理する。ネットワークにおけるモバイルプロキシは移動端末の代わりにホームエージェントにモバイルシグナリングを送信し、移動端末の移動を管理する。プロキシモバイルIPv6プロトコルにおいて、ローカルモビリティアンカー(Local Mobility Anchor(LMA))とモバイルアクセスゲートウェイ(Mobile Access Gateway(MAG))はそれぞれの移動端末のために、双方向のトンネルを確立して、データを転送する。プロキシモバイルIPv6プロトコルは3GPP、3GPP2、WiMAXのような複数の広域無線ネットワーク、及びローカル無線ネットワーク環境に用いられる。
【0003】
また、プロキシモバイルIPv6高速ハンドオーバプロトコル(Fast Handovers for Proxy Mobile IPv6,draft−ietf−mipshop−pfmipv6−13.txt)では、プロキシモバイルIPv6において移動端末が異なるアクセスネットワークの間でハンドオーバするときのハンドオーバ遅延を減少する方法が提案されている。移動端末が旧MAGから新MAGネットワークに移動する際に、新MAGがLMAへの移動端末のバインディング登録を済ませる前に、旧MAGと新MAGの間に双方向トンネルを確立することでデータを当該移動端末に転送する。
【0004】
しかしながら、移動端末が複数のMAGアクセスネットワークの周辺でハンドオーバするときに、移動予測が失敗する場合がある。即ち、最初は移動端末が新MAGにハンドオーバすると予測し、旧MAGと当該新MAGの間に双方向トンネルが確立されたが、移動端末が他の新MAGに高速ハンドオーバし、旧MAGと当該他の新MAGの間にも双方向トンネルが確立される。この場合、旧MAGと当該他の新MAGの間に確立された双方向トンネルが利用されるが、当該新MAGとの間に確立された双方向トンネルは利用されないため、利用されない余分なトンネルを形成してしまう問題点が存在し、したがって、ネットワークのリソースが無駄になってしてしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上述の問題点を解決するためになされたもので、余分なトンネルを減少し、ネットワークリソースの無駄を減少できる、モバイルアクセスゲートウェイ、ローカルモビリティアンカー、プロキシモバイルIPv6システム及びその高速ハンドオーバ方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の目的を実現するために、本発明による一つの技術案は、移動端末と複数の他のモバイルアクセスゲートウェイと通信を行うモバイルアクセスゲートウェイであって、メッセージを送受信するネットワークインターフェースと、ハンドオーバ開始メッセージを構成するハンドオーバ開始メッセージ構成部と、受信したハンドオーバ確認メッセージを処理するハンドオーバ確認メッセージ処理部と、を有し、前記移動端末が前記複数の他のモバイルアクセスゲートウェイ中の一つのモバイルアクセスゲートウェイにハンドオーバしようとすることを検知した場合、前記ハンドオーバ開始メッセージ構成部はハンドオーバ開始メッセージを構成し、前記ネットワークインターフェースを介して当該構成されたハンドオーバ開始メッセージを前記一つのモバイルアクセスゲートウェイに送信し、前記ネットワークインターフェースを介して前記一つのモバイルアクセスゲートウェイからのハンドオーバ確認メッセージを受信した後に、前記ハンドオーバ確認メッセージ処理部は前記モバイルアクセスゲートウェイと前記一つのモバイルアクセスゲートウェイ以外の他のモバイルアクセスゲートウェイとの間に前記移動端末のためのトンネルが確立済みであるか否かをチェックし、トンネルがすでに確立済みである場合は、当該トンネルを削除し、前記モバイルアクセスゲートウェイと前記一つのモバイルアクセスゲートウェイの間に当該移動端末のためのトンネルを確立することを特徴とする。
【0007】
本発明による他の技術案は、複数のモバイルアクセスゲートウェイと通信を行うローカルモビリティアンカーであって、メッセージを送受信するネットワークインターフェースと、受信したハンドオーバ完了メッセージを処理するHOFメッセージ処理部と、を有し、前記ネットワークインターフェースを介して複数のモバイルアクセスゲートウェイ中の一つのモバイルアクセスゲートウェイからの、当該一つのモバイルアクセスゲートウェイと複数のモバイルアクセスゲートウェイ中の他の一つのモバイルアクセスゲートウェイとの間に移動端末のためのトンネルが確立済みであることを示すハンドオーバ完了メッセージを受信した場合、前記HOFメッセージ処理部は当該他の一つのモバイルアクセスゲートウェイと当該一つのモバイルアクセスゲートウェイ以外の複数のモバイルアクセスゲートウェイとの間に前記移動端末のためのトンネル、即ち余分なトンネルがすでに確立済みであるか否かをチェックし、余分なトンネルがすでに確立済みである場合は、前記余分なトンネルを削除するトンネル削除メッセージを構成して、対応するモバイルアクセスゲートウェイに送信することを特徴とする。」
【0008】
本発明による他の技術案は、プロキシモバイルIPv6システムであって、ネットワークを介して通信を行うローカルモビリティアンカーと複数のモバイルアクセスゲートウェイと移動端末を含むものであって、前記モバイルアクセスゲートウェイは上述のようなモバイルアクセスゲートウェイであることを特徴とする。
【0009】
本発明による他の技術案は、移動端末及び複数の他のモバイルアクセスゲートウェイと通信を行うモバイルアクセスゲートウェイの高速ハンドオーバ方法であって、前記移動端末が前記複数の他のモバイルアクセスゲートウェイ中の一つのモバイルアクセスゲートウェイにハンドオーバしようとすることを検知した場合、ハンドオーバ開始メッセージを構成し、前記ネットワークインターフェースを介して当該構成されたハンドオーバ開始メッセージを前記一つのモバイルアクセスゲートウェイに送信し、前記ネットワークインターフェースを介して前記一つのモバイルアクセスゲートウェイからのハンドオーバ確認メッセージを受信した後に、前記モバイルアクセスゲートウェイと前記一つのモバイルアクセスゲートウェイ以外の他のモバイルアクセスゲートウェイとの間に前記移動端末のためのトンネルがすでに確立済みであるか否かをチェックし、トンネルが確立済みである場合は、当該トンネルを削除し、前記モバイルアクセスゲートウェイと前記一つのモバイルアクセスゲートウェイの間に当該移動端末のためのトンネルを確立することを特徴とする。
【0010】
本発明による他の技術案は、ローカルモビリティアンカーと複数のモバイルアクセスゲートウェイと通信を行うモバイルアクセスゲートウェイの高速ハンドオーバ方法であって、前記ローカルモビリティアンカーは、複数のモバイルアクセスゲートウェイ中の一つのモバイルアクセスゲートウェイからの、当該一つのモバイルアクセスゲートウェイと複数のモバイルアクセスゲートウェイ中の他の一つのモバイルアクセスゲートウェイとの間に移動端末のためのトンネルがすでに確立済みであることを示すハンドオーバ完了メッセージを受信した場合、当該他の一つのモバイルアクセスゲートウェイと当該一つのモバイルアクセスゲートウェイ以外の複数のモバイルアクセスゲートウェイとの間に前記移動端末のためのトンネル、即ち余分なトンネルがすでに確立済みであるか否かをチェックし、余分なトンネルがすでに確立済みである場合は、前記余分なトンネルの削除を示すトンネル削除メッセージを構成して、対応するモバイルアクセスゲートウェイに送信することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によると、旧MAGは、移動端末が新MAGネットワークにハンドオーバしようとすることを検知した場合、旧MAGは新MAGにハンドオーバ開始メッセージを送信し、新MAGはハンドオーバ確認メッセージを返信する。旧MAGがHAckメッセージを受信した後に、先ず当該移動端末のためのトンネルがすでに確立済みであるか否かをチェックし、トンネルが確立済みである場合は、当該トンネルを削除し、再び新MAGとトンネルを確立する。このため、移動端末が複数のMAGネットワークの間でハンドオーバする際に移動予測の失敗による余分なトンネルの確立を防止し、ネットワークリソースの無駄を減少することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の移動端末がMAGアクセスネットワークで高速ハンドオーバが可能なプロキシモバイルIPv6システムを示す配置図である。
【図2A】本発明のMAGの構成を示すブロック図である。
【図2B】本発明のMAGにおけるトンネル記録データベースを示す図である。
【図3A】本発明のハンドオーバ開始(HI)メッセージのフォーマットを示す図である。
【図3B】本発明のハンドオーバ確認(HAck)メッセージのフォーマットを示す図である。
【図4】本発明のMAGによるハンドオーバ確認(HAck)メッセージの処理を示すフローチャートである。
【図5】本発明のMAGによる高速ハンドオーバの制御を示すシグナリングフローチャートである。
【図6A】本発明のLMAの構成を示すブロック図である。
