説明

N−mycDownstreamRegulatedGene2に対するモノクローナル抗体の作成とプロテインチップを使用したNDRG2の測定

【課題】N-myc downstream regulated gene 2(NDRG 2)タンパク質に特異的なモノクローナル抗体、このモノクローナル抗体を産生する細胞株、NDRG 2タンパク質の定量的・定性的測定方法を提供する。
【解決手段】癌に関連した因子であるNDRG 2が、ヒト末梢血の単球から分化した樹状細胞において特異的に発現している。そのため、NDRG2タンパク質に特異的なモノクローナル抗体をハイブリドーマ株から取得する。この抗体を使ったプロテインチップ、これを使ってNDRG2タンパク質を定量的・定性的に測定する。樹状細胞の性質の解明とNDRG2に関する研究に応用することができる。従って、本発明は臨床的に、樹状細胞を使った難治性疾患と癌の研究・治療を助ける可能性がある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、N-myc downstream regulated gene 2(以下、「NDRG 2」と記す)タンパク質に特異的なモノクローナル抗体、このモノクローナル抗体を産生する細胞株、NDRG 2タンパク質の検出方法、同抗体を使ったプロテインチップに関するものである。NDRG 2は腫瘍抑制遺伝子の候補であり、このNDRG 2タンパク質はヒトの免疫細胞の一つである樹状細胞に発現する。
【背景技術】
【0002】
NDRG 2は脳細胞、筋細胞、腎臓細胞など、さまざまな種類の組織細胞において発現する(Qu, et al., Mol. Cell. Biochem., 229: 35-44, 2002; Kokame, et al., J. Biol. Chem., 271: 29659-29665, 1996; Ulrix, et al., FEBS Lett., 455: 23-26, 1999)。NDRG遺伝子は4種類に分類される可能性があると報告されている。NDRG遺伝子群は相同性が高いが、個人の発達と成長によって発現が異なる。具体的には、NDRG 1遺伝子は比較的、組織および細胞全般に発現する。これに対して、NDRG 2遺伝子とNDRG 3遺伝子は脳、心臓、筋肉、腎臓の細胞に発現する。NDRG 4は脳と心臓においてのみ発現する。従って、それぞれのNDRG遺伝子が異なる役割を果たすと推測されている。しかし、これらの遺伝子の機能を的確に解明した研究報告はまだない。
【0003】
一方、抗原提示細胞(APC)である樹状細胞は、免疫細胞の機能を制御するのに重要である。樹状細胞はナイーブT細胞を刺激して一次免疫応答を惹起する特殊な免疫細胞である。従って、感染性疾患や腫瘍免疫における樹状細胞の機能が積極的に研究されてきた。特に難治性疾患の研究では、特定の免疫性惹起に樹状細胞を応用したワクチンを開発するために、樹状細胞の生物学的機能を解明するゲノム研究が試みられている。最近、樹状細胞をNK細胞と共に注射することによって顕著な抗癌作用が得られることが検証された。そのため、成熟樹状細胞とNK細胞は細胞を使った治療薬の開発に重要な役割を果たす可能性がある。治療薬の効果を最大限にするためには、この成熟樹状細胞のマーカーを開発する必要がある。
【0004】
しかし、これにはいくつかの問題がある。まず、大量の樹状細胞を収集するのは困難である。また、この細胞内に存在する特異的なマーカーはまだ発見されていない。臨床分野でも、樹状細胞の特徴は充分に解明されていない。従って、樹状細胞の特徴を深く研究し、この細胞で発現する特定の遺伝子あるいはタンパク質をスクリーニングで選び出し、それらの機能を認識する必要がある。樹状細胞はまさに、有効な治療法としてさまざまな疾患の予防・治療に使える可能性がある。
【0005】
本発明者らは、NDRG2遺伝子がヒト末梢血の単球から分化した樹状細胞において特異的に発現することをすでに発見した。NDRG2タンパク質に対するポリクローナル抗体を産生するため、NDRG2遺伝子が単離され、ハイブリドーマ細胞株に導入された。この研究結果はすでに公表されている(International Patent Application PCT/KR2004/000634; Choi, S. C. et al., FEBS Lett., 553(3): 413-418, 2003)。

加えて、NDRG2は発癌に関与する癌抑制遺伝子である可能性があるとの研究結果が報告されている。また、発癌細胞でNDRG2の遺伝子発現が低下しており、特に悪性腫瘍においては著しい低下が見られることも明らかにされている。具体的には、NDRG2の発現が浸潤性の髄膜腫において顕著に低下することがゲノム解析によって認められている(Lusis, E. A. et al., Cancer Res., 65: 7121-6, 2005)。NDRG2のmRNA量も、肝臓癌と膵臓癌で著しく低下している(Hu, X. L. et al., World J. Gastroenterol., 10: 3518-21, 2004)。従って、NDRG2タンパク質は発癌細胞で発現が目立って低下し、NDRG2は癌抑制遺伝子として注目されていることから、NDRG2タンパク質はその発現の制御を通して癌治療に使われることが期待されている。
【0006】
しかし、NDRG2に関する研究は従来、充分行われておらず、始まったばかりである。特に、NDRG2タンパク質に特異的なモノクローナル抗体とNDRG2を定量する方法の開発が必要である。

