説明

MP4においてAVCをサポートするための方法及び装置

【課題】新しいビデオコード化規格によって提供される新しい能力に対応し、既存のストレージ方法における制約をなくすようにストレージ方法を改善する。
【解決手段】マルチメディアデータの各サンプル内のサブサンプルを定義するサブサンプルメタデータを作成する。更に、このマルチメディアデータに関連するファイルを生成する。このファイルは、サブサンプルメタデータ及びマルチメディアデータに関係する他の情報を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
この出願は、2002年2月25日に出願された米国特許仮出願番号60/359,606、2002年3月5日に出願された米国特許仮出願番号60/361,773号、2002年3月8日に出願された米国特許仮出願番号60/363,643号に関連し、これらに対する優先権を主張する。これらの文献は、引用により本願に援用される。
【0002】
本発明は、マルチメディアファイル形式のオーディオビジュアルコンテンツのストレージ及び検索に関し、詳しくは、ISOメディアファイル形式と互換性があるファイルフォーマットに関する。
【0003】
著作権表示/許諾
この明細書の開示内容の一部は、著作権保護の対象となるマテリアルを含む。著作権所有者は、この明細書が特許商標庁への特許出願であると認められるファックスコピーに対しては異議を唱えないが、この他のあらゆる全ての著作権を主張する。以下の表示は、後述するソフトウェア及びデータ、並びに添付の図面に適用される。:著作権(c)2003:全ての著作権はソニーエレクトロニクスインク社に帰属する(Copyright (c) 2003, Sony Electronics, Inc., All Rights Reserved)。
【背景技術】
【0004】
ネットワーク、マルチメディア、データベース及び他のデジタル容量に対する要求が急速に高まり、多くのマルチメディア符号化及びストレージ法が開発されている。オーディオビジュアルのデータを符号化して、保存するためのよく知られているファイル形式の1つとして、アップルコンピーター社によって開発されたクイックタイムファイルフォーマットがある。クイックタイムファイルフォーマットは、国際標準化機構(International Organization for Standardization:以下、ISOという。)マルチメディアファイル形式ISO/IEC14496−12オーディオビジュアルオブジェクトの情報技術符号化−パート12(Multimedia file format, ISO/IEC 14496-12, Information Technology-Coding of audio-visual objects-Part 12)の基礎技術として用いられた。ISOメディアファイルフォーマット(ISOファイルフォーマットとも呼ばれる。)は、次のような2つの標準ファイルフォーマットのためのテンプレートとして用いられる。(1)モーションピクチャエキスパートグループ(MPEG)によって開発されたMP4と呼ばれる(ISO/IEC14496−14、情報技術、オーディオビジュアルオブジェクトの符号化、パート14(ISO/IEC 14496-14, Information Technology--Coding of audio-visual objects--Part 14):MP4ファイルフォーマット)MPEG−4ファイルフォーマット。(2)ジョイントフォトグラフィックエキスパートグループ(JPEG)によって開発されたJPEG2000(ISO/IEC15444−1)のためのファイルフォーマット。
【0005】
ISOメディアファイルフォーマットはボックス(アトム又はオブジェクトとも呼ばれる。)と呼ばれるオブジェクト指向構造によって構成される。2つの重要なトップレベルのボックスは、メディアデータ又はメタデータを含んでいる。ほとんどのボックスは、実際のメディアデータに関する、叙述的情報、構造的情報及び時間的情報を提供するメタデータの階層を記述する。このボックスのコレクションは、ムービーボックスとして知られているボックスに含まれている。メディアデータ自体は、メディアデータボックス内に含まれていてもよく、外部に存在してもよい。各メディアデータストリームは、トラック(エレメンタリストリーム又は単にストリームとも呼ばれる。)と呼ばれる。
【0006】
主のメタデータは、ムービーオブジェクトである。ムービーボックスは、時間的に表現されたメディアデータを記述するトラックボックスを含んでいる。トラックのためのメディアデータには、様々な種類(例えば、ビデオデータ、オーディオデータ、バイナリ形式スクリーン表示(format screen representations:BIFS)等)がある。各トラックは更にサンプル(アクセスユニット又はピクチャとも呼ばれる。)に分割される。
【0007】
サンプルは、特定の時刻におけるメディアデータのユニットを表している。サンプルメタデータは、一組のサンプルボックスに含まれている。各トラックボックスは、各サンプルのための時間、バイトで表現されるサイズ及びメディアデータの(ファイルの外部の又はファイルの内部における)位置等を提供するボックスを含むサンプルテーブルボックスメタデータボックスを含んでいる。サンプルは、タイミング、位置及び他のメタデータ情報を表すことができる最も小さいデータ構成要素である。
【0008】
近年、MPEGの国際電気通信連合(ITU)のビデオグループと画像符号化エキスパートグループ(VCEG)とは、ジョイントビデオチームとして(JVT)、ITU勧告H.264又はMPEG4パート10、高度動画像符号化/復号標準(Advanced Video Codec:以下、AVCという。)又はJVTコーデックと呼ばれる新しい画像符号化/復号(コーデック)標準を開発するために共同作業を始めた。これらの用語及びH.264や、JVTや、AVC等の略語は、ここでは交換可能に用いる。
【0009】
JVTコーデック設計では、画像符号化レイヤ(VCL)とネットワーク抽象化レイヤ(NAL)の2つの異なる概念的なレイヤを区別する。VCLは、動き補償や、係数の変換符号化や、エントロピ符号化等の符号化に関連するコーデックの部分を含んでいる。VCLの出力はスライスであり、各スライスは、一連のマクロブロックと、関連するヘッダ情報とを含んでいる。NALは、VCLデータを伝送するために用いられたトランスポートレイヤの詳細からVCLを抜き取る。VCLは、スライスより高いレベルの情報について、包括的な、伝送から独立した表現を定義する。NALは、ビデオコーデック自体と、外部世界とのインタフェースを定義する。内部的には、NALは、NALパケットを用いる。NALパケットは、ペイロードのタイプを示すタイプフィールドと、ペイロード内のビットセットとを含んでいる。単一のスライス内のデータは、更に異なるデータ部分に分割できる。
【0010】
多くの既存のビデオ符号化形式では、符号化されたストリームデータは、復号処理を制御するパラメータを含む様々な種類のヘッダを含んでいる。例えば、MPEG−2ビデオ規格は、シーケンスヘッダ、拡張されたグループオブピクチャ(group of pictures:以下、GOPという。)及びピクチャヘッダを、それらのアイテムに対応するビデオデータの前に設けている。JVTでは、VCLデータを復号するために必要な情報は、パラメータセットにグループ化される。各パラメータセットには、後にスライスからの参照情報として用いられる識別子が与えられている。パラメータセットは、ストリーム内(帯域内)で送信する代わりに、ストリーム外(帯域外)で送信してもよい。
【0011】
既存のファイルフォーマットは、符号化されたメディアデータに関連しているパラメータセットを保存する機能を有しておらず、また、パラメータセットを効率的に検索して、伝送できるように、効率的にメディアデータ(すなわち、サンプル又はサブサンプル)をパラメータセットにリンクするための機能も有していない。
【0012】
ISOメディアファイルフォーマットにおいては、構文解析メディアデータを用いることなくアクセスできる最小単位は、サンプル、すなわちAVC全体である。多くの符号化フォーマットでは、サンプルは、更にサブサンプル(サンプルフラグメント又はアクセスユニットフラグメントとも呼ばれる。)と呼ばれるより小さい単位に分割できる。AVCでは、サブサンプルは、スライスに対応している。しかしながら、既存のファイルフォーマットは、サンプルのサブパーツへのアクセスをサポートしていない。ファイルに保存されたデータに基づき、ストリーミングのためのパケットを柔軟に生成する必要があるシステムでは、サブサンプルにアクセスできないと、ストリーミングのためのJVTメディアデータを柔軟にパケット化することができない。
【0013】
既存のストレージフォーマットでは、メディアデータをストリーミングする際のネットワーク状態の変化に応じて、異なる帯域幅で保存されたストリーム間を切り換えることに関する制約がある。典型的なストリーミングのシナリオにおける主要な要求の1つは、ネットワーク状態の変化に応じて圧縮データのビット伝送速度をスケーリングすることである。これは、通常、異なる帯域幅及び代表的なネットワーク状態のための品質設定を有する複数のストリームを符号化し、1つ以上のファイルにこれらを保存することによって実現される。サーバは、ネットワーク状態に応じて、予め符号化されたこれらのストリームを切り換えることができる。既存のファイルフォーマットでは、ストリームの切換は、先行するサンプルに依存することなくサンプルを再構築できる場合にのみ可能である。このようなサンプルは、Iフレームと呼ばれる。現在、先のサンプルに依存して再構築されるサンプル(すなわち、複数のサンプルを参照して再構築されるPフレーム又はBフレーム)の場合、ストリームの切換はサポートされていない。
【0014】
AVC規格は、ストリーム間の効率的な切換、ランダムアクセスと、エラー回復、及びこの他の特徴を提供する切換ピクチャ(switching picture)と呼ばれるツールを提供する(SIピクチャ及びSPピクチャと呼ばれる)。切換ピクチャは、再構築される値が切り換えようとしているピクチャと正確に等しい特別な種類のピクチャである。切換ピクチャは、対応するピクチャを予測するために用いられた参照ピクチャとは異なる参照ピクチャを用いることができ、この結果、I−フレームを用いるより効率的に符号化を行うことができる。ファイルに保存された切換ピクチャを効率的に利用するためには、どのセットのピクチャが同等であるか及びどのピクチャが予測に用いられるかを知る必要がある。既存のファイルフォーマットでは、この情報は提供されず、したがって、この情報は、符号化されたを解析することによって、抽出する必要がある(このような処理は非効率的で時間がかかる)。
【0015】
したがって、新しいビデオコード化規格によって提供される新しい能力に対応し、既存のストレージ方法における制約をなくすようにストレージ方法を改善することが望まれる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0016】
マルチメディアデータ内のサンプルのグループを定義するサンプルグループメタデータを作成する。グループはサンプルの相互依存性に基づいている。更に、マルチメディアデータに関連するファイルを生成する。このファイルは、サンプルグループメタデータ及びマルチメディアデータに関係する他の情報を含んでいる。
【0017】
オーディオビジュアルメタデータのストレージ及び検索について説明した。ここでは、特定の実施の形態を示したが、ここに示した特定の実施の形態に代えて、同じ目的を達成する如何なる構成を用いてもよいことは当業者にとって明らかである。したがって、本出願は、本発明のあらゆる適応例及び変形例を包含するものとする。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】符号化システムの一実施例のブロック図である。
【図2】復号システムの一実施例のブロック図である。
【図3】本発明の実現に好適なコンピュータ環境のブロック図である。
【図4】符号化システムにおいて、サブサンプルメタデータを保存するための処理に関するフローチャートである。
【図5】復号システムにおいて、サブサンプルメタデータを使用するための処理に関するフローチャートである。
【図6】サブサンプルを有する拡張MP4メディアストリームモデルを説明する図である。
【図7A】サブサンプルメタデータを保存するための例示的なデータ構造を示す図である。
【図7B】サブサンプルメタデータを保存するための例示的なデータ構造を示す図である。
【図7C】サブサンプルメタデータを保存するための例示的なデータ構造を示す図である。
【図7D】サブサンプルメタデータを保存するための例示的なデータ構造を示す図である。
【図7E】サブサンプルメタデータを保存するための例示的なデータ構造を示す図である。
【図7F】サブサンプルメタデータを保存するための例示的なデータ構造を示す図である。
【図7G】サブサンプルメタデータを保存するための例示的なデータ構造を示す図である。
【図7H】サブサンプルメタデータを保存するための例示的なデータ構造を示す図である。
【図7I】サブサンプルメタデータを保存するための例示的なデータ構造を示す図である。
【図7J】サブサンプルメタデータを保存するための例示的なデータ構造を示す図である。
【図7K】サブサンプルメタデータを保存するための例示的なデータ構造を示す図である。
【図8】符号化システムにおいてパラメータセットメタデータを保存するための処理に関するフローチャートである。
【図9】復号システムにおいて、パラメータセットメタデータを利用するための処理に関するフローチャートである。
【図10A】パラメータセットメタデータを保存するための例示的なデータ構造を示す図である。
【図10B】パラメータセットメタデータを保存するための例示的なデータ構造を示す図である。
【図10C】パラメータセットメタデータを保存するための例示的なデータ構造を示す図である。
【図10D】パラメータセットメタデータを保存するための例示的なデータ構造を示す図である。