【図6B】本発明のLMAにおけるマルチキャストハンドオーバ記録データベースを示す図である。
【図7A】本発明のハンドオーバ通知(HON)メッセージとハンドオーバ完了(HOF)メッセージのフォーマットを示す図である。
【図7B】本発明のトンネル削除(TD)メッセージのフォーマットを示す図である。
【図8】本発明のLMAによる高速ハンドオーバの制御を示すシグナリングフローチャートである。
【図9】本発明の基地局の信号強度を利用してLMAにより高速ハンドオーバを制御するシステムの配置図である。
【図10A】本発明の基地局の信号強度を利用して高速ハンドオーバを制御するLMAの構成を示すブロック図である。
【図10B】本発明の基地局の信号強度を利用して高速ハンドオーバを制御するLMAにおけるマルチキャストハンドオーバ記録データベースを示す図である。
【図11A】本発明の基地局の信号強度を利用して高速ハンドオーバを制御する時のハンドオーバ開始(HI)メッセージのフォーマットを示す図である。
【図11B】本発明の基地局の信号強度を利用して高速ハンドオーバを制御する時のハンドオーバ通知(HON)メッセージ/ハンドオーバ完了(HOF)メッセージのフォーマットを示す図である。
【図11C】本発明の基地局の信号強度を利用して高速ハンドオーバを制御する時のネットワーク状態メッセージのフォーマットを示す図である。
【図12】本発明の基地局の信号強度を利用して高速ハンドオーバを制御する時のネットワーク状態を示すシグナリングフローチャートである。
【図13】本発明のLMAによるネットワーク状態メッセージの処理を示すフローチャートである。
【図14】本発明の基地局の信号強度を利用してLMAにより高速ハンドオーバを制御するシグナリングフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態について詳しく説明する。後述の実施形態は本発明の内容を説明する一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。
〈プロキシモバイルIPv6システムの構造〉
【0014】
先ず、図1を参照しながら本発明のプロキシモバイルIPv6システムについて説明する。図1は本発明の移動端末がMAGアクセスネットワークで高速ハンドオーバが可能なプロキシモバイルIPv6システムを示す配置図である。
【0015】
図1に示すように、システムはモバイルアクセスゲートウェイ(「MAG」と略称する)MAG11、MAG12、MAG13、ローカルモビリティアンカー(「LMA」と略称する)2、コアネットワーク(ネットワーク)3、および移動端末(「MN」と略称する)(移動端末)4を含む。そのうち、モバイルアクセスゲートウェイ、ローカルモビリティアンカー、および移動端末の定義などについてはプロキシモバイルIPv6プロトコルを参照できるので、ここでは説明を省略する。
【0016】
MAG11、MAG12、MAG13は移動端末4に下りアクセスし、ネットワークを介して移動端末4と自分以外の他のMAGと通信を行う。MAGは移動端末4のIP移動を管理し、移動端末4の代わりに移動に関するシグナリングを送信し、移動端末4は移動に関するシグナリングの送信に関与しない。LMA2はMAG11、MAG12、MAG13に下りアクセスし、移動端末4のホームエージェントであり、コアネットワーク3を介して互いに接続する。
【0017】
図1に点線で示すように、移動端末4がMAG11のネットワークカバー範囲からMAG12のネットワークカバー範囲へ移動し、その後またMAG13のネットワークカバー範囲へ移動する場合、MAG11(以下、「旧MAG」と称する)とMAG12またはMAG13(以下ではハンドオーバ先のMAGを「新MAG」または「目標MAG」と称する)の間にトンネルを確立して当該移動端末4のためにデータを転送する。
【0018】
〈モバイルアクセスゲートウェイMAGの構造〉
本実施形態において、MAGを改良し、MAGの機能を拡張した。以下、図2Aを参照しながら本発明のモバイルアクセスゲートウェイMAGの構造について説明する。図2Aは本発明のMAGの構造を示すブロック図である。
【0019】
図2Aに示すように、モバイルアクセスゲートウェイMAGはネットワークインターフェース10、HI(Handover Initiate:ハンドオーバ開始)メッセージ処理部14、記憶部15、HIメッセージ構成モジュール16、バス17、HAck(Handover Acknowledgement:ハンドオーバ確認)メッセージ処理部18、および制御部19を有する。
【0020】
ネットワークインターフェース10は外部の装置(LMA、その他のMAG、MNなど)と通信を行い、種々のメッセージを送受信する。ネットワークインターフェース10はHI/HAckメッセージ受信モジュール101とHI/HAckメッセージ送信モジュール103を含む。HI/HAckメッセージ受信モジュール101は外部から送信されるHIメッセージ、HAckメッセージを受信する。HI/HAckメッセージ送信モジュール103はHIメッセージ、HAckメッセージを送信する。HIメッセージとHAckメッセージのフォーマットについては図3Aと図3Bを参照しながら後で詳しく説明する。
【0021】
HIメッセージ処理部14はネットワークインターフェース10のHI/HAckメッセージ受信モジュール101を介して外部から受信したHIメッセージを処理し、HIメッセージ処理部14が有するHAckメッセージ構成モジュール141を呼び出して当該HIメッセージに返信するHAckメッセージを構成し、その後、ネットワークインターフェース10のHI/HAckメッセージ送信モジュール103を介して構成されたHAckメッセージを外部に送信する。
【0022】
記憶部15は、ハードディスク、フラッシュカード、ROM、RAMなどのメモリデバイスから構成され、その中にマルチキャストハンドオーバデータベース151が記憶され、当該マルチキャストハンドオーバデータベース151には受信したマルチキャストハンドオーバに関するメッセージを記録したマルチキャストハンドオーバ記録テーブル1511が記憶されている。マルチキャストハンドオーバ記録テーブル1511の具体的な内容については、図2Bを参照しながら後で詳しく説明する。
【0023】
HIメッセージ構成部16はHIメッセージを構成する。例えば、移動端末4がMAG11のネットワークカバー範囲からMAG12のネットワークカバー範囲へ移動する場合、モバイルアクセスゲートウェイMAG11は移動端末4がMAG11(旧MAG)からMAG12(新MAG)にハンドオーバしようとすることを検知した後に、HIメッセージ構成部16はHIメッセージを構成し、ネットワークインターフェース10のHI/HAckメッセージ送信モジュール103を経由して構成したHIメッセージをMAG12へ送信する。
【0024】
バス17はMAGの各ユニットとモジュールの間にデータを伝送する。
【0025】
HAckメッセージ処理部18はネットワークインターフェース10のHI/HAckメッセージ受信モジュール101を介して受信したHAckメッセージを処理する。HAckメッセージ処理部18がHAckメッセージを処理する際に、先ず当該HAckメッセージの中の移動端末のためのトンネルがすでに確立済みであるかをチェックする。トンネルが確立済みであることが検出された場合は、当該トンネルを削除し、その後旧MAGから新MAGまでのトンネルを構成する。トンネルが確立済みでないことが検出された場合は、直接旧MAGから新MAGまでのトンネルを構成する。HAckメッセージ処理部18は移動端末4のためのトンネルがすでに確立済みであるかをチェックするトンネルチェックモジュール181、確立済みの余分なトンネルを削除するトンネル削除モジュール181、および新しいトンネルを構成するトンネル構成モジュール185などの複数のモジュールを含む。複数のモジュールから構成されたHAckメッセージ処理部18がHAckメッセージを処理する例については、図4を参照しながら後で詳しく説明する。
【0026】
制御部19はMAGの各ユニットとモジュールに対して制御を行う。具体的には、移動端末4が旧MAGから新MAGにハンドオーバしようとすることを検知した場合、またはハンドオーバ開始メッセージ(例えば、図5に示すHO Initiateメッセージ)を受信した場合、制御部19は、HIメッセージ構成部16を呼び出してHIメッセージを構成し、ネットワークインターフェース10を呼び出して当該HIメッセージを新MAGに送信する。ネットワークインターフェース10を介して外部からのHIメッセージを受信した場合、制御部19は、HIメッセージ処理部14を呼び出して当該HIメッセージを処理し、当該HIメッセージに返信するHAckメッセージを構成する。ネットワークインターフェース10を介してHAckメッセージを受信した場合は、HAckメッセージ処理部18を呼び出してHAckメッセージを処理する。
【0027】
以下、図2Bを参照しながら図2Aに示したMAGの中のトンネル記録データベース151に記憶されているトンネル記録テーブル1511について詳しく説明する。図2Bは本発明のMAGの中のトンネル記録データベースを示す図である。