本発明者らはポリクローナル抗体を作成した後、これを使用した樹状細胞の特徴の研究をすでに行っている(International Patent Application PCT/KR2004/000634; Choi, S. C. et al., FEBS Lett., 553(3): 413-418, 2003)。実際に、細胞内のNDRG2タンパク質はウェスタンブロットあるいは免疫染色によって定性的に測定されている。しかし、これにはいくつかの点で限界がある。一つには、この免疫染色はノイズが高いなどの理由で組織内の測定ではほとんど行われていない。
【0007】
前述の問題を解決するために本発明者らは、樹状細胞に発現したNDRG2とその癌細胞における機能を研究するために必要な、NDRG2タンパク質に特異的なモノクローナル抗体と、モノクローナル抗体を産生する細胞株、NDRG2タンパク質を定量的・定性的に測定する方法、モノクローナル抗体を使ったプロテインチップの開発を試み、これらの発明に成功した。
【発明の開示】
【0008】
本発明の目的は、NDRG2タンパク質に特異的なモノクローナル抗体と同モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ細胞株を提供することである。

本発明のもう一つの目的は、同モノクローナル抗体を使ったNDRG2用のプロテインチップと同プロテインチップを使ってNDRG2を定量的・定性的に測定する方法を提供することである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
前述の目的を達成するために、本発明は樹状細胞に由来するNDRG2(N-myc downstream regulated gene 2)に特異的なモノクローナル抗体を提供する。

樹状細胞は、ヒト末梢血の単球あるいは臍帯血幹細胞から分化したものであることが望ましい。また、NDRG2に特異的なモノクローナル抗体はサブクラスIgG2aに属することが望ましい。

さらに、本発明はこのモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ細胞株、望ましくはハイブリドーマ細胞NDRG2-19C-4(アクセッション番号:KCTC 10854 BP)を提供する。
【0010】
加えて、本発明は生物学的試料中のNDRG2タンパク質を定量的・定性的に測定する方法を提供する。この方法は、次のような段階から構成される。(1)生物学的試料を固定した逆相のタンパク質マイクロアレイを準備する。(2)モノクローナル抗体と反応させる。(3)標識する。(4)定量的・定性的データを収集する。

(2)の段階で使用するモノクローナル抗体は、ハイブリドーマ細胞NDRG2-19C-4(アクセッション番号:KCTC 10854 BP)から産生されたモノクローナル抗体であることが望ましい。

生物学的試料は組織、細胞、全血、血清、血漿、唾液、脳脊髄液、尿のいずれかから構成されるグループの中から選択されたものであることが望ましい。

(3)の段階で使用される標識は酵素、蛍光物質、リガンド、発光物質、放射性同位体のいずれかから構成されるグループの中から選択されたものであることが望ましい。

(4)の段階では、比色法、電気化学的方法、蛍光比色法、発光測定法、粒子計数法、視覚的評価、シンチレーション計測法のいずれかでデータが測定されることが望ましい。
【0011】
さらに、本発明ではNDRG2タンパク質、NDRG2タンパク質に特異的なモノクローナル抗体、標識からなるプロテインチップを提供する。

プロテインチップに使われるモノクローナル抗体はハイブリドーマ細胞NDRG2-19C-4(アクセッション番号:KCTC 10854 BP)から産生されたモノクローナル抗体であることが望ましい。

NDRG2タンパク質とNDRG2タンパク質に特異的なモノクローナル抗体からなるプロテインチップは、細胞や組織におけるNDRG2タンパク質発現レベルの比較に使うことができる。
【0012】
以下、本発明をより明確に説明する。

本発明者らは、国際特許出願(International Patent Application)PCT/KR2004/000634にあるように、ヒト末梢血の単球あるいは臍帯血幹細胞から分化した樹状細胞に由来するN-myc downstream regulated gene 2(NDRG2遺伝子)をすでに発見し、この遺伝子によって形質転換した組み換え細胞株と、NDRG2タンパク質に対するポリクローナル抗体を作成した。