【図10E】パラメータセットメタデータを保存するための例示的なデータ構造を示す図である。
【図11】例示的な拡張グループオブピクチャ(GOP)を示す図である。
【図12】符号化システムにおいて、シーケンスメタデータを保存するための処理に関するフローチャートである。
【図13】復号システムにおいて、シーケンスメタデータを使用するための処理に関するフローチャートである。
【図14A】シーケンスメタデータを保存するために例示的なデータ構造を示す図である。
【図14B】シーケンスメタデータを保存するために例示的なデータ構造を示す図である。
【図14C】シーケンスメタデータを保存するために例示的なデータ構造を示す図である。
【図14D】シーケンスメタデータを保存するために例示的なデータ構造を示す図である。
【図14E】シーケンスメタデータを保存するために例示的なデータ構造を示す図である。
【図15A】ビットストリーム切換のための切換サンプルセットの使用法を示す図である。
【図15B】ビットストリーム切換のための切換サンプルセットの使用法を示す図である。
【図15C】2つのビットストリームの間の切換を行うポイントを判定するための処理の一実施例を示すフローチャートである。
【図16】符号化システムにおいて、切換サンプルメタデータを保存するための処理に関するフローチャートである。
【図17】復号システムにおいて、切換サンプルメタデータを使用するための処理に関するフローチャートである。
【図18】切換サンプルメタデータを保存するための例示的なデータ構造を示す図である。
【図19A】ランダムアクセスエントリポイントを実現するための切換サンプルセットの使用法を示す図である。
【図19B】ランダムアクセスエントリポイントを実現するための切換サンプルセットの使用法を示す図である。
【図19C】サンプルのランダムアクセスポイントを判定するための処理の一実施例に関するフローチャートである。
【図20A】エラー回復を実現するための切換サンプルセットの使用法を示す図である。
【図20B】エラー回復を実現するための切換サンプルセットの使用法を示す図である。
【図20C】サンプル送信時のエラー回復を実現するための処理の一実施例に関するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付の図面を用いて、本発明の実施例を詳細に説明する。添付の図面においては、類似する要素には、類似する参照符号を付す。添付の図面は、本発明を実現する特定の実施例を例示的に示している。これらの実施例については、当業者が本発明を実施することができるよう、詳細に説明するが、この他の実施例も可能であり、本発明の範囲から逸脱することなく、論理的、機械的、電気的、機能的及びこの他の変更を行うことができる。したがって、以下の詳細な説明は、限定的には解釈されず、本発明の範囲は、添付の請求の範囲によってのみ定義される。
【0020】
概観
まず、本発明の動作の概観を説明するために、図1に符号化システム100の一実施例を示す。符号化システム100は、メディアエンコーダ104、メタデータ生成器106及びファイル作成器(file creator)108を備える。メディアエンコーダ104は、例えば、ビデオデータ(例えば、自然映像(natural source video scene)と他の外部の映像オブジェクトから作成されたビデオオブジェクト)、音声データ(例えば、自然音声(natural source audio scene)及び他の外部のオーディオオブジェクトから作成された音声オブジェクト)、合成オブジェクト、又はこれらの任意の組合せ組合せを含むメディアデータを受け取る。メディアエンコーダ104は、様々な種類のメディアデータを処理するために、複数の別個のエンコーダを備えていてもよく、サブエンコーダを備えていてもよい。メディアエンコーダ104は、メディアがデータを符号化して、メタデータ生成器106に渡す。メタデータ生成器106は、メディアファイルフォーマットに基づいて、メディアデータに関する情報を提供するメタデータを生成する。メディアファイルフォーマットは、ISOメディアファイルフォーマット(又は、これに由来するMPEG−4、JPEG2000等)、クイックタイム、又は他の任意のメディアファイルフォーマットに基づいていてもよく、幾つかの追加的データ構造を含んでいてもよい。一実施例では、メディアデータ内においてサブサンプルに関係するメタデータを保存するための追加的データ構造を定義する。他の実施例においては、従来ではメディアデータに保存されていた復号情報を含んでいる対応するパラメータセットにメディアデータの部分(例えば、サンプル又はサブサンプル)をリンクするメタデータを保存するための追加的データ構造を定義する。更に他の実施例ではメディアデータ内のサンプルの相互依存性に基づいて作成された、メタデータデータ内のサンプルの様々なグループに関係するメタデータを保存するための追加的データ構造を定義する。更に他の実施例では、メディアデータに関連している切換サンプルセット(switch sample set)に関係するメタデータを保存するための追加的データ構造を定義する。切換サンプルセットとは、同じ復号値を有するが、異なるサンプルに依存していてもよいサンプルの組を指す。更に他の実施例では、使用されているファイルフォーマットにおいて、追加的データ構造の様々な組合せを定義する。これらの追加的データ構造とその機能について、以下に詳細に説明する。
【0021】
ファイル作成器108は、構造がメディアファイルフォーマットによって定義されているファイルにメタデータを保存する。これに代えて、符号化されたメディアデータを部分的又は完全に別々のファイルに含ませ、メタデータファイルに含まれた参照情報によって(例えば、URLを介して)メタデータにリンクさせてもよい。ファイル作成器108によって作成されたファイルは、チャンネル110を介してストレージ又は伝送することができる。
【0022】
図2は、復号システム200の一実施例を示している。復号システム200は、メタデータ抽出器204、メディアデータストリームプロセッサ206、メディアデコーダ210、合成器(compositor)212及びレンダリング器(renderer)214を備える。復号システム200をクライアント機器内に設け、ローカルな再生に用いてもよい。これに代えて、復号システム200は、データのストリーミングに用いてもよく、ネットワーク(例えば、インターネット)208を介して互いに通信を行うサーバ機器及びクライアント機器を備えていてもよい。サーバ機器は、メタデータ抽出器204とメディアデータストリームプロセッサ206を備えていてもよい。クライアント機器は、メディアデコーダ210、合成器212及びレンダリング器214を備えていてもよい。
【0023】
メタデータ抽出器204は、データベース216に保存されている又は(例えば符号化システム100から)ネットワークを介して受信したファイルからメタデータを抽出する機能を担う。このファイルは、抽出されるメタデータに関連しているメディアデータを含んでいてもよく、含んでいなくてもよい。ファイルから抽出されたメタデータは、上述した追加的データ構造の1つ以上を含んでいる。
【0024】
抽出されたメタデータは、メディアデータストリームプロセッサ206に渡される。このメディアデータストリームプロセッサ206は、関連する符号化されたメディアデータも受け取る。メディアデータストリームプロセッサ206は、メタデータを用いて、メディアデータストリームを生成し、これをメディアデコーダ210に供給する。一実施例では、メディアデータストリームプロセッサ206は、(例えば、パケット化のために)サブサンプルに関係するメタデータを用いて、メディアデータ内のサブサンプルの位置を特定する。他の実施例においては、メディアデータストリームプロセッサ206は、パラメータセットに関係するメタデータを用いて、メディアデータの一部を対応するパラメータセットにリンクさせる。更に他の実施例では、メディアデータストリームプロセッサ206は、メタデータを用いて、所定のグループ内のサンプルにアクセスするために、メタデータ内のサンプルの様々なグループを定義する(例えば、スケーラビリティのために、伝送条件に応じて、他のサンプルが依存していないサンプルのグループを除外して伝送ビットレートを低減する)。更に他の実施例では、メディアデータストリームプロセッサ206は、切換サンプルセットを定義するメタデータを用いて、切り換えるべきサンプルであって、導出されるサンプルが依存するサンプルに依存しないサンプルと同じ復号値を有する切換サンプルを特定する(例えば、Pフレーム又はBフレームにおいて、異なるビットレートを有するストリームへの切換を可能にする)。(In still another embodiment, the media data stream processor 206 uses metadata defining switch sample sets to locate a switch sample that has the same decoding value as the sample it is supposed to switch to but does not depend on the samples on which this resultant sample would depend on (e. g. , to allow switching to a stream with a different bit-rate at a P-frame or B-FRAME).)
作成されたメディアデータストリームは、直接(例えば、ローカル再生のために)又はネットワーク208を介して(例えばデータのストリーミングのために)、メディアデコーダ210に供給され、復号される。合成器212は、メディアデコーダ210の出力を受け取ってシーンを合成(compose)し、合成されたシーンは、ユーザディスプレイ装置内のレンダリング器214によってレンダリングされる。
【0025】
以下に示す図3を参照した説明は、本発明の実施に適したコンピュータハードウェア及び他の操作コンポーネントに関する概要を明らかにするためのものであるが、これは、適用可能な環境を制限するものではない。図3は、図1に示すメタデータ生成器106及び/又はファイル作成器108、又は図2に示すメタデータ抽出器204及び/又はメディアデータストリームプロセッサ206の実現に好適なコンピュータシステムを示している。
【0026】
コンピュータシステム340は、それぞれがシステムバス365に接続されたプロセッサ350と、メモリ355と、入出力装置(input/output capability)360とを備える。メモリ355は、プロセッサ350によって実行されることにより、ここに説明する処理を実現する命令を格納するよう構成されている。入出力装置360は、プロセッサ350によってアクセス可能なあらゆる種類のストレージ装置を含む、様々な種類の、コンピュータにより読取可能な媒体を含んでいる。なお、「コンピュータにより読取可能な媒体」という用語は、デジタル信号がエンコードされた搬送波をも含むことは、当業者にとって明らかである。コンピュータシステム340は、メモリ355において実行されるオペレーティングシステムソフトウェアによって制御される。入出力装置360及びこれに関連する媒体は、このオペレーティングシステムソフトウェアと、本発明に基づく処理とに関する命令と、アクセスユニットとを格納している。図1及び図2に示すメタデータ生成器106、ファイル作成器108、メタデータ抽出器204及びメディアデータストリームプロセッサ206は、プロセッサ350に接続されたそれぞれ独立した要素であってもよく、プロセッサ350によって実行される、コンピュータにより実行可能な命令として実現してもよい。一実施例においては、コンピュータシステム340は、インターネットサービスプロバイダ(Internet Service Provider:以下、ISPという。)の一部であってもよく、或いは、入出力装置360を介してISPに接続され、インターネットを介してアクセスユニットを送受信してもよい。なお、本発明は、インターネットアクセス及びインターネットウェブサイトに限定されるものではなく、直接接続されたコンピュータシステム及びプライベートネットワークに適用してもよいことは明らかである。
【0027】
なお、コンピュータシステム340は、異なるアーキテクチャを有する様々な可能なコンピュータシステムの一例に過ぎないことは明らかである。一般的なコンピュータシステムは、少なくともプロセッサと、メモリと、及びプロセッサとメモリを接続するバスとを備えている場合が多い。なお、本発明は、マルチプロセッサシステム、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータ等を含む、他のコンピュータシステム構成によっても実現できることは当業者にとって明らかである。更に、本発明は、通信ネットワークを介してリンクされたリモートの処理装置によってタスクが実行される分散型コンピュータシステム環境によっても実現することができる。
【0028】
サブサンプルのアクセス可能性(Sub-Sample Accessibility)
図4及び図5は、それぞれ符号化システム100及び復号システム200において実行されるサブサンプルメタデータの保存及び検索のための処理の具体例を示している。この処理は、ハードウェア(例えば回路、専用ロジック等)、ソフトウェア(汎用コンピュータシステム又は専用マシン上で実行されるソフトウェア)又はこれらの両方の組合せを含む処理ロジックによって実行してもよい。ソフトウェアによって実現できる処理については、これらのフローチャートを用いて本発明を説明することにより、当業者は、適切に構成されたコンピュータによってこの処理を実行するための命令を含むプログラムを開発することができる(コンピュータのプロセッサは、メモリを含むコンピュータにより読取可能な媒体から命令を読み出し、実行する)。コンピュータにより実行可能な命令は、コンピュータプログラミング言語として書いてもよく、ファームウェアロジックとして実現してもよい。一般的に認知されている規格に準拠するプログラミング言語で書いた場合、このような命令は、様々なオペレーティングシステムにインタフェースされ、様々な種類のハードウェアプラットホームで実行できる。更に、本発明では、如何なる特定のプログラミング言語にも基づくことなく、本発明を説明する。ここに開示する本発明の処理を実現するために、様々なプログラミング言語を用いてることができることは明らかである。更に、当分野においては、動作を行い又は結果を生じるものとして、ソフトウェアを様々な呼び方で呼ぶことがある(例えば、プログラム、手続き、プロセス、アプリケーション、モジュール、ロジック等)。これらの表現は、コンピュータによるソフトウェアの実行によって、コンピュータのプロセッサが動作を実行し又は結果を生じるということを単に簡略的に表現しているにすぎない。また、本発明の範囲から逸脱することなく、図4及び図5に示す処理ステップを省略してもよく、他のステップを追加してもよく、更に、ここで説明する処理ステップの実行順序を変更してもよい。
