説明

Ni基合金の製造方法および原子燃料集合体の製造方法

【課題】インコネル718の機械強度特性をインコネルX−750と同等以上にする。
【解決手段】Niが50〜55重量%、Crが17〜21重量%、Moが2.8〜3.3重量%、Nbが4.75〜5.5重量%、Tiが0.65〜1.15重量%、Alが0.2〜0.8重量%で残部が実質的にFeであるNi基合金に1010℃以上1070℃以下で溶体化処理(S1)した後に、680℃以上720℃以下で5時間以上20時間以下の時効処理を施す(S3)。溶体化処理(S1)の後、時効処理(S3)の前に、加工率15%以下の冷間加工(S2)を施してもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、Ni基合金の製造方法および原子燃料集合体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
原子炉に装荷される燃料集合体には、析出硬化型Ni基合金であるインコネル(INCONEL)X−750あるいはインコネル718(いずれもSpecial Metals Corporation group of companiesの商品名である)が用いられる場合がある。インコネルX−750あるいはインコネル718は、たとえばスペーサ、スペーサスプリング、下部タイプレート用リーク制御板、膨張スプリング、チャンネルファスナなどに用いられる。インコネル718は、Niが50〜55重量%、Crが17〜21重量%、Moが2.8〜3.3重量%、Nbが4.75〜5.5重量%、Tiが0.65〜1.15重量%、Alが0.2〜0.8重量%で残部が実質的にFeである析出硬化型Ni基合金である。
【0003】
インコネル718は高強度の合金材として知られているが、所定の特性を得るためには、AMS(Aerospace Material Specification)などの規格に規定されているように、溶体化処理を施した後に、長時間の時効処理を施す必要がある。溶体化処理は、たとえば941〜996℃で行われる。時効処理は、たとえば718℃で8時間保持した後、炉冷し、さらに621℃で8時間保持した後、空冷することによって行われる。
【0004】
特許文献1には、950〜1100℃で溶体化処理を施した後、720〜750℃で3〜8時間の時効処理を行うことにより、上述の規格よりも時効処理時間を著しく短縮でき、かつ、前記規格と同等の機械強度特性を得ることができると記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平6−33206号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
スペーサスプリングなどの構成材料としてインコネルX−750が使用されている燃料集合体に、形状を設計変更することなく、代替材料としてインコネル718を使用できるようにするためには、時効処理後の機械強度特性がインコネルX−750と同等もしくは同等以上であることが望まれる。
【0007】
AMSなどの規格に記載された従来のインコネル718の熱処理方法では、機械強度が向上する点では有効である。しかし、製造コストの観点からは、約1日間という長時間の時効処理を行う必要があるというデメリットがある。なお、インコネルX−750に関しても、AMSなどの規格に記載された方法では、約1日間という長時間の時効処理を行う必要がある。
【0008】
特許文献1に記載された方法は、時効処理時間が大幅に短縮される点で工業的に実用的な方法である。しかし、インコネルX−750の代替材料としてインコネル718を使用するとの観点からは、950〜1100℃での溶体化処理、および、720〜750℃で3〜8時間の時効処理を行うという熱処理条件では、インコネルX−750と同等の0.2%耐力、引張強さ、伸び、硬さなど機械強度特性を得ることができない場合がある。また、加工時の変形抵抗が大きくなる場合があり、従来と同等の加工性を確保することができない場合がある。
【0009】
本発明は、このような従来の課題を考慮してなされたものであり、熱処理条件が工業的に実用的であり、かつ、インコネルX−750と同等あるいは同等以上の機械強度特性を得ることができるインコネル718の熱処理方法、製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