本発明では、NDRG2タンパク質に特異的なモノクローナル抗体を作成するために、従来の技術によって作成された組み換えNDRG2タンパク質を実験動物に注射し、免疫化する。その後、モノクローナル抗体を含むプロテインチップが作成され、NDRG2タンパク質を定量できるか明らかにされる。
【0013】
モノクローナル抗体は当業者によって公開された旧来の融合法で作成される(Kohler et al., European Journal of Immunology, 6: 511-519)。一般に、モノクローナル抗体を分泌するハイブリドーマ細胞は癌細胞株と抗原を注射したマウスなどの宿主動物から単離された適切な免疫細胞を融合することによって作成される。この、2つの細胞群の細胞融合は、当技術分野ですでに公開された旧来の方法によって、望ましくはポリエチレングリコールを使って行われる。作成された、抗体を産生する細胞は培養され、通常の培養手法に従って増殖される。その後、限界希釈によってそれぞれのコロニーを選んで細胞をサブクローニングする。次に、特定の抗原に特異的な抗体を産生しているハイブリドーマ細胞を生体内あるいは生体外で大規模に培養する。
【0014】
細胞融合に有用な骨髄腫細胞はp3/x63-Ag8、p3-U1、NS-1、MPC-11、SP-2/0、F0、p3x63 Ag8、V653、S194といったマウス由来の骨髄腫細胞株とR210のようなラット由来の骨髄腫細胞株の中から選ぶことができる。本発明の例の記述では、骨髄腫細胞NS-1が使われている。

正確には、ヒトNDRG2タンパク質に高い親和性を持ち、これを特異的に認識するモノクローナル抗体を作成するために、本発明者らは特異的にNDRG2を発現している樹状細胞のcDNAライブラリー(GenBank登録番号: NM_016250)をテンプレートとして選択し、配列IDが1および配列IDが2のオリゴヌクレオチドをプライマーとして選択した。NDRG2遺伝子はRT-PCRを35サイクル(95°Cで1分間、57°Cで1分間、72°Cで1分間)行って増幅し、627bpの断片を得る。次に、このように作成された断片をpEZベクターにクローニングし、配列を解析した。その結果、この遺伝子はNDRG2遺伝子に対応することが解明された(配列リスト参照)。
【0015】
その後、pEZベクターにクローニングされたNDRG2遺伝子を制限酵素Xho IとBam HIにより消化し、大腸菌発現ベクターpET28に連結、207個のアミノ酸から構成される組み換えNDRG2タンパク質を産生するように大腸菌BL21に形質転換する。

組み換えタンパク質は実験用マウスに免疫性を与えるのに使われる。次に、マウスから脾臓細胞を採取し、骨髄腫細胞と融合する。その後、NDRG2抗原に特異的に結合するハイブリドーマ細胞株が選択される。モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ細胞株はNDRG2-19C-4と名づけられ、国際的預託組織、Korean Collection for Type Cultures(KCTC))に2005年10月5日に預けられている(アクセッション番号:KCTC 10854 BP)。

この細胞クローンは産生する抗体のサブタイプが分析され、IgG2aであると判断されている。
また、この抗体はNDRG2タンパク質に高い特異性を持っている。NDRG2タンパク質に特異的なモノクローナル抗体は、NDRG2抗原に対して高い特異性を持つかどうか明らかにするため、ウェスタンブロットなどで分析された。
【0016】
NDRG2タンパク質を選択的に認識するモノクローンを選択するため、特定の抗体を使った旧来の方法が実施される。この方法は、放射性免疫測定(RIA)、酵素結合イムノソルベント検定法(ELISA)、ウェスタンブロット、蛍光活性化細胞解析分離装置(ACS)による分析の中から選び、特に組織の分析は、免疫組織化学あるいは酵素結合イムノスポット法(ELISPOT)のいずれかを選ぶことが望ましい。実際に、生物学的試料が細胞溶解物や血液の場合、クローンはELISAで定量的に分析できる。組織の場合、クローンは免疫組織化学的方法で研究される。細胞の場合は、クローンはELISPOTあるいはFACS分析で研究される。特にNDRG2タンパク質においては、NDRG2は分泌されているのではないため、細胞溶解後にRIA、ELISA、ウェスタンブロットを行うことが望ましい。組織にウェスタンブロットあるいは免疫組織化学的方法を採用する場合は、定量的な分析は難しい。ELISAを実施する場合は、1回の試験に要するサンプル量が多いのが不利となる。
【0017】
ハイブリドーマ細胞で産生されたモノクローナル抗体は未精製のクルードの状態でも使用することができる。また、旧来の方法で高い純度で単離することができる。透析法、塩析、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、排除クロマトグラフィーなどがこの目的のために実施されることが望ましい。
【0018】
NDRG2タンパク質は本発明において、NDRG2タンパク質と生物学的試料を一緒に反応させるという新しい概念に基づくプロテインチップによって測定される。一般的な抗体を固定してから試料と反応させるという抗体チップに比べて、本発明のプロテインチップは試料を直接固定する逆相タンパク質マイクロアレイである。これには多くの利点がある。このプロテインチップは抗体チップより安定性が高く、試料を直接固定したあと、いくつかの種類の抗体と同時に反応する。固定の際には、分析の繰り返しや時間的間隔を置いた分析、ある物質に関するいくつかの異なる分析などが同時に行えるように、試料の量が少なくても(nlレベル)多くのスライドが準備できる。さらに、1枚のスライドは細胞を数個しか必要としない。

