説明

PIPD快適布帛およびそれから作られた物品

本発明は、ステープルファイバーの均質混合物を含んでなる、服飾品および被服で有用な布帛に関し、繊維配合物は、20dl/gを超える固有粘度および120GPa(820gpd)を超える引張り弾性率を有する55〜95重量部のポリピリドビスイミダゾール繊維と、10GPa(70gpd)未満の引張り弾性率を有する5〜45重量部の可撓性繊維とを含んでなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高弾性率の硬質棒状ポリピリドビスイミダゾール繊維と低弾性率可撓性繊維とのステープルファイバーの均質混合物から作られた布帛、およびそれから作られた物品に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリピリドビスイミダゾールポリマーは、硬質棒状ポリマーである。そのポリマー組成物の1つがPIPDと称され、M5(登録商標)繊維を作るのに使用されるポリマーとして知られている、このポリマーから作られた繊維は、切断抵抗性および耐炎性の双方の防護服において有用であることが知られている。例えば特許文献1および特許文献2を参照されたい。例えばポリピリドビスイミダゾールなどのポリマー鎖間に強力な水素結合を有する強固な棒状ポリマー繊維については、シッケマ(Sikkema)らに付与された特許文献3で記載されている。ポリピリドビスイミダゾールの例としては、ポリ(1,4−(2,5−ジヒドロキシ)フェニレン−2,6−ピリド[2,3−d:5,6−d’]ビスイミダゾール)が挙げられ、それはポリリン酸中のテトラアミノピリジンと2,5−ジヒドロキシテレフタル酸との縮重合によって調製できる。シッケマ(Sikkema)では、繊維、フィルム、テープなどの一次元または二次元物体を作るにあたり、ポリピリドビスイミダゾールが、25℃においてメタンスルホン酸中0.25g/dlのポリマー濃度で測定した際に、少なくとも約3.5、好ましくは少なくとも約5、およびより詳しくは約10以上の相対粘度(「Vrel」または「ηrel」)に相当する高分子量を有することが望ましいと記載されている。シッケマ(Sikkema)はまた、約12を超える相対粘度を有するポリ[ピリドビスイミダゾール−2,6−ジイル(2,5−ジヒドロキシ−p−フェニレン)]で非常に良好な繊維紡績結果が得られ、50を超える相対粘度(約15.6dl/gを超える固有粘度に相当する)が達成できることも開示する。
【0003】
【特許文献1】国際公開第199902169号パンフレット
【特許文献2】国際公開第2005002376号パンフレット
【特許文献3】米国特許第5,674,969号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
熱防護服および難燃性防護服は、救命のためおよび火災その他の熱イベントにより引き起こされる傷害を減少させるために、消防士、救急救命士、軍隊構成員、およびレース要員、ならびに産業労働者によって使用されている。ポリピリドビスイミダゾール繊維は、多くの点でその他のほとんどの繊維を上回る優れた耐火特性を有するが、それはまた、高弾性係数も有する。このような高弾性率繊維は、繊維を反映する布帛を作り出す、すなわちこれらの布帛もまた高弾性率を有し、または比較的堅くて着心地が悪いかもしれないという懸念がある。しかしさらに多くの人命救助ができるように、布帛にポリピリドビスイミダゾール繊維の優れた耐火性を組み込むことが望ましい。したがって快適でなおも適切な防火性能の双方を提供するポリピリドビスイミダゾールを含有する布帛に対する必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様では本発明は、20dl/gを超える固有粘度および120GPa(820gpd)を超える引張り弾性率を有するポリピリドビスイミダゾール繊維と、10GPa(70gpd)未満の引張り弾性率を有する可撓性繊維との均質混合物を含んでなる、服飾品および被服で有用な布帛に関する。いくつかの実施態様では、配合物は、20dl/gを超える固有粘度を有する55〜95重量部のポリピリドビスイミダゾール繊維と、10GPa(70gpd)未満の引張り弾性率を有する5〜45重量部の可撓性繊維とを含んでなる。特定の実施態様では、繊維配合物は60〜80重量部のポリピリドビスイミダゾールを有する。
【0006】
本発明のいくつかの実施態様では、ポリピリドビスイミダゾールおよび可撓性繊維はステープルファイバーである。
【0007】
本発明のいくつかの実施態様では、可撓性繊維は24を超える限界酸素指数を有する。本発明のいくつかの実施態様では、可撓性繊維はアラミドポリマーまたはポリビベンゾイミダゾールポリマーから作られる。いくつかの実施態様では、可撓性繊維は難燃性化学処理剤を含む。いくつかの実施態様では、可撓性繊維は熱可塑性ポリマーから作られる。いくつかの実施態様では可撓性繊維は天然繊維である。
【0008】
