説明

MRIを利用した圧迫センサおよび圧迫センシング方法、コンピュータシステム、コンピュータ可読媒体

【課題】頭蓋内の圧迫変化を、脳内の尾状核や被殻をセンシングヘッドとして非侵襲により評価する。
【解決手段】MRI装置1と演算処理装置2を用い、位置情報を含んだ拡散テンソル磁気共鳴信号から脳の尾状核および/または被殻における水の拡散異方性情報を取得する取得手段と、この拡散異方性情報を利用し、圧迫を受けていると判断される拡散パラメータであるFA値の0.18〜0.45に合致するものを、位置情報を含んだ圧迫変化情報として特定する特定手段と、この圧迫変化情報を位置情報を用いて画像化する画像化手段と、脳の尾状核および/または被殻が画像化されている画像に、圧迫変化情報を位置情報を用いて重ねて表示する表示手段とからMRIを利用した圧迫センサを構成し、3次元構造体である尾状核および/または被殻をセンシングヘッドとして用いて脳の圧迫変化を非侵襲で測定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体内の圧迫変化を評価する圧迫センサおよび圧迫センシング方法に関し、所定対象組織をセンシングヘッドとして用いて非侵襲な手段により圧迫変化を捉え、かつ、この圧迫変化を画像化して画像にすることにより、客観的な病態評価、病態診断を可能にするMRIを利用した圧迫センサおよび圧迫センシング方法、コンピュータシステム、コンピュータ可読媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
頭蓋内に起こる多くの疾患、例えば、脳腫瘍、脳卒中、頭部外傷、水頭症、先天性奇形等では、疾患の影響でおこる脳への圧迫という物理現象が、症状に密接にかかわっている。頭蓋内にて何らかの異常が生じると、頭蓋骨で囲まれていて圧の逃げ場のない脳では、病変から圧迫されて機能障害が起こり、この機能障害に関わる症状等が出現することになるからである。圧迫の影響が甚大であれば、永久的な障害につながり、生命を失う事態に陥る虞もあるため、従来から頭蓋内における圧迫という物理現象を、どのようにすれば正確に評価することができるかについて、様々な検討が行われている。
【0003】
頭蓋内の圧迫を評価する技術としてはこれまで、頭蓋内に圧センサを挿入するといった侵襲的な手段が用いられてきた。しかし、頭蓋内に圧センサを挿入するという評価手法では、挿入可能な頭蓋内の領域が限られるとともに、センシングされた圧から、その周囲の圧迫のみが推定できる(この値を、頭蓋内の総合圧として扱っていた)に過ぎないという問題があった。また、侵襲的な手段は、患者への配慮、QOL(quality of life)向上等の観点から、可能な限り避けることが求められている。例えば、下記特許文献1に提案された非侵襲生体情報測定装置に係る発明等から明らかなように、非侵襲な評価、診断技術を提供することの重要性はいうまでもないところである。
【0004】
一方、CT(computed tomography)、MRI(magnetic resonance imaging)に代表される非侵襲な評価手段の発展は、近年著しい。これらの装置により出力される画像は高精度であり、頭蓋内の圧迫を評価する非侵襲な評価手段としても活用されることが期待される。しかし、これまでの研究の過程では、圧迫という物理現象を描出することが可能な画像検査法は開発されておらず、画像から読み取れる脳の偏位に基づいて頭蓋内の圧迫の度合いを推定することに留まっていた。そもそも、脳の全体量、硬さ等は年齢や既往疾患の有無等により様々であり、偏位の様子も定性的な指標となるものではないため、脳の偏位に基づいた頭蓋内の圧迫診断は正確性を欠くことが、かねてより指摘されている。
【0005】
ここで、新しい撮像技術として、分子(原子)の拡散異方性という情報が得られる拡散テンソル画像(diffusion tensor imaging、以下「DTI」という。)を撮像可能なMRI装置が登場している。DTIは、水分子が、自由空間では三次元的に等方向に拡散するが、生体内では様々な構造物によって拡散方向が制限されているため、拡散の大きさが方向に依存して三次元的に異なること(異方性拡散)を原理に、水分子の拡散と拡散方向(拡散異方性)を、水分子中のプロトンをMRI技術で検出して詳細に知り得ようとするものである。
【0006】
MRIにて水分子の拡散異方性を測定するには、微小な動きを検出するための傾斜磁場であるMPG(motion probing gradient)の方向を変えた複数(6軸以上)の拡散強調画像DWI(diffusion weighted imaging)をもとに、テンソル解析を行ってMPGの方向に依存しない(測定系の座標系に依存しない)指標に変換し、そのうち拡散の異方性を表したものを抽出して測定する方法が知られている。
【0007】