【0028】
図2Bに示すように、トンネル記録データベース151にトンネル記録テーブル1511が記憶されており、当該トンネル記録テーブル1511には、シーケンス番号15111、MNアドレス15113、宛先アドレス15115、および有効期間15117のようなフィールドが含まれている。そのうち、シーケンス番号15111は当該記録のデータベースにおけるシーケンス番号、MNアドレス15113は移動端末4のアドレス、宛先アドレス15115は移動端末4がハンドオーバした新MAGのアドレス、有効期間15117は当該記録の有効時間、をそれぞれ示す。
【0029】
次に、図3Aと図3Bを参照しながらHIメッセージとHAckメッセージのフォーマットについて詳しく説明する。図3Aは本発明のHIメッセージのフォーマットを示す図で、図3Bは本発明のHAckメッセージのフォーマットを示す図である。
【0030】
図3Aに示すように、M100はHIメッセージのフォーマットであり、送信元M101、宛先アドレスM102、種別M104、長さM106、および移動端末アドレスM108のようなフィールドを含む。そのうち、送信元M101は当該メッセージを送信したMAGのアドレス、宛先アドレスM102は当該メッセージを送信する宛先のアドレス、種別M104は当該メッセージの種別、をそれぞれ示す。ここのメッセージの種別はHIメッセージである。長さM106は当該メッセージの長さを示し、移動端末アドレスM108にはハンドオーバ先のMAGの移動端末のアドレスが記録されている。
【0031】
図3Bに示すように、M200はHAckメッセージのフォーマットであり、送信元アドレスM201、宛先アドレスM202、種別M204、長さM206、および移動端末アドレスM208のようなフィールドを含む。そのうち、送信元アドレスM201は当該メッセージを構成したMAGのアドレス、宛先アドレスM202は当該メッセージが送信される宛先のアドレス、種別M204は当該メッセージの種別、をそれぞれ示す。ここのメッセージの種別はHAckメッセージである。長さM206は当該メッセージの長さを示し、移動端末アドレスM208は送信されたHIメッセージの中の移動端末アドレスM108をコピーしたものである。
【0032】
以下、図4を参照しながら移動端末がMAGをハンドオーバするときに、HAckメッセージの処理プロセスの一例について説明する。図4は本発明のMAGによるHAckメッセージの処理を示すフローチャートである。
【0033】
図4に示すように、MAGのHI/HAckメッセージ受信モジュール101は定期的に種々のメッセージを繰り返して受信する(ステップF101)。HI/HAckメッセージ受信モジュール101がHAckメッセージを受信した後に(ステップF102)、HAckメッセージ処理部18は当該HAckメッセージの処理を開始する。先ず、当該HAckメッセージの中の移動端末アドレスを抽出し、その後トンネルチェックモジュール181は旧MAGと新MAG以外の他のMAGとの間に当該移動端末のためのトンネルがすでに確立済みであるか否かをチェックする(ステップF103)。トンネルチェックモジュール181はトンネルがすでに確立済みであることを検出した場合、トンネル削除モジュール183は当該トンネルを削除する(ステップF104)。その後、トンネル構成モジュール185は当該移動端末のために旧MAGから新MAGまでのトンネルを確立する。トンネルチェックモジュール181はトンネルが確立済みでないことを検出した場合、トンネル構成モジュール185は直接旧MAGから新MAGまでのトンネルを確立する(ステップF106)
【0034】
以下、図5を参照しながら本発明の移動端末がMAGを高速ハンドオーバするときのMAGの具体的なプロセスについて説明する。図5は本発明のMAGによる高速ハンドオーバの制御を示すシグナリングフローチャートである。
【0035】
図5に示すように、先ず、移動端末4は旧MAGを介してデータを送受信する(S101)。
【0036】
移動端末4は、自分が旧MAGであるMAG11のネットワークカバー範囲から新MAGであるMAG12のネットワークカバー範囲へ移動しようとすることを検知した場合、新MAG12のアドレス情報が含まれているハンドオーバ開始(HOInitiate)メッセージを旧MAG11に送信する(S102)。
【0037】
旧MAG11が当該ハンドオーバ開始メッセージを受信した後に、旧MAG11のHIメッセージ構成部16はHIメッセージを構成して、移動端末4のアドレス情報が含まれている当該HIメッセージを新MAG12に送信する(S103)。
【0038】
新MAG12がHI/HAckメッセージ受信モジュール101を介して旧MAG11からのHIメッセージを受信した後に、HIメッセージ処理部14は当該HIメッセージを処理し、HAckメッセージ構造モジュール141は当該HIメッセージに返信するHAckメッセージを構成し、その後HI/HAckメッセージ送信モジュール103を介してHAckメッセージを旧MAG11に返信する(S105)。
【0039】
旧MAG11がHI/HAckメッセージ受信モジュール101を介して新MAG12から返信されたHAckメッセージを受信した後に、トンネルチェックモジュール181は旧MAG11とその他のMAG(ここではMAG13)との間に移動端末4のためのトンネルがすでに確立済みであるか否かをチェックする。この場合、トンネルが確立済みでなかったため、トンネル構成モジュール185は直接旧MAG11から新MAG12までのトンネルを確立する(S107)。このように、移動端末4は新MAG12にハンドオーバした後に、旧MAG11と新MAG12との間のトンネルを通じて引き続きデータを伝送することができる。
【0040】
次に、移動端末4がまたMAG12のネットワークカバー範囲からMAG13のネットワークカバー範囲へ移動しようとすることを検知した場合、このとき、MAG13は新MAGで、移動端末4は新MAG13のアドレスが含まれているハンドオーバ開始メッセージを旧MAG11に送信する(S109)。
【0041】
旧MAG11が移動端末4の新MAG13にハンドオーバしようとすることを示すハンドオーバ開始メッセージを受信した場合、旧MAG11のHIメッセージ構成部16はHIメッセージを構成して移動端末4のアドレス情報が含まれているHIメッセージを新MAG13に送信する(S110)。
【0042】
新MAG13がHI/HAckメッセージ受信モジュール101を介して旧MAG11からのHIメッセージを受信した後に、HIメッセージ処理部14は当該HIメッセージを処理し、HAckメッセージ構成モジュール141は当該HIメッセージに返信するHAckメッセージを構成し、その後HI/HAckメッセージ送信モジュール103を介して旧MAG11にHAckメッセージを返信する(S111)。
【0043】
旧MAG11がHI/HAckメッセージ受信モジュール101を介して新MAG13から返信されたHAckメッセージを受信した後に、トンネルチェックモジュール181は、旧MAG11とその他のMAG(ここではMAG12)との間に当該移動端末4のためのトンネル、即ち余分なトンネルがすでに確立済みであるか否かをチェックする(S113)。この場合、旧MAG11とMAG12との間に当該移動端末4のためのトンネルがすでに確立済みであることが検出されたため、トンネル削除モジュール183は旧MAG11からMAG12までのトンネルを削除し(S113)、トンネル構成モジュール185は新たに旧MAG11からMAG13までのトンネルを確立する(S115)。
【0044】
移動端末4が新MAG13ネットワークにハンドオーバした後には旧MAG11と新MAG13の間のトンネルを介してデータの伝送を継続することができる(S117)。
【0045】
このように、移動端末が複数のMAGネットワークの間で高速移動(高速ハンドオーバ)するときにも高速ハンドオーバが実現できる同時に、移動予測の失敗による余分なトンネルの確立を防止し、ネットワークリソースの無駄を減少することができる。
〈ローカルモビリティアンカーLMAの構造〉
【0046】
本実施形態においては、ローカルモビリティアンカーLMAを改良し、その機能を拡張した。以下、図6Aを参照しながら本発明のLMAの構造について説明する。図6Aは本発明のLMAの構成を示すブロック図である。
【0047】
図6Aに示すように、LMA2はネットワークインターフェース20、HON(ハンドオーバ通知:Handover Notification)メッセージ処理部24、記憶部25、HOF(ハンドオーバ完了:Handover Finish)メッセージ処理部26、バス27、および制御部29を含む。
【0048】
ネットワークインターフェース20は種々のメッセージを送受信し、HON/HOFメッセージ受信モジュール201とTD(トンネル削除:Tunnel Delete)メッセージ送信モジュール203を含む。HON/HOFメッセージ受信モジュール201は外部からのハンドオーバを通知するHONメッセージ、ハンドオーバが終了したことを示すHOFメッセージを受信する。TDメッセージ送信モジュール203は余分なトンネルを削除したことを示すTDメッセージを送信する。HONメッセージ、HOFメッセージ、およびTDメッセージのフォーマットについては、図7Aと図7Bを参照しながら後で詳しく説明する。
