説明

PEG化タンパク質の凝集レベルを低下させるための方法

本発明は概して、目的とするPEG化タンパク質を作製するための組換え法、及びそれを回収するための方法を対象とする。これらの方法は、タンパク質の低レベルのその凝集体を含むポリペプチド産物を回収して、その目的とするPEG化アイソフォームを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2002年9月20日に出願されたその対応する仮出願第60/412,227号に対して優先権を主張する非仮出願である。本出願は、2003年8月25日に出願された米国特許非仮出願第P−107,891号の一部継続出願である。前記の仮出願及び非仮出願は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれるものとする。
【0002】
本発明は概して、目的とするPEG化ポリペプチドを作製するための組換え法を対象とする。これらの方法は、低レベルのその凝集体及び/又は特定のアイソフォーム不純物を含むPEG化ポリペプチド産物を生成する。特に、本発明は、(1)その凝集体及び/又はアイソフォーム不純物が低減した成長ホルモンを調製するための組換え法、及び(2)その凝集体及び/又はアイソフォーム不純物が低減した成長ホルモンアンタゴニスト(例えば、ペグビソマント及びそのタンパク質中間体など)を調製するための組換え法も対象とする。より詳細には、本発明の方法によって低減するアイソフォーム不純物は、成長ホルモン及び成長ホルモンアンタゴニスト(又はその中間体)の、それぞれトリスルフィド及び脱pheアイソフォーム不純物である。また、この凝集体は、一般に、PEG化成長ホルモン、PEG化成長ホルモンアンタゴニスト、又はPEG化タンパク質の望ましくない凝集体である。
【背景技術】
【0003】
ペグビソマント(Somavert(登録商標);Pharmacia Corp.)は、ヒト成長ホルモン受容体アンタゴニストである。ペグビソマントは、構造的に改変されているヒト成長ホルモン(「hGH」)の類似体である。ペグビソマントのタンパク質成分/中間体(B−2036)のアミノ酸配列は、9個の位置においてhGHのアミノ酸配列と異なる。具体的なアミノ酸置換は以下の通りである:H18D、H21N、G120K、R167N、K168A、D171S、K172R、E174S、及び1179T。当分野で充分理解されているように、最初の文字(即ちH18D)が、番号付けした位置におけるhGHの配列中のアミノ酸を表し(即ち、18番目のアミノ酸位置は、H18Dによって示される)、これが二番目の文字(即ちH18D)によって示されるアミノ酸と置換される。したがってH18Dは、野生型hGHアミノ酸配列の18番目のアミノ酸位置における、アミノ酸hisとアミノ酸aspの置換を示す。
【0004】
図1Aに、ペグビソマント(PEGB−2036又はB−2036PEG)のタンパク質成分/中間体(B−2036)のアミノ酸配列構造を概略的に示し、星印はポリエチレングリコールポリマー(「PEG」単位)結合の可能性のある部位示す。さらに、このペグビソマントのタンパク質成分/中間体(B−2036−PEG単位の結合なし)のアミノ酸配列表を、配列番号1として本明細書では同定する。比較のために、ヒト成長ホルモンのアミノ酸配列表を、配列番号2として本明細書では同定する。両方の配列表を、ここで提供する。hGHの配列に関しては、Jorgensen他、「疎水性条件下での電気泳動による、大腸菌の生合成ヒト成長ホルモンの定量化(Quantifying biosynthetic human growth hormone in Escherichia coli with electrophoresis under hydrophobic conditions)」J.Chromatography A 817:205〜214(1998)も参照のこと。
【0005】
構造的にペグビソマントは、主に4〜6個のPEG単位が共有結合している、(191アミノ酸残基を含む)タンパク質である。ペグビソマントのタンパク質成分/中間体(B−2036)の分子量は、21,998ダルトンである。ペグビソマントのそれぞれのPEG単位の分子量は、約5000ダルトンである。したがって、ペグビソマントの主要な分子量は、約42,000(4PEG単位/1分子)、47,000(5PEG単位/1分子)及び52,000(6PEG単位/1分子)ダルトンである。
【0006】
アゴニストに関しては、理論によって縛られずに、ホルモン仲介の受容体ホモ二量体化を含めて、1個のhGH分子がその隣接する(及び同一の)受容体分子の2個と結合すると、内因性hGHがその受容体を活性化させると考えられる。米国特許第5,849,535号及び米国特許第6,057,292号を参照のこと。hGHの活性は、同一hGH分子上の2つの別個の結合部位(部位1及び部位2)の、その隣接する(及び同一の)受容体の2個と結合するその能力に依存する。部位1及び部位2として示されるこれらのhGH結合部位を1及び2と番号付けして、hGH依存性ホモ二量体化を仲介する2つの隣接する(及び同一の)hGH受容体とのそれらの結合の順序を表す。
【0007】
さらに、理論によって縛られずに、ペグビソマントは細胞表面上のヒト成長ホルモン受容体(「GH受容体」)と選択的に結合し、この場合ペグビソマントは、内因性ヒト成長ホルモンの結合を阻害し、それによってヒト成長ホルモンのシグナル変換を妨げると考えられる。(hGHと比較した)ペグビソマントのタンパク質部分(「成分又は中間体」とも呼ばれる)に対する構造的改変によって、ペグビソマントはhGH分子とhGH受容体の間の相互作用を競合的に阻害することができる。ペグビソマントはGH受容体と結合し、したがってGH結合を阻害する。なぜならその受容体が占有されるからである。この構造的改変によって受容体の二量体化が妨げられ、その結果としてシグナル変換が起こらない。hGH分子とhGH受容体の間の必要とされる密接な相互作用をこのように阻害することによって、ペグビソマントはhGH受容体のhGH仲介のホモ二量体化を阻害し、ペグビソマントはそのアンタゴニスト活性を付与する。
【0008】
このアンタゴニストを使用して、外科手術、放射線療法、及び/又は他の従来の医学的療法に対して適切に応答しない患者、又は他の場合これらの療法に耐えることができない患者の先端巨大症だけには限られないが、これらを含めた状態を治療する。さらに、ペグビソマントのタンパク質部分(B−2036)に対する構造的改変によって、ペグビソマントはhGHのそれより低いプロラクチン受容体に対して結合親和性を示し、これによってペグビソマントの使用と関係がある望ましくない授乳関連の副作用を最小限にする。
【0009】
ペグビソマントのタンパク質中間体部分(B−2036)は、成長ホルモン受容体アンタゴニスト(B−2036)の遺伝子を保有するプラスミドを加えることによって遺伝的に改変されている大腸菌の系統によって合成される。次いで、B−2036を微生物細胞から回収し精製する。次いで、精製したB−2036をPEG化して、ペグビソマント(PEGB−2036)を生成する。米国特許第5,849,535号及び第6,057,292号は、B−2036を作製する方法、及び1つ又は複数のPEG単位とB−2036を結合させるための方法を記載しているが、ただし許容不能な高レベルのそのトリスルフィド及び脱pheアイソフォーム不純物の形成の低下、減少、排除、反転及び/又は防止の仕方に関する詳細は含まない。
【0010】
B−2036を作製するための従来の組換え製造法を使用することによって遭遇する問題の1つは、その脱phe及びトリスルフィドアイソフォームなどの、そのアイソフォーム不純物の形成である。B−2036からB−2036PEG(即ち、ペグビソマントなどのPEG化B−2036)を作製するための、従来の製造法及び精製法を使用することによって遭遇する他の問題は、以下でさらに論じるB−2036PEGの望ましくない「凝集体」の形成である。
【0011】
脱pheアイソフォーム不純物は、B−2036分子がそのアミノ末端フェニルアラニンを欠いている不純物である。B−2036の−NH端と隣接する主題のアミノ末端フェニルアラニン残基(即ち、文字「F」によって示される)を示す図1Aを参照のこと。トリスルフィドアイソフォーム不純物は、B−2036分子がその分子内に「トリスルフィド架橋」を形成する過剰なイオウ原子を含む不純物である。図1B中のボックスを参照のこと。さらに、Andersson他、「大腸菌内での発現中に形成される、組換えヒト成長ホルモンのトリスルフィド変異体の単離及び特徴付け(Isolation and characterization of a trisulfide variant of recombinant human growth hormone formed during expression in Escherichia coli)Int.J.Peptide Protein Res.47:311〜321(1996)、及びA.Jesperson他、「大腸菌内で生成される、生合成ヒト成長ホルモンのトリスルフィド誘導体の特徴付け(Characterisation of a trisulphide derivative of biosynthetic human growth hormone produced in Escherichia coli)」Eur.J.Biochem.219:365〜373(1994)を参照のこと。理論によって縛られずに、これらのアイソフォーム不純物は、典型的には、遺伝的に改変された宿主細胞内でB−2036の細胞増殖(例えば発酵)及び発現(合成及び分泌)中、及び/又はB−2036タンパク質の抽出及び精製中に生成されると考えられる。
【0012】
「凝集体」に関する問題に関しては、このような「凝集体」の形成によって、目的とするタンパク質の収率の低下、及びそれを生成するコストの増大が起こる。また、「凝集体」レベルが高すぎる場合、最終タンパク質は、それが治療用途には不適切となるほど低純度のものである可能性がある。
【0013】
特定の不純物に関しては、国際出願WO94/24157(1994年10月27日に公開されたもの)に、元のhGHと比較して過剰なイオウ原子を含む、hGHの疎水性誘導体が開示されている。WO94/24157の3ページ、3〜10行目を参照のこと。hGHの疎水性誘導体の過剰なイオウ原子は、「トリスルフィド架橋」を形成し、hGHトリスルフィド変異体が生じる。WO94/24157の7ページ、11〜16行目を参照のこと。WO94/24157の参照文献は、このhGHトリスルフィド変異体は、hGHトリスルフィド変異体をシステイン、グルタチオン、2−メルカプトエタノール又はジチオトレイトールなどのメルカプト化合物で処理することによって、その元のhGH形に転換することができることをさらに述べている。WO94/24157の4ページ及び5ページを参照のこと。
【0014】
国際出願WO96/02570(1996年2月1日に公開されたもの)は、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸アンモニウム、又は亜硫酸マグネシウム塩又は亜硫酸カルシウム塩などのアルカリ土類金属亜硫酸塩を使用して、hGHトリスルフィド変異体をその元の形に転換するための、他の方法を記載している。WO94/24157の4ページ、17〜21行目を参照のこと。
【0015】
「少量のトリスルフィドを有する組換えペプチドを生成するための方法(Method for the production of recombinant peptides with a low amount of trisulfides)」という表題の、国際出願WO00/02900(2000年1月20日に公開されたもの)は、組換えペプチド、例えばタンパク質及び少量ペプチドの生成における、トリスルフィドの量を減少させるための方法を述べている。本発明は、組換えペプチドの生成におけるトリスルフィドの量を、以前に示唆されたのと同様の成長ホルモンの形成されたトリスルフィドの原形への変換によってではなく、発酵の最中又は発酵後に金属塩を好ましくは過剰に加えることによって減少させることができた、という新規で予想外の知見に基づく。WO00/02900の2ページ、21〜27行目を参照のこと。WO00/02900の参照文献は、タンパク質は任意の組換えタンパク質であってよいが、組換え成長ホルモンであることが好ましく、これはヒト及び動物の成長ホルモン、例えばヒト成長ホルモン(hGH)、ウシ成長ホルモン(bGH)及びブタ成長ホルモン(pGH)などであってよいことをさらに述べている。WO00/02900の3ページ、4〜6行目を参照のこと。
【0016】
「細胞からタンパク質を抽出するための方法及び組成物(Methods and Composition For Extracting Proteins From Cells)」という表題の、国際出願No.WO02/057478(2002年7月25日に公開されたもの)は、宿主細胞を還元剤及び洗浄剤と接触させることによって、宿主細胞からタンパク質を切り離す方法を対象としている。この参照文献では、還元剤の目的が、「その元の立体配座であるタンパク質の回収を容易にすること」であると述べられている。WO02/057478の2ページ、16〜18行目を参照のこと。さらにWO02/057478は、「1つ又は複数の還元剤は、ジスルフィド結合を還元する、且つ/或いはスルフヒドリル残基をその還元形で保つ、物質である」と記載している。任意のこのような1つ又は複数の還元剤を使用することができる。好ましい実施形態では、使用する1つ又は複数の還元剤は、ジチオトレイトール(DTT);ジチオエリトリトール(DTE);システイン(Cys)及びトリス2−カルボキシエチホスフィン(TCEP)からなる群から選択される。WO02/057478の3ページ24行目〜4ページ4行目を参照のこと。
【0017】
精製に関する他の参照文献に関しては、米国特許No.6,265,542B1(Fahmer他、表題「分子の精製(Purification of Molecules)」);米国特許No.6,333,398B1(Blank、表題「タンパク質精製(Protein Purification)」);米国特許No.5,747,639(表題「ポリエチレングリコールを精製するための、疎水性相互作用クロマトグラフィーの使用(Use of Hydrophobic Interaction Chromatography to Purify Polyethylene Glycols)」を参照);国際出願No.PCT/US96/19459(Ibrahim他、表題「活性状態のリンカー、並びにその作製法及び精製法(Activated Linkers;and Methods for Making and Purifying the Same)」);及び米国特許出願No.U.S.2002/002271Al(Rinderknecht他、表題「抗体の精製(Antibody Purification)」を参照のこと。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
しかしながら、前述の参照文献は、ペグビソマント又はそのタンパク質成分B−2036などの成長ホルモンアンタゴニストと関係があるアイソフォーム不純物形成、及び/又はPEG化タンパク質、例えばペグビソマントの凝集体形成の防止、反転、低下又は排除に関しては言及していない。したがって、そのアイソフォーム不純物(トリスルフィド及び/又は脱phe)の形成、及び/又はPEG化タンパク質の凝集体形成を低下、減衰、防止、最小化、反転させるか、且つ/又は排除するB−2036を作製する改善された方法が必要とされる。同様に、これらの参照文献は、成長ホルモンの脱pheアイソフォーム不純物の形成及び/又はPEG化タンパク質、例えばPEG化成長ホルモン又はPEG化ヒト成長ホルモンの凝集体形成の検出、減衰、最小化、反転、低下又は排除に関しても言及していない。したがって、その脱pheアイソフォーム不純物の形成、及び/又はPEG化タンパク質、例えばPEG化成長ホルモン又はPEG化ヒト成長ホルモンの凝集体形成を低下、減衰、防止、最小化、反転させるか、且つ/又は排除する成長ホルモンを作製する改善された方法が必要とされる。
【課題を解決するための手段】
【0019】
組換えPEG化ポリペプチド成長ホルモンアゴニスト、組換えPEG化ポリペプチドヒト成長ホルモンアゴニスト、組換えPEG化ポリペプチド成長ホルモンアンタゴニスト、及び/又は組換えPEG化ポリペプチドヒト成長ホルモンアンタゴニスト、及びそれらの低レベルの望ましくない凝集体及び/又はアイソフォーム不純物を作製するための改善された方法を提供するための前述の必要性を鑑みて、本発明は、組換えPEG化ポリペプチド成長ホルモン(ヒト成長ホルモンだけには限らないがこれを含む)、及び組換えPEG化ポリペプチド成長ホルモンアンタゴニスト(ヒト成長ホルモンアンタゴニストだけには限らないがこれを含む)、及び低レベルのそれらの凝集体、脱phe及び/又はトリスルフィドアイソフォーム不純物を生成するための改善された方法を対象とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
組換え成長ホルモン(hGHだけには限らないがこれを含む)に関しては、その脱pheアイソフォーム不純物の形成は、それぞれ(1)キレート剤又は(2)金属塩を充分加えることによって低下させる。
【0021】
組換え成長ホルモンアンタゴニスト(ヒト成長ホルモンアンタゴニストだけには限らないがこれを含む)に関しては、そのトリスルフィドアイソフォーム不純物は、トリスルフィドアイソフォーム不純物と、それぞれ(1)メルカプト化合物、(2)キレート剤、(3)金属塩、(4)メルカプト化合物及び金属塩又は(5)メルカプト化合物とを、キレート剤と接触させた後、ただしキレート剤の不在下で充分に接触させることによって低下させる。
【0022】
組換え成長ホルモンアンタゴニスト(ヒト成長ホルモンアンタゴニストだけには限らないがこれを含む)に関しては、その脱pheアイソフォーム不純物の形成は、それぞれ(1)キレート剤又は(2)金属塩を充分加えることによって低下させる。
【0023】
組換えPEG化タンパク質(PEG化ホルモン、PEG化成長ホルモンアンタゴニスト、PEG化ヒト成長ホルモンアンタゴニスト、PEG化成長ホルモン及び/又はPEG化ヒト成長ホルモンを含むが、それらに限定されない)に関しては、そのPEG化アイソフォームの分離中に陰イオン交換クロマトグラフィーによって望ましいレベル以下に凝集のレベルを維持するか或いは低下させる。
【0024】
好ましい実施形態の詳細な説明
本出願において、以下の略語を使用する。
AC アフィニティクロマトグラフィー
AEX 陰イオン交換
API 活性薬剤成分
BI 大量の中間体;B−2036(PEG化なし)
B−2036PEG PEG化B−2036
PEGB−2036 PEG化B−2036
CE キャピラリー電気泳動
CEX 陽イオン交換
cm センチメートル
CV カラム容量
DEAF ジエチルアミノエチル
HEPES N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジンN−(2−エタン)スルホン酸
HIC 疎水性相互作用クロマトグラフィー
IEX イオン交換
kDa キロダルトン
L リットル
LPM 1分間当たりのリットル
mL又はml ミリリットル
mM ミリモル
mS ミリジーメン
MWCO 分画分子量
μm マイクロメートル
N 規定度
NaCl 塩化ナトリウム
NaOH 水酸化ナトリウム
NWP 正規化した水の浸透性
PEG ポリエチレングリコール分子又はその変異体
PEG−1 PEGの1分子と共にPEG化したB−2036の1分子又はその変異体
PEG−2 PEGの2分子と共にPEG化したB−2036の1分子又はその変異体
PEG−3 PEGの3分子と共にPEG化したB−2036の1分子又はその変異体
PEG−4 PEGの4分子と共にPEG化したB−2036の1分子又はその変異体
PEG−5 PEGの5分子と共にPEG化したB−2036の1分子又はその変異体
PEG−6 PEGの6分子と共にPEG化したB−2036の1分子又はその変異体
PEG−7 PEGの7分子と共にPEG化したB−2036の1分子又はその変異体
PEG−8 PEGの8分子と共にPEG化したB−2036の1分子又はその変異体
PEG−9 PEGの9分子と共にPEG化したB−2036の1分子又はその変異体
RPHPLC 逆相高速液体クロマトグラフィー
SD 標準偏差
SDS−PAGE ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動
SEHPLC サイズ排除高性能液体クロマトグラフィー
TMP 膜内外の性質
TRIS トリス−(2−ヒドロキシメチル)アミノメタン
UF/DF 限外濾過/ダイアフィルトレーション
UV 紫外線
WFI 注入用の水
【0025】
用語「PEG化タンパク質」は、ホルモン、成長ホルモン、ヒト成長ホルモン、成長ホルモンアンタゴニスト、ヒト成長ホルモンアンタゴニスト、抗体(又はその断片)、及びB−2036PEGを含むが、それらに限定されない。また、「PEG化タンパク質」は、1つ又は複数の部位においてPEG化されている1つ又は複数の当該のタンパク質も含むが、これらに限定されない。
【0026】
特に明示しない限り、用語「凝集体」は、PEG化していてもPEG化されていなくてもよい、1つ又は複数の当該のタンパク質のスパゲッティ様の塊を指す。「凝集体」は、立体的相互作用又は互いの相互作用によってグループ分けされている多数のタンパク質分子である。「凝集」の例には、(1)多数のPEG化タンパク質分子、(2)多数の非PEG化タンパク質分子、及び/又は(3)少なくとも1つのPEG化タンパク質分子と少なくとも1つの非PEG化タンパク質分子の間の絡み合いがあるが、これらだけには限られない。
【0027】
特に明示しない限り、「非PEG化タンパク質不純物」は、非PEG化タンパク質、即ち結合したPEG分子又はその変異体を含まないタンパク質を含むが、それらに限定されない。
【0028】
特に明示しない限り、「化学量論的重量比」は、非PEG化タンパク質分子の量に対する当該の遊離PEG分子の量を指す。
【0029】
特に明示しない限り、用語「PEG化タンパク質アイソフォーム」は、好ましくは共有結合によって結合している1つ又は複数のPEG部分を有する当該のタンパク質を指す。例えば、用語「PEG−1」は、好ましくはリシンアミノ酸残基及び/又はアミノ末端などの位置で1つのPEG分子が結合しているB−2036を指す。同様に、PEG−2、PEG−3、PEG−4、PEG−5、PEG−6、PEG−7、PEG−8、及びPEG−9は、B−2036の1分子と結合したPEG分子の数を指す。したがって、PEG−2は、2つのPEG分子が結合している1つのB−2036を指し、PEG−3は、1分子のB−2036に結合している3分子のPEGなどを指す。
【0030】
特に明示しない限り、用語「充填層容量」は、製造者の提案する作業条件に従い充填した、特定の樹脂の充填層容量を指す。
【0031】
特に明示しない限り、用語「アイソフォーム不純物」は、少なくとも本明細書に記載するトリスルフィドアイソフォーム不純物、又は脱pheアイソフォーム不純物を指す。用語「アイソフォーム不純物」は、当分野で認められている他の不純物を含むこともできる。
【0032】
用語「CE回収伝導度」は、CEに施された回収CV分画の伝導度の測定値を指す。
【0033】
用語「成長ホルモンアンタゴニスト」及び「成長ホルモン受容体アンタゴニスト」は、成長ホルモンとその成長ホルモン受容体の結合を阻害するか、或いは相殺して、成長ホルモンの生物学的作用を阻害するPEG化ポリペプチド及びポリペプチドを含む(ただし、これらだけには限られない)。PEG化成長ホルモンアンタゴニスト又はPEG化「成長ホルモン受容体アンタゴニスト」は、PEG化B−2036、B−2036、又はそれらの変異体であることが好ましい。「変異体」には、(それぞれ)成長ホルモン受容体アンタゴニスト活性を有するその相同体(B−2036と比較して、特に保存アミノ酸の置換、付加又は欠失がある相同体)、類似体、断片、擬似ペプチド、抗体などがあるが、これらだけには限られない。
【0034】
用語「成長ホルモンアゴニスト」及び「成長ホルモン受容体アゴニスト」は、その成長ホルモン受容体と結合し、それを活性化させる、PEG化ポリペプチド及びポリペプチドを含む(ただし、これらだけには限られない)。「成長ホルモンアゴニスト」又は「成長ホルモン受容体アゴニスト」は、PEG化ヒト成長ホルモン、ヒト成長ホルモン又はそれらの変異体であることが好ましい。「変異体」には、(それぞれ)成長ホルモン受容体アゴニスト活性を有する、その相同体(ヒト成長ホルモンと比較して、特に保存アミノ酸の置換、付加又は欠失がある相同体)、類似体、断片、擬似ペプチド、抗体などがあるが、これらだけには限られない。
【0035】
用語「及び(and)」は、関連不純物(例えば、トリスルフィド又は脱pheアイソフォーム不純物及び/又は凝集体)のレベルの、目的とする低下をもたらすためのプロセスを列挙するのに適切或いは必要な、「及び」又は「又は」を意味することができる。
【0036】
用語「又は(or)」は、関連不純物(例えば、トリスルフィド又は脱pheアイソフォーム不純物及び/又は凝集体)のレベルの、目的とする低下をもたらすためのプロセスを列挙するのに適切或いは必要な、「及び」又は「又は」を意味することができる。
【0037】
本明細書で使用するように、特に明示しない限り、用語「低下」(又はその明らかな活用形)は、トリスルフィドアイソフォーム不純物であっても脱pheアイソフォーム不純物であっても、当該のPEG化タンパク質及び/又は関連アイソフォーム不純物の「凝集」レベルの量を、維持、排除、最小化、減少、防止、反転及び/又は減衰させることを意味する。
【0038】
特に明示しない限り、用語「宿主細胞」(又はその明らかな活用形)は、その中で組換えB−2036又は組換えhGHを形成することができる任意の宿主細胞を指す。したがって、宿主細胞は、哺乳動物宿主細胞、植物宿主細胞、或いは大腸菌又はさらに酵母菌細胞などの微生物宿主細胞であってよい。宿主細胞は、その中で目的とする組換えB−2036タンパク質成分又は組換えhGHを増殖させるのに充分な細胞でなければならないことを記すことは重要である。このように、宿主細胞が何でなければならないかに関して制約はない。ただし、宿主細胞は、当該のB−2036タンパク質成分もしくは組換えhGH、又はそれらの「変異体」を組換えによって生成することができる細胞でなければならない。
【0039】
さらに、本明細書で使用するように、特に明示しない限り、用語「増殖(growing)」(又はその明らかな活用形、例えばgrowth)は、宿主細胞を発酵及び培養、或いは充分に増殖させて所望量の組換えB−2036タンパク質成分又は組換えhGHを生成することを含むが、それらに限定されない。
【0040】
さらに、特に明示しない限り、本発明は組換えB−2036及び組換えB−2036PEGに関して記載するが、それが哺乳動物成長ホルモン又はそのアンタゴニスト、ヒト成長ホルモン又はそのアンタゴニスト、或いはウシ成長ホルモン又はそのアンタゴニストなどであろうと、任意の組換え成長ホルモンアゴニスト、組換え成長ホルモンアンタゴニストと共に、本発明を使用することができることは理解されよう。
【0041】
ペグビソマント(本明細書ではPEGB−2036又はB−2036PEGと呼ぶ)は、組換え宿主細胞(例えば、組換え、遺伝的改変型大腸菌宿主細胞)中で生成される、PEG化形態の組換えタンパク質(B−2036)である。B−2036タンパク質は、細胞増殖中(例えば発酵によって)及び発現中(合成及び分泌)に生成される。その生成後、B−2036を単離し(例えばホモ二量体化による)、次に精製する(例えば抽出、遠心分離、逆相及び陰イオン交換クロマトグラフィー、並びにバッファー交換による)。しかしながら、示したように、B−2036タンパク質の組換え生成中に、B−2036のトリスルフィド及び脱pheアイソフォーム不純物である、B−2036の望ましくないアイソフォーム不純物が形成される。
【0042】
示したように、図1Aは、それぞれの文字表記した位置にどのアミノ酸が存在するかを示す標準的な1文字の略語で、B−2036のアミノ酸配列を示す。参考のために、文字とその関連アミノ酸の間の対応を示す、以下の表1を参照のこと。
【表1】