ポリピリドビスイミダゾール繊維は、少なくとも20dl/gの固有粘度を有してもよい。特定の繊維は少なくとも25dl/gまたは少なくとも28dl/gの固有粘度を有する。いくつかの実施態様では、ポリピリドビスイミダゾール繊維はポリピリドビスイミダゾール繊維である。1つの適切なポリピリドイミダゾール繊維は、ポリ[2,6−ジイミダゾ[4,5−b:4,5−e]−ピリジニレン−1,4(2,5−ジヒドロキシ)フェニレン)繊維である。
【0009】
本発明のいくつかの布帛は、織布/メリヤスの形態である。なおも別の布帛は不織布の形態である。
【0010】
本発明はまた、本発明の耐炎性布帛を使用した防護物品および防護服に向けたものである。
【0011】
さらに別の態様では、本発明は、20dl/gを超える固有粘度および120GPa(820gpd)を超える引張り弾性率を有する55〜95重量部のポリピリドビスイミダゾール繊維と、10GPa(70gpd)未満の引張り弾性率を有する5〜45重量部の可撓性繊維とである、繊維を製織するステップを含んでなる耐炎性布帛の製造方法に関する。本発明のいくつかの好ましい実施態様は、ポリピリドビスイミダゾール繊維が60〜80重量部の量で存在する、耐炎性布帛の製造方法に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明は、本開示の一部を構成する次の例示的で好ましい実施態様の詳細な説明を参照して、より容易に理解され得る。特許請求の範囲は、ここで述べられるおよび/または示される特定の装置、方法、条件またはパラメーターに限定されるものではなく、ここで使用される用語法は、特定の実施態様をあくまでも一例として述べるためのものであり、特許請求される発明を限定することは意図されないものと理解される。また添付の特許請求の範囲を含めて明細書中の用法で、文脈で特に断りのない限り、単数形「a」、「an」、および「the」は、複数形を含み、特定数値への言及は少なくともその特定値を含む。一定範囲の値が表現される場合、別の実施態様は、1つの特定値からおよび/またはその他の特定値までを含む。同様に先行する「約」の使用によって値が近似として表現される場合、特定の値は別の実施態様を形成するものと理解される。全ての範囲は包括的で組み合わせ可能である。
【0013】
本発明は、ステープルファイバーの均質混合物を含んでなる、服飾品および被服で有用な布帛に関し、繊維配合物は20dl/gを超える固有粘度および120GPa(820gpd)を超える引張り弾性率を有する55〜95重量部のポリピリドビスイミダゾール繊維と、10GPa(70gpd)未満の引張り弾性率を有する5〜45重量部の可撓性繊維とを含んでなる。いくつかの好ましい実施態様では、布帛は60〜80重量部のポリピリドビスイミダゾール繊維を含んでなる。
【0014】
ここでの目的では、「繊維」という用語は、長さと、その長さに垂直なその断面積を横切る幅との比率が高い、比較的可撓性で巨視的に均質な本体と定義される。繊維断面はあらゆる形状であることができるが、典型的に丸い。ここで「フィラメント」または「連続フィラメント」という用語は、「繊維」という用語と同義的に使用される。
【0015】
ここでの用法では、「ステープルファイバー」という用語は、所望の長さに切断された繊維、またはフィラメントと比べると、長さとその長さに垂直なその断面積を横切る幅との低い比率を有して天然に存在するか、または自然に有する繊維を指す。長さは約0.1インチから数フィートで変動できる。いくつかの実施態様では、長さは0.1インチ〜約8インチである。人造ステープルファイバーは、綿、羊毛、または梳毛糸紡績機上での加工に適した長さに切断される。
【0016】
ステープルファイバーは、(a)実質的に均一の長さ、(b)可変またはランダムの長さ、または(c)実質的に均一の長さを有するステープルファイバーのサブセットおよび別のサブセット中の異なる長さを有するステープルファイバーを有することができ、共に混合されたサブセット中のステープルファイバーは実質的に均一の分布を形成する。
【0017】
いくつかの実施態様では、適切なステープルファイバーは1〜30cmの長さを有する。短ステープル工程によって作られるステープルファイバーは、1〜6cmの繊維長をもたらす。
【0018】
ステープルファイバーは、あらゆる工程によって作成できる。ステープルファイバーは、連続繊維をけん切して、クリンプとして機能する変形セクションがあるステープルファイバーをもたらして形成できる。ステープルファイバーは、ロータリーカッターまたはギロチン断裁機を使用して連続の直線繊維から切断して直線(すなわちクリンプしていない)ステープルファイバーをもたらすことができ、またはさらに1cmあたり8個のクリンプを超えないクリンプ(または反復する屈曲)頻度でステープルファイバーの長さに沿って、のこ歯形状のクリンプを有するクリンプした連続繊維から切断できる。
【0019】
けん切されたステープルファイバーは、破断ゾーン調節によって制御される平均切断長を有する、繊維のランダム可変質量を作り出す所定の距離である、1つまたはそれ以上の破断ゾーンを有するけん切操作中に、連続フィラメントのトウまたは束を破断して作成できる。