そして、DTIを用いれば、脳神経線維における細胞膜等の微細構造を反映できることが判明している。なお、脳を対象としていないものの、DTIを用いて末梢神経の位置や状態を評価する技術に関する発明が、例えば、下記特許文献2にて提案されている。また、最近の知見からは、頭蓋内の水分子の拡散が、脳神経線維における細胞膜等の微細構造の変化の影響を受けていることが分かってきている。水分子の拡散異方性を表す拡散パラメータの1つであるFA(fractional anisotropy)値に基づいて、頭蓋内の様子を画像化することが可能であることも示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2009−11555号公報
【特許文献2】特表平8−500021号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
また、最近になり、脳腫瘍によって圧迫された脳神経線維ではFA値が上昇していることが臨床上、確認されたほか、FA値の上昇と脳神経線維における圧迫の度合いとが正の相関を示していること、このような相関を顕著に示す頭蓋内の領域が灰白質の尾状核であること等も知見として挙げられている。
【0010】
しかし、FA値の上昇と脳神経線維における圧迫の度合いとが正の相関を示しているという知見があるからといって、このような変化を頭蓋内の圧迫変化として客観的に反映し、画像化、可視化等を通じて評価する技術がない限り、圧迫変化に基づいて各種の疾患を診断することは不可能である。逆にいえば、上述のとおり、頭蓋内に起こる疾患では、頭蓋内における圧迫の度合いという物理現象が重要な診断手法となり得るために、圧迫変化を画像化、可視化することを通じて正確に病態を診断することが可能になれば、脳神経外科領域等における診断、治療効果の向上が著しく期待されるものとなる。
【0011】
本発明は、上記実情に鑑み提案されたもので、頭蓋内の圧迫変化を非侵襲な手段により捉えることができ、捉えた圧迫変化情報を画像化することで、頭蓋内の病態評価を客観的に行うことが可能なMRIを利用した圧迫センサおよび圧迫センシング方法、コンピュータシステム、コンピュータ可読媒体を提供することを目的する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するため、本発明に係るMRIを利用した圧迫センサは、3次元構造体である被測定物内の対象組織をセンシングヘッドとして用い、前記被測定物の圧迫変化を非侵襲で捉える圧迫センサであって、MRI装置を用い、位置情報を含んだ磁気共鳴信号から前記対象組織における水の拡散異方性情報を取得する取得手段と、前記拡散異方性情報を利用し、圧迫を受けていると判断される拡散パラメータの所定値に合致したものを、前記位置情報を含んだ圧迫変化情報として特定する特定手段と、前記圧迫変化情報を、前記位置情報を用いて画像化する画像化手段と、前記対象組織が画像化されている画像に、前記圧迫変化情報を前記位置情報を用いて重ねて表示する表示手段とから構成されることを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係るMRIを利用した圧迫センシング方法は、3次元構造体である被測定物内の対象組織をセンシングヘッドとして用い、前記被測定物の圧迫変化を非侵襲で捉える圧迫センシング方法であって、MRI装置を用い、位置情報を含んだ磁気共鳴信号から前記対象組織における水の拡散異方性情報を取得する取得工程と、前記拡散異方性情報を利用し、圧迫を受けていると判断される拡散パラメータの所定値に合致したものを、前記位置情報を含んだ圧迫変化情報として特定する特定工程と、前記圧迫変化情報を、前記位置情報を用いて画像化する画像化工程と、前記対象組織が画像化されている画像に、前記圧迫変化情報を前記位置情報を用いて重ねて表示する表示工程とを備えることを特徴とする。
【0014】
さらに、本発明に係るMRIを利用した圧迫センサおよび圧迫センシング方法では、上記位置情報利用して決定した所定範囲における圧迫変化情報の拡散パラメータの値を合算し平均値を求めた後、その平均値の大小によって圧迫変化の度合いを判別する自動判定手段又は自動判別工程を備えることを特徴とする。
【0015】
特に、本発明に係るMRIを利用した圧迫センサおよび圧迫センシング方法では、上記拡散パラメータの所定値が、FA値に換算して0.18〜0.45であることが好ましく、上記センシングヘッドが、脳内灰白質の尾状殻および/または被殻であることがさらに好ましい。
【0016】
