説明

MTCユーザ機器が所定のイベントを検出しMTCサーバに報告するための方法および装置

本発明は、マシンタイプ通信ベースの通信システムのユーザ機器において、検出および報告の方法および装置を提案する。MTCユーザ機器は最初に所定のイベントが発生したかどうかを検出し、所定のイベントが発生した場合、MTCユーザ機器は第1のレポート・メッセージを1つまたは複数のサーバに伝送する。本発明の技術的解決策により、MTCユーザ機器は、所定のイベント、例えば、MTCユーザ機器が盗まれる、MTCユーザ機器が不法移動する、MTCユーザ機器が損傷を受ける、MTCユーザ機器が電源を切られる、または、MTCユーザ機器によって測定された所定のデータ値が所定の閾値を上回るかもしくは下回る、の発生を検出し、MTSサーバに通知することができる。MTCサーバは、関連条件を取得して、例えば、MTCユーザ機器を復元する、MTCユーザ機器のユーザに請求する、MTCユーザ機器のユーザに課金する、などのさらなるアクションを取ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は通信システムに関し、詳細には、マシンタイプ通信(MTC)ベースの通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
マシン対マシン(M2M)は、1つの端末から別の端末へのデータ伝送、すなわち、GSM/GPRSモジュール、UMTS/HSDPAモジュールおよびCDMA/EVDOモジュールを介したマシン間のデータ交換を意味する。現在、M2Mは、一般に、安全監視、自動販売機、公共交通システム、車両監視、GPSの測位、スケジューリングおよび管理、リモート・メータ読取り管理、産業フロー自動化、電気機械類、都市情報化などの分野において適用される。
【0003】
3GPP TS 23.888によれば、MTCユーザ機器が盗まれるか、不法移動するか、突然損傷を受けるか、または電源が切られると、MTCユーザ機器はこれらの発生を検出し、発生をMTSサーバに通知することができる。関連情報を収集すると、MTCサーバは、例えば、MTCユーザ機器を復元する、MTCユーザ機器のユーザに請求または課金するなどの、さらなるアクションを取ることができる。
【0004】
しかしながら、上記の問題に対して、今までのところ有効な解決策は存在しない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
この点から見て、本発明の実施形態によれば、マシンタイプ通信ベースの通信システムのユーザ機器において、検出および報告する方法が提供される。方法は、a.所定のイベントが発生したかどうかを検出するステップ、および、b.所定のイベントが発生した場合第1のレポート・メッセージを1つまたは複数のサーバに伝送するステップを含む。
【0006】
任意選択で、ステップbの後に、方法は、c.第2のレポート・メッセージを1つまたは複数のサーバに伝送するステップをさらに含む。
【0007】
任意選択で、所定のイベントは、
− ユーザ機器が盗まれる、
− ユーザ機器が不法移動する、
− ユーザ機器が損傷を受ける、
− ユーザ機器が電源を切られる、および
− ユーザ機器によって測定された所定のデータ値が所定の閾値を上回るかまたは下回る
のうちのいずれか1つを含む。
【0008】
任意選択で、ステップbは、
− 第1のレポート・メッセージを符号化するステップ、および
− 符号化された第1のレポート・メッセージを1つまたは複数のサーバに伝送するステップ
をさらに含む。
【0009】
任意選択で、ステップbは、第1のレポート・メッセージを1つまたは複数のサーバにショート・メッセージを介して伝送するステップをさらに含む。
【0010】
任意選択で、ステップcは、第2のレポート・メッセージを1つまたは複数のサーバにショート・メッセージを介して伝送するステップをさらに含む。
【0011】
任意選択で、ステップcは、第2のレポート・メッセージを符号化するステップ、および符号化された第2のレポート・メッセージを1つまたは複数のサーバに伝送するステップをさらに含む。
【0012】
任意選択で、符号化はターボ符号化である。
【0013】