【0020】
本発明のステープルファイバーは、当該技術分野でよく知られている伝統的な長短ステープルリング精紡工程を使用して糸に転換できる。短ステープルでは、3/4インチ〜2−1/4インチ(すなわち1.9〜5.7cm)の綿系紡績繊維長が典型的に使用される。長ステープルでは6−1/2インチ(すなわち16.5cm)までの梳毛糸または紡毛系紡績繊維が典型的に使用される。しかし糸はまた、空気ジェット紡績、オープンエンド紡績、およびステープルファイバーを使用可能な糸に転換する多くのその他のタイプの紡績を使用して紡績してもよいので、リング精紡に限定することは意図されない。
【0021】
けん切されたステープルファイバーは、典型的に長さ7インチ(すなわち17.8cm)以下で、15インチであることができる長さを有し、ステープル工程をトップする伝統的なけん切されたトウを使用して作成できる。例えば国際公開第0077283号パンフレットで述べられる工程を通じて、約20インチ(すなわち51cm)までの最大長を有するステープルファイバーが可能である。糸は、空気ジェットによるフィラメントの絡み合いを使用して、紡績糸への繊維統合によって、1デシテックスあたり3〜7グラムの範囲内である引張り強さを有するように作られたものである。これらの糸は第2の撚りを有してもよく、すなわちそれらを形成後に撚って糸により大きな引張り強さを与えてもよく、その場合、引張り強さは1デニールあたり10〜18グラム(すなわち1dtexあたり9〜17グラム)の範囲であることができる。工程は繊維にある程度のクリンプを与えるので、けん切されたステープルファイバーは常態ではクリンプを必要としない。
【0022】
連続フィラメントという用語は、比較的小さな直径を有して、その長さがステープルファイバーに用いられるものよりも長い、可撓性繊維を指す。連続フィラメント繊維は、当業者によく知られている工程によってマルチフィラメント糸に転換できる。
【0023】
本発明の布帛は、ニットまたは織布または不織構造をはじめとするが、これに限定されるものではない、多数の形態をとることができる。このような布帛形態については、当業者によく知られている。
【0024】
「不織」布帛とは、一方向性(マトリックス樹脂内に含有される場合)、フェルト、繊維バットなどをはじめとする、繊維の網目状組織を意味する。
【0025】
「織」布とは、平織、千鳥綾織、斜子織、朱子織、綾織などのあらゆる布帛の織り方を使用して織られた布帛を意味する。平織および綾織が、業界で使用される最も一般的な織り方と考えられる。
【0026】
本発明はポリピリドビスイミダゾール繊維を利用する。この繊維は高強度の硬質棒状ポリマーである。ポリピリドビスイミダゾール繊維は、少なくとも20dl/gまたは少なくとも25dl/gまたは少なくとも28dl/gの固有粘度を有する。このような繊維としては、PIPD繊維(M5(登録商標)繊維およびポリ[2,6−ジイミダゾ[4,5−b:4,5−e]−ピリジニレン−1,4(2,5−ジヒドロキシ)フェニレンから作られた繊維としても知られている)が挙げられる。PIPD繊維は、次の構造に基づく。
【0027】
【化1】

【0028】
ポリピリドビスイミダゾール繊維は、そのポリベンゾイミダゾール繊維がポリビベンゾイミダゾールである、よく知られている市販されるPBI繊維またはポリベンゾイミダゾール繊維と区別できる。ポリビベンゾイミダゾール繊維は硬質棒状ポリマーでなく、ポリピリドビスイミダゾールと比べると低繊維強度および低引張弾性率を有する。
【0029】
PIPD繊維には、約310GPa(2100グラム/デニール)の平均弾性率、および約5.8GPa(39.6グラム/デニール)までの平均引張り強さを有する可能性があることが報告されている。これらの繊維については、ブルー(Brew)ら、Composites Science and Technology、1999年、59、1109頁;バン・デル・ジャック(Van der Jagt)およびボイカース(Beukers)、Polymer、1999年、40、1035頁;シッケマ(Sikkema)、Polymer、1998年、39、5981頁;クロップ(Klop)およびラマーズ(Lammers)、Polymer、1998年、39、5987頁;ハーゲマン(Hageman)ら、Polymer、1999年、40、1313頁で述べられている。
【0030】
本発明の布帛はまた、少なくとも1つの可撓性繊維を含有する。「可撓性」とは、繊維が、同時に存在する高固有粘度ポリピリドビスイミダゾール繊維よりも顕著により低い引張り弾性率を有することを意味する。特に本発明の実施態様で有用な可撓性繊維は、10GPa(70gpd)未満の引張り弾性率を有する。このような可撓性繊維としては、ポリエステル繊維などの熱可塑性ポリマーから作られた1つ以上の繊維、または天然繊維、レーヨン繊維、セルロース繊維、ハロゲン含有繊維、難燃性繊維、セルロースに由来する繊維、またはこれらの繊維の混合物が挙げられる。
【0031】