本発明の説明中の「生物学的試料」には、組織、細胞、全血、血清、血漿、唾液、脳脊髄液、尿などが含まれる。NDRG2タンパク質の発現レベルを測定するために、操作に関わらず、生物学的試料はNDRG2タンパク質の抗体あるいは同じエピトープに特異性を持つ他の抗体と反応させることができる。
【0019】
本発明の説明中の「免疫複合体(antigen-antibody complex)」は、NDRG2が生物学的試料の中で発現しているかどうか明らかにするためにお互いに反応させられた、NDRG2タンパク質とモノクローナル抗体の複合物をさす。免疫複合体(antigen-antibody complex)の形成は比色法、電気化学的方法、蛍光比色法、発光測定法、粒子計数法、視覚的評価、シンチレーション計測法のいずれかからなるグループの中から選択された方法で検出される。ただし、当然その方法はここに記したものに限られない。
【0020】
本発明の説明中の「検出」は、免疫複合体(antigen-antibody complex)の検出を目標とする。この過程において、さまざまな標識が使われ、これらの標識は酵素、蛍光物質、リガンド、発光物質、微小粒子、放射性同位体のいずれかから構成されるグループの中から選択できる。ただし、当然この方法はここに記したものに限られない。標識として使われる酵素は、アセチルコリンエステラーゼ、アルカリホスファターゼ、β-D-ガラクトシダーゼ、西洋わさびペルオキシダーゼ、β-ラクタマーゼなどの中から選択することが望ましい。標識として使われる蛍光物質は、フルオレセイン、Eu3+、Eu3+キレート、クリプテートの中から選択することが望ましい。また、標識として使われるリガンドは、アクリジウムエステル、イソルミノール誘導体などの中から選択することが望ましい。標識として使われる微小粒子は、金コロイド、着色ラテックスなどの中から選択することが望ましい。標識として使われる放射性同位体は、57Co、3H、125I、125I-ボルトン-ハンター試薬などの中から選択することが望ましい。
【0021】
実際に本発明の例では、NDRG2タンパク質量をプロテインチップ上で、モノクローナル抗体を使うことによって測定している。膜を付着させたスライドを、プロテインアレイヤーを使って、組み換えNDRG2タンパク質の希釈溶液と組織、細胞溶解物でコーティングし、前述のように作成した抗体と反応させる。反応を増幅させてから、産生物をDAB(3, 3'-ジアミノベンジジン四塩酸塩)を使って着色し、スキャナーを通し、熱量測定上の強度をGenePixプログラム(米国アクソン社製)で測定する。その後、試料中のNDRG2タンパク質を検量線から計算する。このような分析法で、NDRG2の濃度は50pg/mlレベルまで測定できる。
【本発明の例】
【0022】
本発明の実際の、現在望ましい実施形態について、下記に示した例で説明する。

ただし、当然のことながら、当業者が公表された本内容を考慮し、本発明の精神と範囲を逸脱することなく調整あるいは改善する可能性があることが理解されるだろう。
【0023】
〈例1〉組み換えヒトNDRG2タンパク質の作成
NDRG2遺伝子(GenBank登録番号: NM_016250)を特異的に発現している樹状細胞のcDNAライブラリーをテンプレートとして、配列IDが1および配列IDが2のオリゴヌクレオチドをプライマーとして採用した。NDRG2遺伝子はRT-PCRを35サイクル(95°Cで1分間、57°Cで1分間、72°Cで1分間)行って増幅し、627bpの断片を得た。次に、作成した断片をpEZベクター(韓国RNA社製)にクローニングし、配列を解析した。その結果、この遺伝子はNDRG2遺伝子に対応することが解明された(配列リスト参照)。

配列ID NO: 1: 5'-AAGGTCTTGTCCTCATCAAC-3'
配列ID NO: 2: 3'-TCAACAGGAGACCTCCAT-5'

その後、pEZベクターにクローニングされたNDRG2遺伝子を制限酵素Xho IとBam HIにより消化し、大腸菌発現ベクターpET28(米国[ウィスコンシン州マディソン]Novagen社製)に連結、207個のアミノ酸から構成される組み換えNDRG2タンパク質を産生するように大腸菌BL21(米国[ウィスコンシン州マディソン]Novagen社製)に形質転換する。