このほか本発明は、上記MRIを利用した圧迫センシング方法を実行することを特徴とするコンピュータシステムであり、上記MRIを利用した圧迫センシング方法を実行するためのコードセグメントを有することを特徴とするコンピュータ可読媒体である。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、3次元構造体である被測定物内の対象組織をセンシングヘッドとして用い、被測定物の圧迫変化を非侵襲で測定するMRIを利用した圧迫センサである。特に、MRI装置を用い、位置情報を含んだ拡散テンソル磁気共鳴信号から対象組織における水の拡散異方性情報を取得する取得手段と、拡散異方性情報を利用し、圧迫を受けていると判断される拡散パラメータの所定値に合致したものを、位置情報を含んだ圧迫変化情報として特定する特定手段と、圧迫変化情報を位置情報を用いて画像化する画像化手段と、対象組織が画像化されている画像に、圧迫変化情報を位置情報を用いて重ねて表示する表示手段とから構成されている。すなわち、本発明では、MRI装置によって取得した対象組織における水の拡散異方性情報に基づいて、圧迫を受けていると判断される圧迫変化情報を特定して抽出し、この圧迫変化情報を対象組織が画像化されている画像に重ねて表示することができる。したがって、対象組織をセンシングヘッドとして用いることで、非侵襲な手段によって圧迫変化情報を画像として得られるため、画像化した圧迫変情報に基づいて、客観的な病態評価、病態診断に利用することができる。
【0018】
また、本発明は、3次元構造体である被測定物内の対象組織をセンシングヘッドとして用い、被測定物の圧迫変化を非侵襲で捉えるMRIを利用した圧迫センシング方法である。特に、MRI装置を用い、位置情報を含んだ拡散テンソル磁気共鳴信号から対象組織における水の拡散異方性情報を取得する取得工程と、拡散異方性情報を利用し、圧迫を受けていると判断される拡散パラメータの所定値に合致したものを、位置情報を含んだ圧迫変化情報として特定する特定工程と、圧迫変化情報を位置情報を用いて画像化する画像化工程と、対象組織が画像化されている画像に、圧迫変化情報を位置情報を用いて重ねて表示する表示工程とを備えている。すなわち、本発明では、MRI装置によって取得した対象組織における水の拡散異方性情報に基づいて、圧迫を受けていると判断される圧迫変化情報を特定して抽出し、この圧迫変化情報を対象組織が画像化されている画像に重ねて表示するセンシング方法を実行することができる。したがって、対象組織をセンシングヘッドとして用いることで、非侵襲な手段によって圧迫変化情報を画像として得られるため、画像化した圧迫変情報に基づいて、客観的な病態評価、病態診断に利用することができる。
【0019】
本発明では、特に、上記位置情報利用して決定した所定範囲における圧迫変化情報の拡散パラメータの値を合算し平均値を求めた後、その平均値の大小によって圧迫変化の度合いを判別する自動判別手段又は自動判別工程を備えるので、自動判別手段又は自動判別工程によって被測定物の圧迫変化の度合いを知ることができ、画像化した圧迫変情報に基づいた病態評価、病態診断を、より客観性の増すものとすることができる。
【0020】
また、上記拡散パラメータの所定値は、FA値に換算して0.18〜0.45であるので、圧迫変化とその病態との関係を明確に示す好ましい所定値のみを圧迫変化情報として特定できるため、画像化した圧迫変情報の精度を高めることができる。さらに、センシングヘッドは、脳内灰白質の尾状殻および/または被殻であるので、圧迫変化評価に好ましい頭蓋内領域の圧迫変化情報を得ることができ、画像化した圧迫変情報の精度をますます高めることができる。
【0021】
このほか、本発明は、上記MRIを利用した圧迫センシング方法を実行するコンピュータシステムとして構築することができる。さらに、MRIを利用した圧迫センシング方法を実行するためのコードセグメントと有するコンピュータ可読媒体とすることで、様々なMRI装置に適用可能にすることができ、汎用性が増すものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明のMRIを利用した圧迫センサの構成を、構成部品の観点から説明する模式図である。
【図2】本発明のMRIを利用した圧迫センサの構成を、機能面から説明する模式図である。
【図3】本発明のMRIを利用した圧迫センサにおいて、所定範囲における圧迫変化情報の拡散パラメータの値を合算し平均値を求めた後、その平均値の大小によって圧迫変化の度合いを自動判別するのに必要な作業手順を説明するブロック図である。
【図4】本発明のMRIを利用した圧迫センシング方法による圧迫変化情報を位置情報を用いて画像化する作業手順を説明するブロック図である。
【図5】図4にて説明する作業手順のうち、算出工程からカラー表示工程の一部にかけての手順をさらに説明するブロック図である。
【図6】本発明のMRIを利用した圧迫センサにより得られる画像の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ詳述する。
【0024】