【0049】
HONメッセージ処理部24はネットワークインターフェース20を介して受信したHONメッセージを処理し、処理するときに、HONメッセージ処理部24に含まれているマルチキャストハンドオーバ記録モジュール241を呼び出して受信したマルチキャストハンドオーバに関する情報を記録する。
【0050】
記憶部25は、ハードディスク、フラッシュカード、ROM、RAMなどのメモリデバイスから構成され、記憶部25の中にはマルチキャストハンドオーバデータベース251が記憶され、当該マルチキャストハンドオーバデータベース251には受信したマルチキャストハンドオーバに関するメッセージを記録したマルチキャストハンドオーバ記録テーブル2511が記憶されている。マルチキャストハンドオーバ記録テーブル2511の具体的な内容については、図6Bを参照しながら後で詳しく説明する。
【0051】
HOFメッセージ処理部26はネットワークインターフェース20を介して受信したHOFメッセージを処理し、マルチキャストハンドオーバチェックモジュール261、TDメッセージ構成モジュール263、およびマルチキャストハンドオーバ記録更新モジュール265を含む。HOFメッセージを処理するときに、マルチキャストハンドオーバチェックモジュール261はマルチキャストハンドオーバデータベース251に複数のHOFメッセージの中の移動端末に関するマルチキャストハンドオーバ記録が記憶されているか否かをチェックする。複数の記録が存在する場合は、TDメッセージ構成モジュール263を呼び出してTDメッセージを構成し、その後TDメッセージ送信モジュール203を介して関連MAGに当該TDメッセージを送信する。その後、マルチキャストハンドオーバ記録更新モジュール265を呼び出してマルチキャストハンドオーバデータベース251の中の当該移動端末のマルチキャストハンドオーバ記録を更新する。
【0052】
制御部29はLMAの各ユニットとモジュールを制御する。
【0053】
以下、図6Bを参照しながら図6Aに示したLMAの中のマルチキャストハンドオーバ記録データベース251に記憶されているマルチキャストハンドオーバ記録テーブル2511について詳しく説明する。図6Bは本発明のLMAにおけるマルチキャストハンドオーバ記録データベースを示す図である。
【0054】
図6Bに示すように、マルチキャストハンドオーバ記録データベース251にマルチキャストハンドオーバ記録テーブル2511が記録されている。マルチキャストハンドオーバ記録テーブル2511には、シーケンス番号25111、MNアドレス25113、新MAGアドレス25115、マルチキャストアドレス25117、旧MAGアドレス25119、および状態フラグ25121を含む。そのうち、シーケンス番号25111は当該記録のマルチキャストハンドオーバ記録データベース251におけるシーケンス番号、MNアドレス25113はハンドオーバする移動端末のアドレス、新MAGアドレス25115は新MAGのアドレス、マルチキャストアドレス25117は当該移動端末の加入しているマルチキャストグループ、旧MAGアドレス25119は旧MAGのアドレス、状態フラグ25121は受信したハンドオーバ通知の種別がHONかそれともHOFか、をそれぞれ示す。
【0055】
次に、図7Aと図7Bを参照しながらHONメッセージ、HOFメッセージ、及びTDメッセージのフォーマットについて詳しく説明する。図7Aは本発明のHONメッセージとHOFメッセージのフォーマットを示す図であり、図7Bは本発明のTDメッセージのフォーマットを示す図である。
【0056】
図7Aに示すように、M400はHONメッセージとHOFメッセージのフォーマットであり、送信元アドレスM401、宛先アドレスM402、種別M404、長さM406、MNアドレスM408、マルチキャストアドレスM410、旧MAGアドレス412、および状態フラグM414のようなフィールドを含む。そのうち、送信元アドレスM401は新MAGのアドレス、宛先アドレスM402はLMAのアドレス、種別M404は当該メッセージの種別がHONとHOFメッセージを含むマルチキャストハンドオーバメッセージであること、長さM406は当該メッセージの長さ、MNアドレスM408はハンドオーバしようとする移動端末のアドレス、マルチキャストアドレスM410はハンドオーバしようとする移動端末が加入しているマルチキャストグループのアドレス、旧MAGアドレス412はハンドオーバする前の旧MAGのアドレス、状態フラグM414は移動端末のハンドオーバ状態、をそれぞれ示す。状態フラグM414が「0」の場合はハンドオーバしようとすることを表し、当該メッセージ種別がHONメッセージであることを示し、「1」の場合はハンドオーバ完了を表し、当該メッセージ種別がHOFメッセージであることを示す。
【0057】
図7Bに示すように、M600はTDメッセージのフォーマットであり、送信元アドレスM601、宛先アドレスM602、種別M604、長さM606、MNアドレスM610、マルチキャストアドレスM612、および旧MAGアドレス614を含む。そのうち、送信元アドレスM601はLMAのアドレス、宛先アドレスM602は新MAGのアドレス、種別M604は当該メッセージの種別がTDメッセージであること、長さM606は当該メッセージの長さ、MNアドレスM610は移動端末のアドレス、マルチキャストアドレスM612は移動端末が加入しているマルチキャストグループのアドレス、旧MAGアドレス614はハンドオーバする前のMAGのアドレス、をそれぞれ示す。
【0058】
以下、図8を参照しながら本発明のLMAによる高速ハンドオーバの具体的なプロセスについて説明する。図8は本発明のLMAによる高速ハンドオーバの制御を示すシグナリングフローチャートである。
【0059】
図8に示すように、先ず、移動端末4は旧MAG11と接続し、旧MAG11を介してデータを受送信する(S201)。
【0060】
移動端末4は自分が旧MAG11ネットワークのカバー範囲から新MAG12ネットワークのカバー範囲へ移動しようとすることを検知した際に、目標MAG12のアドレス情報が含まれているハンドオーバ開始(HO Initiate)メッセージを旧MAG11に送信する(S202)。旧MAG11は当該ハンドオーバ開始メッセージを受信した後に、移動端末4のアドレスとマルチキャストグループ情報が含まれているHI情報を新MAG12に送信する(S203)。新MAG12はHIメッセージを受信した後に、旧MAG11にHAckメッセージを返信し(S205)、同時に、LMA2にHON(ハンドオーバ通知)メッセージを送信し(S206)、当該移動端末4がMAG12のネットワークにハンドオーバしようとすることをLMA2に通知する。LMA2のHON/HOFメッセージ受信モジュール201がMAG12からのHONメッセージを受信した後に、マルチキャストハンドオーバ記録モジュール241はHONメッセージに含まれているマルチキャストハンドオーバ情報をマルチキャストハンドオーバデータベース251の中のマルチキャストハンドオーバ記録テーブル2511に記録する。旧MAG11は新MAG12から送信されたHAckメッセージを受信した後に、移動端末4のために旧MAG11から新MAG12までのトンネルを確立する(S207)。
【0061】
次に、移動端末4はまたMAG13にハンドオーバしようとすることを検知したため、ハンドオーバ開始メッセージを旧MAG11に送信する(S209)。旧MAG11は新MAG13にHIメッセージを送信する(S210)。新MAG13はHIメッセージを受信した後に、MAG11にHAckメッセージを返信し(S211)、同時に、HONメッセージをLMA2に送信する(S213)。LMA2のマルチキャストハンドオーバ記録モジュール241はHON/HOFメッセージ受信モジュール201を介して受信したMAG13からのHONメッセージに含まれているマルチキャストハンドオーバ情報をマルチキャストハンドオーバデータベース251の中のマルチキャストハンドオーバ記録テーブル2511に記録する。旧MAG11はHAckメッセージを受信した後に、移動端末4のために旧MAG11から新MAG13までのトンネルを確立する(S214)。
【0062】
そのあと、移動端末4は再びMAG14にハンドオーバしようとすることを検知したため、ハンドオーバ開始メッセージを旧MAG11に送信する(S215)。旧MAG11は新MAG14にHIメッセージを送信する(S216)。新MAG14はHIメッセージを受信した後に、MAG11にHAckメッセージを返信し(S217)、同時に、HONメッセージをLMA2に送信する(S218)。LMA2のマルチキャストハンドオーバ記録モジュール241はHON/HOFメッセージ受信モジュール201を介して受信したMAG14からのHONメッセージに含まれているマルチキャストハンドオーバ情報をマルチキャストハンドオーバデータベース251の中のマルチキャストハンドオーバ記録テーブル2511に記録する。旧MAG11はHAckメッセージを受信した後に、移動端末4のために旧MAG11から新MAG14までのトンネルを確立する(S219)。