【0043】
さらに、B−2036のアミノ酸配列は、本明細書では配列番号1として示し、アミノ酸配列hGHは、本明細書では配列番号2として示す。
【0044】
1.組換え成長ホルモンアンタゴニスト、及びそのトリスルフィドアイソフォーム不純物
図1Bは、B−2036のトリスルフィドアイソフォーム不純物のアミノ酸配列構造を示す。特に、このトリスルフィドアイソフォーム不純物は、B−2036タンパク質成分の182位と189位のシステイン間の架橋中に、過剰なイオウ原子を含む。
【0045】
a.メルカプト化合物による、トリスルフィドアイソフォーム不純物の低下
理論によって縛られずに、選択したメルカプト化合物と、組換え成長ホルモンアンタゴニストB−2036のトリスルフィドアイソフォーム不純物との接触によって、システイン−S−S−S−システイントリスルフィド架橋の、そのシステイン−S−S−システイン原形への転換がもたらされると考えられる。さらに、これもまた理論によって縛られずに、メルカプト化合物の存在によって、トリスルフィド架橋自体のさらなる形成が妨げられる可能性がある。
【0046】
典型的には、メルカプト化合物を、宿主細胞の増殖の最中又は後(或いは最中及び後)に、目的とする組換えB−2036タンパク質成分を合成する宿主細胞に加える。さらに、増殖及び接触ステップを行った後に、B−2036タンパク質を精製することが好ましい。その後、精製したタンパク質を好ましくはPEG化して、PEGB−2036(ペグビソマント)を生成させる。PEG化の手順に関しては、米国特許第5,849,535号及び米国特許第5,672,662号を参照のこと。
【0047】
任意のメルカプト化合物を本発明に関して使用することができ、これは、B−2036タンパク質成分及びそのトリスルフィドアイソフォーム不純物と接触させる場合(好ましくは適切に混合させる場合)、好ましくはB−2036の生成物を分解(或いは実質的に分解)せずに、トリスルフィドアイソフォーム不純物のレベルを低下させるのに充分な化合物である。本発明と共に使用するのに適した好ましいメルカプト化合物には、亜硫酸塩、グルタチオン、β−メルカプトエタノール、ジチオトレイトール、メルカプトエチルアミン、ジチオエリトリトール、トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィンヒドロクロリド、システイン、及びシスチンと組み合わせたシステインがあるが、これらだけには限られない。
【0048】
本発明と共に使用するのに適した他の適切なメルカプト化合物は、以下の参照文献中に記されている:(1)J.Houk及びG.M.Whitesides、「チオール−ジスルフィド相互交換に関する構造−反応性の関係(Structure−Reactivity Relations for Thiol−Disulfide Interchange)」J.M.Chem.Soc.、109:6825〜6836(1987);(2)Sigmund、M.、「アミノ酸、ペプチド、及びタンパク質中のスルヒドロ基の化学及び生化学(The Chemistry & Biochemistry of the Sulfhydro Group in Amino Acids、Peptides and Proteins)」、1stEd.Pergamon、New York(1973)。特に、本発明と共に使用するのに適した代表的なメルカプト化合物の一覧に関しては、前の項目(1)中に示される、Houk他の表IIを参照のこと。
【0049】
適切なメルカプト化合物の中では、システイン、又はシスチンと組み合わせたシステイン(二量体化システイン)が最も好ましい。本発明と共に使用するのに適した、システイン、又はシステインとシスチンの組合せ(存在する場合は二量体化システイン)の量は、形成されるトリスルフィドアイソフォーム不純物を、その最高平衡濃度(又はその最高平均平衡濃度、この場合、多数のバッチを平均する)の少なくとも約10%低下させるのに充分な量でなければならない。好ましくは、トリスルフィドアイソフォーム不純物の量の低下は、形成されるその最高平衡濃度(又はその最高平均平衡濃度)のそれぞれ少なくとも約20%、30%、40%、又は50%である。本発明と共に使用するのに適した、システインと任意のシスチンとの組合せ初期濃度は、それぞれ少なくとも約0.1mM、約0.1mM〜約10mM、又は約1mM〜約5mMであることが好ましい。
【0050】
メルカプト化合物はバッファー溶液として提供することが好ましい。そのバッファーは、本発明と共に使用するのに適したバッファー、即ちB−2036タンパク質成分の形成を妨げない、或いは一度それが形成された後に分解しない、バッファーであることが好ましい。本発明に関して使用するのに適した適切なバッファーには、Tris、リン酸、HEPES、クエン酸、トリエチルアミン、及びヒスチジンがあるが、これらだけには限られない。好ましいバッファーはTrisである。好ましい最初のバッファー濃度は、約1mM〜約200mM、より好ましくは約5mM〜約100mM、さらにより好ましくは約8mM〜約70mM、最も好ましくは約10mM〜約50mMである。他の適切なバッファーを使用することができる。これらのバッファーは、それぞれ約4〜約9、約7.5〜約8.5、或いは約7.5〜約8.0の範囲に、増殖培地の任意の場所のpHを維持するのに充分であることが好ましい。特に、高濃度のメルカプト化合物が使用される場合、例えば約9.5という高いpHレベルを許容することができる。したがって、例えば、B−2036に対して多量のシステインが使用される場合、したがって、バッファーのpHは約9.5という程度に高くてよい。
【0051】
前述のように、メルカプト化合物はバッファー溶液として提供することが好ましい。さらに、バッファー中のメルカプト化合物の量は、メルカプト化合物のモル数とB−2036タンパク質のモル数とのモル比が、約0.5〜約1,000であるような量でなければならない。使用するメルカプト化合物が、システインの組合せ、及び場合によっては、シスチンと組み合わせたシステインであるとき、このことが特に当てはまる。或いは、メルカプト化合物のモル数とB−2036タンパク質のモル数とのモル比は、それぞれ約1〜約1,000、約1〜約500、又は約1〜約10であってよい。
【0052】
典型的には、メルカプト化合物と(宿主細胞中或いは宿主細胞由来の)B−2036タンパク質成分との(トリスルフィドアイソフォーム不純物のレベルを低下させるのに)充分な接触が終了した後、バッファー中のB−2036タンパク質成分は、それぞれ約0.1mg/ml〜約30mg/ml、約0.5mg/ml〜約20mg/ml、又は約1mg/ml〜約10mg/mlの濃度を有する。
【0053】
さらに、バッファー、メルカプト化合物、及びB−2036を含むがそれだけには限られないその他の成分を含む増殖培地の温度範囲は、B−2036タンパク質成分を含む宿主細胞又はその溶解物にメルカプト化合物を加えた後に、好ましくは約0℃〜約25℃の温度に保たなければならない。また、B−2036成分を含む宿主細胞及び/又はそれに由来する溶解物の温度は、それぞれ約1℃〜約15℃、約2℃〜約10℃、又は約2℃〜約8℃に保つことが好ましい。B−2036タンパク質の変性が約40+℃で起こることを記すことは重要である。このように、ホモジェネート(即ち、宿主細胞、増殖培地、バッファー、メルカプト化合物及びB−2036などを含む)の温度を、B−2036のタンパク質変性温度未満の温度に保つことが望ましい。
【0054】
さらに、B−2036成分とメルカプト化合物との接触時間は、トリスルフィドアイソフォーム不純物のレベルを低下させるのに充分な時間でなければならない。トリスルフィドアイソフォーム不純物のレベルを低下させるための代表的な適切な接触時間は、それぞれ少なくとも約30分、約1時間〜約24時間、又は約1時間〜約4時間でなければならない。
【0055】
典型的には、メルカプト化合物とB−2036成分との充分な接触の後、これらを含むバッファーは、それぞれ約1リットル〜約5,000リットル、約10リットル〜約500リットル、又は約100リットル〜約300リットルの容量を有する。他の適切な代表的な容量は、160リットル〜約500リットルの任意の範囲であってよい。
【0056】
メルカプト化合物とB−2036成分との接触中に、関心が持たれる可能性がある他のパラメータには、混合速度などの事項がある。混合速度は、形成される可能性がある泡沫の量を最少に抑えながら、(1つの増殖培地中の宿主細胞、その溶解物、バッファー、メルカプト化合物、B−2036成分及び任意の他の成分の)均質な混合物を形成するのに充分なものでなければならない。当業者は、充分な混合速度を如何にすべきかを、容易に決定することができる。混合速度が、温度が前述の範囲に保たれ、B−2036タンパク質成分の任意の分解が最少になるようなものでなければならないことは明らかである。
【0057】
b.キレート剤によるトリスルフィドアイソフォーム不純物の低下
理論によって縛られずに、選択したキレート剤と、(1)トリスルフィドアイソフォーム不純物、(2)組換え成長ホルモンアンタゴニストB−2036、(3)(アンタゴニストの組換え生成用の)宿主細胞の細胞成分、及び(4)(1)〜(3)のすべての組合せとの接触によって、システイン−S−S−S−システイントリスルフィド架橋の、そのシステイン−S−S−システイン原形への転換、又は不純物のレベルの低下がもたらされると考えられる。さらに、これもまた理論によって縛られずに、キレート剤の存在によって、トリスルフィド架橋自体のさらなる形成が妨げられる可能性がある。
【0058】
典型的には、キレート剤を、宿主細胞の増殖の最中又は後(或いは最中及び後)に、目的とする組換えB−2036タンパク質成分を合成する宿主細胞に加える。さらに、増殖及び接触ステップを行った後に、B−2036タンパク質を精製することが好ましい。その後、精製したタンパク質を好ましくはPEG化して、PEGB−2036(ペグビソマント)を生成させる。PEG化手順に関しては、米国特許第5,849,535号を参照のこと。
【0059】
任意のキレート剤を本発明に関して使用することができ、これは、B−2036タンパク質成分及びそのトリスルフィドアイソフォーム不純物と接触させる場合(好ましくは適切に混合させる場合)、好ましくはB−2036の生成物を分解(或いは実質的に分解)せずに、トリスルフィドアイソフォーム不純物のレベルを低下させるのに充分なキレート剤である。本発明と共に使用するのに適した好ましいキレート剤には、EDTA、EGTA、及びDTPAがあるが、これらだけには限られない。他の代表的なキレート剤には、デフェロキサミン、ジチオカルブナトリウム、エデト酸カルシウム2ナトリウム、エデト酸2ナトリウム、エデト酸ナトリウム、エデト酸3ナトリウム、ペニシルアミン、ペンテテートトリナトリウムカルシウム、ペンテト酸、スクシマー、及びトリエンチンがあるが、これらだけには限られない。エデト酸ナトリウムは、EDTAの塩形であることを記す。
【0060】
本発明と共に使用するのに適した他の適切なキレート剤は、以下の参照文献中に記されている:(1)The Merck Index、12th Edition、S.Budavari(Editor)、Merck & Co.、Inc.、「治療カテゴリー及び生物学的活性の索引(Therapeutic Category and Biological Activity Index)」、p.THER19(under“CHELATING AGENT”)、Whitehouse Station、NJ(1996)、及びその今日までのそれぞれ毎回の後版、(2)「Remingtonの薬剤科学(Remington’s Pharmaceutical Sciences)」、16th Ed.、Arthur Osol(Editor)、Mack Publishing Co.、Easton、Pennsylvania(1980)、及びその今日までのそれぞれ毎回の後版;(3)「米国薬局方(The United States Pharmacopeia)」、21th Revision(16th Edition)、「米国薬局方の慣習(The United States Pharmacopeial Convention)」、Inc.、Rockville、Maryland(1985)、及びそれらの今日までのそれぞれ毎回の後版;(4)SIGMA、「ライフサイエンス調査カタログの生化学物質及び試薬(Biochemicals and Reagents for Life Science Research Catalogue)」、St.Louis、Missouri(2002〜2003);及び(5)Aldrich、「ファインケミカル及び研究室用機器のハンドブック(Handbook of Fine Chemicals and Laboratory Equipment)」、Milwaukee、Wisconsin(2000〜2001)及びその(2002〜2003)版。
【0061】
適切なキレート剤の中では、EDTAが最も好ましい。本発明と共に使用するのに適したキレート剤の量は、形成されるトリスルフィドアイソフォーム不純物を、その最高平衡濃度(又はその最高平均平衡濃度、この場合、多数のバッチを平均する)の少なくとも約10%低下させるのに充分な量でなければならない。好ましくは、トリスルフィドアイソフォーム不純物の量の低下は、形成されるその最高平衡濃度(又はその最高平均平衡濃度)の、それぞれ少なくとも約20%、30%、40%、又は50%である。本発明と共に使用するのに適したEDTAの初期濃度は、それぞれ少なくとも約0.01mM、約0.01mM〜約100mM、約0.1mM〜約20mM、約2mM〜約10mM、又は約2mM〜約5mMであることが好ましい。
【0062】
キレート剤はバッファー溶液として提供することが好ましい。そのバッファーは、本発明と共に使用するのに適したバッファー、即ちB−2036タンパク質成分の形成を妨げないか、或いは一度それが形成された後に分解しないバッファーであることが好ましい。本発明に関して使用するのに適した適切なバッファーには、Tris、リン酸、HEPES、クエン酸、トリエチルアミン、及びヒスチジンがあるが、これらだけには限られない。好ましいバッファーはTrisである。好ましいバッファー初期濃度は、約1mM〜約200mM、より好ましくは約5mM〜約100mM、さらにより好ましくは約8mM〜約70mM、最も好ましくは約10mM〜約50mMである。他の適切なバッファーを使用することができる。これらのバッファーは、それぞれ約6〜約9、約6.5〜約7.5、或いは約7.2〜約7.5の範囲に、増殖培地の任意の場所のpHを維持するのに充分であることが好ましい。
【0063】
前述のように、キレート剤はバッファー溶液として提供することが好ましい。さらに、バッファー中のキレート剤の量は、キレート剤のモル数とB−2036タンパク質のモル数とのモル比が約1〜約1,000であるような量でなければならない。或いは、キレート剤のモル数とB−2036タンパク質のモル数とのモル比は、それぞれ約20〜約1,000、約50〜約250、約60〜約110であってよい。
【0064】
典型的には、キレート剤と(宿主細胞中或いは宿主細胞由来の)B−2036タンパク質成分との(トリスルフィドアイソフォーム不純物のレベルを低下させるのに)充分な接触が終了した後、バッファー中のB−2036タンパク質成分は、それぞれ約0.1mg/ml〜約20mg/ml、約0.5mg/ml〜約5mg/ml、又は約1mg/ml〜約5mg/mlの濃度を有する。
【0065】
さらに、増殖培地及びバッファー、キレート剤、及びB−2036を含むがそれだけには限られないその他の成分の温度範囲は、B−2036タンパク質成分を含む宿主細胞又はその溶解物にキレート剤を加えた後に、好ましくは約0℃〜約35℃の温度に保たなければならない。さらに、B−2036成分を含む宿主細胞及び/又はそれに由来する溶解物の温度は、それぞれ約1℃〜約15℃、約2℃〜約10℃、又は約2℃〜約15℃に保つことが好ましい。好ましくは、約4℃の温度でキレート剤(例えばEDTA)を加えることによって、B−2036を含むホモジェネートの温度が、均質化により約30℃に上昇することを記す。B−2036タンパク質の変性が約40+℃で起こることを記すことは重要である。このように、B−2036のタンパク質変性温度未満の温度に、ホモジェネート(即ち、宿主細胞、増殖培地、バッファー、キレート剤及びB−2036などを含む)の温度を保つことが望ましい。
【0066】
さらに、B−2036成分とキレート剤との接触時間は、トリスルフィドアイソフォーム不純物のレベルを低下させるのに充分な時間でなければならない。トリスルフィドアイソフォーム不純物のレベルを低下させるための代表的な適切な接触時間は、それぞれ少なくとも約30分、約1時間〜約48時間、又は約5時間〜約15時間であるはずである。
【0067】
典型的には、キレート剤とB−2036成分との充分な接触の後、これらを含むバッファーは、それぞれ約1リットル〜約5,000リットル、約10リットル〜約500リットル、又は100リットル〜約300リットルの容量を有する。他の適切な代表的な容量は、160リットル〜約500リットルの任意の範囲であってよい。
【0068】
キレート剤とB−2036成分との接触中に、関心が持たれる可能性がある他のパラメータには、混合速度などの事項がある。混合速度は、形成される可能性がある泡沫の量を最少に抑えながら、(増殖培地中の、宿主細胞、その溶解物、バッファー、キレート剤、B−2036成分及び任意の他の成分の)均質な混合物を形成するのに充分なものでなければならない。当業者は、充分な混合速度を如何にすべきかを、容易に決定することができる。混合速度が、温度が前述の範囲に保たれ、B−2036タンパク質成分の任意の分解が最少になるようなものでなければならないことは明らかである。
【0069】
c.金属塩によるトリスルフィドアイソフォーム不純物の低下
理論によって縛られずに、選択した金属塩と、(1)トリスルフィドアイソフォーム不純物、(2)組換え成長ホルモンアンタゴニストB−2036、(3)(アンタゴニストの組換え生成用の)宿主細胞の細胞成分、及び(4)(1)〜(3)のすべての組合せとの接触によって、システイン−S−S−S−システイントリスルフィド架橋の、そのシステイン−S−S−システイン原形への転換、又は不純物のレベルの低下がもたらされると考えられる。さらに、これもまた理論によって縛られずに、金属塩の存在によって、トリスルフィド架橋自体のさらなる形成が妨げられる可能性がある。
【0070】
典型的には、金属塩を、宿主細胞の増殖の最中又は後(或いは最中及び後)に、目的とする組換えB−2036タンパク質成分を合成する宿主細胞に加える。さらに、増殖及び接触ステップを行った後に、B−2036タンパク質を精製することが好ましい。その後、精製したタンパク質を好ましくはPEG化して、PEGB−2036(ペグビソマント)を生成させる。PEG化手順に関しては、米国特許第5,849,535号を参照のこと。
【0071】
任意の金属塩を本発明に関して使用することができ、それは、B−2036タンパク質成分及びそのトリスルフィドアイソフォーム不純物と接触させる場合(好ましくは適切に混合させる場合)、好ましくはB−2036の生成物を分解(或いは実質的に分解)せずに、トリスルフィドアイソフォーム不純物のレベルを低下させるのに充分な金属塩である。本発明と共に使用するのに適した金属塩には、アルカリ土類金属塩、アルカリ土類金属塩、遷移金属塩及びこれらの組合せがあるが、これらだけには限られない。本発明と共に使用するのに適した好ましい金属塩には、リン酸カリウム、酢酸カリウム、リン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化亜鉛、及びこれらの組合せがあるが、これらだけには限られない。
【0072】
他の適切な金属塩は、以下の参照文献中に記されている:(1)The Merck Index、12th Edition、S.Budavari(Editor)、Merck & Co.、Inc.、「治療カテゴリー及び生物学的活性の索引(Therapeutic Category and Biological Activity Index)」、p.THER19(under“CHELATING AGENT”)、Whitehouse Station、NJ(1996)、及びその今日までのそれぞれ毎回の後版、(2)「Remingtonの薬剤科学(Remington’s Pharmaceutical Sciences)」、16th Ed.、Arthur Osol(Editor)、Mack Publishing Co.、Easton、Pennsylvania(1980)、及びその今日までのそれぞれ毎回の後版;(3)「米国薬局方(The United States Pharmacopeia)」、21th Revision(16th Edition)、「米国薬局方の慣習(The United States Pharmacopeial Convention)」、Inc.、Rockville、Maryland(1985)、及びそれらの今日までのそれぞれ毎回の後版;(4)SIGMA、「ライフサイエンス調査カタログの生化学物質及び試薬(Biochemicals and Reagents for Life Science Research Catalogue)」、St.Louis、Missouri(2002〜2003);及び(5)Aldrich、「ファインケミカル及び研究室用機器のハンドブック(Handbook of Fine Chemicals and Laboratory Equipment)」、Milwaukee、Wisconsin(2000〜2001)及びその(2002〜2003)版。
【0073】
本発明と共に使用するのに適した金属塩の中では、リン酸ナトリウム、ZnCl、及びこれらの組合せも好ましい。本発明と共に使用するのに適した金属塩の量は、形成されるトリスルフィドアイソフォーム不純物を、その最高濃度(又はその最高平均濃度、この場合、多数のバッチを平均する)の少なくとも約10%低下させるのに充分な量でなければならない。好ましくは、トリスルフィドアイソフォーム不純物の量の低下は、形成されるその最高濃度(又はその最高平均濃度)の、それぞれ少なくとも約20%、30%、40%、又は50%である。本発明と共に使用するのに適した金属塩(例えばリン酸ナトリウム)の初期濃度は、それぞれ少なくとも約0.1mM、約1mM〜約500mM、約1mM〜約200mM、約5mM〜約175mM、又は約10mM〜約150mM、又は約25mM〜約100mMであることが好ましい。