本発明に係るMRIを利用した圧迫センサAは、図1に示すように、被測定物に磁場を与え、被測定物から得られる磁気共鳴信号を受信するMRI装置1と、このMRI装置1から出力される磁気共鳴信号を受信し、演算処理し、さらに画像として表示する演算処理装置2とから構成されている。そして、MRI装置1と、演算処理装置2とを作動させることにより、3次元構造体としての例えば脳の、対象組織、例えば、尾状殻および被殻をセンシングヘッドとして用い、脳内の圧迫変化を非侵襲で捉えることができるものである。
【0025】
MRI装置1は、静磁場を発生させる静磁場コイル部11と、傾斜磁場を発生させる傾斜磁場コイル部12と、高周波を送信させる送信コイル部13と、人体を横たえて頭蓋内の脳を所定の位置に固定するとともに、この脳に傾斜磁場の影響が及ぶようにするための撮像空間14と、傾斜磁場の影響を受けることにより、脳、特に尾状殻および被殻から出力される磁気共鳴信号を取得する受信コイル部15と、が設けられて構成されている。また、MRI装置1には、従来のMRI画像を取得するためのT1、T2強調画像を得るために必要な撮像手段のほか、図2に示すように、拡散テンソル画像(DTI)を得るための前段階である拡散強調信号を取得する取得手段10が備えられている。
【0026】
拡散強調信号の取得手段10は、適宜の撮像条件により、送信コイル部13が高周波を発生させ、傾斜磁場コイル部12から傾斜磁場(MPG)を、方向を変えて複数軸、例えば、6軸以上にて出力する手段である。そうすると、傾斜磁場の影響を受け、尾状殻および被殻における水の拡散異方性情報が、拡散強調信号として受信コイル部15にて捉えられ、この拡散強調信号が演算処理装置2に送信されるようになる。
【0027】
なお、本実施形態では、脳内の尾状核、被殻のみならず、頭蓋内の脳全体の拡散強調信号が取得されるものであるが、少なくとも脳内の尾状核又は被殻の一方の拡散強調信号を取得することができれば、本発明を実施することが可能である。
【0028】
演算処理装置2は、図1に示すように、MRI装置1により得られた拡散強調信号に対し、各種の演算処理を行うことにより、脳内の尾状核又は被殻の圧迫変化を、変化度合いに対応させて形態画像に重ねて出力するものである。
【0029】
演算処理装置2に備わる各種の演算処理の構成は、図2に示すように、MRI装置1により得られた拡散強調信号に対し、その画素毎にテンソル解析を行ってMPGの方向に依存しない指標(テンソル楕円体)に変換し、そのうち水の拡散の異方性を表したものを抽出するとともに、拡散強調信号の発信元の位置情報を付随させて拡散テンソル情報(DTIdata)とするDTIdata取得手段21と、DTIdataをテンソル固有ベクトルで表すとともに、位置情報を付随させたまま、固有値λ1,λ2,λ3(λ1>λ2>λ3)を算出し、圧迫を受けていると判断される拡散パラメータとしての、例えば、下記[式1]により計算されるFA値で表されるFAデータにて表す算出手段22と、位置情報毎のFAデータから、FA値が0.18〜0.45、好ましくは、0.20〜0.40であるものを、位置情報を付随させたまま圧迫変化データとして特定、抽出する特定手段23と、圧迫変化データを、FA値の高低に対応させたカラー表示に変換するカラー変換手段24と、からなる。そして、FA値の高低に対応させたカラー表示を、圧迫変化データに含まれる位置情報を利用して脳内の尾状核又は被殻が画像化されている画像に重ねて表示する表示手段25によって、演算処理装置2に内蔵又は外付けされているディスプレーに表示される。
【0030】
なお、拡散パラメータとしてのFA値の所定値を、0.18〜0.45、好ましくは、0.20〜0.40の範囲としたのは、発明者らが、この範囲において病態と相関して圧迫を受けていると有意に判断されることを、研究過程で見出したことから定めたものである。
【0031】
【数1】

【0032】
また、演算処理装置2は、図示を省略したが、DTIdata取得手段21によって取得したDTIdataを利用し、頭蓋内の脳全体のDTIを得るDTI取得手段を備えている。そして、本実施形態において、FA値の高低に対応させたカラー表示は、位置情報を利用して尾状核又は被殻が画像化されているDTIに重ねられ、演算処理装置2に内蔵又は外付けされているディスプレーに表示される。ただし、本発明は、FA値の高低に対応させたカラー表示を、尾状核又は被殻が画像化されている従来のMRI画像に重ねて表示することでも実施可能である。
【0033】
さらに、演算処理装置2は、DTIdataに付随している位置情報利用し、脳内の所定範囲、例えば、尾状核・被殻が含まれる範囲における圧迫変化データを合算した後、その合算値の大小によって脳内の圧迫変化の度合いを判別する自動判別手段3を備えている。
【0034】