【0063】
移動端末4が新MAG14に接続した後に、MAG14はHOFメッセージをLMA2に送信して(S220)、ハンドオーバ済みであることを移動端末4に通知する。LMA2のネットワークインターフェース20のHON/HOFメッセージ受信モジュール201がHOFメッセージを受信した後に、HOFメッセージ処理部26のマルチキャストハンドオーバチェックモジュール261はマルチキャストハンドオーバデータベース251に複数のHOFメッセージの中の移動端末に関するマルチキャストハンドオーバ記録が記憶されているか否かをチェックする。即ち、余分なトンネルがあるか否かをチェックする。この場合、MAG11からMAG12まで、MAG11からMAG13まで、MAG11からMAG14までのトンネルが三つ存在するため、TDメッセージ構成モジュール263はMAG11からMAG12まで、MAG11からMAG13までの二本の余分なトンネルを削除するTDメッセージを構成してMAG13にTDメッセージを送信し(S221)、同時にMAG12にTDメッセージを送信して(S222)、余分なトンネルを削除するように関連MAGにそれぞれ通知する。その後、マルチキャストハンドオーバ記録更新モジュール265はマルチキャストハンドオーバデータベース251の中の当該移動端末4のマルチキャストハンドオーバ記録を更新する。
【0064】
このように、移動端末4は旧MAG11と新MAG14の間に確立されたトンネルを通じてデータを送受信する。移動端末4は複数のMAGネットワークの間を高速に移動するときでも高速ハンドオーバを実現し、移動予測の失敗による余分なトンネルの確立を防止し、ネットワークのリソースの無駄を削減することができる。
〈信号強度報告付きのプロキシモバイルIPv6システムの構造〉
【0065】
先ず、図9を参照しながら本発明のプロキシモバイルIPv6システムのもう一つの例について説明する。図9は本発明の基地局の信号強度を利用して、LMAにより高速ハンドオーバを制御するシステムの配置図である。
【0066】
図9に示すように、当該システムは、MAG11、MAG12、MAG13、LMA32、コアネットワーク3、移動端末4、および基地局51、52、53を含む。モバイルアクセスゲートウェイMAG、ローカルモビリティアンカーLMA、および移動端末MNの定義などの詳細についてはプロキシモバイルIPv6プロトコルを参照できるので、ここでは説明を省略する。
【0067】
MAG11、MAG12、MAG13はそれぞれ基地局51、52、53を介して移動端末4に下りアクセスし、ネットワークを介して移動端末4、基地局、および自分以外の他のMAGと通信を行なう。MAGは移動端末4のIP移動を管理し、移動端末4の代わりに移動に関するシグナリングを送信するが、移動端末4は移動に関するシグナリングの送信には関与しない。LMA32はMAG11、MAG12、MAG13に下りアクセスし、移動端末4のホームエージェントであり、コアネットワーク3を介してお互いに接続する。
〈信号強度報告付きのローカルモビリティアンカーLMAの構造〉
【0068】
本発明において、ローカルモビリティアンカーLMAを改良し、その機能を拡張した。以下、図10Aを参照しながら本発明の信号強度報告付きのLMAの構造について説明する。図10Aは本発明の基地局の信号強度を利用して高速ハンドオーバを制御するLMAの構成を示すブロック図である。
【0069】
図10Aに示すように、LMA32はネットワークインターフェース30、HONメッセージ処理部24、記憶部35、HOFメッセージ処理部26、バス27、制御部29、およびネットワーク状態メッセージ処理部38を含む。図6Aと比較すると、HONメッセージ処理部24、HOFメッセージ処理部26、バス27はほぼ同じであるため、ここではこれらのユニットについて説明を省略する。
【0070】
ネットワークインターフェース30はHON/HOFメッセージ受信モジュール201、TDメッセージ送信モジュール203、およびネットワーク状態メッセージ受信モジュール305を含む。図6Aと同様に、HON/HOFメッセージ受信モジュール201は外部からのHONとHOFメッセージを受信し、TDメッセージ送信モジュール203は余分なトンネルの削除メッセージを送信する。ネットワーク状態メッセージ受信モジュール305は外部からのネットワーク状態を表すネットワーク状態メッセージを受信する。HIメッセージ、HONメッセージ、HOFメッセージ、およびネットワーク状態メッセージのフォーマットについては、図11A〜図11Cを参照しながら後で詳しく説明する。
【0071】
記憶部35はハードディスク、フラッシュカード、ROM、RAMなどのメモリデバイスから構成され、記憶部35の中にはマルチキャストハンドオーバデータベース351が記憶され、当該ルチキャストハンドオーバデータベース351には受信したマルチキャストハンドオーバに関するメッセージを記録したマルチキャストハンドオーバ記録テーブル35111が記憶されている。マルチキャストハンドオーバ記録テーブル35111に関する具体的な内容については図10Bを参照しながら後で詳しく説明する。
【0072】
ネットワーク状態メッセージ処理部38はネットワーク状態メッセージ受信モジュール305を介して受信したネットワーク状態メッセージを処理し、ネットワーク状態メッセージに含まれている信号強度に関する情報をチェックし、当該信号強度が予め決められた閾値より低い場合、TDメッセージ構成モジュール263はTDメッセージを構成して、TDメッセージ送信モジュール203を介して関連MAGにTDメッセージを送信する。
【0073】
以下、図10Bを参照しながら図10Aに示すLMAにおけるマルチキャストハンドオーバ記録データベース351について詳しく説明する。図10Bは本発明の基地局の信号強度を利用して高速ハンドオーバを制御するLMAにおけるマルチキャストハンドオーバ記録データベースを示す図である。
【0074】
図10Bに示すように、マルチキャストハンドオーバ記録データベース351にマルチキャストハンドオーバテーブル3511が記憶され、当該マルチキャストハンドオーバテーブル3511には、シーケンス番号25111、MNアドレス23113、新MAGアドレス25115、マルチキャストアドレス25117、旧MAGアドレス25119、状態フラグ25121、および信号強度25123のようなフィールドを含む。図6Bのマルチキャストハンドオーバテーブル2511に含まれているフィールドと比較すると、信号強度25123が増えている。信号強度25123は移動端末によって検知された基地局の信号強度を示す。
【0075】
次に、図11A〜図11Cを参照しながらHIメッセージ、HONメッセージ、HOFメッセージ、およびネットワーク状態メッセージのフォーマットについて詳しく説明する。図11Aは本発明の基地局の信号強度を利用して高速ハンドオーバを制御する時のHIメッセージのフォーマットを示す図である。図11Bは本発明の基地局の信号強度を利用して高速ハンドオーバを制御する時のHONメッセージ/HOFメッセージのフォーマット示す図である。図11Cは本発明の基地局の信号強度を利用して高速ハンドオーバを制御する時のネットワーク状態メッセージのフォーマット示す図である。
【0076】
図11Aに示すように、M1100はHIメッセージのフォーマットであり、図3Aに示すHIメッセージのフォーマットM100と比較すると、信号強度M109が増えている。信号強度M109は移動端末4によって検出された基地局の信号強度を記録する。
【0077】
図11Bに示すように、M1400はHON/HOFメッセージのフォーマットを示し、図7Aに示すHON/HOFメッセージのフォーマットM400と比較すると、信号強度M415が増えている。信号強度M415は移動端末4によって検出された基地局の信号強度を記録する。
【0078】
図11Cに示すように、M500はネットワーク状態メッセージのフォーマットであり、送信元アドレスM501、宛先アドレスM502、種別M504、長さM506、MNアドレスM508、および信号強度M509を含む。そのうち、送信元アドレスM501は送信元のアドレス、宛先アドレスM502は受信側のアドレス、種別M504は当該メッセージの種別がネットワーク状態メッセージであること、長さM506は当該メッセージの長さ、およびMNアドレスM508は移動端末のアドレス、をそれぞれ示し、信号強度M509は移動端末によって検出された基地局の信号強度を記録する。
【0079】
次に、図12を参照しながら信号強度報告付きのネットワーク状態メッセージのシステムにおける伝送状況について説明する。図12は本発明の基地局の信号強度を利用して高速ハンドオーバを制御する時のネットワーク状態を示すシグナリングフローチャートである。
【0080】
図12に示すように、移動端末4によって検知された基地局の信号強度を含むネットワーク状態メッセージを移動端末4がMAG11に送信して、現在の基地局の信号強度を報告した(S301)場合、MAG11は移動端末4からのネットワーク状態メッセージをLMA32に転送する(S302)。移動端末4が新MAG12にネットワーク状態メッセージを送信して、目標基地局の信号強度を報告した(S303)場合、MAG12は移動端末4からのネットワーク状態メッセージをLMA32に転送する(S304)。