本発明の別の実施形態によれば、マシンタイプ通信ベースの通信システムのユーザ機器の中の、検出および報告する検出兼報告装置が提供される。検出兼報告装置は、所定のイベントが発生したかどうかを検出するための第1の検出装置、および、所定のイベントが発生した場合第1のレポート・メッセージを1つまたは複数のサーバに伝送するための第1の伝送装置を含む。
【0014】
任意選択で、検出兼報告装置は、第2のレポート・メッセージを1つまたは複数のサーバに伝送するための第2の伝送装置をさらに含む。
【0015】
任意選択で、所定のイベントは、
− ユーザ機器が盗まれる、
− ユーザ機器が不法移動する、
− ユーザ機器が損傷を受ける、
− ユーザ機器が電源を切られる、および
− ユーザ機器によって測定された所定のデータ値が所定の閾値を上回るかまたは下回る
のうちのいずれか1つを含む。
【0016】
任意選択で、第1の伝送装置は、さらに第1のレポート・メッセージを1つまたは複数のサーバにショート・メッセージを介して伝送するためにある。
【0017】
任意選択で、第1の伝送装置は、第1のレポート・メッセージを符号化するための第1の符号化装置、および、符号化された第1のレポート・メッセージを1つまたは複数のサーバに伝送するための第3の伝送装置をさらに含む。
【0018】
任意選択で、第2の伝送装置は、さらに第2のレポート・メッセージを1つまたは複数のサーバにショート・メッセージを介して伝送するためにある。
【0019】
任意選択で、第2の伝送装置は、第2のレポート・メッセージを符号化するための第2の符号化装置、および、符号化された第2のレポート・メッセージを1つまたは複数のサーバに伝送するための第4の伝送装置をさらに含む。
【0020】
本発明の技術的解決策により、MTCユーザ機器は、例えば、MTCユーザ機器が盗まれるか、不法移動するか、突然損傷を受けるか、または電源が切られるなどの、所定のイベントの発生を検出し、MTSサーバに通知することができる。関連情報を取得すると、MTCサーバは、例えば、MTCユーザ機器を復元する、MTCユーザ機器のユーザに請求または課金する、などのさらなるアクションを取ることができる。
【0021】
本発明の他の目的、特徴および利点は、図面を参照して、限定的でない実施形態の以下の説明からより明白で顕著になる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明による、マシンタイプ通信ベースの通信システムのネットワーク・トポロジー図である。
【図2】本発明の実施形態による、マシンタイプ通信ベースの通信システムのユーザ機器において、検出および報告する方法の流れ図である。
【図3】本発明の実施形態による、マシンタイプ通信ベースの通信システムのユーザ機器の中の検出兼報告装置の構造ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
同一または同様の参照数字は、同一または同様のステップ、特徴/装置(モジュール)を表す。
【0024】
本発明の技術的解決策が、図面を参照して、下記に記載される。
【0025】
図1は、本発明による、マシンタイプ通信ベースの通信システムのネットワーク・トポロジー図を示す。
【0026】
図1では、MTCユーザ機器1およびMTCサーバ2を示す。MTCユーザ機器1およびMTCユーザ・サーバ2は、公的地域モバイルネットワーク(PLMN)を介してお互いと通信する。一実施形態では、1つまたは複数のネットワーク装置、例えばMTCサーバ2とMTCユーザ機器1の間のデータ転送および信号伝達に関与する基地局は、さらにMTCサーバ2とMTCユーザ機器1の間に含むことができる。
【0027】
MTCユーザ機器1には、モバイル電話、パーソナル・コンピュータ、インテリジェント電気メータ、カメラ、車載装置、医療装置、などが含まれるが、それらに限定されない。
【0028】
MTCサーバ2には、コンピュータ端末、データベース、管理プログラム、などが含まれるが、それらに限定されない。
【0029】
MTCサーバ2と通信するMTCユーザ機器が1台だけ示されたが、マシンタイプ通信ベースの通信システムは、特定のアプリケーションにおいてMTCサーバと通信する複数の関連MTCユーザ機器を含むことができることを、当業者は理解されよう。その説明の繰り返しは、簡潔にするために本明細書では省略される。
【0030】