自動判別手段3の構成は、図3に示すように、脳全体のMRI画像中から脳梁膨大部・膝部の構造を指標としてスライス面を選択し、その中の脳梁膨大部・膝部・内包・脳室を基準として尾状核・被殻周囲を選択する選択手段31と、選択した尾状核・被殻周囲において、特定手段23によって特定された圧迫変化データとして表される部分を抽出する抽出手段32と、抽出された圧迫変化データにおけるFA値を合算し、平均値を求めて、この平均値と予め備えられた基準値との比較を行って、基準値から大きく外れるほど圧迫度合いが大きいとする圧迫変化度合いを導き出す比較手段33と、圧迫変化度合いに基づいて大、中、小等と判定する判定手段34と、からなる。上記基準値とは、健常人50例を対象として、前記自動判別手段3を用いて取得した圧迫変化データにおけるFA値を合算したものをデータベースとして作成し、そのデータをもとに統計学的に平均化した値である。
【0035】
なお、比較手段33において、平均値と基準値との比較から導き出す圧迫変化度合いは、圧迫度合いが客観的に表されるものであれば、基準値から大きく外れるほど圧迫度合いが大きいとする指標のほか、加重平均値等の適宜の指標を利用することができる。また、判定手段34においても、圧迫度合いを大、中、小と判定するほか、5段階評価、定量的に表す評価方法等、種々の判定方法を利用することができる。
【0036】
次に、本発明に係るMRIを利用した圧迫センシング方法を実行するための操作手順を例示して説明する。
【0037】
本発明に係るMRIを利用した圧迫センンシング方法は、例えば、MRIを利用した圧迫センサAに備えられる。そして、本方法を実行することで、MRIを利用した圧迫センサAが機能する。具体的には、MRI装置の撮像空間に、人体を横たえて被測定物としての脳を、所定の位置に固定し、図4に示すような手順により圧迫センシングを始める(図1、図2も参照)。
【0038】
まず、MRI装置1の送信コイル部13が高周波を発生させ、傾斜磁場コイル部12から傾斜磁場(MPG)を出力させ、人体の脳、特に、尾状殻および被殻における水の拡散異方性情報を、拡散強調信号として受信コイル部15にて取得し、続いて、演算処理装置2にて、この拡散強調信号をDTIdataとして取得する(取得工程S1)。
【0039】
さらに、演算処理装置2にて各種の演算を開始する。各種の演算は、まず、MRI装置1を通じて得られたDTIdataからテンソルおよびその固有ベクトルを取得する(以上、取得工程S1)とともに、DTIdataの発信元の位置情報を付随させて、FA値で表されるFAデータとして表す(算出工程S2)。次に、得られた位置情報毎のFAデータから、FA値が0.18〜0.45、好ましくは、0.20〜0.40となるものを、位置情報を含んだ圧迫変化データとして特定、抽出する(特定工程S3)。得られた圧迫変化データは、FA値の高低に対応させたカラー表示に変換され(カラー変換工程S4)、続いて、圧迫変化データに含まれる位置情報を利用して尾状核又は被殻が画像化されているMRI画像に重ねて、演算処理装置2に内蔵又は外付けされているディスプレーに表示される(表示工程S5)。
【0040】
特に、本実施形態においては、図5に示すように、得られた圧迫変化データを、FA値の高低に対応させたカラー表示に変換するにあたり、FA値が0.18以上〜0.25未満であるものをイエロー、FA値が0.25以上〜0.45未満であるものをレッドで表示するものとしている。さらに、各色は、FA値の高低に合わせて、連続的に明度を上昇させて表示することができる。
【0041】
また、圧迫の度合いを自動判定するときは、図2に示すように、演算処理装置2における自動判別手段3を作動させる。具体的には、図3に示すように、脳全体のMRI画像中から脳梁膨大部・膝部の構造を指標として水平方向のスライス面を選択し、その中の脳梁膨大部・膝部・内包・脳室を基準として尾状核・被殻周囲を選択する(選択工程S6)。次に、選択した尾状核・被殻周囲において、特定手段23によって特定された圧迫変化データとして表される部分を抽出する(抽出工程S7)。抽出された圧迫変化データにおけるFA値の合算を行って平均値を取得し、得られた平均値を予め備えられた基準値との比較し、基準値から大きく外れるほど大きいとする圧迫度合いを導き出し(比較工程S8)、導き出した圧迫度合いを大、中、小等と判定し(判定工程S9)、その判定結果を、判定結果表示工程S10により、演算処理装置2に内蔵又は外付けされているディスプレーに表示する。判定結果表示工程S10では、表示工程S5と同様な仕組みにより、判定結果を、演算処理装置2に内蔵又は外付けされているディスプレーに表示すればよい。
【0042】
ここで、DTIdataから算出する値の指標となる拡散パラメータ、すなわち、圧迫を受けていると判断される拡散パラメータに関し、上記実施形態ではFA値を例示して説明したが、FA値以外のものを採用してもよい。拡散パラメータとしては例えば、RA(Relative Anisotropy)、VR(Volume Ratio)等を採用することができる。ただし、DTIdataから特定、抽出する拡散パラメータの所定値は、FA値に換算したとき0.18〜0.45に相当する値であることが、圧迫変化評価のために望ましいものとなる。