そこで、本発明は、工業的に実用的な熱処理条件で製造されるNiが50〜55重量%、Crが17〜21重量%、Moが2.8〜3.3重量%、Nbが4.75〜5.5重量%、Tiが0.65〜1.15重量%、Alが0.2〜0.8重量%で残部が実質的にFeである析出硬化型Ni基合金の機械強度特性をインコネルX−750と同等以上にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述の目的を達成するため、本発明は、Ni基合金の製造方法において、Niが50〜55重量%、Crが17〜21重量%、Moが2.8〜3.3重量%、Nbが4.75〜5.5重量%、Tiが0.65〜1.15重量%、Alが0.2〜0.8重量%で残部が実質的にFeからなるNi基合金を1010℃以上1070℃以下で溶体化処理する溶体化処理工程と、前記溶体化処理工程の後に、680℃以上720℃以下で5時間以上20時間以下の時効処理する時効工程と、を有することを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、原子燃料集合体の製造方法において、Niが50〜55重量%、Crが17〜21重量%、Moが2.8〜3.3重量%、Nbが4.75〜5.5重量%、Tiが0.65〜1.15重量%、Alが0.2〜0.8重量%で残部が実質的にFeからなるNi基合金を1010℃以上1070℃以下で溶体化処理する溶体化処理工程と、前記溶体化処理工程の後に、680℃以上720℃以下で5時間以上20時間以下の時効処理する時効工程と、を含む工程でNi基合金製部品を製造する部品製造工程と、前記Ni基合金製部品を含む部品を組み立てる組立工程と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、工業的に実用的な熱処理条件で製造されるNiが50〜55重量%、Crが17〜21重量%、Moが2.8〜3.3重量%、Nbが4.75〜5.5重量%、Tiが0.65〜1.15重量%、Alが0.2〜0.8重量%で残部が実質的にFeである析出硬化型Ni基合金の機械強度特性をインコネルX−750と同等以上にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係るNi基合金の製造方法の一実施の形態におけるフローチャートである。
【図2】本発明に係るNi基合金の製造方法の一実施の形態によって製造されたNi基合金を用いた原子燃料集合体の縦断面図である。
【図3】本実施の形態によって製造されたNi基合金を用いたスペーサの上面図である。
【図4】溶体化処理温度が異なる析出硬化型Ni基合金試料の引張試験における0.2%耐力および引張強さを示すグラフである。
【図5】図4と同じ引張試験における試料の伸びを示すグラフである。
【図6】時効処理条件が異なる析出硬化型Ni基合金試料の硬さの測定値を示すグラフである。
【図7】冷間加工率が異なる析出硬化型Ni基合金試料の引張試験における0.2%耐力および引張強さを示すグラフである。
【図8】図7と同じ引張試験における試料の伸びを示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明に係るNi基合金の製造方法の一実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、この実施の形態は単なる例示であり、本発明はこれに限定されない。
【0016】
図2は、本発明に係るNi基合金の製造方法の一実施の形態によって製造されたNi基合金を用いた原子燃料集合体の縦断面図である。
【0017】
この原子燃料集合体1は、沸騰水型原子炉の炉心に装荷される。原子燃料集合体1は、ウランを焼き固めたペレットが装填された燃料棒3を有している。燃料棒3は、正方格子状に束ねられる。また、原子燃料集合体1の中央部にはウォータロッド4が配置されている。燃料棒3およびウォータロッド4の上端および下端は、それぞれ上部タイプレート5および下部タイプレート6で支持されている。燃料棒3の上部の肩部と上部タイプレートの間には、膨張スプリング8が配置される。また、上部タイプレート5および下部タイプレート6の間には、複数のスペーサ7が設けられている。
【0018】
また、原子燃料集合体1の外側には角管状のチャンネルボックス2が装着される。チャンネルボックス2は、チャンネルファスナ9によって上部タイプレート5に固定される。チャンネルファスナ9には、チャンネルファスナ用スプリング10が取り付けられている。チャンネルファスナ用スプリング10によって、炉心で隣り合う燃料集合体1同士の間隔が保たれる。下部タイプレート6の側面には、下部タイプレート6とチャンネルボックス2との隙間の一部を塞ぐ下部タイプレート用リーク制御板(図示せず)が設けられていてもよい。