本発明のいくつかの実施態様では、可撓性繊維は24を超える限界酸素指数を有する。このような繊維は、難燃性処理剤を有する繊維、本質的に難燃性の材料から作られた繊維であることができ、または高難燃性を有する天然繊維であってもよい。このような繊維としては、FRレーヨン、FRポリエステル、FR PVA(ポリビニルアルコール)、PVC(ポリ塩化ビニル)、FRモダクリルおよびモダクリルが挙げられる。ここで示される限界酸素指数値は、ASTM D2863−00を使用して判定される。
【0032】
本発明の別の実施態様では、可撓性繊維は、芳香族基を有するが、引張り弾性率がより低いポリマーから作ることができる。代表的なポリマーとしては、いくつかのナイロン、芳香族ポリエステルまたはアラミドポリマー、特に典型的に10GPa(70gpd)以下の引張り弾性率を有するメタ−アラミドポリマー、および技術分野でPBI繊維として知られており約7GPa(45gpd)の引張り弾性率を有するポリビベンゾイミダゾールポリマーから作られた繊維が挙げられる。
【0033】
天然セルロース繊維は、典型的に樹木またはその他の植物源からの製紙用パルプに由来する。天然セルロース繊維に加えて、セルロースに由来する人工繊維が本発明で有用である。セルロースに由来する有用な繊維としては、酢酸セルロースおよび三酢酸セルロースが挙げられる。
【0034】
レーヨンは、その中で置換基が水酸基の水素の15%以下を置換している、再生セルロースから構成される人造繊維である。
【0035】
ポリエステルは、少なくとも85重量%の芳香族ジカルボン酸エステルから構成されるあらゆる長鎖合成ポリマーである物質から形成される合成繊維である。適切な芳香族カルボン酸としては、置換されたテレフタル酸単位p(−R−O−CO−C−CO−O−)およびパラ置換されたヒドロキシ安息香酸単位p(−R−O−CO−C−O−)が挙げられるが、これに限定されるものではない。1つの一般的なポリエステル繊維は、ポリ(エチレンテレフタレート)(「PET」としても知られている)である。
【0036】
ハロゲン含有ポリマーとしては、ハロゲン含有モノマーのホモポリマーが挙げられる。これらのモノマーとしては、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、および臭化ビニリデンが挙げられる。その他のハロゲン含有ポリマーとしては、2つ以上のこれらのモノマーの共重合体が挙げられる。さらにこの種の繊維としては、ハロゲン含有ビニルモノマーまたはハロゲン含有ビニリデンモノマー(アクリロニトリル−塩化ビニル、アクリロニトリル−塩化ビニリデン、アクリロニトリル−臭化ビニル、アクリロニトリル−塩化ビニル−塩化ビニリデン、アクリロニトリル−塩化ビニル−臭化ビニルおよびアクリロニトリル−塩化ビニリデン−臭化ビニルなど)のホモポリマーから作られるものが挙げられる。その他の組成物としては、少なくとも1つのハロゲン含有ビニルモノマーおよびハロゲン含有ビニリデンモノマーおよびアクリロニトリルの共重合体;ハロゲン含有ビニルモノマーまたはハロゲン含有ビニリデンモノマー(塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニルまたは臭化ビニリデンなど)のホモポリマー、または少なくとも1つのこれらのハロゲン含有ビニルモノマーと、それと共に共重合性のハロゲン含有ビニリデンモノマー、アクリロニトリルおよびビニルモノマー、またはビニリデンモノマーとの共重合体;アクリロニトリルホモポリマーをハロゲン含有化合物に付加重合して得られるポリマー;およびハロゲン含有ポリエステルとが挙げられる。ハロゲン含有繊維としては、テトラフルオロエチレンのペルフルオロ共重合体で被覆された、テトラフルオロエチレンまたはポリテトラフルオロエチレン繊維のペルフルオロ共重合体である、ポリテトラフルオロエチレンが挙げられる。
【0037】
難燃性繊維およびそれらの調製については、当業者によく知られている。本発明のいくつかの好ましい実施態様では、24を超える限界酸素指数(LOI)を有するように処理されている本質的に引火性の繊維が使用される。これらの材料は、このような繊維を製造するために利用できるあらゆる手段によって処理できる。
【0038】
適切な難燃剤としては、ハロゲンベースまたはリンベースの難燃剤、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、アンチモン酸ナトリウム、金属アンチモン、三塩化アンチモン、五塩化アンチモン、三硫化アンチモン、五硫化アンチモン、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウムまたは酸化ジルコニウムが挙げられる。これらは従来の量で使用してもよい。
【0039】
硬質棒状ポリピリドイミダゾールポリマーを作成する一方法は、シッケマ(Sikkema)らに付与された米国特許第5,674,969号明細書で詳細に開示される。ポリピリドイミダゾールポリマーは、乾燥成分とポリリン酸(PPA)溶液とのミックスを反応させて作成してもよい。乾燥成分は、ピリドビスイミダゾール形成モノマーおよび金属粉末を含んでなってもよい。本発明の布帛で使用される硬質棒状繊維を作成するのに使用されるポリピリドビスイミダゾールポリマーは、少なくとも25、好ましくは少なくとも100個の繰り返し単位を有するべきである。本発明で有用なポリピリドビスイミダゾール繊維は、少なくとも20dl/gの固有粘度を有する。特定の繊維は、少なくとも25dl/gまたは少なくとも28dl/gの固有粘度を有する。