【0074】
金属塩はバッファー溶液として提供することが好ましい。しかしながら、リン酸ナトリウムは、バッファー及び適切な金属塩として作用することができる。しかしながら、さらに別の適切な金属塩を、リン酸ナトリウムバッファーに加えることができる。バッファーは、本発明と共に使用するのに適したバッファー、即ちB−2036タンパク質成分の形成を妨げないか、或いは一度それが形成された後に分解しないバッファーであることが好ましい。本発明に関して使用するのに適した適切なバッファーには、Tris、リン酸、HEPES、クエン酸、トリエチルアミン、及びヒスチジンがあるが、これらだけには限られない。好ましいバッファー初期濃度は、約1mM〜約200mM、より好ましくは約5mM〜約100mM、さらにより好ましくは約8mM〜約70mM、最も好ましくは約10mM〜約50mMである。他の適切なバッファーを使用することができる。これらのバッファーは、それぞれ約4〜約9、約4.5〜約7.5、或いは約5.5〜約7.5の範囲に、増殖培地の任意の場所のpHを維持するのに充分であることが好ましい。
【0075】
金属塩をバッファー溶液として提供した後(或いはNaPの場合、NaP溶液が金属塩及びバッファーとして作用する場合)、バッファー(又はバッファーとしても作用するNaP溶液)中の金属塩の量は、金属塩のモル数とB−2036タンパク質のモル数とのモル比が、約1〜約10,000であるような量でなければならない。或いは、金属塩のモル数とB−2036タンパク質のモル数とのモル比は、それぞれ約300〜約10,000、約500〜約5,000、又は約500〜約2500であってよい。
【0076】
典型的には、金属塩と(宿主細胞中或いは宿主細胞由来の)B−2036タンパク質成分との(トリスルフィドアイソフォーム不純物のレベルを低下させるのに)充分な接触が終了した後、バッファー中のB−2036タンパク質成分は、それぞれ約0.1mg/ml〜約20mg/ml、約0.5mg/ml〜約5mg/ml、又は約1mg/ml〜約5mg/mlの濃度を有する。
【0077】
さらに、増殖培地及びバッファー、金属塩、及びB−2036を含むがそれだけには限られないその他の成分の温度範囲は、B−2036タンパク質成分を含む宿主細胞又はその溶解物に金属塩を加えた後に、好ましくは約0℃〜約35℃の温度に保たなければならない。さらに、B−2036成分を含む宿主細胞及び/又はそれに由来する溶解物の温度は、それぞれ約1℃〜約15℃、約2℃〜約10℃、又は約2℃〜約15℃に保つことが好ましい。金属塩(例えばNaP)を用いた均質化によって、ホモジェネートの温度が上昇する可能性があることを記す。B−2036タンパク質の変性が約40+℃で起こることを記すことは重要である。このように、B−2036のタンパク質変性温度未満の温度に、ホモジェネート(即ち、宿主細胞、増殖培地、バッファー、金属塩、B−2036、及び場合によってはメルカプト化合物などを含む)の温度を保つことが望ましい。
【0078】
さらに、B−2036成分とキレート剤との接触時間は、トリスルフィドアイソフォーム不純物のレベルを低下させるのに充分な時間でなければならない。トリスルフィドアイソフォーム不純物のレベルを低下させるための代表的な適切な接触時間は、それぞれ少なくとも約30分、約1時間〜約48時間、又は約5時間〜約15時間であるはずである。
【0079】
典型的には、金属塩とB−2036成分との充分な接触の後、これらを含むバッファーは、それぞれ約1リットル〜約5,000リットル、約100リットル〜約2,000リットル、又は約200リットル〜約1,500リットルの容量を有する。
【0080】
金属塩とB−2036成分との接触中に、関心が持たれる可能性がある他のパラメータには、混合速度などの事項がある。混合速度は、形成される可能性がある泡沫の量を最少に抑えながら、(増殖培地中の、宿主細胞、その溶解物、バッファー、金属塩、B−2036成分及び任意の他の成分の)均質な混合物を形成するのに充分なものでなければならない。当業者は、充分な混合速度を如何にすべきかを、容易に決定することができる。混合速度が、温度が前述の範囲に保たれ、B−2036タンパク質成分の任意の分解が最少になるようなものでなければならないことは明らかである。
【0081】
2.組換え成長ホルモンアンタゴニスト、及びその脱pheアイソフォーム不純物
a.キレート剤による脱pheアイソフォーム不純物の低下
理論によって縛られずに、キレート剤を組換え成長ホルモンアンタゴニストB−2036に加えることにより、そのレベルを実際に低下させること、及び/又はさらなる脱phe形成を防止することによって、脱pheアイソフォーム不純物のレベルの低下がもたらされると考えられる。
【0082】
典型的には、キレート剤を、宿主細胞の増殖の最中又は後(或いは最中及び後)に、目的とする組換えB−2036タンパク質成分を合成する宿主細胞に加える。さらに、増殖及び接触ステップを行った後に、B−2036タンパク質を精製することが好ましい。その後、精製したタンパク質を好ましくはPEG化して、PEGB−2036(ペグビソマント)を生成させる。PEG化手順に関しては、米国特許第5,849,535号を参照のこと。
【0083】
任意のキレート剤を本発明に関して使用することができ、これは、B−2036タンパク質成分及びその脱pheアイソフォーム不純物と接触させる場合(好ましくは適切に混合させる場合)、好ましくはB−2036の生成物を分解(或いは実質的に分解)せずに、脱pheアイソフォーム不純物のレベルを低下させるのに充分なキレート剤である。本発明と共に使用するのに適した好ましいキレート剤には、EDTA、EGTA、及びDTPAがあるが、これらだけには限られない。他の代表的なキレート剤には、デフェロキサミン、ジチオカルブナトリウム、エデト酸カルシウム2ナトリウム、エデト酸2ナトリウム、エデト酸ナトリウム、エデト酸3ナトリウム、ペニシルアミン、ペンテテートトリナトリウムカルシウム、ペンテト酸、スクシマー、及びトリエンチンがあるが、これらだけには限られない。エデト酸ナトリウムは、EDTAの塩形であることを記す。
【0084】
本発明と共に使用するための他の適切なキレート剤は、以下の参照文献中に記されている:(1)The Merck Index、12th Edition、S.Budavari(Editor)、Merck & Co.、Inc.、「治療カテゴリー及び生物学的活性の索引(Therapeutic Category and Biological Activity Index)」、p.THER19(under“CHELATING AGENT”)、Whitehouse Station、NJ(1996)、及びその今日までのそれぞれ毎回の後版、(2)「Remingtonの薬剤科学(Remington’s Pharmaceutical Sciences)」、16th Ed.、Arthur Osol(Editor)、Mack Publishing Co.、Easton、Pennsylvania(1980)、及びその今日までのそれぞれ毎回の後版;(3)「米国薬局方(The United States Pharmacopeia)」、21th Revision(16th Edition)、「米国薬局方の慣習(The United States Pharmacopeial Convention)」、Inc.、Rockville、Maryland(1985)、及びそれらの今日までのそれぞれ毎回の後版;(4)SIGMA、「ライフサイエンス調査カタログの生化学物質及び試薬(Biochemicals and Reagents for Life Science Research Catalogue)」、St.Louis、Missouri(2002〜2003);及び(5)Aldrich、「ファインケミカル及び研究室用機器のハンドブック(Handbook of Fine Chemicals and Laboratory Equipment)」、Milwaukee、Wisconsin(2000〜2001)及びその(2002〜2003)版。
【0085】
適切なキレート剤の中では、EDTAが最も好ましい。本発明と共に使用するのに適したキレート剤の量は、形成される脱pheアイソフォーム不純物を、その最高平衡濃度(又はその最高平均平衡濃度、この場合、多数のバッチを平均する)の少なくとも約10%低下させるのに充分な量でなければならない。好ましくは、脱pheアイソフォーム不純物の量の低下は、形成されるその最高平衡濃度(又はその最高平均平衡濃度)の、それぞれ少なくとも約20%、30%、40%、又は50%である。本発明と共に使用するのに適したEDTAの最初の濃度は、それぞれ少なくとも約0.01mM、約0.01mM〜約100mM、約0.1mM〜約20mM、約2mM〜約10mM、又は約2mM〜約5mMであることが好ましい。
【0086】
キレート剤はバッファー溶液として提供することが好ましい。そのバッファーは、本発明と共に使用するのに適したバッファー、即ちB−2036タンパク質成分の形成を妨げない、或いは一度それが形成された後に分解しないバッファーであることが好ましい。本発明に関して使用するのに適した適切なバッファーには、Tris、リン酸、HEPES、クエン酸、トリエチルアミン、及びヒスチジンがあるが、これらだけには限られない。好ましいバッファーはTrisである。好ましいバッファー初期濃度は、約1mM〜約200mM、より好ましくは約5mM〜約100mM、さらにより好ましくは約8mM〜約70mM、最も好ましくは約10mM〜約50mMである。他の適切なバッファーを使用することができる。これらのバッファーは、それぞれ約6〜約9、約6.5〜約7.5、或いは約7.2〜約7.5の範囲に、増殖培地の任意の場所のpHを維持するのに充分であることが好ましい。
【0087】
前述のように、キレート剤はバッファー溶液として提供することが好ましい。さらに、バッファー中のキレート剤の量は、キレート剤のモル数とB−2036タンパク質のモル数とのモル比が、約1〜約1,000であるような量でなければならない。或いは、キレート剤のモル数とB−2036タンパク質のモル数とのモル比は、それぞれ約20〜約1,000、約50〜約250、約60〜約110であってよい。
【0088】
典型的には、キレート剤と(宿主細胞中或いは宿主細胞由来の)B−2036タンパク質成分との(脱pheアイソフォーム不純物のレベルを低下させるのに)充分な接触が終了した後、バッファー中のB−2036タンパク質成分は、それぞれ約0.1mg/ml〜約20mg/ml、約0.5mg/ml〜約5mg/ml、又は約1mg/ml〜約5mg/mlの濃度を有する。
【0089】
さらに、増殖培地及びバッファー、キレート剤、及びB−2036を含むがそれだけには限られないその他の成分の温度範囲は、B−2036タンパク質成分を含む宿主細胞又はその溶解物にキレート剤を加えた後に、好ましくは約0℃〜約35℃の温度に保たなければならない。さらに、B−2036成分を含む宿主細胞及び/又はそれに由来する溶解物の温度は、それぞれ約1℃〜約15℃、約2℃〜約10℃、又は約2℃〜約15℃に保つことが好ましい。好ましくは、約4℃の温度でキレート剤(例えばEDTA)を加えることによって、B−2036を含むホモジェネートの温度が、均質化により約30℃に上昇することを記す。B−2036タンパク質の変性が約40+℃で起こることを記すことは重要である。このように、B−2036のタンパク質変性温度未満の温度に、ホモジェネート(即ち、宿主細胞、増殖培地、バッファー、キレート剤及びB−2036などを含む)の温度を保つことが望ましい。
【0090】
さらに、B−2036成分とキレート剤との接触時間は、脱pheアイソフォーム不純物のレベルを低下させるのに充分な時間でなければならない。脱pheアイソフォーム不純物のレベルを低下させるための代表的な適切な接触時間は、それぞれ少なくとも約30分、約1時間〜約48時間、又は約5時間〜約15時間であるはずである。
【0091】
典型的には、キレート剤とB−2036成分との充分な接触の後、これらを含むバッファーは、それぞれ約1リットル〜約5,000リットル、約10リットル〜約500リットル、又は100リットル〜約300リットルの容量を有する。他の適切な代表的な容量は、160リットル〜約500リットルの任意の範囲であってよい。
【0092】
キレート剤とB−2036成分との接触中に、関心が持たれる可能性がある他のパラメータには、混合速度などの事項がある。混合速度は、形成される可能性がある泡沫の量を最少に抑えながら、(増殖培地中の、宿主細胞、その溶解物、バッファー、キレート剤、B−2036成分及び任意の他の成分の)均質な混合物を形成するのに充分なものでなければならない。当業者は、充分な混合速度を如何にすべきかを、容易に決定することができる。混合速度が、温度が前述の範囲に保たれ、B−2036タンパク質成分の任意の分解が最少になるようなものでなければならないことは明らかである。
【0093】
b.金属塩による脱pheアイソフォーム不純物の低下
理論によって縛られずに、金属塩を組換え成長ホルモンアンタゴニストB−2036に加えることにより、そのレベルを実際に低下させること、及び/又はさらなる脱phe形成を防止することによって、脱pheアイソフォーム不純物のレベルの低下がもたらされると考えられる。
【0094】
典型的には、金属塩を、宿主細胞の増殖の最中又は後(或いは最中及び後)に、目的とする組換えB−2036タンパク質成分を合成する宿主細胞に加える。さらに、増殖及び接触ステップを行った後に、B−2036タンパク質を精製することが好ましい。その後、精製したタンパク質を好ましくはPEG化して、PEGB−2036(ペグビソマント)を生成させる。PEG化手順に関しては、米国特許第5,849,535号を参照のこと。
【0095】
任意の金属塩を本発明に関して使用することができ、それは、B−2036タンパク質成分及びその脱pheアイソフォーム不純物と接触させる場合(好ましくは適切に混合させる場合)、好ましくはB−2036の生成物を分解(或いは実質的に分解)せずに、脱pheアイソフォーム不純物のレベルを低下させるのに充分な金属塩である。本発明と共に使用するのに適した金属塩には、アルカリ土類金属塩、アルカリ土類金属塩、遷移金属塩及びこれらの組合せがあるが、これらだけには限られない。本発明と共に使用するのに適した好ましい金属塩には、リン酸カリウム、酢酸カリウム、リン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化亜鉛、及びこれらの組合せがあるが、これらだけには限られない。
【0096】
本発明と共に使用するのに適した、他の適切な金属塩は、以下の参照文献中に記されている:(1)The Merck Index、12th Edition、S.Budavari(Editor)、Merck & Co.、Inc.、「治療カテゴリー及び生物学的活性の索引(Therapeutic Category and Biological Activity Index)」、p.THER19(under“CHELATING AGENT”)、Whitehouse Station、NJ(1996)、及びその今日までのそれぞれ毎回の後版、(2)「Remingtonの薬剤科学(Remington’s Pharmaceutical Sciences)」、16th Ed.、Arthur Osol(Editor)、Mack Publishing Co.、Easton、Pennsylvania(1980)、及びその今日までのそれぞれ毎回の後版;(3)「米国薬局方(The United States Pharmacopeia)」、21th Revision(16th Edition)、「米国薬局方の慣習(The United States Pharmacopeial Convention)」、Inc.、Rockville、Maryland(1985)、及びそれらの今日までのそれぞれ毎回の後版;(4)SIGMA、「ライフサイエンス調査カタログの生化学物質及び試薬(Biochemicals and Reagents for Life Science Research Catalogue)」、St.Louis、Missouri(2002〜2003);及び(5)Aldrich、「ファインケミカル及び研究室用機器のハンドブック(Handbook of Fine Chemicals and Laboratory Equipment)」、Milwaukee、Wisconsin(2000〜2001)及びその(2002〜2003)版。
【0097】
本発明と共に使用するのに適した金属塩の中では、リン酸ナトリウム、ZnCl、及びこれらの組合せも好ましい。本発明と共に使用するのに適した金属塩の量は、形成される脱pheアイソフォーム不純物を、その最高濃度(又はその最高平均濃度、この場合、多数のバッチを平均する)の少なくとも約10%低下させるのに充分な量でなければならない。好ましくは、脱pheアイソフォーム不純物の量の低下は、形成されるその最高濃度(又はその最高平均濃度)の、それぞれ少なくとも約20%、30%、40%、又は50%である。本発明と共に使用するのに適した金属塩(例えばリン酸ナトリウム)の最初の濃度は、それぞれ少なくとも約0.1mM、約1mM〜約500mM、約1mM〜約200mM、約5mM〜約175mM、又は約10mM〜約150mM、又は約25mM〜約100mMであることが好ましい。
【0098】
金属塩はバッファー溶液として提供することが好ましい。しかしながら、リン酸ナトリウムは、バッファー及び適切な金属塩として作用することができる。しかしながら、追加の適切な金属塩を、リン酸ナトリウムバッファーに加えることができる。バッファーは、本発明と共に使用するのに適したバッファー、即ちB−2036タンパク質成分の形成を害さないバッファーであることが好ましい。本発明に関して使用するのに適した適切なバッファーには、Tris、リン酸、HEPES、クエン酸、トリエチルアミン、及びヒスチジンがあるが、これらだけには限られない。好ましい最初のバッファー濃度は、約1mM〜約200mM、より好ましくは約5mM〜約100mM、さらにより好ましくは約8mM〜約70mM、最も好ましくは約10mM〜約50mMである。他の適切なバッファーを使用することができる。これらのバッファーは、それぞれ約4〜約9、約4.5〜約7.5、或いは約5.5〜約7.5の範囲に、増殖培地の任意の場所のpHを維持するのに充分であることが好ましい。
【0099】
金属塩をバッファー溶液として提供した後(或いはNaPの場合、NaP溶液が金属塩及びバッファーの両者として作用する)、バッファー(又はバッファーとしても作用するNaP溶液)中の金属塩の量は、金属塩のモル数とB−2036タンパク質のモル数とのモル比が、約1〜約10,000であるような量でなければならない。或いは、金属塩のモル数とB−2036タンパク質のモル数とのモル比は、それぞれ約300〜約10,000、約500〜約5,000、又は約500〜約2500であってよい。
【0100】
典型的には、金属塩と(宿主細胞中或いは宿主細胞由来の)B−2036タンパク質成分との(トリスルフィドアイソフォーム不純物のレベルを低下させるのに)充分な接触が終了した後、バッファー中のB−2036タンパク質成分は、それぞれ約0.1mg/ml〜約20mg/ml、約0.5mg/ml〜約5mg/ml、又は約1mg/ml〜約5mg/mlの濃度を有する。
【0101】
さらに、増殖培地及びバッファー、金属塩、及びB−2036を含むがそれだけには限られないその他の成分の温度範囲は、B−2036タンパク質成分を含む宿主細胞又はその溶解物に金属塩を加えた後に、好ましくは約0℃〜約35℃の温度に保たなければならない。さらに、B−2036成分を含む宿主細胞及び/又はそれに由来する溶解物の温度は、それぞれ約1℃〜約15℃、約2℃〜約10℃、又は約2℃〜約15℃に保つことが好ましい。金属塩(例えばNaP)を用いた均質化によって、ホモジェネートの温度が上昇する可能性があることを記す。B−2036タンパク質の変性が約40+℃で起こることを記すことは重要である。このように、B−2036のタンパク質変性温度未満の温度に、ホモジェネート(即ち、宿主細胞、増殖培地、バッファー、金属塩、B−2036、及び場合によってはメルカプト化合物などを含む)の温度を保つことが望ましい。
【0102】
さらに、B−2036成分と金属塩との接触時間は、脱pheアイソフォーム不純物のレベルを低下させるのに充分な時間でなければならない。脱pheアイソフォーム不純物のレベルを低下させるための代表的な適切な接触時間は、それぞれ少なくとも約30分、約1時間〜約48時間、又は約5時間〜約15時間であるはずである。
【0103】
典型的には、金属塩とB−2036成分との充分な接触の後、これらを含むバッファーは、それぞれ約1リットル〜約5,000リットル、約100リットル〜約2,000リットル、又は200リットル〜約1,500リットルの容量を有する。
【0104】
金属塩とB−2036成分との接触中に、関心が持たれる可能性がある他のパラメータには、混合速度などの事項がある。混合速度は、形成される可能性がある泡沫の量を最少に抑えながら、(増殖培地中の、宿主細胞、その溶解物、バッファー、金属塩、B−2036成分及び任意の他の成分の)均質な混合物を形成するのに充分なものでなければならない。当業者は、充分な混合速度を如何にすべきかを、容易に決定することができる。混合速度が、温度が前述の範囲に保たれ、B−2036タンパク質成分の任意の分解が最少になるようなものでなければならないことは明らかである。
【0105】
3.組換え成長ホルモン、及びその脱pheアイソフォーム不純物
a.キレート剤による脱pheアイソフォーム不純物の低下
理論によって縛られずに、キレート剤を組換え成長ホルモンに加えることにより、そのレベルを実際に低下させ、及び/又はさらなる脱phe形成を防止することによって、脱pheアイソフォーム不純物のレベルの低下がもたらされると考えられる。