図2は、本発明の実施形態による、マシンタイプ通信ベースの通信システムのユーザ機器において、検出および報告する方法の流れ図を示す。図2で示される方法の流れ図は、図1を参照して下記に詳細に記載される。ここでは図1の前述の説明に対する参照もなされる。
【0031】
最初に、ステップS11において、MTCユーザ機器1は所定のイベントが発生したかどうかを検出する。
【0032】
任意選択で、所定のイベントは、
− ユーザ機器1が盗まれる、
− ユーザ機器1が不法移動する、
− ユーザ機器1が損傷を受ける、
− ユーザ機器1が電源を切られる、
− ユーザ機器1によって測定された所定のデータ値が所定の閾値を上回る、および
− ユーザ機器1によって測定された所定のデータ値が所定の閾値を下回る
のうちのいずれか1つを含む。
【0033】
上に列記された所定のイベントは例示目的のためのみであることが留意され、本発明の所定のイベントには、前述のいくつかの例が含まれるがそれらに限定されないことを当業者は理解されよう。その説明の繰り返しは、簡潔にするために本明細書では省略される。
【0034】
一実施形態では、MTCユーザ機器1は、例えば、ブート・パスワードが誤って入力される、電線が切断される、などのトリガ条件を検出することにより、MTCユーザ機器1が盗まれたと判定することができる。
【0035】
別の実施形態では、MTCユーザ機器1は、例えばGPS測位により、MTCユーザ機器が不法移動したことを検出することができる。例えば、MTCユーザ機器1が車載装置であり、車載装置が実装されたタクシーが指定区域を越えて移動すると、車載装置はGPS測位により、タクシーが指定区域を越えて移動し不法移動したと判定することができる。
【0036】
さらなる実施形態では、MTCユーザ機器1は、測定された所定のデータ値を所定の閾値と比較することができ、所定のデータ値が所定の閾値を上回ったかまたは下回った場合、MTCユーザ機器1は所定のイベントの発生を判定する。例えば、MTCユーザ機器1が温度センサであり、温度センサが現在の周囲の温度値を測定した後、温度センサは周囲の温度値を所定の閾値と比較する。測定された現在の周囲の温度値が所定の閾値を上回った場合、火事の潜在的発生が判定される。
【0037】
MTCユーザ機器1が所定のイベントの発生を検出した場合、ステップS12において、MTCユーザ機器1は第1のレポート・メッセージをMTCサーバ2に伝送する。
【0038】
一実施形態では、所定のイベントがMTCユーザ機器1の不法移動である場合、例えば、MTCユーザ機器1が実装されたタクシーが指定区域を越えて移動した場合、第1のレポート・メッセージは、MTCユーザ機器1が現在位置する地理的な位置情報を含む。
【0039】
別の実施形態では、所定のイベントが、MTCユーザ機器1によって測定された所定のデータ値が所定の閾値を上回ることである場合、例えば、MTCユーザ機器1によって検出された現在の周囲の温度が所定の閾値を上回った場合、第1のレポート・メッセージは現在の周囲の温度情報を含む。
【0040】
MTCユーザ機器1が所定のイベントの発生を検出すると、任意選択で、MTCユーザ機器1は、ショート・メッセージ(SMS)または汎用パケット無線サービス(GPRS)を介して、第1のレポート・メッセージをMTCサーバ2に伝送する。
【0041】
伝送エラーの発生、データの損失または他の状況を回避するために、一実施形態では、MTCユーザ機器1は、最初に第1のレポート・メッセージを符号化し、次いで符号化された第1のレポート・メッセージをMTCサーバ2に伝送する。
【0042】
任意選択で、符号化には、ターボ符号化、CRC(巡回冗長検査)符号化などが含まれるが、それらに限定されない。
【0043】
別の実施形態では、MTCユーザ機器1は、さらに第1のレポート・メッセージを1つまたは複数の到達可能なMTCサーバに伝送することができる。
【0044】
第1のレポート・メッセージをMTCユーザ機器1から受信すると、MTCサーバ2は、第1のレポート・メッセージに応じて取られるべき対応するアクションを決定する。例えば、MTCユーザ機器1が復元される、MTCユーザ機器1に提供されたサービスが終了する、MTCユーザ機器1のユーザが追加料金を課金される、など。
【0045】