図1はゲル電気泳動により、組み換えNDRG2タンパク質の発現、分離、精製を示したものである。組み換えNDRG2タンパク質は大腸菌で発現しており、これをNi-NTAコラムに通過させた。その後、Niレジンに吸着したNDRG2タンパク質はイミダゾール濃度を変えることによって分離される。NDRG2タンパク質をイミダゾール濃度300〜1,000mMで溶出させ、精製した。
【0024】
〈例2〉組み換えヒトNDRG2タンパク質に対するハイブリドーマ細胞株モノクローナル抗体の作成
1. 抗原によるマウスの免疫化
ハイブリドーマ細胞株を作成するために必要な免疫化したマウスを得るために、〈例1〉で準備された組み換えNDRG2融合タンパク質50μgを同量の免疫アジュバント(米国Sigma社製MPL+TDMアジュバント)と混合し、沸騰水中で30分加熱し、40〜45°Cにした。このタンパク質を4〜6週令のBalb/cマウスの腹膜腔に注射した。2週間後、組み換えNDRG2融合タンパク質25μgを同量の免疫アジュバント(米国Sigma社製MPL+TDMアジュバント)と混合し、ブースターとしてマウスの腹膜腔に再度注射した。4〜5日後、力価測定のため、マウスの眼静脈から少量の血液を採取した。最後に、免疫アジュバントと混合したNDRG2タンパク質を細胞融合の3日前に再度、腹膜腔内に注射した。
【0025】
2. 細胞融合によるハイブリドーマの作成
ハイブリドーマ細胞の準備に必要な細胞融合を実施するため、〈例2〉1.で作成された免疫原をマウスに注射することによって脾臓細胞107個と骨髄腫細胞NS-1106個を50mlの試験管に採取した。細胞融合では、NS-1細胞が親細胞として使われた。この親細胞は、10%FBSを含有するDMEMを使い、最高密度約5×106セル/mlに保たれた。

〈例2〉1.で免疫化されたマウスをエーテルで麻酔し、左側にある脾臓を摘出し、懸濁液を作成するため、メッシュでホモジナイズした。この脾臓細胞を15mlの遠心分離用試験管で遠心分離した。脾臓細胞を充分洗浄するため、この操作を2回繰り返した。脾臓細胞10mlとNS-1細胞10mlはそれぞれ再度懸濁し、細胞数を計測した。脾臓細胞とNS-1細胞は10:1の割合で50mlの遠心分離用試験管に混合し、再度遠心分離にかけ、沈殿させた。この沈殿物を指で軽くたたいて懸濁させ、これを1分間37°Cに保った。その後、融合因子剤として45%ポリエチレングリコール1mlを含むHan's緩衝液(HBSS)を1分間滴下し、さらに1分間軽く攪拌する。

その後、培養基(DMEM)9mlを1分間で加え、30mlになるまでゆっくりとDMEMをさらに加えながら、攪拌する。細胞沈殿物を得るため、この懸濁液を再度遠心分離する。沈殿物を再度懸濁し、選択培地(HAT)を使って密度を1〜2×105セル/mlとし、96穴マイクロタイタープレートに0.2mlずつ注ぎ、CO2インキュベーターで37°Cで培養する。
【0026】
3. モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ細胞の選択
NDRG2抗原に特異的に結合するハイブリドーマ細胞を選択するために、〈例2〉2.で融合された細胞をHis-tagと、His-tagと〈例1〉で作成した組み換えNDRG2タンパク質から構成されるhis-NDRG2抗原を使ってELISAによりスクリーニングした。

具体的には、His-tagあるいはhis-NDRG2抗原をマクロタイタープレートのそれぞれの穴に50μl(2μg/ml)ずつ加え、プレートに固定させ、遊離した抗原を取り除くため、洗浄した。その後、培養基に含まれているハイブリドーマ細胞を各穴に50μlずつ加え、1時間反応させ、リン酸緩衝液-Tween20(PBST)で完全に洗浄し、培養基を取り除いた。次に、ヤギ抗マウスIgG-HRP(西洋わさびペルオキシダーゼ)(米国Sigma社製)を加え、室温で1時間反応させた後、PBST溶液で充分に洗浄した。さらに、ペルオキシダーゼ基質溶液を加えて反応させ、490nmで吸光度を測定した。

この結果、NDRG2抗原に特異的に結合する抗体を分泌するハイブリドーマ細胞株が選択された。NDRG2抗原に特異的なハイブリドーマ細胞のみを選択するため、この操作を数回繰り返した。限界希釈により、モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ細胞株を選択し、最終的にNDRG2-19C-4と名づけ、国際的預託組織、Korean Collection for Type Cultures(KCTC)に2005年10月5日に預けた(アクセッション番号:KCTC 10854 BP)。