【0106】
典型的には、キレート剤を、宿主細胞の増殖の最中又は後(或いは最中及び後)に、目的とする組換え成長ホルモンタンパク質を合成する宿主細胞に加える。さらに、増殖及び接触ステップを行った後に、成長ホルモンタンパク質を精製することが好ましい。
【0107】
任意のキレート剤を本発明に関して使用することができ、キレート剤は、成長ホルモンタンパク質及びその脱pheアイソフォーム不純物と接触させる場合(好ましくは適切に混合させる場合)、好ましくは成長ホルモンの生成物を分解(或いは実質的に分解)せずに、脱pheアイソフォーム不純物のレベルを低下させるのに充分なキレート剤である。本発明と共に使用するのに適した好ましいキレート剤には、EDTA、EGTA、及びDTPAがあるが、これらだけには限られない。他の代表的なキレート剤には、デフェロキサミン、ジチオカルブナトリウム、エデト酸カルシウム2ナトリウム、エデト酸2ナトリウム、エデト酸ナトリウム、エデト酸3ナトリウム、ペニシルアミン、ペンテテートトリナトリウムカルシウム、ペンテト酸、スクシマー、及びトリエンチンがあるが、これらだけには限られない。エデト酸ナトリウムは、EDTAの塩形であることを記す。
【0108】
本発明と共に使用するための他の適切なキレート剤は、以下の参照文献中に記されている:(1)The Merck Index、12th Edition、S.Budavari(Editor)、Merck & Co.、Inc.、「治療カテゴリー及び生物学的活性の索引(Therapeutic Category and Biological Activity Index)」、p.THER19(under“CHELATING AGENT”)、Whitehouse Station、NJ(1996)、及びその今日までのそれぞれ毎回の後版、(2)「Remingtonの薬剤科学(Remington’s Pharmaceutical Sciences)」、16th Ed.、Arthur Osol(Editor)、Mack Publishing Co.、Easton、Pennsylvania(1980)、及びその今日までのそれぞれ毎回の後版;(3)「米国薬局方(The United States Pharmacopeia)」、21th Revision(16th Edition)、「米国薬局方の慣習(The United States Pharmacopeial Convention)」、Inc.、Rockville、Maryland(1985)、及びそれらの今日までのそれぞれ毎回の後版;(4)SIGMA、「ライフサイエンス調査カタログの生化学物質及び試薬(Biochemicals and Reagents for Life Science Research Catalogue)」、St.Louis、Missouri(2002〜2003);及び(5)Aldrich、「ファインケミカル及び研究室用機器のハンドブック(Handbook of Fine Chemicals and Laboratory Equipment)」、Milwaukee、Wisconsin(2000〜2001)及びその(2002〜2003)版。
【0109】
適切なキレート剤の中では、EDTAが最も好ましい。本発明と共に使用するのに適したキレート剤の量は、形成される脱pheアイソフォーム不純物を、その最高平衡濃度(又はその最高平均平衡濃度、この場合、多数のバッチを平均する)の少なくとも約10%低下させるのに充分な量でなければならない。好ましくは、脱pheアイソフォーム不純物の量の低下は、形成されるその最高平衡濃度(又はその最高平均平衡濃度)の、それぞれ少なくとも約20%、30%、40%、又は50%である。本発明と共に使用するのに適したEDTAの最初の濃度は、それぞれ少なくとも約0.01mM、約0.01mM〜約100mM、約0.1mM〜約20mM、約2mM〜約10mM、又は約2mM〜約5mMであることが好ましい。
【0110】
キレート剤はバッファー溶液として提供することが好ましい。そのバッファーは、本発明と共に使用するのに適したバッファー、即ちB−2036タンパク質成分の形成を妨げない、或いは一度それが形成された後に分解しない、バッファーであることが好ましい。本発明に関して使用するのに適した適切なバッファーには、Tris、リン酸、HEPES、クエン酸、トリエチルアミン、及びヒスチジンがあるが、これらだけには限られない。好ましいバッファーはTrisである。好ましい最初のバッファー濃度は、約1mM〜約200mM、より好ましくは約5mM〜約100mM、さらにより好ましくは約8mM〜約70mM、最も好ましくは約10mM〜約50mMである。他の適切なバッファーを使用することができる。これらのバッファーは、それぞれ約6〜約9、約6.5〜約7.5、或いは約7.2〜約7.5の範囲に、増殖培地の任意の場所のpHを維持するのに充分であることが好ましい。
【0111】
前述のように、キレート剤はバッファー溶液として提供することが好ましい。さらに、バッファー中のキレート剤の量は、キレート剤のモル数と成長ホルモンタンパク質(例えばhGH)のモル数とのモル比が、約1〜約1,000であるような量でなければならない。或いは、キレート剤のモル数と成長ホルモンタンパク質(例えばhGH)のモル数とのモル比は、それぞれ約20〜約1,000、約50〜約250、約60〜約110であってよい。
【0112】
典型的には、キレート剤と(宿主細胞中或いは宿主細胞由来の)成長ホルモンタンパク質(例えばhGH)の間の、(脱pheアイソフォーム不純物のレベルを低下させるための)充分な接触が終了した後、バッファー中の成長ホルモンタンパク質(例えばhGH)は、それぞれ約0.1mg/ml〜約20mg/ml、約0.5mg/ml〜約5mg/ml、又は約1mg/ml〜約5mg/mlの濃度を有する。
【0113】
さらに、増殖培地及びバッファー、キレート剤、及び成長ホルモンタンパク質を含むがそれだけには限られないその他の成分の温度範囲は、成長ホルモンタンパク質を含む宿主細胞又はその溶解物にキレート剤を加えた後に、好ましくは約0℃〜約35℃の温度に保たなければならない。さらに、成長ホルモンタンパク質を含む宿主細胞及び/又はそれに由来する溶解物の温度は、それぞれ約1℃〜約15℃、約2℃〜約10℃、又は約2℃〜約15℃に保つことが好ましい。好ましくは、約4℃の温度でキレート剤(例えばEDTA)を加えることによって、成長ホルモンタンパク質を含むホモジェネートの温度が、均質化により約30℃に上昇することを記す。成長ホルモンタンパク質の変性が約40+℃で起こることを記すことは重要である。このように、成長ホルモンタンパク質のタンパク質変性温度未満の温度に、ホモジェネート(即ち、宿主細胞、増殖培地、バッファー、キレート剤及び成長ホルモンタンパク質などを含む)の温度を保つことが望ましい。
【0114】
さらに、成長ホルモンタンパク質とキレート剤との接触時間は、脱pheアイソフォーム不純物のレベルを低下させるのに充分な時間でなければならない。脱pheアイソフォーム不純物のレベルを低下させるための代表的な適切な接触時間は、それぞれ少なくとも約30分、約1時間〜約48時間、又は約5時間〜約15時間であるはずである。
【0115】
典型的には、キレート剤と成長ホルモンタンパク質との充分な接触の後、これらを含むバッファーは、それぞれ約1リットル〜約5,000リットル、約10リットル〜約500リットル、又は約100リットル〜約300リットルの容量を有する。他の適切な代表的な容量は、160リットル〜約500リットルの任意の範囲であってよい。
【0116】
キレート剤と成長ホルモンタンパク質との接触中に、関心が持たれる可能性がある他のパラメータには、混合速度などの事項がある。混合速度は、形成される可能性がある泡沫の量を最少に抑えながら、(増殖培地中の、宿主細胞、その溶解物、バッファー、キレート剤、成長ホルモンタンパク質及び任意の他の成分の)均質な混合物を形成するのに充分なものでなければならない。当業者は、充分な混合速度を如何にすべきかを、容易に決定することができる。混合速度が、温度が前述の範囲に保たれ、成長ホルモンタンパク質成分の任意の分解が最少になるようなものでなければならないことは明らかである。
【0117】
b.金属塩による脱pheアイソフォーム不純物の低下
理論によって縛られずに、金属塩を組換え成長ホルモンに加えることにより、そのレベルを実際に低下させること、及び/又はさらなる脱phe形成を防止することによって、脱pheアイソフォーム不純物のレベルの低下がもたらされると考えられる。
【0118】
典型的には、金属塩を、宿主細胞の増殖の最中又は後(或いは最中及び後)に、目的とする組換え成長ホルモンタンパク質成分を合成する宿主細胞に加える。さらに、増殖及び接触ステップを行った後に、成長ホルモンタンパク質を精製することが好ましい。
【0119】
任意の金属塩を本発明に関して使用することができ、これは、成長ホルモンタンパク質成分及びその脱pheアイソフォーム不純物と接触させる場合(好ましくは適切に混合させる場合)、好ましくは成長ホルモンの生成物を分解(或いは実質的に分解)せずに、脱pheアイソフォーム不純物のレベルを低下させるのに充分な金属塩である。本発明と共に使用するのに適した金属塩には、アルカリ土類金属塩、アルカリ土類金属塩、遷移金属塩及びこれらの組合せがあるが、これらだけには限られない。本発明と共に使用するのに適した好ましい金属塩には、リン酸カリウム、酢酸カリウム、リン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化亜鉛、及びこれらの組合せがあるが、これらだけには限られない。
【0120】
本発明と共に使用するための他の適切な金属塩は、以下の参照文献中に記されている:(1)The Merck Index、12th Edition、S.Budavari(Editor)、Merck & Co.、Inc.、「治療カテゴリー及び生物学的活性の索引(Therapeutic Category and Biological Activity Index)」、p.THER19(under“CHELATING AGENT”)、Whitehouse Station、NJ(1996)、及びその今日までのそれぞれ毎回の後版、(2)「Remingtonの薬剤科学(Remington’s Pharmaceutical Sciences)」、16th Ed.、Arthur Osol(Editor)、Mack Publishing Co.、Easton、Pennsylvania(1980)、及びその今日までのそれぞれ毎回の後版;(3)「米国薬局方(The United States Pharmacopeia)」、21th Revision(16th Edition)、「米国薬局方の慣習(The United States Pharmacopeial Convention)」、Inc.、Rockville、Maryland(1985)、及びそれらの今日までのそれぞれ毎回の後版;(4)SIGMA、「ライフサイエンス調査カタログの生化学物質及び試薬(Biochemicals and Reagents for Life Science Research Catalogue)」、St.Louis、Missouri(2002〜2003);及び(5)Aldrich、「ファインケミカル及び研究室用機器のハンドブック(Handbook of Fine Chemicals and Laboratory Equipment)」、Milwaukee、Wisconsin(2000〜2001)及びその(2002〜2003)版。
【0121】
本発明と共に使用するのに適した金属塩の中では、リン酸ナトリウム、ZnCl、及びこれらの組合せも好ましい。本発明と共に使用するのに適した金属塩の量は、形成される脱pheアイソフォーム不純物を、その最高濃度(又はその最高平均濃度、この場合、多数のバッチを平均する)の少なくとも約10%低下させるのに充分な量でなければならない。好ましくは、脱pheアイソフォーム不純物の量の低下は、形成されるその最高濃度(又はその最高平均濃度)の、それぞれ少なくとも約20%、30%、40%、又は50%である。本発明と共に使用するのに適した金属塩(例えばリン酸ナトリウム)の最初の濃度は、それぞれ少なくとも約0.1mM、約1mM〜約500mM、約1mM〜約200mM、約5mM〜約175mM、又は約10mM〜約150mM、又は約25mM〜約100mMであることが好ましい。
【0122】
金属塩はバッファー溶液として提供することが好ましい。しかしながら、リン酸ナトリウムは、バッファー及び適切な金属塩として作用することができる。しかしながら、追加の適切な金属塩を、リン酸ナトリウムバッファーに加えることができる。バッファーは、本発明と共に使用するのに適したバッファー、即ちB−2036タンパク質成分の形成を害さない、或いは一度それが形成された後に分解しない、バッファーであることが好ましい。本発明に関して使用するのに適した適切なバッファーには、Tris、リン酸、HEPES、クエン酸、トリエチルアミン、及びヒスチジンがあるが、これらだけには限られない。好ましい最初のバッファー濃度は、約1mM〜約200mM、より好ましくは約5mM〜約100mM、さらにより好ましくは約8mM〜約70mM、最も好ましくは約10mM〜約50mMである。他の適切なバッファーを使用することができる。これらのバッファーは、それぞれ約4〜約9、約4.5〜約7.5、或いは約5.5〜約7.5の範囲に、増殖培地の任意の場所のpHを維持するのに充分であることが好ましい。
【0123】
金属塩をバッファー溶液として提供した後(或いはNaPの場合、NaP溶液が金属塩及びバッファーとして作用する場合)、バッファー(又はバッファーとしても作用するNaP溶液)中の金属塩の量は、金属塩のモル数と成長ホルモンタンパク質(例えばhGH)のモル数とのモル比が、約1〜約10,000であるような量でなければならない。或いは、金属塩のモル数と成長ホルモンタンパク質(例えばhGH)のモル数とのモル比は、それぞれ約300〜約10,000、約500〜約5,000、又は約500〜約2500であってよい。
【0124】
典型的には、金属塩と(宿主細胞中或いは宿主細胞由来の)成長ホルモンタンパク質(例えばhGH)の間の、(脱pheアイソフォーム不純物のレベルを低下させるための)充分な接触が終了した後、バッファー中の成長ホルモンタンパク質は、それぞれ約0.1mg/ml〜約20mg/ml、約0.5mg/ml〜約5mg/ml、又は約1mg/ml〜約5mg/mlの濃度を有する。
【0125】
さらに、増殖培地及びバッファー、金属塩、及び成長ホルモンタンパク質を含むがそれだけには限られないその他の成分の温度範囲は、成長ホルモンタンパク質を含む宿主細胞又はその溶解物に金属塩を加えた後に、好ましくは約0℃〜約35℃の温度に保たなければならない。さらに、成長ホルモンタンパク質を含む宿主細胞及び/又はそれに由来する溶解物の温度は、それぞれ約1℃〜約15℃、約2℃〜約10℃、又は約2℃〜約15℃に保つことが好ましい。金属塩(例えばNaP)を用いた均質化によって、ホモジェネートの温度が上昇する可能性があることを記す。成長ホルモンタンパク質の変性が約40+℃で起こることを記すことは重要である。このように、成長ホルモンタンパク質のタンパク質変性温度未満の温度に、ホモジェネート(即ち、宿主細胞、増殖培地、バッファー、金属塩、成長ホルモンタンパク質、及び場合によってはメルカプト化合物などを含む)の温度を保つことが望ましい。
【0126】
さらに、成長ホルモンタンパク質と金属塩との接触時間は、脱pheアイソフォーム不純物のレベルを低下させるのに充分な時間でなければならない。脱pheアイソフォーム不純物のレベルを低下させるための代表的な適切な接触時間は、それぞれ少なくとも約30分、約1時間〜約48時間、又は約5時間〜約15時間であるはずである。
【0127】
典型的には、金属塩と成長ホルモンタンパク質との充分な接触の後、これらを含むバッファーは、それぞれ約1リットル〜約5,000リットル、約100リットル〜約2,000リットル、又は200リットル〜約1,500リットルの容量を有する。
【0128】
金属塩と成長ホルモンタンパク質との接触中に、関心が持たれる可能性がある他のパラメータには、混合速度などの事項がある。混合速度は、形成される可能性がある泡沫の量を最少に抑えながら、(増殖培地中の、宿主細胞、その溶解物、バッファー、金属塩、成長ホルモンタンパク質及び任意の他の成分の)均質な混合物を形成するのに充分なものでなければならない。当業者は、充分な混合速度を如何にすべきかを、容易に決定することができる。混合速度が、温度が前述の範囲に保たれ、成長ホルモンタンパク質成分の任意の分解が最少になるようなものでなければならないことは明らかである。
【0129】
4.PEG化ポリペプチド、及びその凝集体
a.陰イオン交換クロマトグラフィーによる凝集体の低下
B−2036PEGの製造及び精製において、大量の中間体又はB−2036分子は前述のように調製する。その後、B−2036分子を以下の6ステップに従い処理して、当該のB−2036PEGタンパク質である最終APIを生成させる。これらの6ステップは以下の通りである:
1.PEG化B−2036を生成するためのPEG化、
2.HIC回収物を生成するための、HICクロマトグラフィー(場合により行われるステップ)
3.ダイアフィルトレーション回収物を生成するための、限外濾過/ダイアフィルトレーション(場合により行われるステップ)
4.AEX回収物を生成するための、AEXクロマトグラフィー及び回収
5.ダイアフィルトレーション回収物を生成するための、AEX回収物のダイアフィルトレーション、及び
6.最終APIを生成するための、API濾過(滅菌目的、好ましくは、0.22μのフィルターを介して凍結用の回収ボトルに)。
前述のステップ1〜6は例示的なものであり、フローチャート1及び実施例1に示す。
【0130】
ステップ1を参照すると、このPEG化ステップは、当該のPEG化タンパク質アイソフォームをもたらす、特許請求する本発明の最初のステップを行う。その後、両方共に任意選択であるとみなされる、HICステップ2及び後のダイアフィルトレーションステップ3を行って、ステップ2中に除去することができる任意の非PEG化タンパク質、遊離PEG分子、又は任意の他の不純物を除去することが好ましい。ステップ3の後、次いで、ステップ3のダイアフィルトレーション回収物をステップ4の陰イオン交換クロマトグラフィーに供して、PEG−1、PEG−2、PEG−3、PEG−4、PEG−5、PEG−6、PEG−7、PEG−8及びPEG−9アイソフォームを分離し、次いでこれらを回収して、好ましくは、ステップ5においてダイアフィルトレーションのさらなる処理、それに続く最終API生成物を生成するためのステップ6の滅菌濾過のために、最終生成物中のPEG−4、PEG−5及びPEG−6アイソフォームのレベルを濃化して最終生成物にする。
【0131】
ここでPEG化ステップ1に戻り参照すると、B−2036分子自体をPEG化してPEG−1、PEG−2、PEG−3、PEG−4、PEG−5、PEG−6、PEG−7、PEG−8及びPEG−9アイソフォームを含めたB−2036PEGにするのに充分な条件にB−2036分子を供する。好ましいPEG化のパラメータを、フローチャート1及び実施例1に示す。PEG分子が好ましくは共有結合によって結合することができるB−2036分子及び任意の他の分子は、PEG−N−ヒドロキシスクシンイミド−5K、PEG−スクシンイミジルカルボネート−5K、PEG−スクシンイミジルプロピオネート−5K、PEG2−マレミド−40K(2×20K)、PEG2−N−ヒドロキシスクシイミド−40K(2×20K)、及びPEG2−アルデヒド−40K(2×20K)からなる群から選択されるPEG分子である。PEG化用にB−2036分子(又はPEG化が必要とされる任意の他の当該のタンパク質)に加えられるPEG分子の量は、遊離(非結合)PEG分子の量と、非PEG化タンパク質分子の量との化学量論的重量比が約0.5〜約100、好ましくは約1.5〜約2.5、より好ましくは約1.9〜約2、最も好ましくは約1.95〜約2.05であるような量でなければならない。PEG化の際に、B−2036分子(又はPEG化される任意の他の当該のタンパク質)は、約3〜約10、好ましくは約7.2〜約7.8、より好ましくは約7.4〜約7.8、最も好ましくは約7.40〜約7.80のPEG化pHでPEG化される。PEG化ステップを行う温度を、PEG化温度と呼ぶ。PEG化温度は約0℃〜約40℃、好ましくは約10℃〜約30℃、及びより好ましくは約18℃〜約25℃である。
【0132】
ここで場合により行われるHICステップ2を参照すると、このステップを行うための好ましいパラメータを、実施例1及びフローチャート1に示す。場合により行われるHICクロマトグラフィーステップ2中に、PEG化タンパク質及び任意の非PEG化タンパク質を、HIC樹脂の充填層容量1リットル当たりタンパク質約10g以下のHIC充填、好ましくはHIC樹脂の充填層容量1リットル当たりタンパク質約5g以下のHIC充填、或いはHIC樹脂の充填層容量1リットル当たりタンパク質約4.1g以下でHIC樹脂に充填する。さらに、HIC充填伝導度は約30〜約60mS/cm、好ましくは約40〜約52mS/cm、或いはより好ましくは約45〜約51mS/cmである。さらに、HICステップは、約10〜約40℃、好ましくは約15〜約30℃、最も好ましくは約18〜約25℃のHIC温度で行う。場合により行われるHICステップ2は、HIC充填に存在する、少なくとも幾らかの遊離PEG、非PEG化タンパク質及び凝集体をそれぞれ除去する。
【0133】