【0043】
また、図4に示すように、本実施形態のMRIを利用した圧迫センシング方法では、特定工程S3において、FAデータのうちFA値が0.18〜0.45、又は、0.20〜0.40の範囲に該当せず、圧迫変化データとして特定、抽出されずに評価対象から除外したものを、除外部位であることを画像にてカラーで示す工程(除外部位カラー表示工程S11)を含むことが好ましい。例えば、FA値が0.18未満であるものをグレーで、FA値が0.45以上のものをホワイトで表示するものとすればよい。そして、除外部位カラー表示工程S11によってカラーで示されるようになった除外部位は、表示工程S5により、圧迫変化データとともに、尾状核又は被殻が画像化されているDTI画像に重ねられ、演算処理装置2に内蔵又は外付けされているディスプレーに表示される。また、除外部位カラー表示工程S11を実行する除外部位カラー表示手段を、演算処理装置2に備えさせて圧迫センサを構成することが好ましいものとなる。除外部位カラー表示工程又は除外部位カラー表示手段は、病態のより正確な客観評価に資することができる。
【0044】
また、本実施形態のMRIを利用した圧迫センシング方法では、脳内のごく一部の領域で正常状態(圧迫を受けていない状態)であっても、FA値が0.18〜0.45又は0.20〜0.40の範囲に該当する領域の情報や、FA値の低下という現象から、偶発的にFA値が0.18〜0.45、又は、0.20〜0.40の範囲に該当してしまったという情報、すなわち、本来的には特定工程S3によって特定されてはならないにもかかわらず、特定されてしまう情報を、圧迫変化データから除く工程を含むことが、さらに好ましい。また、このような工程を実行するための手段を、演算処理装置に備えさせることもできる。
【0045】
このほか、本発明は、上述のように、MRIを利用した圧迫センシング方法を実行するコンピュータシステムを含み、また、これらの方法を実行するためのコンピュータ可読媒体を含むものであり、これコンピュータシステム又はコンピュータ可読媒体は、従来のMRI装置と演算処理装置とで構成されたものに、後付けで適用することができる。
【実施例】
【0046】
以下、本発明に係るMRIを利用した圧迫センサおよび圧迫センシング方法を実施し、慢性硬膜下血腫を抱える患者16症例を対象に、客観的な病態評価が行えるかどうかを検証した検証結果について説明する。
【0047】
1)対象症例と実施方法
本発明の実施例の対象症例としたのは、慢性硬膜下血腫にて片側の脳に圧迫を受けている16症例である。この16症例の全例について血腫を除去して圧迫を解除する手術を行った。手術前と手術後にそれぞれ、本発明に係るMRIを利用した圧迫センサおよび圧迫センシング方法を実施し、圧迫可視化画像を作成した。また、圧迫程度の自動評価を行った(本発明法)。
【0048】
2)拡散テンソル画像撮影条件
本実施例で採用した拡散テンソル画像撮影条件は、下記[表1]のとおりである。
【0049】
【表1】

【0050】
3)圧迫可視化画像の作成方法と評価方法
上記2)にて得られた拡散テンソル画像の全脳の拡散異方性データより、FA値0.20〜0.40の範囲内に含まれるデータを抽出した。その値を0.20−0.25がイエロー、0.25−0.40がレッドで、FA値の高低に応じて明度を連続的に変化させてカラー表示した。また、選択範囲に含まれない0.20未満はグレー、0.40以上はホワイトにて表記した。カラー表示画像を全脳の形態画像に融合させて、図6にて一例の、手術前と手術後の画像を示すように、圧迫可視化画像を作成した。
評価は脳神経外科専門医2名が視覚的に行い、圧迫可視化画像が症例の圧迫変化を描出しており、病態評価が行われているかを確認して合議の結果で判定した。
【0051】
4)圧の自動判定
また、上記2)にて得られた拡散テンソル画像の拡散異方性データより、生体内の主構造物である脳梁膨大部・脳梁膝部の位置を特定し、尾状核・被殻を含むスライス画像を選定した。さらに、そのスライス内での脳梁膨大部・脳梁膝部・内包・脳室の位置より、尾状核・被殻周囲の部位を抽出した。その抽出部位内のFA値0.20〜0.40の範囲内に含まれるデータをさらに抽出し、合算し平均値を求めた。基準値に対し、平均値がどの程度遊離しているかによって圧を判定し、圧迫変化の程度を自動判定した。0〜0.05を圧迫なし、0,05〜0.10が圧迫「小」、0.10〜0.15を圧迫「中」、0.15以上を圧迫「大」と判定した。
なお、この判定結果を検証するための正確性の評価では、手術中に頭蓋骨に穴をあけて測定した頭蓋内圧との相関を解析している。実際の頭蓋内圧では、10cmH20以下となった症例の圧迫を「小」、10〜20cmH20を「中」、20cmH20以上を「大」として整合性を検討した。さらに、統計学的な解析のために、求めた平均値と実際の頭蓋内圧との相関を解析した。
【0052】
5)対照データ(コントロールデータ)