【0029】
図4は、符号化システム100において、サブサンプルメタデータを作成する処理400の一実施例を示すフローチャートである。まず、処理400は、処理ロジックが符号化されたメディアデータを含むファイルを受け取る(処理ブロック402)ことによって開始される。次に、処理ロジックは、メディアデータ内のサブサンプルの境界を特定する情報を抽出する(処理ブロック404)。用いられているファイルフォーマットに応じて、時間的属性を与えることができるデータストリームの最小単位は、サンプル(ISOメディアファイルフォーマット又はクイックタイムにおいて定義されている)、アクセスユニット(MPEG−4において定義されている)又はピクチャ(JVTにおいて定義されている)等と呼ばれる。サブサンプルは、サンプルのレベルより下位のデータストリームの連続する部分を表す。サブサンプルの定義は、符号化フォーマットに依存するが、包括的に言えば、サブサンプルとは、単一のエンティティ又はサブユニットの組合せとして復号でき、サンプルの部分的な再構築を可能にする、サンプルの重要なサブユニットである。また、サブサンプルは、アクセスユニットフラグメントとも呼ばれる。サブサンプルは、多くの場合、サンプルのデータストリームの部分(division)を表すので、各サブサンプルは、同じサンプル内の他のサブサンプルに対して依存関係をほとんど又は全く有していない。例えば、JVTでは、サブサンプルは、NALパケットである。同様に、MPEG−4ビデオでは、サブサンプルは、ビデオパケットである。
【0030】
一実施例では、符号化システム100は、上述のように、JVTにおいて定義されているネットワーク抽象化レイヤで動作する。JVTメディアデータストリームは、一連のNALパケットから構成され、各NALパケット(また、NALユニットと呼ばれる)は、ヘッダ部とペイロード部分を含んでいる。ある種のNALパケットは、各スライスについて符号化されたVCLデータ又は1つのスライスの単一のデータ分割を格納するために用いられる。更に、NALパケットは、補足的拡張情報(supplemental enhancement information:以下、SEIという。)メッセージを含む情報パケットであってもよい。SEIメッセージは、対応するスライスの復号時に用いられるオプションのデータを表す。JVTでは、サブサンプルは、ヘッダとペイロードの両方を有する完全なNALパケットであってもよい。
【0031】
処理ブロック406において、処理ロジックは、メディアデータ内のサブサンプルを定義するサブサンプルメタデータを作成する。一実施例では、サブサンプルメタデータは、予め定義されたデータ構造の組(例えば、一組のボックス)として組織化される。予め定義されたデータ構造の組には、各サブサンプルのサイズに関する情報を含むデータ構造、各サンプルのサブサンプルの総数に関する情報を含むデータ構造、各サブサンプルを説明する情報(例えば、何がサブサンプルとして定義されているか)を含むデータ構造、又はサブサンプルに関係する任意のデータを含む他のデータ構造を含めることができる。
【0032】
次に、一実施例において、処理ロジックは、データの繰り返しシーケンス(repeated sequence of data)を含むデータ構造が存在するか否かを判定する(デシジョンボックス408)。この判定の結果が肯定的である場合、処理ロジックは、データの各繰り返しシーケンスをシーケンス出現への参照情報(a reference to a sequence occurrence)及び繰り返しシーケンスの出現回数を表す情報に変換する(処理ブロック410)。
【0033】
次に、処理ブロック412において、処理ロジックは、特定のメディアファイルフォーマット(例えば、JVTファイルフォーマット)を用いて、メディアデータに関連するファイルの中にサブサンプルメタデータを含める。メディアファイルフォーマットにより、サブサンプルメタデータは、サンプルメタデータとともに保存してもよく(例えば、サンプルデータ構造を含むサンプルテーブルボックスにサブサンプルデータ構造を含むことができる)、サンプルメタデータとは別に保存してもよい。
【0034】
図5は、復号システム200においてサブサンプルメタデータを利用するための処理500の一具体例のフローチャートである。まず、処理500は、処理ロジックが符号化されたメディアデータに関連するファイルを受け取ることにより開始される(処理ブロック502)。ファイルは、データベース(ローカル又は外部の)、符号化システム100又はネットワーク上の他の如何なる機器から供給してもよい。ファイルは、メディアデータ内のサブサンプルを定義するサブサンプルメタデータを含んでいる。
【0035】
次に、処理ロジックは、ファイルからサブサンプルメタデータを抽出する(処理ブロック504)。上述のように、サブサンプルメタデータは、データ構造の組(例えば、一組のボックス)に保存してもよい。
【0036】
更に、処理ブロック506において、処理ロジックは、抽出されたメタデータを用いて、(同じファイル又は異なるファイルに保存されている)符号化されたメディアデータのサブサンプルを特定し、メディアデコーダに供給するために、複数のサブサンプルを結合してパケットを生成し、これにより、ストリーミングのためのメディアデータの柔軟なパケット化が可能となる(例えば、エラー回復、スケーラビリティ等をサポートできる)。
【0037】
以下、拡張ISOメディアファイルフォーマット(拡張MP4と呼ばれる)に基づいて、サブサンプルメタデータ構造の具体例について説明する。なお、他のメディアファイルフォーマットを拡張して、サブサンプルメタデータを保存するための同様のデータ構造を組み込むことができることは当業者にとって明らかである。
【0038】
サブサンプルを含む拡張MP4メディアストリームモデルを図6に示す。プレゼンテーションデータ(例えば、同期されたオーディオ及びビデオを含むプレゼンテーション)は、ムービー602として表されている。ムービー602は、一組のトラック604を含む。各トラック604は、メディアデータストリームを表している。各トラック604は、サンプル606に分割される。各サンプル606は、特定の時刻におけるメディアデータのユニットを表している。サンプル606は、更にサブサンプル608に分割される。JVT規格では、サブサンプル608は、NALパケット又は単一のピクチャのスライス、複数のデータ部分を含むスライスの1つのデータ部分、帯域内パラメータセット又はSEI情報パケット等のユニットを表すことができる。これに代えて、サブサンプル606は、例えば、メディアにおける空間的領域又は時間的領域を表すコードデータ等、サンプルにおける他の如何なる構造的要素を表していてもよい。一実施例においては、何らかの構造的基準又は意味的基準に基づく、符号化されたメディアデータの如何なる部分もサブサンプルとして扱うことができる。
【0039】
サブサンプルメタデータを保存するためのデータ構造の具体例を図7A〜図7Lに示す。
【0040】
図7Aに示すように、ISOメディアファイルフォーマットによって定義されたサンプルメタデータボックスを含むサンプルテーブルボックス700は、サブサンプルサイズボックス(sub-sample size box)702、サブサンプル記述関連付けボックス(sub-sample description association box)704、サブサンプル−サンプルボックス(sub-sample to sample box)706、サブサンプル記述ボックス(sub-sample description box)708等のサブサンプルアクセスボックスを含むように拡張される。一実施例では、サブサンプルアクセスボックスを用いるか否かは任意である。
【0041】
図7Bに示すように、サンプル710は、例えば、スライス712等のスライスと、データ部分(data partition)714等のデータ部分と、ROI716等の重要な領域(regions of interest:ROI)とに分割することができる。これらの各実施例は、サンプルをサブサンプルに分割する様々な例を表している。単一のサンプル内の各サブサンプルは、互いに異なるサイズを有することができる。
【0042】
サブサンプルサイズボックス718は、サブサンプルサイズボックス718のバージョンを指定するバージョンフィールドと、デフォルトサブサンプルサイズを指定するサブサンプルサイズフィールドと、トラック内のサブサンプルの数を表すサブサンプルカウントフィールドと、各サブサンプルのサイズを指定するエントリサイズフィールドとを含んでいる。サブサンプルサイズフィールドに0が設定されている場合、サブサンプルサイズテーブル720内に格納されているサブサンプルは異なるサイズを有する。
【0043】
サブサンプルサイズフィールドの値が0に設定されない場合、このフィールドは、サブサンプルサイズが一定であることを表し、サブサンプルサイズテーブル720が空であることを示す。テーブル720は、サブサンプルサイズを表すための32ビット固定長フィールド又は可変長フィールドを有していてもよい。フィールドが可変長である場合、サブサンプルテーブルは、サブサンプルサイズフィールドの長さをバイト単位で表現するフィールドを含んでいる。
【0044】
図7Cに示すように、サブサンプル−サンプルボックス722は、サブサンプル−サンプルボックス722のバージョンを特定するバージョンフィールドと、テーブル723内のエントリの数を示すエントリカウントフィールドとを含んでいる。サブサンプル−サンプルテーブルにおける各エントリは、同数の1サンプルあたりのサブサンプルを共有するサンプルのラン(run)における第1のサンプルのインデクスを提供する第1のサンプルフィールドと、サンプルのランにおける各サンプルのサブサンプルの数を提供するサンプル毎サブサンプル(sub-samples-per-sample)フィールドとを含んでいる。
【0045】
テーブル723を用いることにより、ランに幾つのサンプルがあるかを算出し、この数と適切な1サンプル毎のサブサンプルの数とを乗算し、全てのランの結果を合計することによって、トラックのサブサンプルの総数を算出することができる。
【0046】
図7Dに示すように、サブサンプル記述関連付けボックス724は、サブサンプル記述関連付けボックス724のバージョンを指定するバージョンフィールドと、記述されるサブサンプルのタイプ(例えばNALパケット、関心領域)を示す記述タイプ識別子と、テーブル726内のエントリの数を提供するエントリカウントフィールドとを含んでいる。テーブル726内の各エントリは、サブサンプル記述IDを示すサブサンプル記述タイプ識別子フィールドと、同じサブサンプル記述IDを共有するサブサンプルのランにおける第1のサブサンプルへのインデクスを提供する第1のサブサンプルフィールドとを含んでいる。
【0047】
サブサンプル記述タイプ識別子は、サブサンプル記述IDフィールドの使用を制御する。すなわち記述タイプ識別子において特定されたタイプに応じて、サブサンプル記述IDフィールド自体が記述ID自体の中のサブサンプル記述を直接符号化する記述IDを特定し、又は、サブサンプル記述IDフィールドは、異なるテーブル(すなわち、後述するサブサンプル記述テーブル)へのインデクスとして機能できる。例えば、記述タイプ識別子がJVT記述を指示する場合、サブサンプル記述IDフィールドは、JVTサブサンプルの特性を指定するコードを含むことができる。この場合、サブサンプル記述IDフィールドは、サブサンプル内に予め定義されたデータ部分が存在することを表すビットマスクとして用いられる下位8ビットと、NALパケットタイプを表すための、又は将来の拡張のための上位24ビットとを含む32ビットのフィールドであってもよい。
【0048】
図7Eに示すように、サブサンプル記述ボックス728は、サブサンプル記述ボックス728のバージョンを指定するバージョンフィールドと、テーブル730内のエントリの数を示すエントリカウントフィールドと、サブサンプルの特性に関する情報を表すサブサンプル記述フィールドの記述タイプを示す記述タイプ識別子フィールドと、1つ以上のサブサンプル記述エントリ730を含むテーブルとを含む。サブサンプル記述タイプは、記述情報(descriptive information)が関係するタイプを特定し、サブサンプル記述関連付けテーブル724内の同じフィールドに対応している。テーブル730内の各エントリは、関連するサブサンプルの特性に関する情報を含むサブサンプル記述エントリを含んでいる。記述エントリの情報とフォーマットは、記述タイプフィールドに依存する。例えば、そして、記述タイプがパラメータセットである場合、各記述エントリは、パラメータセットの値を含む。
【0049】
記述情報は、パラメータセット情報、ROIに関係する情報又はサブサンプルを特徴付けるために必要な他のあらゆる情報に関連付けることができる。パラメータセットについては、サブサンプル記述関連付けテーブル724は、各サブサンプルに関連するパラメータセットを示す。このような場合、サブサンプル記述IDは、パラメータセット識別子に対応している。同様に、サブサンプルは、以下のように異なる関心領域を表すことができる。まず、サブサンプルを1つ以上の符号化されたマクロブロックとして定義し、次に、サブサンプル記述関連付けテーブルを用いて、ビデオフレーム又は画像の符号化されたミクロブロックの異なる領域への分割を表現する。例えば、2つのサブサンプル記述ID(例えば、サブサンプル記述ID1、2)によって、フレーム内の符号化されたマクロブロックを、それぞれ前景領域及び背景領域への割当を示す前景マクロブロックと背景マクロブロックに分割できる。