HICステップ2の後に、HIC回収物を得る。次いでこのHIC回収物を、限外濾過/ダイアフィルトレーションステップ3に供し、このステップは、HICステップ2が行われる場合には限外濾過/ダイアフィルトレーションステップも行われるという意味で場合により行われるものである。しかしながら、HICステップ2が行われない場合、限外濾過/ダイアフィルトレーションステップ3を行う必要はない。或いは、限外濾過/ダイアフィルトレーションステップ3を、場合により行われるHICステップ2の不在下で行うこともできる。限外濾過/ダイアフィルトレーションステップ3を行う好ましい条件は、実施例1及びフローチャート1に示す。本明細書において、このステップをUF/DF#3と呼ぶ。このUF/DF#3ステップは、約3kDa〜約20kDa、好ましくは約8kDa〜約15kDa、より好ましくは約10kDa〜約12kDa、最も好ましくは約10kDaの分画分子量(MWCO)を有するUF/DF#3膜で行う。
【0134】
ステップ3の後、この時点で得られる生成物を、ダイアフィルトレーション回収物と呼ぶ。次いでこのダイアフィルトレーション回収物を、陰イオン交換クロマトグラフィーであるステップ4及び回収ステップに供す。このAEXクロマトグラフィー及び回収ステップを行うための好ましい条件は、実施例1及びフローチャート1に示す。前のステップ(即ちステップ3)のダイアフィルトレーション回収物、又はPEG化タンパク質(例えば、ステップ1のB−2036PEG、ステップ2及び3が行われない場合)をステップ4に供す。実際には、ステップ2のHIC処理を行わずに、B−2036PEG又はステップ1のB−2036PEGを含むステップ3のダイアフィルトレーション回収物を、陰イオン交換樹脂に、任意の遊離PEG、任意のPEG化タンパク質、非PEG化タンパク質、部分的にPEG化したタンパク質、及び任意の不純物(トリスルフィド不純物又は脱phe不純物など)、及びその任意の凝集体と共に充填する。
【0135】
使用する樹脂は、陰イオン交換(AEX)樹脂であることが好ましい。好ましいAEX樹脂には、ANX4、DEAF、Q−セファロース、Q−セファロースFF、QセファロースHP、及びQ−セファロースXLがあるが、これらだけには限られない。好ましいAEX樹脂は、Q−セファロースFFである。
【0136】
AEX樹脂は、第一級アミン、第二級アミン、第三級アミン、第四級アミン、及びこれらの組合せからなる群から選択される官能基を含むことが好ましい。さらにAEX樹脂は、ジエチルアミノエチル、ジエチルアミノプロピル、ジメチルエタノールアミン、トリメチル−アンモニウム−エチル、トリメチルベンジルアンモニウム、ジメチルエタノールベンジル、及びポリアミン官能基からなる群から選択される官能基を含む。さらにAEX樹脂は、親水性ポリエーテル、架橋ジビニルベンゼンポリスチレン、架橋アガロース、ポリプロピレン、親水性アクリルアミドビニル、メタクリル、重合ヒドロゲル及びセラミックビーズ基材、複合シリカ−デキストラン物質、ポリマー重合シリカ、ジビニルベンゼンスチレン、ジビニルベンゼンポリアクリル、架橋セルロース、コポリマーメタクリレート、ポリスチレン、アクリル、G5000親水性ゲル、及びセルロースからなる群から選択される支持体物質を含むことが好ましい。さらに、マクロ孔樹脂又はゲル樹脂を含む、AEX樹脂を使用することが好ましい。典型的には、支持体物質は、約10〜約500μm、及び好ましくは約30μmの径を有する。
【0137】
AEX充填は、約10mS/cm以下、好ましくは約5mS/cm以下、最も好ましくは約2.4mS/cm以下のAEX充填伝導度で行う。AEX樹脂は、約5〜約10、好ましくは約6.6〜約9、より好ましくは約6.9〜約7.1のAEX充填pHで充填する。
【0138】
トリスルフィド不純物又は脱phe不純物などの任意の不純物、又はその凝集体を含むPEG化タンパク質の充填は、AEX充填がAEX樹脂の充填層容量1L当たりタンパク質10g以下、好ましくはAEX樹脂の充填層容量1L当たりタンパク質5.5g以下、より好ましくはAEX樹脂の充填層容量1L当たりタンパク質約4.1g以下であるような充填である。
【0139】
一実施形態によれば、AEX樹脂に充填されるPEG化タンパク質、又はPEG化タンパク質を与える最初のステップで得られるPEG化タンパク質は、1つ又は複数のPEG化タンパク質アイソフォーム、PEG−1、PEG−2、PEG−3、PEG−4、PEG−5、PEG−6、PEG−7、PEG−8、PEG−9、並びに任意の凝集体、そのトリスルフィド不純物及び脱phe不純物、及びPEG化タンパク質の任意の非PEG化不純物、及び任意の遊離PEG分子を含む。
【0140】
他の実施形態によれば、AEX樹脂に充填されるPEG化タンパク質、又はPEG化タンパク質を与える最初のステップで得られるPEG化タンパク質は、1つ又は複数のPEG化タンパク質アイソフォーム、PEG−2、PEG−3、PEG−4、PEG−5、PEG−6、PEG−7、PEG−8、並びに任意の凝集体、そのトリスルフィド不純物及び脱phe不純物、及びPEG化タンパク質の任意の非PEG化不純物、及び任意の遊離PEG分子を含む。
【0141】
他の実施形態によれば、AEX樹脂に充填されるPEG化タンパク質、又はPEG化タンパク質を与える最初のステップで得られるPEG化タンパク質は、1つ又は複数のPEG化タンパク質アイソフォーム、PEG−2、PEG−3、PEG−4、PEG−5、PEG−6、PEG−7、PEG−8、並びに任意の凝集体、そのトリスルフィド不純物及び脱phe不純物、及びPEG化タンパク質の任意の非PEG化不純物、及び任意の遊離PEG分子を含む。
【0142】
他の実施形態によれば、AEX樹脂に充填されるPEG化タンパク質、又はPEG化タンパク質を与える最初のステップで得られるPEG化タンパク質は、1つ又は複数のPEG化タンパク質アイソフォーム、PEG−3、PEG−4、PEG−5、PEG−6、PEG−7、PEG−8、並びに任意の凝集体、そのトリスルフィド不純物及び脱phe不純物、及びPEG化タンパク質の任意の非PEG化不純物、及び任意の遊離PEG分子を含む。
【0143】
他の実施形態によれば、AEX樹脂に充填されるPEG化タンパク質、又はPEG化タンパク質を与える最初のステップで得られるPEG化タンパク質は、1つ又は複数のPEG化タンパク質アイソフォーム、PEG−4、PEG−5、PEG−6、PEG−7、PEG−8、並びに任意の凝集体、そのトリスルフィド不純物及び脱phe不純物、及びPEG化タンパク質の任意の非PEG化不純物、及び任意の遊離PEG分子を含む。
【0144】
他の実施形態によれば、AEX樹脂に充填されるPEG化タンパク質、又はPEG化タンパク質を与える最初のステップで得られるPEG化タンパク質は、1つ又は複数のPEG化タンパク質アイソフォーム、PEG−4、PEG−5、PEG−6、PEG−7、並びに任意の凝集体、そのトリスルフィド不純物及び脱phe不純物、及びPEG化タンパク質の任意の非PEG化不純物、及び任意の遊離PEG分子を含む。
【0145】
他の実施形態によれば、AEX樹脂に充填されるPEG化タンパク質、又はPEG化タンパク質を与える最初のステップで得られるPEG化タンパク質は、1つ又は複数のPEG化タンパク質アイソフォーム、PEG−4、PEG−5、PEG−6、並びに任意の凝集体、そのトリスルフィド不純物及び脱phe不純物、及びPEG化タンパク質の任意の非PEG化不純物、及び任意の遊離PEG分子を含む。
【0146】
他の実施形態によれば、AEX樹脂に充填されるPEG化タンパク質、又はPEG化タンパク質を与える最初のステップで得られるPEG化タンパク質は、1つ又は複数のPEG化タンパク質アイソフォーム、PEG−4、PEG−5、PEG−6、並びに任意の凝集体、そのトリスルフィド不純物及び脱phe不純物、及びPEG化タンパク質の任意の非PEG化不純物、及び任意の遊離PEG分子を含む。
【0147】
他の実施形態によれば、AEX樹脂に充填されるPEG化タンパク質、又はPEG化タンパク質を与える最初のステップで得られるPEG化タンパク質は、1つ又は複数のPEG化タンパク質アイソフォーム、PEG−1、PEG−2、PEG−3、PEG−4、PEG−5、PEG−6、PEG−7、PEG−8、及びPEG−9、並びに任意の凝集体、そのトリスルフィド不純物及び脱phe不純物を含む。
【0148】
他の実施形態によれば、AEX樹脂に充填されるPEG化タンパク質、又はPEG化タンパク質を与える最初のステップで得られるPEG化タンパク質は、1つ又は複数のPEG化タンパク質アイソフォーム、PEG−1、PEG−2、PEG−3、PEG−4、PEG−5、PEG−6、PEG−7、PEG−8、及びPEG−9、並びに任意の凝集体、そのトリスルフィド不純物を含む。
【0149】
他の実施形態によれば、AEX樹脂に充填されるPEG化タンパク質、又はPEG化タンパク質を与える最初のステップで得られるPEG化タンパク質は、1つ又は複数のPEG化タンパク質アイソフォーム、PEG−1、PEG−2、PEG−3、PEG−4、PEG−5、PEG−6、PEG−7、PEG−8、及びPEG−9、並びにその任意の凝集体を含む。
【0150】
PEG化タンパク質、及びその任意の凝集体、トリスルフィド、及び/又は脱phe不純物、任意の非PEG化又は部分的にPEG化したタンパク質、並びに任意の遊離PEGを、AEX樹脂に充填した後に、溶出ステップにおける溶出溶液による溶出を施し、次に多量分画中の溶出液を回収する。分画は、カラム容量の容量分画である。溶出ステップは、pH勾配又はイオン強度勾配によって行うことができる。イオン強度勾配によって溶出を行う場合、AEX樹脂から充填PEG化タンパク質を溶出させるのに充分な塩濃度でイオン塩を含む溶出バッファーに溶かした塩溶液を用いて、溶出を行う。イオン塩は塩化物塩であることが好ましい。イオン塩は、NaCl、塩化リチウム、リン酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、塩化アンモニウム、硫化アンモニウム、リン酸アンモニウム、KI、及びKClからなる群から選択されることがより好ましい。AEX樹脂と共に使用するための他の適切なイオン塩が認められており、ここに述べるが如く組み込んである。イオン塩は、バッファー溶液として提供される塩化ナトリウムであることが好ましい。溶出バッファーに加えた塩溶液による溶出中に、(例えばNaCl塩溶液に関する)塩濃度勾配は、CV当たり約2〜約50mM、好ましくはCV当たり約5〜約25mM、及びより好ましくはCV当たり約10〜約20mM、最も好ましくはCV当たり約10〜約12.5mMである。塩溶液が加えられている溶出バッファーは、約5〜約10、好ましくは約6.6〜約9、最も好ましくは約6.9〜約7.1のpHを有する。さらに溶出ステップは、約50℃以下、好ましくは約35℃以下、より好ましくは約2〜約30℃、さらにより好ましくは約15〜約30℃、最も好ましくは約18〜約25℃の溶出温度で行う。
【0151】
塩溶液を含む溶出バッファーは、AEX樹脂カラム中に導入され、300cm/1時間以下、好ましくは約10〜約150cm/1時間、より好ましくは30〜約100cm/1時間、さらにより好ましくは約50〜約100cm/1時間、さらにより好ましくは約50〜約70cm/1時間、さらにより好ましくは約60〜約65cm/1時間、最も好ましくは約60cm/1時間の直線速度でカラムに流す。
【0152】
AEX樹脂から溶出液を回収する際、約0.1〜約5のカラム容量(CV)、好ましくは約0.1〜約1のCV分画、より好ましくは約0.1〜約0.5CV、最も好ましくは約0.1〜約0.2CV容量分画の範囲の複数の容量分画中の溶出液を回収することが好ましい。したがって例えば、100の別個の分画を回収することができるが、この数は、さまざまなCV分画を回収するためにAEX樹脂を通して送られる塩溶液と溶出バッファーの合計量に応じて、少なくなったり多くなったりする可能性がある。AEXカラムの出口において(典型的には、AEXカラムの底部において)溶出液が回収されるに従って、CV分画が連続的に回収されることは理解されよう。
【0153】
回収したCV分画のそれぞれが、PEG−1、PEG−2、PEG−3、PEG−4、PEG−5、PEG−6、PEG−7、PEG−8及びPEG−9などの、所与のPEG化タンパク質アイソフォームを含むことが好ましい。次いで回収したCV分画を回収に供して、どの分画がどのPEG化タンパク質アイソフォームを含むかを決定し、次に、このように回収した目的のPEG化タンパク質アイソフォームを選択的に組み合わせることができる。
【0154】
b.回収
したがって、次に、AEX樹脂から回収したCV分画を、PEG−1、PEG−2、PEG−3、PEG−4、PEG−5、PEG−6、PEG−7、PEG−8及びPEG−9などのPEG化タンパク質アイソフォームを個別量選択するための回収ステップに供す。さまざまな分析技法を使用して、目的とするPEG化タンパク質アイソフォームを選択的に回収することができる。これらの技法には、CE、SDS−PAGE、IEXクロマトグラフィー、HICクロマトグラフィー、AEXクロマトグラフィー、CEXクロマトグラフィー、RPHPLC、SEHPLC、アフィニティクロマトグラフィー(AC)、及びこれらの組合せがあるが、これらだけには限られない。CE又はRPHPLCが、SDS−PAGEより好ましい。さらに、理論によって縛られずに、SDS−PAGEで使用される試薬(例えばドデシル硫酸ナトリウム)は、形成される任意の凝集体の測定を不明瞭にすると考えられる。SDS−PAGEアッセイで使用されるドデシル硫酸ナトリウム(SDS)は凝集体を破壊し、したがって少量の凝集体しか測定されないか、或いは凝集体の量が全く測定されないと考えられる。しかしながら、SDS−PAGEを首尾よく使用して、個々のPEG化タンパク質をフィンガープリンティングする(例えば、回収した分画のPEG−1、PEG−2、PEG−3、PEG−4、PEG−5、PEG−6、PEG−7、PEG−8及びPEG−9の定性的及び定量的組成を測定する)ことができる。回収のためにCEによる分析を行う場合、その分析は、約5〜約50℃、好ましくは約5〜約45℃、より好ましくは約20〜約40℃、最も好ましくは約30〜約32℃のCE温度で行う。
【0155】
さらに、CEを使用する場合、約0〜約60mS/cm、より好ましくは約5〜約10mS/cmのCE回収伝導度(サンプル分画の伝導度を指す)でCEを行う。次いで、前述のCE回収伝導度範囲内の伝導度を有するサンプル分画を、PEG化タンパク質のフィンガープリンティング用に、CEキャピラリー中に導入する。このようにして得た関連CV分画のPEG化タンパク質アイソフォームのフィンガープリントを、参照標準に対して比較して、そのサンプル中に存在する個々のPEG化タンパク質アイソフォームを同定する。
【0156】
それぞれのフィンガープリントのピークによって得られる面積比は、その分画中のそのピークに対応するアイソフォームの重量%に正比例する。次いで、目的とするアイソフォームの重量%で目的とするPEG化タンパク質アイソフォームを含ませるために、CEによってこのように同定した分画を、場合によっては、同様に選択した他の分画と混合して、所望のアイソフォーム混合物を得る。この処理によって、API組成物が生成する。
【0157】
例えば、Swapan K Chowdbury他、「質量分析法によるポリマーと結合したタンパク質のフィンガープリンティング:ポリエチレングリコール結合スーパーオキシドジスムターゼの調査(Fingerprinting Proteins Coupled with Polymers by Mass Spectrometry:Investigation of Polyethylene Glycol−Conjugated Superoxide Dismutase)」、American Society for Mass Spectrometry、Vol.6、pp.478〜487、1995を参照のこと。
【0158】
回収したCV分画についてCE分析を行うためには、バッファー中のPEG化タンパク質濃度は、それぞれ少なくとも約0.2mg/ml、少なくとも約0.5mg/ml、約0.1〜約100mg/ml、約0.5〜約10mg/ml、又は約2〜約3mg/mlである。CE、又は前述の回収用分析技法のいずれかを使用して、さまざまなPEG化タンパク質アイソフォームを合わせて、PEG化タンパク質の所望の回収物を得ることができる。したがって、例えば、回収したPEG化タンパク質は、1つ又は複数のPEG−1〜PEG9、1つ又は複数のPEG−2〜PEG−9、1つ又は複数のPEG−3〜PEG−9、1つ又は複数のPEG−3〜PEG−8、1つ又は複数のPEG−3〜PEG−7、PEG−3〜PEG−6の1つ、1つ又は複数のPEG−4〜PEG−6、1つ又は複数のPEG−4及びPEG−5、1つ又は複数のPEG−5及びPEG−6、及びPEG−5をそれぞれ含む可能性がある。
【0159】
前述の回収物の中で、PEG化タンパク質のさまざまな回収物が好ましい。例えば、PEG−4、PEG−5及びPEG−6の回収物に関しては、PEG−4、PEG−5及びPEG−6の回収物は、その個々の回収物中のPEG化タンパク質アイソフォームの合計重量に対して、少なくとも70重量%のPEG−4、PEG−5及びPEG−6を含むようなものでなければならない。PEG−4、PEG−5及びPEG−6のPEG化タンパク質分画は、回収物中に存在するPEG化タンパク質アイソフォームの合計重量に対して、少なくとも約75重量%であることが好ましい。この値は、それぞれ、少なくとも約80重量%、少なくとも約85重量%、少なくとも約90重量%、及び少なくとも約94重量%、少なくとも約95重量%、少なくとも約96重量%、少なくとも約97重量%、少なくとも約98重量%、少なくとも約99重量%、少なくとも約99.5重量%、及び少なくとも約99.9重量%であることがより好ましい。
【0160】
回収に関しては、CV分画において回収したPEG化タンパク質アイソフォームについて回収を行い、この場合PEG化タンパク質アイソフォームは、バッファー溶液として提供される。PEG化タンパク質が含まれているバッファーは、約5〜約10、好ましくは約6.6〜約9、より好ましくは約6.9〜約7.1のpHを有する。さらにバッファーは、Tris、リン酸、HEPES、クエン酸、トリエチルアミン、及びヒスチジンからなる群から選択されるバッファーである。
【0161】
この時点で、前述の方法(以下で論じる実施例1、3及び4中でも述べる)に従い処理した回収PEG化タンパク質アイソフォームは、回収した生成物の凝集レベルが、前述のステップ1〜5及び場合により行われるステップ2及び3を施したPEG化タンパク質アイソフォーム及びその任意の凝集体の合計重量に対して、約10重量%以下であるようなものであるはずである。凝集体のレベルは、前述の合計重量に対して、それぞれ約9重量%、8重量%、7重量%、6重量%、5重量%、4重量%、3重量%、2重量%、1.5重量%、1重量%、0.9重量%、0.8重量%、0.7重量%、0.6重量%、0.5重量%、0.4重量%、0.3重量%、0.2重量%、0.1重量%、0.05重量%及び0.01重量%以下であることが好ましい。
【0162】
このように回収したPEG化タンパク質は、1つ又は複数のPEG−1、PEG−2、PEG−3、PEG−4、PEG−5、PEG−6、PEG−7、PEG−8、及びPEG−9から本質的になることが好ましい。このように回収したPEG化タンパク質は、1つ又は複数のPEG−2、PEG−3、PEG−4、PEG−5、PEG−6、PEG−7、PEG−8、及びPEG−9から本質的になることが好ましい。このように回収したPEG化タンパク質は、1つ又は複数のPEG−3、PEG−4、PEG−5、PEG−6、PEG−7、PEG−8、及びPEG−9から本質的になることが好ましい。このように回収したPEG化タンパク質は、1つ又は複数のPEG−3、PEG−4、PEG−5、PEG−6、PEG−7、及びPEG−8から本質的になることが好ましい。このように回収したPEG化タンパク質は、1つ又は複数のPEG−3、PEG−4、PEG−5、PEG−6、及びPEG−7から本質的になることが好ましい。このように回収したPEG化タンパク質は、1つ又は複数のPEG−3、PEG−4、PEG−5、及びPEG−6から本質的になることが好ましい。このように回収したPEG化タンパク質は、1つ又は複数のPEG−4、PEG−5、及びPEG−6から本質的になることが好ましい。このように回収したPEG化タンパク質は、1つ又は複数のPEG−4及びPEG−5から本質的になることが好ましい。このように回収したPEG化タンパク質は、1つ又は複数のPEG−5、及びPEG−6から本質的になることが好ましい。このように回収したPEG化タンパク質は、1つ又は複数のPEG−5から本質的になることが好ましい。
【0163】
前述の回収法は、このようなアイソフォームが陰イオン交換クロマトグラフィーに供されたかどうかに関係なく、PEG化タンパク質アイソフォームを回収するために使用することができる。
【0164】
PEG化タンパク質がPEG化成長ホルモンアンタゴニストである場合、凝集のレベルが、回収物及び回収したCV分画中のPEG化成長ホルモンアンタゴニストアイソフォーム及びその任意の凝集体の合計重量に対して6重量%以下であることが好ましい。凝集のレベルは、前述の合計重量に対して、それぞれ約5重量%、4重量%、3重量%、2重量%、及び1重量%以下であることがより好ましい。さらに、PEG化タンパク質がPEG化成長ホルモンアンタゴニスト及びそのさまざまなアイソフォームである場合、その任意のトリスルフィド不純物、任意の脱phe不純物、及び任意の凝集体全体の「合計レベル」は、回収物及び回収したCV分画中のPEG化成長ホルモンアンタゴニストアイソフォーム、その任意のトリスルフィド不純物、任意の脱phe不純物、及び任意の凝集体の合計重量に対して約15重量%のレベルであることが好ましい。(その任意のトリスルフィド不純物、任意の脱phe不純物、及び任意の凝集体の合計の)前述の合計レベルは、前述の合計重量に対して、それぞれ約12重量%、10重量%、9重量%、8重量%、7重量%、6重量%、5重量%、4重量%、3重量%、2重量%、及び1%重量%以下であることが好ましい。
【0165】
また、好ましくは、PEG化タンパク質成長ホルモンアンタゴニストがB−2036PEGである場合、そのポリペプチド骨格は配列番号1のB−2036である。同様に、また、好ましくは、PEG化タンパク質が成長ホルモンアゴニストである場合、そのポリペプチド骨格は配列番号2のポリペプチドである。
【0166】