【0019】
図3は、本実施の形態によって製造されたNi基合金を用いたスペーサの上面図である。
【0020】
スペーサ7は、ほぼ正方形の領域を囲むバンド20と、バンド20で囲まれる領域を正方格子状に区切るグリッド21とを有している。グリッド21で仕切られた領域内に燃料棒3あるいはウォータロッド4が挿入される。グリッド21にはスペーサスプリング11が取り付けられる。スペーサスプリング11によって燃料棒3に対して水平方向に適切な力を与えつつ、燃料棒3の間隔が保持される。
【0021】
本実施の形態のNi基合金は、たとえば膨張スプリング8、スペーサスプリング11、チャンネルファスナ9、チャンネルファスナ用スプリング10などに用いられる。また、本実施の形態のNi基合金をスペーサ7の他の構成部材、下部タイプレート用リーク制御板などに用いてもよい。
【0022】
図1は、本実施の形態におけるNi基合金の製造方法のフローチャートである。
【0023】
本実施の形態のNi基合金の製造方法は、溶体化処理工程(S1)と冷間加工工程(S2)と時効処理工程(S3)とを有する。溶体化処理工程(S1)では、Niが50〜55重量%、Crが17〜21重量%、Moが2.8〜3.3重量%、Nbが4.75〜5.5重量%、Tiが0.65〜1.15重量%、Alが0.2〜0.8重量%で残部が実質的にFeからなるNi基合金に溶体化処理を施す。この合金の化学組成範囲は、インコネル718の組成範囲に相当する。溶体化処理は、1010℃以上1070℃以下で行う。
【0024】
冷間加工工程(S2)では、溶体化処理が施されたNi基合金に冷間加工を施す。この際、加工率は、15%以下とする。冷間加工が不要の場合は、冷間加工を施さなければ、すなわち加工率を0%とすればよい。
【0025】
時効処理工程(S3)では、溶体化処理および必要に応じて冷間加工を施したNi基合金に時効処理を施す。時効処理は、680℃以上720℃以下で5時間以上20時間以下行う。
【0026】
時効処理は、酸化雰囲気中で行ってもよい。酸化雰囲気中で時効処理を行うことにより、Ni基合金の時効処理と同時に、そのNi基合金製の部材の表面への酸化被膜形成処理を行うことができる。Ni基合金製の部材の表面に酸化被膜を形成することにより、耐食性を向上させることができる。特に、表面に酸化被膜が形成されたNi基合金製の部材を用いた原子燃料集合体1は、原子炉内での使用中の耐食性を向上するため、健全性の向上や長寿命化に効果がある。
【0027】
次に、時効処理工程(S3)で時効処理が施されたNi基合金で形成されたスペーサ7などのNi基合金製部品を組み立てて燃料集合体1を製造する。このように、本実施の形態のNi基合金の製造方法の熱処理条件は、工業的に実用的である。
【0028】
本実施の形態の方法で製造したNi基合金がインコネルX−750と同等以上の機械的特性を有することを確認するため、引張試験および硬さ試験を行った。これらの試験では、溶体化処理温度、時効処理条件および加工率が異なる試料を用いた。いずれの試料も、化学組成は、Niが52.2重量%、Crが18.6重量%、Moが3.1重量%、Nbが5.2重量%、Tiが0.8重量%、Alが0.5重量%、残部がFeである。この化学組成は、本実施の形態のNi基合金の組成範囲、すなわち、Niが50〜55重量%、Crが17〜21重量%、Moが2.8〜3.3重量%、Nbが4.75〜5.5重量%、Tiが0.65〜1.15重量%、Alが0.2〜0.8重量%で残部が実質的にFeのうち代表的なものである。また、試料は、この化学組成の合金材料を厚さ0.3mmの板材としたものである。
【0029】
引張試験および硬さ試験は、いずれも常温で行った。引張試験の結果は、3回測定した平均値である。硬さ試験は、試験力2.942N(0.3kgf)のビッカース硬さ試験により行った。硬さ試験では、5か所の測定点について測定し、それらの測定値の平均を測定結果とした。
【0030】
図4は、溶体化処理温度が異なる析出硬化型Ni基合金試料の引張試験における0.2%耐力および引張強さを示すグラフである。図4に示す引張試験に用いた試料の溶体化処理温度は、1010℃、1030℃、1060℃または1090℃である。また、これらの試料には、700℃で6時間の時効処理を施した。これらの試料に冷間加工は施していない。すなわち、これらの試料の冷間加工率は0%である。図5は、図4と同じ引張試験における試料の伸びを示すグラフである。図4および図5において、横軸は溶体化処理温度である。