【0081】
次に、図13を参照しながら本発明の信号強度報告付きのLMAによるネットワーク状態メッセージを処理するプロセスについて説明する。図13は本発明のLMAによるネットワーク状態メッセージの処理を示すフローチャートである。
【0082】
図13に示すように、LMA32のネットワーク状態メッセージ受信モジュール305はメッセージを受信し(F202)、ネットワーク状態メッセージ受信モジュール305がネットワーク状態メッセージを受信した後に(F203)、ネットワーク状態メッセージ処理部38は当該メッセージを処理し、当該メッセージから移動端末によって検知された基地局の信号強度を抽出し、当該信号強度が予め決められた閾値より低いか否かをチェックする(F204)。閾値より低い場合、TDメッセージ構成モジュール263はTDメッセージを構成し、当該TDメッセージを関連MAGに送信して(F204)、当該移動端末のために確立したトンネルを削除するように当該MAGに通知する。
【0083】
以下、図14を参照しながら本発明のLMAによる高速ハンドオーバの具体的なプロセスについて説明する。図14は本発明の基地局の信号強度を利用してLMAにより高速ハンドオーバを制御するシグナリングフローチャートである。
【0084】
図14に示すように、移動端末4は旧MAG11と接続し、旧MAG11を介してデータを送受信する(S401)。移動端末4が新MAG12ネットワークに移動しようとすることを検知した場合、目標MAG12のアドレス情報が含まれているハンドオーバ開始メッセージ(HO Initiate)を旧MAG11に送信する(S402)。旧MAG11はハンドオーバ開始メッセージを受信した後に、移動端末のアドレス情報とマルチキャストグループ情報が含まれているHIメッセージを新MAG12に送信する(S403)。新MAG12はHIメッセージを受信し後に、旧MAG11にHAckメッセージを返信し(S405)、同時にHON(ハンドオーバ通知)メッセージをLMA32に送信して(S406)、LMA32に当該移動端末がMAG12のネットワークにハンドオーバしようとすることを通知する。旧MAG11はHAckメッセージを受信した後に、新MAGまでのトンネルを確立する(S407)。
【0085】
そのあと、移動端末4はMAG13にハンドオーバしようとすることを検知した場合、ハンドオーバ開始メッセージを旧MAG11に送信する(S409)。旧MAG11はHIメッセージを新MAG13に送信する(S410)。新MAG13はHIメッセージを受信した後に、旧MAG11にHAckメッセージを返信し(S411)、同時にHONメッセージをLMA32に送信する(S413)。旧MAG11はHAckメッセージを受信した後に、新MAG13までのトンネルを確立する(S414)。
【0086】
次に、移動端末4はネットワーク状態メッセージをMAG11に送信し(S415)、検出された基地局の信号強度を報告する。MAG11は移動端末4からのネットワーク状態メッセージをLMA32に転送する(S416)。LMA32のネットワーク状態メッセージ受信モジュール305が当該ネットワーク状態メッセージを受信した後に、ネットワーク状態メッセージ処理部38は受信したネットワーク状態メッセージの中の信号強度を抽出し、このとき当該信号強度が予め決められた閾値より低いことが検出された場合、TDメッセージ構成モジュール263はTDメッセージを構成して、TDメッセージをMAG12に送信し(S417)、MAG11とMAG12の間のトンネルを削除するように通知し、マルチキャストハンドオーバ記録更新モジュール265はマルチキャストハンドオーバデータベース351の中の当該移動端末のマルチキャストハンドオーバ記録を更新する。
【0087】
次に、移動端末4はMAG14にハンドオーバしようとすることを検知し、ハンドオーバ開始メッセージを旧MAG11に送信する(S418)。旧MAG11はHIメッセージを新MAG14に送信する(S419)。新MAG14はHIメッセージを受信した後に、HAckメッセージを旧MAG11に返信し(S420)、同時に、HONメッセージをLMA32に送信する(S421)。旧MAG11はHAckメッセージを受信した後に、新MAG14までのトンネルを確立する(S422)。
【0088】
移動端末が新MAG14に接続した後に、MAG14はHOFメッセージをLMA32に送信し(S423)、ハンドオーバ済みであることを移動端末4に通知する。LMA32はマルチキャストハンドオーバ記録データベース251をチェックし、余分なトンネルが見つかったため、TD(トンネル削除)メッセージをMAG13に送信して(S424)、余分なトンネルを削除するように通知し、マルチキャストハンドオーバ記録更新モジュール265はマルチキャストハンドオーバデータベース251の中の当該移動端末のマルチキャストハンドオーバ記録を更新する。移動端末4は新MAG14を介してデータを送受信する。
【0089】
以上、本発明に係る実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の発明趣旨の範囲内でさらに様々な変形と拡張を行い、または構造の削除と組み合わせを行うことができる。
【0090】
例えば、本実施形態において、移動端末が複数のMAGの間で高速ハンドオーバを行うときに、MAGは移動端末から送信されたハンドオーバ開始メッセージによって当該移動端末がハンドオーバしようとすることを検知する。しかし、本発明はこれに限らず、当該移動端末と通信を行う基地局によって移動端末がMAGにハンドオーバしようとすることを示すメッセージをMAGに送信してもよい。もちろん、MAGはその他の周知の技術によって移動端末がMAGにハンドオーバするか否かをチェックしてもよい。
【0091】
実施形態において、IPv6プロトコルにおいて応用例を説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、IPv4などの様々な技術にも応用可能である。
【0092】
また、図2Aに示すMAGにおけるネットワークインターフェース10、HIメッセージ処理部14、HAckメッセージ処理部18などのユニットは複数の単一の機能を有するモジュールから構成されているが、本発明はこれに限らず、これらのユニットが一つのモジュールに統合されて種々の機能を実現してもよい。図6A、図10Aに示すLMAも同様である。
【0093】
また、図10Aに示すLMA32に対応して、MAGにネットワーク状態メッセージを送受信するモジュールを設置してもよい。
【0094】
また、図2Aに示すネットワークインターフェース10はHI/HAckメッセージ受信モジュール101と、HI/HAckメッセージ送信モジュール103を含むが、もちろんこれに限定されるものではなく、必要に応じてHAckメッセージ受信モジュールとHIメッセージ送信モジュール、またはHIメッセージ受信モジュールとHAckメッセージ送信モジュールのみを設置してもよい。図6Aと図10Aに示すネットワークインターフェース20も同様に設置してもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動端末および複数の他のモバイルアクセスゲートウェイと通信を行なうモバイルアクセスゲートウェイであって、
メッセージを送受信するネットワークインターフェースと、
ハンドオーバ開始メッセージを構成するハンドオーバ開始メッセージ構成部と、
受信したハンドオーバ確認メッセージを処理するハンドオーバ確認メッセージ処理部と、を有し、
前記移動端末が前記複数の他のモバイルアクセスゲートウェイ中の一つのモバイルアクセスゲートウェイにハンドオーバしようとすることを検知した場合、前記ハンドオーバ開始メッセージ構成部はハンドオーバ開始メッセージを構成し、前記ネットワークインターフェースを介して当該構成されたハンドオーバ開始メッセージを前記一つのモバイルアクセスゲートウェイに送信し、
前記ネットワークインターフェースを介して前記一つのモバイルアクセスゲートウェイからのハンドオーバ確認メッセージを受信した後に、前記ハンドオーバ確認メッセージ処理部は前記モバイルアクセスゲートウェイと前記一つのモバイルアクセスゲートウェイ以外の他のモバイルアクセスゲートウェイとの間に前記移動端末のためのトンネルを確立したか否かをチェックし、トンネルがすでに確立済みである場合は、当該トンネルを削除し、前記モバイルアクセスゲートウェイと前記一つのモバイルアクセスゲートウェイとの間に当該移動端末のためのトンネルを確立することを特徴とするモバイルアクセスゲートウェイ。
【請求項2】
請求項1に記載のモバイルアクセスゲートウェイであって、
前記モバイルアクセスゲートウェイは、受信したハンドオーバ開始メッセージを処理するハンドオーバ開始メッセージ処理部をさらに含み、
前記ハンドオーバ開始メッセージ処理部は、ハンドオーバ確認メッセージを構成するハンドオーバ確認メッセージ構成モジュールを含み、