【0050】
異なる種類のサブサンプルを図7Fに示す。サブサンプルは、分割されていないスライス732、複数のデータに分割されたスライス734、スライス内のヘッダ736。1つのスライスの中央のデータ部分738、1つのスライスの最後のデータ部分740、SEI情報パケット742等を表すことができる。これらの各サブサンプルタイプは、図7Gに示す8ビットマスク744の特定の値に関連付けてもよい。8ビットマスクは、上述のように、32ビットのサブサンプル記述IDフィールドの最下位8ビットを構成してもよい。図7Hは、「jvtd」に等しい記述タイプ識別子を有するサブサンプル記述関連付けボックス724を示す。テーブル726は、図7Gに示した値を格納する32ビットのサブサンプル記述IDフィールドを有している。
【0051】
図7H〜図7Kを用いて、サブサンプル記述関連付けテーブルにおけるデータの圧縮を説明する。
【0052】
図7Iに示すように、圧縮されていないテーブル726は、シーケンス748を繰り返すサブサンプル記述IDのシーケンス750を含んでいる。圧縮されたテーブル746内では、繰り返しシーケンス750は、シーケンス748への参照情報と、このシーケンスが出現する回数を表す情報に圧縮されている。
【0053】
図7Jに示す一実施例においては、サブサンプル記述IDフィールドにおいて、最上位ビットをシーケンスフラグのラン754として用い、次の23ビットを出現インデクス756として用い、これより下位のビットを出現長(occurrence length)758として用いることによって、シーケンス出現(sequence occurrence)を符号化することができる。シーケンスフラグのラン754に1が設定されている場合、これは、当該エントリが繰り返しシーケンスの出現を含んでいることを示している。シーケンスフラグのラン754に0が設定されている場合、このエントリは、サブサンプル記述IDであることを示している。出現インデクス756は、シーケンスの第1の出現のサブサンプル記述関連付けボックス724内の指標であり、出現長758は、繰り返しシーケンス出現の長さを示す。
【0054】
図7Kに示す他の実施例においては、繰り返しシーケンス出現テーブル760は、繰り返しシーケンスの出現を表すために用いられる。サブサンプル記述IDフィールドの最上位ビットは、エントリがサブサンプル記述IDであるか否かを示すシーケンスフラグ762のランとして、又は、サブサンプル記述関連付けボックス724の一部である繰り返しシーケンス出現テーブル760内のエントリのシーケンスインデクス764として用いられる。繰り返しシーケンス出現テーブル760は、繰り返しシーケンスにおける最初のアイテムのサブサンプル記述関連付けボックス724におけるインデクスを特定するための出現インデックスフィールドと、繰り返しシーケンスの長さを指定するためのシーケンス長領域とを含んでいる。
【0055】
パラメータセット
JVT等の所定のメディアフォーマットでは、メディアデータを適切に復号するために必要である基準制御値(critical control value)を含む「ヘッダ」情報が、符号化されたデータの残りの部分から分離され/切り離され、パラメータセット内に保存される。これにより、ストリームにおけるこれらの制御値を符号化されたデータに混在させるのではなく、一意的識別子等のメカニズムを用いて、符号化されたデータにより必要なパラメータセットを示すことができる。この手法により、符号化されたデータから、より高レベルの符号化パラメータの伝送を分離することができる。また、同時に、制御値の共通の組をパラメータセットとして共有することによって、冗長度を低下させることができる。
【0056】
パラメータセットを用いる保存されたメディアストリームの効率的な送信をサポートするためには、送信側又はプレーヤは、パラメータセットを伝送し又はパラメータセットにアクセスする時刻及び場所を知るために、符号化されたデータを対応するパラメータに高速にリンクする必要がある。本発明の一実施例では、メディアデータのパラメータセットと対応する部分の間の関係を特定するデータをメディアファイルフォーマット内のパラメータセットメタデータとして格納することによりこの機能を実現する。
【0057】
図8及び図9は、それぞれ符号化システム100及び復号システム200によって実行されるパラメータセットメタデータの保存及び検索のための処理を示している。この処理は、ハードウェア(例えば回路、専用ロジック等)、ソフトウェア(汎用コンピュータシステム又は専用マシン上で実行されるソフトウェア)又はこれらの両方の組合せを含む処理ロジックによって実行してもよい。
【0058】
図8は、符号化システム100において、パラメータセットメタデータを作成するための処理800の一実施例を示すフローチャートである。まず、処理800は、処理ロジックが符号化されたメディアデータに関連するファイルを受け取ることにより開始される(処理ブロック802)。このファイルは、メディアデータの一部をどのように復号するかを指定する符号化パラメータの組を含んでいる。次に、処理ロジックは、パラメータセットと呼ばれる符号化パラメータの組と、メディアデータの対応する部分と間の関係を調べ(処理ブロック804)、パラメータセットと、このパラメータセットとメディアデータ部分との関係を定義するパラメータセットメタデータを作成する(処理ブロック806)。メディアデータ部分は、サンプル又はサブサンプルによって表してもよい。
【0059】
一実施例では、パラメータセットメタデータは、一組の予め定義されたデータ構造(例えば、一組のボックス)に組織化される。予め定義されたデータ構造の組は、パラメータセットに関する記述的な情報を含むデータ構造と、サンプルとこれに対応するパラメータセットの間の関係を定義する情報を含むデータ構造とを含むことができる。一実施例においては、予め定義されたデータ構造の組は、サブサンプルとこれに対応するパラメータセットの間の関係を定義する情報を含むデータ構造を含んでいる。サブサンプル−パラメータセット関係情報(sub-sample to parameter set association information)を含むデータ構造は、サンプル−パラメータセット関係情報(sample to parameter set association information)を含むデータ構造に優先されてもよく、優先されなくてもよい。
【0060】
次に、一実施例では、処理ロジックは、データの繰り返しシーケンスを含むパラメータセットデータ構造が存在するか否かを判定する(デシジョンボックス808)。この判定の結果が肯定的である場合、処理ロジックは、データの各繰り返しシーケンスをシーケンスの出現への参照情報及びシーケンスの出現回数を表す情報に変換する(処理ブロック810)。
【0061】
次に、処理ブロック812において、処理ロジックは、特定のメディアファイルフォーマット(例えば、JVTファイルフォーマット)を用いて、メディアデータに関連するファイル内にパラメータセットメタデータを含める。メディアファイルフォーマットに応じて、パラメータセットメタデータは、トラックメタデータ及び/又はサンプルメタデータとともに保存してもよく(例えば、パラメータセットに関する記述的情報を含むデータ構造をトラックボックスに含めてもよく、関連付け情報を含むデータ構造をサンプルテーブルボックスに含めてもよい。)、トラックメタデータ及び/又はサンプルメタデータとは別に保存してもよい。
【0062】
図9は、復号システム200においてパラメータセットメタデータを利用するための処理900の一実施例を示すフローチャートであるである。まず、処理900は、処理ロジックが符号化されたメディアデータに関連するファイルを受け取ることにより開始される(処理ブロック902)。ファイルは、データベース(ローカル又は外部のデータベース)、符号化システム100又はネットワーク内の他の如何なる機器から受け取ってもよい。ファイルは、メディアデータのためのパラメータセット及びこのメディアデータのパラメータセットと対応する部分(例えば、対応するサンプル又はサブサンプル)の間の関係を定義するパラメータセットメタデータを含んでいる。
【0063】
次に、処理ロジックは、ファイルからパラメータセットメタデータを抽出する(処理ブロック904)。上述のように、パラメータセットメタデータは、一組のデータ構造(例えば、一組のボックス)に保存できる。
【0064】
更に、処理ブロック906では、処理ロジックは、抽出されたメタデータを用いて、どのパラメータセットが特定のメディアデータ部分(例えば、サンプル又はサブサンプル)に関連するかを判定する。この情報は、メディアデータ部分とこれに対応するパラメータセットの伝送時刻を制御するために用いることができる。すなわち、特定のサンプル又はサブサンプルを復号するために用いるべきパラメータセットは、サンプル又はサブサンプルを含むパケットより先に、又はサンプル又はサブサンプルを含むパケットと共に送信する必要がある。
【0065】
このように、パラメータセットメタデータを用いることにより、より信頼性が高いチャンネルを介して、パラメータセットを別個に送信することが可能となり、伝送エラー又はデータ損失によってメディアストリームの一部が欠落する可能性を低減することができる。
【0066】
以下、拡張ISOメディアファイルフォーマット(拡張ISOと呼ばれる)について、例示的なパラメータセットメタデータ構造を用いて説明する。但し、パラメータセットメタデータを格納するための様々なデータ構造を組み込むように、この他のファイルフォーマットを拡張してもよいことは明らかである。
【0067】
パラメータセットメタデータを保存するための例示的なデータ構造を図10A〜図10Eに示す。
【0068】
図10Aに示すように、ISOファイルフォーマットによって定義されているトラックメタデータボックスを含むトラックボックス1002は、パラメータセット記述ボックス1004を含むように拡張される。更に、ISOファイルフォーマットによって定義されているサンプルメタデータボックスを含むサンプルテーブルボックス1006は、サンプル−パラメータセットボックス1008を含むように拡張される。一実施例においては、サンプルテーブルボックス1006は、サブサンプル−パラメータセットボックスを含んでいてもよく、これは、後に詳細に説明するように、サンプル−パラメータセットボックス1008へのサンプルに優先させることができる。
【0069】
一実施例では、パラメータセットメタデータボックス1004、1008は、必須要件である。他の実施例においては、パラメータセット記述ボックス1004のみが必須要件である。更に他の実施例では、全てのパラメータセットメタデータボックスの全てが任意の要件である。
【0070】
図10Bに示すように、パラメータセット記述ボックス1010は、パラメータセット記述ボックス1010のバージョンを指定するバージョンフィールドと、テーブル1012内のエントリの数を示すパラメータセット記述カウントフィールドと、パラメータセット自体のためのエントリを含むパラメータセットエントリフィールドとを含んでいる。
【0071】
パラメータセットは、サンプルレベル又はサブサンプルレベルから参照することができる。図10Cに示すように、サンプル−パラメータセットボックス1014は、サンプルレベルからパラメータセットへの参照情報を提供する。サンプル−パラメータセットボックス1014は、サンプル−パラメータセットボックス1014のバージョンを指定するバージョンフィールドと、デフォルトパラメータセットIDを指定するデフォルトパラメータセットIDフィールドと、テーブル1016内のエントリの数を示すエントリカウントフィールドとを含んでいる。テーブル1016内の各エントリは、同じパラメータセットを共有するサンプルのランにおける第1のサンプルのインデクスを提供する第1のサンプルフィールドと、パラメータセット記述ボックス1010へのインデクスを指定するパラメータセットインデクスとを含んでいる。デフォルトパラメータセットIDが0のときは、テーブル1016内に格納されているサンプルは、異なるパラメータセットを有する。デフォルトパラメータセットIDが1のときは、各サンプルに対して、一定のパラメータセットが1つのみ用いられる。
【0072】
一実施例では、サブサンプル記述関係テーブルに関連して上述したように、テーブル1016内のデータは、各繰り返しシーケンスを最初のシーケンスへの参照情報と、このシーケンスが出現する回数を表す情報に変換することによって圧縮される。
【0073】
パラメータセットとサブサンプルの間の関係を定義することによって、サブサンプルレベルからパラメータセットを参照することができる。一実施例では、パラメータセットとサブサンプルの間の関係は、上述したサブサンプル記述関連付けボックスを用いて定義される。図10Dは、パラメータセットを識別する記述タイプ識別子を有するサブサンプル記述関連付けボックス1018を示す。(例えば、記述タイプ識別子は、「pars」に等しい)。テーブル1020内のサブサンプル記述IDは、この記述タイプ識別子に基づき、パラメータセット記述ボックス1010内のインデクスを示す。
【0074】
一実施例では、パラメータセットを識別する記述タイプ識別子を含むサブサンプル記述関連付けボックス1018が存在している場合、これは、サンプル−パラメータセットボックス1014に優先される。
【0075】
パラメータセットは、パラメータセットが作成された時点と、パラメータセットがメディアデータの対応する部分を復号するために用いられる時点との間で変更してもよい。このような変更が行われる場合、復号システム200は、パラメータセットの変更を示すパラメータ更新パケットを受け取る。パラメータセットメタデータは、更新前と更新後の両方のパラメータセットの状態を特定するデータを含んでいる。
【0076】