対照データ1として、手術中に頭蓋骨に穴をあけて測定した頭蓋内圧を利用した(従来侵襲法)。また、対照データ2として、術前にDTIを撮影した際に行ったMRI画像より得られる画像上の形態の歪みの度合いを、正中部から脳室中隔までの距離として算定した(従来非侵襲法)。なお、対照データは、本発明法が対象とした症例と同一症例から得られたものである。
【0053】
6)検証結果
6−1)本発明の有効性、正確性等の評価方法
本発明法で得られた圧迫可視化画像に基づいて、圧迫変化の客観的評価が行えるかどうか検証した(有効性評価)。また、従来侵襲法にて得られた頭蓋内圧との比較を行い、術中に測定した圧と、本発明法により自動判定した圧とが、どの程度相関しているかを検証した(正確性評価)。さらに、従来非侵襲法により得られた画像に形態の歪みからの圧の推定評価と、従来侵襲法にて得られた頭蓋内圧との比較を行い、従来非侵襲法により得られた画像から圧の客観的評価が行えるかどうか検証した(従来非侵襲法の有効性評価)。
【0054】
6−2)結果
i)圧迫可視化画像の評価(有効性評価)
手術前における評価では、本発明法で得られた圧迫可視化画像から組織圧迫を受けていることを16症例中の15例で確実に確認することができた。また、圧迫の重症度が増すにつれて、画像上での圧迫描出所見が悪化していくことを確認することができた。術後における評価では、全例で圧迫が解除されて、画像での圧迫所見がなくなり、正常化していることが確認できた。圧迫の程度との相関が極めて高いことが確認された。また、視覚にて容易に、客観的に評価できることが確認された。
【0055】
ii)従来侵襲法と本発明法による自動判定との圧の相関評価(正確性評価)
16例中13例は自動判定した圧迫度合いと、侵襲的な方法にて調べた頭蓋内圧から推定した圧迫度合いは相関した。残りの3例は1段階ずれた結果となった。2段階以上のずれを示した例は存在しなかった。
自動判定した圧と術中に侵襲的に測定した圧とは統計学的に相関を示した(R2=0.41)。
【0056】
iii)従来非侵襲法の画像による圧の客観的評価(従来非侵襲法の有効性評価)
これ対し、従来非侵襲法より得られた画像上での歪みの距離から評価した圧は、術中測定した圧とは相関を示さなかった(R2=0.12)。
【0057】
6−3)結論
i)従来侵襲法に比べ、非侵襲的に圧迫変化を評価することが可能である。
本発明法は非侵襲的な方法であるが、上記6−2)の結果から、従来侵襲法で得られていた情報と高い相関を示したデータを得ることが可能であることが確認された。したがって、本発明法は、侵襲的な評価法が適応となりにくい小児・高齢者・重症者の症例等に適応できるなど、圧迫変化評価に基づく病態診断の適応拡大を期待することができる。
【0058】
ii)従来非侵襲法に比べ、圧迫変化を正確に評価することが可能である。
上記6−2)の結果から、本発明法は従来非侵襲法よりも正確に頭蓋内の圧を評価できることが確認された。
【0059】
iii)非侵襲、簡便、客観的な圧迫変化評価が可能である。
上記6−2)の結果から、本発明法では、圧迫所見を非侵襲な手段で、かつ、画像表示することで評価可能なことが確認された。また、自動で圧迫度合いを判定可能なことも確認された。本発明法は、従来法(従来非侵襲法、従来侵襲法)よりも簡便で客観的な評価を実現可能であることが理解される。
【0060】
したがって、本発明は、従来法よりも非侵襲的に正確な圧評価が可能である。また、この方法は簡便で客観的な評価を可能としており、今後、この画期的な方法を利用することで多くの疾患における診断・治療を改善することが期待される。特に、圧の正確な評価が得られないために、負わざるを得なくなった永久的な障害や、重度の圧迫より失ってきた多くの命を救うことが期待される。
【0061】
ここで、上記実施例では、慢性硬膜下血腫症に係る圧迫変化評価の例を説明したが、病態としては、上記例示のほか、成人水頭症、脳腫瘍、重症頭部外傷患者の急性期、小児先天性奇形に係る評価に特に有効であるものと判断することができる。
【0062】
また、上記実施形態では、3次元構造物として、人体、特に脳を例示して説明したが、これに限られることなく、例えば、生体内の閉鎖空間というべき、筋組織、骨格筋等のMRIを利用した圧迫センサおよび圧迫センシング方法としても適用することができる。また、閉鎖空間を有するものであれば、人体の他でも適用の可能性がある。また、センシングヘッドとして用いる対象組織に、脳内灰白質中の尾状核、被殻を例示して説明したが、例えば、骨格筋であれば、筋線維等をセンシングヘッドとして用いれば、骨格筋等における圧迫評価が可能であると期待される。
【符号の説明】
【0063】
A・・・圧迫センサ
1・・・MRI装置
10・・取得手段
11・・静磁場コイル部
12・・傾斜磁場コイル部
13・・送信コイル部
14・・撮像空間
15・・受信コイル部
2・・・演算処理装置