同細胞クローンについては、クローンも作成され、フリーザーに保存された。細胞の上澄みを使って、抗体の力価を測定し、サブクラスを同定した。NDRG2-19C-4クローンはIgG2aであると判断され、NDRG2タンパク質に高い特異性を持っていた。
【0027】
4. モノクローナル抗体の大量生産
〈例2〉3.で作成されたハイブリドーマNDRG2-19C-4からモノクローナル抗体を大量に生産するため、不完全フロイントアジュバント(米国Sigma社製)0.5mlをBalb/cマウスの腹膜腔に注射した。1週間後、ハイブリドーマ細胞各2×106個をマウスの腹膜腔に注射した。7〜10日後、腹膜腔の腫脹した実験マウスの腹水を注射器で採取した。ハイブリドーマ細胞を高濃度で含有する腹水を10,000rpmで遠心分離し、細胞残留物を取り除いた。この上澄みを分離し、一部分を-70°Cで保存しつつ、アフィニティーカラム(プロテインA&Gアガロースカラム)を使って精製した。
【0028】
5. ウェスタンブロットを使った抗体のNDRG2に対する特異性の確認
NDRG2タンパク質に対する抗体の特異的な反応性は、図2に示したように、SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動とウェスタンブロットを使って検証した。NDRG2タンパク質0.1μg/mlおよび0.5μg/mlをSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動で分析、膜上に転写し、4.で作成したモノクローナル抗体と反応させた。その結果、NDRG2タンパク質は特定のバンドに位置することが確認された。
【0029】
〈例3〉NDRG2タンパク質測定用プロテインチップの作成とNDRG2タンパク質の測定
1. プロテインチップの作成
組み換えNDRG2タンパク質の標準溶液と試料をスポットするプロテインチップを作成するため、組み換えタンパク質と試料をそれぞれT-per組織用抽出液を使って希釈した。実験用試料としては、細胞株、細胞溶解物、血清が使われた。タンパク質アレイヤー(韓国Proteagen Corporation製)を使って、各試料をニトロセルロースの膜でコーティングしたスライド(FASTスライド、S&S社製)にスポットした。この操作では、NDRG2タンパク質の標準溶液は検量線を得るために使われる。
【0030】
2.抗原-抗体反応
〈例3〉1.で作成された、組み換えNDRG2タンパク質と試料をスポットしたプロテインチップをPBST緩衝液で洗浄し、BSA溶液でブロックした。このチップをDakocytomation社製CAS(Catalyzed Signal Amplification system, code, K1500)キットで、同社の使用説明書の推奨事項に従って染色した。下記に操作手順を示す。
過酸化水素溶液で処理し、5分後に洗浄する。
タンパク質ブロック溶液で処理し、5分間放置する。
NDRG2抗体で処理し、1時間反応させ、洗浄用緩衝液で3回洗浄する。
ビオチン結合抗体で処理し、1時間反応させ、洗浄用緩衝液で3回洗浄する。
ストレプトアビジン-ビオチン複合体で処理し、15分間反応させ、洗浄用緩衝液で3回洗浄する。
増幅用緩衝液で処理し、15分間反応させ、洗浄用緩衝液で3回洗浄する。
ストレプトアビジン-ペルオキシダーゼ溶液で処理し、15分間反応させ、洗浄用緩衝液で3回洗浄する。
DAB(3, 3'-ジアミノベンジジン四塩酸塩)基質溶液で処理し、染色する。
染色反応を阻止する。
図3は、反応が終了したプロテインチップスライドの比色観察を示したものである。
【0031】
〈例4〉プロテインチップによるNDRG2タンパク質の定量的測定
1. NDRG2タンパク質の検量線の作成
NDRG2標準溶液の各スポットの比色強度を使って、検量線を作成した。

特に、NDGR2濃度0、0.05、0.25、1.25、6.2、32、160、80、400、2,000ng/mlの標準溶液を調製し、スライド(FASTスライド、S&S社製)にそれぞれ2箇所ずつスポットした。〈例3〉2.に説明されているように染色した後、スライドを室温で乾燥させ、スキャナー(米国HP社製HPscanjet 5470)でスキャンした。スキャンの結果について、熱量測定上の強度をGenePixプログラム(米国アクソン社製)で測定した。

図4aは、NDRG2タンパク質標準液の濃度に対応したプロテインチップの比色の程度を示したものである。図上部にプロテインチップの呈色が示してあり、下部に標準溶液の濃度がプロテインチップの位置と対応する位置に示してある。図4bはNDRG2タンパク質濃度に対応したプロテインチップの比色強度を検量線とともに示したものである。分析感度は50pg/ml未満と判断される。図4cはNDRG2標準液を使ったウェスタンブロットの結果を示したものである。分析感度は約100ng/mlと判断される。
【0032】
2. 細胞株のNDRG2濃度の測定
細胞試料として、NDRG2を高度に発現している細胞株SNU 620(ソウル大学Korea Cell Line Bankから入手)、レトロウィルスとNDRG2遺伝子siRNAを使ってNDRG2遺伝子の発現を抑制した細胞株SNU 620-N、NDRG2遺伝子の発現が欠損している細胞株U 937(米国ACTT)、pcDNA3.1ベクターにクローニングし、細胞株U937にエレクトロポレーションによって形質移入されたNDRG2遺伝子を過剰発現している細胞株U937+Nが使われた。各細胞溶解物のタンパク質濃度は1mg/mlに固定された。次に、この細胞溶解物をT-per組織用抽出液を使って5倍、25倍、125倍に希釈し、〈例4〉の1.に説明したようにセルロース膜でコーティングしたスライド(FASTスライド、S&S社製)にそれぞれ2箇所ずつスポットした。検量線を準備する方法と同じように、試料の各スポットを染色し、比色強度をGenePixプログラム(米国アクソン社製)で測定した。その後、各試料のNDRG2タンパク質濃度を検量線に基づいて計算した。
【0033】
図5aは、各細胞株の希釈濃度に対応したプロテインチップの比色の程度を示したものである。図上部にプロテインチップの呈色が示してあり、下部の表では、細胞株の種類と希釈倍率がプロテインチップの位置と対応する位置に示してある。図5bは、各細胞株の希釈濃度に対応したプロテインチップの比色強度を示したものである。図5cはプロテインチップを使ってジェル電気泳動を行った場合のウェスタンブロットの結果を示したものである。ウェスタンブロットの結果に表われているように、細胞株SNU620はNDRG2タンパク質を大量に産生することがプロテインチップによる測定で明らかになった。一方、NDRG2の発現が抑えられている細胞株SNU620-NはNDRG2タンパク質を少量、産生することが観察された。細胞株U937ではNDRG2タンパク質はほとんど検出されず、NDRG2遺伝子によって形質転換された細胞株U937+Nでは、NDRG2が測定された。