AEXクロマトグラフィー及び回収のステップ4の後、後続の限外濾過/ダイアフィルトレーションのステップ5を行う。このUF/DFステップ5を行うための好ましいパラメータは、実施例1及びフローチャート1に示す。ステップ5の最後に、ダイアフィルトレーション回収物を回収する。次いでこのダイアフィルトレーション回収物をステップ6に供し、このステップは、前述のダイアフィルトレーション回収物でそのように得た活性薬剤成分を取得し、好ましくは0.22μmのフィルターによる濾過によって、それを滅菌するためのものである。API濾過のステップ6を行うための好ましいパラメータは、実施例1及びフローチャート1に示す。
【0167】
最後に、以下の実施例1では、陰イオン交換樹脂クロマトグラフィーを使用する、特許請求する本発明の好ましい手順を、前述のステップ1〜6のそれぞれの詳細を引用して示す。比較の目的で、陰イオン交換クロマトグラフィーステップを、陽イオン交換クロマトグラフィーステップ、及びそれと関連する適切なバッファー交換ステップに置き換えた、比較例2を示す。実施例2の手順の結果を表2に示すが、そこにおいて、凝集レベルは、凝集体が約60重量%という高い値から約6重量%までの任意の範囲である。実施例3では、実施例1及びフローチャート1の手順、又は実施例2及びフローチャート2の手順に適用可能な回収法を記載し、そこでは、CE分析技法と同等の分析技法として、RPHPLCを使用する。図2、3及び4は、RPHPLCがCEと同等であることを示す。実施例4には、CE分析技法の好ましい手順を示す。
【0168】
本発明の実施形態
1.PEG化タンパク質アイソフォームの凝集のレベルを低下させるための方法であって、
(a)前記PEG化タンパク質アイソフォームを用意するステップ、及び
(b)前記凝集の前記レベルを低下させるのに充分な条件下において、陰イオン交換樹脂を使用する陰イオン交換クロマトグラフィーによって、前記PEG化タンパク質アイソフォームを分離するステップを含む方法。
2.前記ステップ(a)が、非PEG化又は部分的にPEG化した形の前記タンパク質をPEG化する、或いはその両方をPEG化するステップ(a1)を含む、実施形態1に記載の方法。
3.前記ステップ(a1)が、PEG−N−ヒドロキシスクシンイミド−5K、PEG−スクシンイミジルカルボネート−5K、PEG−スクシンイミジルプロピオネート−5K、PEG2−マレミド−40K(2×20K)、PEG2−N−ヒドロキシスクシイミド−40K(2×20K)、及びPEG2−アルデヒド−40K(2×20K)からなる群から選択される遊離PEGでPEG化することを含む、実施形態2に記載の方法。
4.前記遊離PEGと前記非PEG化タンパク質との化学量論的重量比が約0.5〜約100である、実施形態3に記載の方法。
5.前記化学量論的重量比が約1.5〜約2.5である、実施形態4に記載の方法。
6.前記化学量論的重量比が約1.9〜約2である、実施形態5に記載の方法。
7.前記化学量論的重量比が約1.95〜約2.05である、実施形態6に記載の方法。
8.前記PEG化ステップ(a1)を約3〜約10のPEG化pHで行う、実施形態2に記載の方法。
9.前記PEG化pHが約7.2〜約7.8である、実施形態8に記載の方法。
10.前記PEG化pHが約7.4〜約7.8である、実施形態9に記載の方法。
11.前記PEG化pHが約7.40〜約7.80である、実施形態10に記載の方法。
12.前記PEG化ステップ(a1)を約0〜約40℃のPEG化温度で行う、実施形態2に記載の方法。
13.前記PEG化温度が約10〜約30℃である、実施形態12に記載の方法。
14.前記PEG化温度が約18〜約25℃である、実施形態13に記載の方法。
15.HIC樹脂を使用する疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)により前記PEG化タンパク質を選択する、場合により行われるHICステップ(a2)をさらに含む、実施形態1に記載の方法。
16.HIC樹脂を使用する疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)により前記PEG化タンパク質を選択する、場合により行われるHICステップ(a2)をさらに含む、実施形態2に記載の方法。
17.前記HICステップ(a2)が、前記PEG化タンパク質及び任意の非PEG化タンパク質を、HIC樹脂の充填層容量1L当たりタンパク質約10g以下のHIC充填で、前記HIC樹脂に充填することを含む、実施形態16に記載の方法。
18.前記HIC充填が、HIC樹脂の充填層容量1L当たりタンパク質約5g以下である、実施形態17に記載の方法。
19.前記HIC充填が、HIC樹脂の充填層容量1L当たりタンパク質約4.1g以下である、実施形態18に記載の方法。
20.前記HICステップ(a2)において、前記充填を約30〜約60mS/cmのHIC充填伝導度で行う、実施形態17に記載の方法。
21.前記HIC充填伝導度が約40〜約52mS/cmである、実施形態20に記載の方法。
22.前記HIC充填伝導度が約45〜約51mS/cmである、実施形態21に記載の方法。
23.前記HICステップ(a2)を約10〜約40℃のHIC温度で行う、実施形態17に記載の方法。
24.前記HIC温度が約15〜約30℃である、実施形態23に記載の方法。
25.前記HIC温度が約18〜約25℃である、実施形態24に記載の方法。
26.前記HICステップ(a2)からの溶出液を限外濾過/ダイアフィルトレーションする、UF/DF#3ステップ(a3)(UF/DF#3)をさらに含む、実施形態16に記載の方法。
27.前記UF/DF#3ステップ(a3)を、約3kDa〜約20kDaのUF/DF#3膜分子量断片(MWCO)を有するUF/DF#3膜で行う、実施形態26に記載の方法。
28.前記UF/DF#3膜MWCOが約8kDa〜約15kDaである、実施形態27に記載の方法。
29.前記UF/DF#3膜MWCOが約10kDa〜約12kDaである、実施形態28に記載の方法。
30.前記UF/DF#3膜MWCOが約10kDaである、実施形態29に記載の方法。
31.前記ステップ(b)が、その任意の不純物及び任意の凝集体を含む前記PEG化タンパク質を前記陰イオン交換(AEX)樹脂に充填して、充填PEG化タンパク質を得るステップ(b1)をさらに含む、実施形態1に記載の方法。
32.前記AEX樹脂が、ANX4、DEAF、Q−セファロース、Q−セファロースFF、QセファロースHP、及びQ−セファロースXLからなる群から選択される、実施形態31に記載の方法。
33.前記AEX樹脂がQ−セファロースFFである、実施形態32に記載の方法。
34.前記ステップ(b1)を、約10mS/cm以下のAEX充填伝導度で行う、実施形態31に記載の方法。
35.前記AEX充填伝導度が約5mS/cm以下である、実施形態34に記載の方法。
36.前記AEX充填伝導度が約2.4mS/cm以下である、実施形態35に記載の方法。
37.前記ステップ(b1)を約5〜約10のAEX充填pHで行う、実施形態31に記載の方法。
38.前記AEX充填pHが約6.6〜約9である、実施形態37に記載の方法。
39.前記AEX充填pHが約6.9〜約7.1である、実施形態38に記載の方法。
40.前記ステップ(b1)を、AEX樹脂の充填層容量1L当たりタンパク質約10g以下の、その任意の不純物及び前記凝集体を含むPEG化タンパク質のAEX充填で行う、実施形態31に記載の方法。
41.前記AEX充填が、AEX樹脂の充填層容量1L当たりタンパク質約5.5g以下である、実施形態40に記載の方法。
42.前記AEX充填が、AEX樹脂の充填層容量1L当たりタンパク質約4.1g以下である、実施形態40に記載の方法。
43.前記PEG化タンパク質が、1つ又は複数の前記PEG化タンパク質アイソフォームPEG−1、PEG−2、PEG−3、PEG−4、PEG−5、PEG−6、PEG−7、PEG−8、及びPEG−9、並びに任意の凝集体、そのトリスルフィド不純物及び脱phe不純物、及び前記タンパク質の任意の非PEG化不純物、及び任意の遊離PEG分子を含む、実施形態1に記載の方法。
44.前記PEG化タンパク質が、1つ又は複数の前記PEG化タンパク質アイソフォームPEG−2、PEG−3、PEG−4、PEG−5、PEG−6、PEG−7、PEG−8、及びPEG−9、並びに任意の凝集体、そのトリスルフィド不純物及び脱phe不純物、及び前記タンパク質の任意の非PEG化不純物、及び任意の遊離PEG分子を含む、実施形態1に記載の方法。
45.前記PEG化タンパク質が、1つ又は複数の前記PEG化タンパク質アイソフォームPEG−2、PEG−3、PEG−4、PEG−5、PEG−6、PEG−7、PEG−8、並びに任意の凝集体、そのトリスルフィド不純物及び脱phe不純物、及び前記タンパク質の任意の非PEG化不純物、及び任意の遊離PEG分子を含む、実施形態1に記載の方法。
46.前記PEG化タンパク質が、1つ又は複数の前記PEG化タンパク質アイソフォームPEG−3、PEG−4、PEG−5、PEG−6、PEG−7、PEG−8、並びに任意の凝集体、そのトリスルフィド不純物及び脱phe不純物、及び前記タンパク質の任意の非PEG化不純物、及び任意の遊離PEG分子を含む、実施形態1に記載の方法。
47.前記PEG化タンパク質が、1つ又は複数の前記PEG化タンパク質アイソフォームPEG−4、PEG−5、PEG−6、PEG−7、PEG−8、並びに任意の凝集体、そのトリスルフィド不純物及び脱phe不純物、及び前記タンパク質の任意の非PEG化不純物、及び任意の遊離PEG分子を含む、実施形態1に記載の方法。
48.前記PEG化タンパク質が、1つ又は複数の前記PEG化タンパク質アイソフォームPEG−4、PEG−5、PEG−6、PEG−7、並びに任意の凝集体、そのトリスルフィド不純物及び脱phe不純物、及び前記タンパク質の任意の非PEG化不純物、及び任意の遊離PEG分子を含む、実施形態1に記載の方法。
49.前記PEG化タンパク質が、1つ又は複数の前記PEG化タンパク質アイソフォームPEG−4、PEG−5、PEG−6、並びに任意の凝集体、そのトリスルフィド不純物及び脱phe不純物、及び前記タンパク質の任意の非PEG化不純物、及び任意の遊離PEG分子を含む、実施形態1に記載の方法。
50.前記PEG化タンパク質が、1つ又は複数の前記PEG化タンパク質アイソフォームPEG−4、PEG−5、PEG−6、並びに任意の凝集体、そのトリスルフィド不純物及び脱phe不純物、及び前記タンパク質の任意の非PEG化不純物を含む、実施形態1に記載の方法。
51.前記PEG化タンパク質が、1つ又は複数の前記PEG化タンパク質アイソフォームPEG−1、PEG−2、PEG−3、PEG−4、PEG−5、PEG−6、PEG−7、PEG−8、及びPEG−9、並びに任意の凝集体、そのトリスルフィド不純物及び脱phe不純物を含む、実施形態1に記載の方法。
52.前記PEG化タンパク質が、1つ又は複数の前記PEG化タンパク質アイソフォームPEG−1、PEG−2、PEG−3、PEG−4、PEG−5、PEG−6、PEG−7、PEG−8、及びPEG−9、並びにその任意の凝集体及びトリスルフィド不純物を含む、実施形態1に記載の方法。
53.前記PEG化タンパク質が、1つ又は複数の前記PEG化タンパク質アイソフォームPEG−1、PEG−2、PEG−3、PEG−4、PEG−5、PEG−6、PEG−7、PEG−8、及びPEG−9、及びその任意の凝集体を含む、実施形態1に記載の方法。
54.キャピラリー電気泳動(CE)、ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)、イオン交換(IEX)クロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)、陰イオン交換(AEX)クロマトグラフィー、陽イオン交換(CEX)クロマトグラフィー、逆相高圧液体クロマトグラフィー(RPHPLC)、サイズ排除高圧液体クロマトグラフィー(SEHPLC)、アフィニティクロマトグラフィー(AC)、及びこれらの組合せからなる群から選択される技法によって、個別量の前記PEG化タンパク質アイソフォームを回収して回収PEG化タンパク質を生成させる、回収ステップ(c)をさらに含む、実施形態1に記載の方法。
55.キャピラリー電気泳動(CE)、ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)、イオン交換(IEX)クロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)、陰イオン交換(AEX)クロマトグラフィー、陽イオン交換(CEX)クロマトグラフィー、逆相高圧液体クロマトグラフィー(RPHPLC)、サイズ排除高圧液体クロマトグラフィー(SEHPLC)、アフィニティクロマトグラフィー(AC)、及びこれらの組合せからなる群から選択される技法によって、個別量の前記PEG化タンパク質の前記PEG化タンパク質アイソフォームを回収して回収PEG化タンパク質を生成させる、回収ステップ(c)をさらに含む、実施形態42に記載の方法。
56.前記回収ステップ(c)を、約5〜約50℃のCE温度で前記CEによって行う、実施形態54に記載の方法。
57.前記回収ステップ9c)を、約5〜約50℃のCE温度で前記CEによって行う、実施形態55に記載の方法。
58.前記CE温度が約5〜約45℃である、実施形態56に記載の方法。
59.前記CE温度が約20〜約40℃である、実施形態58に記載の方法。
60.前記CE温度が約30〜約32℃である、実施形態59に記載の方法。
61.前記回収ステップ(c)を、約0〜約60mS/cmのCE回収伝導度で前記CEによって行う、実施形態56に記載の方法。
62.前記CE回収伝導度が約5〜約10mS/cmである、実施形態61に記載の方法。
63.前記回収ステップ(c)を、少なくとも約0.2mg/mlのタンパク質濃度でバッファー溶液として提供される前記PEG化タンパク質アイソフォームについて行う、実施形態54に記載の方法。
64.前記回収ステップ(c)を、少なくとも約0.5mg/mlのタンパク質濃度でバッファー溶液として提供される前記PEG化タンパク質アイソフォームについて行う、実施形態56に記載の方法。
65.前記回収ステップ(c)を、約0.1〜約100mg/mlのタンパク質濃度でバッファー溶液として提供される前記PEG化タンパク質アイソフォームについて行う、実施形態54に記載の方法。
66.前記タンパク質濃度が約0.5〜約10mg/mlである、実施形態65に記載の方法。
67.前記タンパク質濃度が約2〜約3mg/mlである、実施形態66に記載の方法。
68.前記回収ステップ(c)を、約0.1〜約100mg/mlのタンパク質濃度でバッファー溶液として提供される前記PEG化タンパク質アイソフォームについて行う、実施形態56に記載の方法。
69.前記タンパク質濃度が約0.5〜約10mg/mlである、実施形態67に記載の方法。
70.前記タンパク質濃度が約2〜約3mg/mlである、実施形態68に記載の方法。
71.前記回収PEG化タンパク質が、1つ又は複数のPEG−1、PEG−2、PEG−3、PEG−4、PEG−5、PEG−6、PEG−7、PEG−8、及びPEG−9を含む、実施形態63に記載の方法。
72.前記回収PEG化タンパク質が、1つ又は複数のPEG−2、PEG−3、PEG−4、PEG−5、PEG−6、PEG−7、PEG−8、及びPEG−9を含む、実施形態63に記載の方法。
73.前記回収PEG化タンパク質が、1つ又は複数のPEG−3、PEG−4、PEG−5、PEG−6、PEG−7、PEG−8、及びPEG−9を含む、実施形態63に記載の方法。
74.前記回収PEG化タンパク質が、1つ又は複数のPEG−3、PEG−4、PEG−5、PEG−6、PEG−7、及びPEG−8を含む、実施形態63に記載の方法。
75.前記回収PEG化タンパク質が、1つ又は複数のPEG−3、PEG−4、PEG−5、PEG−6、及びPEG−7を含む、実施形態63に記載の方法。
76.前記回収PEG化タンパク質が、1つ又は複数のPEG−3、PEG−4、PEG−5、及びPEG−6を含む、実施形態63に記載の方法。
77.前記回収PEG化タンパク質が、1つ又は複数のPEG−4、PEG−5、及びPEG−6を含む、実施形態63に記載の方法。
78.前記回収PEG化タンパク質が、1つ又は複数のPEG−4及びPEG−5を含む、実施形態63に記載の方法。
79.前記回収PEG化タンパク質が、1つ又は複数のPEG−5、及びPEG−6を含む、実施形態63に記載の方法。
80.前記回収PEG化タンパク質がPEG−5を含む、実施形態63に記載の方法。
81.PEG−4、PEG−5及びPEG−6の回収PEG化タンパク質分画が、前記PEG−1、PEG−2、PEG−3、PEG−4、PEG−5、PEG−6、PEG−7、PEG−8、及びPEG−9PEG化タンパク質アイソフォーム及びその任意の凝集体の合計重量に対して少なくとも約70重量%を構成する、実施形態71に記載の方法。
82.PEG−4、PEG−5及びPEG−6の前記回収PEG化タンパク質分画が、前記PEG−1、PEG−2、PEG−3、PEG−4、PEG−5、PEG−6、PEG−7、PEG−8、及びPEG−9PEG化タンパク質アイソフォーム及びその任意の凝集体の合計重量に対して少なくとも約75重量%を構成する、実施形態71に記載の方法。
83.PEG−4、PEG−5及びPEG−6の前記回収PEG化タンパク質分画が、前記PEG−1、PEG−2、PEG−3、PEG−4、PEG−5、PEG−6、PEG−7、PEG−8、及びPEG−9PEG化タンパク質アイソフォーム及びその任意の凝集体の合計重量に対して少なくとも約80重量%を構成する、実施形態71に記載の方法。
84.PEG−4、PEG−5及びPEG−6の前記回収PEG化タンパク質分画が、前記PEG−1、PEG−2、PEG−3、PEG−4、PEG−5、PEG−6、PEG−7、PEG−8、及びPEG−9PEG化タンパク質アイソフォーム及びその任意の凝集体の合計重量に対して少なくとも約90重量%を構成する、実施形態71に記載の方法。
85.PEG−4、PEG−5及びPEG−6の前記回収PEG化タンパク質分画が、前記PEG−1、PEG−2、PEG−3、PEG−4、PEG−5、PEG−6、PEG−7、PEG−8、及びPEG−9PEG化タンパク質アイソフォーム及びその任意の凝集体の合計重量に対して少なくとも約94重量%を構成する、実施形態71に記載の方法。
86.前記PEG化タンパク質がその中に与えられている前記バッファーが、約5〜約10のpHを有する、実施形態64に記載の方法。
87.前記バッファーが約6.6〜約9のpHを有する、実施形態86に記載の方法。
88.前記バッファーが約6.9〜約7.1のpHを有する、実施形態87に記載の方法。
89.前記PEG化タンパク質が含まれている前記バッファーが、Tris、リン酸、HEPES、クエン酸、トリエチルアミン、及びヒスチジンからなる群から選択される、実施形態64に記載の方法。
90.前記凝集の前記レベルが、前記アイソフォーム及び前記凝集体の合計重量に対して約10重量%以下である、実施形態1に記載の方法。
91.前記凝集の前記レベルが、前記合計重量に対して約9重量%以下である、実施形態90に記載の方法。
92.前記凝集の前記レベルが、前記合計重量に対して約8重量%以下である、実施形態91に記載の方法。
93.前記凝集の前記レベルが、前記合計重量に対して約7重量%以下である、実施形態92に記載の方法。
94.前記凝集の前記レベルが、前記合計重量に対して約6重量%以下である、実施形態93に記載の方法。
95.前記凝集の前記レベルが、前記合計重量に対して約5重量%以下である、実施形態94に記載の方法。
96.前記凝集の前記レベルが、前記合計重量に対して約4重量%以下である、実施形態95に記載の方法。
97.前記凝集の前記レベルが、前記合計重量に対して約3重量%以下である、実施形態96に記載の方法。
98.前記凝集の前記レベルが、前記合計重量に対して約2重量%以下である、実施形態97に記載の方法。
99.前記凝集の前記レベルが、前記合計重量に対して約1.5重量%以下である、実施形態98に記載の方法。
100.前記凝集の前記レベルが、前記合計重量に対して約1重量%以下である、実施形態99に記載の方法。
101.前記凝集の前記レベルが、前記合計重量に対して約0.9重量%以下である、実施形態100に記載の方法。
102.前記凝集の前記レベルが、前記合計重量に対して約0.8重量%以下である、実施形態101に記載の方法。
103.前記凝集の前記レベルが、前記合計重量に対して約0.7重量%以下である、実施形態102に記載の方法。
104.前記凝集の前記レベルが、前記合計重量に対して約0.6重量%以下である、実施形態103に記載の方法。
105.前記凝集の前記レベルが、前記合計重量に対して約0.5重量%以下である、実施形態104に記載の方法。
106.前記凝集の前記レベルが、前記合計重量に対して約0.4重量%以下である、実施形態105に記載の方法。
107.前記凝集の前記レベルが、前記合計重量に対して約0.3重量%以下である、実施形態106に記載の方法。
108.前記凝集の前記レベルが、前記合計重量に対して約0.2重量%以下である、実施形態107に記載の方法。
109.前記凝集の前記レベルが、前記合計重量に対して約0.1重量%以下である、実施形態108に記載の方法。
110.前記凝集の前記レベルが、前記合計重量に対して約0.05重量%以下である、実施形態109に記載の方法。
111.前記凝集の前記レベルが、前記合計重量に対して約0.01重量%以下である、実施形態110に記載の方法。
112.前記ステップ(b)が、前記充填PEG化タンパク質を洗浄するステップ(b2)、次に溶出溶液を用いて前記充填PEG化タンパク質をpH勾配又はイオン強度勾配によって溶出させるステップ(b3)、及び複数の容量分画中の溶出液を回収するステップ(b4)をさらに含む、実施形態31に記載の方法。
113.前記ステップ(b)が、前記充填PEG化タンパク質を洗浄するステップ(b2)、次に前記AEX樹脂から前記充填PEG化タンパク質を溶出させるのに充分な塩濃度勾配でイオン塩を含む、溶出バッファーに溶かした塩溶液を用いて、前記充填PEG化タンパク質を溶出する溶出ステップ(b3)をさらに含む、実施形態31に記載の方法。