一実施形態では、MTCユーザ機器1がカメラであり、所定のイベントがカメラの損傷である場合、MTCサーバ2が第1のレポート・メッセージをMTCユーザ機器1から受信した後、修理工を派遣して、その正常動作を保証するために直ちにカメラを修理または交換することができる。
【0046】
一実施形態では、MTCユーザ機器1が車載装置であり、所定のイベントが、車載装置が実装されたタクシーが指定区域を越えて移動することである場合、MTCサーバ2が第1のレポート・メッセージをMTCユーザ機器1から受信した後、第1のレポート・メッセージの中に含まれるタクシーの地理的な位置情報に応じて、追加料金をテナントに課金することができる。
【0047】
MTCユーザ機器1が第1のレポート・メッセージをMTCサーバ2に伝送した後、任意選択で、ステップS13において、MTCユーザ機器1は引き続き第2のレポート・メッセージをMTCサーバ2に伝送することができる。
【0048】
任意選択で、MTCユーザ機器1は、第1のレポート・メッセージをMTCサーバ2に伝送した後、能動的に第2のレポート・メッセージをMTCサーバ2に伝送することができる。例えば、MTCユーザ機器1は周期的に第2のレポート・メッセージをMTCサーバに伝送する。
【0049】
あるいは、MTCユーザ機器1は、受動的に第2のレポート・メッセージをMTCサーバ2に伝送することができる。例えば、MTCユーザ機器1は、MTCサーバ2から要求メッセージを受信するまで、第2のレポート・メッセージをMTCサーバ2に伝送しない。
【0050】
任意選択で、MTCサーバ1は、ショート・メッセージ(SMS)または汎用パケット無線サービス(GPRS)を介して、第2のレポート・メッセージをMTCサーバに伝送する。
【0051】
伝送エラーの発生、データの損失または他の状況を回避するために、一実施形態では、MTCユーザ機器1は、最初に第2のレポート・メッセージを符号化し、次いで符号化された第2のレポート・メッセージをMTCサーバ2に伝送する。
【0052】
任意選択で、符号化には、ターボ符号化、CRC(巡回冗長検査)符号化、などが含まれるが、それらに限定されない。
【0053】
別の実施形態では、MTCユーザ機器1は、さらに第2のレポート・メッセージを1つまたは複数の到達可能なMTCサーバに伝送することができる。
【0054】
一実施形態では、MTCユーザ機器1は車載装置であり、所定のイベントは、車載装置が実装されたタクシーが指定区域を越えて移動することである。MTCユーザ機器1が所定のイベントの発生を検出すると、MTCユーザ機器1は第1のレポート・メッセージをMTCサーバ2に伝送する。第1のレポート・メッセージは、MTCユーザ機器1が現在位置している地理的な位置情報を含む。
【0055】
タクシーが指定区域を越えて移動し続けると、MTCユーザ機器1は、第2のレポート・メッセージを介して、タクシーの地理的な位置情報をMTCサーバに絶えず伝送する。
【0056】
MTCサーバ2は、第2のレポート・メッセージの中に含まれる地理的な位置情報により、指定区域を越えたタクシーの移動経路を知り、それによってユーザに追加料金を課金することができる。
【0057】
一実施形態では、MTCユーザ機器1は温度センサであり、所定のイベントは、温度センサによって測定された現在の周囲の温度値が所定の閾値を上回ることである。MTCユーザ機器1が所定のイベントの発生を検出すると、MTCユーザ機器1は第1のレポート・メッセージをMTCサーバ2に伝送する。第1のレポート・メッセージは、温度センサによって測定された現在の周囲の温度値を含む。
【0058】
その後、温度センサは、現在の周囲の温度値を絶えず検出し、第2のレポート・メッセージを介して、検出された現在の周囲の温度値を絶えずMTCサーバ2に伝送する。
【0059】
MTCサーバ2は、第2のレポート・メッセージの中に含まれる周囲の温度値に応じて、関連アクションを取って火事を防止する。
【0060】
1台のMTCユーザ機器1が所定のイベントが発生したかどうかを検出し、次いで、第1のレポート・メッセージをMTCサーバに伝送する本発明の技術的解決策が単に例として上述されたことに留意されたい。
【0061】
マシンタイプ通信ベースの通信システムの別の実施形態では、複数の関連MTCユーザ機器を含むことができ、複数の関連MTCユーザ機器が所定のイベントの発生を同時に検出すると、任意選択で、複数の関連MTCユーザ機器は、第1のレポート・メッセージを1つだけMTCサーバに伝送することができる。