表1は、プロテインチップを使ったNDRG2の検量線に基づいた各細胞株中のNDRG2濃度と、ウェスタンブロットによるNDRG2濃度の比較を示している。

〈表1〉

【0034】
1mg/mlの細胞溶解物中で、125倍に希釈してもNDRG2タンパク質は反応することができる。細胞数を計算するためにスポットする試料の量を考慮すると、1スポット中細胞数個から数十個でNDRG2濃度が測定される可能性があると判断される。定性的なウェスタンブロットを実施することにより、pg/mlレベルの濃度測定で同様の結果を得ることができた。
【0035】
3. 肝臓癌組織におけるNDRG2の測定
組織試料として、肝臓癌患者3名(患者No.2235、2327、2278)と健常者から、それぞれ肝臓癌細胞および組織、正常肝臓組織が手術によって採取された。タンパク質の総量を1mg/mlに調整し、〈例4〉の2.で説明されているように5倍、25倍、125倍と5倍率で希釈した溶液を2つずつ調製し、スライド上にスポットした。正常細胞はN2235、N2327、N2278、肝臓癌細胞はT2235、T2327、T2278と、それぞれ名づけられた。各試料スポットを〈例4〉1.に説明されている通りに染色し、比色強度をGenePixプログラム(米国アクソン社製)で測定した。その後、各試料のNDRG2タンパク質濃度を検量線に基づいて計算した。

図6aは、各肝臓癌細胞と正常細胞のプロテインチップの比色観察を示したものである。図上部にプロテインチップの呈色が示してあり、下部の表では、細胞の種類と希釈倍率がプロテインチップの位置と対応する位置に示してある。〈例4〉2.の説明と同様に、125倍希釈の試料においてでさえNDRG2タンパク質が検出されている。図6bは、各25倍希釈試料のプロテインチップによる比色強度を示したものである。図6cは、ウェスタンブロットの結果を示したものである。図6c中、列1はN2235、列2はT2235、列3はN2327、列4はT2327、列5はN2278、列6はT2278を示している。
【0036】
このような結果から、NDRG2はウェスタンブロットとプロテインチップを使った分析で、正常肝臓組織においてよりも、肝臓癌組織において、発現が低いことが観察された。この結果はRT-PCRとウェスタンブロットを行った場合と同様で、プロテインチップはこれと同様の発現を示した。

表2は、各肝臓組織をプロテインチップ上で反応させることにより作成したNDRG2検量線に基づいた各組織のNDRG2濃度を示したものである。

表2に示したように、肝臓癌組織中のNDRG2濃度は、正常肝臓組織中の濃度に比べて顕著に低いと推計される。従って、肝臓癌組織と正常肝臓組織のNDRG2濃度の比較は、肝臓癌の診断に効果的に応用できることが確認される。

〈表2〉

【0037】
4. 肝臓癌患者血清中のNDRG2の測定
肝臓癌患者3名(患者No. 2235、2327、2278)と健常者3名から、血清試料を採取し、2倍に希釈、スライド上に2箇所ずつスポットした。その結果、NDRG2タンパク質は健常者、肝臓癌患者いずれの血清にも発現していなかった。この結果は、イムノドットブロット法の結果と同一であった。
【産業上の利用可能性】
【0038】
上記で説明および確認したように、本発明のNDRG2タンパク質に特異的なモノクローナル抗体とプロテインチップは、生物学的試料中のNDRG2タンパク質量の測定に使うことができ、さらに、樹状細胞の特徴の解明とNDRG2関連の癌発症に関する研究に使うことができる。また、本発明は樹状細胞を使った治療薬の開発と癌の診断に応用できる可能性がある。

加えて、本発明により分析のためのスライドを多数、同時に作成することができるため、本発明は基礎研究に使うことができる。この方法は細胞間ネットワークの研究と、同一の種類のものを入手することが難しい希少な試料を使った診断に便利であり、これらに応用することが可能である。