前記ネットワークインターフェースを介して前記他のモバイルアクセスゲートウェイからのハンドオーバ開始メッセージを受信した場合、前記制御部は、ハンドオーバ確認メッセージを構成するように前記ハンドオーバ確認メッセージ構成モジュールを制御し、前記ネットワークインターフェースを介して当該構成されたハンドオーバ確認メッセージを前記他のモバイルアクセスゲートウェイに送信することを特徴とするモバイルアクセスゲートウェイ。
【請求項3】
請求項1に記載のモバイルアクセスゲートウェイであって、
前記ハンドオーバ確認メッセージ処理部は、
前記モバイルアクセスゲートウェイと前記一つのモバイルアクセスゲートウェイ以外の他のモバイルアクセスゲートウェイとの間に前記移動端末のためのトンネルを確立したか否かをチェックするトンネルチェックモジュールと、
前記トンネルチェックモジュールにより検出されたトンネルを削除するトンネル削除モジュールと、
前記モバイルアクセスゲートウェイと前記一つのモバイルアクセスゲートウェイとの間に当該移動端末のためのトンネルを確立するトンネル構成モジュールと、を含むことを特徴とするモバイルアクセスゲートウェイ。
【請求項4】
請求項1に記載のモバイルアクセスゲートウェイであって、
前記ネットワークインターフェースは、
ハンドオーバ開始メッセージを送信するハンドオーバ開始メッセージ送信モジュールと、
ハンドオーバ確認メッセージを受信するハンドオーバ確認メッセージを受信モジュールと、
を含むことを特徴とするモバイルアクセスゲートウェイ。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載のモバイルアクセスゲートウェイであって、
前記ネットワークインターフェースは、
ハンドオーバ開始メッセージを受信するハンドオーバ開始メッセージ受信モジュールと、
ハンドオーバ確認メッセージを送信するハンドオーバ確認メッセージを送信モジュールと、
をさらに含むことを特徴とするモバイルアクセスゲートウェイ。
【請求項6】
複数のモバイルアクセスゲートウェイと通信を行なうローカルモビリティアンカーであって、
メッセージを送受信するネットワークインターフェースと、
受信したハンドオーバ完了メッセージを処理するHOFメッセージ処理部と、を有し、
前記ネットワークインターフェースを介して複数のモバイルアクセスゲートウェイ中の一つのモバイルアクセスゲートウェイからの、当該一つのモバイルアクセスゲートウェイと複数のモバイルアクセスゲートウェイ中の他の一つのモバイルアクセスゲートウェイとの間に移動端末のためにトンネルをすでに確立済みであることを示すハンドオーバ完了メッセージを受信した場合、前記HOFメッセージ処理部は、当該他の一つのモバイルアクセスゲートウェイと当該一つのモバイルアクセスゲートウェイ以外の複数のモバイルアクセスゲートウェイとの間に前記移動端末のためのトンネル、即ち余分なトンネルがすでに確立済みであるか否かをチェックし、余分なトンネルがすでに確立済みである場合は、前記余分なトンネルを削除するトンネル削除メッセージを構成して、対応するモバイルアクセスゲートウェイに送信することを特徴とするローカルモビリティアンカー。
【請求項7】
請求項6に記載のローカルモビリティアンカーであって、
前記ローカルモビリティアンカーは、
受信したハンドオーバ通知メッセージを処理し、受信したハンドオーバ通知メッセージに含まれているマルチキャストハンドオーバ情報を記録するマルチキャストハンドオーバ記録モジュールを有するハンドオーバ通知メッセージ処理部と、
前記マルチキャストハンドオーバ記録モジュールに記録されているマルチキャストハンドオーバ情報を記憶する記憶部と、をさらに含み、
前記HOFメッセージ処理部は、
前記ハンドオーバ記録モジュールに記録されているマルチキャストハンドオーバ情報に基づいて、当該他の一つのモバイルアクセスゲートウェイと当該一つのモバイルアクセスゲートウェイ以外の複数のモバイルアクセスゲートウェイとの間に前記移動端末のためのトンネル、即ち余分なトンネルがすでに確立済みであるか否かをチェックするマルチキャストハンドオーバチェックモジュールと、
前記余分なトンネルを削除することを示すトンネル削除メッセージを構成するトンネル削除メッセージ構成モジュールと、
記憶部に記憶されているマルチキャストハンドオーバ情報を更新するマルチキャストハンドオーバ記録更新モジュールと、
を含むことを特徴とするローカルモビリティアンカー。
【請求項8】
請求項6に記載のローカルモビリティアンカーであって、
前記ローカルモビリティアンカーは、
受信した信号強度を含むネットワーク状態メッセージを処理するネットワーク状態メッセージ処理部をさらに含み、
前記ネットワーク状態メッセージに含まれている信号強度が所定値より低い場合、前記HOFメッセージ処理部は使用中のトンネルの削除を示すトンネル削除メッセージを構成して、対応するモバイルアクセスゲートウェイに送信することを特徴とするローカルモビリティアンカー。
【請求項9】
ネットワークを介して通信を行なうローカルモビリティアンカー、複数のモバイルアクセスゲートウェイ、および移動端末を含むプロキシモバイルIPv6システムであって、
前記モバイルアクセスゲートウェイは請求項1〜5のいずれかに記載のモバイルアクセスゲートウェイであることを特徴とするプロキシモバイルIPv6システム。
【請求項10】
ネットワークを介して通信を行なうローカルモビリティアンカー、複数のモバイルアクセスゲートウェイ、および移動端末を含むプロキシモバイルIPv6システムであって、
前記ローカルモビリティアンカーは請求項6〜8に記載のローカルモビリティアンカーであり、前記モバイルアクセスゲートウェイはハンドオーバ通知メッセージを構成するハンドオーバ通知メッセージ構成部を有することを特徴とするプロキシモバイルIPv6システム。
【請求項11】
移動端末および複数の他のモバイルアクセスゲートウェイと通信を行なうモバイルアクセスゲートウェイの高速ハンドオーバ方法であって、
前記移動端末が前記複数の他のモバイルアクセスゲートウェイ中の一つのモバイルアクセスゲートウェイにハンドオーバしようとすることを検知した場合、ハンドオーバ開始メッセージを構成し、前記ネットワークインターフェースを介して当該構成されたハンドオーバ開始メッセージを前記一つのモバイルアクセスゲートウェイに送信し、
前記ネットワークインターフェースを介して前記一つのモバイルアクセスゲートウェイからのハンドオーバ確認メッセージを受信した後に、前記モバイルアクセスゲートウェイと前記一つのモバイルアクセスゲートウェイ以外の他のモバイルアクセスゲートウェイとの間に前記移動端末のためのトンネルを確立したか否かをチェックし、すでにトンネルが確立済みである場合は、当該トンネルを削除し、前記モバイルアクセスゲートウェイと前記一つのモバイルアクセスゲートウェイとの間に当該移動端末のためのトンネルを確立することを特徴とする高速ハンドオーバ方法。
【請求項12】
ローカルモビリティアンカーおよび複数のモバイルアクセスゲートウェイと通信を行なうモバイルアクセスゲートウェイの高速ハンドオーバ方法であって、
前記ローカルモビリティアンカーが前記複数のモバイルアクセスゲートウェイ中の一つのモバイルアクセスゲートウェイからの、当該一つのモバイルアクセスゲートウェイと複数のモバイルアクセスゲートウェイ中の他の一つのモバイルアクセスゲートウェイとの間に移動端末のためにトンネルがすでに確立済みであることを示すハンドオーバ完了メッセージを受信した場合、当該他の一つのモバイルアクセスゲートウェイと当該一つのモバイルアクセスゲートウェイ以外の複数のモバイルアクセスゲートウェイとの間に前記移動端末のためのトンネル、即ち余分なトンネルがすでに確立済みであるか否かをチェックし、余分なトンネルがすでに確立済みである場合は、前記余分なトンネルを削除するトンネル削除メッセージを構成して、対応するモバイルアクセスゲートウェイに送信することを特徴とする高速ハンドオーバ方法。
【請求項1】
移動端末および複数の他のモバイルアクセスゲートウェイと通信を行なうモバイルアクセスゲートウェイであって、
メッセージを送受信するネットワークインターフェースと、
ハンドオーバ開始メッセージを構成するハンドオーバ開始メッセージ構成部と、
受信したハンドオーバ確認メッセージを処理するハンドオーバ確認メッセージ処理部と、を有し、
前記移動端末が前記複数の他のモバイルアクセスゲートウェイ中の一つのモバイルアクセスゲートウェイにハンドオーバしようとすることを検知した場合、前記ハンドオーバ開始メッセージ構成部はハンドオーバ開始メッセージを構成し、前記ネットワークインターフェースを介して当該構成されたハンドオーバ開始メッセージを前記一つのモバイルアクセスゲートウェイに送信し、
前記ネットワークインターフェースを介して前記一つのモバイルアクセスゲートウェイからのハンドオーバ確認メッセージを受信した後に、前記ハンドオーバ確認メッセージ処理部は前記モバイルアクセスゲートウェイと前記一つのモバイルアクセスゲートウェイ以外の他のモバイルアクセスゲートウェイとの間に前記移動端末のためのトンネルを確立したか否かをチェックし、トンネルがすでに確立済みである場合は、当該トンネルを削除し、前記モバイルアクセスゲートウェイと前記一つのモバイルアクセスゲートウェイとの間に当該移動端末のためのトンネルを確立することを特徴とするモバイルアクセスゲートウェイ。