【0062】
任意選択で、MTCサーバは、複数の関連MTCユーザ機器のうちのどの1台が、所定のイベントが発生すると第1のレポート・メッセージをMTCサーバに伝送するかを、あらかじめ指定することができる。
【0063】
あるいは、複数のMTCサーバは、第1のレポート・メッセージをMTCサーバに伝送するために、お互いに調整して複数のMTCユーザ機器のうちの1台を選択することができる。
【0064】
多数のMTCユーザ機器がある場合、任意選択で、リソースの利用率と伝送の信頼性との間のトレードオフを目的として、伝送される第1のレポート・メッセージを符号化しながら、伝送される第1のレポート・メッセージの数は可能なかぎり最大限に削減される。
【0065】
本発明の技術的解決策が方法のステップの観点から上述され、さらに、本発明の技術的解決策が装置モジュールの観点から下記に記載される。
【0066】
図3は、本発明の実施形態による、マシンタイプ通信ベースの通信システムのユーザ機器の中の検出兼報告装置の構造ブロック図を示す。図3において示される検出兼報告装置10は、図1を参照して下記に詳細に記載される。ここでは図1の前述の説明に対する参照もなされる。
【0067】
図3において、検出兼報告装置10は、第1の検出装置101、第1の伝送装置102および第2の伝送装置103を含む。
【0068】
最初に、MTCユーザ機器1の検出兼報告装置10の中に含まれる第1の検出装置101は、所定のイベントが発生したかどうかを検出する。
【0069】
任意選択で、所定のイベントは、
− ユーザ機器1が盗まれる、
− ユーザ機器1が不法移動する、
− ユーザ機器1が損傷を受ける、
− ユーザ機器1が電源を切られる、
− ユーザ機器1によって測定された所定のデータ値が所定の閾値を上回る、および
− ユーザ機器1によって測定された所定のデータ値が所定の閾値を下回る
のうちのいずれか1つを含む。
【0070】
上に列記された所定のイベントは例示目的のためのみであることが留意され、本発明の所定のイベントには、前述のいくつかの例が含まれるがそれらに限定されないことを当業者は理解されよう。その説明の繰り返しは、簡潔にするために本明細書では省略される。
【0071】
一実施形態では、検出兼報告装置10の中に含まれる第1の検出装置101は、例えば、ブート・パスワードが誤って入力される、電線が切断される、などのトリガ条件を検出することにより、MTCユーザ機器1が盗まれたと判定することができる。
【0072】
別の実施形態では、第1の検出装置101は、例えば、GPS測位により、MTCユーザ機器が不法移動したことを検出することができる。例えば、MTCユーザ機器1が車載装置であり、車載装置が実装されたタクシーが指定区域を越えて移動すると、車載装置はGPS測位により、タクシーが指定区域を越えて移動し不法移動したと判定することができる。
【0073】
さらなる実施形態では、第1の検出装置101は、測定された所定のデータ値を所定の閾値と比較することができ、所定のデータ値が所定の閾値を上回ったかまたは下回った場合、MTCユーザ機器1は所定のイベントの発生を判定する。例えば、MTCユーザ機器1が温度センサであり、温度センサが現在の周囲の温度値を測定した後、温度センサは周囲の温度値を所定の閾値と比較する。測定された現在の周囲の温度値が所定の閾値を上回った場合、火事の潜在的発生が判定される。
【0074】
第1の検出装置101が所定のイベントの発生を検出した場合、検出兼報告装置10の中に含まれる第1の伝送装置102は、第1のレポート・メッセージをMTCサーバ2に伝送する。
【0075】
一実施形態では、所定のイベントがMTCユーザ機器1の不法移動である場合、例えば、MTCユーザ機器1が実装されたタクシーが指定区域を越えて移動する場合、第1のレポート・メッセージは、MTCユーザ機器1が現在位置する地理的な位置情報を含む。
【0076】
別の実施形態では、所定のイベントが、MTCユーザ機器1によって測定された所定のデータ値が所定の閾値を上回ることである場合、例えば、MTCユーザ機器1によって検出された現在の周囲の温度が所定の閾値を上回った場合、第1のレポート・メッセージは現在の周囲の温度情報を含む。