【0031】
比較のため、図4および図5には、AMSの規格(AMS5542N)で時効処理後の最小値として規定されているインコネルX−750のStrip材(板厚0.25mm〜4.76mm)の0.2%耐力、引張強さ、伸びを点線で示した。また、図4および図5には、本実施の形態における熱処理条件の範囲を一点鎖線で示した。
【0032】
700℃で6時間の時効処理を施した場合、図4から、0.2%耐力がインコネルX−750と同等以上となるのは、溶体化処理の温度範囲が1010〜1070℃であることがわかる。また、図4から、溶体化処理の温度範囲が1010〜1070℃であれば、引張強さがインコネルX−750と同等以上となることがわかる。図5から、溶体化処理の温度範囲が1010〜1070℃であれば、引張試験時の伸びがインコネルX−750と同等以上となることがわかる。
【0033】
これらの結果から、溶体化処理の処理温度が1010℃未満の場合には、溶体化処理の前工程までに生じた偏析、析出物を十分に溶体化することができないことがわかる。また、溶体化処理の処理温度が1070℃を越えると、結晶粒度が粗大化し、粒界の脆弱化を招くことがわかる。このため、次いで行う時効処理によってインコネルX−750と同等の所望の機械的特性を得ることができず、インコネルX−750の代替材料としてインコネル718と同じ合金組成のNi基合金を用いることができない。そこで、溶体化処理工程(S1)での溶体化処理は、1010〜1070℃で行う。
【0034】
図6は、時効処理条件が異なる析出硬化型Ni基合金試料の硬さの測定値を示すグラフである。図6に示す試験に用いた試料の時効処理温度は、650℃、700℃、750℃または800℃である。また、これらの試料の時効処理時間は、3時間、6時間、12時間または20時間である。これらの試料の溶体化処理温度は、いずれも1030℃である。図6には、時効処理温度が680℃の場合について時効処理温度が650℃および700℃の試料の試験結果を用いて線形補間により求めた値も併せて示した。図6において、横軸は時効処理時間を対数で示したものである。
【0035】
比較のため、図6には、インコネルX−750の硬さを点線で示した。図6に示したインコネルX−750の硬さは、AMSの規格(AMS5542N)で時効処理後の最小値として規定されている値を硬さ換算表(SAE J 417)により換算した値である。また、図6には、本実施の形態における熱処理条件の範囲を一点鎖線で示した。
【0036】
時効処理温度が680℃以上の場合、図6から、時効処理時間が5時間以上20時間以下であれば、硬さがインコネルX−750と同等以上となることがわかる。一般に、硬さと耐力あるいは引張強さとは、近似的にほぼ比例関係にある。したがって、時効処理温度が680℃以上の場合、時効処理時間が5時間以上20時間以下であれば、インコネルX−750と同等以上の耐力および引張強が得られる。
【0037】
図7は、冷間加工率が異なる析出硬化型Ni基合金試料の引張試験における0.2%耐力および引張強さを示すグラフである。図7に示す引張試験に用いた試料の溶体化処理温度は、1030℃である。また、これらの試料には、700℃で6時間の時効処理を施した。これらの試料に、0%、10%または20%の冷間加工を施した。図8は、図7と同じ引張試験における試料の伸びを示すグラフである。図7および図8において、横軸は冷間加工率である。
【0038】
比較のため、図7には、AMSの規格(AMS5542N)で時効処理後の最小値として規定されているインコネルX−750のSheet材の0.2%耐力およびStrip材(板厚0.25mm〜4.76mm)の引張強さを点線で示した。また、図8には、AMSの規格(AMS5542N)で時効処理後の最小値として規定されているインコネルX−750のStrip材(板厚0.25mm〜4.76mm)の伸びを点線で示した。さらに、図7および図8には、本実施の形態における冷間加工の加工率の範囲を一点鎖線で示した。
【0039】
図7から、材料の製造工程における最終的な溶体化処理を施した後に、材料に冷間加工を加えることにより、材料が加工硬化し、より大きな0.2%耐力、引張強さを有する材料を得ることができることがわかる。一方、図8から、冷間加工率が大きくなると伸びは小さくなることがわかる。しかし、溶体化処理温度が1030℃の後に冷間加工を施し、その後700℃で6時間の時効処理を施した場合には、冷間加工率が15%以下であればインコネルX−750と同等以上の伸びを確保することができることがわかる。