21・・DTIdata取得手段
22・・拡散パラメータ算出手段
23・・特定手段
24・・カラー変換手段
25・・表示手段
3・・・自動判定手段
31・・選択手段
32・・抽出手段
33・・比較手段
34・・判定手段
S1・・取得工程
S2・・算出工程
S3・・特定工程
S4・・カラー変換工程
S5・・表示工程
S6・・選択工程
S7・・抽出工程
S8・・比較工程
S9・・判定工程
S10・判定結果表示工程
S11・除外部位カラー表示工程

【特許請求の範囲】
【請求項1】
3次元構造体である被測定物内の対象組織をセンシングヘッドとして用い、前記被測定物の圧迫変化を非侵襲で捉える圧迫センサであって、
MRI装置を用い、位置情報を含んだ磁気共鳴信号から前記対象組織における水の拡散異方性情報を取得する取得手段と、
前記拡散異方性情報を利用し、圧迫を受けていると判断される拡散パラメータの所定値に合致したものを、前記位置情報を含んだ圧迫変化情報として特定する特定手段と、
前記圧迫変化情報を、前記位置情報を用いて画像化する画像化手段と、
前記対象組織が画像化されている画像に、前記圧迫変化情報を前記位置情報を用いて重ねて表示する表示手段と、
から構成されることを特徴とするMRIを利用した圧迫センサ。
【請求項2】
前記位置情報利用して決定した所定範囲における前記圧迫変化情報の拡散パラメータの値を合算し平均値を求めた後、その平均値の大小によって圧迫変化の度合いを判別する自動判別手段を備える、
ことを特徴とする請求項1に記載のMRIを利用した圧迫センサ。
【請求項3】
前記拡散パラメータの所定値は、FA値に換算して0.18〜0.45である、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のMRIを利用した圧迫センサ。
【請求項4】
前記センシングヘッドは、脳内灰白質の尾状殻および/または被殻である、
ことを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1つに記載のMRIを利用した圧迫センサ。
【請求項5】
3次元構造体である被測定物内の対象組織をセンシングヘッドとして用い、前記被測定物の圧迫変化を非侵襲で捉える圧迫センシング方法であって、
MRI装置を用い、位置情報を含んだ磁気共鳴信号から前記対象組織における水の拡散異方性情報を取得する取得工程と、
前記拡散異方性情報を利用し、圧迫を受けていると判断される拡散パラメータの所定値に合致したものを、前記位置情報を含んだ圧迫変化情報として特定する特定工程と、
前記圧迫変化情報を、前記位置情報を用いて画像化する画像化工程と、
前記対象組織が画像化されている画像に、前記圧迫変化情報を前記位置情報を用いて重ねて表示する表示工程と、
を備えることを特徴とするMRIを利用した圧迫センシング方法。
【請求項6】
前記位置情報利用して決定した所定範囲における前記圧迫変化情報の拡散パラメータの値を合算し平均値を求めた後、その平均値の大小によって圧迫変化の度合いを判別する自動判別工程を備える、
ことを特徴とする請求項5に記載のMRIを利用した圧迫センシング方法。
【請求項7】
前記拡散パラメータの所定値は、FA値に換算して0.18〜0.45である、
ことを特徴とする請求項5又は請求項6に記載のMRIを利用した圧迫センシング方法。
【請求項8】
前記センシングヘッドは、脳内灰白質の尾状殻および/または被殻である、
ことを特徴とする請求項5から請求項7の何れか1つに記載のMRIを利用した圧迫センシング方法。
【請求項9】
請求項5から請求項8の何れか1つに記載のMRIを利用した圧迫センシング方法を実行する、
ことを特徴とするコンピュータシステム。
【請求項10】
請求項5から請求項8の何れか1つに記載のMRIを利用した圧迫センシング方法を実行するためのコードセグメントを有する、
ことを特徴とするコンピュータ可読媒体。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図1】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−24217(P2012−24217A)
【公開日】平成24年2月9日(2012.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−164512(P2010−164512)
【出願日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 2010年1月25日 東京女子医科大学第33回日本脳神経CI学会総会事務局発行の「第33回日本脳神経CI学会総会 プログラム・抄録集」に発表 2010年2月11日 第39回日本神経放射線学会事務局発行の「第39回日本神経放射線学会 プログラム・抄録集」に発表
【出願人】(504171134)国立大学法人 筑波大学 (510)
【Fターム(参考)】