【0077】
第1の検出装置101が所定のイベントの発生を検出すると、任意選択で、第1の伝送装置102は、ショート・メッセージ(SMS)または汎用パケット無線サービス(GPRS)を介して、第1のレポート・メッセージをMTCサーバ2に伝送する。
【0078】
伝送エラーの発生、データの損失または他の状況を回避するために、一実施形態では、最初に、第1の伝送装置102の中に含まれる第1の符号化装置(簡潔にするために図3には示されず)は第1のレポート・メッセージを符号化し、次いで、第1の伝送装置102の中に含まれる第3の伝送装置(簡潔にするために図3には示されず)は符号化された第1のレポート・メッセージをMTCサーバ2に伝送する。
【0079】
任意選択で、符号化には、ターボ符号化、CRC(巡回冗長検査)符号化などが含まれるが、それらに限定されない。
【0080】
別の実施形態では、第1の伝送装置102は、さらに第1のレポート・メッセージを1つまたは複数の到達可能なMTCサーバに伝送することができる。
【0081】
第1のレポート・メッセージをMTCユーザ機器1から受信すると、MTCサーバ2は、第1のレポート・メッセージに応じて取られるべき対応するアクションを決定する。例えば、MTCユーザ機器1が復元される、MTCユーザ機器1に提供されたサービスが終了する、MTCユーザ機器1のユーザが追加料金を課金される、など。
【0082】
一実施形態では、MTCユーザ機器1がカメラであり、所定のイベントがカメラの損傷である場合、MTCサーバ2が第1のレポート・メッセージをMTCユーザ機器1から受信した後、修理工を派遣して、その正常動作を保証するために直ちにカメラを修理または交換することができる。
【0083】
一実施形態では、MTCユーザ機器1が車載装置であり、所定のイベントが、車載装置が実装されたタクシーが指定区域を越えて移動することである場合、MTCサーバ2が第1のレポート・メッセージをMTCユーザ機器1から受信した後、第1のレポート・メッセージの中に含まれるタクシーの地理的な位置情報に応じて、追加料金をテナントに課金することができる。
【0084】
第1の伝送装置102が第1のレポート・メッセージをMTCサーバ2に伝送した後、任意選択で、検出兼報告装置10の中に含まれる第2の伝送装置103は、引き続き第2のレポート・メッセージをMTCサーバ2に伝送することができる。
【0085】
任意選択で、第1の伝送装置102が第1のレポート・メッセージをMTCサーバ2に伝送した後、第2の伝送装置103は能動的に第2のレポート・メッセージをMTCサーバ2に伝送することができる。例えば、第2の伝送装置103は周期的に第2のレポート・メッセージをMTCサーバに伝送する。
【0086】
あるいは、第2の伝送装置103は、受動的に第2のレポート・メッセージをMTCサーバ2に伝送することができる。例えば、第2の伝送装置103は、MTCサーバ2から要求メッセージを受信するまで、第2のレポート・メッセージをMTCサーバ2に伝送しない。
【0087】
任意選択で、第2の伝送装置103は、ショート・メッセージ(SMS)または汎用パケット無線サービス(GPRS)を介して、第2のレポート・メッセージをMTCサーバに伝送する。
【0088】
伝送エラーの発生、データの損失または他の状況を回避するために、一実施形態では、最初に、第2の伝送装置103の中に含まれる第2の符号化装置(簡潔にするために図3には示されず)は第2のレポート・メッセージを符号化し、次いで、第2の伝送装置103の中に含まれる第4の伝送装置(簡潔にするために図3には示されず)は符号化された第2のレポート・メッセージをMTCサーバ2に伝送する。
【0089】
任意選択で、符号化には、ターボ符号化、CRC(巡回冗長検査)符号化、などが含まれるが、それらに限定されない。
【0090】
別の実施形態では、第2の伝送装置103は、さらに第2のレポート・メッセージを1つまたは複数の到達可能なMTCサーバに伝送することができる。
【0091】
一実施形態では、MTCユーザ機器1は車載装置であり、所定のイベントは、車載装置が実装されたタクシーが指定区域を越えて移動することである。検出兼報告装置10の中に含まれる第1の検出装置101が所定のイベントの発生を検出すると、第1の伝送装置102は第1のレポート・メッセージをMTCサーバ2に伝送する。第1のレポート・メッセージは、MTCユーザ機器1が現在位置している地理的な位置情報を含む。