【0040】
これらの引張試験および硬さ試験の結果から、本実施の形態の製造方法で製造したNi基合金は、Niが50〜55重量%、Crが17〜21重量%、Moが2.8〜3.3重量%、Nbが4.75〜5.5重量%、Tiが0.65〜1.15重量%、Alが0.2〜0.8重量%で残部が実質的にFeである析出硬化型Ni基合金、すなわち、インコネル718であるが、インコネルX−750と同等以上の機械的特性を有することがわかる。したがって、インコネル718相当の合金組成を持つNi基合金をインコネルX−750の代わりに用いることができる。
【0041】
たとえば、構成部品にインコネルX−750を用いた従来のスペーサに対して、特に、製品形状の設計変更を行うことなく、かつ、機械強度特性や耐食性などの特性を損なうことなく、その代替材料としてインコネル718相当の合金組成のNi基合金を用いることができる。また、構成部材の全てがインコネルX−750である従来のスペーサや、構成部材のたとえばスペーサスプリングなどの一部にインコネルX−750が用いられ、他の部品にはジルコニウム合金が用いられた従来のスペーサにも、本実施の形態の製造方法で製造されたNi基合金製の部品をインコネルX−750の代わりに用いることができる。
【0042】
さらに、本実施の形態の製造方法で製造されたNi基合金は、インコネルX−750と同等以上の機械的特性が要求される部材として、ここで例示した原子燃料集合体の他の部材や、原子燃料集合体以外の物に用いることもできる。
【0043】
また、AMSなどの規格に記載されたインコネル718の熱処理方法では時効処理に約1日を要するが、本実施の形態ではこれよりも短い5〜20時間の短時間で時効処理を行うことができる。熱処理時間が大幅に短縮されるため、製造コストを低減することが可能となる。
【符号の説明】
【0044】
1…原子燃料集合体、2…チャンネルボックス、3…燃料棒、4…ウォータロッド、5…上部タイプレート、6…下部タイプレート、7…スペーサ、8…膨張スプリング、9…チャンネルファスナ、10…チャンネルファスナ用スプリング、11…スペーサスプリング、20…バンド、21…グリッド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
Niが50〜55重量%、Crが17〜21重量%、Moが2.8〜3.3重量%、Nbが4.75〜5.5重量%、Tiが0.65〜1.15重量%、Alが0.2〜0.8重量%で残部が実質的にFeからなるNi基合金を1010℃以上1070℃以下で溶体化処理する溶体化処理工程と、
前記溶体化処理工程の後に、680℃以上720℃以下で5時間以上20時間以下の時効処理する時効工程と、
を有することを特徴とするNi基合金の製造方法。
【請求項2】
前記溶体化処理工程後であって前記時効工程前に、15%以下の加工率での冷間加工を施す冷間加工工程を有することを特徴とする請求項1に記載のNi基合金の製造方法。
【請求項3】
前記時効処理工程は、酸化雰囲気中で行われることを特徴とするNi基合金の製造方法。
【請求項4】
Niが50〜55重量%、Crが17〜21重量%、Moが2.8〜3.3重量%、Nbが4.75〜5.5重量%、Tiが0.65〜1.15重量%、Alが0.2〜0.8重量%で残部が実質的にFeからなるNi基合金を1010℃以上1070℃以下で溶体化処理する溶体化処理工程と、前記溶体化処理工程の後に、680℃以上720℃以下で5時間以上20時間以下の時効処理する時効工程と、を含む工程でNi基合金製部品を製造する部品製造工程と、
前記Ni基合金製部品を含む部品を組み立てる組立工程と、
を有することを特徴とする原子燃料集合体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−157566(P2011−157566A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−17977(P2010−17977)
【出願日】平成22年1月29日(2010.1.29)
【出願人】(000229461)株式会社グローバル・ニュークリア・フュエル・ジャパン (102)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)