当業者は、前述の説明で公表された本発明の概念と特定の実施形態が、本発明と同じ目的を達成するために他の実施形態を修正あるいは策定する基礎として直ちに利用されうることを理解するだろう。

また、当業者は、このような同等の実施形態が、添付の請求項で説明された本発明の精神と範囲を逸脱しないことについても、理解するだろう。
【図面の簡単な説明】
【0039】
前述の発明品および他の対象物、本発明の特徴とその他の利点については、添付の図と後述の詳細な説明によって、より明確に理解されると考えられる。添付の図について下記に説明する。

【図1】はゲル電気泳動により、組み換えNDRG2タンパク質の発現、分離、精製を示したものである。
【図2】はウェスタンブロットにより、NDRG2モノクローナル抗体の組み換えNDRG2タンパク質への反応性を示したものである。
【図3】はNDRG2タンパク質で処理したプロテインチップと、NDRG2モノクローナル抗体を反応させた後の試料の比色観察を示したものである。
【図4a】は標準液のNDRG2タンパク質濃度に対応したプロテインチップの比色の程度を示したものである。
【図4b】はNDRG2タンパク質濃度に対応したプロテインチップの比色強度を検量線とともに示したものである。
【図4c】はNDRG2標準液と細胞株試料を使ってゲル電気泳動を行った場合のウェスタンブロットの結果を示したものである。
【図5a】は各細胞株の希釈濃度に対応したプロテインチップの比色の程度を示したものである。
【図5b】は各細胞株の希釈濃度に対応したプロテインチップの比色強度を示したものである。
【図6a】は肝臓癌細胞と正常細胞のプロテインチップの比色観察を示したものである。
【図6b】は肝臓癌細胞と正常細胞の25倍希釈試料のプロテインチップによる比色強度を示したものである。
【図6c】は肝臓癌細胞と正常細胞を使ってゲル電気泳動を行った場合のウェスタンブロットの結果を示したものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹状細胞由来のNDRG2(N-myc downstream regulated gene 2)に特異的なモノクローナル抗体。
【請求項2】
請求項1に記載のNDRG2に特異的なモノクローナル抗体であって、ヒト末梢血の単球あるいは臍帯血幹細胞から分化した樹状細胞から由来したモノクローナル抗体。
【請求項3】
請求項1に記載のNDRG2に特異的なモノクローナル抗体であって、サブクラスIgG2aに属するモノクローナル抗体。
【請求項4】
請求項1に記載のモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ細胞株。
【請求項5】
請求項1に記載のモノクローナル抗体を産生する、請求項4に記載のハイブリドーマ細胞株で、ハイブリドーマ細胞NDRG2-19C-4(アクセッション番号:KCTC 10854 BP)であるハイブリドーマ細胞株。
【請求項6】
生物学的試料中のNDRG2タンパク質を定量的あるいは定性的に測定する方法で、(1)生物学的試料を固定した逆相タンパク質マイクロアレイの準備、(2)請求項1に記載のモノクローナル抗体との反応、(3)標識、(4)定量的あるいは定性的データの測定、の手順からなる方法。
【請求項7】
請求項6に記載の、生物学的試料中のNDRG2タンパク質を定量的あるいは定性的に測定する方法で、手順(2)のモノクローナル抗体がハイブリドーマ細胞NDRG2-19C-4(アクセッション番号:KCTC 10854 BP)から産生されたモノクローナル抗体である方法。
【請求項8】
請求項6あるいは請求項7に記載の、生物学的試料中のNDRG2タンパク質を定量的あるいは定性的に測定する方法で、生物学的試料が組織、細胞、全血、血清、血漿、唾液、脳脊髄液、尿のいずれかから構成されるグループの中から選択されている方法。
【請求項9】
請求項6あるいは請求項7に記載の、生物学的試料中のNDRG2タンパク質を定量的あるいは定性的に測定する方法で、手順(3)に使われる標識が酵素、蛍光物質、リガンド、発光物質、放射性同位体のいずれかから構成されるグループの中から選択されている方法。
【請求項10】
請求項6あるいは請求項7に記載の、生物学的試料中のNDRG2タンパク質を定量的あるいは定性的に測定する方法で、手順(4)のデータ測定が比色法、電気化学的方法、蛍光比色法、発光測定法、粒子計数法、視覚的評価、シンチレーション計測法のいずれかを使って行われている方法。
【請求項11】
NDRG2タンパク質、請求項1に記載のNDRG2タンパク質に特異的なモノクローナル抗体、標識からなるプロテインチップ。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【図4c】
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【図5a】
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【図5b】
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【図6a】
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【図6b】
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【図6c】
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【公開番号】特開2007−153864(P2007−153864A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−44985(P2006−44985)
【出願日】平成18年2月22日(2006.2.22)
【出願人】(505012690)コリア リサーチ インスティテュート オブ バイオサイエンス アンド バイオテクノロジー (7)
【Fターム(参考)】