図10Eに示すように、パラメータセット記述ボックス1010は、時刻t0において作成された初期パラメータセット1022のエントリと、時刻t1において受け取られたパラメータ更新パケット1026に応じて作成された更新パラメータセット1024のエントリとを含んでいる。サブサンプル記述関連付けボックス1018は、これらの2つのパラメータセットを対応するサブサンプルに関連付ける。
【0077】
サンプルグループ
トラック内のサンプルは、メディアデータ内のハイレベルの構造を表すシーケンス(不連続であってもよい)に論理的にグループ化(区分)することができるが既存のファイルフォーマットは、このようにグループ化されたデータを表現及び保存する好適なメカニズムを有していない。例えば、JVT等の高度な符号化形式は、単一のトラック内のサンプルを、それらの相互依存性に基づいて複数のグループに組織化する。これらのグループ(ここでは、シーケンス又はサンプルグループとも呼ぶ。)を用いて、除外可能な一連のサンプルを特定することができ、ネットワーク状態によって必要とされた場合に、これにより、時間的なスケーラビリティをサポートすることができる。ファイルフォーマットにおいて、サンプルグループを定義するメタデータを保存することにより、メディアの送信側は、上述した特徴を容易且つ効率的に実現することができる。
【0078】
サンプルグループの具体例としては、例えば、フレーム間の依存関係によって、それらのサンプルが他のサンプルに依存することなく復号できる組がある。JVTでは、このようなサンプルグループは、拡張グループオブピクチャ(enhanced group of pictures:以下、拡張GOPという。)と呼ばれる。拡張GOPでは、サンプルは、サブシーケンスに分割できる。各サブシーケンスは、互いに依存し、1つの単位として処理できる一組のサンプルを含んでいる。更に拡張GOPのサンプルは、より上位のレイヤのサンプルがより下位のレイヤのサンプルのみから予測され、これにより、他のサンプルを復号する能力に影響を与えることなく、最上位のレイヤのサンプルを除外できるように、複数のレイヤに階層的に構造化できる。他の如何なるレイヤのサンプルにも依存しないサンプルを含んでいる最下位のレイヤは、ベースレイヤと呼ばれる。ベースレイヤ以外の他の全てのレイヤは、エンハンスメントレイヤ(enhancement layer)と呼ばれる。
【0079】
図11は、サンプルが2つのレイヤ、ベースレイヤ1102及びエンハンスメントレイヤ1104。及び2つのサブシーケンス1106、1108に分割される例示的な拡張GOPを示している。2つのサブシーケンス1106と1108は、互いに依存することなく破棄することができる。
【0080】
図12及び図13は、それぞれ符号化システム100及び復号システム200によって実行されるサンプルグループメタデータの保存及び検索のための処理を示している。この処理は、ハードウェア(例えば回路、専用ロジック等)、ソフトウェア(汎用コンピュータシステム又は専用マシン上で実行されるソフトウェア)又はこれらの両方の組合せを含む処理ロジックによって実行してもよい。
【0081】
図12は、符号化システム100においてサンプルグループメタデータを作成するための処理1200の一実施例を示すフローチャートである。まず、処理1200は、処理ロジックが符号化されたメディアデータに関連するファイルを受け取ることにより開始される(処理ブロック1202)。メディアデータのトラック内のサンプルは、ある種の相互依存性を有する。例えば、トラックは、他の如何なるサンプルにも依存しないIフレーム、先行する単一のサンプルに依存するPフレーム及びIフレーム、Pフレーム及びBフレームのあらゆる組合せを含む先行する2つのサンプルに依存するBフレームを含んでいてもよい。トラックのサンプルは、それらの相互依存性に基づいて、サンプルグループ(例えば、拡張GOP、レイヤ、サブシーケンス等)に論理的に結合できる。
【0082】
次に、処理ロジックは、各トラック内のサンプルグループを特定するためにメディアデータを調べ(処理ブロック1204)、サンプルグループについて記述し、どのサンプルがどのサンプルグループに含まれているかを定義するサンプルグループメタデータを作成する(処理ブロック1206)。一実施例では、サンプルグループメタデータは、一組の予め定義されたデータ構造(例えば、一組のボックス)に組織化される。予め定義されたデータ構造の組は、各サンプルグループに関する記述的な情報を含むデータ構造と、各サンプルグループに含まれたサンプルを特定する情報を含むデータ構造とを含むことができる。
【0083】
次に、一実施例では、処理ロジックは、データの繰り返しシーケンスを含むサンプルグループデータ構造が存在するか否かを判定する(デシジョンボックス1208)。この判定の結果が肯定的である場合、処理ロジックは、データの各繰り返しシーケンスをシーケンスの出現への参照情報及びシーケンスの出現回数を表す情報に変換する(処理ブロック1210)。
【0084】
次に、処理ブロック1212において、処理ロジックは、特定のメディアファイルフォーマット(例えば、JVTファイルフォーマット)を用いて、メディアデータに関連するファイル内にサンプルグループメタデータを含める。メディアファイルフォーマットに応じて、サンプルグループメタデータは、サンプルメタデータとともに保存してもよく(サンプルグループデータ構造をサンプルテーブルボックスに含めてもよい。)、サンプルメタデータとは別に保存してもよい。
【0085】
図13は、復号システム200においてサンプルグループメタデータを利用するための処理1300の一実施例を示すフローチャートである。まず、処理1300は、処理ロジックが符号化されたメディアデータに関連するファイルを受け取ることにより開始される(処理ブロック1302)。ファイルは、データベース(ローカル又は外部のデータベース)、符号化システム100又はネットワーク内の他の如何なる機器から受け取ってもよい。ファイルは、メディアデータ内のサンプルグループを定義するサンプルグループメタデータを含んでいる。
【0086】
次に、処理ロジックは、ファイルからサンプルグループメタデータを抽出する(処理ブロック1304)。上述のように、サンプルグループメタデータは、一組のデータ構造(例えば、一組のボックス)に保存できる。
【0087】
更に、処理ブロック1306では、処理ロジックは、抽出されたメタデータを用いて、他のサンプルを復号する能力に影響することなく除外でる一連のサンプルを特定する。一実施例では、この情報を用いて、特定のサンプルグループにおけるサンプルにアクセスし、ネットワーク容量の変化に応じてどのサンプルを破棄することができるかを判定することができる。他の実施例では、サンプルグループメタデータは、トラック内のサンプルの一部だけが処理又はレンダリングされるように、サンプルをフィルタリングするために用いられる。
【0088】
このように、サンプルグループメタデータにより、サンプルへの選択的なアクセスと、スケーラビリティが容易に実現される。
【0089】
以下、サンプルグループメタデータ構造の具体例について、拡張ISOメディアファイルフォーマット(拡張MP4とも呼ばれる。)に関連して説明する。但し、サンプルグループメタデータを格納するための様々なデータ構造を組み込むように、この他のファイルフォーマットを拡張してもよいことは明らかである。
【0090】
サンプルグループメタデータを保存するための例示的なデータ構造を図10A〜図10Eに示す。
【0091】
図14Aに示すように、MP4によって定義されたサンプルメタデータボックスを含むサンプルテーブルボックス1400は、サンプルグループボックス1402とサンプルグループ記述ボックス1404を含むように拡張される。一実施例では、サンプルグループメタデータボックス1402、1404は、任意の要素とする。
【0092】
図14Bに示すように、サンプルグループボックス1406は、特定のサンプルグループに含まれるサンプルの組を検出するために用いられる。サンプルグループボックス1406の複数のインスタンスが異なる種類のサンプルグループ(例えば、拡張GOP、サブシーケンス、レイヤ、パラメータセット等)に対応できる。サンプルグループボックス1406は、サンプルグループボックス1406のバージョンを特定するバージョンフィールドと、テーブル1408内のエントリの数を示すエントリカウントフィールドと、サンプルグループの種類を特定するサンプルグループ識別子フィールドと、同じサンプルグループに含まれているサンプルのランにおける第1のサンプルへのインデクスを提供する第1のサンプルフィールドと、サンプルグループ記述ボックスへのインデクスを指定するサンプルグループ記述インデクスとを含んでいる。
【0093】
図14Cに示すように、サンプルグループ記述ボックス1410は、サンプルグループの特性に関する情報を提供する。サンプルグループ記述ボックス1410は、サンプルグループ記述ボックス1410のバージョンを特定するバージョンフィールドと、テーブル1412内のエントリの数を示すエントリカウントフィールドと、サンプルグループの種類を特定するサンプルグループ識別子フィールドと、サンプルグループ記述子を提供するサンプルグループ記述フィールドとを含んでいる。
【0094】
図14Dは、レイヤ(layr)サンプルグループタイプに関するサンプルグループボックス1416の使用を説明する図である。サンプル1〜11は、サンプルの相互依存性に基づいて、3個のレイヤに分割される。レイヤ0(ベース層)では、サンプル(サンプル1、6、11)は、相互に依存するのみであり、他の如何なるレイヤ内のサンプルにも依存しない。レイヤ1では、サンプル(サンプル2、5、7、10)は、下位のレイヤ(すなわち、レイヤ0)内のサンプル及びこのレイヤ1内のサンプルに依存する。レイヤ2では、サンプル(サンプル3、4、8、9)は、下位のレイヤ(すなわち、レイヤ0及びレイヤ1)内のサンプル及びこのレイヤ2内のサンプルに依存する。したがって、レイヤ2のサンプルは、下位のレイヤ0及びレイヤ1からのサンプルを復号する能力に影響することなく除外することができる。
【0095】
サンプルグループボックス1416におけるデータは、上述したようなサンプルとレイヤの間の関係を示す。ここに示すように、このデータは、繰り返しレイヤパターン1414を含んでいる。この繰り返しレイヤパターン1414は、上述のように、各繰り返しレイヤパターン1414を最初のレイヤパターンへの参照情報と、このパターンが出現する回数を表す情報に変換することによって圧縮される。
【0096】
図14Eは、サブシーケンス(sseq)サンプルグループタイプに関するサンプルグループボックス1418の使用を説明する図である。サンプル1〜11は、サンプルの相互依存性に基づいて、4個のサブシーケンスに分割される。レイヤ0におけるサブシーケンス0を除く各サブシーケンスは、他のサブシーケンスが依存しないサンプルを含んでいる。したがって、サブシーケンスにおけるサンプルは、必要に応じて、一括して除外できる。
【0097】
サンプルグループボックス1418内のデータは、サンプルとサブシーケンスの間の関係を示している。このデータにより、対応するサブシーケンスの最初のサンプルにランダムアクセスすることができる。
【0098】
ストリーム切換
典型的なストリーミングのシナリオにおける主要な要求の1つは、ネットワーク状態の変化に応じて圧縮データのビット伝送速度をスケーリングすることである。これを実現する最も単純な手法は、代表的なネットワーク状態に対応する異なるビットレート及び品質設定で複数のストリームを符号化することである。これにより、サーバは、ネットワーク状態に応じて、これらの予め符号化されたストリーム間を切り換えることができる。
【0099】
JVT規格は、2つのピクチャのそれぞれが予測に同じフレームを用いることなく一方のピクチャを他方のピクチャと同様に再構築できる切換ピクチャと呼ばれる新しい種類のピクチャを提供する。特に、JVTは、Iフレームと同様に、他の如何なるピクチャにも依存せずに符号化されるSIピクチャと、他のピクチャを参照して符号化されるSPピクチャの2つのタイプの切換ピクチャを提供する。切換ピクチャを用いることにより、伝送条件の変化に対応して、異なるビット伝送速度と品質設定を有するストリーム間で切換を行い、エラー回復及び早送り及び巻戻し等のトリックモードを実現することができる。
【0100】
ここで、JVT切換ピクチャを有効に活用するためには、ストリーム切換、エラー回復、トリックモード及び他の特徴を実現する場合、プレーヤは、保存されたメディアデータのどのサンプルが代替的な表現を有するか及びこれらのサンプルの依存関係は如何なるものであるかを知る必要がある。既存のファイルフォーマットは、このような機能を提供しない。
【0101】
本発明の一実施例では、切換サンプルセットを定義することによってこの問題を解決する。切換サンプルセットは、復号値が同じであるが、異なる参照サンプルを用いることができるサンプルの組を表す。参照サンプルは、他のサンプルの値を予測するために用いられるサンプルである。切換サンプルセットの各要素は、切換サンプルと呼ばれる。図15Aは、切換サンプルセットを用いたビットストリーム切換を説明する図である。
【0102】
図15Aに示すように、ストリーム1及びストリーム2は、異なる品質及びビットレートパラメータを有する同じコンテンツの2つの符号化データ(encodings)を表している。サンプルS12は、どちらのストリームにも出現せず、ストリーム1からストリーム2への切換(切換は、方向的性質を有する)を実現するために用いられるSPピクチャである。サンプルのS12、S2は、切換サンプルセットに含まれている。S1とS12は、いずれもトラック1のサンプルP12から予測され、S2は、トラック2のサンプルP22から予測される。サンプルのS12とS2は、異なる参照サンプルを用いるが、これらの復号値は同一である。したがって、ストリーム1からストリーム2への(ストリーム1内のサンプルS1とストリーム2内のサンプルS2における)切換は、切換サンプルS12を介して行うことができる。
【0103】