【0040】
本発明の目的では、ポリピリドイミダゾールポリマーの相対分子量は、ポリマー生成物をメタンスルホン酸などの適切な溶剤で0.05g/dlのポリマー濃度に希釈して、30℃で1つまたはそれ以上の希釈溶液粘度値を測定して、適切に特性決定される。本発明のポリピリドイミダゾールポリマーの分子量の進展は、1つまたはそれ以上の希釈溶液粘度測定によって、適切にモニターされ、またそれと相関性がある。したがって相対粘度(「Vrel」または「ηrel」または「nrel」および固有粘度(「Vinh」または「ηinh」または「ninh」)の希釈溶液測定が、典型的にポリマー分子量をモニタリングするために使用される。希釈ポリマー溶液の相対粘度および固有粘度は、次の表現で記述される。
inh=ln(Vrel)/C
式中、lnは自然対数関数であり、Cはポリマー溶液の濃度である。Vrelはポリマー溶液粘度と、ポリマーを含まない溶剤粘度との単位のない比率であるので、Vinhは濃度の逆数の単位で典型的にグラムあたりデシリットル(「dl/g」)として表現される。したがって本発明の特定の態様ではポリピリドイミダゾールポリマーが生成され、それはメタンスルホン酸中のポリマー濃度0.05g/dlで、30℃において少なくとも約20dl/gの固有粘度を有するポリマー溶液を提供するとして特徴づけられる。ここで開示される本発明から得られるより高分子量のポリマーは、粘稠なポリマー溶液を生じるので、妥当な時間内に固有粘度を測定するためには、メタンスルホン酸中で約0.05g/dlのポリマー濃度が有用である。
【0041】
本発明で有用な例示的なピリドビスイミダゾール形成モノマーとしては、2,3,5,6−テトラアミノピリジンと、テレフタル酸、ビス−(4−安息香酸)、オキシ−ビス−(4−安息香酸)、2,5−ジヒドロキシテレフタル酸、イソフタル酸、2,5−ピリドジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,6−キノリンジカルボン酸、またはそのあらゆる組み合わせをはじめとする多様な酸とが挙げられる。好ましくはピリドビスイミダゾール形成モノマーとしては、2,3,5,6−テトラアミノピリジンおよび2,5−ジヒドロキシテレフタル酸が挙げられる。特定の実施態様では、ピリドイミダゾール形成モノマーがリン酸化されていることが好ましい。好ましくはリン酸化ピリドイミダゾール形成モノマーは、ポリリン酸および金属触媒存在下で重合される。
【0042】
金属粉末を用いて、最終ポリマーの分子量を高めるのを助けることができる。金属粉末としては、典型的に鉄粉末、スズ粉末、バナジウム粉末、クロム粉末、およびそれらのあらゆる組み合わせが挙げられる。
【0043】
ピリドビスイミダゾール形成モノマーおよび金属粉末は混合され、次に混合物をポリリン酸と反応させてポリピリドイミダゾール溶液を形成する。所望ならば追加的ポリリン酸がポリマー溶液に添加できる。ポリマー溶液は、典型的にダイまたは吐糸管を通して押出しまたは紡績されて、フィラメントが調製または紡績される。
【0044】
本発明はまた、20dl/gを超える固有粘度および120GPa(820gpd)を超える引張り弾性率を有する55〜95重量部のポリピリドビスイミダゾール繊維と、10GPa(70gpd)未満の引張り弾性率を有する5〜45重量部の可撓性繊維との均質混合物を含んでなるステープルファイバー糸を製織するステップを含んでなる、布帛の製造方法にも関する。いくつかの実施態様では、ポリピリドビスイミダゾール繊維は60〜80重量部で存在する。いくつかの好ましい実施態様では、ポリピリドビスイミダゾール繊維はポリ[2,6−ジイミダゾ[4,5−b:4,5−e]−ピリジニレン−1,4(2,5−ジヒドロキシ)フェニレン)繊維である。
【0045】
本発明の別の実施態様は、20dl/gを超える固有粘度および120GPa(820gpd)を超える引張り弾性率を有する55〜95重量部のポリピリドビスイミダゾール繊維と、10GPa(70gpd)未満の引張り弾性率を有する5〜45重量部の可撓性繊維とのステープルファイバーの均質混合物から形成するステップを含んでなる、布帛の製造方法である。いくつかの実施態様では、ポリピリドビスイミダゾール繊維は60〜80重量部で存在する。いくつかの好ましい実施態様では、ポリピリドビスイミダゾール繊維はポリ[2,6−ジイミダゾ[4,5−b:4,5−e]−ピリジニレン−1,4(2,5−ジヒドロキシ)フェニレン)繊維である。
【0046】