114.前記イオン塩が塩化物塩である、実施形態113に記載の方法。
115.前記イオン塩がNaClである、実施形態114に記載の方法。
116.前記ステップ(b)をカラム容量(CV)を有するカラム中で行い、前記塩濃度勾配がCV当たり約2〜約50mMである、実施形態115に記載の方法。
117.前記塩濃度勾配がCV当たり約5〜約25mMである、実施形態116に記載の方法。
118.前記塩濃度勾配がCV当たり約10〜約20mMである、実施形態117に記載の方法。
119.前記溶出バッファーが約5〜約10のpHを有する、実施形態113に記載の方法。
120.前記溶出バッファーが約6.6〜約9のpHを有する、実施形態119に記載の方法。
121.前記溶出バッファーが約6.9〜約7.1のpHを有する、実施形態120に記載の方法。
122.前記溶出ステップ(b3)を、50℃以下の溶出温度で行う、実施形態113に記載の方法。
123.前記溶出温度が約35℃以下である、実施形態122に記載の方法。
124.前記溶出温度が約2〜約30℃である、実施形態123に記載の方法。
125.前記溶出温度が約15〜約30℃である、実施形態123に記載の方法。
126.前記溶出温度が約18〜約25℃である、実施形態123に記載の方法。
127.前記ステップ(b)をカラム中で行い、前記溶出バッファーが約300cm/1時間以下の前記カラムを通過する直線速度を有する、実施形態113に記載の方法。
128.前記直線速度が約10〜約150cm/1時間である、実施形態127に記載の方法。
129.前記直線速度が約30〜約150cm/1時間である、実施形態127に記載の方法。
130.前記直線速度が約50〜約100cm/1時間である、実施形態127に記載の方法。
131.前記直線速度が約50〜約70cm/1時間である、実施形態127に記載の方法。
132.前記直線速度が約60〜約65cm/1時間である、実施形態127に記載の方法。
133.前記直線速度が約60cm/1時間である、実施形態127に記載の方法。
134.前記PEG化タンパク質が、ホルモン、成長ホルモン、ヒト成長ホルモン、成長ホルモンアンタゴニスト、ヒト成長ホルモンアンタゴニスト、抗体、及びB−2036PEGからなる群から選択される、実施形態1に記載の方法。
135.前記陰イオン交換(AEX)樹脂が、第一級アミン、第二級アミン、第三級アミン、第四級アミン、及びこれらの組合せからなる群から選択される官能基を含む、実施形態1に記載の方法。
136.前記陰イオン交換(AEX)樹脂が、ジエチルアミノエチル、ジエチルアミノプロピル、ジメチルエタノールアミン、トリメチル−アンモニウム−エチル、トリメチルベンジルアンモニウム、ジメチルエタノールベンジル、及びポリアミン官能基からなる群から選択される官能基を含む、実施形態1に記載の方法。
137.前記陰イオン交換(AEX)樹脂が、親水性ポリエーテル、架橋ジビニルベンゼンポリスチレン、架橋アガロース、ポリプロピレン、親水性アクリルアミドビニル、メタクリル、重合ヒドロゲル及びセラミックビーズ基材、複合シリカ−デキストラン物質、ポリマー重合シリカ、ジビニルベンゼンスチレン、ジビニルベンゼンポリアクリル、架橋セルロース、コポリマーメタクリレート、ポリスチレン、アクリル、G5000親水性ゲル、及びセルロースからなる群から選択される支持体物質を含む、実施形態1に記載の方法。
138.前記陰イオン交換(AEX)樹脂がマクロ孔樹脂を含む、実施形態1に記載の方法。
139.前記陰イオン交換(AEX)樹脂がゲル樹脂を含む、実施形態1に記載の方法。
140.前記回収PEG化タンパク質が、1つ又は複数のPEG−1、PEG−2、PEG−3、PEG−4、PEG−5、PEG−6、PEG−7、PEG−8、及びPEG−9から本質的になる、実施形態63に記載の方法。
141.前記回収PEG化タンパク質が、1つ又は複数のPEG−2、PEG−3、PEG−4、PEG−5、PEG−6、PEG−7、PEG−8、及びPEG−9から本質的になる、実施形態63に記載の方法。
142.前記回収PEG化タンパク質が、1つ又は複数のPEG−3、PEG−4、PEG−5、PEG−6、PEG−7、PEG−8、及びPEG−9から本質的になる、実施形態63に記載の方法。
143.前記回収PEG化タンパク質が、1つ又は複数のPEG−3、PEG−4、PEG−5、PEG−6、PEG−7、及びPEG−8から本質的になる、実施形態63に記載の方法。
144.前記回収PEG化タンパク質が、1つ又は複数のPEG−3、PEG−4、PEG−5、PEG−6、及びPEG−7から本質的になる、実施形態63に記載の方法。
145.前記回収PEG化タンパク質が、1つ又は複数のPEG−3、PEG−4、PEG−5、及びPEG−6から本質的になる、実施形態63に記載の方法。
146.前記回収PEG化タンパク質が、1つ又は複数のPEG−4、PEG−5、及びPEG−6から本質的になる、実施形態63に記載の方法。
147.前記回収PEG化タンパク質が、1つ又は複数のPEG−4及びPEG−5から本質的になる、実施形態63に記載の方法。
148.前記回収PEG化タンパク質が、1つ又は複数のPEG−5、及びPEG−6から本質的になる、実施形態63に記載の方法。
149.前記回収PEG化タンパク質がPEG−5から本質的になる、実施形態63に記載の方法。
150.前記ステップ(b)をカラム容量(CV)を有するカラム中で行い、前記ステップ(b)が、前記充填PEG化タンパク質を洗浄するステップ(b2)、次に溶出溶液を用いて前記充填PEG化タンパク質をpH勾配又はイオン強度勾配によって溶出させるステップ(b3)、及び約0.1〜約5の前記カラム容量(CV)の複数の容量分画中の溶出液を回収するステップ(b4)をさらに含む、実施形態31に記載の方法。
151.前記ステップ(b)をカラム容量(CV)を有するカラム中で行い、前記ステップ(b)が、前記充填PEG化タンパク質を洗浄するステップ(b2)、次に溶出溶液を用いて前記充填PEG化タンパク質をpH勾配又はイオン強度勾配によって溶出させるステップ(b3)、及び約0.1〜約1の前記カラム容量(CV)の複数の容量分画中の溶出液を回収するステップ(b4)をさらに含む、実施形態31に記載の方法。
152.前記ステップ(b)をカラム容量(CV)を有するカラム中で行い、前記ステップ(b)が、前記充填PEG化タンパク質を洗浄するステップ(b2)、次に溶出溶液を用いて前記充填PEG化タンパク質をpH勾配又はイオン強度勾配によって溶出させるステップ(b3)、及び約0.1〜約0.5の前記カラム容量(CV)の複数の容量分画中の溶出液を回収するステップ(b4)をさらに含む、実施形態31に記載の方法。
153.前記ステップ(b)をカラム容量(CV)を有するカラム中で行い、前記ステップ(b)が、前記充填PEG化タンパク質を洗浄するステップ(b2)、次に溶出溶液を用いて前記充填PEG化タンパク質をpH勾配又はイオン強度勾配によって溶出させるステップ(b3)、及び約0.1〜約0.2の前記カラム容量(CV)の複数の容量分画中の溶出液を回収するステップ(b4)をさらに含む、実施形態31に記載の方法。
154.前記イオン塩が、NaCl、塩化リチウム、リン酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、塩化アンモニウム、硫化アンモニウム、リン酸アンモニウム、KI、及びKClからなる群から選択される、実施形態113に記載の方法。
155.前記塩濃度勾配がCV当たり約10〜約12.5mMである、実施形態118に記載の方法。
156.PEG化タンパク質アイソフォームを回収するための方法であって、前記方法が、
(a)キャピラリー電気泳動(CE)、ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)、イオン交換(IEX)クロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)、陰イオン交換(AEX)クロマトグラフィー、陽イオン交換(CEX)クロマトグラフィー、逆相高速液体クロマトグラフィー(RPHPLC)、サイズ排除高速液体クロマトグラフィー(SEHPLC)、アフィニティクロマトグラフィー、及びこれらの組合せからなる群から選択される技法によって、前記PEG化タンパク質アイソフォームを分離及び回収するステップを含む方法。
157.前記技法がRPHPLC又はCEである、実施形態140に記載の方法。
158.前記アイソフォーム及び前記凝集体の合計重量を有するPEG化成長ホルモンアンタゴニストアイソフォームの、凝集レベルを低下させるための方法であって、前記方法が、
(a)前記PEG化成長ホルモンアンタゴニストアイソフォームを与えるステップ、及び
(b)前記凝集の前記レベルを、前記合計重量に対して約6重量%以下に低下させるのに充分な条件下において、陰イオン交換クロマトグラフィーによって陰イオン交換(AEX)樹脂上で、前記PEG化成長ホルモンアンタゴニストアイソフォームを分離するステップを含む方法。
159.前記条件が、前記凝集の前記レベルを、前記合計重量に対して約5重量%以下に低下させるのに充分である、実施形態158に記載の方法。
160.前記条件が、前記凝集の前記レベルを、前記合計重量に対して約4重量%以下に低下させるのに充分である、実施形態158に記載の方法。
161.前記条件が、前記凝集の前記レベルを、前記合計重量に対して約3重量%以下に低下させるのに充分である、実施形態158に記載の方法。
162.前記条件が、前記凝集の前記レベルを、前記合計重量に対して約2重量%以下に低下させるのに充分である、実施形態158に記載の方法。
163.前記条件が、前記凝集の前記レベルを、前記合計重量に対して約1重量%以下に低下させるのに充分である、実施形態158に記載の方法。
164.前記アイソフォーム、前記不純物及び前記凝集体の合計重量を有するPEG化成長ホルモンアンタゴニストアイソフォームの、任意のトリスルフィド不純物、任意の脱phe不純物及び任意の凝集体の、全体の合計レベルを低下させるための方法であって、前記方法が、
(a)前記PEG化成長ホルモンアンタゴニストアイソフォームを与えるステップ、及び
(b)任意の前記トリスルフィド不純物、任意の前記脱phe不純物、及び任意の前記凝集体の前記合計レベルを、前記合計重量に対して約15重量%以下に低下させるのに充分な条件下において、陰イオン交換クロマトグラフィーによって陰イオン交換(AEX)樹脂上で、前記PEG化成長ホルモンアンタゴニストアイソフォームを分離するステップを含む方法。
165.前記条件が、任意の前記トリスルフィド不純物、任意の前記脱phe不純物、及び任意の前記凝集体の前記合計レベルを、前記合計重量に対して約12重量%以下に低下させるのに充分である、実施形態164に記載の方法。
166.前記条件が、任意の前記トリスルフィド不純物、任意の前記脱phe不純物、及び任意の前記凝集体の前記合計レベルを、前記合計重量に対して約10重量%以下に低下させるのに充分である、実施形態164に記載の方法。
167.前記条件が、任意の前記トリスルフィド不純物、任意の前記脱phe不純物、及び任意の前記凝集体の前記合計レベルを、前記合計重量に対して約9重量%以下に低下させるのに充分である、実施形態164に記載の方法。
168.前記条件が、任意の前記トリスルフィド不純物、任意の前記脱phe不純物、及び任意の前記凝集体の前記合計レベルを、前記合計重量に対して約8重量%以下に低下させるのに充分である、実施形態164に記載の方法。
169.前記条件が、任意の前記トリスルフィド不純物、任意の前記脱phe不純物、及び任意の前記凝集体の前記合計レベルを、前記合計重量に対して約7重量%以下に低下させるのに充分である、実施形態164に記載の方法。
170.前記条件が、任意の前記トリスルフィド不純物、任意の前記脱phe不純物、及び任意の前記凝集体の前記合計レベルを、前記合計重量に対して約6重量%以下に低下させるのに充分である、実施形態164に記載の方法。
171.前記条件が、任意の前記トリスルフィド不純物、任意の前記脱phe不純物、及び任意の前記凝集体の前記合計レベルを、前記合計重量に対して約5重量%以下に低下させるのに充分である、実施形態164に記載の方法。
172.前記条件が、任意の前記トリスルフィド不純物、任意の前記脱phe不純物、及び任意の前記凝集体の前記合計レベルを、前記合計重量に対して約4重量%以下に低下させるのに充分である、実施形態164に記載の方法。
173.前記条件が、任意の前記トリスルフィド不純物、任意の前記脱phe不純物、及び任意の前記凝集体の前記合計レベルを、前記合計重量に対して約3重量%以下に低下させるのに充分である、実施形態164に記載の方法。
174.前記条件が、任意の前記トリスルフィド不純物、任意の前記脱phe不純物、及び任意の前記凝集体の前記合計レベルを、前記合計重量に対して約2重量%以下に低下させるのに充分である、実施形態164に記載の方法。
175.前記条件が、任意の前記トリスルフィド不純物、任意の前記脱phe不純物、及び任意の前記凝集体の前記合計レベルを、前記合計重量に対して約1重量%以下に低下させるのに充分である、実施形態164に記載の方法。
176.前記成長ホルモンアンタゴニストがB−2036PEGであり、前記B−2036PEGが、配列番号1のB−2036の成長ホルモンアンタゴニストのポリペプチド骨格を含む、実施形態134に記載の方法。
177.前記成長ホルモンが、配列番号2のPEG化形のポリペプチドである、実施形態134に記載の方法。
178.前記支持体物質が約10〜約500μmの直径を有する、実施形態137に記載の方法。
179.前記直径が90μmの平均値を有する、実施形態178に記載の方法。
180.PEG化タンパク質アイソフォームを回収するための方法であって、
(a)前記PEG化タンパク質アイソフォームを選択したアイソフォームに分離するステップ、及び
(b)前記選択したアイソフォームを合わせて、前記選択したアイソフォームのより多くの回収をもたらすステップを含む方法。
181.前記選択したアイソフォームが、約70重量%以上である、((PEG−4+PEG−5+PEG−6の第一の重量)/(より多くの前記回収物中に存在する任意のPEG−1+PEG−2+PEG−3+PEG−4+PEG−5+PEG−6+PEG−7+PEG−8+PEG−9の第二の重量))の回収重量比を有する、PEG−4、PEG−5及びPEG−6である、実施形態180に記載の方法。
182.前記回収重量比が約75重量%以上である、実施形態181に記載の方法。
183.前記回収重量比が約80重量%以上である、実施形態181に記載の方法。
184.前記回収重量比が約85重量%以上である、実施形態181に記載の方法。
185.前記回収重量比が約90重量%以上である、実施形態181に記載の方法。
186.前記回収重量比が約94重量%以上である、実施形態181に記載の方法。
187.前記回収重量比が約95重量%以上である、実施形態181に記載の方法。
188.前記回収重量比が約96重量%以上である、実施形態181に記載の方法。
189.前記回収重量比が約97重量%以上である、実施形態181に記載の方法。
190.前記回収重量比が約98重量%以上である、実施形態181に記載の方法。
191.前記回収重量比が約99重量%以上である、実施形態181に記載の方法。
192.前記回収重量比が約99.5重量%以上である、実施形態181に記載の方法。
193.前記回収重量比が約99.9重量%以上である、実施形態181に記載の方法。
194.前記選択したアイソフォームが、1つ又は複数のPEG−1、PEG−2、PEG−3、PEG−4、PEG−5、PEG−6、PEG−7、PEG−8、及びPEG−9である、実施形態180に記載の方法。
195.前記選択したアイソフォームが、1つ又は複数のPEG−2、PEG−3、PEG−4、PEG−5、PEG−6、PEG−7、PEG−8、及びPEG−9である、実施形態180に記載の方法。
196.前記選択したアイソフォームが、1つ又は複数のPEG−3、PEG−4、PEG−5、PEG−6、PEG−7、PEG−8、及びPEG−9である、実施形態180に記載の方法。
197.前記選択したアイソフォームが、1つ又は複数のPEG−4、PEG−5、PEG−6、PEG−7、PEG−8、及びPEG−9である、実施形態180に記載の方法。
198.前記選択したアイソフォームが、1つ又は複数のPEG−4、PEG−5、PEG−6、PEG−7、及びPEG−8である、実施形態180に記載の方法。
199.前記選択したアイソフォームが、1つ又は複数のPEG−4、PEG−5、PEG−6、及びPEG−7である、実施形態180に記載の方法。
200.前記選択したアイソフォームが、1つ又は複数のPEG−4、PEG−5、及びPEG−6である、実施形態180に記載の方法。
201.前記選択したアイソフォームが、1つ又は複数のPEG−4及びPEG−5である、実施形態180に記載の方法。
202.前記選択したアイソフォームが、1つ又は複数のPEG−5、及びPEG−6である、実施形態180に記載の方法。
203.前記選択したアイソフォームが、1つ又は複数のPEG−4及びPEG−6である、実施形態180に記載の方法。
204.少なくとも2つのPEG化タンパク質アイソフォームの混合物から、選択したPEG化タンパク質アイソフォームを得るための方法であって、
(a)前記混合物から前記選択したPEG化タンパク質アイソフォームを分離するステップを含む方法。
205.出発組成物から濃化組成物を調製するための方法であって、前記出発組成物が非PEG化B−2036、及びPEG−1、PEG−2、PEG−3、PEG−4、PEG−5、PEG−6、PEG−7、PEG−8、及びPEG−9からなる群から選択される、1つ又は複数のPEG化アイソフォームのB−2036を含み、
(a)前記出発組成物を複数の分画に分離するステップであって、少なくとも1つの分画中の、PEG−4、PEG−5、及びPEG−6アイソフォームと、非PEG化B−2036及びPEG化B−2036アイソフォーム全体の第一の分画重量比が、少なくとも1つの他の分画中の、PEG−4、PEG−5、及びPEG−6アイソフォームと、非PEG化B−2036及びPEG化B−2036アイソフォーム全体の第二の分画重量比と異なるステップ、
(b)それぞれの分画の残りの、或いは分画をサンプル採取する際に、PEG−4、PEG−5、及びPEG−6アイソフォームと、非PEG化B−2036及びPEG化B−2036アイソフォーム全体の重量比を決定するステップ、及び
(c)前記分画のすべてより少ない分画を選択的に組み合わせて前記濃化組成物を生成させるステップであって、PEG−4、PEG−5、及びPEG−6アイソフォームと、非PEG化B−2036及びPEG化B−2036アイソフォーム全体の濃化分画の重量比が、前記出発組成物中より前記濃化組成物中で大きいステップを含む方法。
【0169】
本出願中のすべての数値及び同定した分子は例示的なものであり、特許請求の範囲を限定しようとするものではない。以下の事項は例として示すものであり、本発明の範囲を限定しようとするものではない。本出願中に引用した、本、雑誌、雑誌記事、特許、又は任意の他の刊行物などに対するすべての引用は、あらゆる目的でその全体が参照によって、本明細書に明確に組み込まれている。
(実施例)
【実施例1】
【0170】
陰イオン交換クロマトグラフィーによる、PEG化成長ホルモンアンタゴニスト(B−2036−PEG)の凝集のレベルの維持又は低下
B−2036PEGの凝集レベルの、維持(望ましいレベル未満、例えば合計重量の6重量%以下)又は低下は、米国特許商標庁に2003年8月25日に出願された、「低レベルのアイソフォーム不純物を有する、成長ホルモン及びそのアンタゴニストを生成するための方法(Method for the Production Of Growth Hormone And Antagonist Thereof Having Lower Levels Of Isoform Impurities Thereof)」という表題の米国特許非仮出願第P−107,891号中に示されたのと同様に調製した出発物質として、BI(大量の中間体B−2036)を使用することによって行った。組換え大腸菌発現系における、(B−2036を生成するための)発酵は、Cunningham他により、米国特許第5,849,535号中に記載されたのと同様に行った。B−2036BIの精製は、前述の米国特許非仮出願(P−107,891)によって記載されたのと同様に行った。次いでこの物質を、以下のフローチャート1に示す、最初のPEG化及び疎水性相互作用クロマトグラフィーステップを使用することによって処理して、B−2036PEGを生成した。疎水性相互作用クロマトグラフィー(ステップ2)の後、B−2036PEGを、pH7、25mMのTRISバッファー中のUF/DFに供した(pH4の酢酸ナトリウムバッファーの代わりに、実施例2、ステップ3、フローチャート2のプロセスと同様に)。次いで滞留物を、QセファロースFFカラム強陰イオン交換クロマトグラフィーに供した。このステップは、PEG化した数種を回収用の分画に別々に分離して、API放出に必要なPEG化種の分布を得る。このカラムは、PEG化BI(B−2036PEG)のPEG−4、PEG−5及びPEG−6生成物を濃化する。平衡化ステップ、及び25mMのTris、pH7.0による2CVの洗浄の後に、20CVの直線勾配、0〜250mMのNaCl、25mMのTris、pH7.0中によって、生成物を溶出させる。分画の分析は、実施例2、フローチャート2に示すのと同様に、SDS−PAGEではなくCEを使用して行う。同一事項に関する前の考察を参照のこと。ペグビソマント(Somavert(登録商標);Pharmacia)は、≧75%PEG4+5+6(第一の分画)及び≧94%PEG4+5+6(最終分画)及び≧0.5mg/mLの回収基準でCEによって分析した、分画からの回収物としてクロマトグラフィープロフィールから回収する。次いで得られた生成物を、フローチャート1に記載するのと同様に、B−2036PEG精製プロセスの残りを供した。分画の選択及び回収の後、SEHPLCによる回収した物質及び最終APIの分析を行ったところ、検出可能な凝集は示されなかった。同じことを示す以下の表1を参照のこと。
【表2−1】