図16及び図17は、それぞれ符号化システム100及び復号システム200によって実行される切換サンプルメタデータの保存及び検索のための処理を示している。この処理は、ハードウェア(例えば回路、専用ロジック等)、ソフトウェア(汎用コンピュータシステム又は専用マシン上で実行されるソフトウェア)又はこれらの両方の組合せを含む処理ロジックによって実行してもよい。
【0104】
図16は、符号化システム100において、切換サンプルメタデータを作成するための処理1600の一実施例を示すフローチャートである。まず、処理1600は、処理ロジックが符号化されたメディアデータに関連するファイルを受け取ることにより開始される(処理ブロック1602)。このファイルは、メディアデータに関する1以上の代替的な符号化データ(例えば、代表的なネットワーク状態に対応する異なる帯域幅及び品質設定を有する。)を含んでいる。代替的な符号化データは、1つ以上の切換ピクチャを含んでいる。このようなピクチャは、代替的なメディアデータストリーム内に含めてもよく、エラー回復又はトリックモード等の特別な特徴を実現する個別のエンティティとして作成してもよい。本発明では、これらのトラック及び切替ピクチャを作成する手法を特に限定しないが、当業者にとって、様々な手法を用いることができることは明らかである。例えば、代替的符号化データを含む各トラックの対の間に切換サンプルを周期的に(例えば、1秒毎に)挿入してもよい。
【0105】
次に、処理ロジックは、異なる参照サンプルを用いて、同じ復号値が導出されるサンプルを含む切換サンプルセットを作成するためにファイルを調べ(処理ブロック1604)、メディアデータに関する切換サンプルセットを定義し、切換サンプルセット内のサンプルを記述する切換サンプルメタデータを作成する(処理ブロック1606)。一実施例では、切換サンプルメタデータは、ネスト化されたテーブルの組を含むテーブルボックス等の予め定義されたデータ構造に組織化される。
【0106】
次に、一実施例において、処理ロジックは、切換サンプルメタデータ構造がデータの繰り返しシーケンスを含むか否かを判定する(デシジョンボックス1608)。この判定の結果が肯定的である場合、処理ロジックは、データの各繰り返しシーケンスをシーケンスの出現への参照情報及びシーケンスの出現回数を表す情報に変換する(処理ブロック1610)。
【0107】
次に、処理ブロック1612において、処理ロジックは、特定のメディアファイルフォーマット(例えば、JVTファイルフォーマット)を用いて、メディアデータに関連するファイル内に切換サンプルメタデータを含める。一実施例においては、切換サンプルメタデータは、ストリーム切換のために指定された別のトラックに保存してもよい。他の実施例においては、切換サンプルメタデータは、サンプルメタデータとともに保存される(例えば、シーケンスデータ構造は、サンプルテーブルボックスに含めてもよい)。
【0108】
図17は、復号システム200において切換サンプルメタデータを利用するための処理1700の一実施例を示すフローチャートであるである。まず、処理1700は、処理ロジックが符号化されたメディアデータに関連するファイルを受け取ることにより開始される(処理ブロック1702)。ファイルは、データベース(ローカル又は外部のデータベース)、符号化システム100又はネットワーク内の他の如何なる機器から受け取ってもよい。ファイルは、メディアデータに関連する切換サンプルセットを定義する切換サンプルメタデータを含んでいる。
【0109】
次に、処理ロジックは、ファイルからサンプルグループメタデータを抽出する(処理ブロック1704)。上述のように、切換サンプルメタデータは、例えば、ネスト化されたテーブルの組を含むテーブルボックス等のデータ構造に保存できる。
【0110】
更に処理ブロック1706において、処理ロジックは、抽出されたメタデータを用いて、特定のサンプルを含む切換サンプルセットを検出し、切換サンプルセットからの代替のサンプルを選択する。初期サンプルと同じ復号値を有する代替のサンプルを用いて、ネットワーク状態の変化に応じて、異なる符号化処理が施された2つのビットストリームを切り換えてもよく、これにより、ビットストリーム内にランダムアクセスエントリポイントを提供でき、エラー回復が容易になる。
【0111】
以下、切換サンプルメタデータ構造の具体例について、拡張ISOメディアファイルフォーマット(拡張MP4とも呼ばれる。)に関連して説明する。但し、切換サンプルメタデータを格納するための様々なデータ構造を組み込むように、この他のファイルフォーマットを拡張してもよいことは明らかである。
【0112】
図18は、切換サンプルメタデータを保存するための例示的なデータ構造を示している。例示的なデータ構造は、一組のネスト化されたテーブルを含む切換サンプルテーブルボックスの形式を有している。テーブル1802内の各エントリは、1つの切換サンプルセットを特定する。各切換サンプルセットは、再構築の結果が客観的に同じである(又は、知覚的に同じである)が、切換サンプルと同じ又は異なるトラック(ストリーム)内の異なる参照サンプルから予測される場合もある切換サンプルのグループからなる。テーブル1802内の各エントリは、対応するテーブル1804にリンクされる。テーブル1804は、切換サンプルセットに含まれる各切換サンプルを特定する。テーブル1804内の各エントリは、更に切換サンプルの位置(すなわち、そのトラックとサンプル番号)を定義する対応するテーブル1806にリンクされ、トラックは、切換サンプルによって用いられる参照サンプルと、切換サンプルによって用いられる参照サンプルの総数と、切換サンプルによって用いられる各切換サンプルとを含んでいる。
【0113】
図15Aに示すように、一実施例では、切換サンプルメタデータは、同じコンテンツの異なる符号化が施されたバージョンを切り換えるために用いることができる。MP4では、各代替的な符号化データは、別々のMP4トラックとして保存され、トラックヘッダ内の「代替グループ(alternate group)」は、そのデータが特定のコンテンツを代替的な符号化データであることを示す。
【0114】
図15Bは、図15Aに示すサンプルS2、S12からなる切換サンプルセット1502を定義するメタデータを含むテーブルを示している。
【0115】
図15Cは、2つのビットストリーム間の切替を行うポイントを決定するための処理1510の一実施例を示すフローチャートである。ストリーム1からストリーム2への切換を行う場合、処理1510は、まず、切換サンプルメタデータを検索し、そしてストリーム1の参照トラックを有する切換サンプル及びストリーム2の切換サンプルトラックを有する切換サンプルを含む全ての切換サンプルセットを検出する(処理ブロック1512)。次に、検出された切換サンプルセットを評価し、ストリーム1の参考トラックを有する切換サンプルの全ての参照サンプルが利用可能である切換サンプルセットを選択する(処理ブロック1514)。例えばストリーム1の参照トラックを有する切換サンプルがPフレームである場合、切換を行う前に、1つのサンプルが利用可能である必要がある。更に、選択された切換サンプルセットにおけるサンプルは、切換ポイントを特定するために用いられる(処理ブロック1516)。すなわちストリーム1の参照トラックを有する切換サンプルを介して、ストリーム1の参照トラックを有する切換サンプルの最も高い参照サンプル(highest reference sample)の直後及びストリーム2の切換サンプルトラックを有する切換サンプルの直後のサンプルが切換ポイントであるとみなされる。
【0116】
他の実施例においては、切換サンプルメタデータを用いて、図19A〜図19Cに示すように、ビットストリームにおけるエントリポイントへのランダムアクセスを容易に行うことができる。
【0117】
図19A及び図19Bに示すように、切換サンプル1902は、サンプルS2、S12を含む。S2は、P22から予測され、通常のストリーム再生時に用いられるPフレームである。S12は、(例えばスプライスのために)ランダムアクセスポイントとして用いられる。S12が一旦復号されると、P24の復号を含むストリーム再生は、P24がS2の後に復号されているかのようにして続行される。
【0118】
図19Cは、サンプルに関するランダムアクセスポイント(例えば、トラックTにおけるサンプルS)を決定するための処理1910の一実施例を示すフローチャートである。処理1910は、切換サンプルメタデータを検索し、切換サンプルトラックTを有する切換サンプルを含む全ての切換サンプルセットを検出することによって開始される(処理ブロック1912)。次に、検出された切換サンプルセットを評価し、切換サンプルトラックTを有する切換サンプルが、復号順序において、サンプルSに先行する最も近いサンプルである切換サンプルセットを選択する(処理ブロック1514)。更に選択された切換サンプルセットから、サンプルSへのランダムアクセスポイントとして、切換サンプルトラックTを有する切換サンプル以外の切換サンプル(サンプルSS)を選択する(処理ブロック1916)。ストリーム再生時には、サンプルSの代わりに(サンプルSSのためのエントリにおいて特定された全ての参照サンプルを復号することによって)サンプルSSが復号される。
【0119】
更に別の実施例では図20A〜20Cに示すように、切換サンプルメタデータを用いて、エラー回復を容易に行うことができる。
【0120】
図20A及び図20Bに示すように、切換サンプル2002は、サンプルS2、S12、S22を含む。サンプルS2は、サンプルP4から予測される。サンプルS12は、サンプルS1から予測される。サンプルのP2とP4の間にエラーが発生した場合、サンプルS2の代わりに切換サンプルS12を復号できる。これに続いて、ストリーミングは、通常通りサンプルP6から続行される。また、エラーがサンプルS1に影響を与えた場合、同様に、サンプルS2の代わりに切換サンプルS22を復号でき、これに続いて、ストリーミングは、通常通りサンプルP6から続行される。
【0121】
図20Cは、サンプル(例えば、サンプルS)を送信する際のエラー回復を容易にするための処理2012の一実施例を示すフローチャートである。処理2012は、切換サンプルメタデータを検索し、サンプルSに等しい切換サンプルを含む全ての切換サンプルセットを検出することによって開始される(処理ブロック2010)。次に、検出された切換サンプルセットを評価し、サンプルSに最も近く、参照サンプル値が正しいことが既知である(フィードバック又は他の情報源を介して)切換サンプルSSを有する切換サンプルを選択する(処理ブロック2014)。そして、サンプルSの代わりに切換サンプルSSを送信する(処理ブロック2016)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチメディアデータ内の複数のサンプルのグループを定義するサンプルグループメタデータを作成するステップと、
上記マルチメディアデータに関連し、上記サンプルグループメタデータを含むファイルを生成するステップとを有するデータ処理方法。
【請求項2】
上記グループは、サンプルの複数の相互依存性に基づいていることを特徴とする請求項1記載のデータ処理方法。
【請求項3】
上記サンプルグループメタデータを作成するステップは、
符号化されたマルチメディアデータを含むファイルを受け取るステップと、
上記マルチメディアデータを調べ、該マルチメディアデータ内の各トラックの複数のサンプルグループを特定するステップと、
上記複数のサンプルグループのそれぞれに含まれたサンプルを特定するステップとを有することを特徴とする請求項1記載のデータ処理方法。
【請求項4】
上記サンプルグループメタデータを作成するステップは、
上記サンプルグループメタデータを予め定義された一組のデータ構造に組織化するステップを有することを特徴とする請求項1記載のデータ処理方法。
【請求項5】
上記サンプルグループメタデータを作成するステップは、
予め定義されたデータ構造の組内のデータの各繰り返しシーケンスをシーケンス出現への参照情報と出現回数とを表す情報に変換するステップと有することを特徴とする請求項4記載のデータ処理方法。
【請求項6】
上記予め定義されたデータ構造の組は、上記マルチメディアデータ内の複数のサンプルグループに関する記述的な情報を含む第1のデータ構造と、上記複数のサンプルグループのそれぞれにおけるサンプルを特定する情報を含む第2のデータ構造とを含むことを特徴とする請求項4記載のデータ処理方法。
【請求項7】
マルチメディアデータに関連するファイルを復号システムに送信するステップと、
復号システムにおいて、上記マルチメディアデータに関連するファイルを受信するステップと、
復号システムにおいて、上記マルチメディアデータに関連するファイルからサンプルグループメタデータを抽出するステップとを更に有し、
上記抽出されたサンプルグループメタデータは、将来の処理において除外できるサンプルを特定するために用いられることを特徴とする請求項1記載のデータ処理方法。
【請求項8】
マルチメディアデータ内の複数のサンプルのグループを定義するサンプルグループメタデータを含むマルチメディアデータに関連するファイルを受信するステップと、
上記ファイルからサンプルグループメタデータを抽出するステップとを有し、
上記抽出されたサンプルグループメタデータは、将来の処理において除外できるサンプルを特定するために用いられるデータ処理方法。
【請求項9】
上記グループは、サンプルの複数の相互依存性に基づいていることを特徴とする請求項8記載のデータ処理方法。
【請求項10】
ネットワーク容量の変化に応じて、上記マルチメディアデータ内の他のサンプルの復号に影響を与えることなく除外できる1個以上のサンプルを検出するステップを更に有する請求項8記載のデータ処理方法。
【請求項11】
上記抽出されたサンプルグループメタデータに基づいて、レンダリングされるサンプルの数を減らすために複数のサンプルをフィルタリングするステップを更に有する請求項8記載のデータ処理方法。
【請求項12】
上記抽出されたサンプルグループメタデータは、一組の予め定義されたデータ構造に組織化されることを特徴とする請求項8記載のデータ処理方法。
【請求項13】