「均質混合物」とは、高い弾性率のステープルファイバーおよび低い弾性率のステープルファイバーが比較的均一な繊維混合物を形成することを意味する。所望ならば、この比較的均一なステープルファイバー混合物中で、その他のステープルファイバーを組み合わせることができる。配合は、いくつかの連続フィラメントボビンをクリールして同時に2つ以上のタイプのフィラメントを切断し、切断ステープルファイバーの配合物を形成する工程、または異なるステープルファイバーのベールを開けて、次に様々な繊維を開綿機、配合機、および梳綿機内で開綿および配合することを伴う工程、または梳綿機内で繊維混合物の篠綿を形成するような、様々なステープルファイバーの篠綿を形成して、次にそれをさらに処理して混合物を形成する工程をはじめとする、技術分野で知られているいくつものやり方によって達成できる。配合物全体を通じて様々なタイプの異なる繊維が比較的均一に分布しさえすれば、均質な繊維配合物を作るその他の工程も可能である。糸が配合物から形成されるならば、糸はまた比較的均一なステープルファイバー混合物を有する。一般に最も好ましい実施態様では、ステープルファイバーの開口不良に起因する、繊維の結び目またはスラブおよびその他の重欠点が最終布帛品質を損なう量で存在しないように、個々のステープルファイバーは、繊維工程で有用な布帛を作るのに標準的な程度に開口または分離する。
【0047】
本発明の布帛は、防護物品および衣類、特に消防士に有用な出動服として知られている衣類をはじめとする物品中で有用であり、その中に組み込むことができ、衣類はまた、火災および火炎防護が必要な不快で機械的に過酷な環境に労働者が曝されるかもしれない場合の工業的応用における用途も有する。衣類としては、コート、つなぎ服、ジャケット、ズボン、スリーブ、エプロン、そして火災と火炎と熱に対する防護が必要な場合のその他の服飾品タイプが挙げられる。
【0048】
試験法
熱防護性能試験(TPP)
「熱防護性能試験」NFPA 2112(「TPP」と称される)を使用して、熱および火炎中の布帛の予測防護性能を測定する。水平位置に取り付けられた布帛切片に、規定の熱流束(典型的に84kW/m)で火炎を向ける。試験は、布帛と熱センサーの間に空隙なしで、銅スラグ熱量計を使用して、熱源から検体を通して伝達される熱エネルギーを測定する。試験終点は、シュトール(Stoll)およびキアンタ(Chianta)、Transactions New York Academy Science、1971年、33、649頁で開発された単純化モデルを使用して、予測された第二度皮膚熱傷に達する所要時間によって特性決定される。TPP値として示される、この試験で検体に割り当てられる値は、終点に達するのに必要な総熱エネルギー、または予測された熱傷に至る直接的熱源曝露時間を入射熱流束で乗じたものである。より高いTPP値は、より良い断熱性能を示す。
【0049】
耐摩耗性試験
耐摩耗性は、ASTM法D3884−80を使用して、郵便番号14120ニューヨーク州ノーストナワンダ市ブライアント通り455番地のテレダイン・テーバー(Teledyne Taber(455 Bryant St.,North Tonawanda,N.Y.14120))から入手できるH−18ホイール・テーバー(Taber)耐摩耗試験機上の500gm負荷によって、判定される。テーバー(Taber)耐摩耗性は破損までのサイクルとして報告される。
【0050】
掴み強度試験
布帛またはその他のシート材料の破断強度および伸びの判定である掴み強度の測定は、ASTM D5034に基づく。100mm(4.0インチ)幅の検体を引張り試験機のクランプ内に中央に取り付けて、検体が破損するまで加力する。試験w検体の破断荷重および伸び値は、試験機の秤、または試験機のインターフェースであるコンピューターから得る。
【0051】
引裂き強度試験
引裂き強度測定(「TRAP引裂き」とも称される)は、ASTM D5587−96に基づく。この試験法は、記録定速伸長タイプ(CRE)の引張り試験機を使用したトラペゾイド手順によって、テキスタイル布帛の引裂き強度測定をカバーする。この試験法で測定されるような引裂き強度は、試験前に引裂きを開始する必要がある。引裂きを開始するために、検体を台形の最少底辺の中央で細長く切る。印のついた台形の非平行辺を引張り試験機の平行するジョー内にクランプする。ジョーの離隔距離を連続的に増大し、加力して検体全体に引裂きを広める。同時に発生した力を記録する。引裂きを継続する力は、自動チャート記録器またはマイクロプロセッサデータ収集システムから計算される。台形引裂き強度について、単一ピーク力、および5つの最高ピーク力の平均の2つの計算が提供される。この特許の実施例では単一ピーク力が使用される。
【0052】
垂直火炎試験
垂直火炎試験は、ASTM D6143で述べられるようにして実施する。試験に準じて布帛切片を垂直に取り付けて、その下縁に12秒間にわたり規定の火炎をあてる。火炎曝露に対する布帛の反応を記録する。燃焼または炭化した布帛の長さを測定する。残炎(すなわち試験火炎を除去した後の布帛切片の持続的燃焼)および残光(試験火炎を除去した後の布帛切片のくすぶりによって特徴づけられる)時間もまた測定する。さらに布帛切片からの融解および滴下についての観察を記録する。この方法に基づく合格/不合格規格が、作業服、消防服および難燃性消防署作業着、および軍服について確立される。布帛が、標準的な工業界の耐火性の概念である、火炎への12秒間曝露後に6インチ未満の炭化長を有すれば、耐火性と見なすことができる。