【0092】
タクシーが指定区域を越えて移動し続けると、第2の伝送装置103は、第2のレポート・メッセージを介して、タクシーの地理的な位置情報をMTCサーバに絶えず伝送する。
【0093】
MTCサーバ2は、第2のレポート・メッセージの中に含まれる地理的な位置情報により、指定区域を越えたタクシーの移動経路を知り、それによってユーザに追加料金を課金することができる。
【0094】
一実施形態では、MTCユーザ機器1は温度センサであり、所定のイベントは、温度センサによって測定された現在の周囲の温度値が所定の閾値を上回ることである。検出兼報告装置10の中に含まれる第1の検出装置101が所定のイベントの発生を検出すると、第1の伝送装置102は第1のレポート・メッセージをMTCサーバ2に伝送する。第1のレポート・メッセージは、温度センサによって測定された現在の周囲の温度値を含む。
【0095】
その後、第1の検出装置101は、現在の周囲の温度値を絶えず検出し、第2のレポート・メッセージを介して、検出された現在の周囲の温度値を絶えずMTCサーバ2に伝送する。
【0096】
MTCサーバ2は、第2のレポート・メッセージの中に含まれる周囲の温度値に応じて、関連アクションを取って火事を防止する。
【0097】
1台のMTCユーザ機器1が所定のイベントが発生したかどうかを検出し、次いで、第1のレポート・メッセージをMTCサーバに伝送する本発明の技術的解決策が単に例として上述されたことに留意されたい。
【0098】
マシンタイプ通信ベースの通信システムの別の実施形態では、複数の関連MTCユーザ機器を含むことができ、複数の関連MTCユーザ機器が所定のイベントの発生を同時に検出すると、任意選択で、複数の関連MTCユーザ機器は、第1のレポート・メッセージを1つだけMTCサーバに伝送することができる。
【0099】
任意選択で、MTCサーバは、複数の関連MTCユーザ機器のうちのどの1台が、所定のイベントが発生すると第1のレポート・メッセージをMTCサーバに伝送するかを、あらかじめ指定することができる。
【0100】
あるいは、複数のMTCサーバは、第1のレポート・メッセージをMTCサーバに伝送するために、お互いに調整して複数のMTCユーザ機器のうちの1台を選択することができる。
【0101】
多数のMTCユーザ機器がある場合、任意選択で、リソースの利用率と伝送の信頼性との間のトレードオフを目的として、伝送される第1のレポート・メッセージを符号化しながら、伝送される第1のレポート・メッセージの数は可能なかぎり最大限に削減される。
【0102】
本発明が図面および前述の説明の中で詳細に説明され記載されたが、説明および記載は説明的および例示的であるが限定的ではなく、本発明は前述の実施形態に限定されないことが理解されよう。
【0103】
当業者は、記載、開示および図面だけでなく特許請求の範囲を調査して、開示された実施形態に対する他の変形形態を理解し実施することができる。特許請求の範囲において、用語「含む」は別の構成要素およびステップを排除するものではなく、用語「a」または「an」は複数形を排除するものではない。本発明の実際的応用において、1つの構成要素は、請求項に列挙された複数の技術的特徴の機能を実行することができる。図面の中のいかなる参照数字も、本発明の範囲を限定するものとは解釈されない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マシンタイプ通信ベースの通信システムのユーザ機器において検出および報告する方法であって、
a.所定のイベントが発生したかどうかを検出するステップと、
b.前記所定のイベントが発生した場合第1のレポート・メッセージを1つまたは複数のサーバに伝送するステップと
を含む方法。
【請求項2】
前記ステップbの後に、
c.第2のレポート・メッセージを前記1つまたは複数のサーバに伝送するステップ
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記所定のイベントが、
− 前記ユーザ機器が盗まれる、
− 前記ユーザ機器が不法移動する、
− 前記ユーザ機器が損傷を受ける、
− 前記ユーザ機器が電源を切られる、および