上記予め定義されたデータ構造の組は、上記マルチメディアデータ内の複数のサンプルグループに関する記述的な情報を含む第1のデータ構造と、上記複数のサンプルグループのそれぞれにおけるサンプルを特定する情報を含む第2のデータ構造とを含むことを特徴とする請求項12記載のデータ処理方法。
【請求項14】
マルチメディアデータの各サンプル内の複数のサブサンプルを定義するサブサンプルメタデータを作成するステップと、
上記マルチメディアデータ内の複数のサンプルのグループを定義するサンプルグループメタデータを作成するステップと、
上記マルチメディアデータに関連する複数の切換サンプルセットを定義する切換サンプルメタデータを作成するステップと、
上記サブサンプルメタデータ、サンプルグループメタデータ及び切換サンプルメタデータを含むマルチメディアデータに関連するファイルを生成するステップとを有するデータ処理方法。
【請求項15】
上記サンプルグループメタデータを作成するステップは、
上記サブサンプルメタデータを、サブサンプルサイズに関する情報を含む第1のデータ構造と、各サンプル内のサブサンプルの数に関する情報を含む第2のデータ構造と、各サブサンプルについて記述する情報を含む第3のデータ構造とを含む一組の予め定義されたデータ構造に組織化するステップを有することを特徴とする請求項14記載のデータ処理方法。
【請求項16】
上記グループは、サンプルの複数の相互依存性に基づいていることを特徴とする請求項14記載のデータ処理方法。
【請求項17】
上記サンプルグループメタデータを作成するステップは、
上記サンプルグループメタデータを、上記マルチメディアデータ内の複数のサンプルグループに関する記述的な情報を含む第1のデータ構造及び上記複数のサンプルグループのそれぞれにおけるサンプルを特定する情報を含む第2のデータ構造とを含む一組の予め定義されたデータ構造に組織化するステップを有することを特徴とする請求項14記載のデータ処理方法。
【請求項18】
上記複数の切換サンプルセットのそれぞれは、異なる参照サンプルを用いても同じ復号値に復号されるサンプルを含むことを特徴とする請求項14記載のデータ処理方法。
【請求項19】
上記切換サンプルメタデータを作成するステップは、
上記切換サンプルメタデータを、一組のネスト化されたテーブルを含むテーブルボックスとして表された予め定義されたデータ構造に組織化するステップを有することを特徴とする請求項14記載のデータ処理方法。
【請求項20】
マルチメディアデータの各サンプル内の複数のサブサンプルを定義するサブサンプルメタデータと、上記マルチメディアデータ内の複数のサンプルのグループを定義するサンプルグループメタデータと、上記マルチメディアデータに関連する複数の切換サンプルセットを定義する切換サンプルメタデータとを含むマルチメディアデータに関連するファイルを受け取るステップと、
上記ファイルからサブサンプルメタデータ、サンプルグループメタデータ及び切換サンプルメタデータを抽出するステップとを有し、
上記抽出されたサブサンプルメタデータは、後に複数のサブサンプルのいずれかにアクセスするために用いられ、上記抽出されたサンプルグループメタデータは、後に将来の処理において除外できるサンプルを特定するために用いられ、上記抽出された切換サンプルメタデータは、後に特定のサンプルの置換を検出するために用いられることを特徴とするデータ処理方法。
【請求項21】
上記抽出されたサブサンプルメタデータは、サブサンプルサイズに関する情報を含む第1のデータ構造と、各サンプル内のサブサンプルの数に関する情報を含む第2のデータ構造と、各サブサンプルについて記述する情報を含む第3のデータ構造とを含む一組の予め定義されたデータ構造に組織化されることを特徴とする請求項20記載のデータ処理方法。
【請求項22】
上記グループは、サンプルの複数の相互依存性に基づいていることを特徴とする請求項20記載のデータ処理方法。
【請求項23】
上記抽出されたサンプルグループメタデータは、上記マルチメディアデータ内の複数のサンプルグループに関する記述的な情報を含む第1のデータ構造及び上記複数のサンプルグループのそれぞれにおけるサンプルを特定する情報を含む第2のデータ構造とを含む一組の予め定義されたデータ構造に組織化されることを特徴とする請求項20記載のデータ処理方法。
【請求項24】
上記複数の切換サンプルセットのそれぞれは、異なる参照サンプルを用いても同じ復号値に復号されるサンプルを含むことを特徴とする請求項20記載のデータ処理方法。
【請求項25】
上記抽出された切換サンプルメタデータは、一組のネスト化されたテーブルを含むテーブルボックスとして表された予め定義されたデータ構造に組織化されることを特徴とする請求項20記載のデータ処理方法。
【請求項26】
マルチメディアデータの各サンプル内の複数のサブサンプルを定義するサブサンプルメタデータを作成するステップと、
上記マルチメディアデータ内の複数のサンプルのグループを定義するサンプルグループメタデータを作成するステップと、
上記サブサンプルメタデータ及びサンプルグループメタデータを含むマルチメディアデータに関連するファイルを生成するステップとを有するデータ処理方法。
【請求項27】
上記サブサンプルメタデータを作成するステップは、
上記サブサンプルメタデータを、サブサンプルサイズに関する情報を含む第1のデータ構造と、各サンプル内のサブサンプルの数に関する情報を含む第2のデータ構造と、各サブサンプルについて記述する情報を含む第3のデータ構造とを含む一組の予め定義されたデータ構造に組織化するステップを有することを特徴とする請求項26記載のデータ処理方法。
【請求項28】
上記グループは、サンプルの複数の相互依存性に基づいていることを特徴とする請求項26記載のデータ処理方法。
【請求項29】
上記サンプルグループメタデータを作成するステップは、
上記サンプルグループメタデータを、上記マルチメディアデータ内の複数のサンプルグループに関する記述的な情報を含む第1のデータ構造及び上記複数のサンプルグループのそれぞれにおけるサンプルを特定する情報を含む第2のデータ構造とを含む一組の予め定義されたデータ構造に組織化するステップを有することを特徴とする請求項26記載のデータ処理方法。
【請求項30】
マルチメディアデータの各サンプル内の複数のサブサンプルを定義するサブサンプルメタデータと、該マルチメディアデータ内の複数のサンプルのグループを定義するサンプルグループメタデータとを含むマルチメディアデータに関連するファイルを受け取るステップと、
上記ファイルからサブサンプルメタデータ及びサンプルグループメタデータを抽出するステップとを有し、
上記抽出されたサブサンプルメタデータは、後に複数のサブサンプルのいずれかにアクセスするために用いられ、上記抽出されたサンプルグループメタデータは、後に将来の処理において除外できるサンプルを特定するために用いられることを特徴とするデータ処理方法。
【請求項31】
上記抽出されたサブサンプルメタデータは、サブサンプルサイズに関する情報を含む第1のデータ構造と、各サンプル内のサブサンプルの数に関する情報を含む第2のデータ構造と、各サブサンプルについて記述する情報を含む第3のデータ構造とを含む一組の予め定義されたデータ構造に組織化されることを特徴とする請求項30記載のデータ処理方法。
【請求項32】
上記グループは、サンプルの複数の相互依存性に基づいていることを特徴とする請求項30記載のデータ処理方法。
【請求項33】
上記抽出されたサンプルグループメタデータは、上記マルチメディアデータ内の複数のサンプルグループに関する記述的な情報を含む第1のデータ構造及び上記複数のサンプルグループのそれぞれにおけるサンプルを特定する情報を含む第2のデータ構造とを含む一組の予め定義されたデータ構造に組織化されることを特徴とする請求項30記載のデータ処理方法。
【請求項34】
マルチメディアデータ内の複数のサンプルのグループを定義するサンプルグループメタデータを作成するステップと、
上記マルチメディアデータに関連する複数の切換サンプルセットを定義する切換サンプルメタデータを作成するステップと、
上記サンプルグループメタデータ及び切換サンプルメタデータを含むマルチメディアデータに関連するファイルを生成するステップとを有するデータ処理方法。
【請求項35】
上記グループは、サンプルの複数の相互依存性に基づいていることを特徴とする請求項34記載のデータ処理方法。
【請求項36】
上記サンプルグループメタデータを作成するステップは、
上記サンプルグループメタデータを、上記マルチメディアデータ内の複数のサンプルグループに関する記述的な情報を含む第1のデータ構造及び上記複数のサンプルグループのそれぞれにおけるサンプルを特定する情報を含む第2のデータ構造とを含む一組の予め定義されたデータ構造に組織化するステップを有することを特徴とする請求項34記載のデータ処理方法。
【請求項37】
上記複数の切換サンプルセットのそれぞれは、異なる参照サンプルを用いても同じ復号値に復号されるサンプルを含むことを特徴とする請求項34記載のデータ処理方法。
【請求項38】
上記切換サンプルメタデータを作成するステップは、
上記切換サンプルメタデータを、一組のネスト化されたテーブルを含むテーブルボックスとして表された予め定義されたデータ構造に組織化するステップを有することを特徴とする請求項34記載のデータ処理方法。
【請求項39】
マルチメディアデータ内の複数のサンプルのグループを定義するサンプルグループメタデータと、該マルチメディアデータに関連する複数の切換サンプルセットを定義する切換サンプルメタデータとを含むマルチメディアデータに関連するファイルを受け取るステップと、
上記ファイルからサンプルグループメタデータ及び切換サンプルメタデータを抽出するステップとを有し、
上記抽出されたサンプルグループメタデータは、後に将来の処理において除外できるサンプルを特定するために用いられ、上記抽出された切換サンプルメタデータは、後に特定のサンプルの置換を検出するために用いられることを特徴とするデータ処理方法。
【請求項40】
上記グループは、サンプルの複数の相互依存性に基づいていることを特徴とする請求項39記載のデータ処理方法。
【請求項41】
上記抽出されたサンプルグループメタデータは、上記マルチメディアデータ内の複数のサンプルグループに関する記述的な情報を含む第1のデータ構造及び上記複数のサンプルグループのそれぞれにおけるサンプルを特定する情報を含む第2のデータ構造とを含む一組の予め定義されたデータ構造に組織化されることを特徴とする請求項39記載のデータ処理方法。
【請求項42】
上記複数の切換サンプルセットのそれぞれは、異なる参照サンプルを用いても同じ復号値に復号されるサンプルを含むことを特徴とする請求項39記載のデータ処理方法。
【請求項43】
上記抽出された切換サンプルメタデータは、一組のネスト化されたテーブルを含むテーブルボックスとして表された予め定義されたデータ構造に組織化されることを特徴とする請求項39記載のデータ処理方法。
【請求項44】
データ処理システム上で実行されるアプリケーションプログラムがアクセスするためのデータを格納するメモリ装置において、
当該メモリ装置に格納され、マルチメディアデータに関連するファイル内に設けられ、該マルチメディアデータ内の複数のサンプルのグループを定義し、将来の処理において、除外することができるサンプルを特定するために上記応用プログラムによって用いられるサンプルグループメタデータを含む複数のデータ構造を備えるメモリ装置。
【請求項45】
上記グループは、サンプルの複数の相互依存性に基づいていることを特徴とする請求項44記載のメモリ装置。
【請求項46】
上記サンプルグループメタデータを含むファイルは、更に関連するマルチメディアデータを含むことを特徴とする請求項44記載のメモリ装置。
【請求項47】
上記サンプルグループメタデータを含むファイルは、更に関連するマルチメディアデータを含むファイルへの参照情報を含むことを特徴とする請求項44記載のメモリ装置。
【請求項48】
上記複数のデータ構造は、上記マルチメディアデータ内の複数のサンプルグループに関する記述的な情報を含む第1のデータ構造と、上記複数のサンプルグループのそれぞれにおけるサンプルを特定する情報を含む第2のデータ構造とを含むことを特徴とする請求項44記載のメモリ装置。
【請求項49】
データ処理システム上で実行されるアプリケーションプログラムがアクセスするためのデータを格納するメモリ装置において、
当該メモリ装置に格納され、マルチメディアデータに関連するファイル内に設けられ、該マルチメディアデータの各サンプル内の複数のサブサンプルを定義するサブサンプルメタデータと、上記マルチメディアデータ内の複数のサンプルのグループを定義するサンプルグループメタデータと、上記マルチメディアデータに関連する複数の切換サンプルセットを定義する切換サンプルメタデータとを含む複数のデータ構造を備えるメモリ装置。
【請求項50】
データ処理システム上で実行されるアプリケーションプログラムがアクセスするためのデータを格納するメモリ装置において、
当該メモリ装置に格納され、マルチメディアデータに関連するファイル内に設けられ、該マルチメディアデータの各サンプル内の複数のサブサンプルを定義するサブサンプルメタデータと、上記マルチメディアデータ内の複数のサンプルのグループを定義するサンプルグループメタデータとを含む複数のデータ構造を備えるメモリ装置。
【請求項51】
データ処理システム上で実行されるアプリケーションプログラムがアクセスするためのデータを格納するメモリ装置において、
当該メモリ装置に格納され、マルチメディアデータに関連するファイル内に設けられ、該マルチメディアデータ内の複数のサンプルのグループを定義するサンプルグループメタデータと、上記マルチメディアデータに関連する複数の切換サンプルセットを定義する切換サンプルメタデータとを含む複数のデータ構造を備えるメモリ装置。
【請求項52】
マルチメディアデータ内の複数のサンプルのグループを定義するサンプルグループメタデータを作成するメタデータ作成器と、
上記マルチメディアデータに関連し、上記サンプルグループメタデータを含むファイルを生成するファイル生成器とを備えるデータ処理装置。
【請求項53】
上記グループは、サンプルの複数の相互依存性に基づいていることを特徴とする請求項52記載のデータ処理装置。