【0053】
アーク熱的性能試験
本発明の布帛アーク抵抗性は、ASTM F−1959−99「衣類材料のアーク熱的性能値を判定するための標準試験法」に従って判定される。試験法は、アークからの熱エネルギーに材料が曝露した際に第二度熱傷が予測される入射エネルギーを判定する。この手順中に、材料によってアークへの曝露中およびその後に伝達される熱エネルギーの量を測定する。曝露の熱流束および試験検体によって伝達されるものの双方を熱量計で測定する。熱量計温度が増大する速度は、受けた熱エネルギーの直接測定である。シュトール(Stoll)曲線を使用して、第二度熱傷の発症を熱伝達データを使用して予測する。次にアーク評価を判定する。
【0054】
次の実施例によって本発明を例示するが、制限は意図されない。
【実施例】
【0055】
実施例1
FRレーヨンステープルファイバーとポリピリドビスイミダゾールステープルファイバーとの均質混合物の縦および横リング精紡糸の双方を有する、熱防護性で耐久性のある布帛を調製する。FRレーヨンは、オーストリアのレンチング・ファイバーズ(Lenzing Fibers(Austria))から登録商標レンチング(Lenzing)FR(登録商標)の下に入手できる、リン化合物を含有するセルロース繊維であり、10GPa(70gpd)未満で約0.5gpdであると考えられる引張り弾性率を有する。ポリピリドビスイミダゾールステープルファイバーはPIPDポリマーから作られ、登録商標M5(登録商標)繊維の下にマジェラン・システムズ・インターナショナル(Magellan Systems International)によって市販され、約1400gpdの引張り弾性率を有する。
【0056】
60重量%のポリピリドビスイミダゾールと40重量%のFRレーヨン繊維とのピッカー配合物シルバー(picker blend sliver)を調製して、従来の綿系機器で処理し、次にリング精紡機を使用して、4.0の撚り係数と約21テックス(28番手)の糸繊度を有する紡績ステープル糸に紡ぐ。次に2本の単糸を撚り合わせ機上で撚り合わせて双糸を作成する。同様の工程および同一の撚りおよび配合比率を使用して、横糸として使用するための24テックス(24番手)糸を作成する。前と同じように、次にこれらの単糸の2本を撚り合わせて双糸を形成する。
【0057】
次にFRレーヨン/ポリピリドビスイミダゾール混紡糸を縦糸および横糸として使用して有梭織機上で織布し、2×1綾織、および1cmあたり26末端×17ピック(1インチあたり72末端×52ピック)の構造、および約200g/m(6oz/yd)の基本重量を有する生機布帛を作成する。次に上述のように調製した生機綾織布帛を熱水中で磨き上げて、低張力下で乾燥させる。次に塩基性染料を使用して磨き上げた布帛をジェット染色する。完成布帛は約215g/m(6.5oz/yd)の基本重量を有し、垂直火炎中のNFPA2112性能要件を満たす適切な難燃特性を有する。
【0058】
次に、布帛をパターンに従った布帛形状に切断して付形物を縫い合わせ、産業で防護服として使用するための防護カバーオールを形成し、完成布帛を防護物品および衣類に作成する。同様に、布帛を布帛形状に切断して付形物を縫い合わせ、防護シャツおよび防護ズボンを含んでなる防護服の組み合わせを形成する。所望ならば布帛を切断して縫い合わせ、フード、スリーブ、およびエプロンなどのその他の防護服構成要素を形成する。
【0059】
実施例2
モダクリルステープルファイバー、ポリピリドビスイミダゾールステープルファイバー、および帯電防止ステープルファイバーの均質混合物のリング精紡糸の縦糸および横糸の双方を有する、熱防護および耐久性のある布帛を調製する。モダクリルステープルファイバーは、アクリロニトリル/ポリ塩化ビニリデンコポリマーから作られ、(カネカから入手できる)登録商標プロテックス(Protex)(登録商標)Cの下に知られており、約40gpdの引張り弾性率を有する。ポリピリドビスイミダゾール繊維はPIPDポリマーから作られ、登録商標M5(登録商標)繊維の下にマジェラン・システムズ・インターナショナル(Magellan Systems International)によって市販され、約1400gpdの引張り弾性率を有する。帯電防止ステープルファイバーはナイロンシースおよび炭素コアを有して、インビスタ(Invista)から入手できP−140ナイロン繊維として知られている。
【0060】
70重量%のポリピリドビスイミダゾール、27%のモダクリル、および3重量%の帯電防止繊維のピッカー配合物シルバー(picker blend sliver)を調製して、従来の綿系機器で処理し、リング精紡機を使用して、4.0の撚り係数と約21テックス(28番手)の糸繊度を有する紡績ステープル糸に紡ぐ。次に2本の単糸を撚り合わせ機上で撚り合わせて双糸を作成する。同様の工程および同一の撚りおよび配合比率を使用して、横糸として使用するための24テックス(24番手)糸を作成する。前と同じように、これらの単糸の2本を撚り合わせて双糸を形成する。