【表2−2】


【表2−3】


【表2−4】

【0171】
以下のデータは、前述の実施例1の手順を使用して得た。
【表3−1】


【表3−2】

【実施例2】
【0172】
B−2036PEGのS−セファロースFF凝集(陽イオン交換クロマトグラフィー樹脂)に対する、添加剤の影響を評価するための小規模手順
15mlの遠心分離チューブに、1.5mlのS−セファロースFF樹脂(沈殿層容量)を加えた。添加剤の1%溶液10mlで2回洗浄して、25mM酢酸ナトリウム、pH4中で評価を行うことによって、この樹脂をタンパク質結合用に調製した。それぞれの洗浄の後、(遠心分離によって)上清を回収し、デカントし捨てた。この洗浄した樹脂ペレットに、25mM酢酸ナトリウム、pH4中で評価しようとする添加剤の1%溶液2.5mlを加え、(フローチャート2、ステップ1〜3の方法によって調製した)ステップ3からの約5mgのB2036PEGを含む一定量のUF/DF滞留物を加えた。次いで樹脂を溶液中に再懸濁させ、2〜24時間軽く混合しながらインキュベートした。インキュベート後、溶液を遠心分離にかけ、上清をデカントし捨てた。次いでB−2036PEGを、25mM酢酸ナトリウム、pH4及び0.25mlの2.5M塩化ナトリウム中で評価するための、添加剤の1%溶液2.5mlを樹脂ペレットに加えることによって、樹脂から溶出させた。生成した溶液中の樹脂を再懸濁させ、20分間軽く混合しながらインキュベートした。インキュベート後、遠心分離によって上清を保持し、サイズ排除クロマトグラフィー(例えばSEHPLC(サイズ排除HPLC)による分析用にデカントした。次いで、使用した樹脂ペレットを捨てる。陽イオン交換クロマトグラフィー樹脂を使用して評価するために、それぞれの添加剤に関して前述の手順を繰り返して、凝集体形成が排除されたか或いは充分低下したかどうかを判定した。この前述の手順を使用して、以下の表2の結果を得た。表2に反映されるように、陽イオン樹脂を使用して試験した添加剤は、陰イオン樹脂が形成される凝集体のレベルを低下させたほどうまくいかなかった。
【表4−1】


【表4−2】


【表4−3】


【表4−4】


【表5】

【実施例3】
【0173】
RPHPLC分析技法
ここでRPHPLCを使用して、ペグビソマントの陰イオン交換精製からのQ−セファロースカラム分画中に見られるPEG化種(例えばPEG−4、PEG−5、及びPEG−6)の割合を調べて定量化する。
【0174】
25μLのそれぞれのQ−セファロース(陰イオン交換ステップ、前の実施例1参照)分画(0.5〜1.3mg/mLの範囲のタンパク質濃度)を、Zorbax300SB−CNカラム(4.6mm×150mm;3.5μm;パーツ番号863973〜905;シリアル番号USMJ001205)に供する。移動相Aは0.1%トリフルオロ酢酸であり、移動相Bは0.085%トリフルオロ酢酸をアセトニトリルに溶解させたものからなる。周囲温度において流速1.0mL/1分で20分間の、バッファーB40〜50パーセントの直線勾配を、ペグビソマントの各種PEG化形を分離するために使用する。214nmでの吸光度を調べる。
【0175】
以下の図2〜4に示すように、RPHPLCによって得られた結果は、キャピラリー電気泳動(CE)によって導かれた結果とほぼ同じである。さらに、CE分析技法の代表的手順に関する、以下の実施例4を参照のこと。
【表6】


【表7】


【表8】


【表9】


【表10】

【実施例4】
【0176】
CE分析技法
Q−セファロース分画を、以下のようにキャピラリー電気泳動によって分析した。50μmの内径及び37cmの有効長を有するキャピラリーを、1.0NのNaOHで10分間20psiの圧力において洗浄し、次に泳動バッファーで20分間洗浄することによって、調整した。泳動バッファー、40mMのリン酸、4mg/mLのO’O−ビス(2−アミノプロピル)ポリエチレングリコール、0.1mg/mLのポリエチレンオキシド、pH1.9〜2.0を、10×ストック溶液から調製し、0.22μmのフィルターで濾過して、キャピラリー中の詰りを引き起こす可能性がある粒子を除去した。
【0177】
サンプルを室温まで温めて、サンプルの希釈バッファー(40mMのリン酸、4mg/mLのO’O−ビス(2−アミノプロピル)ポリエチレングリコール、pH1.9〜2.2)又は泳動バッファーと接触した際の凝集体形成を防いだ。0.5mg/mL未満であったサンプルは分析しなかった。0.5mg/mL以上であったサンプルは希釈せずに注入し、一方2.0mg/mLを超える濃度を有していたサンプルは、サンプルの希釈バッファーを使用して2.0mg/mLに希釈した。10〜60秒間0.5psiの圧力を使用して、サンプルをキャピラリー中に注入した。サンプル注入の後に、泳動バッファーを0.5psiで3秒間注入して、サンプルを濃縮した。サンプルは25分間30kVにおいて最低30℃で分離し、214nmで検出した。キャピラリーは、それぞれの後のサンプル注入の前に、0.1NのNaOHで少なくとも1分間20psiにおいて、及び泳動バッファーで2分間洗浄して、滞留サンプルをキャピラリー壁から除去した。サンプル保存温度は25〜30℃に保った。
【0178】
その結果の電気泳動図を、隣接するピーク間の最下点のピークを分けることによってまとめて、補正領域の割合を計算した。
【0179】
前述の手順、及びステップ4、フローチャート1、実施例1の開示を使用すると、CEにより得られる結果は、前の図2〜4中に示される結果である。
【実施例5】
【0180】
最初の回収例
Q−セファロース分画を、以下のようにCEによって分析した。50μmの内径及び37cmの有効長を有するキャピラリーを、1.0NのNaOHで10分間20psiの圧力において洗浄し、次に泳動バッファーで20分間洗浄することによって、調整した。泳動バッファー、40mMのリン酸、4mg/mLのO’O−ビス(2−アミノプロピル)ポリエチレングリコール、0.1mg/mLのポリエチレンオキシド、pH1.9〜2.0を、10×ストック溶液から調製し、0.22μmのフィルターで濾過して、キャピラリー中の詰りを引き起こす可能性がある粒子を除去した。
【0181】
サンプルを室温まで温めて、サンプルの希釈バッファー(40mMのリン酸、4mg/mLのO’O−ビス(2−アミノプロピル)ポリエチレングリコール、pH1.9〜2.2)又は泳動バッファーと接触するときの、凝集体形成を防いだ。0.5mg/mL未満であったサンプルは分析しなかった。0.5mg/mL以上であったサンプルは希釈せずに注入し、一方2.0mg/mLを超える濃度を有していたサンプルは、サンプルの希釈バッファーを使用して2.0mg/mLに希釈した。10〜60秒間0.5psiの圧力を使用して、サンプルをキャピラリー中に注入した。サンプル注入の後に、泳動バッファーを0.5psiで3秒間注入して、サンプルを濃縮した。サンプルは25分間30kVにおいて最低30℃で分離し、214nmで検出した。キャピラリーは、それぞれの後のサンプル注入の前に、0.1NのNaOHで少なくとも1分間20psiにおいて、及び泳動バッファーで2分間洗浄して、任意の滞留サンプルをキャピラリー壁から除去した。サンプル保存温度は25〜30℃に保った。
【0182】
その結果の電気泳動図を、隣接するピーク間の最下点のピークを分けることによってまとめて、補正領域の割合を計算した。
【0183】
前述の手順、及びステップ4、フローチャート1、実施例1の開示を使用して、CEにより得られる結果は、以下の表5a中に示される結果である。一群の濃化したPEG化アイソフォームを、回収分画として認められる基準を使用することによって調製し、≧74%PEG4+5+6(第一の分画)及び≧94%PEG4+5+6(最終分画)及び≧0.5mg/mLの組成で、CEによってこれらの分画を分析した。分画6〜25(以下の表5a)を選択し、これらの基準を使用して回収物と合わせた。UF/DF#3出発物質及び組み合わせた回収分画は、前述のようにCE分析に供した。分画を選択し回収した後、回収した物質を分析することによって、PEG−4、PEG−5及びPEG−6アイソフォームの濃化が示される。以下に同様のことを示す、表5bを参照のこと。
【表11】


【表12】

【実施例6】
【0184】
第二の回収例
Q−セファロース分画を、以下のようにCEによって分析した。50μmの内径及び37cmの有効長を有するキャピラリーを、1.0NのNaOHで10分間20psiの圧力において洗浄し、次に泳動バッファーで20分間洗浄することによって調整した。泳動バッファー、40mMのリン酸、4mg/mLのO’O−ビス(2−アミノプロピル)ポリエチレングリコール、0.1mg/mLのポリエチレンオキシド、pH1.9〜2.0を、10×ストック溶液から調製し、0.22μmのフィルターで濾過して、キャピラリー中の詰りを引き起こす可能性がある粒子を除去した。
【0185】
サンプルを室温まで温めて、サンプルの希釈バッファー(40mMのリン酸、4mg/mLのO’O−ビス(2−アミノプロピル)ポリエチレングリコール、pH1.9〜2.2)又は泳動バッファーと接触するときの、凝集体形成を防いだ。0.5mg/mL未満であったサンプルは分析しなかった。0.5mg/mL以上であったサンプルは希釈せずに注入し、一方2.0mg/mLを超える濃度を有していたサンプルは、サンプルの希釈バッファーを使用して2.0mg/mLに希釈した。10〜60秒間0.5psiの圧力を使用して、サンプルをキャピラリー中に注入した。サンプル注入の後に、泳動バッファーを0.5psiで3秒間注入して、サンプルを濃縮した。サンプルは25分間30kVにおいて最小30℃で分離し、214nmで検出した。キャピラリーは、それぞれの後のサンプル注入の前に、0.1NのNaOHで少なくとも1分間20psiにおいて、及び泳動バッファーで2分間洗浄して、任意の滞留サンプルをキャピラリー壁から除去した。サンプル保存温度は、25〜30℃に保った。
【0186】
その結果の電気泳動図を、隣接するピーク間の最下点のピークを分けることによってまとめて、補正領域の割合を計算した。
【0187】
前述の手順、及びステップ4、フローチャート1、実施例1の開示を使用すると、CEにより得られる結果は、以下の表6a中に示される結果である。一群の濃化したPEG化アイソフォームを、回収分画として認められる基準を使用することによって調製し、≧75%PEG4+5+6(第一の分画)及び≧94%PEG4+5+6(最終分画)及び≧0.5mg/mLの組成で、CEによってこれらの分画を分析した。分画3〜20(以下の表6a)を選択し、これらの基準を使用して回収物と合わせた。UF/DF#3出発物質(HIC回収物として測定したもの)及び合わせた回収分画は、前述のようにCE分析に施した。分画を選択し回収した後、回収した物質を分析することによって、PEG−4、PEG−5及びPEG−6アイソフォームの濃化が示される。以下に同様のことを示す、表6bを参照のこと。
【表13】


【表14】

【0188】
前述の記載は組換えB−2036及び組換えB−2036PEGに関するものであるが、特に明示しない限り、本発明の主題は、任意の組換えPEG化成長ホルモンアゴニスト、組換えPEG化成長ホルモンアンタゴニスト、(それは、哺乳動物成長ホルモン又はそのアンタゴニストであっても、PEG化ヒト成長ホルモン又はそのアンタゴニストであっても、PEG化ウシ成長ホルモン又はそのアンタゴニストであってもよい)、任意のPEG化タンパク質、任意のPEG化ホルモン、任意のPEG化抗体(又は断片)などと共に使用することができることは理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0189】
【図1A】配列番号1に対応するB−2036のアミノ酸配列を示す図である。図1A中の星印(*)は、PEG単位とB−2036のそれぞれの分子の、共有結合の可能性のある9個の部位を示す。9個の可能性のある部位が同定されるが、9個の部位すべてが、PEG単位と共有結合する必要はないことを記す。B−2036分子当たり4〜6個のPEG単位が存在することが好ましい。
【図1B】その望ましい形(「元のGHA」と示す)と比較した、B−2036のトリスルフィドアイソフォーム不純物(「トリスルフィド(+32amu)」と示す)の構造を示す図である。
【図2】キャピラリー電気泳動及び逆相HPLCによって測定した、Q−セファロースFF分画7〜18中に見られたB−2036PEG4種の割合(%)の、グラフによる比較を示す図である。
【図3】キャピラリー電気泳動及び逆相HPLCによって測定した、Q−セファロースFF分画7〜18中に見られたB−2036PEG5種の割合(%)の、グラフによる比較を示す図である。
【図4】キャピラリー電気泳動及び逆相HPLCによって測定した、Q−セファロースFF分画7〜18中に見られたB−2036PEG6種の割合(%)の、グラフによる比較を示す図である。
【配列表】




【特許請求の範囲】
【請求項1】
PEG化タンパク質アイソフォームの凝集のレベルを低下させるための方法であって、
(a)前記PEG化タンパク質アイソフォームを用意するステップ、及び
(b)前記凝集の前記レベルを低下させるのに充分な条件下において、陰イオン交換樹脂を使用する陰イオン交換クロマトグラフィーによって、前記PEG化タンパク質アイソフォームを分離するステップを含む方法。
【請求項2】
前記ステップ(b)が、その任意の不純物及び任意の凝集体を含む前記PEG化タンパク質を前記陰イオン交換(AEX)樹脂に充填して、充填PEG化タンパク質を与えるステップ(b1)をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記AEX樹脂が、ANX4、DEAF、Q−セファロース、Q−セファロースFF、QセファロースHP、及びQ−セファロースXLからなる群から選択される、請求項31に記載の方法。
【請求項4】
前記ステップ(b1)を、約10mS/cm以下のAEX充填伝導度で行う、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記ステップ(b1)を、約5〜約10のAEX充填pHで行う、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記ステップ(b1)を、AEX樹脂の充填層容量1L当たりタンパク質約10g以下の、任意の不純物又は前記凝集体を含むPEG化タンパク質のAEX充填で行う、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記PEG化タンパク質が、1つ又は複数の前記PEG化タンパク質アイソフォームPEG−1、PEG−2、PEG−3、PEG−4、PEG−5、PEG−6、PEG−7、PEG−8、及びPEG−9、並びにその任意の凝集体、トリスルフィド不純物及び脱phe不純物、並びに前記タンパク質の任意の非PEG化不純物、並びに任意の遊離PEG分子を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
キャピラリー電気泳動(CE)、ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)、イオン交換(IEX)クロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)、陰イオン交換(AEX)クロマトグラフィー、陽イオン交換(CEX)クロマトグラフィー、逆相高速液体クロマトグラフィー(RPHPLC)、サイズ排除高圧液体クロマトグラフィー(SEHPLC)、アフィニティクロマトグラフィー(AC)、及びこれらの組合せからなる群から選択される技法によって、個別量の前記PEG化タンパク質アイソフォームを回収して回収PEG化タンパク質を得る、回収ステップ(c)をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記回収PEG化タンパク質が、1つ又は複数のPEG−1、PEG−2、PEG−3、PEG−4、PEG−5、PEG−6、PEG−7、PEG−8、及びPEG−9を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
PEG−4、PEG−5及びPEG−6の回収PEG化タンパク質分画が、前記PEG−1、PEG−2、PEG−3、PEG−4、PEG−5、PEG−6、PEG−7、PEG−8、及びPEG−9のPEG化タンパク質アイソフォーム及びその任意の凝集体の合計重量に対して少なくとも約70重量%を構成する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記凝集の前記レベルが、前記アイソフォーム及び前記凝集体の合計重量に対して約10重量%以下である、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
PEG化タンパク質アイソフォームを回収するための方法であって、
(a)キャピラリー電気泳動(CE)、ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)、イオン交換(IEX)クロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)、陰イオン交換(AEX)クロマトグラフィー、陽イオン交換(CEX)クロマトグラフィー、逆相高圧液体クロマトグラフィー(RPHPLC)、サイズ排除高圧液体クロマトグラフィー(SEHPLC)、アフィニティクロマトグラフィー、及びこれらの組合せからなる群から選択される技法によって、前記PEG化タンパク質アイソフォームを分離及び回収するステップを含む方法。
【請求項13】
PEG化成長ホルモンアンタゴニストアイソフォーム及びその凝集体の合計重量を有する前記PEG化成長ホルモンアンタゴニストアイソフォームの凝集のレベルを低下させるための方法であって、
(a)前記PEG化成長ホルモンアンタゴニストアイソフォームを用意するステップ、及び
(b)前記凝集の前記レベルを前記合計重量に対して約6重量%以下に低下させるのに充分な条件下において、陰イオン交換クロマトグラフィーによって陰イオン交換(AEX)樹脂上で、前記PEG化成長ホルモンアンタゴニストアイソフォームを分離するステップを含む方法。
【請求項14】
PEG化成長ホルモンアンタゴニストアイソフォーム、その不純物及び凝集体の合計重量を有する前記PEG化成長ホルモンアンタゴニストアイソフォームの任意のトリスルフィド不純物、任意の脱phe不純物及び任意の凝集体の、全体の合計レベルを低下させるための方法であって、
(a)前記PEG化成長ホルモンアンタゴニストアイソフォームを用意するステップ、及び
(b)任意の前記トリスルフィド不純物、任意の前記脱phe不純物、及び任意の前記凝集体の前記合計レベルを、前記合計重量に対して約15重量%以下に低下させるのに充分な条件下において、陰イオン交換クロマトグラフィーによって陰イオン交換(AEX)樹脂上で前記PEG化成長ホルモンアンタゴニストアイソフォームを分離するステップを含む方法。
【請求項15】
PEG化タンパク質アイソフォームを回収するための方法であって、
(a)前記PEG化タンパク質アイソフォームを選択したアイソフォームに分離するステップ、及び
(b)前記選択したアイソフォームを合わせて、前記選択したアイソフォームの濃化回収物を得るステップを含む方法。

【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2006−516021(P2006−516021A)
【公表日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−538262(P2004−538262)
【出願日】平成15年9月22日(2003.9.22)
【国際出願番号】PCT/US2003/029546
【国際公開番号】WO2004/026251
【国際公開日】平成16年4月1日(2004.4.1)
【出願人】(504353811)ファルマシア コーポレイション (3)
【Fターム(参考)】