【請求項54】
上記メタデータ作成器は、符号化されたマルチメディアデータを含むファイルを受け取り、上記マルチメディアデータを調べ、該マルチメディアデータ内の各トラックの複数のサンプルグループを特定し、複数のサンプルグループのそれぞれに含まれたサンプルを特定することにより上記サンプルグループメタデータを作成することを特徴とする請求項52記載のデータ処理装置。
【請求項55】
復号システムにおいて、上記マルチメディアデータに関連するファイルを受信し、該マルチメディアデータに関連するファイルからサンプルグループメタデータを抽出するメタデータ抽出器と、
上記抽出されたサンプルグループメタデータを用いて、除外できるサンプルを特定するメディアデータストリームプロセッサとを更に備える請求項52記載のデータ処理装置。
【請求項56】
マルチメディアデータ内の複数のサンプルのグループを定義するサンプルグループメタデータを含むマルチメディアデータに関連するファイルを受信し、該マルチメディアデータに関連するファイルからサンプルグループメタデータを抽出するメタデータ抽出器と、 上記抽出されたサンプルグループメタデータを用いて、除外できるサンプルを特定するメディアデータストリームプロセッサとを備えるデータ処理装置。
【請求項57】
上記グループは、サンプルの複数の相互依存性に基づいていることを特徴とする請求項56記載のデータ処理装置。
【請求項58】
上記メディアデータストリームプロセッサは、ネットワーク容量の変化に応じて、上記マルチメディアデータ内の他のサンプルの復号に影響を与えることなく除外できる1個以上のサンプルを検出することを特徴とする請求項56記載のデータ処理装置。
【請求項59】
上記メディアデータストリームプロセッサは、上記抽出されたサンプルグループメタデータに基づいて、レンダリングされるサンプルの数を減らすために複数のサンプルをフィルタリングする請求項56記載のデータ処理装置。
【請求項60】
マルチメディアデータの各サンプル内の複数のサブサンプルを定義するサブサンプルメタデータを作成し、該マルチメディアデータ内の複数のサンプルのグループを定義するサンプルグループメタデータを作成し、該マルチメディアデータに関連する複数の切換サンプルセットを定義する切換サンプルメタデータを作成するメタデータ作成器と、
上記サブサンプルメタデータ、サンプルグループメタデータ及び切換サンプルメタデータを含むマルチメディアデータに関連するファイルを生成するファイル生成器とを備えるデータ処理装置。
【請求項61】
マルチメディアデータの各サンプル内の複数のサブサンプルを定義するサブサンプルメタデータと、上記マルチメディアデータ内の複数のサンプルのグループを定義するサンプルグループメタデータと、上記マルチメディアデータに関連する複数の切換サンプルセットを定義する切換サンプルメタデータとを含むマルチメディアデータに関連するファイルを受け取り、該ファイルからサブサンプルメタデータ、サンプルグループメタデータ及び切換サンプルメタデータを抽出するメタデータ抽出器と、
上記抽出されたサブサンプルメタデータを用いて、複数のサブサンプルのいずれかにアクセスし、上記抽出されたサンプルグループメタデータを用いて、将来の処理において除外できるサンプルを特定し、上記抽出された切換サンプルメタデータを用いて、後に特定のサンプルの置換を検出するメディアデータストリームプロセッサとを備えるデータ処理装置。
【請求項62】
マルチメディアデータの各サンプル内の複数のサブサンプルを定義するサブサンプルメタデータを作成し、該マルチメディアデータ内の複数のサンプルのグループを定義するサンプルグループメタデータを作成するメタデータ作成器と、
上記サブサンプルメタデータ及びサンプルグループメタデータを含むマルチメディアデータに関連するファイルを生成するファイル生成器とを備えるデータ処理装置。
【請求項63】
マルチメディアデータの各サンプル内の複数のサブサンプルを定義するサブサンプルメタデータと、上記マルチメディアデータ内の複数のサンプルのグループを定義するサンプルグループメタデータとを含むマルチメディアデータに関連するファイルを受け取り、該ファイルからサブサンプルメタデータ及びサンプルグループメタデータを抽出するメタデータ抽出器と、
上記抽出されたサブサンプルメタデータを用いて、複数のサブサンプルのいずれかにアクセスし、上記抽出されたサンプルグループメタデータを用いて、将来の処理において除外できるサンプルを特定するメディアデータストリームプロセッサとを備えるデータ処理装置。
【請求項64】
マルチメディアデータ内の複数のサンプルのグループを定義するサンプルグループメタデータを作成し、該マルチメディアデータに関連する複数の切換サンプルセットを定義する切換サンプルメタデータを作成するメタデータ作成器と、
上記サンプルグループメタデータ及び切換サンプルメタデータを含むマルチメディアデータに関連するファイルを生成するファイル生成器とを備えるデータ処理装置。
【請求項65】
マルチメディアデータ内の複数のサンプルのグループを定義するサンプルグループメタデータと、上記マルチメディアデータに関連する複数の切換サンプルセットを定義する切換サンプルメタデータとを含むマルチメディアデータに関連するファイルを受け取り、該ファイルからサンプルグループメタデータ及び切換サンプルメタデータを抽出するメタデータ抽出器と、
上記抽出されたサンプルグループメタデータを用いて、将来の処理において除外できるサンプルを特定し、上記抽出された切換サンプルメタデータを用いて、後に特定のサンプルの置換を検出するメディアデータストリームプロセッサとを備えるデータ処理装置。
【請求項66】
マルチメディアデータ内の複数のサンプルのグループを定義するサンプルグループメタデータを作成する作成手段と、
上記マルチメディアデータに関連し、上記サンプルグループメタデータを含むファイルを生成する生成手段とを備えるデータ処理装置。
【請求項67】
マルチメディアデータ内の複数のサンプルのグループを定義するサンプルグループメタデータを含むマルチメディアデータに関連するファイルを受信する受信手段と、
上記マルチメディアデータに関連するファイルからサンプルグループメタデータを抽出する抽出手段とを備え、
上記抽出されたサンプルグループメタデータは、将来の処理において除外できるサンプルを特定するために用いられることを特徴とするデータ処理装置。
【請求項68】
マルチメディアデータの各サンプル内の複数のサブサンプルを定義するサブサンプルメタデータを作成するサブサンプルメタデータ作成手段と、
上記マルチメディアデータ内の複数のサンプルのグループを定義するサンプルグループメタデータを作成するサンプルグループメタデータ作成手段と、
上記マルチメディアデータに関連する複数の切換サンプルセットを定義する切換サンプルメタデータを作成する切換サンプルメタデータ作成手段と、
上記サブサンプルメタデータ、サンプルグループメタデータ及び切換サンプルメタデータを含むマルチメディアデータに関連するファイルを生成するファイル生成手段とを備えるデータ処理装置。
【請求項69】
マルチメディアデータの各サンプル内の複数のサブサンプルを定義するサブサンプルメタデータと、上記マルチメディアデータ内の複数のサンプルのグループを定義するサンプルグループメタデータと、上記マルチメディアデータに関連する複数の切換サンプルセットを定義する切換サンプルメタデータとを含むマルチメディアデータに関連するファイルを受信手段と、
上記ファイルからサブサンプルメタデータ、サンプルグループメタデータ及び切換サンプルメタデータを抽出する抽出手段とを備え、
上記抽出されたサブサンプルメタデータは、後に複数のサブサンプルのいずれかにアクセスするために用いられ、上記抽出されたサンプルグループメタデータは、後に将来の処理において除外できるサンプルを特定するために用いられ、上記抽出された切換サンプルメタデータは、後に特定のサンプルの置換を検出するために用いられることを特徴とするデータ処理装置。
【請求項70】
マルチメディアデータの各サンプル内の複数のサブサンプルを定義するサブサンプルメタデータを作成するサブサンプルメタデータ作成手段と、
上記マルチメディアデータ内の複数のサンプルのグループを定義するサンプルグループメタデータを作成するサンプルグループメタデータ作成手段と、
上記サブサンプルメタデータ及びサンプルグループメタデータを含むマルチメディアデータに関連するファイルを生成するファイル生成手段とを備えるデータ処理装置。
【請求項71】
マルチメディアデータの各サンプル内の複数のサブサンプルを定義するサブサンプルメタデータと、該マルチメディアデータ内の複数のサンプルのグループを定義するサンプルグループメタデータとを含むマルチメディアデータに関連するファイルを受け取る受信手段と、
上記ファイルからサブサンプルメタデータ及びサンプルグループメタデータを抽出する抽出手段とを備え、
上記抽出されたサブサンプルメタデータは、後に複数のサブサンプルのいずれかにアクセスするために用いられ、上記抽出されたサンプルグループメタデータは、後に将来の処理において除外できるサンプルを特定するために用いられることを特徴とするデータ処理装置。
【請求項72】
マルチメディアデータ内の複数のサンプルのグループを定義するサンプルグループメタデータを作成するサンプルグループメタデータ作成手段と、
上記マルチメディアデータに関連する複数の切換サンプルセットを定義する切換サンプルメタデータを作成する切換サンプルメタデータ作成手段と、
上記サンプルグループメタデータ及び切換サンプルメタデータを含むマルチメディアデータに関連するファイルを生成するファイル生成手段とを備えるデータ処理装置。
【請求項73】
マルチメディアデータ内の複数のサンプルのグループを定義するサンプルグループメタデータと、該マルチメディアデータに関連する複数の切換サンプルセットを定義する切換サンプルメタデータとを含むマルチメディアデータに関連するファイルを受け取るファイル受信手段と、
上記ファイルからサンプルグループメタデータ及び切換サンプルメタデータを抽出する抽出手段とを備え、
上記抽出されたサンプルグループメタデータは、後に将来の処理において除外できるサンプルを特定するために用いられ、上記抽出された切換サンプルメタデータは、後に特定のサンプルの置換を検出するために用いられることを特徴とするデータ処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図7E】
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【図7F】
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【図7G】
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【図7H】
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【図7I】
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【図7J】
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【図7K】
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【図8】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図10D】
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【図10E】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14A】
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【図14B】
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【図14C】
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【図14D】
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【図14E】
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【図15A】
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【図15B】
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【図15C】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19A】
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【図19B】
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【図19C】
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【図20A】
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【図20B】
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【図20C】
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【公開番号】特開2010−124479(P2010−124479A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−196(P2010−196)
【出願日】平成22年1月4日(2010.1.4)
【分割の表示】特願2003−572309(P2003−572309)の分割
【原出願日】平成15年2月24日(2003.2.24)
【出願人】(593181638)ソニー エレクトロニクス インク (371)
【Fターム(参考)】