【0061】
次にモダクリル/ポリピリドビスイミダゾール/帯電防止糸を縦糸および横糸として使用して有梭織機上で織布し、2×1綾織、および1cmあたり26末端×17ピック(1インチあたり72末端×52ピック)の構造、および約200g/m(6oz/yd)の基本重量を有する生機布帛を作成する。次に生機綾織布帛を熱水中で磨き上げて、低張力下で乾燥させる。次に塩基性染料を使用して磨き上げた布帛をジェット染色する。完成布帛は約215g/m(6.5oz/yd)の基本重量を有し、垂直火炎中のNFPA2112性能要件を満たす適切な難燃特性を有する。
【0062】
次に、布帛をパターンに従った布帛形状に切断して付形物を縫い合わせ、産業で防護服として使用するための防護カバーオールを形成し、完成布帛を防護物品および衣類を作る。同様に、布帛を布帛形状に切断して付形物を縫い合わせ、防護シャツおよび防護ズボンを含んでなる防護服の組み合わせを形成する。所望ならば布帛を切断して縫い合わせ、フード、スリーブ、およびエプロンなどのその他の防護服構成要素を形成する。
【0063】
ここで開示される全ての特許および刊行物は、その全体を参照によって援用する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
20dl/gを超える固有粘度および120GPa(820gpd)を超える引張り弾性率を有する55〜95重量部のポリピリドビスイミダゾール繊維と、
10GPa(70gpd)未満の引張り弾性率を有する5〜45重量部の可撓性繊維と
を含んでなる、ステープルファイバーの均質混合物を含んでなる服飾品および被服で有用な布帛。
【請求項2】
60〜80重量部のポリピリドビスイミダゾール繊維を含んでなる請求項1に記載の布帛。
【請求項3】
可撓性繊維が24を超える限界酸素指数を有する請求項1に記載の布帛。
【請求項4】
可撓性繊維がアラミドポリマーまたはポリビベンゾイミダゾールポリマーから作られる請求項3に記載の布帛。
【請求項5】
可撓性繊維が難燃性化学処理剤を含む請求項1に記載の布帛。
【請求項6】
可撓性繊維が熱可塑性ポリマーから作られる請求項5に記載の布帛。
【請求項7】
可撓性繊維が天然繊維である請求項5に記載の布帛。
【請求項8】
ポリピリドビスイミダゾール繊維が25dl/gを超える固有粘度を有する請求項1に記載の布帛。
【請求項9】
ポリピリドビスイミダゾール繊維が28dl/gを超える固有粘度を有する請求項1に記載の布帛。
【請求項10】
ポリピリドビスイミダゾール繊維がポリ[2,6−ジイミダゾ[4,5−b:4,5−e]−ピリジニレン−1,4(2,5−ジヒドロキシ)フェニレン)繊維である請求項1に記載の布帛。
【請求項11】
織布の形態である請求項1に記載の布帛。
【請求項12】
不織布の形態である請求項1に記載の布帛。
【請求項13】
請求項3に記載の耐炎性布帛を含んでなる防護物品または被服。
【請求項14】
請求項5に記載の耐炎性布帛を含んでなる防護物品または被服。
【請求項15】
20dl/gを超える固有粘度および120GPa(820gpd)を超える引張り弾性率を有する55〜95重量部のポリピリドビスイミダゾール繊維と、
10GPa(70gpd)未満の引張り弾性率を有する5〜45重量部の可撓性繊維と
の均質混合物を含んでなるステープルファイバー糸を製織するステップを含んでなる布帛の製造方法。
【請求項16】
ポリピリドビスイミダゾール繊維が60〜80重量部で存在する請求項14に記載の方法。
【請求項17】
ポリピリドビスイミダゾール繊維がポリ[2,6−ジイミダゾ[4,5−b:4,5−e]−ピリジニレン−1,4(2,5−ジヒドロキシ)フェニレン)繊維である請求項14に記載の方法。
【請求項18】
20dl/gを超える固有粘度および120GPa(820gpd)を超える引張り弾性率を有する55〜95重量部のポリピリドビスイミダゾール繊維と、
10GPa(70gpd)未満の引張り弾性率を有する5〜45重量部の可撓性繊維と
のステープルファイバーの均質混合物から形成するステップを含んでなる布帛の製造方法。
【請求項19】
ポリピリドビスイミダゾール繊維が60〜80重量部で存在する請求項17に記載の方法。
【請求項20】
ポリピリドビスイミダゾール繊維がポリ[2,6−ジイミダゾ[4,5−b:4,5−e]−ピリジニレン−1,4(2,5−ジヒドロキシ)フェニレン)繊維である請求項17に記載の方法。

【公表番号】特表2009−520128(P2009−520128A)
【公表日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−545945(P2008−545945)
【出願日】平成18年12月13日(2006.12.13)
【国際出願番号】PCT/US2006/061962
【国際公開番号】WO2007/070813
【国際公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】