− 前記ユーザ機器によって測定された所定のデータ値が所定の閾値を上回るかまたは下回る
のうちのいずれか1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ステップbが、前記第1のレポート・メッセージを前記1つまたは複数のサーバにショート・メッセージを介して伝送するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ステップbが、
− 前記第1のレポート・メッセージを符号化するステップと、
− 前記符号化された第1のレポート・メッセージを前記1つまたは複数のサーバに伝送するステップと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ステップcが、前記第2のレポート・メッセージを前記1つまたは複数のサーバにショート・メッセージを介して伝送するステップをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記ステップcが、
− 前記第2のレポート・メッセージを符号化するステップと、
− 前記符号化された第2のレポート・メッセージを前記1つまたは複数のサーバに伝送するステップと
をさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
前記符号化がターボ符号化である、請求項4乃至7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
マシンタイプ通信ベースの通信システムのユーザ機器において検出および報告する検出兼報告装置であって、
所定のイベントが発生したかどうかを検出するための第1の検出装置と、
前記所定のイベントが発生した場合第1のレポート・メッセージを1つまたは複数のサーバに伝送するための第1の伝送装置と
を含む、検出兼報告装置。
【請求項10】
第2のレポート・メッセージを前記1つまたは複数のサーバに伝送するための第2の伝送装置
をさらに含む、請求項9に記載の検出兼報告装置。
【請求項11】
前記所定のイベントが、
− 前記ユーザ機器が盗まれる、
− 前記ユーザ機器が不法移動する、
− 前記ユーザ機器が損傷を受ける、
− 前記ユーザ機器が電源を切られる、および
− 前記ユーザ機器によって測定された所定のデータ値が所定の閾値を上回るかまたは下回る
のうちのいずれか1つを含む、請求項9に記載の検出兼報告装置。
【請求項12】
前記第1の伝送装置が、さらに前記第1のレポート・メッセージを前記1つまたは複数のサーバにショート・メッセージを介して伝送するためにある、請求項9に記載の検出兼報告装置。
【請求項13】
前記第1の伝送装置が、
前記第1のレポート・メッセージを符号化するための第1の符号化装置と、
前記符号化された第1のレポート・メッセージを前記1つまたは複数のサーバに伝送するための第3の伝送装置と
をさらに含む、請求項9に記載の検出兼報告装置。
【請求項14】
前記第2の伝送装置が、さらに前記第2のレポート・メッセージを前記1つまたは複数のサーバにショート・メッセージを介して伝送するためにある、請求項10に記載の検出兼報告装置。
【請求項15】
前記第2の伝送装置が、
前記第2のレポート・メッセージを符号化するための第2の符号化装置と、
前記符号化された第2のレポート・メッセージを前記1つまたは複数のサーバに伝送するための第4の伝送装置と
をさらに含む、請求項10に記載の検出兼報告装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2013−519263(P2013−519263A)
【公表日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−551461(P2012−551461)
【出願日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際出願番号】PCT/CN2010/070507
【国際公開番号】WO2011/094935
【国際公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(391030332)アルカテル−ルーセント (1,149)
【Fターム(参考)】