説明

MMS式照明用安定器解体方法

【課題】PCB廃棄物である照明用安定器の処理費が10年1月にJESCOが改定し1kg1,810円から1kg29,400円とした為に処理に掛る費用が16倍にもなり不法投棄が行なわれる危険性が増大した又、保管事業者は各自治体や公共施設が多くあり税金の無駄使いが発生すると考えられるので国民の納得は得ることはできない。又、照明用安定器からのPCB揮発という大きな問題もある。
【解決手段】照明用安定器を安全性を確保し解体する事で保管事業者の処理に掛る費用を大幅に削減する事が出来るので不法投棄対策に繋がり又、各自治体や公共施設での税金の無駄使いを防ぐことが出来る。尚、PCBの揮発防止が万全となり胎児や幼児に対しPCBによる危険性を軽減できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
PCB廃棄物の保管方法が特に照明用安定器においては衣装用ケースに入れて保管している等、PCB廃棄物からのPCB揮発防止が成されていないためPCBによるヒトへの影響が考えられる、特に胎児、幼児に悪影響があるとの研究結果が報告されている。
【背景技術】
【0002】
昭和48年頃電気工事に従事している時に誘蛾灯(紫外線)下で高圧トランスのタップ切り替えを行なっていた時、PCB油が誘蛾灯下で蛍光反応を発している事を発見した、この事を基に特願2006−357128で出願したが拒絶された、理由は他にPCB分解において紫外線反応を利用して分解過程を調べるとの記述があるとの事でしたがPCBの分解過程の事とPCB廃棄物からのPCB漏れやにじみを判別する事は全く別の考えである又、公的機関(大学)で実証が出来たのでこの技術を利用して照明用安定器の解体方法を提供するものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
PCB廃棄物の処理は国が100%出資のJESCOが行なう事と法律に定められているが、04年に安定器の処理費は1kg1,810円であったが10年に大幅に改定され1kg29,400円と16倍にもなり保管事業者の処理負担が大きくなり不法投棄が懸念される、又、各市町村等公的機関の財政を圧迫するのは明確であり税金の無駄使いになる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
照明用安定器は内部にPCB入りコンデンサーとコイル及び固定材で構成されている、コンデンサーは安定器重量の5%以下であり解体する事でPCB処理費用を大幅に削減できる。
【0005】
照明用安定器解体は内部のコンデンサーからPCBの漏れやにじみが発生している場合があるので紫外線を照射し蛍光反応の有無をCCDカメラ(例ハイパースペクトルカメラ等)等で確認しながら解体をしなければ作業者の安全が図れない又、作業環境を完全に隔離した状態で作業を行なう必要がある。
【0006】
照明用安定器からPCB入りコンデンサーを取り除いた安定器残渣に紫外線照射を行ない蛍光反応が無いことをCCDカメラ等で確認後コンデンサーとの接触面をピラー等により削り取り分析機関において分析を行ないPCBの付着が無いことを確認後残渣は産業廃棄物として処分する。
【0007】
照明用安定器の解体作業を行なう時、紫外線照射に蛍光反応を示した場合は即座に作業を止め特許第4191432号廃化学物質類・有害廃棄物質類等の梱包方法で揮発防止を確実に行ない保管容器に入れ保管する又、解体後PCB入りコンデンサーにおいても同様に揮発防止を行なう。
【発明の効果】
【0008】
照明用安定器は軽いもので2kg程あり重いものでは10kgにもなる平均で3,6kg程度となり処理費用は平均1台あたり105,840円にもなる、この様に高額になると不法投棄が増加し又、公共で保管している安定器の処理は税金であり国民の納得を得ることはできない、安定器を解体する事で処理費用は10%以下にする事が出来るので処理について国民の納得を得る事が出来る。
【0009】
PCB廃棄物のみでなく紫外線に反応する化学物質には全て対応できると考えられるので紫外線の波長を変え又は、組み合わせる事で新しい技術として発展が望める。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は簡単な配置図である
【図2】図2は吊り方式である
【図3】図3は内部骨格方式である
【図4】図4は作業フローである
【発明を実施するための形態】
【0011】
労働安全衛生法を尊守し「PCB廃棄物の処理作業等における安全衛生対策要綱」に従い作業場所は周辺から独立した環境としなければならないのでPCBを透過しないビニールあるいはナイロン製テント地で制作したテントを設置して作業場所を確保する。
【実施例】
【0012】
照明用安定器は50〜100台を1ロットとしロットNO及び番号を安定器に書き込み、安定器に紫外線を照射し複数人で蛍光反応を確認し尚、CCDカメラに反応が無ければ裏蓋を取り外す。
【0013】
裏蓋を外した状態で紫外線を照射し蛍光反応が有れば即座に作業を中止して特許第4191432号においてPCB揮発防止を行ない保管する。
【0014】
紫外線による反応が無ければコンデンサーから2〜3cm離れた所へ解体用ヘラを固定材と鉄枠の間に差し込み剥離する。
【0015】
コンデンサーから固定材内への配線をニッパ等で切断する、コンデンサーに付着している固定材はそのままにしておき安定器よりコンデンサーを取り出し特許第4191432号においてPCB揮発防止を行ない保管する。
【0016】
コンデンサーを取り出した安定器に紫外線を照射し反応が無くともコンデンサーと固定材の接触面をピラー等で削り取り分析用、ロット用、安定器用としビニールあるいはナイロン製袋に入れ保管する。
【0017】
分析用を分析機関に依頼して分析を行ないPCBの不含が確認された後、産業廃棄物として処分し関係各機関に報告する。尚、フローとして選択図にして示している。
【符号の説明】
【0018】
1、 準備室
2、 着脱衣室
3、 ハンド式紫外線照射機
4、 固定式紫外線照射機
5、 判別台
6、 解体台
7、 空気清浄機
8、 分析資料置き台
9、 分析資料採取台
10、揮発防止作業台
11、残渣入れ
12、作業員
13、吊り用具
14、ビニール又は、ナイロン製テント
15、骨格用パイプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
PCB廃棄物からのPCBの漏れ、にじみの有無を紫外線を照射する事で蛍光を発する事を利用しPCBの漏れ、にじみを判別する事にあり万全を期するためにCCDカメラ(例ハイパースペクトルカメラ)による蛍光反応の見落としを防止して照明用安定器の解体を行なう技術である。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−35244(P2012−35244A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−184425(P2010−184425)
【出願日】平成22年8月3日(2010.8.3)
【出願人】(592007690)
【Fターム(参考)】