【請求項2】
請求項1に記載のモバイルアクセスゲートウェイであって、
前記モバイルアクセスゲートウェイは、受信したハンドオーバ開始メッセージを処理するハンドオーバ開始メッセージ処理部をさらに含み、
前記ハンドオーバ開始メッセージ処理部は、ハンドオーバ確認メッセージを構成するハンドオーバ確認メッセージ構成モジュールを含み、
前記ネットワークインターフェースを介して前記他のモバイルアクセスゲートウェイからのハンドオーバ開始メッセージを受信した場合、前記制御部は、ハンドオーバ確認メッセージを構成するように前記ハンドオーバ確認メッセージ構成モジュールを制御し、前記ネットワークインターフェースを介して当該構成されたハンドオーバ確認メッセージを前記他のモバイルアクセスゲートウェイに送信することを特徴とするモバイルアクセスゲートウェイ。
【請求項3】
請求項1に記載のモバイルアクセスゲートウェイであって、
前記ハンドオーバ確認メッセージ処理部は、
前記モバイルアクセスゲートウェイと前記一つのモバイルアクセスゲートウェイ以外の他のモバイルアクセスゲートウェイとの間に前記移動端末のためのトンネルを確立したか否かをチェックするトンネルチェックモジュールと、
前記トンネルチェックモジュールにより検出されたトンネルを削除するトンネル削除モジュールと、
前記モバイルアクセスゲートウェイと前記一つのモバイルアクセスゲートウェイとの間に当該移動端末のためのトンネルを確立するトンネル構成モジュールと、を含むことを特徴とするモバイルアクセスゲートウェイ。
【請求項4】
請求項1に記載のモバイルアクセスゲートウェイであって、
前記ネットワークインターフェースは、
ハンドオーバ開始メッセージを送信するハンドオーバ開始メッセージ送信モジュールと、
ハンドオーバ確認メッセージを受信するハンドオーバ確認メッセージを受信モジュールと、
を含むことを特徴とするモバイルアクセスゲートウェイ。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載のモバイルアクセスゲートウェイであって、
前記ネットワークインターフェースは、
ハンドオーバ開始メッセージを受信するハンドオーバ開始メッセージ受信モジュールと、
ハンドオーバ確認メッセージを送信するハンドオーバ確認メッセージを送信モジュールと、
をさらに含むことを特徴とするモバイルアクセスゲートウェイ。
【請求項6】
複数のモバイルアクセスゲートウェイと通信を行なうローカルモビリティアンカーであって、
メッセージを送受信するネットワークインターフェースと、
受信したハンドオーバ完了メッセージを処理するHOFメッセージ処理部と、を有し、
前記ネットワークインターフェースを介して複数のモバイルアクセスゲートウェイ中の一つのモバイルアクセスゲートウェイからの、当該一つのモバイルアクセスゲートウェイと複数のモバイルアクセスゲートウェイ中の他の一つのモバイルアクセスゲートウェイとの間に移動端末のためにトンネルをすでに確立済みであることを示すハンドオーバ完了メッセージを受信した場合、前記HOFメッセージ処理部は、当該他の一つのモバイルアクセスゲートウェイと当該一つのモバイルアクセスゲートウェイ以外の複数のモバイルアクセスゲートウェイとの間に前記移動端末のためのトンネル、即ち余分なトンネルがすでに確立済みであるか否かをチェックし、余分なトンネルがすでに確立済みである場合は、前記余分なトンネルを削除するトンネル削除メッセージを構成して、対応するモバイルアクセスゲートウェイに送信することを特徴とするローカルモビリティアンカー。
【請求項7】
請求項6に記載のローカルモビリティアンカーであって、
前記ローカルモビリティアンカーは、
受信したハンドオーバ通知メッセージを処理し、受信したハンドオーバ通知メッセージに含まれているマルチキャストハンドオーバ情報を記録するマルチキャストハンドオーバ記録モジュールを有するハンドオーバ通知メッセージ処理部と、
前記マルチキャストハンドオーバ記録モジュールに記録されているマルチキャストハンドオーバ情報を記憶する記憶部と、をさらに含み、
前記HOFメッセージ処理部は、
前記ハンドオーバ記録モジュールに記録されているマルチキャストハンドオーバ情報に基づいて、当該他の一つのモバイルアクセスゲートウェイと当該一つのモバイルアクセスゲートウェイ以外の複数のモバイルアクセスゲートウェイとの間に前記移動端末のためのトンネル、即ち余分なトンネルがすでに確立済みであるか否かをチェックするマルチキャストハンドオーバチェックモジュールと、
前記余分なトンネルを削除することを示すトンネル削除メッセージを構成するトンネル削除メッセージ構成モジュールと、
記憶部に記憶されているマルチキャストハンドオーバ情報を更新するマルチキャストハンドオーバ記録更新モジュールと、
を含むことを特徴とするローカルモビリティアンカー。
【請求項8】
請求項6に記載のローカルモビリティアンカーであって、
前記ローカルモビリティアンカーは、
受信した信号強度を含むネットワーク状態メッセージを処理するネットワーク状態メッセージ処理部をさらに含み、
前記ネットワーク状態メッセージに含まれている信号強度が所定値より低い場合、前記HOFメッセージ処理部は使用中のトンネルの削除を示すトンネル削除メッセージを構成して、対応するモバイルアクセスゲートウェイに送信することを特徴とするローカルモビリティアンカー。
【請求項9】
ネットワークを介して通信を行なうローカルモビリティアンカー、複数のモバイルアクセスゲートウェイ、および移動端末を含むプロキシモバイルIPv6システムであって、
前記モバイルアクセスゲートウェイは請求項1〜5のいずれかに記載のモバイルアクセスゲートウェイであることを特徴とするプロキシモバイルIPv6システム。
【請求項10】
ネットワークを介して通信を行なうローカルモビリティアンカー、複数のモバイルアクセスゲートウェイ、および移動端末を含むプロキシモバイルIPv6システムであって、
前記ローカルモビリティアンカーは請求項6〜8に記載のローカルモビリティアンカーであり、前記モバイルアクセスゲートウェイはハンドオーバ通知メッセージを構成するハンドオーバ通知メッセージ構成部を有することを特徴とするプロキシモバイルIPv6システム。
【請求項11】
移動端末および複数の他のモバイルアクセスゲートウェイと通信を行なうモバイルアクセスゲートウェイの高速ハンドオーバ方法であって、
前記移動端末が前記複数の他のモバイルアクセスゲートウェイ中の一つのモバイルアクセスゲートウェイにハンドオーバしようとすることを検知した場合、ハンドオーバ開始メッセージを構成し、前記ネットワークインターフェースを介して当該構成されたハンドオーバ開始メッセージを前記一つのモバイルアクセスゲートウェイに送信し、
前記ネットワークインターフェースを介して前記一つのモバイルアクセスゲートウェイからのハンドオーバ確認メッセージを受信した後に、前記モバイルアクセスゲートウェイと前記一つのモバイルアクセスゲートウェイ以外の他のモバイルアクセスゲートウェイとの間に前記移動端末のためのトンネルを確立したか否かをチェックし、すでにトンネルが確立済みである場合は、当該トンネルを削除し、前記モバイルアクセスゲートウェイと前記一つのモバイルアクセスゲートウェイとの間に当該移動端末のためのトンネルを確立することを特徴とする高速ハンドオーバ方法。
【請求項12】
ローカルモビリティアンカーおよび複数のモバイルアクセスゲートウェイと通信を行なうモバイルアクセスゲートウェイの高速ハンドオーバ方法であって、
前記ローカルモビリティアンカーが前記複数のモバイルアクセスゲートウェイ中の一つのモバイルアクセスゲートウェイからの、当該一つのモバイルアクセスゲートウェイと複数のモバイルアクセスゲートウェイ中の他の一つのモバイルアクセスゲートウェイとの間に移動端末のためにトンネルがすでに確立済みであることを示すハンドオーバ完了メッセージを受信した場合、当該他の一つのモバイルアクセスゲートウェイと当該一つのモバイルアクセスゲートウェイ以外の複数のモバイルアクセスゲートウェイとの間に前記移動端末のためのトンネル、即ち余分なトンネルがすでに確立済みであるか否かをチェックし、余分なトンネルがすでに確立済みである場合は、前記余分なトンネルを削除するトンネル削除メッセージを構成して、対応するモバイルアクセスゲートウェイに送信することを特徴とする高速ハンドオーバ方法。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図11A】
【図11B】
【図11C】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図11A】
【図11B】
【図11C】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−54930(P2012−54930A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−183732(P2011−183732)
【出願日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]